JP2019042646A - シリカ含有水の処理装置および処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シリカ含有水のシリカ処理の後、逆浸透膜処理を行う装置および方法において、後段に流出する濃縮水のシリカの量を低減することができる、シリカ含有水の処理装置および処理方法を提供する。【解決手段】シリカを含む被処理水に、マグネシウム化合物を添加してシリカを不溶化するための反応槽12と、得られた不溶化物を固液分離する固液分離装置16と、得られた固液分離液を逆浸透膜で処理して濃縮水と透過水とを得る逆浸透膜処理装置20と、得られた濃縮水の少なくとも一部を、固液分離手段の前段に返送する返送配管38と、を備える、シリカ含有水の処理装置1である。【選択図】図1
Description
本発明は、シリカ含有水の処理装置および処理方法に関する。
排水を減容化する方法として、逆浸透膜を用いて排水を濃縮し、透過水を回収することが行われている。近年では、排水量を削減するニーズがさらに高まり、排水の濃縮倍率をできる限り高めることが行われ、中にはZLD(Zero Liquid Discharge)まで行われている工場等も増えている。
そのため、逆浸透膜の濃縮水をさらに逆浸透膜で処理したり、蒸発濃縮等の方法によって濃縮したりする方法が行われている。このように排水の濃縮倍率が高くなると、その分排水中の硬度成分、シリカ等によるスケーリングのリスクが高くなる。スケールが発生すると、逆浸透膜が閉塞して透過水量が減少したり、蒸発濃縮の伝熱面がスケールで覆われて伝熱効率が低下したりする。
そこで、逆浸透膜処理の前に排水中のシリカをできるだけ低減することが望ましい。シリカを含む排水を処理する方法として、特許文献1にあるように、アルカリ条件下でマグネシウム塩を添加して除去する方法が知られている。
このマグネシウム塩を用いたシリカ処理によるシリカ処理水には、シリカが通常は数mg/L〜数十mg/L程度残留してしまう。これを逆浸透膜処理等で高濃縮すると、シリカが析出してスケーリングが起こる可能性が高くなる。マグネシウム塩の添加量を増やせば、シリカ処理水のシリカ濃度を低減することができるが、コストがかかる上に汚泥の発生量も増大する。
シリカの溶解度はアルカリ側で高くなるため、後段の逆浸透膜処理等でのpHをアルカリ側としてシリカの析出を抑制する方法があるが、アルカリ側であると炭酸カルシウム等の溶解度は逆に低くなるため、被処理水が硬度成分を含む場合、これらが析出するリスクがある(図5,6参照)。また、シリカ処理水の温度を上げてもシリカの溶解度を高くすることができるが、加温のコストがかかるという問題がある。
本発明の目的は、シリカ含有水のシリカ処理の後、逆浸透膜処理を行う装置および方法において、後段に流出する濃縮水のシリカの量を低減することができる、シリカ含有水の処理装置および処理方法を提供することにある。
本発明は、シリカを含む被処理水に、マグネシウム化合物を添加してシリカを不溶化するための反応槽と、得られた不溶化物を固液分離する固液分離手段と、得られた固液分離液を逆浸透膜で処理して濃縮水と透過水とを得る逆浸透膜処理手段と、得られた濃縮水の少なくとも一部を、前記固液分離手段の前段に返送する返送手段と、を備える、シリカ含有水の処理装置である。
前記シリカ含有水の処理装置において、前記返送手段による前記濃縮水の返送先が、前記反応槽であることが好ましい。
前記シリカ含有水の処理装置において、前記濃縮水のイオン濃度を測定するイオン濃度測定手段をさらに備え、その測定値に応じて前記返送手段により返送される前記濃縮水の量を調節することが好ましい。
また、本発明は、シリカを含む被処理水に、マグネシウム化合物を添加してシリカを不溶化する不溶化工程と、得られた不溶化物を固液分離する固液分離工程と、得られた固液分離液を逆浸透膜で処理して濃縮水と透過水とを得る逆浸透膜処理工程と、得られた濃縮水の少なくとも一部を、前記固液分離工程の前段に返送する返送工程と、を含む、シリカ含有水の処理方法である。
前記シリカ含有水の処理方法において、前記返送工程における前記濃縮水の返送先が、前記マグネシウム化合物が添加される反応槽であることが好ましい。
前記シリカ含有水の処理方法において、前記濃縮水のイオン濃度を測定し、その測定値に応じて前記返送工程において返送する前記濃縮水の量を調節することが好ましい。
本発明では、シリカ含有水のシリカ処理の後、逆浸透膜処理を行う装置および方法において、後段に流出する濃縮水のシリカの量を低減することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係るシリカ含有水の処理装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。
シリカ含有水の処理装置1は、シリカを含む被処理水に、マグネシウム化合物を添加してシリカを不溶化するための反応槽12と、得られた不溶化物を固液分離する固液分離手段として沈殿槽16と、得られた固液分離液を逆浸透膜で処理して濃縮水と透過水とを得る逆浸透膜処理手段として、逆浸透膜処理装置20とを備える。シリカ含有水の処理装置1は、被処理水を貯留するための被処理水槽10と、反応槽12で得られた反応液に高分子凝集剤を添加して凝集反応を行うための高分子反応槽14と、沈殿槽16で得られた固液分離液を貯留するための固液分離液槽18と、をさらに備えてもよい。
図1のシリカ含有水の処理装置1において、被処理水槽10の出口と反応槽12の被処理水入口とは、ポンプ22を介して配管26により接続されている。反応槽12の出口と高分子反応槽14の入口とは、配管28により接続されている。高分子反応槽14の出口と沈殿槽16の入口とは、配管30により接続されている。沈殿槽16の固液分離液出口と固液分離液槽18の入口とは、配管32により接続されている。沈殿槽16の汚泥出口には、汚泥配管56が接続されている。固液分離液槽18の出口と逆浸透膜処理装置20の入口とは、ポンプ24を介して配管34により接続されている。逆浸透膜処理装置20の透過水出口には、透過水配管36が接続されている。逆浸透膜処理装置20の濃縮水出口と反応槽12の返送水入口とは、得られた濃縮水の少なくとも一部を沈殿槽16の前段に返送する返送手段として返送配管38によりバルブ52を介して接続されている。返送配管38における濃縮水出口とバルブ52との間にはバルブ54を介して濃縮水配管40が接続されている。反応槽12には、マグネシウム化合物添加手段としてマグネシウム化合物添加配管42と、pH調整剤添加手段としてpH調整剤添加配管44とが接続され、撹拌手段として撹拌羽根を備える撹拌装置48が設置されている。高分子反応槽14には、高分子凝集剤添加手段として高分子凝集剤添加配管46が接続され、撹拌手段として撹拌羽根を備える撹拌装置50が設置されている。
本実施形態に係るシリカ含有水の処理方法およびシリカ含有水の処理装置1の動作について説明する。
被処理水であるシリカ含有水は、必要に応じて被処理水槽10に貯留され、ポンプ22により配管26を通して反応槽12へ送液される。反応槽12において、シリカ含有水に、マグネシウム化合物添加配管42を通してマグネシウム化合物が添加されてシリカが不溶化される(不溶化工程)。pH調整剤添加配管44を通してpH調整剤が反応槽12に添加されてもよい(pH調整工程)。反応槽12では撹拌装置48により反応液が撹拌されてもよい。
不溶化工程で得られた反応液が反応槽12から配管28を通して高分子反応槽14へ送液される。高分子反応槽14において、必要に応じて、反応液に、高分子凝集剤添加配管46を通して高分子凝集剤が添加されて凝集反応が行われる(凝集工程)。高分子反応槽14では撹拌装置50により凝集液が撹拌されてもよい。
凝集工程で得られた凝集液が高分子反応槽14から配管30を通して沈殿槽16へ送液される。沈殿槽16において、得られた不溶化物が自然沈降等により固液分離される(固液分離工程)。
固液分離工程で得られた固液分離液は、沈殿槽16から配管32を通して、必要に応じて固液分離液槽18に送液され、貯留される。一方、固液分離工程で得られた汚泥は、汚泥配管56を通して排出される。
固液分離液は、ポンプ24により配管34を通して逆浸透膜処理装置20へ送液される。逆浸透膜処理装置20において、固液分離液が逆浸透膜で処理されて濃縮水と透過水とが得られる(逆浸透膜処理工程)。逆浸透膜処理工程で得られた透過水は、透過水配管36を通して排出され、回収再利用または廃棄される。逆浸透膜処理工程で得られた濃縮水の少なくとも一部は、返送配管38を通して沈殿槽16(固液分離工程)の前段である反応槽12に返送される(返送工程)。濃縮水の少なくとも一部は、固液分離液槽18に返送してもよい。
このように、本実施形態に係るシリカ含有水の処理方法および処理装置では、シリカ含有水のシリカ処理(不溶化工程、凝集工程、固液分離工程)の後、シリカを含む固液分離液を逆浸透膜処理で濃縮し、濃縮水の少なくとも一部を固液分離工程の前段に返送する。
これにより、後段に流出する濃縮水のシリカの量を低減することができる。逆浸透膜処理の後段にさらに逆浸透膜処理や蒸発濃縮処理等の濃縮処理を行っても、それらの設備を小型化することができる。また、逆浸透膜処理の後段の逆浸透膜処理や蒸発濃縮処理等の濃縮処理においてシリカの析出が抑制され、システムを安定運転することができ、水回収率を上げることができる。
返送手段による濃縮水の返送先は、沈殿槽16(固液分離工程)の前段であればよく、特に制限はない。例えば、被処理水槽10、反応槽12、高分子反応槽14、配管26,28,30のうちの少なくとも1つに濃縮水の少なくとも一部を返送すればよいが、マグネシウム化合物が添加される反応槽12に返送することによって、反応槽12内でのシリカ濃度が高くなり、マグネシウムとシリカの共沈反応および吸着反応を促進させることができるため、より好ましい。例えばマグネシウム化合物によるシリカの共沈反応は、被処理水のシリカ濃度が高い方が、単位シリカ重量あたりのマグネシウム化合物の添加量が少なくて済む。
沈殿槽16(固液分離工程)の前段に返送する濃縮水の量は多くするほど逆浸透膜処理の後段に流出するシリカの負荷を減らすことができるが、被処理水であるシリカ含有水中に塩化ナトリウム(NaCl)等の凝集沈殿で除去することが困難であるイオン成分が含まれる場合、これらの成分が系内で濃縮されてしまう場合がある。濃縮倍率が高くなりすぎると、浸透圧が高くなって逆浸透膜での操作圧力が高くなるため、所定量の濃縮水は逆浸透膜処理の後段に送液することが望ましい。逆浸透膜処理の後段に送液する量を調節するために、例えば濃縮水のイオン濃度を測定するイオン濃度測定手段をさらに備え、その測定値に応じて返送手段により返送される濃縮水の量を調節することが好ましい。例えば、濃縮水中の導電率を測定し、導電率が所定の値以下になるように、逆浸透膜処理の後段への濃縮水の送液量を調節する方法が取られる。濃縮水の送液量の調節は、例えば、バルブ52,54の開度を調節することに行われる。
濃縮水の導電率を測定し、濃縮水の送液量を調節する場合、その浸透圧が逆浸透膜処理での圧力上限を超えない値とすることが望ましく、30000μS/cm以下とすることが好ましく、20000μS/cm以下とすることがより好ましい。濃縮水の導電率が30000μS/cmを超えると、逆浸透膜での浸透圧が高くなり、逆浸透膜の耐圧限界を超えてしまう場合がある。
逆浸透膜処理の後段において、濃縮水をさらに濃縮する手段としては、逆浸透膜処理、加熱蒸発濃縮処理、正浸透膜処理、電気透析処理等が挙げられるが、処理コストを低く抑えるという点から逆浸透膜処理が好ましい。本実施形態に係るシリカ含有水の処理方法および処理装置によれば、逆浸透膜処理の後段がさらなる逆浸透膜処理である場合においても、安定して処理を行うことができる。
処理対象となるシリカ含有水は、例えば、地下水、工業用水、工場排水等である。シリカ含有水中のシリカの量は、例えば、10〜400mg/Lである。シリカ含有水が硬度成分を含む場合、シリカ含有水中のカルシウム硬度成分の量は、例えば、50〜5000mg−CaCO3/Lであり、マグネシウム硬度成分の量は、例えば、10〜1000mg−CaCO3/Lである。
不溶化工程で用いられるマグネシウム化合物としては、例えば、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、塩化マグネシウム(MgCl2)、酸化マグネシウム(MgO)等のマグネシウムの無機塩等が挙げられる。これらのうち、薬品コスト等の点から水酸化マグネシウムが好ましい。
不溶化工程におけるマグネシウム化合物の添加量は、被処理水であるシリカ含有水中のシリカの量(1モル)に対して、0.5モル〜5.0モルの範囲であることが好ましく、1.0モル〜2.5モルの範囲であることがより好ましい。不溶化工程におけるマグネシウム化合物の添加量がシリカ含有水中のシリカの量(1モル)に対して0.5モル未満であると、不溶化反応が十分に進行しない場合があり、5.0モルを超えると、薬品コスト等の点で不利になる場合がある。
pH調整工程で用いられるpH調整剤としては、例えば、塩酸、硫酸等の酸、または、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤が挙げられる。
硬度成分の析出に注意が必要ではあるが、pH調整工程において、pHを9.5以上のアルカリ性にすることによって、シリカがイオン化し、後段の逆浸透膜処理におけるシリカ成分析出のリスクを低減できることに加え、逆浸透膜での阻止率がさらに上昇するため、好ましい。pHを6以下にすることによっても、シリカの析出速度を抑え、スケールの生成を抑制することができるため、好ましい。
シリカはアルカリ領域では溶解度が高いため(図5参照)析出しにくいが、シリカ含有水が硬度成分を含む場合は、硬度成分はアルカリ領域では溶解度が低いため(図6参照)析出しやすいので、上記方法によってシリカを不溶化、除去(固液分離)し、逆浸透膜処理工程では例えばpH9以下で処理すればよい。この場合、逆浸透膜処理の前段、例えば配管32または固液分離液槽18において酸等のpH調整剤を用いてpH調整を行えばよい(第2pH調整工程)。
シリカ含有水が硬度成分を含む場合は、反応槽12において、または反応槽12の前段または後段に別の反応槽(第2反応槽)を設け、アルカリ剤および炭酸化合物のうち少なくとも1つを添加して硬度成分を不溶化し、上記固液分離工程により除去してもよい。この場合は、任意のpHで逆浸透膜処理を行うことができる。
硬度成分の不溶化に用いられるアルカリ剤としては、例えば、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)等が挙げられる。これらのうち、薬品コスト等の点から水酸化カルシウム、水酸化ナトリウムが好ましい。硬度成分の不溶化に用いられる炭酸化合物としては、例えば、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、炭酸ガス等が挙げられる。これらのうち、薬品コスト等の点から炭酸ナトリウムが好ましい。
アルカリ剤および炭酸化合物の添加量は、被処理水中の硬度成分の量(1モル)に対して、1.0モル〜1.2モルの範囲であることが好ましく、1.0モル〜1.1モルの範囲であることがより好ましい。アルカリ剤および炭酸化合物の添加量が被処理水中の硬度成分の量(1モル)に対して1.0モル未満であると、不溶化反応が十分に進行しない場合があり、過剰に添加すると、薬品コスト等の点で不利になる場合がある。
不溶化工程における反応温度は、特に制限はないが、例えば、15℃〜30℃の範囲である。
凝集工程で用いられる高分子凝集剤としては、例えば、アクリルアミド系、アクリル酸エステル系等の高分子凝集剤が挙げられる。これらのうち、薬品コスト等の点からアクリルアミド系の高分子凝集剤が好ましい。
凝集工程における高分子凝集剤の添加量は、0.5〜5.0mg/Lの範囲であることが好ましく、1〜2mg/Lの範囲であることがより好ましい。凝集工程における高分子凝集剤の添加量が0.5mg/L未満であると、凝集反応が十分に進行しない場合があり、過剰に添加すると、薬品コスト等の点で不利になる場合がある。
凝集工程における反応温度は、特に制限はないが、例えば、15℃〜30℃の範囲である。
固液分離工程における固液分離の方法は、特に制限はなく、例えば、自然沈降による沈殿槽の他に、砂ろ過、膜ろ過等の方法が挙げられる。これらのうち、設備費等の点から自然沈降による沈殿槽が好ましい。
逆浸透膜処理において用いられる逆浸透膜は、特に制限はないが、例えば、ポリイミド系の逆浸透膜である。逆浸透膜は、シリカ阻止率が高いものが好ましく、シリカ阻止率が99.0%以上のものが好ましい。高圧型の逆浸透膜にすると、99.5%程度のシリカ阻止率が得られ、より好ましい。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1および比較例1>
図2(実施例1)、図3(比較例1)に示すフローの実験設備にて、通水試験を行った。実施例1では、濃縮水の一部を反応槽に返送した。
図2(実施例1)、図3(比較例1)に示すフローの実験設備にて、通水試験を行った。実施例1では、濃縮水の一部を反応槽に返送した。
(被処理水)
被処理水:工場放流水(シリカ含有)
SiO2=50mg/L
被処理水:工場放流水(シリカ含有)
SiO2=50mg/L
実施例1では、被処理水流量140L/hで反応槽へ通水した。反応槽において、pH調整剤として水酸化ナトリウム(NaOH)を添加してpH10.8〜11.0に調整し、マグネシウム化合物として水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)を50mg−Mg/L添加した。高分子反応槽において、高分子凝集剤としてオルフロックM−4020(オルガノ株式会社製)2mg/Lを添加した。固液分離装置として沈殿槽により固液分離を行った。固液分離液を流量182L/hで固液分離液槽へ通水した。固液分離液を流量720L/hで逆浸透膜処理装置として4インチROエレメント(日東電工製、LFC−3)に通水した。逆浸透膜処理により透過水を流量120L/hで得て、濃縮水を流量538L/hで固液分離液槽へ循環し、流量42L/hで反応槽へ返送し、流量20L/hで後段の濃縮装置へ送液した。結果を表1に示す。
比較例1では、被処理水流量140L/hで反応槽へ通水した。反応槽において、pH調整剤として水酸化ナトリウム(NaOH)を添加してpH10.8〜11.0に調整し、マグネシウム化合物として水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)を50mg−Mg/L添加した。高分子反応槽において、高分子凝集剤としてオルフロックM−4020(オルガノ株式会社製)2mg/Lを添加した。固液分離装置として沈殿槽により固液分離を行った。固液分離液を流量140L/hで固液分離液槽へ通水した。固液分離液を流量684L/hで逆浸透膜処理装置として4インチROエレメント(日東電工製、LFC−3)に通水した。逆浸透膜処理により透過水を流量84L/hで得て、濃縮水を流量544L/hで固液分離液槽へ循環し、流量56L/hで後段の濃縮装置へ送液した。結果を表2に示す。
なお、水中のSiO2の量は、吸光光度計(日立製作所製、U−2900)を用いて、JIS K 0101 モリブデン青吸光光度法で測定した。
実施例1では、濃縮水の一部を沈殿槽(固液分離槽)の前段である反応槽に返送することによって、RO濃縮水のSiO2負荷が低下し、逆浸透膜処理装置の後段へ流出するシリカの量が少なくなった。一方、比較例1では、濃縮水の循環を行わなかったため、逆浸透膜処理装置の後段へ流出するシリカが多かった。
<実施例2>
濃縮水の返送先について、検討した。MgによるSiO2の共沈反応は、原水のSiO2濃度が高い方が、単位SiO2重量あたりのMgの添加量が少なくて済むと考えられる。
濃縮水の返送先について、検討した。MgによるSiO2の共沈反応は、原水のSiO2濃度が高い方が、単位SiO2重量あたりのMgの添加量が少なくて済むと考えられる。
[ジャーテスト手順]
原水(SiO2=30、100,400mg/L)に、塩化マグネシウム(MgCl2)を添加した。水酸化ナトリウム(NaOH)でpH11に調整した。ジャーテスタにて120rpmで反応させた。0.45μmフィルタでろ過後、処理水のSiO2濃度を測定した。
原水(SiO2=30、100,400mg/L)に、塩化マグネシウム(MgCl2)を添加した。水酸化ナトリウム(NaOH)でpH11に調整した。ジャーテスタにて120rpmで反応させた。0.45μmフィルタでろ過後、処理水のSiO2濃度を測定した。
図4に、ジャーテストの結果を示す。図4のグラフは、Mg/原水SiO2(重量比)に対するSiO2濃度(mg/L)を示す。
を示す。
を示す。
このように、SiO2を含む濃縮水を反応槽に返送し、反応槽のSiO2の濃度が高くなるようにすることで、Mg−SiO2の反応を促進させることができた。
以上のように、実施例により、シリカ含有水のシリカ処理の後、逆浸透膜処理を行う装置および方法において、後段に流出する濃縮水のシリカの量を低減することができた。
1 シリカ含有水の処理装置、10 被処理水槽、12 反応槽、14 高分子反応槽、16 沈澱槽、18 固液分離液槽、20 逆浸透膜処理装置、22,24 ポンプ、26,28,30,32,34 配管、36 透過水配管、38 返送配管、40 濃縮水配管、42 マグネシウム化合物添加配管、44 pH調整剤添加配管、46 高分子凝集剤添加配管、48,50 撹拌装置、52,54 バルブ、56 汚泥配管。
Claims (6)
- シリカを含む被処理水に、マグネシウム化合物を添加してシリカを不溶化するための反応槽と、
得られた不溶化物を固液分離する固液分離手段と、
得られた固液分離液を逆浸透膜で処理して濃縮水と透過水とを得る逆浸透膜処理手段と、
得られた濃縮水の少なくとも一部を、前記固液分離手段の前段に返送する返送手段と、
を備えることを特徴とする、シリカ含有水の処理装置。 - 請求項1に記載のシリカ含有水の処理装置であって、
前記返送手段による前記濃縮水の返送先が、前記反応槽であることを特徴とする、シリカ含有水の処理装置。 - 請求項1または2に記載のシリカ含有水の処理装置であって、
前記濃縮水のイオン濃度を測定するイオン濃度測定手段をさらに備え、
その測定値に応じて前記返送手段により返送される前記濃縮水の量を調節することを特徴とする、シリカ含有水の処理装置。 - シリカを含む被処理水に、マグネシウム化合物を添加してシリカを不溶化する不溶化工程と、
得られた不溶化物を固液分離する固液分離工程と、
得られた固液分離液を逆浸透膜で処理して濃縮水と透過水とを得る逆浸透膜処理工程と、
得られた濃縮水の少なくとも一部を、前記固液分離工程の前段に返送する返送工程と、
を含むことを特徴とする、シリカ含有水の処理方法。 - 請求項4に記載のシリカ含有水の処理方法であって、
前記返送工程における前記濃縮水の返送先が、前記マグネシウム化合物が添加される反応槽であることを特徴とする、シリカ含有水の処理方法。 - 請求項4または5に記載のシリカ含有水の処理方法であって、
前記濃縮水のイオン濃度を測定し、その測定値に応じて前記返送工程において返送する前記濃縮水の量を調節することを特徴とする、シリカ含有水の処理方法。
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WO2022153976A1 (ja) * | 2021-01-13 | 2022-07-21 | Jfeエンジニアリング株式会社 | 水処理装置、水処理方法、薬剤、および薬剤の製造方法 |
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