JP5780055B2 - 逆浸透膜分離装置 - Google Patents

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Description

本発明は、逆浸透膜モジュールを備えた逆浸透膜分離装置に関する。
半導体の製造工程、電子部品や医療器具の洗浄等においては、不純物を含まない高純度の純水が使用される。この種の純水は、一般に、地下水や水道水等の原水を、逆浸透膜モジュール(以下、「RO膜モジュール」ともいう)で逆浸透膜分離処理することにより製造される。RO膜モジュールで逆浸透膜分離処理することにより、原水は、溶存塩類等が除去された透過水と、溶存塩類等が濃縮された濃縮水とに分離される。
RO膜モジュールにおいては、原水に含まれる硬度成分がRO膜の表面にスケールとして析出される現象が発生する。また、原水に含まれる懸濁物質(例えば、不溶状態のコロイド状鉄)がRO膜の表面や細孔内に沈着する、いわゆるファウリングと呼ばれる現象も発生する。RO膜の表面にスケールの析出やファウリングが発生すると、透水能力が低下する。このため、RO膜モジュールを備えた逆浸透膜分離装置においては、RO膜の表面にスケールの析出やファウリングが発生しないように運転することが肝要となる。
従来、シリカ系スケールの析出を抑制するために、濃縮水のシリカ濃度がシリカ溶解度を超えない範囲に回収率を設定して運転する逆浸透膜分離装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−81254号公報
上記特許文献に記載された逆浸透膜分離装置では、シリカ溶解度により回収率が制限される。原水のシリカ濃度が高くなると、必然的に回収率を下げざるを得なくなる。そのため、原水のシリカ濃度が高い地域では、廃棄される濃縮水の量が増えるので、造水コストが高くなる。なお、回収率とは、RO膜モジュールへ供給された供給水の流量に対する透過水の流量の割合をいう。
従って、本発明は、シリカ系スケールの析出を抑制しつつ、回収率を向上させることができる逆浸透膜分離装置を提供することを目的とする。
本発明は、供給水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜モジュールと、供給水の温度を検出する温度検出手段と、(i)予め取得された供給水のシリカ濃度、及び前記温度検出手段による検出温度値から決定したシリカ溶解度に基づいて、濃縮水におけるシリカの基準濃縮倍率を算出し、(ii)濃縮水におけるシリカの実際濃縮倍率が前記基準濃縮倍率を超えるように、透過水の生産流量を予め設定された目標流量値に保持しながら濃縮水の排水流量を調節する高回収率運転モード、及び濃縮水におけるシリカの実際濃縮倍率が前記基準濃縮倍率以下となるように、透過水の生産流量を予め設定された目標流量値に保持しながら濃縮水の排水流量を調節する低回収率運転モードを交互に実行する制御部と、を備える逆浸透膜分離装置に関する。
また、前記逆浸透膜分離装置の前記制御部において、高回収率運転モードを実行する第1時間帯は、低回収率運転モードを実行する第2時間帯よりも長く設定されることが好ましい。
また、前記逆浸透膜分離装置において、透過水の流量を検出する流量検出手段と、供給水を前記逆浸透膜モジュールに供給する供給水ラインと、入力された駆動周波数に応じた回転速度で駆動され、前記供給水ラインを流通する供給水を前記逆浸透膜モジュールに向けて圧送する加圧ポンプと、入力された電流値信号に対応する駆動周波数を前記加圧ポンプに出力するインバータと、を備え、前記制御部は、前記流量検出手段による検出流量値が予め設定された目標流量値となるように、前記加圧ポンプの駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算値に対応する電流値信号を前記インバータに出力することが好ましい。
また、前記逆浸透膜分離装置において、透過水を需要先へ送出する透過水ラインと、濃縮水を前記逆浸透膜モジュールから送出する濃縮水ラインと、前記濃縮水ラインを流通する濃縮水の一部を装置外へ排出する濃縮水排出ラインと、前記濃縮水ラインを流通する濃縮水の残部を前記供給水ラインにおける前記加圧ポンプよりも上流側に還流させる濃縮水還流ラインと、前記濃縮水還流ラインを流通する濃縮水の流量を調節可能な濃縮水還流弁と、を備え、前記制御部は、前記低回収率運転モードを実行する際に、前記濃縮水還流ラインを濃縮水が流通しないように前記濃縮水還流弁を制御することが好ましい。
また、前記逆浸透膜分離装置の前記制御部において、前記高回収率運転モードを複数回実行した後、前記逆浸透膜モジュールの一次側を洗浄するためのフラッシング運転モードを少なくとも1回実行することが好ましい。
また、前記逆浸透膜分離装置において、前記透過水ラインに設けられた透過水弁と、前記透過水ラインに送出された透過水を前記供給水ラインにおける前記加圧ポンプよりも上流側に返送させる透過水返送ラインと、前記透過水返送ラインに設けられた圧力逃し弁と、を備え、前記制御部は、前記フラッシング運転モードを実行する際に、(i)前記濃縮水還流ラインを濃縮水が流通しないように前記濃縮水還流弁を制御し、(ii)前記透過水ラインを透過水が流通しないように前記透過水弁を制御することが好ましい。
本発明によれば、シリカ系スケールの析出を抑制しつつ、回収率を向上させることができる逆浸透膜分離装置を提供することができる。
実施形態に係る逆浸透膜分離装置1の全体構成図である。 制御部10において高回収率運転モード、低回収率運転モード及びフラッシング運転モードの切り替え制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。 高回収率運転モード及び低回収率運転モードにおいて制御部10が流量フィードバック水量制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。 高回収率運転モードにおいて制御部10が温度フィードフォワード回収率制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。 低回収率運転モードにおいて制御部10が温度フィードフォワード回収率制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。 制御部10においてフラッシング運転モードを実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る逆浸透膜分離装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る逆浸透膜分離装置1は、例えば、淡水から純水を製造する純水製造システムに適用される。図1は、本実施形態に係る逆浸透膜分離装置1の全体構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る逆浸透膜分離装置1は、加圧ポンプ2と、インバータ3と、温度検出手段としての温度センサ4と、逆浸透膜モジュールとしてのRO膜モジュール5と、流量検出手段としての流量センサ6と、透過水弁7と、を備える。また、逆浸透膜分離装置1は、濃縮水還流弁8と、圧力逃し弁としての安全弁9と、制御部10と、第1排水弁11〜第3排水弁13と、を備える。図1では、電気的な接続の経路を破線で示す。
また、逆浸透膜分離装置1は、供給水ラインL1と、透過水ラインL2と、濃縮水ラインL3と、濃縮水排出ラインL4と、濃縮水還流ラインL5と、透過水返送ラインL6と、を備える。本明細書における「ライン」とは、流路、径路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
供給水ラインL1は、供給水W1をRO膜モジュール5に供給するラインである。供給水ラインL1の上流側における端部は、供給水W1の供給源(不図示)に接続されている。供給水ラインL1の下流側における端部は、RO膜モジュール5の一次側入口ポートに接続されている。
加圧ポンプ2は、供給水W1を吸入し、RO膜モジュール5に向けて吐出する装置である。加圧ポンプ2は、インバータ3(後述)と電気的に接続されている。加圧ポンプ2には、インバータ3から、周波数が変換された駆動電力が入力される。加圧ポンプ2は、供給された駆動電力の周波数(以下、「駆動周波数」ともいう)に応じた回転速度で駆動される。
インバータ3は、加圧ポンプ2に、周波数が変換された駆動電力を供給する電気回路である。インバータ3は、制御部10と電気的に接続されている。インバータ3には、制御部10から電流値信号が入力される。インバータ3は、制御部10から入力された電流値信号に対応する駆動周波数の駆動電力を加圧ポンプ2に出力する。
温度センサ4は、供給水W1の温度を検出する機器である。温度センサ4は、接続部J1において供給水ラインL1に接続されている。接続部J1は、供給水W1の供給源(不図示)と加圧ポンプ2との間に配置されている。温度センサ4は、制御部10と電気的に接続されている。温度センサ4で検出された供給水W1の温度(以下、「検出温度値」ともいう)は、制御部10へ検出信号として送信される。
RO膜モジュール5は、加圧ポンプ2から送出された供給水W1を、溶存塩類が除去された透過水W2と、溶存塩類が濃縮された濃縮水W3とに膜分離処理する設備である。RO膜モジュール5は、単一又は複数のRO膜エレメント(不図示)を備える。RO膜モジュール5は、これらRO膜エレメントにより供給水W1を膜分離処理し、透過水W2及び濃縮水W3を製造する。
透過水ラインL2は、RO膜モジュール5で製造された透過水W2を需要先へ送出するラインである。透過水ラインL2の上流側の端部は、RO膜モジュール5の一次側出口ポートに接続されている。透過水ラインL2の下流側の端部は、需要先の装置等(不図示)に接続されている。
流量センサ6は、透過水ラインL2を流通する透過水W2の流量を検出する機器である。流量センサ6は、接続部J2において透過水ラインL2に接続されている。流量センサ6は、制御部10と電気的に接続されている。流量センサ6で検出された透過水W2の流量(以下、「検出流量値」ともいう)は、制御部10へ検出信号として送信される。
透過水弁7は、透過水ラインL2を開閉する装置である。透過水弁7は、制御部10と電気的に接続されている。透過水弁7における弁体の開閉は、制御部10からの駆動信号により制御される。透過水弁7は、高回収率運転モード及び低回収率運転モード(後述)では、開状態に制御される。また、透過水弁7は、フラッシング運転モード(後述)では、閉状態に制御される。
濃縮水ラインL3は、RO膜モジュール5から濃縮水W3を送出するラインである。濃縮水ラインL3の上流側の端部は、RO膜モジュール5の一次側出口ポートに接続されている。また、濃縮水ラインL3の下流側は、接続部J3において、濃縮水排出ラインL4及び濃縮水還流ラインL5に分岐している。
濃縮水排出ラインL4は、濃縮水ラインL3を流通する濃縮水W3の一部を装置外へ排出するラインである。濃縮水排出ラインL4の下流側は、接続部J5及びJ6において、第1排水ラインL11、第2排水ラインL12及び第3排水ラインL13に分岐している。
第1排水ラインL11には、第1排水弁11が設けられている。第2排水ラインL12には、第2排水弁12が設けられている。第3排水ラインL13には、第3排水弁13が設けられている。第1排水弁11〜第3排水弁13は、濃縮水排出ラインL4から装置外へ排出される濃縮水W3の排水流量を調節する弁である。
第1排水弁11は、第1排水ラインL11を開閉することができる。第2排水弁12は、第2排水ラインL12を開閉することができる。第3排水弁13は、第3排水ラインL13を開閉することができる。
第1排水弁11〜第3排水弁13は、それぞれ定流量弁機構(不図示)を備える。定流量弁機構は、第1排水弁11〜第3排水弁13において、それぞれ異なる流量値に設定されている。例えば、第1排水弁11は、開状態において、RO膜モジュール5の回収率が95%となるように排水流量が設定されている。第2排水弁12は、開状態において、RO膜モジュール5の回収率が90%となるように排水流量が設定されている。第3排水弁13は、開状態において、RO膜モジュール5の回収率が80%となるように排水流量が設定されている。
濃縮水ラインL3から排出される濃縮水W3の排水流量は、第1排水弁11〜第3排水弁13を選択的に開閉することにより、段階的に調節できる。例えば、第2排水弁12のみを開状態とし、第1排水弁11及び第3排水弁13を閉状態とする。この場合には、RO膜モジュール5の回収率を90%とすることができる。また、第1排水弁11及び第2排水弁12を開状態とし、第3排水弁13のみを閉状態とする。この場合には、RO膜モジュール5の回収率を85%とすることができる。従って、本実施形態において、濃縮水W3の排水流量は、第1排水弁11〜第3排水弁13を選択的に開閉することにより、回収率を65%〜95%までの間で、5%毎に段階的に調節できる。
第1排水弁11〜第3排水弁13は、それぞれ制御部10と電気的に接続されている。第1排水弁11〜第3排水弁13における弁体の開閉は、制御部10からの駆動信号により制御される。
濃縮水還流ラインL5は、濃縮水ラインL3を流通する濃縮水W3の残部を、供給水ラインL1における加圧ポンプ2よりも上流側に還流させるラインである。濃縮水還流ラインL5の上流側の端部は、接続部J3において濃縮水ラインL3に接続されている。接続部J3は、RO膜モジュール5の一次側出口ポートと接続部J5との間に配置されている。また、濃縮水還流ラインL5の下流側の端部は、接続部J4において、供給水ラインL1に接続されている。接続部J4は、加圧ポンプ2の上流側に配置されている。
濃縮水還流弁8は、濃縮水還流ラインL5の流通量を調節する装置である。濃縮水還流弁8は、制御部10と電気的に接続されている。濃縮水還流弁8における弁体の開度は、制御部10からの駆動信号により制御される。濃縮水還流弁8は、高回収率運転モードでは、所定の開度に制御される。また、濃縮水還流弁8の弁体は、低回収率運転モード及びフラッシング運転モード(いずれも後述)では、閉状態(開度0%)に制御される。
透過水返送ラインL6は、フラッシング運転モードにおいて、透過水ラインL2に送出された透過水W2を、供給水ラインL1における加圧ポンプ2よりも上流側に返送させるラインである。透過水返送ラインL6の上流側の端部は、接続部J7において透過水ラインL2に接続されている。接続部J7は、RO膜モジュール5の二次側ポートと透過水弁7との間に配置されている。また、透過水返送ラインL6の下流側の端部は、接続部J8において供給水ラインL1に接続されている。接続部J8は、加圧ポンプ2の上流側に配置されている。透過水返送ラインL6には、安全弁9が設けられている。
安全弁9は、フラッシング運転モードにおいて、透過水ラインL2の管内圧力が設定された圧力以上となった場合に開弁して、透過水W2を透過水返送ラインL6に流通させる弁である。すなわち、安全弁9は、設定された圧力以上の透過水W2を、透過水返送ラインL6を介して供給水ラインL1に戻すことにより、RO膜モジュール5の二次側に過剰な背圧が発生するのを防止する。
なお、高回収率運転モード及び低回収率運転モードでは、透過水弁7が開状態に制御されるため、透過水ラインL2の管内圧力は、設定された圧力未満となる。そのため、高回収率運転モード及び低回収率運転モードでは、安全弁9が閉弁した状態で、透過水W2が需要先へ送出される。
制御部10は、CPU及びメモリ含むマイクロプロセッサ(不図示)により構成される。以下、制御部10の機能について説明する。
(運転モードの切り替え制御)
制御部10は、(i)予め取得された供給水W1のシリカ濃度、及び温度センサ4による検出温度値から決定したシリカ溶解度に基づいて、濃縮水W3におけるシリカの基準濃縮倍率(溶存限界濃縮倍率)を演算し、(ii)濃縮水W3におけるシリカの実際濃縮倍率が基準濃縮倍率を超えるようにRO膜モジュール5へ供給する供給水W1の流量を制御する高回収率運転モード、及び濃縮水W3におけるシリカの実際濃縮倍率が基準濃縮倍率以下となるようにRO膜モジュール5へ供給する供給水W1の流量を制御する低回収率運転モードを交互に実行する。本実施形態においては、高回収率運転モードと低回収率運転モードとを交互に9回実行し、10回目の高回収率運転モードの実行後には、10回目の低回収率運転モードの実行に代えて、フラッシング運転モードを1回実行する。
(高回収率運転モード制御)
制御部10は、高回収率運転モードにおいて、濃縮水W3におけるシリカの実際濃縮倍率が基準濃縮倍率を超えるように供給水W1の流量を制御する。具体的には、流量フィードバック水量制御(後述)により、透過水W2の流量を予め設定された目標流量値に制御しながら、温度フィードフォワード回収率制御(後述)により、濃縮水W3の排水流量を演算された目標流量値に制御する。また、制御部10は、高回収率運転モードを実行する際に、透過水弁7を開状態に制御するとともに、濃縮水還流弁8を所定の開度に制御する。
高回収率運転モードにおいては、濃縮水W3におけるシリカの実際濃縮倍率が基準濃縮倍率の2〜3倍となるように供給水W1の流量(すなわち、透過水W2の流量及び濃縮水W3の排水流量)を制御することが好ましい。以下、実際濃縮倍率が基準濃縮倍率の2〜3倍となる濃縮倍率を「第1目標濃縮倍率」ともいう。例えば、供給水W1のシリカ濃度が20mgSiO/Lで、25℃でのシリカ溶解度が100mgSiO/Lである場合、基準濃縮倍率は5となるので、第1目標濃縮倍率は10〜15となる。このときの回収率は、90〜93%である。
(低回収率運転モード制御)
制御部10は、低回収率運転モードにおいて、濃縮水W3におけるシリカの実際濃縮倍率が基準濃縮倍率以下となるように供給水W1の流量を制御する。具体的には、流量フィードバック水量制御(後述)により、透過水W2の流量を予め設定された目標流量値に制御しながら、温度フィードフォワード回収率制御(後述)により、濃縮水W3の排水流量を演算された目標流量値に制御する。また、制御部10は、低回収率運転モードを実行する際に、濃縮水W3が濃縮水還流ラインL5を流通しないように、濃縮水還流弁8を閉状態(開度0%)に制御する。なお、透過水弁7の開閉は、高回収率運転モードの場合と同じである。
低回収率運転モードにおいては、濃縮水W3におけるシリカの実際濃縮倍率が基準濃縮倍率の0.5〜1倍となるように供給水W1の流量(すなわち、透過水W2の流量及び濃縮水W3の排水流量)を制御することが好ましい。以下、実際濃縮倍率が基準濃縮倍率の0.5〜1倍となる濃縮倍率を「第2目標濃縮倍率」ともいう。例えば、供給水W1のシリカ濃度が20mgSiO/Lで、25℃でのシリカ溶解度が100mgSiO/Lである場合、基準濃縮倍率は5となるので、第2目標濃縮倍率は2.5〜5となる。このときの回収率は、50〜80%である。
(フラッシング運転モード制御)
制御部10は、高回収率運転モードと低回収率運転モードとを交互に9回実行し、10回目の高回収率運転モードの実行後には、10回目の低回収率運転モードの実行に代えて、フラッシング運転モードを1回実行する。フラッシング運転モードは、RO膜モジュール5の一次側を洗浄するための運転モードである。
フラッシング運転モードでは、濃縮水W3が混合されていない低濃度の供給水W1がRO膜モジュール5の一次側に供給される。フラッシング運転モードにおいて、加圧ポンプ2は、最大駆動周波数(50Hz又は60Hz)よりも低い駆動周波数(例えば、30Hz)に固定される。このとき、供給水W1のほとんどは、RO膜を透過することなく、RO膜の表面を流れ、フラッシング洗浄排水として濃縮水排出ラインL4から外部に排出される。このフラッシング運転モードを実行することにより、RO膜の表面に析出したスケール核や沈着した懸濁物質を除去することができる。なお、フラッシング運転モードは、高回収率運転モードを10〜20回程度実行した後に実行することが好ましい。
制御部10は、フラッシング運転モードを実行する際に、(i)濃縮水還流ラインL5を濃縮水W3が流通しないように濃縮水還流弁8を閉状態に制御し、(ii)透過水ラインL2を透過水W2が流通しないように透過水弁7を閉状態に制御する。濃縮水還流弁8を閉状態に制御するのは、除去したスケール核や懸濁物質をRO膜の表面に再付着させないためである。また、透過水弁7を閉状態に制御するのは、供給された供給水W1を効率的にフラッシング洗浄に利用するためである。
(各運転モードの時間制御)
制御部10において、高回収率運転モードを実行する第1時間帯は50分に設定され、低回収率運転モードを実行する第2時間帯は10分に設定されている。例えば、回収率90%の高回収率運転モードによる運転を50分を設定し、回収率75%の低回収率運転モードによる運転を10分に設定した場合、1時間あたりの平均回収率は87%となる。ちなみに、供給水W1のシリカ濃度が20mgSiO/Lで、25℃でのシリカ溶解度が100mgSiO/Lである場合、通常の基準濃縮倍率は5となる。この基準濃縮倍率で運転を行った場合、回収率は80%となる。また、制御部10において、フラッシング運転モードを実行する第3時間帯は2分に設定されている。
(流量フィードバック水量制御)
制御部10は、高回収率運転モード及び低回収率運転モードの実行中において、流量フィードバック水量制御を実行する。この制御では、制御部10は、流量センサ6による検出流量値が予め設定された目標流量値となるように、加圧ポンプ2の駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算値に対応する電流値信号をインバータ3に出力する。すなわち、制御部10は、一定流量の透過水W2が生産されるように、加圧ポンプ2の回転数を調節する。なお、流量フィードバック水量制御における目標流量値は、需要先で必要とされる透過水W2の流量に基づいて設定される。
(温度フィードフォワード回収率制御)
制御部10は、高回収率運転モード及び低回収率運転モードの実行中において、温度フィードフォワード回収率制御を実行する。この制御では、制御部10は、高回収率運転モードを実行する際に維持する第1目標濃縮倍率に基づいて、高回収率運転モードにおける排水流量(以下、「第1目標排水流量」ともいう)を演算する。そして、制御部10は、高回収率運転モードを実行する際に、濃縮水W3の実際排水流量が第1目標排水流量となるように第1排水弁11〜第3排水弁13の開閉を制御する。
また、制御部10は、低回収率運転モードを実行する際に維持する第2目標濃縮倍率に基づいて、低回収率運転モードにおける排水流量(以下、「第2目標排水流量」ともいう)を演算する。そして、制御部10は、低回収率運転モードを実行する際に、濃縮水W3の実際排水流量が第2目標排水流量となるように第1排水弁11〜第3排水弁13の開閉を制御する。
次に、制御部10による運転モードの切り替え制御について説明する。図2は、制御部10において、高回収率運転モード、低回収率運転モード及びフラッシング運転モードの切り替え制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。図2に示すフローチャートの処理は、逆浸透膜分離装置1の運転中において、繰り返し実行される。
図2に示すステップST101において、制御部10は、高回収率運転モードを実行する。高回収率運転モードの実行中には、後述する流量フィードバック水量制御(図3)及び温度フィードフォワード回収率制御(図4)が並行して実行される。
ステップST102において、制御部10は、内部タイマ(不図示)による計時tが50分に達したか否かを判定する。このステップST102において、制御部10により、内部タイマによる計時tが50分に達したと(YES)判定された場合に、処理はステップST103へ移行する。また、ステップST102において、制御部10により、内部タイマによる計時tが50分に達していない(NO)と判定された場合に、処理はステップST101へ戻り、高回収率運転モードを継続する。
ステップST103において、制御部10は、内部タイマによる計時tをリセットする。
ステップST104において、制御部10は、高回収率運転モードの実行回数をカウントするカウンタn(不図示)のカウント値を1つインクリメントする。カウンタnは、制御部10の内部機能として動作する。
ステップST105において、制御部10は、カウンタnのカウント値が10回に達したか否かを判定する。このステップST105において、制御部10により、カウンタnのカウント値が10回に達した(YES)と判定された場合に、処理はステップST109へ移行する。また、ステップST105において、制御部10により、カウンタnのカウント値が10回に達していない(NO)と判定された場合に、処理はステップST106へ移行する。
ステップST106において、制御部10は、低回収率運転モードを実行する。低回収率運転モードの実行中には、後述する流量フィードバック水量制御(図3)及び温度フィードフォワード回収率制御(図5)が並行して実行される。
ステップST107において、制御部10は、内部タイマによる計時tが10分に達したか否かを判定する。このステップST107において、制御部10により、内部タイマによる計時tが10分に達したと(YES)判定された場合には、処理はステップST108へ移行する。また、ステップST107において、制御部10により、内部タイマによる計時tが10分に達していない(NO)と判定された場合には、処理はステップST106へ戻り、低回収率運転モードを継続する。
ステップST108において、制御部10は、内部タイマによる計時tをリセットし、処理はステップST101へリターンする。
ステップST109(ステップST105:YES判定)において、制御部10は、フラッシング運転モードを実行する。フラッシング運転モードについては後述する。
ステップST110において、制御部10は、内部タイマによる計時tが2分に達したか否かを判定する。このステップST110において、制御部10により、内部タイマによる計時tが2分に達したと(YES)判定された場合に、処理はステップST111へ移行する。また、ステップST110において、制御部10により、内部タイマによる計時tが2分に達していない(NO)と判定された場合に、処理はステップST110へ戻る。
ステップST111において、制御部10は、内部タイマによる計時tをリセットする。
ステップST112において、制御部10は、カウンタnのカウント値をリセットし、処理はステップST101へリターンする。
次に、制御部10による流量フィードバック水量制御について説明する。図3は、制御部10において、流量フィードバック水量制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。図3に示すフローチャートの処理は、高回収率運転モード及び低回収率運転モードでの運転中に、繰り返し実行される。
図3に示すステップST201において、制御部10は、透過水弁7を開状態に制御する。
ステップST202において、制御部10は、透過水W2の目標流量値Q´を取得する。この目標流量値Q´は、例えば、システム管理者がユーザーインターフェース(不図示)を介してメモリに入力した設定値である。
ステップST203において、制御部10は、内部タイマ(不図示)による計時tが制御周期である100msに達したか否かを判定する。このステップST203において、制御部10により、内部タイマによる計時tが100msに達したと(YES)判定された場合に、処理はステップST204へ移行する。また、ステップST203において、制御部10により、内部タイマによる計時tが100msに達していない(NO)と判定された場合に、処理はステップST203へ戻る。
ステップST204(ステップST203:YES判定)において、制御部10は、流量センサ6で検出された透過水W2の検出流量値Qを取得する。
ステップST205において、制御部10は、ステップST204で取得した検出流量値(フィードバック値)QとステップST202で取得した目標流量値Q´との偏差がゼロとなるように、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより操作量Uを演算する。なお、速度形デジタルPIDアルゴリズムでは、制御周期(100ms)毎に操作量の変化分を演算し、これを前回の操作量に加算することで今回の操作量を決定する。
ステップST206において、制御部10は、操作量U、目標流量値Q´及び加圧ポンプ2の最大駆動周波数(50Hz又は60Hzの設定値)に基づいて、加圧ポンプ2の駆動周波数Fを演算する。
ステップST207において、制御部10は、駆動周波数Fの演算値を、対応する電流値信号(4〜20mA)に変換する。
ステップST208において、制御部10は、変換した電流値信号をインバータ3に出力し、処理はステップST201へリターンする。インバータ3は、入力された電流値信号に対応する周波数に変換された駆動電力を加圧ポンプ2に供給する。その結果、加圧ポンプ2は、インバータ3から入力された駆動周波数に応じた回転速度で駆動される。
次に、高回収率運転モードにおける温度フィードフォワード回収率制御について説明する。図4は、高回収率運転モードにおいて、制御部10が温度フィードフォワード回収率制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートの処理は、高回収率運転モードでの運転中に、繰り返し実行される。
図4に示すステップST301において、制御部10は、供給水W1のシリカ(SiO)濃度Cを取得する。このシリカ濃度Cは、例えば、システム管理者がユーザーインターフェース(不図示)を介してメモリに入力した設定値である。供給水W1のシリカ濃度は、事前に供給水W1を水質分析することにより得ることができる。また、供給水ラインL1において、不図示の濃度センサにより供給水W1のシリカ濃度を計測してもよい。
ステップST302において、制御部10は、温度センサ4から供給水W1の検出温度値Tを取得する。
ステップST303において、制御部10は、取得した検出温度値Tに基づいて、水に対するシリカ溶解度Sを決定する。なお、温度とシリカ溶解度との関係は、数値テーブル又は数式としてメモリに予め記憶されている。
ステップST304において、制御部10は、ステップST303で取得又は決定したシリカ濃度C、及びシリカ溶解度Sに基づいて、濃縮水W3におけるシリカの基準濃縮倍率(溶存限界濃縮倍率)Nを演算する。シリカの基準濃縮倍率Nは、下記の式(1)により求めることができる。
N=S/C (1)
例えば、シリカ濃度Cが20mgSiO/Lで、25℃におけるシリカ溶解度Sが100mgSiO/Lであれば、基準濃縮倍率Nは“5”となる。
ステップST305において、制御部10は、ステップST304で演算した基準濃縮倍率Nに基づいて、濃縮水3におけるシリカの第1目標濃縮倍率N´を演算する。シリカの第1目標濃縮倍率N´は、下記の式(2)により求めることができる。
´=α×N (2)
式(2)において、αは、基準濃縮倍率Nを超えた濃縮倍率で運転する際の係数であり、その範囲は2〜3である。なお、αの数値は、予めメモリに記憶されている。
ステップST306において、制御部10は、透過水W2の目標流量値Q´を取得する。目標流量値Q´は、図3のステップST203で取得したものと同じ数値である。
ステップST307において、制御部10は、ステップST306で演算又は取得した第1目標濃縮倍率N´及び目標流量値Q´に基づいて、高回収率運転モードにおける排水流量(以下、「第1目標排水流量Qd1´」ともいう)を演算する。第1目標排水流量Qd1´は、下記の式(3)により求めることができる。
d1´=Q´/(N´−1) (3)
ステップST308において、制御部10は、濃縮水W3の実際排水流量QがステップST307で演算した第1目標排水流量Qd1´となるように、第1排水弁11〜第3排水弁13の開閉を制御する。
ステップST309において、制御部10は、濃縮水還流弁8を所定の開度に制御し、処理はステップST301へリターンする。なお、濃縮水還流弁8の開度は、例えば、ROエレメント1本あたりの透過水の流量に対して、濃縮水ラインL3を流通する濃縮水の流量が3〜5倍程度になるように調節される。
次に、低回収率運転モードにおける温度フィードフォワード回収率制御について説明する。図5は、低回収率運転モードにおいて、制御部10が温度フィードフォワード回収率制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートの処理は、低回収率運転モードでの運転中に、繰り返し実行される。なお、図5において、ステップST401〜ST404の処理は、図4におけるステップST301〜ST304の処理と同じであるので、上述の説明を援用して、ここでの説明を省略する。
ステップST405において、制御部10は、ステップST404で演算した基準濃縮倍率Nに基づいて、濃縮水3におけるシリカの第2目標濃縮倍率N´を演算する。シリカの第2目標濃縮倍率N´は、下記の式(4)により求めることができる。
´=α×N (4)
式(4)において、αは、基準濃縮倍率N以下の濃縮倍率で運転する際の係数であり、その範囲は0.5〜1である。なお、αの数値は、予めメモリに記憶されている。
ステップST406において、制御部10は、透過水W2の目標流量値Q´を取得する。目標流量値Q´は、図3のステップST203で取得したものと同じ数値である。
ステップST407において、制御部10は、ステップST406で演算又は取得した第2目標濃縮倍率N´及び目標流量値Q´に基づいて、低回収率運転モードにおける排水流量(以下、「第2目標排水流量Qd2´」ともいう)を演算する。第2目標排水流量Qd2´は、下記の式(5)により求めることができる。
d2´=Q´/(N´−1) (5)
ステップST408において、制御部10は、濃縮水W3の実際排水流量QがステップST407で演算した第2目標排水流量Qd2´となるように、第1排水弁11〜第3排水弁13の開閉を制御する。
ステップST409において、制御部10は、濃縮水還流弁8を閉状態に制御し、処理はステップST301へリターンする。
次に、制御部10によるフラッシング運転モード制御について説明する。図6は、制御部10において、フラッシング運転モードを実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートの処理は、図2のステップST109において実行される。
ステップST501において、制御部10は、透過水弁7を閉状態に制御する。
ステップST502において、制御部10は、濃縮水還流弁8を閉状態に制御する。
ステップST503において、制御部10は、第1排水弁11〜第3排水弁13のうち、所定の弁を開状態に制御する。開状態に制御する排水弁の数は、効果的なフラッシングを行うのに必要な供給水W1の流量に基づいて、予め決定される。
ステップST504において、制御部10は、フラッシング運転モードにおける駆動周波数Fを取得する。この駆動周波数Fは、例えば、予めメモリに記憶された設定値である。
ステップST505において、制御部10は、駆動周波数Fの値を、対応する電流値信号(4〜20mA)に変換する。
ステップST506において、制御部10は、変換した電流値信号をインバータ3に出力し、本フローチャートの処理は終了する。インバータ3は、入力された電流値信号に対応する周波数に変換された駆動電力を加圧ポンプ2に供給する。その結果、加圧ポンプ2は、インバータ3から入力された駆動周波数に応じた回転速度で駆動される。
以上の透過水弁7、濃縮水還流弁8、第1排水弁11〜第3排水弁13及び加圧ポンプ2の制御により、RO膜モジュール5の一次側に供給された供給水W1は、RO膜の表面を流れ、フラッシング洗浄排水として濃縮水排出ラインL4から排出される。また、RO膜モジュール5の二次側ポートから送出された透過水W2は、安全弁9の開弁動作により透過水返送ラインL6を流通して供給水ラインL1に返送される。
上述した実施形態に係る逆浸透膜分離装置1によれば、例えば、以下のような効果が得られる。
本実施形態に係る逆浸透膜分離装置1において、制御部10は、濃縮水W3におけるシリカの実際濃縮倍率が基準濃縮倍率を超えるように供給水W1の流量を制御する高回収率運転モード、及び濃縮水W3におけるシリカの実際濃縮倍率が基準濃縮倍率以下となるように供給水W1の流量を制御する低回収率運転モードを交互に実行する。高回収率運転モード及び低回収率運転モードを交互に実行した場合の平均回収率は、濃縮水W3におけるシリカの実際濃縮倍率が基準濃縮倍率となるように供給水W1の流量を制御した場合の回収率よりも高くなる。また、低回収率運転モードを実行することにより、高回収率運転モードの実行中にRO膜の表面でスケール核が生成したとしても、スケール核が成長する前に洗い流すことができる。従って、供給水W1のシリカ濃度が高い場合においても、高回収率運転モードと低回収率運転モードとを交互に実行することにより、シリカ系スケールの析出を抑制しつつ、回収率を向上させることができる。
また、本実施形態に係る逆浸透膜分離装置1において、高回収率運転モードを実行する第1時間帯は、低回収率運転モードを実行する第2時間帯よりも長く設定されている。このため、高回収率運転モード及び低回収率運転モードを交互に実行することにより向上させた平均回収率を、安定して維持することができる。
また、本実施形態に係る逆浸透膜分離装置1において、制御部10は、高回収率運転モード及び低回収率運転モードを実行する際に、流量フィードバック水量制御を実行する。このため、高回収率運転モード及び低回収率運転モードのいずれの実行中においても、安定した流量の透過水W2を需要先に供給することができる。
また、本実施形態に係る逆浸透膜分離装置1において、制御部10は、低回収率運転モードを実行する際に、濃縮水W3が濃縮水還流ラインL5を流通しないように濃縮水還流弁8を閉状態に制御する。これによれば、低回収率運転モードにおいて、RO膜モジュール5から排出された濃縮水W3がRO膜モジュール5の一次側に還流しないので、RO膜の表面に生成したスケール核を効率的に洗い流すことができる。
また、本実施形態に係る逆浸透膜分離装置1において、制御部10は、高回収率運転モードを10回実行した後、フラッシング運転モードを1回実行する。フラッシング運転モードでは、RO膜モジュール5内の濃縮水W3が供給水W1で置換されながら、膜表面が洗浄される。このため、短時間で膜表面を清浄な状態に復帰させることができる。
また、本実施形態に係る逆浸透膜分離装置1において、透過水返送ラインL6には、安全弁9が設けられている。このため、フラッシング運転モードにおいて、透過水返送ラインL6の管内圧力が設定された圧力以上となった場合に、安全弁9を介して高圧の透過水W2を低圧側(加圧ポンプ2の一次側)に逃すことができる。従って、過剰な背圧によるRO膜の破損を防止することができる。
また、本実施形態に係る逆浸透膜分離装置1において、制御部10は、フラッシング運転モードを実行する際に、濃縮水還流ラインL5を濃縮水W3が流通しないように濃縮水還流弁8を閉状態に制御し、且つ透過水ラインL2を透過水W2が流通しないように透過水弁7を閉状態に制御する。このため、供給水W1の濃縮を抑制しながら、供給水W1を洗浄水として有効利用することができる。
また、本実施形態に係る逆浸透膜分離装置1において、制御部10は、流量フィードバック水量制御と並行して、温度フィードフォワード回収率制御を実行する。このため、高回収率運転モード及び低回収率運転モードを交互に実行することにより向上させた平均回収率を維持しつつ、RO膜モジュール5におけるシリカ系スケールの析出をより確実に抑制することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、本実施形態では、高回収率運転モードを実行する第1時間帯を50分に設定し、低回収率運転モードを実行する第2時間帯を10分に設定した例について説明した。この例に限らず、各時間帯は任意に設定することができる。その場合に、第1時間帯>第2時間帯となるように設定することが好ましい。
本実施形態では、高回収率運転モードと低回収率運転モードとを交互に9回実行し、10回目の高回収率運転モードの実行後には、10回目の低回収率運転モードの実行に代えて、フラッシング運転モードを1回実行する例について説明した。これに限らず、各運転モードの実行回数は、任意に設定することができる。
本実施形態では、フラッシング運転モードを実行する第3時間帯を2分に設定した例について説明した。しかし、フラッシング運転モードは、濃縮水ラインL3から排出される洗浄排水の電気伝導率又はシリカ濃度が供給水W1の1.1倍以下となるまで継続すればよい。従って、フラッシング運転モードを実行する第3時間帯は、この条件の範囲において、任意に設定することができる。
また、本実施形態に係る逆浸透膜分離装置1で得られた透過水W2を需要先に供給する場合に、透過水W2を処理水タンクに受水させた後に供給するように構成してもよい。上記構成において、制御部10は、高回収率運転モードを10回実行した後、処理水タンクの満水を検知してからフラッシング運転モードを実行する。これにより、フラッシング運転モードを実行している間も需要先へ透過水W2を供給することができる。
本実施形態では、RO膜モジュール5に供給される供給水W1の温度を温度センサ4により検出する例について説明した。これに限らず、透過水ラインL2に温度センサを設け、RO膜モジュール5で得られた透過水W2の温度を温度センサにより検出してもよい。
本実施形態では、温度フィードフォワード回収率制御において、第1排水弁11〜第3排水弁13を選択的に開閉することにより、濃縮水W3の排水流量を段階的に調節する例について説明した。これに限らず、濃縮水排出ラインL4を分岐させずに、当該濃縮水排出ラインL4に比例制御弁を設けた構成としてもよい。この場合、制御部10から電流値信号(例えば、4〜20mA)を比例制御弁に送信して弁開度を制御することにより、濃縮水W3の排水流量を調節することができる。
また、比例制御弁を設けた構成において、濃縮水排出ラインL4に流量センサを設けた構成としてもよい。この場合は、流量センサで検出された流量値を、制御部10にフィードバック値として入力する。これにより、濃縮水W3の実際排水流量をより正確に制御することができる。
1 逆浸透膜分離装置
2 加圧ポンプ
3 インバータ
4 温度センサ(温度検出手段)
5 RO膜モジュール(逆浸透膜モジュール)
6 流量センサ(流量検出手段)
7 透過水弁
8 濃縮水還流弁
9 安全弁(圧力逃し弁)
10 制御部
11 第1排水弁
12 第2排水弁
13 第3排水弁
L1 供給水ライン
L2 透過水ライン
L3 濃縮水ライン
L4 濃縮水排出ライン
L5 濃縮水還流ライン
L6 透過水返送ライン
W1 供給水
W2 透過水
W3 濃縮水

Claims (6)

  1. 供給水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜モジュールと、
    供給水の温度を検出する温度検出手段と、
    (i)予め取得された供給水のシリカ濃度、及び前記温度検出手段による検出温度値から決定したシリカ溶解度に基づいて、濃縮水におけるシリカの基準濃縮倍率を算出し、(ii)濃縮水におけるシリカの実際濃縮倍率が前記基準濃縮倍率を超えるように、透過水の生産流量を予め設定された目標流量値に保持しながら濃縮水の排水流量を調節する高回収率運転モード、及び濃縮水におけるシリカの実際濃縮倍率が前記基準濃縮倍率以下となるように、透過水の生産流量を予め設定された目標流量値に保持しながら濃縮水の排水流量を調節する低回収率運転モードを交互に実行する制御部と、
    を備える逆浸透膜分離装置。
  2. 前記制御部において、高回収率運転モードを実行する第1時間帯は、低回収率運転モードを実行する第2時間帯よりも長く設定されている、
    請求項1に記載の逆浸透膜分離装置。
  3. 透過水の流量を検出する流量検出手段と、
    供給水を前記逆浸透膜モジュールに供給する供給水ラインと、
    入力された駆動周波数に応じた回転速度で駆動され、前記供給水ラインを流通する供給水を前記逆浸透膜モジュールに向けて圧送する加圧ポンプと、
    入力された電流値信号に対応する駆動周波数を前記加圧ポンプに出力するインバータと、
    を備え、
    前記制御部は、前記流量検出手段による検出流量値が予め設定された目標流量値となるように、前記加圧ポンプの駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算値に対応する電流値信号を前記インバータに出力する、
    請求項1又は2に記載の逆浸透膜分離装置。
  4. 透過水を需要先へ送出する透過水ラインと、
    濃縮水を前記逆浸透膜モジュールから送出する濃縮水ラインと、
    前記濃縮水ラインを流通する濃縮水の一部を装置外へ排出する濃縮水排出ラインと、
    前記濃縮水ラインを流通する濃縮水の残部を前記供給水ラインにおける前記加圧ポンプよりも上流側に還流させる濃縮水還流ラインと、
    前記濃縮水還流ラインを流通する濃縮水の流量を調節可能な濃縮水還流弁と、
    を備え、
    前記制御部は、前記低回収率運転モードを実行する際に、前記濃縮水還流ラインを濃縮水が流通しないように前記濃縮水還流弁を制御する、
    請求項3に記載の逆浸透膜分離装置。
  5. 前記制御部は、前記高回収率運転モードを複数回実行した後、前記逆浸透膜モジュールの一次側を洗浄するためのフラッシング運転モードを少なくとも1回実行する、
    請求項4に記載の逆浸透膜分離装置。
  6. 前記透過水ラインに設けられた透過水弁と、
    前記透過水ラインに送出された透過水を前記供給水ラインにおける前記加圧ポンプよりも上流側に返送させる透過水返送ラインと、
    前記透過水返送ラインに設けられた圧力逃し弁と、
    を備え、
    前記制御部は、前記フラッシング運転モードを実行する際に、(i)前記濃縮水還流ラインを濃縮水が流通しないように前記濃縮水還流弁を制御し、(ii)前記透過水ラインを透過水が流通しないように前記透過水弁を制御する、
    請求項5に記載の逆浸透膜分離装置。
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