JP7228492B2 - 水処理装置および水処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶解性シリカおよび硬度成分のうち少なくとも1つを含む被処理水の処理を行う水処理装置および水処理方法に関する。
排水の放流が環境に与える影響を低減するため、排水の浄化や減容化等の処理を行ってから、放流、廃棄する動きが進んでいる。排水処理には固液分離、膜分離、減圧濃縮等が用いられるが、排水に含まれる溶解性シリカや、カルシウム等の硬度成分が不溶化して、排水処理に用いる配管や装置に付着する、いわゆるスケーリングが起こることで、システムの性能が低下することが知られている。効率的な排水処理を行うため、排水中の溶解性シリカや硬度成分を除去する必要がある。
例えば特許文献1には、溶解性シリカ含有排水について、アルカリ条件下でマグネシウム塩を添加して溶解性シリカを不溶化したのちに固液分離し、得られた処理水を逆浸透膜処理または正浸透膜処理して、排水から淡水を回収する方法が記載されている。
正浸透膜処理では、正浸透膜を介して、供給水と誘引溶液を存在させることにより、加圧せずとも浸透圧で水を誘引溶液に移動させることができる。さらに希釈された誘引溶液を、例えば加温等の手段により相変化させることで、淡水を得つつ、誘引溶液を再利用することができる。
正浸透膜処理の誘引溶液として、炭酸アンモニウム水溶液や、無機塩と温度感応性薬剤の混合物が用いられる(特許文献2参照)。
誘引溶液を再利用するためには加温等の外的エネルギーを加える必要があり、誘引溶液の再利用のための装置を追加で備える必要があるため(例えば、図8参照:誘引溶液を貯留する誘引溶液槽204に加熱装置206が必要)、トータルとしてシステムのコスト増大につながる。
硬度成分の除去方法として、特許文献3には、硬度成分含有排水にアルカリ剤を添加して析出させ(いわゆる石灰軟化法)、凝集、ろ過処理の後にろ過水を逆浸透膜処理する方法が記載されている。また、特許文献4には、イオン交換樹脂を用いて硬度成分を吸着除去する方法(樹脂軟化法)が記載されている。
しかし、石灰軟化法ではアルカリ剤の添加が必要であり、樹脂軟化法では、硬度成分が吸着したイオン交換樹脂を再生するため、高濃度塩水(塩化ナトリウム水溶液)を通水する必要があり、薬品コストの低減が求められている。
国際特許出願公開第2013/153587号パンフレット 特開2017-056424号公報 特開2017-170275号公報 特開2014-231039号公報
本発明の目的は、溶解性シリカおよび硬度成分のうち少なくとも1つを含む被処理水を低コストで処理することができる水処理装置および水処理方法を提供することにある。
本発明は、溶解性シリカおよび硬度成分のうち少なくとも1つを含む被処理水の処理を行う水処理装置であって、溶解性シリカ除去手段および硬度成分除去手段のうちいずれか1つを備える前処理手段と、前記前処理手段で得られた前処理水を濃縮処理する第1濃縮処理手段と、前記第1濃縮処理手段で得られた濃縮水を正浸透膜処理する正浸透膜処理手段と、前記正浸透膜処理手段で使用された希薄誘引溶液の一部を濃縮処理する第2濃縮処理手段と、を備え、前記正浸透膜処理手段で使用された希薄誘引溶液の一部が前記前処理手段で使用され、前記第2濃縮処理手段で濃縮された濃縮誘引溶液が前記正浸透膜処理手段における誘引溶液として再度使用される、水処理装置である。
前記水処理装置において、前記第2濃縮処理手段は、半透膜を用いる濃縮手段であることが好ましい。
前記水処理装置において、前記第1濃縮処理手段は、逆浸透膜処理手段であることが好ましい。
前記水処理装置において、前記正浸透膜処理手段で用いる誘引溶液がマグネシウム塩水溶液であり、前記正浸透膜処理手段で使用されたマグネシウム塩希薄水溶液が、前記溶解性シリカ除去手段で使用されることが好ましい。
前記水処理装置において、前記正浸透膜処理手段で用いる誘引溶液がアルカリ剤水溶液であり、前記正浸透膜処理手段で使用されたアルカリ剤希薄水溶液が、前記硬度成分除去手段で使用されることが好ましい。
前記水処理装置において、前記正浸透膜処理手段で用いる誘引溶液が酸水溶液または塩化ナトリウム水溶液であり、前記正浸透膜処理手段で使用された酸希薄水溶液または塩化ナトリウム希薄水溶液が、前記硬度成分除去手段で使用されることが好ましい。
また、本発明は、溶解性シリカおよび硬度成分のうち少なくとも1つを含む被処理水の処理を行う水処理方法であって、溶解性シリカ除去工程および硬度成分除去工程のうちいずれか1つを含む前処理工程と、前記前処理工程で得られた前処理水を濃縮処理する第1濃縮処理工程と、前記第1濃縮処理工程で得られた濃縮水を正浸透膜処理する正浸透膜処理工程と、前記正浸透膜処理工程で使用された希薄誘引溶液の一部を濃縮処理する第2濃縮処理工程と、を含み、前記正浸透膜処理工程で使用した希薄誘引溶液の一部を前記前処理工程で使用し、前記第2濃縮処理工程で濃縮した濃縮誘引溶液を前記正浸透膜処理工程における誘引溶液として再度使用する、水処理方法である。
前記水処理方法において、前記第2濃縮処理工程は、半透膜を用いる濃縮工程であることが好ましい。
前記水処理方法において、前記第1濃縮処理工程は、逆浸透膜処理工程であることが好ましい。
前記水処理方法において、前記正浸透膜処理工程で用いる誘引溶液がマグネシウム塩水溶液であり、前記正浸透膜処理工程で使用したマグネシウム塩希薄水溶液を、前記溶解性シリカ除去工程で使用することが好ましい。
前記水処理方法において、前記正浸透膜処理工程で用いる誘引溶液がアルカリ剤水溶液であり、前記正浸透膜処理工程で使用したアルカリ剤希薄水溶液を、前記硬度成分除去工程で使用することが好ましい。
前記水処理方法において、前記正浸透膜処理工程で用いる誘引溶液が酸水溶液または塩化ナトリウム水溶液であり、前記正浸透膜処理工程で使用した酸希薄水溶液または塩化ナトリウム希薄水溶液を、前記硬度成分除去工程で使用することが好ましい。
本発明により、溶解性シリカおよび硬度成分のうち少なくとも1つを含む被処理水を低コストで処理することができる。
本発明の実施形態に係る水処理装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置における濃縮装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置における濃縮装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置における濃縮装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置における濃縮装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置における濃縮装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置における濃縮装置の他の例を示す概略構成図である。 従来の水処理装置を示す概略構成図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る水処理装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。
水処理装置1は、溶解性シリカ除去手段および硬度成分除去手段のうち少なくとも1つを備える前処理手段としての前処理装置10と、前処理装置10で得られた前処理水を濃縮処理する第1濃縮処理手段としての逆浸透膜処理装置12と、逆浸透膜処理装置12で得られた濃縮水を正浸透膜処理する正浸透膜処理手段としての正浸透膜処理装置14と、正浸透膜処理装置14で使用された希薄誘引溶液の一部を濃縮処理する第2濃縮処理手段として濃縮装置16と、を備える。
図1の水処理装置1において、被処理水配管18が前処理装置10の被処理水入口に接続され、前処理装置10の出口と逆浸透膜処理装置12の入口とは、前処理水配管20により接続されている。逆浸透膜処理装置12の濃縮水出口と正浸透膜処理装置14の濃縮水入口とは、濃縮水配管22により接続され、逆浸透膜処理装置12の透過水出口には、透過水配管24が接続されている。正浸透膜処理装置14の誘引溶液入口には、誘引溶液配管26が接続され、正浸透膜処理装置14の希薄誘引溶液出口と、前処理装置10の希薄誘引溶液入口とは、希薄誘引溶液配管28により接続され、正浸透膜処理装置14のFO濃縮水出口には、FO濃縮水配管30が接続されている。希薄誘引溶液配管28から分岐した希薄誘引溶液配管32は、濃縮装置16の入口に接続され、濃縮装置16の濃縮誘引溶液出口と誘引溶液配管26の途中とは、濃縮誘引溶液配管34により接続されている。濃縮装置16の希釈液出口には、希釈液配管36が接続されている。
本実施形態に係る水処理方法および水処理装置1の動作について説明する。
溶解性シリカおよび硬度成分のうち少なくとも1つを含む被処理水は、被処理水配管18を通して前処理装置10へ送液される。前処理装置10において、溶解性シリカおよび硬度成分のうち少なくとも1つの除去処理が行われる(前処理工程)。
被処理水が溶解性シリカを含む場合、前処理装置10は、例えば、被処理水にマグネシウム塩を添加して反応させ、溶解性シリカを不溶化させるマグネシウム反応手段と、反応後の被処理水に凝集剤を添加して、凝集させる凝集処理手段と、凝集処理させた被処理水から凝集物を分離する固液分離手段と、を有する。前処理装置10において、例えばアルカリ条件(例えば、pH10~12)下で被処理水にマグネシウム塩が添加され、溶解性シリカが不溶化される(マグネシウム反応工程)。その後、必要に応じて凝集剤が添加されて、凝集処理され(凝集処理工程)、凝集物が固液分離される(固液分離工程)。固液分離で得られた前処理水は、前処理水配管20を通して、逆浸透膜処理装置12へ送液される。
被処理水が硬度成分を含み、石灰軟化法により硬度成分の除去が行われる場合、前処理装置10は、例えば、被処理水にアルカリ剤を添加して反応させ、硬度成分を不溶化させるアルカリ剤反応手段と、反応後の被処理水に必要に応じて凝集剤を添加して、凝集させる凝集処理手段と、凝集処理させた被処理水から凝集物を分離する固液分離手段と、を有する。前処理装置10において、例えば被処理水にアルカリ剤が添加され、硬度成分が不溶化される(アルカリ剤反応工程)。その後、凝集剤が添加されて、凝集処理され(凝集処理工程)、凝集物が固液分離される(固液分離工程)。固液分離で得られた前処理水は、前処理水配管20を通して、逆浸透膜処理装置12へ送液される。
被処理水が硬度成分を含み、樹脂軟化法により硬度成分の除去が行われる場合、前処理装置10は、例えば、イオン交換樹脂等を用いてイオン交換処理を行うイオン交換処理手段を有する。前処理装置10において、例えばイオン交換処理手段としてイオン交換樹脂が充填されたイオン交換塔に被処理水が通液され、硬度成分が吸着除去される(イオン交換工程)。イオン交換処理で得られた前処理水は、前処理水配管20を通して逆浸透膜処理装置12へ送液される。イオン交換樹脂の再生が必要になった場合は、再生剤が通液されることによりイオン交換樹脂が再生される。
次に、前処理工程で得られた前処理水は、逆浸透膜処理装置12において濃縮処理される(第1濃縮処理工程)。第1濃縮処理(逆浸透膜処理)により得られた濃縮水(RO濃縮水)は、濃縮水配管22を通して正浸透膜処理装置14へ送液され、透過水(RO透過水)は、透過水配管24を通して排出される。
第1濃縮処理(逆浸透膜処理)により得られた濃縮水は、正浸透膜処理装置14において正浸透膜処理される(正浸透膜処理工程)。正浸透膜処理装置14において、誘引溶液が誘引溶液配管26を通して正浸透膜の2次側に送液され、正浸透膜を介して、濃縮水と誘引溶液を存在させることにより、浸透圧で水が誘引溶液に移動される。
正浸透膜処理工程で使用された希薄誘引溶液の一部は、希薄誘引溶液配管28を通して前処理装置10へ送液され、前処理装置10において前処理工程で使用される。正浸透膜処理工程で得られたFO濃縮水は、FO濃縮水配管30を通して排出される。FO濃縮水は、必要に応じて濃縮装置や結晶化装置等によりさらに濃縮、固形化処理してもよい。
正浸透膜処理工程で使用された希薄誘引溶液の一部は、希薄誘引溶液配管28から分岐されて希薄誘引溶液配管32を通して濃縮装置16へ送液され、濃縮装置16において濃縮処理される(第2濃縮処理工程)。第2濃縮処理により得られた濃縮誘引溶液は、濃縮誘引溶液配管34を通して誘引溶液配管26の途中へ供給され、正浸透膜処理装置14における誘引溶液として再度使用される。第2濃縮処理により得られた希釈液は、希釈液配管36を通して排出される。希釈液は、必要に応じて限外ろ過膜(UF膜)処理、逆浸透膜(RO膜)処理、イオン交換処理等を実施したのち、回収、再利用されてもよい。
前処理装置10が溶解性シリカ除去を行う装置を含む場合、例えば、正浸透膜処理装置14における誘引溶液として、マグネシウム塩水溶液が用いられ、正浸透膜処理装置14で使用された希薄誘引溶液(マグネシウム塩希薄水溶液)の一部は、前処理装置10において添加されるマグネシウム塩として使用されればよい。また、正浸透膜処理装置14で使用された希薄誘引溶液(マグネシウム塩希薄水溶液)の一部は、濃縮装置16において濃縮処理され、正浸透膜処理装置14における誘引溶液として再度使用されればよい。
前処理装置10が石灰軟化法により硬度成分の除去を行う装置を含む場合、例えば、正浸透膜処理装置14における誘引溶液として、アルカリ剤水溶液が用いられ、正浸透膜処理装置14で使用された希薄誘引溶液(アルカリ剤希薄水溶液)の一部は、前処理装置10において添加されるアルカリ剤として使用されればよい。また、正浸透膜処理装置14で使用された希薄誘引溶液(アルカリ剤希薄水溶液)の一部は、濃縮装置16において濃縮処理され、正浸透膜処理装置14における誘引溶液として再度使用されればよい。
前処理装置10が樹脂軟化法により硬度成分の除去を行う装置を含む場合、例えば、正浸透膜処理装置14における誘引溶液として、酸水溶液または塩化ナトリウム水溶液が用いられ、正浸透膜処理装置14で使用された希薄誘引溶液(酸希薄水溶液または塩化ナトリウム希薄水溶液)の一部は、前処理装置10においてイオン交換樹脂の再生剤として使用されればよい。また、正浸透膜処理装置14で使用された希薄誘引溶液(酸希薄水溶液または塩化ナトリウム希薄水溶液)の一部は、濃縮装置16において濃縮処理され、正浸透膜処理装置14における誘引溶液として再度使用されればよい。
本実施形態に係る水処理方法および水処理装置により、溶解性シリカおよび硬度成分のうち少なくとも1つを含む被処理水を低コストで処理することができる。
正浸透膜処理で希釈された希薄誘引溶液が前処理工程で使用されることで、本来必要であった誘引溶液の再利用に必要なコストが削減され、また、再生設備を備えなくてもよい。希薄誘引溶液は前処理工程で本来使用するものが希釈されているだけなので、追加のコストがほとんど発生しない。
正浸透膜処理で希釈された希薄誘引溶液が前処理工程で使用するのに必要な量よりも多くなった場合、正浸透膜処理で使用した希薄誘引溶液の一部を前処理工程で使用し、前処理工程で使用しなかった希薄誘引溶液の一部を濃縮し、誘引溶液として正浸透膜処理工程で再度使用することにより、希薄誘引溶液のロスを少なくすることができる。このとき濃縮する希薄誘引溶液は一部であるため、希薄誘引溶液の全量を濃縮して再利用するよりも、コストが著しく低下する。
本実施形態に係る水処理方法および水処理装置の処理対象となる被処理水は、溶解性シリカおよび硬度成分のうち少なくとも1つを含む水であればよく、特に制限はないが、例えば、工業用水、表層水、水道水、地下水、海水、海水を逆浸透法もしくは蒸発法によって脱塩した海水淡水化処理水、各種排水、例えば半導体製造工程で排出される排水等が挙げられる。
被処理水中に溶解性シリカが含まれる場合、溶解性シリカの濃度は、例えば、5~400mg/Lの範囲である。被処理水中に硬度成分が含まれる場合、カルシウム硬度成分の濃度は、5~600mg/Lの範囲である。被処理水中の全蒸発残留物(TDS:Total Dissolved Solid)は、例えば、100~50000mg/Lの範囲である。
本実施形態に係る水処理方法および水処理装置において、被処理水が溶解性シリカおよび硬度成分の両者を含む場合は、前処理手段(前処理工程)は、溶解性シリカ除去手段(溶解性シリカ除去工程)および硬度成分除去手段(硬度成分除去工程)の両者を備えてもよい。溶解性シリカ除去手段(溶解性シリカ除去工程)および硬度成分除去手段(硬度成分除去工程)の順序は、第1に溶解性シリカ除去手段(溶解性シリカ除去工程)、第2に硬度成分除去手段(硬度成分除去工程)であっても、第1に硬度成分除去手段(硬度成分除去工程)、第2に溶解性シリカ除去手段(溶解性シリカ除去工程)であってもよい。
この場合、正浸透膜処理装置14(正浸透膜処理工程)における誘引溶液として、マグネシウム塩水溶液、アルカリ剤水溶液、酸水溶液および塩化ナトリウム水溶液のうち少なくとも1つが用いられ、正浸透膜処理装置14で使用された希薄誘引溶液(マグネシウム塩希薄水溶液、アルカリ剤希薄水溶液、酸希薄水溶液および塩化ナトリウム希薄水溶液のうち少なくとも1つ)が、前処理装置10(前処理工程)の溶解性シリカ除去手段(溶解性シリカ除去工程)および硬度成分除去手段(硬度成分除去工程)のうち適した方において使用されればよい。
本実施形態に係る水処理方法および水処理装置において、被処理水中の濁質成分等を除去する濁質除去手段をさらに備えてもよい。濁質除去手段としては、例えば、砂ろ過装置、限外ろ過(UF)膜等の膜ろ過装置、加圧浮上装置等が挙げられる。濁質除去手段の設置位置は、特に制限はないが、濁質除去手段が砂ろ過装置の場合、例えば、前処理装置10(前処理工程)の前段であり、濁質除去手段が膜ろ過装置や加圧浮上装置の場合、例えば、前処理装置10(前処理工程)と逆浸透膜処理装置12(第1濃縮処理工程)との間である。
[前処理工程:溶解性シリカ除去]
被処理水が溶解性シリカを含む場合の前処理工程において、例えば、アルカリ条件下で被処理水にマグネシウム塩が添加され、溶解性シリカが不溶化される(マグネシウム反応工程)。
用いられるマグネシウム塩としては、塩化マグネシウム(MgCl)、硫酸マグネシウム(MgSO)等のマグネシウム塩またはその水和物であればよく、特に制限はないが、硫酸塩添加による難溶解性物質生成を抑制する等の観点から、塩化マグネシウムが好ましい。
マグネシウム反応工程におけるpHはアルカリ条件であればよく、特に制限はないが、例えば、pH10~12の範囲であり、10.5~11.5の範囲であることが好ましく、11~11.5の範囲であることがより好ましい。マグネシウム反応工程におけるpHが10未満、または12を超えると、シリカ除去率が低くなる場合がある。
pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等のアルカリを用いればよく、必要に応じて塩酸、硫酸等の無機酸を用いてもよい。
マグネシウム反応工程における温度は、シリカの不溶化反応が進行する温度であればよく、特に制限はないが、例えば、1℃~50℃未満の範囲であり、10℃~50℃未満の範囲であることがより好ましい。マグネシウム反応工程における温度が1℃未満であると、シリカの不溶化反応が不十分となる場合があり、50℃以上であると、処理コストが高くなる場合がある。
マグネシウム反応工程における反応時間は、シリカの不溶化反応が進行することができればよく、特に制限はないが、例えば、1分~60分の範囲であり、5分~30分の範囲であることがより好ましい。マグネシウム反応工程における反応時間が1分未満であると、シリカの不溶化反応が不十分となる場合があり、60分を超えると、反応槽が過大になる場合がある。
マグネシウム塩の添加量は、被処理水中のシリカの重量濃度に対して、マグネシウム濃度として0.1~10倍量の範囲であることが好ましく、0.5~5倍量の範囲であることがより好ましい。マグネシウム塩の添加量が被処理水中のシリカの重量濃度に対して0.1倍量未満であると、シリカの不溶化反応が不十分となる場合があり、10倍量を超えると、汚泥発生量が過剰になってしまう場合がある。
溶解性シリカを不溶化させるために、マグネシウム塩の他に、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸アルミニウム等のアルミニウム塩、塩化第二鉄、硫酸第二鉄等の鉄塩等が用いられてもよい。シリカ除去率等の点から、マグネシウム塩を用いることが好ましい。
凝集処理工程では、例えば、凝集槽において、無機凝集剤が、マグネシウム反応後の被処理水に添加され、不溶化物が凝集される(凝集工程)。その後、フロック形成槽において、高分子凝集剤が、添加され、フロックが形成される(フロック形成工程)。
凝集工程で用いられる無機凝集剤としては、塩化鉄等の鉄系無機凝集剤、ポリ塩化アルミニウム(PAC)等のアルミニウム系無機凝集剤等が挙げられ、薬品コストおよび凝集pH範囲等の点から、鉄系無機凝集剤が好ましい。
無機凝集剤の添加量は、添加したマグネシウム塩の量に対して重量比で0.1~10倍量の範囲であることが好ましく、1~5倍量の範囲であることがより好ましい。無機凝集剤の添加量が添加したマグネシウム塩の量に対して重量比で0.1倍量未満であると、凝集が不十分となる場合があり、10倍量を超えると、汚泥発生量が過剰になる場合がある。
凝集工程におけるpHは、例えば、3~11の範囲である。凝集工程におけるpHが3未満、または11を超えると、凝集不良を生じる場合がある。さらに、凝集工程におけるpHが9未満となると、フロックからシリカが溶け出してしまうことがあることから、pH9~11の範囲で凝集工程を行うことが望ましい。
凝集工程における温度は、例えば、1℃~80℃の範囲である。凝集工程における温度が1℃未満、または80℃を超えると、凝集不良を生じる場合がある。
フロック形成工程で用いられる高分子凝集剤としては、ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸エステル系等のカチオン系高分子凝集剤、アニオン系高分子凝集剤、ノニオン系高分子凝集剤等が挙げられ、凝集性等の点から、アニオン系高分子凝集剤が好ましい。
市販の高分子凝集剤としては、オルフロックOA-3H(オルガノ株式会社製)等のアニオン系高分子凝集剤が挙げられる。
高分子凝集剤の添加量は、原水の水量に対して0.1~10mg/Lの範囲であることが好ましく、1~5mg/Lの範囲であることがより好ましい。高分子凝集剤の添加量が原水の水量に対して0.1mg/L未満であると、フロック形成が向上しない場合があり、10mg/Lを超えると、処理水中に溶存の高分子凝集剤が残留してしまう場合がある。
フロック形成工程におけるpHは、例えば、3~11の範囲である。フロック形成工程におけるpHが3未満、または11を超えると、凝集不良を生じる場合がある。さらに、フロック工程におけるpHが9未満となると、フロックからシリカが溶け出してしまうことがあることから、pH9~11の範囲でフロック形成工程を行うことが望ましい。
フロック形成工程における温度は、例えば、1℃~80℃の範囲である。フロック形成工程における温度が1℃未満、または80℃を超えると、凝集不良を生じる場合がある。
上記凝集処理では、凝集工程およびフロック形成工程として、無機凝集剤および高分子凝集剤を用いているが、無機凝集剤、高分子凝集剤等のうちの少なくとも1つを用いればよく、鉄系無機凝集剤およびアニオン系高分子凝集剤のうちの少なくとも1つを用いることが好ましい。マグネシウム塩と反応し不溶化されたシリカを凝集させる際、鉄系無機凝集剤およびアニオン系高分子凝集剤のうちの少なくとも1つを用いることで、凝集性および固液分離性が向上する。
固液分離工程では、例えば、沈殿槽において、フロック形成された凝集物が固液分離される(固液分離工程)。固液分離で得られた前処理水は、逆浸透膜処理装置12へ送液される。一方、汚泥は、汚泥配管を通して排出される。汚泥は、回収、再利用されてもよい。
固液分離工程における固液分離としては、自然沈降による沈降分離の他に、加圧浮上処理、膜ろ過処理等が挙げられ、分離性等の点から、沈降分離が好ましい。
[前処理工程:石灰軟化法による硬度成分除去]
被処理水が硬度成分を含む場合、石灰軟化法により硬度成分を除去すればよい。硬度成分は一次硬度と永久硬度とに分類され、一次硬度は水酸化ナトリウム(NaOH)等のアルカリ剤によって、永久硬度は炭酸ナトリウム(NaCO)等の炭酸塩の添加によって除去される。本明細書では便宜上、炭酸塩もアルカリ剤として記載する。すなわち、前処理工程において、被処理水にアルカリ剤が添加され、硬度成分が不溶化される(アルカリ剤反応工程)。
用いられるアルカリ剤としては、例えば、水酸化カルシウム(Ca(OH))、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、炭酸水素カルシウム(Ca(HCO)、炭酸水素マグネシウム(Mg(HCO)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カリウム(KCO)等が挙げられ、これらのうち一つ以上を用いることができる。すなわち、必要に応じて水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムをそれぞれ添加することも可能である。不溶化効率等の観点から炭酸ナトリウムが好ましい。
アルカリ剤反応工程におけるpHはアルカリ条件であればよく、特に制限はないが、例えば、pH9~13の範囲であり、11~12の範囲であることが好ましい。アルカリ剤反応工程におけるpHが9未満であると、硬度成分除去率が低くなり、13を超えると、アルカリ剤の添加量が多くなる場合がある。
アルカリ剤反応工程における温度は、硬度成分の不溶化反応が進行する温度であればよく、特に制限はないが、例えば、1℃~80℃の範囲である。アルカリ剤反応工程における温度が1℃未満であると、硬度成分の不溶化反応が不十分となる場合があり、80℃を超えると、設備の耐熱温度が問題となる場合がある。
アルカリ剤反応工程における反応時間は、硬度成分の不溶化反応が進行することができればよく、特に制限はないが、例えば、10分~30分の範囲である。アルカリ剤反応工程における反応時間が10分未満であると、硬度成分の不溶化反応が不十分となる場合があり、30分を超えると、反応槽が大きくなって設備コストが高くなる場合がある。
アルカリ剤の添加量は、被処理水中の硬度成分のモル濃度に対して、1.0~2.0倍量の範囲であることが好ましく、1.0~1.2倍量の範囲であることがより好ましい。アルカリ剤の添加量が被処理水中の硬度成分のモル濃度に対して1.0倍量未満であると、硬度成分の不溶化反応が不十分となる場合があり、2.0倍量を超えると、薬品コストが高くなる場合がある。
以降の凝集処理工程および固液分離工程は、上記前処理工程(マグネシウム塩によるシリカ除去)と同様である。固液分離で得られた前処理水は、逆浸透膜処理装置12へ送液される。
[前処理工程:樹脂軟化法による硬度成分除去]
被処理水が硬度成分を含む場合の樹脂軟化法による前処理工程において、例えば、イオン交換樹脂が充填されたイオン交換塔に被処理水が通液され、硬度成分が吸着除去される(イオン交換工程)。イオン交換処理で得られた前処理水は、逆浸透膜処理装置12へ送液される。
イオン交換工程で用いられるイオン交換樹脂は、陽イオン交換樹脂であり、例えば、Amberrex100Na、IRC-76(オルガノ株式会社製)等が挙げられる。
イオン交換樹脂の再生が必要になった場合は、再生剤が通液されることによりイオン交換樹脂が再生される。
用いられる再生剤としては、塩酸、硫酸、硝酸等の酸水溶液、塩化ナトリウム水溶液、塩化カリウム水溶液等が挙げられ、これらのうち一つ以上を用いることができる。すなわち、必要に応じて酸水溶液で再生をしたのちに、塩化ナトリウム水溶液で追加再生をすることも可能である。誘引溶液の再利用等の観点から、酸水溶液、塩化ナトリウム水溶液が好ましい。酸水溶液で再生されれば、イオン交換樹脂はH形となり、塩化ナトリウム水溶液で再生されれば、イオン交換樹脂はNa形となる。
[第1濃縮処理工程]
第1濃縮処理手段としては、前処理水を濃縮することができるものであればよく、特に制限はないが、逆浸透膜処理装置の他に、ナノろ過膜等を用いる膜ろ過装置、蒸留装置、電気透析装置等のうち一つ以上を用いることができる。すなわち、必要に応じて逆浸透膜処理装置によって得られた濃縮水を電気透析処理によってさらに濃縮してもよいし、第1の逆浸透処理によって得られた濃縮水を第2の逆浸透処理によってさらに濃縮してもよい。前処理水中のTDSが低い場合に効率的に処理することができる等の点から、逆浸透膜処理装置が好ましい。
逆浸透膜処理装置で使用される逆浸透膜としては、純水製造用途や排水回収等の用途に使用される超低圧逆浸透膜、低圧逆浸透膜の他に、海水淡水化等の用途に使用される中圧逆浸透膜や高圧逆浸透膜等が挙げられる。超低圧逆浸透膜、低圧逆浸透膜としては、例えば、ES15(日東電工製)、TM720D(東レ製)、BW30HRLE(ダウケミカル製)、LFC3-LD(Hydranautics製)が挙げられる。高圧逆浸透膜としては、例えば、SWC5-LD(Hydranautics製)、TM820V(東レ製)、XUS180808(ダウケミカル製)が挙げられる。
第1濃縮処理工程において、pH調整剤や、系内での無機塩のスケーリングを抑制するスケール分散剤、系内での微生物発生を抑制する殺菌剤等の薬品を添加してもよい。
[正浸透膜処理工程]
正浸透膜処理工程で用いられる正浸透膜の形状としては、特に制限はないが、例えば、中空糸膜、スパイラル膜、チューブラ膜、プレートアンドフレーム構造の膜等を使用することができる。正浸透膜の膜材質としては、芳香族ポリアミド系、酢酸セルロース系等が挙げられる。また、分離膜の基材に、機能性たんぱく質や無機材料等を組み込んで分離性能や透水性等を付与した膜を用いることも可能である。正浸透膜としては、例えば、HP5230(東洋紡製)、HFFO2(アクアポリン製)、OsmoF2O(Fruid Technology Solutions製)が挙げられる。これら正浸透膜は、単段で使用してもよいし、複数段を直列に接続して使用してもよい。すなわち、第1の正浸透膜処理によって得られたFO濃縮水を第2の正浸透膜処理によってさらに濃縮してもよい。
正浸透膜処理工程で用いられる誘引溶液としては、上記の通り、マグネシウム塩水溶液、アルカリ剤水溶液、酸水溶液、塩化ナトリウム水溶液等が挙げられる。また、上記以外にも、本水処理装置で使用する薬品であれば制限なく使用することができる。すなわち、凝集処理工程で使用される各種凝集剤や、濃縮処理工程で使用されるスケール分散剤や殺菌剤等を、誘引溶液として用いることも可能である。
正浸透膜処理工程において複数段の正浸透膜処理を行う場合、上記誘引溶液を組み合わせて用いてもよい。例えば、第1の正浸透膜処理工程の誘引溶液として塩化ナトリウム水溶液を用い、第2の正浸透膜処理工程の誘引溶液としてマグネシウム塩水溶液を用いる。また、例えば、第1の正浸透膜処理工程によって得られた希薄塩化ナトリウム溶液は、軟化樹脂の再生液として、第2の正浸透膜処理工程によって得られた希薄マグネシウム塩溶液は、溶解性シリカ除去工程のマグネシウム源として使用することができる。
[第2濃縮処理工程]
第2濃縮処理手段としては、正浸透膜処理工程で使用された希薄誘引溶液を濃縮することができるものであればよく、特に制限はないが、ナノろ過膜処理装置、逆浸透膜処理装置、正浸透膜処理装置、圧力補助逆浸透膜処理装置等の半透膜を用いる濃縮装置、ナノろ過膜等を用いる膜ろ過装置、蒸留装置、電気透析装置等のうち一つ以上を用いることができる。濃縮コスト低減等の観点から、半透膜を用いる濃縮装置が好ましく、特に被処理水のTDS濃度が5%を超える場合に浸透圧の影響を低減できる圧力補助逆浸透膜処理装置がより好ましい。
図2に、本実施形態に係る水処理装置における濃縮装置の一例を示す。
図2に示す濃縮装置160は、圧力補助逆浸透膜処理装置の一例である。濃縮装置160は、半透膜を用いて処理対象水を濃縮する濃縮手段を2つ以上備え、第1段の半透膜の一次側に上記希薄誘引溶液を供給し、二次側に希薄液を供給し、一次側のもう一方の流路より濃縮液を、二次側のもう一方の流路から希釈液を得て、その希釈液を次段の半透膜の一次側に供給していき、各段の半透膜の一次側を加圧してその一次側に含まれる水を二次側に透過させ、順次濃縮液と希釈液を得る装置である。
濃縮装置160は、例えば、1段目半透膜処理装置40、2段目半透膜処理装置42、3段目半透膜処理装置44を備える。それぞれの半透膜処理装置は、半透膜50で仕切られた一次側(第一空間)46および二次側(第二空間)48を有する。
図2に示す濃縮装置160において、1段目半透膜処理装置40の一次側46の入口には配管52がポンプ67を介して接続され、一次側46の出口には配管54が接続されている。2段目半透膜処理装置42の一次側46の出口と1段目半透膜処理装置40の二次側48の入口とは配管56により接続され、1段目半透膜処理装置40の二次側48の出口と2段目半透膜処理装置42の一次側46の入口とはポンプ68を介して配管58により接続されている。3段目半透膜処理装置44の一次側46の出口と2段目半透膜処理装置42の二次側48の入口とは配管60により接続され、2段目半透膜処理装置42の二次側48の出口と3段目半透膜処理装置44の一次側46の入口とはポンプ70を介して配管62により接続されている。3段目半透膜処理装置44の二次側48の入口には配管64が接続され、二次側48の出口には配管66が接続されている。
濃縮装置160は、半透膜50で仕切られた一次側46および二次側48を有する多段式の半透膜処理装置を用いる装置である。1段目半透膜処理装置40の一次側46にポンプ67により配管52を通して、被処理水である正浸透膜処理装置14で使用された希薄誘引溶液(例えば、MgCl:8質量%)の一部を通水し、二次側48に配管56を通して後述する2段目半透膜処理装置42で得られた第2濃縮液(例えば、MgCl:10質量%)を通水し、一次側46が加圧されてその一次側46に含まれる水が二次側48に透過され、第1濃縮液(例えば、MgCl:30質量%)および第1希釈液(例えば、MgCl:5質量%)を得る(濃縮工程(1段目))。第1濃縮液(濃縮誘引溶液)は、配管54を通して排出され、正浸透膜処理装置14における誘引溶液として再度使用される。
第1希釈液は、配管58を通してポンプ68により2段目半透膜処理装置42の一次側46に通水し、二次側48に配管60を通して後述する3段目半透膜処理装置44で得られた第3濃縮液(例えば、MgCl:3質量%)を通水し、一次側46が加圧されてその一次側46に含まれる水が二次側48に透過され、第2濃縮液(例えば、MgCl:10質量%)および第2希釈液(例えば、MgCl:1質量%)を得る(濃縮工程(2段目))。第2濃縮液は、配管56を通して1段目半透膜処理装置40の二次側48に通水される。
第2希釈液は、配管62を通してポンプ70により3段目半透膜処理装置44の一次側46に通水し、二次側48に配管64を通して希薄液(例えば、MgCl:1質量%)を通水し、一次側46が加圧されてその一次側46に含まれる水が二次側48に透過され、第3濃縮液(例えば、MgCl:3質量%)および第3希釈液(例えば、MgCl:<1質量%)を得る(濃縮工程(3段目))。第3濃縮液は、配管60を通して2段目半透膜処理装置42の二次側48に通水される。第3希釈液は、配管66を通して排出される。第2濃縮液、第3濃縮液の一部が正浸透膜処理装置14における誘引溶液として再度使用されてもよい。第3希釈液は、必要に応じて限外ろ過膜(UF膜)処理、逆浸透膜(RO膜)処理、イオン交換処理等を実施したのち、回収、再利用されてもよい。
この圧力補助逆浸透膜処理装置は、一次側46と二次側48との浸透圧差を小さくして、通常の逆浸透膜処理装置よりも少ないエネルギーで運転を行うことができ、より低コストで運転を行うことができる。
以上のようにして、上記希薄誘引溶液から得られた濃縮誘引溶液は、正浸透膜処理装置14における誘引溶液として再度使用される。
図2に示す濃縮装置160において、1段目の半透膜処理装置40の二次側48および2段目以降の半透膜処理装置に通水する液は、1段目の半透膜処理装置40の一次側46に通水する希薄誘引溶液とは別成分の液であってもよい。図3に、このような濃縮装置の例を示す。
図3に示す濃縮装置161は、図2に示す濃縮装置160と同様の構成を有する装置である。1段目半透膜処理装置40の一次側46にポンプ67により配管52を通して、被処理水である正浸透膜処理装置14で使用された希薄誘引溶液(例えば、MgCl:8質量%)の一部を通水し、二次側48に配管56を通して後述する2段目半透膜処理装置42で得られた第2濃縮液(例えば、グルコース:20質量%)を通水し、一次側46が加圧されてその一次側46に含まれる水が二次側48に透過され、第1濃縮液(例えば、MgCl:30質量%)および第1希釈液(例えば、グルコース:10質量%)を得る(濃縮工程(1段目))。第1濃縮液(濃縮誘引溶液)は、配管54を通して排出され、正浸透膜処理装置14における誘引溶液として再度使用される。
第1希釈液は、配管58を通してポンプ68により2段目半透膜処理装置42の一次側46に通水し、二次側48に配管60を通して後述する3段目半透膜処理装置44で得られた第3濃縮液(例えば、NaCl:3質量%)を通水し、一次側46が加圧されてその一次側46に含まれる水が二次側48に透過され、第2濃縮液(例えば、グルコース:20質量%)および第2希釈液(例えば、NaCl:1質量%)を得る(濃縮工程(2段目))。第2濃縮液は、配管56を通して1段目半透膜処理装置40の二次側48に通水される。
第2希釈液は、配管62を通してポンプ70により3段目半透膜処理装置44の一次側46に通水し、二次側48に配管64を通して希薄液(例えば、NaCl:1質量%)を通水し、一次側46が加圧されてその一次側46に含まれる水が二次側48に透過され、第3濃縮液(例えば、NaCl:3質量%)および第3希釈液(例えば、NaCl:<1質量%)を得る(濃縮工程(3段目))。第3濃縮液は、配管60を通して2段目半透膜処理装置42の二次側48に通水される。第3希釈液は、配管66を通して排出される。第3希釈液は、必要に応じて限外ろ過膜(UF膜)処理、逆浸透膜(RO膜)処理、イオン交換処理等を実施したのち、回収、再利用されてもよい。
1段目の半透膜処理装置40の二次側48および2段目以降の半透膜処理装置に通水する液は、浸透圧を有している液であればよく、特に制限はない。例えば、塩化ナトリウム等の無機塩類を含む水溶液、グルコース等の有機物を含む水溶液、ポリマーを含む水溶液や、イオン液体等が挙げられる。1次側から2次側への成分拡散の影響を低減する等の観点から、1段目の半透膜処理装置40の一次側46に通水する希薄誘引溶液と同じ成分の液を用いることが好ましい。
図4に、本実施形態に係る水処理装置1における濃縮装置16の他の例を示す。
図4に示す濃縮装置162は、圧力補助逆浸透膜処理装置の一例である。濃縮装置162は、半透膜を用いて処理対象水を濃縮し、その濃縮液をさらに半透膜を用いて濃縮する濃縮手段を1つ以上備え、第1段の半透膜の一次側に前記希薄誘引溶液を供給し、その濃縮液を各段の半透膜の一次側に順に供給し、各段の半透膜の二次側に前記希薄誘引溶液の一部またはいずれかの段の濃縮液の一部を供給し、各段の半透膜の一次側を加圧してその一次側に含まれる水を二次側に透過させる装置である。
濃縮装置162は、例えば、1段目半透膜処理装置78、2段目半透膜処理装置80、3段目半透膜処理装置82を備える。それぞれの半透膜処理装置は、半透膜88で仕切られた一次側(第一空間)84および二次側(第二空間)86を有する。
図4に示す濃縮装置162において、1段目半透膜処理装置78の一次側84の入口には配管90がポンプ106を介して接続されている。1段目半透膜処理装置78の一次側84の出口と2段目半透膜処理装置80の一次側84の入口とは配管92により接続されている。2段目半透膜処理装置80の一次側84の出口と3段目半透膜処理装置82の一次側84の入口とは配管94により接続されている。3段目半透膜処理装置82の一次側84の出口には配管96が接続されている。配管96から分岐した配管98が、3段目半透膜処理装置82の二次側86の入口に接続されている。3段目半透膜処理装置82の二次側86の出口と2段目半透膜処理装置80の二次側86の入口とは配管100により接続されている。2段目半透膜処理装置80の二次側86の出口と1段目半透膜処理装置78の二次側86の入口とは配管102により接続されている。1段目半透膜処理装置78の二次側86の出口には配管104が接続されている。必要に応じて、配管92,94,96,98,100,102に、加圧、送液用のポンプ、半透膜にかかる圧力を調整するための、バルブ等の圧力調整機構、処理水を一時的に貯留するためのタンク等を備えてもよい。
濃縮装置162において、被処理水である正浸透膜処理装置14で使用された希薄誘引溶液(例えば、MgCl:10質量%)の一部は、ポンプ106により配管90を通して、1段目半透膜処理装置78の一次側84へ送液される。一方、後述する最終段の3段目半透膜処理装置82から2段目半透膜処理装置80の二次側86を経由して返送された希釈液(二次側処理水)(例えば、MgCl:6質量%)が配管102を通して、1段目半透膜処理装置78の二次側86へ送液される。1段目半透膜処理装置78において、半透膜の一次側84が加圧されてその一次側84に含まれる水が二次側86に透過される(濃縮工程(1段目))。
1段目半透膜処理装置78の濃縮液(一次側処理水)(例えば、MgCl:18質量%)は、配管92を通して、2段目半透膜処理装置80の一次側84へ送液される。一方、後述する最終段の3段目半透膜処理装置82から返送された希釈液(二次側処理水)(例えば、MgCl:15質量%)が配管100を通して、2段目半透膜処理装置80の二次側86へ送液される。1段目と同様にして、2段目半透膜処理装置80において、半透膜の一次側84が加圧されてその一次側84に含まれる水が二次側86に透過される(濃縮工程(2段目))。
2段目半透膜処理装置80の濃縮液(一次側処理水)(例えば、MgCl:23質量%)は、配管94を通して、3段目半透膜処理装置82の一次側84へ送液される。一方、後述する最終段の3段目半透膜処理装置82から返送された濃縮液(例えば、MgCl:30質量%)は、配管98を通して、3段目半透膜処理装置82の二次側86へ送液される。1,2段目と同様にして、3段目半透膜処理装置82において、半透膜の一次側84が加圧されてその一次側84に含まれる水が二次側86に透過される(濃縮工程(3段目))。
最終段の3段目半透膜処理装置82の濃縮液(一次側処理水)(例えば、MgCl:30質量%)の一部は、配管96を通して排出され、正浸透膜処理装置14における誘引溶液として再度使用される。3段目半透膜処理装置82の濃縮液の残りの一部は、配管96,98を通して、3段目半透膜処理装置82の二次側86へ送液される。上記の通り、3段目半透膜処理装置82において、半透膜の一次側84が加圧されてその一次側84に含まれる水が二次側86に透過される(濃縮工程(3段目))。
3段目半透膜処理装置82の希釈液(二次側処理水)(例えば、MgCl:15質量%)は、配管100を通して、2段目半透膜処理装置80の二次側86へ送液される。上記の通り、2段目半透膜処理装置80において、半透膜の一次側84が加圧されてその一次側84に含まれる水が二次側86に透過される(濃縮工程(2段目))。
2段目半透膜処理装置80の希釈液(二次側処理水)(例えば、MgCl:6質量%)は、配管102を通して、1段目半透膜処理装置78の二次側86へ送液される。上記の通り、1段目半透膜処理装置78において、半透膜の一次側84が加圧されてその一次側84に含まれる水が二次側86に透過される(濃縮工程(1段目))。1段目半透膜処理装置78の希釈液(二次側処理水)(例えば、MgCl:<1質量%)は、配管104を通して排出される。希釈液は、必要に応じて限外ろ過膜(UF膜)処理、逆浸透膜(RO膜)処理、イオン交換処理等を実施したのち、回収、再利用されてもよい。
この濃縮装置162のような圧力補助逆浸透膜処理装置は、被処理水の一部を浸透圧補助用の希釈用液として使用するため、別途希釈液を用意しなくてもよく、装置構成も濃縮装置160のような圧力補助逆浸透膜処理装置より簡略化することができる。
以上のようにして、上記希薄誘引溶液から得られた濃縮誘引溶液は、正浸透膜処理装置14における誘引溶液として再度使用される。
濃縮装置162のような圧力補助逆浸透膜処理装置において、各段の半透膜の二次側に正浸透膜処理装置14で使用された希薄誘引溶液の一部またはいずれかの段の濃縮液の一部を供給すればよく、その方法に特に制限はない。
例えば、図5の濃縮装置164として示すように、被処理水である正浸透膜処理装置14で使用された希薄誘引溶液を分配して、1段目半透膜処理装置78の一次側84、二次側86にそれぞれ供給し、その濃縮液および透過液を各段の半透膜の一次側84および二次側86にそれぞれ順に供給し、各段の半透膜の一次側を加圧してその一次側に含まれる水を二次側に透過させでもよい。
図6の濃縮装置166として示すように、被処理水である正浸透膜処理装置14で使用された希薄誘引溶液を1段目半透膜処理装置78の一次側84に供給し、その濃縮液を各段の半透膜の一次側に順に供給し、最終段の3段目半透膜処理装置82の濃縮液の一部を1段目半透膜処理装置78の二次側86に供給し、その透過液を各段の半透膜の二次側に順に供給し、各段の半透膜の一次側を加圧してその一次側に含まれる水を二次側に透過させてもよい。
図7の濃縮装置168として示すように、被処理水である正浸透膜処理装置14で使用された希薄誘引溶液を1段目半透膜処理装置78の一次側84に供給し、その濃縮液を各段の半透膜の一次側に順に供給し、各段の半透膜処理装置の濃縮液の一部をその半透膜処理装置自身の二次側86に供給し、各段の半透膜の一次側を加圧してその一次側に含まれる水を二次側に透過させてもよい。
上記濃縮装置160,161,162,164,166,168において、半透膜処理装置の段数は、目的の処理水の濃度等によって決めればよい。例えば、濃縮装置162,164,166,168において、より薄い濃度の希薄誘引溶液からより濃い濃度の処理水(濃縮誘引溶液)を得たい場合には、半透膜処理装置の段数を増やせばよい。
上記濃縮装置160,161,162,164,166,168において、各段の半透膜処理装置として、並列的に接続された2つ以上の膜モジュールを備える膜モジュールユニットを用いてもよい。各膜モジュールユニットにおける膜モジュールの本数は、処理対象の希薄誘引溶液の流量等によって決めればよい。
半透膜処理装置が備える半透膜としては、例えば、逆浸透膜(RO膜)、正浸透膜(FO膜)、ナノろ過膜(NF膜)等の半透膜が挙げられる。半透膜は、逆浸透膜、正浸透膜、ナノろ過膜が好ましい。なお、半透膜として逆浸透膜または正浸透膜、ナノろ過膜を用いる場合、一次側の対象溶液の圧力は、好ましくは0.5~10.0MPaである。
半透膜を構成する材料としては、特に限定されないが、例えば、酢酸セルロース系樹脂等のセルロース系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂等のポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられる。半透膜を構成する材料は、酢酸セルロース系樹脂であることが好ましい。
半透膜の形状としては、膜の一次側と二次側にそれぞれ溶液が供給できる構造をとっていれば特に限定されず、スパイラル型、中空糸膜、プレートアンドフレーム型等が挙げられる。
[水処理装置の他の例]
本発明の実施形態に係る水処理装置において、水酸化マグネシウムと酸とを混合し、pH7以下で反応させて、誘引溶液として使用するマグネシウム塩水溶液を調製する調製手段として誘引溶液調製槽をさらに備えてもよい。誘引溶液調製槽において、水酸化マグネシウムと酸とを混合し、pH7以下で反応させて、マグネシウム塩水溶液を調製し(調製工程)、調製したマグネシウム塩水溶液を正浸透膜処理装置14の正浸透膜の2次側に送液し、誘引溶液として使用すればよい。
調製工程で用いられる酸としては、塩酸、硫酸、硝酸等が挙げられ、難溶解性物質生成抑制等の観点から、塩酸または硝酸が好ましい。
調製工程におけるpHは7以下であればよく、特に制限はないが、例えば、pH1~7の範囲であり、2~5の範囲であることが好ましい。調製工程におけるpHが7を超えると、マグネシウム塩の溶解が不十分となる場合があり、1未満であると、酸の添加量が過剰となる場合がある。
調製工程における温度は、マグネシウム塩の溶解反応が進行する温度であればよく、特に制限はないが、例えば、1℃~80℃の範囲である。調製工程における温度が1℃未満であると、マグネシウム塩の溶解反応が不十分となる場合があり、80℃を超えると、設備の耐熱性等が問題となる場合がある。
調製工程における反応時間は、マグネシウム塩の溶解反応が進行することができればよく、特に制限はないが、例えば、5分~120分の範囲である。調製工程における反応時間が5分未満であると、マグネシウム塩の溶解反応が不十分となる場合があり、120分を超えると、設備が課題となる場合がある。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
TDS100ppm、溶解性シリカ15ppmを含む工業用水について、図1に記載の水処理装置を用いて濃縮処理を実施した。逆浸透膜処理装置によって、TDS8%まで濃縮した。この濃縮水を正浸透膜処理装置(正浸透膜:HP5230(東洋紡製))に供給し、さらに誘引溶液として30重量%塩化マグネシウム溶液を供給し、TDS20%のFO濃縮水を得た。正浸透膜処理によって希釈された希薄塩化マグネシウム溶液の一部は、溶解性シリカ除去装置にそのまま添加し、残りは、図4の構成の濃縮装置を用いて塩化マグネシウム30%まで濃縮し、正浸透膜処理装置の誘引溶液として再利用した。正浸透膜処理に用いたエネルギーコストを算出した。結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1で用いた水処理装置において、正浸透膜処理装置の代わりにエバポレータを用いた濃縮操作を実施し、同じくTDS20%の濃縮水を得た。エバポレータに用いたエネルギーコストを算出し、実施例1と比較した。結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例1で用いた水処理装置において、正浸透膜処理装置の誘引溶液として、30重量%炭酸アンモニウム溶液を用い、同じくTDS20%の濃縮水を得た。正浸透膜処理によって希釈された希薄炭酸アンモニウム溶液は、再生装置に送り、熱による再生を実施した(再生工程)。正浸透膜処理に用いたエネルギーコストを算出した(再生工程に供したエネルギーを含む)。結果を表1に示す。
Figure 0007228492000001
このように、実施例1の処理方法により、比較例1,2の処理方法に比べて、低いエネルギーコストで濃縮することができ、溶解性シリカおよび硬度成分のうち少なくとも1つを含む被処理水を低コストで処理することができることがわかった。
1,3 水処理装置、10,200 前処理装置、12 逆浸透膜処理装置、14,202 正浸透膜処理装置、16,160,161,162,164,166,168 濃縮装置、18 被処理水配管、20 前処理水配管、22 濃縮水配管、24 透過水配管、26 誘引溶液配管、28,32 希薄誘引溶液配管、30 FO濃縮水配管、34 濃縮誘引溶液配管、36 希釈液配管、40,78 1段目半透膜処理装置、42,80 2段目半透膜処理装置、44,82 3段目半透膜処理装置、46,84 一次側、48,86 二次側、50,88 半透膜、52,54,56,58,60,62,64,66,90,92,94,96,98,100,102,104 配管、67,68,70,106 ポンプ、204 誘引溶液槽、206 加熱装置。

Claims (10)

  1. 溶解性シリカおよび硬度成分のうち少なくとも1つを含む被処理水の処理を行う水処理装置であって、
    溶解性シリカ除去手段および硬度成分除去手段のうちいずれか1つを備える前処理手段と、
    前記前処理手段で得られた前処理水を濃縮処理する第1濃縮処理手段と、
    前記第1濃縮処理手段で得られた濃縮水を正浸透膜処理する正浸透膜処理手段と、
    前記正浸透膜処理手段で使用された希薄誘引溶液の一部を濃縮処理する第2濃縮処理手段と、
    を備え、
    前記正浸透膜処理手段で使用された希薄誘引溶液の一部が前記前処理手段で使用され、前記第2濃縮手段で濃縮された濃縮誘引溶液が前記正浸透膜処理手段における誘引溶液として再度使用されることを特徴とする水処理装置。
  2. 請求項1に記載の水処理装置であって、
    前記第2濃縮処理手段は、半透膜を用いる濃縮処理手段であることを特徴とする水処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の水処理装置であって、
    前記第1濃縮処理手段は、逆浸透膜処理手段であることを特徴とする水処理装置。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の水処理装置であって、
    前記正浸透膜処理手段で用いる誘引溶液がマグネシウム塩水溶液であり、前記正浸透膜処理手段で使用されたマグネシウム塩希薄水溶液が、前記溶解性シリカ除去手段で使用されることを特徴とする水処理装置。
  5. 請求項1~3のいずれか1項に記載の水処理装置であって、
    前記正浸透膜処理手段で用いる誘引溶液がアルカリ剤水溶液であり、前記正浸透膜処理手段で使用されたアルカリ剤希薄水溶液が、前記硬度成分除去手段で使用されることを特徴とする水処理装置。
  6. 請求項1~3のいずれか1項に記載の水処理装置であって、
    前記正浸透膜処理手段で用いる誘引溶液が酸水溶液または塩化ナトリウム水溶液であり、前記正浸透膜処理手段で使用された酸希薄水溶液または塩化ナトリウム希薄水溶液が、前記硬度成分除去手段で使用されることを特徴とする水処理装置。
  7. 溶解性シリカおよび硬度成分のうち少なくとも1つを含む被処理水の処理を行う水処理方法であって、
    溶解性シリカ除去工程および硬度成分除去工程のうちいずれか1つを含む前処理工程と、
    前記前処理工程で得られた前処理水を濃縮処理する第1濃縮処理工程と、
    前記第1濃縮処理工程で得られた濃縮水を正浸透膜処理する正浸透膜処理工程と、
    前記正浸透膜処理工程で使用された希薄誘引溶液の一部を濃縮処理する第2濃縮処理工程と、
    を含み、
    前記正浸透膜処理工程で使用した希薄誘引溶液の一部を前記前処理工程で使用し、前記第2濃縮処理工程で濃縮した濃縮誘引溶液を前記正浸透膜処理工程における誘引溶液として再度使用することを特徴とする水処理方法。
  8. 請求項7に記載の水処理方法であって、
    前記第2濃縮処理工程は、半透膜を用いる濃縮処理工程であることを特徴とする水処理方法。
  9. 請求項7または8に記載の水処理方法であって、
    前記第1濃縮処理工程は、逆浸透膜処理工程であることを特徴とする水処理方法。
  10. 請求項7~9のいずれか1項に記載の水処理方法であって、
    前記正浸透膜処理工程で用いる誘引溶液がマグネシウム塩水溶液であり、前記正浸透膜処理工程で使用したマグネシウム塩希薄水溶液を、前記溶解性シリカ除去工程で使用することを特徴とする水処理方法。
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