JP5903947B2 - 水処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、原水を透過水と第1濃縮水とに分離する膜分離装置と、透過水から脱塩水と第2濃縮水とを製造する電気脱イオン装置と、を接続した水処理システムに関する。
半導体の製造工程や電子部品の洗浄、医療器具の洗浄等においては、不純物を含まない高純度の純水が使用される。この種の純水を製造する場合には、一般に、地下水や水道水等の原水を、逆浸透膜を用いた膜分離装置(以下、「RO膜モジュール」ともいう)で処理することにより、溶存塩類の大部分を除去した透過水を製造する。その後、透過水を電気脱イオン装置(以下、「EDI装置」ともいう)で精製することにより、更に純度を高めている。
EDI装置は、陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜で区画された脱塩室及び濃縮室を備える。脱塩室には、イオン交換体(樹脂や繊維)が充填されている。脱塩室及び濃縮室に透過水を供給すると、透過水に含まれる残留塩類(イオン)は、脱塩室のイオン交換体で捕捉され、透過水は精製された処理水(脱塩水)となる。また、脱塩室のイオン交換体に捕捉された残留塩類は、電気エネルギーにより濃縮室に移動し、濃縮室から濃縮水として排出される。このように、EDI装置では、電気エネルギーを付与することにより、イオン交換体に捕捉されたイオンが濃縮室に移動するため、イオン交換体を常に再生状態に保つことができる。
RO膜モジュールでは、原水の温度や膜の状態(細孔の閉塞や材質の酸化劣化)により水透過係数が変化する。そこで、原水の温度や膜の状態にかかわらず、RO膜モジュールにおける透過水の流量を一定に保つため、流量フィードバック水量制御を採用した水処理システムが提案されている(特許文献1参照)。また、EDI装置においても、透過水の温度や背圧の変動かかわらず、常に一定流量の脱塩水を製造し且つEDI装置の前段に設けられた給水ポンプの消費電力を抑制するために、流量フィードバック水量制御を採用した純水製造装置が提案されている(特許文献2参照)。
特開2005−296945号公報 特開2010−58010号公報
上述したEDI装置では、需要箇所で要求される水質を満足する脱塩水(純水)を製造するため、透過水の水質に応じて脱塩水の流量を調節する必要が生じる場合がある。また、EDI装置では、スケールの生成やファウリングによる脱塩室又は濃縮室の閉塞を防止するため、透過水の水質に応じて回収率を調節する必要が生じる場合がある。いずれの場合も、EDI装置に供給される透過水の流量を増減しなくてはならない。そのため、上記従来例のように、EDI装置に供給される透過水の流量を一定とする制御では、安定した水質及び流量の純水を製造することが困難となる。
従って、本発明は、膜分離装置と電気脱イオン装置とを接続した水処理システムにおいて、電気脱イオン装置で脱塩水の流量や回収率を調節した場合でも、安定した水質及び流量の純水を製造することができる水処理システムを提供することを目的とする。
本発明は、原水を透過水と第1濃縮水とに分離する膜分離装置と、透過水を脱塩処理して脱塩水と第2濃縮水とを製造する電気脱イオン装置と、原水を前記膜分離装置に供給する原水ラインと、透過水を前記電気脱イオン装置に供給する透過水ラインと、透過水の流量を第1検出流量値として出力する第1流量検出手段と、入力された駆動周波数に応じた回転速度で駆動され、前記原水ラインを流通する原水を前記膜分離装置に向けて圧送する第1加圧ポンプと、前記第1加圧ポンプの駆動周波数の演算値に対応する周波数指定信号が入力され、入力された当該周波数指定信号に対応する駆動周波数を前記第1加圧ポンプに出力する第1インバータと、前記第1流量検出手段から出力された前記第1検出流量値が前記電気脱イオン装置における脱塩水の流量値と第2濃縮水の流量値との合計値に基づく第1目標流量値となるように、前記第1加圧ポンプの駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算値に対応する周波数指定信号を前記第1インバータに出力する第1制御部と、脱塩水の流量を第2検出流量値として出力する第2流量検出手段と、入力された駆動周波数に応じた回転速度で駆動され、前記透過水ラインを流通する透過水を前記電気脱イオン装置に向けて圧送する第2加圧ポンプと、前記第2加圧ポンプの駆動周波数の演算値に対応する周波数指定信号が入力され、入力された当該周波数指定信号に対応する駆動周波数を前記第2加圧ポンプに出力する第2インバータと、前記第2流量検出手段から出力された前記第2検出流量値が予め設定された第2目標流量値となるように、前記第2加圧ポンプの駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算値に対応する周波数指定信号を前記第2インバータに出力する第2制御部と、を備える水処理システムに関する。
また、前記水処理システムにおいて、前記透過水ラインを流通する透過水の流量値が前記電気脱イオン装置で製造される脱塩水の流量値と第2濃縮水の流量値との合計値を超過し、且つ所定の圧力値を超過する場合に、余剰の透過水を前記透過水ラインから排出させる透過水排出手段を備え、前記第1制御部は、前記電気脱イオン装置で製造される脱塩水の前記流量値と第2濃縮水の前記流量値との合計値の1〜1.05倍の流量値を前記第1目標流量値とすることが好ましい。
また、前記水処理システムにおいて、前記電気脱イオン装置で製造される脱塩水の電気的特性を検出する電気的特性検出手段を備え、前記第2制御部は、前記電気的特性検出手段で検出された脱塩水の電気的特性に基づいて、前記第2目標流量値を設定することが好ましい。
また、前記水処理システムにおいて、透過水、第1濃縮水、脱塩水又は第2濃縮水の温度を検出する温度検出手段と、前記電気脱イオン装置から排出される第2濃縮水の排水流量を調節可能な排水弁と、を備え、前記第2制御部は、(i)予め取得された透過水のシリカ濃度、及び前記温度検出手段の検出温度値から決定したシリカ溶解度に基づいて、第2濃縮水におけるシリカの許容濃縮倍率を演算し、(ii)当該許容濃縮倍率の演算値及び脱塩水の前記第2目標流量値から排水流量を演算し、(iii)第2濃縮水の実際排水流量が前記排水流量の演算値となるように、前記排水弁を制御することが好ましい。
また、前記水処理システムにおいて、透過水のカルシウム硬度を測定する硬度測定手段と、前記電気脱イオン装置から排出される第2濃縮水の排水流量を調節可能な排水弁と、を備え、前記第2制御部は、(i)予め取得された炭酸カルシウム溶解度、及び前記硬度測定手段の測定硬度値に基づいて、第2濃縮水における炭酸カルシウムの許容濃縮倍率を演算し、(ii)当該許容濃縮倍率の演算値、及び脱塩水の前記第2目標流量値から第2濃縮水の排水流量を演算し、(iii)脱塩濃縮水の実際排水流量が前記排水流量の演算値となるように、前記排水弁を制御することが好ましい。
また、前記水処理システムにおいて、前記第2制御部は、前記電気脱イオン装置における脱塩水の流量及び第2濃縮水の流量に関するデータを保持し、前記水処理システムは、前記第2制御部から前記電気脱イオン装置における脱塩水の流量及び第2濃縮水の流量に関するデータを取得し、当該データを前記第1制御部に送信する第3制御部を備えることが好ましい。
本発明によれば、膜分離装置と電気脱イオン装置とを接続した水処理システムにおいて、電気脱イオン装置で脱塩水の流量や回収率を調節した場合でも、安定した水質及び流量の純水を製造することができる水処理システムを提供することができる。
第1実施形態に係る水処理システム1の全体構成図である。 第1制御部10において流量フィードバック水量制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。 第2制御部20において流量フィードバック水量制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。 第2制御部20において温度フィードフォワード回収率制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る水処理システム1Aの全体構成図である。 第2制御部20Aにおいて目標流量値を設定する場合の処理手順を示すフローチャートである。 第2制御部20Aにおいて水質フィードフォワード回収率制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る水処理システム1について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る水処理システム1は、例えば、淡水から純水を製造する純水製造システムに適用される。
図1は、第1実施形態に係る水処理システム1の全体構成図である。図2は、第1制御部10において、流量フィードバック水量制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。図3は、第2制御部20において、流量フィードバック水量制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。図4は、第2制御部20において、温度フィードフォワード回収率制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。
図1に示すように、第1実施形態に係る水処理システム1は、第1加圧ポンプ2と、第1インバータ3と、膜分離装置としてのRO膜モジュール4と、第2加圧ポンプ5と、第2インバータ6と、電気脱イオン装置としてのEDI装置7と、第1濃縮水排出弁8と、透過水排出手段としてのリリーフ弁9と、を備える。
また、水処理システム1は、第1制御部10と、第2制御部20と、第3制御部30と、第1排水弁11〜第3排水弁13と、第1流量検出手段としての第1流量センサ14と、温度検出手段としての温度センサ15と、第2流量検出手段としての第2流量センサ16と、を備える。図1(及び後述の図5)では、電気的な接続の経路を破線で示す。
また、水処理システム1は、原水ラインL1と、透過水ラインL2と、脱塩水ラインL3と、第1濃縮水ラインL4と、透過水排出手段としての透過水排出ラインL5と、第2濃縮水ラインL6と、を備える。本明細書における「ライン」とは、流路、径路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
原水ラインL1は、原水W1を、RO膜モジュール4へ供給するラインである。原水ラインL1の上流側の端部は、原水W1の供給源(不図示)に接続されている。また、原水ラインL1の下流側の端部は、RO膜モジュール4の一次側入力ポートに接続されている。
第1加圧ポンプ2は、原水ラインL1を流通する原水W1を吸入し、RO膜モジュール4へ向けて圧送する装置である。第1加圧ポンプ2は、原水ラインL1において、RO膜モジュール4の上流側に設けられている。第1加圧ポンプ2には、第1インバータ3から周波数が変換された駆動電力が供給される。第1加圧ポンプ2は、供給された駆動電力の周波数(以下、「駆動周波数」ともいう)に応じた回転速度で駆動される。
第1インバータ3は、第1加圧ポンプ2に、周波数が変換された駆動電力を供給する電気回路である。第1インバータ3は、第1制御部10と電気的に接続されている。第1インバータ3には、第1制御部10から電流値信号が入力される。第1インバータ3は、入力された電流値信号に対応する駆動周波数の駆動電力を第1加圧ポンプ2に出力する。
RO膜モジュール4は、第1加圧ポンプ2から圧送された原水W1を、溶存塩類が除去された透過水W2と、溶存塩類が濃縮された第1濃縮水W3とに分離する設備である。RO膜モジュール4は、単一又は複数のRO膜エレメント(不図示)を備える。RO膜モジュール4は、これらRO膜エレメントにより原水W1を処理して、透過水W2及び第1濃縮水W3を製造する。
第1濃縮水ラインL4は、RO膜モジュール4で分離された第1濃縮水W3を外部に送出するラインである。第1濃縮水ラインL4の上流側の端部は、RO膜モジュール4の一次側出口ポートに接続されている。また、第1濃縮水ラインL4の下流側は、例えば、排水ピット(不図示)に開口している。
また、第1濃縮水ラインL4には、第1濃縮水排出弁8が設けられている。第1濃縮水排出弁8は、第1濃縮水ラインL4からシステムの外へ排出される第1濃縮水W3の排水流量を調節する弁である。第1濃縮水排出弁8は、例えば、比例制御弁により構成される。第1濃縮水排出弁8を比例制御弁で構成した場合には、後述する第1制御部10から電流値信号(例えば、4〜20mA)を第1濃縮水排出弁8に送信して弁開度を制御することにより、第1濃縮水W3の排水流量を調節することができる。
透過水ラインL2は、RO膜モジュール4で分離された透過水W2をEDI装置7に送出するラインである。透過水ラインL2の上流側の端部は、RO膜モジュール4の二次側ポートに接続されている。また、透過水ラインL2の下流側の端部は、EDI装置7の一次側ポート(後述する脱塩室7a及び濃縮室7bの入口側)に接続されている。図1に示すように、RO膜モジュール4及びEDI装置7は、透過水ラインL2により直結されている。
第1流量センサ14は、透過水ラインL2を流通する透過水W2の流量を検出する機器である。第1流量センサ14は、接続部J1において透過水ラインL2に接続されている。接続部J1は、RO膜モジュール4と第2加圧ポンプ5との間に配置されている。第1流量センサ14は、第1制御部10と電気的に接続されている。第1流量センサ14で検出された透過水W2の流量(以下、「検出流量値」ともいう)は、第1制御部10へ検出信号として送信される。
透過水排出ラインL5は、透過水ラインL2を流通する透過水W2の一部をシステムの外に排出するラインである。透過水排出ラインL5の上流側は、接続部J2において透過水ラインL2に接続されている。接続部J2は、RO膜モジュール4と第2加圧ポンプ5との間(接続部J1と第2加圧ポンプ5との間)に配置されている。透過水排出ラインL5の下流側は、例えば、原水タンク又は排水ピット(いずれも不図示)に接続又は開口している。原水タンクは、第1加圧ポンプ2の上流側に設けられるタンクである。
また、透過水排出ラインL5には、リリーフ弁(常閉式の圧力作動弁)9が設けられている。リリーフ弁9は、透過水ラインL2を流通する透過水W2の流量値が、後述するEDI装置7で製造される脱塩水W4の流量値と第2濃縮水W5の流量値(排出流量)との合計値を超過し、且つ所定の圧力値を超過する場合に開弁して、余剰の透過水W2を透過水排出ラインL5から排出させる。
後述するように、第1制御部10は、EDI装置7で製造された脱塩水W4の流量値(第2目標流量値Qp2´)と第2濃縮水W5の流量値(第2目標排水流量値Qd2´)との合計値の1.05倍の流量値を、後述する流量フィードバック水量制御の第1目標流量値(透過水W2の目標流量値)とする。そのため、透過水ラインL2を流通する透過水W2の流量値は、EDI装置7で製造される脱塩水W4の流量値と第2濃縮水W5の流量値との合計値よりもやや多めの流量値となる。水処理システム1では、過剰とならない範囲において、EDI装置7で必要とされる流量以上の透過水W2をEDI装置7に供給し、第2加圧ポンプ5でキャビテーション等の不具合が起こらないように水量制御する。リリーフ弁9は、透過水ラインL2を流通する透過水W2の流量が、脱塩水W4の流量値と第2濃縮水W5の流量値(排出流量)との合計値を超過し、且つ所定の圧力値を超過する場合に開弁して、余剰となった透過水W2の一部を透過水排出ラインL5に流通させる。なお、所定の圧力値とは、リリーフ弁9の作動圧力として予め設定される値である。
第2加圧ポンプ5は、透過水ラインL2を流通する透過水W2を吸入し、EDI装置7に圧送する装置である。第2加圧ポンプ5は、透過水ラインL2において、RO膜モジュール4とEDI装置7との間に設けられている。第2加圧ポンプ5には、第2インバータ6から周波数が変換された駆動電力が供給される。第2加圧ポンプ5は、供給された駆動電力の周波数(駆動周波数)に応じた回転速度で駆動される。
第2インバータ6は、第2加圧ポンプ5に、周波数が変換された駆動電力を供給する電気回路である。第2インバータ6は、第2制御部20と電気的に接続されている。第2インバータ6には、第2制御部20から電流値信号が入力される。第2インバータ6は、入力された電流値信号に対応する駆動周波数の駆動電力を第2加圧ポンプ5に出力する。
温度センサ15は、透過水ラインL2を流通する透過水W2の温度を検出する機器である。温度センサ15は、接続部J3において透過水ラインL2に接続されている。接続部J3は、第2加圧ポンプ5とEDI装置7との間(第2加圧ポンプ5と分岐部J4との間)に配置されている。温度センサ15は、第2制御部20と電気的に接続されている。温度センサ15で検出された透過水W2の温度(以下、「検出温度値」ともいう)は、第2制御部20へ検出信号として送信される。
EDI装置7は、RO膜モジュール4で製造された透過水W2を脱塩処理して、純水としての脱塩水W4と第2濃縮水W5とを製造する装置である。EDI装置7は、陽極室と陰極室の間に、陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜で区画された複数の脱塩室及び複数の濃縮室を備える(図1では、図を簡略化して脱塩室7a及び濃縮室7bとして示す)。透過水ラインL2を流通する透過水W2は、分岐部J4で分岐し、脱塩室7a及び濃縮室7bにそれぞれ供給される。透過水W2に含まれる残留塩類は、脱塩室7a内に充填されたイオン交換体(不図示)により捕捉され、脱塩水W4となる。脱塩水W4は、脱塩水ラインL3(後述)を介して需要箇所へ送出される。また、脱塩室7a内のイオン交換体に捕捉された残留塩類は、付与された電気エネルギーにより濃縮室7bに移動する。そして、残留塩類を含む水は、濃縮室7bから第2濃縮水ラインL6を介して第2濃縮水W5として排出される。
第2濃縮水ラインL6は、EDI装置7から第2濃縮水W5を送出するラインである。第2濃縮水ラインL6の上流側の端部は、EDI装置7の二次側ポート(濃縮室7bの出口側)に接続されている。また、第2濃縮水ラインL6の下流側は、分岐部J7及びJ8において、第1排水ラインL11、第2排水ラインL12及び第3排水ラインL13に分岐している。
第1排水ラインL11には、第1排水弁11が設けられている。第2排水ラインL12には、第2排水弁12が設けられている。第3排水ラインL13には、第3排水弁13が設けられている。第1排水弁11〜第3排水弁13は、第2濃縮水ラインL6からシステムの外へ排出される第2濃縮水W5の排水流量を調節する弁である。
第1排水弁11は、第1排水ラインL11を開閉することができる。第2排水弁12は、第2排水ラインL12を開閉することができる。第3排水弁13は、第3排水ラインL13を開閉することができる。
第1排水弁11〜第3排水弁13は、それぞれ定流量弁機構(不図示)を備える。定流量弁機構は、第1排水弁11〜第3排水弁13において、それぞれ異なる流量値に設定されている。例えば、第1排水弁11は、開状態において、EDI装置7の回収率が90%となるように排水流量が設定されている。第2排水弁12は、開状態において、EDI装置7の回収率が85%となるように排水流量が設定されている。第3排水弁13は、開状態において、EDI装置7の回収率が80%となるように排水流量が設定されている。
第2濃縮水ラインL6から排出される第2濃縮水W5の排水流量は、第1排水弁11〜第3排水弁13を選択的に開閉することにより、段階的に調節できる。例えば、第2排水弁12のみを開状態とし、第1排水弁11及び第3排水弁13を閉状態とする。この場合には、EDI装置7の回収率を85%とすることができる。また、第1排水弁11及び第2排水弁12を開状態とし、第3排水弁13のみを閉状態とする。この場合には、EDI装置7の回収率を80%とすることができる。従って、本実施形態において、第2濃縮水W5の排水流量は、第1排水弁11〜第3排水弁13を選択的に開閉することにより、回収率を65%〜90%までの間で、5%毎に段階的に調節できる。
第1排水弁11〜第3排水弁13は、それぞれ第2制御部20と電気的に接続されている。第1排水弁11〜第3排水弁13における弁体の開閉は、第2制御部20からの駆動信号により制御される。
脱塩水ラインL3は、EDI装置7で製造された脱塩水W4を需要箇所に送出するラインである。脱塩水ラインL3の上流側の端部は、EDI装置7の二次側ポート(脱塩室7aの出口側)に接続されている。また、脱塩水ラインL3の下流側の端部は、需要箇所の装置等(不図示)に接続されている。
第2流量センサ16は、脱塩水ラインL3を流通する脱塩水W4の流量を検出する機器である。第2流量センサ16は、接続部J5において脱塩水ラインL3に接続されている。接続部J5は、EDI装置7の二次側ポートと脱塩水W4の需要箇所の装置等との間に配置されている。また、第2流量センサ16は、第2制御部20と電気的に接続されている。第2流量センサ16で検出された脱塩水W4の流量(検出流量値)は、第2制御部20へ検出信号として送信される。
次に、第1制御部10、第2制御部20及び第3制御部30について説明する。
第1制御部10は、CPU及びメモリを含むマイクロプロセッサ(不図示)により構成される。第1制御部10において、マイクロプロセッサのメモリには、RO膜モジュール4を制御(運転)するための各種プログラムが記憶される。また、第1制御部10において、マイクロプロセッサのメモリには、例えば、透過水W2の第1目標流量値Qp1´(後述)に関するデータ、脱塩水W4の第2目標流量値Qp2´(後述)に関するデータ、第2濃縮水W5の第2目標排水流量値Qd2´(後述)に関するデータ等が記憶される。
第1制御部10は、第3制御部30(後述)と電気的に接続されている。第1制御部10は、上述した脱塩水W4の第2目標流量値Qp2´及び第2濃縮水W5の第2目標排水流量値Qd2´に関するデータを、第3制御部30を介して取得する。
第1制御部10において、マイクロプロセッサのCPUは、メモリから読み出した所定のプログラムに従って後述する各種の制御を実行する。また、第1制御部10において、マイクロプロセッサには、時間の計時等を管理するインテグレーテッドタイマユニット(以下、「ITU」ともいう)が組み込まれている。
第1制御部10は、RO膜モジュール4の流量フィードバック水量制御として、第1流量センサ14の第1検出流量値Qp1が第1目標流量値Qp1´となるように、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより第1加圧ポンプ2を駆動するための駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算値に対応する電流値信号を第1インバータ3に出力する。
第1目標流量値Qp1´は、EDI装置7で製造された脱塩水W4の第2目標流量値Qp2´と第2濃縮水W5の第2目標排水流量値Qd2´との合計値に基づいて設定される流量値である。具体的には、第1制御部10は、脱塩水W4の第2目標流量値Qp2´と第2濃縮水W5の第2目標排水流量値Qd2´との合計値の1.05倍の流量値を、流量フィードバック水量制御における第1目標流量値Qp1´として設定する。
水処理システム1において、RO膜モジュール4の流量フィードバック水量制御が実行されることにより、RO膜モジュール4から送出される透過水W2の流量は、第1目標流量値Qp1´となるように調整される。第1制御部10による流量フィードバック水量制御については後述する。
第2制御部20は、CPU及びメモリを含むマイクロプロセッサ(不図示)により構成される。第2制御部20において、マイクロプロセッサのメモリには、EDI装置7を制御(運転)するための各種プログラムが記憶される。また、第2制御部20において、マイクロプロセッサのメモリには、例えば、透過水W2の検出温度値Tに関するデータ、脱塩水W4の第2目標流量値Qp2´に関するデータ、第2濃縮水W5の第2目標排水流量値Qd2´に関するデータ等が記憶される。
第2制御部20は、第3制御部30と電気的に接続されている。第2制御部20は、上述した第2目標流量値Qp2´及び第2目標排水流量値Qd2´に関するデータを、第3制御部30を介して第1制御部10へ送信する。
第2制御部20において、マイクロプロセッサのCPUは、メモリから読み出した所定のプログラムに従って後述する各種の制御を実行する。また、第2制御部20において、マイクロプロセッサには、時間の計時等を管理するITUが組み込まれている。
第2制御部20は、EDI装置7の流量フィードバック水量制御として、第2流量センサ16の第2検出流量値Qp2が予め設定された第2目標流量値Qp2´となるように、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより第2加圧ポンプ5を駆動するための駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算値に対応する電流値信号を第2インバータ6に出力する。水処理システム1において、EDI装置7の流量フィードバック水量制御が実行されることにより、EDI装置7から送出される脱塩水W4の流量は、第2目標流量値Qp2´となるように調整される。第2制御部20による流量フィードバック水量制御については後述する。
また、第2制御部20は、透過水W2の温度に基づいて、EDI装置7の回収率制御(以下、「温度フィードフォワード回収率制御」ともいう)を実行する。具体的には、第2制御部20は、(i)予め取得された透過水W2のシリカ濃度、及び温度センサ15の検出温度値Tから決定したシリカ溶解度に基づいて、第2濃縮水W5におけるシリカの許容濃縮倍率を演算し、(ii)当該許容濃縮倍率の演算値及び脱塩水W4の第2目標流量値Qp2´から第2目標排水流量値Qd2´を演算し、(iii)第2濃縮水W5の実際排水流量が当該排水流量の演算値(第2目標排水流量値Qd2´)となるように、第1排水弁11〜第3排水弁13を制御する。この温度フィードフォワード回収率制御は、上述した流量フィードバック水量制御と並行して実行される。第2制御部20による温度フィードフォワード回収率制御については後述する。
第3制御部30は、CPU及びメモリを含むマイクロプロセッサ(不図示)により構成される。第3制御部30は、第1制御部10及び第2制御部20と電気的に接続されている。第3制御部30は、第2制御部20から送信されたデータを第1制御部10へ受け渡す中継盤としての機能を備える。具体的には、第3制御部30は、第2制御部20から脱塩水W4の第2目標流量値Qp2´及び第2濃縮水W5の第2目標排水流量値Qd2´に関するデータを取得し、当該データを第1制御部10に送信する。
次に、第1実施形態に係る水処理システム1の動作について説明する。
まず、第1制御部10によるRO膜モジュール4の流量フィードバック水量制御を、図2を参照して説明する。図2に示すフローチャートの処理は、水処理システム1の運転中において、繰り返し実行される。
図2に示すステップST101において、第1制御部10は、透過水W2の第1目標流量値Qp1´を設定する。具体的には、第1制御部10は、EDI装置7における脱塩水W4の第2目標流量値Qp2´及び第2濃縮水W5の第2目標排水流量値Qd2´に関するデータを、第3制御部30を介して取得する。そして、第1制御部10は、取得した脱塩水W4の第2目標流量値Qp2´と第2濃縮水W5の第2目標排水流量値Qd2´との合計値の1.05倍となる流量値を、透過水W2の第1目標流量値Qp1´として設定する。
ステップST102において、第1制御部10は、ITUによる計時tが制御周期(Δt)である100msに達したか否かを判定する。このステップST102において、第1制御部10により、ITUによる計時が100msに達した(YES)と判定された場合に、処理はステップST103へ移行する。また、ステップST102において、第1制御部10により、ITUによる計時が100msに達していない(NO)と判定された場合に、処理はステップST102へ戻る。
ステップST103(ステップST102:YES判定)において、第1制御部10は、第1流量センサ14で検出された透過水W2の第1検出流量値Qp1を、フィードバック値として取得する。
ステップST104において、第1制御部10は、ステップST103で取得した第1検出流量値Qp1と、ステップST101で設定した第1目標流量値Qp1´との偏差がゼロとなるように、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより操作量Uを演算する。なお、速度形デジタルPIDアルゴリズムでは、制御周期Δt(100ms)毎に操作量の変化分ΔUを演算し、これを前回の制御周期時点の操作量Un−1に加算することで現時点の操作量Uを決定する。
ステップST105において、第1制御部10は、現時点の操作量U、及び第1加圧ポンプ2の最大駆動周波数F´(50Hz又は60Hzの設定値)に基づいて、第1加圧ポンプ2の駆動周波数F[Hz]を演算する。
ステップST106において、第1制御部10は、駆動周波数Fの演算値を、対応する電流値信号(4〜20mA)に変換する。
ステップST107において、第1制御部10は、変換した電流値信号を第1インバータ3へ出力する。これにより本フローチャートの処理は終了する(ステップST101へリターンする)。
なお、ステップST107において、第1制御部10が電流値信号を第1インバータ3へ出力すると、第1インバータ3は、入力された電流値信号で指定された周波数に変換された駆動電力を第1加圧ポンプ2に供給する。第1加圧ポンプ2は、第1インバータ3から入力された駆動周波数に応じた回転速度で駆動される。その結果、透過水ラインL2を流通する透過水W2の流量は、EDI装置7で製造された脱塩水W4の流量値と第2濃縮水W5の流量値との合計値の1.05倍の流量値となる。
次に、第2制御部20によるEDI装置7の流量フィードバック水量制御を、図3を参照して説明する。図3に示すフローチャートの処理は、水処理システム1の運転中において、繰り返し実行される。
図3に示すステップST201において、第2制御部20は、脱塩水W4の第2目標流量値Qp2´を取得する。この第2目標流量値Qp2´は、例えば、システム管理者がユーザインターフェース(不図示)を介してメモリに入力した設定値である。
なお、第2目標流量値Qp2´は、通常運転時においては、例えば、水処理システム1の需要箇所における平均的な消費水量に基づいて設定される。また、先に説明したように、EDI装置7では、透過水W2の水質に応じて脱塩水W4の流量や回収率を調節する必要が生じる。このため、第2目標流量値Qp2´は、透過水W2の水質に応じて、システム管理者により適宜に設定される。
ステップST202において、第2制御部20は、ITUによる計時tが制御周期(Δt)である100msに達したか否かを判定する。このステップST202において、第2制御部20により、ITUによる計時が100msに達した(YES)と判定された場合に、処理はステップST203へ移行する。また、ステップST202において、第2制御部20により、ITUによる計時が100msに達していない(NO)と判定された場合に、処理はステップST202へ戻る。
ステップST203(ステップST202:YES判定)において、第2制御部20は、第2流量センサ16で検出された脱塩水W4の第2検出流量値Qp2を、フィードバック値として取得する。
ステップST204において、第2制御部20は、ステップST203で取得した第2検出流量値Qp2と、ステップST201で設定した第2目標流量値Qp2´との偏差がゼロとなるように、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより操作量Uを演算する。なお、速度形デジタルPIDアルゴリズムでは、制御周期Δt(100ms)毎に操作量の変化分ΔUを演算し、これを前回の制御周期時点の操作量Un−1に加算することで現時点の操作量Uを決定する。
ステップST205において、第2制御部20は、現時点の操作量U、及び第2加圧ポンプ5の最大駆動周波数F´(50Hz又は60Hzの設定値)に基づいて、第2加圧ポンプ5の駆動周波数F[Hz]を演算する。
ステップST206において、第2制御部20は、駆動周波数Fの演算値を、対応する電流値信号(4〜20mA)に変換する。
ステップST207において、第2制御部20は、変換した電流値信号を第2インバータ6へ出力する。これにより本フローチャートの処理は終了する(ステップST201へリターンする)。
なお、ステップST207において、第2制御部20が電流値信号を第2インバータ6へ出力すると、第2インバータ6は、入力された電流値信号で指定された周波数に変換された駆動電力を第2加圧ポンプ5に供給する。第2加圧ポンプ5は、第2インバータ6から入力された駆動周波数に応じた回転速度で駆動される。その結果、脱塩水ラインL3を流通する脱塩水W4の流量は、後述する回収率の変動に係わらず、第2目標流量値Qp2´となるように制御される。
次に、第2制御部20によるEDI装置7の温度フィードフォワード回収率制御を、図4を参照して説明する。図4に示すフローチャートの処理は、水処理システム1の運転中において、上述した流量フィードバック水流制御と共に繰り返し実行される。
図4に示すステップST301において、第2制御部20は、脱塩水W4の第2目標流量値Qp2´を取得する。この第2目標流量値Qp2´は、図3に示すフローチャートのステップST201において取得された値である。
ステップST302において、第2制御部20は、透過水W2のシリカ(SiO)濃度Cを取得する。このシリカ濃度Cは、例えば、システム管理者がユーザーインターフェース(不図示)を介してメモリに入力した設定値である。透過水W2のシリカ濃度は、事前に透過水W2を水質分析することにより得ることができる。なお、透過水ラインL2において、不図示の水質センサにより透過水W2のシリカ濃度を計測してもよい。
ステップST303において、第2制御部20は、温度センサ15から透過水W2の検出温度値Tを取得する。
ステップST304において、第2制御部20は、取得した検出温度値Tに基づいて、水に対するシリカ溶解度Sを決定する。
ステップST305において、第2制御部20は、前のステップで取得又は決定したシリカ濃度C及びシリカ溶解度Sに基づいて、第2濃縮水W5におけるシリカの許容濃縮倍率Nを演算する。シリカの許容濃縮倍率Nは、下記の式(1)により求めることができる。
=S/C (1)
例えば、シリカ濃度Cが20mgSiO/L、25℃におけるシリカ溶解度Sが100mgSiO/Lであれば、許容濃縮倍率Nは“5”となる。
ステップST306において、第2制御部20は、前のステップで取得した第2目標流量値Qp2´及び許容濃縮倍率Nに基づいて、回収率が最大となる排水流量値(第2目標排水流量値Qd2´)を演算する。第2目標排水流量値Qd2´は、下記の式(2)により求めることができる。
d2´=Qp2´/(N−1) (2)
ステップST307において、第2制御部20は、第2濃縮水W5の実際排水流量値Qd2がステップST306で演算した第2目標排水流量値Qd2´となるように、第1排水弁11〜第3排水弁13の開閉を制御する。これにより本フローチャートの処理は終了する(ステップST301へリターンする)。
なお、ステップST307において演算された第2目標排水流量値Qd2´は、第2制御部20のメモリ(不図示)に記憶されると共に、第2濃縮水W5の流量値として、第3制御部30を介して第1制御部10に送信される。
上述した第1実施形態に係る水処理システム1によれば、例えば、以下のような効果が得られる。
第1実施形態に係る水処理システム1において、第1制御部10は、第1流量センサ14から出力された第1検出流量値Qp1が、EDI装置7で製造された脱塩水W4の第2目標流量値Qp2´と第2濃縮水W5の第2目標排水流量値Qd2´との合計値に基づく第1目標流量値Qp1´となるように第1加圧ポンプ2の駆動周波数Fを演算し、当該駆動周波数Fの演算値に対応する電流値信号を第1インバータ3に出力する。
これによれば、EDI装置7において、透過水W2の水質に応じて脱塩水W4の流量や回収率を調節した場合でも、透過水W2の供給流量、すなわち第1検出流量値Qp1をEDI装置7における脱塩水W4の流量や回収率の増減に追随させることができる。従って、RO膜モジュール4とEDI装置7とを接続した水処理システム1において、EDI装置7で脱塩水W4の流量や回収率を調節した場合でも、安定した水質及び流量の脱塩水W4(純水)を製造することができる。
また、第1制御部10は、EDI装置7における脱塩水W4の第2目標流量値Qp2´と第2濃縮水W5の第2目標排水流量値Qd2´との合計値の1.05倍の流量値を、RO膜モジュール4における流量フィードバック水量制御の第1目標流量値Qp1´とする。そのため、水処理システム1において、RO膜モジュール4での負圧の発生等による破損を抑制することができる。
なお、流量フィードバック水量制御の第1目標流量値Qp1´として、脱塩水W4の第2目標流量値Qp2´と第2濃縮水W5の第2目標排水流量値Qd2´との合計値の1倍の流量値を設定した場合においても、同様の効果を得ることができる。すなわち、水処理システム1において、流量フィードバック水量制御の第1目標流量値Qp1´は、好ましくは、脱塩水W4の第2目標流量値Qp2´と第2濃縮水W5の第2目標排水流量値Qd2´との合計値の1〜1.05倍の流量値に設定される。
また、第1実施形態に係る水処理システム1は、透過水排出手段としての透過水排出ラインL5及びリリーフ弁9を備える。このため、透過水ラインL2を流通する透過水W2の流量値が、脱塩水W4の流量値と第2濃縮水W5の流量値(排水流量)との合計値を超過する場合でも、RO膜モジュール4の耐圧以上の背圧が発生することがないように、余剰の透過水W2を、リリーフ弁9を介して透過水排出ラインL5から系外に排出できる。従って、RO膜モジュール4とEDI装置とを接続した水処理システム1において、より安定した流量の透過水W2をEDI装置7へ供給することができる。
また、第1実施形態に係る水処理システム1において、第2制御部20は、第2流量センサ16の第2検出流量値Qp2が予め設定された第2目標流量値Qp2´となるように、第2加圧ポンプ5を駆動するための駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算値に対応する電流値信号を第2インバータ6に出力する流量フィードバック水量制御を実行する。このため、水処理システム1は、EDI装置7の運転中に回収率を増減させた場合においても、安定した流量の脱塩水W4を需要箇所へ供給することができる。
また、第2制御部20は、EDI装置7において、温度フィードフォワード回収率制御(図4参照)を実行する。このため、水処理システム1は、EDI装置7における脱塩水W4の回収率を最大としつつ、EDI装置7におけるシリカ系スケールの析出をより確実に抑制することができる。
また、第1実施形態に係る水処理システム1において、第2制御部20は、EDI装置7における脱塩水W4の第2目標流量値Qp2´及び第2濃縮水W5の第2目標排水流量値Qd2´に関するデータをメモリに保持(記憶)する。また、水処理システム1は、第2制御部20から脱塩水W4の第2目標流量値Qp2´及び第2濃縮水W5の第2目標排水流量値Qd2´に関するデータを取得し、当該データを第1制御部10に送信する第3制御部30を備える。そのため、RO膜モジュール4とEDI装置7とを直結した水処理システム1において、より確実なデータの転送を行うことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る水処理システム1Aの構成について、図5を参照して説明する。なお、第2実施形態では、主に第1実施形態との相違点について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、第2実施形態では、第1実施形態と重複する説明を適宜に省略する。
図5は、第2実施形態に係る水処理システム1Aの全体構成図である。第2実施形態に係る水処理システム1Aは、第1実施形態における温度センサ15(図1参照)の代わりに、硬度測定手段としての硬度センサ17を備える。また、第2実施形態に係る水処理システム1Aは、電気的特性検出手段としての比抵抗センサ18を備える。更に、第2実施形態に係る水処理システム1Aは、第1実施形態における第2制御部20(図1参照)の代わりに、第2制御部20Aを備える。
硬度センサ17は、透過水ラインL2を流通する透過水W2のカルシウム硬度(炭酸カルシウム換算値)を測定する機器である。硬度センサ17は、接続部J3において透過水ラインL2に接続されている。接続部J3は、第2加圧ポンプ5とEDI装置7の間(第2加圧ポンプ5と分岐部J4との間)に配置されている。硬度センサ17は、第2制御部20Aと電気的に接続されている。硬度センサ17で測定された透過水W2のカルシウム硬度(以下、「測定硬度値」ともいう)は、第2制御部20Aへ検出信号として送信される。
比抵抗センサ18は、脱塩水ラインL3を流通する脱塩水W4の比抵抗を測定する機器である。比抵抗センサ18は、接続部J6において脱塩水ラインL3に接続されている。接続部J6は、EDI装置7の下流側に配置されている。比抵抗センサ18は、第2制御部20Aと電気的に接続されている。比抵抗センサ18で測定された脱塩水W4の比抵抗(以下、「測定比抵抗値」ともいう)は、第2制御部20Aへ検出信号として送信される。
第2制御部20Aは、CPU及びメモリ含むマイクロプロセッサ(不図示)により構成される。第2制御部20Aは、第1実施形態の第2制御部20と同じく速度形デジタルPIDアルゴリズムにより脱塩水W4の流量フィードバック水量制御(図3参照)を実行する。
上記流量フィードバック水量制御において、第2制御部20Aは、比抵抗センサ18で検出された脱塩水W4の測定比抵抗値Rに基づいて、流量フィードバック水量制御における第2目標流量値Qp2´を設定する。
具体的には、第2制御部20Aは、脱塩水W4の測定比抵抗値Rが基準比抵抗値R超過の場合には、第2目標流量値Qp2´を第2目標流量値Qp2L´(<第2目標流量値Qp2´)に設定する。また、第2制御部20Aは、脱塩水W4の測定比抵抗値Rが基準比抵抗値R未満の場合には、第2目標流量値Qp2´を第2目標流量値Qp2H´(>第2目標流量値Qp2´)に設定する。
なお、脱塩水W4の測定比抵抗値Rが基準比抵抗値Rと同じ場合には、予め設定された第2目標流量値Qp2´を用いる。予め設定された第2目標流量値Qp2´とは、例えば、水処理システム1の需要箇所における平均的な消費水量に基づいて設定された値である。
また、基準比抵抗値Rとは、需要箇所における脱塩水W4の水質要求値に対応して設定された標準的な比抵抗値である。なお、本実施形態では、基準比抵抗値Rを一つの値として説明するが、基準比抵抗値Rは所定の範囲(幅)を持つ値であってもよい。
なお、第2目標流量値Qp2H´は、省電力の観点から、通常運転においては、EDI装置7の定格流量を超えない範囲で設定される。第2制御部20Aによる目標流量値の設定については後述する。
第2実施形態におけるEDI装置7の流量フィードバック水量制御は、上述のように、脱塩水W4の測定比抵抗値Rに基づいて第2目標流量値Qp2´を設定することが第1実施形態と異なる。その他は、図3に示すフローチャートの処理手順と同じであるため、第2実施形態におけるEDI装置7の流量フィードバック水量制御についての説明を省略する。なお、第2制御部20Aにおいて、脱塩水W4の測定比抵抗値Rに基づいて第2目標流量値Qp2´を設定する処理については後述する。
また、第2制御部20Aは、透過水W2の硬度に基づいて、脱塩水W4の回収率制御(以下、「水質フィードフォワード回収率制御」ともいう)を実行する。具体的には、第2制御部20Aは、(i)予め取得された炭酸カルシウム溶解度、及び硬度センサ17の測定硬度値Cに基づいて、第2濃縮水W5における炭酸カルシウムの許容濃縮倍率を演算し、(ii)当該許容濃縮倍率の演算値、及び脱塩水W4の第2目標流量値Qp2´から第2目標排水流量値Qd2´を演算し、(iii)第2濃縮水W5の実際排水流量が当該排水流量の演算値(第2目標排水流量値Qd2´)となるように、第1排水弁11〜第3排水弁13を制御する。
水質フィードフォワード回収率制御は、第2制御部20Aにおける流量フィードバック水量制御(第1実施形態の第2制御部20による流量フィードバック水量制御と実質的に同じ)と並行して実行される。第2制御部20Aによる水質フィードフォワード回収率制御については後述する。
また、第2実施形態に係る水処理システム1Aのその他の構成は、第1実施形態に係る水処理システム1と同じである。
次に、第2制御部20Aによる目標流量値の設定について説明する。図6は、第2制御部20Aにおいて、目標流量値を設定する場合の処理手順を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートの処理は、水処理システム1の運転中において、繰り返し実行される。
図6に示すステップST401において、第2制御部20Aは、比抵抗センサ18で検出された脱塩水W4の測定比抵抗値Rを取得する。
ステップST402において、第2制御部20Aは、測定比抵抗値Rが予め設定された基準比抵抗値Rと同じか否かを判定する。このステップST402において、第2制御部20Aにより、測定比抵抗値R=基準比抵抗値Rである(YES)と判定された場合に、本フローチャートの処理は終了する(ステップST401へリターンする)。測定比抵抗値Rが基準比抵抗値Rと同じであれば、目標流量値を変更することなく、すでに設定されている第2目標流量値Qp2´を用いる。また、ステップST402において、第2制御部20Aにより、測定比抵抗値R≠基準比抵抗値Rである(NO)と判定された場合に、処理はステップST403へ移行する。
ステップST403(ステップST402:NO)において、第2制御部20Aは、測定比抵抗値Rが予め設定された基準比抵抗値Rを超過するか否かを判定する。このステップST403において、第2制御部20Aにより、測定比抵抗値R>基準比抵抗値Rである(YES)と判定された場合に、処理はステップST404へ移行する。また、ステップST403において、第2制御部20Aにより、測定比抵抗値R<基準比抵抗値Rである(NO)と判定された場合に、処理はステップST405へ移行する。
ステップST404(ステップST403:YES)において、第2制御部20Aは、第2目標流量値Qp2´を第2目標流量値Qp2L´(<第2目標流量値Qp2´)に設定する。脱塩水W4の水質が悪い場合には、目標流量値を低くして脱塩水W4の水質が更に低下するのを抑制するためである。これにより、本フローチャートの処理は終了する(ステップST401へリターンする)。
一方、ステップST405(ステップST404:NO)において、第2制御部20Aは、第2目標流量値Qp2´を第2目標流量値Qp2H´(>第2目標流量値Qp2´)に設定する。脱塩水W4の水質が良い場合には、目標流量値を高くして脱塩水W4の造水効率を上げるためである。これにより、本フローチャートの処理は終了する(ステップST401へリターンする)。
次に、第2制御部20Aによる水質フィードフォワード回収率制御について説明する。図7は、第2制御部20Aにおいて、水質フィードフォワード回収率制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。図7に示すフローチャートの処理は、上述した目標流量値を設定する処理(図6参照)と共に、水処理システム1の運転中において、繰り返し実行される。
なお、以下に説明するフローチャートの処理においては、第2目標流量値Qp2´、第2目標流量値Qp2H´又は第2目標流量値Qp2L´を、すべて「第2目標流量値Qp2´」という。
図7に示すステップST501において、第2制御部20Aは、透過水W2の第2目標流量値Qp2´を取得する。この第2目標流量値Qp2´は、図6に示すフローチャートの処理により設定された値である。すなわち、ステップST501において、第2制御部20Aは、第2目標流量値Qp2´、第2目標流量値Qp2H´又は第2目標流量値Qp2L´のいずれかを取得する。
ステップST502において、第2制御部20Aは、硬度センサ17で測定された透過水W2の測定硬度値Cを取得する。
ステップST503において、第2制御部20Aは、水に対する炭酸カルシウム溶解度Sを取得する。この炭酸カルシウム溶解度Sは、例えば、システム管理者がユーザーインターフェース(不図示)を介してメモリに入力した設定値である。なお、水に対する炭酸カルシウム溶解度は、通常の運転温度(5〜35℃)では、ほぼ一定値と看做すことができる。
ステップST504において、第2制御部20Aは、前のステップで取得した測定硬度値C及び炭酸カルシウム溶解度Sに基づいて、第2濃縮水W5における炭酸カルシウムの許容濃縮倍率Nを演算する。炭酸カルシウムの許容濃縮倍率Nは、下記の式(3)により求めることができる。
=S/C (3)
例えば、測定硬度値Cが3mgCaCO/L、25℃における炭酸カルシウム溶解度Sが15mgCaCO/Lであれば、許容濃縮倍率Nは“5”となる。
ステップST505において、第2制御部20Aは、ステップST501において取得した第2目標流量値Qp2´と演算した許容濃縮倍率Nとに基づいて、回収率が最大となる排水流量(第2目標排水流量値Qd2´)を演算する。第2目標排水流量値Qd2´は、下記の式(4)により求めることができる。
d2´=Q´/(N−1) (4)
ステップST506において、第2制御部20Aは、第2濃縮水W5の実際排水流量値Qd2がステップST505で演算した第2目標排水流量値Qd2´となるように第1排水弁11〜第3排水弁13の開閉を制御する。これにより本フローチャートの処理は終了する(ステップST501へリターンする)。
上述した第2実施形態に係る水処理システム1Aによれば、例えば、以下のような効果が得られる。
第2制御部20Aは、EDI装置7において、流量フィードバック水量制御(図3参照)を実行する。このため、水処理システム1Aは、EDI装置7において回収率を増減させた場合においても、安定した流量の透過水W2をEDI装置7へ供給することができる。
また、第2制御部20Aは、上述した流量フィードバック水流制御において、脱塩水W4の測定比抵抗値Rに基づいて第2目標流量値Qp2´を設定する。このように、水処理システム1Aにおいては、脱塩水W4の測定比抵抗値Rに応じて、脱塩水W4の流量が適切に調整されるので、需要箇所で要求される水質を維持することができる。
更に、第2制御部20Aは、EDI装置7において、水質フィードフォワード回収率制御(図7参照)を実行する。このため、水処理システム1Aは、脱塩水W4の回収率を最大としつつ、EDI装置7における炭酸カルシウム系スケールの析出をより確実に抑制することができる。
なお、第2実施形態に係る水処理システム1Aは、第1実施形態に係る水処理システム1により得られる効果(温度フィードフォワード回収率制御による効果を除く)に加えて、上述した測定比抵抗値Rに基づいて第2目標流量値Qp2´を設定する流量フィードバック水量制御による効果及び水質フィードフォワード回収率制御による効果が得られる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。なお、以下の説明において、第1実施形態で実施可能な形態は、一部の例外を除いて第2実施形態においても実施可能である。
例えば、第1実施形態において、RO膜モジュール4の後段(RO膜モジュール4と第2加圧ポンプ5との間)に、脱炭酸装置を設けてもよい。脱炭酸装置は、透過水W2に含まれる遊離炭酸(溶存炭酸ガス)を、気体分離膜モジュールにより脱気処理して、精製水としての脱気水を得る設備である。RO膜モジュール4の後段に脱炭酸装置を設けることにより、透過水W2において、RO膜モジュール4で除去することのできない遊離炭酸を除去することができる。従って、より純度の高い透過水W2を得ることができる。
第1実施形態では、EDI装置7で製造された脱塩水W4の第2目標流量値Qp2´と第2濃縮水W5の第2目標排水流量値Qd2´との合計値の1.05倍の流量値を、RO膜モジュール4における流量フィードバック水量制御の第1目標流量値Qp1´として設定する例について説明した。この例に限らず、流量フィードバック水量制御の第1目標流量値Qp1´は、第2目標流量値Qp2´と第2目標排水流量値Qd2´との合計値よりも過剰に多くならない範囲の流量値に設定されればよい。第1目標流量値Qp1´は、好ましくは、第2目標流量値Qp2´と第2目標排水流量値Qd2´との合計値の1〜1.05倍の流量値に設定される。
第1実施形態では、EDI装置7における脱塩水W4の第2目標流量値Qp2´(設定値)をRO膜モジュール4の第1目標流量値Qp1´の設定に用いる例について説明した(図2:ステップST101参照)。このような設定値に限らず、例えば、第2検出流量値Qp2(フィードバック値)をRO膜モジュール4の第1目標流量値Qp1´の設定に用いてもよい。なお、脱塩水W4の流量値として、第1実施形態のように設定値を用いた場合には、変動を伴うフィードバック値を用いた場合に比べて、透過水W2の流量を安定させることができる。
また、第1実施形態では、EDI装置7における第2濃縮水W5の第2目標排水流量値Qd2´(演算値)をRO膜モジュール4の第1目標流量値Qp1´の設定に用いる例について説明した(図2:ステップST101参照)。このような演算値に限らず、例えば、第2濃縮水ラインL6を流通する第2濃縮水W5の検出流量値(流量センサによるフィードバック値)をRO膜モジュール4の第1目標流量値Qp1´の設定に用いてもよい。なお、第2濃縮水W5の流量値として、第1実施形態のように演算値を用いた場合には、変動を伴うフィードバック値を用いた場合に比べて、透過水W2の流量を安定させることができる。
第1実施形態では、EDI装置7の温度フィードフォワード回収率制御において、透過水W2から取得した検出温度値Tに基づいて、水に対するシリカ溶解度Sを決定する例について説明した。これに限らず、例えば、脱塩水W4又は第2濃縮水W5の温度を検出してもよいし、第1濃縮水W3(RO膜モジュール4)の温度を検出してもよい。この場合に、第2制御部20は、脱塩水W4、第2濃縮水W5又は第1濃縮水W3から取得した検出温度値Tに基づいて、水に対するシリカ溶解度Sを決定する(図4:ステップST304参照)。なお、第1濃縮水W3の温度を検出する場合には、第1制御部10で取得した第1濃縮水W3の検出温度値Tを、第3制御部30を介して第2制御部20へ送信する。
また、第1実施形態において、EDI装置7に接続する第2濃縮水ラインL6に第2濃縮水W5の流量を検出する第3流量検出手段としての流量センサを設け、透過水W2の検出温度値(温度センサ15)及び第2濃縮水W5の検出流量値に基づいて、流量フィードバック回収率制御を実行する構成としてもよい。
この場合に、第2制御部20は、(i)予め取得された透過水W2のシリカ濃度、及び温度センサ15の検出温度値から決定したシリカ溶解度に基づいて、第2濃縮水W5におけるシリカの許容濃縮倍率を演算し、(ii)当該許容濃縮倍率の演算値及び脱塩水W4の第2目標流量値Qp2´から演算した第2濃縮水W5の排水流量を第2目標排水流量値Qd2´に設定し、(iii)前記流量センサから出力された検出流量値が第2濃縮水W5の第2目標排水流量値Qd2´となるように、第1排水弁11〜第3排水弁13を制御する。また、この実施形態において、透過水W2の温度を検出する代わりに、第1濃縮水W3、脱塩水W4又は第2濃縮水W5の温度を検出する構成としてもよい。
また、第1実施形態において、RO膜モジュール4に接続された第1濃縮水ラインL4を流通する第1濃縮水W3の一部を、原水ラインL1において、第1加圧ポンプ2よりも上流側に還流させる濃縮水還流ラインを設けた構成としてもよい。濃縮水還流ラインを設けることにより、RO膜の膜表面における流速を高めることができるため、ファウリングの発生を抑制することができる。
第1実施形態では、第2濃縮水ラインL6に接続された第1排水弁11〜第3排水弁13を選択的に開閉することにより、第2濃縮水W5の排水流量を段階的に調節する例について説明した。これに限らず、第2濃縮水ラインL6を分岐せずに1本とし、このラインに比例制御弁を設けた構成としてもよい。その場合には、第2制御部20から電流値信号(例えば、4〜20mA)を比例制御弁に送信して弁開度を制御することにより、第2濃縮水W5の排水流量を調節することができる。
また、比例制御弁を設けた構成において、第2濃縮水ラインL6に流量センサを設けた構成としてもよい。流量センサで検出された流量値を、第2制御部20にフィードバック値として入力する。これにより、第2濃縮水W5の実際排水流量をより正確に制御することができる。
また、第1実施形態では、第2制御部20から第2目標流量値Qp2´及び第2目標排水流量値Qd2´に関するデータを取得し、当該データを第1制御部10に送信する第3制御部30を備えた構成について説明した。これに限らず、第3制御部30を介さずに、第2制御部20から第2目標流量値Qp2´及び第2目標排水流量値Qd2´に関するデータを第1制御部10に送信する構成としてもよい。
更に、第1実施形態において、第1制御部10の機能を、第2制御部20で実行するように構成してもよいし、第2制御部20の機能を、第1制御部10で実行するように構成してもよい。
第2実施形態では、EDI装置7の水質フィードフォワード回収率制御において、透過水W2に含まれる炭酸カルシウムの許容濃縮倍率及び脱塩水W4の第2目標流量値Qp2´に基づいて、回収率が最大となる排水流量を算出する例について説明した。これに限らず、次のような手法を採用してもよい。すなわち、透過水W2に含まれる炭酸カルシウムの許容濃縮倍率とシリカの許容濃縮倍率とを比較し、小さい側の許容濃縮倍率を選択する。そして、選択した許容濃縮倍率及び脱塩水W4の目標流量値に基づいて、回収率が最大となる排水流量を算出する。
また、第2実施形態において、EDI装置7に接続する第2濃縮水ラインL6に第2濃縮水W5の流量を検出する第3流量検出手段としての流量センサを設け、透過水W2の測定硬度値(炭酸カルシウム溶解度:硬度センサ17)及び第2濃縮水W5の検出流量値に基づいて、流量フィードバック回収率制御を行う構成としてもよい。
この場合に、第2制御部20Aは、(i)予め取得された炭酸カルシウム溶解度、及び硬度センサ17の測定硬度値に基づいて、第2濃縮水W5における炭酸カルシウムの許容濃縮倍率を演算し、(ii)当該許容濃縮倍率の演算値、及び脱塩水W4の第2目標流量値Qp2´から演算した第2濃縮水W5の排水流量を目標排水流量に設定し、(iii)前記流量センサから出力された検出流量値が第2濃縮水W5の第2目標排水流量値Qd2´となるように、第1排水弁11〜第3排水弁13を制御する。
1,1A 水処理システム
2 第1加圧ポンプ
3 第1インバータ
4 RO膜モジュール(膜分離装置)
5 第2加圧ポンプ
6 第2インバータ
7 EDI装置(電気脱イオン装置)
9 リリーフ弁(透過水排出手段)
10 第1制御部
11 第1排水弁(排水弁)
12 第2排水弁(排水弁)
13 第3排水弁(排水弁)
14 第1流量センサ(第1流量検出手段)
15 温度センサ(温度検出手段)
16 第2流量センサ(第2流量検出手段)
17 硬度センサ(硬度測定手段)
18 比抵抗センサ(電気的特性検出手段)
20,20A 第2制御部
30 第3制御部
L1 原水ライン
L2 透過水ライン
L3 脱塩水ライン
L4 第1濃縮水ライン
L5 透過水排出ライン(透過水排出手段)
L6 第2濃縮水ライン
L11 第1排水ライン
L12 第2排水ライン
L13 第3排水ライン
W1 原水
W2 透過水
W3 脱塩水
W4 第1濃縮水
W5 第2濃縮水

Claims (6)

  1. 原水を透過水と第1濃縮水とに分離する膜分離装置と、
    透過水を脱塩処理して脱塩水と第2濃縮水とを製造する電気脱イオン装置と、
    原水を前記膜分離装置に供給する原水ラインと、
    透過水を前記電気脱イオン装置に供給する透過水ラインと、
    透過水の流量を第1検出流量値として出力する第1流量検出手段と、
    入力された駆動周波数に応じた回転速度で駆動され、前記原水ラインを流通する原水を前記膜分離装置に向けて圧送する第1加圧ポンプと、
    前記第1加圧ポンプの駆動周波数の演算値に対応する周波数指定信号が入力され、入力された当該周波数指定信号に対応する駆動周波数を前記第1加圧ポンプに出力する第1インバータと、
    前記第1流量検出手段から出力された前記第1検出流量値が前記電気脱イオン装置における脱塩水の流量値と第2濃縮水の流量値との合計値に基づく第1目標流量値となるように、前記第1加圧ポンプの駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算値に対応する周波数指定信号を前記第1インバータに出力する第1制御部と、
    脱塩水の流量を第2検出流量値として出力する第2流量検出手段と、
    入力された駆動周波数に応じた回転速度で駆動され、前記透過水ラインを流通する透過水を前記電気脱イオン装置に向けて圧送する第2加圧ポンプと、
    前記第2加圧ポンプの駆動周波数の演算値に対応する周波数指定信号が入力され、入力された当該周波数指定信号に対応する駆動周波数を前記第2加圧ポンプに出力する第2インバータと、
    前記第2流量検出手段から出力された前記第2検出流量値が予め設定された第2目標流量値となるように、前記第2加圧ポンプの駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算値に対応する周波数指定信号を前記第2インバータに出力する第2制御部と、
    を備える水処理システム。
  2. 前記透過水ラインを流通する透過水の流量値が前記電気脱イオン装置で製造される脱塩水の流量値と第2濃縮水の流量値との合計値を超過し、且つ所定の圧力値を超過する場合に、余剰の透過水を前記透過水ラインから排出させる透過水排出手段を備え、
    前記第1制御部は、前記電気脱イオン装置で製造される脱塩水の前記流量値と第2濃縮水の前記流量値との合計値の1〜1.05倍の流量値を前記第1目標流量値とする、
    請求項1に記載の水処理システム。
  3. 前記電気脱イオン装置で製造される脱塩水の電気的特性を検出する電気的特性検出手段を備え、
    前記第2制御部は、前記電気的特性検出手段で検出された脱塩水の電気的特性に基づいて、前記第2目標流量値を設定する、
    請求項1又は2に記載の水処理システム。
  4. 透過水、第1濃縮水、脱塩水又は第2濃縮水の温度を検出する温度検出手段と、
    前記電気脱イオン装置から排出される第2濃縮水の排水流量を調節可能な排水弁と、を備え、
    前記第2制御部は、(i)予め取得された透過水のシリカ濃度、及び前記温度検出手段の検出温度値から決定したシリカ溶解度に基づいて、第2濃縮水におけるシリカの許容濃縮倍率を演算し、(ii)当該許容濃縮倍率の演算値及び脱塩水の前記第2目標流量値から排水流量を演算し、(iii)第2濃縮水の実際排水流量が前記排水流量の演算値となるように、前記排水弁を制御する、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の水処理システム。
  5. 透過水のカルシウム硬度を測定する硬度測定手段と、
    前記電気脱イオン装置から排出される第2濃縮水の排水流量を調節可能な排水弁と、を備え、
    前記第2制御部は、(i)予め取得された炭酸カルシウム溶解度、及び前記硬度測定手段の測定硬度値に基づいて、第2濃縮水における炭酸カルシウムの許容濃縮倍率を演算し、(ii)当該許容濃縮倍率の演算値、及び脱塩水の前記第2目標流量値から第2濃縮水の排水流量を演算し、(iii)脱塩濃縮水の実際排水流量が前記排水流量の演算値となるように、前記排水弁を制御する、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の水処理システム。
  6. 前記第2制御部は、前記電気脱イオン装置における脱塩水の流量及び第2濃縮水の流量に関するデータを保持し、
    前記水処理システムは、前記第2制御部から前記電気脱イオン装置における脱塩水の流量及び第2濃縮水の流量に関するデータを取得し、当該データを前記第1制御部に送信する第3制御部を備える、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の水処理システム。
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