JP2019010845A - 積層シート - Google Patents

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【課題】室温でプレス成形した際のキャビティーの賦形性に優れ、且つ実用上十分な強度を有する冷間プレスキャリアテープを得ることのできる積層シートを提供する。【解決手段】ABS系樹脂からなる発泡層の両面に熱可塑性樹脂からなる非発泡層が積層された積層シートであって、該積層シートの総厚み0.2〜0.5mmに対して、各非発泡層の厚みが5〜10%であり、発泡層の気泡が下記の(1)及び(2)の条件を満たし、比重が0.5〜0.8g/cm3、且つJISK7215に準拠して測定される硬度がHDD55以下である、積層シートとする。(1)引き取り方向と直交する方向の最大気泡の径が200μm以下である。(2)引き取り方向と直交する方向の気泡径が50μm以下である気泡の割合が、全体の30%以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、積層シートに関する。
従来、回路基板に実装される微小電子部品を収納、運搬する方法として、キャリアテープが使用されている。キャリアテープには、基材として主に紙が使用される形式として、基材シートに部品形状の穴を打ち抜き、ボトム側の面にボトムテープを積層することによって、電子部品を収容する一連のキャビティーを形成したパンチキャリアテープや室温で基材シートを押し潰すことで電子部品を収納するキャビティーを形成した、所謂冷間プレスキャリアテープがある。さらに、基材としてプラスチックが使用される形式として、主に塩化ビニル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート系樹脂等の熱可塑性樹脂で構成されたシートを、部品形状にエンボス成形したエンボスキャリアテープ等がある。これらのキャリアテープは、キャビティーあるいはエンボス部に電子部品を収納した後に、その上面にカバーテープをヒートシールしてリール状に巻き取られ搬送される。
紙製キャリアテープの場合、スリット加工されたテープ端面、あるいは打ち抜き加工されたキャビティー内壁に紙の繊維屑が発生し、収納した部品に付着するという問題や、ヒゲ状の繊維屑により、収納した部品がポケット内で傾き、実装作業の際の実装率の低下をまねくといった問題がある。また、紙が空気中の水分を吸収することでキャリアテープの寸法が変化するといった問題もある。
一方、プラスチックを基材として使用した場合は、水分による寸法変化や紙の繊維屑による問題は無くなる。しかしながら、プラスチック基材は室温でプレス成形を行うことができない。室温でプレス成形する場合、押し潰した部分の基材材料を逃げ込ませるのに十分な空隙を繊維間に有している紙基材と違い、プラスチック基材はそのような空隙を基材中に有さないためである。
そこで、プラスチック基材を室温でプレス成形する例として、発泡シートを使用した冷間プレスキャリアテープが開示されている(特許文献1、2)。しかしながら、これらは電子部品収納用のキャビティーを形成できるものの、キャビティーの開口コーナー部や底面コーナー部の賦形性が十分でなく、開口コーナー部や底面コーナー部の曲率半径が大きくなりやすいことが問題であった。これらの曲率半径が大きいと、微小電子部品を収納した際の電子部品とキャビティー内面との隙間が大きくなり、キャリアテープ搬送時に振動や衝撃によって電子部品がキャビティー壁面に乗り上げて傾いたりし、電子部品を電子機器に実装する際のトラブルの原因となることがある。
特開2005−289520 特開2005−170434
本発明は、室温でプレス成形した際のキャビティーの賦形性に優れ、且つ実用上十分な強度を有する冷間プレスキャリアテープを得ることのできる積層シートを提供するものである。
本発明者等は、鋭意検討した結果、本発明に至った。即ち本発明は、ABS系樹脂からなる発泡層の両面に熱可塑性樹脂からなる非発泡層が積層された積層シートであって、該積層シートの総厚み0.2〜0.5mmに対して、各非発泡層の厚みが5〜10%であり、発泡層の気泡が下記の(1)及び(2)を満たし、比重が0.5〜0.8g/cm、且つJISK7215に準拠して測定される硬度がHDD55以下である、積層シートである。
(1)引き取り方向と直交する方向の最大気泡の径が200μm以下
(2)引き取り方向と直交する方向の気泡径が50μm以下である気泡の割合が、全体の30%以上
そして、非発泡層の熱可塑性樹脂がポリスチレン系樹脂またはポリカーボネート系樹脂であることが好ましい。また、非発泡層の表面抵抗率が、1012Ω/□未満であることが好ましい。
そして、本発明は、本発明の積層シートを用いたキャリアテープ、特に冷間プレスキャリアテープを包含する。
本発明によって、室温でプレス成形した際のキャビティーの賦形性に優れ、且つ実用上十分な強度を有するキャリアテープを得ることのできる積層シートが得られる。
本発明の積層シートを室温でプレス成形してキャビティーを形成した際の概略断面図あり、室温でのプレス成形性評価に係る説明を補足する図である。
以下に、本発明の実施形態について詳細に述べるが、本発明は、以下の実施例を含む実施形態に限定されるものではない。
本発明の積層シートは、ABS系樹脂からなる発泡層の両面に熱可塑性樹脂からなる非発泡層が積層されている。そして、積層シートの強度と室温でのプレス成形性を両立させる観点から、本発明の積層シートの総厚みを0.2〜0.5mmとし、この総厚みに対して各非発泡層の厚みを5〜10%とする。総厚みに対して各非発泡層の厚みが5%未満であると、積層シート表面の平滑性が低下して凹凸状態となり表面外観が悪化し、積層シートの強度も低下する。また、10%を超えると、室温でのプレス成形性が悪化する。
発泡層にはABS系樹脂を用いる。ABS系樹脂とは、ブタジエン−スチレン−アクリロニトリルの3元共重合体を主成分とするもので、具体的にはポリブタジエンにスチレンとアクリロニトリル共重合体がグラフトした共重合体を意味する。ABS系樹脂には、スチレンに加えて、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジメチルスチレン、クロロスチレン、ビニルナフタレン等の単量体を含有するものも含まれる。またアクリロニトリルに加えて、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フマロニトリル等の単量体を含有するものも含まれる。
発泡層中の、引き取り方向と直交する方向の最大気泡の径は200μm以下であり、好ましくは150μm以下である。ここで引き取り方向とは、積層シートを作製する際の積層シートの生産方向(MD方向)を意味し、直交方向とは、積層シートの生産方向と直交する方向(TD方向)を意味する。最大気泡の径が200μmよりも大きいと、冷間プレスキャリアテープとしてキャビティーの賦形性が低下する場合があり、そして、積層シートの強度も低下する場合がある。
更に、発泡層中の、引き取り方向と直交する方向の気泡径が50μm以下の気泡の割合は全体の30%以上であり、40%以上であることがより好ましい。30%未満だと冷間プレスキャリアテープとしてキャビティーの賦形性が低下する場合がある。
発泡層には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、導電剤等の各種添加剤を添加することが可能である。
非発泡層に用いる熱可塑性樹脂は、一般的な熱可塑性樹脂が使用可能である。例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂から選択した樹脂である。中でも、本発明においてポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が好適に用いられる。
ポリスチレン系樹脂には、スチレン系単量体を重合した樹脂及び耐衝撃性ポリスチレン系樹脂が含まれる。スチレン系単量体を重合した樹脂を形成するためのスチレン系単量体としては、例えば、スチレン、アルキル置換スチレン(例えば、ビニルトルエン、ビニルキシレン、p−エチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等)、ハロゲン置換スチレン(例えば、クロロスチレン、ブロモスチレン等)、α位にアルキル基が置換したα−アルキル置換スチレン(例えば、α−メチルスチレンなど)等が例示できる。これらのスチレン系単量体は、単独で、又は二種以上組み合わせて使用できる。本発明において、通常は、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等を重合した樹脂が使用され、特にスチレンの単独重合体であるポリスチレン(GPPS)が使用される。
耐衝撃性ポリスチレン系樹脂とは、上記のスチレン系単量体がグラフト重合した微粒子状のゴム成分を含有するポリスチレン系樹脂を指す。ゴム成分としては、例えば1,3−ブタジエン(ブタジエン)、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2−メチルペンタジエン等を単量体とするジエン系ゴムが用いられる。また、共役ジエン成分が50質量%以上のスチレン−共役ジエンブロック共重合体の熱可塑性エラストマーを用いることもできる。中でも、本発明において、ポリブタジエンやスチレン−ブタジエンブロック共重合体等のジエン系ゴムに、スチレンがグラフト重合した耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)が好適に用いられる。
耐衝撃性ポリスチレン系樹脂には、共役ジエンゴム成分を3〜15質量%含有するものが、本発明の積層シートにおいて、製膜性とシート強度のバランスが優れるという点で更に好適に用いられる。ポリスチレン系樹脂中の共役ジエンゴム成分の含有量は、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の製造段階で調整することができるが、GPPSとHIPSのブレンドにより調整するのが簡便な方法であり、共役ジエンゴム成分を3〜15質量%含有する市販のHIPSをそのまま用いることもできる。
ポリカーボネート系樹脂としては、脂肪族ジヒドロキシ化合物から誘導されたものや芳香族ジヒドロキシ化合物から誘導されたものが挙げられるが、芳香族ジヒドロキシ化合物から誘導されたものが好ましく、特には2つの芳香族ジヒドロキシ化合物がある種の結合基を介して結合した芳香族ジヒドロキシ化合物(ビスフェノール)から誘導されたものが好ましい。これらはジヒドロキシ化合物とホスゲン又は炭酸エステルとの重縮合による公知の製法により製造されたものを使用でき、その製法に限定されるものではなく、市販の樹脂を使用することもできる。
非発泡層の表面抵抗率は、1012Ω/□未満であることが好ましい。表面抵抗率が1012Ω/□未満であれば、表面の帯電により静電気が発生し、塵埃が付着することがなく電子部品の包装体として好適に使用できる。更に、帯電した静電気によって、収納した電子部品や機器がその機能を喪失するという事態もなくなる。1012Ω/□未満の表面抵抗率はカーボンブラック、カーボンナノチューブ、導電性高分子、高分子系帯電防止樹脂、界面活性剤、イオン性液体等の少なくとも一つを非発泡層に含有させることにより達成できる。
また、非発泡層には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、着色剤等の各種添加材を添加することができる。
本発明の積層シートの比重は0.5〜0.8g/cmであり、0.6〜0.7g/cmがより好ましい。比重が0.8g/cmを超えると、室温で積層シートのプレス成形を行った際に、良好なプレス成形性が得られない場合がある。一方、0.5g/cm未満であると、積層シートとして十分な強度を保つことが困難となる。
本発明の積層シートの、JISK7215に準拠して測定される硬度はHDD55以下であり、HDD50以下がより好ましい。硬度がHDD55を超えると、室温で積層シートのプレス成形を行った際に良好なプレス成形性が得られないことがある。
次に、本発明の積層シートを製造する方法について述べる。
まず発泡層については、前記のABS系樹脂と化学発泡剤からなる樹脂組成物を押出機に投入して溶融混練し、フィードブロックやマルチマニフォールドダイに供給する方法や、溶融可塑化された樹脂組成物に対して、押出機のシリンダー部途中に設置したノズルからガス状の発泡剤或いは易揮発性有機液体発泡剤(物理発泡剤)を圧入、混練して発泡押出する方法を用いることができる。
化学発泡剤としては、具体的には、重曹とクエン酸の混合物、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロテレフタルアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、炭酸塩、有機酸塩等が挙げられるが、重曹とクエン酸の混合物が好適に用いられ、発生する発泡ガスは炭酸ガスである。化学発泡剤の添加方法は特に限定されず、原料樹脂の組成物又は溶融混練物にドライブレンドする方法や、押出機のホッパー中で定量フィーダーを使用して添加する方法、又はABS系樹脂をベースとするマスターバッチを作成し添加する方法等を用いることができる。
物理発泡剤としては、具体的には、ガス状のものとして窒素、炭酸ガス、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、メチルエーテル等が挙げられる。ここでガス状とは常温(25℃)、常圧(1気圧)で気体であることを意味する。一方、易揮発性有機液体の物理発泡剤としては、具体的には、エーテル、石油エーテル、アセトン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン等が挙げられる。また水も使用できる。そして、これらの物理発泡剤を混合使用することもできる。
本発明の積層シートの製造に用いられる製造装置としては、公知の押出発泡シート製造装置が好適である。すなわち、発泡層の押出しは、単軸押出機や二軸押出機等の公知の溶融混錬装置を単独あるいは2機以上を直列にして用いることができる。積層シートの各層の厚みや総厚みは、ダイスの構造など設備構造や樹脂の処理流量、シートの引取速度等の運転条件により、調整することができる。また、積層シートの比重は、発泡剤の添加量、発泡剤を含む樹脂組成物を溶融混練する際の温度、発泡層と非発泡層の厚み比率等によって調整することができる。
本発明における積層シートは、従来公知の方法(押出ラミネート法、共押出法、接着剤を用いて別途製膜した非発泡層用のシートと貼り合わせる方法、又は熱を利用した融着法等)により製造することができる。中でも共押出法が生産効率の点で好ましい。共押出法としては、押出機を2機以上使用し、フィードブロックまたはマルチマニフォールドダイを使用して、積層シートを得る方法である。
本発明の積層シートから真空成形、圧空成形、プレス成形等の従来公知の加熱成形方法を利用することにより、キャリアテープ(主にエンボスキャリアテープ)を得ることができる。
更に、本発明の最大の特徴として、本発明の積層シートを室温でプレス成形することにより冷間プレスキャリアテープを得ることができる。そして、本発明の積層シートを用いた冷間プレスキャリアテープはキャビティーの賦形性に優れるため、電子部品を電子機器に実装する際のトラブルを大幅に抑制できる。
以下、本発明を実施例と比較例によって詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。各実施例および比較例で製膜したシートについて、以下の特性の評価を行った。
<発泡層及び非発泡層の厚み>
シートの幅方向に等間隔で5箇所サンプリングし、引き取り方向と直交する方向の断面をレーザー顕微鏡(KEYENCE社製:VK‐8510)で撮影し各層の厚みを測定した。5箇所の算術平均値を各層の厚みとした。
<発泡層の気泡径>
引き取り方向と直交する方向の気泡径の測定:シートの幅方向に等間隔(100mm間隔)で5箇所サンプリングし、引き取り方向と直交する方向の断面をレーザー顕微鏡(KEYENCE社製:VK‐8510)で撮影し(倍率200倍)、その断面写真に入るすべての気泡について、シート厚み方向と直交する方向の気泡径を測定した。5箇所それぞれの最大気泡の径の算術平均値をこのシートの最大気泡の径とした。また、気泡径を測定したすべての気泡のうち、気泡径が50μm以下の気泡の割合を求めた。
<比重>
シートの幅方向に等間隔(100mm)で5箇所サンプリングし、JISK7112法に準拠してアルファーミラージュ社製電子比重計MD−200Sを用いて比重(g/cm)を測定した。5箇所の算術平均値をシートの比重とした。
<硬度>
シートの幅方向に等間隔(100mm)で5箇所サンプリングし、JISK7215に準拠してテクロック社製デュロメータ(タイプD)を用いて硬度を測定した。5箇所の算術平均値をシートの硬度とした。
<引張特性(降伏点強度、引張弾性率)>
JISK7127に基づき、シートのMD方向(シートの引き取り方向)を長さ方向としてサンプリングした4号ダンベル片での評価を行った。
<耐折強度>
ASTM D2176に基づき、シートのTD方向(シート引き取り方向と直行する方向)を長さ方向として長さ120mm、幅15mmの試験片を作製し、東洋精機製作所製MIT耐折疲労試験機を用いてMIT耐折強度の測定を行った。この時、折り曲げ角度135度、折り曲げ速度175rpm、測定荷重9.8Nにて試験を行った。
<表面抵抗率>
ASTM D257に基づき、ACL社製StaticideACL800機を用いて、表面抵抗率を測定した。
<室温でのプレス成形性評価>
図1に示すように、23℃×50%RH環境下、0.6mm×0.3mmのピンをシート1の厚みの半分まで押し込みキャビティー4を形成した後、キャビティー4の断面をレーザー顕微鏡(KEYENCE社製:VK‐8510)で撮影し、賦形性を評価した。キャビティー開口コーナー部5及び底面コーナー部6の曲率半径Rを求め、それぞれRが0.3mm未満であれば優、0.3mm以上0.5mm未満であれば良、0.5mm以上であれば不可とした。
(実施例1、3〜5、7、9)
表1に示す配合割合でブレンドしたABS系樹脂と化学発泡剤を発泡層用φ65mmの単軸押出機に供給して220℃で溶融混練し、並行して表1の配合割合でブレンドしたスチレン系樹脂と帯電防止剤を非発泡層用φ40mmの単軸押出機に供給して220℃で溶融混練し、フィードブロックで積層させた後、Tダイによりシート化し、60℃に温調したロールで冷却固化させることでサンプルシートを得た。シート厚みは0.42mmとした。
(実施例2)
事前にHIPS樹脂84質量%と導電剤のアセチレンブラック(デンカブラック粒状:デンカ社製)16質量%を二軸混練して得たペレットを用い、非発泡層用の単軸押出機に供給した以外は、実施例1と同様にしてサンプルシートを得た。
(実施例6)
発泡層用及び非発泡層用の単軸押出機に供給する樹脂組成物の量を変えることによって、発泡層及び非発泡層の厚み比率を表3に示す通りとした以外は、実施例1と同様にしてサンプルシートを得た。
(実施例8)
事前にABS系樹脂97質量%とアセチレンブラック(デンカブラック粒状:デンカ社製)3質量%を二軸混連して得たペレットと、化学発泡剤とを表1に示す配合割合でブレンドして発泡層用の単軸押出機に供給した以外は、実施例1と同様にしてサンプルシートを得た。
(実施例10)
事前にポリカーボネート(PC)系樹脂(L−1225:帝人社製)85質量%とアセチレンブラック15質量%を二軸混連して得たペレットを用い、非発泡層用の単軸押出機に供給して250℃で溶融混練した以外は、実施例2と同様にしてサンプルシートを作製した。
(比較例1〜5)
表2に示す配合割合でブレンドしたABS系樹脂と化学発泡剤を発泡層用の単軸押出機に供給し、表2に示す割合でブレンドしたスチレン系樹脂と帯電防止剤を非発泡層用の単軸押出機に供給して、発泡層及び非発泡層の厚み比率を表4に示す通りとした以外は、実施例1と同様にしてサンプルシートを作製した。
(比較例6)
表2に示す配合割合でブレンドしたABS系樹脂と化学発泡剤をφ65mmの単軸押出機に供給して220℃で溶融混練し、Tダイによりシート化し、60℃に温調したロールで冷却固化させることで発泡層のみのサンプルシートを得た。シート厚みは0.42mmとした。
各実施例及び比較例で作製したサンプルシートの評価結果を表3及び表4に纏めて示した。
各実施例のシートは、室温でプレス成形した際のキャビティーの賦形性に優れ、実用上十分な強度を有することが確認された。一方、各比較例のシートは、キャビティーの賦形性が悪い場合や実用上必要な強度が得られない場合があり、キャリアテープとしての使用には適さないことが分かった。
1 積層シート
2 非発泡層
3 発泡層
4 キャビティー
5 キャビティー開口コーナー部
6 キャビティー底面コーナー部

Claims (6)

  1. ABS系樹脂からなる発泡層の両面に熱可塑性樹脂からなる非発泡層が積層された積層シートであって、該積層シートの総厚み0.2〜0.5mmに対して、各非発泡層の厚みが5〜10%であり、発泡層の気泡が下記の(1)及び(2)の条件を満たし、比重が0.5〜0.8g/cm、且つJISK7215に準拠して測定される硬度がHDD55以下である、積層シート。
    (1)引き取り方向と直交する方向の最大気泡の径が200μm以下
    (2)引き取り方向と直交する方向の気泡径が50μm以下である気泡の割合が、全体の30%以上
  2. 非発泡層に使用されている熱可塑性樹脂がポリスチレン系樹脂である、請求項1に記載の積層シート。
  3. 非発泡層に使用されている熱可塑性樹脂がポリカーボネート系樹脂である、請求項1に記載の積層シート。
  4. 非発泡層の表面抵抗率が、1012Ω/□未満である請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層シート。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層シートからなるキャリアテープ。
  6. 冷間プレスキャリアテープである請求項5に記載のキャリアテープ。
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