JP2004534122A - 新規なヒアルロナン誘導体 - Google Patents
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07B—GENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
- C07B57/00—Separation of optically-active compounds
Abstract
Description
【0001】
本発明の目的は、ヒアルロナン誘導体に関する。これらの新しい化合物は、いくつかの目的のために適したものとなる特定の物理化学的特徴を示す。それらは、例えば、エナンチオマーの分離用のクロマトグラフィーカラムにおけるキラルセレクターとして有用でありうる。
【背景技術】
【0002】
ヒアルロナン(以後、HA)は、グリコサミノグリカン類(GAGs)としても周知である幅広い種類の天然バイオポリマーの重要な成分である。これらのポリマーは、コラーゲンと糖タンパク質の比がさまざまであり、動物の組織および器官における細胞外マトリックスの構造および機能を決定する。それらの重量平均分子量は、大部分の組織において100万〜1000万である。ヒアルロナンは、二糖繰り返し単位、D−グルクロン酸の繰り返し単位からなるN−アセチルヒアロビウロン酸、およびβ(1→3)グリコシドリンクによって結合された2−アセタミド−2−デオキシ−D−グルコース(N−アセチルグルコサミン)で構成されている。各繰り返し単位は、直鎖ポリマーを形成するβ(1→4)グリコシドリンクによって次の単位に結合されている。ポリマーにおける前記繰り返し単位の数は、数千に達し、数千ダルトンの鎖を生じうる。「ヒアルロナン」という用語は、さまざまな分子量を有するHAの分子画分、または前記化合物の加水分解画分の一般の基を記載するために一般的に用いられている。HAは高等生物中に存在し、動物起源(例えば、鶏冠、臍帯、微生物起源(例えば、連鎖球菌およびパスツレラなど一部の細菌))から抽出することができる。
【0003】
HAは、いくつかの生物過程、中でも細胞運動および細胞と細胞との相互作用において、その潤滑および水和特性に由来する構造的役割に加えて重要な役割を果たす。これらの生物学的特性のため、このポリマーの生医学用途にはつねに注目が集中してきた。結果として、HAは粘性補充および粘性外科において、特に無改変HAが水性ゲルの形で用いられる関節症の治療や眼科手術において広く用いられている。
【0004】
ヒアルロナンの異なる使用、すなわち軟骨のタンパク質を分離するためのアフィニティークロマトグラフィーにおける使用が発明されている。これらのタンパク質は、前記ポリマーとの特異的生物結合によって他の成分から分離される。この使用はこのポリマーの生物活性、すなわちヒアルロナンとタンパク質との強い相互作用に基づく。これは、無改変ヒアルロナンの生医学用途と異なる唯一の周知の用途である。しかし、この用途も、HAのタンパク質との特異的相互作用を利用するため、HAの生物学的特性に関連している。これに対して、無極性かつ親油性基質など生物基質以外の基質とこのポリマーの相互作用については何も知られていない。
【0005】
HAの化学的誘導体は、チューブ、ステント、膜、スポンジ、スレッド(thread)、移植用外科装置などの製品や商品に加工しうる分子や獲得ポリマーの生体適合性を保持することを目的として広く研究されている。文献にはHAの化学的改変の2つの一般的な方法、すなわち(a)HAの二価性化学試薬による架橋結合、および(b)HAの一価性試薬による改変が記載されている。後者の方法は、HA上に存在する3つの反応基(アセトアミド基、カルボキシル基、ヒドロキシル基)の存在に依拠している。主な努力は、カルボキシル官能基およびヒドロキシル官能基の化学的改変に向けられた。HAのカルボキシル基に対するエステル化反応は、興味深い特性を有する材料の製造、および化粧品、手術、または薬剤における使用のための単官能有機ハロゲン化物によるHAのカルボキシル基の全体的または部分的なエステル化が説明されている特許文献1に記載されている。HAのアミド化は、生体適合性の水不溶性ゲルの調製方法に言及する特許文献2に記載されている。
【0006】
HAのヒドロキシル基に関する限り、いくつかのエステル化反応が文献に記載されている。特許文献3には、各二糖繰り返し単位の2.6〜3.6ヒドロキシル基がアセチル基で転換されたHAのナトリウム塩が記載されている。この生成物は90%(w/w)水/エタノール混合液中で溶解性であり、その平滑化特性について試験された。それらは90%(w/w)水/エタノール混合液中で溶解性である。ヒアルロナン塩の酪酸を有するエステルも従来技術(特許文献4)において抗増殖剤として報告されている。
【0007】
HAのカルボキシル基およびヒドロキシル基の全体的なエステル化に関する限り、唯一の参考文献(非特許文献1)には、HAベンジルエステルの全体的にアセチル化された誘導体(アセチル化ヒアルロナンのベンジルエステル)の調製が記載されているが、さらにその特性やその可能な用途についての詳細は記載されていない。
【0008】
従来実施されたHAの化学改変に関する研究のすべての目的は、自然の生体適合性を保持するHAの新しい誘導体の調製、および新しい生体材料または市販製品の製造に有用な新しい薬物放出システムの調製に関するものであった。従来、化学的に改変されたヒアルロナンを調製する主な努力のすべては、生医学用途のみに集中しており;このポリマーは未だ非生体適合性用途のためには誘導されていない。
【特許文献1】
欧州特許第216453号明細書
【特許文献2】
米国特許第4,937,270号明細書
【特許文献3】
米国特許第5,679,657号明細書
【特許文献4】
国際公開第WO98/23648号パンフレット
【非特許文献1】
カーン(Khan)ら著、Carbohydrate Research(1998年)306、137−146ページ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ヒドロキシル基が0.01%〜100%の範囲の量でエステル化またはカルバモイル化され、カルボキシル基がアルコールで全体的または部分的にエステル化され、または塩の形である、新規なヒアルロナン誘導体を記載する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ヒドロキシル基は、直鎖または分岐状、飽和または不飽和脂肪族酸でエステル化され、24個までの炭素原子を有し;34個までの炭素原子を有する単環式または多環式の、脂環式または脂肪族脂環式酸でエステル化され;脂肪族鎖が1〜4個の炭素原子を有し、アリール残基が、直鎖または分岐状C1〜C5アルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、メトキシ基で置換されていてもよいアリール脂肪族酸でエステル化され;アリール残基が、直鎖または分岐状C1〜C5アルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、メトキシ基で置換されていてもよいアリール酸でエステル化され;無機酸でエステル化され;芳香族環または非芳香族環で縮合されていてもよい芳香族または非芳香族複素環酸でエステル化され、複素環基が3〜20個の炭素原子を有し、直鎖または分岐状C1〜C5アルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、メトキシ基で置換されていてもよく;無機酸でエステル化される。脂肪族酸でのヒドロキシ基のエステル化によって得られるエステルの例は、酢酸塩、酪酸塩、プロピオン酸塩、レチノイン酸塩、n−プロピル酢酸塩である。脂環式または脂肪族脂環式酸でのヒドロキシル基のエステル化によって得られるエステルの例は、シクロへキサンカルボン酸塩、シクロへキサン酢酸塩、シクロプロパンカルボン酸塩である。アリール脂肪族酸でのヒドロキシル基のエステル化によって得られるエステルの例は、フェニル酢酸塩、フェノキシ酢酸塩、ナフチル酢酸塩、2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸塩、2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオン酸塩、桂皮酸塩である。アリール酸でのヒドロキシル基のエステル化によって得られるエステルの例は、安息香酸塩、ハロ安息香酸、アルチル安息香酸塩、ニトロ安息香酸塩、2−アセトキシ安息香酸塩など置換安息香酸塩である。無機酸でのヒドロキシル基のエステル化によって得られるエステルの例は、硝酸塩である。複素環酸でのヒドロキシル基のエステル化によって得られるエステルの例は、シンコン酸、キナ酸、プロリン、ニコチン酸、メコン酸である。
【0011】
エステル化に代わる手段として、ヒドロキシル基は、置換されていてもよいアルキル、アルキルアリール、アリールイソシアン酸塩でカルバモイル化することができ、飽和または不飽和の直鎖または分岐状アルキル残基が、2〜6個の炭素原子を有し、アリール残基が単核または多核残基であり、直鎖または分岐状C1〜C5アルキル、ハロ基、ニトロ基、シアノ基、メトキシ基で置換されていてもよい。カルバモイル誘導体の例は、ハロフェニルカルバモイル誘導体、アルキルフェニルカルバモイル誘導体、ジアルキルフェニルカルバモイル誘導体、ジハロフェニルカルバモイル誘導体、ハロ−アルキルフェニルカルバモイル誘導体、トリアルキルフェニルカルバモイル誘導体、メチルフェニルカルバモイル誘導体、シクロへキシルカルバモイル誘導体、tert−ブチルカルバモイル誘導体、1−フェニルエチルカルバモイル誘導体、ベンジルカルバモイル誘導体である。本発明のこれらの誘導体において、第一級および第二級のヒドロキシル基のすべてを、同じ方法でエステル化またはカルバモイル化することができ、あるいは、第一級基を第二級ヒドロキシル基と異なる方法でエステル化またはカルバモイル化することができる。
【0012】
本発明の誘導体において、ヒアルロナンのカルボキシル基は全体的または部分的にアルコールでエステル化されており、またはそれらは塩の形である。エステル化に適したアルコールは、脂肪族アルコール、アリール脂肪族アルコール、アリールアルコール、シクロ脂肪族アルコール、複素環アルコールである。脂肪族アルコールは、炭素原子が34個までの直鎖または分岐状アルコールであり、それらは飽和または不飽和であり、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メトキシ基で置換されていてもよい。例は、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールである。1〜6個の炭素原子アルキル鎖で、ハロゲンで、ヒドロキシル基で、アミノ基で置換されていてもよいベンゼン残基を含有するアルコールは、アリール脂肪族に属する。例は、ベンジルアルコール、フェニルチルアルコールである。シクロ脂肪族アルコールは脂肪族シクロ脂肪族アルコールも含み、それらは単環式または多環式のいずれかであり、炭素原子を34個まで有しうる。複素環アルコールは、O、S、Nからなる群において選択されるヘテロ原子を含有することができ;それらは芳香族または非芳香族であることができ、芳香族環または非芳香族環のいずれかで縮合されていてもよく、直鎖または分岐状C1〜C5アルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、メトキシ基で置換されていてもよい。例は、トコフェロール、ケルセチンである。
【0013】
ヒドロキシル基の置換度は、エステル化ヒドロキシル基またはカルボキシル化基のいずれかの割合(%)で表される。本発明の誘導体の置換度は、0.01〜100%の範囲である。ヒドロキシル基の2つの好ましい置換範囲は、0.01〜0.2%および70〜100%である。
【0014】
本発明の誘導体のカルボキシル基は、全体的または部分的にアルコールでエステル化されており、またはそれらは塩の形である。カルボキシル基のエステル化度は、アルコールで改変されたカルボキシル基の割合(%)で表される。エステル化度は、すべてのカルボキシル基がエステル化されると100%である。それらがいずれか部分的にエステル化されると、非エステル化基は、アルカリ金属陽イオン、アルカリ土類金属陽イオン、窒素含有陽イオンで加塩される。窒素含有陽イオンとしては、アルキルが1〜5個の炭素原子を有する、テトラアルキルアンモニウム塩など有機窒素を含有するものなどが挙げられる。他の例は、ルチジウム塩、コリジニウム塩、イミダゾリウム塩である。誘導体が部分的にエステル化される場合、エステル化の好ましい程度は50%以上である。
【0015】
本発明の好ましいヒアルロナン誘導体は、以下のグループに属する:
−第1グループ:ヒドロキシル基が0.01%〜0.2%の範囲の量でエステ化またはカルボキシル化され、カルボキシル基が全体的にエステル化されている(100%のエステル化度)ヒアルロナン誘導体;
−第2グループ:ヒドロキシル基が70%〜100%の範囲の量でエステ化またはカルボキシル化され、カルボキシル基が全体的にエステル化されている(100%のエステル化度)ヒアルロナン誘導体;
−第3グループ:ヒドロキシル基が70%〜100%の範囲の量でエステ化またはカルボキシル化され、カルボキシル基が塩の形であるヒアルロナン誘導体。
【0016】
置換度およびエステル化度に関する限り、上記グループの1つに属する好ましい化合物は、直鎖または分岐状、飽和または不飽和脂肪族酸で;アリール脂肪族酸で;アリール酸でエステル化されたヒドロキシル基を有し;またはそれらは、置換されていてもよいアルキルアリールまたはアリールイソシアン酸でカルボキシル化されたヒドロキシル基を有し;これらの化合物は、脂肪族アルコール、アリール脂肪族アルコール、アリールアルコールで部分的または全体的にエステル化されたカルボキシル基を有し、またはカルボキシル基は窒素含有陽イオンの形である。好ましい誘導体は、テトラブチルアンモニウムフェニルカルバモイル化ヒアルロナン、フェニルカルバモイル化ヒアルロナンのベンジルエステル、安息香酸ヒアルロナンのベンジルエステル、酪酸化ヒアルロナンのメチルエステル、フェニルカルバモイル化ヒアルロナンのメチルエステル、フェニル酢酸ヒアルロナンのメチルエステル、安息香酸ヒアルロナンのメチルエステル、フェニルカルバモイル化ヒアルロナンのアリルエステル、酪酸化ヒアルロナンのベンジルエステル、フェニル酢酸ヒアルロナンのベンジルエステル、3,5−ジメチルフェニルカルバモイル化ヒアルロナンのベンジルエステル、3,5−−ジメチルフェニルカルバモイル化ヒアルロナンのメチルエステルである。
【0017】
本発明の別の目的は、誘導体の調製方法である。この方法は以下のステップを含む:
a)ヒアルロナンに存在するカルボキシル基の全体または部分のいずれか可能なエステル化;
b)ヒアルロナンに存在するヒドロキシル基のエステル化またはカルバモイル化であって;ステップa)およびステップb)を任意の順序で適用することができる。
【0018】
ステップa)は、その酸または塩の形のヒアルロナンを、従来の化学的方法による有機溶媒の存在下に適切なハロゲン化物と混合することによって行われる。反応は、2〜40℃の範囲の温度下、10〜60時間の範囲の時間、N,N−ジメチルホルムアミド中で行われることが好ましい。好ましい出発原料は、四級アンモニウムの塩の形でのヒアルロナンである。従来技術に記載されている反応条件の変化によって、エステル化度が異なる化合物を得ることが可能である。
【0019】
ステップb)は、ヒドロキシル基のエステル化またはカルバモイル化を可能にするいくつかのステップを含みうる。ステップb)は、エステル化またはカルバモイル化ヒドロキシルが第一級ヒドロキシルおよび第二級ヒドロキシルである場合に単一のステップで行われる。反応は、ステップa)から得られた生成物、または酸あるいは塩の形のヒアルロナンのいずれかに、有機溶媒中で適切な試薬を添加することによって行われる。好ましい溶媒は、ジアルキルスルホキシド、ジエチルホルムアミド、特に、ジメチルスルホキシドなどC1〜C6ジアルキルスルホキシド、および、N,N−ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミドなど、C1〜C6脂肪族酸のC1〜C6ジアルキルアミドなど、非プロトン溶剤である。カルバモイル化は、1つのアルコールと1つのイソシアン酸塩との間の従来の反応法に従って行われる。したがって、その酸または塩の形あるいはそのエステル化の形でのヒアルロナンのヒドロキシル基は、三級アミンなどルイス塩基の存在下、または触媒としてルイス酸の存在下に対応するイソシアン酸塩と適切な溶媒中で反応する。エステル化は、カルボキシル基のその酸、塩の形、またはエステル化の形でのヒアルロナンを、従来技術において周知の方法に従って適切なエステル化溶媒と反応させることによって行われる。これらの薬剤は、無水物やハロゲン化物のような対応するカルボン酸の活性化形態である。三級アミンまたは触媒としてのルイス酸など塩基を使用することが好ましい。一部の有機溶媒も用いることができる。ある場合には、特定の触媒を用いて反応の促進することができる。この反応によって、カルバモイル化またはエステル化されるヒドロキシル基は、第一級および第二級のヒドロキシル基である。
【0020】
ステップb)は、第一級ヒドロキシル基が第二級ヒドロキシル基と異なる方法でエステル化される場合、いくつかの段階で行われる。1つのステップは、a)で得られた生成物、または国際公開番号WO99/18133に記載された方法によるその酸または塩の形でのヒアルロナンのいずれかの第一級ヒドロキシル基の選択的改変を必要とするが;もう1つのステップは、上記の方法による第二級ヒドロキシル基のエステル化またはカルバモイル化を必要とする。
【0021】
調製方法で得られた誘導体において、部分的に置換されたポリマーの遊離カルボキシル基は、周知の方法に従って加塩することもできる。
【0022】
出発原料として、動物または生物工学的ないくつかの起源から抽出されたヒアルロナンを用いることもできる。純度の程度は、誘導体の調製にとって重要な特性ではない。一部の特定の用途のためには、明確な分子量のヒアルロナン画分を誘導することが必要である。
【0023】
これが生じると、高分子量のヒアルロナンを、化学的、酵素的、化学酵素的、または物理的工程にかけ、所望の分子量画分を得ることができる。誘導されるポリマーは、生医学用途に生成されるHAの廃棄物(分子量画分)から直接得ることができる。これらの副産物は、本発明の誘導体の調製のための出発原料として有利に用いることができる。
【0024】
出発ヒアルロナンが四級塩の形である場合、炭素原子数が1〜6のアルキル基を有するテトラアルキルアンモニウム塩を使用することが好ましい。ほとんどの場合、ヒアルロナンテトラブチルアンモニウムが使用される。HAナトリウム塩またはその酸形態の水溶液を四級アンモニウム塩基で加塩されたスルホン樹脂と反応させることによって、これらの塩を調製することが可能である。ここで使用されている塩は、誘導化に使用される有機溶媒における適切な塩分を有する。
【0025】
本発明の置換誘導体を得るためのヒアルロナンのカルボキシル基およびヒドロキシル基の化学的改変により、これらの誘導体、したがってその生体適合性用途における使用の親水度の大幅な減少がひき起こされる。同時に、この化学的改変により、従来技術における周知のHA誘導体が不溶性である多数の有機溶媒中で溶解性である誘導体を得ることが可能である。実際、本発明の誘導体は有機溶媒中で特異的な溶解性を有することがわかっている。この溶解性は、置換基の化学的性質、置換度、分子量に依存する。ヒドロキシル基、カルボキシル基の置換度、置換基の種類に応じて、広範囲の有機溶媒を用いて、本発明の誘導体を可溶性にすることができる。実際、それらは、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ジアルキルスルホキシド、ジアルキルカルボキシアミド、アルコール、低沸点の脂肪族または複素環ケトン、塩素化炭化水素、それらの混合物などの溶媒中で可溶性にすることができる。これらの化合物は、水中、脂肪族炭化水素中、ジアルキルエーテル中では不溶性である。不溶性、特定の溶媒または溶媒の混合物との親和性、および特定の溶媒または混合物の存在下の安定性は、従来技術において周知のHA誘導体のそれらを特徴づけ、結果的に新しくかつ特有の用途を可能にする本発明の化合物の1つの特性を表す。
【0026】
本発明のヒアルロナンの誘導体は、キラル固定相をも含めて、クロマトグラフィー固定相の調製において有利に用いることができる。事実、出願人は、本発明の誘導体が特定のエナンチオマーを認識し、それらをクロマトグラフィー法によってラセミ混合物からの分離を可能にすることを意外にも見出した。
【0027】
クロマトグラフィー固定相を調製する目的で、これらのヒアルロナン誘導体はそういうものとして用いられる。あるいは、それらは粉砕され、またはビーズに成形された後、およびそれらの粒子寸法に基づき選択された後に用いることができる。あるいは、それらを固体支持体に蒸着させた後にカラムに詰めることもできる。固体支持体しては、クロマトグラフィー分離に使用されるすべての支持体が適している。それらは、有機または好ましくは無機材料で作り上げられうる。適切な無機支持体の例は、シリカゲル、アルミナ、カオリン、酸化チタン、酸化マグネシウム、ケイ酸塩、および合成ポリマーである。
【0028】
好ましい構成において、機能性シリカが用いられ、例えば、γ−アミノプロピルシリカが用いられる。シリカゲルの例は、Daisogel SP−1000−7、Nucleosil 1000−7である。
【0029】
この用途のために、適切な誘導体は0.1〜22dl/gの固有粘度を有する。カルボキシル基においてエステル化されたヒアルロナン誘導体には、0.2〜4dl/gの粘度範囲が好ましい。固有粘度が低い誘導体は、それらがラセミ混合物を有効に分離することがないため、またそれらが適切な再現性の特徴を有することがないという点で、キラル固定相の調製に有用ではない。さらに、粘度がきわめて低い誘導体の一部は、いくつかの分離サイクル後に顕著に膨張する。
【0030】
クロマトグラフィー固定相の調製において用いられる興味深い誘導体群は、ヒドロキシル基の置換度が低いまたはきわめて低い(0.01%〜0.2%)誘導体で構成されており、ここでカルボキシル基は全体的に(100%)エステル化されている。置換度が低いまたはきわめて低い前記誘導体の1つの利点は、高い極性の溶媒における溶解性にある。これらの化合物は、固体支持体上に蒸着されると、アミノ基、ヒドロキシル基、またはカルボキシル基など極性官能性を含有するエナンチオマーの分離における予想外の効果を示す。これらの誘導体の驚くべき利点は、例えば、任意の比で水と有機溶媒の混合物、または緩衝液、および明確なpH値の有機溶媒混合物を用いるなど、逆相条件下に機能する能力を有する固定相を調製する可能性にある。実際、それらは逆相条件下だけではなく、単一の有機溶媒または有機溶媒の混合物による順相でも用いることができ;これにより必然的に、操作員はクロマトグラフィー分離の効果を低下させることなく、必要に従って操作モードを他のモードに変換することができる。
【0031】
本発明のヒアルロナン誘導体を含むクロマトグラフィー固定相は、本発明の別の目的である。これらの相は以下の方法に従って調製される。本発明の誘導体が適切な溶媒中で可溶性にされ、得られた溶液がクロマトグラフィー支持体に添加される。固体支持体への誘導体の蒸着を目的として、適切な非溶媒が混合物に添加される。その結果、材料が分離され、洗浄され、乾燥される。このようにして得られた改変支持体は、キラル固定相として用いられる。この段階から、ヒアルロナン誘導体のキロプティカルな特性およびエナンチオ選択特性とともに適切な溶媒中の溶解性が、キラル固定相を製造するための基本的な必要条件であることが明らかである。専門家に周知の他の方法を本発明の誘導体に適用してキラル固定相を得ることができる。
【0032】
これらの固定相は、薄層クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、例えば、HPLC、バッチクロマトグラフィー、「刺激移動層(stimulating moving bed)」(SBM)クロマトグラフィー、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)において用いることができる。さらに、本発明は、これらのキラル固定相によるエナンチオマー混合物の分離法を含む。
【0033】
本発明はさらに、市販および産業的関心のいくつかのラセミ混合物の分離のためのこれら固定相の使用を含む。それらにより、極性基をも含有し、または全体的に極性でありうる構造的に異なる化合物のエナンチオマーの分析的かつ調製的分離が可能である。さらに、光学異性体のラセミ混合物から、これらの固定相の使用によって、出発原料におけるものよりも高いエナンチオマー含量を有する光学的に純粋な異性体または異性体の混合物の調製を得ることが可能性である。さらに、この相により、例えば不斉合成によって得られる混合物のエナンチオマー組成の測定が可能である。
【0034】
本発明の固定相によるエナンチオマーの分離の特定の実施例が、実験部において報告されている。図1は、試験されたラセミ体の構造を示す。
【発明の効果】
【0035】
本発明の化合物の他の用途は、それらの特異的溶解性、有機溶媒との相対的親和性、および従来技術において周知のHAと区別される熱特性に基づき特定される。結果として、本発明の化合物はさらに、例えば、包装、複合材料、先端技術材料において使用されるスポンジ、フィルム、ファイバー(fiber)など、装置の調製において用いることができ、あるいは、それらをプラスチック材料、接着剤、漆剤の添加剤として用いることができる。他の興味深い用途は化粧品分野に関する。適切な例が、ヘアスプレーの調製によって提供されている。
【0036】
以下の実施例は、限定的機能を有することなく、発明の範囲を示す。
【実施例1】
【0037】
ヒアルロナンのベンジルエステルの調製
55000の粘度測定分子量(Biochimica et Biophysica Acta(1960年、42、476−485ページ)に従った測定)を有するヒアルロナンナトリウムからの陽イオン交換によって調製されたテトラブチルアンモニウムヒアルロナン3.5gを、30℃の温度下、窒素フラックス下および機械攪拌下、500mlの三つ口フラスコ中のN,N−ジメチルホルムアミド350ml中に溶解する。ヨウ化テトラブチルアンモニウム8.9mg、トリエチルアミン0.8ml、およびベンジルブロミド3.35mlを添加し、反応を18時間行う。生成物を低圧で濃縮し、酢酸エチル50ml中に沈降させ;沈降物を再溶解し、数回沈降させ、次いで乾燥、回収する。収率は90%である。ベンジルのメチレンプロトンによる領域(5.0〜5.4ppm)を、N−アセチルアミノ残基のメチルプロトンによる領域(1.6〜1.2ppm)と比較することによって、40℃下のDMSOにおける1H−NMRによって測定されるエステル化度は、100%である。N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、ジエチルエーテルにおける誘導体の溶解性を確認した。誘導体は、N,N−ジメチルホルムアミド、およびジメチルスルホキシドにおいて溶解性である。
【実施例2】
【0038】
ヒアルロナンのベンジルエステルの調製
この方法は、出発ヒアルロナンナトリウムの粘度測定分子量が120000((Biochimica et Biophysica Acta(1960年、42、476−485ページ)に従った測定)である点で、実施例1に記載されたものと異なる。生成物のエステル化度は100%であり、これは実施例1に記載されているように測定される。
【実施例3】
【0039】
ヒアルロナンのベンジルエステルの調製
50000の粘度測定分子量(Biochimica et Biophysica Acta(1960年、42、476−485ページ)に従った測定)を有するヒアルロナンナトリウムからの陽イオン交換によって調製されたテトラブチルアンモニウムヒアルロナン1gを、30℃の温度下、窒素フラックス下および機械攪拌下、500mlの三つ口フラスコ中のN,N−ジメチルホルムアミド100ml中に溶解する。ヨウ化テトラブチルアンモニウム30mg、トリエチルアミン0.22ml、およびベンジルブロミド0.96mlを添加し、反応は18時間行われる。生成物を減圧で濃縮し、酢酸エチル50ml中に沈降させ;沈降物を再溶解し、数回沈降させ、最後に乾燥させる。720mgの生成物が得られる。誘導体は100%のエステル化度を示し、これは実施例1に記載されているように測定される。溶媒中の誘導体の溶解性を、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、ジエチルエーテルにおいて試験した。誘導体は、N,N−ジメチルホルムアミド、およびジメチルスルホキシドにおいて溶解性である。
【実施例4】
【0040】
ヒアルロナンのベンジルエステルの調製
実施例3と同じ方法に従うが、出発ヒアルロナンナトリウムの粘度測定分子量(Biochimica et Biophysica Acta(1960年、42、476−485ページ)に従った測定)は18000である。生成物は100%のエステル化度を有し、これは実施例1に記載されているように測定される。
【実施例5】
【0041】
フェニルカルバモイル化ヒアルロナンのベンジルエステルの調製
実施例2のヒアルロナンベンジルエステル1.06gを、25℃の温度下、窒素フラックス下、冷却器および磁気攪拌下、100mlの三つ口フラスコ中のN,N−ジメチルホルムアミド60ml中に分散させる。1時間後、フェニルイソシアン酸2.5mlおよびジラウリル酸ジブチルチン15μlを添加し、反応を25時間行う。次いで、さらにフェニルイソシアン酸2.0mlおよびジラウリル酸ジブチルチン10μlを添加し、混合物をさらに14時間反応させる。次いで、溶液を減圧下、その容積の約1/5に濃縮し、ジエチルエーテル200ml中に沈降させる。次いで固形物をろ過し、洗浄、乾燥させる。660mgの生成物が得られる。フェニルカルバメートの芳香族プロトンによる領域(6.2〜7.6ppm)を、多糖およびベンジルメチレンプロトンのプロトン領域(3.0〜5.2ppm)と比較することによって、1H−NMRによって測定されるエステル化度は、100%である。生成物の固有粘度は20℃下のアセトン中で2.06dl/gである。N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、ジエチルエーテル、およびヘキサンにおける誘導体の溶解性を確認した。生成物は、N,N−ジメチルホルムアミド、およびアセトンにおいて溶解性である。
【実施例6】
【0042】
フェニルカルバモイル化ヒアルロナンのテトラブチルアンモニウムの調製
120,000の粘度測定分子量(Biochimica et Biophysica Acta(1960年、42、476−485ページ)に従った測定)を有するヒアルロナンナトリウムからの陽イオン交換によって調製されたテトラブチルアンモニウムヒアルロナン1gを、50℃の温度下、窒素フラックス下、冷却器および機械攪拌下、500mlの三つ口フラスコ中のN,N−ジメチルホルムアミド50ml中に溶解する。1,8−ジアザビシクル[4.5.0]ウンデカ−7−エン(1.5−5)(DBU)480μlを注射器で添加し、10分後、滴下漏斗によってN,N−ジメチルホルムアミド3ml中に希釈したフェニルイソシアン酸塩520μlを10分ごとに1mlのフラックス量で添加する。添加は0.5時間ごとに2回反復し、反応を最後の添加後0.75時間行う(3.0〜5.2ppm)。溶液を減圧下に約1/3の容積に濃縮し、エーテル100ml中に沈降させる。生成物をアセトン50ml中に溶解し、エーテル300ml中で2回沈降させる。沈降物をろ過し、次いで乾燥させる。1.2gの生成物が得られる。フェニルカルバメート基の芳香族プロトン(7.4〜6.8ppm)およびN−アセチルアミノ基のメチル基の芳香族プロトン(1.8〜1.6ppm)による領域を比較することによって、40℃下のDMSOにおける1H−NMRによって測定される置換度は、50%である。
【実施例7】
【0043】
フェニルカルバモイル化ヒアルロナンのテトラブチルアンモニウムの調製
120,000の粘度測定分子量(Biochimica et Biophysica Acta(1960年、42、476−485ページ)に従った測定)を有するヒアルロナンナトリウムからの陽イオン交換によって調製されたテトラブチルアンモニウムヒアルロナン4gを、50℃の温度下、窒素フラックス下、冷却器および機械攪拌下、500mlの三つ口フラスコ中のN,N−ジメチルホルムアミド200ml中に溶解する。DBU 4.8mlを注射器で添加し、10分後、N,N−ジメチルホルムアミド5ml中に希釈したフェニルイソシアン酸塩3.5mlを10分ごとに1mlのフラックスで、滴下漏斗によって滴下した。添加は1.5時間後に反復し、次いで1.5時間反応させる。溶液を減圧下に約1/3の容積に濃縮し、エーテル200ml中に沈降させる。生成物をアセトン200ml中に溶解し、エーテル1リットル中で2回沈降させる。沈降物をろ過し、次いで乾燥させる。5gの生成物が得られる。生成物の置換度は100%であり、これは実施例6に記載されたように測定される。生成物の固有粘度は、20℃下のアセトン中で11.5dl/gである。
【実施例8】
【0044】
フェニルカルバモイル化ヒアルロナンのテトラブチルアンモニウムの調製
50000の粘度測定分子量(Biochimica et Biophysica Acta(1960年、42、476−485ページ)に従った測定)を有するヒアルロナンナトリウムからの陽イオン交換によって調製されたテトラブチルアンモニウムヒアルロナン2gを、50℃の温度下、窒素フラックス下、冷却器および機械攪拌下、500mlの三つ口フラスコ中のN,N−ジメチルホルムアミド200ml中に溶解する。DBU 2.4mlを注射器で添加し、10分後、N,N−ジメチルホルムアミド5ml中に希釈したフェニルイソシアン酸塩1.64mlを10分ごとに1mlのフラックス量で、滴下漏斗によって滴下した。添加は1.75時間後に2回反復し、次いで最後の添加後に19時間反応させる。溶液を減圧下に約1/3の容積に濃縮し、エーテル100ml中に沈降させる。生成物をアセトン50ml中に溶解し、エーテル300ml中で2回沈降させる。沈降物をろ過し、次いで乾燥させる。2.9gの生成物が得られる。生成物はヒドロキシル基の100%の置換度を示し、これは実施例6に記載されたように測定される。
【実施例9】
【0045】
フェニルカルバモイル化ヒアルロナンのテトラブチルアンモニウムの調製
実施例1に記載されているように調製されたベンジルエステルヒアルロナン0.750gを、50℃の温度下、窒素フラックス下、冷却器および機械攪拌下、250mlの三つ口フラスコ中のN,N−ジメチルホルムアミド75ml中に溶解する。ジラウリル酸ジブチルチン50μlおよびフェニルイソシアン酸塩3.0mlを注射器で添加し、22時間反応させる。生成物を減圧下に約1/5の容積まで濃縮し、エーテル200ml中に沈降させ、次いでアセトン30ml中に溶解し、最後にエーテル200ml中に沈降させる。次いで沈降物をジクロロメタン30ml中に溶解し、メタノール200ml中に沈降させる。沈降物をろ過し、次いで乾燥させる。870mgの生成物が得られる。フェニルカルバメート基の芳香族プロトンによる領域(6.2〜7.6ppm)をベンジル基の多糖およびメチレンのプロトンの領域(3.0〜5.2ppm)と比較することによって、40℃下のDMSOにおける1H−NMRによって測定されるヒドロキシル基の置換度は、100%である。生成物の固有粘度は20℃下のアセトン中で0.59dl/gである。N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、アセトン、メタノール、ジエチルエーテルにおける誘導体の溶解性を確認した。生成物は、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、およびアセトンにおいて溶解性である。
【実施例10】
【0046】
酪酸化ヒアルロナンのベンジルエステルの調製
実施例1に記載されているように調製されたベンジルエステルヒアルロナン0.75gを、50℃の温度下、窒素フラックスおよび機械攪拌下、250mlの冷却器付き三つ口フラスコ中のN,N−ジメチルホルムアミド75ml中に分散する。ジメチルアミノピリジン0.74gおよび無水ブチル1.67mlを注射器で添加し、混合物を22時間の反応させる。溶液を減圧下に約1/5の容積まで濃縮し、次いでエーテル150ml中に沈降させる。これをアセトン30ml中で溶解し、エーテル150ml中で2回沈降させる。次いで沈降物をろ過し、乾燥させる。960mgの生成物が得られる。ベンジルの芳香族プロトンによる領域(7〜7.6ppm)をブチル残基のメチルによる領域(0.8〜1ppm)と比較することによって、40℃下のDMSOにおける1H−NMRによって測定されるヒドロキシル基の置換度は、100%である。生成物の固有粘度は20℃下のアセトン中で0.65dl/gである。N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、アセトン、クロロホルム、およびテトラヒドロフランにおける誘導体の溶解性を確認する。誘導体は、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、アセトン、クロロホルム、およびテトラヒドロフランにおいて溶解性である。ジクロロメタンにおける誘導体およびクロロホルムにおける誘導体の溶液(20mg/0.5ml)の緩徐蒸発によってフィルムが得られる。
【実施例11】
【0047】
アセチル化ヒアルロナンのベンジルエステルの調製
実施例3に記載されたベンジルエステルヒアルロナン0.5gを、50℃の温度下、窒素フラックスおよび機械攪拌下、100mlの冷却器付き三つ口フラスコ中のN,N−ジメチルホルムアミド40ml中に分散する。2時間後、混合物を室温に冷却する。N,N−ジメチルホルムアミド2ml中に溶解したジメチルアミノピリジン50mg、および無水酢酸を注射器によって添加し、混合物を48時間反応させる。溶液を減圧下に約1/5の容積まで濃縮し、次いでエーテル150ml中に沈降させる。これをアセトン20ml中で溶解し、エーテル150ml中に沈降させ;この手順を2回反復する。沈降物をろ過し、乾燥させる。520mgの生成物が得られる。ベンジル残基の芳香族プロトンによる領域(7.6〜7ppm)をN−アセトアミド残基のメチルプロトンによる領域(2.2〜1.8ppm)と比較することによって、40℃下のDMSOにおける1H−NMRによって測定されるヒドロキシル基の置換度は、100%である。生成物の固有粘度は、20℃下のアセトン中で0.83dl/gである。
【実施例12】
【0048】
アセチル化ヒアルロナンのベンジルエステルの調製
実施例11に記載されている同じ方法に従うが、実施例2のベンジルエステルを25℃の温度下にN,N−ジメチルホルムアミド中に分散する。実施例11に記載されている1H−NMRによって測定されるヒドロキシル基の置換度は、100%である。生成物の固有粘度は20℃下のアセトン中で1.70dl/gである。溶媒の緩徐蒸発後、アセトン(100mg/ml)中に溶解された誘導体からフィルムを調製することが可能である。
【実施例13】
【0049】
フェニルカルバモイル化ヒアルロナンのベンジルエステルの調製
実施例4に記載されたベンジルエステルヒアルロナン0.5gを、80℃の温度下、窒素フラックスおよび機械攪拌下、500mlの冷却器付き三つ口フラスコ中のN,N−ジメチルホルムアミド100ml中に分散する。2時間後、混合物を50℃にし、N,N−ジメチルホルムアミド2ml中に溶解したジラウリル酸ジブチルチン15μl、フェニルイソシアン酸1.75mlを注射器によって添加し、混合物を22時間反応させる。溶液を減圧下に約1/5の容積まで濃縮し、次いでエーテル200ml中に沈降させる。これをアセトン20ml中で溶解し、エーテル200ml中に沈降させ;次いで固形物を減圧下にろ過し、ジクロロメタン20ml中に溶解し、メタノール200ml中に沈降させる。さらに、これをアセトン20ml中に溶解し、エーテル200ml中に沈降させる。沈降物をろ過し、次いで乾燥させる。530mgの生成物が得られる。ベンジル残基の芳香族プロトンによる領域(7.6〜7ppm)をN−アセトアミド残基のメチルプロトンによる領域(2.2〜1.8ppm)と比較することによって、1H−NMRによって測定されるヒドロキシル基の置換度は、100%である。生成物の固有粘度は20℃下のアセトン中で0.30dl/gである。N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、アセトン、メタノール、およびジエチルエーテルにおける誘導体の溶解性を確認した。誘導体は、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、およびアセトンにおいて溶解性である。
【実施例14】
【0050】
フェニルアセチル化ヒアルロナンのベンジルエステルの調製
実施例2に記載されたヒアルロナンベンジルエステル1.0662gを三つ口フラスコ中のN,N−ジメチルホルムアミド100mlおよびピリジン20ml中に機械攪拌下に分散する。このようにして得られる溶液を砕いた氷浴上に配置し、フェニルアセチルクロライド5mlをその上に滴下する。混合物を室温に冷却し、一定攪拌下に15分間維持する。溶液を再び砕いた氷浴上に配置し、さらにフェニルアセチルクロライド5mlをその上に滴下する。混合物を室温に冷却し、一定攪拌下に3時間維持する。
【0051】
エーテル350mlを攪拌下に添加し、ろ過によって沈降物を回収し、次いでアセトン中に可溶性にし、メタノールで沈降させる。沈降を2回反復する。生成物を塩化メチレン50ml中で可溶性にし、メタノール150ml中に沈降させ、アセトン200ml中で可溶性にし、水200ml中に沈降させ、洗浄し、最後に乾燥させる。0.7gの生成物が得られる。CDC13における1H−NMRによって測定されるヒドロキシル基の置換度は、100%である。生成物の固有粘度は20℃下のアセトン中で2.28dl/gである。
【実施例15】
【0052】
3,5−ジメチルフェニルカルバモイル化ヒアルロナンのベンジルエステルの調製
実施例3に記載されたヒアルロナンベンジルエステル1gを、50℃の温度下、窒素フラックスおよび機械攪拌下、500mlの冷却器付き三つ口フラスコ中のN,N−ジメチルホルムアミド200ml中に分散する。1時間後、N,N−ジメチルホルムアミド2ml中に溶解したジラウリル酸ジブチルチン15μl、およびフェニルイソシアン酸4.5mlを注射器によって添加し、混合物を22時間反応させる。溶液を減圧下に約1/5の容積まで濃縮し、次いでエーテル200ml中に沈降させる。これをアセトン20ml中で溶解し、エーテル200ml中に沈降させる。次いで沈降物をろ過し、乾燥させる。0.9gの生成物が得られる。フェニルカルバメート基の芳香族プロトンによる領域(6.2〜7.6ppm)を多糖およびベンジルメチレンのプロトンによる領域(3.0〜5.2ppm)と比較することによって、1H−NMRによって測定されるヒドロキシル基の置換度は、100%である。N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、アセトン、およびジエチルエーテルにおける誘導体の溶解性を確認した。誘導体は、N,N−ジメチルホルムアミド、およびジメチルスルホキシドにおいて溶解性である。得られた生成物は、20℃下のアセトン:DMF(9:1)中で0.6dl/gの固有粘度を示す。
【実施例16】
【0053】
アセチル化ヒアルロナンのベンジルエステルの調製
実施例2に記載されたヒアルロナンベンジルエステル1gを、80℃の温度下、窒素フラックスおよび機械攪拌下、250mlの冷却器付き三つ口フラスコ中のN,N−ジメチルホルムアミド100ml中に分散する。可溶化が完了すると、混合物を室温に冷却し、無水酢酸4mlおよびジメチルアミノピリジン100mgを添加し、混合物を室温下に48時間反応させる。次いで溶液を減圧下に約1/3の容積まで濃縮し、酸性水中に沈降させる。次いで生成物をろ過によって回収し、アセトン中に溶解し;その後、これを酸性水中に沈降させ、ろ過し、50℃下に真空オーブン中で乾燥させる。980mgの生成物が得られる。生成物は100%のヒドロキシル基の置換度を示し、これは実施例11に記載されたように測定される。20℃下のアセトン中の生成物の固有粘度は、0.64dl/gである。
【実施例17】
【0054】
ヒアルロナンのメチルエステルの調製
52000の粘度測定分子量(Biochimica et Biophysica Acta(1960年、42、476−485ページ)に従った測定)を有するヒアルロナンナトリウムからの陽イオン交換によって調製されたテトラブチルアンモニウムヒアルロナン500mgを、冷却器付きの250mlのフラスコ中で磁気攪拌下、50℃の温度下、無水N,N−ジメチルホルムアミド100ml中に溶解する。溶液を室温に冷却し、次いで1リットルの反応器に注入する。温度を4℃に低下させ、ヨウ化メチル1.5mlを添加し;次いで混合物を機械攪拌下に48時間反応させる。溶液をその容積の約1/3まで減圧下に濃縮し、ジエチルエーテル200ml中に沈降させる。生成物をアセトン中で2回洗浄し、ろ過し、乾燥させる。310gの生成物が得られる。誘導物は、1H−NMRおよび13C−NMRによって特徴づけられる。出発ポリマーに関して、主にグルクロン酸のカルボキシルによるシグナル(167〜171ppm)、および2つのグリコシド間シグナル(81〜83ppm)の顕著な転換が確認され、メチルは53ppmで新しいシグナルを生成する。ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、およびアセトンにおける誘導体の溶解性を確認した。誘導体は、ジメチルスルホキシドにおいて溶解性である。
【実施例18】
【0055】
フェニルカルバモイル化ヒアルロナンのメチルエステルの調製
実施例17に記載されたヒアルロナンメチルエステル250mgを、80℃の温度下、窒素フラックスおよび機械攪拌下、250mlの冷却器付き三つ口フラスコ中のN,N−ジメチルホルムアミド100ml中に分散する。2時間後、温度を50℃に低下させ、フェニルイソシアン酸1mlおよびジラウリル酸ジブチルチン15μlを添加し;混合物を22時間反応させる。次いで固形物をろ過し、洗浄し、乾燥させる。220mgの生成物が得られる。フェニルカルバメート基の芳香族プロトンによる領域(6.8〜7.8ppm)、N−アセチルアミノ基による領域(1.6〜2.0ppm)、および多糖およびメチル基によるシグナル(2.8〜5.0ppm)の比較から1H−NMRによって測定される置換度は、35%である。N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、およびアセトンにおける誘導体の溶解性を確認した。生成物は、N,N−ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシドにおいて溶解性である。
【実施例19】
【0056】
ベンゾイル化ヒアルロナンのベンジルエステルの調製
冷却器を付けた50mlの三つ口フラスコ中に、無水安息香酸964mgを50℃の温度下および窒素フラックス下に注入する。実施例4に記載されたように調製されたヒアルロナンベンジルエステル100mgを、N,N−ジメチルホルムアミド15ml1,8−ジアザビシクル[4.5.0]ウンデカ−7−エン(1.5−5)(DBU)32μl中に添加し、22時間反応させる。次いで溶液を減圧下にその容積の約1/3に濃縮し、エーテル中に沈降させる。次いで固形物をろ過し、アセトン100ml中に分散し、これを次いで減圧下に除去する。さらに、生成物をクロロホルムで洗浄し、ろ過し、乾燥させる。52mgの生成物が得られる。芳香族プロトンによる領域(7.0〜7.6ppm)を、ベンジルのメチレンの領域(5.0〜5.2ppm)、およびN−アセチルアミド基のシグナル(1.6および2.0ppm)と比較することにより、1H−NMRによって測定される置換度は、100%になる。N,N−ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、アセトン、およびクロロホルムにおける誘導体の溶解性を確認した。生成物は、N,N−ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシドにおいて溶解性である。
【実施例20】
【0057】
ヒアルロナンのベンジルエステルの調製
9000である出発ヒアルロナンナトリウムの粘度測定分子量(Biochimica et Biophysica Acta(1960年、42、476−485ページ)に従った測定)を別にすれば、実施例3に記載されたものと同じ方法に従う。生成物は100%のエステル化度を示し、これは実施例1に記載されたように測定される。
【実施例21】
【0058】
フェニルカルバモイル化ヒアルロナンのアリルエステルの調製
52000の粘度測定分子量(Biochimica et Biophysica Acta(1960年、42、476−485ページ)に従った測定)を有するヒアルロナンナトリウムからの陽イオン交換によって調製されたテトラブチルアンモニウムヒアルロナン150mgを、30℃の温度下、窒素フラックス下および磁気攪拌下、50mlの三つ口フラスコ中のN,N−ジメチルホルムアミド15ml中に溶解する。ポリマーの可溶化が完了すると、臭化アリル200μl、トリエチルアミン40μl、および触媒的量のヨウ化テトラブチルアンモニウムを添加する。次いで混合物を26時間反応させる。次いでこれを50℃まで加熱し、フェニルイソシアン酸塩170μlを添加し、ジラウリル酸ジブチルチンを添加し、次いで混合物を21時間反応させる。次いで溶液を減圧下にその容積の約1/3まで濃縮し、ジエチルエーテル中に沈降させる。次いで固形物をろ過し、アセトン中で2回洗浄し、完全に乾燥させる。50mgの生成物が得られる。誘導体は、NMR(1H、2D COSY、1H DOSY、13C)によって特徴づけられている。ヒアルロナンに結合したアリル基のシグナルによる領域(CH−O、3.9ppm、−CH=5.90ppm、=CH2、5.22〜5.35ppm)のフェニルカルバメート基の芳香族プロトンによる領域(6.8〜7.6ppm)およびN−アセチルアミド基のシグナル(1.6〜2.0ppm)との比較から、カルボキシルのエステル化度は50%であると考えられ、ヒドロキシル基の置換度は100%である。N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、およびアセトンにおける誘導体の溶解性を確認した。生成物は、N,N−ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシドにおいて溶解性である。
【実施例22】
【0059】
フェニルカルバモイル化ヒアルロナンのベンジルエステルの調製
実施例3に記載されたヒアルロナンベンジルエステル200mgを、80℃の温度下、窒素フラックスおよび磁気攪拌下、100mlの冷却器付き三つ口フラスコ中のN,N−ジメチルホルムアミド50ml中に分散する。1時間後、これを50℃に低下させ、フェニルイソシアン酸15mlおよびジラウリル酸ジブチルチン50μlを添加し、混合物を22時間反応させる。次いで溶液を減圧下にその容積の約1/5まで濃縮し、ジメチルエーテル200ml中に沈降させる。次いで固形物をろ過し、洗浄し、乾燥させる。130mgの生成物が得られる。芳香族プロトンによる領域(6.8〜7.6ppm)の、ベンジルメチレンによる領域(5.0〜5.2ppm)、およびN−アセチルアミド基(1.6〜2.0ppm)との比較から1H−NMRによって測定されるヒドロキシル基の置換度は、2%である。N,N−ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、およびアセトンにおける誘導体の溶解性を確認した。生成物は、N,N−ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシドにおいて溶解性である。
【実施例23】
【0060】
フェニルカルバモイル化ヒアルロナンのベンジルエステルの調製
フェニルイソシアン酸塩5μlの使用を別にすれば、実施例22に記載されたものと同じ方法に従う。実施例22に記載されたように測定されるヒドロキシル基の置換度は0.2%である。N,N−ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、およびアセトンにおける誘導体の溶解性を確認した。生成物は、N,N−ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシドにおいて溶解性である。
【実施例24】
【0061】
フェニルカルバモイル化ヒアルロナンのベンジルエステルの調製
実施例20に記載されたように調製されたベンジルエステルヒアルロナンの使用を別にすれば、実施例9に記載されたもとの同じ方法に従う。実施例9に記載されたように測定されるヒドロキシル基の置換度は、100%である。20℃下での生成物の固有粘度は、0.09dl/gである。
【実施例25】
【0062】
ガラス転移温度の測定
基準によって予め較正された示差走査熱量計(DSC)Perkin Elmer Mod.Pyrisを使用した。アルミニウムセルに適切に配置された本発明の生成物5〜10mgを、各測定前に熱量計に直接、30分間、55℃下に維持する。実施例10および実施例11に記載された生成物について、以下の熱サイクルに従った;走査速度10℃/分で55℃〜200℃の第1の加熱、その後の200℃/分への冷却、10℃/分での55℃〜200℃の第2の加熱。両方の生成物は、実施例10の生成物では130〜132℃の温度(変曲点)で生じ、実施例11の生成物では163〜166℃の温度で生じるガラス転移を示す。実施例15の生成物については、以下の熱サイクルが行われた;走査速度10℃/分で55℃〜185℃の第1の加熱、10℃/分での冷却、10℃/分での55℃〜185℃の第2の加熱、200℃/分での冷却、10℃/分での55℃〜185℃の第3の加熱。生成物は、177〜179℃の温度(変曲点)でガラス転移を示す。
【実施例26】
【0063】
本発明の誘導体によるHYキラル固定相の調製のための一般的な方法
本発明の誘導体を完全に溶解するまで攪拌することによって適切な溶媒中で可溶性にする。次いで溶液をろ過し、予めアミノプロピルシラン処理したシリカゲルの懸濁液に添加する。次いで系を2時間攪拌下に保持し、30分間超音波処理してもよい。試料がシリカ上に配置されるように非溶媒を添加する。沈降物を回収し、次いで乾燥させる。望ましくない粒子および溶媒を除去した後、残留物を完全に乾燥させ、キラル固定相が得られる。
【実施例27】
【0064】
本発明のキラル固定相を含有するHPLCカラムを用いることによってラセミ混合物の分離に適用される一般的な方法
Knauer HPLC 6−ポート−バルブインジェクターおよび20μlループを備えたKnauer WellChrom Maxi−Star K−1000ポンプ(クナウエル(Knauer)社(GmbH)、ドイツ、ベルリン)を使用する。測定は、Knauer WellChrom K−2500デテクターによって254nmで行われる。クロマトグラムのピークの積分は、BDSソフトウェアパッケージ(バースペック(Barspec)社(Ltd.)、イスラエル、リホボット(Rehovot))で行われる。マックス・スティーブンソン(Max Stevenson)によって購入されたHPLCカラム(ドイツ、ベルリン、150x4.6mm)のパッキングは、HPLC Knauer用の含気性ポンプを用いることによる「スラリー」法で行われる。HPLC用に用いられるJ.T.ベーカー(Baker)による分析的純粋溶媒を使用前に再蒸留する。カラムのデッドボリュームを1,3,5,トリ−tert−ブチルベンゼンで測定した。ラセミ体の構造は、図1に示されている。
【実施例28】
【0065】
HY−7、HY−8、HY−11とのラセミ混合物の分離
HPLCクロマトグラフィーカラムを、実施例5、9、13に記載された誘導体からそれぞれ得られた固定相HY−7、HY−8、およびHY−11で充填する。試験されるラセミ体の分離用に用いられる移動相は、流量1.0ml/分で、n−ヘキサン:2−プロパノール(9:1)である。得られたクロマトグラムにより、表1に示されている分離因子(α)および分割因子(Rs)の測定が可能である。
【表1】
【0066】
表は、試験された誘導体のエナンチオ認識能およびHY−8誘導体の改善能を示す。
【0067】
実施例24の誘導体から得られたHY−14で充填したHPLCクロマトグラフィーカラムを用いて、同じ実験条件下に同じラセミ体が試験されている。この場合、ラセミ体は分離されず、開始時に低いカラムの圧力は、試験中にゆっくりであるが着実に上昇する傾向があり、これらの条件下に、誘導体は膨張することを明らかに示している。
【実施例29】
【0068】
HY−10とのラセミ混合物の分離
実施例22に記載されている調製されたヒアルロナンの誘導体で構成されたキラル固定相を含有するI.D.が150mmx4.6mmのカラムのHPLCによって、以下の条件下、すなわちヘキサン/イソプロパノール9:1固定相;流量1ml/分でラセミ体12を分析した。2つのエナンチオマーのクロマトグラフィーによる分離は、ラセミ体の「ベースライン」分割を証明する以下のパラメータk’1=4.80、α=1.32、Rs=1.36によって特徴づけられる。この分離の後、さらに以下の条件下にカラムを用いた:ヘキサン/ジクロロメタン/メタノール68:30:2移動相、5分間の流量1ml/分;ジクロロメタン/エチル酢酸1:1移動相、2時間の流量1ml/分。この処理の後、当初の条件下にラセミ体12を再び分析し、ベースライン分割が得られる。したがって、使用した移動相の変化および種類のため、キラルセレクターが除去されなかったことは明らかである。
【実施例30】
【0069】
市販カラムとのラセミ混合物の分離の比較
実施例16に記載されている調製されたヒアルロナンの誘導体に基づくキラル固定相を含有する250mmx4.6mmI.D.カラムのHPLCによって、以下の条件でメチル−3−ヒドロキシ−5−オキソ−1−シクロペンテン−ヘプタン酸ラセミ体を分析した:移動相ヘキサン/イソプロパノール9:1;流量1ml/分。Chiralcel ODおよびChiralcel OJと呼ばれ、両方とも250mmx4.6mmI.D.の2種類の市販カラムのHPLCによって、同じ条件下に同じラセミ体を分析した。結果は表2に報告されている。
【表2】
【0070】
表は、本発明の誘導体を含有する固定相がラセミ体の良好な分離を可能にすることを示す。
【実施例31】
【0071】
移動相として純粋溶媒を用いたHY−5とのラセミ混合物の分離
HPLCクロマトグラフィーカラムは、実施例8の誘導体で得られたHY−5で充填され、いくつかのラセミ混合物が分離される。使用移動相は、n−へキサン、流量1.0ml/分である。得られたクロマトグラムは表3に示した分離因子(α)および分割因子(Rs)の測定を可能にする。
【表3】
【0072】
上記の表から、移動相として純粋溶媒を用いることによってエナンチオ認識能を理解することが可能である。
【実施例32】
【0073】
逆相下のHY−13とのラセミ混合物(クレンブテロール、プロメタジン)の分離
HPLCクロマトグラフィーカラムは、実施例23の誘導体から得られる固定相で充填され、2つのラセミ混合物が分離される。使用移動相は、メタノール:水(1:1)、流量1ml/分である。各混合物の2つのエナンチオマーが分割し、クロマトグラムは表4に示した分離因子(α)および分割因子(Rs)による2つの分離対称ピークを示す。
【表4】
【0074】
表は、クロマトグラフィー逆相条件下のHY−13のエナンチオ認識能を示す。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】試験されたラセミ体のリストを示す図である。
Claims (26)
- ヒドロキシル基が0.01%〜100%の範囲の量でエステル化またはカルバモイル化され、カルボキシル基が全体的または部分的にアルコールでエステル化され、または塩の形であり、ただしアセチル化ヒアルロナンのベンジルエステル、アセチル化ヒアルロナンの塩、酪酸化ヒアルロナンの塩は除かれる、ヒアルロナン誘導体。
- そのヒドロキシル基が、無機酸で;直鎖または分岐状、飽和または不飽和脂肪族酸で;単環式または多環式、脂環式または脂肪族脂環式酸で;アリール脂肪族酸で;アリール酸で;複素環式酸でエステル化され;前記酸が直鎖または分岐状C1〜C5アルキルで、ハロゲンで、ヒドロキシル基で、アミノ基で、ニトロ基で、メトキシ基で、シアノ基で置換されていてもよい、請求項1に記載の誘導体。
- そのヒドロキシル基が、酢酸、酪酸、レチノイン酸、安息香酸、フェニル酢酸でエステル化されている、請求項2に記載の誘導体。
- そのヒドロキシル基が、イソシアン酸アルキルで;イソシアン酸アルキルアリールで、イソシアン酸アリールでカルバモイル化され;前記イソシアン酸が置換されていてもよく;直鎖または分岐状、飽和または不飽和アルキル残基が2〜6個の炭素原子を有し、アリール残基が単核または多核であり、直鎖または分岐状、飽和または不飽和C1〜C5アルキルで、ハロゲンで、ニトロ基で、シアノ基で、メトキシ基で置換されていてもよい、請求項1に記載の誘導体。
- そのヒドロキシル基が、フェニルイソシアン酸、ジアルキルフェニルイソシアン酸、トリアルキルフェニルイソシアン酸、1−フェニルエチルイソシアン酸でカルバモイル化されている、請求項4に記載の誘導体。
- そのカルボキシル基が、脂肪族アルコール、アリール脂肪族アルコール、アリールアルコール、シクロ脂肪族アルコール、プロピルアルコールでエステル化されている、請求項1〜5のいずれか1つに記載の誘導体。
- そのカルボキシル基が、メチルアルコール、ベンジルアルコール、アリルアルコール、プロピルアルコールでエステル化されている、請求項6に記載の誘導体。
- そのヒドロキシル基が0.01%〜0.2%の範囲の量で、または70%〜100%の範囲の量でエステル化またはカルバモイル化されている、請求項1〜7のいずれか1つに記載の誘導体。
- そのヒドロキシル基が0.01%〜0.2%の範囲の量でエステル化またはカルバモイル化され、そのカルボキシル基が全体的にエステル化されている(100%のエステル化度)、請求項8に記載の誘導体。
- そのヒドロキシル基が70%〜100%の範囲の量でエステル化またはカルバモイル化され、そのカルボキシル基が全体的にエステル化されている(100%のエステル化度)、請求項8に記載の誘導体。
- そのヒドロキシル基が70%〜100%の範囲の量でエステル化またはカルバモイル化され、そのカルボキシル基が塩の形である、請求項8に記載の誘導体。
- 請求項1〜11のいずれか1つに記載のヒアルロナン誘導体を調製するための方法であって、以下の反応ステップ:
a)ヒアルロナンのカルボキシル基のおそらく全体的または部分的なエステル化;
b)ヒアルロナンのヒドロキシル基のエステル化またはカルバモイル化;
を含み、ステップa)およびb)を任意の順序で適用することができる前記方法。 - ヒドロキシル基が、0.01%〜100%の範囲の量でエステル化またはカルバモイル化され、カルボキシル基が全体的または部分的にアルコールでエステル化され、または塩の形であり、クロマトグラフィーの固定相の調製において、それらの固有粘度の範囲が0.1〜22dl/gである、ヒアルロナン誘導体の使用。
- キラル固定相の調製における請求項13に記載の誘導体の使用。
- ヒドロキシル基が、0.01%〜100%の範囲の量でエステル化またはカルバモイル化され、カルボキシル基が全体的または部分的にアルコールでエステル化され、または塩の形であり、フィルム、ファイバー、膜、スポンジ、およびスレッドの調製における、ヒアルロナン誘導体の使用。
- ヒドロキシル基が、0.01%〜100%の範囲の量でエステル化またはカルバモイル化され、カルボキシル基が全体的または部分的にアルコールでエステル化され、または塩の形であり、プラスチック材料、複合材料、包装材料、接着剤、および漆剤の調製における、ヒアルロナン誘導体の使用。
- ヒドロキシル基が、0.01%〜100%の範囲の量でエステル化またはカルバモイル化され、カルボキシル基が全体的または部分的にアルコールでエステル化され、または塩の形であり、それらの固有粘度の範囲が0.1〜22dl/gである、ヒアルロナン誘導体を含有するキラル固定相。
- ヒアルロナンの誘導体のそのヒドロキシル基が、無機酸で;直鎖または分岐状、飽和または不飽和脂肪族酸で;単環式または多環式、脂環式または脂肪族脂環式酸で;アリール脂肪族酸で;アリール酸で;複素環式酸でエステル化され;前記酸が直鎖または分岐状C1〜C5アルキルで、ハロゲンで、ヒドロキシル基で、アミノ基で、ニトロ基で、メトキシ基で、シアノ基で置換されていてもよい、請求項17に記載のキラル固定相。
- ヒアルロナンの誘導体のそのヒドロキシル基が、イソシアン酸アルキルで;イソシアン酸アルキルアリールで、イソシアン酸アリールでカルバモイル化され;前記イソシアン酸が直鎖または分岐状C1〜C5アルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、メトキシ基で置換されていてもよく、その直鎖または分岐状、飽和または不飽和アルキル残基が2〜6個の炭素原子を有し、そのアリール残基が置換されていてもよい単核または多核残基である、請求項17に記載のキラル固定相。
- ヒアルロナン誘導体のそのカルボキシル基が、脂肪族アルコール、アリール脂肪族アルコール、アリールアルコール、シクロ脂肪族アルコール、プロピルアルコールでエステル化されている、請求項17から19のいずれか1つに記載のキラル固定相。
- ヒアルロナン誘導体のそのヒドロキシル基が0.01%〜0.2%の範囲の量で、または70%〜100%の範囲の量でエステル化またはカルバモイル化されている、請求項17〜20のいずれか1つに記載のキラル固定相。
- そのヒドロキシル基が0.01%〜0.2%の範囲の量でエステル化またはカルバモイル化され、そのカルボキシル基が全体的にエステル化されている(100%のエステル化度)、請求項21に記載のキラル固定相。
- そのヒドロキシル基が70%〜100%の範囲の量でエステル化またはカルバモイル化され、そのカルボキシル基が全体的にエステル化され(100%のエステル化度)、または塩の形である、請求項21に記載のキラル固定相。
- 開始ラセミ混合物におけるものよりも高いエナンチオマーを含量する、光学的に純粋な異性体または異性体の混合物の調製における、請求項17〜23のいずれか1つに記載の固定相の使用。
- エナンチオマーまたはラセミ体の混合物の調製的または分析的分離における、請求項17〜23のいずれか1つに記載の固定相の使用。
- 液体クロマトグラフィー、HPLC、SMB、SCFCにおける、請求項24〜25のいずれか1つに記載の固定相の使用。
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