JP2002096068A - 脱塩排水の処理方法及び装置 - Google Patents
脱塩排水の処理方法及び装置Info
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Abstract
脱塩処理でき、水利用率が高く放流廃水が少ない排水処
理方法及び排水処理装置を提供すること。 【解決手段】 脱塩装置から排出されるカルシウムイオ
ン濃度10〜800mg/l、フッ化物イオン濃度10〜3
00mg/lの脱塩排水を極性転換方式電気透析装置で処理
し、次いで、該処理水を逆浸透膜装置で処理し、逆浸透
膜装置の透過水は前記脱塩装置の原水供給側に戻す。
Description
イス製造工程で使用される洗浄用超純水、ボイラ給水、
医製薬製造に用いる注射用水の製造装置から排出される
脱塩排水の処理方法及び処理装置に関するものである。
を得ることが求められる被洗浄物の洗浄用脱塩水として
は、微粒子、コロイダル物質、有機物、金属及びイオン
類などが可能な限り除去された高純度な「超純水」と称
される水が用いられる。この「超純水」の用語で説明さ
れる高純度な水は、必ずしも明確に定義されたものでは
ないが、一般的には、原水を凝集沈殿装置、砂濾過装
置、活性炭濾過装置等を用いて除濁することにより前処
理水を得、次いで、2床3塔式イオン交換装置、逆浸透
膜装置、混床式イオン交換装置、真空脱気装置、精密フ
ィルター等を用いて前処理水中の不純物を除去したもの
を純水あるいは一次純水と称し、この一次純水をさらに
紫外線照射装置、混床式ポリッシャ、限外濾過膜装置、
逆浸透膜装置等を用いて、一次純水中に微量残留する微
粒子、コロイダル物質、有機物、金属及びイオン等の不
純物を可及的に除去したものを超純水あるいは二次純水
と称している。
下、「脱塩装置」とも言う)40で製造され、被洗浄物
を洗浄する使用場所50に供給される。使用場所50か
ら排出された排水は、導電率やTOCにより分別し、汚
染の少ないものは配管51により直接原水貯槽30に戻
される。汚染が著しいものは配管52により廃水処理装
置70に送られる。また、中程度の汚染の排水は、排水
回収配管53により脱塩やTOC分解等を行う脱塩手段
60に送られ、脱塩水は直接原水貯槽30に戻され回収
されると共に、脱塩排水は廃水処理装置70に送られ
る。廃水処理装置70では廃水を中和、有機物、窒素及
びリン等の低減処理後、放流される(図5)。このよう
な超純水製造装置40では、高純度な脱塩水と同時に大
量の脱塩排水を発生し、これを放流しなければならず、
近年の環境保護関連の規制強化に伴う放流規制や地盤沈
下の防止のための井水の取水制限、原水や下水料金の高
騰に対応できない。
制限から、放流設備を備えず脱塩排水をエバポレータで
濃縮し、その濃縮液をそのまま、あるいはドラムドライ
ヤ処理し、その蒸発乾固物を廃棄物処理業者に引き渡す
クローズドシステム方式の排水処理装置も知られてい
る。
クローズドシステム方式の排水処理装置は、エバポレー
タやドラムドライヤといった蒸発装置を使用するため莫
大なエネルギーを消費するという問題がある。特に既設
工場において、使用場所における洗浄用水の使用量が増
大すると、それに伴い脱塩排水の増加が生じ、これを処
理するために上記の蒸発装置の増設が必要となり、設備
費用や運転費用が大きな負担となる。一方、脱塩排水に
は、井水及び工業用水由来のカルシウムイオン、半導体
デバイスの洗浄排水由来のフッ化物イオンや硫酸イオン
を含む塩が高濃度で含有されており、これらの塩は溶解
度が低いため、不溶の塩が析出して懸濁状態のものもあ
り、通常の脱塩装置では処理できないという問題があ
る。このため、不溶の塩が析出するような懸濁状態にあ
る脱塩排水を更に脱塩処理し、該処理水を原水に回収で
きるような排水処理方法や排水処理装置が望まれてい
た。
度で含有する脱塩排水を更に脱塩処理でき、且つ水利用
率が高く放流廃水が少なく、特にクローズドシステムに
おいてはエバポレータやドラムドライヤの被処理水を減
容化し、エネルギー消費の少ない排水処理方法及び排水
処理装置を提供することにある。
発明者は鋭意検討を行った結果、廃水処理装置に供給さ
れる脱塩排水を予め極性転換方式電気透析装置で処理
し、次いで、該処理水を逆浸透膜装置で処理し、逆浸透
膜装置の透過水は前記脱塩装置の原水供給側に戻し、極
性転換方式電気透析装置と逆浸透膜装置の濃縮水は廃水
処理装置で処理すれば、不溶の塩が析出するような懸濁
状態にある脱塩排水を更に脱塩処理し、該処理水を原水
に回収できると共に、放流廃水が少なくできることなど
を見出し、本発明を完成するに至った。
排出されるカルシウムイオン濃度10〜800mg/l、フ
ッ化物イオン濃度10〜300mg/lの脱塩排水を極性転
換方式電気透析装置で処理し、次いで、該処理水を逆浸
透膜装置で処理し、逆浸透膜装置の透過水は前記脱塩装
置の原水供給側に戻す脱塩排水の処理方法を提供するも
のである。かかる構成を採ることにより、溶解度の低い
塩を多量に含み従来であれば、直接廃水処理装置で処理
されるような脱塩排水を極性転換方式電気透析装置で更
に脱塩処理できる。極性転換方式電気透析装置はシリカ
及び有機物の除去率が低いが、これらは逆浸透膜装置で
除去できるから、逆浸透膜装置の透過水は脱塩装置の原
水として回収でき、水利用率を高めることができる。
電気透析装置の濃縮水と前記逆浸透膜装置の濃縮水は廃
水処理装置で処理する脱塩排水の処理方法を提供するも
のである。かかる構成を採ることにより、従来のものに
比べて、廃水処理装置からの放流廃水を少なくできる。
特に廃水処理装置として、エバポレータやドラムドライ
ヤなどの蒸発器を使用するクローズドシステムにおいて
は、該蒸発器の被処理水が減容化され、エネルギー消費
が少なくて済む。
再生型イオン交換装置から生じる薬品再生廃液、逆浸透
膜装置の濃縮水及び電気式脱イオン水製造装置の濃縮水
や電極水から選ばれる1種以上を含有する排水である脱
塩排水の処理方法を提供するものである。かかる構成を
採ることにより、前記発明と同様の効果を奏する他、種
々の脱塩手段の脱塩排水を脱塩処理することができる。
純物を除去して得られる脱塩水を使用場所へ供給する第
1脱塩処理装置と、該使用場所から排出される排水を脱
塩処理して処理水を原水として回収する第2脱塩処理装
置を有する脱塩装置と、前記第1脱塩処理装置及び前記
第2脱塩処理装置から排出される脱塩排水を被処理水と
し、該脱塩排水中のイオン性不純物を除去する極性転換
方式電気透析装置と、該極性転換方式電気透析装置の処
理水を被処理水とする逆浸透膜装置と、前記極性転換方
式電気透析装置の濃縮水と前記逆浸透膜装置の濃縮水を
処理する廃水処理装置を備える脱塩排水の処理装置を提
供するものである。かかる構成を採ることにより、従来
の超純水製造装置に適用でき、前記排水の脱塩方法の発
明を確実に実施できる。
電気透析装置の処理水を前記逆浸透膜装置に流入させる
極性転換方式電気透析装置脱塩水配管に、前記逆浸透膜
装置の濃縮水のpHを4〜6.5に調整するpH調整手
段を備えた脱塩排水の処理装置を提供するものである。
極性転換方式電気透析装置で除去され難い炭酸、シリ
カ、有機物及びフッ化物イオンを高濃度で含む極性転換
方式電気透析装置の処理水を逆浸透膜装置で処理する
と、逆浸透膜の膜面にシリカやカルシウム由来の化合物
がスケールとして析出することがあるが、かかる構成を
採ることにより、当該化合物の溶解性が高まりスケール
発生を防止できるため、安定した連続運転が可能とな
る。
電気透析装置へ前記脱塩排水を流入させる脱塩排水配管
又は前記極性転換方式電気透析装置の処理水を前記逆浸
透膜装置に流入させる極性転換方式電気透析装置脱塩水
配管に、スケール発生防止剤を添加する薬剤添加手段を
備えた脱塩排水の処理装置を提供するものである。前記
と同様に極性転換方式電気透析装置の処理水を逆浸透膜
装置で処理すると、逆浸透膜の膜面に珪酸カルシウムが
スケールとして析出することがあるが、スケール発生防
止剤は、珪酸カルシウムなどのスケールをミセル形成に
よる荷電反発などにより分散させたり、あるいはキレー
ト化により安定化させる。従って、逆浸透膜の膜面に珪
酸カルシウムなどのスケールの発生を防止することがで
きる。また、極性転換方式電気透析装置のイオン交換膜
面に対してもフッ化カルシウムの析出を防止することが
できる。
電気透析装置の入口側に、前記脱塩排水からの懸濁物質
を除去する除濁装置を備えた脱塩排水の処理装置を提供
するものである。脱塩排水は不溶の塩が析出して懸濁状
態のものもあり、そのまま極性転換方式電気透析装置に
流入させると、不溶の塩がイオン交換膜のスペーサに挟
まり流路を閉塞する恐れがあるが、かかる構成を採るこ
とにより、該装置の被処理水の流路を閉塞するトラブル
を回避することができる。
の濃縮水の少なくとも一部を前記極性転換方式電気透析
装置の入口側に返送させる配管を備えた脱塩排水の処理
装置を提供するものである。かかる構成を採ることによ
り、更に水利用率を向上させることができる。
は、該廃水処理装置に供給される被処理水中のイオン性
不純物を更に濃縮するエバポレータを備える脱塩排水の
処理装置を提供するものである。かかる構成を採ること
により、立地条件や放流規制などによる制限から、放流
設備を備えず脱塩排水をエバポレータで濃縮し、その濃
縮液をそのまま、あるいはドラムドライヤ処理し、その
蒸発乾固物を廃棄物処理業者に引き渡すこともできる。
理装置は、原水を除濁等の前処理装置を介して、又は該
前処理装置を介することなくイオン性不純物を除去する
脱塩手段を単独又は複数段経て処理するものである脱塩
排水の処理装置を提供するものである。かかる構成を採
ることにより、従来のあらゆる形態の超純水製造装置や
脱塩装置に適用でき、該装置から排出される脱塩排水を
水回収率を高めて処理できる。
における脱塩排水の処理装置を図1〜図3を参照して説
明する。図1において、脱塩排水の処理装置10aは、
脱塩排水供給管15から供給される脱塩排水を被処理水
とし、該脱塩排水中のイオン性不純物を除去する極性転
換方式電気透析装置1と、極性転換方式電気透析装置1
と配管16で連接される逆浸透膜装置2と、極性転換方
式電気透析装置1の濃縮水と逆浸透膜装置2の濃縮水を
処理する廃水処理装置12を備える。これらの濃縮水は
配管19によって廃水処理装置12に供給される。逆浸
透膜装置2の透過水は配管17により脱塩装置4の原水
貯槽3に戻される。超純水製造系100(200)は、
原水貯槽3と脱塩装置4と脱塩水使用場所11とからな
り、原水貯槽3と脱塩装置4は配管13で、脱塩装置4
と脱塩水使用場所11は配管14でそれぞれ接続されて
いる。脱塩装置4と極性転換方式電気透析装置1は脱塩
排水供給管15で接続され、また、脱塩水の使用場所か
らの廃水のうち、汚染が著しいものは配管18により直
接廃水処理装置12に送られる。
る方法を説明する。先ず、脱塩装置4から排出される脱
塩排水を極性転換方式電気透析装置1で処理する。脱塩
装置4は、公知の超純水製造装置であり、例えば、図2
及び図3で示される脱塩装置が挙げられる。図2は図1
中、二点鎖線で囲まれた部分の詳細図である。図2中、
原水を凝集沈殿装置、砂濾過装置、活性炭濾過装置等の
前処理装置4aにより除濁して前処理水を得、次いで、
イオン交換装置4b、脱気装置4c、再生型ポリッシャ
ー4dにより前処理水中の不純物を除去して一次純水を
得、この一次純水をさらに紫外線照射装置、混床式ポリ
ッシャー、限外濾過膜装置、逆浸透膜装置等のサブシス
テム4eを用いて、一次純水中に微量残留する微粒子、
コロイダル物質、有機物、金属及びイオン等の不純物を
除去して超純水とし、これを使用場所11に供給する。
一方、使用場所から排出される排水のうち、汚染の少な
いものは配管111で脱塩装置の原水を貯留する原水貯
槽3に回収し、汚染が中程度の排水は配管114でイオ
ン交換装置4gに、次いで、有機物分解装置4fに供給
されて処理水を得、これを原水に回収する。この超純水
製造系100において、脱塩装置4は、各脱塩装置4a
〜4eで構成される第1脱塩処理装置4Aと、回収系の
各脱塩装置4f及び4gで構成される第2脱塩処理装置
4Bからなる。従って、図2においては、脱塩装置4か
ら排出される脱塩排水は、イオン交換装置4bから配管
112を通って排出される薬品による再生廃液、再生型
ポリッシャー4dから配管113を通って排出される薬
品による再生廃液、イオン交換装置4gから配管115
を通って排出される薬品による再生廃液である。
囲まれた部分の他の形態の詳細図である。図3中、図2
と異なる点は、第1脱塩処理装置4Aの一次純水製造系
の脱塩装置を逆浸透膜装置4h、電気式脱イオン水製造
装置4i、脱気装置4cを上流側よりこの順序で並べた
点、及び第2脱塩処理装置4Bを電気式脱イオン水製造
装置4i、有機物分解装置4fとし、これを上流側より
この順序で並べた点にある。この超純水製造系200に
おいて、脱塩装置4は、各脱塩装置4a、4h、4i、
4c及び4eで構成される第1脱塩処理装置4Aと、回
収系の各脱塩装置4i及び4fで構成される第2脱塩処
理装置4Bからなる。従って、図3においては、脱塩装
置4から排出される脱塩排水は、逆浸透膜装置4hから
配管116を通って排出される濃縮水、電気式脱イオン
水製造装置4i、4iから配管115、117をそれぞ
れ通って排出される濃縮水及び電極水である。
水及び工業用水由来のカルシウムイオン、半導体デバイ
スの洗浄排水由来のフッ化物イオンや硫酸イオンを含む
塩が高濃度で含有されており、これらの塩は溶解度が低
いため、不溶の塩が析出して懸濁状態のものもあり、従
来では直接廃水処理装置に送られていたものである。当
該脱塩排水の水質は、カルシウムイオン濃度10〜80
0mg/l、フッ化物イオン濃度10〜300mg/lのもので
ある。カルシウムイオン濃度やフッ化物イオン濃度が上
記範囲未満のものは、極性転換方式電気透析装置1で処
理することなく、直接原水に戻して回収できることが多
く、また、上記範囲を越えるものは、極性転換方式電気
透析装置1であっても処理できない程の濃厚廃液であ
り、もはや廃水処理装置で処理せざるを得ない。当該脱
塩排水を極性転換方式電気透析装置1で処理すると、カ
ルシウムイオンやフッ化物イオンなどのイオン性不純物
が効率よく除去される。このように汚染が著しい脱塩排
水中の不純物が極性転換方式電気透析装置で効率よく除
去されるのは、後述するように、所望の時間毎に電気透
析装置の電源の極性を転換できるためである。一方、シ
リカや有機物は除去され難いものの、これらは後段の逆
浸透膜装置で除去される。
が使用でき、電気透析装置の電極の極性を所望の時間毎
に交互に転換できるようにしたものである。すなわち、
電極間にカチオン交換膜とアニオン交換膜を交互に、且
つ両膜間は脱塩室と濃縮室を交互に形成するように配置
したものであり、電極の極性の転換、すなわち、陽極を
陰極に、陰極を陽極に転換することにより、転換前に脱
塩室又は濃縮室であった流路は転換後は濃縮室又は脱塩
室になるようにしたものである。このため、極性転換方
式電気透析装置の脱塩過程において、濃縮室内のイオン
交換膜面上に付着したフッ化カルシウムなどのスケール
は、上記電極の極性を転換して当該濃縮室を脱塩室とす
れば、フッ化カルシウムはカルシウムイオンとフッ化物
イオンに分解され、カルシウムイオンはカチオン交換膜
を通して、フッ化物イオンはアニオン交換膜を通して濃
縮室側へ移動し、該濃縮水は配管19を通って廃水処理
装置12に送られる。また、この脱塩過程において、濃
縮室内のイオン交換膜面上にスケールが付着した場合に
は、再度電極の極性を転換して当該脱塩室を濃縮室、濃
縮室を脱塩室にし、これを繰り返すことにより運転が継
続される。極性転換方式電気透析装置の運転は通常、中
性域で行われるため、pHが調整された被処理水が供給
される。このように、極性転換方式電気透析装置を使用
すれば、汚染が著しい脱塩排水中の不純物を効率よく除
去することができる。
理水は逆浸透膜装置2で処理される。逆浸透膜装置2で
は、極性転換方式電気透析装置1で除去し難かったシリ
カ等のイオン性不純物が除去される。逆浸透膜装置2は
公知のものが使用できる。逆浸透膜装置2の透過水は配
管17により原水貯槽3に回収されると共に、逆浸透膜
装置2の濃縮水は配管19を通って廃水処理装置12に
送られる。
らの廃水のうち、汚染が著しいもの、極性転換方式電気
透析装置1の濃縮水及び逆浸透膜装置2の濃縮水を処理
するものである。廃水処理装置12は公知の装置が使用
でき、例えば、中和、有機物低減、窒素及びリン等の低
減などの処理を行う装置が例示される。廃水処理装置1
2の処理水は放流される。
水製造系で処理して、高度の水質を有する超純水を得る
一方、超純水製造系で使用される脱塩装置から排出され
る、溶解度の低い塩を多量に含み従来であれば、直接廃
水処理装置で処理されるような脱塩排水を極性転換方式
電気透析装置、更に逆浸透膜装置で順次脱塩処理するた
め、逆浸透膜装置の透過水は脱塩装置の原水として回収
でき、水利用率を高めることができる。
を参照して説明する。図4において、図1と異なる点
は、脱塩排水配管15に脱塩排水から懸濁物質を除去す
る除濁装置5及びスケール発生防止剤添加手段8を設置
した点、極性転換方式電気透析装置1の処理水を逆浸透
膜装置2に流入させる配管16に、逆浸透膜装置2の濃
縮水のpHを4〜6.5に調整するpH調整手段9を設
置した点、逆浸透膜装置2の濃縮水を極性転換方式電気
透析装置1の入口側に返送した点及び廃水処理装置に流
入する被処理水中のイオン性不純物を更に濃縮するエバ
ポレータ6、ドラムドライヤ7を設置し、廃棄物を固体
廃棄物として系外へ取り出すようにした点にある。
管15に脱塩排水から懸濁物質を除去する除濁装置5を
設置することにより、不溶の塩がイオン交換膜のスペー
サに挟まり流路を閉塞するトラブルを回避することがで
きる。除濁装置5は、例えば超純水製造装置で使用され
る前処理装置と同じものが使用できる。
管15にスケール発生防止剤添加手段8を設置すれば、
極性転換方式電気透析装置のイオン交換膜面に析出する
フッ化カルシウムや逆浸透膜の膜面に析出する珪酸カル
シウムなどのスケールをミセル形成による荷電反発など
により分散させたり、あるいはキレート化により安定化
させる。従って、極性転換方式電気透析装置のイオン交
換膜面及び逆浸透膜の膜面にスケールの発生を防止する
ことができる。スケール発生防止剤としては、例えば、
アクリル酸系(共)重合体、マレイン酸系(共)重合
体、スルホン酸系(共)重合体などの有機物高分子化合
物;アミン系重合体、アミノカルボン酸系共重合体及び
グルコン酸、クエン酸などのキレート剤が挙げられる。
スケール発生防止剤の注入方法及び注入量は特に制限さ
れず、適宜決定される。
式電気透析装置1の処理水を逆浸透膜装置2に流入させ
る配管16に、逆浸透膜装置2の濃縮水のpHを4〜
6.5に調整するpH調整手段9を設置することによ
り、極性転換方式電気透析装置では除去され難い炭酸、
シリカ、有機物及びフッ化物イオンを高濃度で含む処理
水を逆浸透膜装置で処理すると、逆浸透膜の膜面にシリ
カやカルシウム由来の化合物がスケールとして析出する
ことがあるが、pH調整手段9でpHを上記範囲に保持
すれば、当該化合物の溶解性が高まりスケール発生を防
止できる。pH調整手段9は、硫酸、塩酸などの酸性溶
液を添加するポンプ、酸溶液貯槽で構成され、必要に応
じて、pH計と調節計を用いて一定pHを維持する制御
系を設けてもよい。
置2の濃縮水を廃水処理装置に送ることなく、極性転換
方式電気透析装置1の入口側に返送すれば、更に水利用
率を向上させることができる。また、廃水処理装置に流
入する被処理水中のイオン性不純物を更に濃縮するエバ
ポレータ6、ドラムドライヤ7を設置し、廃棄物を固体
廃棄物として系外へ取り出すようにすれば、放流するも
のは無く、立地条件や放流規制などの規制がかかる設備
に特に有効である。また、エバポレータ6やドラムドラ
イヤ7で処理する被処理水が減容化できるため、エネル
ギー消費が少なくて済む。
において、脱塩排水配管15に除濁装置5及びスケール
発生防止剤添加手段8を設置すること、配管16にpH
調整手段9を設置すること、逆浸透膜装置2の濃縮水を
極性転換方式電気透析装置1の入口側に返送すること及
びエバポレータ6やドラムドライヤ7を設置すること
は、これに限定されず、例えばこれら単独で設置する形
態であってもよく、また、上記以外の2種以上を組み合
わて設置する形態であってもよい。また、スケール発生
防止剤添加手段8は逆浸透膜装置2の被処理水配管16
に設置してもよく、pH調整手段9は極性転換方式電気
透析装置1の被処理水がアルカリの場合、脱塩排水配管
15にも設置し、該被処理水を中性とするようにしても
よい。
説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限す
るものではない。 実施例1 スケール発生防止剤添加手段8を配管16に設置した以
外は、図4の排水処理装置10bに示すフロー、及び下
記に示す装置仕様などに従って、排水処理実験を行い、
極性転換方式電気透析装置1の処理水と濃縮水、逆浸透
膜装置2の処理水の水質を調べると共に、水利用率を求
めた。なお、極性転換方式電気透析装置1の処理水が流
出する配管には三方弁を設置し、脱塩室と濃縮室が交互
に替わる過渡状態におけるオフスペック水は逆浸透膜装
置2の被処理水とせず、配管19に流れるようにした。
結果を表1に示す。
クス社製) ・逆浸透膜装置(RO);LF10−D8(日東電工社
製) ・スケール発生分散剤;オルガビートAC(オルガノ社
製) ・pH調整;70% 硫酸を使用し、逆浸透膜装置の濃縮水
のpHを6.0に調整 ・脱塩排水水質;表1に示す
率;約47%) ・ROの濃縮水流量;25m3/日
来であれば、直接廃水処理装置で処理されるような汚れ
の著しい脱塩排水を極性転換方式電気透析装置で、次い
で、逆浸透膜装置で脱塩処理するため、優れた水質の処
理水が得られる。このため、該処理水は原水に回収する
ことができる。また、水回収率が約47%あり、水利用
率が高まる。
を多量に含み従来であれば、直接廃水処理装置で処理さ
れるような脱塩排水を極性転換方式電気透析装置で更に
脱塩処理できる。極性転換方式電気透析装置はシリカ及
び有機物の除去率が低いが、これらは逆浸透膜装置で除
去できるから、逆浸透膜装置の透過水は脱塩装置の原水
として回収でき、水利用率を高めることができる。ま
た、本発明(2)によれば、従来のものに比べて、廃水
処理装置からの放流廃水を少なくできる。特に廃水処理
装置として、エバポレータやドラムドライヤなどの蒸発
器を使用するクローズドシステムにおいては、該蒸発器
の被処理水が減容化され、エネルギー消費が少なくて済
む。また、本発明(3)によれば、種々の脱塩手段の脱
塩排水を脱塩処理することができる。
水製造装置に適用でき、前記排水の脱塩方法の発明を確
実に実施できる。また、本発明(5)によれば、当該化
合物の溶解性が高まりスケール発生を防止できるため、
安定した連続運転が可能となる。また、本発明(6)に
よれば、スケール発生防止剤は、フッ化カルシウムや珪
酸カルシウムなどのスケールをミセル形成による荷電反
発などにより分散させたり、あるいはキレート化により
安定化させる。従って、極性転換方式電気透析装置のイ
オン交換膜面や逆浸透膜の膜面にスケールの発生を防止
することができる。また、本発明(7)によれば、極性
転換方式電気透析装置の被処理水の流路を閉塞するトラ
ブルを回避することができる。また、本発明(8)によ
れば、更に水利用率を向上させることができる。また、
本発明(9)によれば、立地条件や放流規制などによる
制限から、放流設備を備えず脱塩排水をエバポレータで
濃縮し、その濃縮液をそのまま、あるいはドラムドライ
ヤ処理し、その蒸発乾固物を廃棄物処理業者に引き渡す
こともできる。また、本発明(10)によれば、従来の
あらゆる形態の超純水製造装置や脱塩装置に適用でき、
該装置から排出される脱塩排水を水回収率を高めて処理
できる。
置のフロー図である。
る。
細図である。
置のフロー図である。
である。
Claims (10)
- 【請求項1】 脱塩装置から排出されるカルシウムイオ
ン濃度10〜800mg/l、フッ化物イオン濃度10〜3
00mg/lの脱塩排水を極性転換方式電気透析装置で処理
し、次いで、該処理水を逆浸透膜装置で処理し、逆浸透
膜装置の透過水は前記脱塩装置の原水供給側に戻すこと
を特徴とする脱塩排水の処理方法。 - 【請求項2】 前記極性転換方式電気透析装置の濃縮水
と前記逆浸透膜装置の濃縮水は廃水処理装置で処理する
ことを特徴とする請求項1記載の脱塩排水の処理方法。 - 【請求項3】 前記脱塩排水は、再生型イオン交換装置
から生じる薬品再生廃液、逆浸透膜装置の濃縮水及び電
気式脱イオン水製造装置の濃縮水や電極水から選ばれる
1種以上を含有する排水であることを特徴とする請求項
1又は2記載の脱塩排水の処理方法。 - 【請求項4】 原水のイオン性不純物を除去して得られ
る脱塩水を使用場所へ供給する第1脱塩処理装置と、該
使用場所から排出される排水を脱塩処理して処理水を原
水として回収する第2脱塩処理装置を有する脱塩装置
と、前記第1脱塩処理装置及び前記第2脱塩処理装置か
ら排出される脱塩排水を被処理水とし、該脱塩排水中の
イオン性不純物を除去する極性転換方式電気透析装置
と、該極性転換方式電気透析装置の処理水を被処理水と
する逆浸透膜装置と、前記極性転換方式電気透析装置の
濃縮水と前記逆浸透膜装置の濃縮水を処理する廃水処理
装置を備えることを特徴とする脱塩排水の処理装置。 - 【請求項5】 前記極性転換方式電気透析装置の処理水
を前記逆浸透膜装置に流入させる配管に、前記逆浸透膜
装置の濃縮水のpHを4〜6.5に調整するpH調整手
段を備えたことを特徴とする請求項4記載の脱塩排水の
処理装置。 - 【請求項6】 前記極性転換方式電気透析装置へ前記脱
塩排水を流入させる脱塩排水配管又は前記極性転換方式
電気透析装置の処理水を前記逆浸透膜装置に流入させる
配管に、スケール発生防止剤を添加する薬剤添加手段を
備えたことを特徴とする請求項4又は5記載の脱塩排水
の処理装置。 - 【請求項7】 前記極性転換方式電気透析装置の入口側
に、前記脱塩排水からの懸濁物質を除去する除濁装置を
備えたことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に
記載の脱塩排水の処理装置。 - 【請求項8】 前記逆浸透膜装置の濃縮水の少なくとも
一部を前記極性転換方式電気透析装置の入口側に返送さ
せる配管を備えたことを特徴とする請求項4〜7のいず
れか1項に記載の脱塩排水の処理装置。 - 【請求項9】 前記廃水処理装置は、該廃水処理装置に
供給される被処理水中のイオン性不純物を更に濃縮する
エバポレータを備えることを特徴とする請求項4〜8の
いずれか1項に記載の脱塩排水の処理装置。 - 【請求項10】 前記第1脱塩処理装置は、原水を除濁
等の前処理装置を介して、又は該前処理装置を介するこ
となくイオン性不純物を除去する脱塩手段を単独又は複
数段経て処理するものであることを特徴とする請求項4
〜9のいずれか1項に記載の脱塩排水の処理装置。
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