JP5359898B2 - 水処理方法及び水処理システム - Google Patents

水処理方法及び水処理システム Download PDF

Info

Publication number
JP5359898B2
JP5359898B2 JP2010012191A JP2010012191A JP5359898B2 JP 5359898 B2 JP5359898 B2 JP 5359898B2 JP 2010012191 A JP2010012191 A JP 2010012191A JP 2010012191 A JP2010012191 A JP 2010012191A JP 5359898 B2 JP5359898 B2 JP 5359898B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
concentrated water
concentrated
reverse osmosis
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010012191A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011147899A (ja
Inventor
修平 泉
剛 米田
敦行 真鍋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Miura Co Ltd
Original Assignee
Miura Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Miura Co Ltd filed Critical Miura Co Ltd
Priority to JP2010012191A priority Critical patent/JP5359898B2/ja
Publication of JP2011147899A publication Critical patent/JP2011147899A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5359898B2 publication Critical patent/JP5359898B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

本発明は、原水に各種水処理を行う水処理方法及び水処理システムに関する。
従来より、水処理において、逆浸透膜による膜分離処理により透過水及び濃縮水を製造する逆浸透膜装置を用いることが一般的である。逆浸透膜装置は、回収率(回収率[%]=透過水流量/(透過水流量+排水流量)×100)を設定して運転される。
濃縮水のシリカ濃度がシリカの溶解度を超えると逆浸透膜の膜面にシリカが析出しやすいため、回収率は、シリカが析出しない範囲で設定される。
回収率は、膜分離処理により製造する透過水の割合が大きい程高くなる。一方、回収率を高く設定すると排水の割合が低くなるため、シリカの濃度は、濃縮水において高くなる。シリカの濃度が高くなることにより、逆浸透膜による膜分離処理により製造される濃縮水中のシリカ濃度が溶解度を超えると、シリカが膜面に析出して逆浸透膜装置の運転の障害となることがある。
ここで、逆浸透膜による膜分離処理により製造される濃縮水のpH値を6以下に維持することにより、濃縮水中のシリカ濃度が溶解度を超えて運転されても、シリカの析出を抑制することができる逆浸透膜装置を含む水処理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3187629号公報
しかし、特許文献1に記載の逆浸透膜装置は、濃縮水のpH値を6よりも高い状態で維持して水処理を行う場合には、シリカの析出を抑制することができないこととなる。
また、特許文献1に記載の逆浸透膜装置においては、濃縮水の水質条件としてのpH値については言及されているが、濃縮水のpH値以外の水質条件については、それ以上格別な工夫がなされていない。そのため、濃縮水のpH値以外の他の水質条件も考慮することにより、シリカの析出の抑制を一層確実に行うことが望まれている。
本発明は、逆浸透膜へのシリカの析出の抑制を一層確実に行うことができる水処理方法及び水処理システムを提供することを目的とする。
本発明は、少なくともシリカと硬度成分とを含む原水を逆浸透膜モジュールにより膜分離処理し、透過水及び濃縮水を製造する水処理方法において、濃縮水のランゲリア指数に基づいて回収率及び/又は原水のpHを調整することにより濃縮水のランゲリア指数をゼロ以下の範囲に維持し、かつ、濃縮水のシリカ濃度が128mg/L以上400mg/L以下の範囲にあるか否かを監視しながら膜分離処理する水処理方法に関する。
また、本発明は、少なくともシリカと硬度成分とを含む原水を供給する原水ラインと、前記原水ラインより供給された原水を膜分離処理し、透過水及び濃縮水を製造する逆浸透膜モジュールと、前記逆浸透膜モジュールにより製造された透過水を導出する透過水ラインと、前記逆浸透膜モジュールにより製造された濃縮水を系外に排出する濃縮水ラインと、前記濃縮水ラインに設けられ、濃縮水の排出量を調整することにより回収率を調整する回収率調整手段と、前記原水ラインに設けられ、前記逆浸透膜モジュールに供給される原水にpH調整剤を添加するpH調整剤添加手段と、前記濃縮水ライン及び/又は前記原水ラインに設けられ、これらのラインを流通する濃縮水及び/又は原水の水質を検出する水質検出手段と、前記水質検出手段により検出された水質の検出値に基づいて、濃縮水のランゲリア指数を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された濃縮水のランゲリア指数に基づいて回収率及び/又は原水のpHを調整することにより、濃縮水のランゲリア指数がゼロ以下の範囲に維持されるように、前記回収率調整手段及び/又は前記pH調整剤添加手段を制御する制御手段と、前記濃縮水ラインに設けられ、濃縮水のシリカ濃度が128mg/L以上400mg/L以下の範囲にあるか否かを監視するシリカ濃度監視装置とを備える水処理システムに関する。
また、前記水質検出手段は、濃縮水及び/又は原水のpH値を検出するpH値センサ;濃縮水及び/又は原水の温度を検出する温度センサ;濃縮水及び/又は原水の電気伝導率を検出する電気伝導率センサ;濃縮水及び/又は原水のカルシウム硬度を検出するカルシウム硬度センサ;並びに濃縮水及び/又は原水の総アルカリ度を検出する総アルカリ度センサのうち、いずれか一つ以上から構成されることが好ましい。
また、前記pH調整剤添加手段の上流側に、原水中の硬度成分を除去して軟水を製造する軟水化装置を備え、前記pH調整剤添加手段は、アルカリ性薬剤を含む前記pH調整剤を使用し、前記制御手段は、軟水のpH値が9以上の範囲に維持されるように、前記pH調整剤添加手段を制御すると共に、濃縮水のランゲリア指数がゼロ以下の範囲に維持されるように、前記回収率調整手段を制御することが好ましい。
また、前記pH調整剤添加手段は、前記pH調整剤添加手段は、酸性薬剤を含む前記pH調整剤を使用し、前記制御手段は、原水のpH値が6以下の範囲に維持されるように、前記pH調整剤添加手段を制御すると共に、濃縮水のランゲリア指数がゼロ以下の範囲に維持されるように、前記回収率調整手段を制御することが好ましい。
本発明によれば、逆浸透膜へのシリカの析出の抑制を一層確実に行うことができる水処理方法及び水処理システムを提供することができる。
本発明の第1実施形態の水処理システム1を示す概略構成図である。 第1実施形態の水処理システム1におけるランゲリア指数監視装置30の構成に関連する図である。 第1実施形態の水処理システム1の動作を示すフローチャートである。 第2実施形態の水処理システム1Aを示す概略構成図である。 第2実施形態の水処理システム1Aにおけるランゲリア指数監視装置30の構成に関連する図である。 第2実施形態の水処理システム1Aの動作を示すフローチャートである。
<第1実施形態>
図1及び図2を参照して、本発明の第1実施形態の水処理システム1について説明する。図1は、本発明の第1実施形態の水処理システム1を示す概略構成図である。図2は、第1実施形態の水処理システム1のランゲリア指数監視装置30の構成に関連する図である。
図1に示す第1実施形態の水処理システム1は、少なくともシリカを含む原水W1を第1逆浸透膜モジュール10bにより膜分離処理して、第1透過水W2及び第1濃縮水W3を製造するものである。
図1に示すように、第1実施形態の水処理システム1は、原水W1中の硬度成分を除去して軟水を製造する軟水化装置2と、軟水化装置2を経た原水W1(被処理水W1a)の膜分離処理を行う第1逆浸透膜装置10と、pH調整剤添加手段としての第1pH調整剤添加装置3と、ランゲリア指数監視装置30と、シリカ濃度監視装置40と、系外から原水W1を供給する原水ラインL1と、透過水ラインとしての第1透過水ラインL2と、濃縮水ラインとしての第1濃縮水ラインL3と、第1検出用ラインL4と、第2検出用ラインL5と、回収率調整手段としての第1濃縮水排水バルブ15と、原水ラインL1を流通する原水W1のpH値を検出する第2pH値センサ17と、濃縮水としての第1濃縮水W3のシリカの濃度を検出するシリカ濃度センサ18とを主体に構成されている。
原水ラインL1は、軟水化装置2までの第1通水ラインL1aと、軟水化装置2から第1逆浸透膜装置10までの第2通水ラインL1bとにより構成される。
第1逆浸透膜装置10は、上流側に設けられる第1加圧ポンプ10aと、下流側に設けられる逆浸透膜モジュールとしての第1逆浸透膜モジュール10bとにより構成される。
なお、本明細書でいう「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
この水処理システム1によれば、系外から供給された原水W1は、第1通水ラインL1aを介して軟水化装置2へ送出され、軟水化装置2により軟水化されて被処理水W1aとなる。被処理水W1aは、第2通水ラインL1bを介して第1逆浸透膜装置10に送出される。第1逆浸透膜装置10に流入した被処理水W1aは、第1逆浸透膜装置10により最終的に浄化された水(以下、「第1透過水」という)W2となる。第1透過水W2は、第1透過水ラインL2を介して需要箇所へ供給される。
この第1逆浸透膜装置10による水処理は、本実施形態の水処理システム1による最終処理であるため、この第1透過水W2のことを「処理水」ともいう。
第1逆浸透膜装置10によって濃縮された水(以下、「第1濃縮水」という)W3は、第1濃縮水ラインL3を介して系外に排出される。
以下、水処理システム1の各部について詳しく説明する。
第1通水ラインL1a(原水ラインL1)は、系外から供給された原水W1を水処理システム1の系内に導入するものである。第1通水ラインL1aの下流側の端部には、軟水化装置2が接続されている。軟水化装置2の下流側には、第1逆浸透膜装置10が設けられている。軟水化装置2と第1逆浸透膜装置10とは、流通可能な第2通水ラインL1b(原水ラインL1)によって接続されている。
系外から導入された原水W1は、第1通水ラインL1aを介して軟水化装置2に流通する。
軟水化装置2は、原水W1に含まれる硬度成分(カルシウムイオン及びマグネシウムイオン)を陽イオン交換樹脂(図示せず)により吸着して除去するものである。軟水化装置2は、樹脂筒(図示せず)と、コントロールバルブ(図示せず)と、塩水を製造し樹脂筒に供給する塩水供給装置(図示せず)とを主体に構成されている。
樹脂筒は、陽イオン交換樹脂(図示せず)を収容する。樹脂筒は、陽イオン交換樹脂によって、原水W1に含まれる硬度成分を一価の陽イオン(例えば、ナトリウムイオン)で置換し、軟水を製造する軟水化処理を行う。コントロールバルブは、軟水化装置2の軟水化処理と再生処理とを切り換える。コントロールバルブは、図示しない制御装置によって制御可能に構成されている。塩水供給装置は、陽イオン交換樹脂を再生するための塩水を製造し、樹脂筒に供給する。
これにより、軟水化装置2では、原水W1に含まれる硬度成分(カルシウムイオン及びマグネシウムイオン)が陽イオン交換樹脂(図示せず)により吸着して除去され、軟水(被処理水W1a)が製造される。
ここで、軟水化装置2は、再生処理の方式を向流再生方式又は分流(スプリットフロー)再生方式とすることにより、カルシウム硬度が0.1mg/L以下の軟水(被処理水W1a)を得ることができる。向流再生方式又は分流(スプリットフロー)再生方式における再生処理は、イオン交換樹脂床の軟水流出側を十分に再生することができる。このような再生方式にすることで、軟水化装置2は、カルシウムイオンが低減された軟水(例えば、カルシウム硬度が0.1mg/L以下の軟水)を製造することができる。
ここで、向流再生方式とは、軟水化処理時の原水の通水方向に対し、再生処理時に再生剤(塩化ナトリウム水溶液等の塩水)を逆方向に流すようにした方式である。また、分流(スプリットフロー)再生方式とは、再生処理時に再生剤をイオン交換樹脂床の両端部から中央部に向けて流すようにした方式である。向流再生方式及び分流(スプリットフロー)再生方式における再生処理は、原水の水質が悪い場合でも、純度の高い軟水を安定して確保することができる。
軟水化装置2の下流側には、軟水(被処理水W1a)を流通可能な第2通水ラインL1bが接続されている。この第2通水ラインL1bの下流側の端部は、第1逆浸透膜装置10に接続されている。軟水(被処理水W1a)は、第2通水ラインL1bを介して第1逆浸透膜装置10に供給される。
第1pH調整剤添加装置3は、第1逆浸透膜装置10に供給される被処理水W1aにpH調整剤を添加する装置である。第1pH調整剤添加装置3は、第2通水ラインL1bの途中の第1添加部J5に接続されている。例えば、第1pH調整剤添加装置3は、pH調整剤として、所定のアルカリ性薬剤(例えば、水酸化ナトリウム)、又は、所定の酸性薬剤(例えば、塩酸)を、第2通水ラインL1bを流通する軟水(被処理水W1a)に添加するように構成されている。
第1pH調整剤添加装置3におけるpH調整剤を添加する制御方法としては、例えば、第1逆浸透膜装置10に供給される被処理水W1aの流量に比例して、pH調整剤を定率で添加する制御方法がある。
また、pH調整剤を添加する制御方法として、例えば、所定間隔毎にpH調整剤を添加する制御方法を用いることができる。この制御方法において、添加間隔を変えずに添加量を添加毎に変える制御方法や、添加量を添加毎には変えずに添加間隔を変える制御方法を利用することができる。
更に、pH調整剤を添加する制御方法として、例えば、pH調整剤添加後の被処理水W1aのpH値を後述する第2pH値センサ17により検出し、このpH値が目標値になるように、添加量を変更する制御方法がある。この制御方法では、制御量としてのpH値を検出しながら、第1pH調整剤添加装置3を制御対象として制御するので、フィードバック制御(閉ループ制御)である。
第2pH値センサ17は、第2通水ラインL1bを流通する被処理水W1aのpH値を検出するセンサである。第2pH値センサ17は、第2通水ラインL1bの途中で且つ第1pH調整剤添加装置3が接続される第1添加部J5よりも下流側の第2検出接続部J2に接続されている。第2pH値センサは、第1pH調整剤添加装置3によりpH調整剤が添加された被処理水W1aのpH値を検出する。
具体的には、第2通水ラインL1bにおける途中には、第2検出接続部J2が設けられている。第2pH値センサ17は、第2検出用ラインL5を介して、第2検出接続部J2において第2通水ラインL1bに接続されている。第2pH値センサ17により検出されたpH値は、後述するランゲリア指数監視装置30のpH調整剤制御部35(図2参照)に出力される。
以上のように、軟水化装置2及び第1pH調整剤添加装置3による前処理によって、原水W1に含まれる硬度成分(カルシウムイオン及びマグネシウムイオン)が除去されると共にpH値が調整され、被処理水W1aが製造される。
第1逆浸透膜装置10は、軟水化装置2等による前処理によって製造された被処理水W1aを、逆浸透膜(以下、「RO膜」ともいう)により、更に純度の高い透過水(処理水)W2と、不純物を多く含む第1濃縮水W3とに膜分離処理を行うものである。これにより、第1逆浸透膜装置10は、第1透過水W2及び第1濃縮水W3を製造する。
第1逆浸透膜装置10は、上流側に設けられる第1加圧ポンプ10aと、下流側に設けられる逆浸透膜モジュールとしての第1逆浸透膜モジュール10bとを備える。第1加圧ポンプ10aは、軟水化装置2から供給される被処理水W1aを加圧し、第1逆浸透膜モジュール10bに送出する。
ここで、水処理システム1は、第1逆浸透膜モジュール10bからの第1透過水W2の流量を検出する流量センサ(図示せず)と、第1加圧ポンプ10aの回転数を出力周波数に応じて可変させるインバータ(図示せず)と、流量センサからの流量検知信号に基づいて、インバータへ指令信号を出力する流量制御部(図示せず)とを備えることが好ましい。この構成によれば、流量センサにより検出される第1透過水W2の流量に基づくフィードバック制御により、第1透過水W2の流量を一定に維持するように制御を行うことができる。
これにより、水温の変動などで処理流量が変化するような場合であっても、第1加圧ポンプ10aの回転数が流量制御部により自動的に調整されて、第1透過水W2の流量を一定に制御することができる。
第1逆浸透膜モジュール10bは、単一又は複数のRO膜エレメント(図示せず)を備えており、これらのRO膜エレメントにより被処理水W1aを膜分離処理し、第1透過水W2及び第1濃縮水W3を製造する。RO膜は、分子量が数十程度のものを濾過可能な膜である。このRO膜には、ナノ濾過膜(NF膜)も含まれる。ナノ濾過膜は、2nm程度よりも小さい粒子や高分子(分子量が最大数百程度の物質)の透過を阻止可能な液体分離膜である。なお、ナノ濾過膜は、ルーズRO膜と呼ばれることもある。
このようなRO膜を有する第1逆浸透膜モジュール10bは、被処理水W1aをRO膜に供給しながら、第1透過水W2を製造すると共に、被処理水W1aの不純物濃度が高まった第1濃縮水W3を製造する。第1逆浸透膜装置10には、第1透過水W2が流通可能な第1透過水ラインL2と、第1濃縮水W3が流通可能な第1濃縮水ラインL3とが接続されている。
第1透過水ラインL2は、RO膜を透過した第1透過水W2を系外へ導出するラインである。第1透過水ラインL2は、第1逆浸透膜モジュール10bに接続され、第1逆浸透膜モジュール10bにより製造された第1透過水W2を需要箇所へ供給(導出)する。
第1濃縮水ラインL3は、RO膜を透過しない第1濃縮水W3が流通するラインである。第1濃縮水ラインL3は、第1逆浸透膜モジュール10bに接続され、第1逆浸透膜モジュール10bにより製造された第1濃縮水W3を系外に排出する。
第1濃縮水ラインL3の途中には、第1逆浸透膜装置10の回収率を変更可能な回収率調整手段としての第1濃縮水排水バルブ15が設けられている。
第1逆浸透膜装置10の回収率は、一般的に、下記式により求められる。
回収率[%]=透過水流量/(透過水流量+排水流量)×100=透過水流量/(給水流量)×100
本実施形態においては、回収率の式における排水流量は、第1濃縮水W3の流量に相当する。給水流量は、被処理水W1aの流量に相当する。給水流量は、透過水流量が一定の場合、回収率から求めることもできる。なお、給水流量は、第2通水ラインL1bに流量センサ(不図示)を設けて計測してもよい。
第1逆浸透膜装置10は、一般的に、このような回収率を設定して運転される。第1濃縮水W3のシリカ濃度がシリカの溶解度を超えると膜面にシリカが析出しやすいため、回収率は、シリカが析出しない範囲で設定される。
第1濃縮水排水バルブ15は、第1濃縮水ラインL3を開閉することにより第1逆浸透膜装置10の回収率を調整する。詳細には、透過水流量が一定の条件の下、第1濃縮水排水バルブ15は、第1濃縮水W3が排出される流量を調整することにより、第1逆浸透膜装置10の回収率を調整する。第1濃縮水排水バルブ15の開度が大きい場合には、第1濃縮水W3が排出される流量が多いため、回収率は低くなる。第1濃縮水排水バルブ15の開度が小さい場合には、第1濃縮水W3が排出される流量が少ないため、回収率は高くなる。
第1濃縮水排水バルブ15は、例えば、比例制御弁からなり、後述するランゲリア指数監視装置30の制御により、排水流量を無段階に調整するように構成されている。なお、第1濃縮水排水バルブ15は、第1濃縮水ラインL3に並列配置した複数個の電磁弁等の開閉弁により排水流量を段階的に調整するように構成することもできる。
シリカ濃度センサ18は、第1濃縮水ラインL3を流通する第1濃縮水W3のシリカ濃度を検出するセンサである。シリカ濃度センサ18は、第1濃縮水ラインL3の途中に接続されている。詳細には、第1濃縮水ラインL3における途中には、第1検出接続部J1が設けられている。シリカ濃度センサ18は、第1検出用ラインL4を介して、第1検出接続部J1において第1濃縮水ラインL3に接続されている。
シリカ濃度センサ18としては、例えば、七モリブデン酸六アンモニウムを含む試薬を添加したときの発色により、濃度を検出する比色式センサが用いられる。比色式センサは、所定量の試料水を収容した透明容器へ試薬を添加し、シリカと七モリブデン酸六アンモニウムとの反応による試料水の発色度合を、特定波長の光を照射したときの吸光度から測定する。そして、比色式センサは、測定された吸光度に基づいて、試料水中のシリカ濃度を測定(検出)する。
なお、図示を省略するが、上述した第1通水ラインL1a,第2通水ラインL1b,第1濃縮水ラインL3,第1検出用ラインL4,第2検出用ラインL5等には、原水W1、被処理水W1a、第1透過水W2及び第1濃縮水W3等を送出するポンプや、流路を開閉するバルブ等が適宜設けられている。これらのポンプやバルブ等も、図示しない制御装置によって制御される。例えば、水処理システム1が運転され、ポンプ(図示せず)が起動されることにより、原水ラインL1には、原水W1が流通する。
次に、ランゲリア指数監視装置30について説明する。
ランゲリア指数監視装置30は、第1濃縮水W3を監視する装置であり、例えば、第1濃縮水W3のランゲリア指数を算出すると共に、算出されたランゲリア指数に基づいて、各部を制御する。
図2に示すように、ランゲリア指数監視装置30は、水質検出手段としての水質検出装置20と、ランゲリア指数制御部31と、ランゲリア指数記憶部36とを備える。ランゲリア指数監視装置30は、例えば、第1濃縮水排水バルブ15、第1pH調整剤添加装置3、第2pH値センサ17それぞれに電気的に接続される。
水質検出装置20は、第1濃縮水W3の水質を検出する。水質検出装置20は、ランゲリア指数を算出する際に用いられる水質に関する情報を検出する。水質検出装置20により検出された水質の検出値の情報は、後述するランゲリア指数監視装置30に出力される。
図1に示すように、水質検出装置20は、第1検出用ラインL4を介して、第1検出接続部J1において第1濃縮水ラインL3に接続されている。水質検出装置20は、第1pH値センサ21と、温度センサ22と、電気伝導率センサ23と、カルシウム硬度センサ24と、総アルカリ度センサ25とを有する。
第1pH値センサ21、温度センサ22、電気伝導率センサ23、カルシウム硬度センサ24、総アルカリ度センサ25それぞれにより検出される検出値は、ランゲリア指数監視装置30のランゲリア指数算出部32(後述)がランゲリア指数を算出する際に用いられる。
第1pH値センサ21は、第1濃縮水ラインL3を流通する第1濃縮水W3のpH値を検出するセンサである。温度センサ22は、第1濃縮水ラインL3を流通する第1濃縮水W3の水温を検出するセンサである。電気伝導率センサ23は、第1濃縮水ラインL3を流通する第1濃縮水W3の電気伝導率を検出するセンサである。
カルシウム硬度センサ24は、第1濃縮水ラインL3を流通する第1濃縮水W3のカルシウム硬度を検出するセンサである。カルシウム硬度センサ24としては、例えば、2−ヒドロキシ−1−(2’−ヒドロキシ−4’−スルホ−1’−ナフチルアゾ)−3−ナフトエ酸(略称:HSNN)を含む試薬を添加したときの発色により、カルシウム硬度を検出する比色式センサが用いられる。比色式センサは、所定量の試料水を収容した透明容器へ試薬を添加し、カルシウムイオンとHSNNとの反応による試料水の色相変化を、特定波長の光を照射したときの吸光度から測定する。そして、比色式センサは、測定された吸光度に基づいて、試料水中のカルシウム硬度を測定(検出)する。
総アルカリ度センサ25は、第1濃縮水ラインL3を流通する第1濃縮水W3の総アルカリ度を検出するセンサである。総アルカリ度とは、水中に含まれる炭酸水素塩、炭酸塩、水酸化物等のアルカリ成分の量を炭酸カルシウム(CaCO)の量に換算して表わしたものであり、JIS規格では、酸消費量(pH4.8)と称される。総アルカリ度センサ25としては、例えば、メチルオレンジを含む試薬を添加したときの発色により、総アルカリ度を検出する比色式センサが用いられる。比色式センサは、所定量の試料水を収容した透明容器へ試薬を添加し、アルカリ成分とメチルオレンジの反応による試料水の発色度合を、特定波長の光を照射したときの吸光度から測定する。そして、比色式センサは、測定された吸光度に基づいて、試料水中の総アルカリ度を測定(検出)する。
ランゲリア指数監視装置30は、第1濃縮水W3のランゲリア指数(Langeliar Saturation Index;以下「LSI」ともいう)を算出すると共に、ランゲリア指数の値を所定範囲に維持するように制御する。ランゲリア指数は、主に、給水系における水の腐食傾向およびスケール傾向を評価する指標として用いられる。ランゲリア指数(LSI)は、下記(1)式により求められる。
LSI=pH−pHs・・・(1)
ここで、pHは、水の実際のpH値である。また、pHsは、水中に炭酸カルシウムが溶解も析出もしない平衡状態にあるときの理論上のpH値である。
pHsは、下記(2)式により求められる。
pHs=9.3+A値+B値−C値−D値・・・(2)
ここで、A値は、蒸発残留物濃度により定まる補正値である。蒸発残留物濃度は、電気伝導率と相関があるため、所定の換算式を用いて電気伝導率から蒸発残留物濃度を求めることができる。B値は、水温により定まる補正値である。C値は、カルシウム硬度により定まる補正値である。D値は、総アルカリ度により定まる補正値である。A〜D値は、前述の水質検出装置20の検出値から関係式を用いて、或いは数値テーブルを参照して求めることができる。
ランゲリア指数は、正(プラス)の値で絶対値が大きいほど炭酸カルシウムが析出されやすい。そのため、ランゲリア指数が正(プラス)の値で数値が大きいほど、配管系における腐食性が抑制される。また、ランゲリア指数は、負(マイナス)の値で絶対値が小さいほど炭酸カルシウムの析出が抑制される。そのため、ランゲリア指数が負(マイナス)の値で数値が小さいほど、配管系における腐食性が増大される。また、ランゲリア指数が0(ゼロ)の場合には、炭酸カルシウムが析出も溶解もしない平衡状態にある。
つまり、ランゲリア指数を0(ゼロ)以下とすることにより、炭酸カルシウムの析出を抑制することができる。なお、ランゲリア指数を0(ゼロ)以上とすることにより、配管系における腐食を抑制することができる。
このように、ランゲリア指数は、炭酸カルシウムの析出についての指標として用いることができる。
ところで、本願出願人は、ランゲリア指数が、炭酸カルシウムの析出についての指標としてだけではなく、シリカの析出についての指標となることを知見した。具体的には、ランゲリア指数が0(ゼロ)以下の場合に、炭酸カルシウムの析出を抑制することができることと同様に、シリカの析出も抑制することができることを実験等により知見した。
これにより、水処理方法においては、第1濃縮水W3のランゲリア指数を0(ゼロ)以下の範囲に維持しながら第1逆浸透膜装置10により膜分離処理をすることで、第1濃縮水W3におけるシリカの析出を抑制することができる。
ここで、ランゲリア指数を0(ゼロ)以下に調整する手段について、ランゲリア指数の値の増減と上記(2)式におけるA〜D値の関係において考察する。ランゲリア指数は、上記A〜D値に基づいて、総合的に算出される。そのため、上記A〜D値のうちの1つの値を調整するのみではランゲリア指数を0(ゼロ)以下にすることができない場合もある。
また、A〜D値は、調整が容易な場合もあるが、ランゲリア指数以外の別の指標により水質調整を行う際に、A〜D値のうちのいずれかの値が優先して調整される場合もあり、調整が困難な場合もある。しかし、ランゲリア指数を0(ゼロ)以下にする場合において、ランゲリア指数とA〜D値の関係について考察することにより、ランゲリア指数を0(ゼロ)以下に調整する制御を容易に実現可能とすることができる。
1つのパラメータを調整することにより、必ずしもランゲリア指数を0(ゼロ)以下に調整できない場合もあることから、ここでは、ランゲリア指数が0(ゼロ)よりも大きい場合からランゲリア指数を小さくするために調整することができるいくつかの制御要素について考察する。
まず、ランゲリア指数(LSI)とpH値との関係について考察する。
第1濃縮水W3のpH値が高くなると、(1)式によりLSIは大きくなる。従って、LSIを小さくするためには、第1濃縮水W3のpH値を低くする。具体的には、例えば、第1pH調整剤添加装置3を用いて、第1逆浸透膜装置10に供給される被処理水W1aに所定の酸性薬剤(pH調整剤)を添加することにより、pH値を低くすることができる。
次に、ランゲリア指数(LSI)とカルシウム硬度との関係について考察する。カルシウム硬度センサ24により検出されたカルシウム硬度の検出値を補正することで、C値が定まる。第1濃縮水W3のカルシウム硬度が高くなると、C値が大きくなるため、(2)式により、pHsが小さくなる。第1濃縮水W3のカルシウム硬度が高くなり、pHsが小さくなると、(1)式によりLSIは大きくなる。従って、LSIを小さくするためには、第1濃縮水W3のカルシウム硬度を低くする。具体的には、例えば、軟水化装置2を用いて原水W1に含まれる硬度成分(カルシウムイオン及びマグネシウムイオン)を除去することにより、カルシウム硬度を低くすることができる。
次に、ランゲリア指数(LSI)と第1逆浸透膜装置10の回収率との関係について考察する。LSIを小さくするためには、第1逆浸透膜装置10の回収率を低くする。すなわち、回収率を低く設定すると、第1濃縮水W3のpH値、電気伝導率に係るA値、カルシウム硬度に係るC値、および総アルカリ度に係るD値がそれぞれ小さくなるため、LSIを小さくすることができる。具体的には、第1濃縮水排水バルブ15の開度を大きくして第1濃縮水W3の排出流量を多くする。これにより、第1逆浸透膜装置10の回収率が低くなるため、LSIを小さくすることができる。
以上のような考察に基づいて、ランゲリア指数を0(ゼロ)以下にするように各要素を調整することができる。具体的には、例えば、被処理水W1aのpH値、電気伝導率、カルシウム硬度および総アルカリ度のうち、いずれかが増加した場合には、ランゲリア指数が増加する方向にあるため、第1逆浸透膜装置10の回収率を低く設定することにより、ランゲリア指数を減少させる方向に調整することができる。また、例えば、被処理水W1aのpH値、電気伝導率、カルシウム硬度および総アルカリ度のうち、いずれかが増加した場合には、ランゲリア指数が増加する方向にあるため、第1pH調整剤添加装置3による酸性薬剤の添加量を増加させることにより、ランゲリア指数を減少させる方向に調整することができる。
ランゲリア指数制御部31は、ランゲリア指数を算出する算出手段としてのランゲリア指数算出部32と、ランゲリア指数判定部33と、第1濃縮水排水バルブ15を制御する制御手段としての回収率調整制御部34と、第1pH調整剤添加装置3を制御する制御手段としてのpH調整剤制御部35とを有する。
ランゲリア指数記憶部36は、ランゲリア指数に関する所定のパラメータや各種テーブル等を記憶する。ランゲリア指数記憶部36に記憶される情報は、ランゲリア指数制御部31により参照される。
ランゲリア指数算出部32は、ランゲリア指数記憶部36に記憶された補正テーブル36a(後述)を参照して、水質検出装置20(第1pH値センサ21、温度センサ22、電気伝導率センサ23、カルシウム硬度センサ24、総アルカリ度センサ25)により検出された検出値を、ランゲリア指数を算出するための情報に補正又は換算する。ランゲリア指数算出部32は、ランゲリア指数算出部32により補正された情報及びランゲリア指数の算出式(1)に基づいて、ランゲリア指数を算出する。
ランゲリア指数判定部33は、ランゲリア指数算出部32により算出されたランゲリア指数の情報に基づいて、第1濃縮水W3のランゲリア指数が0(ゼロ)以下であるか否かについて判定する。
回収率調整制御部34は、ランゲリア指数判定部33の判定結果に基づいて、ランゲリア指数算出部32により算出された第1濃縮水W3のランゲリア指数が0(ゼロ)以下の範囲に維持されるように、第1濃縮水排水バルブ15の開閉の度合いを制御する。
pH調整剤制御部35は、ランゲリア指数判定部33の判定結果に基づいて、ランゲリア指数算出部32により算出された第1濃縮水W3のランゲリア指数が0(ゼロ)以下の範囲に維持されるように、第1pH調整剤添加装置3を制御する。
また、pH調整剤制御部35は、第1pH値センサ21又は第2pH値センサ17により検出されるpH値の情報に基づいて、被処理水W1aのpH値が所定の範囲に維持されるように、第1pH調整剤添加装置3を制御する。
ランゲリア指数記憶部36は、ランゲリア指数に関する所定のパラメータや各種テーブル等を記憶する。具体的には、ランゲリア指数記憶部36には、回収率調整制御部34により開閉される第1濃縮水排水バルブ15の開閉の度合いと回収率との関係に関する情報や、pH調整剤制御部35により制御される第1pH調整剤添加装置3のpH調整剤の添加量の情報などが記憶されている。
また、ランゲリア指数記憶部36は、補正テーブル36aを有する。補正テーブル36aには、水質検出装置20(第1pH値センサ21、温度センサ22、電気伝導率センサ23、カルシウム硬度センサ24、総アルカリ度センサ25)より検出された検出値をランゲリア指数算出部32がランゲリア指数を算出する際に用いるA〜D値に補正するためのテーブルが記憶されている。
次に、シリカ濃度監視装置40について説明する。
シリカ濃度監視装置40は、第1濃縮水W3のシリカの濃度を監視する。シリカ濃度監視装置40を設ける理由としては、RO膜を用いた水処理システム1において、許容できない第1濃縮水W3の上限のシリカ濃度での運転を回避するためである。具体的には、逆浸透膜を用いた水処理システムにおいては、濃縮水のシリカ濃度が高い場合、原水中の懸濁物質や有機物も高濃度に濃縮されている場合があり、逆浸透膜のファウリングによって透過流束の維持や処理水の水質の安定化の阻害要因となるおそれがある。「ファウリング」とは、原水中の懸濁物質や有機物等がRO膜の膜面等に沈着又は吸着する現象をいい、透過流束や塩除去率の低下を招く一因となり得る。そこで、水処理システム1では、濃縮水のシリカ濃度を間接的な指標にして、濃縮水中の懸濁物質や有機物の過剰な濃縮を監視するように構成している。
第1逆浸透膜装置10において許容できる濃縮倍率は、例えば、ファウリングを考慮すると10倍程度であり、回収率として90%程度である。そのため、例えば、被処理水W1aのシリカ濃度を最大40mg/Lとすると、第1濃縮水W3のシリカ濃度を400mg/L以下に維持した状態で水処理システム1を運転する必要がある。従って、本実施形態においては、シリカ濃度監視装置40は、水処理システム1のシステム保全の観点から、第1濃縮水W3のシリカ濃度が400mg/L以下であるか否かを監視するように構成される。
シリカ濃度監視装置40は、シリカ濃度判定部41と、シリカ濃度報知部42とを備える。シリカ濃度報知部42には、警告表示出力部50が接続される。
シリカ濃度判定部41は、シリカ濃度センサ18の検出する検出値に基づいて、第1濃縮水W3のシリカ濃度が所定の閾値以上であるか否かを判定する。所定の閾値は、前述したように、水処理システム1を正常に運転できる上限の濃縮倍率に基づいて設定される。具体的には、例えば、所定の閾値は、400mg/Lに設定される。
ところで、第1濃縮水W3のシリカ濃度がシリカの溶解度を超えると、シリカがRO膜の膜面に析出して第1逆浸透膜装置10の運転の障害となる可能性がある。シリカの溶解度は、第1濃縮水W3のpH値や水温の条件により異なるが、一般的には、所定の関数式により算出される。例えば、シリカの溶解度の代表値は、pH値が7で水温25℃の場合、128mgSiO/Lである。また、本実施形態においては、ファウリングを予防して水処理システム1を正常に運転できる上限のシリカ濃度として、シリカ濃度を400mg/Lに設定している。
以上のような観点から、本発明は、シリカ濃度がシリカの溶解度を超えた場合(例えば、シリカ濃度が128mg/L以上400mg/L未満の範囲)であっても、ランゲリア指数を0(ゼロ)以下に維持し、且つ水処理システム1を正常に運転できるシリカ濃度を監視することにより、RO膜の膜面にシリカが析出されることを抑制し、更にはファウリングをも予防することができる水処理システム1を実現する。
シリカ濃度報知部42は、シリカ濃度判定部41の判定結果に基づいて、第1濃縮水W3のシリカ濃度が所定の閾値を超える場合には、警告表示出力部50に警告を文字表示等により出力するように制御する。
次に、第1実施形態の水処理システム1の動作について図1を参照しながら説明する。水処理システム1が運転され、ポンプ(図示せず)が起動される。すると、原水W1が、第1通水ラインL1aを介して軟水化装置2を流通する。
軟水化装置2を流通する原水W1は、陽イオン交換樹脂(図示せず)により吸着されることにより、原水W1に含まれる硬度成分(カルシウムイオン及びマグネシウムイオン)が除去される。本実施形態においては、原水W1は、軟水化装置2によりカルシウム硬度が0.1mg/L以下の軟水(被処理水W1a)に軟水化される。
軟水化された被処理水W1aは、軟水化装置2から送出され、第2通水ラインL1bを流通する。第2通水ラインL1bを流通する被処理水W1aには、第1pH調整剤添加装置3によりアルカリ性薬剤(例えば、水酸化ナトリウム)が添加される。ここで、第1pH調整剤添加装置3により添加されるアルカリ性薬剤の添加量は、後述するように、第2pH値センサ17により検出されるpH値に基づいて調整される。
以上のように、原水W1は、軟水化装置2を流通すると共に第1pH調整剤添加装置3によりアルカリ性薬剤が添加されることにより前処理される。これにより、被処理水W1aが製造される。
被処理水W1aは、第2通水ラインL1bを介して第1逆浸透膜装置10に流通され、浄化される。被処理水W1aは、第1逆浸透膜装置10の第1逆浸透膜モジュール10bにより、第1透過水W2と第1濃縮水W3とに膜分離処理される。これにより、溶存塩類等の不純物が除去された透過水(処理水)W2を得ることができる。
第1逆浸透膜装置10により製造された透過水(処理水)W2は、第1透過水ラインL2を介して需要箇所へ供給される。一方、第1逆浸透膜装置10で製造された第1濃縮水W3は、第1濃縮水排水バルブ15を適宜開閉することにより、第1濃縮水ラインL3を介して水処理システム1の系外へ排水される。
本水処理システム1は、ランゲリア指数監視装置30により、第1濃縮水W3のランゲリア指数が0(ゼロ)以下になるように制御される。これにより、第1逆浸透膜モジュール10bの膜面にシリカが析出されることが抑制される。
次に、第1実施形態の水処理システム1の動作について、図3を参照しながら詳細に説明する。図3は、第1実施形態の水処理システム1の動作を示すフローチャートである。
第1実施形態の水処理システム1においては、第1透過水W2の流量は、前記した流量制御部により一定に維持されている。すなわち、流量制御部は、流量センサからの流量検知信号をフィードバックしながら、インバータにより第1加圧ポンプ10aの回転数を制御し、第1透過水W2の流量が予め設定された目標値になるように制御している(定流量制御)。
また、水処理システム1においては、第1pH調整剤添加装置3により、被処理水W1aに所定量のアルカリ性薬剤が添加されていると共に、第1濃縮水排水バルブ15から第1濃縮水W3を排水することにより、所定の回収率で運転されている。
そして、水処理システム1は、定流量制御を実行しながら、第1pH調整剤添加装置3を制御して、被処理水W1aのpH値を9以上の範囲に維持すると共に、第1濃縮水排水バルブ15の開閉を制御して、第1濃縮水W3のランゲリア指数を0(ゼロ)以下の範囲に維持するように運転される。
ステップST101において、第2pH値センサ17は、第2通水ラインL1bを流通する被処理水W1aのpH値を検出する。第2pH値センサ17に検出されたpH値の情報は、pH調整剤制御部35に出力される。
ステップST102において、pH調整剤制御部35は、被処理水W1aのpH値を9以上の範囲に維持させるため、第2pH値センサ17から入力されたpH値の情報に基づいて、pH値が9以上の範囲にあるか否かを判定する。
ここで、被処理水W1aのpH値を9以上の範囲に維持する理由について説明する。
被処理水W1a中の溶存炭酸ガスは、pH値を9以上とすることにより、炭酸水素イオン及び炭酸イオンにイオン化する。そのため、第1逆浸透膜モジュール10bにより、被処理水W1a中の溶存炭酸ガスを除去することが可能となる。これにより、第1逆浸透膜装置10は、被処理水W1a中の溶存炭酸ガスを除去することにより、第1透過水W2の純度をpH値が低い場合よりも向上させることができる。
ステップST102において、被処理水W1aのpH値が9未満の場合(NO)には、pH値を9以上の範囲に調整する必要があるため、ステップST103へ進む。一方、被処理水W1aのpH値が9以上の場合(YES)には、ステップST104へ進む。
ステップST103において、pH調整剤制御部35は、第1pH調整剤添加装置3を制御して、アルカリ性薬剤の添加量を再調整する。具体的には、被処理水W1aのpH値が9以上の範囲に維持されるように、アルカリ性薬剤の添加量を増加させる。
ステップST103の後、ステップST104へ進む。
ステップST104において、水質検出装置20は、第1濃縮水ラインL3を流通する第1濃縮水W3の水質を検出する。水質検出装置20は、第1pH値センサ21と、温度センサ22と、電気伝導率センサ23と、カルシウム硬度センサ24と、総アルカリ度センサ25とを備えており、検出された水質情報(pH値、温度、電気伝導率、カルシウム硬度および総アルカリ度)は、ランゲリア指数監視装置30のランゲリア指数算出部32に出力される。
ステップST105において、ランゲリア指数算出部32は、まずランゲリア指数記憶部36の補正テーブル36aを参照して、温度、電気伝導率、カルシウム硬度および総アルカリ度に係る補正値(A〜D値)を求める。そして、ランゲリア指数算出部32は、前述の(1)式および(2)式に基づいて、ランゲリア指数を算出する。
ステップST106において、ランゲリア指数判定部33は、第1濃縮水W3のランゲリア指数が0(ゼロ)以下の範囲にあるか否かを判定する。
ここで、被処理水W1aは、第1逆浸透膜装置10の前処理において、軟水化装置2によりカルシウム硬度成分0.1mg/L以下に軟水化されている。被処理水W1aのカルシウム硬度が低減されている場合、第1濃縮水W3のランゲリア指数は、マイナス側にシフトする。しかしながら、pH調整剤制御部35は、第1透過水W2の純度を向上させる観点から、被処理水W1aのpH値を9以上の範囲に維持させているので、第1濃縮水W3のランゲリア指数は、プラス側にシフトする。そのため、ステップST106では、第1濃縮水W3のランゲリア指数が0(ゼロ)以下の範囲にあるか否かを判定するようにしている。
ステップST106において、ランゲリア指数が0(ゼロ)を超える場合(NO)には、ステップST107へ進む。一方、ランゲリア指数が0(ゼロ)以下の場合(YES)には、ステップST108へ進む。
ステップST107において、回収率調整制御部34は、第1濃縮水排水バルブ15の開閉を制御して、第1逆浸透膜装置10の回収率を再調整する。具体的には、第1濃縮水W3のランゲリア指数が0(ゼロ)以下の範囲に維持されるように、回収率を低減させる。これにより、被処理水W1aのpH値を9以上の範囲に維持しつつ、第1濃縮水W3のランゲリア指数を0(ゼロ)以下の範囲に維持させることができる。
ここで、ランゲリア指数が0(ゼロ)以下の場合には、第1濃縮水W3のシリカ濃度がシリカ溶解度を超えていても、RO膜の膜面におけるシリカの析出が抑制された状態である。また、同時に、RO膜の膜面における炭酸カルシウムの析出が抑制された状態でもある。
ステップST107の後、ステップST108へ進む。
ステップST108において、シリカ濃度センサ18は、第1濃縮水W3のシリカ濃度を検出する。シリカ濃度センサ18に検出されたシリカ濃度の情報は、シリカ濃度監視装置40のシリカ濃度判定部41に出力される。
ステップST109において、シリカ濃度判定部41は、シリカ濃度センサ18から入力されたシリカ濃度の情報に基づいて、シリカ濃度が400mg/L以下であるか否かを判定する。
第1濃縮水W3のシリカ濃度が400mg/Lを超える場合(NO)には、懸濁物質や有機物の過濃縮によるファウリングのおそれがあるとして、ステップST110へ進む。一方、第1濃縮水W3のシリカ濃度が400mg/L以下である場合(YES)には、ファウリングのおそれがないとして、ステップST101へ戻る。
ステップST110において、シリカ濃度報知部42は、警告表示出力部50に警告の表示を出力する。これにより、シリカ濃度報知部42は、水処理システム1の管理者に対して、RO膜のファウリングのおそれがある旨を報知する。ここで、水処理システム1の管理者は、水処理システム1の運転状態が正常でないと判断して、水処理システム1の運転を停止させることもできる。
ステップST110の後、ステップST101へ戻る。
以上のように、第1実施形態の水処理システム1によれば、以下に示す各効果を奏することができる。第1実施形態の水処理システム1を利用した水処理方法によれば、少なくともシリカを含む原水W1を第1逆浸透膜モジュール10bにより膜分離処理し、第1透過水W2及び第1濃縮水W3を製造する水処理方法において、第1濃縮水W3のランゲリア指数をゼロ以下の範囲に維持しながら膜分離処理する。
そのため、第1逆浸透膜装置10のRO膜の膜面にシリカが析出されることを抑制することができる。特に、第1濃縮水W3のシリカ濃度がシリカ溶解度を超えていた場合においても、ランゲリア指数をゼロ以下の範囲に維持することにより、第1逆浸透膜装置10の第1逆浸透膜モジュール10bの膜面におけるシリカの析出を抑制することができる。
また、第1実施形態の水処理システム1は、少なくともシリカを含む原水を供給する原水ラインL1と、原水ラインL1より供給された原水を膜分離処理し、第1透過水W2及び第1濃縮水W3を製造する第1逆浸透膜モジュール10bと、第1逆浸透膜モジュール10bにより製造された第1透過水W2を導出する第1透過水ラインL2と、第1逆浸透膜モジュール10bにより製造された第1濃縮水W3を系外に排出する第1濃縮水ラインL3と、第1濃縮水ラインL3に設けられ、第1濃縮水W3の排出量を調整することにより回収率を調整する第1濃縮水排水バルブ15と、原水ラインL1に設けられ、第1逆浸透膜モジュール10bに供給される原水W1にpH調整剤を添加する第1pH調整剤添加装置3と、第1濃縮水ラインL3に設けられ、これらのラインを流通する第1濃縮水W3の水質を検出する水質検出装置20と、水質検出装置20により検出された水質の検出値に基づいて、第1濃縮水W3のランゲリア指数を算出するランゲリア指数算出部32と、ランゲリア指数算出部32により算出された第1濃縮水W3のランゲリア指数がゼロ以下の範囲に維持されるように、第1濃縮水排水バルブ15及び/又は第1pH調整剤添加装置3を制御するランゲリア指数制御部31とを備える。
そのため、ランゲリア指数制御部31は、ランゲリア指数をゼロ以下の範囲に維持するように制御することができる。これにより、第1逆浸透膜装置10の第1逆浸透膜モジュール10bの膜面にシリカが析出されることを抑制することができる。
例えば、原水W1の水質の変動が大きい場合に、ランゲリア指数をフィードバック値として、第1濃縮水排水バルブ15及び/又は第1pH調整剤添加装置3を制御することができる。これにより、第1逆浸透膜モジュール10bの膜面にシリカが析出されることを抑制することができる。
また、第1実施形態の水処理システム1においては、水質検出装置20は、第1濃縮水W3のpH値を検出する第1pH値センサ21;第1濃縮水W3の温度を検出する温度センサ22;濃縮水の電気伝導率を検出する電気伝導率センサ23;濃縮水のカルシウム硬度を検出するカルシウム硬度センサ24;並びに第1濃縮水W3の総アルカリ度を検出する総アルカリ度センサ25のうち、いずれか一つ以上から構成される。
そのため、ランゲリア指数算出部32は、水質検出装置20における各センサにより検出された検出値に基づいて、第1濃縮水W3のランゲリア指数を精度よく算出することができる。これにより、ランゲリア指数をゼロ以下の範囲に維持することにより、第1逆浸透膜モジュール10bの膜面へのシリカの析出を一層抑制することができる。
また、第1実施形態の水処理システム1は、第1pH調整剤添加装置3の上流側に、原水W1中の硬度成分を除去して軟水を製造する軟水化装置2を備え、第1pH調整剤添加装置3は、pH調整剤としてアルカリ性薬剤を含み、ランゲリア指数制御部31は、軟水のpH値が9以上の範囲に維持されるように、第1pH調整剤添加装置3を制御すると共に、第1濃縮水W3のランゲリア指数がゼロ以下の範囲に維持されるように、第1濃縮水排水バルブ15を制御する。そのため、被処理水W1aのpH値を9以上の範囲に維持しつつ、ランゲリア指数をゼロ以下の範囲に維持することができる。これにより、第1透過水W2の純度を向上させることができると共に、第1逆浸透膜モジュール10bの膜面へのシリカの析出を抑制することができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態については、主として、第1実施形態とは異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。第2実施形態において特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用又は援用される。
<第2実施形態>
図4及び図5を参照して、本発明の第2実施形態の水処理システム1Aについて説明する。図4は、第2実施形態の水処理システム1Aを示す概略構成図である。図5は、第2実施形態の水処理システム1Aにおけるランゲリア指数監視装置30の構成に関連する図である。
図4に示す第1実施形態の水処理システム1Aは、少なくともシリカを含む原水W1を第1逆浸透膜モジュール10bにより膜分離処理して第1透過水W2及び第1濃縮水W3を製造し、更に、第1透過水W2を第2逆浸透膜モジュール11bにより膜分離処理して、第2透過水W4及び第2濃縮水W5を製造するものである。
図4に示すように、第2実施形態の水処理システム1Aは、原水(被処理水)W1の膜分離処理を行う第1逆浸透膜装置10と、第1逆浸透膜装置10から送出される第1透過水W2の膜分離処理を行う第2逆浸透膜装置11と、pH調整剤添加手段としての第1pH調整剤添加装置3及び第2pH調整剤添加装置5と、分散剤添加装置4と、ランゲリア指数監視装置30と、シリカ濃度監視装置40と、系外から原水W1を供給する原水ラインL1と、第1透過水ラインL2と、第2透過水ラインL6と、第1濃縮水ラインL3と、第2濃縮水ラインL7と、第1検出用ラインL4と、第2検出用ラインL5と、第3検出用ラインL8と、第1濃縮水排水バルブ15と、第2濃縮水排水バルブ16と、原水ラインL1を流通する原水W1のpH値を検出する第2pH値センサ17と、第1透過水ラインL2を流通する第1透過水W2のpH値を検出する第3pH値センサ19と、第1濃縮水W3のシリカの濃度を検出するシリカ濃度センサ18とを主体に構成されている。
つまり、第2実施形態の水処理システム1Aは、第1実施形態の水処理システム1に比して、軟水化装置2を備えない点、第2逆浸透膜装置11、第2pH調整剤添加装置5、分散剤添加装置4及び第3pH値センサ19を備える点、第2透過水ラインL6、第2濃縮水ラインL7及び第3検出用ラインL8を備える点、第2濃縮水排水バルブ16を備える点が主として異なる。
この水処理システム1Aによれば、系外から供給された原水W1は、原水ラインL1を介して第1逆浸透膜装置10へ送出される。第1逆浸透膜装置10に流入した原水W1は、第1逆浸透膜装置10により第1透過水W2となる。
第1逆浸透膜装置10から送出された第1透過水W2は、第1透過水ラインL2を介して第2逆浸透膜装置11へ送出される。第2逆浸透膜装置11に流入した第1透過水W2は、第2逆浸透膜装置11により更に浄化された水(以下、「第2透過水」という)W4となる。第2透過水W4は、第2透過水ラインL6を介して需要箇所へ供給される。
以下、第2実施形態における水処理システム1Aの各部について詳しく説明する。
原水ラインL1は、系外から供給された原水W1を水処理システム1の系内に導入するものである。原水ラインL1の下流側の端部には、第1逆浸透膜装置10が接続されている。第1逆浸透膜装置10の下流側には、第2逆浸透膜装置11が設けられている。第1逆浸透膜装置10と第2逆浸透膜装置11とは、流通可能な第1透過水ラインL2によって接続されている。
原水ラインL1の途中には、第1pH調整剤添加装置3及び分散剤添加装置4が接続されている。第1pH調整剤添加装置3及び分散剤添加装置4は、原水ラインL1の途中の第1添加部J5に接続されている。分散剤添加装置4は、第1逆浸透膜装置10に供給される原水(被処理水)W1にスケール分散剤を添加する装置である。分散剤添加装置4は、スケール分散剤を添加することにより、濃縮水中での炭酸カルシウム系スケールの析出を抑制する。例えば、分散剤添加装置4は、ポリカルボン酸塩やリン酸塩等のスケール分散剤を、原水ラインL1を流通する原水(被処理水)W1に添加するように構成されている。
第1pH調整剤添加装置3の構成は、前記第1実施形態の場合と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態においては、第1pH調整剤添加装置3及び分散剤添加装置4を併用することにより、第1逆浸透膜装置10に供給される原水(被処理水)W1に、pH調整剤及びスケール分散剤を併用して添加することができる。
分散剤と酸性薬剤(pH調整剤)を併用する場合、酸型の分散剤を使用すると、酸性薬剤の使用量を抑制することができる。また、分散剤とアルカリ性薬剤(pH調整剤)を併用する場合、塩型の分散剤を使用すると、アルカリ性薬剤の使用量を抑制することができる。なお、酸型の分散剤としては、ポリアクリル酸などの分散剤がある。また、塩型の分散剤としては、ポリアクリル酸ナトリウムなどの分散剤がある。
第2pH調整剤添加装置5は、第2逆浸透膜装置11に供給される第1透過水W2にpH調整剤を添加する。第2pH調整剤添加装置5は、第1透過水ラインL2の途中の第2添加部J6に接続されている。例えば、第2pH調整剤添加装置5は、pH調整剤として、所定のアルカリ性薬剤(例えば、水酸化ナトリウム)、又は、所定の酸性薬剤(例えば、塩酸)を、第1透過水ラインL2を流通する第1透過水W2に添加するように構成されている。第2pH調整剤添加装置5の構成は、前記第1実施形態における第1pH調整剤添加装置3の構成と同様であるため、説明を省略する。
第3pH値センサ19は、第1透過水ラインL2を流通する第1透過水W2のpH値を検出するセンサである。第3pH値センサ19は、第1透過水ラインL2の途中で且つ第2pH調整剤添加装置5が接続される第2添加部J6よりも下流側の第3検出接続部J3に接続されている。第3pH値センサ19は、第2pH調整剤添加装置5によりpH調整剤が添加された第1透過水W2のpH値を検出する。
具体的には、第1透過水ラインL2における途中には、第3検出接続部J3が設けられている。第3pH値センサ19は、第3検出用ラインL8を介して、第3検出接続部J3において第1透過水ラインL2に接続されている。第3pH値センサ19により検出されたpH値は、後述するランゲリア指数監視装置30のpH調整剤制御部35に出力される。
第2逆浸透膜装置11は、第1逆浸透膜装置10の膜分離処理により製造された第1透過水W2を、逆浸透膜(以下、「RO膜」ともいう)により、更に純度の高い第2透過水(処理水)W4と、不純物を含む第2濃縮水W5とに更に膜分離処理を行うものである。これにより、第2逆浸透膜装置11は、第2透過水W4及び第2濃縮水W5を製造する。
本実施形態は、第1逆浸透膜装置10と第2逆浸透膜装置11とを直列的に2段に設ける構成にすることにより、製造される第2透過水W4の純度を高めるものである。
第2逆浸透膜装置11は、上流側に設けられる第2加圧ポンプ11aと、下流側に設けられる第2逆浸透膜モジュール11bとを備える。第2加圧ポンプ11aは、第1逆浸透膜装置10から供給される第1透過水W2を加圧し、第2逆浸透膜モジュール11bに送出する。
RO膜を有する第2逆浸透膜装置11は、第1透過水W2をRO膜に供給しながら、第2透過水(処理水)W4を製造すると共に、第1透過水W2の不純物濃度が高まった第2濃縮水W5を製造する。第2逆浸透膜装置11には、第2透過水W4を流通可能な第2透過水ラインL6と、第2濃縮水W5を流通可能な第2濃縮水ラインL7とが接続されている。
第2透過水ラインL6は、RO膜を透過した第2透過水(処理水)W4を系外へ導出するラインである。第2透過水ラインL6は、第2逆浸透膜モジュール11bに接続され、第2逆浸透膜モジュール11bにより製造された第2透過水W4を需要箇所へ供給する。
第2濃縮水ラインL7は、RO膜を透過しない第2濃縮水W5が流通するラインである。第2濃縮水ラインL7は、第2逆浸透膜モジュール11bに接続され、第2逆浸透膜モジュール11bにより製造された第2濃縮水W5を系外に排出する。
なお、第2濃縮水W5は、通常、原水W1よりも純度がよいことから、系外に排出することなく、原水W1に混合して再利用することもできる。この場合、廃棄される水量を低減できるので、システム全体の回収率を向上させることができる。
第2濃縮水ラインL7の途中には、第2逆浸透膜装置11の回収率を変更可能な第2濃縮水排水バルブ16が設けられている。
次に、第2実施形態における水処理システム1Aのランゲリア指数監視装置30について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。第2実施形態において特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用又は援用される。
図5に示すように、ランゲリア指数監視装置30は、例えば、第1濃縮水排水バルブ15、第1pH調整剤添加装置3、第2pH調整剤添加装置5、第2pH値センサ17、第3pH値センサ19それぞれに電気的に接続される。
つまり、第2実施形態のランゲリア指数監視装置30は、第1実施形態のランゲリア指数監視装置30に接続される装置などに加えて、更に、第2pH調整剤添加装置5及び第3pH値センサ19に電気的に接続される点において異なる。
第2実施形態のランゲリア指数監視装置30のpH調整剤制御部35は、第1実施形態と同様に、第1pH値センサ21又は第2pH値センサ17により検出されるpH値の情報に基づいて、被処理水W1のpH値が所定の範囲に維持されるように、第1pH調整剤添加装置3を制御する。更に、第2実施形態のランゲリア指数監視装置30のpH調整剤制御部35は、第3pH値センサ19により検出されるpH値の情報に基づいて、第1透過水W2のpH値が所定の範囲に維持されるように、第2pH調整剤添加装置5を制御する。
次に、第2実施形態の水処理システム1Aの動作について図4を参照しながら説明する。水処理システム1Aが運転され、ポンプ(図示せず)が起動される。すると、原水W1が、原水ラインL1を流通する。
原水ラインL1を流通する原水(被処理水W1)には、第1pH調整剤添加装置3により酸性薬剤(例えば、塩酸)が添加される。ここで、第1pH調整剤添加装置3により添加される酸性薬剤の添加量は、後述するように、第2pH値センサ17により検出されるpH値に基づいて調整される。
更に、原水ラインL1を流通する原水(被処理水W1)には、分散剤添加装置4によりスケール分散剤が添加される。スケール分散剤が添加されることにより、第1濃縮水W3中での炭酸カルシウム系スケールの析出が抑制される。
以上のように、原水W1は、第1pH調整剤添加装置3により酸性薬剤が添加されると共に、分散剤添加装置4によりスケール分散剤が添加されることにより前処理される。これにより、被処理水W1が製造される。
被処理水W1は、原水ラインL1を介して第1逆浸透膜装置10に流通され、浄化される。被処理水W1は、第1逆浸透膜装置10の第1逆浸透膜モジュール10bにより、第1透過水W2と第1濃縮水W3とに膜分離処理される。これにより、溶存塩類等の不純物が除去された第1透過水W2を得ることができる。
第1透過水W2は、第1透過水ラインL2を流通する。第1透過水ラインL2を流通する第1透過水W2には、第2pH調整剤添加装置5によりアルカリ性薬剤(例えば、水酸化ナトリウム)が添加される。ここで、第2pH調整剤添加装置5により添加されるアルカリ性薬剤の添加量は、後述するように、第3pH値センサ19により検出されるpH値に基づいて調整される。
アルカリ性薬剤が添加された第1透過水W2は、第1透過水ラインL2を介して第2逆浸透膜装置11に流通され、更に浄化される。第1透過水W2は、第2逆浸透膜装置11の第2逆浸透膜モジュール11bにより、第2透過水W4と第2濃縮水W5とに膜分離処理される。これにより、溶存塩類等の不純物が更に除去された第2透過水W4を得ることができる。
第2逆浸透膜装置11により製造された透過水(処理水)W4は、第2透過水ラインL6を介して需要箇所へ供給される。一方、第2逆浸透膜装置11で製造された第2濃縮水W5は、第2濃縮水排水バルブ16を適宜開閉することにより、第2濃縮水ラインL7を介して水処理システム1の系外へ排水されるか、原水W1と混合して再利用される。
第2実施形態の本水処理システム1Aは、ランゲリア指数監視装置30により、第1濃縮水W3のランゲリア指数が0(ゼロ)以下になるように制御される。これにより、第1逆浸透膜モジュール10bの膜面にシリカが析出されることが抑制される。なお、第1透過水W2は、第1逆浸透膜モジュール10bにより被処理水W1のシリカ濃度が10%以下まで低減された水であるので、第2逆浸透膜モジュール11bにおいては、膜面にシリカが析出するおそれはない。
次に、第2実施形態の水処理システム1Aの動作について、図6を参照しながら詳細に説明する。図6は、第2実施形態の水処理システム1Aの動作を示すフローチャートである。
第2実施形態の水処理システム1Aにおいては、第1実施形態と同様に、第1透過水W2の流量は、前記した流量制御部により一定に維持されている。すなわち、流量制御部は、流量センサからの流量検知信号をフィードバックしながら、インバータにより第1加圧ポンプ10aの回転数を制御し、第1透過水W2の流量が予め設定された目標値になるように制御している(定流量制御)。
また、水処理システム1Aにおいては、第1pH調整剤添加装置3により、被処理水W1に所定量の酸性薬剤が添加されていると共に、分散剤添加装置4により、被処理水W1に所定量の分散剤が添加されている。更に、第1逆浸透膜装置10は、第1濃縮水排水バルブ15から第1濃縮水W3を排水することにより、所定の回収率で運転されている。
そして、水処理システム1Aは、定流量制御を実行しながら、第1pH調整剤添加装置3を制御して、被処理水W1のpH値を6以下の範囲に維持すると共に、第1濃縮水排水バルブ15の開閉を制御して、第1濃縮水W3のランゲリア指数を0(ゼロ)以下の範囲に維持するように運転される。
ステップST201において、第2pH値センサ17は、原水ラインL1を流通する被処理水W1のpH値を検出する。第2pH値センサ17に検出されたpH値の情報は、pH調整剤制御部35に出力される。
ステップST202において、pH調整剤制御部35は、被処理水W1のpH値を6以下の範囲に維持させるため、第2pH値センサ17から入力されたpH値の情報に基づいて、pH値が6以上の範囲にあるか否かを判定する。
ここで、被処理水W1のpH値を6以下の範囲に維持する理由について説明する。
第2実施形態の水処理システム1Aは、第1実施形態の水処理システム1と異なり、被処理水W1の前処理に軟水化装置2を使用していない。被処理水W1のカルシウム硬度が低減されていない場合、第1濃縮水W3のランゲリア指数は、プラス側にシフトしやすい。第1濃縮水W3のランゲリア指数をマイナス側にシフトさせるためには、後述のステップST207において、第1逆浸透膜装置10の回収率を減少させることのみでも実現できるが、そうすると廃棄する濃縮水の増加に伴って造水コストも上昇することになる。そこで、被処理水W1に酸性薬剤を添加し、第1濃縮水W3のランゲリア指数を強制的にマイナス側にシフトさせることにより、回収率の調整幅を最小限にし、造水コストを抑制することができる。
ステップST202において、被処理水W1のpH値が6を超える場合(NO)には、pH値を6以下の範囲に調整する必要があるため、ステップST203へ進む。一方、被処理水W1のpH値が6以下の場合(YES)には、ステップST204へ進む。
ステップST203において、pH調整剤制御部35は、第1pH調整剤添加装置3を制御して、酸性薬剤の添加量を再調整する。具体的には、被処理水W1のpH値が6以下の範囲に維持されるように、酸性薬剤の添加量を増加させる。
ステップST203の後、ステップST204へ進む。
ここで、第2実施形態におけるステップST204からST210までの動作は、第1実施形態におけるステップST104からステップST110までの動作とそれぞれ同様である。そのため、第1実施形態の動作の説明を援用して、第2実施形態の動作の説明を省略する。
ステップST211において、第3pH値センサ19は、第1透過水ラインL2を流通する第1透過水W2のpH値を検出する。第3pH値センサ19に検出されたpH値の情報は、pH調整剤制御部35に出力される。
ステップST211において、pH調整剤制御部35は、第1透過水W2のpH値を9以上の範囲に維持させるため、第3pH値センサ19から入力されたpH値の情報に基づいて、pH値が9以上の範囲にあるか否かを判定する。
ここで、第1透過水W2のpH値を9以上の範囲に維持する理由について説明する。
被処理水W1中の溶存炭酸ガスは、pH値が6以下に維持されていることから、大半が遊離の炭酸ガスの状態で存在している。そのため、第1逆浸透膜モジュール10bで除去されにくく、第1透過水W2の純度が低下しやすい。そこで、第1透過水W2のpH値を9以上とすることにより、残留している溶存炭酸ガスを炭酸水素イオン及び炭酸イオンにイオン化する。そのため、第2逆浸透膜モジュール11bにより、被処理水W1に由来する溶存炭酸ガスをほぼ完全に除去することが可能になり、第2透過水W4の純度を向上させることができる。
ステップST211において、第1透過水W2のpH値が9未満の場合(NO)には、pH値を9以上の範囲に調整する必要があるため、ステップST213へ進む。一方、第1透過水W2のpH値が9以上の場合(YES)には、ステップST201へ戻る。
ステップST213において、pH調整剤制御部35は、第2pH調整剤添加装置5を制御して、アルカリ性薬剤の添加量を再調整する。具体的には、第1透過水W2のpH値が9以上の範囲に維持されるように、アルカリ性薬剤の添加量を増加させる。
ステップST213の後、ステップST201へ戻る。
以上のように、第2実施形態の水処理システム1Aによれば、第1実施形態の水処理システム1と同様の効果が奏される他、以下に示す各効果を奏することができる。
第2実施形態の水処理システム1Aにおいては、第1pH調整剤添加装置3は、pH調整剤として酸性薬剤を含み、ランゲリア指数制御部31は、原水W1のpH値が6以下の範囲に維持されるように、第1pH調整剤添加装置3を制御すると共に、第1濃縮水W3のランゲリア指数がゼロ以下の範囲に維持されるように、第1濃縮水排水バルブ15を制御する。そのため、原水W1のpH値を6以下の範囲に維持しつつ、ランゲリア指数をゼロ以下の範囲に維持することができる。これにより、第1逆浸透膜モジュール10bの膜面へのシリカの析出を抑制することができると共に、軟水化装置2の設置を省略してシステム構成を簡略化することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、前記第1実施形態及び第2実施形態においては、第1濃縮水ラインL3は、第1濃縮水W3を系外に排出する構成としているが、これに制限されない。例えば、第1濃縮水W3の一部を系外に排出すると共に、残部を第1逆浸透膜装置10の上流側の第2通水ラインL1bへ還流する構成としてもよい。すなわち、第1逆浸透膜装置10は、クロスフローによる膜分離処理が可能に構成されていてもよい。
第2実施形態における第2逆浸透膜装置11の構成についても同様に、クロスフローによる膜分離処理が可能に構成されていてもよい。
また、前記第1実施形態においては、逆浸透膜装置を1つ設ける構成としているが、これに制限されない。例えば、逆浸透膜装置を直列的に2段以上に配置する構成としてもよい。
また、前述の実施形態における水処理システム1,1Aの最終工程に、電気脱イオン装置、混床式イオン交換塔などを設けることにより、更に純度の高い処理水を製造する構成としてもよい。
電気脱イオン装置は、逆浸透膜装置10,11で製造された透過水W2,W4をイオン交換膜(図示せず)により、脱イオン水と濃縮水とに分離する膜分離処理を行うものである。具体的には、電気脱イオン装置は、脱塩室(図示せず)及び濃縮室(図示せず)を備えている。脱塩室(図示せず)及び濃縮室は、陽イオン交換膜(図示せず)及び陰イオン交換膜(図示せず)を交互に配置して形成されている。脱塩室には、混床のイオン交換樹脂或いはイオン交換繊維が収容されている。電気脱イオン装置は、脱塩室及び濃縮室に直流電流を通電することにより、逆浸透膜装置で除去しきれなかった透過水中のイオンを脱塩室において除去し、脱イオン水(高純度の純水)を製造できるように構成されている。
混床式イオン交換塔は、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂を同一の塔内に充填することにより、混合した樹脂床に透過水W2,W4を下降させて流通させることで純水を製造するものである。混床式イオン交換塔は、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂とを混合しているため、残留する陽・陰イオンを同時に脱塩することで、高純度の純水を得ることができる。
また、前述の実施形態においては、水質検出装置20は、第1濃縮水ラインL3を流通する第1濃縮水W3の水質を検出しているが、これに制限されない。水質検出装置20は、原水ラインL1を流通する原水1の水質を検出してもよい。水質検出装置20を原水ラインL1に設ける構成とした場合には、原水ラインL1において検出した値を、第1濃縮水ラインL3において検出した場合における第1濃縮水W3の検出値に換算して用いることが好ましい。
例えば、電気伝導率(蒸発残留物)、カルシウム硬度及び総アルカリ度は、原水ラインL1を流通する原水W1の検出値に第1濃縮水W3の濃縮倍率を乗じて推定計算することにより、検出値とすることができる。また、温度は、原水W1の温度を第1濃縮水W3の温度とみなすことにより、検出値とすることができる。また、pH値は、原水のpH値と所定の濃縮倍率における第1濃縮水W3のpH値との関係式を予め実験等により求めておき、この関係式に基づいて換算することができる。ランゲリア指数記憶部36には、これらの換算式や関係式等を記憶させることができる。
また、前述の実施形態において、水質検出装置20は、第1濃縮水ラインL3を流通する第1濃縮水W3の水質、及び、原水ラインL1を流通する原水1の水質の両方を検出するように構成されていてもよい。
また、前述の実施形態において、第1pH値センサ21、温度センサ22、電気伝導率センサ23、カルシウム硬度センサ24及び総アルカリ度センサ25のうちのいずれか一つ以上により構成された水質検出装置20が第1濃縮水ラインL3を流通する第1濃縮水W3の水質を検出するように構成され、第1pH値センサ21、温度センサ22、電気伝導率センサ23、カルシウム硬度センサ24及び総アルカリ度センサ25のうちのいずれか一つ以上により構成された水質検出装置20が原水ラインL1を流通する原水W1の水質を検出するように構成されていてもよい。
また、前述の実施形態において、水質検出装置20は、一部のセンサが省略されて構成されていてもよい。例えば、電気伝導率(蒸発残留物)は、pHsに対して影響が小さい項目である。そのため、電気伝導率センサ23を省略すると共に、ランゲリア指数記憶部36に電気伝導率の設定値を記憶させておき、その値を使用することができる。また、カルシウム硬度は、第1実施形態のように前処理工程として軟水化装置2を備えることにより、カルシウム硬度を十分に低減できる場合には、カルシウム硬度センサ24を省略すると共に、ランゲリア指数記憶部36にカルシウム硬度の設定値を記憶させておき、その値を使用することができる。また、総アルカリ度は、原水W1の水質が安定している場合には、総アルカリ度センサ25を省略すると共に、ランゲリア指数記憶部36に総アルカリ度の設定値を記憶させておき、その値を使用することができる。
また、前述の実施形態においては、ランゲリア指数制御部31は、回収率調整制御部34により第1濃縮水排水バルブ15を制御して、ランゲリア指数を0(ゼロ)以下の範囲に調整するように構成しているが、これに制限されない。例えば、ランゲリア指数制御部31は、pH調整剤制御部35により第1pH調整剤添加装置3のみを制御してランゲリア指数を0(ゼロ)以下の範囲に調整するように構成してもよい。
1,1A 水処理システム
3 第1pH調整剤添加部(pH調整剤添加手段)
10 第1逆浸透膜装置
10b 第1逆浸透膜モジュール(逆浸透膜モジュール)
15 濃縮水排水バルブ(回収率調整手段)
20 水質検出装置(水質検出手段)
32 ランゲリア指数算出部(算出手段)
L1 原水ライン
L2 第1透過水ライン(透過水ライン)
L3 第1濃縮水ライン(濃縮水ライン)
W1 原水
W1a 被処理水(原水)
W2 第1透過水(透過水)
W3 第1濃縮水(濃縮水)

Claims (5)

  1. 少なくともシリカと硬度成分とを含む原水を逆浸透膜モジュールにより膜分離処理し、透過水及び濃縮水を製造する水処理方法において、
    濃縮水のランゲリア指数に基づいて回収率及び/又は原水のpHを調整することにより濃縮水のランゲリア指数をゼロ以下の範囲に維持し、かつ、濃縮水のシリカ濃度が128mg/L以上400mg/L以下の範囲にあるか否かを監視しながら膜分離処理する水処理方法。
  2. 少なくともシリカと硬度成分とを含む原水を供給する原水ラインと、
    前記原水ラインより供給された原水を膜分離処理し、透過水及び濃縮水を製造する逆浸透膜モジュールと、
    前記逆浸透膜モジュールにより製造された透過水を導出する透過水ラインと、
    前記逆浸透膜モジュールにより製造された濃縮水を系外に排出する濃縮水ラインと、
    前記濃縮水ラインに設けられ、濃縮水の排出量を調整することにより回収率を調整する回収率調整手段と、
    前記原水ラインに設けられ、前記逆浸透膜モジュールに供給される原水にpH調整剤を添加するpH調整剤添加手段と、
    前記濃縮水ライン及び/又は前記原水ラインに設けられ、これらのラインを流通する濃縮水及び/又は原水の水質を検出する水質検出手段と、
    前記水質検出手段により検出された水質の検出値に基づいて、濃縮水のランゲリア指数を算出する算出手段と、
    前記算出手段により算出された濃縮水のランゲリア指数に基づいて回収率及び/又は原水のpHを調整することにより、濃縮水のランゲリア指数がゼロ以下の範囲に維持されるように、前記回収率調整手段及び/又は前記pH調整剤添加手段を制御する制御手段と
    前記濃縮水ラインに設けられ、濃縮水のシリカ濃度が128mg/L以上400mg/L以下の範囲にあるか否かを監視するシリカ濃度監視装置とを備える水処理システム。
  3. 前記水質検出手段は、
    濃縮水及び/又は原水のpH値を検出するpH値センサ;
    濃縮水及び/又は原水の温度を検出する温度センサ;
    濃縮水及び/又は原水の電気伝導率を検出する電気伝導率センサ;
    濃縮水及び/又は原水のカルシウム硬度を検出するカルシウム硬度センサ;並びに
    濃縮水及び/又は原水の総アルカリ度を検出する総アルカリ度センサのうち、いずれか一つ以上から構成される請求項2に記載の水処理システム。
  4. 前記pH調整剤添加手段の上流側に、原水中の硬度成分を除去して軟水を製造する軟水化装置を備え、
    前記pH調整剤添加手段は、アルカリ性薬剤を含む前記pH調整剤を使用し、
    前記制御手段は、軟水のpH値が9以上の範囲に維持されるように、前記pH調整剤添加手段を制御すると共に、濃縮水のランゲリア指数がゼロ以下の範囲に維持されるように、前記回収率調整手段を制御する、請求項3に記載の水処理システム。
  5. 前記pH調整剤添加手段は、酸性薬剤を含む前記pH調整剤を使用し、
    前記制御手段は、原水のpH値が6以下の範囲に維持されるように、前記pH調整剤添加手段を制御すると共に、濃縮水のランゲリア指数がゼロ以下の範囲に維持されるように、前記回収率調整手段を制御する、請求項3に記載の水処理システム。
JP2010012191A 2010-01-22 2010-01-22 水処理方法及び水処理システム Active JP5359898B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010012191A JP5359898B2 (ja) 2010-01-22 2010-01-22 水処理方法及び水処理システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010012191A JP5359898B2 (ja) 2010-01-22 2010-01-22 水処理方法及び水処理システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011147899A JP2011147899A (ja) 2011-08-04
JP5359898B2 true JP5359898B2 (ja) 2013-12-04

Family

ID=44535407

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010012191A Active JP5359898B2 (ja) 2010-01-22 2010-01-22 水処理方法及び水処理システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5359898B2 (ja)

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5417301B2 (ja) * 2010-11-10 2014-02-12 パナソニック株式会社 水処理装置
JP5780055B2 (ja) * 2011-08-25 2015-09-16 三浦工業株式会社 逆浸透膜分離装置
JP5768615B2 (ja) 2011-09-20 2015-08-26 三浦工業株式会社 逆浸透膜分離装置
JP2013188682A (ja) * 2012-03-13 2013-09-26 Miura Co Ltd 水処理システム
EP2837602B1 (en) 2012-04-11 2018-03-14 JFE Engineering Corporation Method and use of a device for treating accompanying water from well
WO2015001889A1 (ja) * 2013-07-05 2015-01-08 三菱重工業株式会社 水処理方法及び水処理システム
US20160115061A1 (en) * 2013-07-05 2016-04-28 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Water treatment system, water treatment method, cooling facility and power generating facility
JP2015160179A (ja) * 2014-02-28 2015-09-07 三菱レイヨンアクア・ソリューションズ株式会社 逆浸透膜処理方法
JP6443016B2 (ja) * 2014-12-02 2018-12-26 三浦工業株式会社 水処理システム
JP6609952B2 (ja) * 2015-03-24 2019-11-27 三菱ケミカルアクア・ソリューションズ株式会社 逆浸透膜処理方法
JP6536150B2 (ja) * 2015-04-21 2019-07-03 三浦工業株式会社 逆浸透膜分離装置
JP5904299B2 (ja) * 2015-05-01 2016-04-13 三浦工業株式会社 逆浸透膜分離装置
JP2015164731A (ja) * 2015-05-01 2015-09-17 三浦工業株式会社 逆浸透膜分離装置
JP2015157288A (ja) * 2015-05-01 2015-09-03 三浦工業株式会社 逆浸透膜分離装置
KR101767191B1 (ko) 2015-06-19 2017-08-10 상명대학교 천안산학협력단 상수 원수의 부식억제 평가를 위한 랑게리아 지수(Langelier Index, LI) 적용 시스템에 의한 부식억제제 최적 주입량 산정 방법
CN105502717B (zh) * 2015-12-11 2019-11-15 许挺俊 一种零废水排放ro机的智能控制方法
JP6907745B2 (ja) * 2017-06-15 2021-07-21 三浦工業株式会社 膜分離装置
JP6939121B2 (ja) * 2017-06-19 2021-09-22 三浦工業株式会社 膜分離装置
CN112165984B (zh) * 2018-05-21 2021-11-12 栗田工业株式会社 逆渗透系统的诊断装置
JP2020131087A (ja) * 2019-02-15 2020-08-31 栗田工業株式会社 逆浸透システムの制御方法
CN110713276B (zh) * 2019-10-22 2020-11-10 珠海格力电器股份有限公司 净水机回收率控制方法、装置、系统及净水机
CN114195206B (zh) * 2021-12-08 2023-01-20 珠海格力电器股份有限公司 净水机及净水机出水口感调节方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02227185A (ja) * 1989-03-01 1990-09-10 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 溶存シリカの除去法
JP3187629B2 (ja) * 1993-12-16 2001-07-11 オルガノ株式会社 逆浸透膜処理方法
JPH08294688A (ja) * 1995-04-28 1996-11-12 Toshiba Corp 海水淡水化プラント
JPH11244850A (ja) * 1998-03-06 1999-09-14 Toray Ind Inc 造水方法および造水装置
JP3941097B2 (ja) * 2001-12-11 2007-07-04 栗田工業株式会社 循環水系のスケール防止方法
JP2003326259A (ja) * 2002-05-14 2003-11-18 Toray Ind Inc 造水方法および造水装置
JP2007038052A (ja) * 2005-08-01 2007-02-15 Shinichi Wazawa 地下水等の水処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011147899A (ja) 2011-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5359898B2 (ja) 水処理方法及び水処理システム
JP5757109B2 (ja) 水処理方法及び水処理システム
JP2010000455A (ja) スケール防止剤の供給管理方法および供給管理装置
JP2012192374A (ja) 水処理装置
US10407331B2 (en) Scale detection device and method for concentrating device, and water reclamation processing treatment system
JP2016107249A (ja) 超純水製造システム及び超純水製造方法
US20190039022A1 (en) Method for controlling operation of reverse osmosis membrane apparatus and reverse osmosis membrane treatment system
JP5961916B2 (ja) 水処理装置
JP5757110B2 (ja) 水処理方法及び水処理システム
JP2012192363A (ja) 水処理方法及び水処理システム
JP3903746B2 (ja) 循環冷却水の処理方法
JP2016032810A (ja) 水処理システム
JP2011031146A (ja) 水処理システム
JP2015127056A (ja) 膜分離装置
JP2012192364A (ja) 水処理方法及び水処理システム
JP5903948B2 (ja) 水処理システム
JP4351559B2 (ja) 海水淡水化方法
JP6907745B2 (ja) 膜分離装置
WO2018163468A1 (ja) 逆浸透膜装置の運転管理方法および逆浸透膜処理システム
JP6642082B2 (ja) 膜分離装置
JP5903947B2 (ja) 水処理システム
JP6699681B2 (ja) 逆浸透膜装置の運転管理方法および逆浸透膜処理システム
JP5834687B2 (ja) 水処理システム
JP6246994B2 (ja) 水処理システム
WO2023032566A1 (ja) 水処理方法及び水処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20120810

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120810

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121023

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130423

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130619

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130819

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5359898

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250