JP2013169537A - 膜分離装置 - Google Patents

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幸男 野口
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隼人 渡邉
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卓司 六角
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Abstract

【課題】膜モジュールの水透過係数の初期値の設定精度を高めることにより、膜モジュールの膜の閉塞や酸化による劣化の判定を的確に行うことができる膜分離装置を提供すること。
【解決手段】膜モジュール5と、供給水ラインL1を流通する供給水W1を膜モジュール5に向けて圧送する加圧ポンプ2と、加圧ポンプ2の吐出圧力を検出する圧力検出手段24と、透過水W2の流量を検出する流量検出手段25と、供給水W1、透過水W2又は濃縮水W3の温度を検出する温度検出手段23と、圧力検出手段24の検出圧力値、流量検出手段25の検出流量値、及び温度検出手段23の検出温度値に基づいて、膜モジュール5の水透過係数の第1演算値と、第1演算値の演算後に演算した第2演算値との変化率を算出し、変化率が所定範囲内の場合に、第2演算値を膜モジュール5の水透過係数の初期値として設定する制御部10と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、逆浸透膜モジュール等の膜モジュールを備えた膜分離装置に関する。
半導体の製造工程、電子部品や医療器具の洗浄等においては、不純物を含まない高純度の純水が使用される。この種の純水は、一般に、地下水や水道水等の原水を、膜モジュールとしての逆浸透膜モジュール(以下、「RO膜モジュール」ともいう)で逆浸透膜分離処理することにより製造される。
RO膜モジュールを使用した逆浸透膜分離装置では、システムの運転中に、系内の流量、圧力及び温度のデータに基づいて、RO膜モジュールの水透過係数を演算し、その演算値と、水透過係数の初期値との比較を行って、RO膜モジュールの膜が閉塞していることや、膜が酸化により劣化していることを判定している。この判定結果は、RO膜モジュールの洗浄や交換などのメンテナンスを実施するための情報として利用される(例えば、特許文献1参照)。
上記のような逆浸透膜分離装置においては、水透過係数の初期値を、試運転時のデータや本運転開始直後のデータに基づいて決定するのが一般的である。
特開2005−288218号公報
しかしながら、運転初期のRO膜モジュールにおいては、膜の保存環境などにより、水透過係数にばらつきが生じやすい。そのため、RO膜モジュールの膜の閉塞や酸化による劣化の判定を行う際には、誤判定を回避するために、余裕をもった判定基準を定める必要があった。この結果、メンテナンスが必要であるにも関わらず、メンテナンスを必要とする判定が遅れてしまう場合や、メンテナンスが必要でないにも関わらず、メンテナンスが必要であると判定されて、メンテナンスの回数が増えたりする場合があった。
また、この問題は、RO膜モジュール以外にも、ナノ濾過膜を有するNF膜モジュールや、限外濾過膜を有するUF膜モジュールや、精密濾過膜を有するMF膜モジュール等の膜モジュールにおいて起こり得る。
本発明は、膜モジュールの水透過係数の初期値の設定精度を高めることにより、膜モジュールの膜の閉塞や酸化による劣化の判定を的確に行うことができる膜分離装置を提供することを目的とする。
本発明は、供給水を透過水と濃縮水とに分離する膜モジュールと、供給水を前記膜モジュールに供給する供給水ラインと、入力された駆動周波数に応じた回転速度で駆動され、前記供給水ラインを流通する供給水を前記膜モジュールに向けて圧送する加圧ポンプと、前記加圧ポンプの吐出圧力を検出する圧力検出手段と、透過水の流量を検出する流量検出手段と、供給水、透過水又は濃縮水の温度を検出する温度検出手段と、前記圧力検出手段の検出圧力値、前記流量検出手段の検出流量値、及び前記温度検出手段の検出温度値に基づいて、前記膜モジュールの水透過係数を演算し、前記膜モジュールの水透過係数の第1演算値と、前記第1演算値の演算後に演算した第2演算値との変化率を算出し、前記変化率が所定範囲内の場合に、前記第2演算値を前記膜モジュールの水透過係数の初期値として設定する制御部と、を備える膜分離装置に関する。
また、入力された電流値信号に対応する駆動周波数を前記加圧ポンプに出力するインバータを更に備え、前記制御部は、前記流量検出手段からの流量検知信号に基づいて、前記インバータへ指令信号を出力することが好ましい。
また、前記膜モジュールの水透過係数の演算値を記憶する記憶部を更に備え、前記制御部は、供給水の残留塩素濃度及び濁度が所定値未満である場合に、前記膜モジュールの水透過係数の演算値を前記記憶部に記憶させることが好ましい。
また、前記制御部は、(i)前記膜モジュールの水透過係数の前記初期値の設定後、前記膜モジュールの一次側を洗浄するためのフラッシングを実行する毎に前記膜モジュールの水透過係数を演算し、(ii)前記フラッシングの実行時における前記膜モジュールの水透過係数の複数の演算値から平均値を算出し、(iii)前記膜モジュールの水透過係数の前記初期値と前記平均値とから第1低下率を算出し、(iv)前記第1低下率が第1基準値以下の場合に、前記膜モジュールの膜が閉塞していることを判定し、(v)前記第1低下率が前記第1基準値よりも大きい第2基準値以上の場合に、前記膜モジュールの膜が酸化により劣化していることを判定することが好ましい。
また、前記制御部は、(i)前記膜モジュールの水透過係数の前記初期値の設定後、前記膜モジュールの水透過係数の前記初期値と前記初期値の設定後に演算した演算値とから第2低下率を算出し、(ii)前記第2低下率が第3基準値以下の場合に、前記流量検出手段又は前記圧力検出手段が故障であると判定することが好ましい。
本発明によれば、膜モジュールの水透過係数の初期値の設定精度を高めることにより、膜モジュールの膜の閉塞や酸化による劣化の判定を的確に行うことができる膜分離装置を提供することができる。
本実施形態に係る逆浸透膜分離装置1の全体構成図である。 制御部10がRO膜モジュール5の水透過係数の初期値を設定する場合の処理手順を示すフローチャートである。 制御部10が、RO膜モジュール5の水透過係数の初期値の設定後、第1低下率に基づいて、RO膜モジュール5の膜の閉塞又は酸化による劣化を判定する場合の処理手順を示すフローチャートである。 制御部10が、RO膜モジュール5の水透過係数の初期値の設定後、第2低下率に基づいて、流量センサ25又は圧力センサ24の故障を判定する場合の処理手順を示すフローチャートである。
本発明の実施形態に係る逆浸透膜分離装置1について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る逆浸透膜分離装置1は、例えば、淡水から純水を製造する純水製造システムに適用される。図1は、本実施形態に係る逆浸透膜分離装置1の全体構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る膜分離装置としての逆浸透膜分離装置1は、加圧ポンプ2と、インバータ3と、膜モジュールとしての逆浸透膜モジュール5(以下、「RO膜モジュール」ともいう)と、制御部10と、第1排水弁11〜第3排水弁13と、を備える。図1では、電気的な接続の経路を破線で示す。
また、逆浸透膜分離装置1は、残留塩素濃度センサ21と、濁度センサ22と、温度検出手段としての温度センサ23と、圧力検出手段としての圧力センサ24と、流量検出手段としての流量センサ25と、を備える。
また、逆浸透膜分離装置1は、供給水ラインL1と、透過水ラインL2と、濃縮水ラインL3と、濃縮水W3の排水ライン(第1排水ラインL11、第2排水ラインL12及び第3排水ラインL13)と、透過水返送ラインL4と、を備える。本明細書における「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
供給水ラインL1は、供給水W1をRO膜モジュール5に供給するラインである。供給水ラインL1の上流側の端部は、供給水W1の供給源(不図示)に接続されている。供給水ラインL1の下流側の端部は、RO膜モジュール5の一次側入口ポートに接続されている。
加圧ポンプ2は、供給水W1を吸入し、供給水ラインL1を流通する供給水W1をRO膜モジュール5に向けて吐出する装置である。加圧ポンプ2は、インバータ3(後述)と電気的に接続されている。加圧ポンプ2には、インバータ3から、周波数が変換された駆動電力が入力される。加圧ポンプ2は、供給(入力)された駆動電力の周波数(以下、「駆動周波数」ともいう)に応じた回転速度で駆動される。
インバータ3は、加圧ポンプ2に、周波数が変換された駆動電力を供給する電気回路である。インバータ3は、制御部10と電気的に接続されている。インバータ3には、制御部10から電流値信号が入力される。インバータ3は、制御部10から入力された電流値信号に対応する駆動周波数の駆動電力を加圧ポンプ2に出力する。
RO膜モジュール5は、加圧ポンプ2から吐出された供給水W1を、溶存塩類が除去された透過水W2と、溶存塩類が濃縮された濃縮水W3とに膜分離処理する設備である。RO膜モジュール5は、単一又は複数のRO膜エレメント(不図示)を備える。RO膜モジュール5は、これらRO膜エレメントにより供給水W1を膜分離処理し、透過水W2及び濃縮水W3を製造する。
透過水ラインL2は、RO膜モジュール5で製造された透過水W2を需要先へ送出するラインである。透過水ラインL2の上流側の端部は、RO膜モジュール5の二次側ポートに接続されている。透過水ラインL2の下流側の端部は、需要先の装置等(不図示)に接続されている。
濃縮水ラインL3は、RO膜モジュール5から濃縮水W3を送出するラインである。濃縮水ラインL3の上流側の端部は、RO膜モジュール5の一次側出口ポートに接続されている。また、濃縮水ラインL3の下流側は、分岐部J6及びJ7において、第1排水ラインL11、第2排水ラインL12及び第3排水ラインL13に分岐している。
第1排水ラインL11には、第1排水弁11が設けられている。第2排水ラインL12には、第2排水弁12が設けられている。第3排水ラインL13には、第3排水弁13が設けられている。第1排水弁11〜第3排水弁13は、第1排水ラインL11〜第3排水ラインL13から装置外へ排出される濃縮水W3の排水流量を調節する弁である。
第1排水弁11は、第1排水ラインL11を開閉することができる。第2排水弁12は、第2排水ラインL12を開閉することができる。第3排水弁13は、第3排水ラインL13を開閉することができる。
第1排水弁11〜第3排水弁13は、それぞれ定流量弁機構(不図示)を備える。定流量弁機構は、第1排水弁11〜第3排水弁13において、それぞれ異なる流量値に設定されている。濃縮水ラインL3から排出される濃縮水W3の排水流量は、第1排水弁11〜第3排水弁13を選択的に開閉することにより、段階的に調節できる。
第1排水弁11〜第3排水弁13は、それぞれ制御部10と電気的に接続されている。第1排水弁11〜第3排水弁13における弁体の開閉は、制御部10からの駆動信号により制御される。
透過水弁7は、透過水ラインL2を開閉する装置である。透過水弁7は、制御部10と電気的に接続されている。透過水弁7における弁体の開閉は、制御部10からの駆動信号により制御される。透過水弁7は、フラッシング運転制御(後述)では、閉状態に制御される。
透過水返送ラインL4は、フラッシング運転制御(後述)において、透過水ラインL2に送出された透過水W2を、供給水ラインL1における加圧ポンプ2よりも上流側に返送させるラインである。透過水返送ラインL4の上流側の端部は、接続部J8において透過水ラインL2に接続されている。接続部J8は、RO膜モジュール5の二次側ポートと透過水弁7との間に配置されている。また、透過水返送ラインL4の下流側の端部は、接続部J9において供給水ラインL1に接続されている。接続部J9は、加圧ポンプ2の上流側に配置されている。透過水返送ラインL4には、安全弁9が設けられている。
安全弁9は、フラッシング運転制御(後述)において、透過水ラインL2の管内圧力が設定された圧力以上となった場合に開弁して、透過水W2を透過水返送ラインL4に流通させる弁である。すなわち、安全弁9は、設定された圧力以上の透過水W2を、透過水返送ラインL4を介して供給水ラインL1に戻すことにより、RO膜モジュール5の二次側に過剰な背圧が発生するのを防止する。
残留塩素濃度センサ21は、供給水ラインL1を流通する供給水W1の残留塩素濃度を検出する機器である。残留塩素濃度センサ21は、接続部J1において供給水ラインL1に接続されている。供給水W1の残留塩素濃度は、RO膜の化学的劣化(酸化による劣化)の原因物質に係る水質項目の一つである。化学的劣化が発生すると、RO膜の分子構造が破壊されるため、水透過係数の増大と共に塩除去率の低下が進行する。
残留塩素濃度センサ21としては、例えば、ベンジジン化合物等の酸化発色試薬を添加した試料水の発色度合を透過光強度により測定し、測定された透過光強度に基づいて残留塩素濃度を判定する透過光式センサを用いることができる。残留塩素濃度センサ21は、制御部10と電気的に接続されている。残留塩素濃度センサ21で検出された供給水W1の残留塩素濃度(以下、「検出塩素濃度」ともいう)は、制御部10へ検出信号として送信される。
濁度センサ22は、供給水ラインL1を流通する供給水W1の濁度を検出する機器である。濁度センサ22は、接続部J2において供給水ラインL1に接続されている。接続部J2は、接続部J1と接続部J3との間に配置されている。供給水W1の濁度は、RO膜のファウリングの原因物質に係る水質項目の一つである。ファウリングが発生すると、RO膜の細孔が閉塞されるため、水透過係数の低下が進行する。
濁度センサ22としては、例えば、試料水の濁り度合を透過光強度から判定する透過光式センサや、散乱光強度から判定する散乱光式光センサを用いることができる。濁度センサ22は、制御部10と電気的に接続されている。濁度センサ22で検出された供給水W1の濁度(以下、「検出濁度」ともいう)は、制御部10へ検出信号として送信される。
温度センサ23は、供給水ラインL1を流通する供給水W1の温度を検出する機器である。温度センサ23は、接続部J3において供給水ラインL1に接続されている。接続部J3は、接続部J2と加圧ポンプ2との間に配置されている。温度センサ23は、制御部10と電気的に接続されている。温度センサ23で検出された供給水W1の温度(以下、「検出温度値」ともいう)は、制御部10へ検出信号として送信される。
圧力センサ24は、加圧ポンプ2の吐出圧力を検出する。圧力センサ24は、加圧ポンプ2の下流側において、供給水ラインL1を流通する供給水W1の圧力を検出する機器である。圧力センサ24は、接続部J4において、供給水ラインL1に接続されている。接続部J4は、加圧ポンプ2とRO膜モジュール5との間に配置されている。圧力センサ24は、制御部10と電気的に接続されている。圧力センサ24で検出された供給水W1の圧力(以下、「検出圧力値」ともいう)は、制御部10へ検出信号として送信される。
流量センサ25は、透過水ラインL2を流通する透過水W2の流量を検出する機器である。流量センサ25は、接続部J5において透過水ラインL2に接続されている。接続部J5は、RO膜モジュール5と接続部J8との間に配置されている。流量センサ25は、制御部10と電気的に接続されている。流量センサ25で検出された透過水W2の単位時間当たりの流量(以下、「検出流量値」ともいう)は、制御部10へ検出信号として送信される。
制御部10は、CPU及びメモリを含むマイクロプロセッサ(不図示)、制御プログラム等を記憶する記憶部10a等を有して構成される。マイクロプロセッサには、時間の計時等を管理するインテグレーテッドタイマユニット(以下、「ITU」ともいう)が組み込まれている。以下、制御部10の機能について説明する。
(流量フィードバック水量制御)
制御部10は、透過水W2を製造する際に、流量フィードバック水量制御を実行する。この制御では、制御部10は、流量センサ25からの流量検知信号に基づいて、インバータ3へ指令信号を出力する。具体的には、制御部10は、流量センサ25の検出流量値(フィードバック値)が予め設定された目標流量となるように、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより加圧ポンプ2の駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算値に対応する電流値信号をインバータ3に出力する。すなわち、制御部10は、一定流量の透過水W2が生産されるように、加圧ポンプ2の回転数を調節する。
(フラッシング運転制御)
制御部10は、所定の条件を充足した場合に、透過水W2の製造(すなわち、流量フィードバック水量制御)を中断し、フラッシング運転制御を実行する。制御部10は、例えば、制御部10は、予め設定された透過水W2の積算製造時間又はRO膜モジュール5の膜の汚染度に基づいて、実施が必要と判断される時期において、フラッシング運転制御を実施する。RO膜の汚染度は、例えば、RO膜モジュール5の一次側と二次側の差圧を差圧計(図示せず)で計測すること等により求められる。
フラッシング運転制御においては、制御部10は、RO膜モジュール5の一次側の洗浄を実行する。フラッシング運転制御では、供給水W1がRO膜モジュール5の一次側に供給される。フラッシング運転制御において、透過水弁7は、閉状態に制御される。また、加圧ポンプ2は、最大駆動周波数(50Hz又は60Hz)よりも低い駆動周波数(例えば、30Hz)に固定される。このとき、供給水W1のほとんどは、RO膜を透過することなく、RO膜の表面を流れ、フラッシング洗浄排水として第1排水ラインL11〜第3排水ラインL13から外部に排出される。このフラッシング運転制御により、RO膜の表面に析出したスケール核や沈着した懸濁物質が除去される。フラッシング運転制御が所定時間(例えば、2分)実行されると、透過水W2の製造が再開される。
(水透過係数のリアルタイム演算)
制御部10は、流量フィードバック水量制御の実行中において、圧力センサ24の検出圧力値、流量センサ25の検出流量値、及び温度センサ23の検出温度値に基づいて、RO膜モジュール5の水透過係数をリアルタイムに演算する。このリアルタイムに演算された水透過係数の演算値を、リアルタイム演算値ともいう。制御部10は、例えば、水透過係数の演算周期を1000msとして、水透過係数のリアルタイム演算値を演算する。
ここで、水透過係数は、透過水W2の流量Q[m/s]を膜面積A[m]及び有効圧力P[Pa]で除した値である(後述の式(1)を参照)。水透過係数は、RO膜モジュールの透水性能を示す指標である。すなわち、水透過係数は、単位有効圧力を作用させたときに単位時間に膜の単位面積を透過する水の量を意味する。有効圧力は、操作圧力(平均操作圧力)から浸透圧差及び二次側圧力(背圧)を差し引いた圧力である(後述の式(2)を参照)。
基準温度(例えば、25℃)における水透過係数L[m・m−2・s−1・Pa−1]の演算値は、下記の式(1)及び(2)に基づいて求めることができる。
=Q/(K・A・P) (1)
(但し、K:温度補正係数、A:RO膜モジュールの膜面積、P:有効圧力)
=P−(ΔP/2)−P−Δπ+P (2)
(但し、P:加圧ポンプの吐出圧力、ΔP:RO膜モジュールの一次側における差圧、P:RO膜モジュールの二次側における背圧、Δπ:RO膜モジュールの浸透圧差、P:加圧ポンプの吸入側における圧力)
式(1)において、温度補正係数Kは、検出温度値Tの関数であり、検出温度値Tが基準温度に等しいときに1となる。膜面積Aは、逆浸透膜エレメントの使用本数により定まるので、予め設定した値を使用することができる。式(2)による有効圧力Pの計算において、ΔP、P、Δπ、及びPの各値は、定常運転中は、ほぼ一定とみなせるため、予め設定した値を使用することができる。従って、RO膜モジュールの運転中に、温度センサ23の検出温度値T、流量センサ25の検出流量値Q、及び圧力センサ24の検出圧力値Pからなる少なくとも3つのパラメータを取得すれば、基準温度における水透過係数Lを演算することができる。
(水透過係数のサンプリング処理)
制御部10は、水透過係数のリアルタイム演算値を所定の周期でサンプリングする。水透過係数の初期値(後述)が設定されていない状態において、制御部10は、水透過係数のリアルタイム演算値を所定の時間間隔(例えば、8〜24時間)毎にサンプリングする。また、水透過係数の初期値(後述)の設定後において、制御部10は、水透過係数のリアルタイム演算値をフラッシング運転制御の実行後(例えば、フラッシング終了からの透過水W2の積算製造時間が10分に達した時)にサンプリングする。これらのサンプリングされた水透過係数のリアルタイム演算値を、サンプリング演算値ともいう。サンプリング演算値は、直近の10回分が後述する記憶部10aに記憶されるようになっている。
サンプリング演算値は、水透過係数の初期値(後述)が設定されていない状態においては、供給水W1が所定の水質条件を充足する場合に、記憶部10aに記憶されるようになっている。すなわち、制御部10は、残留塩素濃度センサ21に検出された供給水W1の検出塩素濃度、及び、濁度センサ22により検出された供給水W1の検出濁度が所定値未満である場合に、RO膜モジュール5の水透過係数のサンプリング演算値を記憶部10aに記憶させる。つまり、供給水W1の水質がRO膜の酸化劣化や閉塞を引き起こす虞のない良好な水質の場合にのみ、サンプリング演算値をその変化率の算出対象とし、水透過係数の初期値(後述)の設定精度を高めている。
また、サンプリング演算値は、水透過係数の初期値(後述)の設定後においては、供給水W1が所定の水質条件を充足していなくても、記憶部10aに記憶されるようになっている。すなわち、制御部10は、残留塩素濃度センサ21に検出された供給水W1の検出塩素濃度、及び、濁度センサ22により検出された供給水W1の検出濁度の数値に関わらず、RO膜モジュール5の水透過係数のサンプリング演算値を記憶部10aに記憶させる。
(水透過係数の初期値の設定処理)
水透過係数の初期値が設定されていない状態において、制御部10は、最新のサンプリング演算値が記憶部10aに記憶される都度、その変化率[%]を算出する。具体的には、制御部10は、RO膜モジュール5の水透過係数の第1演算値(前回のサンプリング演算値)と、第1演算値の演算後に演算した第2演算値(最新のサンプリング演算値)との変化率[%]を算出する。そして、変化率が所定範囲内の場合に、第2演算値をRO膜モジュールの水透過係数の初期値として設定する。
変化率[%]は、次の式により求められる。
変化率[%]={(第2演算値−第1演算値)/第1演算値}×100
水透過係数の初期値を設定するか否かの判断基準である変化率の所定範囲は、RO膜モジュール5の水透過係数が安定しているとみなせる範囲に設定される。例えば、変化率の所定範囲は、−5%〜+5%に設定する。この例では、前回のサンプリング演算値(第1演算値)に対して、最新のサンプリング演算値(第2演算値)の変化率が−5%〜+5%の範囲内であれば、RO膜モジュール5の水透過係数が安定しているとみなしている。
(水透過係数の平均化処理及び膜の状態判定)
制御部10は、(i)RO膜モジュール5の水透過係数の初期値の設定後、RO膜モジュール5の一次側を洗浄するためのフラッシングを実行する毎にRO膜モジュール5の水透過係数を演算し、(ii)フラッシングの実行時におけるRO膜モジュール5の水透過係数の複数の演算値から平均演算値(平均値)を算出し、(iii)RO膜モジュール5の水透過係数の初期値と平均演算値とから第1低下率を算出し、(iv)第1低下率が第1基準値以下の場合に、RO膜モジュール5の膜が閉塞していることを判定し、(v)第1低下率が第1基準値よりも大きい第2基準値以上の場合に、RO膜モジュール5の膜が酸化により劣化していることを判定する。
平均演算値は、例えば、次のように算出される。
水透過係数の初期値の設定後において、制御部10は、フラッシング運転制御を実行する毎に水透過係数のリアルタイム演算値をサンプリングする。このサンプリング処理は、例えば、フラッシング終了からの透過水W2の積算製造時間が10分に達した時に行われる。そして、制御部10は、記憶部10aに記憶された直近10回分のサンプリング演算値について、最大側の2個の値及び最小側の2個の値を除いた残りの6個の値を平均化(以下、「平均化処理」ともいう)し、当該平均化処理により得られた数値を水透過係数の平均演算値として算出する。
また、第1低下率[%]は、次の式により求められる。
第1低下率[%]=(水透過係数の平均演算値/水透過係数の初期値)×100
膜の閉塞状態を判定するための第1基準値は、例えば、70%に設定される。一方、膜の劣化状態を判定するための第2基準値は、例えば、130%に設定される。
(センサ類の故障判定)
制御部10は、(i)RO膜モジュール5の水透過係数の初期値の設定後、RO膜モジュール5の水透過係数の初期値と、初期値の設定後に演算した演算値(リアルタイム演算値)とから第2低下率を算出し、(ii)第2低下率が第3基準値以下の場合に、流量センサ25又は圧力センサ24が故障であると判定する。
制御部10は、リアルタイム演算値が更新される都度、第2低下率の算出を行う。第2低下率[%]は、次の式により求められる。
第2低下率[%]=(水透過係数のリアルタイム演算値/水透過係数の初期値)×100
流量センサ25及び圧力センサ24の故障を判定するための第3基準値は、例えば、60%に設定される。なお、第2低下率が第3基準値以下となるのは、流量センサ25の検出流量値が実際の流量よりも低い側の故障モード、若しくは圧力センサ24の検出圧力値が実際の圧力よりも高い側の故障モードを発生した場合である。
記憶部10aは、本実施形態の逆浸透膜分離装置1の運転を実施する制御プログラムを予め記憶する。また、記憶部10aは、RO膜モジュール5の水透過係数のリアルタイム演算値や、RO膜モジュール5の水透過係数のサンプリング演算値や、RO膜モジュール5の水透過係数の平均演算値や、RO膜モジュール5の水透過係数の初期値を記憶する。更に、記憶部10aは、第1基準値、第2基準値、第3基準値及び変化率の所定値等を記憶する。
次に、逆浸透膜装置1において、図2に示すフローチャートを参照して、制御部10によるRO膜モジュール5の水透過係数の初期値の設定について説明する。図2は、制御部10がRO膜モジュール5の水透過係数の初期値を設定する場合の処理手順を示すフローチャートである。
図2に示すステップST101において、制御部10は、温度センサ23により検出された供給水W1の検出温度値、圧力センサ24により検出された供給水W1の検出圧力値及び流量センサ25に検出された透過水W2の検出流量値を取得する。
ステップST102において、制御部10は、前のステップで取得した検出温度値、検出圧力値及び検出流量値に基づいて、例えば、1000ms毎に、RO膜モジュール5の水透過係数のリアルタイム演算値を演算する。水透過係数のリアルタイム演算値の演算は、流量フィードバック水量制御の実行中に繰り返し実行される。
ステップST103において、制御部10は、RO膜モジュール5の水透過係数のリアルタイム演算値を、予め設定された時間間隔(例えば、8〜24時間)毎に、サンプリング演算値としてサンプリングする。
ステップST104において、制御部10は、残留塩素濃度センサ21に検出された供給水W1の検出塩素濃度、及び、濁度センサ22により検出された供給水W1の濁度が所定値未満であるか否かを判定する。残留塩素濃度センサ21に検出された供給水W1の検出塩素濃度、及び、濁度センサ22により検出された供給水W1の濁度が、それぞれ所定値未満の場合(YES)には、ステップST105に進む。一方、残留塩素濃度センサ21に検出された供給水W1の検出塩素濃度、及び、濁度センサ22により検出された供給水W1の濁度のうちのいずれかが、所定値よりも大きい場合(NO)には、ステップST101に戻る。
ステップST105(ステップST104:YES判定)において、制御部10は、RO膜モジュール5の水透過係数のサンプリング演算値を記憶部10aに記憶させる。
これは、逆浸透膜装置1に供給される供給水W1の水質が、RO膜の酸化劣化や閉塞を引き起こす虞のない良好な水質の場合にのみ、次のステップST106におけるサンプリング演算値をその変化率の算出対象とする意図である。つまり、水透過係数の初期値を設定する場合においては、供給水W1の残留塩素濃度及び濁度が充分に低く、RO膜の状態が安定している時のサンプリング演算値が初期値に反映されるように操作している。
ステップST106において、制御部10は、前回のサンプリング演算値である第1演算値と、第1演算値の演算後に演算した最新のサンプリング演算値である第2演算値との変化率[%]を算出する。
ステップST107において、制御部10は、変化率が所定範囲内にあるか否かを判定する。変化率の所定範囲は、例えば、−5%〜+5%に設定される。変化率が所定範囲内の場合(YES)には、RO膜モジュール5の水透過係数が安定しているとみなせるため、ステップST108に進む。一方、変化率が所定範囲内にない場合(NO)には、変化率が未だ大きくRO膜モジュール5の水透過係数が安定していないため、ステップST101へ戻る。
ステップST108(ステップST107:YES判定)において、制御部10は、第2演算値(最新のサンプリング演算値)をRO膜モジュール5の水透過係数の初期値として設定する。この理由は、第1演算値(前回のサンプリング演算値)と、第1演算値の演算後に演算した第2演算値(最新のサンプリング演算値)との変化率が、例えば−5%〜+5%の範囲内であれば、サンプリング演算値が経時的に収束してきており、水透過係数が安定したものとみなせるためである。従って、変化率が所定範囲内にある場合には、第2演算値を水透過係数の初期値として設定する。以上の処理により、逆浸透膜装置1において、RO膜モジュール5の水透過係数の初期値の設定精度を高めることができる。
ステップST108の後、一連の処理は終了する。
次に、RO膜モジュール5の水透過係数の初期値の設定後において、RO膜モジュール5の膜の閉塞又は酸化による劣化を判定する場合について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。図3は、制御部10が、RO膜モジュール5の水透過係数の初期値の設定後、第1低下率に基づいて、RO膜モジュール5の膜の閉塞又は酸化による劣化を判定する場合の処理手順を示すフローチャートである。
以下に示すステップST201からの処理は、前述のステップST101〜ステップST108の処理後に実行される処理である。つまり、本処理は、RO膜モジュール5の水透過係数の初期値の設定後に実行される。
図3に示すステップST201において、制御部10は、所定の条件を充足した場合に、RO膜モジュール5の一次側を洗浄するためのフラッシング運転制御を実行する。フラッシング運転制御を実行する際には、透過水W2の製造(すなわち、流量フィードバック水量制御)は中断される。フラッシング運転制御が所定時間(例えば、2分)実行されると、透過水W2の製造が再開される。
ステップST202において、前述のステップST101と同様に、制御部10は、温度センサ23により検出された供給水W1の検出温度値、圧力センサ24により検出された供給水W1の検出圧力値及び流量センサ25に検出された透過水W2の検出流量値を取得する。
ステップST203において、前述のステップST102と同様に、制御部10は、検出温度値、検出圧力値及び検出流量値に基づいて、例えば、1000ms毎に、RO膜モジュール5の水透過係数のリアルタイム演算値を演算する。RO膜モジュール5の水透過係数のリアルタイム演算値の演算は、流量フィードバック水量制御の実行中に繰り返し継続して実行される。
ステップST204において、制御部10は、フラッシングを実行する毎(例えば、フラッシング終了からの透過水W2の積算製造時間が10分に達した時)に、水透過係数のリアルタイム演算値をサンプリング演算値として記憶部10aに記憶させる。
ステップST205において、制御部10は、フラッシングを実行する毎に得た複数のサンプリング演算値のうちの最新のサンプリング演算値を含む直近10回分について、最大側の2個の値、及び最小側の2個の値を除いた残りの6個の値を平均化処理する。このようにして、制御部10は、RO膜モジュール5の水透過係数のサンプリング演算値から平均演算値を算出する。
ステップST206において、制御部10は、RO膜モジュール5の水透過係数の初期値と平均演算値とから第1低下率を算出する。
ステップST207において、制御部10は、水透過係数の平均演算値が低くなっていないかを判定するため、第1低下率が第1基準値以下であるか否かを判定する。第1基準値は、例えば、70%に設定される。第1低下率が第1基準値超過の場合(NO)には、ステップST208に進む。第1低下率が第1基準値以下の場合(YES)には、ステップST209に進む。
ステップST208(ステップST207:NO判定)において、水透過係数の平均演算値が高くなっていないかを判定するため、制御部10は、第1低下率が第2基準値以上であるか否かを判定する。第2基準値は、第1基準値よりも大きく、例えば、130%に設定される。第1低下率が第2基準値未満の場合(NO)には、RO膜モジュール5の膜が閉塞しているか、RO膜モジュールの膜が酸化により劣化しているかの判定を継続して実行するため、処理はステップST201へリターンする。第1低下率が第1基準値以上の場合(YES)には、ステップST211に進む。
ステップST209(ステップST207:YES判定)において、水透過係数の平均演算値が低くなっているため、RO膜モジュール5の膜が閉塞していると判定する。
ステップST210において、表示部(不図示)や報知灯(不図示)等により、RO膜モジュール5の膜の閉塞を報知する。報知が行われると、処理はステップST201へリターンする。
ステップST211(ステップST211:YES判定)において、水透過係数の平均演算値が高くなっているため、RO膜モジュールの膜が酸化により劣化していると判定する。
ステップST212において、表示部(不図示)や報知灯(不図示)等により、RO膜モジュールの膜の酸化による劣化を報知する。報知が行われると、処理はステップST201へリターンする。
次に、RO膜モジュール5の水透過係数の初期値の設定後において、流量センサ25又は圧力センサ24の故障を判定する場合ついて、図4に示すフローチャートを参照して説明する。図4は、制御部10が、RO膜モジュール5の水透過係数の初期値の設定後、第2低下率に基づいて、流量センサ25又は圧力センサ24の故障を判定する場合の処理手順を示すフローチャートである。
以下に示すステップST301からの処理は、前述のステップST101〜ステップST108の処理後に実行される処理である。つまり、本処理は、RO膜モジュール5の水透過係数の初期値の設定後に実行される。
図4に示すステップST301において、前述のステップST101と同様に、制御部10は、温度センサ23により検出された供給水W1の検出温度値、圧力センサ24により検出された供給水W1の検出圧力値及び流量センサ25に検出された透過水W2の検出流量値を取得する。
ステップST302において、前述のステップST102と同様に、制御部10は、検出温度値、検出圧力値及び検出流量値に基づいて、例えば、1000ms毎に、RO膜モジュール5の水透過係数のリアルタイム演算値を演算する。RO膜モジュール5の水透過係数のリアルタイム演算値の演算は、流量フィードバック水量制御の実行中に繰り返し実行される。
ステップST303において、制御部10は、RO膜モジュール5の水透過係数の初期値と初期値の設定後に演算したリアルタイム演算値とから第2低下率を算出する。この第2低下率の算出は、リアルタイム演算値が更新される都度行われる。
ステップST304において、制御部10は、第2低下率が第3基準値以下であるか否かを判定する。第3基準値は、例えば、60%に設定される。第2低下率が第3基準値以下の場合(YES)には、ステップST306に進む。第2低下率が第3基準値超過の場合(NO)には、流量センサ25又は圧力センサ24の故障の判定を継続して実行するため、処理は、ステップST301へリターンする。
ステップST305において、制御部10は、流量センサ25又は圧力センサ24が故障であると判定する。
ここでは、温度センサ23、流量センサ25又は圧力センサ24のいずれが故障したかは区別できないが、水透過係数の急激な変化(低下)が起こった場合に、可動部のない温度センサ23は、故障する確率が低いと考えられる。そのため、第2低下率が第3基準値以下である場合に、流量センサ25及び圧力センサ24の2つを故障したセンサの対象とする。例えば、流量センサ25として羽根車式のセンサを使用する場合には、異物により羽根車の回転がロックすると、検出流量値が実際の流量よりも低い側の故障モードを発生する可能性がある。また、圧力センサ24としてダイヤフラムゲージ式のセンサを使用する場合には、異物によりダイヤフラムが加圧変形すると、検出圧力値が実際の流量よりも高い側の故障モードを発生する可能性がある。
ステップST306において、表示部(不図示)や報知灯(不図示)等により、流量センサ25又は圧力センサ24の故障を報知する。報知が行われると、処理はステップST301へリターンする。
上述した本実施形態に係る逆浸透膜分離装置1によれば、例えば、以下のような効果が得られる。
本実施形態における逆浸透膜分離装置1においては、制御部10は、圧力センサ24の検出圧力値、流量センサ25の検出流量値、及び温度センサ23の検出温度値に基づいて、RO膜モジュール5の水透過係数を演算する。また、制御部10は、RO膜モジュール5の水透過係数の第1演算値と、第1演算値の演算後に演算した第2演算値との変化率を算出し、変化率が所定値以内の場合に、第2演算値をRO膜モジュール5の水透過係数の初期値として設定する。
そのため、安定した状態の水透過係数をRO膜モジュール5の水透過係数の初期値として設定することができる。これにより、RO膜モジュール5の水透過係数の初期値の設定精度を高めることができる。その結果、精度が高められた水透過係数の初期値を利用することで、RO膜モジュール5の膜の閉塞や、膜の酸化による劣化の判定を的確に行うことができる。
また、本実施形態における逆浸透膜分離装置1においては、RO膜モジュール5の水透過係数の演算値を記憶する記憶部10aを更に備え、制御部10は、供給水W1の残留塩素濃度及び濁度が所定値未満である場合に、RO膜モジュールの水透過係数の演算値を記憶部10aに記憶させる。そのため、供給水W1の残留塩素濃度が高い場合や濁度が高い場合には、水透過係数の演算値をその変化率の算出対象としない。これにより、水質の状態が良好に確保された供給水W1について、水透過係数の演算値からその変化率を算出して、水透過係数の初期値を設定することができる。従って、RO膜モジュール5の水透過係数の初期値の設定精度をより高めることができる。
また、本実施形態における逆浸透膜分離装置1においては、制御部10は、RO膜モジュール5の水透過係数の初期値の設定後、RO膜モジュール5の一次側を洗浄するためのフラッシングを実行する毎にRO膜モジュールの水透過係数を演算する。また、制御部10は、フラッシングの実行時におけるRO膜モジュール5の水透過係数の複数の演算値から平均演算値を算出し、RO膜モジュール5の水透過係数の初期値と平均演算値とから第1低下率を算出する。また、制御部10は、第1低下率が第1基準値以下の場合に、RO膜モジュール5の膜が閉塞していることを判定し、第1低下率が第1基準値よりも大きい第2基準値以上の場合に、RO膜モジュール5の膜が酸化により劣化していることを判定する。
そのため、平均演算値は、フラッシングが実行され、可逆的な膜面汚れが除去された状態での水透過係数の複数の演算値から算出される。これにより、制御部10は、平均演算値に基づいて算出されるため、第1低下率を精度よく算出することができ、RO膜モジュール5の膜が閉塞していることや、RO膜モジュール5の膜が酸化により劣化していることを的確に判定することができる。
また、本実施形態における逆浸透膜分離装置1においては、制御部10は、RO膜モジュール5の水透過係数の初期値の設定後、RO膜モジュールの水透過係数の初期値と初期値の設定後に演算した演算値とから第2低下率を算出し、第2低下率が第3基準値以下の場合に、流量センサ25又は圧力センサ24が故障であると判定する。
そのため、制御部10は、流量センサ25又は圧力センサ24の故障を的確に判定することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、前記実施形態では、膜モジュールをRO膜(逆浸透膜)モジュール5として構成し、膜分離装置を逆浸透膜装置1として構成したが、これに制限されない。膜モジュールとして、RO膜モジュール以外にも、逆浸透膜よりも細孔がルーズなナノ濾過膜を有するNF膜モジュールや、限外濾過膜を有するUF膜モジュールや、精密濾過膜を有するMF膜モジュール等を適用することもできる。
また、前記実施形態では、温度センサ23について、RO膜モジュール5に供給される供給水W1の温度を検出する例について説明したが、これに制限されない。温度センサ23は、RO膜モジュール5で得られた透過水W2の温度を検出してもよいし、RO膜モジュール5で得られた濃縮水W3の温度を検出してもよい。
また、前記実施形態においては、逆浸透膜装置1が、流量フィードバック水量制御を実行する構成としたが、他の水量制御を実行する構成であってもよい。例えば、圧力フィードバック水量制御では、圧力センサ24の検出圧力値(フィードバック値)が予め設定された目標圧力となるように、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより加圧ポンプ2の駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算値に対応する電流値信号をインバータ3に出力する。また、温度フィードフォワード水量制御では、温度センサ23の検出温度値に応じて所定の透過水W2の流量が得られる加圧ポンプ2の駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算値に対応する電流値信号をインバータ3に出力する。
また、前記実施形態においては、第2低下率が第3基準値以下の場合に、流量センサ25又は圧力センサ24の故障を判定するように構成した。しかし、これに制限されず、第2低下率が第4基準値以上の場合に、電源ノイズ等の影響で電気系統に異常があるとして、流量センサ25又は圧力センサ24の故障を判定するように構成してもよい。
1 逆浸透膜分離装置(膜分離装置)
2 加圧ポンプ
3 インバータ
5 逆浸透膜(RO膜)モジュール(膜モジュール)
10 制御部
10a 記憶部
23 温度センサ(温度検出手段)
24 圧力センサ(圧力検出手段)
25 流量センサ(流量検出手段)
L1 供給水ライン
W1 供給水
W2 透過水
W3 濃縮水

Claims (5)

  1. 供給水を透過水と濃縮水とに分離する膜モジュールと、
    供給水を前記膜モジュールに供給する供給水ラインと、
    入力された駆動周波数に応じた回転速度で駆動され、前記供給水ラインを流通する供給水を前記膜モジュールに向けて圧送する加圧ポンプと、
    前記加圧ポンプの吐出圧力を検出する圧力検出手段と、
    透過水の流量を検出する流量検出手段と、
    供給水、透過水又は濃縮水の温度を検出する温度検出手段と、
    前記圧力検出手段の検出圧力値、前記流量検出手段の検出流量値、及び前記温度検出手段の検出温度値に基づいて、前記膜モジュールの水透過係数を演算し、前記膜モジュールの水透過係数の第1演算値と、前記第1演算値の演算後に演算した第2演算値との変化率を算出し、前記変化率が所定範囲内の場合に、前記第2演算値を前記膜モジュールの水透過係数の初期値として設定する制御部と、
    を備える膜分離装置。
  2. 入力された電流値信号に対応する駆動周波数を前記加圧ポンプに出力するインバータを更に備え、
    前記制御部は、前記流量検出手段からの流量検知信号に基づいて、前記インバータへ指令信号を出力する
    請求項1に記載の膜分離装置。
  3. 前記膜モジュールの水透過係数の演算値を記憶する記憶部を更に備え、
    前記制御部は、供給水の残留塩素濃度及び濁度が所定値未満である場合に、前記膜モジュールの水透過係数の演算値を前記記憶部に記憶させる
    請求項1又は2に記載の膜分離装置。
  4. 前記制御部は、(i)前記膜モジュールの水透過係数の前記初期値の設定後、前記膜モジュールの一次側を洗浄するためのフラッシングを実行する毎に前記膜モジュールの水透過係数を演算し、(ii)前記フラッシングの実行時における前記膜モジュールの水透過係数の複数の演算値から平均値を算出し、(iii)前記膜モジュールの水透過係数の前記初期値と前記平均値とから第1低下率を算出し、(iv)前記第1低下率が第1基準値以下の場合に、前記膜モジュールの膜が閉塞していることを判定し、(v)前記第1低下率が前記第1基準値よりも大きい第2基準値以上の場合に、前記膜モジュールの膜が酸化により劣化していることを判定する
    請求項1から3のいずれかに記載の膜分離装置。
  5. 前記制御部は、(i)前記膜モジュールの水透過係数の前記初期値の設定後、前記膜モジュールの水透過係数の前記初期値と前記初期値の設定後に演算した演算値とから第2低下率を算出し、(ii)前記第2低下率が第3基準値以下の場合に、前記流量検出手段又は前記圧力検出手段が故障であると判定する
    請求項1から4のいずれかに記載の膜分離装置。
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