JP2019019201A - 架橋ヒアルロン酸、及びその製造方法 - Google Patents

架橋ヒアルロン酸、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】新規な架橋ヒアルロン酸及びその製造方法を提供すること。【解決手段】ヒアルロン酸分子の一部又は全部のカルボシキル基が、同一又は他のヒアルロン酸分子の水酸基とエステル結合している架橋ヒアルロン酸であって、架橋ヒアルロン酸は水溶解性であり、ヒアルロニダーゼによる分解に対する耐性が、対応する未架橋のヒアルロン酸よりも高い、架橋ヒアルロン酸、並びにヒアルロン酸分子の一部又は全部のカルボシキル基が、同一又は他のヒアルロン酸分子の水酸基とエステル結合している架橋ヒアルロン酸の製造方法であって、ヒアルロン酸及び縮合剤を含む水溶液中で縮合反応によりヒアルロン酸を架橋することを含み、ヒアルロン酸及び縮合剤を含む水溶液のpHが5〜9であり、得られた架橋ヒアルロン酸は水溶解性である、架橋ヒアルロン酸の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、架橋ヒアルロン酸、及びその製造方法に関する。
ヒアルロン酸は、グルコサミノグリカン(ムコ多糖)の一種である。ヒアルロン酸は、医療又は美容分野において、例えば、直接体内(例えば、関節、皮下)に注入したり、皮膚に塗布したりして利用されている。
ヒアルロン酸の種々の物性(例えば、ゲル強度、生体吸収性)を改善するためにヒアルロン酸を架橋する方法が知られている。
例えば、特許文献1には、酵素的分解及び非酵素的酸化還元的分解に対して抵抗性を有する架橋ヒアルロン酸として、ヒアルロン酸又はその塩をハロメチルオキシラン化合物及びビスエポキシ化合物から選ばれた多官能性エポキシ化合物で架橋して得られ、架橋数がヒアルロン酸のグルクロン酸とN−アセチルグルコサミンから成る繰り返し二糖1,000個当り5〜20内に入るものであって、水溶性で曳糸性を有し、非ニュートン指数が0.5〜0.8である架橋ヒアルロン酸及びその塩が開示されている。
また、特許文献2には、強度が高く、多様な分解吸収速度を有する架橋ヒアルロン酸材料の製造方法として、ヒアルロン酸水溶液にカルボジイミドを混合し、その水溶液を乾燥させて架橋を導入することによる架橋ヒアルロン酸材料の製造方法が開示されている。
特許第2501551号公報 特許第3404557号公報
特許文献1及び特許文献2に例示されるように、現在様々な特性を有する架橋ヒアルロン酸が知られている。しかしながら、多種多様なニーズに応えるためには、未だ充分な選択肢が提供されているとはいえない。
そこで、本発明は、新規な架橋ヒアルロン酸及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、水溶液中の所定条件下で、ヒアルロン酸に縮合剤を作用させて製造した非ゲルの自己架橋型架橋ヒアルロン酸が、ヒアルロニダーゼ(ヒアルロン酸分解酵素)に対する優れた分解耐性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、例えば、以下の各発明に関する。
(1)ヒアルロン酸分子の一部又は全部のカルボシキル基が、同一又は他のヒアルロン酸分子の水酸基とエステル結合している架橋ヒアルロン酸であって、
架橋ヒアルロン酸は水溶解性であり、
ヒアルロニダーゼによる分解に対する耐性が、対応する未架橋のヒアルロン酸よりも高い、
架橋ヒアルロン酸。
(2)(1)の架橋ヒアルロン酸において、架橋ヒアルロン酸0.2gを清水100mLに添加して撹拌した後に、ポアサイズ37μmのフィルターでろ過した際、ろ過前の架橋ヒアルロン酸の量に対して、フィルター上に残存する架橋ヒアルロン酸の量が5質量%未満である、架橋ヒアルロン酸。
(3)(1)又は(2)の架橋ヒアルロン酸を含む製剤であって、マイクロニードル製剤、関節注射剤又は皮下注射剤である、製剤。
(4)ヒアルロン酸分子の一部又は全部のカルボシキル基が、同一又は他のヒアルロン酸分子の水酸基とエステル結合している架橋ヒアルロン酸の製造方法であって、
ヒアルロン酸又はその塩と、縮合剤とを含む水溶液中で縮合反応によりヒアルロン酸又はその塩を架橋することを含み、
ヒアルロン酸又はその塩と、縮合剤とを含む水溶液のpHが5〜9であり、
得られた架橋ヒアルロン酸は水溶解性である、
架橋ヒアルロン酸の製造方法。
(5)縮合剤が、カルボジイミド系縮合剤及びトリアジン系縮合剤からなる群より選択される少なくとも1種である、(4)の製造方法。
(6)ヒアルロン酸又はその塩の平均分子量が1万以上200万以下である、(4)又は(5)の製造方法。
(7)ヒアルロン酸又はその塩の2糖単位1モルあたりの縮合剤の割合が0.0005モル以上2モル以下である、(4)〜(6)のいずれかの製造方法。
(8)ヒアルロン酸又はその塩の平均分子量が1万以上30万以下であり、
ヒアルロン酸1モルに対する縮合剤の割合が0.1モル以上0.6モル以下である、(7)の製造方法。
(9)ヒアルロン酸又はその塩の平均分子量が30万を超え、かつ70万以下であり、
ヒアルロン酸又はその塩の2糖単位1モルあたりの縮合剤の割合が0.005モル以上1.5モル以下である、(7)の製造方法。
(10)ヒアルロン酸又はその塩の平均分子量が70万を超え、かつ200万以下であり、
ヒアルロン酸又はその塩の2糖単位1モルあたりの縮合剤の割合が0.0005モル以上0.05モル以下である、(7)の製造方法。
本発明により、新規な架橋ヒアルロン酸及びその製造方法が提供される。本発明の架橋ヒアルロン酸は、水溶解性であり、またヒアルロニダーゼに対する優れた分解耐性を有する。したがって、本発明の架橋ヒアルロン酸は、例えば、マイクロニードル製剤の分野における、水溶液状のヒアルロン酸に対するニーズに応えることができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<本発明の特徴>
本発明は、ヒアルロン酸分子の一部又は全部のカルボシキル基が、同一又は他のヒアルロン酸分子の水酸基とエステル結合している架橋ヒアルロン酸であって、架橋ヒアルロン酸は水溶解性であり、ヒアルロニダーゼによる分解に対する耐性が、対応する未架橋のヒアルロン酸よりも高い、架橋ヒアルロン酸を提供することに特徴を有する。
本発明はまた、ヒアルロン酸分子の一部又は全部のカルボシキル基が、同一又は他のヒアルロン酸分子の水酸基とエステル結合している架橋ヒアルロン酸の製造方法であって、ヒアルロン酸又はその塩と、縮合剤とを含む水溶液中で縮合反応によりヒアルロン酸又はその塩を架橋することを含み、ヒアルロン酸又はその塩と、縮合剤とを含む水溶液のpHが5〜9であり、得られた架橋ヒアルロン酸は水溶解性である、架橋ヒアルロン酸の製造方法を提供することに特徴を有する。
<架橋ヒアルロン酸>
本発明の架橋ヒアルロン酸は、ヒアルロン酸分子の一部又は全部のカルボシキル基が、同一又は他のヒアルロン酸分子の水酸基とエステル結合している(本明細書において「自己架橋型架橋ヒアルロン酸」ともいう。)。本発明の架橋ヒアルロン酸は、分子内に架橋剤に由来する構造を含まないため、生体適合性に優れている。架橋ヒアルロン酸は、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩等の塩の形態であってもよい。
<水溶解性>
本発明の架橋ヒアルロン酸は水溶解性である。ここで、本明細書において「水溶解性」とは、25℃で架橋ヒアルロン酸0.2gが清水100mLに対し溶解することを意味する。水溶解性であることは、例えば、25℃で架橋ヒアルロン酸0.2gを清水100mLに添加して撹拌した後(例えば、1分攪拌した後)、ポアサイズ37μmのフィルターでろ過した際、ろ過前の架橋ヒアルロン酸の量に対して、フィルター上に残存する架橋ヒアルロン酸の量が5質量%未満であることで判定することができる。
<ヒアルロニダーゼによる分解に対する耐性>
本発明の架橋ヒアルロン酸は、ヒアルロニダーゼによる分解に対する耐性が、対応する未架橋のヒアルロン酸よりも高い。ここで、「対応する未架橋のヒアルロン酸」とは、架橋ヒアルロン酸の製造原料であるヒアルロン酸である。
「ヒアルロニダーゼによる分解に対する耐性」は、以下の方法により測定することができる。まず、架橋ヒアルロン酸(又は対応する未架橋のヒアルロン酸)を、終濃度が0.2w/v%となるように50mMリン酸バッファー(pH6.0)に溶解させる。この溶液を2つに分け、一方にヒアルロニダーゼを添加し(酵素添加サンプル)、他方に等量の50mMリン酸バッファー(pH6.0)を添加する(酵素非添加サンプル)。これを37℃で18時間保温した後、ヒアルロニダーゼを失活させ、平均分子量を測定する。ここでいう平均分子量は、後述する高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用した簡易的な方法により測定した平均分子量である。ヒアルロニダーゼの添加量は、架橋ヒアルロン酸の想定される平均分子量に応じて適宜設定してよい。平均分子量の測定値から下記式(1)に従って算出される酵素耐性(%)を「ヒアルロニダーゼによる分解に対する耐性」とする。
式(1):酵素耐性(%)=(酵素添加サンプルの平均分子量/酵素非添加サンプルの平均分子量)×100
<平均分子量>
本明細書において、原料ヒアルロン酸の「平均分子量」は、粘度平均分子量を意味する。粘度平均分子量は、例えば、以下の方法により測定することができる。
約0.05gのヒアルロン酸(未架橋)を精密に量り、0.2mol/L濃度の塩化ナトリウム溶液に溶かし、正確に100mLとした溶液及びこの溶液8mL、12mL並びに16mLを正確に量り、それぞれに0.2mol/L濃度の塩化ナトリウム溶液を加えて正確に20mLとした溶液を試料溶液とする。この試料溶液および0.2mol/L濃度の塩化ナトリウム溶液につき、日本薬局方(第十六改正)一般試験法の粘度測定法(第1法毛細管粘度測定法)により30.0±0.1℃で比粘度を測定し(式(A))、各濃度における還元粘度を算出する(式(B))。還元粘度を縦軸に、ヒアルロン酸(未架橋)の換算した乾燥物に対する濃度(g/100mL)を横軸にとってグラフを描き、各点を結ぶ直線と縦軸との交点から極限粘度を求める。ここで求められた極限粘度をLaurentの式(式(C))に代入し、平均分子量を算出する(Torvard C Laurent,MarionRyan,and Adolph Pietruszkiewicz,”Fractionation of hyaluronic Acid”,Biochemical et Biophysical Acta.,42,476−485(1960)、四方田千佳子、「ヒアルロン酸ナトリウム製剤のSEC−MALLSによる分子量評価」、国立衛研報、第121号,030−033(2003))。
(式A)比粘度={試料溶液の所要流下秒数}/(0.2mol/L塩化ナトリウム溶液の所要流下秒数)}−1
(式B)還元粘度(dL/g)=比粘度/(本品の換算した乾燥物に対する濃度g/100mL))
(式C)極限粘度(dL/g)=3.6×10−40.78
M:平均分子量
本明細書において、上述した「ヒアルロニダーゼによる分解に対する耐性」を測定する際に用いる平均分子量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して以下の簡易的な方法により測定する。
8mgのヒアルロン酸(架橋又は未架橋)を量りとり、2mLの移動相の溶媒に添加し、1時間膨潤溶解させて試料溶液を得る。粘度平均分子量が既知のヒアルロン酸についても同様に溶解させて標準品溶液を得る。この標準品溶液及び試料溶液について、例えば、以下に示す測定条件でHPLC測定を行い、標準品溶液及び試料溶液の保持時間を測定する。
・HPLC測定条件
カラム:TSKgel GMPW×2本
カラム温度:40℃
測定波長:210nm
流速:0.8mL
試料注入量:20μL
分析時間:30分
移動相:0.003mol/L リン酸緩衝液−0.15mol/L NaCl(pH7.0)
検出器:Waters 2996 PHotodiode Array
HPLCシステム:Waters 2695 Separation Module
次いで、標準品溶液の粘度平均分子量と保持時間から分子量検量線を作成し、試料溶液の保持時間から、この分子量検量線を用いて、試料溶液中のヒアルロン酸(架橋又は未架橋)の平均分子量を算出する。
<平均分子量と酵素耐性>
本発明の架橋ヒアルロン酸は、ヒアルロニダーゼによる分解に対する耐性が、対応する未架橋のヒアルロン酸よりも高いことに加え、上述した酵素耐性が所定値以上となることが好ましい。これにより、架橋ヒアルロン酸を生体内に注入したときの滞留性がより一層向上する。
この観点から、架橋ヒアルロン酸の平均分子量が1万以上30万以下である場合、ヒアルロニダーゼを0.5U/4mg架橋ヒアルロン酸の量で添加したときの酵素耐性が、25%以上であることが好ましく、28%以上であることがより好ましく、31%以上であることが更に好ましく、34%以上であることが更により好ましい。
架橋ヒアルロン酸の平均分子量が30万を超え、かつ70万以下である場合、ヒアルロニダーゼを1U/4mg架橋ヒアルロン酸の量で添加したときの酵素耐性が、55%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることが更に好ましく、80%以上であることが更により好ましく、90%以上であることが更によりまた好ましい。架橋ヒアルロン酸の平均分子量が70万を超え、かつ200万以下である場合、ヒアルロニダーゼを0.5U/4mg架橋ヒアルロン酸の量で添加したときの酵素耐性が、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることが更に好ましく、80%以上であることが更により好ましい。また、架橋ヒアルロン酸の平均分子量が70万を超え、かつ200万以下である場合、ヒアルロニダーゼを1U/4mg架橋ヒアルロン酸の量で添加したときの酵素耐性が、32%以上であることが好ましく、37%以上であることがより好ましく、42%以上であることが更に好ましい。なお、ここでいう平均分子量は、上述した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用した簡易的な方法により測定した平均分子量である。
<動粘度>
本発明の架橋ヒアルロン酸は、動粘度が1〜200mm/sであることが好ましい。架橋ヒアルロン酸の動粘度は、0.2w/v%純水溶液を調製し、当該純水溶液に対して、ウベローデ粘度計を用いて測定することができる。この際、流下秒数が200秒以上1,000秒になるような係数のウベローデ粘度計を選択する。また、測定は30℃の恒温水槽中で行ない、温度変化のないようにする。ウベローデ粘度計により測定された純水溶液の流下秒数と、ウベローデ粘度計の係数との積により、動粘度(単位:mm/s)を求めることができる。
架橋ヒアルロン酸の動粘度は、酵素耐性により優れるとの観点から、5〜100mm/sであることがより好ましく、10〜60mm/sであることが更に好ましく、15〜30mm/sであることが更により好ましい。
<架橋ヒアルロン酸の製造方法>
本発明の架橋ヒアルロン酸は、例えば、ヒアルロン酸又はその塩と、縮合剤とを含む水溶液中で縮合反応によりヒアルロン酸又はその塩を架橋すること(架橋する工程)を含み、ヒアルロン酸又はその塩と、縮合剤とを含む水溶液のpHが5〜9であり、得られた架橋ヒアルロン酸は水溶解性である、架橋ヒアルロン酸の製造方法により得ることができる。
<ヒアルロン酸又はその塩(原料)>
本発明の製造方法で使用するヒアルロン酸又はその塩(まとめて、「原料ヒアルロン酸」ともいう。)は、動物等の天然物(例えば、鶏冠、さい帯、皮膚、関節液等の生体組織)から抽出されたものであってもよく、微生物、動物細胞又は植物細胞を培養して得られたものであってもよく(例えば、ストレプトコッカス属の細菌等を用いた発酵法)、化学的又は酵素的に合成されたものであってもよい。
原料ヒアルロン酸は、粗抽出物及び精製物のいずれを使用してもよいが、架橋反応がより円滑に進行することから、純度が90%(質量比)以上である精製物を使用するのが好ましい。
原料ヒアルロン酸は、ヒアルロン酸及びその塩の少なくとも一方を含むものであればよく、両者を含むものであってもよい。ヒアルロン酸の塩としては、例えば、食品又は薬学上許容される塩であることが好ましく、具体的には、ナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩等が挙げられる。
<縮合剤>
本発明の製造方法で使用する縮合剤は、ヒアルロン酸分子のカルボシキル基とヒアルロン酸分子の水酸基とでエステル結合を形成する反応を生じさせるものであれば、任意の縮合剤又は脱水縮合剤であってよい。縮合剤としては、例えば、カルボジイミド系縮合剤、トリアジン系縮合剤、イミダゾール系脱水縮合剤、ホスホニウム系脱水縮合剤、及びウロニウム系縮合剤が挙げられる。
カルボジイミド系縮合剤の具体例としては、例えば、エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、及びN−シクロヘキシル−N’−(2−モルホリノエチル)カルボジイミドメト−p−トルエンスルホ塩酸(CME−カルボジイミド)等が挙げられる。
トリアジン系縮合剤の具体例としては、例えば、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMT−MM)、及びトリフルオロメタンスルホン酸(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−(2−オクトキシ−2−オキソエチル)ジメチルアンモニウム(界面集積型DMT)等が挙げられる。
イミダゾール系脱水縮合剤の具体例としては、例えば、N,N’−カルボジイミダゾール(CDI)等が挙げられる。
ホスホニウム系脱水縮合剤の具体例としては、例えば、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩(BOP)、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩、及びクロロトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩(PyCloP)等が挙げられる。
ウロニウム系縮合剤の具体例としては、{{[(1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデン)アミノ]オキシ}−4−モルホリノメチレン}ジメチルアンモニウムヘキサフルオロりん酸塩(COMU)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’,−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロりん酸塩(HBTU)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’,−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロりん酸塩(HATU)、O−(N−スクシンイミジル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロほう酸塩(TSTU)、及びO−(3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン−3−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロほう酸塩(TDBTU)等が挙げられる。
縮合剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組合わせて使用してもよい。
縮合剤としては、水溶性を有することから、カルボジイミド系縮合剤、及びトリアジン系縮合剤を使用することが好ましい。また、ヒアルロン酸分子の一部又は全部のカルボシキル基と、同一又は他のヒアルロン酸分子の水酸基とのエステル結合を形成させやすいことから、カルボジイミド系縮合剤としてエチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)を、トリアジン系縮合剤として4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMT−MM)を使用することが好ましい。
<縮合助剤>
縮合剤は、エステル化反応の特異性を高める縮合助剤と組合わせて使用してもよい。カルボジイミド系縮合剤と併用して使用する縮合助剤としては、例えば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、1−ヒドロキシアザベンゾトリアゾール(HOAt)、及びN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)が挙げられる。縮合助剤の使用量は、例えば、縮合剤の使用量の0.5〜1倍量(重量比)とすることができる。
<縮合剤の使用割合>
本発明の製造方法において、縮合剤は、例えば、原料ヒアルロン酸の2糖単位1モルあたりの縮合剤の割合が0.0005モル以上3モル以下となる量で使用するのが好ましい。これにより、水溶解性の架橋ヒアルロン酸を得やすくなり、また得られる架橋ヒアルロン酸がより優れた酵素耐性を有しやすくなる。
水溶解性の架橋ヒアルロン酸をより一層得やすくなり、また得られる架橋ヒアルロン酸がより一層優れた酵素耐性を有しやすくなることから、縮合剤の使用割合は以下に示す範囲であることが好ましい。
原料ヒアルロン酸の平均分子量が1万以上200万以下である場合、原料ヒアルロン酸の2糖単位1モルあたりの縮合剤の割合が0.0005モル以上2モル以下であることが好ましく、0.005モル以上1.5モル以下であることがより好ましい。
原料ヒアルロン酸の平均分子量が1万以上30万以下である場合、原料ヒアルロン酸の2糖単位1モルあたりの縮合剤の割合が0.1モル以上0.6モル以下であることが好ましい。
原料ヒアルロン酸の平均分子量が30万を超え、かつ70万以下である場合、原料ヒアルロン酸の2糖単位1モルあたりの縮合剤の割合が0.005モル以上1.5モル以下であることが好ましく、0.01モル以上1モル以下であることがより好ましい。
原料ヒアルロン酸の平均分子量が70万を超え、かつ200万以下である場合、原料ヒアルロン酸の2糖単位1モルあたりの縮合剤の割合が0.0005モル以上0.05モル以下であることが好ましく、0.005モル以上0.05モル以下であることがより好ましい。
(原料ヒアルロン酸の2糖単位)
原料ヒアルロン酸(ヒアルロン酸又はその塩)の2糖単位とは、グルクロン酸とN−アセチルグルコサミンとの二糖からなる繰り返し構成単位を意味する。すなわち、原料ヒアルロン酸の2糖単位1モルあたりの縮合剤の割合(モル)とは、グルクロン酸とN−アセチルグルコサミンとの二糖からなる繰り返し構成単位1個あたりの縮合剤の分子数と同義である。
<原料ヒアルロン酸及び縮合剤を含む水溶液>
本発明の製造方法において、縮合反応は、原料ヒアルロン酸及び縮合剤を含む水溶液中で行う。原料ヒアルロン酸及び縮合剤を含む水溶液のpHは5〜9である。pHがこの範囲にあると、ヒアルロニダーゼによる分解に対する優れた耐性を有する架橋ヒアルロン酸の製造が可能になる。原料ヒアルロン酸及び縮合剤を含む水溶液のpHは、pH調整剤(例えば、塩酸、水酸化ナトリウム)により調整することができる。原料ヒアルロン酸及び縮合剤を含む水溶液には、他に縮合助剤、pH調整剤、緩衝剤(例えば、リン酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、クエン酸リン酸緩衝剤、トリス緩衝剤、リン酸緩衝生理食塩水)等が含まれていてもよい。
<縮合反応>
縮合反応は、例えば、原料ヒアルロン酸(及び必要に応じて縮合助剤、HOBt)を溶解させ、必要に応じてpH調整剤でpHを5〜9に調整した水溶液に対して、縮合剤を滴下し、攪拌しながら反応させることにより行うことができる。
<反応温度>
縮合反応時の反応温度は、16〜30℃であってよく、20〜28℃であることが好ましい。反応温度がこの範囲内にあると、原料ヒアルロン酸と縮合剤の反応効率を高めることができる。
<反応時間>
縮合反応の反応時間は、1〜5時間であってよく、2〜4時間であることが好ましい。反応時間がこの範囲内にあると、得られる架橋ヒアルロン酸が優れた水溶解性を示す。
<精製する工程>
本発明の製造方法は、架橋する工程で得られた架橋ヒアルロン酸を精製する工程を更に含んでいてもよい。架橋ヒアルロン酸の精製は、例えば、架橋ヒアルロン酸をエタノール沈殿し、沈殿をエタノール水溶液及び/又はエタノールで洗浄後、減圧濾過等により沈殿を回収することで行うことができる。回収した沈殿は、更に乾燥させてもよい。エタノール沈殿は、架橋反応後の反応液の塩強度(例えば、塩化ナトリウムを5g/100mLになるように添加)及びpH(例えば、pH3.8付近になるように塩酸を添加)を調整した後、3倍容量程度のエタノールを加えることにより行うことができる。
<マイクロニードル製剤、関節注射剤又は皮下注射剤>
本発明の架橋ヒアルロン酸は、水溶解性であり、またヒアルロニダーゼによる分解に対する優れた耐性を有する。したがって、本発明の架橋ヒアルロン酸は、マイクロニードル製剤、関節注射剤又は皮下注射剤等の製剤として好適に使用できる。特にマイクロニードル製剤は、微小な孔を通したり、製剤中のヒアルロン酸をニードル形状に合わせて針状に加工したりする必要があることから、架橋ヒアルロン酸には、水溶解性という特性が要求される。本発明の架橋ヒアルロン酸は、水溶解性でありながら、注入後の分解耐性(ヒアルロニダーゼによる分解に対する優れた耐性に起因する)があることから、マイクロニードル製剤として特に好適である。
マイクロニードル製剤、関節注射剤又は皮下注射剤等の製剤には、本発明の架橋ヒアルロン酸の水溶液の他、当該製剤で常用されるその他成分が含まれていてもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<原料>
架橋ヒアルロン酸の製造に用いた原料は以下のとおりである。
〔原料ヒアルロン酸〕
・ヒアルロンサンHA−LF5−A(「LF5」ともいう。)(キユーピー株式会社製、平均分子量2万)
・ヒアルロンサンHA−LF(「LF」ともいう。)(キユーピー株式会社製、平均分子量40万)
・ヒアベストJ(「HBJ」ともいう。)(キユーピー株式会社製、平均分子量91万)
・ヒアルロンサンHA−LQH(「LQH」ともいう。)(キユーピー株式会社製、平均分子量170万)
〔縮合剤〕
・4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(「DMT−MM」ともいう。)(東京化成工業株式会社製)
・エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(「EDC」ともいう。)(東京化成工業株式会社製)
〔縮合助剤〕
・1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(「HOBt」ともいう。)(東京化成工業株式会社製)
〔ヒアルロニダーゼ〕
・ヒアルロニダーゼ(「HA」ともいう。)(Aldrich社製)
<架橋ヒアルロン酸の製造>
各実施例及び比較例において使用した原料ヒアルロン酸及び縮合剤の種類、原料ヒアルロン酸の反応液中の濃度、並びに縮合剤量(原料ヒアルロン酸の2糖単位1モルあたりの縮合剤のモル数の割合)は、表1に示すとおりである。
原料ヒアルロン酸に純水を加え、攪拌溶解させた。この溶液にHOBtを縮合剤量の0.7倍量加えた後、水酸化ナトリウムを用いて表1に示すpHになるよう調整した。これに縮合剤を滴下し、室温(25℃)で3時間攪拌し反応させた。
反応後の溶液に塩化ナトリウムを5g/100mLとなるように添加し、更に塩酸を用いてpHを3.8に調整した。これに3倍容量のエタノールを加え、15分間攪拌した後、上澄みをデカントにより廃棄した。残った沈殿に90%エタノール(反応溶液の1倍容量)を加え、15分間攪拌した後、上澄みをデカントにより廃棄した。残った沈殿にエタノール(反応溶液の1倍容量)を加え、15分間攪拌した後、減圧濾過により沈殿を回収し、減圧条件下、55℃で16時間乾燥させて架橋ヒアルロン酸を得た。
<動粘度の測定>
原料ヒアルロン酸がLF、HBJ及びLQHの場合、原料ヒアルロン酸及び架橋ヒアルロン酸の動粘度は、0.2w/v%純水溶液を調製し、当該純水溶液に対してウベローデ管(柴田科学器械工業株式会社製)にて30℃で動粘度を測定した。原料ヒアルロン酸がLF5の場合、原料ヒアルロン酸及び架橋ヒアルロン酸の動粘度は、1w/v%純水溶液を調製し、当該純水溶液に対してウベローデ管にて30℃で動粘度を測定した。
<平均分子量の測定>
原料ヒアルロン酸及び架橋ヒアルロン酸の平均分子量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。原料ヒアルロン酸又は架橋ヒアルロン酸8mgを移動相の溶媒2mLに添加し、1時間膨潤溶解させて試験溶液を得た。平均分子量既知のヒアルロン酸についても同様に溶解させて標準品溶液を得た(平均分子量:1.1万、7万、26万、78万、91万、130万、153万、170万、222万)。以下の測定条件でHPLC測定を行い、標準品、原料ヒアルロン酸及び架橋ヒアルロン酸の保持時間を測定した。
・HPLC測定条件
カラム:TSKgel GMPW×2本
カラム温度:40℃
測定波長:210nm
流速:0.8mL
試料注入量:20μL
分析時間:30分
移動相:0.003mol/L リン酸緩衝液−0.15mol/L NaCl(pH7.0)
検出器:Waters 2996 PHotodiode Array
HPLCシステム:Waters 2695 Separation Module
まず、標準品の平均分子量と保持時間から分子量検量線(近似式)を作成した。原料ヒアルロン酸及び架橋ヒアルロン酸の保持時間から、この分子量検量線を用いて、平均分子量を算出した。
<ヒアルロニダーゼによる分解に対する耐性試験>
原料ヒアルロン酸又は架橋ヒアルロン酸を50mMリン酸バッファー(pH6.0)に溶解させ、0.2w/v%のヒアルロン酸溶液(HA溶液)を得た。ヒアルロニダーゼ(HAase)2mg(500U/mg)にリン酸バッファー(pH6.0)を添加し、2U/mLのHAase溶液を得た。HA溶液2mLに対し、HAase溶液500μL(酵素添加)又はリン酸バッファー(pH6.0)500μL(酵素非添加)を加え、37℃で18時間保温した。次いで、98℃で2分間保温して酵素を失活させた後、氷冷にて冷却した。その後、食塩水(5.5g/19.5mL)100μLを添加し、0.45μmメンブランフィルターを通過させ、通過した溶液に対してHPLCにより平均分子量を測定した。測定値から、以下の式(1)に従って酵素耐性を算出した。
式(1):酵素耐性(%)=(酵素添加サンプルの平均分子量/酵素非添加サンプルの平均分子量)×100
<結果>
結果を併せて表1に示す。なお、実施例13において、架橋反応後の酵素非添加サンプルの平均分子量は102万であり、酵素添加サンプルの平均分子量は83万であった。実施例10において、架橋反応後の酵素非添加サンプルの平均分子量は47万であった。
Figure 2019019201
未架橋のヒアルロン酸と比較して、非ゲルの自己架橋型架橋ヒアルロン酸は、ヒアルロニダーゼ(ヒアルロン酸分解酵素)に対する優れた分解耐性を有していた(実施例1〜3と参考例1との対比、実施例6と参考例2との対比、実施例7〜13と参考例3との対比、実施例14〜15と参考例4との対比)。また、非ゲルの自己架橋型架橋ヒアルロン酸は、当該自己架橋型架橋ヒアルロン酸0.2gを清水100mLに添加して撹拌すると直ちに溶解し、ポアサイズ37μmのフィルターでろ過した際、フィルター上に残存する自己架橋型架橋ヒアルロン酸は確認できなかった。すなわち、非ゲルの自己架橋型架橋ヒアルロン酸は、水溶解性であった。
また、原料ヒアルロン酸及び縮合剤を含む水溶液のpHが5〜9の範囲にあると、水溶解性であり、かつヒアルロニダーゼによる分解に対する優れた耐性がある架橋ヒアルロン酸が得られた(実施例7〜13,比較例3及び参考例3参照)。

Claims (10)

  1. ヒアルロン酸分子の一部又は全部のカルボシキル基が、同一又は他のヒアルロン酸分子の水酸基とエステル結合している架橋ヒアルロン酸であって、
    前記架橋ヒアルロン酸は水溶解性であり、
    ヒアルロニダーゼによる分解に対する耐性が、対応する未架橋のヒアルロン酸よりも高い、
    架橋ヒアルロン酸。
  2. 請求項1に記載の架橋ヒアルロン酸において、
    前記架橋ヒアルロン酸0.2gを清水100mLに添加して撹拌した後に、ポアサイズ37μmのフィルターでろ過した際、ろ過前の架橋ヒアルロン酸の量に対して、フィルター上に残存する架橋ヒアルロン酸の量が5質量%未満である、
    架橋ヒアルロン酸。
  3. 請求項1又は2に記載の架橋ヒアルロン酸を含む製剤であって、
    マイクロニードル製剤、関節注射剤又は皮下注射剤である、
    製剤。
  4. ヒアルロン酸分子の一部又は全部のカルボシキル基が、同一又は他のヒアルロン酸分子の水酸基とエステル結合している架橋ヒアルロン酸の製造方法であって、
    ヒアルロン酸又はその塩と、縮合剤とを含む水溶液中で縮合反応によりヒアルロン酸又はその塩を架橋することを含み、
    前記ヒアルロン酸又はその塩と、縮合剤とを含む水溶液のpHが5〜9であり、
    得られた架橋ヒアルロン酸は水溶解性である、
    架橋ヒアルロン酸の製造方法。
  5. 請求項4に記載の架橋ヒアルロン酸の製造方法において、
    前記縮合剤が、カルボジイミド系縮合剤及びトリアジン系縮合剤からなる群より選択される少なくとも1種である、
    架橋ヒアルロン酸の製造方法。
  6. 請求項4又は5に記載の架橋ヒアルロン酸の製造方法において、
    前記ヒアルロン酸又はその塩の平均分子量が1万以上200万以下である、
    架橋ヒアルロン酸の製造方法。
  7. 請求項4〜6のいずれか一項に記載の架橋ヒアルロン酸の製造方法において、
    前記ヒアルロン酸又はその塩の2糖単位1モルあたりの前記縮合剤の割合が0.0005モル以上2モル以下である、
    架橋ヒアルロン酸の製造方法。
  8. 請求項7に記載の架橋ヒアルロン酸の製造方法において、
    前記ヒアルロン酸又はその塩の平均分子量が1万以上30万以下であり、
    前記ヒアルロン酸又はその塩の2糖単位1モルあたりの前記縮合剤の割合が0.1モル以上0.6モル以下である、
    架橋ヒアルロン酸の製造方法。
  9. 請求項7に記載の架橋ヒアルロン酸の製造方法において、
    前記ヒアルロン酸又はその塩の平均分子量が30万を超え、かつ70万以下であり、
    前記ヒアルロン酸又はその塩の2糖単位1モルあたりの前記縮合剤の割合が0.005モル以上1.5モル以下である、
    架橋ヒアルロン酸の製造方法。
  10. 請求項7に記載の架橋ヒアルロン酸の製造方法において、
    前記ヒアルロン酸又はその塩の平均分子量が70万を超え、かつ200万以下であり、
    前記ヒアルロン酸又はその塩の2糖単位1モルあたりの前記縮合剤の割合が0.0005モル以上0.05モル以下である、
    架橋ヒアルロン酸の製造方法。
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