JP2019034516A - タイヤ加硫成形用金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】スピューの生成を回避しつつ、加硫時のショルダー部とトレッド部のタイヤ幅方向中央および近傍との温度差の低減を図り、部位ごとの物性値の差異を少なくしてタイヤの性能を向上させ、金型の加工性や強度を向上せるタイヤ加硫成形用金型を提供する。【解決手段】トレッドモールド11を、タイヤ周方向に分割された複数のセグメント12により構成し、セグメント12は、意匠面型13と、意匠面型13を保持し加熱装置から熱が伝達されるホルダ部材15とを備え、意匠面型13は、タイヤ幅方向に分割された複数のピース部材14からなるタイヤ加硫成形用金型10を提供し、タイヤの部位ごとの物性値の差異を少なくしてタイヤの性能を向上させ金型の加工性や強度を向上させる。【選択図】図2

Description

本発明は、未加硫のタイヤを加硫成型するタイヤ加硫成型用金型に関する。
一般にタイヤ加硫装置には、加硫前の生タイヤの外面にトレッド等の凹凸のパターンを成形し加硫を施すためのタイヤ加硫成形用金型が用いられている。タイヤ加硫成形用金型内に収容された生タイヤは、タイヤ加硫成形用金型が加熱装置により加熱され、タイヤ加硫成形用金型から生タイヤへ熱が伝達されて加熱されることにより、加硫が施される。
タイヤ加硫成形用金型は、生タイヤの周囲を覆ってその内面を生タイヤ表面に押し付けて加硫成形するので、金型の内側の閉塞空間内の空気を外部に排出するために、空気抜き孔が多数設けられている。このようなタイヤ加硫成形用金型で加硫成形を行うと、金型により圧縮された生ゴムが空気抜き孔内に流れ込んで加硫が施され、タイヤ表面にスピュー(ゴムひげ)が多数生成されて、タイヤの初期性能と外観品質の低下を招いていた。
そこで、このようなスピューの生成を回避するために、特許文献1ないし特許文献4に示されるようなタイヤ加硫成形用金型が考えられている。これらのタイヤ加硫成形用金型のうち、生タイヤのトレッド面に押圧するトレッドモールドは、タイヤ周方向に分割された複数のセグメントを備えており、該セグメントは、内側面が前記トレッド面を押圧するトレッド面の意匠を成型する意匠面型が、タイヤ周方向に分割された複数のピース部材に分割され、これらのピース部材が保持部材の内側に組付けられて保持されているものである。このようなタイヤ加硫成形用金型では、複数のピース部材のそれぞれの間隔は空気を通過するがゴムを通さない程度の隙間に設定されており、タイヤ加硫成形用金型の内部の空気を外部に排出可能にするとともに、スピューの生成を回避している。
一方、タイヤの加硫においては、タイヤの形状や部位ごとのゴムの厚さにより熱の伝わり方が異なり、一般的に、タイヤのトレッド部の幅方向中央の周辺では比較的熱が伝わりやすく、タイヤの幅方向力側部いわゆるタイヤのショルダー部はゴムの厚さや分量も多く熱が伝わり難いといった傾向にある。このように加硫時におけるタイヤ内の温度差により、加硫後のタイヤの部位ごとにおける物性値が異なって、タイヤの性能に影響を与えるおそれがあるので、トレッド部のタイヤ幅方向中央の周辺には熱が伝わることを阻害し、タイヤのショルダー部には多く熱を伝えることが望まれる。
特許文献1ないし特許文献4のタイヤ加硫成形用金型は、スピューの生成を回避することができるものであるが、これらのタイヤ加硫成形用金型のピース部材はタイヤ周方向に分割されたものであり、ピース部材一本単位がタイヤ幅方向に連続した構造体なので、トレッド部のタイヤ幅方向中央の周辺の熱の伝達を阻害し、ショルダー部に多くの熱を伝えたとしても、ショルダー部の熱が、連続したピース部材内をショルダー部からトレッド部のタイヤ幅方向中央に向けて伝わり、加硫時におけるタイヤ内部の温度差を防ぐことが難しかった。
さらに、これらのタイヤ加硫成形用金型では、ピース部材が周方向に分割されたものであるので、タイヤ意匠面形状が、周方向に向かって一定の形状の繰り返しで定義できない場合には、分割に際して、空気を抜きやすい位置にスリットを入れるために、多数の曲面分割形状の定義を必要とし、コストが増大していた。さらに、ピース部材のそれぞれが保持部材にアーチブリッヂ式で固定されるので、曲面分割前縁に大きな集中力を生じ易く、金型の繰り返し使用で、大きな集中力を生じる箇所にクリープ変形が生じて、ピース部材間に隙間ができ、ゴムのはみ出し不具合を発生させることがある。
また、特許文献5には、各セグメントは、ダイカスト鋳造により第1のショットで成形した第1セグメントのモールド粗材のプロファイル面の凹部に、溶融金属を第2ショットし、加工代の部分が機械加工または放電加工によりトレッドパターンに加工され、このセグメントの背面から、タイヤ周方向の鋳継ぎ部のライン上に大気と連通する排気孔が形成されたタイヤ加硫成形用金型が開示されている。
このタイヤ加硫成形用金型では、第1ショットにより形成された部分と、第2ショットにより形成され部分との鋳継ぎ部には、鋳込み材料の凝固収縮により微細な隙間が形成され、この鋳継ぎ部と排気孔が金型内の空気を外部に逃す役目を果たすと共に、スピューの生成を防いでいる。また、鋳継ぎ部の微細な隙間は、タイヤの周方向に向かっているので、セグメント内におけるタイヤのショルダー部から、トレッド部のタイヤ幅方向中央に向けての熱の伝達が一部阻害されることにもなる。
しかし、第2ショットにより形成された部分は、第1ショットで形成された部分の凹部に流し込まれたものであり、鋳継ぎ部以外の第1ショットで形成された部分はタイヤ幅方向に連続した金型であるので、タイヤ幅方向の熱の伝達の阻害が充分でなく、加硫時におけるタイヤ内の温度差による、タイヤの性能に影響を与えるおそれを防ぐことが難しい。また、このようなタイヤ加硫成形用金型は、意匠面の形状を放電加工等の後加工により形成しなければならないといった欠点があった。
特開1993−220753号公報 特開2008−194946号公報 特開2009−202600号公報 特開2010−201632号公報 特開2001−150441号公報
そこで、本発明は、タイヤの表面のスピューの生成を回避しつつ、加硫時におけるタイヤのショルダー部と、トレッド部のタイヤ幅方向における中央の周辺との温度差の低減を図り、タイヤの部位ごとの物性値の差異を少なくしてタイヤの性能を向上させるとともに、金型の加工性や強度を向上させることのできるタイヤ加硫成形用金型を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、加熱装置により加熱され、未加硫の生タイヤを加硫成形するタイヤ加硫成形用金型において、
前記生タイヤのトレッド部を押圧するトレッドモールドを備え、
前記トレッドモールドは、タイヤ周方向に分割された複数のセグメントにより構成され、
前記セグメントは、内側面が前記トレッド部を押圧し前記トレッド部の意匠を成型する意匠面型と、該意匠面型を保持し前記加熱装置から熱が伝達されるホルダ部材とを備え、
前記意匠面型は、タイヤ幅方向に分割された複数のピース部材からなることを特徴とするものである。
本発明は、前記したように構成されているので、意匠面型がタイヤ幅方向に分割された複数のピース部材からなることにより、タイヤの表面のスピューの生成を回避しつつ、加硫時において、意匠型面内でのタイヤ幅方向への熱の伝達を阻害して、ショルダー部からトレッド部のタイヤ幅方向の中央周辺への熱の伝達を減少させ、加硫時におけるタイヤのショルダー部とトレッド部のタイヤ幅方向中央の周辺における温度差の低減を図り、タイヤの部位ごとの物性値の差異を減少させてタイヤの性能を向上させるとともに、タイヤ加硫成形用金型の加工性や強度の向上を図ることができる。
前記トレッドモールドに、前記ホルダ部材から前記ピース部材への熱の伝達を阻害する阻害部を設け、前記阻害部を、前記ピース部材と前記ホルダ部材との間のタイヤ幅方向における中央領域に位置させてもよい。
前記構成によれば、ショルダー部からトレッド部のタイヤ幅方向における中央の周辺への熱の伝達を減少させるとともに、ホルダ部とピース部材との間に位置された阻害部により、ホルダ部からトレッド部のタイヤ幅方向中央領域への熱の伝達を阻害し、加硫時におけるタイヤのショルダー部とトレッド部のタイヤ幅方向中央の周辺における温度差をより低減でき、タイヤの部位ごとの物性値の差異をより減少させてタイヤの性能をさらに向上させることができる。
前記構成において、前記ホルダ部材が、前記ピース部材側の面から窪んだ凹部を備え、
前記阻害部を、前記凹部と前記ピース部材とで構成される空隙とすることもできる。
前記構成によれば、前記ホルダ部材が、前記ピース部材側の面から窪んだ凹部を備え、前記阻害部を、前記凹部と前記ピース部材とで構成される空隙としたので、タイヤ幅方向の中央領域において、ホルダ部材とピース部材とが接触せず、当該箇所におけるトレッド部への熱の伝達を確実に阻害し、加硫時におけるタイヤのショルダー部近傍とトレッド部のタイヤ幅方向中央領域の温度差をより低減することができる。
前記構成において、阻害部を、ホルダ部材とピース部材との間に挟まれた断熱材としてもよい。
前記構成によれば、阻害部をホルダ部材とピース部材との間に挟まれた断熱材としたので、ホルダ部材からトレッド部のタイヤ幅方向の中央領域への熱の伝達をより確実に阻害し、加硫時におけるタイヤのショルダー部近傍とトレッド部のタイヤ幅方向中央領域の温度差をさらに低減することができる。
前記ピース部材は、該ピース部材の端縁のうち、他の前記ピース部材と接して合わせられる接合端縁が、相互に干渉してタイヤ円周方向、タイヤ幅方向およびタイヤ径方向へ移動不能な凹凸形状としてもよい。
ピース部材を、端縁のうち他のピース部材と接する接合端縁を、相互に干渉してタイヤ円周方向、タイヤ幅方向およびタイヤ径方向へ移動不能な凹凸形状としたことにより、ピース部材を確実にホルダ部材に保持することができる。
本発明は、前記したように構成されているので、タイヤの表面のスピューの生成を回避しつつ、加硫時におけるタイヤのショルダー部と、トレッド部のタイヤ幅方向中央の周辺の温度差の低減を図り、タイヤの部位ごとの物性値の差異を少なくして、タイヤの性能を向上させることができるとともに、タイヤ加硫成形用金型の加工性や強度を向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態のタイヤ加硫成形用金型が閉じた状態の加硫装置を示した要部縦断面図である。 加硫成形用金型が開いた状態の加硫装置を示した要部縦断面図である。 タイヤ加硫成形用金型が開いた状態を斜め上から視た斜視図である。 タイヤ加硫成形用金型が開いた状態を斜め下から視た斜視図である。 タイヤ加硫成形用金型のセグメントを斜め内側から見た斜視図である。 セグメントを斜め外側から見た斜視図である。 ピース部材が分解されたセグメントを斜め内側から見た分解斜視図である。 ピース部材が分解されたセグメントを斜め外側から見た分解斜視図である。 意匠面型がピース部材に分割されていないタイヤ加硫装置を示した要部縦断面図である。 タイヤの温度測定箇所を示した図である。 意匠面型が分割されていないタイヤ加硫装置の加熱試験結果を示すグラフである。 本実施の形態のタイヤ加硫装置の加熱試験結果を示すグラフである。 意匠面型が分割されていないタイヤ加硫装置の加熱試験結果を示すグラフである。 本実施の形態のタイヤ加硫装置の加熱試験結果を示すグラフである。 本実施の形態における意匠面型の分割形状を示す図である。 本実施の形態の変形例の意匠面型の分割形状を示す図である。 他の変形例の意匠面型の分割形状を示す図である。 他の変形例の意匠面型の分割形状を示す図である。 他の変形例における意匠面型の分割形状を示す図である。 本発明の第2の実施の形態のタイヤ加硫成形用金型が閉じた状態の加硫装置を示した要部縦断面図である。 第2の実施の形態のタイヤ加硫成形用金型のピース部材が分解されたセグメントを斜め内側から見た分解斜視図である。
本願発明に係るタイヤ加硫成形用金型の第1の実施の形態を、図1ないし図17に基づいて説明する。図1には、本発明の第1の実施の形態のタイヤ加硫成形用金型10が用いられたタイヤ加硫装置1が示されている。
タイヤ加硫装置1は、タイヤの加硫前の生タイヤ30をタイヤ加硫成形用金型10で圧縮成形しつつ、生タイヤ30の内外面から蒸気等の熱媒体や加熱装置により所定時間加熱を施し、生タイヤ30に加硫を施すものである。
加硫成型前の生タイヤ30は、図1に示されるように、上下一対のリング状のビードリング31が埋設されたビード部32と、一対のビード部32間をトロイダル状に架設されるカーカス層(不図示)と、前記カーカス層の径方向外側に周接されるベルト層(不図示)と、前記ベルト層の外周面に周接されたトレッド部35と、タイヤのサイド部分を覆うサイドウォール部37とからなっている。
タイヤ加硫装置1は、生タイヤ30を収納し加硫成形するタイヤ加硫成形用金型10と、該タイヤ加硫成形用金型10を保持する上コンテナ2および下コンテナ3と、タイヤ加硫成形用金型10の開閉操作を行うアウターリング4と、生タイヤ30の内部に挿入され加熱蒸気等が送り込まれるブラダ5と、該ブラダ5の両端を保持する一対のクランプ部材6と、タイヤ加硫成形用金型10を内外から加熱する図示されないプラテン、ヒートプレート、ヒーター等の加熱装置を具備している。
タイヤ加硫成形用金型10は、図1および図3に示されるように、生タイヤ30のトレッド部35を押圧してトレッド面36aを成型する円環状のトレッドモールド11と、生タイヤ30のサイドウォール部37を押圧してサイドウォール面37a成形するサイドモールド20,21(上サイドモールド20、下サイドモールド21)と、ビード部32を押圧して成型するビードモールド22,23(上ビードモールド22、下ビードモールド23)を備えている。
トレッドモールド11は、内面が生タイヤ30のトレッド面36aを成形する意匠面が形成された成形部11aとなっている。成形部11aには、生タイヤ30の溝や窪みを成形するための複数の凸部11bが形成されている。本実施の形態では、成形部11aの意匠面は、全周で繰り返し再現性の無いパターン形状とされている。
トレッドモールド11の内部には、図1に示されるように、円環形状の生タイヤ30がその回転軸方向が上下に指向するように収納されるため、トレッドモールド11は、径方向に移動して開閉可能なように、図3および図4に示されるような周方向に分割された複数のセグメント12から構成されている。トレッドモールド11のセグメント12は、それぞれ平面視において弧状をなし、タイヤ周方向に組み合わされて全体として環状の金型を構成する。本実施の形態では、トレッドモールド11は9分割されており、9つのセグメント12から構成されている。
それぞれのセグメント12は、外周面には、図6に示されるように、外面15cから突出して下方に行くに従い径の大きくなる傾斜ガイド凸部15eが形成されており、後述するアウターリング4の内周面4cに摺動自在に連結されている。
図3および図4に示されるように、これらの複数のセグメント12を取り囲むように、アウターリング4が設けられている。アウターリング4は、上部は同径の筒状部4aに形成されており、この筒状部4aの下方に位置するアウターリング4の下部は、下方に行くに従い径が大きくなる拡径部4bに形成されている。
アウターリング4の拡径部4bの内周面4cも、図1および図2に示されるように、下方に行くに従い径が大きくなるよう形成されており、セグメント12の傾斜ガイド凸部15eが連結されて摺動する傾斜ガイド部4dとなっている。アウターリング4には、加熱装置の図示されないヒーターが内蔵されており、該ヒーターによりアウターリング4が加熱される。
図1および図3に示されるように、上サイドモールド20、下サイドモールド21は、相互に上下に対向し、それぞれ環状に形成されている。上サイドモールド20および下サイドモールド21は、図1に示されるように、タイヤ加硫成形用金型10内に収納される生タイヤ30の両側面のサイドウォール部37をそれぞれ押圧して、サイドウォール面37aを成形する。上サイドモールド20は、アウターリング4の筒状部4aの上端に嵌合されて固着されている。また、図2に示されるように、上サイドモールド20の下面中央近傍に、上ビードモールド22が取り付けられ、下サイドモールド21の上面中央近傍に、下ビードモールド23が取り付けられている。
図1に示されるように、タイヤ加硫装置1は、図示されない基台上に取り付けられていると下コンテナ3と、該下コンテナ3の上方に対向して配置される上コンテナ2を備えている。下コンテナ3の上面3aには、下サイドモールド21が取り付けられている。上コンテナ2の下面2aには、上サイドモールド20とアウターリング4が取り付けられている。上コンテナ2と下コンテナ3には、加熱装置のヒーター等(不図示)が内蔵されている。上サイドモールド20は上コンテナ2により、下サイドモールド21は下コンテナ3により、それぞれ加熱される。上コンテナ2は、図示されない昇降手段により上下方向に移動される。
トレッドモールド11の各セグメント12は、図1、図5ないし図8に示されるように、内側面がトレッド部35およびショルダー部36を押圧してトレッド部35およびショルダー部36の意匠を成型する意匠面型13と、該意匠面型13を嵌合して保持し加熱装置から熱が伝達されるホルダ部材15とを備えている。意匠面型13の内側面13aは、生タイヤ30のトレッド部35を押圧する意匠面が形成され、トレッドモールド11の成形部11aとなっている。
意匠面型13は、セグメント12ごとに製作された後、図5および図7に示されるように、タイヤ幅方向に複数のピース部材14に分割される。これらのピース部材14は、例えばワイヤ放電加工等で曲面分割される。本実施の形態では11個に分割されているが、これより多く分割されても少なく分割されてもよい。
ピース部材14は、他のピース部材14と接して合わせられる接合端縁14cは、相互に干渉してタイヤ円周方向、タイヤ幅方向およびタイヤ径方向へ移動不能な凹凸形状に形成されている。図15に本実施の形態における意匠面型13の接合端縁14cの簡略図を示す。本実施形態のピース部材14では、ピース部材14の内面14a側と外面14b側とで振幅の異なるフリル形状に分割された構造が採用されている。フリル形状とは、波曲げ形状で定義される曲面の断面両端部の曲げ振幅、または波長が異なる曲面のことである。このようにそれぞれのピース部材14の接合端縁14cが、ピース部材14の内面14a側と外面14b側とで振幅の異なるフリル形状に係止されているので、ピース部材14が組み合わされてホルダ部材15に取り付けられた際に嵌合して移動することがない。
本実施の形態では、ピース部材14の接合端縁14cは、内面14a側と外面14b側とで異振幅のフリル形状にされているが、ホルダ部材15に取り付けられたピース部材14が、相互に周方向に移動することがないような形状に形成されていれば他の形状としてもよい。
図16ないし図19には、ピース部材14の接合端縁の他の例を示している。例えば、図16に示されるような内面14a側と外面14b側とで同振幅のフリル形状、図17に示されるような内面14a側と外面14b側とで異振幅かつ異配向の波形状、図18に示されるような内面14a側と外面14b側とで異振幅かつ同配向の波形状、図19に示されるような内面14a側と外面14b側とで同振幅かつ異配向の波形状等であってもよい。このようなピース部材の接合端縁14cの形状にすることにより、ピース部材14がホルダ部材15から脱落することがない。
これらのピース部材14の間には、例えば厚さ0.02mm、幅10mmの鋼材製の噛み潰し部材(不図示)が挟み込まれ、生タイヤ30のゴムのオーバーフローを阻止するが空気を通すことのできる程度の隙間を設け、タイヤ加硫成形用金型10内の空気排出機能を持たせている。
本実施の形態では、ピース部材14の間に噛み潰し部材を挟み込んでいるが、ピース部材14の間隔を同程度に保てれば、噛み潰し部材を挟み込なくともよく、あるいは例えばバネ等の弾性部材や、ピース部材より熱膨張率の大きい隙間調整部材等を用いてもよい。
このように、意匠面型13は複数のピース部材14に分割されているので、ピース部材14間の熱伝達が減少する。さらに、ピース部材14間に、噛み潰し部材を挟み込むことにより、ピース部材間の接触が少なくなり、ピース部材14間の熱伝達がより減少する。また、意匠面型13はタイヤ幅方向に分割されているので、意匠面型13におけるタイヤ幅方向における熱伝達が低下し、生タイヤ30のトレッド部35およびショルダー部36を押圧する意匠面型13のトレッド部35のタイヤ幅方向中央の周辺に当接される箇所と、ショルダー部36に当接される箇所との間の熱伝達が阻害される。
本実施の形態では、1つのセグメント12に対してピース部材14は11分割されているが、これより多くても少なくてもよい。本実施の形態では、ピース部材14の内面14a側と外面14b側とで異振幅のフリル形状に分割されているが、図18に示されるような内面14a側と外面14b側とで同振幅のフリル形状にしてもよい。さらに、図19に示されるような、内面14a側と外面14b側とで異振幅かつ異配向の波形状、図20に示されるような、内面14a側と外面14b側とで異振幅かつ同配向の波形状、図21に示されるような内面14a側と外面14b側とで同振幅かつ異配向の波形状にしてもよい。ホルダ部材15に取り付けられたピース部材14が、相互に周方向に移動することがないような形状に形成されていればよく、このような形状にピース部材14を分割することにより、ピース部材14がホルダ部材15から脱落することがない。
本実施の形態では、図5に示されるように、トレッドモールド11の成形部11aには、タイヤ周方向に概ね平行に突条に形成された凸部11bが設けられている。生タイヤ30にトレッドモールド11が押し付けられた際に、この凸部11bによりタイヤの周方向の主溝が成形される。ピース部材14はタイヤ幅方向に分割されているので、分割されたピース部材14の接合端縁14cがこれらの凸部11bを跨ぐことがなく、成形部11aを精度の高い意匠面にすることができる。
次に複数のピース部材14からなる意匠面型13を保持するホルダ部材15について説明する。図1および図7に示されるように、ホルダ部材15には、内側に複数のピース部材14が嵌入されるピース部材嵌入部15aが形成されている。該ピース部材嵌入部15aのタイヤ幅方向の両端には複数のピース部材14からなる意匠面型13を保持する腕部15bが設けられている。ホルダ部材15のピース部材嵌入部15aには、図1に示されるように、座グリ溝15fが形成されており、タイヤ加硫成形用金型10が閉じられた際に、ピース部材14間から排出される空気は、座グリ溝15f等を介して、ホルダ部材15の周方向端面15h側からタイヤ加硫成形用金型10の外へ排出される。
図6に示されるように、ホルダ部材15の外面15cには、周方向における略中央に位置して、上下方向に指向した突条の傾斜ガイド凸部15eが形成されている。該傾斜ガイド凸部15eは、図1に示されるように、前記したアウターリング4の傾斜ガイド部4dに摺動自在に連結されている。
前記したトレッドモールド11のセグメント12のホルダ部材15、意匠面型13およびアウターリング4は、金属(例えば、スチール、アルミ合金等)を材料として用いて、各種の形成加工(鋳造、機械加工、焼結、積層造形等)により製作される。本実施の形態では、セグメント12のホルダ部材15はSS400相当の鋳鋼で製作され、上サイドモールド20および下サイドモールド21はSS400相当の鍛造鋼材で製作され、意匠面型13は、セグメント12ごとに、アルミ合金(例えばJIS AC4C等)を材料として用いて、石膏鋳造法により製作されている。
タイヤ加硫装置1内に生タイヤ30をセットし加硫成形する手順を以下に説明する。
タイヤ加硫装置1により生タイヤ30をセットし加硫成形をするには、図2に示されるように、昇降手段により上コンテナ2を上方に移動する。それに伴いアウターリング4が上方に移動され、トレッドモールド11の各セグメント12が、アウターリング4の傾斜ガイド部4dの傾斜面に沿って摺動して案内され、径方向外側に移動し、タイヤ加硫装置1のタイヤ加硫成形用金型10は径方向に開いた状態となる。
このようなタイヤ加硫成形用金型10が開かれた状態において、予めブラダ5およびブラダ5を保持するクランプ部材6が所定位置にセットされた生タイヤ30を、タイヤ加硫成形用金型10内に配置する。
その後、図1に示されるように、昇降手段を下方に向けて稼動させる。昇降手段の下方への移動に伴い、上コンテナ2が下降され、アウターリング4、トレッドモールド11、上サイドモールド20および上ビードモールド22が下方に移動する。セグメント12が下サイドモールド21の上面に当接すると、セグメント12は、アウターリング4の傾斜ガイド部4dに案内されて径方向内側に移動して、タイヤ加硫成形用金型10は型締めされて、内部に生タイヤ30を収納した閉じた状態となる。タイヤ加硫成形用金型10が閉じた状態にされると、ホルダ部材15に取り付けられたピース部材14間から生タイヤ30の生ゴムははみ出さないが、トレッドモールド11内の空気はピース部材14間から排出され、ホルダ部材15の座グリ溝15f等を介して、タイヤ加硫成形用金型10の外へと排出される。このような状態で、上コンテナ2、下コンテナ3およびアウターリング4内等に配置された加熱装置、およびブラダ5内に送り込まれた高温の蒸気等により、生タイヤ30は、所定時間設定された加硫温度に加熱されて加硫成形される。
生タイヤ30が加硫成形された後、タイヤ加硫装置1の昇降手段を上方に向けて稼働し、上コンテナ2を上方に移動させる。上コンテナ2の移動に伴い、アウターリング4が上昇し、アウターリング4の内側に形成された傾斜ガイド部4dに沿って、各セグメント12のホルダ部材15の傾斜ガイド凸部15eが摺動されて、セグメント12が径方向外方に移動される。タイヤ加硫成形用金型10は、図2に示されるように、径方向に開いた状態になる。昇降手段が停止されて、タイヤ加硫装置1内の加硫成形が終了したタイヤが取り出される。
次に、本実施の形態の意匠面がタイヤ幅方向に分割されたピース部材14から構成されるタイヤ加硫成形用金型10(以下、幅方向分割モデルという)と、図9示されるようなトレッドモールド51のセグメント52の意匠面型53がタイヤ幅方向にピース部材に分割されていないタイヤ加硫成形用金型50(以下、非分割モデルという)とを用いて、それぞれ生タイヤ30を加熱した場合の生タイヤ30の比較伝熱実験について説明する。
第1試験は、本実施の形態のタイヤ加硫装置1のタイヤ加硫成形用金型10を、非分割モデルのタイヤ加硫成形用金型50に変えたタイヤ加硫装置を用いて行った。
第2試験は、本実施の形態の幅方向分割モデルのタイヤ加硫成形用金型10を備えたタイヤ加硫装置1を用いて行った。
加熱試験では、生タイヤ30の加熱開始から800秒後まで、温度計測箇所S1〜S8における温度を計測した図10は生タイヤ30の断面図であり、本実験における温度計測箇所をS1〜S8に示している。S1は、ショルダー部36近傍に位置し、S8は生タイヤ30のトレッド部35の幅方向における中央に位置している。S2〜S7は、ショルダー部36からタイヤ幅方向中央に向かって略等間隔に位置している。温度計測箇所S1〜S8は、トレッド部35の表面から、それぞれのタイヤ部位の厚さの半分に相当する深さに位置している。
また、第1試験および第2試験は、ともに下記の伝熱解析条件、初期条件および境界条件において行った。
Figure 2019034516
第1試験の結果を、図11および図13に示し、第2試験の結果を図12および図14に示す。
図11および図12では、横軸を加熱経過時間(秒)とし、縦軸を温度(℃)として、温度計測箇所S1〜S8のそれぞれの温度変化をグラフに示した。
図13および図14では、横軸を加熱経過時間(秒)とし、縦軸を各温度計測箇所S2〜S8における温度と温度計測箇所S1における温度との差(℃)の変化を、温度計測箇所S2〜S8ごとにグラフに示した。
非分割モデルを用いた第1試験結果の図11を参照すると、ショルダー部近傍の温度計測箇所S1は、温度上昇が緩やかであるが、トレッド部35のタイヤ幅方向中央部の温度計測箇所S8においては、温度上昇が急である。また図13に示されるように、トレッド部35のタイヤ幅方向中央部の温度計測箇所S8と、ショルダー部36近傍の温度計測箇所S1との温度差は、経過時間130秒付近において最大の20.2℃となり、800秒経過後であっても、6.3℃となっている。
本実施の形態の幅方向分割モデルを用いた第2試験結果の図12を参照すると、ショルダー部36近傍の温度計測箇所S1は、試験1の結果を示した図11と同様に、温度上昇が緩やかであるが、トレッド部35のタイヤ幅方向中央部の温度計測箇所S8においては、温度上昇が非分割モデルの試験1を示した図11のものと比較すると急ではなく、温度計測箇所S1の温度グラフに近づいている。
また図14に示されるように、トレッド部35のタイヤ幅方向中央部の温度計測箇所S8と、ショルダー部36近傍の温度計測箇所S1との温度差は、経過時間115秒付近で最大の17.6度となり、800秒経過後には、温度差が1℃以下となっている。ショルダー部36近傍の温度計測箇所S1と、トレッド部35のタイヤ幅方向中央部の温度計測箇所S8における温度差が図11のものと比べて大きく減少している。また、他の温度計測箇所S2〜S7の各所においても、試験結果1に比較して、温度計測箇所S1との温度差が略半分以下に減少し、タイヤ各所とショルダー部36近傍との内部温度差が低減されたことがわかった。
以上、これらの実験結果より、意匠面型13をタイヤ幅方向に複数に分割したピース部材14としたことにより、加硫時における生タイヤ30のトレッド部35のタイヤ幅方向中央の周辺と、ショルダー部36近傍との温度差を低減させ、加硫時におけるタイヤ全体の温度差を低減させることができるとわかった。
第1の実施の形態は前記したように構成されているので、以下のような効果を奏する。
第1の実施の形態のタイヤ加硫成形用金型10は、加熱装置やブラダ5内に送られる蒸気等により加熱され、生タイヤ30を加硫成形するもので、タイヤ周方向に並べられて生タイヤ30のトレッド部35に当接されるトレッドモールド11を備え、トレッドモールド11は、タイヤ周方向に分割された複数のセグメント12により構成されている。セグメント12は、内側面がトレッド部35に当接されトレッド部35の意匠を成型する意匠面型13と、意匠面型13を保持し加熱装置から熱が伝達されるホルダ部材15とを備えており、意匠面型13は、タイヤ幅方向に分割された複数のピース部材14からなっている。
本実施の形態は、前記したように構成されているので、ピース部材14の間からタイヤ加硫成形用金型10内の空気を排出するので、タイヤの表面のスピューの生成を回避することができる。
意匠面型13をタイヤ幅方向に複数に分割したピース部材14としたことにより、ショルダー部36からトレッド部35のタイヤ幅方向中央への伝達を防ぎ、加硫時における生タイヤ30のショルダー部36とトレッド部35のタイヤ幅方向中央の周辺の温度差の低減を図り、タイヤの部位ごとの物性値の差異を減少させてタイヤの性能を向上させることができる。
さらに、意匠面型13をタイヤ幅方向に複数に分割したピース部材14としたことにより、タイヤの意匠面型13の意匠の形状が、周方向に向かって一定の形状の繰り返しで定義できない場合にであっても、分割に際して、空気を抜きやすい位置にスリットを入れるために、多数の曲面分割形状の定義を必要とせずに、加工性を向上させ、コストを低減することができる。
また、意匠面型13は前記したように構成されているので、意匠面型13の意匠面を鋳造で形成した後に曲面分割することができるので、後加工により意匠面の形状を放電加工等により形成する必要がなく、加工性が向上する。
さらに、ピース部材14は、タイヤ幅方向に分割されたピース部材14が組付けられて意匠面型13とされてホルダ部材15に保持されるので、曲面分割前縁に集中力が生じることがなく、金型を繰り返し使用してもピース部材14にクリープ変形が生じることがなく、ゴムのはみ出し不具合を発生させることがない。
ピース部材14の端縁のうち他のピース部材14と接して合わせられる接合端縁14cは、相互に干渉してタイヤ円周方向、タイヤ幅方向およびタイヤ径方向へ移動不能な内面14a側と外面14b側とで異振幅のフリル形状にされているので、ピース部材14は確実にホルダ部材15に保持される。
次に第2の実施の形態のタイヤ加硫成形用金型40について、図20及び図21を参照して説明する。第2の実施の形態のタイヤ加硫成形用金型40は、第1の実施の形態のホルダ部材15に替えて、ホルダ部材45が用いられており、他の構成は第1の実施の形態と同様であるので、同じ符号を用いて説明する。
第2の実施の形態のタイヤ加硫成形用金型40では、図20に示されるようなホルダ部材45が用いられ、該ホルダ部材45には、ピース部材嵌入部45aのタイヤ幅方向の中央からトレッド部35の両端に向かって所定幅をもった中央領域に位置して、ホルダ部材45からピース部材14への熱の伝達を阻害する阻害部46が設けられている。
ホルダ部材45には、ピース部材嵌入部45aの底面からさらに窪んだ凹部45fが形成されている。本実施の形態では、トレッド部35のタイヤ幅方向における中央からショルダー部36までの距離の約3分の2程の領域において、凹部45fが設けられている。本実施の形態では、このように形成されているが、トレッド部35のタイヤ幅方向の中央から所定幅を持っていれば、これより広い領域でも狭い領域でも構わない。
図20に示されるように、ピース部材14がホルダ部材45に取り付けられた際に、この凹部45fとピース部材14との間の空隙47により、凹部45fが設けられた箇所のホルダ部材45とピース部材14とは接触せず、ホルダ部材45からピース部材14への熱の伝達が妨げられる。凹部45fは、阻害部46としての役割を果たすようになっている。
ホルダ部材45と、生タイヤ30のトレッド部35のタイヤ幅方向中央領域に位置するピース部材14とが、阻害部46により直接接触しないので、加熱装置が内蔵されたホルダ部材45から、生タイヤ30のトレッド部35のタイヤ幅方向中央領域に位置するピース部材14への熱の伝達が阻害される。
ホルダ部材45の凹部45f内には、凹部45fの底面から突出してホルダ部材45の内面45dと同一面になるようにピース部材移動防止部45gが設けられている。ピース部材移動防止部45gは、ホルダ部材45の内面45dのうち、凹部45fより上部と凹部45fより下部とを繋ぐように、ホルダ部材45の左右両端と、ホルダ部材45のタイヤ周方向の略中央とに、それぞれ所定幅をもって形成されている。タイヤ加硫成形用金型10が生タイヤ30を収納して閉じた状態となり、ピース部材14が生タイヤ30のトレッド部35に当接した際に、空隙47である阻害部46に対向する位置に配置されたピース部材14であっても、ピース部材移動防止部45gにより凹部45fの底面に向かって押し込まれて移動することがない。
ピース部材移動防止部45gは、本実施の形態では前記したように、凹部45fの左右両端と、ホルダ部材45のタイヤ周方向の略中央に形状に直線状に形成されているが、ピース部材14が凹部45fの底面に向かって押し込まれず、なおかつピース部材14との接触面積が少なく、かつ凹部45fの底面からホルダ部材の内面45dと同一面になるよう突出していれば、円形状や他の形状にしてもよい。
このように、ピース部材14およびホルダ部材45が構成されているので、複数のピース部材14を組付けて意匠面型13としたものを、ホルダ部材45のピース部材嵌入部45aに嵌合し、図5および図6に示されるように、ホルダ部材45の周方向端面45hに固定部材18を取り付けると、ピース部材14は、ホルダ部材45にしっかりと固定され移動せず、ホルダ部材45からの脱落や、ホルダ部材45内に押し込まれることがない。
また、第2の実施の形態では、阻害部46として、凹部45fをホルダ部材45に設けて空隙47を阻害部46としているが、凹部45f内に断熱材を挿入して阻害部46としても良い。断熱材は、トレッドモールド41の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する素材を用いる。例えば、トレッドモールド41は、スチール、アルミニウム合金等の金属が用いられ、鋳造、機械加工焼結、積層構造等の各種の形成加工により加工され、断熱材は、ゴム、グラスウール等の断熱材が用いられてもよい。
トレッドモールド41は、ピース部材14とホルダ部材45との間に、タイヤ幅方向における中央領域に、ホルダ部材45からピース部材14への熱の伝達を阻害する阻害部46を備えているので、加熱されたホルダ部材45から生タイヤ30のトレッド部35のタイヤ幅方向中央への熱の伝達をより阻害することができる。
また、ホルダ部材45は、ピース部材14側の面から窪んだ凹部45fを備え、阻害部46は、前記凹部45fとピース部材14とで構成される空隙47としてので、ホルダ部材45の凹部45fとピース部材14との空隙47によって、ピース部材14の生タイヤ30のショルダー部36に当接する箇所から、トレッド部35のタイヤ幅方向の中央領域への熱の伝達を確実に阻害し、加硫時における生タイヤ30のショルダー部36とトレッド部35のタイヤ幅方向中央の周辺との温度差を低減することができる。
さらに、阻害部46を、ホルダ部材45とピース部材14との間に挟まれた断熱材とすることもでき、ピース部材14の生タイヤ30のショルダー部36に当接する箇所から、トレッド部35のタイヤ幅方向の中央領域への熱の伝達をより確実に阻害し、加硫時におけるタイヤのショルダー部とタイヤ幅方向中央の周辺との温度差をさらに低減することができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の変更が可能である。
1…タイヤ加硫装置、10…タイヤ加硫成形用金型、11…トレッドモールド、12…セグメント、13…意匠面型、14…ピース部材、14c…接合端縁、15…ホルダ部材、30…生タイヤ、35…トレッド部、40…タイヤ加硫成形用金型、41…トレッドモールド、45…ホルダ部材、45f…凹部、46…阻害部、47…空隙。

Claims (5)

  1. 加熱装置により加熱され、未加硫の生タイヤを加硫成形するタイヤ加硫成形用金型において、
    前記生タイヤのトレッド部を押圧するトレッドモールドを備え、
    前記トレッドモールドは、タイヤ周方向に分割された複数のセグメントにより構成され、
    前記セグメントは、内側面が前記トレッド部を押圧し前記トレッド部の意匠を成型する意匠面型と、該意匠面型を保持し前記加熱装置から熱が伝達されるホルダ部材(15,45)とを備え、
    前記意匠面型は、タイヤ幅方向に分割された複数のピース部材からなることを特徴とするタイヤ加硫成形用金型。
  2. 前記トレッドモールドは、前記ホルダ部材から前記ピース部材への熱の伝達を阻害する阻害部が設けられ、
    前記阻害部は、前記ピース部材と前記ホルダ部材との間のタイヤ幅方向における中央領域に位置することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ加硫成形用金型。
  3. 前記ホルダ部材は、前記ピース部材側の面から窪んだ凹部を備え、
    前記阻害部は、前記凹部と前記ピース部材とで構成される空隙であることを特徴とする請求項2に記載のタイヤ加硫成形用金型。
  4. 前記阻害部は、前記ホルダ部材と前記ピース部材との間に挟まれた断熱材であることを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載のタイヤ加硫成形用金型。
  5. 前記ピース部材は、該ピース部材の端縁のうち、他の前記ピース部材と接して合わせられる接合端縁が、相互に干渉してタイヤ円周方向、タイヤ幅方向およびタイヤ径方向へ移動不能な凹凸形状とされたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のタイヤ加硫成形用金型。
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