JP6910931B2 - 偏光フィルム及び偏光性積層フィルムの製造方法 - Google Patents
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〔1〕 ポリビニルアルコール系樹脂層にヨウ素が配向している偏光フィルムであって、
ホウ素含有率が2.5重量%以上4.1重量%以下であり、
視感度補正単体透過率(Ty)が40.5%超であり、
波長475nmにおける平行吸光度/直交吸光度で表される比が0.022未満である、偏光フィルム。
〔2〕 80℃で4時間保持したときにおける吸収軸方向の幅2mm、厚み5μmあたりの収縮力が1.77N/5μm未満である、〔1〕に記載の偏光フィルム。
〔3〕 厚さが10μm以下である、〔1〕又は〔2〕に記載の偏光フィルム。
〔4〕 〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の偏光フィルムの少なくとも一方の面に保護フィルムを有する偏光板。
〔5〕 基材フィルムの少なくとも一方の面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る樹脂層形成工程と、
前記積層フィルムを延伸して延伸フィルムを得る延伸工程と、
前記延伸フィルムの前記ポリビニルアルコール系樹脂層をヨウ素で染色して染色層を形成することにより染色積層フィルムを得る染色工程と、
ホウ酸を含む架橋液で前記染色積層フィルムの前記染色層を架橋して架橋層を形成することにより架橋積層フィルムを得る架橋工程と、
前記架橋積層フィルムの前記架橋層に含まれるホウ素含有率を低下させて偏光子層を形成することにより偏光性積層フィルムを得る脱ホウ素工程と、をこの順に有し、
前記脱ホウ素工程は、前記架橋層と脱ホウ素液とが接触する脱ホウ素液接触工程を有し、前記脱ホウ素液は、前記架橋液のホウ酸濃度よりも低いホウ酸濃度を有し、
前記脱ホウ素液接触工程では、前記架橋積層フィルムに加えられる張力の大きさを、前記架橋工程において前記染色層積層フィルムに加えられる張力の大きさよりも小さくなるように制御する、偏光性積層フィルムの製造方法。
〔6〕 〔5〕に記載の製造方法により偏光性積層フィルムを製造する工程と、
前記偏光子層における前記基材フィルムとは反対側の面に保護フィルムを貼合する工程と、
前記基材フィルムを剥離除去する工程と、
をこの順で含む、偏光板の製造方法。
偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂層にヨウ素が配向しているものであって、例えば、後述する偏光性積層フィルムの偏光子層として得ることができる。偏光フィルムは、ホウ素含有率が2.5重量%以上4.1重量%以下であり、視感度補正単体透過率(Ty)が40.5%超であり、波長475nmにおける平行吸光度/直交吸光度で表される比が0.022未満であることができる。偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂層が延伸された延伸フィルムであり、この延伸は好ましくは一軸延伸である。
収縮力[N/5μm]=(偏光フィルムの実測収縮力[N])/(偏光フィルムの厚み(実測値)[μm])×5
偏光フィルムは、その少なくとも一方の面に保護フィルムを設けて偏光板とすることができる。偏光板は、偏光フィルムの片面に保護フィルムを設けた片面保護フィルム付偏光板とすることもでき、偏光フィルムの両面に保護フィルムを設けた両面保護フィルム付偏光板としてもよい。両面保護フィルム付偏光板の2つの保護フィルムは、同種の保護フィルムであってもよく、異種の保護フィルムであってもよい。
片面保護フィルム付偏光板、両面保護フィルム付偏光板は、周辺部材を貼合して複合偏光板としたり、このような複合偏光板として使用したりすることができる。周辺部材としては、保護フィルム上に貼合される傷付き防止用のプロテクトフィルム;保護フィルム上(例えば、両面保護フィルム付偏光板の場合)又は偏光子層上(例えば、片面保護フィルム付偏光板の場合)に積層される、偏光板を表示セルや他の光学部材に貼合するための粘着剤層;粘着剤層の外面に積層されるセパレートフィルム;保護フィルム上(例えば、両面保護フィルム付偏光板の場合)又は偏光子層上(例えば、片面保護フィルム付偏光板の場合)に積層される、位相差フィルムのような光学補償フィルムや、その他の光学機能性フィルムが挙げられる。
図1を参照して、偏光板の製造中間体である偏光性積層フィルムは、下記工程:
基材フィルムの少なくとも一方の面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る樹脂層形成工程S10、
前記積層フィルムを延伸して延伸フィルムを得る延伸工程S20、
前記延伸フィルムの前記ポリビニルアルコール系樹脂層をヨウ素で染色して染色層を形成することにより染色積層フィルムを得る染色工程S30、
ホウ酸を含む架橋液で前記染色積層フィルムの前記染色層を架橋して架橋層を形成することにより架橋積層フィルムを得る架橋工程S40と、
前記架橋積層フィルムの前記架橋層に含まれるホウ素含有率を低下させて偏光子層を形成することにより偏光性積層フィルムを得る脱ホウ素工程S50と、
をこの順に含む方法によって製造される。
図2を参照して本工程は、基材フィルム30の少なくとも一方の面にポリビニルアルコール系樹脂層6を形成して積層フィルム100を得る工程である。このポリビニルアルコール系樹脂層6は、延伸工程S20、染色工程S30、架橋工程S40、脱ホウ素工程S50を経て偏光子層5となる層である。ポリビニルアルコール系樹脂層6は、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液を基材フィルム30の片面又は両面に塗工し、塗工層を乾燥させることにより形成することができる。このような塗工によりポリビニルアルコール系樹脂層6を形成する方法は、薄膜の偏光子層5を得やすい点で有利である。樹脂層形成工程S10は、典型的には、長尺の基材フィルム30の巻回し品であるフィルムロールから基材フィルム30を連続的に巻出し、これを搬送させながら連続的に行うことができる。フィルム搬送はガイドロール等を用いて行うことができる。
基材フィルム30は熱可塑性樹脂から構成することができ、中でも透明性、機械的強度、熱安定性、延伸性等に優れる熱可塑性樹脂から構成することが好ましい。このような熱可塑性樹脂の具体例は、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;ポリエステル系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;セルローストリアセテート、セルロースジアセテートのようなセルロースエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;ポリスルホン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;及びこれらの混合物、共重合物等を含む。
基材フィルム30に塗工する塗工液は、好ましくはポリビニルアルコール系樹脂の粉末を良溶媒(例えば水)に溶解させて得られるポリビニルアルコール系樹脂溶液である。ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂は、例えば、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体が例示される。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類等が挙げられる。
ケン化度(モル%)=100×(水酸基の数)÷(水酸基の数+酢酸基の数)
で定義される。ケン化度は、JIS K 6726−1994に準拠して求めることができる。ケン化度が高いほど、水酸基の割合が高いことを示しており、したがって結晶化を阻害する酢酸基の割合が低いことを示している。
図3を参照して本工程は、積層フィルム100を延伸して、延伸された基材フィルム30’及びポリビニルアルコール系樹脂層6’からなる延伸フィルム200を得る工程である。延伸は通常、一軸延伸である。延伸工程S20は、典型的には、長尺の積層フィルム100を搬送させながら、又は、長尺の積層フィルム100の巻回し品であるフィルムロールから積層フィルム100を連続的に巻出し、これを搬送させながら連続的に行うことができる。フィルム搬送はガイドロール等を用いて行うことができる。
本工程は、延伸フィルム200のポリビニルアルコール系樹脂層6’を二色性色素であるヨウ素で染色してこれを吸着配向させて染色層を形成し、基材フィルム30’及び染色層からなる染色積層フィルムを得る工程である。染色工程S30は、典型的には、長尺の延伸フィルム200を搬送させながら、又は、長尺の延伸フィルム200の巻回し品であるフィルムロールから延伸フィルム200を連続的に巻出し、これを搬送させながら連続的に行うことができる。フィルム搬送はガイドロール等を用いて行うことができる。
本工程は、染色積層フィルムの染色層を架橋して架橋層を形成し、基材フィルム30’及び架橋層からなる架橋積層フィルムを得る工程である。架橋工程は、少なくともホウ酸を含む架橋剤を含有する架橋液に染色積層フィルムを浸漬することにより行うことができる。架橋工程S40は、典型的には、長尺の染色積層フィルムを搬送させながら、又は、長尺の染色積層フィルムの巻回し品であるフィルムロールから染色積層フィルムを連続的に巻出し、これを搬送させながら連続的に行うことができる。フィルム搬送はガイドロール等を用いて行うことができる。
図4を参照して、本工程は、架橋積層フィルムの架橋層に含まれるホウ素含有率を低下させて偏光子層5を形成することにより、基材フィルム30’及び偏光子層5からなる偏光性積層フィルム300を得る工程である。脱ホウ素工程S50は、典型的には、長尺の架橋積層フィルムを搬送させながら、又は、長尺の架橋積層フィルムの巻回し品であるフィルムロールから架橋積層フィルムを連続的に巻出し、これを搬送させながら連続的に行うことができる。フィルム搬送はガイドロール等を用いて行うことができる。
図1を参照して、本発明に係る偏光板の製造方法は、下記工程:
上述の方法により製造された偏光性積層フィルムの偏光子層における基材フィルムとは反対側の面に第1保護フィルムを貼合する第1保護フィルム貼合工程S60、
基材フィルムを剥離除去する剥離工程S70、
をこの順で含む。
図5を参照して本工程は、偏光性積層フィルム300における基材フィルム30’側の面とは反対側の面(すなわち偏光子層5上)に第1保護フィルム10を貼合して多層フィルム400を得る工程である。第1保護フィルム10は、上述した偏光板が有する保護フィルムに対応する。第1保護フィルム貼合工程S60は、典型的には、長尺の偏光性積層フィルム300を搬送させながら、又は、長尺の偏光性積層フィルム300の巻回し品であるフィルムロールから偏光性積層フィルム300を連続的に巻出し、これを搬送させながら連続的に行うことができる。フィルム搬送はガイドロール等を用いて行うことができる。
第1保護フィルムを構成する材料は、透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂であることが好ましく、このような樹脂として、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;セルローストリアセテート、セルロースジアセテートのようなセルロースエステル系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;又はこれらの混合物、共重合物等を挙げることができる。これら熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば上記した基材フィルム30を構成する熱可塑性樹脂で説明したものが挙げられる。
図6を参照して本工程は、多層フィルム400から基材フィルム30’を剥離除去して偏光板(片面保護フィルム付偏光板1)を得る工程である。偏光性積層フィルム300が基材フィルム30’の両面に偏光子層5を有し、これら両方の偏光子層5に第1保護フィルム10を貼合した場合には、この剥離工程S70により、1枚の偏光性積層フィルム300から2枚の片面保護フィルム付偏光板1が得られる。剥離工程S70は、典型的には、長尺の多層フィルム400を搬送させながら、又は、長尺の多層フィルム400の巻回し品であるフィルムロールから多層フィルム400を連続的に巻出し、これを搬送させながら連続的に行うことができる。フィルム搬送はガイドロール等を用いて行うことができる。
図7を参照して本工程は、片面保護フィルム付偏光板1における偏光子層5上に第2保護フィルム20を貼合して両面保護フィルム付偏光板2を得る、任意の工程である。第2保護フィルム貼合工程S80は、典型的には、長尺の片面保護フィルム付偏光板1を搬送させながら、又は、長尺の片面保護フィルム付偏光板1の巻回し品であるフィルムロールから片面保護フィルム付偏光板1を連続的に巻出し、これを搬送させながら連続的に行うことができる。フィルム搬送はガイドロール等を用いて行うことができる。
各偏光性積層フィルムについて、積分球付き分光光度計(日本分光(株)製の「V7100」)を用いて波長380〜780nmの範囲における平行透過率と直交透過率を測定し、下記式:
単体透過率(%)=(平行透過率+直交透過率)/2
偏光度(%)={(平行透過率−直交透過率)/(平行透過率+直交透過率)}×100
に基づいて各波長における単体透過率及び偏光度を算出した。測定に当たっては、偏光性積層フィルムの偏光子層となる側から光が入射するようにし、偏光性積層フィルムの基材フィルム側をディテクター側とした。なお、基材フィルムは十分に透明であるため、偏光性積層フィルムで測定された光学特性と、偏光性積層フィルムの偏光子層(偏光フィルム)のみを測定したときの光学特性との間に差異はなく、偏光性積層フィルムで測定された光学特性の値は、偏光子層(偏光フィルム)のみについて光学特性を測定した場合の値といえるものである。
上述のようにして測定した波長475nmにおける平行透過率及び直交透過率を、下記式:
吸光度=−log10(T/T0)
に基づいて、それぞれ平行吸光度及び直交吸光度に換算した。上記式中、T0は、偏光性積層フィルムに入射させるグラントムソンプリズムから出る波長475nmの偏光の光強度であり、Tは、波長475nmにおける平行透過率又は直交透過率である。
偏光性積層フィルムから基材フィルムを剥離除去して得られた偏光子層(偏光フィルム)0.2gを温度95℃の熱水100mLに60分間浸漬して完全に溶解させた後、マンニトール水溶液(12.5重量%)を30g加えて測定用サンプル溶液とした。この測定用サンプル溶液が中和点を迎えるまで、水酸化ナトリウム水溶液(1mol/L)を滴下し、その滴下量からポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のホウ素含有率(重量%)を、下記式:
ホウ素含有率(重量%)=1.08×水酸化ナトリウム水溶液滴下量(mL)/偏光フィルムの重量(g)
から算出した。同様の手順で、脱ホウ素工程前の架橋積層フィルムから基材フィルムを剥離除去して得られた架橋層について、ホウ素含有率を算出して、脱ホウ素工程の前後でのホウ素含有率の変化について確認した。
偏光性積層フィルムから、吸収軸方向(延伸方向)を長辺とする幅2mm、長さ8mmの試料を切り出し、基材フィルムを剥離除去して偏光子層(偏光フィルム)の測定用試料を得、測定用試料の厚みを接触式膜厚計(商品名“DIGIMICRO MH−15M”株式会社ニコン製)測定した。この測定用試料を熱機械分析装置(Thermo-Mechanical Analyzer:TMA)「EXSTAR−6000」(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製)にセットし、寸法を一定に保持したまま、80℃で240分間保持したときに発生する長辺方向(吸収軸方向、延伸方向)の収縮力(実測収縮力)を測定した。測定された実測収縮力を、実測された測定用試料の厚みで除した後、5μmを乗じて、幅2mm、厚み5μmあたりの収縮力[N/5μm]とした(下式)。
収縮力[N/5μm]=(偏光子層(偏光フィルム)の実測収縮力[N])/(偏光子層(偏光フィルム)の厚み(実測値)[μm])×5
(プライマー層形成工程)
ポリビニルアルコール粉末(日本合成化学工業(株)製の「Z−200」、平均重合度1100、ケン化度99.5モル%)を95℃の熱水に溶解し、濃度3重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液に架橋剤(田岡化学工業(株)製の「スミレーズレジン650」)をポリビニルアルコール粉末6重量部に対して5重量部の割合で混合して、プライマー層形成用塗工液を得た。
ポリビニルアルコール粉末((株)クラレ製の「PVA124」、平均重合度2400、ケン化度98.0〜99.0モル%)を95℃の熱水に溶解し、濃度7.5重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製し、これをポリビニルアルコール系樹脂層形成用塗工液とした。
上記積層フィルムに対し、連続的に搬送させながら、フローティングの縦一軸延伸装置を用いて、延伸時の最高温度150℃で5.3倍の自由端一軸延伸(空中延伸)を実施し、延伸フィルムを得た。延伸後のポリビニルアルコール系樹脂層の厚みは5μmであった。
上記延伸フィルムを連続的に搬送させながら、ヨウ素とヨウ化カリウムとを含む30℃の染色浴(水100重量部あたりヨウ素を0.35重量部、ヨウ化カリウムを5.0重量部含む)に滞留時間が約90秒間となるように連続的に浸漬してポリビニルアルコール系樹脂層の染色処理を行って、染色積層フィルムを得た。
上記染色積層フィルムを連続的に搬送させながら、ホウ酸を含む78℃の架橋液(水100重量部あたりホウ酸を10.4重量部含む)に、張力16N/cmで滞留時間が120秒間となるように連続的に浸漬して架橋処理を行って、架橋積層フィルムを得た。
次いで、上記架橋積層フィルムを連続的に搬送させながら、ホウ酸とヨウ化カリウムとを含む65℃の脱ホウ素液(水100重量部あたりホウ酸を2重量部、ヨウ化カリウムを6.0重量部含む)に、張力1N/cmで滞留時間が60秒間となるように連続的に浸漬して脱ホウ素処理を行った。その後、張力1N/cmで7℃の水に5秒間浸漬してさらに脱ホウ素処理を行い、エアブロワーを用いて両面に付着した液体を取り除き、温度60℃で乾燥させて、基材フィルム上に厚みが5μmの偏光子層を有する偏光性積層フィルムを得た。
脱ホウ素工程において、張力を5N/cmとした以外は実施例1と同様にして偏光性積層フィルムを得、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
脱ホウ素工程において、ホウ酸を5重量部とした以外は実施例1と同様にして偏光性積層フィルムを得、実施例1と同様に評価を行った。
脱ホウ素工程において、ホウ酸を5重量部、張力を5N/cmとした以外は実施例1と同様にして偏光性積層フィルムを得、実施例1と同様に評価を行った。
脱ホウ素工程において、ホウ酸を5重量部、張力を10N/cmとした以外は実施例1と同様にして偏光性積層フィルムを得、実施例1と同様に評価を行った。
脱ホウ素工程において、張力を16N/cmとした以外は実施例と同様にして偏光性積層フィルムを得、実施例1と同様に評価を行った。
脱ホウ素工程において、ホウ酸を3.5重量部、張力を16N/cmとした以外は実施例と同様にして偏光性積層フィルムを得、実施例1と同様に評価を行った。
脱ホウ素工程において、ホウ酸を5重量部、張力を16N/cmとした以外は実施例と同様にして偏光性積層フィルムを得、実施例1と同様に評価を行った。
Claims (3)
- 基材フィルムの少なくとも一方の面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る樹脂層形成工程と、
前記積層フィルムを延伸して延伸フィルムを得る延伸工程と、
前記延伸フィルムの前記ポリビニルアルコール系樹脂層をヨウ素で染色して染色層を形成することにより染色積層フィルムを得る染色工程と、
ホウ酸を含む架橋液で前記染色積層フィルムの前記染色層を架橋して架橋層を形成することにより架橋積層フィルムを得る架橋工程と、
前記架橋積層フィルムの前記架橋層に含まれるホウ素含有率を低下させて偏光子層を形成することにより偏光性積層フィルムを得る脱ホウ素工程と、をこの順に有し、
前記架橋液におけるホウ酸の含有量は、溶媒100重量部に対して5〜15重量部であり、
前記脱ホウ素工程では、前記架橋層と脱ホウ素液とが接触する脱ホウ素液接触工程を複数回行い、前記脱ホウ素液は、前記架橋液のホウ酸濃度よりも低いホウ酸濃度を有し、
前記脱ホウ素工程は、ホウ酸を含む脱ホウ素液を用いて前記脱ホウ素液接触工程を行う工程Aを含み、前記工程Aは前記脱ホウ素工程の最初の工程であり、前記工程Aで用いる前記ホウ酸を含む脱ホウ素液におけるホウ酸の含有量は、前記架橋液におけるホウ酸の含有量よりも、溶媒100重量部に対して5.4重量部〜8.4重量部低く、
前記脱ホウ素液接触工程では、前記架橋積層フィルムに加えられる張力の大きさを、前記架橋工程において前記染色積層フィルムに加えられる張力の大きさよりも小さくなるように制御し、
前記工程Aでは、前記架橋積層フィルムに加えられる張力の大きさを、前記架橋工程において前記染色積層フィルムに加えられる張力の大きさよりも、6N/cm〜15N/cm小さくなるように制御する、偏光性積層フィルムの製造方法。 - 前記脱ホウ素工程では、組成の異なる2種以上の脱ホウ素液を用いて前記脱ホウ素液接触工程を複数回行う、請求項1に記載の偏光性積層フィルムの製造方法。
- 請求項1又は2に記載の製造方法により偏光性積層フィルムを製造する工程と、
前記偏光子層における前記基材フィルムとは反対側の面に保護フィルムを貼合する工程と、
前記基材フィルムを剥離除去する工程と、
をこの順で含む、偏光板の製造方法。
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