JP5739831B2 - 空気電池用材料及びこれを用いた全固体空気電池 - Google Patents

空気電池用材料及びこれを用いた全固体空気電池 Download PDF

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Description

本発明は、空気電池における電解質と負極を共に含む空気電池用材料及びこれを用いた全固体空気電池に関する。
金属−空気電池は、エネルギー密度(電池重量に対する放電可能な電力量)が高い電池として注目されている。金属−空気電池は通常、金属極(負極)、電解質、空気極(正極)から構成され、金属極としては鉄、亜鉛、アルミニウムなどの適用が期待されている。亜鉛−空気電池は充放電によりデンドライトが形成するという問題があり、またアルミニウム−空気電池は充電が困難であるという問題がある。一方、鉄−空気電池は、充電過程でデンドライトを形成しないことから、金属−空気電池として有望であるが、鉄は放電反応によって表面が不動態化するため、理論容量よりも低容量になるなどの問題がある。
例えば、非特許文献1では、鉄の利用効率向上のため、鉄と炭素材料とを複合化したり、鉄を微細化して負極材料としている。
J.Yamaki, et al., J. Power Sources, 196(2011) 8154
電解質としては、液漏れや凍結などの問題がない点で、液体電解質よりも固体電解質の方が有利であり、近年では、有機高分子ゲル電解質を用いる電池が開発されている。しかし、有機高分子ゲル電解質は可燃性であるため、電池が破損した場合には、可燃性成分によって爆発的な破壊を生じる危険性もある。
そこで、上記した有機溶媒電解液や有機高分子ゲル電解質の問題点を解決するため、本発明者らは固体電解質の主成分を非有機物で形成し、既に出願している(特願2011−192049号。以下、「先願」と呼ぶ)。
しかし、固体電解質を用いた電池では、一般に、固体電解質と金属極の界面の抵抗が大きく、電池の特性が十分に確保できない場合がある。また、金属−空気電池の金属極、電解質、空気極として、粉末状材料を用いた場合、それぞれの材料を混合して圧力を印加することによって電池を形成するが、粉末同士の接触が不十分なことがあり、電池特性が不十分となる恐れがある。
本発明では、固体電解質として先願に開示のゲル状固体電解質材料と同様の電解質を、負極として鉄系材料を用い、負極材料の利用効率を向上させた全固体空気電池を得ることを目的とする。
上記課題を解決した本発明は、周期表第4族、13族又は14族の元素の酸化物と塩基性水酸化物を含み、前記酸化物に酸化鉄が担持されていることを特徴とする空気電池用材料である。なお前記酸化物の内接円の直径が1nm以上10μm以下であることが好ましい。この時の内接円の規定とは、前記酸化物が粒子状である場合には粒子外形とし、柱状である場合には、最も長尺となる方向を法線方向とする面から酸化物を観察した際に見られる結晶粒を示すものとする。またこの所定の大きさの酸化物の表面には前記塩基性水酸化物及び/又は前記酸化鉄が付着していることが好ましい。前記酸化物がZr酸化物であることや、前記塩基性水酸化物がアルカリ金属水酸化物であることが好ましい。また、前記酸化鉄は、例えばFe34である。
前記空気電池用材料は、塩基性水酸化物の存在下、酸化物に鉄アセチルアセトナートの溶液を含浸させた後、熱処理して製造されることが好ましい。
本発明は、炭素から構成される正極と、導体及び上記記載の空気電池用材料から構成される全固体空気電池も包含する。
本発明の空気電池用材料を全固体空気電池に適用すると、充電・放電で前記酸化鉄の酸化量が変化し、Fe23もしくはFeとなる場合がある。このため、本発明は、上記した全固体空気電池において、前記空気電池用材料における前記酸化鉄の少なくとも一部がFe23又はFeなどで置き換えられた態様も包含する。
本発明では、酸化鉄が空気電池の負極として作用し、酸化物及び塩基性水酸化物が空気電池の固体電解質として作用し得、酸化鉄が酸化物に担持されているため、負極と固体電解質が十分に接触しており、良好な電池特性を実現できる。
固体電解質に酸化鉄を担持させる手順を示したフローチャートである。 酸化鉄が担持される前後の固体電解質のXRDパターンを示すグラフである。 空気電池の充放電特性を示すグラフである。 実施例のKOH−ZrO2電解質のTEM像を示す写真である。 実施例の酸化鉄を担持したKOH−ZrO2電解質のTEM像写真とTEM−EDX分析結果である。 実施例の酸化鉄を担持したKOH−ZrO2電解質のSTEM像観察とTEM−EDXマッピング結果である。
本発明の空気電池用材料は、周期表第4族、13族又は14族の元素の酸化物と塩基性水酸化物を含み、且つ前記酸化物には酸化鉄が担持されている。酸化物及び塩基性水酸化物は、空気電池の電解質として作用し、前記酸化鉄は空気電池の負極として作用する。本発明では塩基性水酸化物が空気電池用材料中に微細かつ均一に含まれているため、電解質内のOH-イオンの移動が容易であり、且つ酸化物に担持した酸化鉄も空気電池用材料中に微細かつ均一に含まれているために電解質と負極とを良好に接触させることができるため、空気電池の性能を向上できる。
前記酸化物は、通常、粒状で存在するか、柱状薄膜を形成しており(好ましくは粒状で存在しており)、塩基性水酸化物及び/又は酸化鉄(好ましくはその両方)は前記酸化物の表面に存在していることが好ましい。この様な酸化物を空気電池材料中に微細かつ均一に分散すると、簡便に固体電解質部分(酸化物、塩基性水酸化物)と負極部分(酸化鉄)とを高度に均一分散させることができ、空気電池の性能が向上する。
前記酸化物の大きさは、例えば、TEM画像を観察し、得られた像から線分法を用いて算出することによって決定できる。TEM画像における酸化物の最大内接円の平均直径は、例えば、1nm以上10μm以下であることが好ましく、3nm以上100nm以下であることがより好ましく、5nm以上50nm以下であるとさらに好ましい。この時の内接円の規定とは、前記酸化物が粒子状である場合には粒子外形とし、柱状である場合には、最も長尺となる方向を法線方向とする面から酸化物を観察した際に見られる結晶粒を示すものとする。酸化物が大きすぎると、効率よく塩基性水酸化物、酸化鉄を分散させることが出来ないためイオン伝導度が低下することがある。また酸化物が小さすぎると、塩基性水酸化物、酸化鉄を均一に分散させることができず、好ましくない。
前記所定の大きさの酸化物の表面に付着する塩基性水酸化物及び酸化鉄の平均膜厚(前記TEM画像によって決定できる)は、酸化物の平均直径を1とした時、例えば、1/20以上、1以下であることが好ましく、1/10以上、1/5以下であることがより好ましい。或いは塩基性水酸化物及び酸化鉄の平均粒径(前記TEM画像によって決定できる)が求まる場合には、当該平均粒径が、酸化物の平均直径を1とした時、例えば、1/20以上、1以下であることが好ましく、1/10以上、1/5以下であることがより好ましい。塩基性水酸化物及び酸化鉄の膜厚或いは粒径が大きすぎると、酸化物を均一に分散させることが出来ない。また塩基性水酸化物及び酸化鉄の膜厚或いは粒径が小さすぎると、十分なイオン伝導性が得られない。
上記酸化物は、周期表第4族、13族又は14族の元素の酸化物であり、特にZr、Al及びSiから選択される少なくとも1種の酸化物であることが好ましく、Zr酸化物であることがより好ましい。Zr酸化物の結晶系は例えば正方晶である。該酸化物は、例えば、周期表第4族、13族又は14族の元素と酸素の結合がネットワークを形成してゲル状化物になっていることが好ましく、他の基(アルコキシ基)などが結合または残留していても良い。
上記空気電池用材料は、酸化物と共に塩基性水酸化物を含んでおり、塩基性水酸化物によって水酸化物イオンを高度に伝導できる。前記塩基性水酸化物としては、OH-イオンを遊離し得る化合物が使用できる。好ましい塩基性水酸化物としては、OH-イオンを完全解離できる強アルカリが挙げられ、例えばアルカリ金属水酸化物、水酸化アンモニウム塩などが例示でき、特にアルカリ金属水酸化物が好ましい。アルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられ、特に水酸化カリウムが好ましい。
上記酸化物には、酸化鉄が担持されており、すなわち空気電池の電解質材料と負極が良好に接触しており、空気電池の特性を向上できる。酸化鉄は、Fe34であることが好ましい。
本発明の空気電池用材料は、塩基性水酸化物の存在下、酸化物に鉄アセチルアセトナートの溶液を含浸させた後、熱処理することによって製造できる。具体的には、例えば、塩基性水酸化物と酸化物を含む電解質材料を作製しておき、この電解質材料に鉄アセチルアセトナートの溶液(例えば、ベンジルアルコール溶液)を含浸させて、熱処理すれば良い。熱処理は、溶媒を乾燥させた後、窒素雰囲気などの不活性雰囲気下、300〜500℃で行えば良い。熱処理時間は限定されないが、例えば1〜5時間程度である。
鉄原子換算の鉄アセチルアセトナート量と、電解質材料(酸化物及び塩基性水酸化物)の量との質量比(前者/後者)は、例えば1/6〜1/20である。
塩基性水酸化物と酸化物を含む電解質材料は、例えば塩基性水酸化物の存在下、周期表第4族、13族又は14族の元素のアルコキシド(以下、単にアルコキシドと呼ぶ)のアルコール溶液を撹拌し、20〜60℃程度で保持してゾルを生成し、このゾルを熱処理することによって製造できる。熱処理温度は、塩基性水酸化物が無機系である場合は、例えば600〜800℃とすれば良く、これによって得られる酸化物の結晶性を高めることができる。一方、塩基性水酸化物が有機系である場合は例えば70〜150℃(好ましくは100〜120℃)とすれば良い。
アルコキシドとしては、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド、ペントキシドなどの炭素数1〜10程度(好ましくは2〜7程度)が使用できる。このアルコキシドを溶解するためのアルコールは、揮発性である限り特に限定されないが、メタノール、エタノールが使用でき、特にエタノールが好ましい。
アルコキシドとアルコール溶液とのモル比は(前者/後者)は、例えば1/15〜1/5程度であり、好ましくは1/13〜1/7であり、さらに好ましくは1/11〜1/9である。また、アルコキシドと塩基性水酸化物とのモル比は、例えば1/5〜5程度であり、好ましくは1/3〜3であり、より好ましくは1/2〜2である。
本発明の空気電池用材料は、炭素から構成される正極と、導体とともに、空気電池を構成することができる。このような空気電池において、空気電池用材料中の酸化鉄と導体が、負極として作用し、空気電池用材料中の酸化物と塩基性水酸化物が固体電解質として作用する。そして本発明によれば負極材料と固体電解質材料とが微細かつ均一に混合されているため、負極材料の利用効率を向上させることができる。
前記導体としては、例えば導電性炭素が挙げられる。また、炭素から構成される正極は、炭素以外の他の成分を含んでいてもよく、例えばPtやMnO2などの、酸素の還元反応を促進可能な触媒を含んでいることが好ましい。
上記空気電池は、空気電池用材料、導体、炭素から構成される正極を積層して、例えば室温〜500℃、100MPa以下、1〜100分の条件でプレスすることによって製造できる。この際、空気電池用材料及び導体は先に混合しておいても良い。空気電池用材料と、導体(例えば導電性炭素)の質量比(前者/後者)は、0.3 〜1である。
本発明の空気電池用材料は、固体電解質と負極が良好に接触しているため、空気電池の性能を向上でき、産業上極めて有用である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前記、後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
テトラ−n−ブトキシジルコニウム(Zr(n−OBu)4)にエタノールと水酸化カリウム水溶液を加え、攪拌してゾルを調製した。なお、原料のモル比は、テトラ−n−ブトキシジルコニウム:エタノール:水:水酸化カリウム=1:10:3:1であった。得られたゾルを60℃で10日保持し、続いて800℃で5時間熱処理することによって、水酸化カリウムを含むジルコニア(KOH−ZrO2)ゲル粉末を作製した。
得られたKOH−ZrO2粉末(KOH−ZrO2電解質)をXRD測定した結果、正方晶のZrO2であることが分かった。また、KOH−ZrO2電解質を交流インピーダンス測定した結果、温度20℃、相対湿度60%におけるKOH−ZrO2電解質の導電率は9.2×10-3Scm-1、活性化エネルギーは15.8kJmol-1であり、十分な導電性を示した。
次に、KOH−ZrO2電解質のTEM像観察とTEM−EDS分析を行った。結果を図4に示す。なお観察にあたっては、日立製作所製電界放出形透過電子顕微鏡「HF−2200」を用い、粉末を樹脂埋めする形で行った。図4(a)(b)からわかるように、20〜50nmサイズの粒子が見られている。図4(b)のポイント1(粒子内)及びポイント2(粒子界面)の組成分析結果は以下の通りであり、粒子部分(ポイント1)はZrとOからなりKはほとんど見られていない。対して粒子界面(ポイント2)ではK濃度が高い。この結果から、粒子部分はZrO2であり粒子界面(粒子表面)にKOHが存在していることがわかる。
[組成分析結果]
ポイント1(粒子内):
O:34.7at%、K:0.4at%、Zr:64.9at%
ポイント2(粒子界面):
O:32.8at%、K:2.2at%、Zr:65.0at%
次に、図1に示すフローチャートに従って、上記KOH−ZrO2電解質に以下の処理を行った。すなわち、前記KOH−ZrO2電解質に鉄アセチルアセトナートのベンジルアルコール溶液を含浸させ(図1のS1)、30分間超音波分散させた(図1のS2)。この時、鉄アセチルアセトナート中の鉄とKOH−ZrO2電解質との質量比は、(0.05〜0.17):1であった。該溶液を210℃で5時間乾燥させ(図1のS3)、N2雰囲気で400℃、2時間熱処理することによって(図1のS4)、KOH−ZrO2粉末に酸化鉄を担持させた(酸化鉄担持KOH−ZrO2電解質)。この酸化鉄担持KOH−ZrO2電解質をXRD測定した結果を図2に示す。図2(After heatingの回折チャート)によれば、前記酸化鉄はFe34(マグネタイト)であることが分かった。
次に、酸化鉄を担持したKOH−ZrO2電解質粉末を用いて作製した電池セルをFIBで加工し、TEM像観察とTEM−EDS分析を行った。結果を図5(a)(b)(c)に示す。図5(b)は、図5(a)の領域3に対するEDS分析結果であり、図5(c)は図5(a)の領域4に対するEDS分析結果である(なお、図5(b)、(c)で検出されているCおよびCuはステージ成分であり、測定物質とは無関係である)。図5(a)(b)からわかるように、粒子Aは前述のZrO2に該当する。そして図5(a)では、この粒子Aに付着する粒子Bが見られており、領域(4)のEDS分析(図5(c))により粒子BではKおよびFeが検出されている。このことから、粒子BはKOH・酸化鉄により形成されていることがわかる。
次に、STEM像観察とTEM−EDXマッピングを行った結果を図6に示す。なお観察にあたっては、日立製作所製電界放出形透過電子顕微鏡「HF−2200」、Noran社製EDX分析装置「System SIX」を用いて加速電圧200kv、ビーム径約1nmの条件で観察および分析を行った。図6からわかるように、粒子Bがみられていない部分においてもFe・Kが検出されており、粒子BだけでなくKOHと酸化鉄が均一微細に分散した固体電解質が観察されていることがわかる。また、このKOHと酸化鉄が均一微細に分散していることが、イオン伝導媒体であるKOHとFeの接触面積を増大させ、KOHによる効率の良いイオン伝導性を付与しているといえる。
空気電池は、正極、電解質、負極を一軸加圧成形機でプレス(温度20℃、圧力100MPa)することにより作製した。正極は、カーボンペーパーに、カーボンとMnO2のエタノールスラリーを、MnO2が1mg/cm2となるように塗布したものを用いた。また、電解質及び負極としては、上記した酸化鉄担持KOH−ZrO2電解質とカーボン粉末が質量比(前者/後者)で1:2となるように混合したものを用い、これを前記正極とともにプレスした。
比較例1
実施例1における、酸化鉄を担持させる前のKOH−ZrO2電解質、鉄粉、カーボン粉末を混合して、実施例1と同様の条件でプレスし、空気電池を作成した。なお、KOH−ZrO2電解質とカーボン粉末との混合比は質量比(前者/後者)で、12:1であった。
上記実施例1及び比較例1の空気電池について、温度20℃、相対湿度60%で発電(充電−放電)試験を行った。図3(A)に、充電レート0.5mA/cm2で定電流充電試験を行った際の結果を、図3(B)に、放電レート0.1mA/cm2で定電流放電試験を行った際の結果を示す。
図3において、(a)が実施例1であり、(b)が比較例1である。図3より、実施例1では、充電により電圧が0.86Vに上昇し、1.5mAh/gの放電容量が得られ、比較例1では、充電により電圧が0.98Vに上昇し、0.6mAh/gの放電容量にとどまった。つまり、実施例1では、比較例1と比べて、充電電圧が低く、2.5倍もの放電容量が得られた。実施例1の放電容量が大きいのは、固体電解質に酸化鉄を担持させたことによって、酸化鉄と固体電解質の接触面積が増大し、鉄系材料(酸化鉄)の利用効率が向上したためと考えられる。

Claims (7)

  1. Zr、Al及びSiから選択される少なくとも1種の酸化物と塩基性水酸化物を含み、
    前記酸化物は、Zr、Al及びSiから選択される少なくとも1種の元素と酸素の結合がネットワークを形成してゲル状化物になっていると共に、粒状で存在しており、
    前記塩基性水酸化物は、アルカリ金属水酸化物又は水酸化アンモニウム塩であると共に、前記酸化物の表面に存在しており、
    前記酸化物に酸化鉄が担持されており、
    前記酸化鉄が負極として作用し、前記酸化物及び前記塩基性水酸化物が固体電解質として作用する空気電池用材料。
  2. 前記酸化物の内接円の直径が1nm以上10μm以下であり、かつこの所定の大きさの酸化物の表面には前記塩基性水酸化物及び/又は前記酸化鉄が付着している請求項1に記載の空気電池用材料。
  3. 前記酸化物がZr酸化物である請求項1又は2に記載の空気電池用材料。
  4. 前記塩基性水酸化物はアルカリ金属水酸化物である請求項1〜3のいずれかに記載の空気電池用材料。
  5. 前記酸化鉄は、Fe34である請求項1〜4のいずれかに記載の空気電池用材料。
  6. 塩基性水酸化物の存在下、酸化物に鉄アセチルアセトナートの溶液を含浸させた後、熱処理することによって製造される請求項1〜5のいずれかに記載の空気電池用材料。
  7. 炭素から構成される正極と、
    導体及び請求項1〜6のいずれかに記載の空気電池用材料とから構成されることを特徴とする全固体空気電池。
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