JP2014150056A - 金属−空気全固体二次電池用複合負極材料、およびこれを用いた金属−空気全固体二次電池 - Google Patents

金属−空気全固体二次電池用複合負極材料、およびこれを用いた金属−空気全固体二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】発電性能が高く、電気化学特性の良好な金属−空気全固体二次電池用複合負極材料を提供する。
【解決手段】本発明の金属−空気全固体二次電池用複合負極材料は、水酸化物イオンと反応して電子を放出する第1の金属または前記第1の金属の酸化物と、第2の金属の硫化物MaSb(式中、Mは第2の金属であって、且つ、周期表第1族、8族、14族、または15族の元素を表し;aおよびbは、Mの原子価に応じて電気的に中性となるように定められる値)と、を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属−空気全固体二次電池用複合負極材料、およびこれを用いた金属−空気全固体二次電池に関するものである。
二次電池の中で、現在最もエネルギー密度(電池質量に対する放電可能な電力量)が高いと考えられているのはリチウムイオン電池であるが、リチウムイオン電池のエネルギー密度を超える二次電池の一つとして、金属−空気二次電池が注目されている。金属−空気二次電池は、正極の反応物質が空気中の酸素であり、負極が金属である。この金属−空気二次電池の最大の特徴は、正極で大気中の酸素を活用しているため正極の反応物質の質量を理論上ゼロにできる点にある。電池の質量は、正・負電極での反応物質の重さと、反応を仲介する電解質の重さが大部分を占めるため、片方の電極の反応物質をゼロにできる金属−空気二次電池は、エネルギー密度を飛躍的に向上できる可能性がある。
従来、金属−空気二次電池は、炭素粉末などの導電材と酸素還元触媒とを組み合わせた空気極を正極とし、亜鉛、アルミニウム、鉄、水素などを負極とし、電解質としては例えばアルカリ性水溶液のような液体を備えるものであった。一般に、アルカリ性水溶液のような水溶液電解質は、アルカリ性が強いため腐食による液漏れを封止する必要があり、持ち運びの点で課題がある。また、水溶液を用いるためにエネルギー密度の向上には限界がある。例えば特許文献1には、イオン液体を用いた電池が提案されているが、高価であり、粘性が高いため電極界面の制御が難しいとともに、上述の通り液体であるために液漏れ等の課題は解決されていない。これに対して、近年、有機溶媒電解液や有機高分子ゲル電解質を用いた電池が提案されている。しかし、これらの電解質は揮発性や可燃性であるため、未使用状態での長期保存によって電解液が枯渇したり劣化したりする可能性がある。また電池が破損した場合には、可燃性成分により爆発的な破壊を生じる危険性もある。
よって、電解質を、上記のような有機溶媒電解液や有機高分子ゲル電解質でなく、非有機(無機)の固体電解質で形成することが望まれている。例えば特許文献2には、塩基性水酸化物とジルコニアゲルから構成されるKOH−ZrO2系固体電解質が、室温付近でも10-3S/cm程度の高い導電率を示し、これを用いた金属−空気全固体二次電池は充放電可能であることを開示している。また、負極材料として、負極のKOH−ZrO2系固体電解質表面に負極活物質である酸化鉄ナノ粒子を担持させたものを用いると、鉄粉を用いた場合よりも鉄の利用効率が向上し、金属−空気全固体二次電池の放電特性が向上することも開示している。しかしながら、上記方法によって得られた電池の最大放電容量は0.3mAh/gと小さく、鉄の利用効率の更なる向上が強く望まれている。
一方、特許文献3、並びに非特許文献1〜3には、水素発生の抑制と鉄−空気二次電池の充放電サイクル特性改善の観点から、電解液へ硫化カリウム(K2S)、硫化鉄(FeS)、硫化ビスマス(Bi22)などの金属硫化物を添加した金属−空気二次電池が開示されている。しかしながら、これらの文献ではすべて、アルカリ性水溶液の電解液を用いた実験を行なっており、固体電解質を用いたものは開示されていない。よって、これらの方法では、アルカリ性水溶液のような水溶液電解質の使用に伴う上記問題は、依然として解決されていないままである。
特開2008−293678号公報 特開2012−74371号公報 特開2012−94509号公報
Bui Thi Hang, Tomonori Watanabe, Minato Egashira, Izumi Watanabe, Shigeto Okada, Jun-ichi Yamaki, "The effect of additives on the electrochemical properties of Fe/C composite for Fe/air battery anode", Journal of Power Sources 155 (2006) 461-469 Bui Thi Hang, Seong-Ho Yoon, Shigeto Okada, Jun-ichi Yamaki,"Effect of metal-sulfide additives on electrochemical properties of nano-sized Fe2O3-loaded carbon for Fe/air battery anodes", Journal of Power Sources 168 (2007) 522-532 T. S. Balasubramanian and A. K. Shukla, "Effect of metal-sulfide additives on charge/discharge reactions of the alkaline iron electrode", Journal of Power Sources, 41 (1993) 99-105
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、発電性能が高く、電気化学特性の良好な金属−空気全固体二次電池用複合負極材料、およびこれを用いた金属−空気全固体二次電池を提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明の金属−空気全固体二次電池用複合負極材料は、金属−空気全固体二次電池に用いられる負極材料であって、前記負極材料は、水酸化物イオンと反応して電子を放出する第1の金属または前記第1の金属の酸化物と、第2の金属の硫化物MaSb(式中、Mは第2の金属であって、且つ、周期表第1族、8族、14族、または15族の元素を表し;aおよびbは、Mの原子価に応じて電気的に中性となるように定められる値)と、を含むところに要旨を有するものである。
本発明の好ましい実施形態において、前記金属硫化物はアルカリ金属硫化物である。
本発明の好ましい実施形態において、前記負極材料は、更に固体電解質および導体を含み、前記負極材料を構成する材料は全て固体である。
本発明の好ましい実施形態において、前記第1の金属は鉄である。
本発明の好ましい実施形態において、前記第1の金属の酸化物は、前記導体に担持された酸化鉄ナノ粒子である。
本発明の好ましい実施形態において、前記第1の金属の酸化物は、前記固体電解質に担持された酸化鉄ナノ粒子である。
本発明には、上記のいずれかに記載の負極材料を金属極として含む金属−空気全固体二次電池も含まれる。例えば、炭素と酸素還元触媒を含む空気極と、固体電解質と、上記のいずれかに記載の複合負極材料を金属極として含む金属−空気全固体二次電池が挙げられる。
本発明の複合負極材料は、金属−空気二次電池用複合負極材料に用いられる金属(第1の金属)または上記金属の酸化物に加えて、金属硫化物を更に含んでいるため、充電−放電が可能であり、二次電池として十分に作動させることができ、電気化学特性に優れている。上記複合負極材料を金属極に備えた本発明の金属−空気全固体二次電池は、アルカリ性水溶液のような水溶液電解質を用いないため、安全性に優れている。
図1は、実施例1における鉄のサイクリックボルタモグラムを示すグラフであり、(A)は1mol/LのKOH水溶液を用いた例、(B)は1mol/LのKOH水溶液にKSを添加した例である。 図2は、実施例2で作製した円柱状電池の構成を示す概略図である。 図3は、実施例2で作製した電池の電流−出力曲線を示す図であり、(A)は負極材料としてスポンジ状鉄を用いた例、(B)は負極材料としてスポンジ状鉄とFeSを用いた例、(C)は負極材料としてスポンジ状鉄とK2Sを用いた例である。 図4は、実施例3で用いた、酸化鉄ナノ粒子を担持した固体電解質の作製手順を示す図である。 図5は、実施例3において、酸化鉄ナノ粒子を担持した固体電解質とFeSを用いて作製した電池の電流−出力曲線を示す図である。 図6は、実施例4において、酸化鉄ナノ粒子を担持した固体電解質とK2Sを用いて作製した電池の放電容量−電圧曲線を示す図である。 図7は、実施例4において、酸化鉄ナノ粒子を担持した固体電解質とK2Sを用いて作製した電池の放電容量のサイクル特性を示す図である。 図8は、実施例5において、酸化鉄ナノ粒子を担持したカーボンブラックと種々の金属硫化物を用いて作製した電池の放電容量のサイクル特性を示す図である。 図9は、実施例5において、酸化鉄ナノ粒子を担持したカーボンブラックと種々の金属硫化物を用いて作製した電池の、60サイクル目の充電曲線を示す図である。 図10は、実施例5において、酸化鉄ナノ粒子を担持したカーボンブラックと種々の金属硫化物を用いて作製した電池の、60サイクル目の放電曲線を示す図である。
本発明者らは、金属−空気全固体二次電池の金属極に用いられる新規な負極材料を提供するため、検討を行なった。その結果、従来の負極材料にMaSbで表される金属硫化物(例えばK2S、FeS、Bi23など)を添加したものを金属極に用いれば、当該金属極を有する電池の充電性能および放電性能が格段に向上し、好ましくは、放電曲線にプラトゥ領域(電位平坦部)を示す金属−空気全固体二次電池が得られることを見出し、本発明を完成した。
本明細書において第1の金属とは、金属−空気二次電池の金属極に通常用いられるものであって、水酸化物イオンと反応して電子を放出するものを意味する。
また本明細書において第2の金属とは、本発明を特徴付ける金属硫化物MaSbを構成する金属(M)であり、周期表第1族、8族、14族、または15族の金属元素を意味する。本明細書において、上記第1の金属と上記第2の金属とは、同一または異なっていても良い。
本明細書において複合負極材料とは、上記第1の金属または当該第1の金属の酸化物と、上記金属硫化物MaSbとが複合した状態で存在することを意味する。ここで「複合した状態で存在する」とは、例えば、上記金属硫化物が粉末(固体)のまま存在する態様;上記金属硫化物が部分的もしくは完全にイオン解離してカチオン(Mn+)とアニオン(S2-やHS-など)として存在する態様;カチオンとアニオンが水和状態のアコイオンや、カチオンとアニオンが上記第一の金属との反応により生じる化合物の状態で存在する態様などが挙げられる。
以下に詳述するように、本発明の複合負極材料は、金属−空気全固体二次電池を構成する負極(金属極)に用いられるものであり、下記(ア)および(イ)に大別される。
(ア)上記第1の金属または当該第1の金属の酸化物と、上記第2の金属Mの硫化物MaSbと、から構成。
(イ)上記(ア)の構成に加えて、更に固体電解質と、導体と、から構成。
以下では、説明の便宜上、前記(ア)の構成を「第1の負極材料」と呼び、上記(イ)の構成を「第2の負極材料」と呼ぶ。また、上記第1の金属または当該第1の金属の酸化物をまとめて「第1の金属など」で代表させる場合がある。
(第1の負極材料)
本発明に係る第1の負極材料は、上記第1の金属または当該第1の金属の酸化物と、上記第2の金属Mの硫化物MaSb(式中、aおよびbは、第2の金属Mの原子価に応じて電気的に中性となるように定められる値)と、から構成される。従来の金属−空気二次電池用複合負極材料と対比すると、本発明の複合負極材料は、負極材料中に上記金属硫化物MaSbを更に含むところに特徴がある。
はじめに本発明を最も特徴付ける上記金属硫化物MaSbについて説明する。
上記金属硫化物MaSbは、金属−空気全固体二次電池の負極材料中の水素発生を抑制し、充放電時の過電圧を小さくして、上記電池の発電性能を向上させる作用を有するものである。ここで、上記金属硫化物を構成するM(第2の金属)は、周期表第1族(Li、Na、K、Rb、Csなど)、第8族(Fe、Ru、Osなど)、第14族(Ge、Sn、Pbなど)、または第15族(Sb、Biなど)の金属元素を表し、aおよびbは、上記第2の金属Mの原子価に応じて電気的に中性となるように定められる値である。例えば、上記周期表第1族のアルカリ金属の原子価は+1であり、Sの原子価は通常、−2であるから、a=2、b=1となる。具体的には、Li2S、Na2S、K2S、Rb2S、Cs2Sが例示される。より好ましくはK2Sである。上記金属硫化物MaSbは、単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
ここで、第2の金属Mがアルカリ金属の場合を特にM2と表記すると、アルカリ金属の硫化物(M2)2Sは水と反応して下記(1)式の反応が生じ、水酸化物イオンを生成している可能性がある。
(M2)aSb+bH2O→ a×(M2+)+b×(HS-)+b×(OH-
・・・(1)
上記式(1)において、a=2、b=1を代入すると、式(1A)のようになる。
(M2)2S+H2O→ 2×(M2+)+(HS-)+OH- ・・・(1A)
上述した周期表第1族の元素のうち、好ましいのはKである。また、周期表第8族の元素のうち、好ましいのはFeである。また、周期表第14族の元素のうち、好ましいのはPbである。また、周期表第15族の元素のうち、好ましいのはBiである。
また、上述した周期表第1族、第8族、第14族、第15族の元素のうち、好ましいのは、周期表第1族のアルカリ金属、第8族、第15族の元素である。これらの元素は、特に、上述した負極材料中の水素発生抑制作用および電池の発電性能向上作用に優れている。また、周期表第15族の元素は、鉄の酸化膜(不動態皮膜)の形成が遅延されることで放電容量が増加する。このような効果は、上記元素としてBiを用いた場合(例えば、Bi23)に顕著に発現される。
本発明の複合負極材料(第1の負極材料)は、上述した金属硫化物MaSbと、第1の金属または当該第1の金属の酸化物とを含んでいる。前述したとおり、第1の金属は、金属−空気二次電池の金属極に通常用いられるものであって、第1の金属をM1とすると、下式(2)に示すように、水酸化物イオンと反応して電子を放出するものである。
M1+n(OH-)→M1(OH)n+ne- ・・・(2)
本発明に用いられる上記第1の金属は、金属−空気二次電池の金属極に通常用いられるものであれば特に限定されず、例えば、亜鉛、アルミニウム、リチウム、鉄、マグネシウムなどが挙げられる。上記第1の金属は、充電−放電状態により、その一部または全部が、金属(例えばFe)または金属酸化物(例えばFe23、Fe34)として存在する。好ましい第1の金属は、鉄、アルミニウム、マグネシウムである。このうちマグネシウムは、リチウムなどとは異なって豊富に存在する金属であり、電池の電圧向上作用が期待できる。
より好ましい第1の金属は鉄である。ここで鉄とは、鉄そのもののみならず、鉄合金や鉄含有物質も含む広い意味である。鉄は、酸化還元電位の絶対値は比較的小さいが、そのイオン化物(鉄イオン)が移動しないため、繰返し充放電しても金属極が安定するという利点を有する。また、鉄は安価で埋蔵量も多く、二次電池として使用してもデンドライトの形成が起きないため、安全な二次電池の提供が期待できる。
上記第1の金属の平均粒径は、例えば0.01〜10μmであることが好ましく、0.1〜5μmがより好ましい。このように平均粒径が微細な金属(金属粉または金属酸化物粉)を用いることにより、電池の性能が一層向上する。
また、上記第1の金属は、多孔質(スポンジ状)であることが好ましく、例えば、スポンジ状鉄が挙げられる。具体的には、上記の好ましい平均粒径を満足する多孔質材料の使用が好ましく、市販品を用いることもできる。
金属極(複合負極材料)に占める上記第1の金属などの好ましい含有割合は、例えば15原子%以上であり、より好ましくは20原子%以上、更に好ましくは30原子%以上である。なお、その上限は、90原子%以下であることが好ましく、70原子%以下であることが、より好ましい。
上記第1の金属などに対する上記金属硫化物MaSbの割合(金属硫化物/第1の金属など)は、放電容量や鉄の利用効率などを考慮すると、質量比で、0.01/1〜1/1程度であることが好ましい。
本発明において、上記金属硫化物MaSbを構成する第2の金属Mと、上記第1の金属とは、前述したように同一であっても良いし、異なっていても良い。
上述した第1の金属または当該第1の金属の酸化物、および金属硫化物MaSbの負極材料で構成される第1の負極材料において、金属極の厚さは、負極として十分に作用させるために、0.1mm以上であることが好ましい。その上限は特に限定されないが、負極材料内の電子抵抗や水酸化物イオンの伝導性などを考慮すると、おおむね、7mm以下であることが好ましい。
(第2の負極材料)
本発明に係る第2の負極材料は、上記第1の金属または当該第1の金属の酸化物と、上記第2の金属Mの硫化物MaSbと、導体と、固体電解質と、から構成される。安全性などを考慮すれば、負極材料を構成する材料は全て固体であることが好ましい。
ここで、本発明の負極材料に用いられる上記固体電解質を、金属−空気全固体二次電池に用いられ、負極材料以外に用いられる固体電解質と区別するため、説明の便宜上、本発明の負極材料に用いられる固体電解質を特に「第2の固体電解質」と呼び、金属−空気全固体二次電池に用いられる上記固体電解質を「第1の固体電解質」と呼ぶ場合がある。第1の固体電解質と、第2の固体電解質は、同一であっても良いし、異なっていても良い。
上記第2の負極材料において、上記第1の金属または当該第1の金属の酸化物と、上記金属硫化物MaSbは、前述した第1の負極材料に記載したものと同じであるため、説明を省略する。
上記導体は、金属−空気二次電池の負極材料に通常用いられるものであれば特に限定されず、例えば、カーボンブラックなどのカーボン、カーボン合金、炭化物などが挙げられる。上記導体の導入により、金属極を構成する第1の金属(第2の金属が第1の金属と同じ場合は、当該第2の金属も含む)が不動態化することによる電池のセル抵抗の上昇を軽減することができる。このような作用は、上記第1の金属が鉄またはアルミニウム(特に鉄)の場合、顕著に発揮される。
また、上記導体による作用を有効に発揮させるためには、上記第1の金属などに対する上記導体の割合(導体/第1の金属など)は、質量比で0.03/1〜0.3/1程度であることが好ましい。
上記第2の固体電解質は、金属−空気二次電池の金属極に通常用いられるものであれば特に限定されず、例えば、酸化物(たとえば、KOH−ZrO2)、キセロゲル、エアロゲル、層状複水酸化物(ハイドロタルサイト)や硫化物、高分子電解質などが挙げられる。金属極に上記第2の固体電解質を添加することにより、第1の金属の酸化によって生成する電子や、水酸化物イオンからの電子の授受を効率的に行うことができる。
上記第2の固体電解質による作用を有効に発揮させるためには、第1の金属などに対する第2の固体電解質の割合(第2の固体電解質/第1の金属など)は、質量比で、1/1〜10/1程度であることが好ましい。
上記第2の負極材料において、第1の金属に金属粒子を用いる場合には平均粒径は、例えば0.01〜10μmであることが好ましく、0.1〜5μmがより好ましい。このように平均粒径が微細な金属(金属粉または金属酸化物粉)を用いることにより、電池の性能が一層向上する。
また、上記第2の負極材料では、第2の固体電解質に第1の金属などを担持させても良い。このような例として、例えば、第2の固体電解質に担持された酸化鉄ナノ粒子が挙げられる。或いは、上記第2の負極材料は、前述した特許文献2のように導体に第1の金属などを担持させても良い。このような例として、例えば、カーボンブラックなどのカーボンに担持された酸化鉄ナノ粒子が挙げられる。これらの態様により、第1の金属(例えば鉄)の利用効率が向上し、電池の放電特性が向上する。ここで「酸化鉄ナノ粒子」とは、平均粒径が約0.1〜200nmの酸化鉄を意味する。
上記第2の固体電解質は、前述した特許文献2に記載の固体電解質を用いることが好ましい。上記特許文献2に記載の固体電解質は、以下に詳述する第1の固体電解質としても、好ましく用いられる。具体的には上記特許文献2に記載されているように、MOa(OH)b(式中、Mは周期表第4族の元素を表し、aおよびbは、Mの原子価に応じて電気的に中性となるように定められる値)のゲル化物であって、塩基性水酸化物を含む固体電解質材料を用いることが好ましい。これらの詳細は、上記特許文献2を参照すれば良いが、その概略は以下のとおりである。
上記特許文献2に記載の固体電解質材料は、塩基性水酸化物の存在下、周期表第4族の元素のアルコキシドのアルコール溶液を攪拌してゲル化物を生成し、このゲル化物を熱処理することによって得られる。また、塩基性水酸化物の代わりに、周期表第1元素のアルコキシドのアルコール溶液や、塩基性水酸化物と周期表第1元素のアルコキシドの両方を用いても良い。前記熱処理の温度は500〜800℃であることが好ましい。
上記特許文献2に記載の固体電解質材料において、前記M元素がZrであることが好ましく、また、前記塩基性水酸化物のモル量と前記MOa(OH)bのモル量の比(塩基性水酸化物のモル量/MOa(OH)bのモル量)xが0.2以上、5以下であることが好ましい。前記塩基性水酸化物がアルカリ金属水酸化物である場合は、前記xを4以下とすることが推奨される。また、前記塩基性水酸化物の一部もしくは全部が前記周期表第1元素のアルコキシドであっても良く、前記周期表第1元素のアルコキシドはカリウムtert−ブトキシド((CH33COK)であることが好ましい。前記カリウムtert−ブトキシドと前記MOa(OH)bのモル量の比(カリウムtert−ブトキシドのモル量/MOa(OH)bのモル量)yが0.2以上、2以下であることが好ましい。
上述した第1の金属と、金属硫化物MaSbと、導体と、第2の固体電解質の負極材料で構成される第2の負極材料において、金属極の好ましい厚さは、前述した第1の負極材料と同じである。すなわち、負極として十分に作用させるために、第2の負極材料における金属極の厚さは、0.1mm以上であることが好ましい。その上限は特に限定されないが、負極材料内の電子抵抗や水酸化物イオンの伝導性などを考慮すると、おおむね、7mm以下であることが好ましい。
上記第2の負極材料において、上記複合負極材料を構成する上記第1の金属などと、上記金属硫化物MaSbと、上記導体と、上記第2の固体電解質との位置関係および濃度分布は、本発明の作用効果を発揮する限り、特に限定されない。
このうち上記第2の負極材料における濃度分布については、第1の金属など、金属硫化物MaSb、導体、第2の固体電解質のそれぞれが金属極中で均一で存在しても良いし、不均一で存在しても良い。
また、上記第2の負極材料における位置関係については、上記複合負極材料を構成する全ての材料が混合された状態で存在しても良いし、或いは、任意の順序で層状に並んで存在しても良い。以下では、上記のうち「混合された状態」について詳述する。
上記「混合された状態」を得るためには、第1の金属など、金属硫化物MaSb、導体および第2の固体電解質のいずれもが粉末の場合、これらの粉末を一般的な方法で混合して混合粉末とすることができる。
金属極の電子の取出しをスムーズに行なうことなどを考慮すると、金属硫化物MaSbと、導体と、第1の金属などが形成された第2の固体電解質との混合比は、上記第1の金属などが形成された第2の固体電解質の割合が、空気極側に近づくにつれて多くなるようにすることが好ましい。
また、上記「混合された状態」では、第1の金属などを導体に担持させることが好ましい。これにより、第1の金属をナノサイズ(おおむね、0.1〜200nm)で形成することができ、反応に寄与する第1の金属の表面積を増やすことができる。特に、上記第1の金属が鉄、上記導体がカーボンであり、且つ、カーボンに鉄が担持されていることが、より好ましい。
上記「混合された状態」とは、下記(ア)または(イ)の態様であることが好ましい。
(ア)粉末状の第2の固体電解質に第1の金属などが、直接且つ部分的(不連続)に形成(コーティング)された態様
(イ)粉末状の第2の固体電解質に第1の金属などが、直接且つ連続的に形成(コーティング)された態様。
上記(イ)の態様における「連続的に」とは、第2の固体電解質に第1の金属などが完全にコーティングされており、導体や第2の固体電解質が接触できないことを意味する。これに対し、上記(ア)の態様における「部分的に」とは、第2の固体電解質に第1の金属などが完全にコーティングされておらず、導体や第2の固体電解質が、これらに接触できる状態にあることを意味する。
上記(ア)および(イ)のいずれの態様においても、第1の金属などは、第2の固体電解質の表面に「直接」形成されることが好ましく、これにより、金属と固体電解質との間の抵抗が低下し、電気化学特性が向上するようになる。その理由は以下のとおりである。一般に固体電解質を用いた電池では、電極材料と電解質材料との界面部分の抵抗が大きく、これにより、電池特性が低下することが知られている。また、一般に粉末状の電池材料を用いた場合、電池は、各材料(電極材料、電解質材料)を混合し、圧力を加えて形成するが、この方法では、各材料同士の接触が十分ではなく、電池の特性が十分に発揮できない場合がある。そのため、上記のように負極活物質である第1の金属などを、第2の固体電解質材料表面に直接接触するように形成することにより、金属と電解質との界面部分の抵抗を下げて電気化学特性を向上できる。
上記のように第2の固体電解質材料の表面に第1の金属などを「直接」形成する方法としては、例えばPVD法(例えばスパッタリング法、真空蒸着法など)が挙げられる。
上記(ア)および(イ)の態様のうち、好ましいのは上記(ア)、すなわち、第1の金属などが第2の固体電解質の各粒子表面に直接かつ部分的に(不連続に)形成される態様である。具体的には、例えば、金属硫化物MaSbと、表面に直接かつ部分的に(不連続に)第1の金属などが形成された第2の固体電解質粒子と、導体粉末(例えばカーボンを主成分とする導体粉末)との混合体が挙げられる。より好ましい上記(ア)の態様としては、導体同士が連続で繋がり(これにより、外部に電子を取り出すことができる)、第2の固体電解質同士が連続で繋がり(これにより、負極に水酸化物イオンを供給することができる)、且つ、導体と第2の電解質と第1の金属などと金属硫化物とが、それぞれ、接触している状態である。
また、上記(ア)の態様を備えた本発明の好ましい電池とは、このような複合負極材料と、第1の固体電解質(第1の固体電解質には、第1の金属などは形成されていない)と、空気極とを、この順に備えた電池が挙げられる。この様な構成の電池であれば、空気極側から導入された水酸化物イオンが、第1の金属の不連続部分から進入して、第1の金属(例えば鉄)と反応し、導電体に電子を効率よく受け渡すことが可能となり、利用効率の高い電池が実現できる。
また、上記(ア)の態様では、第2の固体電解質を構成する各粒子表面全体に形成される第1の金属の被覆率は、おおむね、50%以上であることが好ましい。この場合、第2の固体電解質を構成する各粒子表面に形成される第1の金属などの厚さは、おおむね、1nm以上が好ましい。上記の厚さが薄すぎると、例えば、第1の金属が第2の固体電解質表面の凹凸部分に入ってしまい、第1の金属表面への第1の金属と、第2の固体電解質と、炭素との接触ができず、電気が流れない。一方、上記の厚さが厚すぎると、反応に寄与しない第1の金属の割合が増えてしまい、反応効率が低下する。第1の金属などの好ましい厚さの上限は、第2の固体電解質(例えば粉末)の形状が、例えば、第1の金属付着前の状態をほぼ保っていれば良い。例えば、第2の固体電解質粉末の粒径の1/10程度であることが好ましく、通常は、約1μm以下であることが好ましい。
また、上記(ア)の態様には、第1の金属などが凝集して形成されているような場合も含む。上記場合における第1の金属などの厚さとは、連続膜に換算した厚さ(膜厚)を意味する。
一方、上記(イ)の態様、すなわち、第1の金属などが第2の固体電解質材料表面に直接かつ連続的に形成されている態様において、第1の金属などの厚さは、1nm以上、100μm未満であることが好ましく、より好ましくは3nm以上、1μm以下である。上記の厚さが1nm未満となると、第2の固体電解質上の金属極の被覆性が極端に低下するため、負極としての性能が十分に発揮できない。一方、上記の厚さが100μm以上になると、金属自体の質量が電池質量の増加を招き、単位質量当たりの充電効率が低くなる。
更に上記(イ)の態様において、金属極中に占める第1の金属などの濃度は、例えば、第1の金属が鉄の場合、鉄濃度が30原子%以上であることが好ましい。複合負極材料中の鉄濃度を30原子%以上にすれば、電池の単位重量当たりの放電容量が大きくすることができる。なお、上記鉄濃度は、TEMのEDX分析の半定量分析の分析値から算出することができる。
以上、本発明の複合負極材料について詳述した。
(金属−空気全固体二次電池について)
次に、本発明の金属−空気全固体二次電池について説明する。金属−空気全固体二次電池は、空気極と、金属を含む金属極と、固体電解質とを備えており、上述した本発明の複合負極材料(第1の負極材料および第2の負極材料)は、金属極に用いられる。
具体的には、炭素と酸素還元触媒を含む空気極と、固体電解質(上記複合負極材料に用いられる第2の固体電解質と区別するため、特に第1の固体電解質と呼ぶ場合がある。)と、上記複合負極材料を金属極として含む金属−空気全固体二次電池が挙げられる。このうち、空気極および第1の固体電解質は、以下に詳述するとおり、金属−空気二次電池の分野に通常用いられるものであれば特に限定されない。また、上記金属−空気全固体二次電池において、上記第1の固体電解質と、前述した複合負極材料を構成する第2の固体電解質とは、同一または異なっていても良い。
上記金属−空気全固体二次電池の具体的態様として、第1の固体電解質の一方側に、例えば炭素と酸素還元触媒を含む空気極(好ましくは触媒付きカーボン層)が設けられ、第1の固体電解質の他方側に、複合負極材料を含む金属極が設けられたものが挙げられる。
上記電池における第1の固体電解質層の厚さは、水酸化物イオンを伝導するという作用を十分に発揮させ、短絡を防ぐため、おおむね、0.1mm以上であることが好ましい。但し、第1の固体電解質層の厚さが厚くなりすぎると、実抵抗(電池内部抵抗)が大きくなり、電流を取り出せなくなるため、その上限を、おおむね、0.3mm以下とすることが好ましい。
上記電池に用いられる空気極は、金属−空気全固体二次電池の正極として作用するものであり、下記(3)式の反応が生じている。
2+2H2O+4e-→ 4OH- ・・・(3)
上記空気極は、炭素と酸素還元触媒を含むことが好ましく、触媒付きカーボン層の使用が推奨される。上記「触媒付きカーボン層」を構成する触媒としては、酸素の還元反応を促進できるものであれば良く、例えば、PtやMnO2などが挙げられる。上記「触媒付きカーボン層」を構成するカーボン層の形態は、例えば炭素粉末の圧粉体であっても良いし、或いは、カーボンペーパーなどを用いても良い。
上記空気極を正極として使用するに当たり、その機能を十分に発揮させるために、空気極の厚さは、0.05mm以上が好ましく、より好ましくは0.1mm以上である。一方、空気極(例えば、触媒付きカーボン層)の厚さが厚くなりすぎると、第1の電解質/触媒/空気の三相界面を効率良く形成することが困難となる。よって、空気極(正極)の厚さは、おおむね、0.3mm以下とすることが好ましく、より好ましくは0.2mm以下である。
上記金属−空気全固体二次電池の製造は、例えば、第1の固体電解質層の一方側に、炭素と酸素還元触媒を含む空気極、第1の固体電解質層の他方側に前述した複合負極材料からなる金属極を積層した後、室温〜500℃の温度範囲にて、500MPa以下、1〜100分の条件下でプレスすることによって行なうことができる。ここで、第1の固体電解質層と空気極との間、或いは、第1の固体電解質層と金属極の間には、密着性を向上させるためのプライマー層を設けても良い。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例によって制限されず、前記、後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
本実施例では、本発明に用いられる金属硫化物MaSbの添加による、第1の金属の水素発生抑制作用などを確認するため、金属硫化物として硫化カリウム(K2S)を、電解液として水酸化カリウム(KOH)水溶液、第1の金属として鉄をそれぞれ用い、以下の実験を行なった。本実施例において、固体電解質でなく、液体のKOH溶液を用いたのは、以下に記載のサイクリックボルタモグラフを得るためには、液体の電解質を使わざるを得ないためである。
まず、1mol/L水酸化カリウム(KOH)水溶液40mLに、硫化カリウム(K2S)0.05mmolを添加し、鉄の酸化/還元電流をオートマチックポラリゼーションシステム(HSV−100、北斗電工(株))にて評価した。参照電極にはアルカリ酸化水銀参照電極(インターケミ(株))、対極にはPtカウンター電極(23cm、コイル状、BAS(株))、作用電極には鉄箔(純度99.95%、(株)ニラコ)を用いた。作用電極の反応面積は2cm2である。測定は、−0.1〜1.2V vs Hg/HgOの範囲で行った。この結果を図1(B)に示す。図1(B)は、0.05mmolのK2Sを含む1mol/L KOH水溶液中の鉄のサイクリックボルタモグラムである。
比較のため、硫化カリウムを添加しないこと以外は上記と同様にして実験を行なった。この結果を図1(A)に示す。図1(A)は、1mol/L KOH水溶液中の鉄のサイクリックボルタモグラムである。
これらの図を対比すると明らかなように、K2Sが存在することで、Fe2+からFe3+への酸化ピーク(a2)のほかに、FeからFe2+への酸化ピーク(a1)が現れ、鉄の酸化が促進されていることが分かった。また、鉄の還元ピーク(c1)が大きくなり、水素発生のピーク(c2)が小さくなることも分かった。
上記の実験結果より、金属硫化物の添加により、負極を構成する第1の金属(ここでは鉄)の水素発生が抑制され、鉄の酸化によって得られる電流が増加することが実証された。よって、負極材料に金属硫化物を添加すると、第1の金属の利用効率が向上し、二次電池の放電容量増加などが大いに期待される。
実施例2
本実施例では、前述した第1の負極材料(第1の金属と、金属硫化物MaSbとから構成される複合負極材料)を備えた金属−空気全固体二次電池の特性を調べた。
まず、金属極を構成する負極材料には、第1の金属としてスポンジ状鉄0.15g(和光純薬工業株式会社製、鉄粉の平均粒径:1〜5μm)、金属硫化物として硫化カリウム0.015g(K2S、純度37.0+、品番165−04502、和光純薬工業株式会社)または硫化鉄0.015g(FeS、純度99.9%、品番343161−10G,Sigma−Aldrich)を用いた。また、空気極には、触媒付きカーボン層として、ケミックス社製のカーボンペーパーに、触媒としてMnO2(5〜10mg/cm2)を担持させたものを用意した。また、第1の固体電解質には、前述した特許文献2の実施例1に記載の水酸化カリウム含有ジルコニアゲル粉末(KOHとZrO2のモル比=1:1;以下では、1KOH−ZrO2と記載)を用いた。上記水酸化カリウム含有ジルコニアゲル粉末の調製方法は、上記特許文献2の実施例1に記載したとおりであり、その組成は、上記特許文献2の表1に示すとおりである[表1中、x(KOHのmol%)=1、y(アセチルアセトンのmol%)=0]。
次に、図2の概略図に示す通り、スポンジ状鉄と金属硫化物からなる複合負極材料3、第1の固体電解質2、触媒付きカーボンペーパー1を順に積層し、室温にて、400MPaで5分間プレスし、直径(φ)13mmの円柱状電池を作製した。
比較のため、金属硫化物を含まずスポンジ状鉄のみからなる複合負極材料を用いたこと以外は、上記と同様にして円柱状電池を作製した。
上記の各電池を構成する各層の厚さは、金属極(スポンジ状鉄からなる複合負極材料、またはスポンジ状鉄と金属硫化物からなる複合負極材料):0.2mm、第1の固体電解質(1KOH−ZrO2):0.3mm、空気極(触媒付きカーボンペーパー):0.1mmとした。
上記の各電池について、高性能ポテンショスタット/ガルバノスタット(Solartron、SI 1287、DC分極電圧:±14.5V(±14.5Vに対しての分解能100μV)、電流:±2A(分解能100pA)、測定分解能(装置の解析理論限界)[電流分解能:1pA、電圧分解能:1μV])、および周波数応答アナライザ(Solartron、1252A、周波数範囲:10kHz〜300kHz、交流振幅:0〜3Vrms、交流振幅分解能:5mV)を用いて、セル電圧と電流密度を測定した。発電試験は温度20℃、相対湿度60%、充電レート0.25mA/cm2、放電レート0.1mA/cm2の条件で行った。
これらの結果を図3に示す。図3は、各電池の電流―出力曲線を示すグラフであり、横軸は電流密度、縦軸は電力密度である。このうち図3(A)は、金属極にスポンジ状鉄のみを用いた比較例;図3(B)は、金属極にスポンジ状鉄とFeSからなる複合負極材料を用いた本発明例;図3(C)は、スポンジ状鉄とK2Sからなる複合負極材料を用いた本発明例である。
図3(B)および図3(C)に示すように、金属極中に金属硫化物を添加することにより、金属硫化物を添加しない場合(図3(A))に比べ、電流密度が10倍以上になること;また、金属硫化物による上記効果は、FeSよりもK2Sの方が大きいことが分かった(図3(C)を参照)。アルカリ金属硫化物であるK2Sは、固体電解質表面に存在する水分と反応し、水酸化物イオン(OH-)を形成する可能性があり、このOH-が、鉄の酸化に寄与するものと推察される。
実施例3
本実施例では、前述した第2の負極材料(第1の金属の酸化物と、金属硫化物MaSbと、導体と、第2の固体電解質とから構成される複合負極材料)を備えた金属−空気全固体二次電池の特性を調べた。
本実施例では、金属硫化物として上記実施例2で用いた硫化鉄FeSと、導体としてカーボンブラック(ケッチェンブラック、ライオン社製)と、第1の金属の酸化物および第2の固体電解質として酸化鉄ナノ粒子を担持した固体電解質(以下、酸化鉄ナノ粒子担持固体電解質と呼ぶ。)を用いた。
上記酸化鉄ナノ粒子担持固体電解質の作製手順を図4に示す。まず、3.5質量%の鉄アセチルアセトナート(図中、Fe(acac)3)のベンジルアルコール溶液に、第2の固体電解質(図中、SE)を浸漬し、30分間超音波処理を行った。本実施例で用いた第2の固体電解質は、前述した実施例2で用いた、第1の固体電解質と同じである。次に、210℃の電気炉で1日間乾燥させた後、N2ガス雰囲気中にて、400℃で2時間熱処理し、酸化鉄ナノ粒子を担持した固体電解質を得た。このようにして得られた酸化鉄ナノ粒子のサイズは、約20〜50nmであった。
上記のようにして作製した酸化鉄ナノ粒子担持固体電解質と、硫化鉄FeSと、カーボンブラックとを混合し、複合負極材料を作製した。酸化鉄:固体電解質:カーボンブラック:硫化鉄の各質量比は、1:13:1:1.5である。上記複合負極材料を金属極に用い、前述した実施例2と同様の方法で電池を作製し、電池特性を評価した。
図5は、上記電池の電流―出力曲線を示すグラフである。図5のように酸化鉄ナノ粒子担持固体電解質を用いると、スポンジ状鉄を用いた図3(A)に比べ、優れた出力が得られることが分かった。
実施例4
本実施例では、前記実施例3において、金属硫化物として硫化鉄FeSの代わりに硫化カリウムK2Sを用いたこと以外は実施例3と同様にして、複合負極材料を作製した。ここで、酸化鉄:固体電解質:カーボンブラック:硫化カリウムの質量比は、1:13:1:1.5である。上記複合負極材料を金属極に用い、実施例2と同様にして電池を作製し、実施例2と同じ測定条件で、電池の容量−電圧曲線(図6)、および電池の放電容量のサイクル特性(図7)を調べた。
まず、図6を参照する。図6の横軸は放電容量であり、縦軸は電圧である。図6に示すように、K2Sを負極に含む電池は、約3mAh/gの高い放電容量を示すと共に、0.3V付近にプラトゥに近い領域が見られた。この実験結果より、本発明の負極材料を用いた電池を用いれば、一定時間を定電流で放電可能な鉄−空気全固体二次電池を提供できることが大いに期待される。
次に図7を参照する。図7の横軸は充放電のサイクル回数であり、縦軸は放電容量である。図7に示すように、K2Sを負極に含む電池は、充放電を15サイクル以上繰り返すことで、約2mAh/g以上の高い容量が得られることが分かる。また、このような高い放電容量は、60サイクル目でも維持されていた。このように本発明の電池を用いれば、電池の発電特性が15サイクル以上で向上する理由としては、充放電を繰り返すことで、固体として添加されていたK2Sが、複合負極材料中へ分散したためと推察される。
実施例5
本実施例では、第2の負極材料(第1の金属の酸化物と、金属硫化物MaSbと、導体と、第2の固体電解質とから構成される複合負極材料)を備えた金属−空気全固体二次電池について、図8に記載の種々の金属硫化物の効果を比較検討した。
具体的には、第1の金属の酸化物および導体として、特許文献2に記載の酸化鉄ナノ粒子を担持したカーボンブラックを用いた。カーボンブラックは、前述した実施例3と同じものを用いた。上記酸化鉄ナノ粒子担持カーボンブラックにおける鉄:カーボンブラックの質量比は、1:8とし、上記特許文献2に記載の方法で、酸化鉄ナノ粒子担持カーボンブラックを作製した。また、第1および第2の固体電解質として、前述した実施例3と同じものを用いた。酸化鉄:固体電解質:カーボンブラック:金属硫化物の質量比は0.13:12:1:1.3とした。上記複合負極材料を金属極に用い、前述した実施例2と同様にして電池を作製し、実施例2と同じ測定条件で、電池の充放電特性を調べた。比較のため、金属硫化物を含まない負極材料を用いたときの電池を上記と同様にして作製し、充放電特性を調べた。
これらの結果を図8〜図10に示す。
これらのうち、図8は、各電池の放電容量のサイクル特性を示す図である。図8の横軸は充放電のサイクル回数であり、縦軸は放電容量である。図8より、金属硫化物を含まない電池(図中、▲)、FeSを含む電池(図中、×)の放電容量は、充放電サイクルを約5回以上繰り返すと、減少する傾向が見られたのに対し、金属硫化物としてK2S(図中、◆)、Bi23(図中、●)を含む各電池では、充放電サイクルを繰り返すにつれて、放電容量が増加する傾向が見られた。
充放電サイクルの増加に伴い、放電容量が徐々に増加する理由としては、固体として添加されたK2SやBi23が、放電を繰り返す中で、複合負極材料中へ分散したためと推察される。よって、十分な通電を行なうことにより、安定した充放電を行うことができる。
また、各電池の60サイクル目の充電曲線を示すグラフを図9に、60サイクル目の放電曲線を示すグラフを図10に示す。
まず、図9の充電曲線を参照する。図9の横軸は充電容量であり、縦軸は電圧である。図9に示すように、金属硫化物を含まない電池では、セル電圧は約0.3Vと低い。これは、鉄の酸化皮膜により十分に通電できず、鉄の還元反応が起こり難いためと推察される。
これに対し、金属硫化物を含む電池のセル電位は、いずれの場合も、約0.5V(FeS、K2S)〜1.2V(Bi23)と増加し、酸化鉄(Fe23)の還元が進んでいることがわかる。これらのうち、FeSやK2Sを含む電池では、硫黄元素の効果によって水素発生が抑制され、還元反応が促進されたと考えられる。更にK2Sでは、アルカリ金属であるカリウム(K)により、酸化鉄ナノ粒子付近のアルカリ濃度が増加し、酸化還元反応が促進されたと考えられる。また、Bi23を含む電池は、上記のとおり、1.2Vまで充電されており、酸化鉄(Fe23)が鉄(Fe)まで還元されている。これは、ビスマス(Bi)を含むことで、鉄の酸化皮膜が脆性化され、酸化還元反応が、上記のFeSやK2Sを用いた場合に比べて、一層、促進したためと推察される。このように酸化鉄が鉄まで還元することにより、鉄の0価から2価への酸化反応と、鉄の2価から3価への酸化反応の両方から電子を取り出せるため、電池の放電容量が増加したと考えられる。
次に、図10の放電曲線を参照する。図10の横軸は60サイクル目の放電容量であり、縦軸は電圧である。図10に示すように、K2SやBi23を負極に含む電池では、約2.3〜3.2mAh/g程度の高い放電容量が得られた。また、FeSを含む電池では、放電時(60サイクル目の放電容量=0)のときの電圧が、金属硫化物を含まない場合に比べて高くなっており、前述した図9の充電曲線の結果と合わせて考慮すれば、放電時の特性に優れることが十分に期待される。
これらの結果より、金属硫化物を含む電池では、いずれの場合も、電池特性が向上するが、特にK2SやBi23を負極に含む電池では、より一層、電池特性が向上することが分かる。FeSを含む電池の場合、鉄(Fe)は負極活物質と共に酸化還元され、硫黄(S)が水素発生を抑制する傾向にあると考えられるのに対し、K2SやBi23を含む電池の場合、硫黄に加えて、水酸化物イオン発生の効果が見込まれるアルカリ金属(Kなど)や、鉄の酸化皮膜の脆性化効果が見込まれる第15族元素(Biなど)を含むためと推察される。よって、本発明の負極材料を用いた電池を用いれば、一定時間を定電流で放電可能な鉄−空気全固体二次電池を提供できることが大いに期待される。
1 触媒付きカーボンペーパー(空気極)
2 第1の固体電解質
3 複合負極材料(金属極)

Claims (8)

  1. 金属−空気全固体二次電池に用いられる負極材料であって、
    前記負極材料は、
    水酸化物イオンと反応して電子を放出する第1の金属または前記第1の金属の酸化物と、
    第2の金属Mの硫化物MaSb(式中、Mは周期表第1族、8族、14族、または15族の金属元素を表し;aおよびbは、Mの原子価に応じて電気的に中性となるように定められる値)と、
    を含むことを特徴とする金属−空気全固体二次電池用複合負極材料。
  2. 前記MaSbで表される金属硫化物はアルカリ金属硫化物である請求項1に記載の複合負極材料。
  3. 前記負極材料は、更に固体電解質および導体を含み、前記負極材料を構成する材料の全てが固体である請求項1または2に記載の複合負極材料。
  4. 前記第1の金属が鉄である請求項1〜3のいずれかに記載の複合負極材料。
  5. 前記第1の金属の酸化物が、前記導体に担持された酸化鉄ナノ粒子である請求項3に記載の複合負極材料。
  6. 前記第1の金属の酸化物が、前記固体電解質に担持された酸化鉄ナノ粒子である請求項3に記載の複合負極材料。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の複合負極材料を金属極として含む金属−空気全固体二次電池。
  8. 炭素と酸素還元触媒を含む空気極と、固体電解質と、請求項1〜6のいずれかに記載の複合負極材料を含む金属極と、を有する請求項7に記載の金属−空気全固体二次電池。
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