JP6131128B2 - ダイカストスリーブ溶融金属供給装置とその供給方法 - Google Patents

ダイカストスリーブ溶融金属供給装置とその供給方法 Download PDF

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Description

本発明は、ダイカストマシンのスリーブに溶融アルミニウム等の溶融金属を供給する溶融金属供給装置に関し、特にダイカストスリーブを減圧して溶融金属を汲み上げて給湯する方式の真空ダイカストスリーブに溶融金属を供給する溶融金属供給装置に於いて適正な流路ギャップを持つ電磁ポンプ構造と制動力を弱めて間欠給湯する方式と鉛直カットノズル給湯管を有するダイカストスリーブ溶融金属供給装置とそれを用いた供給方法に関する。
例えばアルミニウムダイカスト装置によりアルミニウム鋳造物を製造する場合、アルミニウムのインゴットを溶融炉である溶融金属槽に入れて溶融した後、機械的給湯手段、空圧利用の給湯手段、電磁誘導による給湯手段等によりダイカストマシンの型内キャビティに溶融金属を充填し、アルミニウム鋳造物を鋳造する。
ダイカストマシンにおいては、金型に溶融金属を充填する前段階として、一旦シリンダー状のスリーブに所定量の溶融金属を充填し、これをプランジャで金型に押し込むことにより、金型内に予め定められた一定量の溶融金属をスリーブを介して供給する方式が使用されている。この場合にスリーブへの溶融金属の供給手段としては、例えば特開平05−177329号公報、特開2001−18053公報、特開2004−154825号公報に記載されたように、誘導電磁ポンプが多く使用されている。電磁ポンプに加え、前記特開平05−177329号公報では、溶融金属槽側に設けた空圧装置が溶融金属供給手段として併用されている。ここに先行文献を挙げてはいないが、溶融金属槽側に設けた前記加圧装置に替えて又は併用して金型側に減圧装置を接続して減圧吸引することもある。
このようなダイカストマシンでは、シリンダー状のスリーブに所定量の溶融金属を一旦充填し、これをプランジャで金型に押し込むことにより、金型に定量の溶融金属を充填し、その金型で一定重量、容積の鋳造物を鋳造する。従って、スリーブへは給湯動作毎に予め定められた一定量の溶融金属を送り込むことが必要となる。
前述の通り、従来のダイカストスリーブへの溶融金属供給装置では、スリーブへの溶融金属供給手段として電磁ポンプが使用され、これに加圧装置や減圧装置が併用されている。これらの溶融金属供給手段では、誘導電磁ポンプの駆動やその停止により溶融金属の供給−停止の制御がなされ、これにより定量の溶融金属をスリーブへ供給するよう図られている。
一般に、電磁ポンプは、ダクトの軸方向に移動磁界を発生させて、その移動磁界がダクト内の溶融金属を通過することによって溶融金属内に誘導電流が誘起され、この誘導電流と移動磁界との相互作用に拠って移動磁界方向に推力が誘発され、この推力によって溶融金属を駆動したり制動したりするものである。
現在、ダイカストマシと保持炉との間にストークを接続して、スリーブや金型のキャビティを減圧して、保持炉内の溶湯を吸引して鋳造する真空ダイカストはすでに市販されていて、ドイツのメーカのバキュラル法が有名である。真空ダイカストに於いて金型のキャビティやスリーブを高真空の−1.0kg/cmGにすると比重2.5g/cmのアルミ溶湯は4mも上昇してしまうので保持炉を密閉炉にして差圧で1m程度しか上がらない様にするなどの対策をしないとスリーブと保持炉との間に4mの高さのストークが必要になってしまう。
この様な密閉炉を必要としない方式として、電磁ポンプをブレーキとして使いダイカストマシンのスリーブと保持炉との間に直接接続したものが提案されている。しかしながら、電磁ポンプはダクト内に溶融金属が存在して初めて推力が発生する事から、スリーブ内を減圧装置で真空にしてゆく時、予め電磁ポンプに溶融金属を供給する方向と反対方向に移動磁界を発生させていたとしても、減圧装置が動作して電磁ポンプのダクトに溶融金属が吸い上げられて行く途中で制動力が働くことになるので、動いている溶融金属にはダクト内の流動慣性があり、すぐに制動することは出来ない。従って、予め電磁ポンプに溶融金属を供給する方向と反対方向に移動磁界を発生させておいてゆっくり真空にするか、電磁ポンプの出力を大気との圧力差を十分超える状態にして吸い上げられる溶湯を制動するしか無い。
前述の通り、減圧装置を併用し電磁ポンプダクト内に溶融金属が無い状態で誘導電磁ポンプに移動磁界を発生させておいて溶融金属が電磁ポンプのダクト内を上昇している途中で駆動力が発生して溶融金属を制動したとしても流動慣性により、溶融金属の推進を瞬時に停止することは困難である。たとえ湯面が制動されても流動慣性による揺動と溶融金属に含まれる水素がガス化して湯面が振動するため、スリーブへの溶融金属の定量供給は必ずしも正確に行われていないのが実情である。更に、湯面振動が止まっても真空中なので間欠給湯最後にノズル先端での湯切りをガス噴射による湯切りもできず、スリーブへの溶融金属の定量供給は必ずしも正確に行われていないのが実情である。現状ではスリーブへの溶融金属の供給量のバラツキについては、プランジャの押出量の調節によりこれを調整するしかない。
特開平05−177329号公報 特開2001−18053公報 特開2004−154825号公報
本発明は、前述した従来の溶融金属供給装置における課題に鑑み、真空ポンプ、真空タンク等の減圧手段と環状リニア誘導電磁ポンプ等の溶融金属電磁ポンプを併用したダイカストスリーブへの溶融金属供給装置において、正確且つ迅速な溶融金属の供給制御を実現し、精度の高い鋳造工程を実現することを目的とする。
本発明では、前記の目的を達成するため、減圧手段と溶融金属電磁ポンプとを併用してダイカスト装置のスリーブ27に溶融金属12を供給するに当たり、減圧吸引時に湯面振動が止まりやすい流路ギャップを持つ溶融金属電磁ポンプとし、予め定められた所定量の溶融金属12がスリーブ27に供給される前から溶融金属電磁ポンプの電磁コイルに大気圧力を止めるだけの逆方向の推力が発生する様に常に通電しておく。さらに先端を鉛直カットにして湯が切れる様にしたノズル管45をダクト内に設けた。
本発明によるダイカストスリーブ溶融金属供給装置は、溶融金属槽11からダイカストのスリーブ27に溶融金属12を搬送するダクト1、1’に、溶融金属12に推力を与える誘導子14、24を設け、このダクト1、1’の先端に、前記スリーブ27へ溶融金属12を給湯する給湯側ダクト1”を接続している。
より好ましいダイカストスリーブ溶融金属供給装置は、ダクト1、1’内の溶融金属12をスリーブ27に吸引する減圧手段と、ダクト1、1’内の溶融金属12に制動力を与える誘導子14を有し、ダクト1、1’内の溶融金属12を減圧時に直ちにスリーブ27側に流出しない様に制動するための適正な流路ギャップを持つ溶融金属電磁ポンプと、ダクト1、1’内の湯面を検知するレベルセンサー19を備えており、これらにより予め定められた所定の溶融金属12がスリーブ27に供給される場合、減圧手段により溶融金属12がスリーブ27内に吸引される前に、減圧手段の減圧でダクト1、1’内を上昇する溶融金属12に減圧吸引力に見合う反対方向の逆推力が発生する様に誘導子14に与えて置き、減圧手段よる短時間の減圧でもダクト1、1’内の溶融金属12がダクト1、1’内に制動保持する。この時、誘導子14によりダクト1、1’内の溶融属12に与えられる制動力は、減圧手段による溶融金属12の吸引方向と逆になる。溶融金属12を制動するには給湯誘導子14だけでなく立上誘導子24も用いる事ができるが制御が煩雑になるので、給湯誘導子14だけで制動するのが良い。
ダクト1、1’内に制動保持された溶融金属12は、ノズルレベルセンサー19の所定の位置に短時間内に調整され、誘導子14への出力調整によりダクト1、1’内に制動された溶融金属12への制動力を給湯量に見合うだけの時間減少させることに拠ってスリーブ27へ溶融金属12が必要量供給される。このノズルレベルセンサー19で保持される湯面も溶融金属12に含まれる水素がガス化して湯面変動を起し溶湯飛沫がノズル先端を乗り越えて給湯精度を低下させてしまうので、飛沫が乗り越えられない高さに湯面を設定しなければならない。
前記ダイカストスリーブ27に前記溶融金属12を給湯する給湯側ダクト1”に、溶融金属12の給湯方向に登りから下りに勾配が変わる頂部6を設ける。この給湯側ダクト1”の頂部6より溶融金属槽11側の上り勾配部分にノズル管45を内蔵し、このノズル管45の先端を前記給湯側ダクト1”の頂部6に配置する。
給湯を終え再度誘導子14への制動力を増すと、ノズル先端に於いてスリーブ側に給湯される湯と電磁ポンプのノズル側に戻ろうとする湯が分かれる時に、このノズル管45の先端に於いて湯が切れる。すなわちノズル管45の先端で溶融金属12が前記スリーブ27側と前記溶融金属槽11側とに分けられることによって、精度良い間欠給湯が出来る。
この鉛直カットのノズル管45とは、傾いて設置されたダクト1,1’に対し、先端を鉛直方向に鋭く切断したものである。一般にダクト1の設置角度は30度〜45度が多く、例えばダクト1,1’を30度に設置した場合、ノズル管45はダクト1,1’の中心軸に対して60度下向きに切断された形状とする。また例えばダクト1,1’を45度に設置した場合は、ダクト1,1’の中心軸に対して45度下向きに切断した形状とする。ダクト1,1’の設置角度が小さくなると、給湯後にダクト内を戻る湯の速度が遅くなって、鋭い湯切れが無くなり、湯面面積が増えた分湯面変動によって給湯精度のばらつきが±5%を超える様になるので、ダクト1,1’の傾斜角度は30°以上が望ましい。
実験によれば、ノズル管45の先端の鉛直精度が±5°を超えると、給湯中に切断面に溶融金属が回り込んで付着し、ノズル管45の先端で湯面振動を起こすので給湯精度を悪くする。従ってノズル管45の先端の鉛直精度は±5°以内とすべきである。このことは、設置角度の精度も同様である。例えばダクト1,1’の設置角度を30°とし、ノズル管45の先端をその中心軸方向に対して下側に60°に切断したした場合、その精度を±5°以内とすべきである。
このような本発明によるダイカストスリーブ溶融金属供給装置では、減圧吸引時に慣性力に伴う湯面揺動が止まりやすい流路ギャップを持つ溶融金属電磁ポンプとし、予め定められた所定の溶融金属12がスリーブ27に供給される前に、減圧手段により溶融金属12がスリーブ27内に吸引されるのと反対方向にダクト1、1’内の溶融金属12に誘導子14で制動力を与える。この逆方向の制動力が溶融金属12の流動慣性に対するブレーキとなるだけではなく、減圧手段による吸引力と見合った逆方向の制動力を与えればダクト1、1’内の溶融金属12を短時間で且つ湯面の上下動を無くし停止させることが出来る。その際溶融金属12に含まれる水素がガス化して湯面変動を起し溶湯飛沫がノズル先端を乗り越えて給湯精度を低下させない高さにダクト1’内に停止位置が設定され、その停止位置をダクト1’に設置されたレベルセンサー19の信号に従って保持制御がなされ、停止位置からダクト1,1’の出口との高低差と給湯に必要な高さに相当する推力だけ必要な時間だけ低減させる。
さらに前述の鋭い鉛直カットされたノズル管45の先端に於いて湯が切れることに拠って、スリーブ27へ脈動無く精度良く給湯されることになる。給湯を終える為に電磁ポンプによる制動力を増すと、ノズル先端に於いてスリーブ側に給湯される湯と電磁ポンプのノズル側に戻ろうとする湯が分かれることになるが、このノズル先端を鉛直カットにして湯が切れる様にする事によって、精度良い間欠給湯が出来る。即ち減圧手段による吸引力に見合った逆方向推力をパターン通りに僅かに弱めたり強めたりする事に拠って、スリーブ27へ脈動無く精度良く給湯されることになる。よって溶融金属12のスリーブ27への過剰な供給が防止されると共に、減圧手段と電磁ポンプを同時に運転した時の溶融金属12の不安定な揺動や振動等も防止される。これにより、溶融金属12のスリーブ27への供給サイクルの短縮化と共に、正確な量の供給が安定して実現出来る。
以上説明した通り、本発明によるダイカストスリーブ溶融金属供給装置とその供給方法では、溶融金属12のスリーブ27への供給サイクルの短縮化と共に、正確な量の供給が安定して実現出来るので、効率的な鋳造工程の実現と共に、均一な品質の鋳造品を鋳造することが出来るようになる。
ダイカストスリーブ溶融金属供給装置の一実施例を示す断面図である。 ダイカストスリーブ溶融金属供給装置におけるスリーブへの溶融金属の給湯量と誘導子の駆動出力との関係の例を模式的に示すグラフである。
本発明では、予め定められた所定の溶融金属12がスリーブ27に供給される前に、減圧手段により溶融金属12がスリーブ27内に吸引されるのと反対方向にダクト1、1’、1”内の溶融金属12に溶融金属電磁ポンプで推力を与えることによりダクト1、1’、1”内に一旦溶融金属12を短時間で振動もなく保持し、その保持推力を給湯に見合った時間弱めた後に、鋭い鉛直カットされたノズル管45の先端に於いて湯が切れることに拠って、スリーブ27への正確且つ迅速な溶融金属の供給制御を安定して実現するものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、実施例をあげて詳細に説明する。
図1は、本発明による溶融金属供給装置の一実施例である。この溶融金属供給装置は、スリーブ27の上側から溶融金属を給湯する例である。この溶融金属供給装置は、上側の給湯誘導子14と下側の立上誘導子24との2段の誘導子を有する。
ポンプ側ダクト1が斜めに配置され、溶融金属槽11に収納された溶融金属12の液面に前記ポンプ側ダクト1の下端が差し込まれている。ポンプ側ダクト1の溶融金属12の液面より上にある部分の周囲には、磁性体製のヨーク15にコイル16を巻回した給湯誘導子14が配置されている。ヨーク15は、ポンプ側ダクト1の溶融金属12の液面より上にある部分を囲むようにその外周側に嵌め込まれており、このヨーク15に三相コイルを構成するコイル16が巻回されている。この給湯誘導子14には、冷却器10が設けられ、駆動時に冷却される。
さらに前記ポンプ側ダクト1には、前記給湯誘導子14より下側の部分の周囲に立上誘導子24が配置されている。この立上誘導子24は、前記の給湯誘導子14と同様に、前記ポンプ側ダクト1の誘導子14より下側の部分の外周に嵌め込まれた磁性体製のヨーク25にコイル26を巻回したものである。この立上誘導子24のコイル26は耐熱性を有する無機絶縁ケーブルにより巻回されている。無機絶縁ケーブルは、ステンレスチューブ等からなるシースの中に導電線を収納し、この導電線とシースとを、それらの間にマグネシア粉末等の無機絶縁粉末を充填して絶縁した構造を有する。いわゆるシースケーブルと呼ばれるものである。このような無機絶縁ケーブルは、耐熱性が高く、800℃の温度にも耐えることが出来る。このため立上用誘導子24は、冷却手段を有しない無冷却としながら、大きな電流を通電するのに適しており、その分だけ給湯誘導子14のコイル16に比べて立上誘導子24のコイル26の巻数は少なくすることが出来る。
この立上誘導子24は、耐熱性を有するセラミック等からなる筒状の保護ケース17で囲まれている。この保護ケース17の上端開口部は、上側の給湯誘導子14の下端面に固定されている。また、この保護ケース17の下端の開口部は、前記ポンプ側ダクト1の下端と図示していないパッキンを介して密に接合されており、この接合部に囲まれた内側は、ポンプ側ダクト1の下端の溶融金属12の導入口18となっている。
給湯誘導子14と立上誘導子24とは、それぞれインバータを含む駆動電源31、32により駆動される。これら駆動電源31、32からはそれぞれ給湯誘導子14と立上誘導子24にインバータで変換された三相交流が通電され、これら誘導子14、24に移動磁界を発生させ、この移動する磁界による電磁誘導により、導電体であるポンプ側ダクト1内の溶融金属12に推力を与える。
前記ポンプ側ダクト1の上端には、中間ダクト1’が断熱材を介して押さえ金具42とバネ44を用いて取付けられている。さらに先端が下方に曲がったL字形のエルボ管である給湯側ダクト1”と先端が鉛直カットされたノズル管45とが断熱材を介して押さえ金具42’とバネ44’を用いて前記中間ダクト1’に密に接続されている。保護管3の中間ダクト1’に近い一端部の周囲にスペーサ7が設けられ、このスペーサ7を介して保護管3並びにその中のコア2、22がポンプ側ダクト1の中心に位置するよう保持されている。この状態で先端が鉛直カットされた前記ノズル管45は、給湯側ダクト1”の上向きになっている基部側の中に内蔵されている。また、ポンプ側ダクト1、中間ダクト1’、給湯側ダクト1”及びノズル管45の接続部は何れも気密性が確保されるよう接続されている。
これらポンプ側ダクト1と中間ダクト1’と先端鉛直カットのノズル管45は、セラミック等の耐熱性、耐蝕性のある材料で作られており、その外周に設けた保温用のマイクロヒータ等からなるヒータ9、9’、9”により溶融金属12の融点以上の温度に加熱され、溶融金属12の凝固を防いでいる。L字形の給湯側ダクト1”は、内面にセラミックコートしたステンレス鋼等で出来ており、その外周に設けた保温用のマイクロヒータ等からなるヒータ9”により溶融金属12の融点以上の温度に加熱され、溶融金属12の凝固を防いでいる。
溶融金属槽11の中の溶融金属12に液面センサ13が設けられ、これにより溶融金属槽11の中の溶融金属12の液位が検知される。前記立上誘導子24は、このセンサ13で検知される溶融金属12の液面より下に挿入される。
他方、中間ダクト1’に電磁誘導により溶融金属12の存在を検知する形式の誘導式液面センサ等のセンサ19が設けられ、これにより中間ダクト1’の中の液位が検知される。
給湯側ダクト1”の先端はスリーブ27の上部に接続され、給湯側ダクト1”から溶融金属12をスリーブ27に供給することが出来る。スリーブ27は、シリンダー状の円筒部材で、この中にはプランジャ28が配置されている。このプランジャ28は、スリーブ27の中を図1において左右に移動し、スリーブ27内に供給された溶融金属12を押し出す。このプランジャ28には熱電対列埋め込み式や誘導式等の溶融金属センサ36が内蔵され、スリーブ27内に供給された溶融金属12を検知する。
さらにスリーブ27の先には、金型29が接続され、前記プランジャ28の動作により、スリーブ27に給湯された溶融金属12がその先端からこの金型29に充填される。この金型29は図示してない金型駆動機構により駆動され、組み立てと脱型が行われる。
この金型29には、電磁バルブ33を介して減圧ポンプ35が、電磁バルブ39を介して真空タンク46がそれぞれ接続されている。電磁バルブ33を通して減圧ポンプ35により金型29内が減圧される。これにより、金型29内とスリーブ27の空気が排除された状態で、前記プランジャ28の動作により、スリーブ27から金型29に溶融金属が円滑に且つ隅々にまで充填することが出来る。
しかしながら、溶融金属12がアルミニウム合金の場合その比重が約2.5g/cmであるから、金型29を真空近く(約−1.0kg/cmG)まで減圧すると、大気圧が掛かった溶融金属槽11に収納された溶融金属12は約4m汲み上げられる事になるので、プランジャ28の動作が無くても溶融金属12をスリーブ27から金型29内まで全ての空間に充填されてしまう。金型29の減圧が大気圧の約半分の気圧(約−0.5kg/cmG)であっても、溶融金属12を大気圧で約2m汲み上げることが出来るので、やはり溶融金属12をスリーブ27から金型29内まで全ての空間に充填されてしまう。従って、電磁ポンプによる給湯方向と逆の推力によって、溶融金属12をダクト1、中間ダクト1’に制動保持して、空圧の減圧調整より制御しやすい溶融金属電磁ポンプで発生する電気的な力である電磁力を弱くしたり強めたりの調整を行い、制動保持された溶融金属12をスリーブ27に定量給湯が必要となる。
ところが、単に金型29を真空にする時に電磁ポンプに給湯と反対方向に推力が発生する様に移動磁界を発生させておくだけでは、大気圧が掛かった溶融金属槽11に収納された溶融金属12は、ダクト1を駆け上がる。駆け上がっている最中の溶融金属12に中間ダクト1’の所定のレベル30にバランスする逆推力を掛けていても溶融金属12の流体慣性により溶融金属12が前記の所定のレベル30を通り過ぎてしまう。そしてその湯面が流体慣性により上下に揺動し、この揺動が止まるのに時間が掛かる。中間ダクト1’の所定のレベル30と鉛直カットノズル管45との距離が近いために給湯前にスリーブ27に溶融金属12が乗り越えて垂れてしまう。これではスリーブ27への定量給湯は望めない。
従って、最も簡単な方法としては、給湯誘導子14に減圧手段による吸引力に見合った給湯方向と逆方向に逆推力が発生できる状態に電力を加えておき、徐々に金型29とスリーブ27をゆっくり真空にすることである。そうするとダクト1内をゆっくり上昇する溶融金属12に逆磁力が発生し、ダクト1、中間ダクト1’内に一旦溶融金属12を保持し、その後スリーブ27への正確且つ迅速な溶融金属の供給制御を安定して実現する。このため、減圧手段による吸引力に見合った逆方向推力をパターン通りに僅かに弱めたり強めたりする事に拠って、スリーブ27へ脈動無く給湯することが出来る。
これは制御が非常に簡単で良いが、真空から給湯するまでに数分を要し、1分程度で運転されるダイカスト鋳造法にとってはサイクル時間が掛かってしまいコスト上昇に繋がり実用的では無い。更にダクト1、中間ダクト1’、鉛直カットノズル管45内を溶融金属12が駆け上がってレベルセンサー19を用いて所定のレベル30に湯面を設定しても溶融金属12中の水素が湯面でガス化して湯面変動と飛沫を発生し、鉛直カットノズル管45を溶融金属12が乗り越えて給湯精度を低下させてしまう。
この溶融金属12の飛沫が中間ダクト1’や鉛直カットノズル管45の内面に付着しているので、金型29が開いているときにダクト1、中間ダクト1’内面に付着した溶融金属12は空気に触れて酸化してしまう。これでは内面に付着した溶融金属12の酸化膜が次の給湯時に給湯されてしまうので、出来るだけ酸化物を含まない溶融金属12を金型29に充?して、品質の良い鋳造品を作るという真空ダイカスト法の目的と合致しなくなる。従って、スリーブ27に給湯完了後プランジャが動いてスリーブ27の開口部を過ぎてからプランジャ28の進行方向と反対の背後に不活性ガスタンク38から電磁バルブ37を通して窒素ガス等の不活性ガスを注入し、電磁ポンプ側のL字形の給湯側ダクト1”や先端鉛直カットのノズル管45、中間ダクト1’、ポンプ側ダクト1にも不活性ガスが自然と注入されてゆく機構が必要となる。
今回用いる環状リニア誘導電磁ポンプのダクト1にはコア2、22を内在する保護管3があり、この保護管3とダクト1の環状の流路ギャップを小さくすることに依って、ダクト1はオリフィスの様な流路絞り効果が有って、ポンプ側ダクト1の下端の溶融金属12の導入口18から立ち上がろうとする溶融金属12にブレーキが掛かる。実験によれば流路ギャップを10mm以下にすると慣性で上昇する高さも少なく、数秒で安定することが分かった。数秒よりはわずかに長い5秒前後はかかるが流路ギャップを15mm以下にすれば、比較的短時間で安定する。この様に流路ギャップを狭めることでダクト1、中間ダクト1’、鉛直カットノズル管45を含む給湯側ダクト1”内部を真空にする時、ダクト1を駆け上がる溶融金属12を中間ダクト1’の設定レベル30に短時間で保持することが出来るように成った。
この様に設定レベル30設定しようとしても、大気圧力は変動し、1%変動しても真空中で立ち上がる高さは約4cm変化するので、真空時は設定レベル30より5cmから10cm下に立ち上げ、レベルセンサー19により電磁ポンプの逆推力を短時間の内に調整して設定レベル30に設定するのが良い。更に、溶融金属12に含まれる水素がガス化して湯面変動や飛沫が発生し鉛直カットノズル管45から溶融金属12があふれてしまうので、実験によると溶融金属12に含まれる水素量にもよるが鉛直カットノズル管45の下側出口から5cm下の高さに設定レベル30を設けなければならない。100gの溶融金属12に含まれる水素量が数cc/100gにもなると10cm以上下に設定レベル30を設ける必要がある。
設定レベル30に湯面を設定後、一般の電磁ポンプとは方向性は逆であるが、制御性が良い電磁力を使って細かく出力をレベル30から鉛直カットノズル管45のΔhまでの高さまで湯面が上昇するように弱め、さらに必要な給湯量を得る時間だけ保持する事によって、所定の給湯量を確保する。この給湯を終わろうとするときL字形の給湯側ダクト1”を通ってスリーブ27側に流れてゆく湯と中間ダクト1’側に戻ってくる湯が切れるように別れる様に鉛直カットされたエッジが有る鉛直カットノズル管45によって精度良い給湯ができる。
以上の説明でも分かる事ではあるが、鉛直カットノズル管45を乗り越えて押し上げる力は、溶融金属槽11の溶融金属12の湯面に掛かる大気圧である。この圧力は静圧であってガス圧を用いる一般的な低圧鋳造の様にクッション性の有る動圧でもなく、また一般的な低圧鋳造機に用いる密閉炉の上部空間へのガス注入に時間が掛かる動圧ではないので溶融金属12の動作に遅れを生じさせることはない。この様な動圧問題を避けるためには電磁ポンプ用の炉はオープンウエル(開放炉)でなければならない。オープンウエル(開放炉)は、コスト低減やメンテナンス性を向上するので望ましい事である。
スリーブ27は、プランジャが動き出すときや型開きや型締めの時かなりの振動と変位が有るので、給湯側ダクト1”、中間ダクト1’及びポンプ側ダクト1の接続部のパッキン等にダメージを与える。スリーブ27の変位に至っては1mmから2mmもの変位があり、この変位を吸収し、L字型の給湯側ダクト1”の伸びも吸収しなければならない。このため図1には、スリーブ27と給湯側ダクト1”との間にベローズ52を入れてこれら振動と熱膨張を吸収し、かつスリーブ27と給湯側ダクト1”と中間ダクト1’やダクト1までを密閉空間にすべくセラミックコートしたステンレス鋼製の給湯側ダクト1”とベローズ52は溶接構造とする。また、スリーブ27の給湯口の上にスリーブ27の内部のプランジャチップの潤滑のため、潤滑油タンク49から電磁バルブ51をとして潤滑剤を注入可能としたスプレーノズル53が密閉状態を保ちつつ上下出来るようにベローズ34を通して挿入する構造とした。またこのベローズ34内には、不活性ガスタンク47が電磁バルブ48を介して接続されている。ベローズ34、52は、スリーブ27のメンテナンスを容易に行うためにクイックカップリング構造とした。
次に、最良の本案の運転方法を以下に示す。この溶融金属供給装置を運転するときは、まず立上誘導子24への通電によりポンプ側ダクト1の中の溶融金属12を給湯誘導子14の電磁力が作用する高さまで汲み上げた後、誘導式等のレベルセンサー19の信号を基に給湯誘導子14に三相交流を通電調整し、ダクト1、中間ダクト1’の中の溶融金属12を適当なレベル、例えば図1に実線で示すレベル30に維持する。このレベル30で溶融金属12の供給の待機状態とする。その後、金型29とスリーブ27を直線的に減圧してゆき、それと同時に給湯誘導子14の給湯方向の電磁力を下げて行き、電磁力が零になっても減圧圧力がレベル30の位置に相当する液圧力、例えば溶融金属12の比重を2.5g/cmとし溶融金属槽11に収納された溶融金属12の湯面とダクト1、中間ダクト1’内の溶融金属12のレベル30との高さが1mだとするとその液圧は約0.25kg/cmGに相当するので、減圧圧力を約−0.25kg/cmGになった時点でもレベル30は維持され、その時に給湯誘導子14への電力の位相反転を行い給湯方向と反対方向の逆推力を与えながら金型29の減圧を継続して行く。金型29の減圧圧力が真空状態(約−1.0kg/cmG)になった時点での給湯誘導子14の逆圧力は、溶融金属槽11に収納された溶融金属12の湯面とダクト1、中間ダクト1’内の溶融金属12のレベル30との高さが1mに相当する液圧は約0.25kg/cmGが加わるので約0.75kg/cmGで図1に実線で示すレベル30の位置が十分に維持される。給湯誘導子14に通電する三相交流の逆推力を図1の二点鎖線で示すように給湯側ダクト1”の最上部を越流するに必要な高さに相当する逆推力を弱めると、溶融金属12が図1の二点鎖線で示すように給湯側ダクト1”の最上部を越流して溶融金属12の供給先であるスリーブ27に供給される。
この様に中間ダクト1’の中の湯面保持レベル30を維持する制御は難しいので、溶融金属12の給湯動作が完了しプランジャが移動を開始してスリーブ27の開口部をプランジャチップが通り過ぎてから、給湯側ダクト1”のベローズ34の近傍に電磁バルブ48を通して不活性ガスタンク47から不活性ガスを注入して、同時に電磁ポンプの逆推力も零にして中間ダクト1’やポンプ側ダクト1内の湯面を溶融金属槽の湯面と同じ湯面に戻してやることでも良い。
この様にポンプ側ダクト1内の湯面が溶融金属槽の湯面と同じなり、且つ給湯ダクト1,1’、1”側に不活性ガスが充填されていれば、立上誘導子24を用いて溶融金属12を湯面保持レベル30に維持する制御をやめて、簡単に給湯誘導子14だけに金型29側の真空圧力−1.0kg/cmGに耐えるだけの逆電磁力を掛けておいて、金型29側減圧時にダクト1中で溶融金属12を制動し、中間ダクト1’の湯面保持レベル30に溶融金属12を維持する制御でも良い。
この様に減圧手段による吸引力に見合った逆方向推力をパターン通りに僅かに弱めたり強めたりする事に拠って、スリーブ27へ脈動無く給湯することが出来る。この給湯時と給湯待機時との溶融金属12のレベル差は、給湯側ダクト1”の最上部を越流するに必要な高さであり、図1においてΔhで示す。このΔhから鉛直カットノズル管45の上部出湯口の下端までの高さを考慮しつつ堰流量計の原理に基づく流量計算式に当てはめることで流量が計算できる。Δhに相当する電磁ポンプの逆推力の弱める電力は、電磁ポンプの出力特性から計算できる。これに拠って給湯誘導子14に通電する三相交流の逆電力の差と給湯時間から給湯量が分かり、スリーブ27に鋳造に必要な供給量が供給される。さらに前述したΔhを誘導式等のレベルセンサー19で測定できるので、必要なΔhに成るように給湯誘導子14を制御して、給湯時間とΔhから堰流量計の計算式を用いて供給量が分かるので、更に精度良く給湯量が把握できる。
以上の説明で明らかなようにスリーブ27には、予め定められた一定量の溶融金属12、すなわち金型29に充填すべき1回量分の溶融金属12が供給される。その量は、図1において二点鎖線Lで示すように、通常スリーブ27の最大容積(プランジャ28が最も後退した時の容積)の半分程である。このスリーブ27への溶融金属12の供給量は、前記プランジャ28に内蔵した溶融金属センサ36でも検知することが出来る。
このように、スリーブ27に予め定められた一定量の溶融金属12が供給されると同時に、給湯誘導子14の出力調整により溶融金属12のレベルを図1に実線で示すレベル30に戻す。前述した通り、この給湯時と給湯待機時との溶融金属12のレベル差は図1にΔhで示された高さである。スリーブ27への給湯を完了した時点で、プランジャ28がゆっくり動き出し、図示していないプランジャ28の移動位置検知器の信号によってプランジャ28が、L字型の給湯側ダクト1”からスリーブ27につながる供給側ダクト1”の開口部を塞いだ時点で給湯誘導子14の給湯方向と反対方向の逆推力を瞬時に零にして位相を反転しておく。その後もプランジャ28がゆっくり動いて行くので、供給側ダクト1”のスリーブ27内の開口部はプランジャ28の移動方向に対してプランジャ28の背面側になってしまう。一般のダイカストマシンのプランジャ28の背面は、大気開放であるから急激に大気が流入して、ダクト1、中間ダクト1’内の溶融金属12が瞬時にして溶融金属槽11に戻ってしまう。大気が入るとダクト1、中間ダクト1’内のレベル30が維持できなくなるばかりか、溶融金属12が酸化してしまうので、ダクト1、中間ダクト1’内のレベル30が下がらず、溶融金属12が酸化しないように、図1の様に、プランジャ28の背面をダクト1、中間ダクト1’内のレベル30を維持する圧力、例えば溶融金属槽11に収納された溶融金属12の湯面とダクト1、中間ダクト1’内の溶融金属12のレベル30との高さが1mだとすると、約−0.25kg/cmGに維持する。出来ればこの背圧ガスは不活性ガスが望ましく、不活性ガスタンク38からバルブ37を介して供給される。更にその後もプランジャ28がゆっくり動いて行き、スリーブ27が溶融金属12で満たされた時点でプランジャ28は通常のダイカストマシンと同様に高速で動き、金型29に溶融金属12が充填され、充?完了後更にゆっくりプランジャ28を押し込んで溶融金属12の凝固収縮分を補って鋳造が完了する。
改めて言うべきことではないが装置を簡単にするため、ここで説明した電磁ポンプ側の給湯側ダクト1”、中間ダクト1’、ポンプ側ダクト1内を約−0.25kg/cmGに維持するのには新たな減圧供給系が必要なので、電磁ポンプの出力を切って、不活性ガスだけを大気圧まで供給して、中間ダクト1’内のレベル30を維持せず、溶融金属槽11に収納された溶融金属12の湯面と同じレベルまで下げても良い。
この様にポンプ側ダクト1内の湯面が溶融金属槽の湯面と同じなり、且つ給湯ダクト1,1’、1”側に不活性ガスが充填されていれば、立上誘導子24を用いて溶融金属12を湯面保持レベル30に維持する制御をやめて、簡単に給湯誘導子14だけに金型29側の真空圧力−1.0kg/cmGに耐えるだけの逆電磁力を掛けておいて、金型29側減圧時にダクト1中で溶融金属12を制動し、中間ダクト1’の湯面保持レベル30に溶融金属12を維持する制御でも良い。
鋳造が完了し、金型29が開いて図示していない鋳造品を取り出した後、プランジャ28がスリーブ27内部を戻ってくるが、プランジャ28がスリーブ27の給湯側ダクト1”との繋ぎ開口部を過ぎると急激に金型29側から電磁ポンプのダクト1側に空気が流入してしまうので、予めプランジャ28が戻り始める前に大気圧と同じ圧力の不活性ガスタンク47の電磁バルブ48を開いて電磁ポンプのダクト1側に窒素ガスを充填しておく。このガス注入前の時点では給湯側ダクト1,1’,1”の内部は、不活性ガスタンク38からバルブ37を介して約−0.25kg/cmGに維持して、溶融金属12がレベル30に保持されているので、溶融金属12をレベル30に保持するには、プランジャ28が戻り始める時に不活性ガスタンク47の電磁バルブ48を開いて給湯側ダクト1,1’,1”に直線的にガス供給をしながら給湯誘導子14の出力を上方向に上げてレベル30を維持する。プランジャ28が戻り始める時には給湯側ダクト1,1’,1”内部は大気圧と同圧の不活性ガスで満たされているものの、金型29は開いているので金型29側から空気を引き連れてプランジャ28が戻って来るので、スリーブ27の給湯側ダクト1”の開口部の前でプランジャ28の速度をゆっくり戻し、更にプランジャ28を止めて金型29側からの空気流入が一挙に起こらないようにしながら、中間ダクト1’に取り付けたレベルセンサー19の指示値に基づいて、給湯方向に給湯誘導子14の電磁力を上昇させレベル30を維持するように駆動電源31を調節する。
前に説明した通り、装置も操作も簡単にするため、プランジャ28が戻り始める前に大気と同圧の不活性ガスタンク47の電磁バルブ48を開いて電磁ポンプの側の給湯側ダクト1”、中間ダクト1’、ポンプ側ダクト1内をすでに窒素ガスなどの不活性ガスで充填してしまえば、ダクト1レベルセンサー19で中間ダクト1’内のレベル30に湯面を保持しなければならない事でもない。ただし、プランジャ28が戻って来る時、金型29側から空気を引き連れてので、電磁ポンプの側の給湯側ダクト1”や給湯側ダクト1”、中間ダクト1’、ダクト1内に空気が徐々に入ってくるので、レベル30に湯面を保持する制御方法は、酸化物をできるだけ発生しない様にする効果はある。
この溶融金属12の給湯と制動の動作を図2に模式的に示す。溶融金属槽11に収納された溶融金属12をダクト1、中間ダクト1’内の所定のレベル30に達するまでの給湯誘導子14の出力は、重力と逆らう方向への給湯出力を正(+)として記載し、金型29を減圧し真空に至るまでの間に正(+)から重力方向の負(−)に切り替わり、溶融金属12をスリーブ27に送り出すようダクト1、中間ダクト1’内の溶融金属12への推力を弱めて先端鉛直カットのノズル管45内を越流しスリーブ27へ給湯する。スリーブ27内の溶融金属12が所定のレベルLに達すると、誘導子14の出力は、ダクト1、中間ダクト1’内のレベル30に戻す様に負(−)の出力を強め溶融金属12に給湯と反対方向に逆方向の推力を与え、制動する。こうすることにより、前記減圧ポンプ35や真空タンク34等の減圧手段によりダクト1、中間ダクト1’内の溶融金属12に加えられる溶融金属槽11側からの大気圧と拮抗するような制動力が働き、適切な流路ギャップを持つ溶融金属電磁ポンプは同溶融金属12の流動慣性が抑えられる。これにより、スリーブ27への過剰な溶融金属12の供給や、急激な溶融金属12の停止によるダクト1、中間ダクト1’内での溶融金属12の脈動等が抑えられる。
金型29から鋳物が取り出された後、金型29内面に図示していない専用のスプレーにて離型剤を塗布する。更にプランジャ28がスリーブ27の給湯側ダクト1”の開口部を過ぎて元の位置に戻ってきたら、スリーブ27内用潤滑剤を塗布するためのスプレーノズル53をスリーブ27の中心部に押し下げた後に、潤滑剤をスリーブ27内にスプレーする。これに依ってプランジャ28がスリーブ27内面をかじらない様にし、且つスリーブ27の内面が溶融金属12に依って腐食しないようにする。
スリーブ27に供給された予め定められた一定量の溶融金属12は、その後プランジャ28のストローク動作によりスリーブ27から金型29に押し出され、充填され、鋳造が行われる。このとき、予め前記減圧ポンプ35や真空タンク34等の減圧手段により金型29内の空気は排除されているので、ガスを巻き込む事なく一定量の溶融金属12が金型29に完全に充填される。これに拠ってダイカスト鋳造品は、ガスや鬆のない良質な製品となる。
本発明による溶融金属供給装置は、減圧手段と誘導子14、24の出力調整により正確な量の溶融金属12をスリーブ27に迅速に供給することが出来るので、スリーブ27により溶融金属12の充填が行われるダイカスト鋳造の分野で利用することが出来る。
1 ポンプ側ダクト
1’ 中間ダクト
1” 給湯側ダクト
2 コア
3 保護管
給湯側ダクトの頂部
11 溶融金属槽
12 溶融金属
14 誘導子
22 コア
24 誘導子
27 スリーブ
28 プランジャチップ
29 金型
30 湯面レベル
31 駆動電源
45 ノズル管

Claims (7)

  1. 溶融金属槽(11)からダイカストのスリーブ(27)に溶融金属(12)を搬送するダクト(1)、(1’)に、溶融金属(12)に推力を与える誘導子(14)、(24)を設け、このダクト(1)、(1’)の先端に、前記スリーブ(27)へ溶融金属(12)を給湯する給湯側ダクト(1”)を接続した溶融金属供給装置において、前記給湯側ダクト(1”)に、前記溶融金属(12)の給湯方向に登りから下りに勾配が変わる頂部(6)を設け、この給湯側ダクト(1”)の頂部(6)より前記溶融金属槽(11)側の上り勾配部分にノズル管(45)を内蔵し、このノズル管(45)の先端を前記給湯側ダクト(1”)の頂部(6)に配置することにより、このノズル管(45)の先端を、前記給湯側ダクト(1”)の頂部(6)を通して前記スリーブ(27)側へ送られる溶融金属(12)と同頂部(6)から前記溶融金属槽(11)側に戻る溶融金属(12)とを分ける溶融金属の湯切手段としたことを特徴とするダイカストスリーブ溶融金属供給装置。
  2. 誘導子(14)の駆動により溶融金属(12)がダクト(1)、(1’)内の所定の湯面位置まで供給された後、スリーブ(27)への溶融金属(12)の供給が制動されるよう誘導子(14)を駆動する駆動電源(31)と制御盤とを備えることを特徴とする請求項1に記載のダイキャストスリーブ溶融金属供給装置。
  3. スリーブ(27)のプランジャ(28)の背面側に不活性ガスを供給する供給系を取り付けたことを特徴とする前記請求項1又は2に記載のダイカストスリーブ溶融金属供給装置。
  4. 鋳造後にスリーブ(27)のダクト(1”)との接続開口部付近からにスリーブ(27)内に不活性ガスを注入する不活性ガス注入手段を有する事を特徴とする前請求項1〜3の何れかに記載のダイキャストスリーブ溶融金属供給装置。
  5. 溶融金属槽(11)からダイカストのスリーブ(27)に溶融金属(12)を搬送するダクト(1)、(1’)に、溶融金属(12)に推力を与える誘導子(14)、(24)を設け、このダクト(1)、(1’)の先端に、前記スリーブ(27)へ溶融金属(12)を給湯する給湯側ダクト(1”)を接続した溶融金属供給装置により溶融金属を供給する方法において、前記給湯側ダクト(1”)に、前記溶融金属(12)の給湯方向に登りから下りに勾配が変わる頂部(6)を設け、この給湯側ダクト(1”)の頂部(6)より前記溶融金属槽(11)側の上り勾配部分にノズル管(45)を内蔵し、このノズル管(45)の先端を前記給湯側ダクト(1”)の頂部(6)に配置し、このノズル管(45)の先端により、前記給湯側ダクト(1”)の頂部(6)を通して前記スリーブ(27)側へ送られる溶融金属(12)と前記頂部(6)から前記溶融金属槽(11)側に戻る溶融金属(12)とを分けて湯切りすることを特徴とするダイカストスリーブ溶融金属供給方法。
  6. 誘導子(14)の駆動により溶融金属(12)がダクト(1)、(1’)内の所定の湯面位置まで供給された後、スリーブ(27)への溶融金属(12)の供給が制動されるよう駆動電源(31)で誘導子(14)を所定のパターンで駆動することを特徴とする請求項5に記載のダイキャストスリーブ溶融金属供給方法。
  7. 鋳造後にスリーブ(27)のプランジャ(28)が戻ってきて、ダクト(1”)との接続開口部をプランジャチップ(28)が過ぎる前にスリーブ(27)内に不活性ガスを注入する事を特徴とする前請求項5又は6に記載のダイキャストスリーブ溶融金属供給方法。
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