JP2018143245A - 標的核酸の検出方法 - Google Patents
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Abstract
Description
それぞれ異なる所定の塩基配列を有する検出用プローブを備える固相体を準備する工程と、
前記標的核酸に予め関連付けられた前記検出用プローブに相補的なタグ配列と前記標的核酸中の第1の塩基配列を識別する第1の識別配列とを含み、前記タグ配列と前記第1の識別配列との間に、DNAポリメラーゼ反応を抑制又は停止可能な連結部位を有する第1のプライマーと、
前記標的核酸中の第2の塩基配列を識別する第2の識別配列を含む第2のプライマーと、
を用いて、前記試料中の核酸増幅を実施する増幅工程と、
前記増幅工程で得られた増幅断片と前記固相体上の前記検出用プローブとをハイブリダイズ可能に接触させるハイブリダイゼーション工程と、
前記固相体上の前記増幅断片と前記検出用プローブとのハイブリダイズ産物を検出する検出工程と、
を備え、
前記検出用プローブは、前記タグ配列と特異的にハイブリダイズする検出用配列を含むプローブ領域と、前記検出用プローブ領域のいずれか一方の末端側にチミンを含有するチミン含有ユニット、ウラシルを含有するウラシル含有ユニット及びシトシンを含有するシトシン含有ユニットから選択される1種又は2種以上のユニットが2以上連続する付加領域を備える、方法。
(2)前記付加領域は、前記チミン含有ユニットからなる、(1)に記載の方法。
(3)前記付加領域は、前記ユニット5個以上連続して備える、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)前記第2のプライマーは、標識物質が結合された又は標識物質を結合可能に構成された標識物質結合領域を有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)前記第2のプライマーは、前記標識物質結合領域と前記第2の識別配列との間に、前記連結部を有する、(1)〜(4)いずれかに記載の方法。
(6)前記増幅工程は、標識物質を備えるヌクレオシド誘導体三リン酸を含むヌクレオシド三リン酸を用いて核酸増幅を実施する工程である、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(7)前記連結部位は、天然塩基又は天然塩基と対合する天然塩基の誘導体を含まない、(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8)前記連結部位は、リン酸ジエステル結合を介して前記プライマー中のヌクレオチドに隣接される、元素数が2以上40以下であって置換されていてもよいアルキレン鎖又はポリオキシアルキレン鎖を含む、(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9)前記連結部位は、以下のいずれかの式で表される、(8)に記載の方法。
5’−O−CmH2m−O−3’ 式(1)
(式中、5’は、5’側のリン酸ジエステル結合の酸素原子を表し、3’は、3’側のリン酸ジエステル結合のリン酸原子を表し、mは2以上40以下の整数を表す。)、
又は、
5’−(OCnH2n)l−O−3’ 式(2)
(式中、5’は、5’側のリン酸ジエステル結合の酸素原子を表し、3’は、3’側のリン酸ジエステル結合のリン酸原子を表し、nは2以上4以下の整数を表し、lは、2以上の整数であって、(n+1)×lは40以下となる整数を表す。)
(10)前記増幅工程は、複数の前記標的核酸に予め関連付けた複数の前記検出用プローブで検出可能に、前記第1のプライマーと前記第2のプライマーとからなる複数のセットを用いて核酸増幅を実施する工程であり、
前記ハイブリダイゼーション工程は、前記増幅工程で得られた複数の前記増幅断片と前記固相体上の前記複数の検出用プローブとをハイブリダイズ可能に接触させる工程であり、
前記検出工程は、前記固相体上の前記複数の増幅断片と前記複数の検出用プローブとのハイブリダイズ産物を検出する工程である、(1)〜(9)のいずれかに記載の方法。
(11)前記タグ配列は、塩基数が20以上50以下である、(1)〜(10)のいずれかに記載の方法。
(12)前記塩基数が20以上25以下である、(11)に記載の方法。
(13)前記検出用プローブの前記所定の配列は、配列番号1〜100で表される塩基配列及びその相補配列から選択される、(1)〜(12)のいずれかに記載の方法。
(14)前記検出用プローブの前記所定の配列は、以下の表に記載の配列番号で表される塩基配列及びその相補配列から選択される、(1)〜(13)のいずれかに記載の方法。
1又は2以上の標的核酸に関連付けられた1又は2以上の部分二本鎖核酸と固相担体上にあって前記1又は2以上の標的核酸に関連付けられた1又は2以上の検出用プローブとを、核酸クロマトグラフィーによりハイブリダイズ可能な条件下で接触させるハイブリダイゼーション工程と、
前記ハイブリダイゼーション工程で生成したハイブリダイズ産物を検出する検出工程と、
を備え、
前記1又は2以上の部分二本鎖核酸は、第1の鎖の5’末端側に一本鎖のタグ部であって前記検出用プローブと特異的にハイブリダイズ可能なタグ配列を有し、少なくとも一部に標識物質又は標識物質結合物質を備え、
前記検出用プローブは、前記タグ配列と特異的にハイブリダイズする検出用配列を含むプローブ領域と、前記プローブ領域のいずれか一方の末端側にチミンを含有するチミン含有ユニット、ウラシルを含有するウラシル含有ユニット及びシトシンを含有するシトシン含有ユニットからなる群から選択される1種又は2種以上のユニットが2以上連続する付加領域を備える、方法。
(17)前記付加領域は、前記チミン含有ユニットからなる、(16)に記載の方法。
(18)前記付加領域は、前記チミン含有ユニット及び/又は前記ウラシル含有ユニットを5個以上連続して備える、(16)又は(17)に記載の方法。
(19)前記部分二本鎖核酸は、第2の鎖の5’末端側に前記標識物質又は前記標識物質結合物質を備える、(18)に記載の方法。
(20)前記ハイブリダイゼーション工程に先立って、
前記タグ配列と前記標的核酸の第1の塩基配列を識別する第1の識別配列とを含み、前記タグ配列と前記第1の識別配列との間に、DNAポリメラーゼ反応を抑制又は停止可能な連結部を有する第1のプライマーと、前記標的核酸の第2の塩基配列を識別する第2の識別配列と、前記標識物質又は前記標識物質結合物質とを備える第2のプライマーと、を用いて、標的核酸に対して増幅反応を実施して増幅産物として前記部分二本鎖核酸を取得する増幅工程、を備える、(16)〜(19)のいずれかに記載の方法。
(21)前記ハイブリダイゼーション工程に先立って、
前記タグ配列と前記標的核酸の第1の塩基配列を識別する第1の識別配列とを含み、前記タグ配列と前記第1の識別配列との間に、DNAポリメラーゼ反応を抑制又は停止可能な連結部を有する第1のプライマーと、標識用配列と前記標的核酸の第2の塩基配列を識別する第2の識別配列とを含む第2のプライマーIと、前記標識物質又は前記標識物質結合物質と前記標識用配列とを含む第2のプライマーIIと、を用いて、標的核酸に対して増幅反応を実施して増幅産物として前記部分二本鎖核酸を取得する増幅工程、を備える、(16)〜(19)のいずれかにに記載の方法。
(22)前記ハイブリダイゼーション工程に先立って、
前記タグ配列と前記標的核酸の第1の塩基配列を識別する第1の識別配列とを含み、前記タグ配列と前記第1の識別配列との間に、DNAポリメラーゼ反応を抑制又は停止可能な連結部を有する第1のプライマーと、標識用配列と前記標的核酸の第2の塩基配列を識別する第2の識別配列とを含む第2のプライマーIと、を用いて、前記標識物質又は前記標識物質結合物質と前記標識用配列と特異的にハイブリダイズする配列とを含む標識用プローブの存在下で、標的核酸に対して増幅反応を実施して部分二本鎖核酸と前記標識用プローブとの複合体を取得する増幅工程、を備える、(16)〜(19)のいずれかにに記載の方法。
(23)前記部分二本鎖核酸は、その二本鎖部分に前記標識物質又は前記標識物質結合物質を備える、(22)に記載の方法。
(24)前記ハイブリダイゼーション工程に先立って、
前記タグ配列と前記標的核酸の第1の塩基配列を識別する第1の識別配列とを含み、前記タグ配列と前記第1の識別配列との間に、DNAポリメラーゼ反応を抑制又は停止可能な連結部を有する第1のプライマーと前記標的核酸の第2の塩基配列を識別する第2の識別配列を備える第2のプライマーとを用いるとともに、前記標識物質又は前記標識物質結合物質を備えるヌクレオシド誘導体三リン酸を含むヌクレオシド三リン酸を用いて標的核酸に対して増幅反応を実施して増幅産物として前記部分二本鎖核酸を取得する増幅工程、を備える、(16)又は(23)に記載の方法。
(25)前記増幅工程後の前記増幅産物を含有する増幅反応液を含む展開媒体と前記固相担体の一部とを接触させて、前記ハイブリダイゼーション工程を実施する、(16)〜(24)のいずれかに記載の方法。
(26)前記増幅工程後の前記増幅産物を含有する増幅反応液と前記標識物質結合物質に結合する標識物質とを含む前記展開媒体を準備し、この展開媒体と前記固相担体の少なくとも一部とを接触させて、前記ハイブリダイゼーション工程を実施する、(25)に記載の方法。
(27)前記前記増幅工程を実施し前記増幅反応溶液を保持するキャビティに少なくとも前記標識物質を供給して前記展開媒体を準備し、前記キャビティ内において前記展開媒体と前記固相担体の一部とを接触させる、(26)に記載の方法。
(28)前記標識物質結合物質は、抗原抗体反応における抗体並びにビオチン、ジゴキシゲニン及びFITCなどを含むハプテンからなる群から選択される1種又は2種以上であり、
前記標識物質は、前記標識物質結合物質と結合可能な部位を備えて、蛍光、放射能、酵素、燐光、化学発光及び着色からなる群から選択される1種又は2種以上を利用する標識物質である、(16)〜(27)のいずれかに記載の方法。
(29)(15)及び(16)〜(28)のいずれかに記載の標的核酸の検出方法に用いられるクロマトグラフィー本体であって、
固相担体と、
前記固相担体上の異なる位置に配された前記プローブを固定した互いに平行状の3以上のライン状のプローブ領域と、
前記固相担体上の前記3以上のプローブ領域とは異なる位置に配された互いに平行状であるとともに前記プローブ領域に対しても平行状である2以上の位置マーカー領域と、
を備え、
前記2以上の位置マーカー領域のうちの2つの位置マーカー領域の間に、前記3以上のプローブ領域のうちの3つのプローブ領域が等間隔状で配されている、クロマトグラフィー本体。
(30)前記2つの位置マーカーの前記3つのプローブ領域が固定されている側とは反対側に前記3つのプローブ領域間の間隔と同等の間隔で1以上の前記プローブ領域が配されている、(29)に記載のクロマトグラフィー本体。
(31)前記固相体は、その一つの端部に核酸クロマトグラフィーの展開媒体と接触させるための先細り状の液接触部又は液接触部形成マーカーを備える、(29)又は(30)に記載のクロマトグラフィー本体。
(32)前記液接触部形成マーカーは、前記固相体の一部を切断して前記液接触部を形成するための切断部位を視認可能とするマーカーである、(31)に記載のクロマトグラフィー本体。
(33)前記マーカーは、前記マーカーに沿って前記固相体を切断可能な脆弱性を有する、(32)に記載のクロマトグラフィー本体。
第2のプライマーは、標的核酸中の第2の塩基配列を識別する第2の識別配列を含んでいる。
(1)ハイブリダイゼーションの効率化(迅速化)
(2)ラベリングの効率化
(3)検出感度の高度化
(4)工程の簡略化(迅速化)−特に二重鎖を一本鎖とする変性工程の省略による
本明細書に開示される検出方法は、検出用プローブを備える固相体を準備する工程と、第1のプライマーと、第2のプライマーと、を用いて、前記試料の核酸増幅を実施する工程と、前記増幅実施工程で得られた増幅断片と前記検出用プローブとを前記タグ配列によりハイブリダイズ可能に接触させるハイブリダイゼーション工程と、前記固相体上の前記増幅断片と前記検出用プローブとのハイブリダイズ産物を検出する検出工程と、を備えている。本明細書に開示の検出方法は、1種又は2種以上の標的核酸を適用対象とし、より詳細には、これらの標的核酸中の特徴的な配列に関する標的配列を検出対象とする。以下、主として一種の標的核酸についての一連の工程を説明するが、以下の工程は、複数又は多数の標的核酸を同時に検出する場合にも適用される。
本明細書に開示される検出方法(以下、単に本検出方法という。)は、図2Aに示すように、固相体を準備する工程を備えることができる。こうした固相体は、検出方法の実施に先立って予め準備していてもよいし、商業的に入手してもよいし、検出方法の実施毎に調製してもよい。
図2Aに示すように、増幅工程は、第1のプライマーと第2のプライマーとを用いて実施する。核酸増幅工程における核酸増幅法は、PCRを始めとするDNAポリメラーゼ反応を用いてDNAを増幅して二重鎖DNA断片を取得する各種の公知の方法が挙げられる。
第1のプライマーは、標的核酸に予め関連付けられた検出用プローブに相補的なタグ配列と標的核酸中の第1の塩基配列を識別する第1の識別配列とを含んでいる。これらの塩基配列の長さ等は特に限定されず、標的核酸の標的配列の内容に応じて適宜決定される。
第1の識別配列は、核酸増幅により、標的核酸を増幅するための配列であり、標的核酸中の標的配列の一部を構成する第1の塩基配列と特異的にハイブリダイズできる。第1の識別配列は、第1の塩基配列と高い選択性でハイブリダイズ可能な程度に相補的に設定される。好ましくは完全に相補的(特異的)に設定される。
タグ配列は、タグ配列は、増幅断片が検出用プローブとハイブリダイゼーションを可能とするための配列であり、標的核酸を検出するものであるため、標的核酸毎に検出用プローブの検出用配列にハイブリダイズ可能に設定される。典型的には、検出用配列に相補的な塩基配列となっている。したがって、一つの標的核酸は、一つの検出用プローブに対応付けられることになる。タグ配列の塩基長は、既に説明したように、好ましくは検出用プローブの検出用配列の塩基長に一致し、好ましくは、20塩基以上50塩基以下であり、より好ましくは、20塩基以上25塩基以下である。
タグ配列を有するプライマーの一部と第1の識別配列を有するプライマーの他の一部とは直接連結されることはなく、これらの間には連結部位を有している。連結部位は、鋳型鎖に含まれたとき、DNAポリメラーゼ反応を抑制又は停止可能な部位である。DNAポリメラーゼ反応は、鋳型となる核酸(ないし塩基)がないとそれ以上DNA鎖を伸長しないとされている。このため、本発明の連結部位は、DNAポリメラーゼによるDNA伸長時の鋳型となりえない構造を有している。すなわち、本連結部位は、天然塩基又は天然塩基と対合する天然塩基の誘導体(天然塩基等)を含まない。こうした天然塩基等を含まないことで、前記鋳型となることを回避して、DNAポリメラーゼによるDNA鎖の伸長を抑制又は回避できる。したがって、本連結部位は、天然塩基等を有しないない単なる骨格鎖だけであってもよい。すなわち、糖−リン酸骨格や、他の公知の人工オリゴヌクレオチドに適用される骨格であってもよい。なお、DNAポリメラーゼは、各種公知のDNAポリメラーゼが包含される。典型的には、各種PCRなどの核酸増幅法に用いられるDNAポリメラーゼが挙げられる。
5’−O−CmH2m−O−3’ 式(1)
(式中、5’は、5’側のリン酸ジエステル結合の酸素原子を表し、3’は、3’側のリン酸ジエステル結合のリン酸原子を表し、mは2以上40以下の整数を表す。)
5’−(OCnH2n)l−v3’ 式(2)
(式中、5’は、5’側のリン酸ジエステル結合の酸素原子を表し、3’は、3’側のリン酸ジエステル結合のリン酸原子を表し、nは2以上4以下の整数を表し、lは、2以上の整数であって、(n+1)×lは40以下となる整数を表す。)
図2Aに示すように、第2のプライマーは、標的核酸中の第2の塩基配列を識別する第2の識別配列を含んでいる。これらの塩基配列の長さ等は特に限定されず、標的核酸の標的配列の内容に応じて適宜決定される。
第2の識別配列は、核酸増幅により、第1のプライマーとともに標的核酸を増幅するための配列であり、標的核酸中の標的配列の他の一部を構成する第2の塩基配列と特異的にハイブリダイズできる。第2の識別配列は、第2の塩基配列と高い選択性でハイブリダイズ可能な程度に相補的に設定される。好ましくは完全に相補的(特異的)に設定される。
図2Aに示すように、標識物質結合領域は、予め標識物質を備えることができる。標識物質は、固相上で検出用プローブに結合したDNA二重鎖断片を検出するためのものである。標識物質としては従来公知のものを適宜選択して用いることができる。それ自体励起されると蛍光シグナルを発する蛍光物質などの各種色素であってもよいし、さらに酵素反応や抗原抗体反応により第2成分と組み合わせて各種シグナルを発する物質であってもよい。典型的には、Cy3、Alexa555、Cy5、Alexa647等の蛍光標識物質を用いることができる。標識物質結合領域は、標識物質を、第2の塩基配列に対して直接あるいは適当なリンカーを介して公知の方法により連結して備えている。
標識物質結合領域を備えるとき、標識物質結合領域と第2の識別配列とは、直接連結されていてもよいが、これらの間には連結部位を有していることが好ましい。特に、図2Bに示すように、標識物質結合領域が標識プローブと相互作用してこれを結合する塩基配列を有しているときにおいて好ましい。連結部位は、既に第1のプライマーにおいて説明したとおりである。
次に、図2A〜図2Cに示すように、ハイブリダイゼーション工程を実施する。ハイブリダイゼーション工程は、増幅工程で得られた増幅断片と検出用プローブとをタグ配列によりハイブリダイズ可能に接触させる工程である。ハイブリダイゼーション工程によれば、図2A〜図2Cに示すように、増幅工程で得られたDNA二重鎖断片のタグ配列と、固相体上の検出用プローブの検出用配列と一定条件下において特異的にハイブリダイズ部可能な程度に相補的であるとき、これらはハイブリダイズし固相体上の所定の検出用プローブにおいて二重鎖を形成する。ハイブリダイゼーション工程後において、適宜洗浄工程をさらに含んでいてもよい。
検出工程は、前記固相体上の前記増幅断片と前記検出用プローブとのハイブリダイズ産物を検出する工程である。
本発明の核酸増幅剤は、図1Aに第1のプライマー等として示すように、5’側から第1の任意の塩基配列と増幅しようとする核酸中の第1の塩基配列を識別する第1の識別配列とを含み、前記第1の塩基配列と前記第1の識別配列との間に、DNAポリメラーゼ反応を抑制又は停止可能な連結部位を有するオリゴヌクレオチド誘導体を含んでいる。本核酸増幅剤がこうした連結部位を含むことで、本核酸増幅剤を少なくとも一つのプライマー等として核酸増幅法で用いる場合であって、増幅反応で得られた核酸増幅剤を含むDNA鎖が鋳型鎖となるとき、当該連結部位は、伸長鎖におけるDNAポリメラーゼ反応の抑制又は停止ポイントとして作用し、連結部位以降は、鋳型鎖として機能しなくなる。この結果、連結部位以降の鋳型鎖に相補的な伸長鎖が形成されないことになる。この結果得られるDNA二重鎖断片は、図1Aに示すように、一方の5’側に第1の任意の塩基配列の一本鎖を有するDNA二重鎖となる。
本明細書に開示される標的核酸の核酸クロマトグラフィーによる検出方法(以下、単に検出方法ともいう。)は、部分二本鎖核酸と固相担体上の検出用プローブとを核酸クロマトグラフィーによりハイブリダイズ可能な条件下で接触させるハイブリダイゼーション工程と、前記ハイブリダイゼーション工程で生成したハイブリダイズ産物を検出する検出工程と、を備えている。以下、まず、図1Aにも示した、部分二本鎖核酸について説明し、その後ハイブリダイゼーション工程及び検出工程について説明する。
本明細書にいう部分二本鎖核酸10は、図3に詳細に示すように、第1の鎖12と第2の鎖14とを備え、第1の鎖12の5’末端側に一本鎖部分20を有し、当該一本鎖部分20以外は水素結合による二本鎖部分16を有する核酸を意味している。本明細書における部分二本鎖核酸10の第1の鎖12の一本鎖部分20、すなわち、タグ部20は、二本鎖部分16から突き出てダングリング鎖状となっている。
部分二本鎖核酸10のタグ部20は、核酸増幅反応によって合成可能に、上記のとおり二本鎖部分22と同じ構成を採用することもできる。すなわち、タグ部20は、DNAポリメラーゼによるDNA鎖の伸長反応の鋳型となりうる天然塩基を備えるヌクレオチドがリン酸ジエステル結合で連結された構造であってもよく、天然核酸を含んでいてもよいし、天然核酸のみから構成されていてもよい。タグ部20は、また、核酸増幅反応によらない非天然の合成によるオリゴヌクレオチド鎖であってもよい。このヌクレオチド鎖は、バックボーンに関しても、いわゆる天然のリボース−リン酸バックボーン以外にも、PNA(ペプチド核酸)のバックボーン、BNA(架橋化核酸)などのバックボーン等公知の人工的バックボーンを採用できる。また、塩基についても、検出用プローブとの特異的とハイブリダイズ可能であればよいので、プローブを対応させることを前提に、非天然の、例えば、L−DNAを備えていてもよいし、L−DNAのみからなっていてもよい。また、非天然塩基を有していてもよく、非天然塩基のみから構成されていてもよい。標的核酸に関連付けられているが、二本鎖部分22とは異なり核酸増幅反応によって合成されなくてもよい。このため、タグ部20は、核酸増幅反応のプライマーに由来させることができる。
部分二本鎖核酸10の第1の鎖12のタグ部20と二本鎖部分22に対応する部分との間には、DNAポリメラーゼよるDNAの鎖伸長反応を抑制又は停止可能な連結部位30を備えていることが好ましい。既に記載したように、連結部位30を備えることで、核酸増幅反応により、タグ部20を備える部分二本鎖核酸10を合成できる。また、こうした連結部位30を備えることで、タグ部20の自由運動性を向上させることができ、プローブとの効率的なハイブリダイゼーションが可能となる。
部分二本鎖核酸10は、既に説明した標識物質40又は標識物質結合物質42を備えている。本検出方法では、核酸クロマトグラフィーに部分二本鎖核酸10を供するものとし、プローブにハイブリダイズするタグ部20を備えるのみであって、標識物質40のための一本鎖を有していない。
ハイブリダイゼーション工程に供する部分二本鎖核酸10は、核酸増幅反応によって取得されることが好ましい。以下、部分二本鎖核酸10を取得する核酸増幅工程の一例について説明する。
第1のプライマー50は、部分二本鎖核酸10の第1の鎖12を得るためのプライマーである。第1のプライマー50は、既に記載したように、標的核酸に予め関連付けられたプローブに相補的なタグ配列22と標的核酸中の第1の塩基配列を識別する第1の識別配列12aとを含んでいる。なお、タグ配列22は、部分二本鎖核酸10のタグ部20のタグ配列22に相当している。第1のプライマー50は、第1の識別配列12aとタグ配列22との間に連結部位30を有している。連結部位30については既に説明したとおりである。
第2のプライマー60は、部分二本鎖核酸10の第2の鎖14を得るためのプライマーである。図4に示すように、第2のプライマー60は、既に説明したように、標的核酸中の第2の塩基配列を識別する第2の識別配列14aを含んでいる。
図7に示すように、第2のプライマーI70は、標識用配列72と第2の塩基配列を識別する第2の識別配列14aとを含んでいる。第2の識別用配列14aは既に説明したとおりである。標識用配列72は、この第2のプライマーI70によって得られる増幅産物に新たに標識用の塩基配列を導入するためものであり、標的核酸や検出用プローブの塩基配列とは無関係に設定することができる。また、関連付けの必要がない。したがって、標識用配列72は、標的核酸毎に異なる塩基配列とする必要がなく、全ての標的核酸に対して共通の塩基配列であってもよいし、2種類以上の標識物質等を用いるときには、標識物質等について異なる塩基配列としてもよい。すなわち、標識用配列72は、標的核酸に対して個別でなく共通化することができる。また、増幅性の反応性等を考慮し最適化した完全に人工的な塩基配列とすることができる。第2のプライマーI70は、その5’末端から標識用配列72と第2の識別配列とを含んでいることが好ましい。
第2のプライマーII80は、標識物質40又は標識物質結合物質42と標識用配列72とを含んでいる。標識物質40又は標識物質結合物質42は既に説明したとおりである。標識物質40又は標識物質結合物質42は、第2のプライマーIIの5’末端に連結されている。標識用配列72については、第2のプライマーIにおいて説明したとおりである。第2のプライマーII80においては、標識物質等が結合した第2のプライマーII80の塩基配列が共通化されている。このため、標識物質等の結合した第2のプライマーII80を低コストに提供可能である。
図8に示すように、標識用プローブ120は、第2のプライマーI70の標識用配列72と特異的にハイブリダイズ可能に相補的配列72aを備えるとともに、その3’末端に標識物質40又は標識物質結合物質42を備えている。標識用配列72自体、標的核酸に関連付けられておらず特異的でなく、標的核酸に関わらず、共通化されうるものであるため、同様に、相補的配列72aも同様の理由から共通化される。したがって、標識用プローブ100も、第2のプライマーII80と同様、低コストに提供可能である。
ハイブリダイゼーション工程は、部分二本鎖核酸10(10aを含む)又はその同等物である複合体110(以下、これらを部分二本鎖核酸等という。)と固相担体210上のプローブ220とを、核酸クロマトグラフィーによってハイブリダイズ可能な条件下で接触させる工程である。以下、ハイブリダイゼーション工程に用いる固相担体210と固相担体210上に固定化されたプローブ220とを備える固相体であるクロマトグラフィー本体200についてまず説明する。
図9に示すように、クロマトグラフィー本体200は、固相担体210と、固相担体210に固定化された1種又は2種以上の検出用プローブ220とを備えている。固相担体210は、特に限定されないでキャピラリー現象により液体を移動させることが可能な従来公知のものを採用できる。例えば、固相担体210としては、例えば、ポリエーテルスルホン、ニトロセルロース、ナイロン、ポリフッ化ビニリデンなどのポリマーを主体としたいわゆる多孔質性の材料が挙げられる。また、ろ紙などのセルロース系材料も好ましく用いることができる。クロマトグラフィー本体200においては、単一の固相担体210で構成されている必要は必ずしもない。全体としてキャピラリー現象により展開媒体を移動可能であれば、複数の固相担体210で連結されていてもよい。クロマトグラフィー用本体200の全体形態は特に問わない。シート状や細い棒状など、キャピラリー現象によるクロマトグラフィー用液の展開拡散が可能な形態であればよい。好ましくは、長尺状体であって、その長手方向に沿う一つの端部がクロマトグラフィーの展開媒体に接触するようになっている。
展開媒体は、クロマトグラフィー本体100の固相担体110をキャピラリー現象により拡散移動する液体であり、部分二本鎖核酸10に固相担体110を移動させるための媒体である。展開媒体は、水性媒体である。水性媒体は、特に限定しないが、例えば、水、水と相溶する有機溶媒、又は水と1種又は2種以上の前記有機溶媒の混液が挙げられる。水と相溶する有機溶媒は、当業者において周知であるが、例えば、炭素数1〜4程度の低級アルコール、DMSO、DMF、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、アセトン等が挙げられる。展開媒体は、好ましくは水を主体とする。
検出工程は、最終的なハイブリダイズ産物を、標識物質40に基づいて検出する工程である。より具体的には、プローブ220が固定化されたプローブ領域230の着色及び位置を確認する工程である。標識物質40によるシグナルを検出するには、標識物質40の種類に応じて適宜選択される。特異的結合反応や酵素による発色反応が必要な場合には、適宜そうした操作が行われる。本クロマトグラフィー法では、固相担体を洗浄することなくそのまま検出工程を実施することが好ましい。
(1)DNAマイクロアレイの作製
(2)標的核酸とプライマーの調製と増幅
(3)ハイブリダイズ
(4)スキャナーを用いた検出
プラスチック板に、検出用配列の3’末端側に20塩基のpolyT(20T)を付加した配列の合成オリゴDNA(株式会社日本遺伝子研究所製)を溶かした水溶液を検出用プローブとして、日本ガイシ株式会社にてGENESHOT(登録商標である)スポッターを用いてスポットした。使用した合成オリゴDNA配列は、配列番号1〜100(Analytical Biochemistry 364(2007)78-85)のSupplementary Table1記載のD1_1からD1_100の100種)の塩基配列のうちから高速ハイブリダイゼーションが可能な33種を選択し、polyTを付加したものとした。なお、以下の実施例においても、同様の文献から選択して使用した。
増幅に使用したゲノムDNAは、ヒト由来とし、ヒトゲノム中の6つの標的核酸((1)〜(6))に特異的な以下の表に示すプライマーP1−1〜P1−6(日本遺伝子研究所製)、P2−1〜P2−6(日本遺伝子研究所製)及びP3−1〜P3−6(日本遺伝子研究所製)を準備した。なお、各系列は以下の構成(5’から3’として表示)とした。なお、P3系のプライマーのプロピレン基部分は、以下の式に示すGlenResearch社のホスホアミダイト試薬であるSpacer PhophoamiditeC3を用いて通常のオリゴヌクレオチド合成方法に準じて合成された。
P2系のプライマー:
F:標識プローブの結合配列(タグ配列)+P1系の各標的核酸に対する塩基配列
R:合成オリゴヌクレオチドプローブの塩基配列と同一の塩基配列からなるタグ配列+P1系の各標的核酸に対する塩基配列
(なお、P2系プライマーを用い場合には、このタグ配列と相補的な塩基配列の相補鎖も増幅されるため、当該相補鎖がプローブとハイブリダイズし、増幅断片を検出できる。)
P3系プライマー:
F:標識プローブの結合配列+連結部位X(プロピレン鎖)+P1系の各標的核酸に対する塩基配列
R:合成オリゴヌクレオチドプローブの塩基配列と相補的な塩基配列からなるタグ配列+連結部位X(プロピレン鎖)+P1系の各標的核酸に対する塩基配列
(試薬調製)
dH2O 4.0μl
2×multiplex PCR master mix 5.0μl
プライマー混合物(各500nM) 0.5μl
ゲノムDNA(50ng/μl) 0.5μl
合計 10.0μl
(2)で得た増幅サンプルをマイクロアレイ上に固定した検出用プローブとハイブリダイズするために、以下のHybri controlとHybri solutionを調製し、これからハイブリダイズ用の試薬を調製した。PrimerMixには、標識用プローブ(蛍光修飾したオリゴヌクレオチドでありP2系及びP3系プライマーのFの5’側に結合する。)(25μM)を含んでいる。なお、Hybri controlに使用したAlexa555−rD1_100は、D1_100の対応する配列に相補な配列の5’末端をAlexa555で標識したものを用いた。
Alexa555−rD1_100(100nM) 10μl
TE(pH8.0) 390μl
合計 400μl
20×SSC 2.0ml
10%SDS 0.8ml
100% Formamide 12.0ml
100mM EDTA 0.8ml
milliQ 24.4ml
合計 40.0ml
Hybri control 1.5μl
Primer Mix 1.0μl
Hybri solution 9.0μl
小計 10.5μl
増幅サンプル 3.0μl
合計 18.0μl
ハイブリダイズ後、以下の組成の洗浄液を満たしたガラス染色バットに、ハイブリダイズ反応終了後のマイクロアレイ基板を浸漬し、5分間上下振とうし、滅菌水を入れたガラス染色バットにマイクロアレイ基板を移し、1分間上下振とうし、2000rpmで1分間遠心乾燥し、マイクロアレイ基板表面に残った水分を除去した。
(洗浄液の組成)
milliQ 188.0ml
20×SSC 10.0ml
10%SDS 2.0ml
合計 200.0ml
Appleied Precision社ArrayWoRxを使用して適宜、露光時間を調節し、蛍光画像を取得した。プラスチック基板についての結果を、図13及び図14に示す。
Hybri control 1.5μl
Primer Mix 3.5μl
Hybri solution 9.0μl
小計 14.0μl
増幅サンプル 4.0μl
合計 18.0μl
(1)メンブレンタイプDNAマイクロアレイの作製
メルクミリポア製Hi−Flow Plus メンブレンシート(60mm x 600mm)に以下の表に示す塩基配列からなるキャプチャーDNAプローブ溶液を、特開2003−75305号公報に記載されている吐出ユニット(インクジェット法)を用いた日本ガイシ株式会社GENESHOT(登録商標)スポッターを用いて、スポットした。使用した合成オリゴDNA配列は、配列番号1〜100(D1-1〜D1_100)の100種のうち以下の表に示す44種の配列を使用するとともに、その3’末端に20塩基のpolyT(20T)を付加した配列とした。こうした配列からなるプローブを図15に示す配置でアレイ化した。
増幅に使用したゲノムDNAとしてはヒト由来のものを使用し、以下の表9に示す配列のP2系プライマーおよび以下の表10に記す配列P3系のプライマーをそれぞれ使用して増幅を行った。プライマーの構成は、それぞれ以下に示すとおりである。
F:標識プローブの結合配列+P1系の各標的核酸に対する塩基配列
R:合成オリゴヌクレオチドプローブの塩基配列と同一の塩基配列からなるタグ配列+P1系の各標的核酸に対する塩基配列
(なお、P2系プライマーを用いる場合には、このタグ配列と相補的な塩基配列の相補鎖も増幅されるため、当該相補鎖がプローブとハイブリダイズし、増幅断片を検出できる。)
F:標識プローブの結合配列+連結部位X(プロピレン鎖)+P1系の各標的核酸に対する塩基配列
R:合成オリゴヌクレオチドプローブの塩基配列と相補的な塩基配列からなるタグ配列+連結部位X(プロピレン鎖)+P1系の各標的核酸に対する塩基配列
dH2O 4.0μl
2×multiplex PCR master mix 5.0μl
プライマー混合物(各500nM) 0.5μl
ゲノムDNA(50ng/μl) 0.5μl
合計 10.0μl
(2)にて増幅したサンプルを用いてのメンブレンタイプDNAマイクロアレイへの反応及びその検出手順は以下の通りとした。
Hybri Solution* 200.0μl
(0.5%Tween20-1%BSA-PBS)
F側プライマー標識結合配列に相補なビオチン標識オリゴDNA(25μM)
4.0μl
サンプル 4.0μl
合計 208.0μl
メンブレンタイプDNAマイクロアレイを0.2mlチューブに入る大きさに切断し、チューブ内にセットし、調製したハイブリダイズサンプル各200μlを変性等のために加熱することなく添加し、ヒートブロック温度37℃で30分間ハイブリダイゼーション反応を行った。
アレイの乾燥後の発色の有無を目視で確認した。結果を図16に示す。図16に示すように、双方のサンプルについて、P2系プライマーを用いた従来法では薄い発色がかろうじて確認できたのに対し、P3系プライマーを用いた本発明の方法では、濃い発色を観察できた。以上のことから、P3系プライマーを用いることで、検出感度が向上することがわかった。また、熱変性することなく、ハイブリダイゼーションが可能であることもわかった。
(1)メンブレンタイプDNAマイクロアレイの作製
実施例3と同様にして、表11に示す塩基配列からなるキャプチャーDNAプローブ溶液をメンブレンシートにスポットして、図17に示す配置でストリーム状のラインでアレイ化した。使用した合成オリゴDNA配列は、配列番号1〜100(D1_1〜D1_100)の100種のうち以下の表に示す4種の配列を使用するとともに、その3’末端に20塩基のpolyT(20T)を付加した配列とした。なお、図17に示すアレイでは、プローブの固定化領域を明示するために、プローブ固定化溶液を染料で着色してストリーム状にスポットした。また、図17に示すアレイでは、ハイブリダイズ産物を検出するプローブ固定化領域を想定しやすいように、顔料を含む液体をプローブ固定化領域に近接してストリーム状(帯状)にスポットした。プローブは、実施例3と同様に紫外線光の照射を行って固定化した。
増幅に使用したゲノムDNAとしてはヒト由来のものを使用し、実施例3の表9に示す配列のP2系プライマーおよび実施例3の表10に記す配列P3系のプライマーをそれぞれ使用した。また、実施例3と同様に、ゲノムDNAに対してこれらのプライマーを用いて増幅反応を実施し、QIAGEN社のMinElute PCR Purification Kitにて精製を行った後、アガロース電気泳動により意図した長さで増幅していることを確認した。
(2)にて増幅したサンプルを用いてメンブレンタイプDNAマイクロアレイへの反応及びその検出手順は以下の通りとした。展開液及び、ラテックス液についてはエーエムアール株式会社製を使用した。ラテックス液は、青色系の着色剤を含有するポリスチレン系のラテックスビーズに各Fプライマーの標識プローブ結合配列に相補的な配列のオリゴDNAを固定したものを100nMの濃度になるように展開液で希釈して用いた。なお、オリゴDNAのビーズへの固定化は、オリゴDNAの5’末端をアミノ基で修飾したオリゴDNAとラテックス表面のカルボキシル基との間で共有結合を形成して行った。展開液には、Phosphate buffered salineを使用した。
展開液* 35.0μl
ラテックス液* 5.0μl
サンプル 10.0μl
total 50.0μl
上記ハイブリダイズサンプル各50μlを変性等のために加熱することなく0.2mlチューブに加えて、メンブレンタイプDNAマイクロアレイを差込んでクロマトグラフィーによるハイブリダイゼーションを開始した。サンプル液は約20分間ですべて吸い上がり反応は完了した。反応終了後、メンブレンタイプDNAマイクロアレイを風乾した。
メンブレンタイプDNAアレイの乾燥後の発色の有無を目視で確認した。結果を図18に示す。図18に示すように、P2系プライマーを用いる従来法では、発色を確認できなかったのに対し、P3系プライマーを用いる方法では、濃い発色を確認できた。以上のことから、P3系プライマーを用いることで、ハイブリダイゼーション形態にかかわらず、ハイブリダイゼーション検出感度が向上することがわかった。また、P3系プライマーを用いることで熱変性することなく、ハイブリダイゼーションが可能であることもわかった。
実施例3と同様にして、以下の表に示す塩基配列からなるDNAプローブをそれぞれ含む溶液をメンブレンシートに図19に示す配置でスポットした。なお、DNAプローブとして使用した合成オリゴDNA配列は、配列番号1〜100(D1-1〜D1_100)の100種の塩基配列のうち任意の8種の配列を使用するとともに、その3’末端に20塩基のpolyT(20T)を付加した配列とした。さらに、赤色顔料を用いて図19に示すように3つの位置マーカー領域を形成した。プローブは、実施例3と同様に紫外線光の照射を行って固定化した。これにより、8種のプローブのプローブ領域と3種の位置マーカー領域と、それぞれ備えるクロマトグラフィー本体を得た。
増幅に使用したゲノムDNAとしてはヒト由来(コスモバイオ社市販品)のものを使用した。プライマーは、以下の表13に示す塩基配列からなるプライマーセットを用いた。すなわち、Rプライマーはプローブ(D1−001、002、003及び005)とそれぞれ相補的なタグ配列+連結部位X+第1の識別配列を備えるようにし、Fプライマーは、ビオチン+連結部位X+第2の識別配列を備えるようにして、それぞれを使用して増幅を行った。これらのプライマーセットによれば、タグ配列を一本鎖として有する部分二本鎖DNA(一本鎖シングル型)を得ることができる。比較例として、表14に示す塩基配列からなるプライマーセットを用いて、同様に核酸増幅反応を実施した。これらのプライマーセットによれば、タグ配列と標識プローブを結合可能な標識用配列をそれぞれ一本鎖として有する部分二本鎖DNA(一本鎖ダブル型)を得ることができる。
2×Qiagen multiplex PCR master mix 5.0μl
プライマーミックス(各500nM) 0.5μl
dH2O 4.0μl
ゲノムDNA 0.5μl
合計 10.0μl
(2)にて増幅した部分二本鎖DNAを用いての核酸クロマトグラフィーによるハイブリダイゼーション反応及びその検出を行った。操作は、一本鎖シングル型及び一本鎖ダブル型についてそれぞれ以下のとおりとした。
PBS 30.0μl
ラテックス液 5.0μl
増幅反応液 10.0μl
ミリポア水 5.0μl
合計 50μl
PBS 30.0μl
ラテックス液 5.0μl
増幅反応液 10.0μl
ミリポア水 5.0μl
合計 50μl
上記各展開液各50μlを0.2mlチューブに加えて、クロマトグラフィー本体(8種型及び4種型)の各下端部を差込んでクロマトグラフィーによるハイブリダイゼーション反応を開始した。展開液は約20分間ですべて吸い上がりクロマトグラフィーによるハイブリダイゼーション反応は完了した。反応終了後、クロマトグラフィー本体を風乾させた後、目視による反応箇所の確認及び画像を撮影した。
アレイの乾燥後の発色の有無を目視で確認した。結果を図22に示す。図22に示すように、一本鎖ダブル型の増幅産物でも発色は確認できたものの、一本鎖シングル型の増幅産物によればさらに濃い発色が見られ、一本鎖シングル型の部分二本鎖核酸を核酸クロマトグラフィーに供する本手法が一本鎖ダブル型の部分二本鎖核酸を用いる手法に対して優れているという効果を確認できた。
実施例3と同様に、以下の表に示す塩基配列からなるDNAプローブをそれぞれ含む溶液をメンブレンシートに図19に示す位置にスポットした。なお、DNAプローブとして使用した合成オリゴDNA配列は、配列番号1〜100(D1-1〜D1_100)の100種の塩基配列のうち任意の8種の配列を使用するとともに、その3’末端に20塩基のpolyT(20T)を付加した配列とした。さらに、赤色顔料を用いて図19に示すように3つの位置マーカー領域を形成した。プローブは、実施例3と同様に紫外線照射して固定化した。これにより、8種のプローブのプローブ領域と3種の位置マーカー領域と、それぞれ備えるクロマトグラフィー本体を得た。
増幅に使用したゲノムDNAとしてはヒト由来(コスモバイオ社市販品)のものを使用した。プライマーは、以下の表16に示す塩基配列からなるプライマーセットを用いた。すなわち、Rプライマーはプローブ(D1−001、002、003及び005)とそれぞれ相補的なタグ配列+連結部位X+第1の識別配列を備えるようにし、Fプライマーは、第2の識別配列を備えるようにして、それぞれを使用して増幅を行った。増幅時には、原料のdNTPに加え、ビオチン-16-dUTP(ロシュ アプライド サイエンス社)を加えて、増幅後の二本鎖DNA中にビオチンが取り込まれるよう工夫し、タグ配列を一本鎖として有する部分二本鎖DNA(一本鎖シングル型)を得た。比較例として、表17に示す塩基配列からなるプライマーセットを用いて、同様に核酸増幅反応を実施した。上記同様、増幅時には、原料のdNTPに加え、ビオチン-16-dUTP(ロシュ アプライド サイエンス社)を加え、タグ配列と標識プローブを結合可能な標識用配列をそれぞれ一本鎖として有する部分二本鎖DNA(一本鎖ダブル型)を得た。
2×Qiagen multiplex PCR master mix 5.0μl
プライマーミックス(各500nM) 0.5μl
ビオチン-16-dUTP(1mM) 0.5μl
dH2O 3.5μl
ゲノムDNA 0.5μl
合計 10.0μl
(2)にて増幅した部分二本鎖DNAを用いての核酸クロマトグラフィーによるハイブリダイゼーション反応及びその検出を行った。操作は、一本鎖シングル型及び二本鎖シングル型についてそれぞれ以下のとおりとした。
PBS 30.0μl
ラテックス液 5.0μl
増幅反応液 10.0μl
ミリポア水 5.0μl
合計 50μl
PBS 30.0μl
ラテックス液 5.0μl
増幅反応液 10.0μl
ミリポア水 5.0μl
合計 50μl
上記各展開液各50μlを0.2mlチューブに加えて、クロマトグラフィー本体の各下端部を差込んでクロマトグラフィーによるハイブリダイゼーション反応を開始した。展開液は約20分間ですべて吸い上がりクロマトグラフィーによるハイブリダイゼーション反応は完了した。反応終了後、クロマトグラフィー本体を風乾させた後、目視による反応箇所の確認及び画像を撮影した。
アレイの乾燥後の発色の有無を目視で確認した。結果を図25に示す。図25に示すように、二本鎖シングル型の増幅産物では発色を確認できなかった。一方で、一本鎖シングル型の増幅産物では濃い発色が見られ、本手法が効果を有することを確認できた。
実施例3と同様にして以下の表に示す塩基配列からなるDNAプローブをそれぞれ含む溶液を、図19に示す位置にメンブレンシートにスポットした。なお、DNAプローブとして使用した合成オリゴDNA配列は、配列番号1〜100(D1-1〜D1_100)の100種の塩基配列のうち任意の8種の配列を使用するとともに、その3’末端に20塩基のpolyT(20T)を付加した配列とした。さらに、赤色顔料を用いて図19に示すように3つの位置マーカー領域を形成した。プローブは、実施例3と同様にして紫外線照射して固定化した。これにより、8種のプローブのプローブ領域と3種の位置マーカー領域と、それぞれ備えるクロマトグラフィー本体を得た。
増幅に使用したゲノムDNAとしてはヒト由来(コスモバイオ社市販品)のものを使用した。プライマーは、以下の表19に示す塩基配列からなるプライマーセットを用いた。すなわち、Rプライマーはプローブ(D1−001、002、003及び005)とそれぞれ相補的なタグ配列+連結部位X+第1の識別配列を備えるようにし、Fプライマーは、タグ配列+第2の識別配列を備えるようにして、それぞれを使用して増幅を行った。増幅時には、上記2種のプライマーに加え、Rプライマー中のタグ配列の5‘末端をビオチン修飾したプライマー(R’プライマー:表20)を加えて、増幅後の二本鎖DNA末端にビオチンが取り込まれるよう工夫し、タグ配列を一本鎖として有する部分二本鎖DNAを得た。
2×Qiagen multiplex PCR master mix 5.0μl
プライマーミックス(F,R各500nM) 0.5μl
R’プライマー(2μM) 0.5μl
dH2O 3.0μl
ゲノムDNA 0.5μl
合計 10.0μl
(2)にて増幅した部分二本鎖DNAを用いての核酸クロマトグラフィーによるハイブリダイゼーション反応及びその検出を行った。操作は、以下のとおりとした。
PBS 30.0μl
ラテックス液 5.0μl
増幅反応液 10.0μl
ミリポア水 5.0μl
合計 50μl
上記各展開液各50μlを0.2mlチューブに加えて、クロマトグラフィー本体の各下端部を差込んでクロマトグラフィーによるハイブリダイゼーション反応を開始した。展開液は約20分間ですべて吸い上がりクロマトグラフィーによるハイブリダイゼーション反応は完了した。反応終了後、クロマトグラフィー本体を風乾させた後、目視による反応箇所の確認及び画像を撮影した。
クロマトグラフィー本体の乾燥後の発色の有無を目視で確認した。結果を図28に示す。図28に示すように、各増幅産物ごとに狙いとする位置で濃い発色が見られ、本手法が効果を有することを確認することができた。
実施例3と同様にして以下の表に示す塩基配列からなるDNAプローブをそれぞれ含む溶液をメンブレンシートの図19に示す位置にスポットした。なお、DNAプローブとして使用した合成オリゴDNA配列は、配列番号1〜100(D1-1〜D1_100)の100種の塩基配列のうち任意の8種の配列を使用するとともに、その3’末端に20塩基のpolyT(20T)を付加した配列とした。さらに、赤色顔料を用いて図19に示すように3つの位置マーカー領域を形成した。プローブは、実施例3と同様にして紫外線照射して固定化した。これにより、8種のプローブのプローブ領域と3種の位置マーカー領域と、それぞれ備えるクロマトグラフィー本体を得た。
増幅に使用したゲノムDNAとしてはヒト由来(コスモバイオ社市販品)のものを使用した。プライマーは、以下の表22に示す塩基配列からなるプライマーセットを用いた。すなわち、Rプライマーはプローブ(D1−001、002、003及び005)とそれぞれ相補的なタグ配列+連結部位X+第1の識別配列を備えるようにし、Fプライマーは、タグ配列+第2の識別配列を備えるようにして、それぞれを使用して増幅を行った。増幅時には、上記2種のプライマーに加え、Rプライマー中のタグ相補配列の3‘末端をビオチン修飾したプライマー(R’プライマー:表23)を加えて、増幅後の二本鎖DNA末端にR’プライマーを介してビオチンが付加されるよう工夫し、タグ配列を一本鎖として有する部分二本鎖DNAを得た。
10×TITANIUM Taq DNA Polymerase 0.2μl
50×dNTP Mix 0.2μl
10×TITANIUM Taq PCR buffer 1.0μl
プライマーミックス(F,R各500nM) 0.5μl
R’プライマー(2μM) 0.5μl
dH2O 7.1μl
ゲノムDNA 0.5μl
合計 10.0μl
なお、プライマーミックスとして、表22に示す増幅産物1〜4ごとにプライマーセットを混ぜたものと増幅産物1〜4の全てのプライマーセットを混ぜたものとの計5種類を準備した。
(2)にて増幅した部分二本鎖DNAを用いての核酸クロマトグラフィーによるハイブリダイゼーション反応及びその検出を行った。操作は、以下のとおりとした。
PBS 30.0μl
ラテックス液 5.0μl
増幅反応液 10.0μl
ミリポア水 5.0μl
合計 50μl
上記各展開液各50μlを0.2mlチューブに加えて、クロマトグラフィー本体の各下端部を差込んでクロマトグラフィーによるハイブリダイゼーション反応を開始した。展開液は約20分間ですべて吸い上がりクロマトグラフィーによるハイブリダイゼーション反応は完了した。反応終了後、クロマトグラフィー本体を風乾させた後、目視による反応箇所の確認及び画像を撮影した。
アレイの乾燥後の発色の有無を目視で確認した。結果を図31に示す。図31に示すように、各増幅産物ごとに狙いとする位置で濃い発色が見られ、本手法が効果を有することを確認することができた。
実施例3と同様にして以下の表に示す塩基配列からなるDNAプローブをそれぞれ含む溶液をメンブレンシートに対して図19に示す位置にスポットした。なお、DNAプローブとして使用した合成オリゴDNA配列は、配列番号1〜100(D1-1〜D1_100)の100種の塩基配列のうち任意の8種の配列である。プローブとして利用するため、この塩基配列からなるオリゴヌクレオチドの3’末端側にアミノ基、または3’末端側に20塩基のpolyT(20T)を付加したものを使用した。それぞれにつき、プローブ濃度は、50pmol/μl、100pmol/μl及び200pmol/μlの3水準とした。プローブは、実施例3と同様にして紫外線照射して固定化した。これにより、8種のプローブのプローブ領域と3種の位置マーカー領域と、それぞれ備えるクロマトグラフィー本体を得た。
増幅に使用したゲノムDNAとしてはヒト由来(コスモバイオ社市販品)のものを使用した。プライマーは、以下の表29に示す塩基配列からなるプライマーセットを用いた。すなわち、Fプライマーはプローブ(D1−001)とそれぞれ相補的なタグ配列+連結部位X+第1の識別配列を備えるようにし、Rプライマーは、ビオチン+連結部位X+第2の識別配列を備えるようにして、それぞれを使用して増幅を行った。これらのプライマーセットによれば、タグ配列を一本鎖として有する部分二本鎖DNA(一本鎖シングル型)を得ることができる。
2×Qiagen multiplex PCR master mix 5.0μl
プライマーミックス(各500nM) 0.5μl
dH2O 4.0μl
ゲノムDNA 0.5μl
合計 10.0μl
(2)にて増幅した部分二本鎖DNAを用いての核酸クロマトグラフィーによるハイブリダイゼーション反応及びその検出を行った。操作は、以下のとおりとした。
PBS 30.0μl
ラテックス液 5.0μl
増幅反応液 10.0μl
ミリポア水 5.0μl
合計 50μl
上記各展開液各50μlを0.2mlチューブに加えて、クロマトグラフィー本体の各下端部を差込んでクロマトグラフィーによるハイブリダイゼーション反応を開始した。展開液は約20分間ですべて吸い上がりクロマトグラフィーによるハイブリダイゼーション反応は完了した。反応終了後、クロマトグラフィー本体を風乾させた後、目視による反応箇所の確認及び画像を撮影した。
アレイの乾燥後の発色の有無を目視で確認した。結果を図32に示す。図32に示すように、プローブ末端構造がアミノ基でも発色は確認できたものの、polyT(20T)ではスポット時のプローブ濃度がより低濃度でも発色が見られ、polyTを検出用プローブに付加した方が核酸クロマトグラフィーにおいて、感度が向上する効果を確認することができた。
実施例3と同様にして以下の表に示す塩基配列からなるDNAプローブをそれぞれ含む溶液を図19に示す位置にスポットした。なお、DNAプローブとして使用した合成オリゴDNA配列は、配列番号1〜100(D1-1〜D1_100)の100種の塩基配列のうち任意の8種の配列である。プローブとして利用するため、この塩基配列からなるオリゴヌクレオチドの3’末端側に20塩基のpolyC(20C)または3’末端側に20塩基のpolyU(20U)を付加したものを使用した。それぞれにつき、プローブ濃度は、50pmol/μlとした。さらに、赤色顔料を用いて図19に示すように3つの位置マーカー領域を形成した。
増幅に使用したゲノムDNAとしてはヒト由来(コスモバイオ社市販品)のものを使用した。プライマーは、表29に示す塩基配列からなるプライマーセットを用いた。増幅反応における組成及び熱サイクル条件も実施例10と同様とした。増幅して得られた増幅産物についても実施例10と同様に確認を行った。
クロマトグラフィー本体を用いた検出工程も実施例10と同様に行った。結果を図33に示す。図33に示すように、プローブ末端構造がpolyC(20C)であってもpolyU(20U)であっても、発色が見られた。すなわち、polyUもpolyCも、polyTを検出用プローブに付加した時と同様(実施例10)に核酸クロマトグラフィーにおいて、感度が向上する効果を確認することができた。以上のことからピリミジン塩基を備えるヌクレオチドなどのユニットが連続する鎖は、固相担体への固着部位となることがわかった。
Claims (33)
- 標的核酸の核酸クロマトグラフィーによる検出方法であって、
1又は2以上の標的核酸に関連付けられた1又は2以上の部分二本鎖核酸と固相担体上にあって前記1又は2以上の標的核酸に関連付けられた1又は2以上のプローブとを、核酸クロマトグラフィーによりハイブリダイズ可能な条件下で接触させるハイブリダイゼーション工程と、
前記ハイブリダイゼーション工程で生成したハイブリダイズ産物を検出する検出工程と、
を備え、
前記1又は2以上の部分二本鎖核酸は、第1の鎖の5’末端側に一本鎖のタグ部であって前記検出用プローブと特異的にハイブリダイズ可能なタグ配列を有し、少なくとも一部に標識物質又は標識物質結合物質を備えており、
前記検出用プローブは、前記タグ配列と特異的にハイブリダイズする検出用配列を含むプローブ領域と、前記プローブ領域のいずれか一方の末端側にチミンを含有するチミン含有ユニット、ウラシルを含有するウラシル含有ユニット及びシトシンを含有するシトシン含有ユニットから選択される1種又は2種以上のユニットが2以上連続する付加領域を備える、方法。 - 前記付加領域は、前記チミン含有ユニットからなる、請求項1に記載の方法。
- 前記付加領域は、前記ユニットを5個以上連続して備える、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記部分二本鎖核酸は、第2の鎖の5’末端側に前記標識物質又は前記標識物質結合物質を備える、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 前記ハイブリダイゼーション工程に先立って、
前記タグ配列と前記標的核酸の第1の塩基配列を識別する第1の識別配列とを含み、前記タグ配列と前記第1の識別配列との間に、DNAポリメラーゼ反応を抑制又は停止可能な連結部を有する第1のプライマーと、前記標的核酸の第2の塩基配列を識別する第2の識別配列と、前記標識物質又は前記標識物質結合物質とを備える第2のプライマーと、を用いて、標的核酸に対して増幅反応を実施して増幅産物として前記部分二本鎖核酸を取得する増幅工程、を備える、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。 - 前記ハイブリダイゼーション工程に先立って、
前記タグ配列と前記標的核酸の第1の塩基配列を識別する第1の識別配列とを含み、前記タグ配列と前記第1の識別配列との間に、DNAポリメラーゼ反応を抑制又は停止可能な連結部を有する第1のプライマーと、標識用配列と前記標的核酸の第2の塩基配列を識別する第2の識別配列とを含む第2のプライマーIと、前記標識物質又は前記標識物質結合物質と前記標識用配列とを含む第2のプライマーIIと、を用いて、標的核酸に対して増幅反応を実施して増幅産物として前記部分二本鎖核酸を取得する増幅工程、を備える、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。 - 前記ハイブリダイゼーション工程に先立って、
前記タグ配列と前記標的核酸の第1の塩基配列を識別する第1の識別配列とを含み、前記タグ配列と前記第1の識別配列との間に、DNAポリメラーゼ反応を抑制又は停止可能な連結部を有する第1のプライマーと、標識用配列と前記標的核酸の第2の塩基配列を識別する第2の識別配列とを含む第2のプライマーIと、を用いて、前記標識物質又は前記標識物質結合物質と前記標識用配列と特異的にハイブリダイズする配列とを含む標識用プローブの存在下で、標的核酸に対して増幅反応を実施して部分二本鎖核酸と前記標識用プローブとの複合体を取得する増幅工程、を備える、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。 - 前記部分二本鎖核酸は、その二本鎖部分に前記標識物質又は前記標識物質結合物質を備える、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 前記ハイブリダイゼーション工程に先立って、
前記タグ配列と前記標的核酸の第1の塩基配列を識別する第1の識別配列とを含み、前記タグ配列と前記第1の識別配列との間に、DNAポリメラーゼ反応を抑制又は停止可能な連結部を有する第1のプライマーと前記標的核酸の第2の塩基配列を識別する第2の識別配列を備える第2のプライマーとを用いるとともに、前記標識物質又は前記標識物質結合物質を備えるヌクレオシド誘導体三リン酸を含むヌクレオシド三リン酸を用いて標的核酸に対して増幅反応を実施して増幅産物として前記部分二本鎖核酸を取得する増幅工程、を備える、請求項1〜3又は6のいずれかに記載の方法。 - 前記増幅工程後の前記増幅産物を含有する増幅反応液を含む展開媒体と前記固相担体の一部とを接触させて、前記ハイブリダイゼーション工程を実施する、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
- 前記増幅工程後の前記増幅産物を含有する増幅反応液と前記標識物質結合物質に結合する標識物質とを含む前記展開媒体を準備し、この展開媒体と前記固相担体の少なくとも一部とを接触させて、前記ハイブリダイゼーション工程を実施する、請求項10に記載の方法。
- 前記前記増幅工程を実施し前記増幅反応溶液を保持するキャビティに少なくとも前記標識物質を供給して前記展開媒体を準備し、前記キャビティ内において前記展開媒体と前記固相担体の一部とを接触させる、請求項11に記載の方法。
- 前記標識物質結合物質は、抗原抗体反応における抗体並びにビオチン、ジゴキシゲニン及びFITCなどを含むハプテンからなる群から選択される1種又は2種以上であり、
前記標識物質は、前記標識物質結合物質と結合可能な部位を備えて、蛍光、放射能、酵素、燐光、化学発光及び着色からなる群から選択される1種又は2種以上を利用する標識物質である、請求項1〜12いずれかに記載の方法。 - 請求項1〜13のいずれかに記載の標的核酸の検出方法に用いられるクロマトグラフィー本体であって、
固相担体と、
前記固相担体上の異なる位置に配された前記検出用プローブを固定した互いに平行状の3以上のライン状のプローブ領域と、
前記固相担体上の前記3以上のプローブ領域とは異なる位置に配された互いに平行状であるとともに前記プローブ領域に対しても平行状である2以上の位置マーカー領域と、
を備え、
前記2以上の位置マーカー領域のうちの2つの位置マーカー領域の間に、前記3以上のプローブ領域のうちの3つのプローブ領域が等間隔状で配されている、クロマトグラフィー本体。 - 前記2つの位置マーカーの前記3つのプローブ領域が固定されている側とは反対側に前記3つのプローブ領域間の間隔と同等の間隔で1以上の前記プローブ領域が配されている、請求項14に記載のクロマトグラフィー本体。
- 前記固相体は、その一つの端部に核酸クロマトグラフィーの展開媒体と接触させるための先細り状の液接触部又は液接触部形成マーカーを備える、請求項12又は15に記載のクロマトグラフィー本体。
- 前記液接触部形成マーカーは、前記固相体の一部を切断して前記液接触部を形成するための切断部位を視認可能とするマーカーである、請求項16に記載のクロマトグラフィー本体。
- 前記マーカーは、前記マーカーに沿って前記固相体を切断可能な脆弱性を有する、請求項17に記載のクロマトグラフィー本体。
- 試料中の標的核酸を検出する方法であって、
それぞれ異なる所定の塩基配列を有する検出用プローブを備える固相体を準備する工程と、
前記標的核酸に予め関連付けられた前記検出用プローブに相補的なタグ配列と前記標的核酸中の第1の塩基配列を識別する第1の識別配列とを含み、前記タグ配列と前記第1の識別配列との間に、DNAポリメラーゼ反応を抑制又は停止可能な連結部位を有する第1のプライマーと、
前記標的核酸中の第2の塩基配列を識別する第2の識別配列を含む第2のプライマーと、
を用いて、前記試料中の核酸増幅を実施する増幅工程と、
前記増幅工程で得られた増幅断片と前記固相体上の前記検出用プローブとをハイブリダイズ可能に接触させるハイブリダイゼーション工程と、
前記固相体上の前記増幅断片と前記検出用プローブとのハイブリダイズ産物を検出する検出工程と、
を備え、
前記検出用プローブは、前記タグ配列と特異的にハイブリダイズする検出用配列を含むプローブ領域と、前記プローブ領域のいずれか一方の末端側にチミンを含有するチミン含有ユニット、ウラシルを含有するウラシル含有ユニット及びシトシンを含有するシトシン含有ユニットから選択される1種又は2種以上のユニットが2以上連続する付加領域を備える、方法。 - 前記付加領域は、前記チミン含有ユニットからなる、請求項19に記載の方法。
- 前記付加領域は、前記チミン含有ユニット及び/又は前記ウラシル含有ユニットを5個以上備える、請求項19又は20に記載の方法。
- 前記第2のプライマーは、標識物質が結合された又は標識物質を結合可能に構成された標識物質結合領域を有する、請求項19〜21のいずれかに記載の方法。
- 前記増幅工程は、標識物質を備えるヌクレオシド誘導体三リン酸を含むヌクレオシド三リン酸を用いて核酸増幅を実施する工程である、請求項19〜22のいずれかに記載の方法。
- 前記連結部位は、天然塩基又は天然塩基と対合する天然塩基の誘導体を含まない、請求項19〜23のいずれかに記載の方法。
- 前記連結部位は、リン酸ジエステル結合を介して前記プライマー中のヌクレオチドに隣接される、元素数が2以上40以下であって置換されていてもよいアルキレン鎖又はポリオキシアルキレン鎖を含む、請求項19〜24のいずれかに記載の方法。
- 前記連結部位は、以下のいずれかの式で表される、請求項25に記載の方法。
5’−O−CmH2m−O−3’ 式(1)
(式中、5’は、5’側のリン酸ジエステル結合の酸素原子を表し、3’は、3’側のリン酸ジエステル結合のリン酸原子を表し、mは2以上40以下の整数を表す。)、
又は、
5’−(OCnH2n)l−O−3’ 式(2)
(式中、5’は、5’側のリン酸ジエステル結合の酸素原子を表し、3’は、3’側のリン酸ジエステル結合のリン酸原子を表し、nは2以上4以下の整数を表し、lは、2以上の整数であって、(n+1)×lは40以下となる整数を表す。) - 前記増幅工程は、複数の前記標的核酸に予め関連付けた複数の前記検出用プローブで検出可能に、前記第1のプライマーと前記第2のプライマーとからなる複数のセットを用いて核酸増幅を実施する工程であり、
前記ハイブリダイゼーション工程は、前記増幅工程で得られた複数の前記増幅断片と前記固相体上の前記複数の検出用プローブとをハイブリダイズ可能に接触させる工程であり、
前記検出工程は、前記固相体上の前記複数の増幅断片と前記複数の検出用プローブとのハイブリダイズ産物を検出する工程である、請求項19〜26のいずれかに記載の方法。 - 前記タグ配列は、塩基数が20以上50以下である、請求項19〜27のいずれかに記載の方法。
- 前記タグ配列は、塩基数が20以上25以下である、請求項28に記載の方法。
- 前記検出用プローブの前記所定の配列は、配列番号1〜100で表される塩基配列及びその相補配列から選択される、請求項19〜29のいずれかに記載の方法。
- 前記検出用プローブの前記所定の配列は、以下の表に記載の配列番号で表される塩基配列及びその相補配列から選択される、請求項19〜30のいずれかに記載の方法。
- 前記ハイブリダイゼーション工程は、複数の前記検出用プローブを備える前記固相体に対して前記増幅断片を含む液体を移動相として供給し前記固相体に対して前記移動相を展開することを含む工程である、請求項19〜31のいずれかに記載の方法。
- 請求項32に記載の標的核酸の検出方法に用いられるクロマトグラフィー本体であって、
固相担体と、
前記固相担体上の異なる位置に配された前記検出用プローブを固定した互いに平行状の3以上のライン状のプローブ領域と、
前記固相担体上の前記3以上のプローブ領域とは異なる位置に配された互いに平行状であるとともに前記プローブ領域に対しても平行状である2以上の位置マーカー領域と、
を備え、
前記2以上の位置マーカー領域のうちの2つの位置マーカー領域の間に、前記3以上のプローブ領域のうちの3つのプローブ領域が等間隔状で配されている、クロマトグラフィー本体。
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