JPH09174219A - ダイカスト用スリーブおよび加圧成形方法 - Google Patents

ダイカスト用スリーブおよび加圧成形方法

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JPH09174219A
JPH09174219A JP7336652A JP33665295A JPH09174219A JP H09174219 A JPH09174219 A JP H09174219A JP 7336652 A JP7336652 A JP 7336652A JP 33665295 A JP33665295 A JP 33665295A JP H09174219 A JPH09174219 A JP H09174219A
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JP
Japan
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sleeve
molding material
die casting
outer cylinder
electromagnetic induction
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JP7336652A
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Yoshio Kaneuchi
良夫 金内
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形材料のスリ−ブとの接触面の温度低下を
低減し、凝固層の発生を防止するとともに成形材料の均
熱化を図り、また、スリ−ブの成形材料との接触による
温度上昇を低減し、スリ−ブの機械的精度を適正に維持
することにより、製品品質の安定化を達成できるダイカ
スト用スリ−ブを提供する。 【解決手段】 外筒部2にスリット5等により不連続に
配置された導電体を介して、外部の電磁誘導コイル4か
ら内部の成形材料1に誘導電流を生じさせ、成形材料1
を内筒部3に対して非接触状態に保持して、成形材料1
を保温または加熱するとともに撹拌する。また、外筒部
2には冷却水通路8を設けて冷却し、内筒部3の少なく
とも一部を低熱伝導体として断熱を図る。以上のことに
より、スリ−ブ11と成形材料1との熱交換を低減する
ことができ課題を達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばアルミニウ
ム合金等の非鉄金属用のダイカストマシンにおける溶融
金属射出装置を構成するダイカスト用スリーブに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】加圧成形技術に一般に使用されている横
型ダイカストマシンおよび縦型ダイカストマシンについ
て述べる。図5は横型ダイカストマシンの断面図であ
る。図6は縦型ダイカストマシンの断面図である。図5
に示される横型ダイカストマシンにおいては、溶融金属
である成形材料31は、ラドル37よりスリーブ30内
に供給される。スリーブ30内に供給された成形材料3
1は、プランジャーチップ33により射出され、固定型
35と可動型34により形成されるキャビティ36内に
注入される。図6に示される縦型ダイカストマシンにお
いては、成形材料31をカップ38に注入した後、固定
型35に可動型34を型締めして、プランジャーチップ
33により射出され、キャビティ36内に注入される。
図5に示される成形材料31は、ラドル37により保持
炉からくみ取られ、注入口よりスリーブ30内に供給さ
れる。このときスリーブ30は、機械精度を保つためお
よび酸化防止のため、通常低い温度に保たれる。このた
め、成形材料31の温度はスリーブ31との接触により
低下し、成形材料31の一部が凝固する。この凝固片が
成形材料31とともにキャビティ36内に注入されると
鋳造欠陥を生じ、製品に機械的性質の低下や外観不良な
どが生ずることがある。
【0003】以上の問題を解決するダイカストマシン
が、特公平6−83888号に開示されている。これ
は、高周波電流の電磁誘導により成形材料をスリーブ壁
面及びプランジャーチップ端面に対して非接触状態で保
持する手段の設けられたものである。電磁誘導の法則を
利用して射出スリーブ内における成形材料の断熱を図
り、ガス欠陥や組成の成分比率の変化等を生じさせるこ
となく、スリーブ内における成形材料の、スリーブ壁面
およびプランジャーチップ端面との接触による温度低下
から発生する初期凝固層をなくすとともに、成形材料の
不回りなどを防止しようとするものである。図7は、特
公平6−83888号に開示されているダイカストマシ
ンの断面図である。このダイカストマシンの作用につい
て説明する。まず、プランジャーチップ50をスリーブ
51内の下方に位置させた状態で、通路52内に成形材
料aを供給する。それとともに、スリーブ51の壁面部
53およびプランジャーチップ50内にそれぞれ設けら
れた発振コイル54、55に電源装置から高周波電流を
供給する。このとき、スリーブ51内の成形材料aが導
電性であるため、電磁誘導作用によって成形材料aとス
リーブ51の壁面部53との間に反発力が生ずる。その
結果、この反発力によりスリーブ51内にて成形材料a
は浮遊状態で保持される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
6−83888号に開示されたダイカストマシンでは、
次のような問題がある。 (イ)交流電流の電磁誘導作用により、成形材料aをス
リーブ51に対して確実に非接触状態で保持しようとこ
とは困難である。その結果、成形材料aのスリーブ51
の接触部では、温度低下により成形材料aの表面に凝固
層の発生することがある。 (ロ)交流電流により成形材料aを誘導加熱する過程で
スリーブ51も加熱される。その結果スリーブ51は変
形し、プランジャーチップ50とスリーブ51との適正
な嵌合状態を維持できない。
【0005】本発明の解決しようする課題を以下に示
す。 (ハ)スリーブ内に供給された成形材料の部分的な温度
低下を低減し、成形材料に凝固層を発生させない。ま
た、成形材料の各部位間での温度差を一定範囲内に制御
できるようにする。 (ニ)スリーブ内に供給された成形材料の温度低下を防
止し、成形材料への不純物の混入や成形材料の酸化を防
止する。また不回りや湯境を防止する。 (ホ)スリーブの温度を低く保つことにより、スリーブ
の機械的精度を維持する。また、内筒部と外筒部との適
正な焼嵌め効果を維持する。以上のことにより、製品品
質の安定化を図る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明請求項1記載のダイカスト用スリーブは、電磁
誘導コイルの内側に配置され、少なくとも一部に複数の
スリットを有する外筒部と、その外筒部の内側に配置さ
れ、少なくとも一部を低熱伝導材とする内筒部とよりな
るダイカスト用スリーブにおいて、内筒部の低熱伝導材
とする範囲をスリーブ内に供給される成形材料の占める
範囲以上とし、スリットの長さをスリーブ内に供給され
る成形材料の占める長さ以上とすることを特徴とする。
請求項2記載のダイカスト用スリーブは、電磁誘導コイ
ルの内側に配置され、少なくとも一部に複数個の導電体
を有する外筒部と、その外筒部の内側に配置され、少な
くとも一部を低熱伝導材とする内筒部とよりなるダイカ
スト用スリーブにおいて、内筒部の低熱伝導材とする範
囲をスリーブ内に供給される成形材料の占める範囲以上
とすることを特徴とする。請求項3記載のダイカスト用
スリーブは、請求項1または2記載のダイカスト用スリ
ーブにおいて、内筒部と外筒部とが焼嵌められてなるこ
とを特徴とする。請求項4記載のダイカスト用スリーブ
は、請求項1ないし請求項3のいずれか一に記載のダイ
カスト用スリーブにおいて、前記低熱伝導材を窒化珪素
質セラミックス焼結体とすることを特徴とする。請求項
5記載のダイカスト用スリーブは、請求項1ないし請求
項4のいずれか一に記載のダイカスト用スリーブにおい
て、外筒部の少なくとも一部に冷却用媒体通路を設ける
ことを特徴とする。請求項6記載のダイカスト用スリー
ブは、請求項1ないし請求項5のいずれか一に記載のダ
イカスト用スリーブにおいて、導電体が冷却手段により
冷却されることを特徴とする。請求項7記載のダイカス
ト用スリーブは、請求項1ないし請求項6のいずれか一
に記載のダイカスト用スリーブにおいて、導電体間に非
導電性の物質が充填されることを特徴とする。請求項8
記載のダイカスト用スリーブは、請求項1ないし請求項
7のいずれか一に記載のダイカスト用スリーブにおい
て、前記導電体を非磁性材とすることを特徴とする。請
求項9記載の加圧成形方法は、スリーブ内に供給された
成形材料の各部位間の温度差を±10℃の範囲に制御し
て成形することを特徴とする。請求項10記載の加圧成
形方法は、請求項9記載の加圧成形方法において、電磁
誘導コイルのコイルピッチの粗密を調整して、成形材料
を加熱または保温するとともに撹拌することを特徴とす
る。
【0007】
【作用】本発明によるダイカスト用スリーブは、内筒部
と外筒部とからなる2重構造となっている。内筒部と外
筒部とは焼き嵌めて一体化している。また、内筒部を、
スリーブ内に供給される成形材料の占める範囲以上の範
囲で、低熱伝導材としている。よって、内筒部は断熱材
として、溶融金属の熱の拡散をおさえ、成形材料の温度
低下を低減することができる。以上のことにより、成形
材料への凝固片の発生を少なくでき、製品品質の安定化
を図ることができる。特に、内筒部の低熱伝導材として
サイアロン、窒化珪素質セラミックス焼結体を用いる
と、成形材料が濡れ難い作用も併せて期待できる。
【0008】本発明によるダイカスト用スリーブを適用
したダイカストマシンにおいては、外筒部に配置された
導電体を介して、外部の電磁誘導コイルから内部の成形
材料へ誘導電流を生じさせて成形材料を加熱する。これ
により、溶融または半溶融状態の成形材料を保温もしく
は溶融状態まで加熱し撹拌することができる。また、溶
融状態からは不活性ガスによる冷却により半溶融状態ま
で撹拌しながら冷却することも可能である。この際、材
料に含まれるデンドライト相は破断され、粒状の結晶が
得られる。したがって、成形材料への不純物の混入や溶
融金属の酸化を低減でき、製品品質の安定化を図ること
ができる。
【0009】また本発明においては、外筒部に、導電体
をスリットなどにより周方向に不連続とし、スリーブ内
に供給される成形材料の占める範囲以上の範囲に配置し
ている。これにより、 (ヘ)導電体の温度上昇が低減され、スリーブ全体とし
ての温度上昇を低くおさえることができる。したがっ
て、内筒部と外筒部の適性な焼嵌め効果を維持すことが
できる。 (ト)溶融または半溶融状態の成形材料および導電体に
は電磁誘導による誘導電流が発生し、これらの誘導電流
と磁場の相互作用による電磁体積力が成形材料をスリー
ブ表面から遠ざける方向に作用する。よって、成形材料
とスリーブとの接触を防止する。したがって、成形材料
のスリーブとの接触による成形材料の温度低下も少な
い。
【0010】ここで、前記(ヘ)(ト)について、外筒
部に導電体が連続して配置された場合と、不連続に配置
された場合との作用的相違について説明する。まず、
(ヘ)について説明する。図8は、外筒部2に導電体9
を連続して配置した場合の断面図である。図9は、本発
明による、外筒部2にスリット5を設けることによって
導電体9を不連続に配置した場合の断面図である。図8
に示される、外筒部2に導電体9を連続して配置した場
合において、成形材料1をスリーブ11内に供給し、電
磁誘導コイル4に交流電流を流すと、外筒部2内には磁
力線A(図示せず)が発生し、その磁界により外筒部2
は加熱される。これに対して、図9に示される、外筒部
2に導電体9をスリット5を設けることによって不連続
に配置した場合においては、成形材料1をスリーブ11
内に供給し、誘導コイル4に交流電流4aを流すと、外
筒部2内には磁力線B(図示せず)が発生し、その磁力
線の強さの程度はA>Bとなる。このことにより、外筒
部2に導電体9を不連続に配置した場合のほうが外筒部
2に発生する磁界の強さも小さく、外筒部2の磁界によ
る温度上昇も小さい。
【0011】つぎに、(ト)について説明する。図10
は、外筒部2に導電体9を連続して配置した場合の断面
図である。図11は、本発明による、外筒部2にスリッ
ト5を設けることによって導電体を不連続に配置した場
合の断面図である。図10に示される、外筒部2に導電
体9を連続して配置した場合において、成形材料1をス
リーブ内に供給し、電磁誘導コイル4に交流電流4aを
流した場合には、導電体9を流れる誘導電流9aと、成
形材料1を流れる誘導電流1aの回転方向が同じとな
り、外筒部2および成形材料1に発生する磁界も同一と
なり、お互いの反発力は発生しない。しかし図11に示
される、外筒部2の導電体9にスリット5に設けること
によって不連続して配置した場合においては、成形材料
1をスリーブ内に供給し、電磁誘導コイル4に交流電流
4aを流すと、高周波交番磁界中の電磁誘導原理に従
い、導電体9の誘導電流9aと、成形材料1の誘導電流
1aは位相が180゜異なって、相互反発力(ローレン
ツ斥力)が発生し、成形材料1は内筒部3内面部表面に
非接触の状態で保持される。しかも、相互間にスリット
5を形成した外筒部2の内側に絶縁性の内筒部3を配置
し、その内部に成形材料1を収納し、電磁誘導コイル4
に交流電流を流した場合にはスリット5からの漏れ磁場
が直接成形材料1に作用するために、外筒部2が加熱さ
れることなく、成形材料1に対する加熱保温が容易に行
える。
【0012】また、外筒部に冷却用媒体通路を設けて冷
却すると、内筒部の成形材料による昇温、および電磁誘
導による外筒部の昇温を抑えることができ、内筒部と外
筒部の適性な焼嵌め効果を維持できる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明によるダイカスト用スリー
ブの一実施の形態として、横鋳込み横締め型のアルミニ
ウム合金鋳物鋳造用ダイカストマシンに適用されたダイ
カスト用スリーブについて説明する。本発明によるダイ
カスト用スリーブの適用されたダイカストマシンの平面
断面図を図1に示す。図2は、図1に示されるダイカス
トマシンのA方向の断面図である。図3は、図1に示さ
れるダイカストマシンのB方向の断面図である。図4
は、図1に示されるダイカストマシンのC方向の断面図
である。本発明によるダイカスト用スリーブ11を適用
したダイカストマシン12は、スリーブ11内に供給さ
れた成形材料1を、スリーブ11内を摺動するプランジ
ャーチップ6の押圧力によりキャビティ7内に射出し、
アルミニウム合金鋳物をキャビティ7内で成形するもの
である。ダイカスト用スリーブ11は、内筒部3と外筒
部2とからなり、内筒部3と外筒部2とは焼き嵌めて一
体化されている。内筒部3は、スリーブ11内に供給さ
れる成形材料1の占める範囲以上の範囲に配置され、低
熱伝導材により製作されている。外筒部2は、導電体と
して高強度非磁性材により製作されている。外筒部2
は、内筒部3と当接する範囲においてスリット5によっ
て外周方向に不連続となっている。したがって、スリッ
ト5の長さは、内筒部3の長さと同じ長さとなり、スリ
ット5もスリーブ11内に供給される成形材料1の占め
る範囲以上の範囲に設けられていることになる。また、
外筒部2の外周には電磁誘導コイル4を配置し、この電
磁誘導コイル4に誘導加熱装置(図示せず)を接続して
いる。さらに、外筒部2には冷却媒体が循環するための
通路8を設けている。図3に示されるように、通路8は
スリット5によって外周方向に不連続となった導電体で
ある外筒部2のそれぞれのほぼ中央部分に設けられ、効
率よく外筒部2が冷却されるようになされている。冷却
媒体としては水を使用し、冷却水は冷却水入口16から
供給され外筒部2内の冷却水通路8を循環し冷却水出口
17から排出される。キャビティ7は固定型15と可動
型14とにより成形品の形状にあわせて形成されてい
る。
【0014】ここで、このダイカストマシン12の使用
方法について述べる。まず、成形材料1をラドル(図示
せず)によりスリーブ11内に供給する。そして、プラ
ンジャーチップ6により成形材料1を図1に示される加
熱保温可能な位置に移動する。つぎに、導電体である外
筒部2を介して、外部の誘導コイル4から成形材料1に
誘導電流を生じさせて、成形材料1を保温もしくは溶融
状態まで加熱し撹拌する。このとき、成形材料12の各
部位間での温度差を±10℃の範囲内に制御することは
もちろん可能である。さらに、プランジャーチップ6を
摺動させて、その押圧力により、成形材料1を固定型1
4と可動型15により形成されたキャビティ7内に射出
する。成形材料1が冷却され硬化した後、可動型14を
取り外して、成形品(図示せず)を得る。また、このダ
イカストマシンにより粒状組織を持つ半凝固スラリーを
生成するすることももちろん可能である。
【0015】(実施例1)ダイカスト用スリーブ11の
製造条件を示す。 (1)外筒部2 化学成分 C:0.08%以下、Si:1.50%以下、Mn:
2.00%以下、P:0.045%以下、S:0.03
0%以下、Ni:19.00〜22.00wt%以下、C
r:24.00〜26.00wt%以下、残部Fe及び不
可避的不純物。 引張強さ 53kgf/mm2以上 外筒部2形状 外径170mm、内径120mm、長さ310mm スリット5形状 スリット幅0.3〜0.4mm、スリット長さ165mm、
スリット数12ヶ 冷却媒体用通路8形状 外径8mm、長さ310mm、通路数12ヶ 冷却媒体 水を使用 (2)内筒部3 化学成分 Si3N4:87wt%、Y2O3:6wt%、Al2O3:4wt
%、AlN固溶体:3wt%からなるサイアロン 内筒部3形状 外径120mm、内径95mm、長さ310mm (3)外筒部2と内筒部3との焼嵌め条件 焼嵌めは、焼嵌め温度を550℃とし、外筒部2を約1
時間焼嵌め温度でキープした後行った。また焼嵌め率は
2.5/1000とした。
【0016】前記の構成によるダイカストマシン用スリ
ーブ11を、図1に示される型締力350tonの横型
ダイカストマシン12に装着してアルミニウム合金のダ
イカストに使用した結果、100,000ショット以上
の安定した射出を行うことができた。また、内筒部3と
外筒部2との焼嵌め効果の低減は全く認められなかっ
た。さらに、製品の不良率を10%(従来)から1%に
低減することができた。
【0017】(実施例2)内筒部3に、低熱伝導体とし
て使用するサイアロンの、スリーブ11内に供給される
成形材料1の温度低下に対する効果について、成形材料
1の各測定箇所における温度測定の結果に基づいて述べ
る。図12は、成形材料1の温度測定の各測定箇所を示
す断面図である。図13は、A、B、Cにおける温度測
定の結果(冷却曲線)を示すグラフである。図14は
A′、B′、C′における温度測定の結果(冷却曲線)
を示すグラフである。図12に示されるダイカスト用ス
リーブ11において、サイアロンである内筒部3の長さ
を100mmとし、スリーブ内に供給される成形材料1の
占める範囲の長さが120mmであった場合の各部分の温
度低下について測定した。電磁誘導コイルの出力は25
KWとした。各測定箇所については、 (チ)スリーブ11内がサイアロンである範囲の成形材
料1の、スリーブ11との接触部A、および中間部A′ (リ)スリーブ11内がサイアロンである範囲とそうで
ない範囲との境界部分における成形材料1の、スリーブ
11との接触部B、および中間部B′ (ヌ)スリーブ11内がサイアロンでない範囲の成形材
料1の、スリーブ11との接触部C、および中間部C′ で行い、また、測定はスリーブ11に成形材料1を供給
し、プランジャーチップ6により成形材料1を図12に
示される位置に移動後の、200秒間について行われ
た。
【0018】図13に示されるように、成形材料1のス
リーブ11との接触部においては、温度低下の大きさ
は、A<B<Cとなっている。特に、測定開始直後の1
5秒間におけるB、Cの温度低下が大きい。図14に示
されるように、成形材料1の中間部においても、温度低
下の大きさは、A′<B′<C′となっている。特に、
測定開始直後の60秒間におけるC′の温度低下が大き
い。以上のことにより、内筒部に低熱伝導体であるサイ
アロンを使用したことによる効果は大きく、低熱伝導体
を設ける範囲についても、スリーブ11内に供給される
成形材料1の占める範囲以上の範囲にするのが効果的で
ある。
【0019】(実施例3)電磁誘導コイル4による電磁
誘導作用の、スリーブ11内に供給される成形材料1の
温度低下に対する効果について、成形材料1の各測定箇
所における温度測定の結果に基づいて述べる。図15
は、成形材料1の温度測定の各測定箇所を示す断面図で
ある。図16は、Dにおける温度測定の結果(冷却曲
線)を示すグラフである。図17は、D′における温度
測定の結果(冷却曲線)を示すグラフである。図18
は、電磁誘導コイルの出力が20KWのときの、D、D′
における温度測定の結果(冷却曲線)を示すグラフであ
る。図15に示されるダイカスト用スリーブ11におい
て、サイアロンである内筒部3の長さを120mmとし、
スリーブ11内に供給される成形材料1の占める範囲の
長さが120mmであった場合において、成形材料1の、
内筒部3との接触部Dと、中間部D′において、電磁誘
導コイルの出力を0、10KW、20KW、40KWとしたと
きの温度測定を行なった。また、測定はスリーブ11に
成形材料1を供給し、プランジャーチップ6により成形
材料1を図15に示される位置に移動後の、140秒間
について行われた。
【0020】図16に示されるように、成形材料1の内
筒部3との接触部Dにおいては、温度低下の大きさは、
出力20KWとしたときが、測定開始直後の5秒間につい
てはやや大きいものの、その後の温度低下は出力0、出
力10KWとしたときに比べてはるかに小さい。出力40
KWとしたときは、測定から45秒間の温度低下が出力2
0KWに比べてやや大きいが、その後の温度低下は一番小
さい。図17に示されるように、成形材料1の中間部
D′においても、温度低下の大きさは、出力を20KW、
40KWとしたときが、出力0、出力10KWとしたときに
比べて小さい。以上のことにより、電磁誘導作用のスリ
ーブ内に供給される成形材料1の温度低下に対する効果
は大きく、その出力についても20KWとしたときが、1
0KW、40KWとしたときに比較して効果的であった。
【0021】図18に示されるように、出力20KWとし
たとき、射出の行われる600℃〜570℃付近におい
て、各部位間の温度差は±10℃の範囲におさまってい
る。
【0022】(実施例4)電磁誘導コイル4のコイルピ
ッチの粗密を調整したときの、スリーブ11内の成形材
料1の温度低下に対する効果について、各測定箇所にお
ける温度測定の結果に基づいて説明する。電磁誘導コイ
ル4の出力は30KWで行った。図19は、成形材料1の
温度測定の各測定箇所を示す断面図である。図20は、
上部のコイルピッチを密としたときの各測定箇所におけ
る温度測定の結果(冷却曲線)を示すグラフである。図
21は、下部のコイルピッチを密としたときの各測定箇
所における温度測定の結果(冷却曲線)を示すグラフで
ある。図22は、コイルピッチを均等としたときの各測
定箇所における温度測定の結果(冷却曲線)を示すグラ
フである。
【0023】図20に示されるように、上部のコイルピ
ッチを密としたときは、測定開始直後の25秒間におけ
るA、Bの温度低下が大きい。図21に示されるよう
に、下部のコイルピッチを密としたときは、Bはやや温
度低下が大きいものの、A、A′、B′についてはほぼ
同様にゆるやかな温度低下曲線を示す。図22に示され
るように、コイルピッチを均等としたときは、A、Bの
温度低下が、A′、B′に比べて大きい。以上のことに
より、プランジャ−チップ6との接触による温度低下の
大きい下部のコイルピッチを密としたときが、成形材料
1の各部分についての温度低下はほぼ均等であった。し
たがって、コイルピッチの粗密を調整して成形材料の均
熱性を高めることに対する効果は大きい。
【0024】
【発明の効果】本発明による効果を以下に示す。 (ル)スリーブ内に供給された成形材料の部分的な温度
低下が低減され、成形材料に凝固層を発生させない。ま
た、成形材料の各部位間の温度差を±10℃の範囲内に
制御できる。 (ヲ)スリーブ内に供給された成形材料の温度低下が低
減され、成形材料への不純物の混入や成形材料の酸化を
低減できる。また不回りや湯境の問題を軽減できる。 (ワ)スリーブの温度が低く保たれ、スリーブの機械的
精度を維持することができる。特に電磁誘導加熱の過程
における外筒部内の磁界の強さを低減することにより外
筒部の温度上昇を低減でき、内筒部と外筒部との適正な
焼嵌め効果を維持することができる。 以上のことにより、製品の品質の安定化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるダイカスト用スリーブの実施の
形態を示す図
【図2】 本発明によるダイカスト用スリーブの実施の
形態を示す図
【図3】 本発明によるダイカスト用スリーブの実施の
形態を示す図
【図4】 本発明によるダイカスト用スリーブの実施の
形態を示す図
【図5】 従来例の説明図
【図6】 従来例の説明図
【図7】 従来例の説明図
【図8】 本発明による作用の説明図
【図9】 本発明による作用の説明図
【図10】 本発明による作用の説明図
【図11】 本発明による作用の説明図
【図12】 実施例2の説明図
【図13】 実施例2の説明図
【図14】 実施例2の説明図
【図15】 実施例3の説明図
【図16】 実施例3の説明図
【図17】 実施例3の説明図
【図18】 実施例3の説明図
【図19】 実施例4の説明図
【図20】 実施例4の説明図
【図21】 実施例4の説明図
【図22】 実施例4の説明図
【符号の説明】
1、a 成形材料、1a 成形材料内誘導電流 2 外筒部 3 内筒部 4 電磁誘導コイル、4a 交流電流 5 スリット 6 プランジャーチップ 7 キャビティ 8 冷却水循環通路 9 導電体、9a 導電体内誘導電流 11 スリ−ブ 12 ダイカストマシン 14 可動型 15 固定型 16 冷却水入口 17 冷却水出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23P 11/02 B23P 11/02 A C04B 35/584 C04B 35/58 102Y

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電磁誘導コイルの内側に配置され、少なく
    とも一部に複数のスリットを有する外筒部と、その外筒
    部の内側に配置され、少なくとも一部を低熱伝導材とす
    る内筒部とよりなるダイカスト用スリーブにおいて、内
    筒部の低熱伝導材とする範囲をスリーブ内に供給される
    成形材料の占める範囲以上とし、スリットの長さをスリ
    ーブ内に供給される成形材料の占める長さ以上とするこ
    とを特徴とするダイカスト用スリーブ。
  2. 【請求項2】電磁誘導コイルの内側に配置され、少なく
    とも一部に複数個の導電体を有する外筒部と、その外筒
    部の内側に配置され、少なくとも一部を低熱伝導材とす
    る内筒部とよりなるダイカスト用スリーブにおいて、内
    筒部の低熱伝導材とする範囲をスリーブ内に供給される
    成形材料の占める範囲以上とすることを特徴とするダイ
    カスト用スリーブ。
  3. 【請求項3】内筒部と外筒部とが焼嵌められてなること
    を特徴とする請求項1または2記載のダイカスト用スリ
    ーブ。
  4. 【請求項4】前記低熱伝導材を窒化珪素質セラミックス
    焼結体とすることを特徴とする請求項1ないし請求項3
    のいずれか一に記載のダイカスト用スリーブ。
  5. 【請求項5】外筒部の少なくとも一部に冷却用媒体通路
    を設けることを特徴とする請求項1ないし請求項4のい
    ずれか一に記載のダイカスト用スリーブ。
  6. 【請求項6】導電体が冷却手段により冷却されることを
    特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一に記載
    のダイカスト用スリーブ。
  7. 【請求項7】導電体間に非導電性の物質が充填されるこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一に
    記載のダイカスト用スリーブ。
  8. 【請求項8】前記導電体を非磁性材とすることを特徴と
    する請求項1ないし請求項7のいずれか一に記載のダイ
    カスト用スリーブ。
  9. 【請求項9】加圧成形方法において、スリーブ内に供給
    された成形材料の各部位間の温度差を±10℃の範囲に
    制御して成形することを特徴とする加圧成形方法。
  10. 【請求項10】電磁誘導コイルのコイルピッチの粗密を
    調整して、成形材料を加熱または保温するとともに撹拌
    することを特徴とする前記請求項9記載の加圧成形方
    法。
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