JP2019051450A - シリカ含有水の処理装置および処理方法 - Google Patents

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【課題】シリカ含有水のシリカ処理において、マグネシウム化合物の使用量を削減することができる、シリカ含有水の処理装置および処理方法を提供する。【解決手段】シリカを含む被処理水に、マグネシウム化合物を添加するか、被処理水中に含まれるマグネシウムを利用してpH10以上でシリカを不溶化するための反応槽12と、得られた不溶化物を固液分離する沈殿槽16と、前記固液分離により分離した汚泥の少なくとも一部に酸を添加して、沈殿槽16の前段に返送する返送手段と、を備える、シリカ含有水の処理装置1である。【選択図】図1

Description

本発明は、シリカ含有水の処理装置および処理方法に関する。
近年では、工場等から排出される排水量をできる限り減らすことが行われており、逆浸透膜等を用いて排水を濃縮し、透過水を回収して排水を減容化する方法が取られている。水回収率はできる限り高める傾向にあり、中には、逆浸透膜の濃縮水をさらに逆浸透膜で処理したり、蒸発濃縮等の方法によって濃縮したりする方法が行われ、ほぼ全量を水回収し、不純物を固形化して排出するZLD(Zero Liquid Discharge)まで行われている工場等も増えている。
このように、逆浸透膜装置や蒸発濃縮装置での濃縮倍率を高くすると、その分、排水中の硬度成分、シリカ等によるスケーリングのリスクが高くなる。スケールが発生すると、逆浸透膜が閉塞して透過水量が減少したり、蒸発濃縮の伝熱面がスケールで覆われて伝熱効率が低下したりする。
そこで、逆浸透膜処理の前に排水中のシリカをできるだけ低減することが望ましい。シリカを含む排水を処理する方法として、特許文献1にあるように、アルカリ条件下でマグネシウム塩を添加して除去する方法が知られている。
このマグネシウム塩等のマグネシウム化合物を用いるシリカの除去方法では、マグネシウム塩の添加量がシリカ濃度の数倍〜十倍程度以上必要であり、薬品コストがかかる他、汚泥発生量が増大するという課題があった。また、被処理水中にマグネシウムが元々含まれる場合があるが、通常は被処理水中に元々含まれるマグネシウムだけではシリカを除去するに十分な量とはならないことがほとんどであり、この場合も別途マグネシウム化合物を添加する必要があり、薬品コストおよび汚泥発生量が増大するという同様の課題があった。
特開平4−367783号公報
本発明の目的は、シリカ含有水のシリカ処理において、マグネシウム化合物の使用量を削減することができる、シリカ含有水の処理装置および処理方法を提供することにある。
本発明は、シリカを含む被処理水に、マグネシウム化合物を添加するか、前記被処理水中に含まれるマグネシウムを利用してpH10以上でシリカを不溶化するための反応槽と、得られた不溶化物を固液分離する固液分離手段と、前記固液分離により分離した汚泥の少なくとも一部に酸を添加して、前記固液分離手段の前段に返送する返送手段と、を備える、シリカ含有水の処理装置である。
前記シリカ含有水の処理装置において、前記酸を添加して、前記分離した汚泥のpHを4〜9の範囲に調整することが好ましい。
前記シリカ含有水の処理装置において、前記固液分離手段の後段に、固液分離処理水を逆浸透膜に通水して透過水および濃縮水を得る逆浸透膜処理装置をさらに備えることが好ましい。
また、本発明は、シリカを含む被処理水に、マグネシウム化合物を添加するか、前記被処理水中に含まれるマグネシウムを利用してpH10以上でシリカを不溶化する不溶化工程と、得られた不溶化物を固液分離する固液分離工程と、前記固液分離により分離した汚泥の少なくとも一部に酸を添加して、前記固液分離工程の前段に返送する返送工程と、を含む、シリカ含有水の処理方法である。
前記シリカ含有水の処理方法において、前記酸を添加して、前記分離した汚泥のpHを4〜9の範囲に調整することが好ましい。
前記シリカ含有水の処理方法において、前記固液分離工程の後段に、固液分離処理水を逆浸透膜に通水して透過水および濃縮水を得る逆浸透膜処理工程をさらに含むことが好ましい。
本発明では、シリカ含有水のシリカ処理において、マグネシウム化合物の使用量を削減することができる。
本発明の実施形態に係るシリカ含有水の処理装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係るシリカ含有水の処理装置の他の例を示す概略構成図である。 実施例1における汚泥再生pHに対する溶出Mg濃度(mg/L)またはSiO濃度(mg/L)を示すグラフである。 実施例2で用いた処理装置を示す概略構成図である。 実施例2、比較例1におけるMg(新品)の添加量(mg−Mg/L)に対するSiO濃度(mg/L)を示すグラフである。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係るシリカ含有水の処理装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。
シリカ含有水の処理装置1は、シリカを含む被処理水に、マグネシウム化合物を添加するか、被処理水中に含まれるマグネシウムを利用してpH10以上でシリカを不溶化するための反応槽12と、得られた不溶化物を固液分離する固液分離手段として沈殿槽16と、固液分離により分離した汚泥の少なくとも一部に酸を添加して、固液分離手段である沈殿槽16の前段に返送する返送手段として汚泥再生槽18と、を備える。シリカ含有水の処理装置1は、被処理水を貯留するための被処理水槽10と、反応槽12で得られた反応液に高分子凝集剤を添加して凝集反応を行うための高分子反応槽14と、をさらに備えてもよい。
図1のシリカ含有水の処理装置1において、被処理水槽10の出口と反応槽12の被処理水入口とは、ポンプ20を介して配管24により接続されている。反応槽12の出口と高分子反応槽14の入口とは、配管26により接続されている。高分子反応槽14の出口と沈殿槽16の入口とは、配管28により接続されている。沈殿槽16の固液分離液出口には、処理水配管30が接続されている。沈殿槽16の下部の汚泥出口と汚泥再生槽18の入口とは、ポンプ22を介して汚泥返送配管34により接続されている。汚泥返送配管34の途中には、汚泥配管32が接続されている。汚泥再生槽18の出口と反応槽12の再生汚泥入口とは、再生汚泥返送配管36により接続されている。反応槽12には、マグネシウム化合物添加手段としてマグネシウム化合物添加配管38と、pH調整剤添加手段としてpH調整剤添加配管40とが接続され、撹拌手段として撹拌羽根を備える撹拌装置46が設置されている。高分子反応槽14には、高分子凝集剤添加手段として高分子凝集剤添加配管42が接続され、撹拌手段として撹拌羽根を備える撹拌装置48が設置されている。汚泥再生槽18には、酸添加手段として酸添加配管44が接続され、撹拌手段として撹拌羽根を備える撹拌装置50が設置されている。シリカ含有水の処理装置1において、汚泥再生槽18と、酸添加配管44と、ポンプ22と、汚泥返送配管34と、再生汚泥返送配管36とが、固液分離により分離した汚泥の少なくとも一部に酸を添加して、固液分離手段である沈殿槽16の前段に返送する返送手段として機能する。
本実施形態に係るシリカ含有水の処理方法およびシリカ含有水の処理装置1の動作について説明する。
被処理水であるシリカ含有水は、必要に応じて被処理水槽10に貯留され、ポンプ20により配管24を通して反応槽12へ送液される。添加すべきマグネシウム化合物の量は、目標とする処理水のシリカ濃度等に応じて変わるため明確に規定できないが、一例として処理水のシリカ濃度を10mg/L以下とする場合、以下のようになる。例えば、被処理水のpHが10以上であって、被処理水中にマグネシウムが含まれていない場合、または被処理水中のマグネシウムの含有量がシリカの含有量(1モル)に対して0.5モル未満である場合、反応槽12において、シリカ含有水に、マグネシウム化合物添加配管38を通してマグネシウム化合物が添加されてシリカが不溶化される(不溶化工程)。例えば、被処理水のpHが10未満であって、被処理水中にマグネシウムが含まれていない場合、または被処理水中のマグネシウムの含有量がシリカの含有量(1モル)に対して0.5モル未満である場合、反応槽12において、シリカ含有水に、マグネシウム化合物添加配管38を通してマグネシウム化合物が添加され、pH調整剤添加配管40を通してpH調整剤が添加されて被処理水のpHが10以上とされ、シリカが不溶化される(不溶化工程)。例えば、被処理水のpHが10未満であって、被処理水中のマグネシウムの含有量がシリカの含有量(1モル)に対して0.5モル以上である場合、反応槽12において、シリカ含有水に、pH調整剤添加配管40を通してpH調整剤が添加されて被処理水のpHが10以上とされ、シリカが不溶化される(不溶化工程)。例えば、被処理水のpHが10以上であって、被処理水中のマグネシウムの含有量がシリカの含有量(1モル)に対して0.5モル以上である場合、そのまま次の高分子反応槽14へ送液される。反応槽12では撹拌装置46により反応液が撹拌されてもよい。
不溶化工程で得られた反応液が反応槽12から配管26を通して高分子反応槽14へ送液される。高分子反応槽14において、必要に応じて、反応液に、高分子凝集剤添加配管42を通して高分子凝集剤が添加されて凝集反応が行われる(凝集工程)。高分子反応槽14では撹拌装置48により凝集液が撹拌されてもよい。
凝集工程で得られた凝集液が高分子反応槽14から配管28を通して沈殿槽16へ送液される。沈殿槽16において、得られた不溶化物が自然沈降等により固液分離される(固液分離工程)。
固液分離工程で得られた固液分離液は、沈殿槽16から処理水配管30を通して、処理水として排出される。
固液分離により分離された汚泥の少なくとも一部は、ポンプ22により汚泥返送配管34を通して汚泥再生槽18に送られる。汚泥再生槽18において、汚泥に、酸添加配管44を通して酸が添加されて汚泥が再生される。再生された汚泥は、再生汚泥返送配管36を通して、沈殿槽16(固液分離工程)の前段である反応槽12に返送される(返送工程)。返送、再生されない分の汚泥は、沈殿槽16から汚泥返送配管34、汚泥配管32を通して排出される。
このように、本実施形態に係るシリカ含有水の処理方法および処理装置では、シリカ含有水にマグネシウム化合物を添加するか、被処理水中に含まれるマグネシウムを利用してpH10以上でシリカを不溶化し、固液分離を行って処理し、分離した汚泥の少なくとも一部に酸を添加して、固液分離工程の前段に返送する。
この方法によると、汚泥に酸を添加することによって、汚泥中に含まれるマグネシウムとシリカとの化合物が溶解され、マグネシウムをイオンとして溶出させることができる。このとき、シリカも共に溶出されてくるが、シリカの溶解度は通常低いため、溶解度を超える分はゲル化して析出する。通常、シリカのゲル化には長い時間(数十時間以上)がかかるが、本方法によれば、シリカは一度固形化しているため、30分程度の反応時間でも十分にゲル化させることができると考えられる。
再生汚泥を前段に返送すると、イオン化したマグネシウムをシリカ除去剤であるマグネシウム化合物として再利用することができ、シリカはほとんどが自らゲル化して析出しているため、固液分離工程にて再度分離されて汚泥として除去される。
汚泥に含まれるマグネシウムとシリカとの化合物から溶出させたマグネシウムイオンをシリカ除去剤であるマグネシウム化合物として再利用できるため、再利用しない場合に比べてマグネシウム化合物の使用量を大幅に削減することができる。これにより、発生する汚泥の量を低減することができる。場合によっては、被処理水中に元々含まれるマグネシウムだけでもシリカを除去することができる。また、溶出させたマグネシウムイオンを再利用することにより、再利用しない場合と同程度のマグネシウム化合物を使用すれば、処理水中のシリカの含有量をより低減することができ、処理水質をより向上することができる。そのため、固液分離装置の後段にさらに逆浸透膜処理装置等の処理装置を備える場合には、負荷を低減することができる。
汚泥再生工程において、酸を添加して、分離した汚泥のpHを4〜9の範囲に調整することが好ましい。再生できるマグネシウムの量は、汚泥再生槽18に添加する酸の量によって決まり、多く入れるほど再生するマグネシウムの量も多くなる。シリカの溶解度はpH4〜9の範囲、25℃では120mg/L〜150mg/L程度であるため、溶解度を超える分のシリカはゲル化して析出すると考えられる。
汚泥再生工程においてpH9以下であればマグネシウムイオンが溶出してくる。pH4未満でもマグネシウムイオンは溶出するが、溶解してくるシリカがゲル化しにくくなるため、好ましいpH範囲はpH4〜9、より好ましくは4〜6である。
汚泥の再生に用いられる酸としては、例えば、塩酸、硫酸等が挙げられる。これらのうち、薬品コスト等の点から塩酸が好ましい。
汚泥再生工程における反応温度は、特に制限はないが、例えば、15℃〜30℃の範囲である。汚泥再生工程における反応時間は、特に制限はないが、例えば、15分〜120分の範囲である。
固液分離工程の前段に返送する汚泥の循環量は、再生に必要なマグネシウムの量が十分に循環していればよいが、好ましくは被処理水の流量の2〜20%程度の範囲、より好ましくは5〜10%程度の範囲である。汚泥の循環量が被処理水の流量の2%未満であると、再生に必要なマグネシウムの量が十分に供給されない場合があり、20%を超えると、被処理水の流量が増大して各反応槽での反応時間が短くなり、シリカの処理性が悪化したり、凝集性が悪くなったりする場合がある。
汚泥再生槽18に送る返送汚泥の濃度は濃い方が汚泥再生槽18での濃度が高くなり、溶出するマグネシウムイオンの量に対してゲル化するシリカの割合が増え、再生効率が良くなる。返送汚泥の濃度は、例えば、0.5〜5.0%の範囲であり、1.0〜3.0%の範囲であることが好ましい。
汚泥濃度を濃くするために、高分子凝集剤を使用した上記凝集工程が行われることが好ましい。
返送手段による再生汚泥の返送先は、沈殿槽16(固液分離工程)の前段であればよく、特に制限はない。例えば、被処理水槽10、反応槽12、高分子反応槽14、配管24,26,28のうちの少なくとも1つに再生汚泥を返送すればよいが、反応槽12に返送することによって、反応槽12内でのマグネシウムイオン濃度が高くなり、マグネシウムとシリカの共沈反応を促進させることができるため、より好ましい。
処理対象となるシリカ含有水は、例えば、地下水、工業用水、工場排水等である。シリカ含有水中のシリカの量は、例えば、10〜400mg/Lである。シリカ含有水が硬度成分を含む場合、シリカ含有水中のカルシウム硬度成分の量は、例えば、50〜5000mg−CaCO/Lであり、マグネシウム硬度成分の量は、例えば、10〜1000mg−CaCO/Lである。
不溶化工程で用いられるマグネシウム化合物としては、例えば、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、塩化マグネシウム(MgCl)、酸化マグネシウム(MgO)等のマグネシウムの無機塩等が挙げられる。これらのうち、薬品コスト等の点から水酸化マグネシウムが好ましい。マグネシウム化合物として水酸化マグネシウムまたは酸化マグネシウム等の水等に溶解しにくいものを用いる場合は、溶解槽を別途設けてマグネシウム化合物を水等に溶解させてから、反応槽12または汚泥再生槽18に添加してもよく、マグネシウム化合物をより溶解させるために、汚泥再生槽18に添加することが好ましい。
不溶化工程におけるマグネシウム化合物の添加量は、被処理水であるシリカ含有水中のシリカの量(1モル)に対して、マグネシウムが0.5モル〜5.0モルの範囲となる量であることが好ましく、1.0モル〜2.5モルの範囲となる量であることがより好ましい。不溶化工程におけるマグネシウム化合物の添加量がシリカ含有水中のシリカの量(1モル)に対して0.5モル未満となる量であると、不溶化反応が十分に進行しない場合があり、5.0モルを超える量となる量であると、薬品コスト等の点で不利になる場合がある。
不溶化工程においてpH調整が行われる場合、反応槽12内のpHを10以上に調整し、10〜12の範囲に調整することがより好ましく、10〜11の範囲に調整することがさらに好ましい。反応槽12内のpHが10未満であると、マグネシウムの不溶化が不十分でシリカの除去性が低下し、12を超えると、シリカの溶解度が高くなってシリカの除去性が低下する場合がある。
pH調整で用いられるpH調整剤としては、例えば、塩酸、硫酸等の酸、または、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤が挙げられる。
シリカ含有水が硬度成分を含む場合は、反応槽12において、または反応槽12の前段または後段に別の反応槽(第2反応槽)を設け、アルカリ剤および炭酸化合物のうち少なくとも1つを添加して硬度成分を不溶化し、上記固液分離工程により除去してもよい。硬度成分は、反応槽12の前段においてイオン交換樹脂等により除去してもよい。
硬度成分の不溶化に用いられるアルカリ剤としては、例えば、水酸化カルシウム(Ca(OH))、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)等が挙げられる。これらのうち、薬品コスト等の点から水酸化カルシウム、水酸化ナトリウムが好ましい。硬度成分の不溶化に用いられる炭酸化合物としては、例えば、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、炭酸ガス等が挙げられる。これらのうち、薬品コスト等の点から炭酸ナトリウムが好ましい。
アルカリ剤および炭酸化合物の添加量は、被処理水中の硬度成分の量(1モル)に対して、1.0モル〜1.2モルの範囲であることが好ましく、1.0モル〜1.1モルの範囲であることがより好ましい。アルカリ剤および炭酸化合物の添加量が被処理水中の硬度成分の量(1モル)に対して1.0モル未満であると、不溶化反応が十分に進行しない場合があり、過剰に添加すると、薬品コスト等の点で不利になる場合がある。
不溶化工程における反応温度は、特に制限はないが、例えば、15℃〜30℃の範囲である。
凝集工程で用いられる高分子凝集剤としては、例えば、アクリルアミド系、アクリル酸エステル系等の高分子凝集剤が挙げられる。これらのうち、薬品コスト等の点からアクリルアミド系の高分子凝集剤が好ましい。
凝集工程における高分子凝集剤の添加量は、0.5〜5.0mg/Lの範囲であることが好ましく、1〜2mg/Lの範囲であることがより好ましい。凝集工程における高分子凝集剤の添加量が0.5mg/L未満であると、凝集反応が十分に進行しない場合があり、過剰に添加すると、薬品コスト等の点で不利になる場合がある。
凝集工程における反応温度は、特に制限はないが、例えば、15℃〜30℃の範囲である。
固液分離工程における固液分離の方法は、特に制限はなく、例えば、自然沈降による沈殿槽の他に、砂ろ過、膜ろ過等の方法が挙げられる。これらのうち、設備費等の点から自然沈降による沈殿槽が好ましい。
本実施形態に係るシリカ含有水の処理方法および処理装置により、再生汚泥を返送しない場合に比べて、マグネシウム化合物の使用量を例えば1/2〜ゼロ程度にまで削減することができる。また、処理水中のシリカ含有量を、例えば、10mg/L以下程度にまで低減することができる。
本実施形態に係るシリカ含有水の処理方法および処理装置において、図2に示すように、沈殿槽16(固液分離工程)の後段に、固液分離処理水(処理水)を逆浸透膜に通水して透過水および濃縮水を得る逆浸透膜処理装置52をさらに備え、逆浸透膜処理を行うことが好ましい。
図2のシリカ含有水の処理装置3において、沈殿槽16(固液分離工程)で得られた固液分離処理水(処理水)は、逆浸透膜処理装置52において逆浸透膜に通水されて透過水および濃縮水が得られる(逆浸透膜処理工程)。透過水は、透過水配管54を通して排出され、濃縮水は、濃縮水配管56を通して排出される。固液分離処理水(処理水)のシリカの含有量が低減されているため、逆浸透膜処理装置におけるシリカによるスケーリングの発生等が抑制され、逆浸透膜の閉塞が抑制される。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
ジャーテストにて、汚泥再生のpHの影響を確認した。
(被処理水)
被処理水:純水製造ラインのRO濃縮水(シリカ含有)
SiO=95.7mg/L
(汚泥作製方法)
被処理水50Lにマグネシウム化合物として塩化マグネシウム(MgCl)水溶液を200mg−Mg/L添加した。pH調整剤として水酸化ナトリウム(NaOH)を添加してpH11.0に調整し、30分間反応させた。高分子凝集剤としてオルフロックM−4216(オルガノ株式会社製)2mg/Lを添加した。静置沈降後、上澄み液を捨てて、4.4Lに濃縮した。上澄み液について、Mg、SiOの量を測定した。濃縮汚泥の一部を遠心分離で脱水した後、塩酸(HCl)を添加して溶解して、汚泥中のMg、SiOの量を測定した。結果を表1に示す。
なお、水中、汚泥中のMgの量は、イオンクロマトグラフィ装置(メトローム製、761Compact)を用いて測定した。水中、汚泥中のSiOの量は、吸光光度計(日立製作所製、U−2900)を用いて、JIS K 0101 モリブデン青吸光光度法で測定した。
(汚泥再生試験)
濃縮汚泥100mLに、酸として塩酸(HCl)を添加して表2に示す各pH(pH3〜10)に調整し、30分間反応させた。ろ紙(5C)でろ過後、ろ液中のMg、SiOの量を測定した。汚泥を吸引ろ過により脱水した後、105℃で2時間乾燥したものを、再度、純水100mL中に加え、塩酸(HCl)を添加して溶解して、汚泥中のMg、SiOの量を測定した。結果を表2、図3に示す。図3は、汚泥再生pHに対する溶出Mg濃度(mg/L)またはSiO濃度(mg/L)を示すグラフである。
汚泥再生のときのpHを下げるとMgイオンが溶出してきている。このMgイオンはSiO除去剤として利用できる。一方、SiOも溶出してきているが、pH4〜9の範囲ではその溶出量は少なく、溶解度付近である。溶解度を超えて検出されている分は、反応時間が足りないためにゲル化していない分であると考えられる(pH3)。pH9の場合は、SiOはほとんど溶出してきていない。
<実施例2、比較例1>
(連続通水試験)
確認のため、図4に示すフローの実験設備にて、通水試験を行った。比較例1では、汚泥の循環は行ったが、汚泥再生槽に酸(塩酸)の添加は行わなかった。
(被処理水)
被処理水:純水製造ラインのRO濃縮水(シリカ含有)
SiO=95.7mg/L
被処理水流量10L/hで反応槽へ通水した。反応槽において、pH調整剤として水酸化ナトリウム(NaOH)を添加してpH10.8〜11.0に調整し、マグネシウム化合物として塩化マグネシウム(MgCl)を12.5〜200mg−Mg/L添加した。高分子反応槽において、高分子凝集剤としてオルフロックM−4216(オルガノ株式会社製)2mg/Lを添加した。固液分離装置として沈殿槽により固液分離を行った。沈殿後の汚泥を被処理水流量の10%(約1L/h)で汚泥再生槽に返送し、汚泥再生槽において、酸として塩酸(HCl)を添加してpH7またはpH9に調整した。再生後の再生汚泥を反応槽へ返送した。通水開始後、8時間経過後の処理水のSiO濃度を測定した。結果を図5に示す。図5は、実施例2、比較例1におけるMg(新品)の添加量(mg−Mg/L)に対するSiO濃度(mg/L)を示すグラフである。
実施例2では、汚泥の再生を行うことによって、マグネシウム化合物(塩化マグネシウム)の添加量が少なくても処理水のSiO濃度が低減した。再生pHが低いほど、その効果は大きかった。比較例1では、汚泥の再生を行わなかったため、マグネシウム化合物(塩化マグネシウム)の添加量が多くなった。
このように、実施例の装置および方法により、シリカ含有水のシリカ処理において、マグネシウム化合物の使用量を削減することができた。
1,3 シリカ含有水の処理装置、10 被処理水槽、12 反応槽、14 高分子反応槽、16 沈殿槽、18 汚泥再生槽、20,22 ポンプ、24,26,28 配管、30 処理水配管、32 汚泥配管、34 汚泥返送配管、36 再生汚泥返送配管、38 マグネシウム化合物添加配管、40 pH調整剤添加配管、42 高分子凝集剤添加配管、44 酸添加配管、46,48,50 撹拌装置、52 逆浸透膜処理装置、54 透過水配管、56 濃縮水配管。

Claims (6)

  1. シリカを含む被処理水に、マグネシウム化合物を添加するか、前記被処理水中に含まれるマグネシウムを利用してpH10以上でシリカを不溶化するための反応槽と、
    得られた不溶化物を固液分離する固液分離手段と、
    前記固液分離により分離した汚泥の少なくとも一部に酸を添加して、前記固液分離手段の前段に返送する返送手段と、
    を備えることを特徴とする、シリカ含有水の処理装置。
  2. 請求項1に記載のシリカ含有水の処理装置であって、
    前記酸を添加して、前記分離した汚泥のpHを4〜9の範囲に調整することを特徴とする、シリカ含有水の処理装置。
  3. 請求項1または2に記載のシリカ含有水の処理装置であって、
    前記固液分離手段の後段に、固液分離処理水を逆浸透膜に通水して透過水および濃縮水を得る逆浸透膜処理装置をさらに備えることを特徴とする、シリカ含有水の処理装置。
  4. シリカを含む被処理水に、マグネシウム化合物を添加するか、前記被処理水中に含まれるマグネシウムを利用してpH10以上でシリカを不溶化する不溶化工程と、
    得られた不溶化物を固液分離する固液分離工程と、
    前記固液分離により分離した汚泥の少なくとも一部に酸を添加して、前記固液分離工程の前段に返送する返送工程と、
    を含むことを特徴とする、シリカ含有水の処理方法。
  5. 請求項4に記載のシリカ含有水の処理方法であって、
    前記酸を添加して、前記分離した汚泥のpHを4〜9の範囲に調整することを特徴とする、シリカ含有水の処理方法。
  6. 請求項4または5に記載のシリカ含有水の処理方法であって、
    前記固液分離工程の後段に、固液分離処理水を逆浸透膜に通水して透過水および濃縮水を得る逆浸透膜処理工程をさらに含むことを特徴とする、シリカ含有水の処理方法。
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