JP2018147672A - 負極およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents

負極およびリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】急速充電特性が良好である負極及びリチウムイオン二次電池を提供する。【解決手段】負極は、負極集電体と、前記負極集電体の上に設けられた負極活物質層とを有し、前記負極活物質層は、炭素材料を含み、かつ水銀圧入法によって得られたLog微分細孔容積分布グラフにおいて、ピーク細孔径A(単位:μm)と、前記ピーク細孔径AにおけるLog微分細孔容積B(単位:cm3/g)との積A×Bが、0.2以上1.0以下である。リチウムイオン二次電池は、上述の負極と、正極と、電解液とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、負極およびリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池等と比べ、軽量、高容量であるため、携帯電子機器用電源として広く応用されている。また、ハイブリッド自動車や、電気自動車用に搭載される電源として有力な候補ともなっている。そして、近年の携帯電子機器の小型化、高機能化に伴い、これらの電源となるリチウムイオン二次電池への更なる高容量化が期待されている。
リチウムイオン二次電池の容量は主に電極の活物質に依存する。負極活物質には、一般に黒鉛が利用されている。しかし、黒鉛の理論容量は372mAh/gであり、実用化されている電池では、既に約350mAh/gの容量が利用されている。よって、将来の高機能携帯機器のエネルギー源として十分な容量を有するリチウムイオン二次電池を得るためには、さらなる高容量化を実現する必要がある。
近年ではより一層の高容量化に加え、利便性の向上のため急速充電特性や、電動工具やコードレス家電などリチウムイオン二次電池の新規な用途が開拓されたことによる急速放電への要望も高まりつつある。
特許文献1では負極のピーク細孔径を0.1〜10μmにすることにより負極板の表面で発生したガスを負極活物質層の空隙部からスムーズに放圧孔へ排出できるようにしている。特許文献2では負極合剤層における細孔径の最頻値を0.9μm以上として、負極合剤層の有する細孔を大きくすることで、負極合剤層内への電解液の浸透速度を高め、電池製造時における電解液注入工程の短時間化を達成して、その生産性を向上させている。
特開2005−267953号公報 特開2009−4139号公報
しかしながら、上述した特許文献1、2に記載されたリチウムイオン二次電池においても、急速充電特性は十分ではない場合がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、急速充電特性が良好である負極及びリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、リチウムイオン二次電池の負極活物質層の細孔径と細孔容積とが所定の関係を満たすと、リチウムイオン二次電池の急速充電特性が向上することを見出した。
すなわち、本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)第1の態様にかかる負極は、負極集電体と、前記負極集電体の上に設けられた負極活物質層とを有し、前記負極活物質層は、炭素材料を含み、かつ水銀圧入法によって得られたLog微分細孔容積分布グラフにおいて、ピーク細孔径A(単位:μm)と、前記ピーク細孔径AにおけるLog微分細孔容積B(単位:cm/g)との積A×Bが、0.2以上1.0以下である。
(2)上記態様にかかる負極において、前記負極活物質層は、細孔径が0.6μm以上2.5μm以下にある細孔の累積細孔容積が、全細孔容積の60%以上90%以下であってもよい。
(3)上記態様にかかる負極は、前記負極活物質層のX線回折パターンにおいて、前記炭素材料の(002)面に帰属されるピーク強度(I(002))と、前記炭素材料の(110)面に帰属されるピーク強度(I(110))との比(I(002)/I(110))が100以上400以下であってもよい。
(4)上記態様にかかる負極は、前記負極活物質層のX線回折パターンにおいて、前記炭素材料の(004)面に帰属されるピーク強度(I(004))と、前記炭素材料の(110)面に帰属されるピーク強度(I(110))との比(I(004)/I(110))が3以上15以下であってもよい。
(5)上記態様にかかる負極において、前記炭素材料は人造黒鉛であり、前記人造黒鉛のかさ密度が0.5g/cm以上2.0g/cm以下であってもよい。
(6)上記態様にかかる負極において、前記炭素材料の比表面積は0.1m/g以上2m/g以下であってもよい。
(7)第2の態様にかかるリチウムイオン二次電池は、上記態様にかかる負極と、正極と、電解液とを有する。
上記態様にかかる負極およびリチウムイオン二次電池は、急速充電特性に優れる。
本実施形態にかかるリチウムイオン二次電池の断面模式図である。 本実施形態にかかる負極の負極活物質層のLog微分細孔容積分布グラフである。
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
[リチウムイオン二次電池]
図1は、本実施形態にかかるリチウムイオン二次電池の断面模式図である。図1に示すリチウムイオン二次電池100は、主として積層体40、積層体40を密閉した状態で収容するケース50、及び積層体40に接続された一対のリード60、62を備えている。また、図示されていないが、積層体40とともに電解液が、ケース50内に収容されている。
積層体40は、正極20と負極30とが、セパレータ10を挟んで対向配置されたものである。正極20は、板状(膜状)の正極集電体22上に正極活物質層24が設けられたものである。負極30は、板状(膜状)の負極集電体32上に負極活物質層34が設けられたものである。
正極活物質層24及び負極活物質層34は、セパレータ10の両側にそれぞれ接触している。正極集電体22及び負極集電体32の端部には、それぞれリード62、60が接続されており、リード60、62の端部はケース50の外部にまで延びている。図1では、ケース50内に積層体40が一つの場合を例示したが、複数積層されていてもよい。
「負極」
負極30は、負極集電体32と、負極集電体32の上に設けられた負極活物質層34とを有する。
(負極集電体)
負極集電体32は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
(負極活物質層)
負極活物質層34は、負極活物質と負極バインダーとを有し、必要に応じて負極導電材を有する。
負極活物質層34は、水銀圧入法によって得られたLog微分細孔容積分布グラフにおいて、ピーク細孔径A(単位:μm)と、前記ピーク細孔径AにおけるLog微分細孔容積B(単位:cm/g)との積A×Bが、0.2以上1.0以下とされている。なお、本実施形態において、細孔径は、細孔の直径を意味する。
「Log微分細孔容積分布グラフ」とは、水銀圧入法による細孔容積の測定ポイント間の差分細孔容積dVを、細孔径の対数扱いの差分値d(logD)で割った値(Log微分細孔容積)を求め、これを各測定ポイント間の区間の平均細孔径に対してプロットしたグラフである。
図1は、本実施形態にかかる負極の負極活物質層のLog微分細孔容積分布グラフである。この図1に示すように、Log微分細孔容積分布グラフにおいて、横軸は細孔径で、単位はμmであり、縦軸はLog微分細孔容積(dV/d(logD))で、単位はcm/gである。
「ピーク細孔径A」とは、Log微分細孔容積分布グラフにおいて、Log微分細孔容積が最大値を示す細孔径である。
本実施形態において、ピーク細孔径Aは、0.6μm以上2.5μm以下の範囲にあることが好ましい。ピーク細孔径Aがこの範囲にあると、急速充電特性が向上する。これは、負極活物質層34内に電解液が侵入しやすくなるためであると考えられる。
「LogB」とは、ピーク細孔径AにおけるLog微分細孔容積であり、Log微分細孔容積の最大値である。
本実施例形態において、Log微分細孔容積Bは、0.23cm/g以上0.60cm/g以下の範囲にあることが好ましい。Log微分細孔容積Bが、この範囲にあると、急速充電特性が向上する。これは、負極活物質層34内に保持される電解液の量が多くなるためであると考えられる。
本実施形態において負極活物質層34は、ピーク細孔径AとLog微分細孔容積Bとの積A×Bが、0.2以上1.0以下の範囲とされている。積A×Bが、0.2以上が0.2以上1.0以下とされているので、負極活物質層34内に電解液が侵入しやすく、かつ保持される電解液の量が多くなるので、急速充電特性が向上すると考えられる。また、積A×Bが、1.0以下とされているので、負極活物質層34内の細孔が占める容積が過剰に大きくなることが抑制される。積A×Bは、0.4以上1.0以下の範囲とされていることが好ましい。
また、本実施形態において負極活物質層34は、細孔径が0.6μm以上2.5μm以下にある細孔の累積細孔容積が、全細孔容積の60%以上90%以下であることが好ましい。累積細孔容積の上記の範囲とあると、急速充電特性をより向上させることができる。これは、細孔径が0.6μm以上2.5μm以下にある細孔が占める割合が多いので、負極活物質層34内に電解液が侵入しやすく、かつ保持される電解液の量が多くなるためであると考えられる。
さらに、本実施形態の負極30は、負極活物質層34のX線回折パターンにおいて、炭素材料の(002)面に帰属されるピーク強度(I(002))と、炭素材料の(110)面に帰属されるピーク強度(I(110))との比(I(002)/I(110))が100以上400以下であることが好ましい。炭素材料のI(002)/I(110)が上記の範囲となるように、負極活物質層34内の炭素材料を配向させることによって急速充電特性をより確実に向上させることができる。
またさらに、本実施形態の負極30は、負極活物質層34のX線回折パターンにおいて、炭素材料の(004)面に帰属されるピーク強度(I(004))と、炭素材料の(110)面に帰属されるピーク強度(I(110))との比(I(004)/I(110))が3以上15以下であることが好ましい。炭素材料のI(004)/I(110)が上記の範囲となるように、負極活物質層34内の炭素材料を配向させることによって急速充電特性をさらに確実に向上させることができる。
ここで、「X線回折パターン」とは、CuをX線源とするX線回折法に測定されたX線回折パターンである。「炭素材料の(002)面に帰属されるピーク強度」は、X線の回折角2θで26〜27度の近傍にて検出されるピークの強度である。「炭素材料の(110)面に帰属されるピーク強度」は、X線の回折角2θで77〜78度の近傍にて検出されるピークの強度である。「炭素材料の(004)面に帰属されるピーク強度」は、X線の回折角2θで54〜55度の近傍にて検出されるピークの強度である。
(負極活物質)
本実施形態において負極活物質としては、炭素材料を用いることできる。炭素材料の例としては、天然黒鉛、人造黒鉛、メソフェーズカーボンマイクロビーズ(MCMB)等が挙げられる。これらの炭素材料は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの炭素材料の中でも人造黒鉛であることが好ましい。
造黒鉛は、かさ密度が0.5g/cm以上2.0g/cm以下であることが好ましい。かさ密度が上記の範囲にある人造黒鉛を用いて形成した負極活物質層は、電解液が侵入できる程度の比較的大きな細孔が生じやすく、人造黒鉛と電解液間でのリチウムイオン移動が容易となり急速充電特性がより向上する傾向がある。なお、かさ密度は、人造黒鉛を所定容量の容器に充填したときの人造黒鉛の重量と容器の体積との比である。
炭素材料は、比表面積が0.1m/g以上2m/g以下であることが好ましい。比表面積が上記の範囲にある人造黒鉛を用いて形成した負極活物質層は、人造黒鉛と電解液との接触面が広くなり、人造黒鉛と電解液間でのリチウムイオン移動が容易となり急速充電特性がより向上する傾向がある。なお、比表面積は、窒素ガス吸着によるBET法により測定した値である。
(負極導電材)
導電材としては、例えば、カーボンブラック類等のカーボン粉末、カーボンナノチューブ、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。これらの中でも、アセチレンブラックやエチレンブラック等のカーボン粉末が特に好ましい。負極活物質36のみで十分な導電性を確保できる場合は、リチウムイオン二次電池100は導電材を含んでいなくてもよい。
(負極バインダー)
バインダーは、活物質同士を結合すると共に、活物質と負極集電体32とを結合する。バインダーは、上述の結合が可能なものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂が挙げられる。
また、上記の他に、バインダーとして、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴムを用いてもよい。
また、バインダーとして電子伝導性の導電性高分子やイオン伝導性の導電性高分子を用いてもよい。電子伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン等が挙げられる。この場合は、バインダーが導電材の機能も発揮するので導電材を添加しなくてもよい。イオン伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等の高分子化合物にリチウム塩又はリチウムを主体とするアルカリ金属塩と、を複合化させたもの等が挙げられる。
またこの他に、バインダーとして、例えば、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂等を用いてもよい。
また、バインダーとして電子伝導性の導電性高分子やイオン伝導性の導電性高分子を用いてもよい。電子伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン等が挙げられる。この場合は、バインダーが導電材の機能も発揮するので導電材を添加しなくてもよい。イオン伝導性の導電性高分子としては、例えば、リチウムイオン等のイオンの伝導性を有するものを使用することができ、例えば、高分子化合物(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物、ポリフォスファゼン等)のモノマーと、LiClO、LiBF、LiPF等のリチウム塩又はリチウムを主体とするアルカリ金属塩と、を複合化させたもの等が挙げられる。複合化に使用する重合開始剤としては、例えば、上記のモノマーに適合する光重合開始剤または熱重合開始剤が挙げられる。
負極活物質層34中の負極活物質36、導電材及びバインダーの含有量は特に限定されない。負極活物質層34における負極活物質36の構成比率は、質量比で90%以上98%以下であることが好ましい。また負極活物質層34における導電材の構成比率は、質量比で0%以上3.0%以下であることが好ましく、負極活物質層34におけるバインダーの構成比率は、質量比で2.0%以上5.0%以下であることが好ましい。
負極活物質とバインダーの含有量を上記範囲とすることにより、バインダーの量が少なすぎて強固な負極活物質層を形成できなくなることを防ぐことができる。また、充放電容量に寄与しないバインダーの量が多くなり、十分な体積エネルギー密度を得ることが困難となる傾向も抑制できる。
「正極」
正極20は、正極集電体22と、正極集電体22の上に設けられた正極活物質層24とを有する。
(正極集電体)
正極集電体22は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
(正極活物質層)
正極活物質層24に用いる正極活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンとリチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF6−)とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能な電極活物質を用いることができる。
例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMn(x+y+z+a=1、0≦x<1、0≦y<1、0≦z<1、0≦a<1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素又はVOを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)、LiNiCoAl(0.9<x+y+z<1.1)等の複合金属酸化物、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセンなどが挙げられる。
(導電材)
導電材は、例えば、カーボンブラック類等のカーボン粉末、カーボンナノチューブ、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。正極活物質のみで十分な導電性を確保できる場合は、リチウムイオン二次電池100は導電材を含んでいなくてもよい。
(正極バインダー)
正極に用いるバインダーは負極と同様のものを使用できる。
正極活物質層24における正極活物質の構成比率は、質量比で80%以上96%以下であることが好ましい。また正極活物質層24における導電材の構成比率は、質量比で2.0%以上10%以下であることが好ましく、正極活物質層24におけるバインダーの構成比率は、質量比で2.0%以上10%以下であることが好ましい。
「セパレータ」
セパレータ10は、電気絶縁性の多孔質構造から形成されていればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いはセルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
「電解液」
電解液には、リチウム塩を含む電解質溶液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する電解質溶液)を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いため、充電時の耐用電圧が低く制限される。そのため、有機溶媒を使用する電解質溶液(非水電解質溶液)であることが好ましい。
非水電解液は、非水溶媒に電解質が溶解されており、非水溶媒として環状カーボネートと、鎖状カーボネートと、を含有してもよい。
環状カーボネートとしては、電解質を溶媒和することができるものを用いることができる。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びブチレンカーボネートなどを用いることができる。
鎖状カーボネートは、環状カーボネートの粘性を低下させることができる。例えば、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが挙げられる。その他、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどを混合して使用してもよい。
非水溶媒中の環状カーボネートと鎖状カーボネートの割合は体積にして1:9〜1:1にすることが好ましい。
電解質としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiCFSO、LiCFCFSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFCFCO)、LiBOB等のリチウム塩が使用できる。なお、これらのリチウム塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。特に、電離度の観点から、LiPFを含むことが好ましい。
LiPFを非水溶媒に溶解する際は、非水電解液中の電解質の濃度を、0.5〜2.0mol/Lに調整することが好ましい。電解質の濃度が0.5mol/L以上であると、非水電解液のリチウムイオン濃度を充分に確保することができ、充放電時に十分な容量が得られやすい。また、電解質の濃度が2.0mol/L以内に抑えることで、非水電解液の粘度上昇を抑え、リチウムイオンの移動度を充分に確保することができ、充放電時に十分な容量が得られやすくなる。
LiPFをその他の電解質と混合する場合にも、非水電解液中のリチウムイオン濃度が0.5〜2.0mol/Lに調整することが好ましく、LiPFからのリチウムイオン濃度がその50mol%以上含まれることがさらに好ましい。
「ケース」
ケース50は、その内部に積層体40及び電解液を密封するものである。ケース50は、電解液の外部への漏出や、外部からのリチウムイオン二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。
例えば、ケース50として、図1に示すように、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔52としては例えばアルミ箔を、高分子膜54としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が好ましい。
「リード」
リード60、62は、アルミ等の導電材料から形成されている。そして、公知の方法により、リード60、62を正極集電体22、負極集電体32にそれぞれ溶接し、正極20の正極活物質層24と負極30の負極活物質層34との間にセパレータ10を挟んだ状態で、電解液と共にケース50内に挿入し、ケース50の入り口をシールする。
[リチウムイオン二次電池の製造方法]
次に、リチウムイオン二次電池100を製造する方法について、具体的に説明する。
「負極の作製」
負極30は、次のようにして作製することができる。
極活物質、バインダー及び溶媒を混合して塗料を調製する。必要に応じ導電材を更に加えても良い。溶媒としては例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン等を用いることができる。負極活物質、導電材、バインダーの構成比率は、質量比で90wt%〜98wt%:0wt%〜3.0wt%:2.0wt%〜5.0wt%であることが好ましい。これらの質量比は、全体で100wt%となるように調整される。塗料を構成するこれらの成分の混合方法は特に制限されず、混合順序もまた特に制限されない。
次に、上記塗料を、負極集電体32に塗布する。塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。
続いて、負極集電体32上に塗布された塗料中の溶媒を除去する。溶媒を除去することによって負極活物質層34が形成され、負極30が得られる。溶媒の除去方法は特に限定されない。例えば、塗料が塗布された負極集電体32を、80℃〜150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。
そして、このようにして得られた負極30の負極活物質層34をプレス処理して、負極活物質層34の厚さを調整する。プレス装置としては、ロールプレスを用いることができる。
本実施形態の負極の製造に際しては、負極活物質層のピーク細孔径Aと、ピーク細孔径AにおけるLog微分細孔容積Bとの積A×Bおよび負極活物質層内の炭素材料の配向を上述の範囲となるように調整することが必要である。ピーク細孔径AとLog微分細孔容積Bとの積A×Bおよび負極活物質層内の炭素材料の配向を調整する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。(1)負極活物質、バインダー及び導電材の材料、粒度、構成比率を調整する方法。(2)塗料の濃度や粘度を調整する方法。(3)負極活物質層をプレス処理の条件を調整する方法。負極活物質層を、ロールプレスを用いてプレス処理する場合は、線圧、ロール温度、送り速度を適宜調整することによって、ピーク細孔径AとLog微分細孔容積Bとの積A×Bおよび負極活物質層内の炭素材料の配向を調整することができる。
「正極の作製」
正極20は、次のようにして作製することができる。
正極活物質、導電材、バインダー及び溶媒を混合して塗料を調製する。
溶媒としては、負極の製造の場合と同様に、例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン等を用いることができる。正極活物質、導電材、バインダーの構成比率は、質量比で80wt%〜96wt%:2.0wt%〜10wt%:2.0wt%〜10wt%であることが好ましい。これらの質量比は、全体で100wt%となるように調整される。
塗料を構成するこれらの成分の混合方法は特に制限されず、混合順序もまた特に制限されない。上記塗料を、正極集電体22に塗布する。塗布方法としては、負極の製造の場合と同様に、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。
続いて、正極集電体22上に塗布された塗料中の溶媒を除去する。溶媒を除去することによって正極活物質層24が形成され、正極20が得られる。溶媒の除去方法は特に限定されない。例えば、塗料が塗布された負極集電体32を、80℃〜150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。
そして、このようにして得られた正極20の正極活物質層24をプレス処理して、正極活物質層24の厚さを調整する。プレス装置としては、ロールプレスを用いることができる。
「リチウムイオン二次電池の作製」
リチウムイオン二次電池100は、次のようにして作製することができる。
正極活物質層24を有する正極20と、負極活物質層34を有する負極30と、正極と負極との間に介在するセパレータ10と、電解液と、をケース50内に封入する。
例えば、正極20と、負極30と、セパレータ10とを積層し、正極20及び負極30を、積層方向に対して垂直な方向から、プレス器具で加熱加圧し、正極20、セパレータ10、及び負極30を密着させる。そして、例えば、予め作製した袋状のケース50に、積層体40を入れる。
最後に電解液をケース50内に注入することにより、リチウムイオン二次電池100が作製される。なお、ケースに電解液を注入するのではなく、積層体40を電解液に含浸させてもよい。
上述のように、本実施形態にかかるリチウムイオン二次電池100において、負極30の負極活物質層34の細孔径と細孔容積とが上述の関係を満たすため、負極活物質層34内に電解液が侵入しやすく、かつ保持される電解液の量が多くなると考えられる。このため、この負極30を用いたリチウムイオン二次電池100は、急速充放電特性に優れる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
[実施例1]
(負極の作製)
負極活物質として、かさ密度が2.5g/cmで、比表面積が0.05m/gの人造黒鉛を用意した。なお、かさ密度は、人造黒鉛を漏斗の排出部8mmφから落下させて、容量100cmの容器に充填し、容器から溢れた人造黒鉛を擦り切った後、容器に充填された人造黒鉛の重量を測定し、その測定した人造黒鉛の重量と容器の容積から算出した。比表面積は、比表面積測定装置を用いて、窒素ガス吸着によるBET法により測定した。
上記の人造黒鉛を94質量部、導電助剤としてアセチレンブラックを2質量部、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を4質量部の割合で秤量し、これらを混合して負極合剤を得た。続いて、負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンに分散させてペースト状の負極合剤塗料とした。この塗料を、厚さ10μmの電解銅箔の両面にそれぞれに、負極活物質の塗布量が6.1mg/cmとなるように塗布し、100℃で乾燥することで負極活物質層を形成した。形成した負極活物質層をロールプレスによりプレス処理した。ロールプレスの条件は、線圧を600kg/cm、ロール温度を25℃、送り速度を5m/minとした。
作製した負極の活物質層の細孔分布を、水銀ポロシメータを用いて水銀圧入法により測定し、図2に示したようなLog微粉細孔容積分布グラフを得た。得られたLog微粉細孔容積分布グラフから、ピーク細孔径Aとピーク細孔径AにおけるLog微分細孔容積Bを読み取り、その積A×Bを求めた。また、細孔径が0.6μm以上2.5μm以下にある細孔の累積細孔容積と、全細孔容積とを測定して、全細孔容積に対する細孔径が0.6μm以上2.5μm以下にある細孔の累積細孔容積の割合を求めた。その結果を表1に示す。
(正極の作製)
正極活物質としてLiCoOを90質量部、導電助剤としてアセチレンブラックを5質量部、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を5質量部の割合で秤量し、これらを混合して正極合剤を得た。続いて、正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンに分散させてペースト状の正極合剤塗料とした。この塗料を、厚さ20μmのアルミニウム箔の両面にそれぞれに、正極活物質の塗布量が12.5mg/cmとなるように塗布し、100℃で乾燥することで正極活物質層を形成した。その後、ロールプレスにより加圧成形し、正極を作製した。
(評価用リチウムイオン二次電池の作製)
作製した負極と正極とを、厚さ16μmのポリプロピレン製のセパレータを介して交互に積層し、負極3枚と正極2枚とを積層することで積層体を作製した。さらに、上記積層体の負極において、負極活物質層を設けていない銅箔の突起端部にニッケル製の負極リードを取り付け、一方、積層体の正極においては、正極活物質層を設けていないアルミニウム箔の突起端部にアルミニウム製の正極リードを超音波溶接機によって取り付けた。そしてこの積層体を、アルミラミネートフィルムの外装体内に挿入して周囲の1箇所を除いてヒートシールすることにより閉口部を形成し、上記外装体内にEC(エチレンカーボネート)/DEC(ジエチルカーボネート)が体積比3:7の割合で配合された溶媒中に、リチウム塩として1M(mol/L)のLiPFが添加された非水電解液を注入した後に、残りの1箇所を真空シール機によって減圧しながらヒートシールで密封してリチウムイオン二次電池を作製した。
(急速充電特性の測定)
作製したリチウムイオン二次電池の急速充電特性を、二次電池充放電試験装置を用いて測定した。電圧範囲を3.0Vから4.2Vまでとし、負極活物質重量当たり1C=340mAh/gとし、3C容量維持率(%)として評価した。ここで、3C容量維持率とは、0.2C充電時の定電流−定電圧充電容量を基準とし、0.2C充電量に対する3C定電流充電時における充電容量の割合であり以下の式(1)で表される。なお1Cとは公称容量値の容量を有する電池セルを定電流充電、または定電流放電して、ちょうど1時間で充放電が終了となる電流値のことである。その結果を表1に示す。
Figure 2018147672
[実施例2〜8、比較例1〜4]
負極の作製において、プレス処理の際のロールプレスの線圧を変えたこと以外は、実施例1と同様にして負極を作製した。ロールプレスの線圧は、実施例2は400kg/cm、実施例3は500kg/cm、実施例4は350kg/cm、実施例5は370kg/cm、実施例6は300kg/cm、実施例7は280kg/cm、実施例8は250kg/cm、比較例1は線圧800kg/cm、比較例2は700kg/cm、比較例3は230kg/cm、比較例4は200kg/cmとした。得られた負極の負極活物質層のピーク細孔径A、ピーク細孔径AにおけるLog微分細孔容積B、その積A×B、全細孔容積に対する細孔径が0.6μm以上2.5μm以下にある細孔の累積細孔容積の割合を、ロールプレスの条件とともに表1に示す。
得られた負極を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。そして、作製したリチウムイオン二次電池の急速充電特性(3C容量維持率(%))を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2018147672
表1に示す結果から、負極の負極活物質層のピーク細孔径AとLog微分細孔容積Bとの積A×Bが、0.2以上1.0以下の範囲にある実施例1〜8は、いずれも3C容量維持率が67%以上と高い値を示すことが確認された。これに対して、積A×Bが本発明の範囲よりも小さいもしくは大きい比較例1〜4は、いずれも3C容量維持率が55%以下と低い値を示した。
[実施例9〜16]
負極の作製において、プレス処理の際のロール温度を変えたこと以外は実施例5と同様にして負極を作製した。ロールの温度は、実施例9では25℃(すわなち、実施例5に相当)、実施例10では30℃、実施例11では40℃、実施例12では50℃、実施例13では60℃、実施例14では70℃、実施例15では75℃、実施例16では80℃とした。得られた負極の負極活物質層のX線回折パターンを、X線回折装置を用いて測定した。X線回折パターンの測定条件は、管球:Cu、管電圧:40kV、管電流:40mAとした。得られたX線回折パターンから人造黒鉛の(002)面に帰属されるピーク強度(I(002))と、人造黒鉛の(110)面に帰属されるピーク強度(I(110))とを計測し、その比(I(002)/I(110))を算出した。その結果を、ロールプレスの条件とともに表2に示す。
なお、実施例9〜16で作製された負極の負極活物質層はいずれも、水銀圧入法によって細孔分布を測定し、Log微分細孔容積分布グラフから求められるピーク細孔径AとLog微分細孔容積Bとの積A×Bが0.2以上1.0以下であることを確認した。
得られた負極を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。そして、作製したリチウムイオン二次電池の急速充電特性(3C容量維持率(%))を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2018147672
表2に示す結果から、負極の負極活物質層のI(002)/I(110)を調整することによって、3C容量維持率が向上することが確認された。特に、I(002)/I(110)が100以上400以下の範囲にある実施例11〜14は3C容量維持率が顕著に向上した。
[実施例17〜24]
負極の作製において、プレス処理の際の送り速度を変えたこと以外は実施例11と同様にして負極を作製した。送り速度は、実施例17では25m/min.、実施例18では20m/min.、実施例19では15m/min.、実施例20では12m/min.、実施例21では10m/min.、実施例22は8m/min.、実施例23では7m/min.、実施例24では5m/min.とした。得られた負極の負極活物質層のX線回折パターンを、X線回折装置を用いて測定した。X線回折パターンの測定条件は、管球:Cu、管電圧:40kV、管電流:40mAとした。得られたX線回折パターンから人造黒鉛の(002)面に帰属されるピーク強度(I(004))と、人造黒鉛の(110)面に帰属されるピーク強度(I(110))とを計測し、その比(I(004)/I(110))を算出した。その結果を、ロールプレスの条件とともに表3に示す。
なお、実施例17〜24で作製された負極は全て、負極活物質層水の細孔分布を銀圧入法によって測定し、Log微分細孔容積分布グラフから求められるピーク細孔径AとLog微分細孔容積Bとの積A×Bが0.2以上1.0以下の範囲にあることを確認した。
得られた負極を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。そして、作製したリチウムイオン二次電池の急速充電特性(3C容量維持率(%))を測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2018147672
表3に示す結果から、負極の負極活物質層のI(004)/I(110)を調整することによって、3C容量維持率が向上することが確認された。特に、I(004)/I(110)が3以上15以下の範囲にある実施例19〜22は3C容量維持率が顕著に向上した。
[実施例25〜実施例32]
負極の作製において使用した人造黒鉛のかさ密度を変えたこと以外は、実施例11と同様にして負極を作製した。すなわち、負極活物質の作製において、炭素材料として、かさ密度を下記の表4に記載の値に調整した人造黒鉛を用いたこと以外は、実施例11と同様にして負極を作製した。実施例25〜32で作製された負極は全て、負極活物質層水の細孔分布を銀圧入法によって測定し、Log微分細孔容積分布グラフから求められるピーク細孔径AとLog微分細孔容積Bとの積A×Bが0.2以上1.0以下の範囲にあることを確認した。
人造黒鉛のかさ密度は、実施例11で用いた人造黒鉛を篩分けすることにより調整した。実施例25のかさ密度は、人造黒鉛の累積体積粒子径で0〜10%および90〜100%の人造黒鉛を篩分けで除去することによって調整した。同様に、実施例26では累積体積粒子径で0〜8%および92〜100%の人造黒鉛を除去した。実施例27では、累積体積粒子径で0〜7%および93〜100%の人造黒鉛を除去した。実施例28では累積体積粒子径で0〜5%および95〜100%の人造黒鉛を除去した。実施例29では累積体積粒子径で0〜3%および97〜100%の人造黒鉛を除去した。実施例30では累積体積粒子径で0〜2%および98〜100%の人造黒鉛を除去した。そして実施例31では累積体積粒子径で0〜1%および99〜100%の人造黒鉛を除去した。実施例32はカットなし(すなわち、実施例11に相当)。こうすることにより比表面積を変えずに表4に記載のかさ密度を有する人造黒鉛を得た。
得られた負極を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。そして、作製したリチウムイオン二次電池の急速充電特性(3C容量維持率(%))を測定した。その結果を表4に示す。
Figure 2018147672
表4に示す結果から、人造黒鉛のかさ密度を調整することによって、3C容量維持率が向上することが確認された。特に、かさ密度が0.5g/cm以上2.0g/cm以下の範囲にある実施例27〜30は3C容量維持率が顕著に向上した。
[実施例33〜40]
負極の作製において使用した人造黒鉛の比表面積を変えたこと以外は、実施例27と同様にして負極を作製した。すなわち、負極活物質の作製において、炭素材料として、非冥面積を下記の表5に記載の値に調整した人造黒鉛を用いたこと以外は、実施例27と同様にて負極を作製した。実施例33〜40で作製した負極は全て、負極活物質層水の細孔分布を銀圧入法によって測定し、Log微分細孔容積分布グラフから求められるピーク細孔径AとLog微分細孔容積Bとの積A×Bが0.2以上1.0以下の範囲にあることを確認した。
人造黒鉛の比表面積は、実施例27で用いた人造黒鉛を粉砕することにより調整した。人造黒鉛の粉砕は、ボールミルを用いた乾式粉砕により実施した。但し、実施例33は粉砕を実施しなかった(すなわち、実施例27に相当)。実施例34は粉砕時間を0.5時間、実施例35は粉砕時間を1時間、実施例36は粉砕時間を2時間、実施例37は粉砕時間を3時間、実施例38は粉砕時間を4時間、実施例39は粉砕時間を5時間、そして、実施例40は粉砕時間を6時間とした。
Figure 2018147672
表5に示す結果から、人造黒鉛の比表面積を調整することによって、3C容量維持率が向上することが確認された。特に、比表面積が0.1m/g以上2m/g以下である実施例35〜38は3C容量維持率が顕著に向上した。
10…セパレータ、20…正極、22…正極集電体、24…正極活物質層、30…負極、32…負極集電体、34…負極活物質層、40…積層体、50…ケース、52…金属箔、54…高分子膜、60,62…リード、100…リチウムイオン二次電池

Claims (7)

  1. 負極集電体と、前記負極集電体の上に設けられた負極活物質層とを有し、
    前記負極活物質層は、炭素材料を含み、かつ水銀圧入法によって得られたLog微分細孔容積分布グラフにおいて、ピーク細孔径A(単位:μm)と、前記ピーク細孔径AにおけるLog微分細孔容積B(単位:cm/g)との積A×Bが、0.2以上1.0以下である負極。
  2. 前記負極活物質層は、細孔径が0.6μm以上2.5μm以下にある細孔の累積細孔容積が、全細孔容積の60%以上90%以下である請求項1に記載の負極。
  3. 前記負極活物質層のX線回折パターンにおいて、前記炭素材料の(002)面に帰属されるピーク強度(I(002))と、前記炭素材料の(110)面に帰属されるピーク強度(I(110))との比(I(002)/I(110))が100以上400以下である請求項1または2に記載の負極。
  4. 前記負極活物質層のX線回折パターンにおいて、前記炭素材料の(004)面に帰属されるピーク強度(I(004))と、前記炭素材料の(110)面に帰属されるピーク強度(I(110))との比(I(004)/I(110))が3以上15以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の負極。
  5. 前記炭素材料が人造黒鉛であり、前記人造黒鉛のかさ密度が0.5g/cm以上2.0g/cm以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の負極。
  6. 前記炭素材料の比表面積が0.1m/g以上2m/g以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載の負極。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の負極と、正極と、電解液とを有するリチウムイオン二次電池。
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