JP2018537296A - 鋳造機械のための注入先端部、その先端部を使用した鋳造機械および鋳造方法 - Google Patents

鋳造機械のための注入先端部、その先端部を使用した鋳造機械および鋳造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、溶湯の供給導管(12)と鋳型(30)の注入孔(33)の間に挿入するように適合された加圧溶湯注入先端部(20)において、先端部が管状で、電気的絶縁体である耐火材料製であること、および先端部が、管路に結合されるように適合された第1の端部である上流端(23)と鋳型に結合されるように適合された第2の端部である下流端(24)との間を溶湯が流動するように適合された流路(22)と、2つの端部間に配置されて流路の軸の少なくとも一部と重なる軸を有する電磁コイル(26)とを備えることを特徴とする先端部に関する。本発明は、そのような先端部を使用した鋳造機械およびその機械を使用する金属鋳造方法にも関する。【選択図】図2

Description

本発明は金属の加圧鋳造機械のための磁気ピンチング式注入先端部に関し、より詳細には、金属部品の加圧金属鋳造に利用可能なそうした先端部に関する。本発明の対象はその先端部を使用する鋳造機械および鋳造方法にも及ぶ。
加圧金属鋳造機械は一般に、アルミニウム、亜鉛、マグネシウムなど、およびそれらの合金からなる金属部品の加圧金属鋳造のために使用される。この鋳造方法は高い生産ペースと製品の精度の高さを可能にする。この方法における最も重要なパラメータの1つは、溶融して液体の状態となった金属が鋳型に注入される際、特に注入の最終盤での圧力である。この圧力は、いわゆるホットチャンバ鋳造機の場合は5から30MPaであり、いわゆるコールドチャンバ鋳造機の場合は25から200MPa、時には350MPaに達する。
本明細書では、簡単のため、溶融して液体の状態にある金属を指すものとして「溶湯」という用語を用いるが、ただし、それをもって当該金属の性質および/または溶融温度について予断を与えるものではない。
こうした鋳造機械の多くは、ピストンの反対端が鋳型の注入孔に接続するシリンダ内に溶湯を押し込むピストンを備えるシリンダ装置を使用する。しかし、こうした機械には様々な欠点がある。すなわち、ピストンの損耗が早く、高温で鉄を溶解させるアルミニウム合金を注入するときには特にその傾向があること、注入物質の量の調節はシリンダ装置のチャンバの有効容積に依存するため、鋳造部品の体積が変わるときにはその交換が必要となること、シリンダおよびピストンを通して熱が散逸するため、溶融金属の温度を維持するために供給しなければならないエネルギーが大きいこと等々。たとえば特許文献1により、管状の注入先端部を備える加圧注入機械であって、溶融金属の温度を維持するためにその先端部の大部分にコイル抵抗を備える機械が知られている。特許文献2も、加熱スリーブを備える同様の注入機械であって、そのスリーブの中に金属棒を挿入して、スリーブを取り囲む抵抗コイルによって溶融させる機械について記載している。鋳型への溶湯の供給を停止するには、鋳型と一体をなすシャッタを操作して供給流路をふさぐことができる。しかし、これらの例では、注入圧力は機械の全体的な供給圧力に依存する。
そこで、たとえば特許文献3では、溶湯の供給が電磁ポンプによって行われる機械が提案されている。しかし、これらの機械の注入圧力に関する性能は、特に注入の最終盤においてやや弱い。
そのため、使用においても保守においても単純な鋳造機械であって、高いレベルの性能を保ちながらも、単純で広範囲の調節が可能な鋳造機械に対するニーズはなお存在する。
WO02/30596 JP2005−28429 FR2668967
そこで、本発明は、鋳造機械と組むように適合された注入先端部であって、注入金属量の単純な調節と注入最終盤での高い圧力を可能にする先端部を提供することを目的とする。
本発明はまた、そのような先端部を備えた鋳造機械であって、高い性能が得られるように特に適合された鋳造機械も目的とする。
本発明はそのほか、本発明による注入先端部を備えた鋳造機械によって実施される金属の鋳造方法であって、加圧金属鋳造のために特に適合された方法も目的とする。
そのため、本発明は、溶湯の供給導管と鋳型の注入孔の間に挿入するように適合された電気的絶縁体である耐火材料製の管状の加圧金属用の注入先端部であって、前記導管に結合されるように適合された第1の端部である上流端と鋳型に結合されるように適合された第2の端部である下流端との間を溶湯が流動するように適合された注入流路を備える先端部において、前記2つの端部の間に配設されて流路の軸の少なくとも一部と重なる軸を有する電磁コイルであって、高電圧発生装置から電流パルスの供給を受けて注入流路に電磁ピンチ効果を発生させるように適合された電磁コイルを備えることを特徴とする先端部に関する。この先端部により、とりわけ溶湯がその内部を流動する流路により、先端部の下流端に配置された鋳型を満たすことができる。さらに、先端部の材料は、セラミックなどの耐火物であることから、流路内を流動する金属の熱による劣化があまりない。さらに、その管路を取り囲む電磁コイルにより、電流量の大きなパルス電流がそのコイルを流れるとき、流路を流動する溶湯はコイルおよび流路に対して軸方向の磁場にさらされる一方、コイル内の電流の方向と反対の誘導電流にもさらされる。この2つの現象が組み合わされることにより、軸方向の管路に対して径方向にローレンツ力が発生する。これらの力は流路内の溶湯に激しいピンチ効果を引き起こし、ピンチングゾーンの両側に金属を噴出させる。鋳型の注入孔の方向への溶湯の噴出は金属に過圧を生じさせることができ、これは、それによって鋳造される部品の仕上がりの質という点では特に有益である。
有利には、本発明によれば、コイルは電流パルス発生装置の端子に接続されるように適合される。マルクス発生装置など、この種の発生装置は、コンデンサバンクを放電させる1つまたは複数のスパークギャップを用いて、数万アンペア程度の電流を数千ボルトの電圧で数ミリ秒程度のきわめて短い時間に生み出すことができる。
有利には、本発明によれば、流路は、上流端とコイルの間に直径の狭窄を有する。先細ノズルを形成するその狭窄部により、金属の供給導管の出口における溶湯の速度は電磁コイル部分で流路の断面の狭窄部によって速まる。そのとき、コイルに通電すると、流路の狭窄部位のコイル部分で流路に生じるピンチ効果により、鋳型の注入孔の方向の金属の流動速度の初速にさらに上乗せされた速度で溶湯が噴出し、反対方向には、その方向では末広ノズルとして振る舞う狭窄部の効果によって溶湯の流動速度の初速から差し引かれることでその速度の低下を来す。そのため、溶湯の供給導管の方向ではピンチ効果に対する反応は大幅に減衰される。
有利には、本発明によれば、コイルは先端部の材料中に埋め込まれる。エネルギー損失を最小化するため、電磁コイルは、先端部を形成する耐火材料の中に埋め込むことで、溶湯の流動の流線に最大限近接して設置する。さらに、そうしてすべての側が保持されることで、電磁コイルは、ピンチングの際にそのターンに作用する反力にさらされる度合いが小さい。もっとも、金属の注入条件(温度、圧力など)からして可能なときには、壁厚のより薄い先端部を用いること、したがって電磁コイルを先端部のノズルの周囲に、その外側に配置することも可能である。その変形形態では、コイルの保守が容易となる。
有利には、本発明によれば、コイルは複数ターンである。あるいは、本発明によれば、コイルは1ターンである。好ましくは、電磁コイルは、流路の狭窄部の狭い側の端部から鋳型の注入孔につながれたその端部の方向に延びる複数のターンを有するように製作され、先端部内での溶湯のピンチングゾーンの幅が広がり、それによって鋳型の方へ進む金属の体積が増えるようにされる。あるいは、コイルは1ターンのコイルであることができ、それによって電流パルス発生装置の同じ出力段でより高い周波数(それに応じて、より短いパルス)に到達できるようにすることでパルスの瞬間パワーを高め、より優れたエネルギー移動と寿命の改善を得る。
本発明は、溶湯だまりと、前記溶湯だまりに結合された溶湯供給導管であって、導管内を鋳型の方向に溶湯を流動させるように適合された電磁ポンプを有する導管とを備える鋳造機械において、前記導管と前記鋳型の注入孔の間に前記上記特徴のいずれか少なくとも1つを有する先端部を備えることを特徴とする機械にも及ぶ。かかる先端部の利用により、鋳造機械はより信頼性が高く、より保守の容易なものとなる。実際、最も大きな圧力変化が、したがって摩耗現象が起きるのは先端部である。そのため、取外し可能な先端部は保守時の利用不能時間を減らすことができる。
有利には、本発明によれば、電磁ポンプは、導管と同軸の複数の誘導コイルであって、導管内を流動する溶湯を誘導加熱するように適合されたコイルを備える。溶湯だまりから先端部までの溶湯の供給導管の長さ全体にわたって規則的に振り分けたらせん状の誘導コイルを設けることにより、金属の温度を保つことができ、ダマの形成を防ぐことができる。
有利には、本発明によれば、誘導コイルに多相交流を給電することによって移動磁場を発生させ、先端部の方向に溶湯を引っ張る。誘導加熱のために交流電流を給電される誘導コイルは、コイル間に位相のずれがある電流で給電されるときには電磁誘導型磁気流体力学推進装置を形成することができる。そのため、コイルは、供給導管内の溶湯の加熱のほかに、導管内に軸方向磁場を発生させ、溶湯に対して先端部の方向の動きを伝達することができる。
有利には、本発明によれば、機械は、誘導コイルと導管の間に挿設された前記コイルの冷却装置を備える。誘導コイルの発熱を抑えるため、誘導コイルは、空冷または水冷式の冷却装置によって導管から隔てられ、たとえば水冷の場合は、巻線に使用する銅管の内側に冷却液を循環させるなどする。
本発明はそのほか、金属製の鋳型による加圧溶湯鋳造方法であって、
− 溶湯だまりと、前記溶湯だまりに結合された導管であって、導管内を鋳型の方向に溶湯を流動させるように適合された電磁ポンプを有する導管とを備える鋳造機械が使用され、
− 電磁ポンプは、溶湯だまりの溶湯を鋳型の注入孔の方に移動させるように多相交流による給電を受ける方法において、
鋳造機械が、前記導管と前記鋳型の注入孔の間の注入流路を取り囲む電磁コイルを有する先端部を備えること、および注入の最終盤に先端部の電磁コイルに高電圧発生装置から電流パルスを供給して注入流路に電磁ピンチ効果を発生させ、加圧された溶湯を鋳型の注入孔の方に進むようにすることを特徴とする方法にも及ぶ。
注入の最終盤で先端部の電磁コイルに電流パルスを流すことにより、注入流路を流動する溶湯に作用する径方向の電磁力を発生させる。このピンチ力は、周囲に電磁コイルが配置された流路の区間の両側に金属を押しやる。そのとき、金属は、電磁ポンプの作用による流路内の金属の流動速度にさらに上乗せされた速度で鋳型の注入孔の方へ押しやられ、鋳型の空所内に過圧を発生させることで空所への充填が改善される。ピンチ力が発揮される区間のその反対側では、金属は供給導管の方向に押しやられ、その速度だけ金属の流動速度が削られる。導管の方向の合成流動速度は、導管を反対向きに通るときの区間の狭窄部によって形成される発散ノズルの存在によってさらに落ちる。そのため、供給導管内の溶湯の流動を少なくとも一時的に止めることができる。
本発明はまた、前述または後述の特徴のすべてまたは一部を組み合わせたものを特徴とする先端部、鋳造機械および鋳造方法にも関する。
以下の説明および添付の図面を検討することにより、本発明のその他の目的、特徴および利点が明らかとなろう。
本発明による鋳造機械の概略断面図である。 本発明による先端部の概略断面図である。 金属の流れにピンチ効果が生じているときの本発明による先端部の断面図である。
図1は、鋳型30内に注入する溶湯を貯めておくように適合された溶湯だまり11を備えた鋳造機械10の長手方向断面図を示している。溶湯だまり11は、金属をその溶融温度に維持するための加熱手段(図示せず)を備えることも、またはるつぼから溶湯を注ぎ込む漏斗の形に成形されることもできる。次いで溶湯は金属供給導管12を、導管12と鋳型30の間に固定された先端部20の方向に導かれる。
導管12には、導管12の長さに沿って規則的に間隔をあけた複数の誘導コイル51を備える電磁ポンプ50が装備されている。それぞれの誘導コイル51は、コイル51に交流電流を供給するように適合されたインバータ53に接続されている。誘導コイル51は二重の役割を果たす。第一に、導管12内を流動する流線の溶湯を液体の状態に維持することができる誘導加熱コイルとして機能し、第二に、コイル51の数および順番に対して適合された多相交流の供給を受けて、溶湯だまり11から先端部20の方向に流れる移動磁場を発生させ、その磁場によって導管内の溶湯を鋳型30の方向に速度V0で流動させることができる。一例として、誘導コイルには、三相電流を電圧400V、周波数50Hz〜10kHz程度、電流値は50A〜10,000Aで可変として供給する。
コイル51は、コイル51を形成する銅管内を循環してその発熱を抑える冷却液を用いるなどした冷却回路52をさらに備える。当然のことながら、1つまたは複数の送風機および巻線と一体の冷却フィンを利用した強制対流による空冷式の冷却システムを用いることを企図することもできる。
図2を参照して先端部20の好ましい構造の詳細を説明する。先端部20はその上流端23(導管および先端部における溶湯の流動の向きを基準にこのように呼ぶ)でフランジ25によって導管12の端部に固定されている。先端部20はまた、下流端24と呼ぶその反対端でフランジ25によって鋳型30に固定されている。先端部20は耐火性で電気的絶縁体である材料製、好ましくはセラミック製、より具体的には窒化アルミナ/ジルコニウム製の本体21を備える。それ以外の耐火性材料、たとえば、アルミナ、ジルコニウム、イットリウム、チタン、または酸化ニッケル、さらにはこれら成分の様々な割合の混合物を主体にしたセラミックなどを用いることもできる。
先端部の本体21は流路22によって上流端23から下流端24まで貫かれ、その下流端24で流路22は鋳型30の注入孔33に開口している。流路22は好ましくは回転円筒形であり、導管12の端部に相当する直径を持つ大きな断面と鋳型30の注入孔33の断面に相当する流路22のそれより小さな断面との間で狭窄部27を形成する円錐形の部分を上流端23レベルに備える。
本体21は、狭窄部27の下流側に流路22を取り囲み、本体21にオーバーモールドされた電磁コイル26をさらに備える。コイル26は、銅製か、または、アルミニウム、ベリリウム銅、銅クロムジルコニウム合金、タングステンもしくはタングステン銅合金など、それ以外の伝導率のきわめて高い材料製の複数ターンのコイルであることが好ましい。コイル26は、外部の直流電源(図示せず)によって充電され、スパークギャップ42を介して電磁コイル26で放電されるコンデンサバンク41を一般に備える電流パルス発生装置40に接続するように適合される。コイル26は1ターンによって形成されるものであってもよい。コイル26は、複数ターンであっても1ターンであっても、コイル26が流路21を取り囲む部分において、流路21の軸の少なくとも一部分とほぼ重なり合う回転軸を有する。それにより、コイル26は、発生装置40によって給電されたとき、コイル26によって作り出される電磁場がその中に広がるピンチゾーン28と呼ぶゾーンを流路21に画定する。
注入条件からして可能な場合、すなわち、注入圧力および/または温度および/または注入する金属が十分に薄い壁厚の本体21を有する先端部と相反するものでない場合に利用可能な変形形態では、コイル26を本体21の周りに配置することができる。たとえば、融点が450°C未満の亜鉛合金(アルミニウムを含まない)を注入する場合には、数ミリメートルまで薄くした厚さで十分な強度を得ることができる耐火性で非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼製の先端部を使用することが可能である。その場合、一または複数ターンの電磁コイル26は本体21に巻き付け、適当なあらゆる手段で固定することができる。この変形形態では、先端部の本体21をそのまま残しつつ、簡単にコイルを取り外すことができる。
次に図1および3を参照しながら、機械10および先端部20の動作、ならびに本発明による鋳造方法を説明する。
鋳造作業時には、亜鉛またはマグネシウムの合金などの溶湯を溶湯だまり11に満たす。溶湯は溶湯だまり11から導管12に流れ込む。インバータ53が誘導コイル51に多相(たとえば三相)交流電流を給電して、導管12内の溶湯が誘導加熱されるようにすることで、凝固が始まったりダマが形成されたりするのを防ぐ。それぞれの誘導コイル51は、誘導コイルおよび導管12の軸に沿った向きの磁力線を持つ磁場も生じさせる。誘導コイルの磁場の位相のずれは導管12内に移動磁場を作り出し、それが導管12内に含まれる溶湯を溶湯だまり11と反対の導管12端部に向けてほぼ一定の速度V0で移動させる。
先端部20に入るところで溶湯の通過断面は狭窄部27で縮小し、それによって金属の移動速度は先端部の上流端23と流路22の断面比に応じて増大し、電磁コイル26のもとにあるピンチングゾーン28の入口に当たる狭窄部の最後で速度VIに達する。溶湯は速度V1で流路22内を、次いで鋳型30の注入孔33内を進んで、鋳型30の2つの型31の間に形成される1つまたは複数の空所32を満たす。空所32が、金属の流量を規定する速度VI、流路22および/または注入孔33の断面積、ならびに空所32の容積に応じてあらかじめ決まる注入時間を経るなどして満たされると、パルス発生装置40が起動され、たとえば20kA〜1MA程度の強さの電流パルスが40〜2ms間送出されてコイル26内を流れる。その電流パルスが通り抜けたときにコイル26によって発生する磁場の磁束の大きな変化はピンチングゾーン28内の溶湯13に作用する径方向の磁力を生じる。それによって溶湯13は径方向に圧迫されるが、圧縮されようがない溶湯は押出し速度V2でピンチングゾーン28の両側に軸方向に押し出される。その押出し速度V2は、鋳型30の方向への溶湯の流動速度V1と組み合わされることで、V1+V2に相当する速度を金属に与える。空所32は満たされていることから、この速度V1+V2は鋳型30に対する注入圧力の増大へと形を変える。一例として、長さ15mmの作動ゾーン(ピンチングゾーン28)を有するアルミニウムの1ターンのコイル26の場合、500Hz(2ms)でImax=500kAの電流パルスの供給を受けることで、コイルは40Tの磁場を発生させる。溶湯にこの磁場が加えられると、溶湯は先端部でおよそ30m/sの最大速度(V1+V2)と700MPaの最大圧力に達することができる。
ピンチングゾーン28のもう一方の側では、流動速度と押出し速度の組合せによる金属の流動速度はV1−V2となる。一般に、押出し速度V2は絶対値で循環速度V1よりも大きいため、機械の導管12の方向に溶湯に対して動きを与える。狭窄部27はその方向には発散ノズルとして振る舞うことから、溶湯の速度は断面比で低下し、機械を傷めかねない大きな衝撃波を導管12内に発生させることはなく、導管内での金属の混合を促進する圧力波を生じるに過ぎない。
当然のことながら、この説明はもっぱら例証として記したものであり、当業者であれば、たとえば、鋳造する金属、鋳型の空所の容積などに応じて鋳造機械の各要素の寸法の適合化を図るなどして、本発明の範囲から外れることなく、そこに数々の変更を加えることができよう。同様に、鋳型の空所に注入する金属量の加減はパルス発生装置のトリガ前の注入時間か、または誘導コイルに対する給電の周波数または位相によって溶湯の移送速度を調節することで調整できよう。

Claims (10)

  1. 溶湯の供給導管(12)と鋳型(30)の注入孔(33)の間に挿入するように適合された電気的絶縁体である耐火材料製の管状の加圧溶湯(13)用の注入先端部(20)であって、前記導管に結合されるように適合された第1の端部である上流端部(23)と鋳型に結合されるように適合された第2の端部である下流端部(24)の間を溶湯が流動するように適合された注入流路(22)を備える先端部において、
    前記先端部が、前記2つの端部の間に配設されて前記流路の軸の少なくとも一部と重なる軸を有する電磁コイル(26)であって、高電圧発生装置(40)から電流パルスの供給を受けて前記注入流路(22)に電磁ピンチ効果を発生させるように適合された電磁コイルを備えることを特徴とする先端部。
  2. 前記注入流路(22)が前記上流端部(23)と前記電磁コイル(26)の間に直径の狭窄(27)を有することを特徴とする、請求項1に記載の先端部。
  3. 電磁コイル(26)が前記先端部の材料中に埋め込まれることを特徴とする、請求項1または2に記載の先端部。
  4. 前記電磁コイル(26)が複数ターンであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の先端部。
  5. 前記電磁コイル(26)が1ターンであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の先端部。
  6. 溶湯だまり(11)と、前記溶湯だまりに結合された溶湯供給導管(12)であって、導管内を鋳型(30)の方向に溶湯を流動させるように適合された電磁ポンプ(50)を有する導管とを備える鋳造機械(10)において、前記導管と前記鋳型の注入孔(33)の間に請求項1から5のいずれか一項に記載の先端部(20)を備えることを特徴とする機械。
  7. 前記電磁ポンプ(50)が、溶湯の前記供給導管(12)と同軸の複数の誘導コイル(51)であって、前記導管内を流動する前記溶湯を誘導加熱するように適合された誘導コイル(51)を備えることを特徴とする、請求項6に記載の機械。
  8. 前記誘導コイル(51)に多相交流を給電することによって移動磁場を発生させ、前記先端部(20)の方向に前記溶湯を引っ張ることを特徴とする、請求項7に記載の機械。
  9. 前記誘導コイル(50)の冷却装置(52)が前記コイルと前記導管(12)の間に挿設されることを特徴とする、請求項7または8に記載の機械。
  10. 金属製の鋳型(30)による加圧溶湯鋳造方法であって、
    − 溶湯だまり(11)と、前記溶湯だまりに結合された溶湯供給導管(12)であって、導管内を鋳型(30)の方向に前記溶湯を流動させるように適合された電磁ポンプ(50)を有する導管とを備える鋳造機械(10)が使用され、
    − 前記電磁ポンプ(50)は、前記溶湯だまりの溶湯を鋳型の注入孔の方に移動させるように多相交流による給電を受ける方法において、
    前記鋳造機械(10)が、前記導管と前記鋳型の注入孔(33)の間の注入流路(22)を取り囲む電磁コイル(26)を有する先端部(20)を備えること、および注入の最終盤に前記先端部(20)の前記電磁コイル(26)に高電圧発生装置(40)から電流パルスを供給して前記注入流路(22)に電磁ピンチ効果を発生させ、加圧された溶湯を前記鋳型の前記注入孔(33)の方に進むようにすることを特徴とする方法。
JP2018549611A 2015-12-11 2016-12-09 鋳造機械のための注入先端部、その先端部を使用した鋳造機械および鋳造方法 Active JP6840166B2 (ja)

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