JP7293079B2 - 水処理システム及び水処理方法 - Google Patents

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Description

水処理システム及び水処理方法に関する。
工場排水を浄化して、工場用水等として再利用するために、工場排水を適宜に前処理に付した後、逆浸透膜装置を利用して水質を高めることが行われている。
工場内で使用した水を再生利用するとともに、工場から外部に排水される水をゼロまでに低減するZLD(Zero Liquid Discharge)が注目されている(例えば、特許文献1参照)。特に新興国の急速な工業化に伴い、水資源環境の保全が求められており、水資源の確保、水質汚染の対策として、水の使用に対する管理強化が重要になってきている。
特開2019-051450号公報
逆浸透膜処理に付される工業排水又はその前処理水は、TDS(Total Dissolved Solids:総溶解固形物)濃度が高く、ZLDを実現する水の浄化システムにおいては、逆浸透膜処理の供給水中のTDSは40000mg/L程度またはそれ以上になる場合もある。このような高TDSの供給水を逆浸透膜処理に付すと、逆浸透膜表面の濃度分極が極端に大きくなり、所望の透過水量を得るにはかなりの高圧運転が必要となる。しかし、高圧運転は運転コストの上昇を招き、また、逆浸透膜には過大な圧力負荷がかかる。
本発明は、TDS濃度が40000mg/L以上という高TDS濃度の水を逆浸透膜処理の被処理水として、水圧を十分に抑えて当該逆浸透膜処理することを可能とする水処理システム及び水処理方法を提供することを課題とする。
本発明の上記課題は、以下の手段によって解決された。
[1]
TDS濃度40000mg/L以上の被処理水が供給される逆浸透膜装置と、
前記逆浸透膜装置によって処理された透過水の流量を測定する透過水流量測定手段と、
前記逆浸透膜装置によって処理された濃縮水の流量を測定する濃縮水流量測定手段と、
前記濃縮水流量測定手段によって測定された濃縮水流量測定値が前記透過水流量測定手段よって測定された透過水流量測定値の10倍以上となるように制御する制御部と
を有する水処理システム。
[2]
前記濃縮水が流通する濃縮水通水ラインに濃縮水流量を調整する流量調整部が配され、
少なくとも前記流量調整部によって前記濃縮水流量測定値が前記透過水流量測定値の10倍以上になるように制御される、[1]に記載の水処理システム。
[3]
前記逆浸透膜装置の濃縮側と前記逆浸透膜装置の供給側とを繋ぐ濃縮水戻しラインを有する、[1]又は[2]に記載の水処理システム。
[4]
TDS濃度が40000mg/L以上の被処理水を逆浸透膜装置に供給し、該逆浸透膜装置の濃縮水流量が該逆浸透膜装置の透過水流量の10倍以上となるように制御することを含む、水処理方法。
[5]
前記濃縮水が流通する濃縮水通水ラインが有する流量調整部を少なくとも調整し、前記逆浸透膜装置の濃縮水流量が前記逆浸透膜装置の透過水流量の10倍以上となるように制御する、[4]に記載の水処理方法。
[6]
前記逆浸透膜装置によって処理された濃縮水の少なくとも一部を前記逆浸透膜装置の供給側に戻す[4]又は[5]に記載の水処理方法。
本発明の水処理システム及び水処理方法によれば、TDS濃度が40000mg/L以上という高TDS濃度の水を逆浸透膜処理の被処理水として、水圧を十分に抑えて当該逆浸透膜処理することが可能になる。
本発明に係る水処理システムの好ましい一実施形態(第1実施形態)を示した概略構成図である。 本発明に係る水処理システムの好ましい一実施形態(第2実施形態)を示した概略構成図である。 実施例を実施した水処理システムの形態を示した概略構成図である。 比較例を実施した水処理システムの形態を示した概略構成図である。
[水処理システム]
本発明に係る水処理システムの好ましい一実施形態(実施形態1)を、図1を参照して説明する。
図1に示すように、水処理システム1(1A)は、被処理水を処理する逆浸透膜装置10を備える。以下、「逆浸透膜装置」を「RO膜装置」とも称す。
RO膜装置10の濃縮水側10Cには濃縮水通水ライン11が接続される。またRO膜装置10の透過水側10Tには透過水通水ライン12が接続される。
濃縮水通水ライン11には、濃縮水の流量を測定する濃縮水流量測定手段13が配される。透過水通水ライン12には、透過水の流量を測定する透過水流量測定手段14が配される。本発明における「ライン」とは水が通る流路を意味する。
上記濃縮水流量や透過水流量の測定手段(測定機器)には、面積式、超音波式、コリオリ式、渦巻き式など、一般的な流体に用いられる流量計を用いることができる。
水処理システム1Aには、被処理水をRO膜装置10の供給側10Sに供給する被処理水供給ライン55が配されている。被処理水には、TDS濃度が40000mg/L以上という高TDS濃度の水を用いる。このような高TDS濃度の被処理水は、例えば工場排水等の原水又は当該原水の前処理水等として生じることが多いが、TDS濃度が40000mg/L以上である限り、被処理水の由来は特に制限されない。本発明に用いる被処理水のTDS濃度の上限は、逆浸透膜の透過性の観点から、通常は200000mg/Lである。
被処理水供給ライン55には送液ポンプ21が配されることが好ましい。この場合、被処理水は送液ポンプ21によってRO膜装置10の供給側10Sに圧力をかけて供給される。
さらに、濃縮水流量測定値が透過水流量測定値の10倍以上になるように、濃縮水流量の調整を指示する制御部15を有する。制御部15は、例えば、濃縮水流量測定手段13によって測定した濃縮水流量測定値の信号S1と、透過水流量測定手段14によって測定した透過水流量測定値の信号S2とから、[濃縮水流量測定値]/[透過水流量測定値]を演算して求める。以下、[濃縮水流量測定値]/[透過水流量測定値]は、[透過水流量測定値]に対する[濃縮水流量測定値]の比の値を意味する。その演算値が10以上か否かを判定する。本発明において「濃縮水流量」及び「透過水流量」の単位は「L/min」である。
上記演算値が10未満の場合、制御部15は、濃縮水流量を多くするように指示する。
一方、上記演算値が10以上の場合には、現状の濃縮水流量を維持するように指示することができる。
濃縮水流量を多くする具体的手段としては、以下の手段が好ましい。
該手段は、濃縮水通水ライン11に、流量調整部16として開度を調整できる流量調整弁を設け、送液ポンプ21にその駆動周波数を制御するインバータ22を設けることが好ましい。調整弁の開度によって、濃縮水流量を調整する。またインバータ22によって送液ポンプ21の駆動周波数を調整して、被処理水の供給流量を調整する。
[濃縮水流量測定値]/[透過水流量測定値]が10未満の場合、信号S3によって流量調整部16を開けるように指示する、そして、送液ポンプ21の駆動周波数を変更する信号S4を受けたインバータ22によって送液ポンプ21の駆動周波数を高めて供給流量を多くするように調整する。これによって逆浸透膜装置10への被処理水の供給量が多くなることによって、濃縮水流量を増加させ、[濃縮水流量測定値]/[透過水流量測定値]を10以上に調整する。
上記水処理システム1Aによれば、TDS濃度が40000mg/L以上の高TDS濃度の被処理水であっても、RO膜装置10に対する被処理水の供給圧を十分に抑えることができ、より小さな装置負荷で、また、より低コストで、逆浸透膜処理することができる。
次に、本発明に係る水処理システムの好ましい別の一実施形態(実施形態2)を、図2を参照して説明する。
図2に示すように、水処理システム1(1B)は、被処理水を処理するRO膜装置10を備える。RO膜装置10の濃縮水側10Cには濃縮水通水ライン11が接続される。またRO膜装置10の透過水側10Tには透過水通水ライン12が接続される。
濃縮水通水ライン11には、RO膜装置10の濃縮水側10C側から順に、濃縮水の流量を測定する濃縮水流量測定手段13、17が配される。また、透過水通水ライン12には、透過水の流量を測定する透過水流量測定手段14が配される。濃縮水流量測定手段13、17及び透過水流量測定手段14には、実施形態1と同様の流量計を用いることができる。
水処理システム1Bは、RO膜装置10の濃縮側10CとRO膜装置10の供給側10Sとを繋ぐ濃縮水戻しライン31を有することが好ましい。濃縮水戻しライン31はその一部を濃縮水通水ライン11と共用することができる。また、濃縮水戻しライン31はその一部を被処理水供給ライン55と共用することができる。図面では共用した形態を示した。すなわち、濃縮水戻しライン31は、濃縮水流量測定手段13よりも下流側で、濃縮水流量測定手段17との間の濃縮水通水ライン11(分岐点B1)から分岐して、RO膜装置10の供給側10Sに接続される。「下流側」とは水が流れ行く側を意味する。
上記形態では、濃縮水流量測定手段17を濃縮水通水ライン11に配したが、濃縮水戻しライン31に配してもよい。
上記RO膜装置10の濃縮水側10Cと濃縮水流量測定手段13との間の濃縮水通水ライン11には、濃縮水の流量を調整する第1流量調整部16が配されている。また、濃縮水通水ライン11と濃縮水戻しライン31との分岐点B1より下流側の濃縮水通水ライン11には、濃縮水の流量を調整する第2流量調整部18が配されることが好ましい。さらに濃縮水戻しライン31にはRO膜装置10の供給側10Sに戻す濃縮水の流量を調整する第3流量調整部19が配されることが好ましい。
さらに、図示はしていないが、実施形態1と同様の制御部を有することが好ましい。制御部は、例えば、濃縮水流量測定手段13によって測定した濃縮水流量測定値と、透過水流量測定手段14によって測定した透過水流量測定値とから、[濃縮水流量測定値]/[透過水流量測定値]を演算して求める。その演算値が10以上か否かを判定する。
演算値が10未満の場合、制御部は、濃縮水流量を多くするように指示する。
一方、[濃縮水流量測定値]/[透過水流量測定値]の値が10以上の場合には、現状の濃縮水流量を維持するように指示することができる。
濃縮水流量を多くする手段としては以下の手段が好ましい。
該手段は、第1流量調整部16、第2流量調整部18及び第3流量調整部19のうちの少なくとも一つまたはそれらの組み合わせを設けることが好ましい。第1、第2、第3流量調整部16、18、19は、開度を調整できる流量調整弁で構成されることが好ましい。流量調整弁の開度によって、濃縮水の流量が調整される。または第1、第2、第3流量調整部16、18、19には、弁の開度に応じて比例的に流量を変化させることができる比例制御弁を用いることも好ましい。
[濃縮水流量測定値]/[透過水流量測定値]が10未満の場合、上記少なくとも一つの調整弁を開けて、濃縮水流量を増加させ、[濃縮水流量測定値]/[透過水流量測定値]を10以上に調整する。
その際、第1流量調整部16の開度によってRO膜装置10の濃縮水側10Cから出る濃縮水量が決まるが、第2流量調整部18や第3流量調整部19の開度によっても濃縮水量が調整される。第2流量調整部18によって濃縮水として流す流量が調整され、第3流量調整部19によってRO膜装置10の供給側10Cに戻す流量が調整される。
<逆浸透膜における被処理水の回収率>
水処理システム1Bでは、RO膜装置10によって処理されて生じた濃縮水の少なくとも一部を、濃縮水戻しライン31によって逆浸透膜装置10の供給側10Sに戻すことができる。これによって、被処理水の回収率を高めることが可能になる。
被処理水の回収率(流量%)=[透過水量(流量)/被処理水量(流量)]×100(%)である。以下、回収率の「%」は「流量%」を示す。なお、被処理水量には、上述した濃縮水戻しライン31によって逆浸透膜装置10の供給側10Sに戻された濃縮水は含まれない。
この水処理システム1Bは、被処理水をRO膜装置10の供給側10Sに供給する被処理水供給ライン55が配されている。被処理水供給ライン55には送液ポンプ21が配されることが好ましい。この場合、被処理水は送液ポンプ21によってRO膜装置10の供給側10Sに圧力をかけて供給される。
上記水処理システム1Bによれば、TDS濃度が40000mg/L以上という高TDS濃度の被処理水であっても、RO膜装置10に対する被処理水の供給圧を十分に抑えることができ、より小さな装置負荷で、また、より低コストで、逆浸透膜処理することができる。さらに、濃縮水戻しライン31を設けることによって、被処理水の回収率を所望のレベルへと高めることが可能になる。
また、RO膜装置10の濃縮側10Cと供給側10Sとを繋ぐ濃縮水戻しライン31を有することが好ましい。具体的には、濃縮水戻しライン31は、濃縮水流量測定手段13よりも下流側の濃縮水通水ライン11の分岐点B1から分岐して、逆浸透膜装置10の供給側10Sに接続される。図示例のように、濃縮水戻しライン31は、その一部が、濃縮水通水ライン11と共用されてもよく、また被処理水供給ライン55と共用されてもよい。
上記各実施形態におけるRO膜装置10は、1本又は複数本(図示例は1本)のベッセルによって逆浸透膜バンクが構成される。ベッセルには、通常は複数本のRO膜エレメント(図示せず、以下、エレメントという)が配されることが好ましい。
上記エレメントは、スパイラル型、中空糸型、管状型、平板状型等のいかなる型式のものであってもよい。
なお、上記各ベッセル内に配されるエレメントは1本であってもよい。エレメントの本数は、ベッセルに供給される供給水の処理量等によって適宜決定される。
上記RO膜装置は、耐圧が例えば5MPa以上の高圧型のRO膜装置が好ましい。高圧型のRO膜装置に用いるRO膜の一例として、Hydranautics社製SWC5、FILMTEC社製SW30HRLE-440i、DOW社製XUS180808等が挙げられる。
上述した各水処理システム1は、図示はしていないが、被処理水が貯液される被処理タンクを備えることが好ましい。被処理タンクには被処理水が供給されるタンク供給ラインが接続されることが好ましい。また被処理水タンクには上記被処理水供給ライン55を介してRO膜装置10の供給側10Sが接続される。被処理水供給ライン55には上記送液ポンプ21が配される。したがって、被処理水タンクに貯液されている被処理水は送液ポンプ21によってRO膜装置10の供給側10Sに圧力をかけて供給される。
<RO膜にかかる供給水の供給圧力>
RO膜装置10に被処理水を供給する際の供給圧力を上昇させる場合には、急激な圧力上昇を避けるために流量制御装置として機能するポンプインバータ(例えば、実施形態1のインバータ22)を介して、送液ポンプ21を動作させることが好ましい。その際、急激な圧力変化が生じないように、ポンプインバータ22によって、送液ポンプ21を駆動する電動機の出力(例えば、駆動周波数、例えばポンプの駆動源の回転数)を制御して被処理水の流量を多くして水圧を高めることができる。
上記RO膜装置10は1段構成であるが、多段構成であってもよい。この場合、RO膜を直列に多段に配することが好ましい。
例えば、上記水処理システム1A~1Bにおいて、図示はしないが、RO膜装置10が第1段目のバンクと第2段目のバンクとを備えてもよい。
[水処理方法]
本発明の水処理方法は、TDS濃度が40000mg/L以上の被処理水を逆浸透膜装置に供給し、該逆浸透膜装置の濃縮水流量が該逆浸透膜装置の透過水流量の10倍以上となるように制御することを含む。本発明の水処理方法は、上述の本発明の水処理システム1により実施することができる。
すなわち、本発明の水処理方法の一実施形態は、TDS濃度が40000mg/L以上の被処理水をRO膜装置10に供給し、RO膜装置10によって被処理水を透過水と濃縮水とに分離する。このRO膜処理における透過水流量と濃縮水流量を測定し、濃縮水流量が透過水流量の10倍以上となるように、必要に応じてRO膜装置1への被処理水の供給水量を調整したり、濃縮水流量を調整したりする。
具体的には、RO膜装置10の供給側に、被処理水をRO膜装置10に供給する送液ポンプ21を配し、濃縮水流量測定値が透過水流量測定値の10倍以上になるように、送液ポンプ21の供給水量を調整する。
または、RO膜装置10の濃縮水側に接続する濃縮水通水ライン11を配し、濃縮水流量測定値が透過水流量測定値の10倍以上になるように、濃縮水通水ライン11の濃縮水流量を調整する。
これらの実施形態は、例えば、図1及び2に示した水処理システム1A及び1Bにより実施することができ、その詳細は上述した通りである。
[実施例1~4]
純水に塩化ナトリウム(NaCl)を添加して作製した試験液を被処理水とし、図3に示す試験に用いた水処理システムに通水した。なお、工業排水等の被処理水中にTDSとして測定される物質は、その大部分(90質量%以上)がNaClである。したがって、NaCl濃度が40000mg/L以上の実施例は、本発明で規定する「TDS濃度が40000mg/L以上の被処理水」と等価なものである。
図3に示すように、試験に用いた本発明の水処理システム100は、前述の図2に示した水処理システム1Bにおいて、被処理水タンク51を備え、第1流量調整部16を配さなかったものである。すなわち、水処理システム100は、上記被処理水を逆浸透膜処理するRO膜装置10を備える。RO膜装置10の濃縮水側10Cには濃縮水通水ライン11が接続されている。またRO膜装置10の透過水側10Tには透過水通水ライン12が接続されている。さらに濃縮水通水ライン11の途中の分岐点B1から分岐して被処理水タンク51に接続する濃縮水戻しライン31が配されている。濃縮水通水ライン11には、濃縮水の流量を測定する濃縮水流量測定手段13A、13Bが濃縮水戻しライン31との分岐点B1を挟んでRO膜装置10側から順に配されている。透過水通水ライン12には、透過水の流量を測定する透過水流量測定手段14が配されている。また濃縮水通水ライン11の分岐点B1と濃縮水量測定手段13Bとの間には、濃縮水の流量を調整する第2流量調整部18が配されている。さらに濃縮水戻しライン31には濃縮水の流量を調整する第3流量調整部19が配されている。
水処理システム100は、被処理水をRO膜装置10の供給側10Sに供給する被処理水供給ライン55が配されている。被処理水にはNaCl濃度の異なる複数の被処理水を用いる。被処理水供給ライン55には送液ポンプ21が配されている。したがって、被処理水は送液ポンプ21によってRO膜装置10の供給側10Sに圧力をかけて供給される。上記濃縮水戻しライン31によって戻される濃縮水の流量は、濃縮水流量測定手段13Aで測定した流量から濃縮水流量測定手段13Bで測定した流量を差し引いた流量となる。
実施例1~4では、表1に示したNaCl濃度の被処理水を、上記水処理システム100を用いて逆浸透膜処理した。RO膜装置10のRO膜には、ダウ・ケミカル社製「XUS180808」を用いた。RO膜装置10の回収率はすべて14%と一定にした。逆浸透膜処理時の送液ポンプ21による供給水流量を1320L/h、透過水流量を120L/h、濃縮水流量を1200L/hにして、逆浸透膜分離した。したがって、濃縮水流量は透過水流量の10倍である。なお濃縮水流量1200L/hのうち480L/hの分は被処理水タンクに戻した。
なお、回収率について補足すると、実施例1~4において、被処理水の供給量は「1320(L/h)-480(L/h)=840(L/h)」であるから、回収率は「[120(L/h)/840(L/h)]×100=14%である。
被処理水及び濃縮水のNaCl濃度はイオンクロマトグラフ(メトロームジャパン製)を用いて測定した。濃縮水流量及び透過水流量は、一般の面積式の流量計を用いて測定した。RO膜装置への被処理水の供給圧は、一般のブルドン管圧力計を用いて測定した。供給圧の測定は、流量調整が完了した後、5分ほど運転して圧力、流量が安定したことを確認してから圧力計指示値を目視確認した。
各実施例において、送液ポンプ21による供給水(被処理水+濃縮水の戻し分)の、RO膜装置10への供給圧力値を表1に示す。この圧力は、回収率14%を実現するのに必要な圧力である。
[比較例1~4]
純水にNaClを添加して作製した試験液を被処理水とし、図4に示す試験に用いた水処理システム200に通水した。
図4に示す水処理システム200は、図3に示した形態の水処理システム100から濃縮水戻しライン31および第2、第3流量調整部18、19を除いて、RO膜装置10と濃縮水量測定手段13との間の濃縮水通水ライン11に流量調整部16を配し、回収率が実施例と同じ14%になるようにしたものであり、その他の構成は水処理システム100と同様である。
比較例1~4は、被処理水には、表1に示したNaCl濃度の被処理水を用いた。逆浸透膜処理時の被処理水流量を840L/h、透過水流量を120L/h、濃縮水流量を720L/hにして、逆浸透膜分離した。したがって、濃縮水流量は透過水流量の6倍である。
被処理水及び濃縮水のNaCl濃度の測定、濃縮水流量及び透過水流量の測定、RO膜装置10への被処理水の供給圧の測定は、実施例と同様にした。
上記逆浸透膜処理時の被処理水のRO膜装置10への供給圧力値の結果を表1に示す。この圧力は、回収率14%を実現するのに必要な圧力である。
[参考例1、2]
参考例1は、実施例1において、被処理水のNaCl濃度を32000mg/Lとした以外、実施例1と同様とした。参考例2は、比較例1において、被処理水のNaCl濃度を32000mg/Lとした以外、比較例1と同様とした。この測定結果を表1に示す。
Figure 0007293079000001
上記表に示されるように、実施例1~4では、透過水流量:濃縮水流量=1:10であり、被処理水のNaCl濃度(高TDS濃度)が40000mg/L以上の高濃度において、同じNaCl濃度の被処理水を処理した比較例と比べて、逆浸透膜装置への被処理水の供給圧を低減できることがわかった。
1、1A、1B、100、200 水処理システム
10 逆浸透膜装置
10S 供給側
10C 濃縮水側
10T 透過水側
11 濃縮水通水ライン
12 過水通水ライン
13 濃縮水流量測定手段
14 透過水流量測定手段
15 制御部
16 流量調整部、第1流量調整部
17 第2流量調整部
18 第3流量調整部
21 送液ポンプ
22 インバータ
31 濃縮水戻しライン
51 被処理水タンク
55 被処理水供給ライン

Claims (2)

  1. TDS濃度40000mg/L以上の被処理水が供給される逆浸透膜装置と、
    前記逆浸透膜装置の濃縮側に接続された濃縮水通水ラインと、
    前記濃縮水通水ラインから分岐し、前記逆浸透膜装置の供給側に接続する濃縮水戻しラインと、
    前記逆浸透膜装置によって処理された透過水の流量を測定する透過水流量測定手段と、
    前記逆浸透膜装置によって処理された濃縮水の流量を測定する濃縮水流量測定手段と、
    前記濃縮水通水ラインに設けられた流量調整部Xと、
    前記濃縮水戻しラインに設けられた流量調整部Yと、
    記濃縮水流量測定手段A1によって測定された濃縮水流量測定値が前記透過水流量測定手段よって測定された透過水流量測定値の10倍以上となるように制御する制御部と
    を有し、
    前記濃縮水流量測定手段は、前記濃縮水通水ラインの、前記濃縮水戻しラインが分岐する点より上流側に設けられた濃縮水流量測定手段A1と、前記濃縮水通水ラインの、前記濃縮水戻しラインが分岐する点より下流側に設けられた濃縮水流量測定手段A2、又は前記濃縮水戻しラインに設けられた濃縮水流量測定手段A3とで構成され、
    前記流量調整部Xは、前記濃縮水戻しラインが分岐する点より上流側に設けられた流量調整部X1と、前記濃縮水戻しラインが分岐する点より下流側に設けられた流量調整部X2とで構成され、
    前記流量調整部X1、X2及びYの少なくともいずれかによって、前記濃縮水流量測定手段A1によって測定された前記濃縮水流量測定値が前記透過水流量測定値の10倍以上になるように制御される、水処理システム。
  2. TDS濃度40000mg/L以上の被処理水を逆浸透膜装置で透過水と濃縮水とに分離する水処理方法であって、
    前記逆浸透膜装置の濃縮側には濃縮水通水ラインが接続され、前記濃縮水通水ラインからは、前記逆浸透膜装置の供給側に接続する濃縮水戻しラインが分岐しており、前記濃縮水通水ラインの、前記濃縮水戻しラインが分岐する点の上流側と下流側に流量調整部X1とX2がそれぞれ設けられ、且つ、前記濃縮水戻しラインに流量調整部Yが設けられ、
    前記逆浸透膜装置の濃縮水の少なくとも一部を前記濃縮水戻しラインにより前記逆浸透膜装置の供給側に戻しながら、前記流量調整部X1、X2及びYの少なくともいずれかによって、前記逆浸透膜装置の濃縮水流量が前記透過水流量の10倍以上となるように制御することを含む、水処理方法。
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