JP6733456B2 - 加圧鋳造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳造品を鋳造する鋳造装置及び加圧鋳造方法に関する。
従来、アルミニウム合金等の鋳造品を低圧又は低中圧鋳造により製造するための鋳造装置として、例えば図4に示すような、下方に湯口108を有する金型キャビティ106を形成可能な下型102及び上型104と、下型102の下方に配置されて溶湯を収容すると共に溶湯の上部に密閉空間を形成する保持炉110と、上端開口が金型キャビティ106の湯口108に連通し下端開口が保持炉110内の溶湯の内部に浸漬された筒状のストーク112と、保持炉110の密閉空間にガスを供給して保持炉110内を加圧する加圧機構114と、湯口108に対して進退自在に構成されて湯口108を開閉するゲートシールセンター加圧ピン118とを備える竪型鋳造装置が知られている(特許文献1)。
特許文献1の竪型鋳造装置において、ゲートシールセンター加圧ピン118は、その下端部に湯口108に嵌合可能な嵌合部119を有しており、金型キャビティ106内が溶湯で満たされた後に、嵌合部119によって湯口108を閉塞すると共に、嵌合部119の周囲部によって金型キャビティ内に充填された溶湯を加圧するよう構成されている。このように、金型キャビティ106に溶湯を充填後、充填された溶湯を加圧するよう構成された特許文献1の竪型鋳造装置によれば、鋳造品のひけ巣の発生を防止することが可能である。
特開2014−136252号公報
ところで、特許文献1の竪型鋳造装置を含め、従来の鋳造装置では、バリ吹きを防止するために、ゲートシールセンター加圧ピン118の下降によって金型キャビティ106に付与されるメタル圧が限界メタル圧以下となるよう設定されている。なお、限界メタル圧とは、金型キャビティ106内のメタル圧(溶湯圧力)による型開き力と、鋳造装置の型締機構の型締力とが釣り合った状態におけるメタル圧をいい、より詳細には、金型キャビティ106内が溶湯で満たされ、メタル圧が金型キャビティ106の全投影面積に100%伝播可能な状態において、金型に作用するメタル圧による型開き力と、鋳造装置の型締機構の型締力とが略等しくなる状態のメタル圧のことをいう。
しかしながら、一般的に竪型鋳造装置は、溶湯の充填圧力が低いため、横型鋳造装置等の他の鋳造装置と比較して、仕様としての型締力が大きくなく、これに伴い、限界メタル圧が低くならざるを得ないのが通常である。そして、このような限界メタル圧が低い竪型鋳造装置では、例えば大型で肉厚な大物製品を鋳造する際に、溶湯に対する加圧力の不足により、鋳造品の内部や表面に巣(凝固巣やひけ巣)が生じるおそれがあるという問題がある。
なお、限界メタル圧を引き上げるために、仕様としての型締め力が大きい型締機構を採用することも可能であるが、この場合には鋳造装置の大型化やコストアップ等の問題が生じるおそれがある。このため、バリ吹きを防止するという目的のみで、型締め力が大きい型締機構を採用することは、現実的ではない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、仕様としての型締力が大きくない鋳造装置であっても、バリ吹きを防止しつつ鋳造欠陥の発生を防ぐことが可能な鋳造装置及び加圧鋳造方法を提供することにある。
本発明に係る鋳造装置は、上型及び下方に湯口を有する下型を含み、該上型及び下型が型合わせされることで金型キャビティを形成可能な金型を備え、前記金型の下方に配置された保持炉内の溶湯を前記湯口を介して前記金型キャビティに充填させるよう構成された鋳造装置であって、前記湯口に対して進退自在に配置され、該湯口を開閉するよう構成された閉塞手段と、前記金型キャビティに充填された溶湯に対して進退自在に配置され、該溶湯を加圧するよう構成された加圧手段と、前記加圧手段の進退動作を制御する制御手段とを更に備え、前記制御手段は、前記金型キャビティに充填された溶湯に限界メタル圧以下のメタル圧が付与されるよう、前記加圧手段の下方への加圧力を増加させる第1加圧制御と、前記第1加圧制御後に、前記金型キャビティに充填された溶湯に限界メタル圧を超えたメタル圧が付与されるよう、前記加圧手段による加圧力を増大させる第2加圧制御とを実行可能に構成されていることを特徴とする。
本発明に係る鋳造装置は、前記加圧手段として機能する加圧部と、前記加圧部から下方に向けて突出して設けられ、前記閉塞手段として機能する嵌合部とを有するゲートシールセンター加圧ピンを備えることが好ましい。
また、本発明に係る加圧鋳造方法は、上型及び下方に湯口を有する下型を含み、該上型及び下型が型合わせされることで金型キャビティを形成可能な金型と、前記湯口に対して進退自在に配置され、該湯口を開閉するよう構成された閉塞手段と、前記金型キャビティに充填された溶湯に対して進退自在に配置され、該溶湯を加圧するよう構成された加圧手段と、前記加圧手段の進退動作を制御する制御手段とを備え、前記金型の下方に配置された保持炉内の溶湯を前記湯口を介して前記金型キャビティに充填させるよう構成された鋳造装置を用いて鋳造品を鋳造する加圧鋳造方法であって、前記湯口を介して前記保持炉内の溶湯を前記金型キャビティに充填させる溶湯充填工程と、前記溶湯充填工程後に、前記閉塞手段によって前記湯口を閉塞する閉塞工程と、前記閉塞工程後に、前記加圧手段によって前記金型キャビティに充填された溶湯を加圧する加圧工程とを備え、前記加圧工程は、前記金型キャビティに充填された溶湯に限界メタル圧以下のメタル圧が付与されるよう、前記加圧手段の下方への加圧力を増加させる第1加圧工程と、前記第1加圧工程後に、前記金型キャビティに充填された溶湯に限界メタル圧を超えたメタル圧が付与されるよう、前記加圧手段による加圧力を増大させる第2加圧工程とを備えることを特徴とする。
本発明に係る加圧鋳造方法は、前記第1加圧工程において溶湯に付与される第1段加圧力を調整する第1段加圧力調整工程を更に備え、前記第1段加圧力調整工程は、限界メタル圧と略等しい加圧力を基準として該加圧力を段階的に減少させ、各加圧力によって前記溶湯充填工程、前記閉塞工程及び前記第1加圧工程を実行することにより、限界メタル圧との差が最も小さく、かつ、前記上型及び前記下型間からの溶湯の吹き出しが生じない加圧力を特定する工程であることが好ましい。
また、本発明に係る加圧鋳造方法は、前記第1加圧工程から前記第2加圧工程に移行するまでの遅延時間を調整する遅延時間調整工程を更に備え、前記遅延時間調整工程は、前記第2加圧工程において前記上型及び前記下型間からの溶湯の吹き出しが生じない前記遅延時間を基準として該遅延時間を段階的に短縮させ、溶湯の吹き出しが生じる遅延時間を特定することにより、該溶湯の吹き出しが生じる遅延時間との差が最も小さく、かつ、溶湯の吹き出しが生じない遅延時間を特定する工程であることが好ましい。
さらに、本発明に係る加圧鋳造方法は、前記第2加圧工程において溶湯に付与される第2段加圧力を調整する第2段加圧力調整工程を更に備え、前記第2段加圧力調整工程は、限界メタル圧を超えた加圧力を基準として該加圧力を段階的に減少させ、各加圧力によって前記溶湯充填工程、前記閉塞工程、前記第1加圧工程及び前記第2加圧工程を実行することにより、限界メタル圧との差が最も大きく、かつ、前記上型及び前記下型間からの溶湯の吹き出しが生じない加圧力を特定する工程であることが好ましい。
本発明によれば、仕様としての型締力が大きくない鋳造装置であっても、バリ吹きを防止しつつ鋳造欠陥の発生を防ぐことが可能な鋳造装置及び加圧鋳造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る鋳造装置を概略的に示す図である。 本実施形態に係る鋳造装置の制御パターンを示す図である。 本実施形態に係る鋳造装置の動作を示す概略図であり、図3(a)は溶湯充填工程を示し、図3(b)は閉塞工程を示し、図3(c)は第1加圧工程を示し、図3(d)は第2加圧工程を示している。 従来の堅型鋳造装置の概略構成を示す図である。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
本実施形態に係る鋳造装置1は、低圧又は低中圧鋳造に用いられる竪型鋳造装置であり、図1に示すように、溶湯を収容する保持炉20と、保持炉20上において水平に固定された固定盤2と、この固定盤2の上方において固定盤2に対して進退移動可能に配置された可動盤4と、これら固定盤2及び可動盤4の間に装着された金型6と、固定盤2側に配置された溶湯連通部材8と、可動盤4側に配置されたゲートシールセンター加圧ピン10(閉塞手段、加圧手段)及び1又は複数の部分加圧ピン12とを備えている。また、鋳造装置1は、竪型鋳造装置として機能するために必要なその他の構成、例えば、可動盤4を固定盤2に対して接近又は離間する方向に進退移動させる移動機構(図示せず)と、溶湯連通部材8及び湯口15を介して金型キャビティC内に保持炉20内の溶湯を供給する供給機構30と、金型6の型開閉動作の制御、ゲートシールセンター加圧ピン10及び部分加圧ピン12の進退動作の制御並びに供給機構30による溶湯の供給に関する制御等の各種制御を実行する制御装置(制御手段、図示せず)とを更に備えている。なお、本実施形態に係る鋳造装置1において、以下にて言及する構成以外の構成については、種々の公知の構成を採用可能であるため、その説明を省略する。
金型6は、固定盤2の上面に取り付けられた下型14と、可動盤4の下面に取り付けられた上型16とを備えている。下型14は、下方に湯口15を有している。本実施形態では、下型14の略中央に形成された貫通孔に筒状の湯口入子18が嵌装されることで、湯口15が形成されるよう構成されている。金型6は、これら下型14及び上型16が型合わせされることにより、鋳造品を形成するための金型キャビティCが形成されるよう構成されている。
溶湯連通部材8は、金属製の筒状部材であり、その内部を溶湯が流動可能に構成されている。溶湯連通部材8は、上端開口が湯口15を介して金型キャビティCと連通し、下端開口が保持炉20の後述する注湯室26の上端開口部に連通されるよう、固定盤2及び下型14の略中央に形成された貫通孔に嵌装されている。
ゲートシールセンター加圧ピン10は、油圧供給源(図示せず)からの油圧により進退移動する略棒状のシリンダロッド10aと、シリンダロッド10aの下端部に着脱可能に取り付けられた加圧ピン部材10bとを備えており、金型キャビティCに溶湯が充填された後、上型16側から下降し、湯口15を閉塞すると共に金型キャビティC内の溶湯に加圧力を付与するよう構成されている。加圧ピン部材10bは、円柱状の加圧部11aと、加圧部11aから下方に向けて突出して設けられ、湯口15を閉塞可能な嵌合部11bと、嵌合部11bの下端部に形成されたテーパ部11cとを備えている。嵌合部11bは、加圧部11aの外径よりも小さい外径を有する円柱状に形成されており、湯口15に嵌合して閉塞するよう構成されている。加圧部11aは、嵌合部11bにより湯口15が閉塞された状態から、ゲートシールセンター加圧ピン10の下方への加圧力を増加させることにより、シリンダロッド10aと共に更に下降して、その下面によって金型キャビティC内の湯溜りの溶湯を押圧するよう構成されている。テーパ部11cは、下向きの円錐状、すなわち、上端から下端にいくほど小さい径を有するテーパ状に形成されている。部分加圧ピン12は、略棒状に形成されており、その下端部によって、金型キャビティC内の、凝固が遅れる厚肉部等(図示せず)の溶湯を押圧するよう構成されている。
加圧ピン部材10bは、所望の溶湯供給量(押湯容積)に応じて、加圧部11aの外径、嵌合部11bの外径及び嵌合部11bの上下方向の長さの少なくとも1つが異なる他の加圧ピン部材と任意に交換可能に構成されている。また、湯口入子18は、加圧ピン部材10bの交換によって嵌合部11bの外径が変更された場合には、新たな加圧ピン部材に対応する他の湯口入子と任意に交換可能に構成されている。ここで、溶湯供給量とは、ゲートシールセンター加圧ピン10を下降させることにより、加圧ピン部材10bの嵌合部11bによって湯口15が閉塞された後、ゲートシールセンター加圧ピン10の下方への加圧力を増加させることにより、加圧ピン部材10bが更に下降して湯溜りの容積が縮小された際に、湯溜りから金型キャビティC内に供給される溶湯の量のことをいう。この溶湯供給量は、加圧部11aの外径及び嵌合部11bの外径の外径差による上下方向の投影面積(加圧面積)と、湯口15が閉塞された後に湯口15に挿入させた嵌合部11bの挿入長さとの積により算出される押湯容積と略同じ量となる。
保持炉20は、溶湯を保持する保持室22と、保持室22と連通路23を介して連通され、保持室22から供給された溶湯を収容する加圧室24及び注湯室26と、連通路23を開閉する開閉弁機構28と、加圧室24内の湯面レベルを検知可能な湯面センサ(図示せず)と、保持炉20内に貯留された溶湯を加熱するための複数のヒータ(図示せず)とを備えている。加圧室24は、溶湯の上部空間が密閉空間となるよう、その上端開口部が板状部材29によって閉塞されている。注湯室26は、下型14の下方に配置されており、その上端開口部が溶湯連通部材8及び湯口15を介して金型キャビティCと連通するよう構成されている。開閉弁機構28は、鋳造品の鋳造によって消費した溶湯が保持室22から加圧室24及び注湯室26に対して補給されるよう、その開閉動作が制御されている。なお、本実施形態に係る鋳造装置1において、保持炉20は、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
供給機構30は、加圧室24の密閉空間に接続されたガス加圧用配管32と、加圧室24へのガス加圧を制御するガス加圧制御サーボ弁(図示せず)と、ガス加圧制御サーボ弁の動作を制御する圧力制御装置(図示せず)と、ガス加圧制御サーボ弁へ加圧ガスを供給する加圧源(図示せず)とを備えている。供給機構30は、加圧室24の密閉空間に加圧ガスを供給することにより加圧室24の溶湯を押し下げ、これにより、注湯室26の溶湯を金型キャビティCに向けて押し上げるよう構成されている。ガス加圧制御サーボ弁及び圧力制御装置は、金型キャビティCへの溶湯充填の各段階に合わせた昇圧が可能となるよう構成されている。なお、本実施形態に係る鋳造装置1において、供給機構30は、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
制御装置は、図2に示すように、鋳造品を鋳造するために必要な各駆動要素の通常の制御に加えて、ゲートシールセンター加圧ピン10の進退動作を制御するよう構成されている。なお、図2において、太実線は、金型キャビティC内の溶湯に付与されるメタル圧[MPa]を示しており、破線は、ゲートシールセンター加圧ピン10のストローク[mm]を示しており、一点鎖線は、供給機構30から加圧室24の密閉空間に供給される加圧ガスのガス圧[kPa]を示しており、細実線は、加圧室24内の溶湯の湯面変位[mm]を示している。
具体的には、制御装置は、金型キャビティC内が溶湯で満たされた状態において、ゲートシールセンター加圧ピン10を下降させ、嵌合部11bによって湯口15を閉塞させる制御を実行可能に構成されている。
また、制御装置は、嵌合部11bによって湯口15が閉塞され、メタル圧(溶湯圧力)が金型キャビティCの全投影面積に100%伝播可能な状態において、金型キャビティCに充填された溶湯に理論上の限界メタル圧以下のメタル圧(第1段加圧力)が付与されるよう、ゲートシールセンター加圧ピン10の下方への押圧力を増加させて、加圧部11aによる加圧力を付与させる第1加圧制御を実行可能に構成されている。ここで、限界メタル圧とは、既述のとおり、金型キャビティC内が溶湯で満たされ、メタル圧が金型キャビティCの全投影面積に100%伝播可能な状態において、金型に作用するメタル圧による型開き力と、鋳造装置の型締機構の型締力とが略等しくなる状態のメタル圧のことをいう。この限界メタル圧は、金型キャビティCの全投影面積と、鋳造装置の型締機構の型締力との関係から求めることが可能である。
さらに、制御装置は、第1加圧制御の開始から所定の遅延時間tの経過後に、金型キャビティCに充填された溶湯に理論上の限界メタル圧を超えたメタル圧(第2段加圧力)が付与されるよう、ゲートシールセンター加圧ピン10の下方への押圧力を更に増加させて、加圧部11aによる加圧力を増大させる第2加圧制御を実行可能に構成されている。この遅延時間tは、第1加圧制御の開始から、金型キャビティC内の溶湯の凝固が漸次進行し、メタル圧が伝播可能な、メタル圧が型開き力として作用する実質的な金型キャビティCの投影面積が減少し、メタル圧による型開き力が減少すると共に、溶湯の外表面の略全周に形成されるチル層(凝固殻)が更に成長するまでに要する時間以上で、かつ、溶湯が完全に凝固するまでに要する時間(冷却凝固時間)未満に設定される。この冷却凝固時間は、試験鋳造又は鋳造解析によって特定乃至設定することが可能である。なお、遅延時間tの具体的な設定方法については、後述する。これら作用により、限界メタル圧を超える非常に大きい第2段加圧力を溶湯に付与しつつ、金型分割面からのバリ吹きの発生を防止することができる。
限界メタル圧、第1加圧制御における第1段加圧力及び第2加圧制御における第2段加圧力(最終加圧力)は、金型キャビティCの形状、湯口15等の断面積、金型温度及び溶湯温度等の種々の条件によって変動するものであるが、例えば、限界メタル圧が約40MPaと仮定した場合には、第1段加圧力を約30MPaに設定し、第2段加圧力を第1段加圧力の倍以上の約70MPaに設定することが可能である。
次に、図3を参照して、本実施形態に係る鋳造装置を用いた加圧鋳造方法について説明する。
本実施形態に係る加圧鋳造方法では、まず、図3(a)に示すように、下型14及び上型16を型閉じさせて金型キャビティCを形成した後、供給機構30から加圧室24の密閉空間に加圧ガスを供給することにより、溶湯連通部材8及び湯口15を介して注湯室26内の溶湯を金型キャビティCに充填させる(溶湯充填工程)。ここで、金型キャビティCに充填された溶湯は、金型キャビティCの型面との接触により冷却され、金型キャビティCの型面との接触面(すなわち、外表面)から内部に向けて徐々に凝固が進行する。この凝固により、鋳造品の外表面又は内部にひけ巣が生じるおそれがあるため、本実施形態に係る加圧鋳造方法では、以下の閉塞工程と加圧工程を実施し、凝固収縮分の溶湯を湯溜りから供給させ、ひけ巣の発生を抑制している。
具体的には、金型キャビティCに溶湯が充填された状態において、図3(b)に示すように、ゲートシールセンター加圧ピン10の嵌合部11bによって湯口15を閉塞させる(閉塞工程)。これにより、メタル圧(溶湯圧力)が金型キャビティCの全投影面積に100%伝播可能な状態となる。また、湯口15の閉塞後、直ちに供給機構30からの加圧ガスの供給を停止し、湯口15付近の溶湯を速やかに注湯室26内に戻す。
続いて、湯口15が閉塞された状態において、ゲートシールセンター加圧ピン10の下方への押圧力を増加させて、ゲートシールセンター加圧ピン10の加圧部11aによって金型キャビティC内の溶湯に加圧力を付与することで、凝固収縮分の溶湯を湯溜りから供給させる(加圧工程)。また、必要に応じて部分加圧ピン12を下降させ、金型キャビティC内の溶湯に対して局部的な加圧力を付与する。
ここで、本実施形態に係る加圧工程では、段階的に加圧力を増加させる増圧制御が実行される。具体的には、まず、図3(c)に示すように、金型キャビティCに充填された溶湯に限界メタル圧以下のメタル圧(第1段加圧力)が付与されるよう、ゲートシールセンター加圧ピン10の下方への押圧力を増加させて、加圧部11aによる加圧力を増大させる(第1加圧工程)。この第1加圧工程では、金型キャビティC内の溶湯に付与される第1段加圧力が限界メタル圧以下であるため、金型6に作用するメタル圧による型開き力と、鋳造装置の型締機構の型締力とが略等しいか、該型開き力よりも該型締力の方が大きい。このため、溶湯の外表面に強固なチル層が形成されていない段階においても、金型分割面からのバリ吹きを発生させることなく、凝固収縮分の溶湯を湯溜りから供給させることができる。
次に、第1加圧制御の開始から所定の遅延時間tが経過し、金型キャビティC内の溶湯の凝固が漸次進行し、メタル圧が伝播可能な、メタル圧が型開き力として作用する実質的な金型キャビティCの投影面積が減少し、メタル圧による型開き力が減少すると共に、溶湯の外表面に形成されたチル層が更に成長した後に、金型キャビティCに充填された溶湯に限界メタル圧を超えたメタル圧(第2段加圧力)が付与されるよう、ゲートシールセンター加圧ピン10の下方への押圧力を更に増加させて、加圧部11aによる加圧力を増大させる(第2加圧工程)。この第2加圧工程では、金型キャビティC内の溶湯に付与される第2段加圧力が限界メタル圧を超えているため、金型6に作用するメタル圧による型開き力の方が、鋳造装置の型締機構の型締力の方よりも大きく、それゆえ、金型6に作用するメタル圧による型開き力によって金型分割面が僅かに開く可能性がある。しかしながら、第2加圧工程では、第1加圧制御の開始から所定の遅延時間tが経過し、金型キャビティC内の溶湯の凝固が漸次進行し、メタル圧が伝播可能な、メタル圧が型開き力として作用する実質的な金型キャビティCの投影面積が減少し、メタル圧による型開き力が減少すると共に、溶湯の外表面に形成されたチル層が更に成長して強度が増加しているため、金型分割面への溶湯の流出(バリ吹き)が抑制される。これら作用により、限界メタル圧を超える非常に大きい第2段加圧力を溶湯に付与しつつ、金型分割面からのバリ吹きの発生を防止することができる。
そして、加圧工程後、かつ、所定の凝固時間が経過した後に、ゲートシールセンター加圧ピン10(及び使用した場合には部分加圧ピン12)を上昇させると共に、下型14及び上型16を型開きさせ(型開き工程)、製品取出機構(図示せず)によって鋳造品を鋳造装置1の外部に取り出す(製品取出工程)。また、これらの工程と並行して、保持室22の開閉弁機構28を開放状態とさせ、加圧室24及び注湯室26に次のショットの溶湯を補給する(溶湯補給工程)。
以上の工程により、1回の鋳造サイクルが終了する。そして、以上の鋳造サイクルを繰り返し実行することにより、鋳造品が連続的に鋳造される。
次に、本実施形態に係る加圧鋳造方法における上述した第1段加圧力、第2段加圧力及び遅延時間tの設定方法(鋳造条件設定工程)について説明する。なお、当該鋳造条件設定工程は、鋳造品の鋳造が開始される前(一番最初の鋳造サイクルが実行される前)に実施されるが、鋳造サイクル中にバリ吹き等が生じた場合に、鋳造サイクルを中止して適宜実施されても良い。
本実施形態に係る鋳造条件設定工程では、まず、第1加圧工程における第1段加圧力を調整する(第1段加圧力調整工程)。具体的には、第1段加圧力を暫定的に限界メタル圧と略等しく設定した後、上述した溶湯充填工程、閉塞工程及び第1加圧工程を実行し、金型分割面からのバリ吹きの発生を確認する。ここで、金型分割面からのバリ吹きが発生していない場合には、該加圧力を第1段加圧力として本設定する。一方、金型分割面からのバリ吹きが発生した場合には、バリ吹きが発生しなくなるまで、第1段加圧力を段階的に減少させながら、上述した溶湯充填工程、閉塞工程及び第1加圧工程を繰り返し実行し、バリ吹きが発生しなくなった段階の加圧力を第1段加圧力として本設定する。このように、第1段加圧力調整工程では、限界メタル圧と略等しい加圧力を基準として該加圧力を段階的に減少させ、各加圧力によって上述した溶湯充填工程、閉塞工程及び第1加圧工程を実行することにより、第1加圧工程における第1段加圧力を、限界メタル圧との差が最も小さく、かつ、バリ吹きの発生しないギリギリの加圧力に調整乃至設定することができる。
次に、第1加圧制御から第2加圧制御に移行するまでの遅延時間tを調整する(遅延時間調整工程)。具体的には、予め、第2段加圧力(最終加圧力)を限界メタル圧より大きく、かつ、ゲートシールセンター加圧ピン10の最大加圧力以下に暫定的に設定すると共に、暫定的に、遅延時間tを予め定められた冷却凝固時間よりも短い時間に設定する。そして、この仮設定の下で、上述した溶湯充填工程及び閉塞工程並びに第1段加圧力調整工程で調整した第1段加圧力による第1加圧工程を実行した後、上述した第2加圧工程を実行し、金型分割面からのバリ吹きの発生を確認する。ここで、金型分割面からのバリ吹きが発生していない場合には、バリ吹きが発生するまで、遅延時間tを段階的に短縮させながら、上述した溶湯充填工程、閉塞工程、第1加圧工程及び第2加圧工程を繰り返し実行し、バリ吹きが発生しない最短時間を特定し、該最短時間を遅延時間tとして本設定する。また、暫定的に設定した加圧力を第2段加圧力(最終加圧力)として本設定する。このように、遅延時間調整工程では、バリ吹きが生じない遅延時間を基準として該遅延時間を段階的に短縮させ、バリ吹きが生じる遅延時間を特定することにより、遅延時間tを、バリ吹きが生じる遅延時間との差が最も小さく、かつ、限界メタル圧を超える第2段加圧力を溶湯に付与しても金型分割面からのバリ吹きが発生しないギリギリの時間に調整乃至設定することができる。
一方、金型分割面からのバリ吹きが発生した場合には、第2加圧工程における第2段加圧力を調整する(第2段加圧力調整工程)。具体的には、上述の遅延時間調整工程において暫定的に設定した遅延時間tを維持しつつ、バリ吹きが発生しなくなるまで、第2段加圧力を段階的に減少させながら、上述した溶湯充填工程、閉塞工程、第1加圧工程及び第2加圧工程を繰り返し実行し、バリ吹きが発生しなくなった段階の加圧力を第2段加圧力として本設定する。また、暫定的に設定した時間を遅延時間tとして本設定する。これにより、第2加圧工程における第2段加圧力を、限界メタル圧との差が最も大きく、かつ、バリ吹きの発生しないギリギリの加圧力に調整乃至設定することができる。
以上の遅延時間調整工程及び第2段加圧力調整工程によれば、バリ吹きを発生させないという前提条件の下で、出来るだけ大きい第2段加圧力(最終加圧力)を確保しつつ、遅延時間tを最短時間に設定可能であることにより、凝固収縮の早い部位にも、溶湯に圧力伝播が可能な流動性が確保されている間に十分な加圧力を付与させることが可能となる。
ここで、上述の遅延時間調整工程及び第2段加圧力調整工程では、遅延時間t及び第2段加圧力をそれぞれ独立して調整するものとして説明したが、これに限定されず、上述した遅延時間tの段階的な短縮と、上述した第2段加圧力の段階的な減少とを交互に実行し、バリ吹きが発生しない、遅延時間tと第2段加圧力との組み合わせを複数求めるようにしても良い。この場合には、複数の組み合わせにおける各鋳造品の品質を相互に比較することが可能となるため、品質基準を満たし、かつ、最も品質の優れた鋳造品を得るための遅延時間tと第2段加圧力の組み合わせを特定することが可能となる。また、当該最適な組み合わせを、同種の金型の初期鋳造条件に含めて管理することが可能となる。
以上説明したとおり、本実施形態に係る鋳造装置1は、金型キャビティCに充填された溶湯に限界メタル圧以下のメタル圧が付与されるよう、ゲートシールセンター加圧ピン10(加圧手段)の下方への押圧力を増加させる第1加圧制御と、第1加圧制御後に、金型キャビティCに充填された溶湯に限界メタル圧を超えたメタル圧が付与されるよう、ゲートシールセンター加圧ピン10(加圧手段)の下方への押圧力を更に増加させて、加圧部11aによる加圧力を増大させる第2加圧制御とを実行可能に構成された制御装置(制御手段)を備えている。このような構成を備える本実施形態に係る鋳造装置1によれば、金型キャビティC内の溶湯の凝固が漸次進行し、メタル圧が型開き力として作用する実質的な金型キャビティCの投影面積が減少し、メタル圧による型開き力が減少すると共に、溶湯の外表面に形成されたチル層が更に成長して強度が増加するまでは、限界メタル圧以下の加圧力で溶湯を加圧し、金型キャビティC内の溶湯の凝固が漸次進行し、メタル圧による型開き力が減少すると共に、溶湯の外表面のチル層が更に成長して強度が増加した段階で、限界メタル圧よりも大きい加圧力を溶湯に付与することが可能となる。そして、このように、メタル圧による型開き力が減少し、溶湯の外表面に形成されたチル層が更に成長して強度が増加した後であれば、溶湯の流出が防止されつつ、大きい加圧力によって凝固収縮部内部の収縮巣や表面の引け巣を押し潰すことが可能となるため、仕様としての型締力が大きくない鋳造装置であっても、バリ吹きを防止しつつ鋳造欠陥の発生を防ぐことが可能となる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の範囲には限定されない。上記各実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
例えば、鋳造装置1は、図1に例示した構成に限定されず、下方に湯口15を有する金型キャビティCを形成可能な金型6と、湯口15を開閉可能に構成された閉塞手段と、金型キャビティC内の溶湯を加圧可能に構成された加圧手段と、加圧手段の進退動作を制御する制御装置(制御手段)とを備え、金型6の下方に配置された保持炉20内の溶湯を湯口15を介して金型キャビティCに充填させるよう構成されたものであれば、種々の公知の構成を採用することが可能である。
上述した実施形態では、保持炉20が、溶湯連通部材8の下端開口が保持炉20の注湯室26の上端開口に直接連通される、所謂「ストークレス炉」であるものとして説明したが、これに限定されず、例えば、溶湯連通部材8が「ストーク」と称される金属製の筒状部材から形成され、該溶湯連通部材8の上端開口が湯口15を介して金型キャビティCと連通し、下端開口が保持炉20の注湯室26の溶湯の内部に浸漬される構成としても良い。また、上述した実施形態では、保持炉20が、保持室22、連通路23、加圧室24、注湯室26、開閉弁機構28、湯面センサ及び複数のヒータを備えるものとして説明したが、これに限定されず、金型キャビティ内に供給するための溶湯を収容可能なものであれば、種々の公知の保持炉を採用することが可能である。また、
上述した実施形態では、ゲートシールセンター加圧ピン10の加圧部11aが、湯口15を開閉する閉塞手段として機能し、嵌合部11bが、金型キャビティC内の溶湯を加圧する加圧手段として機能するものとして説明したが、これに限定されず、閉塞手段として機能する部材と、加圧手段として機能する部材とが、別部材で構成される態様としても良い。
上述した実施形態では、加圧鋳造方法における加圧工程が、2段階の加圧工程(第1加圧工程及び第2加圧工程)により実施されるものとして説明したが、これに限定されず、第1加圧工程と第2加圧工程との間に、第1段加圧力と第2段加圧力との間の加圧力による1又は複数の加圧工程が実施されても良い。
1 鋳造装置、6 金型、10 ゲートシールセンター加圧ピン(閉塞手段、加圧手段)、11a 加圧部、11b 嵌合部、14 下型、15 湯口、16 上型、20 保持炉、C 金型キャビティ、t 遅延時間

Claims (3)

  1. 上型及び下方に湯口を有する下型を含み、該上型及び下型が型合わせされることで金型キャビティを形成可能な金型と、前記湯口に対して進退自在に配置され、該湯口を開閉するよう構成された閉塞手段と、前記金型キャビティに充填された溶湯に対して進退自在に配置され、該溶湯を加圧するよう構成された加圧手段と、前記加圧手段の進退動作を制御する制御手段とを備え、前記金型の下方に配置された保持炉内の溶湯を前記湯口を介して前記金型キャビティに充填させるよう構成された鋳造装置を用いて鋳造品を鋳造する加圧鋳造方法であって、
    前記湯口を介して前記保持炉内の溶湯を前記金型キャビティに充填させる溶湯充填工程と、
    前記溶湯充填工程後に、前記閉塞手段によって前記湯口を閉塞する閉塞工程と、
    前記閉塞工程後に、前記加圧手段によって前記金型キャビティに充填された溶湯を加圧する加圧工程と
    を備え、
    前記加圧工程は、
    前記金型キャビティに充填された溶湯に限界メタル圧以下のメタル圧が付与されるよう、前記加圧手段の下方への加圧力を増加させる第1加圧工程と、
    前記第1加圧工程後に、前記金型キャビティに充填された溶湯に限界メタル圧を超えたメタル圧が付与されるよう、前記加圧手段による加圧力を増大させる第2加圧工程と
    を備え、
    前記第1加圧工程において溶湯に付与される第1段加圧力を調整する第1段加圧力調整工程を更に備え、
    前記第1段加圧力調整工程は、限界メタル圧と略等しい加圧力を基準として該加圧力を段階的に減少させ、各加圧力によって前記溶湯充填工程、前記閉塞工程及び前記第1加圧工程を実行することにより、限界メタル圧との差が最も小さく、かつ、前記上型及び前記下型間からの溶湯の吹き出しが生じない加圧力を特定する工程である
    ことを特徴とする加圧鋳造方法。
  2. 上型及び下方に湯口を有する下型を含み、該上型及び下型が型合わせされることで金型キャビティを形成可能な金型と、前記湯口に対して進退自在に配置され、該湯口を開閉するよう構成された閉塞手段と、前記金型キャビティに充填された溶湯に対して進退自在に配置され、該溶湯を加圧するよう構成された加圧手段と、前記加圧手段の進退動作を制御する制御手段とを備え、前記金型の下方に配置された保持炉内の溶湯を前記湯口を介して前記金型キャビティに充填させるよう構成された鋳造装置を用いて鋳造品を鋳造する加圧鋳造方法であって、
    前記湯口を介して前記保持炉内の溶湯を前記金型キャビティに充填させる溶湯充填工程と、
    前記溶湯充填工程後に、前記閉塞手段によって前記湯口を閉塞する閉塞工程と、
    前記閉塞工程後に、前記加圧手段によって前記金型キャビティに充填された溶湯を加圧する加圧工程と
    を備え、
    前記加圧工程は、
    前記金型キャビティに充填された溶湯に限界メタル圧以下のメタル圧が付与されるよう、前記加圧手段の下方への加圧力を増加させる第1加圧工程と、
    前記第1加圧工程後に、前記金型キャビティに充填された溶湯に限界メタル圧を超えたメタル圧が付与されるよう、前記加圧手段による加圧力を増大させる第2加圧工程と
    を備え、
    前記第1加圧工程から前記第2加圧工程に移行するまでの遅延時間を調整する遅延時間調整工程を更に備え、
    前記遅延時間調整工程は、前記第2加圧工程において前記上型及び前記下型間からの溶湯の吹き出しが生じない前記遅延時間を基準として該遅延時間を段階的に短縮させ、溶湯の吹き出しが生じる遅延時間を特定することにより、該溶湯の吹き出しが生じる遅延時間との差が最も小さく、かつ、溶湯の吹き出しが生じない遅延時間を特定する工程である
    ことを特徴とする加圧鋳造方法。
  3. 上型及び下方に湯口を有する下型を含み、該上型及び下型が型合わせされることで金型キャビティを形成可能な金型と、前記湯口に対して進退自在に配置され、該湯口を開閉するよう構成された閉塞手段と、前記金型キャビティに充填された溶湯に対して進退自在に配置され、該溶湯を加圧するよう構成された加圧手段と、前記加圧手段の進退動作を制御する制御手段とを備え、前記金型の下方に配置された保持炉内の溶湯を前記湯口を介して前記金型キャビティに充填させるよう構成された鋳造装置を用いて鋳造品を鋳造する加圧鋳造方法であって、
    前記湯口を介して前記保持炉内の溶湯を前記金型キャビティに充填させる溶湯充填工程と、
    前記溶湯充填工程後に、前記閉塞手段によって前記湯口を閉塞する閉塞工程と、
    前記閉塞工程後に、前記加圧手段によって前記金型キャビティに充填された溶湯を加圧する加圧工程と
    を備え、
    前記加圧工程は、
    前記金型キャビティに充填された溶湯に限界メタル圧以下のメタル圧が付与されるよう、前記加圧手段の下方への加圧力を増加させる第1加圧工程と、
    前記第1加圧工程後に、前記金型キャビティに充填された溶湯に限界メタル圧を超えたメタル圧が付与されるよう、前記加圧手段による加圧力を増大させる第2加圧工程と
    を備え、
    前記第2加圧工程において溶湯に付与される第2段加圧力を調整する第2段加圧力調整工程を更に備え、
    前記第2段加圧力調整工程は、限界メタル圧を超えた加圧力を基準として該加圧力を段階的に減少させ、各加圧力によって前記溶湯充填工程、前記閉塞工程、前記第1加圧工程及び前記第2加圧工程を実行することにより、限界メタル圧との差が最も大きく、かつ、前記上型及び前記下型間からの溶湯の吹き出しが生じない加圧力を特定する工程である
    ことを特徴とする加圧鋳造方法。
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