JP2018034093A - 逆浸透膜処理システム及び逆浸透膜処理システムの運転方法 - Google Patents

逆浸透膜処理システム及び逆浸透膜処理システムの運転方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018034093A
JP2018034093A JP2016167830A JP2016167830A JP2018034093A JP 2018034093 A JP2018034093 A JP 2018034093A JP 2016167830 A JP2016167830 A JP 2016167830A JP 2016167830 A JP2016167830 A JP 2016167830A JP 2018034093 A JP2018034093 A JP 2018034093A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reverse osmosis
osmosis membrane
water
treated
concentrated water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016167830A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6737661B2 (ja
Inventor
清一 中村
Seiichi Nakamura
清一 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nomura Micro Science Co Ltd
Original Assignee
Nomura Micro Science Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nomura Micro Science Co Ltd filed Critical Nomura Micro Science Co Ltd
Priority to JP2016167830A priority Critical patent/JP6737661B2/ja
Priority to PCT/JP2017/030059 priority patent/WO2018043234A1/ja
Priority to KR1020197009128A priority patent/KR20190043588A/ko
Priority to CN201780053161.9A priority patent/CN109843416B/zh
Publication of JP2018034093A publication Critical patent/JP2018034093A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6737661B2 publication Critical patent/JP6737661B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D61/00Processes of separation using semi-permeable membranes, e.g. dialysis, osmosis or ultrafiltration; Apparatus, accessories or auxiliary operations specially adapted therefor
    • B01D61/02Reverse osmosis; Hyperfiltration ; Nanofiltration
    • B01D61/12Controlling or regulating
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D61/00Processes of separation using semi-permeable membranes, e.g. dialysis, osmosis or ultrafiltration; Apparatus, accessories or auxiliary operations specially adapted therefor
    • B01D61/02Reverse osmosis; Hyperfiltration ; Nanofiltration
    • B01D61/025Reverse osmosis; Hyperfiltration
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D61/00Processes of separation using semi-permeable membranes, e.g. dialysis, osmosis or ultrafiltration; Apparatus, accessories or auxiliary operations specially adapted therefor
    • B01D61/02Reverse osmosis; Hyperfiltration ; Nanofiltration
    • B01D61/10Accessories; Auxiliary operations
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D61/00Processes of separation using semi-permeable membranes, e.g. dialysis, osmosis or ultrafiltration; Apparatus, accessories or auxiliary operations specially adapted therefor
    • B01D61/58Multistep processes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D65/00Accessories or auxiliary operations, in general, for separation processes or apparatus using semi-permeable membranes
    • B01D65/02Membrane cleaning or sterilisation ; Membrane regeneration
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D65/00Accessories or auxiliary operations, in general, for separation processes or apparatus using semi-permeable membranes
    • B01D65/08Prevention of membrane fouling or of concentration polarisation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/44Treatment of water, waste water, or sewage by dialysis, osmosis or reverse osmosis
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/44Treatment of water, waste water, or sewage by dialysis, osmosis or reverse osmosis
    • C02F1/441Treatment of water, waste water, or sewage by dialysis, osmosis or reverse osmosis by reverse osmosis
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F5/00Softening water; Preventing scale; Adding scale preventatives or scale removers to water, e.g. adding sequestering agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F5/00Softening water; Preventing scale; Adding scale preventatives or scale removers to water, e.g. adding sequestering agents
    • C02F5/08Treatment of water with complexing chemicals or other solubilising agents for softening, scale prevention or scale removal, e.g. adding sequestering agents

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Water Supply & Treatment (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Hydrology & Water Resources (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

【課題】複数の逆浸透膜ユニットにより被処理水を並列処理する逆浸透膜処理において、水回収率を所定の範囲に自動で保ち、逆浸透膜処理システムの維持管理負荷を軽減するとともに、安定的な流量で処理水を得る逆浸透膜処理システム及び逆浸透膜処理システムの運転方法を提供する。
【解決手段】被処理水を並列処理する複数の逆浸透膜ユニット100、200、300と、各逆浸透膜ユニット100、200、300による水回収率が所定の範囲で維持されるように、各逆浸透膜ユニット100、200、300からの濃縮水の排水量を制御する濃縮水排水量制御装置とを備える。
【選択図】図1

Description

従来、医療用水や超純水の製造において、原水中のイオン成分やコロイド成分を除去するために、逆浸透膜装置が用いられている。逆浸透膜装置は、通常、中空糸状、スパイラル状、平板状、チューブ状等に形成した逆浸透膜を備える逆浸透膜モジュールが装填されたものである。
逆浸透膜装置は、長期間使用していると、被処理水中のスケール成分から、不溶性の無機塩などスケールが生成し、これが膜面に付着、堆積して詰まりを生じ、不純物の除去性能が低下してしまう。そのため、逆浸透膜装置の被処理水に、上記付着物の膜面への付着を抑制するスケール防止剤が添加される場合がある。
スケール防止剤の添加方法として、例えば、スケール防止剤に蛍光トレーサを配合して、蛍光トレーサの蛍光強度を測定して、蛍光強度の変化をスケール防止剤の濃度変化に関連付けることで、最適量のスケール防止剤を自動で添加する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、逆浸透膜装置においては、安定した水量で透過水を得、また、被処理水中のスケール成分からスケールの生成を起こさせないような濃縮濃度に制御するために、水回収率を所定の範囲で一定に保つのが一般的である。ところが、上記スケール生成によって膜面に付着物が付着した場合には、透過水又は濃縮水の流量の低下により、水回収率の低下又は上昇が起こる。
そのため、水回収率を所定の範囲で一定に保つ様々な方法が検討されている。このような方法として、例えば、ろ過装置を有する第一水処理部と、逆浸透膜装置を有する第二水処理部を有する水処理システムにおいて、第一水処理部の運転状態に基づいて、第二水処理部の逆浸透膜装置の濃縮水の排出量を調節する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2008−533438号公報 特許第4650740号公報
上記したように、一般に、逆浸透膜装置では、水回収率を調整することで、スケールが生成しないように濃度制御することや、スケール防止剤の適量注入によって、スケールの生成を抑制している。
ここで、処理水流量の極めて多い、大型の逆浸透膜処理システムは、複数の逆浸透膜ユニットによって被処理水を並列処理する構成である。各逆浸透膜ユニットは、多段の逆浸透膜バンクを備えて構成される。逆浸透膜バンクは、複数の逆浸透膜モジュールを多段で内装した逆浸透膜ベッセルを、並列に配置したものである。
このような大型の逆浸透膜処理システムにおいては、複数の逆浸透膜ユニットは、これらを同じ条件で運転していても、各逆浸透膜ユニットで水回収率が各々異なった変動を起こす。これは、逆浸透膜ユニットごとにスケール生成の度合いが異なり、逆浸透膜ユニットごとにモジュールの詰まり具合が異なったり、特定の逆浸透膜ユニットのみ新品の逆浸透膜モジュールが組み込まれていたりするためである。
また、大型の逆浸透膜処理システムにおいては、複数の逆浸透膜ユニットのうちのある1基について被処理水の処理を停止し、薬品クリーニング洗浄を行うとともに、他の逆浸透膜ユニットによって被処理水の処理を継続することが行われる。この場合にも、逆浸透膜処理システム全体としての水回収率の変動が生じる。このように、水回収率の変動が生じると、逆浸透膜処理システムにおける処理水流量の変動が起こる。
そのため、従来、大型の逆浸透膜処理システムでは、水回収率の変動を修正するために、例えば、各逆浸透膜ユニットでの水回収率が均等になるように手動で調整して、逆浸透膜処理システム全体の水回収率を維持することや、各ユニットの透過水流量が均等になるようにすること等が試みられていた。
さらに、スケール防止剤が使用される場合、複数ある逆浸透膜ユニットにおけるスケール生成度合いが各々異なる状況や、複数ある逆浸透膜ユニットのうち1基を停止して行う作業等によって、逆浸透膜処理システムに供給される被処理水の供給流量が変動して、スケール防止剤の濃度が変動してしまう。この際にも、逆浸透膜システムの被処理水に供給されるスケール防止剤の添加量が手動で調節されていた。
これらのことから、特に、処理水流量の極めて多い大型の逆浸透膜処理システムでは、被処理水へのスケール防止剤の供給濃度や水回収率の調整のためのバルブの開閉操作や開度調節操作などの作業負荷が極めて高いという問題があった。
さらに、上記バルブの開閉操作を行った場合にも、各逆浸透膜ユニットにおけるバルブの開度を変化させると、これが別の逆浸透膜ユニットの透過水流量を変化させて、当該逆浸透膜ユニットの水回収率が変化してしまう。したがって、例えば、逆浸透膜ユニットのバルブを手動で操作することで、複数の逆浸透膜ユニットの水回収率を均等になるように調整することは困難であり、いずれも場合でも、設定値に正確に調整することはできなかった。
また、ある逆浸透膜ユニットにおいて水回収率の変動が起こった状況で、逆浸透膜処理システム全体としての処理水流量を維持しようとすると、新品の逆浸透膜モジュールが組み込まれた逆浸透膜ユニットなど、詰まりの少ない特定の逆浸透膜ユニットに被処理水が流れやすく、複数の逆浸透膜ユニットで水回収率をそれぞれ均等に得ることが困難であるという問題もあった。
詰まりの少ない特定の逆浸透膜ユニットに被処理水が多く供給されると、当該逆浸透膜ユニットにおける透過水流量が増加してしまい、当該逆浸透膜ユニットの水回収率が大きくなってしまう。その結果、当該逆浸透膜ユニットに組み込まれた逆浸透膜モジュールの劣化が早まり、結果的に逆浸透膜処理システム全体のライフが低下してしまうことも分かってきた。逆浸透膜処理システム全体のライフが低下することで、逆浸透膜処理システム設計時の想定以上に、逆浸透膜の洗浄頻度が増加し、さらに、逆浸透膜モジュールの交換頻度が増加してしまう。
さらには、逆浸透膜のスケール生成による詰まりは、処理水流量の増加に伴って急激に進行し、スケール防止剤の効果が急激に減少していくため、スケール防止剤の供給量の調整が極めて困難となるという問題もあった。
これらの知見から、長期間にわたって処理水を安定的な流量で得るためには、水回収率を正確に調整することが重要であることが明らかとなった。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであって、複数の逆浸透膜ユニットにより被処理水を並列処理する逆浸透膜処理において、水回収率を所定の範囲に自動で保ち、逆浸透膜処理システムの維持管理負荷を軽減するとともに、安定的な流量で処理水を得ることのできる、逆浸透膜処理システム及び逆浸透膜処理システムの運転方法を提供することを目的とする。
本発明の逆浸透膜処理システムは、被処理水を並列処理する複数の逆浸透膜ユニットと、各逆浸透膜ユニットによる水回収率が所定の範囲で維持されるように、各逆浸透膜ユニットからの濃縮水の排水量を制御する濃縮水排水量制御装置とを備えることを特徴とする。
本発明の逆浸透膜処理システムでは、濃縮水排水量制御装置によって、個々の逆浸透膜ユニットで、水回収率を所定の範囲に自動で維持することができる。そのため、特定の逆浸透膜ユニットのみで透過水流量が増大することがなく、当該逆浸透膜ユニットのライフが急激に短縮されることもなくなる。そのため、逆浸透膜処理システム全体のライフを長期化することができる。また、水回収率を自動で制御するため、バルブの操作などの作業負荷が軽減される。
本発明の逆浸透膜処理システムは、前記複数の逆浸透膜ユニットの上流側で被処理水へスケール防止剤を供給するスケール防止剤供給装置と、前記複数の逆浸透膜ユニットに供給される前記被処理水中のスケール防止剤濃度を検出するスケール防止剤濃度検出装置と、前記スケール防止剤濃度検出装置の出力により前記スケール防止剤供給装置から前記被処理水へのスケール防止剤の供給量を制御するスケール防止剤供給量制御装置とをさらに備えることが好ましい。
本発明の逆浸透膜処理システムにおいて、前記複数の逆浸透膜ユニットの各逆浸透膜ユニットは、前記各逆浸透膜ユニットに被処理水を供給する被処理水供給管と、前記各逆浸透膜ユニットを透過した透過水を流出させる透過水流出管と、前記各逆浸透膜ユニットの濃縮水を流出させる濃縮水流出管とを備え、前記濃縮水排水量制御装置は、前記濃縮水流出管に介装された濃縮水流量調節バルブと、前記透過水流出管内の前記透過水の流量を測定する透過水流量測定装置と、前記濃縮水流出管内の前記濃縮水の流量を測定する濃縮水流量測定装置と、前記透過水流量測定装置による測定値と前記濃縮水流量測定装置による測定値に基づいて、前記各逆浸透膜ユニットにおける水回収率を算出する演算部と、前記演算部により算出される水回収率が所定の略一定の値に保たれるように、前記濃縮水流量調節バルブを制御する制御装置とを備えることが好ましい。
本発明の逆浸透膜処理システムにおいて、前記複数の逆浸透膜ユニットは、多段の逆浸透膜バンクを備えており、前記多段の逆浸透膜バンクにおいて、前段側の逆浸透膜バンクの濃縮水が、後段側の逆浸透膜バンクの供給側に各々供給され、前記濃縮水排水量制御装置は、前記多段の逆浸透膜バンクにおける最終段の逆浸透膜バンクからの濃縮水の排水量を制御することが好ましい。
本発明の逆浸透膜処理システムにおいて、前記被処理水は、硬度成分及びシリカから選ばれる1種以上を含むことが好ましい。また、前記被処理水のpHは、3.5〜11であることが好ましい。
本発明の逆浸透膜処理システムにおける水回収率は、50%〜90%であることが好ましい。
本発明の逆浸透膜処理システムの運転方法は、被処理水を並列処理するように配置された複数の逆浸透膜ユニットを備える逆浸透膜処理システムの運転方法であって、前記複数の逆浸透膜ユニットのうち各逆浸透膜ユニットからの濃縮水の排水量を制御する濃縮水排水量制御装置を設けて、前記各逆浸透膜ユニットの濃縮水の排水量をそれぞれ運転状態に応じて自動で制御するとともに、前記複数の逆浸透膜ユニットの上流側で被処理水へスケール防止剤を供給するスケール防止剤供給装置と、前記複数の逆浸透膜ユニットに供給される前記被処理水のスケール防止剤濃度を検出するスケール防止剤濃度検出装置と、前記スケール防止剤濃度検出装置の出力により前記スケール防止剤供給装置から前記被処理水へのスケール防止剤の供給量を制御する制御装置とを設け、前記複数の逆浸透膜ユニットのうち、少なくとも1つの逆浸透膜ユニットにおいて被処理水の供給流量の変動があっても、前記複数の逆浸透膜ユニットに供給されるスケール防止剤供給濃度を所定の範囲に維持させることを特徴とする。
本発明の逆浸透膜処理システム及び逆浸透膜処理システムの運転方法によれば、複数の逆浸透膜ユニットにより被処理水を並列処理する逆浸透膜処理において、水回収率を所定の範囲に自動で保ち、逆浸透膜処理システムの維持管理負荷を軽減するとともに、安定的な流量で処理水を得ることができる。
実施形態の逆浸透膜処理システムを概略的に表わす図である。 逆浸透膜処理システムに用いられる逆浸透膜ユニットの一例を概略的に表わす図である。 逆浸透膜ユニットの他の一例を概略的に表わす図である。
以下、図面を参照して、実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1に示すように、第1の実施形態に係る逆浸透膜処理システム1は、被処理水を並列処理する3基の逆浸透膜ユニット100、200、300を有している。逆浸透膜ユニット100、200、300は例えば、それぞれ、被処理水を直列処理する逆浸透膜バンクを多段で備えて構成される。逆浸透膜バンクは、複数の逆浸透膜モジュールを多段で内装した逆浸透膜ベッセルを、並列に配置したものである。
逆浸透膜ユニット100には、逆浸透膜ユニット100に被処理水を供給する被処理水供給管121と、逆浸透膜ユニットから濃縮水を排出する濃縮水流出管171と、逆浸透膜ユニット100から透過水を排出する透過水流出管161が接続されている。被処理水供給管121には、逆浸透膜ユニット100に流入する被処理水の流量を調節する被処理水流量調節バルブV11が介装されている。濃縮水流出管171には、濃縮水流出管171から排出される濃縮水の流量を調節する濃縮水流量調節バルブV21が介装されている。逆浸透膜ユニット100は、逆浸透膜ユニット100における水回収率が所定の範囲で一定となるように、逆浸透膜ユニット100の濃縮水の排出流量を制御する濃縮水排出量制御装置を備えている。
逆浸透膜ユニット100において、濃縮水排出量制御装置は、透過水流出管161内の透過水の流量を測定する透過水流量測定装置181と、濃縮水流出管171内の濃縮水の流量を測定する濃縮水流量測定装置191と、透過水流量測定装置181で測定された透過水の流量及び濃縮水流量測定装置191で測定された濃縮水の流量に基づいて、逆浸透膜ユニット100の水回収率を算出する演算部301を備えている。
逆浸透膜ユニット200、300は、逆浸透膜ユニット100と同様の構成である。逆浸透膜ユニット200、300には、それぞれ、被処理水供給管122、123、透過水流出管162、163、濃縮水流出管172、173が接続されている。被処理水供給管122、123には、それぞれ、被処理水流量調節バルブV12、V13が介装されている。濃縮水流出管172、173には、それぞれ、濃縮水流量調節バルブV22、V23が介装されている。また、逆浸透膜ユニット200、300は、それぞれ、透過水流量測定装置182、183、濃縮水流量測定装置192、193、演算部302、303を備えた濃縮水排出量制御装置を有している。
また、逆浸透膜処理システム1は、被処理水を供給する被処理水供給管12と、被処理水にスケール防止剤を供給するスケール防止剤供給装置13と、逆浸透膜処理システム1に供給される被処理水中のスケール防止剤の濃度を測定するスケール防止剤濃度検出装置14とを備えている。被処理水供給管12には、ポンプ15が介装されており、ポンプ15によって、スケール防止剤の供給された被処理水が、逆浸透膜ユニット100、200、300に供給される。
被処理水供給管12は、被処理水供給管121、122、123に接続されて、ポンプ15により加圧された被処理水を各逆浸透膜ユニット100、200、300に並列に供給する。
また、逆浸透膜処理システム1は、制御装置40を備えている。制御装置40は、濃縮水流量調節バルブV21〜23をそれぞれ制御して、濃縮水流出管171〜173を通流する濃縮水の流量をそれぞれ調節する。また、制御装置40は、スケール防止剤供給装置13を制御して、スケール防止剤供給装置13により供給されるスケール防止剤の濃度を調節することができる。
次に、逆浸透膜ユニット100によって、被処理水を逆浸透膜処理する方法について説明する。ポンプ15を作動させると、被処理水が、被処理水供給管12を介して、逆浸透膜ユニット100に供給される。ポンプ15の吐出圧は、逆浸透膜処理システム1に備えられる逆浸透膜ユニットの数、各逆浸透膜ユニットにおける逆浸透膜バンクの段数、逆浸透膜ベッセルの数等にもよるが、処理水流量が50〜5000m/hである逆浸透膜処理システムにおいては、例えば、0.5〜3.0MPa程度である。
被処理水は、例えば、市水、井水、工業用水等の原水である。また、被処理水は、超純水の使用場所で使用され、回収され、その後必要に応じて薬品除去処理等の施された使用済み回収水であってもよい。例えば、原水には、不溶性の無機塩を形成してスケール成分を生成し得るイオンとして、カルシウム、マグネシウム等の硬度成分及び溶存炭酸ガスが、炭酸カルシウム換算の合計で10mg/L〜300mg/L含まれている。また、原水には、シリカ(Si)が1mg/L〜50mg/L程度含まれている。原水のpHは3.5〜11程度である。
ポンプ15の上流側で、スケール防止剤供給装置13によって、被処理水にスケール防止剤が供給される。また、スケール防止剤濃度検出装置14によって、スケール防止剤の供給された被処理水中のスケール防止剤の濃度が測定される。スケール防止剤濃度検出装置14による測定値は、制御装置40に入力される。
スケール防止剤供給装置13は、例えば、スケール防止剤を貯留するタンクと、当該タンク内のスケール防止剤を所定量で計量して、被処理水供給管12内に供給する定量ポンプからなる。スケール防止剤は、シリカスケール、カルシウムスケール、マグネシウムスケールなどの生成や、生成したスケールの逆浸透膜面への付着を化学的に抑制するものであり、無機ポリリン酸類、ホスホン酸類、カルボキシル基含有コポリマー等を主成分とするものである。
スケール防止剤の供給された被処理水は、逆浸透膜ユニット100〜300に供給され、ここで逆浸透膜処理されて、塩類が除去される。逆浸透膜ユニット100〜300で除去される塩類は、塩化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、フッ化物イオン、イオン化した重炭酸イオン等のアニオン成分や、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等のカチオン成分、及びシリカ、ボロン等の弱電解質等である。また、上記逆浸透膜処理においては、被処理水中の有機物も除去される。
このとき、1基の逆浸透膜処理ユニット100の水回収率は、例えば、導電率が50μS/cm以上の透過水を得る場合、50%〜90%に設定される。逆浸透膜ユニット100の水回収率は、{透過水流出管161の透過水流量/(透過水流出管161の透過水流量+濃縮水流出管171の濃縮水流量)}×100(%)で算出される。
また、逆浸透膜ユニット100における塩類除去率は、水温25℃、上記被処理水の供給圧における除去率として、90%〜99.9%である。
逆浸透膜ユニット100により得られた透過水は、透過水流出管161から流出する。この過程で、透過水流量測定装置181により、透過水流出管161を通流する透過水の流量が測定される。また、上記逆浸透膜処理により生じる濃縮水は、濃縮水流出管171から流出する。この過程で、濃縮水流量測定装置191により、濃縮水流出管171を通流する濃縮の流量が測定される。透過水流量測定装置181による透過水流量及び濃縮水流量測定装置191による濃縮水流量の測定値は、それぞれ演算部301に入力される。
透過水流量測定装置181及び濃縮水流量測定装置191としては、例えば、オリフィス流量計、面積流量計、超音波流量計の流量計等によって流量を測定し、アナログ式又はデジタル式で測定値を出力可能な出力付き流量指示計を使用することができる。
演算部301は、上記透過水流量及び濃縮水流量の測定値に基づいて、逆浸透膜ユニット100の水回収率を算出し、その値を制御装置40に入力する。制御装置40は、演算部301による入力値に基づいて、濃縮水流量調節バルブV21の開度を、例えば、PID制御する。これにより、濃縮水流出管171から流出する濃縮水の流量を調節する。濃縮水流量調節バルブV21は、開度の調節可能な弁であり、空気式、電気式などにより弁体を駆動するアクチュエータ開閉弁である。
例えば、逆浸透膜ユニット100において、逆浸透膜面へのスケール生成等が生じ、透過水流量が減少した場合、透過水流量測定装置181による透過水流量の測定値が小さくなる。そのため、演算部301が算出する水回収率の値が小さくなる。
水回収率の入力値が小さくなると、制御装置40が、濃縮水流出管171から流出する濃縮水の流量を減少させるように、濃縮水流量調節バルブV21を制御する。これにより濃縮水流量調節バルブV21の開度が絞られる。これにより、透過水流量が増加する。その結果、透過水流量測定装置181による透過水流量の測定値が増加し、濃縮水流量測定装置191による濃縮水流量が減少して、演算部301が算出する水回収率の値が大きくなる。このようにして、制御装置40は、逆浸透膜ユニット100の水回収率が所定の範囲で略一定の値になるように、濃縮水流量調節バルブV21の開度を調整する。
また、逆浸透膜ユニット100において、濃縮水流量が減少した場合、濃縮水流量測定装置191による濃縮水流量の測定値が小さくなる。そのため、演算部301が算出する水回収率の値が大きくなる。
水回収率の入力値が大きくなると、制御装置40が、濃縮水流出管171から流出する濃縮水の流量を増加させるように、濃縮水流量調節バルブV21を制御する。これにより濃縮水流量調節バルブV21の開度が大きくされる。これにより、濃縮水流量が増加する。その結果、濃縮水流量測定装置191による濃縮水流量の測定値が増加し、透過水流量測定装置181による透過水流量が減少して、演算部301が算出する水回収率の値が小さくなる。このようにして、制御装置40は、逆浸透膜ユニット100の水回収率が所定の範囲で略一定の値になるように、濃縮水流量調節バルブV21の開度を調整する。
各逆浸透膜ユニットの水回収率は、制御装置40において、複数の逆浸透膜ユニットにそれぞれ同じ水回収率をあらかじめ設定してもよいし、使用される逆浸透膜の詰まり度合いとライフの関係を予め計測しておき、この予測を考慮して、水回収率の最適値を個々の逆浸透膜ユニットに設定してもよい。後者の場合、逆浸透膜の詰まり具合は、例えば、逆浸透膜の膜間差圧/フラックスで評価することができる(膜間差圧は当該逆浸透膜への被処理水の供給圧と濃縮水の流出圧の相加平均を透過水圧で除した値であり、フラックスは、当該逆浸透膜における透過水流量を逆浸透膜面積で除した値である。)。
また、逆浸透膜ユニット100において、スケール生成により透過水流量及び濃縮水流量が変動したときには、逆浸透膜処理システム1における被処理水の供給流量も変動する。そのため、ポンプ15の吐出流量を変化させずに、所定の量でスケール防止剤が供給され続けると、被処理水中のスケール防止剤の濃度が変動してしまう。
この場合には、制御装置40は、スケール防止剤濃度検出装置14により測定されたスケール防止剤の濃度に基づいて、スケール防止剤供給装置13を制御する。これにより、スケール防止剤の供給量を自動的に変更させる。これにより、被処理水中のスケール防止剤の濃度が所定の最適濃度で維持される。また、制御装置40は、上記透過水流量の測定値及び濃縮水流量の測定値に基づいて、ポンプ15の吐出圧力又は吐出流量を制御してもよい。このようにすれば、被処理水中のスケール防止剤の濃度が所定の最適濃度でより安定的に維持することができる。
そして、被処理水中のスケール防止剤の濃度が所定の範囲の最適量に維持されるため、逆浸透膜ユニット100におけるスケール抑制効果を安定的に得ることができる。
このように、透過水流出管161における透過水流量及び濃縮水流出管171における濃縮水流量から算出される水回収率に基づいて、濃縮水流量調節バルブV21の開度を自動制御し、濃縮水流出管171から流出する濃縮水の流量を調節することで、逆浸透膜ユニット100における水回収率を所定の略一定の値に保つことができる。また、逆浸透膜ユニット200、300についても上記逆浸透膜ユニット100で行われるのと同様に、それぞれ水回収率の調節が行われる。そのため、逆浸透膜処理システム1における水回収率を安定に保つことができる。その結果、各逆浸透膜ユニットにおける水回収率が、外因などにより変動した場合にも、逆浸透膜処理システム1全体の水回収率を維持するためのバルブの操作などの作業負荷が軽減される。
そして、本実施形態の逆浸透膜処理システムでは、複数の逆浸透膜ユニットにおいて、各逆浸透膜ユニットでそれぞれ水回収率が自動で調整されるため、逆浸透膜処理システムにおける洗浄サイクルを長期化することができるほか、逆浸透膜モジュールのライフを長く保つことができる。さらに、本実施形態の逆浸透膜処理システムでは、操作の簡易な流量計を用いて運転の管理を行っているため、運転管理のために、新たに、センサー、分析器等の設置をする必要がない。そのため、運転コストが低減されるとともに、故障や不具合の問題が少ないという利点がある。
また、被処理水供給管12における被処理水中のスケール防止剤の濃度に基づいて、スケール防止剤の供給量を自動制御する。このため、被処理水流量の変動が生じた場合にも、手動でのスケール防止剤の供給量の設定変更を行わずに、被処理水中のスケール防止剤の濃度を最適量に維持することができる。そのため、水回収率を維持するための作業負荷が著しく低減される。さらに、自動制御によって、各逆浸透膜ベッセルでの良好なスケール生成抑制効果が得られるため、逆浸透膜処理システム1におけるスケールの生成の抑制を自動で行うことができる。
なお、上記の実施形態では、逆浸透膜処理システム1が3基の逆浸透膜ユニットを有する場合について説明したが、これは一例であり、逆浸透膜処理システム1に備えられる逆浸透膜ユニットの数は、2以上であればよい。
図2は、逆浸透膜ユニット100の構成の一例を概略的に示す図である。逆浸透膜処理ユニット100は、被処理水を並列処理する第1逆浸透膜ベッセル10及び第2逆浸透膜ベッセル11を備えている。
第1の逆浸透膜ベッセル10及び第2の逆浸透膜ベッセル11にはそれぞれ、被処理水を供給する被処理水管10a、11aと、透過水を流出させる透過水管10b、11bと、濃縮水を流出させる濃縮水管10c、11cとが接続されている。被処理水管10a、11aは、被処理水供給管12に分岐して設けられている。また、透過水管10b、11bは、透過水流出管161に接続され、濃縮水管10c、11cは、濃縮水流出管171に接続されている。
第1の逆浸透膜ベッセル10及び第2の逆浸透膜ベッセル11には、それぞれ複数の逆浸透膜モジュールm1、m2、m3が多段で内装されている。逆浸透膜モジュールm1、m2、m3は、例えば、モジュール内に、逆浸透膜と、逆浸透膜に被処理水を通水するための流路材とを収容して構成される。逆浸透膜モジュールm1、m2、m3において、逆浸透膜は、中空糸状、スパイラル状、平板状、チューブ状等に形成される。本実施形態の逆浸透膜モジュールm1、m2、m3においては、逆浸透膜は、耐圧性を高くして処理効率を向上させる点から、スパイラル状の逆浸透膜であることが好ましい。各逆浸透膜ベッセル10、20に備えられる逆浸透膜モジュールm1、m2、m3の構成はそれぞれ同じであってもよく異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
なお、図2に示す逆浸透膜ユニット100は、2基の逆浸透膜ベッセルを備えているが、逆浸透膜ユニット100に備えられる逆浸透膜ベッセルの数はこれに限定されない。逆浸透膜ユニット100の有する逆浸透膜ベッセルは2基以上の任意の数であってよい。
また、逆浸透膜ユニット100において、並列に配置された2基の逆浸透膜ベッセルにより逆浸透膜バンクが構成されている。逆浸透膜ユニット100は、この逆浸透膜バンクを1段のみで有しているが、上記逆浸透膜バンクを直列に接続した多段で構成されていてもよい。
図3は、逆浸透膜バンクを2段で有する逆浸透膜ユニット101の構成を概略的に示す図である。逆浸透膜ユニット101において、図2に示す逆浸透膜ユニット100と共通する構成には同一の符号を付して共通する説明を省略する。
逆浸透膜ユニット101において、並列に接続された逆浸透膜ベッセル50、51が前段側の逆浸透膜バンクを構成し、並列に接続された逆浸透膜ベッセル60、61が後段側の逆浸透膜バンクを構成している。逆浸透膜ユニット101においては、前段側の逆浸透膜バンクに設けられた逆浸透膜ベッセルの濃縮水管50c、51cが、被処理水供給管60dに接続され、被処理水供給管60dが、後段側の逆浸透膜バンクの被処理水管60a、61aと接続される。
逆浸透膜ユニット101において、下流側の逆浸透膜バンクに備えられる逆浸透膜ベッセルの濃縮水管60c、61cに、濃縮水流出管171が接続される。また、各段に設けられた逆浸透膜ベッセルの透過水管50b、51b、60b、61bが透過水流出管161に接続される。透過水流量測定装置181は透過水流出管161の下流側に、濃縮水流量測定装置191は、濃縮水流出管171の下流側に、それぞれ設けられる。
なお、逆浸透膜ユニットが、3段以上の逆浸透膜バンクを備える場合にも、上記逆浸透膜ユニット101と同様に、それぞれ、前段側の逆浸透膜バンクの濃縮水管が、後段側の逆浸透膜バンクの供給側に接続される。もっとも下流側(最終段)の逆浸透膜バンクの濃縮水管に、濃縮水流出管171が接続される。各段に配置された逆浸透膜ベッセルの透過水管が透過水流出管161に接続される。透過水流量測定装置181は透過水流出管161の、最終段の逆浸透膜バンクの下流側に、濃縮水流量測定装置191は、濃縮水流出管171の、最終段の逆浸透膜バンクの下流側に、それぞれ設けられる。
これにより、2段以上の多段の逆浸透膜バンクを有する逆浸透膜ユニットでは、各前段側の逆浸透膜バンクの濃縮水が、その後段側の逆浸透膜バンクで処理される。もっとも下流側(最終段)の逆浸透膜バンクの濃縮水は、濃縮水流出管171を介して流出する。また、各逆浸透膜ベッセルの透過水は、透過水流出管161を介して集水され、流出する。
そして、逆浸透膜ユニットが多段の逆浸透膜バンクを有する場合、透過水流量測定装置181により測定された透過水流量と、濃縮水流量測定装置191により測定された濃縮水流量に基づいて、演算部301が、水回収率を算出し、算出された水回収率の値に基づいて、制御装置40が、濃縮水流出管171に介装された濃縮水流量調節バルブV21の開度を制御して、濃縮水流出管171から流出される濃縮水の流量を調節する。
上記多段の逆浸透膜バンクを有する逆浸透膜ユニットにおいても、1段又は2段の逆浸透膜バンクを有する逆浸透膜ユニットと同様に、透過水流出管161における透過水流量及び濃縮水流出管171における濃縮水流量から算出される水回収率に基づいて、濃縮水流量調節バルブV21の開度を自動制御し、濃縮水流出管171から流出する濃縮水の流量を調節することで、各逆浸透膜ユニットにおける水回収率が自動で調整される。これにより、逆浸透膜処理システム全体の水回収率が所定の範囲で維持される。そのため、例えば、逆浸透膜システムに備えられる、ある1基の逆浸透膜ユニットにおいて、外因などによって水回収率が変動した場合にも、逆浸透膜処理システムにおける水回収率が維持されるので、このためのバルブの操作などの作業負荷が軽減される。
そして、本実施形態の逆浸透膜処理システムでは、複数の逆浸透膜ユニットにおいて、各逆浸透膜ユニットでそれぞれ水回収率が自動で調整されるため、逆浸透膜処理システムにおける洗浄サイクルを長期化することができるほか、逆浸透膜モジュールのライフを長く保つことができる。さらに、操作の簡易な流量計を用いて運転の管理を行っているため、運転管理のために、新たに、センサー、分析器等の設置をする必要がない。そのため、運転コストを低減できるとともに、故障や不具合の問題が少ないという利点がある。
また、被処理水供給管における被処理水中のスケール防止剤の濃度に基づいて、スケール防止剤の供給量を自動制御する。このため、被処理水流量の変動が生じた場合にも、手動でのスケール防止剤の供給量の設定変更を行わずに、被処理水中のスケール防止剤の濃度を最適量に維持することができる。そのため、作業負荷が著しく低減される。
上記本発明の効果は、例えば、逆浸透膜処理システムが、塩類濃度の比較的高い被処理水を処理する、いわゆる前段逆浸透膜装置であり、処理水流量の極めて多い大型のシステムである場合に、より多大な効果が得られる。これは、塩類濃度の比較的高い被処理水を逆浸透膜処理すると、不溶性の無機塩などが膜面に付着し易く、これによりスケールが生成して、複数の逆浸透膜ユニットにおける処理水流量及び水回収率がそれぞれ独立に変動し易いためである。このような場合にも、上記で説明した実施形態の逆浸透膜処理システムでは、スケール生成の抑制のためのスケール防止剤の供給濃度と、水回収率を自動で安定的に維持することができる。
以上、上記で説明した逆浸透膜処理システム及び逆浸透膜処理システムの運転方法によれば、複数の逆浸透膜ユニットにより被処理水を並列処理する逆浸透膜処理において、スケール防止剤の供給濃度と水回収率を、所定の一定の範囲に自動で保つことができる。
1…逆浸透膜処理システム、10,11,50,51,60,61…逆浸透膜ベッセル、10a,11a,50a,51a,60a,61a…被処理水管、10b,11b,50b,51b,60b,61b…透過水管、10c,11c,50c,51c,60c,61c…濃縮水管、12,60d…被処理水供給管、13…スケール防止剤供給装置、14…スケール防止剤濃度検出装置、15…ポンプ、161,162,163…透過水流出管、171,172,173…濃縮水流出管、181,182,183…透過水流量測定装置、191,192,193…濃縮水流量測定装置、301,302,303…演算部、40…制御装置、100,200,300…逆浸透膜ユニット、V11〜13…被処理水供給流量調節バルブ、V21〜23…濃縮水流量調節バルブ、m1〜m3…逆浸透膜モジュール。

Claims (8)

  1. 被処理水を並列処理する複数の逆浸透膜ユニットと、
    各逆浸透膜ユニットによる水回収率が所定の範囲で維持されるように、前記各逆浸透膜ユニットからの濃縮水の排水量を制御する濃縮水排水量制御装置と
    を備えることを特徴とする逆浸透膜処理システム。
  2. 前記複数の逆浸透膜ユニットの上流側で被処理水へスケール防止剤を供給するスケール防止剤供給装置と、
    前記複数の逆浸透膜ユニットに供給される前記被処理水中のスケール防止剤濃度を検出するスケール防止剤濃度検出装置と、
    前記スケール防止剤濃度検出装置の出力により前記スケール防止剤供給装置から前記被処理水へのスケール防止剤の供給量を制御するスケール防止剤供給量制御装置と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の逆浸透膜処理システム。
  3. 前記複数の逆浸透膜ユニットの各逆浸透膜ユニットは、前記各逆浸透膜ユニットに被処理水を供給する被処理水供給管と、前記各逆浸透膜ユニットを透過した透過水を流出させる透過水流出管と、前記各逆浸透膜ユニットの濃縮水を流出させる濃縮水流出管とを備え、
    前記濃縮水排水量制御装置は、
    前記濃縮水流出管に介装された濃縮水流量調節バルブと、
    前記透過水流出管内の前記透過水の流量を測定する透過水流量測定装置と、
    前記濃縮水流出管内の前記濃縮水の流量を測定する濃縮水流量測定装置と、
    前記透過水流量測定装置による測定値と前記濃縮水流量測定装置による測定値に基づいて、前記各逆浸透膜ユニットにおける水回収率を算出する演算部と、
    前記演算部により算出される水回収率が所定の略一定の値に保たれるように、前記濃縮水流量調節バルブを制御する制御装置と
    を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の逆浸透膜処理システム。
  4. 前記複数の逆浸透膜ユニットは、多段の逆浸透膜バンクを備えており、
    前記多段の逆浸透膜バンクにおいて、前段側の逆浸透膜バンクの濃縮水が、後段側の逆浸透膜バンクの供給側に各々供給され、
    前記濃縮水排水量制御装置は、前記多段の逆浸透膜バンクにおける最終段の逆浸透膜バンクからの濃縮水の排水量を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の逆浸透膜処理システム。
  5. 前記被処理水は、硬度成分及びシリカから選ばれる1種以上を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の逆浸透膜処理システム。
  6. 前記被処理水のpHは、3.5〜11であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の逆浸透膜処理システム。
  7. 前記逆浸透膜処理システムにおける水回収率は、50%〜90%であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の逆浸透膜処理システム。
  8. 被処理水を並列処理するように配置された複数の逆浸透膜ユニットを備える逆浸透膜処理システムの運転方法であって、
    前記複数の逆浸透膜ユニットのうち各逆浸透膜ユニットからの濃縮水の排水量を制御する濃縮水排水量制御装置を設けて、前記各逆浸透膜ユニットの濃縮水の排水量をそれぞれ運転状態に応じて自動で制御するとともに、前記複数の逆浸透膜ユニットの上流側で被処理水へスケール防止剤を供給するスケール防止剤供給装置と、前記複数の逆浸透膜ユニットに供給される前記被処理水のスケール防止剤濃度を検出するスケール防止剤濃度検出装置と、前記スケール防止剤濃度検出装置の出力により前記スケール防止剤供給装置から前記被処理水へのスケール防止剤の供給量を制御する制御装置とを設け、前記複数の逆浸透膜ユニットのうち、少なくとも1つの逆浸透膜ユニットにおいて被処理水の供給流量の変動があっても、前記複数の逆浸透膜ユニットに供給されるスケール防止剤供給濃度を所定の範囲に維持させることを特徴とする逆浸透膜処理システムの運転方法。
JP2016167830A 2016-08-30 2016-08-30 逆浸透膜処理システム及び逆浸透膜処理システムの運転方法 Active JP6737661B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016167830A JP6737661B2 (ja) 2016-08-30 2016-08-30 逆浸透膜処理システム及び逆浸透膜処理システムの運転方法
PCT/JP2017/030059 WO2018043234A1 (ja) 2016-08-30 2017-08-23 逆浸透膜処理システム及び逆浸透膜処理システムの運転方法
KR1020197009128A KR20190043588A (ko) 2016-08-30 2017-08-23 역침투막 처리 시스템 및 역침투막 처리 시스템의 운전 방법
CN201780053161.9A CN109843416B (zh) 2016-08-30 2017-08-23 反渗透膜处理系统及反渗透膜处理系统的运行方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016167830A JP6737661B2 (ja) 2016-08-30 2016-08-30 逆浸透膜処理システム及び逆浸透膜処理システムの運転方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018034093A true JP2018034093A (ja) 2018-03-08
JP6737661B2 JP6737661B2 (ja) 2020-08-12

Family

ID=61301100

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016167830A Active JP6737661B2 (ja) 2016-08-30 2016-08-30 逆浸透膜処理システム及び逆浸透膜処理システムの運転方法

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP6737661B2 (ja)
KR (1) KR20190043588A (ja)
CN (1) CN109843416B (ja)
WO (1) WO2018043234A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7239428B2 (ja) * 2019-09-04 2023-03-14 オルガノ株式会社 水処理システム及び水処理方法
JP7044848B1 (ja) * 2020-10-14 2022-03-30 野村マイクロ・サイエンス株式会社 液処理装置、純水製造システム及び液処理方法
KR102419863B1 (ko) * 2020-11-30 2022-07-11 장필수 샤워기용 기능성 성분 공급모듈
KR102282983B1 (ko) * 2021-01-13 2021-07-28 주식회사 엑세스워터 병렬구조 멤브레인의 회분식 및 연속식 운전의 최적화를 통한 고회수율 역삼투 재이용 시스템, 및 제어방법
JP2022135710A (ja) * 2021-03-05 2022-09-15 オルガノ株式会社 水処理方法および水処理装置
KR102631339B1 (ko) 2023-07-19 2024-01-31 주식회사 엑세스워터 농축수 희석 공급구조를 갖는 농축수 순환 공급형 산업용정수시스템
KR102628923B1 (ko) 2023-07-19 2024-01-24 주식회사 엑세스워터 개량된 농축수 순환 공급구조를 갖는 고회수율의 역삼투멤브레인형 산업용 정수시스템

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000107757A (ja) * 1998-10-05 2000-04-18 Kikai Kagaku Kenkyusho:Kk 淡水化システム及びその運転方法
JP2003080246A (ja) * 2001-09-10 2003-03-18 Toray Ind Inc 水処理装置および水処理方法
JP2010000455A (ja) * 2008-06-20 2010-01-07 Japan Organo Co Ltd スケール防止剤の供給管理方法および供給管理装置
JP2012183473A (ja) * 2011-03-04 2012-09-27 Miura Co Ltd 水処理装置
JP2013154274A (ja) * 2012-01-27 2013-08-15 Miura Co Ltd 逆浸透膜分離装置
JP2014213260A (ja) * 2013-04-25 2014-11-17 オルガノ株式会社 膜ろ過装置
JP2015104710A (ja) * 2013-12-02 2015-06-08 株式会社日立製作所 海水淡水化システム
JP2016032810A (ja) * 2015-10-30 2016-03-10 三浦工業株式会社 水処理システム

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7910371B2 (en) 2005-01-20 2011-03-22 Nalco Company Method of monitoring treating agent residuals in water treatment processes
JP4650740B2 (ja) 2006-01-12 2011-03-16 三浦工業株式会社 水処理システムの運転方法
JP5743774B2 (ja) * 2011-07-25 2015-07-01 株式会社クボタ 膜処理装置およびその運転方法
JP5768615B2 (ja) * 2011-09-20 2015-08-26 三浦工業株式会社 逆浸透膜分離装置
CN104944524B (zh) * 2014-12-03 2018-07-24 佛山市云米电器科技有限公司 反渗透净水设备及其废水排出比例调节方法
CN105771657B (zh) * 2016-05-09 2019-03-08 佛山市云米电器科技有限公司 一种净水系统及其浓缩水与纯水的出水流量调节方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000107757A (ja) * 1998-10-05 2000-04-18 Kikai Kagaku Kenkyusho:Kk 淡水化システム及びその運転方法
JP2003080246A (ja) * 2001-09-10 2003-03-18 Toray Ind Inc 水処理装置および水処理方法
JP2010000455A (ja) * 2008-06-20 2010-01-07 Japan Organo Co Ltd スケール防止剤の供給管理方法および供給管理装置
JP2012183473A (ja) * 2011-03-04 2012-09-27 Miura Co Ltd 水処理装置
JP2013154274A (ja) * 2012-01-27 2013-08-15 Miura Co Ltd 逆浸透膜分離装置
JP2014213260A (ja) * 2013-04-25 2014-11-17 オルガノ株式会社 膜ろ過装置
JP2015104710A (ja) * 2013-12-02 2015-06-08 株式会社日立製作所 海水淡水化システム
JP2016032810A (ja) * 2015-10-30 2016-03-10 三浦工業株式会社 水処理システム

Also Published As

Publication number Publication date
WO2018043234A1 (ja) 2018-03-08
JP6737661B2 (ja) 2020-08-12
CN109843416B (zh) 2021-09-21
KR20190043588A (ko) 2019-04-26
CN109843416A (zh) 2019-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2018043234A1 (ja) 逆浸透膜処理システム及び逆浸透膜処理システムの運転方法
EP3218309B1 (en) Water purification system and method
JP5359898B2 (ja) 水処理方法及び水処理システム
JP2012206073A (ja) 脱イオン水製造システム
KR20130140370A (ko) 압력조절 정삼투 방법 및 장치
JP2013034926A (ja) 逆浸透膜分離装置
AU2014367973A1 (en) Scale detection device and method for concentrating device, and water reclamation processing system
JPWO2016035174A1 (ja) 水処理装置の付着物監視装置、水処理装置及びその運転方法、水処理装置の洗浄方法
JP2017170273A (ja) 逆浸透膜装置の運転管理方法および逆浸透膜処理システム
CN108380051B (zh) 一种稳定节能型反渗透系统及其控制方法
JP6040856B2 (ja) 水処理システム
JP2016032810A (ja) 水処理システム
JP6907745B2 (ja) 膜分離装置
JP6155742B2 (ja) 水処理装置
TW201838709A (zh) 逆滲透膜裝置的運轉管理方法以及逆滲透膜處理系統
JP5903948B2 (ja) 水処理システム
JP2019018185A (ja) 水処理システムの制御装置
JP2017064599A (ja) 逆浸透膜モジュールの洗浄方法
WO2018047156A1 (en) Method and system for liquid treatment
JP6939121B2 (ja) 膜分離装置
JP6246994B2 (ja) 水処理システム
KR101968525B1 (ko) 역삼투막의 역세척 방법 및 그 시스템
JP2017209624A (ja) 水処理システム
KR20210070359A (ko) 고 회수 전기투석 방법
JP7293079B2 (ja) 水処理システム及び水処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200526

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200615

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200630

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200716

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6737661

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250