JP4137734B2 - 金属ダイキャスト成型装置および成型方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミック・スリーブ内で成形素材を溶解して金型に圧入することができる金属ダイキャスト成型装置および成型方法に関する。
金属ダイキャスト成型は、古くから知られた金属成型手法であり、金属ダイキャスト成型については、下記特許文献1に示されるようなダイキャスト成型方法が知られている。
下記特許文献1に記載されているように、従来の金属ダイキャスト成型方法として、溶融状態の成型素材(以下、溶湯という)を保持する手段と、型キャビティへ溶湯を射出する手段とを一体に設けたホットチャンバー方式と、両手段が個別に離れて設けられているコールドチャンバー方式が知られている。
ホットチャンバー方式は、溶湯の酸化を抑制できるので、酸化物の巻込みは少ないが、成型作業時に溶湯が常時接触しているグースネック部やノズル部は、その溶湯に侵されてはならないとういう問題があった。従って、成型素材やその鋳造条件等においてコールドチャンバー方式と比較して制約が多かった。
コールドチャンバー方式は、構造上、溶湯の射出圧や射出速度を高めることは可能であるが、メタルポンプなどを用いて溶解炉からシリンダへ溶湯を移送しても、シリンダに入った溶湯は空気に接触し、その結果、成型素材中に酸化物が発生したり、シリンダ内で溶湯の温度が低下する。さらに、プランジャーチップで溶湯を型キャビティ内に充填する際に、シリンダ内の溶湯にシリンダ内に存在する空気が混入されて型キャビティに充填される等の問題があった。
特開2001−239354号公報
このような従来のホットチャンバー方式においては、溶湯をグースネック部やノズル部を通過させるように構成されているので、構造が複雑であり、かつ、流路の溶湯に対する耐熱・耐蝕性および剛性をどのように保持させるかという問題があった。
また、シリンダやプランジャーチップが少し摩耗しただけで、プランジャーチップの作動時に両者間に挟まった溶湯が直ちに凝固し、それが原因でプランジャーチップの作業条件が乱されたりプランジャーチップの移動時に相手シリンダを損傷したりする等の問題があった。
また、従来のダイカスト方式は、作業時に溶湯を常時空気や、場合によっては燃焼炎に曝された状態で溶融状態を保つ必要があった。そのために溶湯に酸素や、水分が分解して生じる水素の混入は避け難く、型キャビティ内へ充填された溶湯が凝固する際に、それらが成型製品内に放出されて成型製品の欠陥となることが多かった。
そこで、本発明は、従来のホットチャンバー方式やコールドチャンバー方式とは基本的原理を異にする新規なダイキャスト成型装置および成型方法を提供することを目的として考えられたものである。
本発明の金属ダイキャスト成型装置は、挿入された棒状の成型素材を加熱溶解して先端部より溶融状態にする筒部および上向きに開口した注入口を有するスリーブと、型締状態において、上記スリーブの注入口に連通する湯道および型キャビティを形成する可動金型部および固定金型部よりなる金型と、上記棒状の成型素材を上記スリーブに抜き挿しする成型金属挿抜手段とを具備し、上記成型素材挿抜手段により上記棒状の成型素材の位置を調整して、上記スリーブの注入口における溶融状態の成型素材の液面を注入口の開口面に合わせたのち、上記金型を型締めして溶融状態の成型素材を上記型キャビティへ充填するものである。
さらに、型締状態において湯道に突出して湯道を狭める湯道狭窄手段および型キャビティの容積を減少させる容積減少手段を設けることにより、成型素材の凝固時における収縮量を補充することができる。
本発明の金属ダイキャスト成型方法は、スリーブの筒部に挿入された棒状の成型素材を加熱溶解して先端部より溶融状態にして上向きに開口した注入口に導く工程と、上記棒状の成型素材の位置を調整して、上記スリーブの注入口における溶融状態の成型素材の湯面を注入口の開口面に合わせる工程と、可動金型部および固定金型部よりなる金型を型締して、上記スリーブの注入口に連通するセラミック・スリーブおよび型キャビティを形成する工程と、上記棒状の成型素材を上記スリーブに挿し込んで溶融状態の成型素材を上記型キャビティへ充填する工程と、湯道を狭窄し、溶融状態の成型素材を凝固させて湯道を閉じる工程と、容積減少手段を動作させ、型キャビティの容積を減少させて成型素材の凝固時における収縮量を補充する工程とを経る方法である。
本発明の金属ダイキャスト成型装置および方法によると、成型素材をセラミック・スリーブ内で加熱溶解するので、成型素材に空気が混入することがない。
セラミック・スリーブから供給される溶湯の温度および液面を制御して、毎回の成型シーケンスにおける初期条件を均一にすることが可能である。
初期条件を均一にすること、およびパルス・モータによって溶湯を充填することにより、金型の型キャビティ内の断面形状に応じて注入速度を制御して湯面の上昇速度を適切に制御できる。
金型の型キャビティに通じる湯道に湯道狭窄体を設け、金型に容積減少部を設けることにより、溶融成型素材を型キャビティに充填後、湯道狭窄体を動作させて湯道を狭めて速やかに湯道を閉じ、続いて容積減少部を動作させることにより、溶湯の圧漏れなく型キャビティの容積を減少させ得るので、溶湯の凝固時の収縮量を補充することができて、収縮によるひけ巣を解消することができる。
本発明によると、これらの効果に基づいて、成型素材として脱ガス処理されたものを使用している限り、高品質の成型製品を連続的に効率良く生産することができる。
(第1の実施形態)
本発明の実施の形態に係る金属ダイキャスト成型装置は、図1の斜視図および図2の側面図に示すように、円柱形の固形成型素材9Sを溶解するセラミック・スリーブ3と、固定金型部1と、可動金型部2と、セラミック・スリーブ3へ円柱形の固形成型素材9Sを抜き挿しするための成型素材挿抜装置5とを具備している。なお、図2における符合Sは成型製品である。
セラミック・スリーブ3および固定金型部1は、基台に固定されており、可動金型部2は、基台上を移動する移動台に搭載され、油圧機構などにより固定金型部1に対して接合(型締め)・離間(開型)するように構成されている。この接合の際に、固定金型部1のガイドピンgを可動金型部2のガイドホールhに挿通することにより金型部1、2の位置合わせが行われる。
図3(a)の平面図および線A−Aに沿って切断した図3(b)の縦断面図に示すように、固定金型部1は、固定母型11と、固定入り子12と、湯道を形成する窪み13とにより構成されており、可動金型部2は、可動母型21と、可動入り子22と、湯道を形成する窪み23とにより構成されており、固定金型部1および可動金型部2が接合して型締めしたとき、図7に示すように、可動入り子22および固定入れ子12の双方が合体して型キャビティ4が形成されるとともに、対向する2つの窪み13、23によって湯道41が形成される。
さらに、可動金型部2には、固定金型部1と合体して型締めしたときに形成される湯道41を狭める湯道狭窄体42を設けるとともに、可動金型2の一部に容積減少部6が設けられている。
可動金型部2に形成された湯道狭窄体42は、図10に示すように、湯道41に突出して湯道41を狭める板材であって、湯道41を狭めることによりスリットを形成して、充填された溶湯9Lの凝固を、このスリット部分から開始させるものである。
可動金型部2に形成される容積減少部6は、図3(b)の縦断面図に示すように、成型製品に影響を及ぼさない部位で、かつ、比較的遅く凝固する部位に設けたものであって、溶湯9Lが凝固するときに収縮する収縮量を補充するために設けられている。この容積減少部6は、金型に形成されたシリンダー61と、外部から駆動されるピストン62とにより構成されている。
固定金型部1と可動金型部2とを合体させて型締して形成された型キャビティ4内の空気を排気するために、可動金型部2には真空ポンプ(図示せず)と連通した真空バルブ43が設けられている。
また、可動金型部2の背面側には押出部材が設けられており、押出部材は、油圧機構などによって押し出される押出板26および押出ピン27により構成されている。この押出部材は、押出板26および押出ピン27によって、型キャビティ4内で凝固した成型製品を入り子22の表面から剥離して取り出すものである。
セラミック・スリーブ3は、図4(a)の断面図に示すように、傾斜して設置された筒部31と上向きに開口した上端開口部を備え、筒部31の下端は円柱形の成型素材の挿抜口となる開口33を形成しており、上向きに開口した上端開口部は、図9(a)の断面図に示すように、型キャビティ4に溶湯9Lを注入する注入口32を構成する。
注入口32は、固定金型部1および可動金型部2を型締めしたときに形成される型キャビティ4の湯道41に連通して、溶湯9Lの充填が可能になる。また、円柱形の固形成型素材9Sの挿抜口となるセラミック・スリーブ3の下端の開口33には、円柱形の固形成型素材9Sを抜き挿しする成型素材挿抜装置5が設けられている。セラミック・スリーブ3は、基台(図示せず)に支持され、また、金型構造で一部を支えることも可能である。
また、図4(a)の断面図に示すように、セラミック・スリーブ3は、例えば、アルミニウム、亜鉛、マグネシウムおよび銅等の単体またはそれらの合金から成る円柱形の固形成型素材9Sが挿抜される開口33を有し、これらの金属溶湯9Lに耐え得るメタル・セラミック複合材から成る筒状の耐熱メタル・セラミック34と、この筒状の耐熱セラミック34に埋設された成型素材9Sを加熱・溶解するヒータ35と、この筒部31の周囲に設けられてヒータ35により発生した熱の放散を遮断する断熱材36と、この断熱材36を覆って全体を保護する鋼鉄カバー(図示せず)とから構成されている。
セラミック・スリーブ3に使用する耐熱メタル・セラミック複合材は、チタン合金などの特殊合金とセラミック粒子との複合材であり、複合効果により、金属の持つ高靭性、高耐蝕性、耐摩耗性を兼ね備えたものである。
ヒータ35は、カンタル線またはニクロム線を巻回したコイルからなり、このヒータ35は、下端の開口33側、中間部、上端開口部32側に分割して巻回されており、分割された各ヒータ35への通電をそれぞれ制御する。そして、セラミック・スリーブ3の軸方向に、熱電対などの複数個の温度センサ(図示せず)を埋設し、これらの温度センサの出力に基づいて、図4(b)の特性曲線図に示すように、セラミック・スリーブ3の軸線方向の温度分布を、開口33側から直線的に温度を上昇させ、目標温度に到達した時点からは定温度状態を維持させるように制御することができる。このようなヒータ制御は図示されていないマイクロコンピュータを備えた制御装置により実現することができる。
成型素材挿抜装置5は、図1の斜視図および図2の側面図に示すように、円柱形の固形成型素材9Sの側面を圧接しながら、固形成型素材9Sをセラミック・スリーブ3に対して抜き挿しする対向配置された複数組の鼓形ローラ51で構成されており、各鼓形ローラ51は、歯車52によって同期回転し、パルス・モータ54によって駆動される。
各鼓形ローラ51を円柱形の成型素材9Sに対して十分な力で圧接するために、各鼓形ローラ51の軸を支承するローラ軸受53を備えている。
また、円柱形の成型素材9Sをセラミック・スリーブ3に対して抜き挿しする鼓形ローラ51として、図1の斜視図に示すように、各鼓形ローラ51の側面に等角度間隔に硬質の円錐形または角錐形の錐形突起55を形成した鼓形ローラ51を使用することができる。
このように錐形突起55を形成した鼓形ローラ51を使用すると、アルミニウム、亜鉛、マグネシウムなどの比較的軟質の固形成型素材を抜き挿しする際に、固形成型素材9Sの側面に等間隔に窪み91が形成される。従って、一度形成された窪み91がスプロケットとして作用して、錐状突起55と噛み合うので、パルス・モータ54で鼓形ローラ51を駆動して固形成型素材9Sをセラミック・スリーブ3に対して抜き挿しすると、固形成型素材9Sの送り長さまたは戻し長さを正確に数値制御することができる。
溶融前の成型素材9Sをセラミック・スリーブ3に挿入する場合には、パルス・モータ54を正回転させる。パルス・モータ54の正回転によって、鼓形ローラ51が正回転して円柱形の成型素材9Sをセラミック・スリーブ3に挿入することができる。この挿入により、溶解前の成型素材9Sがピストンとして作用し、セラミック・スリーブ3の中にある溶湯9Lを押し出すことができる。
また、溶解前の成型素材9Sをセラミック・スリーブ3から引き戻す場合には、パルス・モータ54を逆回転させる。パルス・モータ54の逆回転によって鼓形ローラ51が逆回転して、円柱形の成型素材9Sをセラミック・スリーブ3から引き戻すことができる。この引き戻しにより、セラミック・スリーブ3の先端の上向きに開口した注入口32における溶湯9Lの湯面を下げることができる。
セラミック・スリーブ3の開口33に挿入した溶解前の成型素材9Sが消耗して短くなると、次の成型素材9Sを継ぎ足して補充しながら成型を継続することができる。このように成型素材9Sを継ぎ足すと、セラミック・スリーブ3の中で2本の成型素材9Sの継目が存在することになる。しかし、セラミック・スリーブ3を傾斜させて設置しているので、溶解前の成型素材9Sおよび溶湯9Lは自重により降下する。したがって、成型素材挿抜装置5を動作させることにより、成型素材9Sに継目が有っても溶湯9Lの湯面を調整することができる。
このように、鼓形ローラ51および歯車52を介して、数値制御されるパルス・モータ54により溶解前の成型素材9Sをセラミック・スリーブ3に対して抜き挿しすることにより、注入口32における溶湯9Lの湯面をきめ細かく調整することが可能になり、湯面9Lを任意のレベルに設定することができる。
毎回の成型シーケンスにおいて、セラミック・スリーブ3の注入口32における溶湯9Lの湯面管理および溶湯9Lの温度管理が、成型製品の品質管理上、極めて重要である。そこで、本発明の金属ダイキャスト成型装置においては、図5の斜視図に示すように、注入口32に湯面検知センサを設けて湯面を制御するとともに、色温度計などの光学的温度計7を設けて溶湯9Lの出口温度を制御するように構成されている。
注入口32に設けた湯面検知センサは、対向配置されたレーザー光源81とフォトトランジスタなどの光電変換素子82で構成され、注入口32における溶湯9Lの湯面状態を検知するものである。
すなわち、ヒータ35によりセラミック・スリーブ3を加熱して固形成型素材9Sを溶解し、成型素材挿抜装置5によって固形成型素材9Sを徐々に挿入すると、注入口32において表面張力により少し盛り上がってレーザー光線83を遮断すると、成型素材9Sの挿入を停止する。そして、成型素材挿抜装置5によって固形成型素材9Sを徐々に引き抜くと、表面張力により盛り上がった湯面が降下して、レーザー光線83が光電変換素子に入射すると、引き抜き動作を停止させる。このとき、溶湯9Lの湯面と注入口32の開口面が一致した状態になる。
また、光学的温度計7によって注入口32における溶湯9Lの出口温度を測定し、この温度が鋳込みに最適な温度になるようにヒータ35を制御する。
このように、毎回の成型シーケンス毎に、注入口32における溶湯9Lの湯面状態および温度を適正に保って待機させておくと、鋳込みの初期条件が一定になり、かつ、鋳込みの際に空気の混入を回避できて、高品質の成型製品を連続的に効率良く生産することができる。
次に、このように構成された本発明の実施形態に係る金属ダイキャスト成型装置の成型動作を説明する。
まず、図6に示すように、開型している固定金型部1と可動金型部2とを合体させて、型締を行う。図7に示すように、この型締工程により、セラミック・スリーブ3の注入口32が、金型の湯道41を経て型キャビティ4に連通すると、真空バルブ43を開いて型キャビティ4内の空気を排気して鋳造サイクルの開始を可能にする。
型締後に排気を開始しても、金型の湯道41が、セラミック・スリーブ3の注入口32によって塞がれているので、型キャビティ4内に空気が侵入することなく真空度を高めることができる。このように、型キャビティ4を高真空状態にしてから溶湯9Lを充填できるので、充填の途中で溶湯9Lが凝固することなく、速やかに溶湯9Lを型キャビティ4の隅々まで充填することができる。したがって、高品質の成型製品Sを生産することができる。
セラミック・スリーブ3に挿入されている固形成型素材9Sは、図4(a)の断面図に示すように、ヒータ35により開口33側の固体が徐々に溶解し始めて、注入口32側では溶融状態の溶湯9Lになっている。そこで、溶湯9Lを金型の型キャビティ4へ充填する工程では、セラミック・スリーブ3に固形成型素材9Sを挿入することにより、円柱形の固形成型素材9Sがピストンとして作用して、金型の型キャビティ4内へ溶湯9Lを充填することができる。
図8の断面図に示すように、真空バルブ43を閉じて金型への溶湯9Lの充填を開始し、図9の断面図に示すように、溶湯9Lの充填が終了すると直ちに、図10に示すように、湯道41に湯道狭窄体42を突出させて、湯道41にスリットを形成すると、スリット部分における溶湯9Lは薄い板状になる。この板状の溶湯9Lは体積が少ないにも拘わらず表面積が広いので直ちに凝固して湯道41を閉じる。
溶融状態の成型素材は、凝固するときに収縮するので、その収縮量を補充するために、図11の断面図に示すように、容積減少部6のピストン62を駆動して、シリンダー61内に残留している溶湯9Lを加圧して押し出す。このように、凝固期間中に溶湯9Lを加圧することにより、収縮によるひけ巣を解消することができる。
そして所定時間が経過すると、図12の断面図に示すように、型キャビティ4内の溶湯9Lが凝固して成形製品Sができあがる。しかし、セラミック・スリーブ3内の溶湯9Lは、ヒータ35による加熱が続いているので凝固しない。
そこで、セラミック・スリーブ3に挿入されている固形成型素材9Sを成型素材挿抜装置5により僅かな長さだけ引き戻すと、金型への充填に際して余分であった溶湯9Lは、重力により注入口32の中を降下する。降下した溶湯9Lは、セラミック・スリーブ3内に閉じ込められた状態を維持するのでセラミック・スリーブ3内の溶湯9Lは、注入口32における露出した表面以外、空気に触れることなく保持されて、注入口32から溢れ出すことはないのである。
この状態で可動金型部2を開くと、図13の断面図に示すように、セラミック・スリーブ3の注入口32が可動金型部2から引き離され、成型製品Sは可動金型部2に保持さる。
そこで、図14の断面図に示すように、押出板26および押出ピン27を突出させて成型製品Sを可動入れ子22から剥離して取り出すことにより1回の成型シーケンスが終了する。
(第2の実施形態)
以上で説明した第1の実施形態においては、セラミック・スリーブ3を傾斜させて設置しているので、成型素材挿抜装置5を動作させて成型素材9Sを抜き出す際に、セラミック・スリーブ3の中で2本の成型素材9Sの継目が存在しても、溶解前の成型素材9Sおよび溶湯9Lは自重により降下するので溶湯9Lの湯面を調整することができた。
しかし、セラミック・スリーブ3を傾斜させて設置すると、セラミック・スリーブ3を水平に設置したものに比して、装置全体の高さが高くなり、かつ、装置の設計・組立てなどが面倒である。
そこで、この第2の実施形態においては、溶解前の成型素材9Sが消耗して短くなって次の成型素材9Sを継ぎ足して補充する際に、2本の成型素材9S間の継目部分を成型素材と同じ材質の結合部材によって直列に結合すると、セラミック・スリーブ3を水平に設置しても、成型素材挿抜装置5によってセラミック・スリーブ3の開口33から突出している成型素材9Sを抜き挿しすることにより溶湯9Lの湯面を調整することができる。
2本の成型素材9Sを直列に結合するの結合部材としては、例えば、図15(a)の断面図に示すように、各成型素材9Sの両端面の中心に予め螺子孔93をあけ、一方の端面の螺子孔93に成型素材9Sと同じ材質のボルト92をねじ込んで、ボルト92の一部を突出させた成型素材9Sを用意する。
そして、溶解前の成型素材9Sが消耗して短くなると、図15(b)の断面図に示すように、ボルト92を利用して次の成型素材9Sを継ぎ足すことができる。このように、成型素材9Sの両端面の中心においてボルト92で結合すると、成型素材9Sの軸線に関する角度を気にすることなく簡単結合することができ、かつ、抜き挿したときにがたつきを生じることはない。
(第3の実施形態)
固形の成型素材として連続的に高品質な丸棒を生産するシステムは既に確立されており、連続鋳造棒や押出し丸棒などに成型され、かつ、十分な脱ガス処理が施されたものを容易に入手できる。したがって、本発明で用いる円柱形の固形成型素材は、このような脱ガス処理が施された連続鋳造棒や押出し丸棒が適している。
このような脱ガス処理が施された連続鋳造棒や押出し丸棒は、セラミック・スリーブ3の中で空気に触れることなく溶解できるので、固液共存領域の広い範囲を採ることが可能となるのである。
本発明においては、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、銅などの単体またはそれらの合金からなる円柱形の成型素材9Sを用いて、ダイキャスト成型品を得る例について説明したが、本発明を適用することにより、固液共存領域の広い合金をダイキャスト成型品に利用できることができる。
すなわち、型キャビティ4内へ半凝固状態の溶湯9Lを充填すると、完全に溶解した溶湯9Lを充填する場合に比して凝固時の収縮量が少ないので、固液共存領域(半凝固状態)の溶湯9Lを充填することが望ましい。この発明においては、セラミック・スリーブ3における溶湯9Lの温度管理および注入口32における液面管理ができて、毎回の成型シーケンス毎に初期条件を一定化することができるので、固液共存領域の溶湯9Lにより成型を行うことができる。
なお、半凝固状態の溶湯を型キャビティ4内へ充填するに際し、図16の断面図に示すように、注入口32内に撹拌羽根38を設けて、充填前に半凝固状態の溶湯9Lを撹拌し、固体を液体に微細化分散させて均一化してから充填すれば、成型製品の品質を向上させることができる。
(第4の実施形態)
この発明においては、型キャビティ4内へ溶湯9Lを充填する際に、溶湯9Lを押し出すピストンとして作用する円柱形の成型素材9Sをパルス・モータ54によって、セラミック・スリーブ3へ挿入するので、型キャビティ4の形状に合わせて挿入速度を制御することが可能である。
すなわち、型キャビティ4の最下部から溶湯9Lを一定速度で充填すると、型キャビティ4内における溶湯9Lの湯面が、断面積の広い部分を上昇するときには上昇速度が遅く、断面積の狭い部分を上昇するときには上昇速度が速くなって、溶湯9Lの湯面の上昇速度が著しく変化する。特に、型キャビティ4内における水平な天面に湯面が到達したときには、断面積が急変するので、残留ガスを巻き込んで成型製品に窪みや鬆を形成することがある。
そこで、この発明においては、毎回の成型シーケンス毎に初期条件を一定化しているので、型キャビティ4の各高さ毎の断面形状に合わせて、円柱形の成型素材9Sを押し込むパルス・モータ54の速度を調整して、溶湯9Lの湯面の上昇速度を適切に制御するとともに、例えば、湯面が水平な天面に到達するときには、その直前に速度を遅くするようにコンピュータによって数値制御することにより、優れた成型製品を得ることができる。
成型素材をセラミック・スリーブ内で加熱溶解するので、成型素材に空気が混入することがない。セラミック・スリーブから供給される溶湯の温度および液面を制御して、毎回の成型シーケンスにおける初期条件を均一にすることができ、パルス・モータによって溶湯を充填することにより、型キャビティ内の断面形状に応じて注入速度を制御して湯面の上昇速度を適切に制御できる。
したがって、本発明の金属ダイキャスト成型装置および成型方法によると、高品質のダイキャスト成型製品を連続的に効率良く生産することができる。
本発明の第1の実施形態に係る金属ダイキャスト成型装置の開型した状態を示す斜視図、 図1に示す金属ダイキャスト成型装置の開型した状態を示す縦断面図、 図1に示す金属ダイキャスト成型装置の開型した状態を示す平面図(a)および縦断面図(b)、 本発明に係る金属ダイキャスト成型装置で使用するセラミック・スリーブの縦断面図(a)およびスリーブ内の温度分布を示す特性曲線図(b)、 本発明に係る金属ダイキャスト成型装置で使用するセラミック・スリーブの注入口に液面センサおよび光学的温度計を設けた状態を示す斜視図、 金型部の開型した状態を示す縦断面図、 金型部を型締めして真空バルブを開いた状態を示す縦断面図、 金型部を型締めして真空バルブを閉じた状態を示す縦断面図、 金型部を型締めして型キャビティ内に溶湯を充填した状態を示す縦断面図、 金型部を型締めして湯道狭窄体を動作させた状態を示す縦断面図、 金型部を型締めして容積減少部を動作させた状態を示す縦断面図、 型キャビティ内の溶湯が凝固した状態を示す縦断面図、 金型部の成型製品を保持して開型した状態を示す縦断面図、 開型した金型部から成型製品を取り外す状態を示す縦断面図、 固形成型素材を継ぎ足す状態を示す縦断面図、 他の実施形態のセラミック・スリーブを示す縦断面図である。
符号の説明
1 固定金型部
11 固定母型
12 固定入り子
13 窪み
2 可動金型部
21 可動母型
22 可動入り子
23 窪み
26 押出板
27 押出ピン
3 セラミック・スリーブ
31 筒部
32 注入口
33 開口
35 ヒータ
36 断熱材
37 鋼鉄カバー
38 撹拌羽根
4 型キャビティ
41 湯道
42 湯道狭窄体
5 成型素材挿抜装置
51 鼓形ローラ
52 歯車
53 ローラ軸受
54 パルス・モータ
55 錐形突起
6 容積減少部
61 シリンダ
62 ピストン
7 光学的温度計
9S 固形成型素材
9L 溶湯(溶融状態の成型素材)
S 成型製品

Claims (7)

  1. 挿入された棒状の成型素材を加熱溶解して先端部より溶融状態にする筒部および上向きに開口した注入口を有するスリーブと、
    型締状態において、上記スリーブの注入口に連通する湯道および型キャビティを形成する可動金型部および固定金型部よりなる金型と、
    上記の棒状の成型素材を上記スリーブに抜き挿しする成型素材挿抜手段と、
    を具備し、上記成型素材挿抜手段により上記棒状の成型素材の位置を調整して、上記スリーブの注入口における溶融状態の成型素材の湯面を注入口の開口面に合わせたのち、上記金型を型締めして溶融状態の成型素材を上記型キャビティへ充填することを特徴とする金属ダイキャスト成型装置。
  2. 型締状態において湯道に突出して湯道を狭める湯道狭窄手段および型キャビティの容積を減少させる容積減少手段を設け、成型素材の凝固時における収縮量を補充することを特徴とする請求項1に記載の金属ダイキャスト成型装置。
  3. 型キャビティの各高さ毎の断面形状に合わせて、溶融状態の成型素材の充填速度を調整して型キャビティ内における湯面の上昇速度を制御することを特徴とする請求項1に記載の金属ダイキャスト成型装置。
  4. スリーブは、溶融状態の成型素材に耐え得るセラミック・スリーブであることを特徴とする請求項1に記載の金属ダイキャスト成型装置。
  5. セラミック・スリーブに電熱線よりなるヒータを軸方向に複数に分割して巻回して、各ヒータをそれぞれ制御してセラミック・スリーブの軸線方向の温度分布を調整することを特徴とする請求項4に記載の金属ダイキャスト成型装置。
  6. 型締状態において型キャビティを真空にする排気手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の金属ダイキャスト成型装置。
  7. スリーブの筒部に挿入された棒状の成型素材を加熱溶解して先端部より溶融状態にして上向きに開口した注入口に導く工程と、
    上記棒状の成型素材の位置を調整して、上記スリーブの注入口における溶融状態の成型素材の湯面を注入口の開口面に合わせる工程と、
    可動金型部および固定金型部よりなる金型を型締して、上記スリーブの注入口に連通するセラミック・スリーブおよび型キャビティを形成する工程と、
    上記棒状の成型素材を上記スリーブに挿し込んで溶融状態の成型素材を上記型キャビティへ充填する工程と、
    湯道を狭窄し、溶融状態の成型素材を凝固させて湯口を閉じる工程と、
    容積減少手段を動作させ、型キャビティの容積を減少させて成型素材の凝固時における収縮量を補充する工程と、
    を経ることを特徴とする金属ダイキャスト成型方法。
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