JP6657720B2 - 汽力発電所排水の回収利用方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、汽力発電所において発生するブロー水、ドレン水、サンプリングラック排水を処理してボイラ補給水として回収利用する方法と装置に関する。
汽力発電は、ボイラで発生させた蒸気によりタービンを駆動させて発電する発電方法であり、狭義には火力発電のみを指すが、広義には原子力発電、地熱発電、太陽熱発電、海洋温度差発電なども含まれる。
図2は、一般的な汽力発電プラントの構成を示す系統図であり、図2において、実線は水の流通経路を、点線は蒸気の流通経路を、破線は排水の流通経路をそれぞれ示す。この発電プラントでは、ドラム1内の水がボイラ4で加熱されて発生した蒸気が、蒸気タービン2に送給され、蒸気タービン2を駆動して発電が行なわれる。蒸気タービン2を駆動した蒸気は復水器3に導入され、復水器3で冷却水と熱交換して凝縮され、復水(凝縮水)が、図示しない復水ポンプで汲み出され、系外からの補給水と共に、図示しない脱気器、加熱器などを経て、図示しない給水ポンプで昇圧されてボイラドラム1に循環され、ボイラ4で再び蒸気となり、蒸気タービン2に供給される蒸気サイクルが形成されている。
このような汽力発電プラントでは、以下の排水が発生する。
(1) ブロー水:水系内での水質維持のために系内の水の一部をブローした水。例えば、ドラム1からのドラムブロー水、ボイラ4からのボイラブロー水等。
(2) ドレン水:蒸気配管系内の凝縮水を抜き出したもの。例えば、ボイラ4から蒸気タービン2への蒸気配管から抜き出された、蒸気ドレン水や復水器3からの復水ドレン水等。
(3) サンプリングラック排水:汽力発電プラントでは、系内の水質測定のため、系内の各ポイント(図2中のa,b,c)から採水した水をサンプリング配管を通して水質監視計器まで導く。分析に際し、サンプリング配管内は、サンプル水により十分フラッシングされている必要がある。採水箇所は、復水ポンプ出口、脱気器入口出口、ボイラ等様々であり、各サンプリング配管からフラッシング時に流れた水は、合流させてサンプリングラック排水として排出される。
上記(1)〜(3)の水は、種々の排水が混合されていたり、蒸気や水の移送の過程で汚染を受けていたりするため、そのままでは系内に戻すことはできず、従来、これらの水は、排水処理を経て放流され、回収再利用はされていないのが現状である。
近年、節水のために、水資源の有効利用が進められており、汽力発電所においても排水を回収して再利用することが望まれている。特に、水資源が制限され、使用できる水が少ない地域に建設された汽力発電所では、節水に対する要求が大きい。
また、例えばガス炊き発電所では、以下の理由から、排水の回収利用のメリットが大きい。即ち、ガス炊き発電所では、重油火力や石炭火力に比べて発電所全体の水使用量が少なく、排水量も少ないため、使用する給水および排水におけるボイラ補給水、ボイラドレン水等の排水の割合が相対的に高くなる。例えば、ガスコンバインドサイクル発電を例に挙げると、発電で使用する用水のうち、3〜4割がボイラ補給水として使用され、そのうち70%が排水として排出される。したがって、この排水を回収利用できるならば、水使用量を2割程度削減することが期待できる。
従来、火力発電所排水の処理については、特許文献1に、この排水を凝集処理した後膜分離し、膜透過水を処理水として放流するか、必要に応じて高度処理して水回収することが提案されている。
特許文献2には、2価鉄イオンを含有する金属イオン含有廃水から溶存鉄を選択的に分離して回収する鉄分回収方法として、この金属イオン含有廃水中の2価鉄イオンを鉄酸化細菌により3価鉄イオンに酸化して鉄水酸化物粒子として析出させて分離、回収する方法が提案されている。この特許文献2の方法で処理される金属イオン含有廃水は、鋼板の酸洗廃水やめっき廃水などの、2価鉄イオンを数百mg/Lと高濃度に含むものである。
特開平10−28994号公報 特開2012−228675号公報
前記(1)〜(3)の汽力発電所排水は、系内で使用された薬品や汚染物質に由来するヒドラジン、アンモニア、有機物に加えて、系内の配管等から溶出して混入した鉄などを含む排水であるため、これらの排水をボイラ補給水等として回収、再利用するためには、これらの混入成分、特に微細な鉄の除去を行った上で脱塩処理を行う必要がある。
しかしながら、これらの排水中に含まれる鉄は、第一鉄イオン、又は不安定な鉄コロイドの微細粒子を形成しており、特許文献1に記載されるような通常の凝集処理では、分離除去することができない。
特許文献2に記載される、鉄酸化細菌によって2価鉄イオンを酸化して3価鉄イオンとして析出させる方法は、高濃度の鉄含有排水に対してはある程度の処理効率を得ることができると考えられるが、一般的に鉄濃度0〜0.2mg/L程度の低濃度鉄含有排水である汽力発電所排水に対しては、十分な反応速度で安定した処理を行うことができないおそれがある。
本発明は上記従来の実状に鑑みてなされたものであり、汽力発電所において発生するブロー水、ドレン水、サンプリングラック排水を効率的に処理してボイラ補給水として回収利用する方法と装置を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、汽力発電所で発生するブロー水、ドレン水、サンプリングラック排水を凝集固液分離するに先立ち、酸化剤により酸化処理することにより、凝集固液分離が困難な排水中のイオン状鉄や微細コロイド鉄を効率的に凝集固液分離することが可能となり、分離水を脱塩処理して、ボイラ補給水として再利用可能な水質の処理水を得ることができることを見出した。
本発明はこのような知見に基づいて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 汽力発電所において発生するブロー水、ドレン水、及びサンプリングラック排水よりなる群から選ばれる1種以上を含む汽力発電所排水の回収利用方法であって、該汽力発電所排水を酸化剤により酸化処理した後、酸化処理水を凝集固液分離し、分離水を脱塩処理し、脱塩処理水を回収してボイラ補給水として利用することを特徴とする汽力発電所排水の回収利用方法。
[2] [1]において、該汽力発電所排水の全鉄濃度が0〜0.2mg/Lであることを特徴とする汽力発電所排水の回収利用方法。
[3] [1]又は[2]において、前記酸化処理時のpHが5以上7未満であることを特徴とする汽力発電所排水の回収利用方法。
[4] [1]ないし[3]のいずれかにおいて、前記脱塩処理を、イオン交換処理、逆浸透膜分離処理、又は電気脱イオン処理、或いはこれらの組み合わせにより行うことを特徴とする汽力発電所排水の回収利用方法。
[5] [1]ないし[4]のいずれかにおいて、前記固液分離を膜分離により行うことを特徴とする汽力発電所排水の回収利用方法。
[6] 汽力発電所において発生するブロー水、ドレン水、及びサンプリングラック排水よりなる群から選ばれる1種以上を含む汽力発電所排水の回収利用装置であって、該汽力発電所排水を受け入れて酸化剤により酸化処理する酸化処理手段と、該酸化処理手段の酸化処理水を凝集固液分離する凝集固液分離手段と、該凝集固液分離手段の分離水を脱塩処理する脱塩処理手段と、該脱塩処理手段の処理水をボイラ補給水として、該汽力発電所のボイラ給水ラインに送給する給水配管とを有することを特徴とする汽力発電所排水の回収利用装置。
[7] [6]において、該汽力発電所排水の全鉄濃度が0〜0.2mg/Lであることを特徴とする汽力発電所排水の回収利用装置。
[8] [6]又は[7]において、前記酸化処理時のpHが5以上7未満であることを特徴とする汽力発電所排水の回収利用装置。
[9] [6]ないし[8]のいずれかにおいて、前記脱塩処理手段が、イオン交換装置、逆浸透膜分離装置、又は電気脱イオン装置、或いはこれらの装置を組み合わせたものであることを特徴とする汽力発電所排水の回収利用装置。
[10] [6]ないし[9]のいずれかにおいて、前記凝集固液分離手段が膜分離装置を備えることを特徴とする汽力発電所排水の回収利用装置。
本発明によれば、従来、放流、廃棄されていた汽力発電所のブロー水、ドレン水、サンプリングラック排水を、効率的に処理してボイラ補給水として有効利用することができる。このため、本発明によれば、汽力発電所の発電プラントにおける系外からの補給水量を低減することができ、従って補給水の原水となる工業用水や上水の使用量を削減し、水資源の節約と水コストの低減を図ることができる。
本発明の汽力発電所排水の回収利用装置を採用した汽力発電プラントの一例を示す系統図である。 一般的な汽力発電プラントを示す系統図である。
以下に本発明の汽力発電所排水の回収利用方法及び装置の実施の形態を詳細に説明する。
本発明では、汽力発電所で発生するブロー水、ドレン水、サンプリングラック排水を、(1)酸化剤による酸化処理、(2)凝集固液分離、及び(3)脱塩処理の順で処理して、処理水を回収してボイラ補給水として再利用する。
[汽力発電所排水]
本発明で処理対象とする汽力発電所排水は、前述の汽力発電所で発生するドラムブロー水、ボイラブロー水等のブロー水、蒸気ドレン水、復水ドレン水等のドレン水、サンプリングラック排水である。
本発明においては、これらの排水の1種のみを処理してもよく、これらの排水の2種以上を処理してもよい。好ましくは、汽力発電所で発生するこれらのブロー水、ドレン水、及びサンプリングラック排水のすべてを処理することで、水の廃棄量を十分に低減して水回収率を高めることができる。
これらの汽力発電所排水は、前述の通り、鉄、ヒドラジン、アンモニア、有機物、その他のイオン類を含み、通常、その水質は以下の通りである。
<汽力発電所排水水質>
pH:6.3〜9.3
電気伝導度:2.0〜40mS/m
全鉄:0〜0.2mg/L、特に0〜0.1mg/L、とりわけ10μg/L〜0.1mg/L
アンモニア:0〜2.0mg/L
ヒドラジン:0〜0.5mg/L
TOC:0〜5mg/L
全シリカ:1〜10mg/L
[酸化処理]
上記の汽力発電所排水中の鉄は、第一鉄イオン(Fe2+)、又は微細で不安定なコロイド鉄粒子として存在し、そのままで凝集固液分離で除去することは困難である。本発明においては、この排水を凝集固液分離するに先立ち酸化剤により酸化処理する。排水の酸化処理により、排水中の鉄は、安定な水酸化鉄(Fe(OH)等)、酸化鉄(Fe、Fe等)に酸化され、凝集固液分離が可能となる。
また、ヒドラジンやアンモニアは、本来、系内に存在するものであるが、これらは系内で濃度管理されており、回収水に含まれて再度系内に補給されると、濃度管理が煩雑化するため、酸化処理で分解処理する。
また、有機物は、後段で脱塩処理する際に有機物ファウリングを引き起こす原因となるため、排水中の有機物も酸化分解して除去する。
排水の酸化処理は、排水に酸化剤を添加して行う。酸化剤としては、塩素系酸化剤、オゾン、過酸化水素等の1種又は2種以上が使用できるが、取り扱いが容易な点から次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系酸化剤を用いることが好ましい。
前述の通り、特許文献2に記載されるような鉄酸化細菌による酸化処理では、本発明で対象とする低濃度鉄含有排水に対しては、十分な反応速度で安定した処理を行えないおそれがあるが、酸化剤による酸化処理であれば、低濃度の鉄含有排水であっても確実に効率よく酸化処理を行うことができる。
酸化剤の添加量は、排水中の被酸化性物質の含有量により異なるが、例えば、塩素系酸化剤の場合、塩素換算添加量として通常5〜20mg/L程度である。
この酸化処理時の排水のpHは5以上7未満、即ち、5≦pH<7であることが好ましく、より好ましくは5.5≦pH<7、さらに好ましくは6.0≦pH<7である。このようにpH7未満の弱酸性条件とする理由は次の通りである。
即ち、本発明では、酸化処理水を凝集固液分離し、分離水を逆浸透膜分離装置等で脱塩処理する。この脱塩処理において、スケールの発生を防止するためには、pHは弱酸性であることが好ましい。このため、上記の通りpH7未満で酸化処理を行うことが好ましい。このため、汽力発電所排水のpHが7以上の場合は、適宜酸を添加してpH7未満に調整する。ただし、pHが過度に低いと、pH調整のための酸剤の使用量が増え、また、脱塩処理水をボイラ補給水として使用する際に再度pH調整する必要が生じることとなる場合もあり、pHは上記下限以上とすることが好ましい。
なお、酸化処理は、排水中の被酸化性物質を十分に酸化処理するために、15〜30分程度の反応時間を確保して行うことが好ましい。
[凝集固液分離]
上記の酸化処理水は、次いで凝集固液分離により酸化した鉄や排水中のSSを除去する。
排水の鉄又はSSの負荷が低い場合は、そのまま後段のイオン交換装置やRO膜分離装置に通水できるが、これらの負荷が高い場合は、通水により装置が閉塞し易いため、これらのSSを脱塩処理に先立ち、凝集固液分離で除去する。
凝集剤としては、例えば、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸第一鉄、塩化第二鉄、消石灰、塩化カルシウム、マグネシウム化合物などの無機凝集剤を好適に使用することができる。必要に応じて、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミドの部分加水分解物の塩などのアニオン性高分子凝集剤、ポリエチレンイミン、ポリチオ尿素、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロライドなどのカチオン性高分子凝集剤、ポリアクリルアミドなどのノニオン性高分子凝集剤などを併用して分離性を改善することができる。これらの凝集剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機凝集剤の添加量は、排水の水質や高分子凝集剤の併用の有無等により異なるが、通常5〜50mg/L程度とすることが好ましい。
凝集処理pHは、用いる無機凝集剤の好適pH値であればよく、アルミニウム系凝集剤では通常5.5〜8.0程度であり、鉄系凝集剤では通常4以上である。ただし、その後の脱塩処理のために、前述の通り、pHは7未満とすることが好ましい。
この凝集処理は、凝集槽を設けて5〜30分程度の反応時間を確保して行ってもよく、凝集剤を配管注入して行う処理であってもよい。
凝集処理水の固液分離手段としては、沈殿槽、浮上槽、濾過器、膜分離装置などを用いることができる。
ただし、沈殿槽や浮上槽では、起動停止時にフロックがリークしやすい。また、濾過器では目開きが大きく鉄のリークが多くなりやすい。
このような問題がなく、凝集処理でフロック化又はフロックに吸着できなかったコロイド粒子も除去できる点において、孔径0.01〜0.2μm程度の精密濾過(MF)膜、又は分画分子量5000〜18000程度の限外濾過(UF)膜分離装置を用いることが好ましい。これらの膜分離装置によれば、固液分離水の水質のみならず、後段の脱塩処理の運用も安定化できる利点がある。
これらの分離膜エレメントの型式には特に制限はなく、例えば、平面膜締め付け型、平面膜スパイラル巻型、管状膜、中空糸膜などを使用することができる。膜分離装置の型式にも特に制限はなく、例えば、外圧式、内圧式或いは加圧式、減圧式などを適宜選択して使用することができる。
[脱塩処理]
上記の凝集固液分離で得られた分離水は、次いで脱塩処理する。
即ち、上記の固液分離水中には、排水由来の各種イオン類や有機物が含まれるため、ボイラ補給水として再利用するためには、脱塩処理する必要がある。
脱塩処理手段としては、イオン交換装置(イオン交換樹脂塔)、逆浸透(RO)膜分離装置、電気脱イオン装置等を用いることができる。これらは、目標水質、即ち、ボイラ補給水として回収利用するための水質に応じて適宜選択使用され、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、1種の装置を2段に直列に連結して用いてもよい。
例えば、2段RO膜分離処理してもよく、RO膜分離処理後に電気脱イオン処理してもよい。
本発明では、このような脱塩処理で、電気伝導度0.1mS/m以下、全鉄10μg/L以下で、アンモニア、ヒドラジン及びTOCが検出限界以下の処理水を得ることが好ましく、このような水質の処理水であれば、ボイラ補給水として有効に利用することができる。
本発明によれば、通常、汽力発電所のブロー水、ドレン水及びサンプリングラック排水の混合排水から、上記のような水質の処理水を40〜90%程度の水回収率で得ることができ、回収した水をボイラ補給水として利用することにより、系外からの補給水量を大幅に低減することが可能となる。
[発電プラントへの適用]
図1は、本発明の汽力発電所排水の回収利用装置の発電プラントへの適用例を示す系統図であり、図1において、図2におけるものと同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。また、図2と同様、実線は水の流通経路を、点線は蒸気の流通経路を、破線は排水の流通経路をそれぞれ示し、一点鎖線は回収水の流通経路を示す。
図1においては、ドラムブロー水、蒸気ドレン水、復水ドレン水及びサンプリングラック排水がそれぞれ本発明の汽力発電所排水の回収利用装置である水回収装置10に導入され、前述の通り、(1)酸化剤による酸化処理、(2)凝集固液分離及び(3)脱塩処理の手順で処理され、脱塩処理水が回収され、ボイラ補給水として給水ラインに返送される。
この水処理装置10としては、必要に応じて設けられる各排水が合流される排水槽と、排水槽からの排水に酸化剤を添加して反応させる酸化反応槽、酸化反応槽からの酸化処理水に凝集剤を添加して凝集処理する凝集槽、凝集槽からの凝集処理水を固液分離するUF又はMF膜分離装置、並びに、UF又はMF膜分離装置の透過水を脱塩処理するイオン交換装置、RO膜分離装置、又は電気脱イオン装置、或いはこれらの組み合わせからなる脱塩処理装置よりなるものなどが挙げられる。脱塩処理装置の処理水はボイラ補給水として回収される一方で、濃縮水等の排水は系外へ排出される。
なお、この水回収装置10は、適宜、膜分離装置の逆洗手段や、膜濃縮水の一部や逆洗排水を前段の排水槽に循環する循環配管を有していてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<実施例1>
図1に示す汽力発電所の汽力発電プラントから排出されるボイラブロー水、蒸気ドレン水、復水ドレン水、及びサンプリングラック排水の混合排水を、本発明に従って、処理した。
この混合排水の水質は下記表1に示す通りである。
まず、反応槽にて混合排水100Lに次亜塩素酸ナトリウム5mg−Cl/Lを添加して、pH6.7の条件で、撹拌下に15分反応させて酸化処理した後、凝集槽にて酸化処理水にPAC10mg/Lを添加して10分撹拌下に凝集処理した。この凝集処理水のpHは6.4であった。凝集処理水を孔径0.02μmのMF膜分離装置で膜分離した。得られた膜透過水の水質は下記表1に示す通りであった。
次いで、膜透過水を、RO膜分離装置(栗田工業(株)製「K−RO−A−203V」)と電気脱イオン装置(栗田工業(株)製「KCDI−H30」)で2段脱塩処理し(脱塩処理の水回収率80%)、表1に示す脱塩処理水80L(装置全体での水回収率約80%)を得た。
得られた脱塩処理水は、表1に示すボイラ補給水としての目標値を十分に満たすものであった。
Figure 0006657720
本実施例の水回収を補給水使用量24m/day、排水量16m/dayで運用している発電プラントに適用することで、排水16m/dayから回収水13m/dayを得、これをボイラ補給水として利用することができることから、系外からの補給水使用量を11m/dayに低減することができる計算となる。
<比較例1>
実施例1において、混合排水の酸化処理を行うことなく、実施例1と同様に凝集、膜濾過を試みたが、凝集処理において十分な凝集フロックを形成し得ず、鉄が膜透過水に19μg/L残留し、RO膜分離装置や電気脱イオン装置を運用可能な水質が得られなかった。
1 ドラム
2 蒸気タービン
3 復水器
4 ボイラ
10 水回収装置

Claims (8)

  1. 汽力発電所において発生するブロー水、ドレン水、及びサンプリングラック排水よりなる群から選ばれる1種以上を含む、全鉄濃度が0〜0.2mg/Lの汽力発電所排水の回収利用方法であって、該汽力発電所排水を酸化剤により酸化処理した後、酸化処理水を凝集固液分離し、分離水を脱塩処理し、脱塩処理水を回収してボイラ補給水として利用することを特徴とする汽力発電所排水の回収利用方法。
  2. 請求項1において、前記酸化処理時のpHが5以上7未満であることを特徴とする汽力発電所排水の回収利用方法。
  3. 請求項1又は2において、前記脱塩処理を、イオン交換処理、逆浸透膜分離処理、又は電気脱イオン処理、或いはこれらの組み合わせにより行うことを特徴とする汽力発電所排水の回収利用方法。
  4. 請求項1ないしのいずれか1項において、前記固液分離を膜分離により行うことを特徴とする汽力発電所排水の回収利用方法。
  5. 汽力発電所において発生するブロー水、ドレン水、及びサンプリングラック排水よりなる群から選ばれる1種以上を含む、全鉄濃度が0〜0.2mg/Lの汽力発電所排水の回収利用装置であって、該汽力発電所排水を受け入れて酸化剤により酸化処理する酸化処理手段と、該酸化処理手段の酸化処理水を凝集固液分離する凝集固液分離手段と、該凝集固液分離手段の分離水を脱塩処理する脱塩処理手段と、該脱塩処理手段の処理水をボイラ補給水として、該汽力発電所のボイラ給水ラインに送給する給水配管とを有することを特徴とする汽力発電所排水の回収利用装置。
  6. 請求項において、前記酸化処理時のpHが5以上7未満であることを特徴とする汽力発電所排水の回収利用装置。
  7. 請求項5又は6において、前記脱塩処理手段が、イオン交換装置、逆浸透膜分離装置、又は電気脱イオン装置、或いはこれらの装置を組み合わせたものであることを特徴とする汽力発電所排水の回収利用装置。
  8. 請求項ないしのいずれか1項において、前記凝集固液分離手段が膜分離装置を備えることを特徴とする汽力発電所排水の回収利用装置。
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