JP2018206513A - マグネシウム空気電池およびその正極、負極ならびにセパレータの製造方法 - Google Patents

マグネシウム空気電池およびその正極、負極ならびにセパレータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】取扱いが容易で環境に優しいマグネシウム空気電池を提供する。【解決手段】空気を活物質とする正極101と、マグネシウムを含む負極103と、正極101と負極103との間に配置されたセパレータ102と、を備え、正極101は、バクテリアが生産し、セルロースのナノファイバーが分散したバクテリア産生セルロースと、バクテリア産生セルロースを炭化したバクテリア産生炭化セルロースとを混合した混合物で構成され、負極103は、マグネシウムを含む金属粉末と、バインダーと、導電助剤とを混合した混合物で構成され、セパレータ102は、バクテリアが生産し、セルロースのナノファイバーが分散したバクテリア産生セルロースで構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、負極にマグネシウムを用いるマグネシウム空気電池およびその正極、負極ならびにセパレータの製造方法に関する。
従来、使い捨て一次電池として、アルカリ電池、マンガン電池、高性能なコイン型リチウム一次電池が広く使用されている。しかし、近年、小型デバイスやセンサなど様々な形状のデバイスが普及しており、ペーパー型の機器などに従来形状の電池を用いると、電池部がデバイスの大半の体積を占めてしまい、デバイスの形状に制約が生じてしまう。そこで、ペーパー型の一次電池(非特許文献1)、ユーザの好みに応じて塗布法により作製可能なリチウムイオン電池が知られている(非特許文献2)。
Anthony P. F. Turner、"Biosensors: sense and sensibility"、Chem. Soc. Rev.、Volume 42、Number 8、21 April 2013年4月21日、p.3184-p.3196 N. Singh、外7名、"Paintable Battery"、Scientific Reports、2012年6年28日、2、481
しかしながら、非特許文献1,2に記載された従来の電池は、リチウム、ニッケル、マンガン、コバルトなどのレアメタル金属等を使用しているため、環境負荷および廃棄処理の観点で課題があった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、取扱いが容易で環境に優しいマグネシウム空気電池を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、請求項1に係るマグネシウム空気電池は、空気を活物質とする正極と、マグネシウムを含む負極と、前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータと、を備え、前記正極は、バクテリアが生産し、セルロースのナノファイバーが分散したバクテリア産生セルロースと、前記バクテリア産生セルロースを炭化したバクテリア産生炭化セルロースとを混合した混合物で構成され、前記負極は、マグネシウムを含む金属粉末と、バインダーと、導電助剤とを混合した混合物で構成され、前記セパレータは、バクテリアが生産し、セルロースのナノファイバーが分散したバクテリア産生セルロースで構成されていることを特徴とする。
請求項2に係るマグネシウム空気電池の正極製造方法は、請求項1に記載の正極を製造する正極製造方法において、バクテリアを用いて、セルロースのナノファイバーが分散したバクテリア産生セルロースを生成する生産工程と、当該バクテリア産生セルロースを凍結して凍結体を得る凍結工程と、前記凍結体を真空中で乾燥して乾燥体を得る乾燥工程と、前記乾燥体をガス雰囲気で加熱することでバクテリア産生炭化セルロースを得る炭化工程と、を備えることを特徴とする。
請求項3に係るマグネシウム空気電池の正極製造方法は、請求項2に記載のマグネシウム空気電池の正極製造方法において、前記生産工程で生成したバクテリア産生セルロースを粉砕する粉砕工程と、前記炭化工程で得たバクテリア産生炭化セルロースを粉砕する粉砕工程と、当該バクテリア産生セルロースと当該バクテリア産生炭化セルロースとを混合してスラリー状の混合物を得る混合工程と、前記スラリー状の混合物を塗布することで正極を形成する塗布工程と、を更に備えることを特徴とする。
請求項4に係るマグネシウム空気電池の正極製造方法は、請求項2又は3に記載のマグネシウム空気電池の正極製造方法において、前記乾燥体は、ナノファイバーが連続に連なった共連続体なセルロースであるバクテリア産生キセロゲルであることを特徴とする。
請求項5に係るマグネシウム空気電池の負極製造方法は、請求項1に記載の負極を製造する負極製造方法において、マグネシウムを含む金属粉末と、バインダーと、導電助剤とを混合してスラリー状の混合物を得る混合工程と、前記スラリー状の混合物を塗布することで負極を形成する塗布工程と、を備えることを特徴とする。
請求項6に係るマグネシウム空気電池の負極製造方法は、請求項5に記載のマグネシウム空気電池の負極製造方法において、前記バインダーは、バクテリア産生セルロースで構成されることを特徴とする。
請求項7に係るマグネシウム空気電池の負極製造方法は、請求項5又は6に記載のマグネシウム空気電池の負極製造方法において、前記導電助剤は、バクテリア産生炭化セルロース、カーボン粉末、導電性高分子のうち少なくとも1つで構成されることを特徴とする。
請求項8に係るマグネシウム空気電池のセパレータ製造方法は、請求項1に記載のセパレータを製造するセパレータ製造方法において、バクテリアが生産し、セルロースのナノファイバーが分散したバクテリア産生セルロースを粉砕してスラリー状の粉砕物を得る粉砕工程と、前記スラリー状の粉砕物を塗布することでセパレータを形成する塗布工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、取扱いが容易で環境に優しいマグネシウム空気電池を提供することができる。
マグネシウム空気電池の構成を示す構成図である。 製造方法1を説明するためのフローチャートである。 製造方法2を説明するためのフローチャートである。 製造方法3を説明するためのフローチャートである。 製造方法4を説明するためのフローチャートである。 製造方法5を説明するためのフローチャートである。 実施例1における電池部の概略構成図(a)と断面図(b)である。 実施例1及び比較例1におけるマグネシウム空気電池の電池性能を示した特性図である。
以下、本発明の一実施の形態について図を参照して説明する。本実施の形態におけるマグネシウム空気電池は、一般的なマグネシウム空気電池と同様に、正極と、マグネシウムを含んで構成された負極と、正極と負極とに挾まれて配置されたセパレータとを備える。このマグネシウム空気電池では、正極は空気中の酸素を活性物質とする。
図1は、本実施の形態におけるマグネシウム空気電池の構成を示す構成図である。このマグネシウム空気電池は、正極101と、マグネシウムを含んで構成された負極103と、正極101及び負極103と接触するように配置されたセパレータ102とを備える。
本実施の形態におけるマグネシウム空気電池の電池反応を開始させる場合、セパレータ102に電解質を導入することで電池反応を開始させる。電解質は、液状、クリーム状、ゲル状、固体状のいずれであってもよい。
本実施の形態におけるマグネシウム空気電池は、正極101が、一般的なマグネシウム空気電池に要求される正極を含むことができる。これらは、従来公知のものを使用することができる。例えば、カーボン、金属、酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、リン化物などであり、またこれらを2種類以上混合してもよい。
ここで、正極101および負極103における電極反応について説明する。正極反応は、正極101の表面において、電解質中に含まれる水と空気中の酸素と接することで、「O+2HO+4e→4OH・・・(1)」で示す反応が進行する。一方、負極反応は、電解質に接している負極103において「Mg→Mg2++2e・・・(2)」の反応が進行し、負極103を構成しているマグネシウムが電子を放出し、電解質中にマグネシウムイオンとして溶解する。
また、電池反応の全反応は、「2Mg+O+2HO+4e→2Mg(OH)・・・(3)」となり、水酸化マグネシウムが生成する反応である。理論起電力は約2.7Vである。以上の反応に関わる化合物を、図1の構成要素と共に示している。
このように、正極101の表面において式(1)で示す反応が進行するため、正極101の内部に反応サイトを多量に生成する方がよいものと考えられる。
上述した通り、正極101では、正極101内部に反応サイトを多量に生成することが重要であり、正極101は、高比表面積であることが望ましい。例えば、本実施の形態においては、正極101の比表面積が200m/g%以上であることが好ましく300m/g以上であることがより好ましい。
正極101は、カーボン粉末をバインダーで成形するといった公知のプロセスで作製することができるが、バインダーは一般的にフッ素を含有した樹脂が用いられており、廃棄等により燃焼させた際に、フッ酸が発生する。そのため、安全性向上及び環境負荷低減といった改善の余地が存在している。
これに対し、例えば、まず所定のバクテリアに、セルロースによるナノファイバーが分散したゲルを生産させ(ゲル生産工程)、セルロースナノファイバーが分散したゲルを凍結させて凍結体とし(凍結工程)、この凍結体を真空中で乾燥させる(乾燥工程)ことで、バクテリア産生キセロゲルを得る。ちなみに、ここでのナノファイバーは、直径が1nmから1μmであり、長さが直径の100倍以上の繊維状物質と定義する。このバクテリア産生キセロゲルを不活性ガスの雰囲気で加熱して炭化することで、バクテリア産生炭化セルロースを得る(炭化工程)ことができ、更に、この製造方法で作製したバクテリア産生炭化セルロースを正極101に用いることで、フッ素を含有した樹脂の未使用化が可能となる。そのため、本実施の形態によるマグネシウム空気電池は、人体を害するおそれを低減し、安全性を高めることができ、且つ、廃棄処理を容易にして、環境負荷を低減することができる。
正極101を構成するバクテリア産生炭化セルロースは、例えば、平均孔径が0.1〜50μmであることが好ましく、0.1〜2μmであることが更に好ましい。ここで、平均孔径は、水銀圧入法により求めた値である。
また、正極101は、触媒を担持していてもよい。触媒は、金属、酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、リン化物などであり、またこれらを2種類以上混合してもよい。金属としては、鉄、マンガン、銅、ニッケル、銀、金、白金、コバルト、ルテニウム、モリブデン、チタン、クロム、ガリウム、プラセオジム、アルミニウム、シリコン、錫、また、これらを2種類以上含有する合金が好ましく、酸化物としては、上記金属の1つからなる酸化物または2つ以上からなる複合酸化物が好ましい。また、特に、酸化鉄(Fe)が好適である。酸化鉄は、本実施の形態において特に優れた触媒性能を示すと同時にレアメタルでないので好ましい。
また、触媒とする金属酸化物は、水和物としたアモルファス状のものであることも好ましい。例えば、上述した遷移金属酸化物の水和物であればよい。より具体的には、酸化鉄(III)−n水和物であればよい。なお、nは、1molのFeに対するHOのモル数である。正極101を構成するバクテリア産生炭化セルロースの表面に、酸化鉄の水和物を、ナノサイズの微粒子として高分散で担持させることで、優れた性能とすることが可能となる。
例えば、正極101のバクテリア産生炭化セルロース上に、酸化鉄水和物(Fe・nHO)をナノサイズの微粒子として高分散で付着させた(添加した)ものを正極101として使用することで、優れた性能を示すことが可能となる。正極101に含まれる触媒の含有量は、正極101の総重量に基づいて、0.1〜70重量%、好ましくは1〜30重量%である。正極101に、遷移金属酸化物を触媒として添加することによって、性能は大きく向上する。
次に、負極103について説明する。負極103は負極活物質から構成する。この負極活物質は、マグネシウム空気電池の負極材料として用いることができる材料、つまり、金属マグネシウム、マグネシウム含有物質を含むものであれば特に限定されない。例えば、負極103は、金属マグネシウム、金属マグネシウムのシート、またはマグネシウム粉末などから構成すればよい。また、マグネシウム以外の金属空気電池として用いることができる鉄、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、リチウム、ナトリウムも負極材料として用いることができる。しかし、安全性及び電池出力の面からマグネシウムを用いるのが最も好適である。
負極103は、公知の方法で形成することができる。例えば、マグネシウム金属を負極103とする場合には、金属マグネシウム箔を所定の形状に成形することで、負極103を作製することもできる。
次に、セパレータ102について説明する。セパレータ102は、電解質を含有することが可能で、且つ、導電性を有していない物質であればよい。例えば、和紙、コットン、コラーゲン、バクテリア産生ゲル、がよく、バクテリア産生ゲルが好適である。これは、バクテリア産生ゲルは、複数のナノファイバーが分岐を有することで三次元ネットワーク構造を構成しており、多孔質で電解質の保持性能が高く、更に、高強度を有するためである。
次に、電解質について説明する。電解質は、正極101および負極103間でマグネシウムイオンおよび水酸化物イオンの移動が可能な物質であればよい。例えば、地球上に豊富に存在するカリウムやナトリウムが含まれる金属塩を挙げることができる。なお、この金属塩は、海水や雨水や温泉に含まれる元素から構成されていてもよい。電解質は、例えば、塩化ナトリウムや塩化カリウムから構成すればよい。カリウムは、植物の生育に必要な多量要素の1つであるため、仮に電解質が土壌に漏れ出たときの影響を与えないのみならず、肥料として機能するため、特に、塩化カリウムが好ましい。
なお、マグネシウム空気電池は、上記構成に加え、外装フィルム、ケース、接着剤、金属箔などの構造部材、また、一般的なマグネシウム空気電池に要求される要素を含むことができる。これらは、従来公知のものを使用することができる。
次に、製造方法について説明する。本実施の形態におけるマグネシウム空気電池は、後述する正極の製造方法及び負極の製造方法及びセパレータの製造方法により得られる正極101と負極103とセパレータ102を、所望のマグネシウム空気電池の構造に基づいた他の必要な要素と共に、ケースや接着剤などを用いて適切に配置することで作製することができる。これらのマグネシウム空気電池の製造手順は、従来知られている一般的なマグネシウム空気電池の方法を適用することができる。
以下、正極101の作製について説明する。
[製造方法1]
はじめに、製造方法1について図2を用いて説明する。図2は、製造方法1を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS101で、所定のバクテリアに、セルロースによるナノファイバーが分散したゲルを生産させる(ゲル生産工程)。このようにして得られたバクテリ産生ゲル(バクテリア産生セルロース)を用いて正極101を作製する。
ここで、ゲルとは、分散媒が分散質であるナノ構造体の三次元ネットワーク構造により流動性を失い固体状になったものを意味する。具体的には、ずり弾性率が10〜10Paである分散系を意味する。ゲルの分散媒は、水(HO)などの水系または、カルボン酸、メタノール(CHOH)、エタノール(COH)、プロパノール(COH)、n−ブタノール、イソブタノール、n−ブチルアミン、ドデカン、不飽和脂肪酸、エチレングリコール、ヘプタン、ヘキサデカン、イソアミルアルコール、オクタノール、イソプロパノール、アセトン、グリセリンなどの有機系であり、これらから2種類以上を混合してもよい。
バクテリアが産生するゲルは、nmオーダーのファイバーを基本構造としており、このゲルを用いて正極101を作製することで、得られる正極101は高比表面積を有するものとなる。前述したように、マグネシウム空気電池の正極は高比表面積であることが望ましいため、バクテリアが生産したゲルを用いることは、好適である。具体的には、バクテリアが生産するゲルを用いることで比表面積が300m/g以上を有する正極101の合成が可能である。
バクテリア産生ゲルは、ファイバーがコイル状や網目状に絡まった構造を有し、更にバクテリアの増殖に基づいてナノファイバーが分岐した構造を有しているため、作製できる正極101は、弾性限界での歪みが50%以上という優れた伸縮性を実現する。従って、バクテリア生産ゲルを用いて作製した正極101は、生体組織との密着性を高めることが可能であり、正極101に好適である。
バクテリアは、公知のものが挙げられ、例えば、アセトバクター・キシリナム・サブスピーシーズ・シュクロファーメンタ、アセトバクター・キシリナムATCC23768、アセトバクター・キシリナムATCC23769、アセトバクター・パスツリアヌスATCC10245、アセトバクター・キシリナムATCC14851、アセトバクター・キシリナムATCC11142、アセトバクター・キシリナムATCC10821などの酢酸菌、並びにこれらをNTG(ニトロソグアニジン)などを用いる公知の方法によって変異処理することにより創製される各種変異株を培養することにより生産されたものであればよい。
上述したバクテリアにより生産させたゲルを用いて正極101を得る方法としては、ステップS102で凍結させて凍結体とし(凍結工程)、ステップS103で凍結体を真空中で乾燥させてバクテリア産生キセロゲル(乾燥体)とし(乾燥工程)、ステップS104で、作製したバクテリア産生キセロゲルをセルロースが燃焼しないガスの雰囲気で加熱して炭化する(炭化工程)。
凍結工程は、例えば、バクテリア産生ゲルを試験管のような適切な容器に収容し、液体窒素などの冷却材中で試験管の周囲を冷却することで、試験管に収容したバクテリア産生ゲルを凍結することで実施される。凍結させる手法は、ゲルの分散媒を凝固点以下に冷却ができれば、特に限定されるものではなく、冷凍庫などで冷却してもよい。
バクテリア産生ゲルを凍結することで、分散媒が流動性を失い分散質であるセルロースが固定され、三次元ネットワーク構造が構築される。
凍結により分散質であるセルロースを固定しない場合、この後の乾燥工程において、分散媒の蒸発に伴い、分散質が凝集するため、十分な高比表面積を得ることができず、高性能な正極101の作製は困難となる。
次に、ステップS102の乾燥工程について説明する。乾燥工程では、凍結工程で得た凍結体より、三次元ネットワーク構造を維持または構築した分散質であるセルロースを分散媒から取り出す工程である。
乾燥工程では、凍結工程で得られた凍結体を真空中で乾燥させ、凍結した分散媒を固体状態から昇華させる。例えば、得られた凍結体をフラスコのような適切な容器に収容し、容器内を真空引きすることで実施される。凍結体を真空雰囲気下に配置することで、分散媒の昇華点が低下し、常圧では昇華しない物質においても昇華させることが可能である。
乾燥工程における真空度は、使用する分散媒によって異なるが、分散媒が昇華する真空度であれば特に制限されない。例えば、分散媒に水を使用した場合、圧力を0.06MPa以下とした真空度にする必要があるが、昇華潜熱として熱が奪われるため、乾燥に時間を有する。このため、真空度は1.0×10−6〜1.0×10−2Paが好適である。更に乾燥時にヒーターなどを用いて熱を加えてもよい。
大気中で乾燥させる方法は、分散媒が固体から液体になり、この後、液体から気体になるため、凍結体が液体状態となり分散媒中で再び流動的になり、セルロースの三次元ネットワーク構造が崩れる。このため、大気圧雰囲気での乾燥では、伸縮性を有するバクテリア産生炭化セルロースの作製は困難である。
バクテリア産生ゲルに含まれる成分であるセルロースは、導電性を有していないため、正極101として使用する際は、不活性ガス雰囲気下で熱処理して炭素化することで導電性を付与する炭化工程が重要となる。このようにして炭化したバクテリア産生炭化セルロースは、高導電性、耐腐食性、高伸縮性、高比表面積を有しており、マグネシウム空気電池の正極として好適である。
バクテリア産生キセロゲルの炭化は、不活性ガス雰囲気中で500℃〜2000℃、より好ましくは、900℃〜1800℃で焼成して炭化すればよい。セルロースが燃焼しないガスとしては、例えば、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスであればよい。また、水素ガス、一酸化炭素ガスなどの還元性ガスであってもよく、また、二酸化炭素ガスであってもよい。本実施の形態では、カーボン材料に対し賦活効果を有し、高活性化が期待できる二酸化炭素ガスまたは一酸化炭素ガスがより好ましい。
[製造方法2]
次に、製造方法2について図3を用いて説明する。図3は、製造方法2を説明するためのフローチャートである。前述したように、正極に触媒を担持させるとよい。ステップS201で、上述した製造方法1で得られたバクテリア産生炭化セルロースを、触媒の前駆体となる金属塩の水溶液に含浸させる(含浸工程)。このようにして金属塩を含むバクテリア産生炭化セルロースを調製したら、次に、ステップS202で、金属塩を含むバクテリア産生炭化セルロースを加熱処理する(加熱工程)。なお、使用する金属塩の好ましい金属は、鉄、マンガン、銅、ニッケル、銀、金、白金、コバルト、ルテニウム、モリブデン、チタン、クロム、ガリウム、プラセオジム、アルミニウム、シリコン、錫からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属である。特に、鉄が好ましい。
遷移金属酸化物をバクテリア産生炭化セルロースに担持するためには、従来知られている方法を用いることができる。例えば、バクテリア産生炭化セルロースを、遷移金属塩化物や遷移金属硝酸塩の水溶液に含浸させて蒸発乾固した後、高温高圧化の水(HO)中で水熱合成する方法がある。また、バクテリア産生炭化セルロースに、遷移金属塩化物や遷移金属硝酸塩の水溶液を含浸させ、ここにアルカリ水溶液を滴下する沈殿法がある。また、バクテリア産生炭化セルロースに遷移金属アルコキシド溶液に含浸させ、これを加水分解するゾルゲル法などがある。これらの液相法による各方法の条件は公知であり、これらの公知の条件を適用できる。本実施の形態では、液相法が望ましい。
上記の液相法で担持される金属酸化物は、多くの場合、結晶化が進んでいないためアモルファス状態である。アモルファス状態の前駆体を、不活性の雰囲気で、500℃程度の高温で熱処理を行うことで、結晶性の金属酸化物を得ることができる。このような結晶性の金属酸化物は、正極の触媒として用いた場合においても高い性能を示す。
一方、上記のアモルファス状の前駆体を100〜200℃程度の比較的低温で乾燥した場合に得られる前駆体粉末は、アモルファス状態を維持しつつ、水和物の状態となる。金属酸化物の水和物は、形式的に、Me・nHO(ただし、Meは上記金属を意味し、xおよびyはそれぞれ金属酸化物分子中に含まれる金属および酸素の数を表し、nは1モルの金属酸化物に対するHOのモル数)と表すことができる。このような低温乾燥により得られた、金属酸化物の水和物を触媒として用いることができる。
アモルファス状の金属酸化物(水和物)は、焼結がほとんど進んでいないため、大きな表面積を有し、粒子径も30nm程度と非常に小さい値を示す。これは、触媒として好適であり、これを用いることで、優れた電池性能を得ることができる。
上述の通り、結晶性の金属酸化物は高い活性を示すが、上記のような高温での熱処理で結晶化させた金属酸化物は、表面積が著しく低下することがあり、粒子の凝集により粒子径も100nm程度となることがある。なお、この粒子径(平均粒径)は、走査型電子顕微鏡(SEM)などで拡大観察し、10μm四方(10μm×10μm)あたりの粒子の直径を計測して、平均値を求めた値である。
また、特に高温で熱処理を行った金属酸化物による触媒は、粒子が凝集するため、バクテリア産生炭化セルロースの表面に高分散で触媒を添加させることが困難なことがある。十分な触媒効果を得るためには、正極中に金属酸化物を大量に添加しなければならない場合があり、高温の熱処理による触媒作製は、コスト的に不利となることがある。
この問題を解消するためには、上述したように上記のアモルファス状の前駆体を100〜200℃程度の比較的低温で乾燥すればよい。
上記の各製造方法で得られた正極は、公知の手順で所定の形状に成形して正極101とすることができる。例えば、触媒未担持および触媒担持バクテリア産生炭化セルロースを板状体またはシートに加工し、得られたバクテリア産生炭化セルロースを打ち抜き刃、レーザーカッターなどにより所望の長方形(例えば30mm×20mm)に切り抜いて正極とすればよい。
しかし、上記製造方法1〜2で作製されたバクテリア産生炭化セルロースは、脆く、所望の形状に加工することが困難なことがある。そこで、以下に示す製造方法3の手法を用いることで、バクテリア産生炭化セルロースをシート状に加工することが容易となる。
以下に、バクテリア産生炭化セルロースをシート状に加工する製造方法3を示す。
[製造方法3]
製造方法3について図4を用いて説明する。図4は、製造方法3を説明するためのフローチャートである。ステップS301で、前述した、製造方法1のゲル生成工程で得られたバクテリア産生ゲル(バクテリア産生セルロース)を粉砕し(粉砕工程)、更に、ステップS306で製造方法1又は製造方法2で得られた触媒未担持及び触媒担持バクテリア産生炭化セルロースを粉砕し(粉砕工程)、ステップS307で、これら粉砕したバクテリア産生ゲル及びバクテリア産生炭化セルロースを混合する。なお、ステップS303〜S305は、それぞれ図2に示したステップS102〜S104と同様の工程である。
粉砕工程は、例えば、ミキサー、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、高速回転せん断型撹拌機、コロイドミル、ロールミル、高圧噴射式分散機、回転ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、アトライターなどを使用して、バクテリア産生ゲル及びバクテリア産生炭化セルロースを粉末またはスラリー状にする。この場合、バクテリア産生ゲル及びバクテリア産生炭化セルロースは、二次粒子径が100nm〜5mmが好ましく、1μm〜1mmがより好ましい。これは、二次粒子径が100nm以下になるまで粉砕した場合、ナノファイバーによる共連続な構造が壊れ、十二分な結着力及び導電パスを得ることが困難となり、電気的な抵抗が増大するためである。また、二次粒子径が5mm以上の場合、結着剤として機能するバクテリア産生ゲルが十二分に分散せず、正極をシート状に維持することが困難となる。
また、バクテリア産生炭化セルロースは、気孔率が高く、密度が低いため、バクテリア産生炭化セルロースを単独で粉砕した場合、粉砕時または粉砕後にバクテリア産生炭化セルロースの粉末が舞い、取扱いが困難である。そのため、バクテリア産生炭化セルロースに溶媒を含浸させてから粉砕することが好ましい。ここで用いる溶媒は、特に限定されないが、例えば、水(HO)などの水系または、カルボン酸、メタノール(CHOH)、エタノール(COH)、プロパノール(COH)、n−ブタノール、イソブタノール、n−ブチルアミン、ドデカン、不飽和脂肪酸、エチレングリコール、ヘプタン、ヘキサデカン、イソアミルアルコール、オクタノール、イソプロパノール、アセトン、グリセリンなどの有機系であり、これらから2種類以上を混合してもよい。
また、バクテリア産生ゲル及びバクテリア産生炭化セルロースを同時に粉砕することも可能でその際は、混合工程を省略することができ、好適である。
上記粉砕工程及び混合工程により作製した混合物はスラリー状であり、ステップS308,S309で、この混合スラリーを塗布し乾燥させることで、バクテリア産生炭化セルロースをシート状に加工すること(シート状の正極を形成すること)が可能である。また、この混合スラリーを乾燥する際に、恒温槽、真空乾燥機、赤外線乾燥機、熱風乾燥機、吸引乾燥機を用いてもよく、更に、アスピレーター等を用いて吸引濾過を行うことで、迅速に乾燥することができる。
上記の製造方法3で得られたシート状の正極は、公知の手順で所定の形状に成形して正極101とすることができる。例えば、得られたシート状バクテリア産生炭化セルロースを打ち抜き刃、レーザーカッターなどにより所望の長方形(例えば30mm×20mm)に切り抜いて正極とすればよい。
混合スラリーを乾燥させ、シート状にした後、所望の形状に加工してもよいが、この混合スラリーを塗布した後、乾燥させることで、シート状正極を所望の形状に加工することができる。塗布することで、切り抜き加工で生じる切れ端などの材料コストを軽減することができ、ユーザの好みによる任意形状の正極101を得ることができる。
次に、以下、負極103の作製について説明する。
[製造方法4]
製造方法4について図5を用いて説明する。図5は、製造方法4を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS401で、所定のマグネシウムを含む金属粉末と、バインダーと、導電助剤を混合させる(混合工程)。この混合工程では、マグネシウムを含む金属粉末と、バインダーと、導電助剤以外にも、溶媒を加えた方がよく、溶媒は、特に限定されないが、例えば、水(H2O)などの水系または、カルボン酸、メタノール(CH3OH)、エタノール(C25OH)、プロパノール(C37OH)、n−ブタノール、イソブタノール、n−ブチルアミン、ドデカン、不飽和脂肪酸、エチレングリコール、ヘプタン、ヘキサデカン、イソアミルアルコール、オクタノール、イソプロパノール、アセトン、グリセリンなどの有機系であり、これらから2種類以上を混合してもよい。
混合工程は、例えば、マグネチックスターラー、撹拌機、ミキサー、自転公転ミキサー、真空撹拌脱泡ミキサー、混合器、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、高速回転せん断型撹拌機、コロイドミル、ロールミル、高圧噴射式分散機、回転ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、アトライターなどを使用して、マグネシウムを含む金属粉末と、バインダーと、導電助剤を含むスラリーを作製する。
混合するマグネシウムを含む金属粉末は、純マグネシウム及びマグネシウムを主とする合金が可能である。マグネシウムを主とする合金は、例えば、AZ31、AZ31B、AZ61、AZ91、AMX601、AMX602、AZX611、AZX612、AM50、AM60、LZ91が挙げられる。
マグネシウムを含む金属粉末の合成には、従来のマグネシウム粉末の合成手法を用いることが可能で、特に限定はされないが、例えば、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、遠心力アトマイズ法、メルトスピニング法、回転電極法、スタンプ・ミル法、ボールミル法、メカニカルアロイング法、酸化物還元法、塩化物還元法、湿式治金法、電解法カーボニル反応法、水素プラズマ照射法が挙げられる。
マグネシウムを含む金属粉末の粒径は、10nm〜5μmがよく、20nm〜2μmが好適である。これは、粒子が大きすぎる場合、後述する工程で、塗布及び乾燥を実施した際に、粒子同士のコンタクトが取りにくく、電気伝導性が低下するためである。また、粒子が細かすぎる場合、酸化反応が進行し、マグネシウムが不活性化する可能性がある。また、場合によっては、酸化反応が急激に進行することで、マグネシウム金属が燃焼し、火災事故につながる恐れがある。
混合するバインダーは、後述するスラリーの乾燥工程後に粒子同士が結着すれば、特に限定されないが、一般的にフッ素を含有した樹脂が用いられており、廃棄等により燃焼させた際に、フッ酸が発生する。そのため、安全性向上及び環境負荷低減といった改善の余地が存在している。そのため、フッ素を含有しておらず、食品添加物等にも使用されている、アラビアガム、アンギン酸ナトリウム、カードラン、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、キトサン、グアーガム、こんにゃく粉、サイクロデキストリン、ゼラチン、タマリントガム、タラガム、デキストリン、デンプン、アルファ化デンプン、プルラン、ペクチン、卵白、ローカストビーンガム、プロピレングリコール、グリセリン、大豆タンパク、CMC、セルロース、バクテリア産生セルロース等がよく。上述の製造方法3で作製した、粉砕したバクテリア産生セルロースを用いることで、ナノファイバーが3次元に絡まった構造が強固にマグネシウムを含む金属粉を結着するため、バインダーに好適である。また、正極101を合成する際に必要な材料であり、同一材料を使用することが可能となり、コスト面で有利である。
混合する導電助剤は、例えば、バクテリア産生炭化セルロース、カーボン粉末、導電性高分子がよく、マグネシウムを含む金属粉末との結着性が高い導電性高分子が好適である。導電性高分子は、例えば、脂肪族共役系であるポリアセチレン、芳香族共役系であるポリ(p−フェニレン)、混合型共役系であるポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチエニレンビニレン、複素環共役系であるポリピロール、ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン(以下PEDOT)、含ヘテロ原子共役系であるポリアニリン、複鎖型共役系であるポリアセン、ポリフルオレン、二次元共役系であるグラフェンが挙げられ、導電性が良好であり、導体状態での環境安定性に優れているPEDOTが好適である。
このマグネシウムを含む金属粉末、バインダー、導電助剤を含む混合スラリーを製造方法3と同様に、ステップS402,S403で、塗布(塗布工程)、乾燥(乾燥工程)、することで、負極103を作製すること(シート状の負極を形成すること)ができ、マグネシウム箔を用いるより、材料コストを抑えることが可能で、薄く、柔軟性のある負極103が作製可能となる。
次に、以下、セパレータ102の作製について説明する。
[製造方法5]
製造方法5について図6を用いて説明する。図6は、製造方法5を説明するためのフローチャートである。
ステップS501〜S503で、前述した、製造方法3と同様にバクテリア産生ゲル(バクテリア産生セルロース)を粉砕(粉砕工程)、塗布(塗布工程)、乾燥(乾燥工程)、することで、セパレータ102を作製すること(シート状のセパレータを形成すること)ができる。従来のポリエチレンセパレータやポリプロピレンセパレータでは、セパレータを塗布により製造することが困難であったが、本実施の形態によると、前述の通り高強度のセパレータを塗布により製造可能であり、ユーザの好みによる任意形状のセパレータ102を得ることができる。具体的には、例えば、5〜100μm程度の厚みの範囲で電極間の短絡が無く十分な性能が得られる電池を作製することができる。
以下、実施例を用いてより詳細に説明する。はじめに、実際に用いたマグネシウム空気電池の構成について図7を用いて説明する。図7は、マグネシウム空気電池のより詳細な構成例を示す概略構成図である。
[実施例1]
はじめに、実施例1について説明する。実施例1は、バクテリア産生炭化セルロースをマグネシウム空気電池の正極として使用する例である。正極101を、以下のようにして合成した。なお、以下に示す気孔率は、バクテリア産生炭化セルロースを水銀圧入法により求めた細孔径分布から、細孔を円筒形とモデル化して算出した。
まず、酢酸菌であるアセトバクター・キシリナム(Acetobacter xylinum)産生のバクテリアセルロースゲルとして、ナタデココ(フジッコ製)を用い、発泡スチロール製の箱中で液体窒素中に30分間浸すことでバクテリア産生ゲルを完全に凍結させた。バクテリア産生ゲルを完全に凍結させた後、凍結させたバクテリア産生ゲルをシャーレ上に取り出し、これを凍結乾燥機(東京理科器械株式会社製)により10Pa以下の真空中で乾燥させることで、バクテリア産生キセロゲルを得た。真空中で乾燥させた後は、窒素雰囲気下で1200℃、2時間の焼成により、バクテリア産生キセロゲルを炭化させ、これにより正極101を作製した。
得られた、バクテリア産生炭化セルロースは、XRD測定、SEM観察、気孔率測定、引張試験、BET比表面積測定を行い、評価した。このバクテリア産生炭化セルロースは、XRD測定よりカーボン(C,PDFカードNo.01−071−4630)単相であることを確認した。なお、PDFカードNoは、国際回折データセンター(International Centre for Diffraction Data,ICDD)が収集したデータベースであるPDF(Powder Diffraction File)のカード番号であり、以下同様である。また、SEM観察により、直径20nmのナノファイバーが連続に連なった、共連続体であることを確認した。これは、炭化前のバクテリア産生キセロゲルおよび炭化後のバクテリア産生炭化セルロースが、ナノファイバーによる共連続体なセルロースであることを示す。
また、水銀圧入法によりバクテリア産生炭化セルロースのBET比表面積測定を測定したところ、830m/gであった。また、水銀圧入法によりバクテリア産生炭化セルロースの気孔率を測定したところ、99%以上であった。更に、引張試験の結果から、引張応力により歪が80%加えられても、弾性領域を超えず、応力印加前の形状に復元することを確認し、炭化した後も優れた伸縮性を有する。
次に、バクテリア産生炭化セルロースに水を含浸させた後に、ホモジナイザー(エスエムテー製)でバクテリア産生ゲル及びバクテリア産生炭化セルロース(バクテリア産生ゲル:バクテリア産生炭化セルロースの重量比1:1)を12時間撹拌することで、粉砕・混合を行った。この混合物はスラリー状であり、和紙104上にスキージを用いて、厚さ3mmで30mm×20mmで塗布し、恒温槽を用いて、60℃で24時間乾燥させ、正極101を作製した。
次に、セパレータ102の作製方法について説明する。セパレータ102は、正極101と同様に、バクテリア産生ゲルを作製後、ホモジナイザーでバクテリア産生ゲルを12時間撹拌し、作製した正極101上にスキージを用いて、厚さ3mmで20mm×20mmで塗布し、恒温槽を用いて、60℃で24時間乾燥させ、セパレータ102を作製した。
次に、負極103の作製方法について説明する。負極103には、マグネシウムに亜鉛1重量%、カルシウム2重量%、アルミニウム6重量%含有した難燃性マグネシウムAZX612(権田金属製、以下、AZX612)を使用した。このAZX612を金属ナノ粒子製造装置(アトーテック製)により、水素プラズマを照射することで、AZX612のナノ粒子を合成した。このナノ粒子をSEM観察したところ、平均粒子径が100nm程度であり、また、ICP発光分析の結果より、粒子化しても組成ずれが生じていないことを確認した。
次に、負極103の結着剤として、バクテリア産生ゲルを粉砕する。バクテリア産生ゲルは実施例1と同様に作製し、ホモジナイザー(エスエムテー製)を用いて12時間撹拌することで、粉砕した。この粉砕物はスラリー状である。
導電助剤には、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリアニオンポリ(スチレンスルホン酸塩)の混合物からなる水分散液(5.0重量%、Orgacon EL−P−5015、シグマアルドリッチ製、以下、PEDOT/PSS)を使用した。
これら、マグネシウムを含む金属粉末およびスラリー状のバクテリア産生ゲルおよびPEDOT/PSSを、ボールミルを使用して24時間撹拌することで、混合し、負極用スラリーを作製した。
作製した負極用スラリーを、先ほど同様、スキージを用いて、厚さ3mmで20mm×20mmでセパレータ102上に塗布し、恒温槽を用いて、60℃で24時間乾燥させた。
電解質は、塩化カリウム(KCl、関東化学製)を1mol/Lの濃度で純水に溶解した溶液を用い、電池性能を測定する直前にスポイトを用いて、負極部に満遍なく滴下することで、電池反応を開始させた。
次に、作製したマグネシウム空気電池の電池性能を測定するため、放電試験を実施した。マグネシウム空気電池の放電試験は、市販の充放電測定システム(北斗電工社製、SD8充放電システム)を用い、正極の有効面積当たりの電流密度で0.1mA/cmを通電し、開回路電圧から電池電圧が、0Vに低下するまで測定を行った。電池の放電試験は、25℃の恒温槽内(雰囲気は通常の生活環境下)で測定を行った。放電容量は、負極の重量当たりの値(mAh/g)で表した。実施例1における初回の放電曲線を図8に示す。
図8に示すように、本実施例の電池の平均放電電圧は1.35Vであり、放電容量は370mAh/gであることが分かる。なお、平均放電電圧は、電池の放電容量(本実施例では370mAh/g)の1/2の放電容量(実施例1では185mAh/g)の時の電池電圧とする。
[比較例1]
一方、塗布により製造していない比較例として、マグネシウム空気電池の正極、セパレータ、負極を一般的なマグネシウム空気電池の電極を用いて作製した。
まず、正極の作製方法について説明する。ケッチェンブラック粉末(ライオン製)およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末(ダイキン製)を50:30:20の重量比で、らいかい機を用いて十分に粉砕および混合し、ロール成形して、シート状電極(厚さ:0.5mm)を作製した。このシート状電極を実施例1同様に30mm×20mmで切り抜き正極を得た。
セパレータは、市販のセルロース系コットン(ベンコットン、旭化成製)を打ち抜き刃、レーザーカッターなどにより20mm×20mmの長方形に切り抜くことで調整した。
負極は、市販の金属マグネシウム箔(厚さ200μm、ニラコ製)を、打ち抜き刃、レーザーカッターなどにより20mm×20mmの長方形に切り抜くことで調整した。
試験装置、評価方法は、実施例1と同様である。比較例1の測定結果を図8に示す。図8から、実施例1より、放電容量、平均放電電圧共に、小さな値を示した。
また、測定後に比較例1の正極を観察したところ、正極の一部が崩れていることが確認された。これは、複数のナノファイバーが分岐を有することで三次元ネットワーク構造とされた共連続体を正極に用いたことにより、放電時においてスムーズに反応が行われ、更に、塗布により電池を作製したため、接着力が強く、抵抗値が低下したことによると考えられる。
以上の結果より、本実施の形態におけるマグネシウム空気電池は、公知の材料による電極を用いたマグネシウム空気電池よりも、優れた性能を有していることが確認された。
以上に説明したように、本実施の形態によれば、マグネシウム空気電池は、空気を活物質とする正極と、マグネシウムを含んで構成された負極と、前記正極と前記負極とに接するように配置されたセパレータとを備え、正極は、バクテリア産生ゲルとバクテリア産生炭化セルロースとを混合した混合物で構成され、負極は、マグネシウムを含む金属粉末と、バインダーと、導電助剤とを混合した混合物で構成され、セパレータは、バクテリア産生ゲルで構成されているので、前記正極及び前記負極及び前記セパレータを塗布により製造することができ、また、優れた電池性能を得ることができる。
このような構成を備えることにより、電池の構成部材をすべて環境負荷の低い自然に還る材料を用いて従来よりも材料コストが抑えられるとともに、従来このような材料を用いる際に塗布による製造が困難であった電池構成部材についても十分な強度と特性を示す薄膜の作製が可能となることから、極めて環境負荷が低く、電池のすべての構成部材を塗布法により形成でき、高性能な薄型マグネシウム空気電池でユーザの要求仕様に合わせた任意の厚み・形状のものを低コストで実現することができる。
このようなマグネシウム空気電池は、日常生活で容易に使い捨てることが可能であるため、小型デバイス、センサ端末、医療用機器を始めとし、種々のシチュエーションで有効利用することができる。
なお、特許請求の範囲で請求する各請求項の本発明は、以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
101…正極、102…セパレータ、103…負極、104…和紙、S102…凍結工程、S103…乾燥工程、S104…炭化工程、S201…含浸工程、S202…加熱工程、S301…粉砕工程、S302…ゲル生産工程、S303…凍結工程、S304…乾燥工程、S305…炭化工程、S306…粉砕工程、S307…混合工程、S308…塗布工程、S309…乾燥工程、S401…混合工程、S402…塗布工程、S403…乾燥工程、S401…混合工程、S402…塗布工程、S403…乾燥工程、S501…粉砕工程、S502…塗布工程、S503…乾燥工程

Claims (8)

  1. 空気を活物質とする正極と、
    マグネシウムを含む負極と、
    前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータと、を備え、
    前記正極は、バクテリアが生産し、セルロースのナノファイバーが分散したバクテリア産生セルロースと、前記バクテリア産生セルロースを炭化したバクテリア産生炭化セルロースとを混合した混合物で構成され、
    前記負極は、マグネシウムを含む金属粉末と、バインダーと、導電助剤とを混合した混合物で構成され、
    前記セパレータは、
    バクテリアが生産し、セルロースのナノファイバーが分散したバクテリア産生セルロースで構成されていることを特徴とするマグネシウム空気電池。
  2. 請求項1に記載の正極を製造する正極製造方法において、
    バクテリアを用いて、セルロースのナノファイバーが分散したバクテリア産生セルロースを生成する生産工程と、
    当該バクテリア産生セルロースを凍結して凍結体を得る凍結工程と、
    前記凍結体を真空中で乾燥して乾燥体を得る乾燥工程と、
    前記乾燥体をガス雰囲気で加熱することでバクテリア産生炭化セルロースを得る炭化工程と、
    を備えることを特徴とするマグネシウム空気電池の正極製造方法。
  3. 前記生産工程で生成したバクテリア産生セルロースを粉砕する粉砕工程と、
    前記炭化工程で得たバクテリア産生炭化セルロースを粉砕する粉砕工程と、
    当該バクテリア産生セルロースと当該バクテリア産生炭化セルロースとを混合してスラリー状の混合物を得る混合工程と、
    前記スラリー状の混合物を塗布することで正極を形成する塗布工程と、
    を更に備えることを特徴とする請求項2に記載のマグネシウム空気電池の正極製造方法。
  4. 前記乾燥体は、
    ナノファイバーが連続に連なった共連続体なセルロースであるバクテリア産生キセロゲルであることを特徴とする請求項2又は3に記載のマグネシウム空気電池の正極製造方法。
  5. 請求項1に記載の負極を製造する負極製造方法において、
    マグネシウムを含む金属粉末と、バインダーと、導電助剤とを混合してスラリー状の混合物を得る混合工程と、
    前記スラリー状の混合物を塗布することで負極を形成する塗布工程と、
    を備えることを特徴とするマグネシウム空気電池の負極製造方法。
  6. 前記バインダーは、
    バクテリア産生セルロースで構成されることを特徴とする請求項5に記載のマグネシウム空気電池の負極製造方法。
  7. 前記導電助剤は、
    バクテリア産生炭化セルロース、カーボン粉末、導電性高分子のうち少なくとも1つで構成されることを特徴とする請求項5又は6に記載のマグネシウム空気電池の負極製造方法。
  8. 請求項1に記載のセパレータを製造するセパレータ製造方法において、
    バクテリアが生産し、セルロースのナノファイバーが分散したバクテリア産生セルロースを粉砕してスラリー状の粉砕物を得る粉砕工程と、
    前記スラリー状の粉砕物を塗布することでセパレータを形成する塗布工程と、
    を備えることを特徴とするマグネシウム空気電池のセパレータ製造方法。
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