JP2016032810A - 水処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】需要箇所において透過水の消費水量が少なくなった場合において、必要最小限の消費電力で加圧ポンプを稼動させることができる水処理装置を提供する。【解決手段】膜分離装置5と、貯留タンク7の水位を検出する水位検出手段8と、流量制御部10と、を備え、膜分離装置5においては、n段の逆浸透膜モジュールの一次側が直列に接続されると共に、それぞれの逆浸透膜モジュールから送出された透過水W2が共通の透過水ラインL2を流通するようにn段の逆浸透膜モジュールの二次側が並列に接続されており、水処理システムは、それぞれの逆浸透膜モジュールと透過水ラインとを接続するn本の接続ラインと、接続ラインを開閉可能な開閉弁14,15と、を備え、流量制御部10Aは、水位検出手段8の検出水位値が高くなるに従い、開閉弁14,15の開弁数が少なくなるように、開閉弁14,15の開閉を制御する。【選択図】図4

Description

本発明は、供給水を透過水と濃縮水とに分離する膜分離装置を備えた水処理システムに関する。
半導体製造工程や電子部品の洗浄、医療器具の洗浄等においては、不純物を含まない高純度の純水が使用される。この種の純水は、一般に、地下水や水道水等の供給水を膜分離装置で処理することにより製造される。膜分離装置は、少なくとも一つの逆浸透膜モジュールを備える。以下の説明においては、逆浸透膜モジュールを「RO膜モジュール」、逆浸透膜を「RO膜」ともいう。
膜分離装置を備えた水処理システムでは、需要箇所での最大消費水量を賄うことができるように透過水の流量が予め設定されている。一方、RO膜モジュールに用いられるRO膜は、供給水の温度や膜の状態(細孔の閉塞や材質の酸化劣化)により水透過係数が変化する。すなわち、透過水の流量は、供給水の温度や膜の状態により変化する。そこで、透過水の流量を一定に維持しながら運転する方法として、流量フィードバック水量制御や圧力フィードバック水量制御が行われている(特許文献1参照)。例えば、流量フィードバック水量制御では、RO膜モジュールで製造される透過水の検出流量値が予め設定された目標流量値となるように、供給水をRO膜モジュールに送出する加圧ポンプの駆動周波数がインバータにより制御される。
特開2000−271459号公報
上記特許文献1に記載された水量制御は、透過水の流量を一定に維持するものであるため、需要箇所での消費水量に係わらず、所定の駆動周波数範囲で加圧ポンプを稼動させている。そのため、需要箇所において透過水の消費水量が少なくなった場合には、加圧ポンプを透過水の消費水量に見合った駆動周波数で稼動させた場合に比べて、加圧ポンプの消費電力が相対的に大きくなる。
従って、本発明は、需要箇所において透過水の消費水量が少なくなった場合において、必要最小限の消費電力で加圧ポンプを稼動させることができる水処理装置を提供することを目的とする。
本発明は、供給水を透過水と濃縮水とに分離する少なくとも一つの逆浸透膜モジュールを備えた膜分離装置と、前記膜分離装置から送出された透過水を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクの水位を検出する水位検出手段と、入力された駆動周波数に応じた回転速度で駆動され、供給水を吸入して前記膜分離装置に向けて吐出する加圧ポンプと、入力された演算値信号に対応する駆動周波数を前記加圧ポンプに出力するインバータと、前記水位検出手段の検出水位値が予め設定された目標水位値となるように、PIDアルゴリズムにより前記加圧ポンプの駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算値に対応する演算値信号を前記インバータに出力する流量制御部と、を備える水処理システムであって、前記膜分離装置においては、前段の前記逆浸透膜モジュールから送出された濃縮水が次段の前記逆浸透膜モジュールへの供給水となるようにn段の前記逆浸透膜モジュールの一次側が直列に接続されると共に、それぞれの前記逆浸透膜モジュールから送出された透過水が共通の透過水ラインを流通するようにn段の前記逆浸透膜モジュールの二次側が並列に接続されており、前記水処理システムは、それぞれの前記逆浸透膜モジュールと前記透過水ラインとを接続するn本の接続ラインと、少なくともn−1本の前記接続ラインのそれぞれに設けられ、当該接続ラインを開閉可能な開閉弁と、を備え、前記流量制御部は、前記水位検出手段の検出水位値が高くなるに従い、前記開閉弁の開弁数が少なくなるように、前記開閉弁の開閉を制御する水処理システムに関する。
また、前記流量制御部は、前記水位検出手段の検出水位値が目標水位値よりも低い警戒水位値未満の場合には、前記加圧ポンプの駆動周波数を前記水位検出手段の検出水位値が前記警戒水位値以上の場合に出力される駆動周波数の範囲よりも高い規定駆動周波数に固定し、当該規定駆動周波数に対応する演算値信号を前記インバータに出力することが好ましい。
本発明によれば、需要箇所において透過水の消費水量が少なくなった場合において、必要最小限の消費電力で加圧ポンプを稼動させることができる水処理装置を提供することができる。
第1実施形態に係る水処理システム1の全体構成図である。 制御部10において水位フィードバック水量制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。 制御部10において温度フィードフォワード回収率制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る水処理システム1Aの部分構成図である。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態に係る水処理システム1について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る水処理システム1の全体構成図である。本実施形態に係る水処理システム1は、例えば、淡水から純水を製造する純水製造システムに適用される。
図1に示すように、本実施形態に係る水処理システム1は、加圧ポンプ2と、インバータ3と、温度センサ4と、膜分離装置5と、透過水弁6と、貯留タンクとしての処理水タンク7と、水位検出手段としての水位センサ8と、流量センサ9と、流量制御部としての制御部10と、第1排水弁11〜第3排水弁13と、を備える。なお、図1では、電気的な接続の経路を破線で示す。
また、水処理システム1は、供給水ラインL1と、透過水ラインL2と、濃縮水ラインL3と、配水ラインL4と、濃縮水W3の排水ライン(第1排水ラインL11、第2排水ラインL12及び第3排水ラインL13)と、を備える。本明細書における「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
供給水ラインL1は、供給水W1を膜分離装置5に供給するラインである。供給水ラインL1の上流側の端部は、供給水W1の供給源(不図示)に接続されている。供給水ラインL1の下流側の端部は、膜分離装置5の一次側入口ポートに接続されている。
加圧ポンプ2は、供給水W1を吸入し、膜分離装置5に向けて吐出する装置である。加圧ポンプ2は、インバータ3(後述)と電気的に接続されている。加圧ポンプ2には、インバータ3から、周波数が変換された駆動電力が入力される。加圧ポンプ2は、供給された駆動電力の周波数(以下、「駆動周波数」ともいう)に応じた回転速度で駆動される。加圧ポンプ2の回転速度は、インバータ3から供給される駆動周波数に比例する。すなわち、加圧ポンプ2の回転速度は、インバータ3から供給される駆動周波数が低くなるにつれて遅くなり、駆動周波数が高くなるにつれて速くなる。
インバータ3は、周波数が変換された駆動電力を加圧ポンプ2に供給する電気回路である。インバータ3は、制御部10と電気的に接続されている。インバータ3には、制御部10から電流値信号が入力される。インバータ3は、制御部10から入力された電流値信号に対応する駆動周波数の駆動電力を加圧ポンプ2に出力する。
温度センサ4は、供給水W1の温度を検出する機器である。温度センサ4は、接続部J1において供給水ラインL1と接続されている。接続部J1は、供給水W1の供給源と加圧ポンプ2との間に配置されている。温度センサ4は、制御部10と電気的に接続されている。温度センサ4で検出された供給水W1の温度(以下、「検出温度値」ともいう)は、制御部10へ検出値信号として送信される。
膜分離装置5は、RO膜モジュール5aを備える。RO膜モジュール5aは、加圧ポンプ2から吐出された供給水W1を、溶存塩類が除去された透過水W2と、溶存塩類が濃縮された濃縮水W3とに膜分離処理する設備である。RO膜モジュール5aは、単一又は複数のRO膜エレメント(不図示)を備える。RO膜モジュール5aは、これらRO膜エレメントにより供給水W1を膜分離処理し、透過水W2及び濃縮水W3を製造する。
本実施形態におけるRO膜モジュール5aは、膜表面に架橋全芳香族ポリアミドからなる負荷電性のスキン層が形成されたRO膜(不図示)を有する。このRO膜は、濃度500mg/L、pH7.0、温度25℃の塩化ナトリウム水溶液を、操作圧力0.7MPa、回収率15%で供給したときの水透過係数が、1.5×10−11・m−2・s−1・Pa−1以上、且つ塩除去率が99%以上となるものである。
ここで、操作圧力とは、JIS K3802−1995「膜用語」で定義される平均操作圧力である。操作圧力は、RO膜モジュール5aの一次側の入口圧力と一次側の出口圧力との平均値を指す。
回収率とは、RO膜モジュール5aへ供給される原液(ここでは塩化ナトリウム水溶液)の流量Qに対する透過液の流量Qの割合(すなわち、Q/Q×100)をいう。
水透過係数は、透過水量[m/s]を膜面積[m]及び有効圧力[Pa]で除した値であり、RO膜の水の透過性能を示す指標である。すなわち、水透過係数は、単位有効圧力を作用させたときに単位時間に膜の単位面積を透過する水の量を意味する。有効圧力は、JIS K3802−1995「膜用語」で定義され、操作圧力(平均操作圧力)から浸透圧差及び二次側圧力を差し引いた圧力である。
塩除去率は、膜を透過する前後の特定の塩類の濃度(ここでは塩化ナトリウム濃度)から計算される値であり、RO膜の溶質の阻止性能を示す指標である。塩除去率は、RO膜モジュール5aへ供給される原液の濃度(C)及び透過液の濃度(C)から、(1−C/C)×100により求められる。
本実施形態の水透過係数及び塩除去率の条件を満たすRO膜は、逆浸透膜エレメントとして市販されている。逆浸透膜エレメントとしては、例えば、東レ社製:型式名「TMG20−400」、ウンジン・ケミカル社製:型式名「RE8040−BLF」、日東電工社製:型式名「ESPA1」等を用いることができる。
透過水ラインL2は、RO膜モジュール5aで製造された透過水W2を処理水タンク7(後述)へ送出するラインである。透過水ラインL2の上流側の端部は、RO膜モジュール5aの二次側ポートに接続されている。透過水ラインL2の下流側の端部は、処理水タンク7に接続されている。
濃縮水ラインL3は、RO膜モジュール5aから濃縮水W3を送出するラインである。濃縮水ラインL3の上流側の端部は、RO膜モジュール5aの一次側出口ポートに接続されている。また、濃縮水ラインL3の下流側は、分岐部J3及びJ4において、第1排水ラインL11、第2排水ラインL12及び第3排水ラインL13に分岐している。
第1排水ラインL11には、第1排水弁11が設けられている。第2排水ラインL12には、第2排水弁12が設けられている。第3排水ラインL13には、第3排水弁13が設けられている。第1排水弁11〜第3排水弁13は、濃縮水ラインL3から装置外へ排出される濃縮水W3の排水流量を調節する弁である。
第1排水弁11は、第1排水ラインL11を開閉することができる。第2排水弁12は、第2排水ラインL12を開閉することができる。第3排水弁13は、第3排水ラインL13を開閉することができる。
第1排水弁11〜第3排水弁13は、それぞれ定流量弁機構(不図示)を備える。定流量弁機構は、第1排水弁11〜第3排水弁13において、それぞれ異なる流量値に設定されている。例えば、第1排水弁11は、開状態において、RO膜モジュール5aの回収率が80%となるように排水流量が設定されている。第2排水弁12は、開状態において、RO膜モジュール5aの回収率が75%となるように排水流量が設定されている。第3排水弁13は、開状態において、RO膜モジュール5aの回収率が70%となるように排水流量が設定されている。
濃縮水ラインL3から排出される濃縮水W3の排水流量は、第1排水弁11〜第3排水弁13を選択的に開閉することにより、段階的に調節できる。例えば、第2排水弁12のみを開状態とし、第1排水弁11及び第3排水弁13を閉状態とする。この場合には、RO膜モジュール5aの回収率を75%とすることができる。また、第1排水弁11及び第2排水弁12を開状態とし、第3排水弁13のみを閉状態とする。この場合には、RO膜モジュール5aの回収率を65%とすることができる。従って、本実施形態において、濃縮水W3の排水流量は、第1排水弁11〜第3排水弁13を選択的に開閉することにより、回収率を50%〜80%までの間で、5%毎に段階的に調節できる。
第1排水弁11〜第3排水弁13は、それぞれ制御部10と電気的に接続されている。第1排水弁11〜第3排水弁13における弁体の開閉は、制御部10からの駆動信号により制御される。
透過水弁6は、透過水ラインL2を開閉する装置である。透過水弁6は、制御部10と電気的に接続されている。透過水弁6における弁体の開閉は、制御部10からの駆動信号により制御される。透過水弁6は、RO膜モジュール5aを通常運転する場合には、開状態に制御される。また、透過水弁6は、RO膜モジュール5aをフラッシング運転する場合には、閉状態に制御される。フラッシング運転は、RO膜モジュール5aの一次側を洗浄する運転である。
処理水タンク7は、RO膜モジュール5aで製造された透過水W2を貯留するタンクである。処理水タンク7には、透過水ラインL2の下流側の端部が接続されている。RO膜モジュール5aの二次側ポートから送出された透過水W2は、透過水ラインL2を介して処理水タンク7に補給される。また、処理水タンク7は、配水ラインL4を介して下流側の需要箇所(不図示)に接続されている。処理水タンク7に貯留された透過水W2は、配水ラインL4を介して、処理水W4として需要箇所に供給される。
水位センサ8は、処理水タンク7に貯留された透過水W2の水位を検出する機器である。水位センサ8は、処理水タンク7に設けられている。また、水位センサ8は、制御部10と電気的に接続されている。水位センサ8で検出された処理水タンク7の水位(以下、「検出水位値」ともいう)は、制御部10へ検出信号として送信される。水位センサ8は、連続式レベルセンサであり、例えば、静電容量式センサ、圧力式センサ、超音波式センサ等が用いられる。
流量センサ9は、透過水ラインL2を流通する透過水W2の流量を検出する機器である。流量センサ9は、接続部J2において透過水ラインL2に接続されている。接続部J2は、膜分離装置5と処理水タンク7との間に配置されている。流量センサ9は、制御部10と電気的に接続されている。流量センサ9で検出された透過水W2の流量(以下、「検出流量値」ともいう)は、制御部10へ検出値信号として送信される。
制御部10は、CPU及びメモリを含むマイクロプロセッサ(不図示)により構成される。また、マイクロプロセッサには、時間の計時等を管理するインテグレーテッドタイマユニット(以下、「ITU」ともいう)が組み込まれている。
制御部10は、需要箇所での消費水量が減少して、水位センサ8の検出水位値Wが目標水位値M(後述)以上となった場合には、加圧ポンプ2の回転速度を遅くし処理水タンク7への給水流量を減らすことにより、水位センサ8の検出水位値Wが目標水位値Mとなるように調節する。また、制御部10は、需要箇所での消費水量が増加して、水位センサ8の検出水位値Wが目標水位値M未満(後述の警戒水位値L未満を含む)となった場合には、加圧ポンプ2の回転速度を速くして処理水タンク7への給水流量を増やすことにより、水位センサ8の検出水位値Wが目標水位値Mとなるように調節する。
本実施形態では、図1に示すように、処理水タンク7の水位として、目標水位値M、及びこの目標水位値Mよりも低い警戒水位値Lが設定されている。目標水位値Mは、処理水タンク7に貯留される透過水W2の基準となる水位である。上述したように、処理水タンク7の水位は、この目標水位値Mとなるように調節される。警戒水位値Lは、需要箇所へ処理水W4を安定して供給可能な限界水位である。処理水タンク7が警戒水位値L未満となった場合には、処理水タンク7に可能な限り速やかに透過水W2を補給する必要がある。そのため、処理水タンク7が警戒水位値L未満となった場合には、補給される透過水W2の流量が最大となるように、加圧ポンプ2が最大出力で駆動される。
本実施形態の制御部10は、流量制御部の機能として、水位センサ8の検出水位値Wが予め設定された目標水位値Mとなるように、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより、加圧ポンプ2を駆動するための駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算値に対応する電流値信号をインバータ3に出力する水位フィードバック水量制御を実行する。
具体的には、制御部10は、水位センサ8の検出水位値Wが警戒水位値L以上の場合には、設定した目標水位値M及び水位センサ8の検出水位値Wを用いて加圧ポンプ2に供給する駆動周波数を演算し、当該駆動周波数に対応する電流値信号をインバータ3に出力する。
また、制御部10は、水位センサ8の検出水位値Wが警戒水位値L未満の場合には、加圧ポンプ2の駆動周波数を、水位フィードバック水量制御における駆動周波数よりも高い規定駆動周波数に固定し、当該規定駆動周波数に対応する電流値信号をインバータ3に出力する。本実施形態において、規定駆動周波数は、加圧ポンプ2の最大駆動周波数である。
なお、規定駆動周波数は、水位センサ8の検出水位値Wが警戒水位値L以上の場合に出力される駆動周波数の範囲よりも高い周波数であればよい。従って、規定駆動周波数を、水位フィードバック水量制御における駆動周波数の範囲の最大値(例えば、最大駆動周波数若しくはその近傍値)としてもよい。なお、制御部10による流量フィードバック水量制御の具体的な処理手順については後述する。
また、制御部10は、供給水W1の温度に基づいて、透過水W2の回収率制御(以下、「温度フィードフォワード回収率制御」ともいう)を実行する。後述するように、制御部10は、温度フィードフォワード回収率制御を実行することにより、第1排水弁11〜第3排水弁13における弁体の開閉を制御する。なお、温度フィードフォワード回収率制御は、上述した水位フィードバック水量制御を並行して実行される。制御部10による温度フィードフォワード回収率制御の具体的な処理手順については後述する。
次に、制御部10による水位フィードバック水量制御について説明する。図2は、制御部10において水位フィードバック水量制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。図2に示すフローチャートの処理は、水処理システム1の運転中において、繰り返し実行される。
図2に示すステップST101において、制御部10は、処理水タンク7の目標水位値Mを取得する。この目標水位値Mは、例えば、装置管理者がユーザーインターフェース(不図示)を介して制御部10のメモリに入力した設定値である。
ステップST102において、制御部10は、ITUによる計時tが制御周期(Δt)である100ms以上か否かを判定する。このステップST102において、制御部10により、ITUによる計時tが100ms以上(YES)と判定された場合に、処理はステップST103へ移行する。また、ステップST102において、制御部10により、ITUによる計時tが100ms未満(NO)と判定された場合に、処理はステップST102へ戻る。
ステップST103において、制御部10は、水位センサ8で検出された検出水位値Wを取得する。
ステップST104において、制御部10は、検出水位値Wが警戒水位値L以上か否かを判定する。このステップST104において、制御部10により、検出水位値W≧警戒水位値Lである(YES)と判定された場合に、処理はステップST105へ移行する。また、ステップST104において、制御部10により、検出水位値W<警戒水位値Lである(NO)と判定された場合に、処理はステップST109へ移行する。
ステップST105において、制御部10は、ステップST103で取得した検出水位値(フィードバック値)WとステップST101で取得した目標水位値Mとの偏差がゼロとなるように、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより操作量Uを演算する。なお、速度形デジタルPIDアルゴリズムでは、制御周期Δt(100ms)毎に操作量の変化分ΔUを演算し、これを前回の制御周期時点の操作量Un−1に加算することで現時点の操作量Uを決定する。
速度形デジタルPIDアルゴリズムに用いられる演算式は、下記の式(1a)及び式(1b)により表される。
ΔU=K{(e−en−1)+(Δt/T)×e+(T/Δt)×(e−2en−1+en−2)} (1a)
=Un−1+ΔU (1b)
式(1a)及び式(1b)において、Δt:制御周期、U:現時点の操作量、Un−1:前回の制御周期時点の操作量、ΔU:前回から今回までの操作量の変化分、e:現時点の偏差の大きさ、en−1:前回の制御周期時点の偏差の大きさ、en−2:前々回の制御周期時点の偏差の大きさ、K:比例ゲイン、T:積分時間、T:微分時間である。なお、現時点の偏差の大きさeは、下記の式(2)により求められる。
=M−W (2)
ステップST106において、制御部10は、現時点の操作量U、及び加圧ポンプ2の最大駆動周波数Fmax(50Hz又は60Hzの設定値)を使用して、下記の式(3)により、加圧ポンプ2の駆動周波数F[Hz]を演算する。
F=U/2×Fmax (3)
ステップST107において、制御部10は、駆動周波数Fの演算値を、対応する電流値信号(4〜20mA)に変換する。電流値信号の出力値I[mA]は、例えば、下記の式(4)により演算され、駆動周波数Fがゼロの場合にI=4mA、駆動周波数Fが最大駆動周波数Fmaxの場合にI=20mAとなる。
I=F/F´×16+4 (4)
ステップST108において、制御部10は、変換した電流値信号をインバータ3に出力する。これにより本フローチャートの処理は終了する(ステップST101へリターンする)。
一方、ステップST109(ステップST104:NO判定)において、制御部10は、加圧ポンプ2の駆動周波数Fとして、予め設定された最大駆動周波数Fmaxを設定する。すなわち、水位センサ8の検出水位値Wが警戒水位値L未満の場合には、処理水タンク7に補給される透過水W2の流量が最大となるように、加圧ポンプ2を最大出力で駆動する。このため、処理水タンク7の貯水量が少なくなった場合には、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより現時点の操作量Uを演算することなく、予め設定された最大駆動周波数Fmaxを駆動周波数Fに設定する。これにより、駆動周波数Fは、規定駆動周波数に固定される。ステップST109の終了後、処理はステップST107へ移行する。
次に、制御部10による温度フィードフォワード回収率制御について説明する。図3は、制御部10において温度フィードフォワード回収率制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。図3に示すフローチャートの処理は、水処理システム1の運転中において、繰り返し実行される。
図3に示すステップST201において、制御部10は、流量センサ9で検出された検出流量値Qを取得する。この検出流量値Qは、水位フィードバック水量制御又は規定駆動周波数での制御が行われているときの透過水W2の流量である。
ステップST202において、制御部10は、供給水W1のシリカ(SiO)濃度Cを取得する。このシリカ濃度Cは、例えば、装置管理者がユーザーインターフェース(不図示)を介してメモリに入力した設定値である。供給水W1のシリカ濃度は、事前に供給水W1を水質分析することにより得ることができる。なお、供給水ラインL1において、不図示の水質センサにより供給水W1のシリカ濃度を計測してもよい。
ステップST203において、制御部10は、温度センサ4から供給水W1の検出温度値Tを取得する。
ステップST204において、制御部10は、取得した検出温度値Tに基づいて、水に対するシリカ溶解度Sを決定する。
ステップST205において、制御部10は、前のステップで取得又は決定したシリカ濃度C、及びシリカ溶解度Sに基づいて、濃縮水W3におけるシリカの許容濃縮倍率Nを演算する。シリカの許容濃縮倍率Nは、下記の式(5)により求めることができる。
=S/C (5)
例えば、シリカ濃度Cが20mgSiO/L、25℃におけるシリカ溶解度Sが100mgSiO/Lであれば、許容濃縮倍率Nは“5”となる。
ステップST206において、制御部10は、前のステップで取得又は演算した検出流量値Q、及び許容濃縮倍率Nに基づいて、回収率が最大となる排水流量(目標排水流量Q´)を演算する。目標排水流量Q´は、下記の式(6)により求めることができる。
´=Q/(N−1) (6)
ステップST207において、制御部10は、濃縮水W3の実際排水流量QがステップST206で演算した目標排水流量Q´となるように、第1排水弁11〜第3排水弁13の開閉を制御する。これにより本フローチャートの処理は終了する(ステップST201へリターンする)。
上述した第1実施形態に係る水処理システム1によれば、例えば、以下のような効果が得られる。
第1実施形態に係る水処理システム1において、制御部10は、水位センサ8の検出水位値Wが予め設定された目標水位値Mとなるように、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより加圧ポンプ2を駆動するための駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算値に対応する電流値信号をインバータ3に出力する。
これによれば、加圧ポンプ2を透過水W2(処理水W4)の消費水量に見合った駆動周波数で稼動させることができるため、需要箇所において透過水W2の消費水量が少なくなった場合において、必要最小限の消費電力で加圧ポンプを稼動させることができる。
また、制御部10は、水位センサ8の検出水位値Wが目標水位値Mよりも低い警戒水位値L未満の場合には、加圧ポンプ2の駆動周波数を水位センサ8の検出水位が警戒水位値L以上の場合に出力される駆動周波数の範囲よりも高い規定駆動周波数に固定し、この規定駆動周波数に対応する電流値信号をインバータ3に出力する。
これによれば、需要箇所において透過水W2の消費水量が急激に増えた場合に、加圧ポンプ2の回転速度を高めた状態に駆動周波数が固定されるため、消費水量の急激な変化に速やかに対応することができる。とくに、規定駆動周波数を加圧ポンプ2の最大駆動周波数に設定した場合には、消費水量の急激な変化により速やかに対応することができる。
また、制御部10は、温度フィードフォワード回収率制御を実行する。このため、膜分離装置5において、透過水W2の回収率を最大としつつ、RO膜モジュール5aにおけるシリカ系スケールの析出をより確実に抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る水処理システム1Aについて説明する。図4は、第2実施形態に係る水処理システム1Aの部分構成図である。第2実施形態に係る水処理システム1Aは、主に膜分離装置50の構成が第1実施形態と異なり、その他の構成は第1実施形態と同じである。そのため、図4では、第1実施形態と相違する部分とその周辺の構成を図示し、温度センサ4、透過水弁6、処理水タンク7、水位センサ8及び流量センサ9の図示を省略する。また、第2実施形態では、第1実施形態と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明し、第1実施形態と重複する説明を適宜に省略する。
図4に示すように、本実施形態に係る水処理システム1Aにおいて、膜分離装置50は、第1RO膜モジュール50a、第2RO膜モジュール50b及び第3RO膜モジュール50cを備える。第1RO膜モジュール50a〜第3RO膜モジュール50cの構成及び機能は、第1実施形態のRO膜モジュール5aと同じであるため説明を省略する。
また、水処理システム1Aは、濃縮水接続ラインL6及びL8と、接続ラインとしての透過水接続ラインL5、L7及びL9と、第1開閉弁14と、第2開閉弁15と、を備える。
第1RO膜モジュール50aには、供給水ラインL1、透過水接続ラインL5及び濃縮水接続ラインL6が接続されている。供給水ラインL1の上流側の端部は、供給水W1の供給源(不図示)に接続されている。また、供給水ラインL1の下流側の端部は、第1RO膜モジュール50aの一次側入口ポートに接続されている。透過水接続ラインL5の上流側の端部は、第1RO膜モジュール50aの二次側ポートに接続されている。透過水接続ラインL5の下流側の端部は、接続部J6において透過水ラインL2の上流側の端部に接続されている。
濃縮水接続ラインL6は、第1RO膜モジュール50aで製造された濃縮水W3を、第2RO膜モジュール50bに供給水として送出するラインである。濃縮水接続ラインL6の上流側の端部は、第1RO膜モジュール50aの一次側出口ポートに接続されている。また、濃縮水接続ラインL6の下流側の端部は、第2RO膜モジュール50bの一次側入口ポートに接続されている。
第2RO膜モジュール50bには、上述した濃縮水接続ラインL6、透過水接続ラインL7及び濃縮水接続ラインL8が接続されている。透過水接続ラインL7の上流側の端部は、第2RO膜モジュール50bの二次側ポートに接続されている。透過水接続ラインL7の下流側の端部は、接続部J5において透過水接続ラインL9(後述)に接続されている。
また、透過水接続ラインL7には、第1開閉弁14が設けられている。第1開閉弁14は、透過水接続ラインL7を開閉する装置である。第1開閉弁14は、制御部10Aと電気的に接続されている。第1開閉弁14における弁体の開閉は、制御部10Aからの駆動信号により制御される。
濃縮水接続ラインL8は、第2RO膜モジュール50bで製造された濃縮水W3を、第3RO膜モジュール50cに供給水として送出するラインである。濃縮水接続ラインL8の上流側の端部は、第2RO膜モジュール50bの一次側出口ポートに接続されている。また、濃縮水接続ラインL8の下流側の端部は、第3RO膜モジュール50cの一次側入口ポートに接続されている。
第3RO膜モジュール50cには、上述した濃縮水接続ラインL8、透過水接続ラインL9及び濃縮水ラインL3が接続されている。透過水接続ラインL9の上流側の端部は、第3RO膜モジュール50cの二次側ポートに接続されている。透過水接続ラインL9の下流側の端部は、接続部J6において透過水ラインL2の下流側の端部に接続されている。
また、透過水接続ラインL9には、第2開閉弁15が接続されている。第2開閉弁15は、透過水接続ラインL9を開閉する装置である。第2開閉弁15は、制御部10Aと電気的に接続されている。第2開閉弁15における弁体の開閉は、制御部10Aからの駆動信号により制御される。
第3RO膜モジュール50cの一次側出口ポートに接続された濃縮水ラインL3、第1排水弁11〜第3排水弁13の構成及び機能は第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態の膜分離装置50では、前段のRO膜モジュールから送出された濃縮水W3が次段のRO膜モジュールへの供給水となるように、3段のRO膜モジュールの一次側が直列に接続されている。また、それぞれのRO膜モジュールから送出された透過水W2が共通の透過水ラインL2を流通するように3段のRO膜モジュールの二次側が並列に接続されている。
制御部10Aは、第1実施形態の制御部10と同じ機能を有すると共に、本実施形態における流量制御部の機能として、水位センサ8の検出水位値Wが高くなるに従い、第1開閉弁14及び第2開閉弁15の開弁数が少なくなるように、第1開閉弁14及び第2開閉弁15の開閉を制御する。
具体的には、制御部10Aは、警戒水位値L及び目標水位値Mに加えて、これらの水位値の間に設定された第1中間水位M及び第2中間水位M(M>M>M>L)を参照する。そして、制御部10Aは、水位センサ8の検出水位値Wが高くなるに従い、第1開閉弁14及び第2開閉弁15の開弁数が少なくなるように、第1開閉弁14及び第2開閉弁15の開閉を制御する。
例えば、制御部10Aは、水位センサ8の検出水位値Wが第1中間水位M未満の場合には、水位フィードバック水量制御(M>W≧Lの場合)若しくは規定駆動周波数(L>Wの場合)にて加圧ポンプ2を駆動すると共に、第1開閉弁14及び第2開閉弁15を開状態に制御する。この場合には、RO膜モジュール50a〜50cのすべてが運転(膜分離処理)される。その結果、RO膜モジュール50a〜50cにおいてそれぞれ製造された透過水W2は、透過水ラインL2への接続部J6において合流し、一つの透過水W2として処理水タンク7に送出される。
また、制御部10Aは、水位センサ8の検出水位値Wが第1中間水位M以上且つ第2中間水位M未満の場合には、水位フィードバック水量制御にて加圧ポンプ2を駆動すると共に、第1開閉弁14を開状態とし、第2開閉弁15を閉状態に制御する。この場合には、RO膜モジュール50a及び50bの2つが運転される。その結果、RO膜モジュール50a及び50bにおいてそれぞれ製造された透過水W2は、透過水ラインL2への接続部J6において合流し、一つの透過水W2として処理水タンク7に送出される。
更に、制御部10Aは、水位センサ8の検出水位値Wが第2中間水位M以上の場合には、水位フィードバック水量制御にて加圧ポンプ2を駆動すると共に、第1開閉弁14及び第2開閉弁15を閉状態に制御する。この場合には、RO膜モジュール50aのみが運転される。その結果、RO膜モジュール50aにおいて製造された透過水W2のみが、透過水ラインL2を介して処理水タンク7に送出される。
一般に、RO膜モジュールは、有効圧力の低下に伴って塩除去率の低下が起こるため、透過水W2の水質が悪化しやすい。本実施形態では、水位センサ8の検出水位値Wが高くなるに従い、加圧ポンプ2の駆動周波数が低くなる。すなわち、水位センサ8の検出水位値Wが高くなるに従い、膜分離装置50は有効圧力の低い運転となり、透過水W2の水質が悪化する懸念がある。そこで、本実施形態の制御部10Aは、膜分離装置50の有効圧力が低くなっても透過水W2の水質が悪化しないように、水位センサ8の検出水位値Wが高くなるに従い、RO膜モジュールの運転本数が少なくなるように制御する。すなわち、水位センサ8の検出水位値Wが第1中間水位M未満の場合には、加圧ポンプ2の駆動周波数が高くなり、いずれのRO膜モジュール50a〜50cに作用する有効圧力も十分に高い。そのため、RO膜モジュール50a〜50cのすべてを運転し、透過水W2を製造する。また、水位センサ8の検出水位値Wが第1中間水位M以上且つ第2中間水位M未満の場合には、加圧ポンプ2の駆動周波数が低くなり、各RO膜モジュール50a〜50cに作用する有効圧力が低くなる。そのため、RO膜モジュール50cでの水透過を止めてRO膜モジュール50a及び50bの有効圧力を高めつつ運転し、透過水W2を製造する。更に、水位センサ8の検出水位値Wが第2中間水位M以上の場合には、加圧ポンプ2の駆動周波数がより低くなり、各RO膜モジュール50a〜50cに作用する有効圧力が更に低くなる。そのため、RO膜モジュール50b及び50cでの水透過を止めてRO膜モジュール50aの有効圧力を高めつつ運転し、透過水W2を製造する。
上述した第2実施形態に係る水処理システム1Aによれば、例えば、以下のような効果が得られる。
第2実施形態に係る水処理システム1Aにおいて、制御部10Aは、水位センサ8の検出水位値Wが高くなるに従い、第1開閉弁14及び第2開閉弁15の開弁数が少なくなるように、第1開閉弁14及び第2開閉弁15の開閉を制御する。
そのため、水位センサ8の検出水位値Wが高くなるに従い、加圧ポンプ2の駆動周波数が低くなっても、RO膜モジュールの運転本数が少なくなるため、低い有効圧力でのRO膜モジュールの運転が回避される。従って、水位センサ8の検出水位値Wが高くなるに従い、透過水W2の水質が悪化することを抑制することができる。
(変形形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。ここでは、第1及び第2実施形態に共通する構成については第1実施形態の変形形態として説明し、第2実施形態に特有の構成についてのみ第2実施形態の変形形態として説明する。
例えば、第1実施形態では、処理水タンク7の水位として、目標水位値M及び警戒水位値Lを設定した例について説明した。これに限らず、処理水タンク7の水位として、目標水位値Mのみを設定してもよい。この場合、水位センサ8の検出水位値Wを用いて、常に水位フィードバック水量制御が行われることになる。
第1実施形態では、主な構成として、膜分離装置5と処理水タンク7を備えた水処理システム1について説明した。これに限らず、処理水タンク7の下流側に電気脱イオン装置(EDI装置)を設けた構成としてもよい。
電気脱イオン装置は、陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜で区画された脱塩室及び濃縮室を備える。脱塩室には、イオン交換体(樹脂や繊維)が充填されている。脱塩室及び濃縮室に透過水を供給すると、透過水に含まれる残留塩類(イオン)は、脱塩室のイオン交換体で捕捉され、透過水は精製された処理水(脱塩水)となる。また、脱塩室のイオン交換体に捕捉された残留塩類は、電気エネルギーにより濃縮室に移動する。そして、濃縮室から濃縮水として排出される。このように、電気脱イオン装置では、イオン交換体に捕捉されたイオンが濃縮室に移動するため、常に再生状態に保つことができる。
第1実施形態において、処理水タンク7の内部が窒素ガス等でシールされており、大気から処理水タンク7への炭酸ガスの溶解がない場合には、処理水タンク7の下流側に電気脱イオン装置を設けた構成とすることにより、高品質の処理水W4を製造することができる。
また、第1実施形態では、主な構成として、膜分離装置5と処理水タンク7を備えた水処理システム1について説明した。これに限らず、処理水タンク7の下流側に脱炭酸装置を設けると共に、更にその下流側に上述した電気脱イオン装置を設けた構成としてもよい。
脱炭酸装置は、膜分離装置5で製造された透過水W2に含まれる遊離炭酸(溶存炭酸ガス)を、気体分離膜モジュールにより脱気処理して、精製水としての脱気水を得る設備である。脱炭酸装置及び電気脱イオン装置で得られた精製水は、電気脱イオン装置の二次側に接続された通水ラインを介して需要箇所や二次精製装置に送出される。
第1実施形態において、処理水タンク7の内部に大気から炭酸ガスの溶解が起こり得る場合には、脱炭酸装置において脱気処理することにより、高品質の処理水W4を製造することができる。
第1実施形態では、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより加圧ポンプ2の駆動周波数を演算する例について説明したが、これに限らず、位置形デジタルPIDアルゴリズムにより加圧ポンプ2の駆動周波数を演算してもよい。
第1実施形態では、温度フィードフォワード回収率制御において、供給水ラインL1を流通する供給水W1の温度を検出温度値Tとする例について説明した。これに限らず、透過水ラインL2を流通する透過水W2の温度を検出温度値Tとしてもよい。また、濃縮水ラインL3を流通する濃縮水W3の温度を検出温度値Tとしてもよい。更に、複数のラインにおいて水の温度を検出し、その平均値を検出温度値Tとしてもよい。
第1実施形態において、濃縮水ラインL3を流通する濃縮水W3の一部を、供給水ラインL1において、加圧ポンプ2よりも上流側に還流させる濃縮水還流ラインを設けた構成としてもよい。濃縮水還流ラインを設けることにより、膜表面での流速を高めることができるため、ファウリングの発生を抑制することができる。
第1実施形態において、供給水W1は、地下水や水道水等の原水であってもよい。また、供給水W1は、原水を除鉄除マンガン装置、活性炭濾過装置、硬水軟化装置等により前処理された水であってもよい。
第1実施形態では、温度フィードフォワード回収率制御において、第1排水弁11〜第3排水弁13を選択的に開閉することにより、濃縮水W3の排水流量を段階的に調節する例について説明した。これに限らず、排水ラインを分岐せずに1本とし、このラインに比例制御バルブを設けた構成としてもよい。この場合は、制御部10(10A)から電流値信号(例えば、4〜20mA)を比例制御バルブに送信して弁開度を制御することにより、濃縮水W3の排水流量を調節することができる。
また、比例制御バルブを設けた構成において、排水ラインに流量センサを設けた構成としてもよい。流量センサで検出された流量値を、制御部10(10A)にフィードバック値として入力する。これにより、濃縮水W3の実際排水流量をより正確に制御することができる。
第2実施形態では、膜分離装置50として、3段のRO膜モジュール(第1RO膜モジュール50a、第2RO膜モジュール50b及び第3RO膜モジュール50c)を備えた構成について説明した。これに限らず、2段のRO膜モジュールを備えた構成としてもよいし、4段以上のRO膜モジュールを備えた構成としてもよい。
第2実施形態では、3段のRO膜モジュール(第1RO膜モジュール50a、第2RO膜モジュール50b及び第3RO膜モジュール50c)において、2本の接続ライン(透過水接続ラインL7及びL9)に開閉弁(第1開閉弁14及び第2開閉弁15)を設けた構成について説明した。これに限らず、3本の接続ラインのすべて(透過水接続ラインL5、L7及びL9)に開閉弁を設けた構成としてもよい。このように構成した場合には、検出水位値Wに応じた各RO膜モジュールの運転の優先順位を変更することが可能になるため、各RO膜モジュールにおける造水負荷を均一化することができる。
例えば、第2実施形態では、検出水位値Wに応じて各RO膜モジュールが「50a>50b>50c」の優先順位で運転されるように固定されているため、第1RO膜モジュール50aの造水負荷が最も高い。これに対して、3本の接続ラインのすべてに開閉弁を設けた構成の場合には、各RO膜モジュールを「50a>50b>50c」以外に「50b>50c>50a」や「50c>50a>50b」の優先順位でも運転が可能である。すなわち、n段のRO膜モジュールに対して第2実施形態のようにn−1個の開閉弁を設けるのではなく、n個の開閉弁を設ける構成では、優先順位をローテーションさせながら運転することができる。なお、優先順位をローテーションさせる際には、処理水タンク7への透過水W2の積算供給量や積算供給時間に基づいて、周期的に行うのが好ましい。
第2実施形態において、接続ラインに開閉弁を設ける代わりに、各段のRO膜モジュール(第1RO膜モジュール50a及び第2RO膜モジュール50b)に、一次側入口ポート及び一次側出口ポートをバイパスするバイパスライン、及びこのバイパスラインを開閉する開閉弁を設けた構成としてもよい。その場合、水位センサ8の検出水位値Wが高くなるに従い、上記開閉弁の開弁数が少なくなるように、上記開閉弁の開閉を制御する。このような構成とした場合でも、水位センサ8の検出水位値Wが高くなるに従い、透過水W2の水質が悪化することを抑制することができる。
1,1A 水処理システム
2 加圧ポンプ
3 インバータ
4 温度センサ
5 膜分離装置
5a RO膜モジュール(逆浸透膜モジュール)
7 処理水タンク(貯留タンク)
8 水位センサ(水位検出手段)
9 流量センサ
10,10A 制御部(流量制御部)
14 第1開閉弁(開閉弁)
15 第2開閉弁(開閉弁)
L1 供給水ライン
L2 透過水ライン
L3 濃縮水ライン
L4 配水ライン
L6,L8 濃縮水接続ライン
L5,L7,L9 透過水接続ライン(接続ライン)
W1 供給水
W2 透過水
W3 濃縮水
W4 処理水

Claims (2)

  1. 供給水を透過水と濃縮水とに分離する少なくとも一つの逆浸透膜モジュールを備えた膜分離装置と、
    前記膜分離装置から送出された透過水を貯留する貯留タンクと、
    前記貯留タンクの水位を検出する水位検出手段と、
    入力された駆動周波数に応じた回転速度で駆動され、供給水を吸入して前記膜分離装置に向けて吐出する加圧ポンプと、
    入力された演算値信号に対応する駆動周波数を前記加圧ポンプに出力するインバータと、
    前記水位検出手段の検出水位値が予め設定された目標水位値となるように、PIDアルゴリズムにより前記加圧ポンプの駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算値に対応する演算値信号を前記インバータに出力する流量制御部と、を備える水処理システムであって、
    前記膜分離装置においては、前段の前記逆浸透膜モジュールから送出された濃縮水が次段の前記逆浸透膜モジュールへの供給水となるようにn段の前記逆浸透膜モジュールの一次側が直列に接続されると共に、それぞれの前記逆浸透膜モジュールから送出された透過水が共通の透過水ラインを流通するようにn段の前記逆浸透膜モジュールの二次側が並列に接続されており、
    前記水処理システムは、
    それぞれの前記逆浸透膜モジュールと前記透過水ラインとを接続するn本の接続ラインと、
    少なくともn−1本の前記接続ラインのそれぞれに設けられ、当該接続ラインを開閉可能な開閉弁と、を備え、
    前記流量制御部は、前記水位検出手段の検出水位値が高くなるに従い、前記開閉弁の開弁数が少なくなるように、前記開閉弁の開閉を制御する水処理システム。
  2. 前記流量制御部は、前記水位検出手段の検出水位値が目標水位値よりも低い警戒水位値未満の場合には、前記加圧ポンプの駆動周波数を前記水位検出手段の検出水位値が前記警戒水位値以上の場合に出力される駆動周波数の範囲よりも高い規定駆動周波数に固定し、当該規定駆動周波数に対応する演算値信号を前記インバータに出力する、
    請求項1に記載の水処理システム。
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