JP6033208B2 - 二次電池用電解質膜、接合体、金属−空気全固体二次電池、及びその接合体の製造方法 - Google Patents

二次電池用電解質膜、接合体、金属−空気全固体二次電池、及びその接合体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6033208B2
JP6033208B2 JP2013253599A JP2013253599A JP6033208B2 JP 6033208 B2 JP6033208 B2 JP 6033208B2 JP 2013253599 A JP2013253599 A JP 2013253599A JP 2013253599 A JP2013253599 A JP 2013253599A JP 6033208 B2 JP6033208 B2 JP 6033208B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
electrolyte
membrane
electrolyte membrane
binder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013253599A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015111531A (ja
Inventor
尚敏 坂本
尚敏 坂本
林 和志
和志 林
松田 厚範
厚範 松田
浩行 武藤
浩行 武藤
▲琢▼ 常石
▲琢▼ 常石
拓真 江崎
拓真 江崎
康孝 前田
康孝 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyohashi University of Technology NUC
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Toyohashi University of Technology NUC
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyohashi University of Technology NUC, Kobe Steel Ltd filed Critical Toyohashi University of Technology NUC
Priority to JP2013253599A priority Critical patent/JP6033208B2/ja
Publication of JP2015111531A publication Critical patent/JP2015111531A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6033208B2 publication Critical patent/JP6033208B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Inert Electrodes (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Hybrid Cells (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Description

本発明は、例えば鉄−空気二次電池などの金属−空気全固体二次電池に用いられる二次電池用電解質膜、接合体、金属−空気全固体二次電池、及びその接合体の製造方法に関する。
エネルギーの安定供給および温暖化対策、産業育成のために世界各国が新エネルギー技術の開発に取り組んでおり、特に燃料電池の効率化や二次電池の高容量化が強く望まれている。現在最もエネルギー密度(電池質量に対する放電可能な電力量)が高いと考えられているのはリチウムイオン電池であり、小型デバイスから自動車、スマートグリッド用蓄電池など幅広い利用が見込まれている。このような背景から電池の高エネルギー密度化および大型化が進み、内部抵抗による発熱量が増加するため、可燃性有機電解質を用いた電池では安全性を確保することが困難である。
また、電気自動車用途など頻繁に充放電を繰り返す場合、従来のLiイオン二次電池では、電極界面の副反応によって可燃性有機電解質が分解されて電池特性が低下するという現象が問題視されている。そこで近年、固体電解質を用いた全固体型Liイオン二次電池が提案され、盛んに研究されている。例えば、蒸着法を用いて作製した全固体Liイオン二次電池は優れたサイクル特性(電気化学的な耐久性)を示す。現在、硫化物系固体電解質や酸化物系固体電解質を用いたバルクの全固体Liイオン二次電池が提案されているが、電極と電解質界面の抵抗が高く実用化に至っていない。
一方、リチウムイオン電池のエネルギー密度を超える二次電池の一つとして、金属−空気二次電池が注目されている。金属−空気二次電池は、正極の反応物質が空気中の酸素であり、負極が金属である。この金属−空気二次電池の最大の特徴は、正極で大気中の酸素を活用しているため正極の反応物質の質量を理論上ゼロにできる点にある。電池の質量は、正・負電極での反応物質の重さと、反応を仲介する電解質の重さが大部分を占めるため、片方の電極の反応物質をゼロにできる金属−空気二次電池は、電池質量を小さくしエネルギー密度を飛躍的に向上できる可能性がある。
金属−空気二次電池においては、安全性の観点から、電解質を可燃の有機溶媒電解液や有機高分子ゲル電解質でなく、非有機(無機)の固体電解質で形成することが望まれている。例えば特許文献1,2には、塩基性水酸化物とジルコニアゲルから構成されるKOH−ZrO系固体電解質が、室温付近でも10-3S/cm程度の高い導電率を示し、これを用いた金属−空気全固体二次電池は充放電可能であることを開示している。
また、放電特性を改善する方法として、特許文献2、並びに非特許文献1,2には、水素発生の抑制と鉄−空気二次電池の充放電サイクル特性改善の観点から、電解液へ硫化カリウム(KS)や硫化鉄(FeS)などの金属硫化物を添加した金属−空気二次電池が開示されている。しかしながら、これらの文献ではすべて、アルカリ性水溶液の電解液を用いた実験を行なっており、固体電解質を用いた例は開示されていない。よって、上述の特許文献及び非特許文献に開示される方法では、アルカリ性水溶液のような水溶液電解質の使用に伴う液漏れを含む上記問題は、依然として解決されていないままである。
特開2012−74371号公報 特開2012−094509号公報 Bui Thi Hang, Tomonori Watanabe, Minato Egashira, Izumi Watanabe, Shigeto Okada, Jun-ichi Yamaki, "The effect of additives on the electrochemical properties of Fe/C composite for Fe/air battery anode", Journal of Power Sources 155 (2006) 461-469 Bui Thi Hang, Seong-Ho Yoon, Shigeto Okada, Jun-ichi Yamaki, "Effect of metal-sulfide additives on electrochemical properties of nano-sized Fe2O3-loaded carbon for Fe/air battery anodes", Journal of Power Sources 168 (2007) 522-532
一方、全固体二次電池の共通課題の一つは、電解質と電極間の接触面積の増大と界面抵抗の低減である。広い電解質/電極界面をイオンと電子の両方がスムーズに移動できる構造や接合状態を実現することが、全固体二次電池の実用化に向けた最重要課題である。
一般的に、粉末状の固体電解質を用いた金属−空気全固体二次電池は、電極と電解質を接触させるため、電極を構成する粉末と電解質を構成する粉末を同時にプレス成形して圧粉体の電池を作製する。しかし、この方法では、電解質として用いる粒子が互いに隙間なく存在するので、電界質の粒子全面における一部の表面のみに負極となる金属や導電剤となる炭素との接触が制限されてしまい、粒子全面の広い範囲にわたって、その接触を確保することは非常に困難である。
また、図3のプレス成形の手順に示すように、電解質を薄くすると、成形時に発生する一方の電極材料のバリが他方の電極材料に接触してしまい短絡するという製造上の課題も生じる。その他の課題は、以下に記載する本発明の実施形態及び添付図面から明らかになるであろう。
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、電解質と電極材料の接触界面を良好に形成することができ、当該良好な接触界面が形成される二次電池用電解質膜及び全固体二次電池を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明による金属−空気全固体二次電池は、遷移金属酸化物とアルカリ金属の水酸化物を含む水酸化物イオン伝導性を有する固体電解質粒子が隙間をもって配され、前記固体電解質粒子の少なくとも一部が結着剤により固定されているともに、当該隙間に実質的に電極よりつながる金属を含む負極材料と電子伝導性を持つ炭素材料が存在する二次電池用電解質膜と、炭素及び酸素還元触媒を含む空気極と、結着剤と少なくとも炭素及び金属とを含む負極である金属極とを有し、前記結着剤は、網目構造を有し、前記電解質膜と負極膜の接合界面との接触面積を大きくすべく、前記負極膜に含まれる結着剤が電解質膜に入りこみ、かつ、前記電解質膜に含まれる結着剤が負極膜に入りこみ、網目構造が形成されていて、前記電解質膜に含まれる結着剤と前記負極膜に含まれる結着剤とがお互いに侵入しあっている構成とされていることを特徴とする
本発明による金属−空気全固体二次電池は、遷移金属酸化物とアルカリ金属の水酸化物を含む水酸化物イオン伝導性を有する固体電解質粒子が隙間をもって配され、前記固体電解質粒子の少なくとも一部が結着剤により固定されているともに、当該隙間に実質的に電極よりつながる金属を含む負極材料と電子伝導性を持つ炭素材料が存在する二次電池用電解質膜と、炭素及び酸素還元触媒を含む空気極と、結着剤と少なくとも炭素及び金属とを含む負極である金属極とを有し、前記結着剤は、炭素とフッ素と水素を含むフッ素系高分子、もしくは炭素と窒素と水素を含む複素芳香族系高分子であり、前記電解質膜と負極膜の接合界面との接触面積を大きくすべく、前記負極膜に含まれる結着剤が電解質膜に入りこみ、かつ、前記電解質膜に含まれる結着剤が負極膜に入りこみ、網目構造が形成されていて、前記電解質膜に含まれる結着剤と前記負極膜に含まれる結着剤とがお互いに侵入しあっている構成とされていることを特徴とする。
本発明による接合体は、電解質膜と電極膜である負極膜とからなる接合体であって、前記電解質膜は、アルカリ金属水酸化物と、遷移金属酸化物、層状複水酸化物のうち少なくとも一種以上とを含む固体電解質と、前記固体電解質の粒子を結着する結着剤とを含み、前記電極膜である負極膜は電極活物質と、導電剤と、前記電極活物質および前記導電剤の粒子を結着する結着剤とを含み、前記電解質膜と負極膜の接合界面との接触面積を大きくすべく、前記負極膜に含まれる結着剤が電解質膜に入りこみ、かつ、前記電解質膜に含まれる結着剤が負極膜に入りこみ、網目構造が形成されていて、前記電解質膜に含まれる結着剤と前記負極膜に含まれる結着剤とがお互いに侵入しあっている構成とされていることを特徴とする。
この接合体は、前記電解質膜の表面に、電極活物質と、導電剤と、結着剤とを含むスラリーが乾燥状態で積層された構造であるとよい。
ここで、前記アルカリ金属水酸化物はKOHであるとよい。
また、前記遷移金属酸化物はZrOであるとよい。
さらに、前記固体電解質の粒子を結着する結着剤と、前記電極活物質および前記導電剤の粒子を結着する結着剤が同一の材料であるとよい。
加えて、前記結着剤が、接合体内において網目構造を形成しているとよい。
本発明による金属−空気全固体二次電池は、上述のいずれかに記載の接合体と、炭素及び酸素還元触媒を含む空気極と、を有することを特徴とする。
本発明による接合体の製造方法は、電解質スラリーの上部から基材を押し当てて、当該状態で前記電解質スラリーを乾燥させることで、遷移金属酸化物又は層状複水酸化物とアルカリ金属の水酸化物を含む水酸化物イオン伝導性を有する固体電解質粒子と、結着剤を含む電解質スラリーと、を用いた電解質膜を作製する電解質膜作製工程と、前記電解質膜作製工程で得られた電解質膜を負極スラリーの上部から押し当てて、当該状態で前記負極スラリーを乾燥させることで、負極膜と電解質膜とからなる接合体を作製する接合体作製工程と、を備え、前記電解質膜及び負極膜に、結着剤を予め配合しておき、前記電解質膜と負極膜の接合界面との接触面積を大きくすべく、前記負極膜に含まれる結着剤を電解質膜に入り込ませ、かつ、前記電解質膜に含まれる結着剤を負極膜に入り込ませて、網目構造を形成することとし、前記電解質膜に含まれる結着剤と前記負極膜に含まれる結着剤とがお互いに侵入しあっている構成としていることを特徴とする。
この二次電池の製造方法は、電極膜・電解質膜接合体シートの製造方法ということもでき、全固体二次電池全般に用いられる電極膜・電解質膜接合体の製造方法であって、固体電解質と高分子材料からなる電解質シートと電極材料を高分子材料で接合し、良好な接続界面を形成する。この高分子材料は、好ましくは、ポリフッ化ビニリデンとポリベンゾイミダゾールである。
本発明によれば、電解質と電極材料の接触界面を良好に形成することができ、当該良好な接触界面が形成される二次電池用電解質膜及び全固体二次電池を提供することができる。
本発明の実施形態による複合電解質膜の作製手順(工程1)、負極シートの作製手順(工程2)および電極−電解質接合体の作製手順(工程1,2)を示す図である。 本実施形態による複合電解質膜の作製手順(工程1)を示す図である。 実施例1で作製した複合電解質膜の導電率の温度依存性を示す図である。 実施例1で作製した複合電解質膜の導電率の経時変化を示す図である。 従来の圧粉体の電池を作製する際のプレス成形の手順を示す図である。 従来方法で作製した鉄−空気全固体二次電池の外観図である。 実施例1で作製した複合電解質膜の破断面のSEM画像を示す図である。 実施例1で作製した複合電解質膜の断面SEM画像を示す図である。 実施例1で作製した複合電解質膜のEDX点分析の結果を示す図である。 実施例1で作製した複合電解質膜の外観図である。 実施例2で作製した複合電解質膜の導電率の温度依存性を示す図である。 実施例2で作製した複合電解質膜の破断面のSEM画像を示す図である。 実施例2で作製した複合電解質膜の外観図である。 実施例3で作製した複合電解質膜・負極シート接合体の外観図である。 実施例3で作製した複合電解質膜・負極シート接合体の断面SEM画像を示す図である。 実施例3で作製した複合電解質膜・負極シート接合体断面のEDXマッピング分析の結果を示す図である。 実施例3で作製した全固体型鉄−空気二次電池の放電容量曲線を示す図である。 実施例3で作製した全固体型鉄−空気二次電池の放電容量のサイクル特性を示す図である。
図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
(複合電解質膜について)
本実施形態による複合電解質膜は、二次電池用電解質膜であって、水酸化物イオン伝導性を有する固体電解質の粉末と、イオン伝導が可能な又はイオン伝導性のない高分子材料とにより部分的に結着されて構成されている。
具体的に、本実施形態による複合電解質膜は、遷移金属酸化物とアルカリ金属の水酸化物からなる水酸化物イオン伝導性を有する固体電解質粒子が隙間をもって配され、その少なくとも一部が結着剤により固定されていると共に、その隙間に実質的に電極よりつながる金属を含む負極材料と電子伝導を持つ炭素材料が存在することを特徴とする。ここで「実質的に」とは、電気的に金属から放出された電子が炭素材料等を通って負極に到達することを意味する。
このような特徴は、本実施形態および後述する実施例に従って作製された複合電解質膜の断面構造を観察することでより明確になる。つまり、図5Bに示す断面SEM(Scanning Electron Microscope)像に確認されるように、粒子状の水酸化物イオン伝導性を有する固体電解質が、お互いにわずかな隙間を持って配されている。その固体電解質の一部は直接的に互いに接触をしているが他の一部は結着剤により固定されており、その間には隙間が生じている。図5Cに示すEDX(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)マッピング分析によると、固体電解質の表面にはKOHが存在し、その隙間に鉄が存在することがわかる。また、当該隙間には電子伝導をつかさどる炭素も存在する。
このような、固体電解質がお互いにわずかな隙間を持って配される構造を結着剤を用いて構成すると、後述する網目構造によって固体電解質と固体電解質を挟む電極材料との間の接触面積を大きく確保することができるので、固体電解質と固体電解質の間に良好な接触界面を形成することができ、尚且つ固体電解質を挟む電極材料間の短絡を防止することができる。
本実施形態による複合電解質膜に使用される固体電解質は、金属−空気二次電池の電解質に通常用いられるものであれば特に限定されず、例えば、酸化物(たとえば、KOH−ZrO)、キセロゲル、エアロゲル、層状複水酸化物(ハイドロタルサイト)や硫化物、高分子電解質などが挙げられる。ここで、KOH−ZrOは、水酸化カリウムを含むジルコニアであり、ジルコニア粉末と水酸化カリウムの混合液をゲル化することで水酸化カリウムを含むジルコニアゲル粉末として用いられる。これら固体電解質は、金属−空気二次電池の金属極に含まれても良く、上記固体電解質を添加することにより、金属の酸化によって生成する電子や、水酸化物イオンからの電子の授受を効率的に行うことができる。
複合電解質膜中の固体電解質の含有量(含有率)は、複合体のパーコレーション理論に基づくと、複合膜中の固体電解質の連続的な接触を維持するためには30wt%(重量百分率)以上が好ましく、高いイオン伝導性を維持するためには60wt%以上が好ましく、より好ましくは80〜95wt%である。
複合電解質膜に使用される高分子材料(つまり、結着剤)は、固体電解質の水酸化物イオン伝導を阻害しないように、官能基を持たず疎水性である炭化水素系高分子、芳香族系高分子、フッ素系高分子などが好ましい。ここで、芳香族系高分子は、例えば、環構造に炭素以外の元素を含む複素芳香族化合物であると好ましい。芳香族系高分子及びフッ素系高分子は、置換基を含んでいても誘導体であってもよい。
官能基を有する場合、アミノ基や4級アンモニウム基などの塩基性官能基を有する高分子が好ましく、弱酸性を示すヒドロキシ基や複素環化合物でもよいが、酸性を示すカルボキシル基、リン酸基、スルホ基を含む高分子材料は好ましくない。複素環式化合物の場合は、窒素元素を含むものが好ましく、酸素元素を含むものでもよい。
複合電解質膜に含まれる固体電解質は、前述した特許文献1に記載の固体電解質を用いることが好ましい。具体的には特許文献1に記載されているように、MO(OH)(式中、M元素は周期表第4族の元素を表し、添字a,bは、M元素の原子価に応じて電気的に中性となるように定められる値)のゲル化物であって、塩基性水酸化物を含む固体電解質材料を用いることが好ましい。これらの詳細は、特許文献1を参照すれば良いが、その概略は以下のとおりである。
特許文献1に記載のKOH−ZrO固体電解質材料は、塩基性水酸化物の存在下、周期表第4族の元素のアルコキシドのアルコール溶液を攪拌してゲル化物を生成し、このゲル化物を熱処理することによって得られる。また、塩基性水酸化物の代わりに、周期表第1族元素のアルコキシドのアルコール溶液や、塩基性水酸化物と周期表第1族元素のアルコキシドの両方を用いても良い。ここで、ゲル化物の熱処理の温度は500〜800℃であることが好ましい。
特許文献1に記載の固体電解質材料において、M元素はZr(ジルコニウム)であることが好ましく、また、塩基性水酸化物のモル量とゲル化物MO(OH)のモル量の比(塩基性水酸化物のモル量/MO(OH)のモル量)xが0.2以上、5以下であることが好ましい。塩基性水酸化物がアルカリ金属水酸化物である場合は、値xを4以下とすることが推奨される。また、塩基性水酸化物の一部もしくは全部が周期表第1族元素のアルコキシドであっても良く、周期表第1族元素のアルコキシドはカリウムtert−ブトキシド((CHCOK)であることが好ましい。カリウムtert−ブトキシドとMO(OH)のモル量の比(カリウムtert−ブトキシドのモル量/MO(OH)のモル量)yが0.2以上、2以下であることが好ましい。
次に、上述の層状複水酸化物(ハイドロタルサイト)(以下、「LDH」という場合がある)を用いた固体電解質の調製方法について、以下に説明する。
LDH粉末と水酸化カリウム水溶液との混合液を室温で30分間撹拌して、ゲル化物(中間ゲル化物)を得た。LDHに対する水酸化カリウムのモル比(x)は、0,0.5,1,1.5,2とした。得られたゲル化物(中間ゲル化物)を60℃で2日間放置し、固体電解質材料として、水酸化カリウムとハイドロタルサイトの複合体(以下、「KOH−LDH複合体」という)の粉末を形成した。つまり、KOH−LDHは、水酸化カリウムを含むハイドロタルサイト(LDH)であり、LDH粉末と水酸化カリウムの混合液をゲル化することで水酸化カリウムを含むLDH粉末として用いられる。
KOH−LDH複合体は、キセロゲル状のハイドロタルサイトを用いた固体電解質材料であって、該ハイドロタルサイトの層間アニオンである炭酸イオンの少なくとも一部が、水酸化物イオンに置換されている点に特徴を有する。なお、上述のゲル化物は、水酸化物イオンがインターカレーションしていれば良く、層間アニオンとして、他のイオン(例えば炭酸イオン)などが結合または残留していても良い。上記ハイドロタルサイトのキセロゲルを用いれば、アルカリ金属水酸化物等の塩基性水酸化物の存在下、すなわち強アルカリ性の環境下でも安定なゲル化物が得られる。
キセロゲル状の層状水酸化物(LDH)であるハイドロタルサイト[Mg2+ 1−xAl3+ (OH)]An− x/n・mHOを用いた電解質材料であって、層間アニオンである炭酸イオンの少なくとも一部が水酸化物イオンに置換されていることから、室温であっても十分な伝導性(例えば10−3S/cm程度)を発揮することができる。上記の通り、特にゲルを乾燥させたキセロ(ドライ)ゲル状のハイドロタルサイトを用いるため耐水性に優れている。
上記アルカリ金属水酸化物としては、水酸化物イオンを遊離し得る化合物を使用できる。この様なアルカリ金属水酸化物を使用することで、上述の通り、上記ハイドロタルサイトの層間アニオンである炭酸イオンの少なくとも一部が水酸化物イオンに置換される。その結果、この水酸化物イオン(OHイオン)が固体電解質内を移動可能となり、電解質の伝導性を高めることができる。アルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが好ましく、特に水酸化カリウムが好ましい。
アルカリ金属水酸化物として水酸化カリウム(KOH)を用いた場合、ハイドロタルサイト(LDH)に対するKOHのモル比(x)は1以上とすることが好ましく、より好ましい値は2程度である。
(負極シートについて)
負極シートの金属元素の含有割合は、電池の放電容量を増やすため、例えば15原子%以上であり、好ましくは20原子%以上、より好ましくは30原子%以上である。なお、その上限は、90原子%以下であることが好ましい。金属は、平均粒径が0.01〜10μm(より好ましくは平均粒径が0.1〜5μm)である金属粉であっても良いし、一方向の長さが0.001〜10μmである箔やロッド、ワイヤーであっても良い。
負極シート中の電気抵抗を下げるため、カーボンブラックなどのカーボン、カーボン合金、炭化物などの導体を含むことが好ましい。また、負極活物質の電気化学反応を促進するため、上述の特許文献2、並びに非特許文献1および2に記載されている金属硫化物を含んでも良い。固体電解質を用いた電池では、電極材料中にイオン伝導体を混合することで、電池反応が改善されることが知られており、負極シート中に上述の固体電解質が含まれても良い。上記材料を結着する高分子材料(つまり、結着剤)としては、上記複合電解質膜と負極シートの良好な接着界面を得るため、上記複合電解質膜に用いた高分子と同一の材料が好ましい。
負極シートの厚みは、負極として十分に作用するために10μm以上が好ましく、電池容量を増加させるためには1mm以上が好ましい。
(金属−空気全固体二次電池について)
次に、本実施形態による上述の複合電解質膜を用いた固体電解質金属−空気全固体二次電池について説明する。この金属−空気全固体二次電池は、空気極と、金属を含む負極材料圧紛体もしくは負極シート(金属極)と、上述の複合電解質膜(二次電池用電解質膜)とを備える。
上記金属−空気全固体二次電池の具体的態様として、本実施形態による複合電解質膜の一方側に、例えば炭素と酸素還元触媒を含む空気極(好ましくは触媒付きカーボン層)が設けられ、上記複合電解質膜の他方側に、金属極である上記負極シートが設けられたものが挙げられる。
この金属−空気全固体二次電池における複合電解質膜の厚さは、水酸化物イオンを伝導するという作用を十分に発揮させ、短絡を防ぐため、おおむね0.01mm以上であることが好ましい。但し、上記複合電解質膜の厚さが厚くなりすぎると、実抵抗(電池内部抵抗)が大きくなり、電流を取り出せなくなるため、その上限を、おおむね0.3mm以下とすることが好ましい。
上記金属−空気全固体二次電池に用いられる空気極は、金属−空気全固体二次電池の正極として作用するものであり、下記の式(1)に示す反応が生じている。
+2HO+4e → 4OH ・・・(1)
上記空気極は、炭素と酸素還元触媒を含むことが好ましく、触媒付きカーボン層の使用が推奨される。上記「触媒付きカーボン層」を構成する触媒としては、酸素の還元反応を促進できるものであれば良く、例えば、PtやMnOなどが挙げられる。上記「触媒付きカーボン層」を構成するカーボン層の形態は、例えば炭素粉末の圧粉体であっても良いし、或いは、カーボンペーパーなどを用いても良い。
上記空気極を正極として使用するに当たり、その機能を十分に発揮させるために、空気極の厚さは0.05mm以上が好ましく、より好ましくは0.1mm以上である。一方、空気極(例えば、触媒付きカーボン層)の厚さが厚くなりすぎると、第1の電解質/触媒/空気の三相界面を効率良く形成することが困難となる。よって、空気極(正極)の厚さは、おおむね0.3mm以下とすることが好ましく、より好ましくは0.2mm以下である。
上記金属−空気全固体二次電池の製造は、例えば、後述する実施例3に示す製法を用いて(図1A及び図1B参照)、複合電解質膜の一方側に負極シートを連続的に構築し、上記の複合電解質膜の他方側に炭素と酸素還元触媒を含む空気極を置き、電池評価セルや電池パッケージ材によって、負極シート/複合電解質接合体と空気極を密着することによって行なうことができる。
以下、実施例を挙げてより具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例によって制限されるものではなく、上述の及び後述の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することが可能であり、それら変更はいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
(実施例1)
実施例1について説明する。複合電解質膜の作製は、図1A及び図1Bに示す手順で行った。
本実施例では、図1A及び図1Bに示すように、電解質スラリー3を以下の材料を用いて調製した。
高分子材料として12wt%ポリフッ化ビニリデン(PVDF)溶液(溶媒;N−メチル−2−ピロリドン、KFポリマーL#1120、株式会社クレハ製)、もしくは10%ポリベンゾイミダゾール(PBI)溶液(溶媒;ジメチルアセトアミド)を用い、固体電解質にはKOH−ZrO系固体電解質を用いた。上記高分子溶液とKOH−ZrO系固体電解質を混合し(ステップS1、ステップS2)、30分の超音波処理(28kHz−3秒、45kHz−3秒、100kHz−3秒の3周波繰り返しプログラム、VS−100III、アズワン製)にて分散させ(Ultrasonication)、電解質スラリー3を作製した(ステップS3)。
上記の電解質スラリー3を、電解質用容器2に、本実施例1ではガラスシャーレ(内径φ47mm)に流し込み(Casting)、基材1、本実施例1ではガラスシャーレ(外径φ44.7mm)を押し当て(ステップS4)、そのままの状態で60℃の電気炉で2〜3日間乾燥(Dry at 60℃)させた(ステップS5)。その後、基材1と電解質用容器2のすき間からカッターで切り込みを入れ、基材に複合電解質膜である電解質シートを移し取った(ステップS6)。
KOH−ZrO−PVDF複合電解質膜、およびKOH−ZrO−PBI複合電解質膜のイオン導電率(交流導電率)は、次の様にして測定した。前記複合電解質膜を、カーボンペーパー(直径13mm、厚み0.2mm程度)で挟んだ状態で圧着させることにより、シート状(直径13mm、厚み0.5〜0.8mm)、かつ電極の接合された試料(膜−電極接合体)を得た。この試料を用い、電気化学測定システム(SI 1260、Solartron社)、および専用のソフトウェア(Z−plot)を用い、KOH−ZrO−PVDF複合電解質膜の30〜80℃の種々の温度でのイオン導電率(交流導電率)を測定した。その結果を図2A及び図2Bに示す。
図2Aは、KOH−ZrO系固体電解質の添加量を60〜95wt%と変化させたときの、相対湿度60%で測定した交流導電率(σ/Scm−1)を示したグラフである。比較として、KOH−ZrO固体電解質の交流導電率を値も示す。通常、イオン伝導体中に絶縁体を添加すると、その複合体のイオン導電率は低下する。本実施例では、水酸化物イオン伝導体であるKOH−ZrO系固体電解質と、イオン伝導性を持たないPVDFを用いて複合電解質膜を作製しており、KOH−ZrO系固体電解質の添加量が60〜80wt%と少ないとき、イオン導電率は3桁以上低下する。しかしながら、添加量が95wt%のとき、KOH−ZrO−PVDF複合電解質膜のイオン導電率は、KOH−ZrO固体電解質の1桁低い値である。図2Bに、KOH−ZrO2固体電解質の添加量90wt%の複合電解質膜の導電率の経時変化を示す。80℃、80%RHの加湿雰囲気下で7日間、イオン導電率を測定した。イオン導電率は安定しており、複合電解質膜の強度や柔軟性も変化なく、KOH水溶液の漏液も観察されなかった。また、結着剤にPBIを用いたKOH−ZrO系固体電解質を含む複合電解質膜も水酸化物イオン伝導性を示した。
実際に、金属−空気全固体二次電池の電解質として利用する場合、イオン導電率ではなく、実抵抗が発電特性に大きく影響する。つまり、イオン導電率が1桁低くとも(=抵抗が10倍高い)、電解質の膜厚を10分の1まで減少すれば、実抵抗は等しい。金属−空気全固体二次電池の電解質として、KOH−ZrO系固体電解質の圧粉体を用いる場合、電池の短絡を防ぐため、電解質の厚みは最低0.3mm程度必要であり、0.3mm以下では全個体電池作製時に負極と正極が短絡し、電池として機能しない。図3に示す通り、プレス成形で全固体電池を作製すると、導電助剤であるカーボンを含むため嵩高い負極構成材料のバリが発生する。
従来法では図4の電池外観図に示す通り、固体電解質(白色部分)を薄くすると、電極材料のバリ(固体電解質層の黒色部分)により短絡する。しかしながら、本発明のKOH−ZrO−PVDF複合電解質膜は、膜厚を自由に調節可能であり、0.06mmまで容易に薄くできる。複合電解質膜の厚みは、固体電解質粉末の粒子径に依存し、固体電解質を1μm以下に微細化することで、究極的には複合電解質膜の厚みを0.001mmまで薄くすることが可能である。
図5A及び図5Bは、80wt%のKOH−ZrO系固体電解質を含む複合電解質膜の断面のSEM画像である。図5Cは、図5B中の領域(A)−(C)のエネルギー分散型X線分析(EDX)の結果である。
領域(A)はZrO、領域(B)はKOHとZrO、PVDF、領域(C)はKOHとZrOから構成されていた。KOH−ZrO系固体電解質は、ZrOを主とする粒子表面に、KOHとZrOからなる水酸化イオン伝導層が存在している。複合電解質膜では、KOHとZrOからなる水酸化イオン伝導層の一部にPVDFが吸着し、固体電解質粉末を結着している。
PVDFなどの撥水性高分子を用いた場合、空気極から供給される水分や水酸化物イオンは、固体電解質表面に濃縮されるため、固体電解質表面のイオン伝導を阻害することはない。
吸水性高分子を用いる場合、複合電解質膜中を水酸化物イオンが伝導するためには、結着剤である高分子材料が水酸化物イオン伝導性を有する方が良く、特に4級アンモニウムなど強塩基性を示す官能基を有するものが好ましい。スルホ基などの酸性官能基を有する高分子は、水酸化物イオン伝導を阻害するので好ましくない。
このKOH−ZrO−PVDF複合電解質膜の概観図を、図6に示す。KOH−ZrO系固体電解質と違い、KOH−ZrO−PVDF複合電解質膜は柔軟性を有する自立膜である。即ち、KOH−ZrO系固体電解質と高分子材料の複合化によって、イオン導電率は減少するものの、膜厚を薄くすることで実抵抗の増加を最小限に抑えることに成功した。本手法を用いて、固体電解質をシート状に加工することで、電池の大型化が可能となり、さらには、電解質のプレス工程を省略できることから、生産性の飛躍的な向上が見込まれる。
(実施例2)
実施例2について説明する。
本実施例では、高分子材料として12%ポリフッ化ビニリデン(PVDF)溶液(溶媒;N−メチル−2−ピロリドン、株式会社クレハ製)、もしくは10%ポリベンゾイミダゾール(PBI)溶液(溶媒;ジメチルアセトアミド)を用い、固体電解質にはKOH−LDH系固体電解質を用いて複合電解質膜を作製した。複合電解質膜の作製方法および交流導電率の評価方法は、実施例1と同じである。
図7は、結着剤にPVDFを用い、KOH−LDH系固体電解質の添加量を60〜80wt%と変化させたときの、相対湿度60%で測定した交流導電率を示したグラフである。KOH−LDH固体電解質の添加量が80wt%のとき、導電率は2桁程度である。本実施例では、添加量が85wt%以上の場合では柔軟性を有する複合電解質膜が得られなかったが、高分子材料をPBIなどに変更することで添加量を90wt%まで増加させることは可能である。また、結着剤にPBIを用いたKOH−LDH系固体電解質を含む複合電解質膜も水酸化物イオン伝導性を示した。
図8は、結着剤にPVDFを用い、80wt%のKOH−LDH系固体電解質を含む複合電解質膜の断面のSEM画像であり、図9はその概観図である。本実施例のKOH−LDH−PVDF複合電解質膜の厚みは0.18mm程度であるが、0.1mm以下まで薄くすることも可能である。
(実施例3)
実施例3について説明する。
実施例1のKOH−ZrO−PVDF複合電解質膜を用い、金属−空気全固体二次電池の評価を行った。複合電解質膜と負極シートは、図1Aに示す手順で接合した。
実施例3では、負極シートを構成する負極スラリー5に以下の材料を用いた。酸化鉄担持カーボンと、高分子材料として12wt%PVDF溶液を用いた。酸化鉄担持カーボンの詳細は、上述の特許文献1を参照すれば良いが、その概略は以下のとおりである。鉄アセチルアセトナートのエタノール溶液にカーボンブラック(ケッチェンブラック(KB)、ライオン社製)を含浸し、空気中100℃で1日乾燥させた後、窒素ガス雰囲気中400℃で2時間熱処理し、酸化鉄を担持したカーボンを作製した。負極スラリー5の重量混合比を、以下の表1に示す。
上記PVDF溶液と酸化鉄担持カーボンを混合し、30分の超音波処理にて分散させ、負極スラリー5を作製した。
また、金属硫化物を金属極に添加すれば放電特性が向上することが知られており、上記負極スラリー5に、さらに硫化カリウム(KS)を添加し、負極シートを作製することも可能である。
具体的な製造方法は以下の通りである。
図1Aを参照して、はじめに、電解質スラリー3を電解質用容器2、実施例1で示したガラスシャーレ(内径φ47mm)に流し込み(工程1−1)、基材1、実施例1で示したガラスシャーレ(外径φ44.7mm)を押し当てた(工程1−2)。
そのままの状態で60℃の電気炉で2〜3日間乾燥させ、その後、基材1と電解質用容器2のすき間からカッターで切り込みを入れ、基材1を電解質用容器2から取り出すことで、基材1に付着した電解質スラリー3を電解質シートとして移し取り複合電解質膜を作製した(工程1−3)。
上述の工程1−1〜1−3を電解質膜作製工程という。
上記の負極スラリー5を、負極用容器4に入れ(工程2−1)、上記工程で得られた複合電解質膜付き基材(基材1及び電解質スラリー3)を押し当てた(工程2−2)。
その状態で60℃の電気炉で2〜3日間乾燥させ、その後、基材1と負極用容器4のすき間からカッターで切り込みを入れ、基材1上に、電解質膜である複合電解質膜(電解質スラリー3)及び電極膜である負極シート(負極スラリー5)による接合体、つまり電極膜と電解質膜で構成される接合体(電極膜・電解質膜接合体)を移し取った(工程2−3)。以下、電極膜・電解質膜接合体を負極シート・複合電解質膜接合体ともいう。
上述の工程2−1〜2−3を接合体作製工程という。
上述の実施形態及び実施例による製造方法で得られた負極シート・複合電解質膜接合体の概観図を、図10に示す。重量比Fe:ケッチェンブラック:PVDF=1:2:2の負極スラリー5を用いた。電解質シート同様、柔軟性を有する自立膜であり、全体の厚みは約340μmである(負極シート約280μm、電解質シート約60μm)。本製造方法を用いることで、電解質と電極が剥がれることなく、良好に密着している負極シート・複合電解質膜接合体を作製できる。
上記電池について、高性能ポテンショスタット/ガルバノスタット(Solartron、SI 1287、DC分極電圧:±14.5V(±14.5Vに対しての分解能100μV)、電流:±2A(分解能100pA)、測定分解能(装置の解析理論限界)[電流分解能:1pA、電圧分解能:1μV])、および周波数応答アナライザ(Solartron、1252A、周波数範囲:10kHz〜300kHz、交流振幅:0〜3Vrms、交流振幅分解能:5mV)を用いて、セル電圧と電流密度を測定した。発電試験は温度20℃、相対湿度60%、充電レート0.25mA/cm、放電レート0.1mA/cmの条件で行った。
図11は、上述の実施形態及び実施例による製造方法で作製した負極シート・複合電解質膜接合体の断面SEM画像である。負極シート材料の重量比はFe:ケッチェンブラック:KS:PVDF=1:2:0.3:2である。上記製法は、プレス成型することなく電解質と負極を接合することが可能である。この接合面のEDX分析の結果を図12に示す。図12の各分析結果において当該元素が検出された箇所が白く表示されている。複合電解質膜部分のZrOの周囲全体に、図5Cと同様にカリウムが検出された。このKOH−ZrO固体電解質の粒子間の一部に、PVDFに由来する炭素とフッ素元素が検出され、PVDFの網目構造によって固体電解質が接続されている。また、このPVDFのネットワークは、負極シート中にも観察された。
ここで、網目構造とは、電解質膜中の固体電解質の粒子を結着する結着剤と、電極膜中の電極活物質および導電剤の粒子を結着する結着剤が入り組んで互いの膜に侵入した状態となった構造のことであり、結着剤が網目構造を形成することとなる。具体的には、網目構造は、電解質膜乃至電極膜(負極シート)の表面の凹凸が入り組んで互いに侵入した状態となった構造のことを意味する。このような網目構造によって、電解質膜と電極膜からなる接合体は、自立した膜として利用することができる。
図11で矢示する丸印内を参照すると、複合電解質膜の網目構造を形成する隙間に負極シートが入り込むようにして負極シートも網目構造を形成し、互いの網目構造が機械的に噛み合うことで複合電解質膜と負極シートが接合している。このように、上述の製法では、複合電解質膜と負極シートに同じ高分子材料を用いることで、高分子材料の網目構造が複合電解質膜及び負極シートの両方に構築されるので、互いの網目構造が噛み合って接合することにより、複合電解質膜と負極シートの接合体に接触面積の大きい良好な接合界面が得られる。
図13は、実施例3で作製した金属−空気全固体二次電池の放電容量を示すグラフであり、図14はサイクル特性を示すグラフである。上述の実施形態及び実施例による製造方法で作製した負極シート・複合電解質膜接合体を用いた鉄−空気全固体二次電池が、充放電できることを確認した。図13における曲線(a)および図14における曲線(a)は、負極シートにKSを含まない電池の結果を示している。図13における曲線(b)および図14における曲線(b)は負極シートにKSを添加した電池の結果を示している。上述したように、KSを添加することで放電容量は増加した。本製造方法では、固体電解質を用いているが電解液KSの添加効果は発揮され、酸化鉄担持カーボンとKSとPVDFが良好な分散状態を維持していることが推測される。
上述の特許文献1および2の圧粉ペレット状の鉄−空気全固体二次電池では、充放電サイクル初期の放電容量は小さく、本来の特性を得るまでに10サイクル程度の充放電を繰り返す必要があった。これは、空気極より水分と水酸化物イオンが徐々に供給されているため全体に浸透するまで時間を要し、水分と水酸化物イオンが供給されていない部分の界面抵抗が大きいからである。
一方、本実施形態及び実施例による鉄−空気全固体二次電池は3サイクル目から本来の放電容量を示し、60サイクル繰り返しても安定であった。電解質シートと負極シートに同じ素材(ここでは、PVDF)の結着剤を用いることで良好な接合界面が得られているからである。また、その結着剤が撥水性ポリマーであり空気極から供給される水分と水酸化物イオンはポリマー部分を避け、固体電解質や負極材料近傍に濃縮されることにより、優れた電池特性が発揮されたと思われる。また、撥水性ポリマーで結着しているため電極膜・電解質膜接合体シート(負極シート・複合電解質膜接合体)は水分を吸着しても形状は崩れず、優れた耐湿性を示した。
電解質と電極の接触不良は電気やイオン輸送の妨げとなり電池特性を悪化させるが、上述の実施形態及び実施例による二次電池の製造方法を用いれば良好な密着性が得られる。その理由は、上述の二次電池の製造方法である負極シート/複合電解質膜接合体の製造方法は、負極と電解質に同じ高分子材料を用いており、電解質と負極の界面部分においても同種の高分子同士が結合するからである。
また、金属−空気全固体二次電池は、高分子材料として撥水性ポリマーを用いているため、空気極から水分が供給されても高分子材料は膨潤しないため、接合体シートの形状は変化しないという利点もある。
以上記載した本発明の実施形態及び実施例による二次電池の製造方法は、全固体電池作製時の電極材料のバリ発生による短絡を防ぎ、且つ電解質と電極材料の良好な接触界面を形成することができる。また、電解質は電解液を用いた電池のセパレーターと同程度の厚みの自立膜として利用することが可能であり、金属極材料と空気極材料を確実に分離することができ、電池が短絡する可能性が激減し、長期間の安定した電池動作を得ることができる。
なお、今回開示された各実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された各実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
例えば、実施例3では、負極シートと複合電解質膜を利用しており、全固体電池でありながら柔軟性を有している。これにより、金属−空気全固体二次電池の大面積化が実現可能となった。また、平板に限られていた金属−空気全固体二次電池の形状を、円筒型など湾曲した構造とすることが可能となる。
1 基材
2 電解質用容器
3 電解質スラリー
4 負極用容器
5 負極スラリー

Claims (9)

  1. 遷移金属酸化物とアルカリ金属の水酸化物を含む水酸化物イオン伝導性を有する固体電解質粒子が隙間をもって配され、前記固体電解質粒子の少なくとも一部が結着剤により固定されているともに、当該隙間に実質的に電極よりつながる金属を含む負極材料と電子伝導性を持つ炭素材料が存在する二次電池用電解質膜と、炭素及び酸素還元触媒を含む空気極と、結着剤と少なくとも炭素及び金属とを含む負極である金属極とを有し、
    前記結着剤は、網目構造を有し、
    前記電解質膜と負極膜の接合界面との接触面積を大きくすべく、前記負極膜に含まれる結着剤が電解質膜に入りこみ、かつ、前記電解質膜に含まれる結着剤が負極膜に入りこみ、網目構造が形成されていて、
    前記電解質膜に含まれる結着剤と前記負極膜に含まれる結着剤とがお互いに侵入しあっている構成とされている
    ことを特徴とする金属−空気全固体二次電池。
  2. 遷移金属酸化物とアルカリ金属の水酸化物を含む水酸化物イオン伝導性を有する固体電解質粒子が隙間をもって配され、前記固体電解質粒子の少なくとも一部が結着剤により固定されているともに、当該隙間に実質的に電極よりつながる金属を含む負極材料と電子伝導性を持つ炭素材料が存在する二次電池用電解質膜と、炭素及び酸素還元触媒を含む空気極と、結着剤と少なくとも炭素及び金属とを含む負極である金属極とを有し、
    前記結着剤は、炭素とフッ素と水素を含むフッ素系高分子、もしくは炭素と窒素と水素を含む複素芳香族系高分子であり、
    前記電解質膜と負極膜の接合界面との接触面積を大きくすべく、前記負極膜に含まれる結着剤が電解質膜に入りこみ、かつ、前記電解質膜に含まれる結着剤が負極膜に入りこみ、網目構造が形成されていて、
    前記電解質膜に含まれる結着剤と前記負極膜に含まれる結着剤とがお互いに侵入しあっている構成とされている
    ことを特徴とする金属−空気全固体二次電池。
  3. 電解質膜と電極膜である負極膜とからなる接合体であって、
    前記電解質膜は、アルカリ金属水酸化物と、遷移金属酸化物、層状複水酸化物のうち少なくとも一種以上とを含む固体電解質と、前記固体電解質の粒子を結着する結着剤とを含み、
    前記電極膜である負極膜は電極活物質と、導電剤と、前記電極活物質および前記導電剤の粒子を結着する結着剤とを含み、
    前記電解質膜と負極膜の接合界面との接触面積を大きくすべく、前記負極膜に含まれる結着剤が電解質膜に入りこみ、かつ、前記電解質膜に含まれる結着剤が負極膜に入りこみ、網目構造が形成されていて、
    前記電解質膜に含まれる結着剤と前記負極膜に含まれる結着剤とがお互いに侵入しあっている構成とされている
    ことを特徴とする接合体。
  4. 前記電解質膜の表面に、電極活物質と、導電剤と、結着剤とを含むスラリーが乾燥状態で積層された構造であることを特徴とする請求項3に記載の接合体。
  5. 前記アルカリ金属水酸化物はKOHであることを特徴とする請求項3または4に記載の接合体。
  6. 前記遷移金属酸化物はZrOであることを特徴とする請求項4または5に記載の接合体。
  7. 前記固体電解質の粒子を結着する結着剤と、前記電極活物質および前記導電剤の粒子を結着する結着剤が同一の材料であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の接合体。
  8. 請求項3〜7のいずれかに記載の接合体と、炭素及び酸素還元触媒を含む空気極と、を有することを特徴とする金属−空気全固体二次電池。
  9. 電解質スラリーの上部から基材を押し当てて、当該状態で前記電解質スラリーを乾燥させることで、遷移金属酸化物又は層状複水酸化物とアルカリ金属の水酸化物を含む水酸化物イオン伝導性を有する固体電解質粒子と、結着剤を含む電解質スラリーと、を用いた電解質膜を作製する電解質膜作製工程と、
    前記電解質膜作製工程で得られた電解質膜を負極スラリーの上部から押し当てて、当該状態で前記負極スラリーを乾燥させることで、負極膜と電解質膜とからなる接合体を作製する接合体作製工程と、を備え、
    前記電解質膜及び負極膜に、結着剤を予め配合しておき、
    前記電解質膜と負極膜の接合界面との接触面積を大きくすべく、前記負極膜に含まれる結着剤を電解質膜に入り込ませ、かつ、前記電解質膜に含まれる結着剤を負極膜に入り込ませて、網目構造を形成することとし、
    前記電解質膜に含まれる結着剤と前記負極膜に含まれる結着剤とがお互いに侵入しあっている構成としている
    ことを特徴とする接合体の製造方法。
JP2013253599A 2013-12-06 2013-12-06 二次電池用電解質膜、接合体、金属−空気全固体二次電池、及びその接合体の製造方法 Active JP6033208B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013253599A JP6033208B2 (ja) 2013-12-06 2013-12-06 二次電池用電解質膜、接合体、金属−空気全固体二次電池、及びその接合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013253599A JP6033208B2 (ja) 2013-12-06 2013-12-06 二次電池用電解質膜、接合体、金属−空気全固体二次電池、及びその接合体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015111531A JP2015111531A (ja) 2015-06-18
JP6033208B2 true JP6033208B2 (ja) 2016-11-30

Family

ID=53526218

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013253599A Active JP6033208B2 (ja) 2013-12-06 2013-12-06 二次電池用電解質膜、接合体、金属−空気全固体二次電池、及びその接合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6033208B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6030780B2 (ja) 2014-11-13 2016-11-24 日本碍子株式会社 水酸化物イオン伝導性セラミックスセパレータを用いた二次電池
US10330715B2 (en) * 2016-12-11 2019-06-25 Keysight Technologies, Inc. Systems and methods for determining a self-discharge current characteristic of a storage cell
JP7119884B2 (ja) 2018-10-16 2022-08-17 トヨタ自動車株式会社 硫化物全固体電池

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4990413A (en) * 1989-01-18 1991-02-05 Mhb Joint Venture Composite solid electrolytes and electrochemical devices employing the same
JPH0315164A (ja) * 1989-03-08 1991-01-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 固体二次電池の製造法
JP5952540B2 (ja) * 2010-09-02 2016-07-13 株式会社神戸製鋼所 固体電解質材料およびこれを用いた金属−空気全固体二次電池
JP5739831B2 (ja) * 2012-01-11 2015-06-24 株式会社神戸製鋼所 空気電池用材料及びこれを用いた全固体空気電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015111531A (ja) 2015-06-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Fan et al. Tailoring inorganic–polymer composites for the mass production of solid-state batteries
Fu et al. Flexible high‐energy polymer‐electrolyte‐based rechargeable zinc–air batteries
Wang et al. Nickel-doped La0. 8Sr0. 2Mn1–x Ni x O3 nanoparticles containing abundant oxygen vacancies as an optimized bifunctional catalyst for oxygen cathode in rechargeable lithium–air batteries
Zhang et al. Nitrogen-doped perovskite as a bifunctional cathode catalyst for rechargeable lithium–oxygen batteries
Lee et al. Flexible/rechargeable Zn–air batteries based on multifunctional heteronanomat architecture
Prabu et al. Zinc–air battery: understanding the structure and morphology changes of graphene-supported CoMn2O4 bifunctional catalysts under practical rechargeable conditions
Lee et al. Ionic liquid modified graphene nanosheets anchoring manganese oxide nanoparticles as efficient electrocatalysts for Zn–air batteries
JP5952540B2 (ja) 固体電解質材料およびこれを用いた金属−空気全固体二次電池
An et al. Facile one-pot synthesis of CoFe alloy nanoparticles decorated N-doped carbon for high-performance rechargeable zinc–air battery stacks
JP5953576B2 (ja) 金属−空気二次電池用空気極触媒層
Wang et al. Nanocarbon‐based electrocatalysts for rechargeable aqueous Li/Zn‐air batteries
Tomboc et al. Ideal design of air electrode—A step closer toward robust rechargeable Zn–air battery
JP6352884B2 (ja) 金属−空気二次電池用負極材料、これを備える金属−空気二次電池、及び金属−空気二次電池用負極材料の製造方法
JP2014150056A (ja) 金属−空気全固体二次電池用複合負極材料、およびこれを用いた金属−空気全固体二次電池
JP5802189B2 (ja) 固体電解質材料およびこれを用いた金属−空気全固体二次電池
CN112382793A (zh) 硫化物浸渍的固态电池
Kumar et al. Ir nanoparticles-anchored reduced graphene oxide as a catalyst for oxygen electrode in Li–O 2 cells
JP6033208B2 (ja) 二次電池用電解質膜、接合体、金属−空気全固体二次電池、及びその接合体の製造方法
US10505221B2 (en) Solid electrolyte and fabrication method therefor, and all-solid-state secondary battery and fabrication method therefor
US9397345B2 (en) Cathodes for lithium-air battery cells with acid electrolytes
Jiang et al. “Carbon‐Glue” Enabled Highly Stable and High‐Rate Fe3O4 Nanorod Anode for Flexible Quasi‐Solid‐State Nickel–Copper//Iron Alkaline Battery
Li et al. Advanced Architectures of Air Electrodes in Zinc–Air Batteries and Hydrogen Fuel Cells
US20160204445A1 (en) Cathode catalyst for metal-air battery, method for manufacturing same, and metal-air battery comprising same
JP5739831B2 (ja) 空気電池用材料及びこれを用いた全固体空気電池
JP5690353B2 (ja) 非水系二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150805

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160614

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160830

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160926

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161025

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161025

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6033208

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250