JP2011520450A - 標的核酸配列の選択的ハイブリダイゼーションおよび捕捉における使用のため不活化可能型標的捕捉オリゴマー - Google Patents

標的核酸配列の選択的ハイブリダイゼーションおよび捕捉における使用のため不活化可能型標的捕捉オリゴマー Download PDF

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Abstract

不均質な核酸混合物中の特定の標的核酸の選択的なハイブリダイゼーションおよび捕捉のための組成物、キットおよび方法を開示する。次いで、標的核酸は後続の分析で使用される。該方法は、後続の分析で酵素および他の試薬を使用するのに適当な環境を確保するために慣用的に必要とされるものよりも、低いストリンジェントの精製および/または無菌性についての少ない労力しか必要としないという利点を提供する。本発明によって提供される不活化可能型標的捕捉オリゴマーは、少なくとも3つの核酸配列領域:すなわち、標的ハイブリダイゼーション領域;タグ閉鎖領域;および結合ペアメンバー領域を含む。

Description

(関連出願への相互参照)
この出願は、2008年5月13日に出願された米国仮出願番号61/052,944号に対し米国特許法119条(e)項の下での優先権を主張する。
(発明の分野)
本発明は、単独でまたは均質なもしくは不均質な核酸混合物の一成分としてのいずれかで存在し得る複数コピーの特定の標的核酸配列の選択的ハイブリダイゼーションのための方法、組成物、反応混合物およびキットに関する。選択的にハイブリダイズされた標的配列は、後続の処理(前記標的配列の分析および/または保存など)のために単離される。分析は、好ましくは、標的核酸の増幅および検出を含む。
(関連技術の説明)
核酸分子の単離および精製は、さまざまな下流手順、例えば、核酸分析、核酸試薬の調製、バルク薬物物質の調製などのための重要な工程である。単離工程には、選択培地が所望の核酸に偏向され、夾雑核酸からは離れることが所望される。その目的は、所望の核酸の回収を最大にし、夾雑核酸の存在を最小限にすることである。核酸の単離は、現在、さまざまな手法(例えば、固相支持体への結合)を用いて行なわれる。
固相支持体への核酸分子の結合は、当該技術分野において一般的に知られている。特許文献1には、Arnoldらにより、大型核酸と小型核酸の混合物からの大型核酸の選択的捕捉および固定化のためのポリカチオン系固相支持体の使用が記載されている。次いで、固定化された核酸が検出される。同様に、特許文献2には、核酸を固相支持体に、イミジゾールおよびグアニジニウムの存在下で結合させるための方法が記載されている。特許文献3も参照のこと。
特許文献4には、Weisbergらにより、固相支持体に結合させた固定化プローブを使用する、試料中のポリヌクレオチドの2工程ハイブリダイゼーションおよび捕捉が記載されている。第1の工程では、標的捕捉プローブを標的核酸とハイブリダイズさせる。第2の工程では、標的核酸と標的捕捉プローブの複合体を、固相支持体の固定化プローブにハイブリダイズさせる。Weisburgの2工程ハイブリダイゼーションは、選択した標的は標的捕捉プローブによって捕捉されるが、試料中の不要な他の核酸は捕捉されないため、標的特異的方法である。Weisburgの標的捕捉プローブは、所望の標的核酸に実質的に相補的であり、該標的核酸に特異的にハイブリダイズするが、試料中に存在すると思われる他の夾雑核酸には特異的にハイブリダイズしないように構成された第1の核酸領域を含む。
捕捉プローブおよび固相支持体は、さまざまな後続の下流分析手順のために、試料から核酸を単離するために使用される(例えば、Luoらによる特許文献5;Wangによる特許文献6、Conradによる特許文献7、Haakeらによる特許文献8、およびGettsらによる特許文献9参照)。単離されたら、標的核酸は、さまざまな下流分析、例えば、細胞ライセートから単離された標的核酸分子の特性評価、または診断用試料から単離された標的核酸の増幅および検出などに有用となる。
特定の核酸配列の検出および/または定量は、微生物を同定して分類するため、感染性疾患を診断するため、種々の型の処置に対する応答を測定するためなどに重要な手法である。また、かかる手順は、食品中、水中、飲料中、工業および環境試料中、種子ストック中、ならびに特定の微生物の存在をモニタリングする必要があり得る他の型の物質中の微生物の検出および定量にも有用である。標的核酸の検出および定量のための増幅に基づいた数多くの方法が当該技術分野でよく知られており、確立されている。PCRでは、変性、反対鎖に対するプライマーペアのアニーリング、および標的配列のコピー数を指数関数的に増大させるプライマー伸長の複数回サイクルが使用される(例えば、Mullisら、特許文献10および米国特許第4,800,159号;Mullis,米国特許第4,683,202号;Gelfandら、米国特許第5,804,375号;Mullisら(1987)Meth.Enzymol.155,335−350;ならびにMurakawaら(1988)DNA 7,287−295)。RT−PCRでは、逆転写酵素によりRNAから相補DNA(cDNA)が作製され、次いで、このcDNAがPCRによって増幅され、複数コピーのDNAが生成される(Gelfandら、米国特許第5,322,770号および米国特許第5,310,652号)。他のよく知られた増幅方法としては、鎖置換増幅(SDA)(例えば、Walkerら(1992),Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89,392−396;Walkerら、米国特許第5,270,184号;Walker,米国特許第5,455,166号;およびWalkerら(1992)Nucleic Acids Research 20,1691−1696);好熱性SDA(tSDA)(SDAと本質的に同じ方法で、より高温において好熱性エンドヌクレアーゼおよびポリメラーゼを使用)(欧州特許第0 684 315号);ローリングサークル増幅(RCA)(例えば、Lizardi,米国特許第5,854,033号);ヘリカーゼ依存性増幅(HDA)(例えば、Kongら、米国特許出願公開2004−0058378 A1);ループ媒介性等温型増幅(LAMP)(例えば、Notomiら、米国特許第6,410,278号);ならびに転写による増幅方法(例えば、Kwoh,D.ら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86,1173−1177)、例えば、NASBA(例えば、Malekら、米国特許第5,130,238号)、Q.β.レプリカーゼ(例えば、Lizardi,P.ら(1988)BioTechnol.6,1197−1202)、自律型配列複製(例えば、Guatelli,J.ら(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87,1874−1878;Landgren(1993)Trends in Genetics 9,199−202;およびHelen H.Leeら、Nucleic Acid Amplification Technologies(1997))、ならびに転写媒介性増幅(TMA)(例えば、Kacianら、米国特許第5,480,784号および米国特許第5,399,491号)が挙げられる。TMAでは、標的配列の複数コピーRNAによりさらなるコピーが自己触媒的に生成される実質的に一定の温度、イオン強度およびpHの条件下で、複数コピーの標的核酸配列が自己触媒的に合成される。TMAは、有効性が実証されており、PCRに基づいた増幅系に伴う課題の多くが解決される堅調で高感度な増幅系である。特に、温度サイクリングは必要とされない。
増幅アッセイは、臨床検査試験、バイオプロセスのモニタリングの状況、または特定の型の試料における微生物の検出が所望される任意の他の状況において、慣用的な微生物学的手法と比べて高い感度および迅速な時間対結果が提供されることにより、微生物の検出に特によく適している。また、増幅方法は、合成培地上での培養が困難または不可能である膨大な数の微生物の検出に使用され得る。それでもなお、第1世代増幅アッセイには、微生物学的臨床検査などの一部の特定の状況において許容性が限定的であるという一定の制限を伴う。高感度の核酸増幅系に伴う固有の問題の1つは、増幅系内への夾雑核酸の導入(例えば、増幅中に使用された1種類以上の試薬から、アッセイを行なう技術者から、増幅が行なわれる環境からなど)によって偽陽性結果がもたらされ得ることである。例えば、増幅反応に使用された試薬および/または酵素中に、あるいは増幅反応が行なわれる環境中に存在する核酸夾雑物が極めて少量であっても、目的の配列が試験対象の核酸試料中に存在しないにもかかわらず陽性増幅シグナルが生じることがあり得る。これは、偽陽性結果を回避または最小限にするため、試料調製、増幅反応に使用される試薬の精製、滅菌などに多大な労力を費やすことを要する。
米国特許第5,599,667号明細書 米国特許出願公開第2008/0319182号明細書 米国特許出願公開第2006/0252085号明細書 米国特許第6,110,678号明細書 米国特許出願公開第2008/0199863号明細書 米国特許出願公開第2007/0003937号明細書 米国特許出願公開第2005/0059024号明細書 米国特許出願公開第2006/0263769号明細書 米国特許出願公開第2008/0300142号明細書 米国特許第4,683,195号明細書
したがって、当該技術分野において、標的核酸化合物は単離されるが夾雑核酸の存在は最小限にするための組成物および方法の必要性が存在している。また、当該技術分野において、目的の標的核酸配列は選択的に増幅されるが、夾雑核酸などの夾雑する生物学的物質のために生じる偽陽性結果は低減または排除される、堅調な核酸増幅を可能にするための組成物および方法の必要性も存在している。また、試薬の精製および/または滅菌の必要性が低減された増幅系の必要性も依然として存在している。本明細書においてさらに記載するように、本発明は、このような必要性を満たし、かつ他の関連する利点を提供するものである。
(発明の概要)
本発明は、単独でまたは均質なもしくは不均質な核酸混合物の一成分としてのいずれかで存在し得る複数コピーの特定の標的核酸配列の選択的ハイブリダイゼーションのための組成物、キットおよび方法に関する。本発明の不活化可能型標的捕捉オリゴマーは、少なくとも3つの核酸配列領域:すなわち、標的ハイブリダイゼーション領域;タグ閉鎖領域;および結合ペアメンバー領域を含む。好ましくは、結合ペアメンバーは実質的にホモポリマーの核酸配列である。好ましくは、タグ閉鎖領域は、標的ハイブリダイゼーション領域の一部分に相補的であり、そのため、タグ閉鎖領域と標的ハイブリダイゼーション領域が1組の条件下で一緒にハイブリダイズし、それにより本図面に図示し、本明細書に記載したようなヘアピン構造が形成される。このような不活化可能型標的捕捉オリゴマーを標的核酸配列に選択的にハイブリダイズさせ、次いで該標的核酸配列を、後続の処理(前記標的配列の分析および/または保存など)のために単離する。分析は、好ましくは増幅および検出を含む。このような不活化可能型標的捕捉オリゴマーは、活性な立体配置にも不活性な立体配置にもなり得るものである。活性な立体配置および第1の組の条件下では、不活化可能型標的捕捉オリゴマーは所望の標的核酸にハイブリダイズする。次いで、反応混合物において不活化可能型標的捕捉オリゴマーが不活化される第2の組の条件が満たされるようにする。不活化可能型標的捕捉オリゴマーを不活性な立体配置にすることにより、標的ハイブリダイゼーション領域のさらなるハイブリダイゼーションが阻止される。したがって、不活性な立体配置により、例えば、反応混合物におけるストリンジェンシー条件、時間、標的ハイブリダイゼーション領域の配列の大きさ、混合物中の所望の標的核酸と他の非標的核酸または夾雑核酸との間の核酸配列類似性の変化によって、および/または非特異的ハイブリダイゼーションがもたらされることがわかっている他の事象によって引き起こされる、反応混合物中の核酸に対する不活化可能型標的捕捉オリゴマーの非特異的ハイブリダイゼーションが実質的に低減される。標的核酸が本発明の不活化可能型標的捕捉オリゴマーに選択的にハイブリダイズされたら、該標的は、相補結合ペアメンバーを含む固相支持体を用いて捕捉され得る。捕捉および洗浄の手法は当該技術分野でよく知られている(Weisburgら、米国特許第6,534,273号)。選択的にハイブリダイズされた捕捉された標的核酸は、次いで下流分析において使用され得る。
したがって、本発明の一実施形態によれば、標的核酸への不活化可能型標的捕捉オリゴマーの選択的ハイブリダイゼーションのための組成物および方法が提供され、前記標的核酸はDNA配列またはRNA配列であり、該方法は、(1)核酸試料中の標的核酸配列を、活性な立体配置の(例えば、該タグ閉鎖領域と該標的ハイブリダイズ領域は互いに安定的にハイブリダイズされない)、および標的ハイブリダイゼーション領域を標的核酸配列に安定的にハイブリダイズさせるための第1の組の条件下の、不活化可能型標的捕捉オリゴマーで処理する工程;および(2)非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイゼーション領域とタグ閉鎖領域とを安定的にハイブリダイズさせるための第2の組の条件を適用することにより、あらゆる非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーを不活化する工程を含む。該方法に、前記選択的にハイブリダイズされた標的核酸を捕捉する工程をさらに、含めてもよい。好ましくは、該捕捉工程は、不活化可能型捕捉プローブの結合ペアメンバーに相補的な第2の結合ペアメンバーを含む固相支持体の使用を導入し、それにより該不活化可能型標的捕捉オリゴマーと複合体を形成させることを含む。好ましくは、第1および第2の結合ペアメンバーは相補的であり、実質的にホモポリマーのヌクレオチド配列である。好ましくは、前記固相支持体は磁気ビーズである。
本発明は、非標的核酸および夾雑核酸の標的捕捉を実質的に低減させるものである。用語「非標的核酸」は、本明細書において、試料供給源中に天然に存在する、標的核酸以外の核酸をいうために一般的に用い、一方、用語「夾雑核酸」は、本明細書において、試料に対して外部の供給源から反応混合物中に導入された、標的核酸以外の核酸をいうために一般的に用いる。夾雑核酸としては、限定されないが、増幅反応において使用される1種類以上の試薬、構成要素もしくは物質中に存在し得る核酸、または増幅反応が行なわれる環境内に存在する核酸、ならびに試料供給源由来の核酸が挙げられる。本発明は、増幅反応に使用される酵素ならびに他の試薬および構成要素が、偽陽性結果をもたらし得る細菌の核酸夾雑物および他の核酸夾雑物を含まないことを確保するために、慣用的に使用されているものよりも低いストリンジェントの試薬精製および/または無菌性についての少ない労力しか必要としないという利点を提供する。かかる試薬または構成要素としては、限定されないが、水、バッファー、塩、固相支持体(例えば、磁荷粒子(magnetically charged particle)またはビーズ)、および容器(例えば、ガラス容器またはプラスチック容器)が挙げられる。
核酸混合物は、血液製剤の診断用試験およびスクリーニングのために採取された臨床試料;滅菌試験;種子ストック試験;食物供給源、水供給源、飲料供給源、工業供給源もしくは環境供給源からの微生物学的検出;研究試験;完全細胞ライセート;試薬調製およびQC試験;あるいは他の処理(クローニングなど)または他の目的(標的核酸の存在が検出および/もしくはモニタリングされる必要があり得るところの目的)のための物質などの、試料に見られるものであり得る。本明細書に記載のような特定の核酸配列の選択的増幅は、かかるアッセイの正確性および信頼性を増大させると同時に該アッセイに使用される試薬の調製、精製および/または滅菌の必要性を低減するために、任意のさまざまな検出アッセイにおいて特に重要である。本発明の組成物、方法および反応混合物は、バイオテクノロジー、医薬品、化粧品および飲料産業の製品の製造に使用される原料の試験に対して、最終製品のリリース試験に対して、ならびに対象物質中の一類型の生物または全生存生物(細菌性、真菌性または両方)に関して試験するための滅菌スクリーニングに対して、特別な利点を有する。臨床場面では、本発明の方法および反応混合物は、セプシス試験、特に敗血症(これは血流中の病原性生物および/またはその毒素によって引き起こされる)に特に有用である。
本発明の不活化可能型標的捕捉オリゴマーの使用方法に、標的核酸を選択的にハイブリダイズさせて捕捉した後に前記標的核酸の後続の核酸分析を行なう初期工程を含めてもよい。単なる一例として、一般的な核酸分析は増幅および検出アッセイである。例示的な増幅反応の一例は、タグ配列を第1の増幅産物内に導入するための増幅オリゴマー、および前記タグ配列(またはその相補体)にハイブリダイズして第2の増幅産物を生成させるさらなる増幅オリゴマーの使用を含むものである。かかるものは例示的な方法にすぎず、任意の型の下流核酸分析(例えば、増幅アッセイならびに他の型のアッセイ)が、選択的にハイブリダイズされた捕捉された標的核酸において行なわれ得る。該例示的な増幅反応では、第1の組の条件下での標的核酸の選択的なハイブリダイゼーションおよび捕捉、次いで、第2の組の条件での非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーの不活化後、第1の領域と第2の領域を含む異種(heterologous)増幅オリゴマーが、タグ配列を標的核酸配列内に導入するための第1の増幅反応において使用される。したがって、前記異種増幅オリゴマーの前記第1の領域は、標的核酸配列の3’末端にハイブリダイズする標的ハイブリダイズ配列を含み、前記第2の領域は、前記標的ハイブリダイズ配列の5’側に存在するタグ配列を含み、前記タグ配列は、標的核酸配列を含む標的核酸に安定的にハイブリダイズしない。第1の増幅反応で、この異種増幅オリゴマーが使用されると、第1のプライマー伸長産物により、このタグ配列が標的核酸配列内に導入され、後に後続の増幅オリゴマーによって標的化される配列がもたらされる。代替的な一態様において、このタグ配列は、不活化可能型標的捕捉オリゴマーのタグ閉鎖領域の組込みによって得られる。この態様は、例えば、標的核酸配列の相補鎖の第1の合成のためのプライマーとしての機能も果たす不活化可能型標的捕捉オリゴマーを提供することにより達成される。ここで、不活化可能型標的捕捉オリゴマーはタグ配列を含み、これは、不活化可能型標的捕捉オリゴマーの前方領域であり得るか、またはタグ閉鎖領域の全部もしくは一部を含む領域であり得るかのいずれかであり、あるいはタグ閉鎖配列であってもよい。次いで、後続の増幅で、タグ領域とハイブリダイズする増幅オリゴマーメンバーが利用される。好ましくは、不活化可能型標的捕捉オリゴマーのハイブリダイゼーション後に洗浄工程を含めるか、あるいはタグ配列を含む異種増幅オリゴマーを使用する実施形態では、不活化可能型標的捕捉オリゴマーおよび異種増幅オリゴマーのハイブリダイゼーションの後に洗浄工程を行なう。洗浄工程により、反応混合物中の不活化された非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーおよび他の核酸成分が除去される。次いで、該反応混合物中では、このような他の核酸の非存在下で相補鎖の第1の合成が行なわれる。その後に導入される夾雑物は、捕捉もされないし、その配列内に導入されたタグ配列も有しないため、このような夾雑物は増幅されない。
前記標的核酸が、異種増幅オリゴマーによる後続のハイブリダイゼーションのためのタグ配列を含むように修飾される実施形態では、前記タグ配列は、プライマーによる反応に不活化可能型標的捕捉オリゴマーを使用し、それによりタグ配列が増幅産物内に組み込まれることによって、または、好ましくは、異種増幅オリゴマーをプライマーによる反応において使用し、同様にタグ配列が増幅産物内に組み込まれることによって導入され得る。好ましい実施形態では、タグ配列と標的ハイブリダイズ配列とを含む異種増幅オリゴマーを前記標的核酸にハイブリダイズさせる。好ましくは、前記標的核酸への前記異種増幅オリゴマーのハイブリダイゼーション後、標的核酸、標的捕捉オリゴマーおよび異種増幅オリゴマーの複合体を捕捉し、混合物中の残りの成分、例えば、捕捉されていない不活性な不活化可能型標的捕捉オリゴマー、非ハイブリダイズ異種増幅オリゴマーおよび非標的核酸を洗い流す。次いで、ポリメラーゼを添加し、前記異種増幅オリゴマーから相補標的核酸配列を作製する。得られる相補標的核酸配列には、前記タグ配列が内部に組み込まれている。非標的核酸の存在は、洗浄工程で実質的に低減または排除された。非ハイブリダイズ異種増幅オリゴマーの存在は、洗浄工程で実質的に低減または排除された。不活性な非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーの存在は、洗浄工程で実質的に低減または排除された。したがって、その後に導入される夾雑物の増幅も、このような試薬がないために実質的に低減または排除される。
好ましくは、前記異種増幅オリゴマーから相補標的核酸配列を作製する前記工程後、一方が前記組込みタグ配列に相補的である少なくとも2種類の増幅オリゴマーを使用する増幅反応を行なう。このようにして、その後に導入される夾雑物の増幅は、増幅反応が前記タグ配列を含む核酸に指向されるため、実質的に低減または排除される。このようなその後に使用される増幅オリゴマーとしては、プライマーオリゴマーおよびプロモーター系オリゴマー(プロモータープライマーまたはプロモーター供与体など)が挙げられる。例示的な増幅反応は以下のとおりである。
第1の増幅方法は、(a)固相支持体上に固定化された標的核酸複合体を、タグ配列を含む異種増幅オリゴマーで処理し、異種増幅オリゴマー:標的核酸複合体を生成させる工程;(b)前記試料中において、前記複合体の一部を形成していない異種増幅オリゴマー配列の有効濃度を低下させる工程;および(c)前記標的核酸配列を、前記標的核酸配列内への前記タグ配列の組込みとその後の標的核酸配列の検出可能な増幅とに充分な試薬および条件に供する工程を含み、該供する工程では、試料は、工程(b)の後に標的核酸配列の既知の夾雑源に曝露され、標的核酸配列の検出可能な増幅は、工程(a)のタグ配列が寄与するが、該既知の夾雑源は寄与しない標的核酸配列の増幅に実質的に限定される。
この実施形態の一態様において、該方法で使用される1種類以上の試薬(核酸ポリメラーゼなど)は、夾雑核酸配列を含む微生物を用いて生成させたものである。さらなる態様において、該方法で使用される構成要素(反応槽、ピペット先端および捕捉された標的核酸配列を含む複合体を結合するための固相支持体など)が、標的核酸配列の既知の夾雑源であり得る。さらなる態様において、該方法は、増幅が行なわれる環境条件に核酸配列の既知の夾雑源(周囲の空気、作業者または分析機器など)が含まれる場合、有用である。
この実施形態のさらなる態様では、捕捉された標的核酸配列は、工程(b)の間に固相支持体上に固定化される。好ましくは、標的核酸配列と不活化可能型標的捕捉オリゴマーとの複合体が、工程(b)の間に固相支持体上に固定化される。より好ましくは、標的核酸配列、不活化可能型標的捕捉オリゴマーおよび異種増幅オリゴマーの複合体が、工程(b)の間に固相支持体上に固定化される。
さらなる態様において、工程(b)は、標的核酸配列にハイブリダイズしていない不活化可能型標的捕捉オリゴマーを希釈または除去することを含む。好ましくは、工程(b)は、標的核酸配列にハイブリダイズしていない不活化可能型標的捕捉オリゴマーおよび異種標的増幅オリゴマーを希釈または除去することを含む。
代替的な態様において、不活化可能型標的捕捉オリゴマーは、その核酸配列の一成分を消化するか、もしくは該配列の一部分の一部位を切断する酵素を使用すること、該配列を化学的に改変すること、または他の手段によって、標的ハイブリダイゼーション配列が反応混合物中で核酸配列と複合体を形成する能力を改変することにより、標的核酸配列と複合体を形成する能力をブロックすることによって不活化され得る。
また別の態様では、前記不活化可能型標的捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列は、一部の特定の態様において、細菌または真菌のユニバーサルオリゴヌクレオチドなどのユニバーサルオリゴヌクレオチドである。また別の態様では、前記異種増幅オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列が、一部の特定の態様において、細菌または真菌のユニバーサルオリゴヌクレオチドなどのユニバーサルオリゴヌクレオチドである。また別の態様では、前記不活化可能型標的捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列と前記異種増幅オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列がともに、細菌または真菌のユニバーサルオリゴヌクレオチドなどのユニバーサルオリゴヌクレオチド配列である。
工程(c)は、核酸増幅反応において増幅産物を生成させることを含み、この場合、前記標的核酸の相補体が異種増幅オリゴマーを用いて作製され、それによりタグ配列の組込みがもたらされ、次いで、第1および第2の増幅オリゴヌクレオチドが使用される。第1のオリゴヌクレオチドは、組み込まれたタグ配列の3’末端にハイブリダイズする配列を含むが、標的核酸配列または標的核酸配列の相補体に安定的にハイブリダイズしない。第2のオリゴヌクレオチドは、標的核酸配列の塩基配列に実質的に同一または相補的である塩基配列と、タグ配列の全部または一部分とを含む各増幅産物を含む。
種々の増幅方法が本発明における使用に適している。例えば、一態様において、増幅反応はPCR反応である。別の態様において、標的核酸配列は、転写による増幅反応、好ましくは等温条件下で行なわれるTMA反応によって増幅される。
該方法に従って増幅される標的核酸配列は、任意の目的の標的核酸配列であり得るが、一般的には、微生物から得られる核酸配列である。さらに、該方法は、単一の株もしくは単一の種の微生物または多数の種の微生物の核酸内に含まれる1種類の標的核酸配列の増幅に対して選択的であり得る。あるいはまた、該方法は、多数の種の微生物の核酸内に含まれる多数の標的核酸配列の増幅に対して選択的であり得、この場合、例えば、不活化可能型標的捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列は、工程(a)において該多数の標的核酸配列の各々に存在する標的領域にハイブリダイズする。
例えば、具体的な態様において、該方法は、複数の標的核酸の各々に含まれる標的核酸配列の増幅に対して選択的であり、異種タグ配列により、工程(a)において核酸試料中に存在する該複数の標的核酸の各々の標的核酸配列を有するタグ化された標的核酸配列がもたらされる。より具体的な態様では、該複数の標的核酸の各々に含まれる標的核酸配列は、同じ核酸配列である。
別の具体的な態様において、該方法は、多数の細菌または真菌の標的核酸配列の増幅に対して選択的であり、例えば、該多数の細菌または真菌の標的核酸配列はリボソーム核酸配列である。別の具体的な態様において、該方法は、ある細菌種の群のメンバーから得られた標的核酸配列の増幅に対して選択的である。別の態様において、該方法は、ある真菌種の群のメンバーから得られた標的核酸配列の増幅に対して選択的である。別の具体的な態様において、該方法は、セプシス試験において検出され得る微生物に対して選択的である。また別の態様では、該方法で使用される核酸試料の少なくとも一部分は、臨床、水、工業、環境、種子、飲料または食物由来の供給源から得られたものである。該方法は、一部の特定の態様において、滅菌試験またはセプシス診断用試験における使用に特に良好に適している。
さらなる増幅方法は、(a)標的核酸配列を含む核酸試料を不活化可能型標的捕捉オリゴマーおよび異種増幅オリゴマーで、該標的核酸に対する該不活化可能型標的捕捉オリゴマーおよび異種増幅オリゴマーの選択的なハイブリダイゼーションのための1組の条件下で処理する工程;(b)前記核酸試料中において、前記非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列が前記非標的および/または夾雑核酸配列へのハイブリダイゼーションに利用可能な活性形態を有する非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーの有効濃度を低下させる工程;ならびに(c)タグ配列を相補標的核酸配列内に組み込むための異種増幅オリゴマーを用い、次いで、標的核酸を増幅させるための第1および第2のオリゴヌクレオチドを用いて、核酸増幅反応において増幅産物を生成させる工程を含み、ここで第1のオリゴヌクレオチドは、標的核酸配列の相補体の3’末端にハイブリダイズするハイブリダイズ配列を含み、第2のオリゴヌクレオチドは、タグ配列の相補体にハイブリダイズするが標的核酸には安定的にハイブリダイズしないハイブリダイズ配列を含み、増幅産物は、標的核酸配列の塩基配列に実質的に同一または相補的である塩基配列と、タグ配列の全部または一部分とを含む。
上記の方法の一態様において、少なくとも1種類の標的核酸配列は、工程(b)の間に固相支持体上に固定化される。別の態様において、工程(b)は、ヌクレアーゼ活性を有する酵素の使用を含まない。
増幅前の活性形態の非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーの有効濃度は、核酸試料を希釈することにより、あるいは非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーを不活化および/または除去することにより好ましくは低減される。一態様において、工程(b)は、非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーを、工程(c)のいずれの核酸配列にも安定的にハイブリダイズしないように不活化することを含む。不活化の一例では、不活化可能型標的捕捉オリゴマーは、工程(a)では標的ハイブリダイズ配列が標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能な活性形態を有し、非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーは、工程(b)において、工程(c)での標的核酸配列へのハイブリダイズが阻止または抑制された不活性形態に変換される。関連する実施形態において、工程(b)および(c)の条件は、工程(a)の条件よりも低いストリンジェントである。別の関連する実施形態では、核酸試料の温度を工程(a)と(b)との間で低下させる。
別の代替的な例において、工程(a)の非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーを、工程(b)において単鎖形態から二本鎖形態に変換させる。二本鎖形態は、タグ閉鎖配列を含むヘアピン分子であり得、該タグ閉鎖配列は、工程(b)の条件下で標的ハイブリダイズ配列にハイブリダイズし、それにより工程(a)の非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーが、工程(b)および(c)において標的核酸配列にハイブリダイゼーションするのが阻止される。別の態様において、タグ閉鎖配列は、不活化可能型標的捕捉オリゴマーに非ヌクレオチドリンカーによって連接されている。末端3’残基がプライマーによる核酸伸長に利用可能であり、かつかかる伸長が所望されない不活化可能型標的捕捉オリゴマーの向きでは、3’末端残基はブロック部分を用いてブロックされ得る。
さらに別の態様において、標的ハイブリダイズ配列は工程(b)においてタグ閉鎖オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされ、不活化可能型標的捕捉オリゴヌクレオチドおよびタグ閉鎖オリゴヌクレオチドは別個の分子である。タグ閉鎖オリゴヌクレオチドは、所望により、タグ閉鎖オリゴヌクレオチドからのDNA合成の開始が抑制されるように修飾されていてもよい。
さらに、一部の特定の態様において、標的ハイブリダイズ配列の3’末端塩基は、タグ閉鎖オリゴヌクレオチドの5’末端塩基にハイブリダイズされる。
上記のように、本発明の方法では、いずれかのさまざまな増幅手法が使用され得る。一部の特定の場合では、転写による増幅反応、好ましくはTMAまたはリアルタイムTMAなどの等温型増幅反応を使用することが好ましいことがあり得る。
具体的な一態様において、第1の増幅オリゴヌクレオチドは、標的ハイブリダイズ配列の5’側に配置されたRNAポリメラーゼプロモーター配列のためのプロモーター配列を含む。別の態様において、第2のオリゴヌクレオチドは、RNAポリメラーゼのためのプロモーター配列を含み、該プロモーター配列は標的ハイブリダイズ配列の5’側に配置される。さらなる態様において、第1または第2の増幅オリゴマーの一方または両方は、標的ハイブリダイズ領域、タグ配列領域およびRNAポリメラーゼのためのプロモーター配列領域を含み、該プロモーター配列はタグ配列領域の5’側に配置される。
核酸試料は、多くの場合、工程(b)後に既知の夾雑源に曝露され、したがって、記載の方法は、増幅産物の生成が、核酸試料は寄与するが夾雑核酸配列は寄与しない標的核酸配列の増幅に実質的に限定されることを提供する。例えば、増幅反応に使用される1種類以上の試薬または構成要素は既知の夾雑源を含む。あるいはまたさらに、1種類以上の試薬は、夾雑源であることがわかっている物質とともに作製され、例えば、核酸ポリメラーゼは、標的核酸配列を含むことがわかっている微生物を用いて作製される。さらに、該方法が行なわれる環境条件には、既知の夾雑源が含まれることがあり得る。具体的な一態様において、前記核酸の少なくとも一部分は、臨床、水、工業、環境、種子、飲料または食物由来の供給源から得られる。
第3の例示的な増幅方法によれば、標的核酸配列はRNA標的配列であり、工程(c)は、プライマー伸長反応において標的核酸配列にハイブリダイズされる異種増幅オリゴマーを、DNAポリメラーゼにより伸長させ、標的核酸配列に相補的な領域とタグ配列とを含む伸長産物を生成させること;該伸長産物を標的核酸から、該伸長産物にハイブリダイズされた標的核酸の該部分を選択的に分解する酵素を用いて分離すること;該伸長産物を第1の増幅オリゴヌクレオチドで処理すること、第1の増幅オリゴヌクレオチドは、標的核酸配列の5’末端に相補的な該伸長産物の領域にハイブリダイズしてプロモーターオリゴヌクレオチド:伸長産物ハイブリッドを形成し、RNAポリメラーゼのためのプロモーター配列を含むハイブリダイズ配列を含むプロモーターオリゴヌクレオチドであり、プロモーター配列は標的ハイブリダイズ領域の5’側に配置される;鋳型としてプロモーターオリゴヌクレオチド:伸長産物複合体を使用し、該伸長産物の少なくとも一部分と組込みタグ配列に相補的な第1のRNA産物の複数コピーのRNAポリメラーゼによる転写を行なうこと;第1のRNA産物を、タグ配列の相補体にハイブリダイズして第2の増幅オリゴヌクレオチド:第1のRNA産物複合体を形成する第2の増幅オリゴヌクレオチドで、プライマー伸長反応が第2の増幅オリゴヌクレオチドから開始され得るように処理すること;プライマー伸長反応における第2の増幅オリゴヌクレオチドをDNAポリメラーゼにより伸長させ、第1のRNA産物に相補的な第2のプライマー伸長産物を生成させること、第2のプライマー伸長産物は、第1のRNA産物の5’末端に相補的な3’末端を有する;第2のプライマー伸長産物を第1のRNA産物から、前記第1のRNA産物を選択的に分解する酵素を用いて分離すること;第2のプライマー伸長産物をプロモーターオリゴヌクレオチドで処理し、プロモーターオリゴヌクレオチド:第2のプライマー伸長産物複合体を形成すること;プロモーターオリゴヌクレオチド:第2のプライマー伸長産物複合体の第2のプライマー伸長産物の3’末端を、プロモーターオリゴヌクレオチドの第2の領域に相補的な配列が付加されるように伸長させること;ならびにプロモーターオリゴヌクレオチド:第2のプライマー伸長産物ハイブリッドから、RNAポリメラーゼを用いて、第2のプライマー伸長産物に相補的な第2のRNA産物の複数コピーの転写を行なうことを含む。
本発明のこの実施形態の別の態様において、工程(a)は、核酸試料を、標的核酸配列の5’末端に隣接しているか、またはその近傍の標的核酸に結合する結合分子で処理することをさらに含み、第1のプライマー伸長産物は、該結合分子によって決定され、かつ標的核酸配列の5’末端に相補的な3’末端を有する。
別の態様において、上記の実施形態の工程(c)は、プロモーターオリゴヌクレオチド:第1のプライマー伸長産物ハイブリッドの第1のプライマー伸長産物の3’末端を、プロモーターに相補的な配列が付加されるように伸長させることをさらに含む。また別の態様では、プロモーターオリゴヌクレオチドは、プロモーターオリゴヌクレオチドからのDNA合成の開始が抑制されるように修飾される。
第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズされるプロモーターオリゴヌクレオチドは、DNAポリメラーゼにより伸長され、第1のプライマー伸長産物に相補的なプライマー伸長産物が生成され、前記第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズされるプロモーターオリゴヌクレオチドは、DNAポリメラーゼにより伸長され、第2のプライマー伸長産物に相補的なプライマー伸長産物が生成される。
記載の方法の分離工程は、DNAポリメラーゼによって提供されるリボヌクレアーゼ活性により行なわれ得る。あるいはまた、該分離工程は、前記DNAポリメラーゼ以外の酵素によって提供されるリボヌクレアーゼ活性により行なわれる。
第4の増幅方法によれば、標的核酸配列はRNA標的配列であり、工程(c)は、プライマー伸長反応において標的核酸配列にハイブリダイズされる異種増幅オリゴマーを、DNAポリメラーゼにより伸長させ、標的核酸配列に相補的な領域とタグ配列を含む第1のプライマー伸長産物を生成させること、該異種増幅オリゴヌクレオチドは、さらに、タグ配列の5’側に配置された第3の領域を含み、第3の領域はRNAポリメラーゼのためのプロモーターを含む;第1のプライマー伸長産物を標的核酸から、第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズされた標的核酸の該部分を選択的に分解する酵素を用いて分離すること;第1のプライマー伸長産物を第1の増幅オリゴヌクレオチドで処理すること、第1の増幅オリゴヌクレオチドは、標的核酸配列の5’末端に相補的な第1のプライマー伸長産物の領域にハイブリダイズして第1の増幅オリゴヌクレオチド:第1のプライマー伸長産物複合体を形成し、プライマー伸長反応が第1の増幅オリゴヌクレオチドから開始され得るようにするプライミングオリゴヌクレオチドである;プライマー伸長反応において第1の増幅オリゴヌクレオチドをDNAポリメラーゼにより伸長させ、第1のプライマー伸長産物に相補的な第2のプライマー伸長産物を生成させること;ならびにプロモーターを認識し、該プロモーターからの転写を開始させるRNAポリメラーゼを使用し、第2のプライマー伸長産物を、第2のプライマー伸長産物の少なくとも一部分に相補的な第1のRNA産物の複数コピーの転写を行なうための鋳型として使用すること、ここで、第1のRNA産物の塩基配列は、タグ配列の塩基配列および標的核酸配列の相補体の塩基配列と実質的に同一であること、を含む。
この実施形態の別の態様では、工程(c)は、さらに、第1のRNA産物を第2の増幅オリゴヌクレオチドで処理し、プライミングオリゴヌクレオチド:第1のRNA産物複合体を形成させ、プライマー伸長反応が第2の増幅オリゴヌクレオチドから開始され得るようにすること;プライマー伸長反応においてプライミングオリゴヌクレオチドをDNAポリメラーゼにより伸長させ、第1のRNA産物に相補的な第3のプライマー伸長産物を生成させること、第3のプライマー伸長産物は第1のRNA産物の5’末端に相補的な3’末端を有する;第3のプライマー伸長産物を第1のRNA産物から、第1のRNA産物を選択的に分解する酵素を用いて分離すること;第3のプライマー伸長産物を第2のオリゴヌクレオチドで処理すること、第2のオリゴヌクレオチドは第1の領域と第2の領域を含むプロモーターオリゴヌクレオチドであり、第1の領域は、タグ配列の相補体にハイブリダイズして、プロモーターオリゴヌクレオチド:第3のプライマー伸長産物ハイブリッドを形成し、プライマー伸長反応がプロモーターオリゴヌクレオチドから開始され得るようにするハイブリダイズ配列を含み、第2の領域は、第1の領域の5’側に配置されたRNAポリメラーゼのためのプロモーターを含む;プライマー伸長反応においてプロモーターオリゴヌクレオチドをDNAポリメラーゼにより伸長させ、第3のプライマー伸長産物に相補的な第4のプライマー伸長産物を生成させること;第3のプライマー伸長産物を、プロモーターに相補的な配列が付加されるように伸長させること;プロモーターオリゴヌクレオチド:第3のプライマー伸長産物ハイブリッドから、プロモーターを認識して該プロモーターからの転写を開始させるRNAポリメラーゼを用いて、第3のプライマー伸長産物に相補的な第2のRNA産物の複数コピーの転写を行なうこと、ここで、第2のRNA産物の塩基配列は、タグ配列の塩基配列および標的核酸配列の相補体の塩基配列と実質的に同一であること、を含む。
この実施形態の別の態様では、該分離工程は、DNAポリメラーゼによって提供されるリボヌクレアーゼ活性により行なわれる。あるいはまた、分離工程は、DNAポリメラーゼ以外の酵素によって提供されるリボヌクレアーゼ活性により行なわれる。
第5の増幅方法によれば、標的核酸配列はDNA標的配列であり、工程(c)は、プライマー伸長反応において標的核酸配列にハイブリダイズされる異種増幅オリゴマーを、DNAポリメラーゼにより伸長させ、標的核酸配列に相補的な領域とタグ配列を含む第1のプライマー伸長産物を生成させること;第1のプライマー伸長産物を第1の増幅オリゴヌクレオチドで処理すること、第1の増幅オリゴヌクレオチドは、標的核酸配列の5’末端に相補的な第1のプライマー伸長産物の領域にハイブリダイズしてプロモーターオリゴヌクレオチド:第1のプライマー伸長産物ハイブリッドを形成する標的ハイブリダイズ配列を含むプロモーターオリゴヌクレオチドであり、第2の領域は、第1の領域の5’側に配置されたRNAポリメラーゼのためのプロモーターである;プロモーターオリゴヌクレオチド:第1のプライマー伸長産物複合体から、プロモーターを認識して該プロモーターからの転写を開始させるRNAポリメラーゼを用いて、第1のプライマー伸長産物の少なくとも一部分に相補的な第1のRNA産物の複数コピーの転写を行なうこと、ここで、第1のRNA産物の塩基配列は、標的核酸配列の塩基配列およびタグ配列の相補体の塩基配列と実質的に同一である;第1のRNA産物を第2の増幅オリゴヌクレオチドで処理すること、第2の増幅オリゴヌクレオチドは、タグ配列の相補体にハイブリダイズして、プライミングオリゴヌクレオチド:第1のRNA産物ハイブリッドを形成し、プライマー伸長反応がプライミングオリゴヌクレオチドから開始され得るようにするプライミングオリゴヌクレオチドである;プライマー伸長反応におけるプライミングオリゴヌクレオチドをDNAポリメラーゼにより伸長させ、第1のRNA産物の相補体を含む第2のプライマー伸長産物を生成させること、第2のプライマー伸長産物は第1のRNA産物の5’末端に相補的な3’末端を有する;第2のプライマー伸長産物を第1のRNA産物から、第1のRNA産物を選択的に分解する酵素を用いて分離すること;第2のプライマー伸長産物をプロモーターオリゴヌクレオチドで処理し、プロモーターオリゴヌクレオチド:第2のプライマー伸長産物ハイブリッドを形成すること;プロモーターオリゴヌクレオチド:第2のプライマー伸長産物ハイブリッドの第2のプライマー伸長産物の3’末端を、プロモーターに相補的な配列が付加されるように伸長させること;ならびにプロモーターオリゴヌクレオチド:第2のプライマー伸長産物ハイブリッドから、RNAポリメラーゼを用いて、第2のプライマー伸長産物に相補的な第2のRNA産物の複数コピーの転写を行なうこと、ここで、第2のRNA産物の塩基配列は、標的核酸配列の塩基配列およびタグ配列の相補体の塩基配列と実質的に同一であること、を含む。
この実施形態の一態様において、プロモーターオリゴヌクレオチドは、プロモーターオリゴヌクレオチドからのDNA合成の開始が抑制されるように修飾される。
別の態様において、工程(a)は、さらに、核酸試料を、異種増幅オリゴヌクレオチドの上流の標的核酸にハイブリダイズするディスプレーサー(displacer)オリゴヌクレオチドで処理し、プライマー伸長反応がディスプレーサーオリゴヌクレオチドから開始され得るようにすること;およびプライマー伸長反応においてディスプレーサーオリゴヌクレオチドをDNAポリメラーゼにより伸長させ、前記第1のプライマー伸長産物を標的核酸から剥離させる第3のプライマー伸長産物をもたらすことを含む。
また別の実施形態において、工程(a)は、さらに、核酸試料を、標的核酸配列の5’末端に隣接しているか、またはその近傍の標的核酸に結合する結合分子で処理することを含み、第1のプライマー伸長産物は、前記結合分子によって決定され、かつ標的核酸配列の5’末端に相補的な3’末端を有する。
より具体的な態様では、工程(c)は、さらに、プロモーターオリゴヌクレオチド:第1のプライマー伸長産物複合体の第1のプライマー伸長産物の3’末端を、プロモーター配列に相補的な配列が付加されるように伸長させることを含む。
別の具体的な態様において、工程(c)は、さらに、第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズされるプロモーターオリゴヌクレオチドをDNAポリメラーゼにより伸長させ、第1のプライマー伸長産物に相補的なプライマー伸長産物を生成させること;および第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズされたプロモーターオリゴヌクレオチドをDNAポリメラーゼにより伸長させ、第2のプライマー伸長産物に相補的なプライマー伸長産物を生成させることを含む。
該分離工程は、一実施形態において、前記DNAポリメラーゼによって提供されるリボヌクレアーゼ活性により行なわれる。あるいはまた、分離工程は、前記DNAポリメラーゼ以外の酵素によって提供されるリボヌクレアーゼ活性により行なわれる。
本発明の別の実施形態は、核酸試料由来の少なくとも1種類の標的核酸配列への少なくとも1種類の不活化可能型標的捕捉オリゴマーの選択的ハイブリダイゼーションにおける使用のためのキットを提供し、該キットは、第1の組の条件下で標的核酸配列にハイブリダイズする標的ハイブリダイズ配列を含む第1の領域と、好ましくは第1の領域の3’側に配置されたタグ閉鎖配列を含み、かつ第1の組の条件下で標的核酸に安定的にハイブリダイズしない第2の領域と、好ましくは第2の領域の3’側に配置された結合ペアメンバーを含む第3の領域とを含む不活化可能型標的捕捉オリゴマーを含む。一態様において、前記キットは、さらに、不活化可能型標的捕捉オリゴマーの結合ペアメンバーに相補的な第2の結合ペアメンバーを含む固相支持体を含む。さらなる態様において、固相支持体は磁気ビーズである。さらなる態様において、不活化可能型標的捕捉オリゴマーの第1の結合ペアメンバーと固相支持体の第2の結合ペアメンバーとは相補的な核酸配列であり、好ましくは、前記配列は実質的にホモポリマーである。
さらなる実施形態において、前記キットは、標的核酸配列にハイブリダイズする標的ハイブリダイズ領域と、標的核酸配列に安定的にハイブリダイズしないタグ配列とを含む異種増幅オリゴマーを含む。さらなる実施形態において、キットは、少なくとも2種類の増幅オリゴマーを含み、その一方はタグ配列またはその相補体にハイブリダイズする。増幅オリゴマーとしては、プライマー、プロモーター系増幅オリゴマーおよび異種増幅オリゴマーが挙げられる。さらなる実施形態において、キットは、終結オリゴマーを含む。
また別の態様では、タグ閉鎖配列は、第2の組の条件下で標的ハイブリダイズ配列が標的核酸配列にハイブリダイズされない場合、タグ閉鎖配列と標的ハイブリダイズ配列との間に形成される二本鎖を安定化させるための部分を含む。
別の代替的な態様において、不活化可能型標的捕捉オリゴヌクレオチドは、標的ハイブリダイズ配列と結合ペアメンバーとを含む該分子とは別個の分子を構成するタグ閉鎖配列を含む。
タグ閉鎖配列は標的ハイブリダイズ領域に、非ヌクレオチドリンカーによって、例えば、脱塩基ヌクレオチドおよびポリエチレングリコールの少なくとも一方を含む非ヌクレオチドリンカーによって連接され得る。別の態様において、タグ閉鎖配列の3’末端は、標的ハイブリダイズ領域の5’末端に連接される。あるいはまた、タグ閉鎖配列の5’末端は、標的ハイブリダイズ領域の5’末端に連接される。あるいはまた、タグ閉鎖領域と標的ハイブリダイズ領域とは、非ヌクレオチドリンカーを用いて5’→’5’または3’→’3’の向きに連接される。また別の態様では、タグ閉鎖配列は、第2の組の条件下で標的ハイブリダイズ配列が標的核酸配列にハイブリダイズされない場合、標的ハイブリダイズ配列にハイブリダイズして逆平行な二本鎖を形成する。不活化可能型標的捕捉オリゴマーの該領域の向きおよび/または構成によってプライミング事象においてポリメラーゼにより伸長され得る末端3’末端がもたらされ、かつかかる伸長が所望されない他の態様では、配列の3’末端ヌクレオチドは、該末端からのDNA合成の開始が抑制されるように修飾される(例えば、その3’末端に配置されるブロック部分を含めることにより)。
別の態様において、タグ閉鎖配列は、第2の組の条件下で標的ハイブリダイズ配列が標的核酸配列にハイブリダイズされない場合、標的ハイブリダイズ配列にハイブリダイズして平行な二本鎖を形成する。
また別の態様では、該二本鎖は、タグ閉鎖配列の3’末端塩基にハイブリダイズされた標的ハイブリダイズ配列の3’末端塩基を含む。この実施形態の別の態様では、第1のプライミングオリゴヌクレオチドは標的核酸に安定的にハイブリダイズし、それにより、第2の組の条件下で標的核酸配列の検出可能な増幅に参与する。別の態様において、キットは、さらに、第2の組の条件下で標的核酸配列の5’末端の相補体にハイブリダイズする第2のプライミングオリゴヌクレオチドを含み、そのため、第2のプライミングオリゴヌクレオチドは、DNAポリメラーゼの存在下で鋳型依存性様式で伸長され得る。また別の態様では、本発明のキットは、さらに、第1の領域と第2の領域とを含むプロモーターオリゴヌクレオチドを含み、第1の領域は、第2の組の条件下で標的核酸配列の5’末端の相補体にハイブリダイズするハイブリダイズ配列を含み、第2の領域は、第1の領域の5’側に配置されたRNAポリメラーゼのためのプロモーターを含む。プロモーターオリゴヌクレオチドは、この態様において、プロモーターオリゴヌクレオチドからのDNA合成の開始が抑制されるように修飾され得る(例えば、その3’末端に配置されるブロック部分を含めることにより)。また別の態様では、プロモーターオリゴヌクレオチドは、ハイブリダイズ配列が第2の組の条件下で標的核酸配列の5’末端の相補体にハイブリダイズされた場合、DNAポリメラーゼの存在下で鋳型依存性様式で伸長され得る。
また、本発明のキットは、一部の特定の態様において、さらに、DNAポリメラーゼ(逆転写酵素など)、RNAポリメラーゼ、ヌクレオシド三リン酸、標的核酸と不活化可能型標的捕捉オリゴヌクレオチドとを含む複合体を結合するための固相支持体の任意の1種類以上から選択される1種類以上の試薬または構成要素を含むものであってもよい。別の態様において、不活化可能型標的捕捉は溶液中で遊離状態である。別の態様において、キットは、第2の組の条件下でタグ閉鎖配列と標的ハイブリダイズ配列との間に形成される二本鎖を切断し得る制限酵素を含まない。また別の態様では、標的ハイブリダイズ配列は、第1の組の条件下で多数の標的核酸配列の3’末端にハイブリダイズする。
本発明の別の実施形態によれば、活性な不活化可能型標的捕捉オリゴマーが標的核酸配列に第1の組の条件下で安定的にハイブリダイズするためのプレアニーリング反応混合物が提供される。別の実施形態では、活性な不活化可能型標的捕捉オリゴマーおよび異種増幅オリゴマーが標的核酸配列に第1の組の条件下で安定的にハイブリダイズするためのプレアニーリング反応混合物が提供される。別の実施形態では、活性な不活化可能型標的捕捉オリゴマーおよび、任意選択で異種増幅オリゴマーが標的核酸配列に第1の組の条件下で安定的にハイブリダイズするため、およびハイブリダイズされていない活性な不活化可能型標的捕捉オリゴマーを第2の組の条件下で不活化するためのプレアニーリング反応混合物が提供される。別の実施形態では、活性な不活化可能型標的捕捉オリゴマーおよび異種増幅オリゴマーが標的核酸配列に第1の組の条件下で安定的にハイブリダイズするため、ハイブリダイズされていない活性な不活化可能型標的捕捉オリゴマーを第2の組の条件下で不活化するため、ならびに非標的核酸、不活化された標的捕捉オリゴマーおよび反応混合物由来の異種増幅オリゴマーを低減または排除するためのプレアニーリング反応混合物が提供される。別の実施形態では、活性な不活化可能型標的捕捉オリゴマーおよび異種増幅オリゴマーが標的核酸配列に第1の組の条件下で安定的にハイブリダイズするため、ハイブリダイズされていない活性な不活化可能型標的捕捉オリゴマーを第2の組の条件下で不活化するため、ならびに非標的核酸、不活化された標的捕捉オリゴマーおよび反応混合物由来の異種増幅オリゴマーを低減または排除するためのプレアニーリング反応混合物が提供され、前記標的核酸は、続いて核酸分析アッセイにおいて使用される。別の実施形態では、活性な不活化可能型標的捕捉オリゴマーおよび異種増幅オリゴマーが標的核酸配列に第1の組の条件下で安定的にハイブリダイズするため、ハイブリダイズされていない活性な不活化可能型標的捕捉オリゴマーを第2の組の条件下で不活化するため、ならびに非標的核酸、不活化された標的捕捉オリゴマーおよび反応混合物由来の異種増幅オリゴマーを低減または排除するためのプレアニーリング反応混合物が提供され、前記異種増幅オリゴマーは、タグ配列を含む標的核酸の相補的コピーを作製するために使用される。
また別の態様では、不活化可能型標的捕捉オリゴヌクレオチドを固相支持体に結合させない。
本発明の一部の特定の他の実施形態は、バイオプロセス試料、バイオプロセスストリーム(stream)などをモニタリングするための手段としての本明細書に記載の方法の使用に関する。一実施形態において、例えば、(a)第1のバイオプロセス試料を不活化可能型標的捕捉オリゴマーで、および任意選択で異種増幅オリゴマーで、不活化可能型標的捕捉オリゴマーと異種増幅オリゴマー(存在させる場合)とが、前記第1の試料中に存在する標的核酸配列に安定的にハイブリダイズする条件下で処理する工程;(b)第1のバイオプロセス試料から非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーを除去または不活化する工程;ならびに(c)第1のバイオプロセス試料を含み、かつさらなるバイオプロセス試料をさらに含む第2のバイオプロセス試料を、本明細書において一般的に記載または参照した増幅反応を用いて、増幅試薬および標的核酸配列の増幅に充分な条件に曝露する工程を含む、バイオプロセスを夾雑核酸の存在についてモニタリングするための方法が提供される。
別の実施形態において、本発明は、(a)第1のバイオプロセス試料を第1の不活化可能型標的捕捉オリゴマーで、および任意選択で、第1の異種増幅オリゴマーで、第1の不活化可能型標的捕捉オリゴマーと第1の異種増幅オリゴマー(存在させる場合)とが前記第1の試料中に存在する標的核酸配列に安定的にハイブリダイズする条件下で処理する工程;(b)第2のバイオプロセス試料を第2の不活化可能型標的捕捉オリゴマーで、任意選択で、第2の異種増幅オリゴマーで、第2の不活化可能型標的捕捉オリゴマーと第2の異種増幅オリゴマー(存在させる場合)とが第2の試料中に存在する標的核酸配列に安定的にハイブリダイズする条件下で処理する工程;ならびに(c)第1および第2のバイオプロセス試料を含む第3のバイオプロセス試料に対して、(i)第1のタグ配列の相補体にハイブリダイズする第1の増幅オリゴヌクレオチド;(ii)第2のタグ配列の相補体にハイブリダイズする第2の増幅オリゴヌクレオチド配列;および(iii)標的核酸配列の相補体にハイブリダイズする第3の増幅オリゴヌクレオチドを用いて核酸増幅反応を行なう工程を含み;ここで、第1および第3の増幅オリゴヌクレオチドにより生じる増幅産物の検出は、第1のバイオプロセス試料における目的の生物の標的核酸配列の存在を示し、第2および第3のオリゴヌクレオチドにより生じる増幅産物の検出は、第2のバイオプロセス試料における目的の生物の標的核酸配列の存在を示す、バイオプロセスを夾雑核酸の存在についてモニタリングするための方法を提供する。
本発明のさらなる実施形態において、1種類以上の標的核酸配列の選択的増幅のための予備増幅反応混合物を提供し、該反応混合物は、標的核酸にハイブリダイズされる不活化可能型標的捕捉オリゴマーおよび反応混合物中に存在する1種類以上の標的核酸配列の3’末端に含まれる標的領域にハイブリダイズされる異種増幅オリゴマーと;標的核酸配列の1つ以上の相補体の3’末端にハイブリダイズする標的ハイブリダイズ配列を含む第1の増幅オリゴヌクレオチドと;タグ配列の相補体にハイブリダイズするハイブリダイズ配列を含む第2の増幅オリゴヌクレオチドを含み、ここで、第2の増幅オリゴヌクレオチドは、好ましくは標的核酸に安定的にハイブリダイズせず、該反応混合物には、不活化可能型標的捕捉オリゴマー(oligomer oligomer)の活性形態が実質的に含まれず、該反応混合物は、該オリゴヌクレオチドのいずれかを鋳型依存性様式で伸長させ得る核酸ポリメラーゼを含まない。「非標的」核酸は、反応混合物外の供給源由来のものであり、標的核酸配列のものと同一の配列を含んでいてもよい。非標的核酸の供給源は、環境由来であってもよく、反応混合物に添加される構成要素または試薬(核酸ポリメラーゼなど(such a))であってもよい。異種増幅オリゴマー、第1の増幅オリゴマーまたは第2の増幅オリゴマーは各々、プライミングオリゴヌクレオチドまたはプロモーターに基づいたオリゴヌクレオチドであり得る。
一実施形態において、少なくとも1種類の標的核酸配列の標的領域にハイブリダイズしていない不活化可能型標的捕捉オリゴマーは、反応混合物中で「遊離」したままである(すなわち、不活化可能型標的捕捉オリゴマーは、自己ハイブリダイゼーションによるもの以外のハイブリッド二本鎖を形成していない)。自己ハイブリダイズした不活化可能型標的捕捉オリゴマーを「ヘアピンタグ分子」と称し、これは、後で反応混合物に添加される(非標的核酸を含む夾雑物含有酵素調製物または試薬などにより)任意の相補核酸にハイブリダイズすることが抑制された分子の不活性形態である。この実施形態のさらに別の態様では、反応混合物中の実質的にすべての不活化可能型標的捕捉オリゴマーがハイブリダイズされた状態である(標的核酸配列の標的領域またはヘアピンタグ分子形態の該オリゴマー自体のいずれかにハイブリダイズされている)。標的核酸配列の標的領域にハイブリダイズされていないタグ分子の少なくとも一部分(すなわち、ヘアピンタグ分子)は、反応混合物から、例えば、反応混合物を標的捕捉および洗浄手順に供することにより除去される。
この実施形態のなおさらなる態様において、反応混合物を、該1種類以上の標的核酸配列を増幅するための酵素調製物に曝露した場合、ハイブリダイズされていない状態で存在している不活化可能型標的捕捉オリゴマーは実質的にない。したがって、この態様において、反応混合物は、対象の試料によって提供される該1種類以上の標的核酸配列に特異的な非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーが実質的に枯渇されている。より好ましくは、反応混合物は、さらに、自己ハイブリダイズした(不活化された)不活化可能型標的捕捉オリゴヌクレオチドが実質的に枯渇されている。これは、例えば、標的捕捉、反応混合物の条件および洗浄手順によりなされ得、これらにより、ハイブリダイズされた不活化可能型標的捕捉オリゴヌクレオチドが、非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴヌクレオチドから分離され、次いで、非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴヌクレオチドが反応混合物から選択的に除去される。
一部の実施形態において、標的核酸配列を検出するためのプローブによる検出アッセイを行なう。したがって、一態様において、標的核酸配列の酵素的合成を伴うインビトロ反応において合成された増幅産物を検出するためのプローブを含める。他の態様では、標的核酸配列は、本発明の組成物および方法を用いて捕捉され、捕捉された(captures)標的核酸は、プローブ分子の直接ハイブリダイゼーションによって検出される。増幅産物は、標的核酸配列の1つ以上および/またはその相補体の核酸コピーを含む。
また別の実施形態において、1種類以上の標的核酸配列の選択的増幅のための反応混合物を提供し、該反応混合物は、不活化可能型標的捕捉オリゴマー;異種増幅オリゴマー;標的核酸配列の相補体の3’末端にハイブリダイズするハイブリダイズ配列を含む第1の増幅オリゴヌクレオチド;およびタグ配列の相補体にハイブリダイズするハイブリダイズ配列を含む第2の増幅オリゴヌクレオチドを含み、ここで、第2の増幅オリゴヌクレオチドは、好ましくは、標的核酸配列を含む標的核酸に安定的にハイブリダイズせず、反応混合物中の実質的にすべての非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーが、前記非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉が標的核酸配列にハイブリダイズすることが阻止または抑制された不活性形態を有する。
不活化可能型標的捕捉オリゴマーの不活性形態には、標的ハイブリダイズ配列にハイブリダイズされるタグ閉鎖配列が含まれ得る。タグ閉鎖配列は、標的ハイブリダイズ配列にハイブリダイズされない場合は別個の分子であり得、または不活化可能型標的捕捉オリゴマー配列の一体化部分であり得る。一体化型のタグ閉鎖配列は、標的ハイブリダイズ領域とともに連続したヌクレオチド配列であってもよく、標的ハイブリダイズ領域に非ヌクレオチドリンカー(すなわち、リンカーの構成成分は核酸ポリメラーゼによってコピーされ得ない)を用いて連接されていてもよい。不活化可能型標的捕捉オリゴマーを固相支持体に連接させてもよく、させなくてもよいが、好ましくは、固相支持体(例えば、粒子またはビーズ)に直接結合させない。固相支持体に直接または間接的のいずれかで連接させる場合、不活化可能型標的捕捉オリゴマーは、さらに、標的核酸配列を結合して固定化するための捕捉プローブとしての機能を果たし得る。
上記の反応混合物の実施形態の不活化可能型標的捕捉オリゴマーは、以下に記載する種々の不活化可能型標的捕捉オリゴマーの任意の実施形態の特性を示す特徴を有するものであり得る。また、具体的に除外していない限り、反応混合物には、さらに、増幅反応を行なうために必要とされる試薬および構成要素が含まれ得る。
本発明のこれらおよび他の特徴および利点は、以下の詳細な説明、添付の図面および特許請求の範囲を参照すると自明となる。本明細書に開示した参考文献はすべて、参照により、あたかも各々が個々に援用されたかのように、その全容が本明細書に援用される。
図1〜16は、本発明の不活化可能型標的捕捉オリゴマーを用いて捕捉された標的核酸を用いて行なわれ得る例示的な増幅分析反応を示す。図17〜21は、選択的に捕捉された標的核酸の下流分析の結果を示し、本発明の組成物および方法により、試料から標的核酸の選択的なハイブリダイゼーションおよび捕捉がもたらされることを例示する。図22〜25は、代表的な活性立体配置および不活性立体配置の、本発明の不活化可能型標的捕捉オリゴマーの立体配置の一例を示す。図26および27は、本発明の組成物を用いた、選択的捕捉の方法工程の一例および標的核酸配列の捕捉を示す。また、これらの図に、予備増幅工程のための増幅オリゴマーおよびブロック部オリゴマーの任意選択的なプレアニーリングを示す。この任意選択的な図示部分は制限的でなく例示的なものである。この任意選択的な工程に使用される増幅オリゴマーの型は、本明細書に記載のような異種増幅オリゴマー、プライマーオリゴマーまたはプロモーターオリゴマーであり得る。
図1は、RNA標的配列の3’末端にハイブリダイズするタグ化プライミングオリゴヌクレオチド(例えば、異種増幅オリゴマー)を用いて開始される転写による増幅反応の諸工程を示す。タグ化プライミングオリゴヌクレオチドとともに形成される第1の伸長産物は、RNA標的配列の5’末端に隣接して、またはその近傍にハイブリダイズされた終結オリゴヌクレオチドによって決定される3’末端を有する。ブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチドが、第1の伸長産物の3’末端にハイブリダイズしてRNA転写物の生成のために使用され、該転写物は増幅反応へ循環される。 図2は、図1の増幅反応におけるヘアピンタグ化プライミングオリゴマー分子を形成するためのタグ閉鎖配列の使用を示す。 図3Aおよび3Bは、RNA標的配列の3’末端にハイブリダイズするタグ化プロモーターオリゴヌクレオチドである異種増幅オリゴマーを用いて開始される転写媒介性増幅反応の諸工程を示す。 図3Aおよび3Bは、RNA標的配列の3’末端にハイブリダイズするタグ化プロモーターオリゴヌクレオチドである異種増幅オリゴマーを用いて開始される転写媒介性増幅反応の諸工程を示す。 図4は、図3Aおよび3Bの増幅反応におけるヘアピンタグ化プロモーターオリゴヌクレオチドを形成するためのタグ閉鎖配列の使用を示す。 図5は、単鎖のDNA標的配列の3’末端にハイブリダイズするタグ化プライミングオリゴヌクレオチドである異種増幅オリゴマーを用いて開始される転写による増幅反応の諸工程を示す。タグ化プライミングオリゴヌクレオチドとともに形成される第1の伸長産物は、該DNA標的配列の5’末端に隣接して、またはその近傍にハイブリダイズされた終結オリゴヌクレオチドによって決定される3’末端を有する。タグ化プライミングオリゴヌクレオチドの5’側にハイブリダイズされたディスプレーサーオリゴヌクレオチドが伸長されて第2の伸長産物が形成され、これがDNA標的配列から第1の伸長産物を剥離する。ブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチドが第1の伸長産物の3’末端にハイブリダイズしてRNA転写物の生成のために使用され、該転写物は増幅反応へ循環される。 図6は、図5の増幅反応におけるヘアピンタグ化プライミング分子を形成するためのタグ閉鎖配列の使用を示す。 図7は、DNA標的配列にハイブリダイズするタグ化プライミングオリゴヌクレオチドである異種増幅オリゴマーを用いて開始されるポリメラーゼ連鎖反応の諸工程を示す。 図8は、図7の増幅反応におけるヘアピンタグ化プライミング分子を形成するためのタグ閉鎖配列の使用を示す。 図9は、RNA標的配列にハイブリダイズするタグ化プライミングオリゴヌクレオチドである異種増幅オリゴマーを用いて開始される逆転写ポリメラーゼ連鎖反応の諸工程を示す。 図10は、図9の増幅反応におけるヘアピンタグ化プライミング分子を形成するためのタグ閉鎖配列の使用を示す。 図11は、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端に逆平行様式でハイブリダイズし、それにより、標的核酸配列へのタグ化プライミングオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションをブロックする、3’がブロックされた独立型タグ閉鎖配列を示す。 図12は、タグ化プロモーターオリゴヌクレオチドの3’末端に逆平行様式でハイブリダイズし、それにより、標的核酸配列へのタグ化プロモーターオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションをブロックする、3’がブロックされた独立型タグ閉鎖配列を示す。 図13は、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドである異種増幅オリゴマーの3’末端に平行様式でハイブリダイズし、それにより、標的核酸配列へのタグ化プライミングオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションをブロックする、3’がブロックされたタグ閉鎖配列を含むヘアピンタグ分子を示す。タグ閉鎖配列の5’末端は、非ヌクレオチドリンカーによって、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドのタグ配列の5’末端に連接される。 図14は、タグ化プロモーターオリゴヌクレオチドである異種増幅オリゴマーの3’末端に平行様式でハイブリダイズし、それにより、標的核酸配列へのタグ化プロモーターオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションをブロックする、3’がブロックされたタグ閉鎖配列を含むヘアピンタグ分子を示す。タグ閉鎖配列の5’末端は、非ヌクレオチドリンカーによって、タグ化プロモーターオリゴヌクレオチドのプロモーター配列の5’末端に連接される。 図15は、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドである異種増幅オリゴマーの3’末端に逆平行様式でハイブリダイズし、それにより、標的核酸配列へのタグ化プライミングオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションをブロックする、3’がブロックされたタグ閉鎖配列を含むヘアピンタグ分子を示す。タグ閉鎖配列の5’末端は、非ヌクレオチドリンカーによって、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドのタグ配列の5’末端に連接される。 図16は、タグ化プロモーターオリゴヌクレオチドである異種増幅オリゴマーの3’末端に逆平行様式でハイブリダイズし、それにより、標的核酸配列へのタグ化プロモーターオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションをブロックする、3’がブロックされたタグ閉鎖配列を含むヘアピンタグ分子を示す。タグ閉鎖配列の5’末端は、非ヌクレオチドリンカーによって、タグ化プロモーターオリゴヌクレオチドのプロモーター配列の5’末端に連接される。 図17は、標的が増幅試薬にスパイク(spike)されなかった、HCV増幅の生曲線(raw curve)を示す。HCV転写物が標的捕捉試薬または増幅試薬にスパイクされなかった場合、検出可能な増幅はみられなかったが、標的捕捉試薬中に1×10コピーのHCV転写物を含む反応液の平均T時間は6.3分であった。 図18は、標的が増幅試薬にスパイクされた、HCV増幅の生曲線を示す。HCV転写物が増幅試薬にスパイクされた場合、検出可能な増幅はみられなかったが、標的捕捉試薬中に1×10コピーのHCV転写物を含む反応液の平均T時間は6.3分であった。標的捕捉のゼロ試料は、100万コピーのHCV 1aが増幅試薬にスパイクされても増幅しなかった。 図19は、標的およびタグ化非T7プライマーが増幅試薬にスパイクされた、HCV増幅の生曲線を示す。増幅試薬にスパイクされたタグ化非T7プライマーおよび終結オリゴヌクレオチドを用いた、標的捕捉工程のみに存在する100万コピーのHCV 1a標的の平均T時間は7.2分であった。また、増幅試薬にスパイクされた標的、終結オリゴヌクレオチドおよびタグ化非T7プライマーを用いた標的捕捉のゼロ試料では、堅調な増幅がもたらされ、平均T時間=8.6分であった。 図20は、0コピーまたは10コピーいずれかの合成E.coli rRNA鋳型を含めた核酸増幅反応の時間依存的モニタリングの結果を示すグラフである。細い破線は、0コピーの鋳型を用いて行なった反応の結果を示す。太い実線は、10コピーの鋳型を用いて行なった反応の結果を示す。 図21は、0、10または10コピーの合成E.coli rRNA鋳型を含めた核酸増幅反応の時間依存的モニタリングの結果を示すグラフである。 図22は、タグ閉鎖配列が別個の分子である不活化可能型標的捕捉オリゴマーの例示的な説明図である。本明細書において論考するように、不活化可能型標的捕捉オリゴマーは、テイル(tail)領域と標的ハイブリダイズ領域とを5’→3’の向きに含んでいても、3’→5’の向きに含んでいてもよい。標的ハイブリダイズ領域が末端3’残基を含む向きでは、次いで、該残基が、ポリメラーゼによるプライマーによる伸長に使用され得る。かかる伸長が所望されない場合、3’残基はブロックされ得る。該別個のタグ閉鎖配列の向きは、標的ハイブリダイズ領域の向きによって決定される。 図23は、タグ閉鎖配列が標的ハイブリダイゼーション領域に非ヌクレオチドリンカーによって連接された不活化可能型標的捕捉オリゴマーの例示的な説明図である。本明細書において論考するように、不活化可能型標的捕捉オリゴマーは、テイル領域と標的ハイブリダイズ領域とを5’→3’の向きに含んでいても、3’→5’の向きに含んでいてもよい。標的ハイブリダイズ領域が末端3’残基を含む向きでは、次いで、該残基が、ポリメラーゼによるプライマーによる伸長に使用され得る。かかる伸長が所望されない場合、3’残基はブロックされ得る。 図24および図25は、タグ閉鎖配列が標的捕捉オリゴマーの一体化型配列である、不活化可能型標的捕捉オリゴマーの2つの例示的な説明図である。図24では、結合ペアメンバー領域がタグ閉鎖領域に非ヌクレオチドリンカーによって連接されている。本明細書において論考するように、不活化可能型標的捕捉オリゴマーは、核酸配列である場合、5’→3’の向きまたは3’→5’の向きのいずれかである標的ハイブリダイズ、タグ閉鎖、および結合ペアメンバーを含むものであり得る。標的ハイブリダイズ領域が末端3’残基を含む向きでは、次いで、該残基が、ポリメラーゼによるプライマーによる伸長に使用され得る。かかる伸長が所望されない場合、3’残基はブロックされ得る。 図24および図25は、タグ閉鎖配列が標的捕捉オリゴマーの一体化型配列である、不活化可能型標的捕捉オリゴマーの2つの例示的な説明図である。図24では、結合ペアメンバー領域がタグ閉鎖領域に非ヌクレオチドリンカーによって連接されている。本明細書において論考するように、不活化可能型標的捕捉オリゴマーは、核酸配列である場合、5’→3’の向きまたは3’→5’の向きのいずれかである標的ハイブリダイズ、タグ閉鎖、および結合ペアメンバーを含むものであり得る。標的ハイブリダイズ領域が末端3’残基を含む向きでは、次いで、該残基が、ポリメラーゼによるプライマーによる伸長に使用され得る。かかる伸長が所望されない場合、3’残基はブロックされ得る。 図26は、標的核酸配列に対する不活化可能型標的捕捉オリゴマーの選択的ハイブリダイゼーションを示す。選択的にハイブリダイズされた標的核酸配列は、本明細書において論考する任意の多数の下流目的のために使用され得る。この説明図では、下流目的は増幅反応である。そのため、標的核酸は、増幅オリゴマーおよびブロック部と任意選択的にハイブリダイズされる。反応におけるオリゴマーと標的の数は必ずしも1:1ではなく、したがって、c部分およびd部分の各々において、選択的ハイブリダイゼーション後、核酸試薬の標的の1つ以上が過剰であり得る(m−oおよびn−o(ここで、m、nおよびoは数値である)で表わされる)といえる。不活化可能型標的捕捉オリゴマーの活性形態をb部分およびc部分に示す。不活化可能型捕捉プローブ上にハイブリダイズされた形態をc部分およびd部分に示す。不活化可能型標的捕捉オリゴマーの不活性形態をd部分に示す。図において存在するプライマーおよび終結オリゴマーは、標的核酸の選択的ハイブリダイゼーションおよび捕捉に必要でない。このような任意選択的なオリゴマーは、捕捉(captures)標的核酸が、続いて増幅アッセイにおいて分析される実施形態を単に示すために示している。 図27は、選択的にハイブリダイズされた標的核酸の捕捉を示す。捕捉後、過剰の標的および/または核酸試薬を洗浄によって除去する。選択的に捕捉された標的核酸は、次いで、本明細書に記載の、または当該技術分野で知られたさまざまな下流適用用途に使用され得る。図27では、選択的に捕捉された標的核酸が、プライマーが標的にさらにハイブリダイズされるため、下流増幅反応に有用であることが示されている。図において存在するプライマーおよび終結オリゴマーは、標的核酸の選択的ハイブリダイゼーションおよび捕捉に必要でない。このような任意選択的なオリゴマーは、捕捉標的核酸が、続いて増幅アッセイにおいて分析される実施形態を単に示すために示している。
(発明の詳細な説明)
本発明によれば、標的核酸の選択的ハイブリダイゼーションおよび捕捉のための組成物、キットおよび方法であって、非標的核酸および/または夾雑核酸のハイブリダイゼーションおよび捕捉が望ましく低減または排除される組成物、キットおよび方法が提供される。選択的にハイブリダイズされた捕捉された標的核酸は、次いで、任意のさまざまな下流適用用途に使用される。かかる下流適用用途の一例は、核酸増幅および検出アッセイである。標的核酸の選択的な標的ハイブリダイゼーションおよび捕捉のための該組成物および方法を使用した後、増幅反応を行なうと、増幅反応の試薬または構成要素内に存在し得る夾雑生物学的物質に起因する偽陽性増幅シグナルが、本発明の組成物および方法を使用しないアッセイと比べて、実質的に低減または排除される。また、提供する本組成物および方法により、増幅反応に使用される酵素および他の試薬または構成要素ならびに増幅反応または他の分析が行なわれる環境が微生物またはその成分による夾雑(偽陽性結果がもたらされ得る)を含まないことを確保するために慣用的に必要とされているものよりも、低いストリンジェントの精製および/または無菌性についての少ない労力を可能にする。
本発明の実施には、特に記載のない限り、当該技術分野の技能の範囲内である分子生物学、組換えDNAおよび化学の慣用的な手法が使用される。かかる手法は、文献に充分に説明されている。例えば、Molecular Cloning A Laboratory Manual,第2版,Sambrookら編,Cold Spring Harbor Laboratory Press:(1989);DNA Cloning,第I巻および第II巻(D.N.Glover編、1985);Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait編、1984);Mullisら、米国特許第4,683,195号;Nucleic Acid Hybridization(B.D.Hames & S.J.Higgins編、1984);B.Perbal,A Practical Guide To Molecular Cloning(1984);the treatise,Methods In Enzymology(Academic Press,Inc.,N.Y.);ならびにAusubelら、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Baltimore,Maryland(1989)参照。
(定義:)
以下の用語は、そうでないと明白に記載されていない限り、以下の意味を有する。また、用語「a」または「an」と伴う存在体は1つまたはそれ以上の該存在体をいうことに注意すべきである。例えば、「核酸(a nucleic acid)」は、1つ以上の核酸を表すと理解されるべきである。そのため、用語「a」(または「an」)、「1つ以上の」および「少なくとも1つ」は、本明細書において互換的に用いていることがあり得る。
用語「核酸」は、単数の「核酸」ならびに複数の「核酸」を包含することを意図し、互いに共有結合された2つ以上のヌクレオチド、ヌクレオシド、または核酸塩基(例えば、デオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチド)の任意の鎖をいう。核酸としては、限定されないが、ウイルスゲノムまたはその一部分、DNAまたはRNAのいずれか、細菌ゲノムまたはその一部分、真菌、植物もしくは動物ゲノムまたはその一部分、メッセンジャーRNA(mRNA)、リボソームRNA(rRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、プラスミドDNA、ミトコンドリアDNA、あるいは合成DNAまたはRNAが挙げられる。核酸は、線状(例えば、mRNA)、環状(例えば、プラスミド)、または分枝形態、ならびに二本鎖または単鎖形態で提供され得る。核酸は、核酸の機能または挙動を改変するための修飾塩基(例えば、核酸にさらなるヌクレオチドが付加されるのを阻止するための3’末端ジデオキシヌクレオチドの付加)を含むものであってもよい。本明細書で用いる場合、核酸の「配列」とは、核酸を構成している塩基の配列をいう。用語「ポリヌクレオチド」は、本明細書では核酸鎖を表すために用いていることがあり得る。本出願書類全体を通して、核酸は5’末端と3’末端を有すると指定する。標準的な核酸、例えばDNAおよびRNAは、典型的には「3’→5’」、すなわち、伸長している核酸の5’末端にヌクレオチドが添加することによって合成される。
「ヌクレオチド」は、リン酸基、5炭糖および窒素塩基からなる核酸のサブユニットである。RNAに見られる5炭糖はリボースである。DNAでは、5炭糖は2’−デオキシリボースである。また、該用語は、かかるサブユニットの類似体(リボースの2’位のメトキシ基(2’−O−Me)など)を含む。本明細書で用いる場合、「T」残基を含むメトキシオリゴヌクレオチドは、リボース部分の2’位のメトキシ基と、該ヌクレオチドの塩基位置のウラシルとを有する。
「非ヌクレオチド単位」は、ポリマーのハイブリダイゼーションに有意に参与しない単位である。かかる単位は、例えば、ヌクレオチドとの任意の有意な水素結合に参与するはずはなく、一成分として5つのヌクレオチド塩基またはその類似体のうちの1つを有する単位を除外する。
「標的核酸」は、本発明の不活化可能型標的捕捉オリゴマーによって選択的にハイブリダイズされる「標的配列」を含む、核酸試料中に存在する核酸である。標的核酸は、本明細書に記載のDNAまたはRNAであり得、単鎖または二本鎖のいずれかであり得る。標的核酸は、標的配列に加えて他の配列を含んでいてもよい。典型的な標的核酸としては、ウイルスゲノム、細菌ゲノム、真菌ゲノム、植物ゲノム、動物ゲノム、ウイルス、細菌もしくは真核細胞由来のrRNA、tRNAもしくはmRNA、ミトコンドリアDNA、または染色体DNAが挙げられる。
標的核酸は、任意の数の供給源に由来するものであり得る。標的核酸の供給源としては、限定されないが、臨床被検物(例えば、血液、全血もしくは血小板のいずれか、尿、唾液、糞便、精液、または脊髄液)、環境試料(例えば、水または土壌試料)、食物試料、飲料、工業試料(例えば、製品および処理物質、例えば、水)、種子ストック、cDNAライブラリー、全細胞ライセートまたは全細胞RNAが挙げられる。「単離された」により、標的核酸を含む試料が、その天然環境から取り出されていることを意図する。しかしながら、該用語は、任意の特定の精製度を示すものではない。必要であれば、本発明の標的核酸は、細胞溶解または細胞透過などの方法論を用いて該標的核酸を細胞から放出させ、本発明の種々のオリゴヌクレオチドとの相互作用に利用可能にする。次いで、標的核酸と非標的核酸との混合物を含む核酸を放出させる。例えば、Clarkら、米国特許第5,786,208号;およびHogan,米国特許第6,821,770号参照。
用語「標的配列」とは、標的ハイブリダイズ領域によってハイブリダイズされる標的核酸の特定のヌクレオチド配列をいう。さらに、「標的配列」は、後続の増幅反応で増幅される標的核酸の特定のヌクレオチド配列もまた含むものであってもよい。標的核酸がもとから単鎖である場合、用語「標的配列」はまた、標的核酸内に存在する「標的配列」に相補的な配列をいう。「標的核酸」がもとから二本鎖である場合、用語「標的配列」とは、センス(+)鎖とアンチセンス(−)鎖との両方をいう。標的配列の選択において、配列は、無関連か密接に関連する標的核酸かの識別がなされるように選択されるべきであることが当業者には理解される。当業者には理解されるように、このような配列は試験環境から判断される。不活化可能型標的捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列によって認識される配列は少なくとも、試験が行なわれる環境内の他の配列と類似していないものであるべきであるが、考えられ得るあらゆる配列の母集団内において特殊である必要はない。さらに、該特殊配列は標的核酸の単一の型である場合ばかりとは限らない。これが意味することは、一部の実施形態において、ある生物の類型に共通する標的配列を選択すること、例えば、試料中に存在しているかもしれないあらゆるE.coli株に共通する標的核酸配列を選択することが望ましいことがあり得るということである。他の一部の状況では、密接に関連する生物間、例えば、病原性E.coliと非病原性E.coliとの識別がなされるように、非常に高度に特異的な標的配列、または検出プローブによって認識される少なくとも高度に特異的な領域を有する標的配列が選択される。このような場合、このような複数種の標的核酸に対する標的配列は、混合物中の他の配列の中で特殊であるべきであるが、標的配列間では、共通の標的ハイブリダイズ領域に安定的にハイブリダイズするのに充分に同一であるべきである。本発明の標的配列は任意の実用的な長さのものであり得る。最小限の標的配列は、標的ハイブリダイズ配列およびその相補体にハイブリダイズする領域を含むものである。標的配列の長さを決定するための他の考慮事項は、例えば、配列内の二次構造または自己ハイブリダイズ領域の量である。当業者は、常套的な最適化方法を用いて最適な長さの決定を容易に達成する。典型的には、本発明の標的配列は、約10ヌクレオチド長〜約100ヌクレオチド長から約150〜約250ヌクレオチド長の範囲である。最適な長さまたは好ましい長さは、異なる条件下では異なり得、本明細書に記載の方法に従い、当業者によって容易に試験され得る。
用語「アンプリコン」および「増幅産物」とは、増幅手順中に生成される核酸分子であって、標的核酸内に含まれた配列に実質的に相補的または同一であるものをいう。
本明細書で用いる場合、用語「オリゴヌクレオチド」または「オリゴ」もしくは「オリゴマー」は、単数の「オリゴヌクレオチド」ならびに複数の「オリゴヌクレオチド」を包含することを意図し、ヌクレオチド、ヌクレオシド、核酸塩基または本発明の増幅方法に加えて後続の検出方法でも試薬として使用される関連化合物の2種類以上の任意のポリマーをいう。オリゴヌクレオチドは、DNAおよび/またはRNAおよび/またはその類似体であり得る。オリゴヌクレオチドという用語は、該試薬に対する任意の特定の機能を示すのではない。そうではなく、本明細書に記載のかかるあらゆる試薬が包含されるよう包括的に用いる。オリゴヌクレオチドは種々の異なる機能を果たすものであり得、例えば、標的捕捉オリゴマーは、核酸の捕捉および単離のために標的核酸にハイブリダイズさせるものであり、増幅オリゴマーとしては、異種増幅オリゴマー、プライマーオリゴマーおよびプロモーター系増幅オリゴマーが挙げられる。プライマーオリゴマーは相補鎖にハイブリダイズし、次いで、核酸ポリメラーゼの存在下で伸長される。あるいはまた、プライマーは、さらに、転写を可能にするRNAポリメラーゼによって認識されるプロモーター配列にハイブリダイズする。オリゴマーは、適切に配置および/または修飾されると、ハイブリダイゼーションを抑制する機能を果たすもの、またはプライマー伸長を妨げる機能を果たすものであり得る。本発明の具体的なオリゴヌクレオチドは本明細書に記載のものである。本明細書で用いる場合、オリゴヌクレオチドは、事実上、任意の長さであり得、増幅反応または増幅反応の増幅産物の検出におけるその具体的な機能によってのみ制限され得る。
規定の配列および化学構造のオリゴヌクレオチドは、当業者に公知の手法によって、例えば、化学的または生化学的合成、および組換え核酸分子(例えば、細菌ベクターもしくはウイルスベクター)からのインビトロまたはインビボ発現などによって作製され得る。本開示によって意図されるように、オリゴヌクレオチドは、野生型染色体DNAまたはそのインビボ転写産物のみからなるものではない。
オリゴヌクレオチドは、所与の修飾が所与のオリゴヌクレオチドの所望の機能と適合性である限り、任意の様式で修飾され得る。当業者には、所与の修飾が本発明の任意の所与のオリゴヌクレオチドに適当または所望のものであるかどうかを容易に判定することができよう。修飾としては、塩基修飾、糖修飾または主鎖修飾が挙げられる。塩基修飾としては、限定されないが、アデニン、シチジン、グアノシン、チミンおよびウラシルに加えて以下の塩基:C−5プロピン、2−アミノアデニン、5−メチルシチジン、イノシン、ならびにdPおよびdK塩基の使用が挙げられる。ヌクレオシドサブユニットの糖基は、リボース、デオキシリボースおよびその類似体(例えば、リボフラノシル部分への2’−O−メチル(2’−O−Me)置換を有するリボヌクレオシドなど)であり得る。Beckerら、米国特許第6,130,038号参照。他の糖修飾としては、限定されないが、2’−アミノ、2’−フルオロ、(L)−α−トレオフラノシル、およびペントプラノシル修飾が挙げられる。ヌクレオシドサブユニットは、ホスホジエステル結合、修飾を含む結合、またはオリゴヌクレオチドのその相補標的核酸配列へのハイブリダイゼーションを妨げない非ヌクレオチド部分などの結合によって連接され得る。修飾を含む結合としては、標準的なホスホジエステル結合が異なる結合(ホスホロチオエート結合またはメチルホスホン酸結合など)で置換された結合が挙げられる。核酸塩基サブユニットは、例えば、DNAの天然デオキシリボースリン酸主鎖を、偽ペプチド主鎖(核酸塩基サブユニットをカルボキシメチルリンカーによって中央の第2級アミンにカップリングさせる2−アミノエチルグリシン主鎖など)で置換することにより連接され得る(偽ペプチド主鎖を有するDNA類似体は、一般的に「ペプチド核酸」または「PNA」と称され、Nielsenら、“Peptide Nucleic Acids”、米国特許第5,539,082号に開示されている)。他の結合修飾としては、限定されないがモルホリノ結合が挙げられる。
本発明で想定されるオリゴヌクレオチドまたはオリゴマーの非限定的な例としては、二環式および三環式のヌクレオシドおよびヌクレオチド類似体(LNA)を含む核酸類似体が挙げられる(Imanishiら、米国特許第6,268,490号;およびWengelら、米国特許第6,670,461号参照)。修飾オリゴヌクレオチドがその意図された機能を発揮し得る(例えば、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下で標的核酸にハイブリダイズし得る、適切な条件下で自己ハイブリダイズしてヘアピン構造を形成し得る、標的核酸配列が増幅条件下にあれば相補核酸鎖を合成し得る、またはDNAもしくはRNAポリメラーゼと相互作用し、それにより伸長もしくは転写を開始し得る)ものである限り、任意の核酸類似体が本発明で想定される。
本発明のためのオリゴヌクレオチドの設計および配列は、その機能(後述)に依存するが、一般的には、いくつかの可変量を考慮しなければならない。中でも最も重要であるのは、長さ、融解温度(Tm)、特異性、系内の他のオリゴヌクレオチドとの相補性、G/C含量、ポリピリミジン(T、C)またはポリプリン(A、G)ストレッチ、および3’末端配列である。これらおよび他の可変量の制御は、オリゴヌクレオチド設計の標準的でよく知られた一面であり、多数の潜在的オリゴヌクレオチドを最適なものについてスクリーニングするために種々のコンピュータープログラムが容易に利用可能である。
オリゴヌクレオチド(または他の核酸)の3’末端は、ブロック部分(後述)を用いてさまざまな様式でブロックすることができる。「ブロックされた」オリゴヌクレオチドでは、DNAまたはRNA依存性DNAポリメラーゼによる3’末端へのヌクレオチドの付加によって効率的に伸長されてDNA相補鎖が生成されることはない。そのため、「ブロックされた」オリゴヌクレオチドは「プライマー」とはみなされ得ない。
本開示において用いる場合、特定の配列の群から選択される配列「を含む」、該配列「からなる」または「本質的に該配列からなる」核酸配列を有するオリゴヌクレオチドという語句は、オリゴヌクレオチドが、基本的特徴および新規な特徴として、該群に列挙した核酸配列の1種類の正確な相補体を有する核酸に、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下で安定的にハイブリダイズする能力を有することを意味する。正確な相補体としては、対応するDNAまたはRNA配列が挙げられる。
語句「核酸配列に実質的に対応するオリゴヌクレオチド」は、言及しているオリゴヌクレオチドが参照核酸配列と、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下で同じ標的核酸配列とハイブリダイズし得るほど、該オリゴヌクレオチドが参照核酸配列と類似したハイブリダイゼーション特性を有するように充分に類似していることを意味する。
当業者には、「実質的に対応する」オリゴヌクレオチドが、言及している配列と異なっていても同じ標的核酸配列にハイブリダイズし得るものであることが理解される。その変形型は、該オリゴマーの意図された標的配列と比べたときのオリゴマー配列内の1つ以上のヌクレオチドの欠失、付加、置換または修飾の形態であり得る。このような核酸の変形型は、配列内の同一の塩基の割合または該オリゴマーとその標的配列間での完璧に相補的な塩基の割合で示されることがあり得る。したがって、本発明のオリゴヌクレオチドは、このような塩基の同一性または相補性の割合が100%〜約80%である場合、参照核酸配列に実質的に相当する。好ましい実施形態において、該割合は100%〜約85%である。より好ましい実施形態では、この割合は100%〜約90%であり得、他の好ましい実施形態では、この割合は100%〜約95%である。当業者には、種々の相補性割合において、許容され得ないレベルの非特異的ハイブリダイゼーションを引き起こすことなく、特定の標的配列へのハイブリダイゼーションを可能にするのに必要とされ得るハイブリダイゼーション条件に対する種々の修正が理解される。
不活化可能型標的捕捉オリゴマー内に存在させる「タグ閉鎖配列」は、目的の標的核酸配列に安定的にハイブリダイズし、それにより選択的なハイブリダイゼーションおよび捕捉に参与するものでない限り、本質的に任意の異種配列であり得る。タグ閉鎖配列は、好ましくは、試験対象生物のゲノム由来の任意の配列に安定的にハイブリダイズしないもの、またはより特別には、反応条件下の任意の標的核酸に安定的にハイブリダイズしないものである。不活化可能型標的捕捉オリゴヌクレオチド内に存在させるタグ閉鎖配列は、好ましくは、標的ハイブリダイズ配列がその標的配列にハイブリダイズする能力を実質的に損なわない、または妨害しないように設計される。さらに、タグ閉鎖配列がタグ配列でもある一部の特定の代替的な実施形態では、該配列は、タグ配列またはその相補体が最初のDNAプライマー伸長産物内に組み込まれたら、次いで、タグ特異的プライミングオリゴヌクレオチドが本明細書に記載の後続の増幅ラウンドに参与するように使用され得るような充分な長さおよび組成のものである。本発明のタグ閉鎖配列は、典型的には、少なくとも3ヌクレオチド長であり、6、10、15、20、25、30、35、40、50ヌクレオチド長まで、またはそれ以上伸長させたものであってもよい。当業者には、本発明における使用のためのタグ閉鎖配列および任意選択でタグ配列の設計は、多数の適当なストラテジーのいずれに従うものであってもよいが、本明細書に記載の目的および利点はなお達成されているものであることが認識される。
用語「不活化される」は、標的ハイブリダイズ領域が、標的ハイブリダイゼーション条件下で標的核酸配列に安定的に結合しないように改変されることを意味する。したがって、第1の組の条件下で、不活化可能型標的捕捉オリゴマーおよび任意選択で異種増幅オリゴマーは、試料中に存在する標的核酸にハイブリダイズする。非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーは、不活化可能型標的捕捉オリゴマーが、不活性な立体配置、好ましくはヘアピン立体配置に自己ハイブリダイズするように構成される第2の組の条件下で不活化される。すると、標的ハイブリダイズ領域は立体的にブロックされ、不活化された不活化可能型標的捕捉オリゴマーが非標的核酸および/または夾雑核酸に結合することが抑制または実質的に低減される。したがって、「不活化される」とは、不活化可能型標的捕捉オリゴマーが、標的ハイブリダイズ配列が標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能な「活性な」コンホメーション(confirmation)から、標的ハイブリダイズ配列が標的核酸配列にハイブリダイズすることが阻止あるいは抑制される「不活性な」コンホメーションに改変されることを意味する。単なる一例として、不活性なコンホメーションは、タグ閉鎖配列が標的ハイブリダイズ配列と安定なハイブリッドを形成することが可能なストリンジェンシー条件下(例えば、不活化可能型標的捕捉オリゴヌクレオチドの活性なコンホメーションが形成されるための条件よりも低いストリンジェント条件下)で形成され得る。あるいはまた、タグ閉鎖配列と標的ハイブリダイズ配列とで形成される二本鎖は、酵素によって、例えば、DNAse、S1ヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼ(タグ閉鎖配列と標的ハイブリダイズ配列とで形成された二本鎖制限部位を切断する制限酵素など)、DNA:RNAハイブリッドのRNA成分(例えば、標的ハイブリダイズ配列)を消化するためのリボヌクレアーゼ活性(例えば、RNAse H活性)、またはタグ閉鎖配列にハイブリダイズしている標的ハイブリダイズ配列からヌクレオチドを除去するための3’→5’もしくは5’→3’活性を有するエキソヌクレアーゼなどによって改変され得る。しかしながら、試料が標的核酸配列の潜在的夾雑源に曝露されることを回避するため、標的核酸配列にハイブリダイズしていない不活化可能型標的捕捉オリゴヌクレオチドを不活化するために酵素を使用することは、一般的には好ましくない。他の不活化手段としては、標的ハイブリダイズ配列を、増幅条件下で標的核酸配列にハイブリダイズすることができないように改変するための化学薬品が挙げられる。必ずしもそうでなくてよいが、好ましくは、不活化可能型標的捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ領域は15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30核酸塩基長である。必ずしもそうでなくてよいが、好ましくは、不活化可能型標的捕捉オリゴマーのタグ閉鎖領域は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20核酸塩基長である。本開示における不活化可能型標的捕捉オリゴマーの一部の例示的で非限定的な実施形態は、17核酸塩基長である標的ハイブリダイズ領域を含み、6、7、8、9、10、12および14核酸塩基長であるタグ閉鎖領域を含むものである。このような実施形態において、結合ペアメンバーは、33核酸塩基長の実質的にホモポリマーであるヌクレオチド配列である。これらは、本発明の一例として示した非限定的な実施形態である。
タグハイブリダイズ配列内には、特に、不活性な不活化可能型標的捕捉オリゴマーの少なくとも一部が増幅反応混合物に導入されることが予測される場合、不活化可能型標的捕捉オリゴマーのタグ閉鎖配列と標的ハイブリダイズ配列とで形成されるハイブリッドをさらに安定化させるための部分を含めてもよい。好適な部分としては、修飾ヌクレオチド、例えば、LNA、2’−O−Meリボヌクレオチド、2,6ジアミノプリン、5−メチルシトシン、およびC−5プロピニルシトシンまたはウラシルが挙げられる。当業者は、不必要に実験に携わることなく、タグ閉鎖配列の5’および3’末端におけるブリージング(breathing)が制限されるように、およびハイブリッドの所望の融解温度が得られるように、かかる修飾ヌクレオチドの数および位置を容易に選択することができる。他の適当な部分としては、マイナーグルーブバインダー(minor groove binder)およびペンダント基(プリン、DABCYL、ピリンおよび5’−トリメトキシスチルベンCAPなど)が挙げられる。
本明細書で用いる場合、用語「除去する」とは、非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーからの捕捉された標的核酸配列の物理的分離をいう。捕捉された標的核酸配列は、核酸試料中に存在する非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーから、当業者に公知のさまざまな手法によって物理的に分離され得る。一例として、捕捉された標的核酸配列は、核酸試料中で固相支持体に結合させて固定化され得るが、未結合物質は除去される。未結合物質を除去するため、固相支持体は、1回以上の洗浄/すすぎ工程に供され得る。すすぎ工程は、典型的には、洗浄溶液が、標的核酸の後続の分析に対して阻害的であり、充分に高い濃度で存在する成分(デタージェントなど)を含有する場合に含める。固相支持体は、好ましくは、捕捉された標的核酸に特異的に結合し、非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーが増幅反応に参与することを妨げるものである。標的核酸を捕捉、固定化および精製するための例示的な手段は以下に論考しており、その一例は、Weisburgら、米国特許第6,534,273号に開示されている。
語句「タグ閉鎖配列」、「タグ閉鎖領域」および「タグ閉鎖オリゴヌクレオチド」とは、不活化可能型標的捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列をいう。タグ閉鎖配列の長さおよび配列は、タグ閉鎖配列が不活化可能型標的捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列に、標的配列への標的ハイブリダイズ配列の安定なハイブリダイゼーションを可能にする第1の組の条件下では安定的にハイブリダイズしないように選択する。タグ閉鎖配列は、脱塩基ヌクレオチドまたは標的ハイブリダイズ配列との塩基ミスマッチを含むものであってもよい。不活化可能型標的捕捉オリゴマーが標的配列にハイブリダイズしなければ、第2の組の低ストリンジェント条件下で、タグ閉鎖配列が標的ハイブリダイズ配列に安定的にハイブリダイズし、したがって、不活化可能型標的捕捉オリゴマーが「不活化される」、または標的配列にハイブリダイズすることが阻止される。タグ閉鎖配列は、図11、12および22に例示したような独立型のオリゴヌクレオチドの形態であってもよく、図13、14および23〜27に例示したように、第2の組の条件下でヘアピン構造が形成されるような不活化可能型オリゴマーの一体化部分であってもよい。タグ閉鎖配列が不活化可能型オリゴヌクレオチドに、非ヌクレオチドリンカー領域(例えば、脱塩基ヌクレオチドまたはポリエチレングリコール)によって連接される場合、非ヌクレオチドリンカーは、第2の組の条件下でタグ閉鎖配列が標的ハイブリダイズ配列にハイブリダイズするのに充分な長さのものである。結合速度論は、タグ化オリゴヌクレオチドのタグ閉鎖配列と標的ハイブリダイズ配列とが同じ分子に含まれている(一体化型の配置)場合に最良である。選択的条件下では、タグ閉鎖配列は標的ハイブリダイズ配列に、図2、4、6、8、10、11、12、15および16に示すように逆平行の向きに、または図13および14に示すように平行の向きにハイブリダイズし得る。タグ閉鎖配列が、図11、12および22に示すような独立型分子であるか、または図2、4、6、8、10、15、16および23に示すように、非ヌクレオチドリンカーによってタグ化オリゴヌクレオチドに連接されている場合、タグ閉鎖配列は、好ましくは、その3’末端にブロック部分を配置することなどにより、DNAポリメラーゼによるプライマー伸長が抑制されるように修飾される。好適なブロック部分は、本明細書に記載している。逆平行の向きにハイブリダイズされる場合、図13および14に示すように、タグ閉鎖配列の3’末端塩基は、好ましくは標的ハイブリダイズ配列の3’末端塩基にハイブリダイズされる。より好ましくは、タグ閉鎖配列は、DNAポリメラーゼによるプライマー伸長が抑制されるように修飾される。タグ閉鎖配列を、該配列からのDNA合成の開始が抑制されるように修飾してもよい(その3’末端へのブロック部分の配置が挙げられ得る)。タグ閉鎖配列は少なくとも3核酸塩基長である。典型的なタグ閉鎖配列は、好ましくは6〜16塩基長である。
図22は、独立型分子であるタグ閉鎖配列を示し、一方、図23、24および25は、タグ閉鎖配列が標的捕捉オリゴマーの一体化部分として組み込まれた捕捉プローブ分子を示す。この図は、独立型のタグ閉鎖領域が、低ストリンジェンシー条件下で標的ハイブリダイズ配列に対して安定なハイブリダイゼーションを行ない得るあらゆる実施形態を示す。図24および25は、標的ハイブリダイズ配列に直接連接されたタグ閉鎖配列を示す。図23は、標的ハイブリダイズ配列に間接的に連接されたタグ閉鎖配列を示す(例えば、ヌクレオチド配列または非ヌクレオチドリンカー)。一般的に、好ましいタグ閉鎖配列は、標的ハイブリダイズ配列の5〜20個の連続または非連続塩基にハイブリダイズし、5〜20塩基長である。好ましくは、かかる伸長反応が抑制されるように、プライマーによる増幅に使用され得る末端3’末端はいずれもブロックする。
「増幅」または「核酸増幅」により、対象の特定の標的核酸配列の少なくとも一部分を含む複数コピーの標的核酸の生成を意図する。該複数コピーをアンプリコンまたは増幅産物と称することがあり得る。一部の特定の実施形態において、増幅された標的は、完全な標的遺伝子配列(イントロンおよびエキソン)よりも短い配列、または発現された標的遺伝子配列(エキソンおよびフランキング非翻訳配列がスプライシングされた転写物)よりも短い配列を含む。例えば、特定のアンプリコンは、標的ポリヌクレオチドの内部位置にハイブリダイズし、該内部位置から重合を開始させる増幅プライマーを使用することによって、標的ポリヌクレオチドの一部分を増幅することにより作製され得る。好ましくは、増幅させる部分には、任意のさまざまなよく知られた方法を用いて検出され得る検出可能な標的配列を含める。
よく知られた核酸増幅方法の多くは、二本鎖核酸の変性とプライマーのハイブリダイズを交互に行なうための熱サイクリングを必要とするものである。しかしながら、よく知られた他の核酸増幅方法は等温型のものである。PCRおよびRT−PCRは、変性、反対鎖へのプライマーペアのアニーリング、およびプライマー伸長の複数回サイクルを用いて標的配列のコピー数を指数関数的に増大させる熱サイクリング手法である。PCR手法の変形型としては、SDAおよびtSDAが挙げられる。等温型手法としては、限定されないが、NASBA、Qβレプリカーゼおよび転写による増幅方法、例えば、自己持続型配列複製およびTMAが挙げられる。本発明による使用に適した他の具体例となる増幅方法としては、限定されないが、RCA、had、およびLAMPが挙げられる。
TMAは、RNAポリメラーゼを用いて標的領域の複数のRNA転写物を生成させるものである(例えば、Kacianら、米国特許第5,480,784号および同第5,399,491号;ならびにBeckerら、米国特許出願公開US2006−0046265 A1)。TMAでは少なくとも1種類の「プロモーターオリゴヌクレオチド」または「プロモーター−プライマー」が使用され、これが逆転写酵素およびRNAポリメラーゼの存在下で標的核酸にハイブリダイズして二本鎖プロモーターを形成し、それにより該RNAポリメラーゼによってRNA転写物が生成される。このような転写物は、該RNA転写物にハイブリダイズし得る第2のプライマーの存在下でのさらなるTMAラウンドのための鋳型となり得る。PCR、LCRまたは熱変性が必要とされる他の方法とは異なり、TMAは、RNAse H活性を用いてRNA:DNAハイブリッドのRNA鎖を消化し、それにより、そのDNA鎖をプライマーまたはプロモーター−プライマーとのハイブリダイゼーションに利用可能にする等温型の方法である。一般的に、増幅のために提供される逆転写酵素に伴うRNAse H活性が使用される。
具体例となるTMA法の一例において、増幅プライマーの一例は、二本鎖になると機能性となり、増幅される配列の3’の位置で標的RNAの結合部位にハイブリダイズし得る標的結合配列の5’側に位置するプロモーター配列を含むオリゴヌクレオチドプロモーター−プライマーである。プロモーター−プライマーは、T7 RNAポリメラーゼ認識に特異的である場合、「T7プライマー」と称されることがあり得る。一部の特定の状況下では、プロモーター−プライマーまたはかかるプロモーター−プライマーの下位集団の3’末端は、プライマー伸長が阻止または低減されるように修飾され得る。非修飾プロモーター−プライマーからは、逆転写酵素により標的RNAのcDNAコピーが作り出され、一方で、RNAse H活性により標的RNAが分解される。次いで、第2の増幅プライマーが該cDNAに結合する。このプライマーは、「T7プライマー」と区別するために「非T7プライマー」と称されることがあり得る。この第2の増幅プライマーからは、逆転写酵素により別のDNA鎖が作り出され、一方の末端に機能性プロモーターを有する二本鎖DNAがもたらされる。二本鎖である場合、プロモーター配列は、RNAポリメラーゼに結合し、プロモーター−プライマーがハイブリダイズする標的配列の転写を開始させることができるものである。RNAポリメラーゼは、このプロモーター配列を用いて複数(一般的には、約100〜1,000コピー)のRNA転写物(すなわち、アンプリコン)を生成させる。新たに合成された各アンプリコンは第2の増幅プライマーとアニーリングし得る。次いで、逆転写酵素によりDNAコピーが作り出され得、一方で、RNAse H活性により、このRNA:DNA二本鎖のRNAが分解される。次いで、プロモーター−プライマーが、この新たに合成されたDNAに結合し、逆転写酵素により二本鎖DNAが作り出され、該鎖からRNAポリメラーゼにより多数のアンプリコンが生成され得る。したがって、2種類の増幅プライマーを用いて、10億倍の等温型増幅が行なわれ得る。
具体例となる別のTMA法では、Beckerら、米国特許出願公開US2006−0046265に記載の1つ以上の特徴が任意選択的に組み込まれる。この点において好ましいTMA法は、ブロック部分、終結部分、およびTMA法の感度および正確性の改善をもたらす他の修飾部分の使用を含むものである。したがって、本発明の一部の特定の好ましい実施形態では、本明細書に記載の不活化可能型オリゴヌクレオチドを、Beckerら、米国特許出願公開US2006−0046265に記載の方法とともに使用するものである。
「検出可能な増幅」により、増幅反応混合物中の増幅産物に関連する検出可能なシグナルが、所定のバックグラウンドもしくは閾値レベルより上に上昇すること(エンドポイント増幅)、または所定の期間内にバックグラウンドもしくは閾値レベルより上に上昇すること(リアルタイム増幅)ことを意味する。例えば、Lightら、米国特許出願公開US2006−0276972,段落506〜549参照。増幅産物は、標的核酸配列またはその相補体と配列同一性を有する配列を含み、例えば、インターカレーション色素または標的核酸配列もしくはその相補体の一領域に対して特異性を有する検出プローブを用いて検出され得る。
増幅産物は、任意の慣用的な手段によって検出され得る。例えば、増幅産物は、検出可能に標識されたプローブとのハイブリダイゼーションおよび得られたハイブリッドの測定によって検出され得る。特定の標的配列の検出のためのプローブの選択における設計基準は、当該技術分野でよく知られており、例えば、Hoganら、米国特許第6,150,517号に記載されている。増幅産物は、Hybridization Protection Assay(「HPA」)によってアッセイされ得、これは、化学発光オリゴヌクレオチドプローブ(例えば、アクリジニウムエステル標識(「AE」)プローブ)を標的配列にハイブリダイズさせること、非ハイブリダイズプローブ上に存在する化学発光標識に選択的に加水分解すること、および照度計内で残留プローブから生じる化学発光を測定することを伴う。例えば、Arnoldら,米国特許第5,283,174号およびNelsonら、Nonisotopic Probing,Blotting and Sequencing,第17章(Larry J.Kricka編,第2版 1995)参照。
さらなる実施形態により、本明細書に記載の方法によるリアルタイムでの増幅プロセスの定量的評価を提供する。「リアルタイム」での増幅プロセスの評価は、増幅反応中での反応混合物中のアンプリコンの量を連続的または周期的のいずれかで測定することを伴い、測定された値を用いて、試料中に最初に存在していた標的配列の量を計算する。試料中に存在していた当初の標的配列の量をリアルタイム増幅に基づいて測定するための方法にはさまざまな方法がある。このようなものとしては、Wittwerら、米国特許第6,303,305号、およびYokoyamaら、米国特許第6,541,205号に開示されたものが挙げられる。試料中に最初に存在していた標的配列の量を測定するための方法であって、リアルタイム増幅に基づくものではない別の方法は、Ryderら、米国特許第5,710,029号に開示されている。
増幅産物は、種々の自己ハイブリダイズプローブの使用によりリアルタイムで検出され得、該プローブのほとんどはステムループ構造を有する。かかる自己ハイブリダイズプローブは、該プローブが自己ハイブリダイズした状態であるか、標的配列へのハイブリダイゼーションによって改変された状態であるかに応じて異なるように検出可能なシグナルを発するように標識される。一例として、「分子トーチ(molecular torch)」は、自己ハイブリダイズプローブの型の一例であり、別個の自己相補性領域(「標的結合ドメイン」および「標的閉鎖ドメイン」と称する)を含み、これらは、連接領域(例えば、非ヌクレオチドリンカー)によって連結され、所定のハイブリダイゼーションアッセイ条件下で互いにハイブリダイズする。好ましい実施形態において、分子トーチは、1〜約20塩基長であり、鎖置換条件下で増幅産物内に存在する標的配列へのハイブリダイゼーションのためにアクセスできる、標的結合ドメイン内の単鎖塩基領域を含む。鎖置換条件下では、標的配列が存在する場合以外では、分子トーチの該2つの相補的な領域(これらは、完全に、または一部相補的であり得る)のハイブリダイゼーションが有利となり、標的配列が存在する場合は、標的配列が、標的結合ドメイン内に存在する単鎖領域に結合し、標的閉鎖ドメインの全部または一部を置換する。分子トーチの標的結合ドメインおよび標的閉鎖ドメインは、分子トーチが自己ハイブリダイズしている場合と、分子トーチが標的配列にハイブリダイズしている場合とで異なるシグナルが生成され、それにより試験試料中のプローブ:標的二本鎖の検出が、非ハイブリダイズ分子トーチの存在下で可能になるように配置された検出可能な標識または1対の相互作用性標識(例えば、発光体/消光物質)を含む。分子トーチおよびさまざまな型の相互作用性標識ペアは、Beckerら、米国特許第6,534,274号に開示されている。
自己相補性を有する検出プローブの別の一例は「分子ビーコン」である。分子ビーコンは、標的相補体を有する核酸分子、増幅産物中に存在する標的配列の非存在下で閉鎖型コンホメーションに該プローブを保持する親和性ペア(または核酸アーム)、および該プローブが閉鎖型コンホメーションである場合に相互作用する標識ペアを含む。標的配列と標的相補体のハイブリダイゼーションにより、親和性ペアメンバーが分離され、それにより該プローブは開放型コンホメーションにシフトされる。開放型コンホメーションへのシフトは、標識ペア(例えば、フルオロフォアおよび消光物質(例えば、DABCYLおよびEDANS)であり得る)の相互作用が低下するため、検出可能である。分子ビーコンは、Tyagiら、米国特許第5,925,517号および同第6,150,097号に開示されている。
本発明における使用のための他の自己ハイブリダイズプローブは、当業者には周知である。一例として、相互作用性標識を有するプローブ結合ペア、例えば、Morrison、米国特許第5,928,862号およびGelfandら、米国特許第5,804,375号に開示されたものが、本発明における使用に適合されよう。さらなる検出系としては、「分子スイッチ」(Arnoldら、米国特許出願公開U.S.2005−0042638 A1)が挙げられる。それから、インターカレーション色素および/または蛍光色素を含むものなどの他のプローブも、本発明における増幅産物の検出に有用であり得る。例えば、Ishiguroら、米国特許第5,814,447号参照。
最初の標的配列とRNA転写産物とが同じセンスを共有している増幅および検出方法では、リアルタイム検出用のプローブを添加する前に増幅を開始することが望ましいことがあり得る。増幅反応を開始する前にプローブを添加することにより、標的配列の相補体を有するプライマー伸長産物が完成されるプライマー伸長工程中に、最初の標的配列に結合するプローブが置換されるか、あるいは除去されるはずであるため、増幅速度が低減され得る。増幅の開始は、増幅酵素(例えば、逆転写酵素およびRNAポリメラーゼ)の添加によって判断される。
「選択的増幅」とは、本明細書で用いる場合、本発明による組成物および方法を用いて選択的にハイブリダイズされ、捕捉された標的核酸配列の増幅をいい、この場合、検出可能な増幅は標的配列の増幅に限定または実質的に限定され、非標的核酸配列および/または夾雑核酸は寄与しない。本明細書で用いる場合、「非標的核酸」は、反応混合物中に存在しているが、所望の核酸ではない核酸である。非標的核酸としては、限定されないが、全細胞ライセート中に存在する目的の核酸以外の核酸が挙げられる。例えば、標的核酸が細胞試料中に存在していることがわかっている、または存在していると思われるマイクロRNAである場合、試料(またはそのライセート)中に存在する残りの核酸は非標的核酸である。この場合、不活化可能型標的捕捉オリゴマーは、この小さい標的核酸に実質的に相補的な標的ハイブリダイズ領域を含むように構成される。不活化可能型標的捕捉オリゴマーは、いずれの非標的核酸にもハイブリダイズしないものであることが望ましく、ハイブリダイズすると、所望の標的核酸の下流分析に対して障害となる。したがって、本発明の不活化可能型標的捕捉オリゴマーの活性形態は、捕捉オリゴマーを標的に偏向させる第1の組の条件下で、標的核酸にハイブリダイズすることが可能であり、次いで、不活化可能型標的捕捉オリゴマーは不活性となり、非標的核酸への結合が抑制される。本明細書で用いる場合、「夾雑核酸」は外部供給源から系内に導入された核酸である。かかる供給源としては、限定されないが、試薬調製物、実験器具、研究員および研究作業場が挙げられる。
「増幅条件」により、核酸増幅を可能にする条件を意図する。増幅条件は、一部の実施形態において、本明細書に記載の「ストリンジェントハイブリダイゼーション条件」よりも低いストリンジェントのものであり得る。増幅反応に使用されるオリゴヌクレオチドは、その意図された標的に増幅条件下でハイブリダイズするが、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下ではハイブリダイズする場合もあり、しない場合もある。他方において、検出プローブは、典型的には、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするように設計される。以下の実施例のセクションに、標的核酸配列の増幅のための好ましい増幅条件を示すが、核酸増幅を行なうための他の許容され得る条件は、当業者には、使用される具体的な増幅方法に応じて容易に確認されよう。
核酸ハイブリダイゼーションは、完全に、または一部相補的なヌクレオチド配列を有する2つの核酸鎖が所定の反応条件下で一緒になり、安定な二本鎖ハイブリッドを形成するプロセスである。いずれの核酸鎖も、デオキシリボ核酸(DNA)もしくはリボ核酸(RNA)またはその類似体であり得る。したがって、ハイブリダイゼーションは、RNA:RNAハイブリッド、DNA:DNAハイブリッド、RNA:DNAハイブリッド、またはその類似体を伴うものであり得る。この二本鎖構造(場合によっては、ハイブリッドと称される)の2つの構成成分鎖は、水素結合によって互いに保持されている。このような水素結合のほとんどは、一般的には、単独の核酸鎖上の塩基アデニンを含有するヌクレオチドと塩基チミンまたは塩基ウラシルを含有するヌクレオチドとの間(AとTまたはUとの間)あるいは塩基シトシンを含有するヌクレオチドと塩基グアニンを含有するヌクレオチドとの間(CとGとの間)に形成されるが、塩基対合は、このような「規範的」ペアのメンバーではない塩基間でも形成されることがあり得る。非規範的塩基対合は当該技術分野でよく知られている(例えば、Adamsら、The Biochemistry of the Nucleic Acids,(第11版 1992)参照)。
「ハイブリダイゼーション条件」とは、完全に、または一部相補的な核酸配列同士がハイブリダイゼーション二本鎖または複合体を形成する累積的な物理的および化学的条件をいう。かかる条件は当業者に周知であり、ハイブリダイゼーションに関与する核酸の配列組成に基づいて予想可能であるか、または常套的な試験(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual,第2版(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,1989)の§§1.90〜1.91,7.37〜7.57,9.47〜9.51,11.12〜11.13および11.45−11.57)を使用することにより実験的に決定され得る。
「ストリンジェントハイブリダイゼーション条件」または「ストリンジェント条件」とは、特定の核酸鎖(例えば、限定されないが不活化可能型標的捕捉オリゴマー)が、試験試料中に存在する他の核酸よりも標的核酸と優先的にハイブリダイズし得る条件をいう。このような条件は、諸要素、例えば、核酸配列のGC含量および長さ、ハイブリダイゼーション温度、ハイブリダイゼーション試薬または溶液の組成、ならびに得ようとするハイブリダイゼーション特異性の程度に応じて異なり得ることは認識される。一部の特定のストリンジェントハイブリダイゼーション条件を、本開示において以下に示す。
「核酸ハイブリッド」もしくは「ハイブリッド」または「二本鎖」により、各鎖が互いに相補的な水素結合された二本鎖領域を含む核酸構造を意図し、該領域は、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下で、例えば限定されないが、化学発光もしくは蛍光による検出、オートラジオグラフィー、またはゲル電気泳動によって検出されるのに充分に安定である。かかるハイブリッドは、RNA:RNA、RNA:DNA、またはDNA:DNA二本鎖分子を含むものであり得る。
「相補的な」により、2つの単鎖核酸の類似した領域または同じ単鎖核酸の異なる領域のヌクレオチド配列が、ストリンジェントハイブリダイゼーションまたは増幅条件下で、該単鎖領域が一緒にハイブリダイズして安定な水素結合された二本鎖領域になることが可能であるヌクレオチド塩基組成を有することを意図する。一方の単鎖領域のヌクレオチドの連続配列が、他方の単鎖領域のヌクレオチドの類似配列と、AがUまたはTと対合し、CがGと対合するような一連の「規範的な」水素結合された塩基対を形成し得る場合、該ヌクレオチド配列は「完璧に」相補的である。
「優先的にハイブリダイズする」により、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下において、一部の特定の相補的なヌクレオチドまたは核酸塩基配列がハイブリダイズして、他の安定性の低い二本鎖よりも優先的に安定なハイブリッドを形成することを意図する。「安定的にハイブリダイズしない」により、規定の組の条件下で、安定なハイブリッドが感知可能および/または検出可能な量で形成されないことを意図する。非限定的な一例として、プローブは、非標的配列よりも充分に大きい程度まで標的配列にハイブリダイズするか、または標的配列を複製し、したがって、増幅中に形成された標的配列のRNA複製物または相補DNA(cDNA)を、当業者が正確に定量することができるものである。さらなる非限定的な一例において、不活化可能型標的捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイゼーション領域は、標的核酸に、非標的核酸配列または夾雑核酸配列よりも充分に大きい程度までハイブリダイズする。
「安定な」または「安定的にハイブリダイズする」により、反応混合物の温度が核酸二本鎖の融解温度よりも少なくとも2℃低いことを意図する。
用語「増幅オリゴマー」は、本明細書において、プライマーとして使用されるオリゴマー、プロモーター系増幅オリゴマー(プロモータープライマーおよびプロモーター供与体など)、ならびに異種増幅オリゴマーをいうために用いる。
「異種増幅オリゴマー」は、標的ハイブリダイズ領域である第1の領域と、タグ配列領域である第2の領域を含むものである。異種増幅オリゴマーのタグ配列は、標的ハイブリダイズ領域が標的核酸配列と安定的にハイブリダイズする条件下で、このタグ配列が、標的核酸、または試料中に存在していると思われる任意の公知の非標的核酸配列もしくは夾雑核酸配列のいずれとも安定的にハイブリダイズしないように構成される。異種増幅オリゴマーがプライマーとして使用される第1の核酸合成事象の後、タグ配列は、得られるアンプリコン配列およびそれから作製される任意の後続の相補(complimentary)鎖またはコピー鎖の一体化部分を構成する。次いで、このタグ配列またはその相補体を標的化する増幅オリゴマーを用いて第2の増幅ラウンドが行なわれ、それにより非標的核酸および夾雑核酸の増幅が低減または排除される。異種増幅オリゴマーは、同時にプロモーター系オリゴマーであってもよく、この場合、第3の領域が含まれ、前記領域はRNAポリメラーゼプロモーター配列である。かかる異種増幅オリゴマーがプロモータープライマーである場合、異種増幅オリゴマーは実質的に直前に記載のようにして作動する。しかしながら、この配置において、タグ配列またはその相補体を含むRNAコピーが鋳型から転写される。しかしながら、異種増幅オリゴマーがプロモーター供与体である場合、タグ配列の相補体を含むRNA分子が最初に作製され、該配列またはその相補体が使用される後続の増幅がこれらの配列から起こる。
当該技術分野でよく知られているように、「プロモーター」は、特異的核酸配列であって、DNA依存性RNAポリメラーゼ(「転写酵素」)によって、核酸に結合し特定の部位でRNAの転写を開始するためのシグナルと認識される特異的核酸配列である。RNAの効率的な転写は、鋳型核酸による伸長反応によって二本鎖プロモーターが形成されない条件下で行なわれ得る。鋳型核酸(転写される配列)は二本鎖である必要はない。個々のDNA依存性RNAポリメラーゼは、転写促進効率が著しく異なることがあり得るさまざまな異なるプロモーター配列を認識する。RNAポリメラーゼが転写を開始するためにプロモーター配列に結合すると、該プロモーター配列は、転写される配列の一部ではなくなる。したがって、結果的に生成されるRNA転写物は該プロモーター配列を含まない。
本発明によれば、「プロモーターオリゴヌクレオチド」とは、第1の領域と第2の領域とを含み、その3’末端からのDNA合成の開始が抑制されるように任意選択的に修飾されたオリゴヌクレオチドをいう。本発明のプロモーターオリゴヌクレオチドの「第1の領域」は標的ハイブリダイズ領域を含む。プロモーターオリゴヌクレオチドの標的ハイブリダイズ領域は、典型的には少なくとも10ヌクレオチド長であり、15、20、25、30、35、40、50ヌクレオチド長またはそれ以上まで伸長させたものであってもよい。「第2の領域」はRNAポリメラーゼに対するプロモーター配列を含む。プロモーターオリゴヌクレオチドは、場合によっては、RNA依存性またはDNA依存性DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)によって伸長され得ないように操作され、好ましくは、上記に記載のように3’末端にブロック部分を含む。好適で好ましいプロモーターオリゴヌクレオチドは、本明細書に記載している。修飾された3’末端を有するプロモーター系増幅オリゴマーを、本明細書では「プロモーター供与体」と称し、一方、かかる修飾のないものを、本明細書では「プロモータープライマー」と称する。一例において、増幅反応液中に存在するプロモーター含有オリゴヌクレオチドの少なくとも約80%は、さらに3’ブロック部分を含む。別の実施形態において、プロモーターを含む増幅反応液に提供されるオリゴヌクレオチドの少なくとも約85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%は、さらに3’ブロック部分を含むように修飾される。別の実施形態において、プロモーター配列を含む増幅反応液に使用されるオリゴヌクレオチドはいずれも、さらに3’末端ブロック部分を含む。プロモーター配列内に変異を有するプロモーターオリゴヌクレオチドのアッセイは、当業者により常套的な方法を用いて容易に行なわれる。さらに、異なるRNAポリメラーゼを使用することが所望される場合、プロモーターオリゴヌクレオチド内のプロモーター配列は、より適合する異なるプロモーター配列で容易に置き換えられる。種々のプロモーター配列の置き換えは、充分に当業者の理解および能力の範囲内である。
鋳型核酸の伸長による二本鎖プロモーター配列の形成は、第1のDNAプライマー伸長産物に相補的なRNAの転写の開始が可能であるために必要ではない。得られる「第1の」RNA産物は、標的配列に実質的に同一であり、転写開始点によって規定される5’末端と、第1のDNAプライマー伸長産物の5’末端によって規定される3’末端とを有する。充分な数の第1のRNA産物が生成され、さらなる操作なしで系内で自動的に再循環される。プライミングオリゴヌクレオチドは第1のRNA産物の3’末端にハイブリダイズし、DNAポリメラーゼによって伸長され、第2のDNAプライマー伸長産物が形成される。終結オリゴヌクレオチドまたは他の結合分子の使用なしで形成される第1のDNAプライマー伸長産物とは異なり、第2のDNAプライマー伸長産物は、第1のRNA産物の5’末端に相補的な規定の3’末端を有する。第2のDNAプライマー伸長産物は、該RNA鋳型を選択的に分解する酵素を用いてRNA鋳型から分離される(少なくとも部分的に)。次いで、単鎖の第2のDNAプライマー伸長産物が上記のプロモーターオリゴヌクレオチドで処理され、該プロモーターオリゴヌクレオチドの第2の領域が鋳型としての機能を果たし、第2のDNAプライマー伸長産物がさらに伸長され、プロモーターオリゴヌクレオチドの第2の領域、すなわちプロモーター配列を含む領域に相補的な塩基領域が付加されることが可能になり、プロモーターが二本鎖となる。プロモーターを認識するRNAポリメラーゼがプロモーター配列に結合し、第2のDNAプライマー伸長産物に相補的で、標的配列に実質的に同一の複数の「第2の」RNA産物の転写を開始させる。このようにして生成された第2のRNA転写物は、さらなる操作なしで上記の系内で自動的に再循環される。したがって、この反応は自己触媒性である。
「ユニバーサル」オリゴヌクレオチドまたは「パン(pan)」オリゴヌクレオチドは、増幅反応において、ある類型の生物の核酸配列の存在を、ある類型の生物に特殊な高度に保存された配列に基づいて確認するために使用され得るオリゴヌクレオチドを含むものである(本明細書で用いる場合、用語「類型」は、必ずしも認知された系統発生集団または生物を示すのではない)。例えば、高度に保存された16SリボソームRNAコード配列は、細菌または細菌集団(例えば、真正細菌、グラム陽性菌またはグラム陰性菌)に見られるが、ヒトおよび他の高等生物には見られない領域を含み、したがって、目的の試料中の細菌の配列の存在を検出するオリゴヌクレオチドが設計され得、核酸増幅反応において使用され得る。例えば、McCabeら(1999)Molecular Genetics and Metabolism 66,205−211;Schmidt,T.ら(1994)Meth.Enzymol.235,205−222(病原体を特定するための方法);Kunishima,S.ら、(2000)Transfusion 40,1420(血液中の細菌を検出するための方法);Greisen,K.(1994)J.Clin.Microbiol.32,335−351(脳脊髄液中の病原性細菌を検出するための方法);Jordan,J.(2005)J.Mol.Diag.7,575−581(新生児のセプシスを診断するための方法);Rothman,R.ら(2002)J.Infect.Dis.186,1677−1681(急性細菌性心内膜炎を診断するための方法);およびCox,C.ら(2002)Arthritis Res.Ther.5,R1−R8(滑液中の細菌の検出)参照。同様に、他の類型の生物(真菌病原体など)に対するユニバーサルオリゴヌクレオチドも報告されている。例えば、Maaroati,Y.ら(2003)J.Clin.Microbiol.41,3293−3298(血液中のCandida albicansを定量するための方法);Carr,M.ら(2005)J.Clin.Microbiol.43,3023−3026(血液中のCandida dubliniensisを検出するための方法);およびWhite,P.ら(2003)J. Med. Microbiol. 52,229−238(全身性の真菌感染を検出するための方法)参照。所与の類型の生物に対して既知の、または開発された本質的に任意のユニバーサルオリゴヌクレオチドが、本明細書に記載の方法において好都合に使用され得る。
プライミングオリゴヌクレオチドは、少なくともその3’末端が核酸鋳型に相補的であり、鋳型と複合体を形成して(水素結合またはハイブリダイゼーションにより)、RNA依存性またはDNA依存性DNAポリメラーゼによる合成の開始に適したプライマー:鋳型複合体をもたらすオリゴヌクレオチドである。プライミングオリゴヌクレオチドは、その3’末端に、共有結合されたヌクレオチド塩基が付加することによって伸長され、該塩基は鋳型に相補的である。その結果、プライマー伸長産物となる。プライミングオリゴヌクレオチドは、典型的には少なくとも10ヌクレオチド長であり、15、20、25、30、35、40、50ヌクレオチド長またはそれ以上まで伸長させてもよい。好適で好ましいプライミングオリゴヌクレオチドは、本明細書に記載している。事実上すべての既知のDNAポリメラーゼ(逆転写酵素を含む)は、DNA合成を開始させるために、オリゴヌクレオチドと単鎖の鋳型との複合体形成(「プライミング」)を必要とするが、RNAの複製および転写(DNAからのRNAのコピー生成)には、一般的にプライマーは必要とされない。DNAポリメラーゼによって伸長されるというまさにその性質により、プライミングオリゴヌクレオチドは3’ブロック部分を含まない。
「ディスプレーサーオリゴヌクレオチド」は、標的配列の3’末端にハイブリダイズされた近接しているプライミングオリゴヌクレオチド(本明細書において「フォワードプライミングオリゴヌクレオチド」と称する)の上流の鋳型核酸にハイブリダイズするプライミングオリゴヌクレオチドである。「上流」により、ディスプレーサーオリゴヌクレオチドの3’末端が鋳型核酸と、フォワードプライミングオリゴヌクレオチドの3’末端に対して5’側で複合体を形成することを意図する。鋳型核酸にハイブリダイズされる場合、ディスプレーサーオリゴヌクレオチドの3’末端塩基は、好ましくは、フォワードプライミングオリゴヌクレオチドに隣接しているか、または末端から5塩基離れている。より好ましくは、ディスプレーサーオリゴヌクレオチドの3’末端塩基は、フォワードプライミングオリゴヌクレオチドの5’末端塩基から5〜35塩基離れている。ディスプレーサーオリゴヌクレオチドは反応混合物に、フォワードプライミングオリゴヌクレオチドと同時に供給してもよく、フォワードプライミングオリゴヌクレオチドが鋳型核酸にハイブリダイズするための充分な時間が経過した後に供給してもよい。フォワードプライミングオリゴヌクレオチドの伸長は、ディスプレーサーオリゴヌクレオチドを反応混合物に供給する前に開始してもよく、後に開始してもよい。増幅条件下では、ディスプレーサーオリゴヌクレオチドは鋳型依存性様式で伸長され、それにより、鋳型核酸と複合体を形成したフォワードプライミングオリゴヌクレオチドを含むプライマー伸長産物が剥離(displace)される。鋳型核酸から剥離されたフォワードプライミングオリゴヌクレオチドを含むプライマー伸長産物は、プロモーターオリゴヌクレオチドとの複合体の形成に利用可能となる。フォワードプライミングオリゴヌクレオチドおよびディスプレーサーオリゴヌクレオチドはともに、標的核酸に優先的にハイブリダイズする。ディスプレーサーオリゴヌクレオチドおよびその使用の例は、Beckerら、米国特許出願公開US20070202523A1(本発明と同一出願人)に開示されている。
本明細書で用いる場合、「ブロック部分」は、オリゴヌクレオチドまたは他の核酸の3’末端を「ブロック」し、核酸ポリメラーゼによって効率的に伸長され得ないようにするために使用される物質である。ブロック部分は、小分子(例えば、リン酸基もしくはアンモニウム基)であり得るか、または修飾ヌクレオチド(例えば、3’2’ジデオキシヌクレオチドもしくは3’デオキシアデノシン5’−三リン酸(コルジセピン)または他の修飾ヌクレオチド)であり得る。さらなるブロック部分としては、例えば、3’末端に遊離ヒドロキシル基がなくなるようなヌクレオチドまたは3’→5’の向きを有する短鎖ヌクレオチド配列の使用、3’アルキル基、3’非ヌクレオチド部分(例えば、Arnoldら、米国特許第6,031,091号参照)、ホスホロチオエート、アルカンジオール残基、ペプチド核酸(PNA)、3’末端に3’ヒドロキシル基がないヌクレオチド残基、または核酸結合タンパク質の使用が挙げられる。好ましくは、3’ブロック部分は、ヌクレオチドまたは3’→5’の向きもしくは3’非ヌクレオチド部分を有するヌクレオチド配列を含むが、3’2’−ジデオキシヌクレオチドもしくは遊離ヒドロキシル基を有する3’末端は含まない。3’−ブロックオリゴヌクレオチドを調製するためのさらなる方法は、当業者に周知である。
本明細書で用いる場合、「結合分子」は、DNAプライマー伸長産物を所望の長さに制限するため、すなわち一般的に規定される3’末端を有するプライマー伸長産物になるように、所望の標的配列の5’末端に隣接しているかまたはその近傍のRNA標的核酸に、ハイブリダイズするかまたは結合する物質である。本明細書で用いる場合、語句「規定される3’末端」は、プライマー伸長産物の3’末端が、結合分子の非存在下で起こるプライマー伸長反応の場合のように全く不確定なのではなく、プライマー伸長産物の3’末端の塩基が小さい範囲内で一般に既知となることを意味する。一部の特定の実施形態において、結合分子は塩基領域を含む。該塩基領域は、DNA、RNA、DNA:RNAキメラ分子またはその類似体であり得る。塩基領域を含む結合分子は、本明細書に記載の1つ以上の様式で修飾され得る。例示的な塩基領域としては、終結オリゴヌクレオチドおよび消化オリゴヌクレオチド(本明細書において後述)が挙げられる。他の実施形態において、結合分子は、例えば、DNAプライマー伸長産物が所定の長さに制限されるのに充分な親和性および特異性を伴ってRNAに結合し得るタンパク質または薬物を含むものであり得る。
本明細書で用いる場合、「終結オリゴヌクレオチド」は、プライミングオリゴヌクレオチドを含む新生核酸のプライマー伸長が「終結」され、それにより、新生核酸鎖に規定の3’末端がもたらされるように、標的配列の5’末端付近の標的核酸配列の領域に相補的な塩基配列を含むオリゴヌクレオチドである。終結オリゴヌクレオチドは標的核酸に、新生核酸鎖に所望の3’末端が得られるのに充分な位置でハイブリダイズするように設計される。終結オリゴヌクレオチドの位置決定は、その設計に応じて融通性がある。終結オリゴヌクレオチドは修飾されていても修飾されていなくてもよい。一部の特定の実施形態において、少なくとも1つ、またはそれ以上の2’−O−Meリボヌクレオチドを有する終結オリゴヌクレオチドが合成される。このような修飾ヌクレオチドの方が、相補的な二本鎖の熱安定性が高いことが示されている。また、2’−O−Meリボヌクレオチドは、エキソヌクレアーゼに対するオリゴヌクレオチドの抵抗性を増大させ、それにより、当該修飾オリゴヌクレオチドの半減期を長くする機能を果たす。例えば、Majlessiら(1988)Nucleic Acids Res.26,2224−9参照。2’−O−Meリボヌクレオチドに加えて、またはその代わりに、本明細書の別の箇所に記載の他の修飾を使用してもよい。例えば、終結オリゴヌクレオチドにPNAまたはLNAを含めてもよい。例えば、Petersenら(2000)J.Mol.Recognit.13,44−53参照。終結オリゴヌクレオチドは、典型的には、その3’末端に伸長を抑制するブロック部分を含む。また、終結オリゴヌクレオチドには、ポリメラーゼによる新生核酸鎖のさらなる伸長が終結されるように、オリゴヌクレオチドに連接されたタンパク質またはペプチドを含めてもよい。終結オリゴヌクレオチドは、典型的には、少なくとも10塩基長であり、15、20、25、30、35、40、50ヌクレオチド長またはそれ以上まで伸長させてもよい。好適で好ましい終結オリゴヌクレオチドは、本明細書に記載している。終結オリゴヌクレオチドは、典型的または必然的に3’ブロック部分を含むが、「3’ブロックされた」オリゴヌクレオチドが、必ずしも終結オリゴヌクレオチドであるとは限らないことに注意されたい。本明細書において使用される他のオリゴヌクレオチド(例えば、プロモーターオリゴヌクレオチドおよびキャッピングオリゴヌクレオチド)も同様に、典型的または必然的に3’ブロックされている。
本明細書で用いる場合、「挿入配列」は、第1の領域(すなわち、鋳型結合部分)とプロモーターオリゴヌクレオチドの第2の領域との間に配置される配列である。挿入配列は好ましくは5〜20ヌクレオチド長、より好ましくは6〜18ヌクレオチド長、最も好ましくは6〜12ヌクレオチド長である。プロモーターオリゴヌクレオチドに挿入配列を含めると、RNA増幅産物が形成される速度が増大する。
「標的捕捉」は、本明細書で用いる場合、すべてまたは実質的にすべての非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーならびに反応混合物中の任意の他の核酸試薬、非標的核酸、非ハイブリダイズ標的核酸または非核酸成分が除去されるのに有効な任意の手法を包含する。一般的に、標的捕捉は、標的ポリヌクレオチドを固相支持体上(磁気的誘引性粒子など)に捕捉することを伴い、標的ポリヌクレオチド精製手順の1回以上の洗浄工程中、標的ポリヌクレオチドは固相支持体によって保持される。このようにして、標的ポリヌクレオチドは、任意の後続の分析工程の前に、非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーならびに任意の他の核酸試薬、非標的核酸、非ハイブリダイズ標的核酸または非核酸成分から実質的に精製される。数多くの標的捕捉方法が知られており、本明細書に記載の方法との使用に適している。
例えば、米国特許出願公開US20060068417 A1に記載された具体例となるアプローチの一例では、少なくとも1種類の捕捉プローブオリゴヌクレオチドが使用され、該捕捉プローブオリゴヌクレオチドは、標的相補領域と、捕捉支持体上の固定化プローブに標的核酸を連接させる特異的結合ペアのメンバーとを含み、したがって、試料中の他の試料成分から分離された捕捉ハイブリッドが形成される。具体例となる別の方法、Weisburgら、米国特許第6,110,678号には、捕捉プローブおよび2つの異なるハイブリダイゼーション条件(好ましくは温度のみが異なる)を使用することにより、試料中の標的ポリヌクレオチドを、固定化プローブが結合された固相支持体上(磁気的誘引性粒子など)に捕捉するための方法が記載されている。この2つのハイブリダイゼーション条件により、ハイブリダイゼーションの順序が制御され、第1のハイブリダイゼーション条件では、この場合、標的ポリヌクレオチドへの捕捉プローブのハイブリダイゼーションが可能であり、第2のハイブリダイゼーション条件では、固定化プローブへの捕捉プローブのハイブリダイゼーションが可能である。該方法は、捕捉された標的ポリヌクレオチドまたは増幅標的ポリヌクレオチドを検出することにより、試料中の標的ポリヌクレオチドの存在を検出するために使用され得る。具体例となる別の標的捕捉手法は、標的ポリヌクレオチドの存在を捕捉するため、および検出するためのハイブリダイゼーションサンドイッチ手法を伴う。Rankiら、米国特許第4,486,539号参照。該手法は、固相支持体に結合されたプローブによる標的ポリヌクレオチドの捕捉、および捕捉された標的ポリヌクレオチドに対する検出プローブのハイブリダイゼーションを伴う。標的核酸にハイブリダイズされていない検出プローブは固相支持体から容易に洗い流され、したがって、試料中に最初に存在していた標的ポリヌクレオチドと結合している標識が残留する。
具体例となる別の標的捕捉手法は、標的核酸と、固相支持体上に固定されたポリヌクレオチドとの両方にハイブリダイズするメディエーターポリヌクレオチドを使用する方法を伴う。Stabinsky,米国特許第4,751,177号参照。メディエーターポリヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチドを固相支持体に連接させて、結合された状態の標的をもたらす。標識プローブが、該結合された状態の標的にハイブリダイズされ得、未結合の標識プローブ(pro)は、固相支持体から洗い流すことができる。具体例となるまた別の標的捕捉手法は、標的ポリヌクレオチドを検出するための方法が記載されたEnglelhardt、米国特許第5,288,609号に開示されたものである。該方法は、標的と同じまたは反対の鎖に相補的な2つの単鎖ポリヌクレオチドセグメントを使用し、標的ポリヌクレオチドとの二重ハイブリッドの形成をもたらすものである。一実施形態において、該ハイブリッドは支持体上に捕捉される。
具体例となる別の標的捕捉手法において、核酸を検出するための方法およびキットは、特異的結合パートナーで標識されたオリゴヌクレオチドプライマーを使用し、プライマーおよびプライマー伸長産物を固定化するものである。Burdickら、欧州特許出願公開第0 370 694 A2号参照。該標識は、固相支持体に結合されたその受容体と特異的に複合体を形成する。上記の捕捉手法は単なる例示にすぎず、限定されない。実際、標的核酸配列との不活化可能型標的捕捉オリゴマーのハイブリダイゼーション後であって標的核酸配列の下流分析(例えば、増幅)前に、すべてまたは実質的にすべての非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーが除去されるのに有効であれば、当業者に利用可能な本質的に任意の手法が使用され得る。
用語「不活化可能型標的捕捉オリゴマー」とは、標的核酸に選択的にハイブリダイズすることができる能力を有するオリゴヌクレオチドをいう。本発明の不活化可能型標的捕捉オリゴマーは、好ましくは、標的ハイブリダイズ領域、タグ閉鎖領域および結合ペアメンバーを含む。これらの領域の2つ以上が連続核酸配列として連接され得る。あるいはまた、任意の2つの領域が非ヌクレオチドリンカーを用いて連接され得る。あるいはまたさらに、タグ閉鎖配列は独立型分子であってもよい。隣接して連接された領域およびメンバーは、好ましさに応じて5’→3’または3’→5’に構成され得る。非ヌクレオチドリンカーを用いて該領域が連接される場合、さらに、5’→5’または3’→3’の向きが含まれ得る。好ましくは、該領域は、連続核酸配列として連接され、標的ハイブリダイズ領域は、その3’末端でタグ閉鎖領域の5’末端に連接され、タグ閉鎖領域は、その3’末端で結合ペアメンバーに連接される。結合ペアメンバーが核酸配列領域である場合、タグ閉鎖領域は、その3’末端で結合ペアメンバーの5’末端に連接される。別の一例の向きでは、標的ハイブリダイズ領域は、その5’末端でタグ閉鎖領域の3’末端に連接され、タグ閉鎖領域は、その5’末端で結合ペアメンバーに連接され、これは、結合ペアメンバーが核酸配列領域である場合、タグ閉鎖領域は、その5’末端で結合ペアメンバーの3’末端に連接される。結合ペアメンバーが非核酸配列である場合、これは、例えば、核酸タグ閉鎖領域に共有結合され得る(例えば、図24〜25参照)。核酸領域の連結および核酸への非核酸部分の連結のための組成物および方法は、当該技術分野で知られている。不活化可能型標的捕捉オリゴマーの他の配置では、両末端のうちの一端上において結合ペアメンバーに連接された標的領域が提供され、タグ閉鎖領域は独立型分子であるか、またはリンカーによって、結合ペアメンバーに連接された末端と反対側にある標的捕捉領域の一端に連接される(例えば、図22〜23)。本質的に、結合ペアメンバーとタグ閉鎖領域とは、標的ハイブリダイズ領域の対向する末端に結合される。
本発明の不活化可能型標的捕捉オリゴマーは、一定の特定の条件下で、活性な立体配置および不活性な立体配置がもたらされるように構成される。したがって、タグ閉鎖領域は、標的ハイブリダイズ領域が標的核酸配列と安定的にハイブリダイズする第1の組の条件下で、このタグ閉鎖領域が、標的核酸または試料中に存在していると思われる任意の公知の非標的核酸配列もしくは夾雑核酸配列と安定的にハイブリダイズしないように構成される。しかしながら、第2の組の条件下では、タグ閉鎖領域は、標的ハイブリダイズ領域とハイブリダイズし、それにより、不活化された不活化可能型標的捕捉オリゴマーと任意の非標的核酸配列または夾雑核酸配列とのさらなるハイブリダイゼーションが抑制される。好ましくは、活性な立体配置および不活性な立体配置は、それぞれ、線状またはヘアピン立体配置である。しかしながら、タグ閉鎖領域が標的ハイブリダイズ領域および結合ペアメンバーの分子とは独立した分子である実施形態では、これらの2種類の独立型分子について、該分子が解離された場合およびハイブリダイズされた場合で、それぞれ、活性な立体配置および不活性な立体配置が生じる。好ましくは、不活性な不活化可能型標的捕捉オリゴマーを形成するヘアピン立体配置は、タグ閉鎖領域と標的ハイブリダイズ領域の一部分とが一緒にハイブリダイズし、それにより、標的ハイブリダイズ領域が反応混合物中の核酸とさらにハイブリダイズすることが阻止される自己ハイブリダイゼーション事象を含む。あるいはまた、結合ペアメンバーおよびタグ閉鎖領域が標的ハイブリダイズ領域の対向する末端に連接される配置では、不活化された立体配置はなお、タグ閉鎖領域と標的ハイブリダイズ領域の一部分とが一緒にハイブリダイズし、それにより、標的ハイブリダイズ領域が反応混合物中の核酸とさらにハイブリダイズすることが阻止されるヘアピン立体配置である。タグ閉鎖領域が独立型の(discreet)オリゴマーである立体配置では、該独立型閉鎖オリゴマーの標的ハイブリダイゼーション領域へのハイブリダイゼーションにより、不活化可能型標的捕捉オリゴマーが不活化される。
好ましくは、不活化可能型標的捕捉オリゴマーの結合ペアメンバーは実質的にホモポリマーの核酸配列であり、これは、固相支持体の実質的にホモポリマーの核酸配列の第2結合ペアメンバーに相補的である。したがって、該結合ペアのメンバーは相補的なポリヌクレオチドであり、これらが安定な非特異的結合反応に参与する可能性は低い(例えば、同様の長さのポリ(dA)およびポリ(dT)配列)。Weisburgら、米国特許第6,534,273号。非核酸結合ペアメンバーとしては、限定されないが、リガンド−ライゲート(例えば、アビジン−ビオチン結合)が挙げられる。好ましい捕捉プローブは、同じ条件下で、標的核酸および第2の固定化された結合ペアメンバーの両方に結合するが、捕捉プローブは、標的ハイブリダイズ配列および第2の結合ペアメンバーが、異なる条件下で、それぞれの対応物に結合するように設計され得る。このように、捕捉プローブは、より有利な溶液中速度論下で最初に標的核酸に結合し、条件を調整した後、第1の結合ペアメンバーが第2の結合ペアメンバーに結合することが可能になるように設計され得る。
語句「タグ閉鎖配列」、「捕捉プローブ閉鎖配列」および「捕捉プローブ閉鎖オリゴヌクレオチド」とは、不活化可能型標的捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列の一部分に相補的なオリゴヌクレオチド配列をいう。タグ閉鎖配列の長さおよび配列は、標的核酸への標的ハイブリダイズ配列の安定なハイブリダイゼーションを可能にする第1の組の条件下で、タグ閉鎖配列が不活化可能型標的捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列に安定的にハイブリダイズしないように選択される。タグ閉鎖配列は、脱塩基ヌクレオチドまたは標的ハイブリダイズ配列との塩基ミスマッチを含むものであってもよい。不活化可能型標的捕捉オリゴマーが標的核酸にハイブリダイズしなければ、第2の組の低ストリンジェント条件下で、タグ閉鎖配列が標的ハイブリダイズ配列に安定的にハイブリダイズし、したがって、不活化可能型標的捕捉オリゴマーが「不活化される」、または非標的核酸および夾雑核酸にハイブリダイズすることが阻止される(「閉鎖された捕捉プローブ」)。本明細書に記載のように、タグ閉鎖配列は、独立型のオリゴヌクレオチドの形態であってもよく、標的ハイブリダイズ配列の一端に連接されていてもよい。標的ハイブリダイズ配列に連接される場合、連続ヌクレオチド配列として連接され得るか、または非ヌクレオチドリンカーによって連接され得る。さらに、タグ閉鎖配列は標的ハイブリダイズ配列に、結合ペアメンバーに連接された末端と反対の標的ハイブリダイズ配列の一端において連接され得る。あるいはまた、タグ閉鎖は、標的ハイブリダイズ領域へ末端の一方で、結合ペアメンバーへ末端の他方で連接され得る。タグ閉鎖配列が独立型分子でない場合、不活化可能型標的捕捉オリゴマーは、第2の組の条件下でヘアピン構造を形成する。不活化可能型標的捕捉オリゴマーがプライマーによる伸長に使用され得る末端3’末端を有し、かかる伸長が所望されない場合、該3’末端残基は、好ましくは、該末端残基からのDNA合成の開始が抑制されるように修飾される(その3’末端に配置されるブロック部分の使用が挙げられ得る)。不活化可能型標的捕捉オリゴマーがプライミングオリゴマーとしても使用される一部の代替的な実施形態では、不活化可能型標的捕捉オリゴマーに、さらに、第1の増幅産物内に特殊部位を導入するためのタグ領域を含めてもよい。後続の増幅では、このタグ領域またはその相補体にハイブリダイズする増幅オリゴマーが使用され得る。任意選択で、タグ領域は、タグ閉鎖領域と同じであってもよく、タグ閉鎖領域と重複していてもよい。不活化可能型標的捕捉オリゴマーが第2の組の条件下でヘアピン構造を形成する場合、標的ハイブリダイズ配列は、好ましくはタグ閉鎖配列にハイブリダイズする。タグ閉鎖配列は、少なくとも3塩基長であるが約20塩基長以下であり、好ましくは少なくとも5塩基長であるが20塩基長以下であり、より好ましくは6〜14塩基長、さらにより好ましくは6〜9核酸塩基長である。
「プローブ」または「検出プローブ」により、検出しようとする標的配列の領域に一部または完全に相補的な塩基配列を有し、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするようなオリゴヌクレオチドを含む分子を意図する。当業者には理解されるように、プローブは、ヒトによる介入なしでは自然界に見られない形態の単離核酸分子またはその類似体を含む(例えば、外来核酸との組換え、単離またはある程度までの精製)。検出プローブは、標的化される領域外のさらなるヌクレオシドまたは核酸塩基を有するものであってもよいが、かかるヌクレオシドまたは核酸塩基は、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下でのハイブリダイゼーションに実質的に影響を及ぼさず、検出プローブの場合は、標的核酸への優先的なハイブリダイゼーションを妨げないものであるものとする。また、標的捕捉配列(一般的に、ポリA、ポリTまたはポリUテイルなどのホモポリマー区域)、プロモーター配列、RNA転写のための結合部位、制限エンドヌクレアーゼ認識部位などの非相補体が含まれていてもよく、所望の二次または三次構造(触媒活性部位またはヘアピン構造など)をプローブ、標的核酸または両方に付与する配列が含まれていてもよい。検出プローブは、好ましくは少なくとも1種類の検出可能な標識を含む。標識は、任意の適当な標識物質、例えば限定されないが、放射性同位体、酵素、酵素補因子、酵素基質、色素、ハプテン、化学発光分子、蛍光分子、リン光性分子、電気化学発光分子、発色団、記載の条件下で標的核酸に安定的にハイブリダイズすることができない塩基配列領域およびこれらの混合物であり得る。特に好ましい一実施形態において、標識はアクリジニウムエステルである。また、プローブは、プローブが標的配列にハイブリダイズされたかどうかに応じて異なるシグナルを発する相互作用性標識を含むものであってもよい。相互作用性標識の例としては、酵素/基質、酵素/補因子、発光体/消光物質、発光体/付加物、色素二量体、およびフォレスターエネルギー転移ペアが挙げられる。一部の特定のプローブは標識を含まないものであり;例えば、非標識捕捉プローブは、標的配列またはその複製を富化するために使用され得、次いで、これは第2の「検出」プローブによって検出され得る。例えば、Weisburgら、米国特許第6,534,273号参照。検出プローブは典型的には標識されるが、一部の特定の検出手法ではプローブの標識は必要とされない。例えば、Nygrenら、米国特許第6,060,237号参照。規定の配列のプローブは、当業者に公知の手法によって、例えば、化学合成、組換え核酸分子からのインビトロもしくはインビボ発現などによって作製され得る。好ましくは、プローブは10〜100ヌクレオチド長、より好ましくは12〜50塩基長、さらにより好ましくは18〜35塩基長である。
「安定な」または「検出に対して安定」により、反応混合物の温度が核酸二本鎖の融解温度よりも少なくとも2℃低いことを意図する。反応混合物の温度は、より好ましくは、核酸二本鎖の融解温度よりも少なくとも5℃低く、さらにより好ましくは、反応混合物の融解温度よりも少なくとも10℃低い。
「核酸の同一性」は、参照核酸の連続塩基領域と少なくとも80%、90%または100%同一である連続塩基領域を含む核酸を意味する。短鎖核酸(例えば、本発明の一部の特定のオリゴヌクレオチド)では、「クエリー」核酸のある塩基領域と参照核酸のある塩基領域との同一性の程度は、手作業のアラインメントによって測定され得る。「同一性」は、比較対象の核酸の糖鎖および主鎖領域に関係なく、窒素塩基の配列だけを比較することにより測定される。したがって、クエリー:参照塩基配列アラインメントは、DNA:DNA、RNA:RNA、DNA:RNA、RNA:DNA、またはその任意の組合せもしくはその類似体であり得る。対応するRNAおよびDNAの塩基配列は、U(RNA内)をT(DNA)に変換することにより比較され得る。比較対象の2つの核酸配列間の差としては、一方の配列と他方との比較におけるヌクレオチドの付加、欠失、置換および修飾が挙げられ得る。
「鋳型」は、核酸ポリメラーゼによってコピーされる対象の核酸分子である。鋳型は、ポリメラーゼに応じて単鎖、二本鎖または部分二本鎖であり得る。合成されたコピーは、鋳型または二本鎖もしくは部分二本鎖鋳型の少なくとも一方の鎖に相補的である。RNAおよびDNAはともに、典型的には5’→3’方向に合成され、核酸二本鎖の2つの鎖は、該2つの鎖の5’末端が該二本鎖の反対の末端に存在するように(また、必然的に3’末端もそうなるように)整列される。鋳型は標的配列を含み、場合によっては、二次プライマー伸長産物(タグ配列またはプロモーター配列など)も含む。
「DNA依存性DNAポリメラーゼ」は、DNA鋳型から相補DNAコピーを合成する酵素である。例は、Taq DNAポリメラーゼ、PCR増幅反応用の好熱性細菌Thermus aquaticus由来の高度に熱安定性のDNAポリメラーゼ、E.coli由来のDNAポリメラーゼI、バクテリオファージT7 DNAポリメラーゼ、またはバクテリオファージT4、Phi−29、M2もしくはT5由来のDNAポリメラーゼである。DNA依存性DNAポリメラーゼは、細菌もしくはバクテリオファージから単離した天然に存在する酵素であってもよく、組換えにより発現させたものであってもよく、または一定の望ましい特性(例えば、熱安定性、または種々の修飾鋳型を認識する能力もしくは該修飾鋳型からDNA鎖を合成する能力)を有するように操作された修飾または「進化」させた形態であってもよい。既知のすべてのDNA依存性DNAポリメラーゼは、合成を開始するために相補的なプライマーが必要とされる。適当な条件下において、DNA依存性DNAポリメラーゼによりRNA鋳型から相補DNAコピーが合成され得ることがわかっている。また、RNA依存性DNAポリメラーゼ(後述)も典型的には、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する。かかるポリメラーゼの一例は、MasterAmpTMTth DNA Polymeraseであり、これは、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性とRNA依存性(すなわち逆転写酵素)DNAポリメラーゼ活性との両方を有し、PCR増幅反応とRT−PCR増幅反応との両方に使用され得る(Epicentre Biotechnologies,Madison,WI)。
「DNA依存性RNAポリメラーゼ」または「転写酵素」は、プロモーター配列(通常、二本鎖である)を有する二本鎖または部分二本鎖DNA分子から複数のRNAコピーを合成する酵素である。RNA分子(「転写物」)は5’→3’方向に合成され、プロモーターのすぐ下流の特定の位置から開始される。転写酵素の例は、E.coliならびにバクテリオファージT7、T3およびSP6由来のDNA依存性RNAポリメラーゼである。
「RNA依存性DNAポリメラーゼ」または「逆転写酵素」(「RT」)は、RNA鋳型から相補DNAコピーを合成する酵素である。また、既知のすべての逆転写酵素もDNA鋳型から相補DNAコピーを作製する能力を有する。したがって、RNA依存性でもありDNA依存性でもあるDNAポリメラーゼである。また、RTはRNAse H活性も有し得る。モロニー(Maloney)マウス白血病ウイルス由来の逆転写酵素(MMLV−RT)が好ましい。RNA鋳型およびDNA鋳型どちらの場合も、合成の開始にはプライマーが必要とされる。
本明細書で用いる場合、「選択的RNAse」は、RNA:DNA二本鎖のRNA部分を分解するが、単鎖RNA、二本鎖RNAまたはDNAは分解しない酵素である。例示的な選択的RNAseはRNAse Hである。同じまたは類似した活性を有するRNAse H以外の酵素もまた、本発明において想定される。選択的RNAseは、エンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼであり得る。ほとんどの逆転写酵素は、ポリメラーゼ活性に加えてRNAse H活性も含む。しかしながら、ポリメラーゼ活性を伴わないRNAse Hの他の供給源も利用可能である。該分解により、RNA:DNA複合体からのRNAの分離がもたらされ得る。あるいはまた、選択的RNAseは、RNAの諸部分が融解して離れるように、または酵素によってRNAの諸部分が解かれることが可能となるように、RNAを種々の位置で単に切断し得る。本発明のRNA標的配列またはRNA産物を選択的に分解する他の酵素は、当業者には容易に認識される。
センス/アンチセンス鎖(1つまたは複数):核酸合成の論考は、核酸二本鎖の2つの相補鎖を命名した用語を採用することにより、大きく単純化および明確化されている。従来より、タンパク質または構造的RNAを生成させるために使用する配列をコードする鎖が「センス(+)」鎖と指定され、その相補体が「アンチセンス(−)」鎖と指定される。現在、多くの場合で、両鎖とも機能的であり、そのため、一方を「センス」および他方を「アンチセンス」とする割り当ての指定は自由裁量となっていることが知られている。それでもなお、該用語は、核酸の配列の向きの指定に有用であり得、本明細書においてこの目的で使用している場合があり得る。
用語「特異性」は、選択的なハイブリダイゼーションおよび捕捉系との関連において、または増幅系との関連において、本明細書では、配列およびアッセイ条件に応じて標的配列と非標的配列とを識別する系の能力を表す特徴をいうために用いる。選択的な標的核酸(nucleic)ハイブリダイゼーションおよび捕捉に関して、特異性とは、本明細書において論考するように、一般的には、ハイブリダイズされ捕捉された非標的核酸および夾雑核酸の数に対するハイブリダイズされ捕捉された標的核酸の数の比をいう。核酸増幅に関しては、特異性とは、本明細書において論考するように、一般的には、副生成物の数に対する生成された特定のアンプリコンの数の比(すなわち、ノイズ対シグナル比)をいう。
用語「感度」は、本明細書において、核酸増幅反応が検出または定量され得る精度をいうために用いる。増幅反応の感度は、一般的に、増幅系において信頼性を伴って検出され得る標的核酸の最小コピー数の尺度であり、多くの場合、例えば、使用される検出アッセイ、ならびに捕捉および増幅反応の特異性(例えば、副生成物または非標的/夾雑物の増幅反応)に依存する。
「バイオプロセス」とは、本明細書で用いる場合、一般的に、生細胞またはその成分が意図的または非意図的のいずれかで存在している任意のプロセスをいう。例えば、1種類以上の試料または試料ストリームが使用され、その少なくとも1種類が生細胞もしくはその成分を含むか、または非意図的夾雑の結果としてかかる細胞もしくは成分を含むことになり得る、本質的に任意の製造プロセスまたは他のプロセスがバイオプロセスとみなされる。かかるプロセスの多くにおいて、プロセス内の生細胞またはその成分の存在および/または供給源を検出、特定および/または制御する能力があることが望ましい。本発明の組成物、キットおよび方法を使用すると、例えば、1種類以上のバイオプロセス試料またはストリーム中において、微生物もしくは他の生物学的物質またはその成分が夾雑することがわかっているかまたは夾雑すると思われるバイオプロセス由来の標的核酸の存在および/または供給源がモニタリングされ得る。また、本明細書に示した本発明の方法を使用すると、バイオプロセスの一部の特定の試料/ストリームにおいて、精製/滅菌の必要性が好都合に低減され得る。
上記のように、本発明は、一般的に、標的核酸への不活化可能型標的捕捉オリゴマーの選択的ハイブリダイゼーションのための組成物、キットおよび方法に関する。不活化可能型標的捕捉オリゴマーの活性形態は、第1の組の条件下で標的核酸に選択的にハイブリダイズする。非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーは、第2の組の条件下で不活化される。不活化可能型標的捕捉オリゴマーの不活化(in activating)により、反応混合物中に存在する任意の非標的核酸または夾雑核酸への捕捉プローブの非特異的結合が実質的に低減または排除される。さらに、不活化可能型標的捕捉オリゴマーおよび標的核酸を含むハイブリダイゼーション複合体が提供されたら、これは、例えば、相補的な第2結合ペアメンバーを含む固相支持体を提供することにより捕捉され得る。選択的にハイブリダイズされた核酸は、次いで、下流分析(核酸増幅など)に利用可能である。このように、非標的核酸および/または夾雑核酸が実質的に低減または排除され、それにより後続の分析の改善がもたらされる。例えば、下流分析が標的核酸の増幅および検出である場合、増幅反応において使用される1種類以上の試薬、試料または構成要素に存在し得る、あるいは増幅反応が行なわれる環境内に存在し得る夾雑核酸物質に起因する偽陽性増幅シグナルの低減または排除がみられる。さらに、本発明は、後続の分析反応に使用される酵素、他の試薬、実験器具、および反応環境が、偽陽性結果をもたらし得る細菌および他の核酸による夾雑を含まない状態を確保するために慣用的に必要とされるものよりも、低いストリンジェントの精製および/または無菌性についての少ない労力しか必要としないという利点を提供する。したがって、本発明の方法は、さまざまな試料(例えば、典型的には、非標的核酸および/または夾雑核酸により結果の減損がみられることがわかっているもの)の標的核酸の検出、モニタリングおよび/または定量に特に有用である。増幅反応は、核酸ポリメラーゼの存在下で伸長され得る鋳型結合プライミングオリゴヌクレオチドを必要とする本質的に任意の増幅手順であり得る。
図26および27は、標的核酸の選択的ハイブリダイゼーション(図26)および捕捉(図27)の例示的な説明図である。図27には、さらに、任意選択的な洗浄工程を示している。また、これらの図には、異種増幅オリゴマーおよび終結オリゴマーを含めて示しているが、任意選択である。そのため、これらの図26〜27の例示的な説明図は、下流増幅反応(例えば限定されないが、図1、3A〜B、5、7および9に示したもの)のためのものである。本発明の組成物、キットおよび方法は、下流増幅反応のために標的核酸をハイブリダイズおよび捕捉することに限定されない。
図26において、工程Aは、標的ハイブリダイズ領域、タグ閉鎖領域および結合ペアメンバーを含む不活化可能型標的捕捉オリゴマーを示す。不活化可能型標的捕捉オリゴマーは閉鎖された立体配置で示されている。また、工程Aには、プライマー、終結オリゴマーおよび標的核酸も示している。好ましくは(必ずしもそうでなくてもよいが)、プライマーメンバーはタグ配列(図示せず)を含み、そのため異種増幅オリゴマーである。「m」および「n」の表示は、それぞれ、これらの成分および標的核酸のコピー数を表す。次いで、工程Bにおいて、不活化可能型標的捕捉オリゴマーが活性な立体配置となるような第1の条件を得る。この第1の条件は、活性な不活化可能型標的捕捉オリゴマー、プライマーおよび終結オリゴマーが標的核酸にハイブリダイズし、プレアニーリング複合体が形成されるのに充分にストリンジェントである。ステップC。反応において形成されるプレアニーリング複合体の数は、添加された成分、標的が少ないため、および/または他の制限要因のため限定的である。ここで、形成された複合体の数を「o」表示で示す。したがって、ステップCは、ハイブリダイズされていない活性な不活化可能型標的捕捉オリゴマー、プライマーおよび終結オリゴマーがm−oの量で存在している一方で、過剰の標的核酸がn−oの量で存在していることを示し、ここで、o>mの場合、量は0であり、o>nの場合、量は0である。当業者には、かかる反応液が過剰の成分または標的を有することがあり得ることは理解される。次に、あらゆる非ハイブリダイズ不活化可能型標的捕捉オリゴマーを不活化し、それにより、非標的核酸または夾雑核酸にハイブリダイズする能力を実質的に低減または排除するための第2の組の条件を得る;ステップD。プライマーオリゴマーを含み、該プライマーオリゴマーが異種増幅オリゴマーである反応液では、このような第2の条件下で同様の不活化事象が起こり得る。
図27は、相補的な第2結合ペアメンバーを含む固相支持体の添加を示す;ステップA。当業者には、第2結合ペアメンバーを含む固相支持体を用いた核酸の捕捉が理解される。好ましい実施形態において、固相支持体は、不活化可能型標的捕捉オリゴマーの結合ペアメンバーに相補的な実質的にホモポリマーの結合ペアメンバーを含む磁気ビーズである。ステップBでは、図26のステップDで形成されたプレアニーリング複合体が、さらに、第2の結合ペアメンバーを含む固相支持体と複合体を形成する。好ましくは、この時点で、不活性な不活化可能型標的捕捉オリゴマー、非ハイブリダイズプライマーおよび終結オリゴマーおよびあらゆる非ハイブリダイズ標的核酸は、捕捉された複合体から一連の洗浄およびすすぎ工程において除去される。さらに、反応混合物中の任意の非標的核酸または夾雑核酸は、反応液から洗浄/すすぎ工程によって除去される。したがって、Cに、不活化された不活化可能型標的捕捉オリゴマー、非ハイブリダイズプライマーおよび終結オリゴマーおよびあらゆる非ハイブリダイズ標的核酸から単離した捕捉された複合体を示す。次いで、捕捉された標的核酸は下流手順において使用される。図26および27に示した例では、捕捉された標的核酸は増幅反応のための成分を含む。したがって、図示した捕捉された標的核酸は、例えば、図1、3A、5、7または9のいずれか1つの工程1へと溶出され得る。あるいはまた、ポリメラーゼが図27のステップの1つにおいて添加され、標的核酸の相補的なコピーが合成され、それにより、標的に相補的であり、かつプライマーメンバーの配列が組み込まれた核酸鎖が得られ得る。該プライマーメンバーが異種増幅オリゴマーである実施形態では、さらに、タグ配列が新生配列内に組み込まれる。このような場合、捕捉された標的核酸およびタグ配列を含む相補鎖は、例えば、図1のステップ3、図3Aのステップ3、図5のステップ5、図7のステップ5、または図9のステップ3へと溶出され得る。かかるものは単なる例示であり、本発明を限定しない。
本明細書を入手した当業者には、本発明の組成物、キットおよび方法は、増幅反応である下流分析に限定されないことが理解される。また、さらに、下流分析が増幅反応である場合、本発明は、本明細書において図示および例示した反応の型および工程の順序に限定されない。以下に、さらに、例示的な下流増幅反応の一例を示す。
図1は、逆転写媒介性増幅(rTMA)(その種々の態様は、Beckerら、米国特許出願公開U.S.2006−0046265 A1に開示されている)として知られている等温型の転写による増幅反応の適合例を示す。具体例となるこの実施形態の反応は、核酸試料中のRNA標的配列が、タグ化プライミングオリゴヌクレオチド(異種増幅オリゴマーとも称する)と終結オリゴヌクレオチドとの両方で処理されることにより開始される。タグ化プライミングオリゴヌクレオチドは、標的配列の3’末端にハイブリダイズする標的ハイブリダイズ配列と、標的ハイブリダイズ配列の5’側に配置されたタグ配列(tag sequence)(タグ配列(tags sequence)とも称する)とを含む。終結オリゴヌクレオチドは標的配列を含む標的核酸に、標的配列の5’末端付近でハイブリダイズする。終結オリゴヌクレオチドは、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドを含む新生核酸のプライマー伸長を終結させるために使用される。したがって、標的核酸は、プライマー伸長反応が開始される前に、標的配列の3’末端においてタグ化プライミングオリゴヌクレオチドと、および標的配列の5’末端に隣接して、またはその近傍に配置された終結オリゴヌクレオチドと安定な複合体を形成する。図1,ステップ1参照。非ハイブリダイズタグ化プライミングオリゴヌクレオチドは、好ましくは、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドによるプライマー伸長反応が開始される前に、好ましくは、非ハイブリダイズタグ化プライミングオリゴヌクレオチドが核酸試料から不活化および/または除去されることにより、標的配列へのハイブリダイゼーションに利用不可能となる。次いで、DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)によるハイブリダイズされたタグ化プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端からの伸長反応が開始され、タグ配列と標的配列に相補的な領域とを含む第1のDNAプライマー伸長産物が生成される。図1,ステップ2および3参照。次いで、第1のDNAプライマー伸長産物は標的配列から、標的配列を選択的に分解する酵素(例えば、RNAse H活性)を用いて分離される。図1,ステップ4参照。
次に、第1のDNAプライマー伸長産物を、ハイブリダイズ配列とハイブリダイズ配列の5’側に配置されたRNAポリメラーゼのためのプロモーターとを有するプロモーターオリゴヌクレオチドで処理する。ハイブリダイズ配列は、標的配列の3’末端に相補的な第1のDNAプライマー伸長産物の領域にハイブリダイズし、それにより、プロモーターオリゴヌクレオチド:第1のDNAプライマー伸長産物ハイブリッドが形成される。図示した反応では、プロモーターオリゴヌクレオチドは、好ましくは、ブロック部分をプロモーターオリゴヌクレオチドの3’末端に配置することにより(例えば、3’→5’の向きを有するヌクレオチド配列)、DNA合成の開始が抑制されるように修飾されている。図1,ステップ5参照。第1のDNAプライマー伸長産物の3’末端は、好ましくは、プロモーターに相補的な配列が付加され、二本鎖プロモーター配列の形成がもたらされるように伸長させる。図1,ステップ6および7参照。次いで、第1のDNAプライマー伸長産物の少なくとも一部分に相補的で、プロモーター部分を含まない第1のRNA産物の複数コピーが、該二本鎖プロモーターを認識し、該二本鎖プロモーターからの転写を開始させるRNAポリメラーゼを用いて転写される。図1,ステップ8および9参照。その結果、第1のRNA産物の塩基配列は、標的配列の塩基配列および工程1〜3で異種増幅オリゴマーによってもたらされるタグ配列の相補体と実質的に同一である。
異種増幅オリゴマーを使用する増幅反応では、後続の増幅ラウンドにおいて、タグ配列にハイブリダイズする増幅オリゴマーを含めることにより、この組込みタグ配列を利用することができる。タグ配列は、標的核酸配列ならびに非標的核酸および夾雑核酸と思われる核酸配列を含む反応ミックスの核酸環境と比べて特殊な核酸配列であるため、後続の増幅ラウンドは、標的核酸配列に対して実質的に限定または排他的である。図1において、第1のRNA産物は、タグ配列の相補体にハイブリダイズしてプライミングオリゴヌクレオチド:第1のRNA産物ハイブリッドを形成するプライミングオリゴヌクレオチドで処理され、プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端はDNAポリメラーゼによって伸長され、第1のRNA産物に相補的な第2のDNAプライマー伸長産物が生成される。図1,ステップ10〜12参照。次いで、第2のDNAプライマー伸長産物は第1のRNA産物から、第1のRNA産物を選択的に分解する酵素(例えば、RNAse H活性)を用いて分離される。図1,ステップ13参照。
第2のDNAプライマー伸長産物は、第2のDNAプライマー伸長産物の3’末端にハイブリダイズしてプロモーターオリゴヌクレオチド:第2のDNAプライマー伸長産物ハイブリッドを形成するプロモーターオリゴヌクレオチドで処理される。図1,ステップ14参照。プロモーターオリゴヌクレオチド:第2のDNAプライマー伸長産物ハイブリッドは、次いで、図1のステップ6において再び増幅サイクルに参与し、二本鎖プロモーターからの転写が開始され、サイクルが継続される。
図3A〜Bは、転写媒介性増幅(TMA)(その種々の態様は、Kacianら、米国特許第5,399,491号および同第5,824,518号に開示されている)と称される等温型の転写による増幅反応の適合例を示す。具体例となるこの実施形態の反応は、核酸試料中のRNA標的配列が、プロモーター領域を含む異種増幅オリゴマー(すなわち、タグ化プロモーターオリゴヌクレオチド)で処理されることにより開始される。したがって、タグ化プロモーターオリゴヌクレオチドは、タグ配列、標的ハイブリダイズ配列、およびRNAポリメラーゼのためのプロモーター配列を含み、該標的ハイブリダイズ配列は、標的配列の3’末端にハイブリダイズする。標的配列は、プライマー伸長反応が開始される前に、標的配列の3’末端においてタグ化プロモーターオリゴヌクレオチドと安定な複合体を形成する。図3A,ステップ1参照。プロモーター配列はタグ配列の5’側に配置され、タグ配列は標的ハイブリダイズ配列の5’側に配置される。非ハイブリダイズタグ化プロモーターオリゴヌクレオチドは、好ましくは、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドによるプライマー伸長反応が開始される前に、好ましくは、非ハイブリダイズタグ化プライミングオリゴヌクレオチドが核酸試料から不活化および/または除去されることにより、標的配列へのハイブリダイゼーションに利用不可能となる。次いで、DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)によるタグ化プロモーターオリゴヌクレオチドの3’末端からの伸長反応が開始され、タグとプロモーターの配列および標的配列に相補的な領域を含む第1のDNAプライマー伸長産物が生成される。図1,ステップ2および3参照。次いで、第1のDNAプライマー伸長産物は、ハイブリダイズしている標的配列から、第1のDNAプライマー伸長産物にハイブリダイズされた標的配列部分を選択的に分解する酵素(例えば、RNAse H活性)を用いて分離される。図3A,ステップ4参照。
次に、第1のDNAプライマー伸長産物を、標的配列の5’末端に相補的な第1のDNAプライマー伸長産物の領域にハイブリダイズし、それによりプライミングオリゴヌクレオチド:第1のDNAプライマー伸長産物ハイブリッドを形成するプライミングオリゴヌクレオチドで処理する。図3A,ステップ5参照。プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端はDNAポリメラーゼによって伸長され、第1のDNAプライマー伸長産物の少なくとも一部分に相補的で、かつ二本鎖プロモーター配列を含む第2のDNAプライマー伸長産物が生成される。図3A,ステップ6および7参照。この第2のDNAプライマー伸長産物は、該二本鎖プロモーターを認識し、該二本鎖プロモーターからの転写を開始させるRNAポリメラーゼを用いて、第2のDNAプライマー伸長産物に相補的だがプロモーター部分を含まない第1のRNA産物の複数コピーの転写を行なうための鋳型として使用される。図3A〜B,ステップ8および9参照。第1のRNA産物の塩基配列は、標的配列の相補体の塩基配列およびタグ配列と実質的に同一であり、それにより、後続の増幅オリゴマーが結合するためのタグ配列が提供される。
第1のRNA産物はプライミングオリゴヌクレオチドで処理され、プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端はDNAポリメラーゼによって伸長され、第1のRNA産物に相補的な第3のDNAプライマー伸長産物が生成される。図3B,ステップ10〜12参照。次いで、第3のDNAプライマー伸長産物は第1のRNA産物から、第1のRNA産物を選択的に分解する酵素(例えば、RNAse H活性)を用いて分離される。図3B,ステップ13参照。第3のDNAプライマー伸長産物を、タグ配列の相補体に第3のDNAプライマー伸長産物の3’末端においてハイブリダイズし、さらに、5’側に配置されたRNAポリメラーゼのためのプロモーターを含むハイブリダイズ配列を有するプロモーターオリゴヌクレオチドで処理する。図3B,ステップ14参照。第3のDNAプライマー伸長産物の3’末端は、プロモーター配列に相補的な配列が付加されるように伸長させる。図3B,ステップ15参照。プロモーターオリゴヌクレオチドの3’末端はDNAポリメラーゼによって伸長され、第3のDNAプライマー伸長産物に相補的な第4のDNAプライマー伸長産物が生成される。図3B,ステップ16参照。第3のDNAプライマー伸長産物に相補的で、プロモーター部分を含まない第2のRNA産物の複数コピーが、該二本鎖プロモーターから転写され、図3Bのステップ9において再び増幅サイクルに参与する。第2のRNA産物の塩基配列は、タグ配列の塩基配列および標的配列の相補体と実質的に同一である。
図5は、DNA標的配列を増幅するためのrTMA増幅反応(その種々の態様は、Beckerら、米国特許出願公開U.S.2007−0202523A1に開示されている)の適合例を示す。具体例となるこの実施形態の反応は、核酸試料中のDNA標的配列が、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドおよび終結オリゴヌクレオチドで処理されることにより開始される。タグ化プライミングオリゴヌクレオチドは、標的配列の3’末端にハイブリダイズされる標的ハイブリダイズ配列と、標的ハイブリダイズ配列の5’側に配置されたタグ配列とを含む。標的ハイブリダイズ配列は、好ましくは単鎖形態の標的配列にハイブリダイズするものであるが、鎖侵入(これは、例えば、DNAブリージング(例えば、ATリッチ領域)、低塩条件ならびに/またはDMSOおよび/もしくは浸透圧調整物質(ベタインなど)の使用によって助長され得る)によって標的配列の二本鎖形態にハイブリダイズするものであってもよい。標的配列は、好ましくは、核酸試料の加熱によって単鎖にする。終結オリゴヌクレオチドは、標的配列を含む標的核酸の領域に、標的配列の5’末端付近でハイブリダイズする。終結オリゴヌクレオチドは、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドを含む新生核酸のプライマー伸長を終結させるために使用される。したがって、標的核酸は、標的配列の3’末端においてタグ化プライミングオリゴヌクレオチドと、および標的配列の5’末端に隣接して、またはその近傍に配置された終結オリゴヌクレオチドと安定な複合体を形成する。図5,ステップ1〜3参照。非ハイブリダイズタグ化プライミングオリゴヌクレオチドは、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドによるプライマー伸長反応が開始される前に、標的配列へのハイブリダイゼーションに利用不可能となる。次いで、DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)によるタグ化プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端からの伸長反応が開始され、タグ配列と標的配列に相補的な領域とを含む第1のDNAプライマー伸長産物が生成される。図5,ステップ4および5参照。
核酸試料は、さらにディスプレーサーオリゴヌクレオチドで処理される。ディスプレーサーオリゴヌクレオチドはタグ化オリゴヌクレオチド上流の標的核酸に、プライマー伸長反応がそこから開始される得るようにハイブリダイズし、その結果、DNAポリメラーゼによってディスプレーサーオリゴヌクレオチドの3’末端が伸長されると、第1のDNAプライマー伸長産物が剥離される。図5,ステップ6〜8参照。図示した工程の順序は、この実施形態の核酸試料を、ディスプレーサーオリゴヌクレオチドで処理して作動性にする前に、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドで処理しなければならないことの示唆を意図しない。一部の特定の実施形態では、これらの2種類のオリゴヌクレオチドを、標的核酸に実質的に同時にハイブリダイズさせることが好ましい。
次に、第1のDNAプライマー伸長産物を、ハイブリダイズ配列とハイブリダイズ配列の5’側に配置されたRNAポリメラーゼのためのプロモーターとを有するプロモーターオリゴヌクレオチドで処理する。ハイブリダイズ配列は、標的配列の3’末端に相補的な第1のDNAプライマー伸長産物の領域にハイブリダイズし、それにより、プロモーターオリゴヌクレオチド:第1のDNAプライマー伸長産物ハイブリッドが形成される。図示した反応では、プロモーターオリゴヌクレオチドは、ブロック部分をプロモーターオリゴヌクレオチドの3’末端に配置することにより(例えば、3’→5’の向きを有するヌクレオチド配列)、DNA合成の開始が抑制されるように修飾されている。図5,ステップ9参照。第1のDNAプライマー伸長産物の3’末端は、プロモーターに相補的な配列が付加され、二本鎖プロモーター配列の形成がもたらされるように伸長させる。図5,ステップ10および11参照。第1のDNAプライマー伸長産物の少なくとも一部分に相補的だが、プロモーターを含まない第1のRNA産物の複数コピーは、該二本鎖プロモーターを認識し、該二本鎖プロモーターからの転写を開始させるRNAポリメラーゼを用いて転写される。図5,ステップ12および13参照。その結果、第1のRNA産物の塩基配列は、標的配列およびタグ配列の相補体に実質的に同一である。
第1のRNA産物が、タグ配列の相補体にハイブリダイズしてプライミングオリゴヌクレオチド:第1のRNA産物ハイブリッドを形成するプライミングオリゴヌクレオチドと接触すると、プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端がDNAポリメラーゼによって伸長され、第1のRNA産物に相補的な第2のDNAプライマー伸長産物が生成される。図5,ステップ14〜16参照。第2のDNAプライマー伸長産物は第1のRNA産物から、第1のRNA産物を選択的に分解する酵素(例えば、RNAse H活性)を用いて分離される。図5,ステップ17参照。第2のDNAプライマー伸長産物はプロモーターオリゴヌクレオチドで処理され、プロモーターオリゴヌクレオチド:第2のDNAプライマー伸長産物ハイブリッドが形成される。図5,ステップ18参照。次いで、プロモーターオリゴヌクレオチド:第2のプライマー伸長産物ハイブリッドは、図5ステップ10において再び増幅サイクルに参与し、二本鎖プロモーターからの転写が開始され、サイクルが継続される。
図7は、PCRの適合例を示す。具体例となるこの実施形態の反応は、核酸試料中の変性されたDNA標的配列が、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドで処理されることにより開始される。タグ化プライミングオリゴヌクレオチドは、標的配列の3’末端にハイブリダイズする標的ハイブリダイズ配列と、標的ハイブリダイズ配列の5’側に配置されたタグ配列とを含む。したがって、標的配列は、プライマー伸長反応が開始される前に、標的配列の3’末端において、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドと安定な複合体を形成する。図7,ステップ1〜3参照。次いで、非ハイブリダイズタグ化プライミングオリゴヌクレオチドは、標的配列へのハイブリダイゼーションに利用不可能なとなる。DNAポリメラーゼ(例えば、Taq DNAポリメラーゼ)によるタグ化プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端からの伸長反応が開始され、タグ配列と標的配列に相補的な領域とを含む第1のDNAプライマー伸長産物が生成される。図7,ステップ4および5参照。次に、第1のプライマー伸長反応により生じた二本鎖生成物が変性され、第1のDNAプライマー伸長産物が、標的配列の5’末端に相補的な第1のDNAプライマー伸長産物の領域にハイブリダイズする第1のプライミングオリゴヌクレオチドと接触する。図7,ステップ6および7参照。
第2のプライマー伸長反応では、第1のプライミングオリゴヌクレオチドの3’末端がDNAポリメラーゼにより伸長され、第1のプライマー伸長産物の一部分に相補的で、標的配列とタグ配列の相補体とを含む第2のDNAプライマー伸長産物が生成される。図7,ステップ8および9参照。第2のプライマー伸長反応により生じた二本鎖生成物が変性され、第2のDNAプライマー伸長産物が、タグ配列の相補体にハイブリダイズする第2のプライミングオリゴヌクレオチドと接触する。図7,ステップ10および11参照。次いで、第2のプライミングオリゴヌクレオチドの3’末端が、第3のプライマー伸長反応において、DNAポリメラーゼによって伸長され、第2のDNAプライマー伸長産物に相補的な第3のDNAプライマー伸長産物が生成される。図7,ステップ12および13。第3のプライマー伸長反応により生じた二本鎖生成物が変性され、第2および第3のDNAプライマー伸長産物は、プライマーとして第1および第2のプライミングオリゴヌクレオチドが使用されるポリメラーゼ連鎖反応の反復サイクルへの参与に利用可能である。図7,ステップ14〜16参照。
図9は、RT−PCRの適合例を示す。具体例となるこの実施形態の反応は、核酸試料中のRNA標的配列がタグ化プライミングオリゴヌクレオチドで処理されることにより開始される。タグ化プライミングオリゴヌクレオチドは、標的ハイブリダイズ配列と、標的ハイブリダイズ配列の5’側に配置されたタグ配列とを含む。したがって、標的配列は、プライマー伸長反応が開始される前に、標的配列の3’末端において、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドと安定な複合体を形成する。図9,ステップ1参照。非ハイブリダイズタグ化プライミングオリゴヌクレオチドは、標的配列へのハイブリダイゼーションに利用不可能となる。次いで、DNAポリメラーゼ(例えば、MasterAmpTMTth DNA Polymerase)によるタグ化プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端からの伸長反応が開始され、タグ配列と標的配列に相補的な領域とを含む第1のDNAプライマー伸長産物が生成される。図9,ステップ2および3参照。次いで、第1のDNAプライマー伸長産物は、ハイブリダイズしている標的核酸配列から、第1のDNAプライマー伸長産物に相補的な標的配列を含む標的核酸部分を選択的に分解する酵素(例えば、RNAse H活性)を用いて分離される。図9,ステップ4参照。次に、第1のDNAプライマー伸長産物は、標的配列の5’末端に相補的な第1のDNAプライマー伸長産物の領域にハイブリダイズし、第1のDNAプライマー伸長産物:第1のプライミングオリゴヌクレオチドハイブリッドを形成する第1のプライミングオリゴヌクレオチドで処理される。図9,ステップ5参照。第2のプライマー伸長反応により、第1のプライミングオリゴヌクレオチドの3’末端がDNAポリメラーゼにより伸長され、第1のプライマー伸長産物の少なくとも一部分に相補的で、標的配列とタグ配列の相補体とを含む第2のプライマーDNA伸長産物が生成される。図9,ステップ6および7参照。次いで、第1および第2のDNAプライマー伸長産物は、変性によって互いに分離される。図9,ステップ8参照。次いで、第1および第2の伸長産物は、プライマーとして第1のプライミングオリゴヌクレオチドと、タグ配列の相補体にハイブリダイズする第2のプライミングオリゴヌクレオチドとが使用されるポリメラーゼ連鎖反応の反復サイクルにおける参与に利用可能である。図9,ステップ9および10;図7,ステップ13〜16参照。
好ましくは、このような増幅反応では、タグ化された標的核酸配列の一部を形成しなかった異種増幅オリゴマーは、タグ化された標的核酸配列を、標的核酸配列の検出可能な増幅に充分な試薬および条件に曝露する前に不活化する。
本明細書に記載の方法に加え、本発明は、本発明の方法を実施するために必要とされる試薬の1種類以上を含むキットに関する。本発明の実施に使用される種々の成分を含むキットが、核酸標的分子の増幅が必要とされる任意の手順における使用のために構成され得、かかるキットは、種々の異なるエンドユーザーに対してカスタマイズされ得る。例えば、微生物学的分析、血液スクリーニング、疾患診断、水試験、産生物放出または滅菌試験、環境分析または工業分析、食物または飲料の試験、あるいは一般的な研究用途に好適なキットが調製され得る。本発明のキットは、本発明による核酸増幅を実施するに必要な成分の1種類以上を提供する。キットには、特定の1種類の標的に由来する核酸の増幅に適した試薬を含めてもよく、多種類の標的の増幅に適した試薬を含めてもよい。さらに、本発明のキットは、単一の試料中の1種類以上の核酸標的のリアルタイム検出のための試薬(例えば、上記の1種類以上の自己ハイブリダイズプローブ)を提供するものであってもよい。キットに、1つ以上の容器(バイアル、試験管、ウェルなど)を厳重に密封された状態で受容するための区画化され得るキャリアを含めてもよい。好ましくは、かかる容器の少なくとも1つに、本発明の増幅方法を行なうために必要とされる1種類以上の成分または成分の混合物が収容される。
本発明の一実施形態によるキットは、例えば1つ以上の容器内に、本発明の不活化可能型標的捕捉オリゴマーを含むものであり得る。任意選択で、キットにさらに、異種増幅オリゴマー、結合分子またはプライマー伸長反応を終結させるための他の手段、ならびに任意選択で、エクステンダー(extender)オリゴヌクレオチドおよび/またはキャッピングオリゴヌクレオチドを含めてもよい。リアルタイム検出が使用される場合、該1つ以上の容器には、単一の試料中の少なくとも1種類の核酸標的配列のリアルタイム検出のための1種類以上の試薬(例えば、上記の1種類以上の自己ハイブリダイズプローブ)が収容され得る。別の容器には、PCRもしくはRT−PCR反応を行なうための酵素試薬(熱安定性DNAポリメラーゼなど)、または逆転写酵素(RNAse H活性を有するもの、または有しないものいずれか)、RNAポリメラーゼ、および任意選択的に、転写による増幅反応のためのさらなる選択的RNAse酵素の混合物が収容され得る。このような酵素は、濃縮形態または作業濃度で、通常、酵素安定性が促進される形態で提供され得る。また、酵素試薬を凍結乾燥形態で提供してもよい。Shenら、“Stabilized Enzyme Compositions for Nucleic Acid Amplification”、米国特許第5,834,254号参照。別の1つ以上の容器には、濃縮形態(例えば、10倍、50倍もしくは100倍)または作業濃度の増幅試薬が収容され得る。増幅試薬には、増幅反応の実施に必要な成分の1種類以上(例えば、バッファー、MgCl、KCl、dNTP、rNTP、EDTA、安定化剤など)が含まれる。一部の該成分(例えば、MgClおよびrNTP)は、その他の成分とは別個に提供し、エンドユーザーが、より最適化された増幅反応が達成されるようにこのような試薬の量を調節(titrate)できるようにしてもよい。別の1つ以上の容器には、増幅産物の検出のための試薬(例えば、1種類以上の標識オリゴヌクレオチドプローブ)が内包され得る。プローブは、多数の代替的な様式(例えば、放射性同位体、蛍光標識、化学発光標識、核酸(nuclear)タグ、生物発光標識、インターカレーション色素または酵素標識)で標識され得る。一部の実施形態において、本発明のキットには、エンドユーザーによって行なわれる試験増幅を確認するために増幅実験で使用され得る1種類以上の陽性対照および陰性対照の標的核酸が収容された1つ以上の容器も含まれる。場合によっては、上記の試薬の1種類以上を、内部対照と組み合わせてもよい。もちろん、このような試薬の1種類以上を単一のチューブまたは他の容器内で合わせることも可能である。本発明での使用に適した担持体(例えば、試験管、マルチチューブユニット、マルチウェルプレートなど)もまた、本発明のキットとともに供給され得る。最後に、本発明のキットに1冊以上の使用説明マニュアルを含めてもよい。
本発明のキットは、事実上、上記または本明細書の他の個所に記載の成分の任意の組合せを含むものであり得る。当業者によって認識されるように、本発明のキットとともに供給される成分は、意図されるキットの用途および対象エンドユーザーに応じて異なる。したがって、キットは、本出願書類に示した種々の機能が発揮されるように特異的に設計され得、それに応じて、かかるキットの成分も異なる。
本発明は、さらに、種々のオリゴヌクレオチド(例えば、以下に例示する標的特異的オリゴヌクレオチドなど)に関する。本発明のオリゴヌクレオチドは、DNA、RNA、DNA:RNAキメラおよびその類似体であり得、いずれの場合も、本発明には、DNAオリゴヌクレオチドのRNA対応物およびRNAオリゴヌクレオチドのDNA対応物が含まれることが理解されるべきである。
本発明の検出プローブは、例えば、アクリジニウムエステル標識、または標的配列にハイブリダイズする配列に隣接する標識された自己ハイブリダイズ領域を含むものであり得る。種々の実施形態において、このような標識オリゴヌクレオチドプローブは任意選択的に、または好ましくは、少なくとも1つの修飾ヌクレオチド(例えば、2’−O−MEリボヌクレオチド)を含むように合成されたものであるか、あるいは、このような標識オリゴヌクレオチドプローブは任意選択的に、または好ましくは、完全に修飾ヌクレオチド(例えば、2’−O−MEリボヌクレオチド)で合成されたものである。
当業者には、本明細書に記載の方法、組成物、反応混合物およびキットに対する他の適当な変形および適合が、当業者に既知の情報に鑑みて本明細書に記載した本発明の説明から容易に認識されること、ならびに該変形および適合が本発明の範囲またはその任意の実施形態から逸脱することなく行なわれ得ることが理解されるべきでる。ここまで本発明を詳細に説明してきたが、以下の実施例を参照することによって、本発明がより明確に理解される。実施例は、本明細書において例示の目的のためだけに含めており、本発明の制限を意図しない。
(実施例)
以下に、本発明の一部の特定の態様および実施形態を示す実施例を示す。以下の実施例は、実際に行なった実験の詳細を正確に反映していると考えるものであるが、実際に行なった作業と、以下に示す実験の詳細との間に、実験の結果または当業者が行なう能力に影響しないいくつかの軽微な矛盾が存在し得ることが考えられる。当業者には、これらの実施例が、本発明を該実施例に記載の特定の実施形態に限定することを意図するものではないことが認識される。また、当業者は、本明細書に記載の手法、材料および方法を用いて、これらの方法およびなお本発明の精神および範囲内である関連方法を実施するための代替的な増幅系を容易に考案および最適化し得る。
特に記載のない限り、以下の実施例におけるオリゴヌクレオチドおよび修飾オリゴヌクレオチドは、標準的なホスホラミダイト化学反応を用いて合成し、その種々の方法が当該技術分野でよく知られている。例えば、ExpediteTM8909 DNA Synthesizer(PerSeptive Biosystems,Framingham,MA)が使用される。例えば、Carruthersら(1987)Meth.Enzymol.154,287参照。本明細書において特に記載のない限り、修飾ヌクレオチドは2’−O−MEリボヌクレオチドであり、これを、合成においてホスホラミダイト類似体として使用した。実施した実験で用いた試薬およびプロトコル条件、ならびに実験の結果と結論の考察を以下に示す。ブロック部分は、存在させる場合は3’末端である。
(実施例1)
(標的核酸の選択的なハイブリダイゼーションおよび捕捉)
第1の例では、標的捕捉を線状の標的捕捉オリゴマーおよび不活化可能型標的捕捉オリゴマーを用いて行なった。該オリゴマーを以下の表1に示す。標的核酸は、P.acnes 16Sリボソーム核酸とした。この標的核酸の配列は、GenBank Accession番号:AB042288.1 gi:7707831(2000年5月5日にNCBIにおいて最初に見られ、非配列は、2002年7月22日、2004年1月14日および2006年8月9日に更新されている)に見られ、また、本配列表の配列番号:38である。これらの標的捕捉オリゴマーの効率を調べるため、捕捉された核酸を、後続のリアルタイム逆TMA反応(例えば、米国特許第5,480,784号および同第5,399,491号を参照)においてアッセイした。簡単には、一連のプレアニーリング混合物を150μLの容量で、0.5MのLiCl溶解バッファー、線状標的捕捉オリゴマーまたは不活化可能型標的捕捉オリゴマー(それぞれ配列番号:32または26)の一方(各々、6pM/rxn);非T7プライマー増幅オリゴマー(配列番号:39)(2pm/rxn);および終結オリゴマー(配列番号:37)(2pM/rxn)を含むように作製した。ここで、終結オリゴマーは2’−O−Me残基を含み、線状標的捕捉オリゴマーおよび不活化可能型標的捕捉オリゴマーはともに、2’−O−Me残基を含む標的ハイブリダイゼーション領域を含むものであった。短時間の最初のインキュベーション後、1×10コピーの配列番号:38を一部のウェルに陽性対照として添加し、残りの反応ウェルには、陰性対照およびチャレンジ(challenge)反応のために反応液あたり0コピーの配列番号:38を含めた。次いで、反応液を約60℃で約45分間インキュベートした後、室温で45分間冷却した。次いで、各反応液を、固定化プローブを含む磁気ビーズを含む50μLの標的捕捉試薬を入れたマイクロプレートに移した。チャレンジ反応と指定した反応液用の標的捕捉試薬を、1×10コピーまたは1×10コピーいずれかの配列番号:38でスパイクした。各条件に対して6連で実施した。
標的捕捉プロトコルは、本質的に以下のとおりにして行なった。標的捕捉反応液をゆっくりと約5分間混合し、次いで、ビーズを収集し、第1の洗浄反応液に移した。捕捉されたビーズを第1の洗浄反応液中に溶出し、ゆっくりと約5分間混合し、捕捉し、第2の洗浄反応液中に溶出した。第2の洗浄反応液を混合し;ビーズを捕捉し、次いで、リアルタイムTMA反応ミックス中に溶出した。この増幅ミックスは、T7プロモーター供与体(配列番号:33)、検出プローブ(配列番号:35)および配列番号:39のタグ配列とハイブリダイズする非T7増幅オリゴマー(配列番号:34)を含むものであった。この例では、検出プローブは、2’−O−Me残基、5’フルオレセイン、3’Dabcylおよび第18残基と第19残基との間のスペーサーを含むものであった。反応混合物の成分および条件ならびにインキュベーション条件は、当該技術分野で知られている。増幅反応はリアルタイムRTMA反応とした:プレインキュベーションはサーモミキサー(Eppendorfカタログ番号5355 34511)において42℃で5分間;10の酵素試薬を添加;1分間振盪;および42℃でインキュベート。結果は以下のとおりである。
Figure 2011520450
Figure 2011520450
線状の標的捕捉オリゴ(配列番号:32)を用いた結果は、1×10コピーの配列番号:38/反応液のすべての陽性対照反応液で陽性で堅調であり、平均T時間=19.1分であった。6つの陰性試料のうち2つで弱い陽性結果が得られた。標的捕捉インキュベーション工程において1×10コピー/反応液のP.acnes RNAでチャレンジした6つの陰性試料ではすべて、陽性で堅調な結果が得られ、標的捕捉インキュベーション工程において1×10コピー/反応液のP.acnes RNAでチャレンジした6つの陰性試料もすべてそうであった。したがって、線状の標的捕捉オリゴは、標的捕捉工程において存在する夾雑核酸に対して非常に感受性であった。不活化可能型標的捕捉オリゴマーでの結果は、1×10コピーのP.acnesで陽性で堅調な結果が得られた(平均T時間=19.5分)。6つの陰性試料では、陽性増幅(amp)活性は検出されなかった。この場合も、1×10コピー/反応液のP.acnes RNAでチャレンジした6つの陰性試料すべておよび、1×10コピー/反応液でチャレンジした6つの陰性試料すべてが陽性であった。しかしながら、チャレンジ反応の結果は、不活化可能型標的捕捉オリゴマーの存在下では、線状標的捕捉オリゴマーの存在下ほど堅調ではなかった。したがって、不活化可能型標的捕捉オリゴマーの反応ウェルでは、標的捕捉試薬中の夾雑核酸が、夾雑核酸が標的核酸と同一である場合であっても、線状の増幅オリゴマーの反応ウェルでよりも良好に驚くほど充分識別された。
(実施例2)
(標的核酸の選択的なハイブリダイゼーションおよび捕捉ならびに異種増幅オリゴマーを用いた増幅)
不活化可能型標的捕捉オリゴマーの使用を線状標的捕捉オリゴマーの使用と比較するための第2の組の実験を行なった。各使用は、異種増幅オリゴマーを使用する下流増幅アッセイを伴った。異種増幅オリゴマーを使用する増幅アッセイは、本明細書に記載しており、また、当該技術分野でも知られている(例えば、Beckerら、米国特許出願公開第2007−0281317 A1号)。プレアニーリング反応液は、おおむね実施例1に関して上に記載したとおりに設定した。プレアニーリング混合物に使用するオリゴマーは、線状標的捕捉オリゴマーまたは不活化可能型標的捕捉オリゴマー(それぞれ配列番号:32または26)の一方(各々、6pM/rxn);異種増幅オリゴマー(配列番号:36(2pm/rxn));および終結オリゴマー(配列番号:37(2pM/rxn))とした。短時間の最初のインキュベーション後、1×10コピーの配列番号:38を一部のウェルに陽性対照として添加し、残りの反応ウェルには、陰性対照およびチャレンジ反応のために反応液あたり0コピーの配列番号:38を含めた。次いで、反応液を約60℃で約45分間インキュベートした後、室温で45分間冷却した。次いで、各反応液を、固定化プローブを含む磁気ビーズを含む50μLの標的捕捉試薬を入れたマイクロプレートに移した。チャレンジ反応と指定した反応液用の標的捕捉試薬を、1×10コピーまたは1×10コピーいずれかの配列番号:38でスパイクした。各条件に対して6連で実施した。
標的捕捉プロトコルは、本質的に以下のとおりにして行なった。標的捕捉反応液をゆっくりと約5分間混合し、次いで、ビーズを収集し、第1の洗浄反応液に移した。捕捉されたビーズを第1の洗浄反応液中に溶出し、ゆっくりと約5分間混合し、捕捉し、第2の洗浄反応液中に溶出した。第2の洗浄反応液を混合し;ビーズを捕捉し、次いで、リアルタイムTMA反応ミックス中に溶出した。この増幅ミックスは、T7プロモーター供与体(配列番号:33)、配列番号:36のタグ配列に安定的にハイブリダイズする標的ハイブリダイズ領域を含む増幅オリゴマー(配列番号:34である)、および検出プローブ(配列番号:35)を含むものであった。反応混合物の成分および条件ならびにインキュベーション条件は、当該技術分野で知られている。増幅反応はリアルタイムRTMA反応とした:プレインキュベーションはサーモミキサー(Eppendorfカタログ番号5355 34511)において42℃で5分間;10の酵素試薬を添加;1分間振盪;および42℃でインキュベート。結果は以下のとおりである。
Figure 2011520450
Figure 2011520450
異種増幅オリゴマー(配列番号:36)を線状の標的捕捉オリゴ(配列番号:32)とともに用いた結果は、1×10コピーの配列番号:38/反応液のすべての陽性対照反応で陽性で堅調であり、平均T時間=22.4分であった。6つの陰性試料では陽性増幅活性は検出されなかった。標的捕捉インキュベーション工程において1×10コピー/反応液のP.acnes RNAでチャレンジした6つの陰性試料のうち5つでは、弱い陽性増幅結果が得られた。標的捕捉インキュベーション工程において1×10コピー/反応液のP.acnes RNAでチャレンジした6つの陰性試料ではすべて、陽性増幅がもたらされた。
異種増幅オリゴマー(配列番号:36)を不活化可能型標的捕捉オリゴ(配列番号:26)とともに用いた結果は、1×10コピー/反応液のP.acnes RNAを有するすべての陽性対照反応液で陽性で堅調であり、平均T時間=23.8分であった。6つの陰性試料では陽性増幅活性は検出されなかった。標的捕捉インキュベーション工程において、1×10コピー/反応液のR.acnes RNAでチャレンジした6つの陰性試料のうち1つでは、弱い陽性増幅がもたらされた。標的捕捉インキュベーション工程において1×10コピー/反応液のP.acnes RNAでチャレンジした6つの陰性試料ではすべてで、増幅活性が得られなかった。したがって、不活化可能型標的捕捉オリゴマーは、異種増幅オリゴマーとともに使用した場合、堅調な結果が得られ、線状の増幅オリゴマーよりも、標的捕捉試薬中の夾雑核酸を、夾雑核酸が標的核酸と同一である場合であっても良好に驚くほど充分識別した。
(実施例3)
(種々の長さのタグ閉鎖領域を含む不活化可能型標的捕捉オリゴマー)
一連の増幅および検出反応液は、線状標的捕捉オリゴマーまたは不活化可能型標的捕捉オリゴマーのいずれかを用いて設定した。標的生物はP.acnesとし、標的核酸配列は、P.acnesの16S rRNA遺伝子、配列番号:38とした。第1の組の実験では、不活化可能型標的捕捉オリゴマーを、捕捉プローブの標的ハイブリダイズ部分に相補的なタグ閉鎖領域を含むように設計した。タグ閉鎖領域は、6連続核酸塩基長から14連続核酸塩基長まで異なるように設計した。また、不活化可能型標的捕捉オリゴマーには、標的ハイブリダイゼーション領域およびdT3A30核酸配列結合ペアメンバーを含めた。この第1の実験では、これらの種々の不活化可能型標的捕捉オリゴマーを互いに、および線状標的捕捉オリゴマーと、配列番号:38へのハイブリダイゼーション感度に関して比較した。これらの実験で使用した線状標的捕捉オリゴマーおよび不活化可能型標的捕捉オリゴマーを表5に示す。
Figure 2011520450
表5において、「[テイル]」の表示は、dT3A30核酸配列である結合ペアメンバーを示す。この実施例の実施形態では、非テイル残基はすべて、2’−O−Me残基である。下線の残基は、タグ閉鎖領域(タグ領域とも称する)を含む核酸残基であって、標的核酸配列と安定なハイブリダイゼーション複合体を形成しないが、標的捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイゼーション領域の一部分とは安定的にハイブリダイズし、それによりループ構造が形成され、標的捕捉オリゴマーのさらなる標的捕捉が不活化されるように構成された核酸残基である。標的ハイブリダイズ領域、タグ閉鎖領域およびテイル(または配列番号:32の標的ハイブリダイズ領域およびテイル)は、非ヌクレオチドリンカーなしで連続核酸配列として連接されている。
表5に示した標的捕捉オリゴマーのうちの1つに加え、これらの反応に使用したオリゴマーには、終結オリゴマー(配列番号:37)、タグ化プライマーオリゴマー(配列番号:36)、配列番号:36のタグ領域にハイブリダイズするプライマーオリゴマー(配列番号:34である)、プロモーター系オリゴマー(配列番号:33)、および検出プローブオリゴマー(配列番号:35)を含めた。好ましくは配列番号:33をブロックし、したがって、プロモーター供与体にする。このようなさらなるオリゴマーを示した表6を参照のこと。
Figure 2011520450
表6において、配列番号:33の小文字はプロモーター領域を表し、配列番号:35の小文字はステム形成領域を表し、配列番号:36の下線の文字はタグ領域を表す。さらに、配列番号:35は、2’−O−Me残基、残基番号1に5’フルオレセイン、第18残基と第19残基との間のスペーサー、および残基番号23の後ろに3’dabcylを含む。配列番号:33および37は3’ブロックされている。
一連のプレアニーリング混合物を150μLの容量で、0.5MのLiCl溶解バッファー、配列番号:36および37(各々、2pM/rxn)ならびに配列番号:25〜32のうちの1つ(各々、6pM/rxn)を含むように作製した。これらの各反応条件を、1×10、1×10または1×10コピー/反応液のいずれか1つ以上のP.acnes 16Sリボソーム核酸(配列番号:38)と合わせた。また、陰性対照反応液は、0コピー/反応液のP.acnes標的核酸を含むように作製した。標的捕捉プロトコルは、本質的に以下のとおりにして行なった。標的捕捉反応液をゆっくりと約5分間混合し、次いで、ビーズを収集し、第1の洗浄反応液に移した。捕捉されたビーズを第1の洗浄反応液中に溶出し、ゆっくりと約5分間混合し、捕捉し、第2の洗浄反応液中に溶出した。第2の洗浄反応液を混合し;ビーズを捕捉し、次いで、リアルタイムrTMA反応ミックス中に溶出した。この増幅ミックスは、増幅オリゴマー(配列番号:33および34)と検出プローブ(配列番号:35)とを含むものであった。反応混合物の成分および条件ならびにインキュベーション条件は、当該技術分野で公知である(例えば、米国特許第5,480,784号および同第5,399,491号を参照)。結果を表7に示す。
Figure 2011520450
表7に示す結果は、不活化可能型標的捕捉オリゴマーはすべて、線状の捕捉プローブと比較すると、バックグラウンド蛍光の低減を有したことを示す(0コピーの標的核酸の反応ウェルと比較)。線状の捕捉プローブの試料では、平均0.2のRFUが得られた。不活化可能型標的捕捉オリゴマーの試料では、長いタグ閉鎖領域(例えば、10〜14核酸塩基長)を有する不活化可能型標的捕捉オリゴマーで平均約0.02のRFUから、短いタグ閉鎖領域(例えば、7〜9核酸塩基長)を有するもので約0.04のRFUが得られた。また、長いタグ閉鎖領域では、短いタグ閉鎖領域よりも長い平均T時間が得られた。表7の結果を、10〜14核酸塩基長のタグ閉鎖領域を含む不活化可能型標的捕捉オリゴマーと、6〜9核酸塩基長のタグ閉鎖領域を含む不活化可能型標的捕捉オリゴマーとで比較。驚くべきことに、これらの結果は、タグ閉鎖領域の長さと平均T時間との間に線形関係がないことを示す。同様に、平均RFUについて、短いタグ閉鎖領域(6〜9核酸塩基長)を含む不活化可能型標的捕捉オリゴマーでは、長いタグ閉鎖領域(10〜14核酸塩基長)を含む不活化可能型標的捕捉オリゴマーよりも高い平均RFUが示された(表7参照)。この場合も、驚くべきことに、タグ領域の長さと得られたデータとの間に線形関係はない。
第2の組の反応では、配列番号:26の不活化可能型標的捕捉オリゴマーと、配列番号:32の線状の捕捉プローブとを、一連の増幅反応において、チャレンジ生物の存在下または非存在下で使用する。反応液は、実質的に上記のとおりに設定し、表6の終結オリゴマー、異種増幅オリゴマー、T7プロモーター供与体オリゴマー、異種増幅オリゴマーのプライマー標的化タグ配列、および検出プローブオリゴマーを含めた。P.acnes標的核酸は配列番号:38であった。また、チャレンジ核酸もP.acnes配列番号:38とした。プレアニーリング反応液は、陽性対照としての1×10コピーの標的核酸または0コピーの標的核酸のいずれか;6pM/反応液の線状標的捕捉オリゴマーまたは6pM/反応液の不活化可能型標的捕捉オリゴマーのいずれか;2pM/反応液のブロック部オリゴマー;および2pM/反応液の異種増幅オリゴマーを含むものとした。一連の標的捕捉試薬混合物は、1×10;1×10または1×10コピーのP.acnesチャレンジ核酸を含むように作製した。プレアニーリング工程後、0コピーの標的核酸を有するプレアニーリング反応液を、各標的捕捉混合物の1つと合わせた。陽性対照プレアニーリング反応混合物は、0コピーのチャレンジ核酸を含む標的捕捉混合物と合わせた。次いで、標的捕捉インキュベーション工程を各反応条件で行なった後、洗浄工程、次いで増幅工程を行なった。増幅は、本明細書において一般的に記載したTMAとした。結果を表8に示す。
Figure 2011520450
これらの結果は、不活化可能型標的捕捉オリゴマーが線状の捕捉プローブと比べ、チャレンジ生物に対して良好な抵抗性を示すことを示す。両方のプローブについて、陰性対照反応条件(0コピーのチャレンジおよび0コピーの標的)では、ネガティブなRFU値が得られた。陽性対照反応条件(0コピーのチャレンジおよび1×10の標的)では、両方でポジティブなRFU値が得られた。しかしながら、線状のプローブでは、チャレンジ生物の存在下でポジティブなRFU値が示された。1×10条件で見られた1つの陽性反応ウェルを除き、不活化可能型標的捕捉オリゴマーではポジティブなRFU値が示されなかった。
(実施例4)
(リアルタイムTMA反応におけるタグ化オリゴヌクレオチドを用いたHCVの選択的増幅)
以下の一連の実験は、転写媒介性増幅反応の前に、タグ化オリゴヌクレオチドを用いて目的の核酸試料中の標的核酸配列を修飾することにより、目的の核酸試料以外の供給源が寄与する標的核酸配列は増幅されずに、目的の核酸試料が寄与する標的核酸配列の選択的増幅が可能であるかどうかを評価するために行なった。
Figure 2011520450
ブロック部分:3’−ジメチルトリチル−N−ベンゾイル−2’−デオキシシチジン、5’−スクシノイル−長鎖アルキルアミノ−CPG(Glen Research Corporation,Sterling,VA;カタログ番号20−0102−01)を用いて作製した3’→3’結合。1=6−カルボキシフルオレセイン(FAMまたはフルオレセイン)(BioGenex,San Ramon,CA;カタログ番号BGX−3008−01);2=9−O−ジメトキシトリチル−トリエチレングリコール、1−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホラミダイト(C9リンカー)(Glen Research Corporation,Sterling,VA;カタログ番号10−1909−90);および3=4−(4’−ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL)(Prime Synthesis,Inc.,Aston,PA)。
試薬および他のプロトコル情報。増幅試薬。「増幅試薬」または「AMP試薬」は、11.6mMのTrizma(登録商標)塩基バッファー、15mMのTrizma(登録商標)塩酸バッファー、25mMのMgCl、23.3mMのKCl、3.33%(v/v)のグリセロール、0.05mMの酢酸亜鉛、0.76mMのdATP、0.76mMのdCTP、0.76mMのdGTP、0.76mMのdTTP、0.02%(v/v)のProClin 300 Preservative(Supelco,Bellefonte,PA;カタログ番号48126)、6.0mMのATP、6.0mMのCTP、6.0mMのGTP、および6.0mMのUTPを含むものとした(22℃でpH7.81〜8.0)。酵素試薬。「酵素試薬」は、70mMのN−アセチル−L−システイン、10%(v/v)のTRITON(登録商標)X−102デタージェント、16mMのHEPES、3mMのEDTA、0.05%(w/v)のアジ化ナトリウム、20mMのTrizma(登録商標)塩基バッファー、50mMのKCl、20%(v/v)のグリセロール、165.6mMのトレハロースを含み(pH7)、224RTU/μLのモロニーマウス白血病ウイルス(「MMLV」)逆転写酵素および140U/μLのT7 RNAポリメラーゼを含むものとした(ここで、1単位(すなわち、RTUまたはU)の活性は、MMLV逆転写酵素の場合では、37℃で15分間に5.75fmolのcDNA合成および放出、ならびにT7 RNAポリメラーゼの場合では、37℃で20分間に5.0fmolのRNA転写物の生成と規定する)。洗浄溶液。「洗浄溶液」は、10mMのHEPES、6.5mMのNaOH、1mMのEDTA、0.3%(v/v)のエチルアルコール、0.02%(w/v)のメチルパラベン、0.01%(w/v)のプロピルパラベン、150mMのNaCl、および0.1%(w/v)のドデシル硫酸ナトリウムを含むものとした(pH7.5)。輸送培地。「輸送培地」は、150mMのHEPES、8%(w/v)のラウリル硫酸リチウム、および100mMの硫酸アンモニウムを含むものとした(pH7.5)。標的捕捉試薬。「標的捕捉試薬」または「TCR」は、以下に列挙する成分を含むものとした。この混合物の処方に関するさらなる情報を、以下の標的捕捉試薬手順(IIIA)に記載する。記載した濃度は、磁気粒子溶液と合わせた後のその成分の終濃度を表す。磁気粒子は、Sera−MagTMMG−CMカルボキシレート修飾型(Seradyn,Inc.,Indianapolis,IN;カタログ番号24152105−050250),1ミクロン,5’−アミノ修飾オリゴ(dT)14に共有結合させた超常磁性粒子とした。HEPES、水酸化リチウム、塩化リチウム、EDTA、ラウリル硫酸リチウムおよび硫酸アンモニウム成分は、TCR希釈剤および輸送培地とともに導入した。第1の捕捉プローブ;15.0nM;第2の捕捉プローブ;15.0nM;タグ化プライミングオリゴヌクレオチド;60.0nM;終結オリゴヌクレオチド;4.0nM;HEPES、遊離酸二水和物;118.7mM;水酸化リチウム一水和物;98.9mM;塩化リチウム、高純度;470.6mM;EDTA、遊離酸;25.0mM;ラウリル硫酸リチウム;110.2mM;硫酸アンモニウム;37.5mM;およびSeradyn Poly dT14磁気粒子;0.075μg/uL。転写物バッファー。「転写物バッファー」は、0.2%ラウリル硫酸リチウムを含むものとした。使用した転写物。HCV転写物。使用した特定の材料または装置の製品番号。KingFisherTMPlate(Thermo Labsystems,Franklin,MA;カタログ番号97002540);MJ Researchマイクロタイタープレート(Bio−Rad Laboratories,Inc.,Hercules,CA;カタログ番号HSP−9665);Solo HT Incubator(Thermo Labsystems,Franklin,MA;カタログ番号5161580);KingFisherTMComb(Thermo Labsystems,Franklin,MA;カタログ番号97002510);Eppendorf(登録商標)Thermomixer R(Eppendorf North America;Westbury,NY;カタログ番号022670107または022670158)’およびDNA Engine Opticon(登録商標)2 Real−Time PCR Detection System(Bio−Rad Laboratories,Inc.,Hercules,CA;カタログ番号CFB−3220)。
さらなるプロトコル情報。記載の実験では、3.3μLの標的含有転写物バッファーを各々、以下の工程B6において、2.0ml容マイクロチューブに添加した。タグ化プライミングオリゴヌクレオチドおよび終結オリゴヌクレオチドは、この2.0mL容マイクロチューブに添加する前に水中に入れた。試料を約5秒間ボルテックスした。一般的に、60℃で10分間のインキュベーションが転写物の捕捉に充分であることがわかった。10分間のインキュベーション後にプレートを室温で5分間維持し、標的捕捉工程前にプレートを冷却させた。プレートをSolo HT IncubatorからKingFisher Systemに移した場合も同様である。サーモミキサーの速度は1400rpmとした。
標的捕捉プロトコル:標的捕捉試薬(TCR)手順。磁気ビーズを室温(RT)で45分間ゆっくりと混合し、150μLの磁気ビーズを5mLのTCR希釈剤(試料1つあたり50μLを使用する場合、15μgのビーズ/rxn)に添加した。この溶液を室温で35分間ゆっくりと混合し、この時点で、捕捉プローブを5mLのTCR希釈剤に(0.12pmol/μL(6pmol/50μL rxn)の終濃度まで)添加した。試料の調製:プロモーターオリゴヌクレオチド、エクステンダーオリゴヌクレオチドおよびプライミングオリゴヌクレオチドを含むAMP試薬を調製した(容積=1,600μL)。この溶液をボルテックスし、必要時まで2〜8℃で置いた。検出プローブを酵素試薬中で調製し、必要時まで2〜8℃で置いた。標的希釈液は0.2%LLS中で調製した。50μLのTCRを200μL容マイクロプレートウェル内に移した。各標的コピーレベル、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドおよび終結オリゴヌクレオチドを、2.0mL容マイクロチューブ内の1.2mLの50%輸送培地、50%H2Oに添加した。標的試料をボルテックスし、150μLを、50μL TCRの入った200μL容マイクロプレート(プレート1)のウェル内に移した(各ウェルには、ゼロまたは100万コピーのHCV転写物+適切な量のタグ化プライミングオリゴヌクレオチドおよび終結オリゴヌクレオチドを含めた)。
標的捕捉プロトコル。200μL容マイクロプレート(プレート1)を、Labsystems Solo HT Incubatorを用いて60℃で10分間インキュベートし(プレート1)、次いで、マイクロプレートを室温で5分間置いた(プレート1)。200μL容マイクロプレート(プレート2および3)を、200μLの洗浄試薬を用いて調製した。増幅プレート(プレート4−MJ research 96ウェルマイクロタイタープレート)は、30μLのAMP試薬/ウェルを用いて調製した。96ウェルコームをプレート1内に置いた。4つのプレートをすべて、KingFisher 96ユニット内に入れ、標的捕捉プロトコルを以下のとおりに開始した。プレート1を非常に低い速度で5分間混合し、ビーズを12カウント間収集し、次いで、プレート2内に低速度を用いて10秒間放出させた。次いで、プレート1を非常に低い速度を用いて1秒間混合し、ビーズを12カウント間収集し、ビーズをプレート2内に低速度を用いて10秒間放出させた。プレート2は、中速度で30秒間混合し、ビーズを12カウント間収集し、次いで、プレート3内に非常に低い速度を用いて10秒間放出させた。次いで、プレート2を非常に低い速度で1秒間混合し、ビーズを12カウント間収集し、プレート3内に非常に低い速度を用いて10秒間放出させた。プレート3は、中速度で30秒間混合し、ビーズを12カウント間収集し、ビーズをプレート4内に中速度を用いて10秒間放出させた。次いで、プレート3を非常に低い速度で1秒間混合し、ビーズを12カウント間収集し、プレート4内に中速度を用いて10秒間放出させた。96ウェルマイクロタイタープレート(プレート4)を取り出し、ベンチに移し、シーリングカードで覆い、DNA Engine Opticon(登録商標)2 Real−Time PCR Detection System(Bio−Rad Laboratories;Hercules,CA)(「リアルタイム装置」)内に入れた。リアルタイムTMAは、以下のようにして行なった。プレートを42℃で5分間インキュベートし、次いで取り出し、42℃のサーモミキサー内に入れた。各反応ウェルに酵素試薬の10μLアリコートを入れた。マイクロタイタープレートを粘着テープシールで覆い、サーモミキサーにおいて静かに30秒間振盪し、次いで、42℃のリアルタイム装置内に入れ、該装置内でリアルタイムアッセイモニタリングを開始した。合成されたアンプリコンの量のインジケーターとしての機能を果たすT時間値を、モニタリングした蛍光シグナルから測定した。Lightら、米国特許出願公開US2006−0276972,段落506−549参照。
結果および結論:実験は、HCV転写物の検出について上記の手順に従って行なった(8連)。各試験のTCRには、同じタグ化プライミングオリゴヌクレオチドを含めた。標的捕捉工程は、HCV転写物を結合するため、および非ハイブリダイズタグ化プライミングオリゴヌクレオチドと終結オリゴヌクレオチドとを除去するために行なった。標的捕捉工程後、TCRのビーズを、タグ配列の相補体に特異的なプライミングオリゴヌクレオチドを含むAMP試薬と接触させた。タグ化プライミングオリゴヌクレオチドは、この工程に含めなかった。各条件について8連で実施した。検出プローブを、酵素試薬を介して4pmol/反応液で添加した。HCV AMP試薬は、12pmolのプロモーターオリゴヌクレオチド、12pmolのエクステンダーオリゴヌクレオチドおよび12pmolのプライミングオリゴヌクレオチド/反応液を含むものとした。
第1の組の実験では、HCV転写物コピーがTCRまたはAMP試薬にスパイクされなかった反応の結果を、1×10コピーのHCV転写物がTCRにスパイクされた反応の結果と比較した。図17は、標的がAMP試薬にスパイクされなかったHCV増幅の生曲線を示す。HCV転写物がTCRまたはAMP試薬にスパイクされなかった場合、検出可能な増幅はみられなかったが、TCR中に1×10コピーのHCV転写物を含む反応液での平均T時間は6.3分であった。「T時間」の値は、出現時点(シグナルがバックグラウンドより上まで上昇する時点)に関連し、実施した実験でのこれらの値のまとめを以下の表1に示す。
第2の組の実験では、1×10コピーのHCV転写物がAMP試薬のみにスパイクされた反応の結果を、1×10コピーのHCV転写物がTCRのみにスパイクされた反応と比較した。図18は、標的がAMP試薬にスパイクされたHCV増幅の生曲線を示す。HCV転写物がAMP試薬にスパイクされた場合、検出可能な増幅はみられなかったが、TCR中に1×106コピーのHCV転写物を含む反応液での平均T時間は6.3分であった(表1)。TC試料中ゼロ標的では、100万コピーのHCV転写物がAMP試薬にスパイクされても増幅はなかった。
第3の組の実験では、1×10コピーのHCV転写物とタグ化プライミングオリゴヌクレオチドとをAMP試薬に供給した反応(TCR中にHCV転写物コピーなし)の結果を、1×10コピーのHCV転写物をTCRに供給し、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドをAMP試薬に供給した反応の結果と比較した。図19は、AMP試薬にスパイクされたタグ化プライミングオリゴヌクレオチドおよび終結オリゴヌクレオチドを用いた、標的捕捉工程のみに存在する100万コピーのHCV転写物の平均T時間が7.2分であったことを示す。また、AMP試薬にスパイクされた標的、終結オリゴヌクレオチドおよびタグ化プライミングオリゴヌクレオチドを有するゼロ試料でも、堅調な増幅がもたらされ、平均T時間=8.6分であった(表9)。
Figure 2011520450
これらの実験の結果は、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドがプライミングオリゴヌクレオチドとともにAMP試薬中に存在した場合のみ、100万コピーのHCV転写物がAMP試薬にスパイクされると、ゼロTCR試料が増幅したことを示す。したがって、AMP試薬を介して系内に進入したHCV転写物は、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドもまたAMP試薬によって供給されない限り増幅されない。
前述の実施例では、HCV鋳型にハイブリダイズされたタグ化プライミングオリゴヌクレオチドが、標的捕捉工程の後に導入される夾雑核酸から干渉されることなく、対象の試料中でどのようにしてHCV核酸の選択的検出に使用され得るかを示した。以下の実施例は、同様のアプローチを、増幅反応の実施に使用される試薬中に夾雑する鋳型が存在していても、対象の試料中の細菌核酸を検出するために、どのようにして使用するかを示す。好都合には、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドと鋳型とを含む複合体が増幅反応に使用するDNAポリメラーゼと接触する時点で、非複合体形成タグ化プライミングオリゴヌクレオチドが、反応混合物に実質的に非存在であった。
以下の実施例5に、E.coli rRNA核酸増幅するための2つの手順を記載する。該手順は、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドと標的捕捉との両方を使用することで異なる。第1の手順では、E.coli特異的非タグ化プライミングオリゴヌクレオチドを、終結オリゴヌクレオチド、プロモーターオリゴヌクレオチドおよび検出プローブと組み合わせて使用した。第2の手順では、第1の手順のE.coli特異的非タグ化プライミングオリゴヌクレオチドに含まれたものと同一の標的相補体を有するタグ化プライミングオリゴヌクレオチド、タグ特異的プライミングオリゴヌクレオチド、ならびに終結オリゴヌクレオチド、プロモーターオリゴヌクレオチドおよび検出プローブを使用した。タグ特異的プライミングオリゴヌクレオチドは、HIV−1の一セグメントに対応するヌクレオチド配列を有するものとし、タグ化プライミングオリゴヌクレオチド内に含まれたタグ配列の相補体にハイブリダイズするが、E.coli rRNA鋳型核酸またはその相補体にはハイブリダイズしないものであった。第2の手順の場合、終結オリゴヌクレオチド、プロモーターオリゴヌクレオチドおよび検出プローブは、第1の手順で使用したものと同一とした。以下に示すように、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドを省いた増幅反応では、0コピーの合成E.coli rRNA標的を含む試料と1×10コピーの合成E.coli rRNA標的を含む試料とが識別されなかった。逆に、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドおよび標的捕捉の使用を含めたアプローチでは、0コピーの合成E.coli rRNA標的を含む試料と1×10コピーの合成E.coli rRNA標的を含む試料とが明白に識別された。
(実施例5)
(タグ化プライミングオリゴヌクレオチドの使用により、試料由来の鋳型と外来鋳型との識別が可能になる)
(標的捕捉なしでの非タグ化プライミングオリゴヌクレオチドを用いた増幅)
第1の手順において、合成E.coli rRNA鋳型を使用する増幅反応を、鋳型にハイブリダイズされる非タグ化プライミングオリゴヌクレオチド、プロモーターオリゴヌクレオチド、終結オリゴヌクレオチドおよび分子トーチ検出プローブを用いて行なった。0コピーまたは1×10コピー/反応液で反応混合物に直接添加する(すなわち、標的捕捉精製を行なうことなく)合成鋳型を用いて反応液を用意した。分子トーチ検出プローブは、時間の関数としてアンプリコン生成をモニタリングするために使用した。以下に示すヌクレオチド配列において、ポリヌクレオチド主鎖の2’−O−メチルリボース(2’−O−Me)修飾を小文字の「m」で示す。プロモーターオリゴヌクレオチドおよび終結オリゴヌクレオチドの3’末端のブロック部分には3’→3’結合を含めた。該結合は、3’−ジメチルトリチル−N−ベンゾイル−2’−デオキシシチジン、5’−スクシノイル−長鎖アルキルアミノ−CPG(Glen Research Corporation,Sterling,VA;カタログ番号20−0102−01)を用いて作製した。この手順で使用したオリゴヌクレオチド、試薬および不可欠な方法は、以下のものとした。
Figure 2011520450
試薬および他のプロトコル情報:増幅および酵素試薬は、本質的に実施例4で記載のとおりとした。E.coli鋳型にハイブリダイズされる非タグ化プライミングオリゴヌクレオチドを用いた手順では、標的捕捉オリゴヌクレオチドまたは試薬を使用せず、輸送培地または洗浄溶液を使用せず、エクステンダーオリゴヌクレオチドを使用しなかった。
リアルタイム増幅プロトコル。試料溶液は、プライマーレス増幅試薬(primerless amplification reagent)、非タグ化プライミングオリゴヌクレオチド、プロモーターオリゴヌクレオチド、終結オリゴヌクレオチド、検出プローブおよび合成鋳型核酸を用いて調製した。96ウェルマイクロタイタープレートの各ウェルに調製した試料溶液の30μLアリコートを入れた。マイクロタイタープレートを粘着テープシールで覆い、まず、DNA ENGINE OPTICON(登録商標)2(Bio−Rad Laboratories;Hercules,CA)温度制御型リアルタイム装置内で60℃で10分間インキュベートし、次いで、42℃まで5分間温度調整した。その後、プレートをリアルタイム装置から取り出し、42℃のサーモミキサー内に入れた。各反応ウェルに酵素試薬の10μLアリコートを入れた。マイクロタイタープレートを粘着テープシールで覆い、サーモミキサーにおいて静かに30秒間振盪し、次いで、42℃のリアルタイム装置内に入れ、該装置内でリアルタイムアッセイモニタリングを開始した。合成されたアンプリコンの量のインジケーターとしての機能を果たすT時間値を、モニタリングした蛍光シグナルから測定した。
(結果および結論)
図20に示されるように、0コピーまたは1×10コピーいずれかの鋳型核酸を含めた反応において、実質的に同一な結果が観察されたため、該アッセイでは、これらの2つの条件間の識別は示されなかった。より具体的には、E.coli核酸増幅産物の形成を示す蛍光シグナルがバックグラウンドレベルから、両方の反応で実質的に同様の時点で出現した(すなわち、0コピーレベルでのT時間=31.74分、および10コピーレベルでは31.19分)。したがって、高レベルの核酸鋳型に特徴的なリアルタイム増幅プロフィールが、E.coli rRNA鋳型の添加がない場合であっても得られた。これは、標的捕捉手順後に増幅反応を行なうために使用される1種類以上の試薬中に夾雑する細菌核酸鋳型が存在することと整合した。
(タグ化プライミングオリゴヌクレオチドおよび標的捕捉を用いた増幅)
第2の手順では、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドおよび標的捕捉工程を、0コピー、103コピーまたは105コピーいずれかの合成E.coli転写物を含む試験試料を用いた増幅反応の実施に使用した。この手順で使用したオリゴヌクレオチドを以下に示す。分子トーチ検出プローブを、酵素試薬一成分として添加した。標的捕捉後、鋳型核酸にハイブリダイズされなかったタグ化プライミングオリゴヌクレオチドを系から、標準的な標的捕捉および洗浄工程によって除去した。rRNA鋳型とタグ化プライミングオリゴヌクレオチドとを含む複合体は、超常磁性粒子上に捕捉されたままであった。増幅反応は、実施例4で使用した配列特異的捕捉プローブを非特異的標的捕捉オリゴマーに置き換えたこと以外は本質的に上記のとおりの試薬を用いて行なった。増幅反応は6連で行ない、エクステンダーオリゴヌクレオチドを省いたこと以外は本質的に実施例4に記載のとおりに分子トーチ検出プローブを用いてモニタリングした。上記の場合と同様、以下に示す配列内のポリヌクレオチド主鎖の2’−O−メチルリボース(2’−O−Me)修飾を小文字の「m」で示す。プロモーターオリゴヌクレオチドおよび終結オリゴヌクレオチドの3’末端のブロック部分には3’→3’結合を含めた。該結合は、3’−ジメチルトリチル−N−ベンゾイル−2’−デオキシシチジン、5’−スクシノイル−長鎖アルキルアミノ−CPG(Glen Research Corporation,Sterling,VA;カタログ番号20−0102−01)を用いて作製した。この手順で使用したオリゴヌクレオチド、試薬および不可欠な方法は、以下のものとした。
Figure 2011520450
試薬および他のプロトコル情報:試薬および実験プロトコルは、本質的に実施例4で記載のとおりとしたが、第1および第2の捕捉オリゴヌクレオチドを非特異的標的捕捉オリゴヌクレオチドに置き換え、HCV特異的オリゴヌクレオチドを上に示したE.coli特異的オリゴヌクレオチドに置き換え、エクステンダーオリゴヌクレオチドを省いた。非特異的標的捕捉プロトコル:標的捕捉試薬(TCR)の調製。磁気ビーズのストック懸濁液を室温で30分間混合した。磁気ビーズ懸濁液の約150μLのアリコートを、5mLのTCR希釈剤に添加し(50μL/試料を用いた場合、15μgのビーズ/反応液)、次いで、室温で30分間ゆっくりと混合した。次に、非特異的捕捉オリゴヌクレオチドを5mLのTCR混合物に添加し、終濃度を0.12pmol/μLにした。調製したTCRを室温で必要時まで静かに混合した。試料の調製。増幅溶液は、プライマーレス増幅試薬、プロモーターオリゴヌクレオチドおよびタグ特異的プライミングオリゴヌクレオチドを用いて調製した。調製した増幅溶液をボルテックスによって混合し、次いで、必要時まで2〜8℃に維持した。次に、分子トーチ検出プローブを含む酵素試薬を調製し、必要時まで2〜8℃に維持した。鋳型rRNAの希釈液を0.2%LLS(ラウリル硫酸リチウム)中で調製した。磁気ビーズ標的捕捉溶液のアリコート(50μL)を、KINGFISHER 96(Thermo Fisher Scientific,Inc.;Waltham,MA)磁気粒子処理装置のためのマイクロタイタープレートのウェル内に移した。次いで、希釈した鋳型の試料、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドおよび終結オリゴヌクレオチドを、水で希釈した1.5mLの50%輸送培地に添加した。標的含有試料混合物をボルテックスし、150μLアリコートを、50μLの標的捕捉溶液の入ったマイクロタイタープレート(プレート1)のウェル内に移した(各ウェルには、0、10または10コピーのE.coli転写物および適切な量のタグ化プライミングオリゴヌクレオチドおよび終結オリゴヌクレオチドを含めた)。標的捕捉プロトコル。最初に、200μLの洗浄試薬を入れたマイクロタイタープレートを調製した(プレート2)。増幅反応を行なうための別のマイクロタイタープレート(プレート3)を、反応に使用する各ウェルが30μLの増幅試薬を含むように調製した。3つのプレートすべて(プレート1〜3)を磁気粒子処理装置ユニット内に入れた。核酸複合体を有する磁気ビーズをプレート1から単離し、プレート2内で洗浄し、次いで、当該技術分野の通常レベルの技能を有する者が熟知している標準的な手順を用いてプレート3内に移した。プレート3を磁気粒子処理装置ユニットから取り出し、粘着テープシールで覆い、次いで、温度制御型リアルタイム装置内に入れた。
リアルタイム増幅プロトコル。プレート3をリアルタイム装置内で42℃にて5分間インキュベートした。マイクロタイタープレートをリアルタイム装置から取り出し、42℃のサーモミキサーに入れた。各反応ウェルに、検出プローブを含む酵素試薬の10μLアリコートを入れ、次いで粘着テープシールで覆った。プレートを、サーモミキサーにおいて60秒間静かに振盪し、次いで、42℃のリアルタイム装置内に戻し入れ、該装置内でリアルタイムアッセイモニタリングを開始した。合成されたアンプリコンの量のインジケーターとしての機能を果たすT時間値を、モニタリングした蛍光シグナルから測定した。
(結果および結論)
図21は、核酸増幅に対する開示したアプローチの利点をグラフによって示す。目的の標的に相補的なタグ化プライミングオリゴヌクレオチド、標的捕捉工程、および目的の標的(すなわち、E.coli rRNA)に相補的でないタグ特異的プライミングオリゴヌクレオチドを用いた手順により、バックグラウンド増幅レベルの劇的な低減がもたらされ、そのため、0コピーと1×10コピーの細菌鋳型核酸との識別が容易に可能となった。より具体的には、1×10コピー、1×10コピー、および0コピーのE.coli鋳型を用いて行なった反応について測定した平均T時間値は、それぞれ、24.7分、30.6分および37.5分であった。上に示した結果を総合すると、これらの所見は、インビトロ核酸増幅反応を行なうために使用される一般的な試薬中に細菌由来核酸が存在することと整合した。この事実にもかかわらず、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドを使用する手順は、試験試料中に含まれたE.coli核酸を、増幅試薬が寄与する外来鋳型核酸から干渉されることなく検出するのに有用であった。例えば、試験試料中の10コピー以上のレベルのE.coli核酸を検出するための定性的アッセイは、閾値蛍光シグナルの達成、または所定の反応時間(例えば、35分)後のT時間の値に依存し得る。
以下の実施例は、2種類の異なる検出プローブが、どのようにしてリアルタイム増幅実行曲線のプロフィールに影響を及ぼしたかを示す比較の結果を示す。さらに、この結果により、どのようにしてタグ化プライミングオリゴヌクレオチドアプローチが、0コピーおよび10コピーの合成E.coli鋳型核酸(単一の細菌に存在する16S rRNAのコピー数に近いレベル)の識別に使用され得るかが示された。
実施例6に、3種類の異なる検出プローブを用いたリアルタイム増幅反応におけるE.coli rRNA鋳型の検出を記載する。
(実施例6)
(代替的なトーチ設計によりアッセイの結果が改善され得る)
増幅反応を行ない、3種類の異なる検出プローブのうちの1種類を用いてリアルタイム形式でモニタリングした。この反応を行なうために使用した合成鋳型核酸、非特異的捕捉オリゴヌクレオチド、タグ化プライミングオリゴヌクレオチド、終結オリゴヌクレオチド、プロモーターオリゴヌクレオチドおよびタグ特異的プライミングオリゴヌクレオチドは、前述の実施例の第2の手順で使用したものと同一とした。配列番号:14は、標的ハイブリダイズ領域およびタグ領域を含む例示的なタグ化プライマーオリゴマーである。標的ハイブリダイズ領域は、配列番号:13の合成E.coli断片の核酸塩基497〜524にハイブリダイズする。また、この標的ハイブリダイズ領域を配列番号:19に示す。配列番号:10は、プロモーター領域および標的ハイブリダイズ領域を含むプロモーター系オリゴマーである。本実施例では、このオリゴマーの3’末端がブロックされており、したがって、配列番号:10はプロモーター供与体オリゴマーである。配列番号:10についての標的ハイブリダイズ領域は、配列番号:13の合成E.coli断片の核酸塩基413〜433とハイブリダイズする。また、この標的ハイブリダイズ領域を配列番号:20に示す。各条件について4連で実施した。上記の場合と同様、検出プローブを酵素試薬とともに添加した。また、非特異的標的捕捉、試料調製およびリアルタイム増幅のための試薬およびプロトコルは、本質的に前述の実施例の第2の手順に記載のとおりとした。注目すべきことには、反応は、0、1×10または1×10コピーの合成E.coli鋳型を用いて行なった。上記の場合と同様、以下に示す配列内のポリヌクレオチド主鎖の2’−O−メチルリボース(2’−O−Me)修飾を小文字の「m」で示す。プロモーターオリゴヌクレオチドおよび終結オリゴヌクレオチドの3’末端のブロック部分には3’→3’結合を含めた。該結合は、3’−ジメチルトリチル−N−ベンゾイル−2’−デオキシシチジン、5’−スクシノイル−長鎖アルキルアミノ−CPG(Glen Research Corporation,Sterling,VA;カタログ番号20−0102−01)を用いて作製した。この手順で使用したオリゴヌクレオチド、試薬および不可欠な方法は、以下のものとした。
Figure 2011520450
試薬および他のプロトコル情報:試薬および実験プロトコルは、本質的に実施例5で記載のとおりとしたが、標的捕捉のために使用した条件を若干変更した。非特異的標的捕捉プロトコル:標的捕捉試薬(TCR)の調製。磁気ビーズのストック懸濁液を室温で25分間混合した。磁気ビーズ懸濁液の150μLのアリコートを、5mLのTCR希釈剤に添加し(50μL/試料を用いた場合、15μgのビーズ/反応液)、次いで、室温で25分間ゆっくりと混合した。次に、非特異的捕捉オリゴヌクレオチドを5mLのTCR混合物に添加し、終濃度を0.12pmol/μLにした。調製したTCRを室温で必要時まで静かに混合した。試料の調製。増幅溶液は、プライマーレスAMP試薬、プロモーターオリゴヌクレオチドおよびタグ特異的プライミングオリゴヌクレオチドを用いて調製した。調製した増幅溶液をボルテックスによって混合し、次いで、必要時まで2〜8℃に維持した。次に、分子トーチ検出プローブを含む酵素試薬を調製し、必要時まで2〜8℃に維持した。鋳型rRNAの希釈液を上記のように0.2%LLS中で調製した。磁気ビーズ標的捕捉溶液のアリコート(50μL)を、KINGFISHER 96(Thermo Fisher Scientific,Inc.;Waltham,MA)磁気粒子処理装置のためのマイクロタイタープレートのウェル内に移した。次いで、希釈した鋳型の試料、タグ化プライミングオリゴヌクレオチドおよび終結オリゴヌクレオチドを、水で希釈した1.5mLの50%輸送培地に添加した。標的含有試料混合物をボルテックスし、150μLアリコートを、50μLの標的捕捉溶液の入ったマイクロタイタープレート(プレート1)のウェル内に移した(各ウェルには、0、1×10または1×10コピーのE.coli転写物ならびに適切な量のタグ化プライミングオリゴヌクレオチドおよび終結オリゴヌクレオチドを含めた)。
標的捕捉プロトコル。マイクロタイタープレート(プレート1)を、SOLO HTインキュベーター(Thermo Labsystems;Franklin,MA)を用いて、60℃で15分間インキュベートした。次いで、マイクロタイタープレートを室温のベンチに置き、5分間平衡化させた(プレート1)。次に、200μLの洗浄試薬を入れた第2のマイクロタイタープレートを調製した(プレート2)。増幅反応を行なうための第3のマイクロタイタープレート(プレート3)は、反応に使用する各ウェルが30μLの増幅試薬を含むように調製した。3つのプレートすべてを磁気粒子処理装置ユニット内に入れた。核酸複合体を有する磁気ビーズをプレート1から単離し、プレート2内で洗浄し、次いで、当該技術分野の通常レベルの技能を有する者が熟知している標準的な手順を用いてプレート3内に移した。プレート3を磁気粒子処理装置ユニットから取り出し、粘着テープシールで覆い、次いで、温度制御型リアルタイム装置内に入れた。
リアルタイム増幅プロトコル。プレート3をリアルタイム装置内で42℃にて5分間インキュベートした。マイクロタイタープレートをリアルタイム装置から取り出し、42℃のサーモミキサーに入れた。各反応ウェルに、検出プローブを含む酵素試薬の10μLアリコートを入れ、次いで粘着テープシールで覆った。プレートを、サーモミキサーにおいて60秒間静かに振盪し、次いで、42℃のリアルタイム装置内に戻し入れ、該装置内でリアルタイムアッセイモニタリングを開始した。合成されたアンプリコンの量のインジケーターとしての機能を果たすT時間値を、モニタリングした蛍光シグナルから測定した。
結果および結論:表12に示す結果は、異なる検出プローブを用いて行なった反応での平均T時間値(第3列)、および平均T時間値の標準偏差(第4列)をまとめたものである。表にしたまとめにより、試験したすべての検出プローブで、リアルタイムアッセイにおいて非常に良好な結果が得られることが確認された。各プローブでは、0コピーレベルの標的投入において、非常に低いシグナルが好都合に得られた。より具体的には、0コピーの投入合成鋳型を用いて行なった反応で検出されたアンプリコンは、反応液に配列番号:17および配列番号:18の検出プローブを含めた場合、本質的に検出不可能であった。これらの検出プローブは、それぞれ、配列番号:13の残基462〜477および残基455〜477にハイブリダイズするように構成された標的ハイブリダイズ領域を有する。配列番号:17および配列番号:18で特定される検出プローブの一方を含めた反応液では、単一の細菌に含まれる量にほぼ相当する鋳型核酸の検出が容易に可能になるという顕著な結果が得られた。
Figure 2011520450
実施例5および6で示された結果を鑑みると、配列番号:12および17〜18は各々、本明細書に記載の方法を用いてE.coliを検出するための好ましい分子トーチを表す。E.coli核酸の検出に有用な非常に好ましいプローブは、配列番号:12のプローブ内に含まれた2〜24位のヌクレオチドに対応する標的相補配列(すなわち、配列番号:21に実質的に対応する標的ハイブリダイズ配列)、または配列番号:17のプローブ内に含まれた2〜17位のヌクレオチドに対応する標的相補配列(すなわち、配列番号:22に実質的に対応する標的ハイブリダイズ配列)、または配列番号:18のプローブ内に含まれた2〜24位のヌクレオチドに対応する標的相補配列(すなわち、配列番号:23に実質的に対応する標的ハイブリダイズ配列)を有するものである。一般的に言うと、E.coli核酸の検出に有用なプローブは、TGCGGGTAACGTCAATGAGCAAAGGTATTAACTTTACTC(配列番号:24)の配列内に含まれた少なくとも16連続ヌクレオチドの標的ハイブリダイズ配列を有する。望ましいプローブの全般的に好ましい長さは、39ヌクレオチドまで、より好ましくは29ヌクレオチドまで、より好ましくは23ヌクレオチドまで、またはさらにより好ましくは16ヌクレオチドまでである。もちろん、有用なプローブは、RNAおよびDNAと同等の塩基を含むものであってもよく、前述のプローブの相補体を含んでもよい。
本発明を、一部の特定の好ましい実施形態を参照してかなり詳細に記載し、示したが、当業者には、本発明の他の実施形態が容易に認識される。したがって、本発明は、以下の添付の特許請求の範囲の精神および範囲内に包含されるあらゆる修正型および変形型を含むものとする。

Claims (61)

  1. a. 核酸試料中の標的核酸配列を、不活化可能型標的捕捉オリゴマーで処理する工程であって、前記不活化可能型標的捕捉オリゴマーは、約15連続核酸塩基長〜約30連続核酸塩基長である標的ハイブリダイズ領域、結合ペアメンバーおよびタグ閉鎖領域を含み、前記タグ閉鎖領域は約3連続核酸塩基長〜約20連続核酸塩基長であり、前記標的ハイブリダイゼーション領域の一部分に実質的に相補的であり、前記標的核酸に安定的にハイブリダイズせず、前記標的ハイブリダイズ領域、前記結合ペアメンバーおよび前記タグ閉鎖領域が単一の分子として連接されている、工程;
    b. 1組の条件を準備する工程であって、前記条件のストリンジェンシーにより、前記標的ハイブリダイズ領域が前記標的核酸と安定的にハイブリダイズする方向に偏向され、前記タグ閉鎖領域と安定的にハイブリダイズする方向には偏向されない、工程;
    c. 前記1組の条件に変更をもたらす工程であって、前記ストリンジェンシーが低下し、前記タグ閉鎖領域が前記標的ハイブリダイズ領域とハイブリダイズすることにより、標的核酸と安定的にハイブリダイズされない不活化可能型標的捕捉オリゴマーが、不活性な立体配置を形成することが可能になる、工程;ならびに
    d. 捕捉工程を行なう工程であって、工程bで前記標的核酸と安定的にハイブリダイズされた前記不活化可能型捕捉オリゴマーを含む複合体が捕捉される、工程、
    を含む、標的核酸の特異的ハイブリダイゼーションおよび捕捉のための方法。
  2. 工程d.が、相補結合ペアメンバーから本質的になる固相支持体物質を準備すること;および前記不活化可能型捕捉プローブの前記結合ペアメンバーと、前記相補結合メンバーとの結合を可能にする条件を準備することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記固相支持体物質が常磁性ビーズであり、前記相補結合ペアメンバーが前記常磁性ビーズに共有結合されている、請求項2に記載の方法。
  4. 前記相補結合ペアメンバーが固定化プローブであり、前記不活化可能型捕捉プローブの前記結合ペアメンバーが、前記固定化プローブに実質的に相補的なヌクレオチド配列から本質的になるポリヌクレオチド領域である、請求項3に記載の方法。
  5. 洗浄工程をさらに含み、工程d.の前記捕捉された標的核酸は保持されるが、非捕捉核酸、非標的核酸、夾雑核酸、不活化された不活化可能型標的捕捉オリゴマー、試薬および試料残屑の1種類以上は、前記捕捉された標的核酸から分離される、請求項2に記載の方法。
  6. 前記固相支持体物質が、アミン、イミンまたはグアニジンコート常磁性ビーズである、請求項2に記載の方法。
  7. 前記不活化可能型標的捕捉オリゴマーの前記結合ペアメンバーが、ヌクレオチド配列から本質的になるポリヌクレオチド領域である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記タグ閉鎖領域が、脱塩基ヌクレオチド残基、ゆらぎヌクレオチド残基、前記標的ハイブリダイズ領域内に含まれた前記配列内の前記残基の対応する位置に対するミスマッチヌクレオチド残基、およびその組合せからなる群より選択される1つ以上のヌクレオチド残基を含むヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記タグ閉鎖領域が少なくとも6〜14核酸塩基長のヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記タグ閉鎖領域が少なくとも6〜9核酸塩基長のヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記タグ閉鎖領域が7核酸塩基長のヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記タグ閉鎖領域が少なくとも6〜9核酸塩基長のヌクレオチド配列を含み、前記標的ハイブリダイズ領域が17核酸塩基長のヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記タグ閉鎖領域が、前記結合ペアメンバーが連接されている前記標的ハイブリダイズ領域の末端と反対側である前記標的ハイブリダイズ領域の末端に連接されている、請求項1に記載の方法。
  14. 前記タグ閉鎖領域が、前記標的ハイブリダイズ領域の前記末端に非ヌクレオチドリンカーを用いて連接されている、請求項13に記載の方法。
  15. 前記標的ハイブリダイズ領域が、前記結合ペアメンバーが連接されている前記タグ閉鎖領域の末端と反対側である前記タグ閉鎖領域の末端に連接されている、請求項1に記載の方法。
  16. 前記標的ハイブリダイズ領域が前記タグ閉鎖領域の前記末端に、非ヌクレオチドリンカーを用いて連接されている、請求項15に記載の方法。
  17. 前記標的ハイブリダイズ領域が前記タグ閉鎖領域の前記末端にヌクレオチドリンカーを用いて連接されており、それにより、前記標的ハイブリダイズ領域と前記タグ閉鎖領域とから本質的になる連続ヌクレオチド配列が形成されている、請求項15に記載の方法。
  18. 前記結合ペアメンバーが実質的にホモポリマーであるヌクレオチド配列であり、前記タグ閉鎖領域の前記末端にヌクレオチドリンカーを用いて連接されており、それにより、前記結合ペアメンバー、前記タグ閉鎖領域および前記標的ハイブリダイズ領域から本質的になる連続ヌクレオチド配列が形成されている、請求項17に記載の方法。
  19. 前記不活化可能型標的捕捉オリゴマーが、前記結合ペアメンバーの5’末端が前記タグ閉鎖領域の3’末端に連接されており、前記タグ閉鎖領域の5’末端が前記標的ハイブリダイズ領域の3’末端に連接されているような3’→5’の向きを有する、請求項18に記載の方法。
  20. 前記捕捉された標的核酸の分析を行なう工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  21. 前記分析が増幅および検出反応である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記増幅反応が、タグ配列を含む第1の増幅産物が生成されるように構成された異種増幅オリゴマーを含み、前記第1の増幅産物内の前記タグ配列またはその相補体にハイブリダイズして後続の増幅産物が生成されるように構成された第2の増幅オリゴマーを含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記検出がヌクレオチドプローブによる検出である、請求項21に記載の方法。
  24. 少なくとも、結合ペアメンバー、少なくとも15〜30核酸塩基長のヌクレオチド配列を含む標的ハイブリダイズ領域、および少なくとも3〜20核酸塩基長のヌクレオチド配列を含むタグ閉鎖領域を含む不活化可能型標的捕捉オリゴマーから本質的になり、前記結合ペアメンバー、前記標的ハイブリダイズ領域および前記タグ閉鎖領域が単一の分子として連接されており、前記タグ閉鎖領域のヌクレオチド配列が、前記標的ハイブリダイズ領域内に含まれた配列に実質的に相補的である、プレアニーリング反応混合物。
  25. 前記タグ閉鎖領域が、脱塩基ヌクレオチド残基、ゆらぎヌクレオチド残基、前記標的ハイブリダイズ領域内に含まれた前記配列内の前記残基の対応する位置に対するミスマッチヌクレオチド残基、およびその組合せからなる群より選択される1つ以上のヌクレオチド残基を含むヌクレオチド配列を含む、請求項24に記載の反応混合物。
  26. 前記タグ閉鎖領域が少なくとも6〜14核酸塩基長のヌクレオチド配列を含む、請求項24に記載の反応混合物。
  27. 前記タグ閉鎖領域が少なくとも6〜9核酸塩基長のヌクレオチド配列を含む、請求項24に記載の反応混合物。
  28. 前記タグ閉鎖領域が7核酸塩基長のヌクレオチド配列を含む、請求項24に記載の反応混合物。
  29. 前記タグ閉鎖領域が少なくとも6〜9核酸塩基長のヌクレオチド配列を含み、前記標的ハイブリダイズ領域が17核酸塩基長のヌクレオチド配列を含む、請求項24に記載の反応混合物。
  30. 前記タグ閉鎖領域が、前記結合ペアメンバーが連接されている前記標的ハイブリダイズ領域の末端と反対側である前記標的ハイブリダイズ領域の末端に連接されている、請求項24に記載の反応混合物。
  31. 前記タグ閉鎖領域が、前記標的ハイブリダイズ領域の前記末端に非ヌクレオチドリンカーを用いて連接されている、請求項30に記載の反応混合物。
  32. 前記標的ハイブリダイズ領域が、前記結合ペアメンバーが連接されている前記タグ閉鎖領域の末端と反対側である前記タグ閉鎖領域の末端に連接されている、請求項24に記載の反応混合物。
  33. 前記標的ハイブリダイズ領域が前記タグ閉鎖領域の前記末端に、非ヌクレオチドリンカーを用いて連接されている、請求項32に記載の反応混合物。
  34. 前記標的ハイブリダイズ領域が前記タグ閉鎖領域の前記末端にヌクレオチドリンカーを用いて連接されており、それにより、前記標的ハイブリダイズ領域と前記タグ閉鎖領域から本質的になる連続ヌクレオチド配列が形成されている、請求項32に記載の反応混合物。
  35. 前記結合ペアメンバーが実質的にホモポリマーであるヌクレオチド配列であり、前記タグ閉鎖領域の前記末端にヌクレオチドリンカーを用いて連接されており、それにより、前記結合ペアメンバー、前記タグ閉鎖領域および前記標的ハイブリダイズ領域から本質的になる連続ヌクレオチド配列が形成されている、請求項34に記載の反応混合物。
  36. 前記不活化可能型標的捕捉オリゴマーが、前記結合ペアメンバーの5’末端が前記タグ閉鎖領域の3’末端に連接されており、前記タグ閉鎖領域の5’末端が前記標的ハイブリダイズ領域の3’末端に連接されているような3’→5’の向きを有する、請求項35に記載の反応混合物。
  37. 少なくとも1種類の増幅オリゴマーをさらに含む、請求項24に記載の反応混合物。
  38. 前記少なくとも1種類の増幅オリゴマーが異種増幅オリゴマーである、請求項37に記載の反応混合物。
  39. 前記標的ハイブリダイズ領域が標的核酸とハイブリダイズする方向に偏向され、前記タグ閉鎖領域とハイブリダイズする方向には偏向されない1組の条件をさらに含む、請求項24に記載の反応混合物。
  40. 前記標的ハイブリダイズ領域が前記タグ閉鎖領域とハイブリダイズする方向に偏向され、非標的核酸とハイブリダイズする方向には偏向されない1組の条件をさらに含む、請求項24に記載の反応混合物。
  41. 標的核酸と、非標的核酸と夾雑核酸の一方または両方とを含む核酸混合物中の標的核酸の選択的増幅のための方法であって、
    a. 核酸試料の標的核酸を、請求項1に記載の方法を用いて選択的にハイブリダイズさせ、捕捉する工程;
    b. 増幅反応を行ない、タグ配列を含む第1の増幅産物を生成させる工程;
    c. 後続の増幅反応を行なう工程であって、前記後続の増幅反応の混合物は、前記第1の増幅産物内に含まれた前記タグ配列またはその相補体にハイブリダイズし、それにより後続の増幅産物が生成されるように構成された増幅オリゴマーを含む、工程;ならびに
    d. 前記標的核酸の存在または非存在を判定するために前記後続の増幅産物を検出する工程
    を含む方法。
  42. 前記タグ配列が前記第1の増幅産物内に異種増幅オリゴマーによって導入されている、請求項41に記載の方法。
  43. 前記タグ配列が前記第1の増幅産物内に、前記不活化可能型標的捕捉オリゴマーをプライマーとして使用することにより導入されている、請求項41に記載の方法。
  44. 前記不活化可能型標的捕捉オリゴマーがタグ領域をさらに含み、前記タグ領域のヌクレオチド配列が、前記タグ閉鎖領域のヌクレオチド配列とは別個のヌクレオチド配列である、請求項43に記載の方法。
  45. 前記不活化可能型標的捕捉オリゴマーがタグ領域をさらに含み、前記タグ領域のヌクレオチド配列が、一部、前記タグ閉鎖領域のヌクレオチド配列と重複している、請求項43に記載の方法。
  46. 前記不活化可能型標的捕捉オリゴマーがタグ領域をさらに含み、前記タグ領域のヌクレオチド配列が前記タグ閉鎖領域のヌクレオチド配列と同じである、請求項43に記載の方法。
  47. 工程cの増幅反応が非標的核酸と夾雑核酸の一方または両方の存在下で行なわれ、工程bの組込みタグ配列が非標的核酸に実質的に含まれず、夾雑核酸に実質的に含まれない、請求項41に記載の方法。
  48. 前記標的核酸がプローブによる検出工程において検出される、請求項47に記載の方法。
  49. 前記標的核酸がプローブによる検出工程において検出される、請求項41に記載の方法。
  50. 前記タグ閉鎖領域が、脱塩基ヌクレオチド残基、ゆらぎヌクレオチド残基、前記標的ハイブリダイズ領域内に含まれた前記配列内の前記残基の対応する位置に対するミスマッチヌクレオチド残基、およびその組合せからなる群より選択される1つ以上のヌクレオチド残基を含むヌクレオチド配列を含む、請求項41に記載の方法。
  51. 前記タグ閉鎖領域が少なくとも6〜14核酸塩基長のヌクレオチド配列を含む、請求項41に記載の方法。
  52. 前記タグ閉鎖領域が少なくとも6〜9核酸塩基長のヌクレオチド配列を含む、請求項41に記載の方法。
  53. 前記タグ閉鎖領域が7核酸塩基長のヌクレオチド配列を含む、請求項41に記載の方法。
  54. 前記タグ閉鎖領域が少なくとも6〜9核酸塩基長のヌクレオチド配列を含み、前記標的ハイブリダイズ領域が17核酸塩基長のヌクレオチド配列を含む、請求項41に記載の方法。
  55. 前記タグ閉鎖領域が、前記結合ペアメンバーが連接されている前記標的ハイブリダイズ領域の末端と反対側である前記標的ハイブリダイズ領域の末端に連接されている、請求項41に記載の方法。
  56. 前記タグ閉鎖領域が、前記標的ハイブリダイズ領域の前記末端に非ヌクレオチドリンカーを用いて連接されている、請求項55に記載の方法。
  57. 前記標的ハイブリダイズ領域が、前記結合ペアメンバーが連接されている前記タグ閉鎖領域の末端と反対側である前記タグ閉鎖領域の末端に連接されている、請求項41に記載の方法。
  58. 前記標的ハイブリダイズ領域が前記タグ閉鎖領域の前記末端に、非ヌクレオチドリンカーを用いて連接されている、請求項57に記載の方法。
  59. 前記標的ハイブリダイズ領域が前記タグ閉鎖領域の前記末端にヌクレオチドリンカーを用いて連接されており、それにより、前記標的ハイブリダイズ領域と前記タグ閉鎖領域とから本質的になる連続ヌクレオチド配列が形成される、請求項57に記載の方法。
  60. 前記結合ペアメンバーが実質的にホモポリマーであるヌクレオチド配列であり、前記タグ閉鎖領域の前記末端にヌクレオチドリンカーを用いて連接されており、それにより、前記結合ペアメンバー、前記タグ閉鎖領域および前記標的ハイブリダイズ領域から本質的になる連続ヌクレオチド配列が形成される、請求項59に記載の方法。
  61. 前記不活化可能型標的捕捉オリゴマーが、前記結合ペアメンバーの5’末端が前記タグ閉鎖領域の3’末端に連接されており、前記タグ閉鎖領域の5’末端が前記標的ハイブリダイズ領域の3’末端に連接されているような3’→5’の向きを有する、請求項60に記載の方法。
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