JP5967785B2 - 標的核酸の検出方法 - Google Patents

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Description

本明細書は、標的核酸の検出方法に関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2013年7月24日に出願された日本国特許出願である特願2013−153288及び2014年4月1日に出願された日本国特許出願である特願2014−075469に基づく優先権を主張するものであり、この日本出願に記載された全ての内容を本明細書に援用するものである。
標的核酸の検出方法として、標的核酸に基づき、DNA二本鎖断片の末端に一本鎖のタグを付加したものをPCRの増幅産物として取得し、この増幅産物のタグの相補鎖をプローブとしてクロマトグラフィーを用いることが開示されている(特許文献1、2)。これらの方法では、通常用いられるプライマーの5’末端側に、DNAポリメラーゼ反応を阻害又は抑制するように修飾した一本鎖タグとなる領域を有している。こうしたプライマーを用いることで、このプライマーの伸長産物とハイブリダイズするプライマーは、一本鎖タグに相補鎖を形成するように伸長されることはない。こうした伸長反応の繰り返しにより、結果として、一本鎖タグを備える増幅産物が得られる。
一方、核酸増幅後におけるプライマー、プライマーダイマーを除去できる試薬も開示されている(非特許文1、2)。この方法では、増幅産物にその試薬を添加し、静置後、13000gで10分間遠心後、ペレットをエタノール洗浄し、14000gで遠心してペレットを採取することで、プライマーやプライマーダイマー等の100bp以下程度の低分子DNAを除去できることが記載されている。
国際公開第2012/070618号 国際公開第2013/039228号
Wako BioWindow 10,No.91、p.5(和光純薬工業株式会社、2008年10月発行)
PCRの増幅産物には、標的核酸に関連付けられる増幅産物のほか、未反応プライマーが含まれうるし、また、プライマーの塩基配列によっては、プライマーダイマーの増幅産物が含まれうる。こうした副生成物は、通常のハイブリダイゼーションではプローブと反応することが想定しにくかった。
核酸増幅産物に付与した一本鎖タグをプローブへのハイブリダイズ部位とする系では、変性して核酸増幅産物を一本鎖にすることなく、そのままプローブとハイブリダイズさせることができるという利点がある。また、比較的低温でハイブリダイゼーションを実施できるという利点もある。
しかしながら、本発明者らによれば、熱変性を省略し比較的低温でハイブリダイゼーションを実施する場合には、予想を超えて、こうした未反応プライマーやプライマーダイマーの増幅産物が、プローブとハイブリダイズ産物を形成してしまうことがわかった。この結果、標識物質や標識物質に結合しうる標識物質結合物質を備えるプライマーやプライマータイマー由来の増幅産物がプローブとハイブリダイズ産物を形成すると、偽陽性となってしまうことがわかった。
本明細書は、こうした課題に鑑み、一本鎖タグを付与した核酸増幅産物とプローブとのハイブリダイゼーションを、良好な確度で実施することができる、標的核酸の検出方法を提供する。
本発明者らは、種々検討した結果、増幅反応の副生成物とプローブとのハイブリダイズ産物の形成を抑制することにより、偽陽性を抑制できるという知見を得た。この知見に基づき、本明細書は、以下の手段を提供する。
(1)標的核酸の検出方法であって、
二本鎖部分と、当該二本鎖の少なくとも一方の端部に突出して位置される一本鎖部分であるタグ鎖と、を備え、標的核酸に関連付けられる核酸増幅産物と、前記タグ鎖の1つとハイブリダイズ可能なプローブとを、目的ハイブリダイズ産物が形成可能な条件で接触させるハイブリダイゼーション工程、
を備え、
前記ハイブリダイゼーション工程において、
以下の(a)及び(b);
(a)標識物質又は標識物質結合物質を保持しうる増幅用プライマー
(b)標識物質又は標識物質結合物質を保持しうる増幅用プライマーを含む増幅用プライマーのダイマー由来の増幅産物
から選択される少なくとも一種の核酸構造体と前記プローブとのと偽陽性を呈する副生ハイブリダイズ産物の形成を抑制する、検出方法。
(2)前記ハイブリダイゼーション工程に先立って、
前記少なくとも一種の核酸構造体の少なくとも一部と、当該一部とハイブリダイズ可能なマスキング剤と、がハイブリダイズしたクリーンアップハイブリダイズ産物を形成する先行ハイブリダイゼーション工程
を備える、(1)に記載の検出方法。
(3)前記先行ハイブリダイゼーション工程は、前記クリーンアップハイブリダイズ産物を、前記(b)の核酸構造体を融解後、前記(b)の核酸構造体の構成鎖と前記マスキング剤とから形成する、(2)に記載の検出方法。
(4)前記先行ハイブリダイゼーション工程は、前記(b)の核酸構造体を熱融解する、(3)に記載の検出方法。
(5) 前記先行ハイブリダイゼーション工程は、前記(b)の核酸構造体を酸又はアルカリで融解する、(3)に記載の検出方法。
(6) 前記先行ハイブリダイゼーション工程は、前記(b)の核酸構造体を核酸変性剤で融解する、(3)に記載の検出方法。
(7)前記マスキング剤は、前記(a)の核酸構造体の少なくとも一部とハイブリダイズ可能な核酸であるマスキング剤を含む、(2)〜(6)いずれかに記載の方法。
(8)前記マスキング剤は、前記(b)の核酸構造体の少なくとも一部と同一又はハイブリダイズ可能な核酸であるマスキング剤を含む、(2)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9)前記核酸増幅産物は、前記二本鎖部分と、前記二本鎖の一方の端部にのみ突出して位置される一本鎖部分であるタグ鎖と、を備える核酸増幅産物を含む、(1)〜(8)のいずれかに記載の検出方法。
(10)前記ハイブリダイゼーション工程は、クロマトグラフィー形態で実施する、(1)〜(9)のいずれかに記載の検出方法。
(11) 前記ハイブリダイゼーション工程は、浸漬型ハイブリダイゼーションの形態で実施する、(1)〜(9)のいずれかに記載の検出方法。
(12)核酸増幅産物の精製方法であって、
二本鎖部分と、当該二本鎖の少なくとも一方の端部に突出して位置される一本鎖部分であるタグ鎖を備える核酸増幅産物の存在下で、
以下の(a)及び(b);
(a)標識物質又は標識物質結合物質を保持しうる増幅用プライマー
(b)標識物質又は標識物質結合物質を保持しうる増幅用プライマーを含む増幅用プライマーのダイマー由来の増幅産物
から選択される少なくとも一種の核酸構造体の少なくとも一部とハイブリダイズ可能なマスキング剤をハイブリダイズ可能に付与する工程
を備える、精製方法。
(13)核酸増幅産物の精製剤であって、
前記核酸増幅産物は、二本鎖部分と、当該二本鎖の少なくとも一方の端部に突出して位置される一本鎖部分であるタグ鎖を備える核酸増幅産物であり、
以下の(a)及び(b);
(a)標識物質又は標識物質結合物質を保持しうる増幅用プライマー
(b)標識物質又は標識物質結合物質を保持しうる増幅用プライマーを含む増幅用プライマーのダイマー由来の増幅産物
から選択される少なくとも一種の核酸構造体の少なくとも一部とハイブリダイズ可能なマスキング剤を含む、精製剤。
(14)二本鎖部分と、当該二本鎖の少なくとも一方の端部に突出して位置される一本鎖部分であるタグ鎖を備える核酸増幅産物を得るための少なくとも一対の増幅用プライマーと、
以下の(a)及び(b);
(a)標識物質又は標識物質結合物質を保持しうる増幅用プライマー
(b)標識物質又は標識物質結合物質を保持しうる増幅用プライマーを含む増幅用プライマーのダイマー由来の増幅産物
から選択される少なくとも一種の核酸構造体の少なくとも一部とハイブリダイズ可能なマスキング剤と、
を含むキット。
(15)さらに、核酸クロマトグラフィーに用いるクロマトグラフィー用プローブ固定化体を含む、(14)に記載のキット。
副生ハイブリダイズ産物の形成状態を示す図である。 本発明の検出方法におけるクリーンアップハイブリダイズ産物形成状態の一例を示す図である。 本発明の検出方法におけるクリーンアップハイブリダイズ産物形成状態の他の一例を示す図である。 一本鎖タグを有する核酸増幅産物の増幅の一例を示す図である。 一本鎖タグを有する核酸増幅産物の増幅の他の一例を示す図である。 一本鎖タグを有する核酸増幅産物の一例を示す図である。 一方の端にハイブリダイズタグを備え他方の端に標識物質を備える核酸増幅産物の増幅工程を示す図である。 一方の端にハイブリダイズタグを備え他方の端に標識物質結合物質を備える核酸増幅産物の増幅工程を示す図である。 二本鎖部分に標識物質又は標識物質結合物質を備える核酸増幅産物の増幅工程を示す図である。 実施例1で用いたメンブレンアレイ上のプローブの配置状態を示す平面図である。 実施例1におけるハイブリダイゼーションにおける結果(先行ハイブリダイゼーション工程を実施した場合)を示す図である。 実施例1におけるハイブリダイゼーションにおける結果(先行ハイブリダイゼーション工程を実施しない場合)を示す図である。 実施例2で用いたクロマトグラフィーにおけるプローブの配置状態を示す平面図である。 実施例2におけるクロマトグラフィー型ハイブリダイゼーションにおける結果(先行ハイブリダイゼーション工程を実施した場合)を示す図である。 実施例2におけるクロマトグラフィー型ハイブリダイゼーションにおける結果(先行ハイブリダイゼーション工程を実施しない場合)を示す図である。 実施例3におけるハイブリダイゼーションにおける結果を示す図である。 実施例4におけるクロマトグラフィー型ハイブリダイゼーションにおける結果を示す図である。 実施例5におけるクロマトグラフィー型ハイブリダイゼーションにおける結果を示す図である。 実施例7におけるクロマトグラフィー型ハイブリダイゼーションにおける結果を示す図である。 実施例8におけるクロマトグラフィー型ハイブリダイゼーションにおける結果を示す図である。
本明細書は、標的核酸の検出方法、核酸増幅産物の精製方法、核酸増幅産物の精製剤及び検出キット等に関する。
本明細書の開示によれば、一本鎖タグをプローブとのハイブリダイズ部位として備える核酸増幅産物に付随しうる未反応プライマー、プライマーダイマー増幅産物などの核酸構造体とプローブとのハイブリダイズ産物を排除することで、意図しないハイブリダイズ産物の形成を抑制して、意図した核酸増幅産物とプローブとのハイブリダイズ産物のみをハイブリダイゼーション工程において得ることができる。この結果、検出感度の低下や偽陽性を回避して確度の高い検出が可能となる。
図1に、副生ハイブリダイズ産物の形成状態の概略を示す。
さらに、図2に、副生ハイブリダイズ産物の形成が抑制された状態の概略を示す。図2に示すように、こうした核酸構造体の少なくとも一部とハイブリダイズ可能なマスキング剤とをハイブリダイズするようにすることで、核酸構造体のプローブとのハイブリダイズ能を抑制又は阻害することができる。この結果、簡易かつ迅速に副生ハイブリダイズ産物の形成を抑制でき、偽陽性の発生を抑制できる。非特許文献3,4記載のプライマーダイマー除去試薬を用いる場合、煩雑な操作と時間が必要となるが、各種核酸構造体とマスキング剤とをハイブリダイズさせることで、簡易でかつ短時間で副生ハイブリダイズ産物の形成を抑制できる。核酸構造体とマスキング剤とのハイブリダイズは、本来のハイブリダイゼーション工程に先立つ先行ハイブリダイゼーション工程や前処理等として実施できる。
以下、本開示の代表的かつ非限定的な具体例について、適宜図面を参照して詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本開示の範囲を限定することを意図したものではない。また、以下に開示される追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された標的核酸の検出方法を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本開示を実施する際に必須のものではなく、特に本開示の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、上記及び下記の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、独立及び従属クレームに記載されるものの様々な特徴は、本開示の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
本明細書及び/又はクレームに記載された全ての特徴は、実施例及び/又はクレームに記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
以下、本明細書の開示に関するいくつかの実施形態を、適宜図面を参照して説明する。なお、本明細書において「核酸」とは、ヌクレオチドの重合体を意味しており、その数は特に限定しない。核酸は、数十程度のヌクレオチドが連結したオリゴヌクレオチドが包含され、さらに長いポリヌクレオチドも包含される。核酸は、DNA1本鎖若しくは二本鎖のほか、RNA一本鎖若しくは二本鎖、さらには、DNA/RNAハイブリッド、DNA/RNAキメラなども包含される。また、核酸は、天然の塩基、ヌクレオチド及びヌクレオシドからなるもののほか、非天然の塩基、ヌクレオチド、ヌクレオシドを一部に含むものであってもよい。また、核酸は、cDNA、ゲノムDNA、合成DNA、mRNA、全RNA、hnRNAおよび合成RNAを含む全てのDNAおよびRNAのほかペプチド核酸、モルホリノ核酸、メチルフォスフォネート核酸およびS−オリゴ核酸などの人工合成核酸を含む。また、1本鎖であっても2本鎖であってもよい。
また、本明細書において「標的核酸」とは、特に限定されないでその存在及び/又は量を検出するべき任意の核酸である。標的核酸は、天然のあるいは人工的に合成されたものであってもよい。天然の標的核酸としては、例えば、体質、遺伝病、癌などの特定疾患についての発症、疾患診断、治療予後、薬剤や治療の選択などのヒト、非ヒト動物などの生物における遺伝子上の指標となる塩基あるいは塩基配列を含んでいる。典型的には、SNPなどの多型や先天的又は後天的変異が挙げられる。また、病原菌やウイルスなどの微生物由来の核酸なども標的核酸に含まれる。また、合成の標的核酸としては、人為的になんらかの識別のために合成された核酸が挙げられる。また、ある種の天然あるいは人工の核酸に対して核酸増幅反応を行って得られる増幅産物が挙げられる。
標的核酸は、後述する試料又はその核酸画分をそのまま用いることもできるが、好ましくは、PCRによる増幅反応、より好ましくはマルチプレックスPCRによる増幅反応により、複数の標的核酸が増幅された増幅産物を用いることが好ましい。
本明細書において「試料」とは、標的核酸を含む可能性のある試料をいう。試料採取源は特に限定されないが、標的核酸が含まれうる試料としては、各種の生体由来の試料(血液、尿、痰、唾液、組織、細胞(各種の動物由来の培養動物細胞、培養植物細胞、培養微生物細胞を含む)等)あるいは、こうした生体試料からDNAを抽出したDNA抽出試料等が挙げられる。さらには、上記生体試料からRNAを抽出し、DNAに変換したDNA試料等も含まれる。こうした各種の試料からの核酸を含む画分は当業者であれば適宜従来技術を参照して取得することができる。
本明細書において「標的配列」とは、検出対象の標的核酸に特徴的な1又は2以上の塩基からなる配列をいう。例えば、標的核酸同士のホモロジーの低い部分配列であってもよいし、試料に含まれる可能性のある他の核酸に相補性もしくは相同性の低い配列であってもよい。標的配列は、標的核酸に特徴的な配列であってもよい。こうした標的配列は、人工的に配列を変更したものであってもよい。
本明細書において、核酸クロマトグラフィーとは、キャピラリー現象により液体(展開媒体)を拡散・移動可能な多孔質状の固相担体を用いて、前記液体により核酸を固相担体内を移動させて固相担体に予め準備したプローブとの特異的な塩基対合によってハイブリダイズ産物を形成させて前記核酸を固相担体に補足するクロマトグラフィーをいう。
以下では、本明細書の開示の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して詳細に説明する。この詳細な説明は、本明細書の開示の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本明細書の開示の範囲を限定することを意図したものではない。また、以下に開示される追加的な特徴ならびに開示は、さらに改善された標的核酸の検出方法等を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本明細書の開示を実施する際に必須のものではなく、特に本明細書の開示の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、上記及び下記の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、独立及び従属クレームに記載されるものの様々な特徴は、本明細書の開示の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
本明細書及び/又はクレームに記載された全ての特徴は、実施例及び/又はクレームに記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
(標的核酸の検出方法)
本明細書に開示される標的核酸の検出方法は、少なくとも1つの一本鎖であるタグ鎖(一本鎖タグ)を備える核酸増幅産物と、前記タグとハイブリダイズ可能なプローブとを、これらがハイブリダイズ可能な条件で接触させるハイブリダイゼーション工程を備えることができる。本検出方法は、このハイブリダイゼーション工程において、
以下の(a)及び(b);
(a)核酸増幅産物の増幅用プライマー
(b)増幅用プライマーのダイマー由来の増幅産物、
から選択される少なくとも一種の核酸構造体と前記プローブとのと副生ハイブリダイズ産物の形成を抑制する、ことを特徴とする。
以下、本検出方法で用いる核酸増幅産物及びその取得工程について説明する。核酸増幅産物の取得工程は、ハイブリダイゼーション工程に先立って、本検出方法の一工程として実施してもよい。
(核酸増幅産物)
本検出方法における、少なくとも1つの一本鎖タグを備える核酸増幅産物は、図3A及び図3Bの最下段に示すように、二本鎖部分と、当該二本鎖の少なくとも一方の端部に突出して位置される一本鎖部分であるタグ鎖と、を備えている。核酸増幅産物は、図3Aに示すように、二本鎖の一方の端部に1つの一本鎖タグを備えるものであってもよいし、図3Bに示すように、二本鎖の双方の端部にそれぞれ一本鎖タグを備えるものであってもよい。一本鎖タグは、二本鎖の各構成鎖の5’末端に位置されることが好ましい。
核酸増幅産物における二本鎖部分は、概して、DNAポリメラーゼによるDNA鎖の伸長反応の基質となりうる天然塩基(アデニン、グアニン、チミン及びシトシン)を備えるヌクレオチドがリン酸ジエステル結合で連結された構造を有するが、これに限定するものではない。
核酸増幅産物の、1つの一本鎖タグが、標的核酸に予め関連付けられたプローブとハイブリダイズ可能である。すなわち、特定プローブとハイブリダイズ可能な塩基配列を有している。典型的には、1つの一本鎖タグ(以下、ハイブリダイズタグともいう。)は、特定プローブと完全に相補的なタグ配列を有している。核酸増幅産物が、もう1つの一本鎖タグを備えるとき、当該タグは、例えば、標識物質結合領域等として用いることができる。
ハイブリダイズタグは、核酸増幅反応によって合成可能に、概して、天然塩基(アデニン、グアニン、チミン及びシトシン)を備えるヌクレオチドがリン酸ジエステル結合で連結された構造を有するが、これに限定するものではない。核酸増幅反応によらない非天然の合成によるオリゴヌクレオチド鎖であってもよい。このヌクレオチド鎖は、バックボーンに関しても、いわゆる天然のリボース−リン酸バックボーン以外にも、PNA(ペプチド核酸)のバックボーン、BNA(架橋化核酸)などのバックボーン等公知の人工的バックボーンを採用できる。また、塩基についても、プローブとの特異的とハイブリダイズ可能であればよいので、プローブを対応させることを前提に、非天然の、例えば、L−DNAを備えていてもよいし、L−DNAのみからなっていてもよい。また、非天然塩基を有していてもよく、非天然塩基のみから構成されていてもよい。
ハイブリダイズタグは、プローブとハイブリダイズ可能なタグ配列を有している。タグ配列の塩基長は、プローブの検出用配列の塩基長に一致し、好ましくは、20塩基以上50塩基以下であり、より好ましくは、20塩基以上25塩基以下である。
核酸増幅産物は、検出しようとする標的核酸に関連付けられている。すなわち、標的核酸を含む可能性のある試料中の標的核酸を特異的に増幅できるように構築されたプライマーセットにより増幅される。また、核酸増幅産物は、一本鎖タグを付与するために、概して、後述する連結部位を備えたものとなっている。
(核酸増幅産物の取得工程)
こうした核酸増幅産物は、例えば、以下に示すプライマーセットを用いるDNAポリメラーゼによる核酸増反応で得ることができる。本工程における核酸増幅法は、PCRを始めとするDNAポリメラーゼ反応を用いてDNA等を鋳型として増幅して二重鎖DNA断片を取得する各種の公知の方法が挙げられる。こうした工程の概要を図3A及び図3Bに示す。
図3Aに示す工程では、第1のプライマーは、標的核酸に予め関連付けられたプローブに対するハイブリダイズタグである第1の任意の塩基配列と標的核酸中の第1の塩基配列を識別する第1の識別配列とを含み、第1の任意配列と第1の認識配列との間に、DNAポリメラーゼ反応を抑制又は停止可能な連結部位を有している。また、第2のプライマーは、標的核酸中の第2の塩基配列を識別する第2の識別配列を含んでいる。
連結部位は、DNAポリメラーゼの反応を抑制又は停止させる。すなわち、当該連結部位は、天然塩基等を含まないなどの理由により、DNAポリメラーゼによるDNA伸長反応の鋳型とはなりえない。このため、図3Aに示すように、第1のプライマーによって増幅されたDNA一本鎖が鋳型鎖となって、さらに第2のプライマーによって増幅されるとき、第2のプライマーからのDNA伸長反応は、当該連結部位に対合する部位より3’側において抑制又は停止される。このため、増幅工程により得られる増幅産物片(DNA二重鎖断片)は、結果として、一方の端部に第1の任意の塩基配列を突出する一本鎖として備えるとともに塩基の対合による二重鎖部分を備えたものとなると推論される。
また、図3Bに示す工程では、第2のプライマーが、第2の任意の塩基配列をさらに有し、当該第2の任意の塩基配列と第2の識別配列との間に前記連結部位を有する場合の工程を示す。図3Bに示すように、図3Aで示した第1のプライマーと同様、第2のプライマーによって増幅されたDNA一本鎖が鋳型鎖となって、さらに第1のプライマーによって増幅されるとき、第1のプライマーからのDNA伸長反応は、当該連結部位に対合する部位より3’側において抑制又は停止される。このため、工程により得られる増幅産物(DNA二重鎖断片)は、結果として、一方の端部にハイブリダイズタグを突出した一本鎖として備え、他方の端部に任意の塩基配列を突出した一本鎖として備えるとともに、塩基の対合による二重鎖部分を備えたものとなると推論される。なお、図3Bに示す形態では、第2のプライマーに由来する第2の任意の塩基配列は、標識物質や標識結合物質などを付与する部位(標識タグ)とすることもできる。
以下に、一本鎖タグを備える核酸増幅産物の取得工程についてより詳細に説明する。この核酸増幅産物は、以下の第1のプライマー及び第2のプライマーのセットにより取得できる。核酸増幅は、これらのプライマーを用いて実施する。核酸増幅法は既に説明したように各種公知の方法を適用できるが、典型的にはPCR、マルチプレックスPCR等の各種PCRである。核酸増幅工程を実施するにあたっての、溶液組成、温度制御、時間等については、当業者であれば適宜設定することができる。
(第1のプライマー)
第1のプライマーは、ハイブリダイズタグと、第1の識別配列と、DNAポリメラーゼよるDNAの鎖伸長反応を抑制又は停止可能な連結部位と、を備えている。既に記載したように、連結部位を備えることで、核酸増幅反応により、ハイブリダイズタグを備える第1の鎖を含む核酸増幅産物を合成できる。また、こうした連結部位を備えることで、ハイブリダイズタグの自由運動性を向上させることができ、プローブとの効率的なハイブリダイゼーションが可能となる。第1のプライマーは、概して、5‘側からハイブリダイズタグ、連結部位及び第1の識別配列を備えている。
(ハイブリダイズタグ)
ハイブリダイズタグは既に説明したとおりである。タグ配列は、増幅断片が検出用プローブとハイブリダイゼーションを可能とするための配列であり、標的核酸を検出するものであるため、標的核酸毎に検出用プローブの検出用配列にハイブリダイズ可能に設定される。典型的には、検出用配列に相補的な塩基配列となっている。したがって、一つの標的核酸は、一つのプローブに対応付けられることになる。
(第1の識別配列)
第1の識別配列は、核酸増幅により、標的核酸を増幅するための配列であり、標的核酸中の標的配列の一部を構成する第1の塩基配列と特異的にハイブリダイズできる。第1の識別配列は、第1の塩基配列と高い選択性でハイブリダイズ可能な程度に相補的に設定される。好ましくは完全に相補的(特異的)に設定される。
標的核酸中の第1の塩基配列と第2の塩基配列とは、標的核酸に対してどのような構成となっていてもよい。例えば、DNA上の変異を検出する場合、いずれか一方の塩基配列にのみ1又は2以上の塩基の変異部位が含まれるようにしてもよいし、双方に変異部位が含まれるようにしてもよい。なお、第1のプライマーは、こうしたタグ配列及び第1の識別配列を有しており、こうした塩基配列を構成する天然塩基あるいはこれに相同な人工塩基を有するとともに、天然核酸との間で塩基対合を可能とする骨格を有している。典型的にはオリゴヌクレオチド又はその誘導体である。
(連結部位)
連結部位は、鋳型鎖に含まれたとき、DNAポリメラーゼ反応を抑制又は停止可能な部位である。DNAポリメラーゼ反応は、鋳型となる核酸(ないし塩基)がないとそれ以上DNA鎖を伸長しないとされている。このため、本発明の連結部位は、DNAポリメラーゼによるDNA伸長時の鋳型となりえない構造を有している。すなわち、連結部位は、天然塩基又は天然塩基と対合する天然塩基の誘導体(天然塩基等)を含まない。こうした天然塩基等を含まないことで、前記鋳型となることを回避して、DNAポリメラーゼによるDNA鎖の伸長を抑制又は回避できる。したがって、連結部位は、天然塩基等を有しないない単なる骨格鎖だけであってもよい。すなわち、糖−リン酸骨格や、他の公知の人工オリゴヌクレオチドに適用される骨格であってもよい。なお、DNAポリメラーゼは、各種公知のDNAポリメラーゼが包含される。典型的には、各種PCRなどの核酸増幅法に用いられるDNAポリメラーゼが挙げられる。
また、連結部位は、リン酸ジエステル結合を介してヌクレオチドに隣接される、元素数が2以上40以下である一重鎖構造を含む鎖状の連結基であってもよい。元素数が1以下では、DNAポリメラーゼ反応を抑制又は停止が不完全になりやすく、元素数が40を超えると、ヌクレオチドの溶解性が低下するおそれがあるからである。DNAポリメラーゼ反応の抑制又は停止の効果を考慮すると、鎖状の連結基の元素は、2以上36以下であることが好ましく、より好ましくは3以上16以下である。
連結部位が、一重結合を含むのは、連結部位における回転を容易にするためであり、一重結合は、炭素−炭素一重結合、炭素−酸素一重結合、炭素−窒素一重結合、S−S一重結合などが挙げられる。連結部位は、こうした一重結合を主体とすることが好ましい。また、連結部位は、一重結合を含む限り一部に芳香環あるいはシクロアルカンを含んでいてもよい。
連結部位としては、元素数が2以上40以下であって置換されていてもよいアルキレン鎖又はポリオキシアルキレン鎖を含むことが好ましい。こうした鎖状の連結構造は、構造的に簡易であるほか、連結部位としての導入も容易である。
こうした連結部位としては、例えば、以下の式(1)で表される連結部位が挙げられる。
5’−O−Cm2m−O−3’ 式(1)
(式中、5’は、5’側のリン酸ジエステル結合の酸素原子を表し、3’は、3’側のリン酸ジエステル結合のリン酸原子を表し、mは2以上40以下の整数を表す。)
式(1)においてmは、好ましくは2以上36以下であり、より好ましくは3以上16以下である。式(1)中のHの置換基は、典型的には、アルキル基、アルコキシ基、水酸基等が挙げられる。アルキル基及びアルコキシ基の炭素数は1〜8であることが好ましく、より好ましくは1〜4である。また、2以上の置換基を有する場合には、置換基は同一であっても異なっていてもよい。さらに、置換基を有していないことも好ましい。
また、他の連結部位としては、以下の式(2)で表される連結部位が挙げられる。
5’−(OCn2nl−O−3’ 式(2)
(式中、5’は、5’側のリン酸ジエステル結合の酸素原子を表し、3’は、3’側のリン酸ジエステル結合のリン酸原子を表し、nは2以上4以下の整数を表し、lは、2以上の整数であって、(n+1)×lは40以下となる整数を表す。)
式(2)において(n+1)×lは、好ましくは2以上36以下であり、より好ましくは3以上16以下である。式(2)中のHの置換基は、式(1)中の置換基と同様の態様が適用される。
連結部位としては、例えば、以下の鎖状部位が挙げられる。
さらに、連結部位としては、例えば、以下の鎖状部位が挙げられる。
連結部位は、このほか、強固なヘアピン構造やシュードノット構造のようにポリメラーゼの進行を阻害する立体構造を有する核酸配列、L型核酸や人工核酸等の標的核酸天然型核酸や、RNA及び脂肪鎖のような非核酸構造が挙げられる。人工核酸としては、ペプチド核酸、架橋化核酸、アゾベンゼン等が挙げられる。
(第2のプライマー)
第2のプライマーは、核酸増幅産物の第1の鎖と対合する第2の鎖を得るためのプライマーである。図4に示すように、第2のプライマーは、連結部位を含まずに構成することができる。こうした第2のプライマーを用いることで、ハイブリダイズタグのみを備える核酸増幅産物(一方にのみ一本鎖タグを備える核酸増幅産物)を得ることができる。ハイブリダイズタブのみを備える核酸増幅産物は、特に、クロマトグラフィー形態のハイブリダイゼーション工程において、高い感度と正確性で標的核酸を検出できるため好ましい。
(第2の識別配列)
既に説明したように、第2のプライマーは、標的核酸中の第2の塩基配列を識別する第2の識別配列を含んでいる。第2の識別配列は、核酸増幅により、第1のプライマーとともに標的核酸を増幅するための配列であり、標的核酸中の標的配列の他の一部を構成する第2の塩基配列と特異的にハイブリダイズできる。第2の識別配列は、第2の塩基配列と高い選択性でハイブリダイズ可能な程度に相補的に設定される。好ましくは完全に相補的(特異的)に設定される。
図5に示すように、第2のプライマーは、予め標識物質を備えることができる。標識物質40は、固相担体上でプローブに結合した部分二本鎖核酸10を検出するためのものである。標識物質としては後述するが、従来公知のものを適宜選択して用いることができる。標識物質は、第2のプライマーの5’末端に備えられていることが好ましい。
また、第2のプライマーは、図6に示すように、標識物質結合物質を備えていてもよい。標識物質結合物質は、第2のプライマーの5’末端に備えられていることが好ましい。さらに、第2のプライマーは、図7に示すように、標識物質及び標識物質結合物質を備えていなくてもよい。すなわち、増幅工程において、標識物質又は標識物質結合物質を備えるヌクレオシド誘導体三リン酸を含むヌクレオシド三リン酸組成物を用いて核酸増幅反応を実施することで、DNA伸長部位に標識物質又は標識物質結合物質が導入され標識された核酸増幅産物を得ることができるからである。
第2のプライマーにおいては、その5’側から、標識物質又は標識物質結合物質、第2の識別配列の順でこれらを有していることが好ましい。これにより、5’末端に標識物質又は標識物質結合物質を備える第2の鎖を得ることができる(図4〜図6参照)。
第2のプライマーが、連結部位を備えるとき、2つの一本鎖タグを備える核酸増幅産物を得ることができる。すなわち、ハイブリダイズタグと、もう1つの一本鎖タグ(例えば標識タグ)を備える核酸増幅産物を得ることができる(図3B参照)。
連結部位を備える第2のプライマーは、標識タグ、連結部位及び第2の識別配列を備えることができる。標識タグは、標識物質又は標識物質結合物質を保持する標識プローブと特異的にハイブリダイズ可能に形成されている。こうした標識プローブは後述するハイブリダイゼーション工程や検出工程において固相担体上のプローブとハイブリダイズしたハイブリダイズ産物の標識タグとハイブリダイズさせて、そのハイブリダイズ産物を標識することができる。
(標識物質)
標識物質又は標識物質結合物質は、最終的に核酸増幅産物のいずれかの箇所に備えられていればよい。第2のプライマーに依拠して増幅工程、ハイブリダイゼーション工程及び検出工程のいずれかで組み込まれてもよいし、第2のプライマーに依拠せずに、増幅工程において、標識物質又は標識物質結合物質を備えるヌクレオシド誘導体三リン酸を含むヌクレオシド三リン酸組成物を用いて核酸増幅反応を実施することで核酸増幅産物に組み込まれていてもよい。
本明細書において「標識物質」とは、検出しようとする物質あるいは分子を他と識別することを可能とする物質である。標識物質は、特に限定しないが、典型的には、蛍光、放射能、酵素(例えば、ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ等)、燐光、化学発光、着色などを利用した標識物質が挙げられる。
標識物質は、目視(肉眼で)で検出可能な発光又は発色を提示する発光物質又は発色物質であることが好ましい。すなわち、直接それ自体が、他の成分を必要としないで肉眼で視認可能なシグナルを生成することができる物質であることが好ましい。検出工程で迅速かつ簡易に行うことができる。こうした物質としては、典型的には、各種の顔料や染料などの各種の着色剤が挙げられる。また、これに準ずる、金、銀などの貴金属ほか、銅などの各種金属又は合金、あるいは当該金属を含む有機化合物(錯体化合物であってもよい)が挙げられる。また、着色剤に準ずる、マイカ等の無機化合物が挙げられる。
この種の標識物質としては、典型的には、各種染料、各種顔料、ルミノール、イソルミノール、アクリジニウム化合物、オレフィン、エノールエーテル、エナミン、アリールビニルエーテル、ジオキセン、アリールイミダゾール、ルシゲニン、ルシフェリン及びエクリオンを包含する化学発光物質が挙げられる。また、こうした標識物質でラベルされているラテックス粒子などの粒子も挙げられる。さらに、金コロイド若しくはゾル又は銀コロイド若しくはゾルを包含するコロイド若しくはゾル等が挙げられる。さらにまた、金属粒子、無機粒子等が挙げられる。
標識物質は上記のように、その一部に粒子を備えていてもよい。標識物質の一部を構成するラテックス粒子などの粒子の平均粒子径は、特に限定しないが、例えば、0.1nm以上20μm以下であり、固相担体の孔径等によって適宜選択することができる。
好ましい粒子は、水溶液に懸濁でき、そして水不溶性ポリマー材料からなる粒子である。例えばポリエチレン、ポリスチレン、スチレン−スチレンスルホン酸塩共重合体、アクリル酸ポリマー、メタクリル酸ポリマー、アクリロニトリルポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、ポリビニルアセテート−アクリレート、ポリビニルピロリドン又は塩化ビニル−アクリレートが挙げられる。それらの表面上に活性基、例えばカルボキシル、アミノ又はアルデヒド基を有するラテックス粒子も挙げられる。
標識物質結合物質は、タンパク質−タンパク質相互作用、低分子化合物−タンパク質相互作用等を利用できる。例えば、抗原抗体反応における抗体や、アビジン(ストレプトアビジン)−ビオチンシステムにおけるビオチン、抗ジゴキシゲニン(DIG)−ジゴキシゲニン(DIG)システムにおけるジゴキシゲニン、又は抗FITC−FITCシステムにおけるFITC等に代表されるハプテン類などが挙げられる。この場合、最終的に検出のために用いられる標識物質は、標識物質結合物質と相互作用する他方の分子又は物質(例えば、抗原、すなわち、ストレプトアビジン、抗FITCなど)を、標識物質結合物質との結合のための部位として備えるように修飾される。増幅産物が標識物質結合物質を備える場合には、ハイブリダイゼーション工程において、あるいはこの工程に先立って、あるいはこの工程後に、増幅産物の標識物質結合物質と、標識物質結合物質と結合する部位を備える標識物質との複合体を形成させて、標識物質により増幅産物を検出する。
こうした標識物質や標識物質結合物質は商業的に入手できるほか、標識物質及び標識物質結合物質の製造及び標識物質等を粒子にラベルする方法も公知であり、当業者であれば適宜公知技術を利用して取得することができる。さらに、こうした標識物質又は標識物質でラベル化された粒子や標識物質結合物質と、DNA等のオリゴヌクレオチドとの結合もアミノ基等の官能基を介して適宜可能であり、それ自体は当該分野において周知である。
こうしたプライマーは、通常のオリゴヌクレオチド合成法にしたがって合成することができる。例えば、連結部位については、アルキレン鎖を有するホフォスホアミダイト試薬を用いて合成することができる。こうした試薬自体は、公知であり、例えば、GlenResearch社等から入手することができる。例えば、以下の試薬が挙げられる。なお、以下の式においてDMTは、水酸基保護基として典型的なジメトキシトリチル基を表すが、他の公知の水酸基保護基であってもよい。また、以下の式においてPAは、ホスホアミダイト基を表す。
ハイブリダイズタグを有する核酸増幅産物は、プローブとハイブリダイゼーションさせるとき、熱変性させなくても、極めて高感度にかつ迅速に標的核酸を検出できる。
以上説明した核酸増幅産物の取得工程は、2以上の標的核酸について同時に実施することができる。複数の標的核酸に関連付けられた複数の増幅産物を一挙に得る工程は、一般的にはマルチプレックスPCRと称される。
本検出方法は、複数の標的核酸からそれぞれ核酸増幅産物を得る場合において特に有意義である。こうした場合においては、通常、それぞれの標的核酸に応じて複数のプライマーセットを用いる。こうした場合には、プライマーダイマーの形成を抑制することが困難な場合が多く、偽陽性を呈する可能性が高いからである。
(ハイブリダイゼーション工程)
本検出方法は、核酸増幅産物を、標的核酸に予め関連付けられたハイブリダイズタグとこの標的核酸と予め関連付けられたプローブとを、これらのハイブリダイズ産物(目的ハイブリダイズ産物)が形成可能な条件で接触させるハイブリダイゼーション工程、を備える。
目的ハイブリダイズ産物が形成可能な条件は当業者であれば適宜設定できる。すなわち、ハイブリダイゼーション温度、ハイブリダイゼーション溶液の塩濃度及び溶媒の種類等、ハイブリダイゼーション時間は当業者であれば適宜設定できる。本検出方法において、特には、クロマトグラフィー形態のハイブリダイゼーションでは、例えば、10℃〜50℃程度、好ましくは20℃〜35℃程度で、数分から数十分程度、典型的には、30分以内、好ましくは20分以内でハイブリダイゼーション工程を実施できる。
ハイブリダイゼーション工程においては、核酸増幅産物において第2のプライマー等に基づいて予め標識物質を備えていない場合には、適宜、こうした標識物質や標識結合物質を備える標識プローブを供給するようにして、後段での検出工程で目的ハイブリダイズ産物を検出できるようにすることができる。
本検出方法においては、核酸増幅産物は、ハイブリダイズタグを一本鎖として備えているため、核酸増幅産物をプローブとハイブリダイズ可能に変性して一本鎖化する工程を省略することができる。
ハイブリダイゼーション工程は、通常、固相担体に結合されたプローブに対して実施される。プローブ及び固相担体については後述する。ハイブリダイゼーションの形態としては、プローブが固定化された固相担体全体にハイブリダイゼーション溶液を供給して実施するハイブリダイゼーションの形態(浸漬型ハイブリダイゼーション)に限定されない。例えば、固相体の一部に移動相でもあるハイブリダイゼーション溶液を供給して、固相体に対して所定の方向性でハイブリダイゼーション溶液を展開するクロマトグラフィーの形態(展開型ハイブリダイゼーション)であってもよい。本検出方法においては、クロマトグラフィー形態を採用することが好ましい。簡易で迅速性に優れるクロマトグラフィーによるハイブリダイゼーション工程において、検出確度の向上の意義はより高いからである。
なお、クロマトグラフィー形態でハイブリダイゼーション工程を実施するとき、ハイブリダイゼーション工程に用いる展開媒体は、水性媒体であることが好ましい。水性媒体は、こうしたクロマトグラフィーに用いられる公知の成分等を適宜配合して調製することができる。
(副生ハイブリダイズ産物の形成抑制)
本検出方法では、ハイブリダイゼーション工程において、
以下の(a)及び(b);
(a)標識物質又は標識物質結合物質を保持しうる増幅用プライマー
(b)標識物質又は標識物質結合物質を保持しうる増幅用プライマーを含む増幅用プライマーのダイマー由来の増幅産物
から選択される少なくとも一種の核酸構造体と前記プローブとの偽陽性を呈する副生ハイブリダイズ産物の形成を抑制する。
こうすることで、偽陽性を生じる副生ハイブリダイズ産物の形成を抑制できる。すなわち、標識物質又は標識結合物質を備えうる未反応プライマーとプローブとの副生ハイブリダイズ産物や、標識物質又は標識結合物質を備えうるプライマーダイマー増幅産物との副生ハイブリダイズ産物の形成を抑制することができる。
副生ハイブリダイズ産物を形成する核酸構造体は、未反応プライマーである場合もあるし、プライマーダイマー由来増幅産物である場合もあるし、これらの双方である場合もある。プライマーの配列や、ハイブリダイゼーション条件によって、これら変化する傾向がある。
(未反応プライマー等の除去)
偽陽性を生じる副生ハイブリダイズ産物の形成を抑制する1つの方法として、ハイブリダイゼーション工程に先立って、未反応プライマーやプライマーダイマー由来増幅産物を、核酸増幅産物を含む核酸増幅反応液から除去する工程を実施することが挙げられる。例えば、ポリエチレングリコール(平均分子量3000〜10000程度、好ましくは、6000〜10000程度、より好ましくは8000程度)などのDNA吸着剤を用いて、比較的長い核酸増幅産物(本明細書で意図する核酸増幅産物は概して100bp〜1000bp程度である)を吸着するようにする。これを遠心分離により100bp以下、概して60bp以下の未反応プライマーやプライマーダイマー由来の増幅産物を上清に、核酸増幅産物をペレットとして分離することができる。遠沈後は、ペレットをエタノール洗浄することでポリエチレングリコール等のDNA吸着剤を除去することができる。
このような精製には、典型的には、市販されている非特許文献1に記載のプライマー、プライマーダイマー由来増幅産物の除去試薬を用いることができる。
未反応プローブ等の除去には、核酸増幅反応液に、核酸増幅産物をペレットとし、未反応プローブ等を上清に分離できるような密度の溶液を添加して、よく混合等したのち、所定の重力及び時間で遠心分離することが挙げられる。ペレットとして取得した核酸増幅産物をエタノール等で洗浄し、再度ペレットとして取得することで、核酸構造体を除去した核酸増幅産物を得ることができる。
(先行ハイブリダイゼーション)
また、他の1つの方法として、ハイブリダイゼーション工程に先立って、偽陽性ハイブリダイズ産物を生じうる少なくとも一種の核酸構造体の少なくとも一部と、当該一部とハイブリダイズ可能なマスキング剤と、がハイブリダイズしたクリーンアップ用ハイブリダイズ産物を形成する先行ハイブリダイゼーション工程を実施することが挙げられる。この先行ハイブリダイゼーション工程によれば、簡易にかつ迅速に不都合な核酸構造体をクリーンアップハイブリダイズ産物として除去(捕捉)しておくことができる。
例えば、未反応の増幅用プライマーを除去(捕捉)するクリーンアップハイブリダイズ産物を形成するには、図2Aに示すように、増幅に用いた標識物質又は標識結合物質を保持しうる第2のプライマーの第2の識別配列の少なくとも一部にハイブリダイズ可能な核酸であるマスキング剤が挙げられる。こうしたマスキング剤の1種又は2種以上を用いて核酸増幅反応液との先行ハイブリダイゼーション工程を実施することで、第2のプローブに基づく擬陽性を呈する副生ハイブリダイズ産物の形成を抑制できる。なお、本明細書において、ハイブリダイズ可能であるとは、ハイブリダイズする相手鎖と完全に相補的であることを包含している。
未反応増幅用プライマーを除去するクリーンアップハイブリダイズ産物を形成する先行ハイブリダイゼーション工程を実施するには、クリーンアップハイブリダイズ産物を形成する条件で行う。未反応プライマーは、核酸増幅反応液において概して一本鎖で存在するため、マスキング剤を供給することで、容易にクリーンアップハイブリダイズ産物を形成する。
また、第1のプライマーと標識物質又は標識結合物質を保持しうる第2のプライマーとのプライマーダイマー由来の増幅産物を除去(捕捉)するクリーンアップハイブリダイズ産物を形成するには、図2Bに示すように、プライマーダイマー由来増幅産物の再アニールを抑制するように、これらの構成鎖(すなわち、プライマーダイマー増幅産物における第1のプライマー伸長物と第2のプライマー伸長物)の少なくとも一部と同一又はハイブリダイズする核酸であるマスキング剤が挙げられる。
典型的には、第1のプライマーの第1の識別用配列の少なくとも一部と同一か又はハイブリダイズ可能な核酸であるマスキング剤が挙げられる。また、第2のプライマーの第2の識別用配列の少なくとも一部と同一か又はハイブリダイズ可能な核酸であるマスキング剤が挙げられる。マスキング剤は、好ましくはハイブリダイズタグや標識タグにハイブリダイズ可能でないようにする。
プライマーダイマー増幅産物を捕捉するクリーンアップハイブリダイズ産物を形成する先行ハイブリダイゼーション工程を実施するには、こうしたクリーンアップハイブリダイズ産物を形成する条件で行えばよい。プライマーダイマー増幅産物は、核酸増幅反応液において概して二本鎖で存在するため、一旦、変性して融解させて一本鎖状態としないとマスキング剤とクリーンアップハイブリダイズ産物を形成できない。
こうした変性処理(融解処理)は、熱変性処理(熱融解処理)であってもよいし、化学物質による変性処理であってもよい。化学変性処理は、加熱を伴わない点において、簡易でありより安全であり、かつ迅速に実施できる。
熱による変性処理は、通常、90℃〜95℃程度に加熱し、所定時間、例えば、1〜5分程度維持することが挙げられる。なお、加熱処理後には、再アニールによりクリーンアップハイブリダイズ産物を形成するために、急冷ないし放冷する。また、核酸増幅産物のTmが核酸構造体のTmよりも高い場合には、核酸増幅産物は変性せず、核酸構造体のみが変性できる温度条件により変性処理することも可能である。
化学変性の場合、通常、0.2N NaOH、1%SDSの添加、尿素添加、ホルムアミドなどのDNAを変性可能な溶媒などの核酸変性剤の添加、アルカリ条件を採用することができる。アルカリ条件による変性は、公知の有機アルカリ及び無機アルカリから選択されるアルカリを用いて、適当な濃度に設定することにより、当業者であれば実施可能である。化学変性処理後には、クリーンアップハイブリダイズ産物の形成のため、例えばアルカリによる変性処理であれば、酸を添加して中和するようにする。また、尿素やジメチルホルムアミドについてはウレアーゼで分解することが可能である。
マスキング剤は、変性処理を行う場合、変性処理に先立って核酸増幅反応液に供給してもよいし、変性処理中(加熱中等)に供給してもよいし、その後の再アニール過程において供給してもよい。
なお、マスキング剤は、本明細書で意味するところの核酸で構成されている。マスキング剤は、概して、DNA一本鎖として、あるいは、適宜ハイブリダイズしたDNA二本鎖として供給される。
マスキング剤は、例えば、増幅用プライマーセットの初期量として250fmolによる反応結果物に対して、2.5pmol以上2.5nmol以下用いることができる。この範囲であると、マスキング剤によって副生ハイブリダイズ産物の形成を抑制できる。
こうした未反応プライマー等の除去工程を行った核酸増幅産物又はその核酸増幅反応液を、プローブとのハイブリダイゼーション工程に供する。本ハイブリダイゼーション工程によれば、先行プローブと標識物質又は標識物質結合物質を備える(あるいは備えることとなる)未反応の第2のプローブと副生ハイブリダイズ産物の形成が抑制されるため、偽陽性の検出が抑制又は回避される。また、本ハイブリダイゼーション工程によれば、標識物質又は標識物質結合物質を備える(あるいは備えることとなる)プライマーダイマー由来増幅産物とプローブとの副生ハイブリダイズ産物の形成が抑制されるため、偽陽性の検出が抑制又は回避される。結果として、簡易かつ迅速で、しかも高い確度で標的核酸を検出できる。
特に、クリーンアップハイブリダイズ産物を形成することは、プライマー等の除去工程を行うことよりも操作を格段に簡素化できるため、標的核酸の検出の簡易化、迅速化への貢献程度はより大きい。
ハイブリダイゼーション工程で用いるプローブは、固相担体に固定化された状態で使用される。プローブは、それぞれプロービングのための固有の塩基配列である検出用配列を有している。このような検出用配列は、標的核酸に特徴的な配列で設定することもできるし、標的配列と、無関係に設定することができる。標的配列と無関係に設定することで、プローブの検出用配列を、複数のプローブ間での非特異的結合を抑制又は回避できるように、かつ、ハイブリダイゼーションに好適な温度及び時間等のハイブリダイゼーション条件を考慮して設定することができる。また、標的核酸の種類にかかわらず、いつも同じ検出用プローブを用いることができるようになる。
検出用配列の長さは、特に限定しないが、20塩基以上50塩基以下であることが好ましい。この範囲であると、各検出用配列の特異性を確保しつつハイブリダイゼーション効率も確保できるからである。例えば、こうした塩基長の検出用配列は、後述する配列番号1〜100及びその相補配列から選択される各23塩基長の塩基配列を2つ組み合わせた46塩基長の配列や、当該組み合わせた塩基配列に対して適宜塩基を付加、欠失などすることにより得ることができる。より好ましくは、20塩基以上25塩基以下である。例えば、こうした塩基長の検出用配列は、配列番号1〜100の各23塩基長の塩基配列及びその相補配列又はこれらの塩基配列に対して適宜塩基を付加、欠失などすることにより得ることができる。なお、第1のプライマーにおけるタグ配列は、検出用配列と対合する塩基配列であるため、タグ配列の塩基長は、検出用配列と同様、20塩基以上50塩基以下であることが好ましく、より好ましくは、20塩基以上25塩基以下である。
こうしたプローブの検出用配列としては、例えば、配列番号1〜配列番号100に記載の塩基配列又はこの塩基配列に相補的な塩基配列を用いることができる。これらの塩基配列は全て同一塩基長(23塩基長)であり、融解温度(Tm)が40℃以上80℃以下、好ましくは50℃以上70℃以下であって、同一条件、例えば、融解温度マイナス15℃程度でのハイブリダイズにおいて均質なハイブリダイズ結果が得ることができるようになっている。ただしクロマトグラフィー形態のハイブリダイゼーションにおいては、常温(20℃±15℃)での使用を想定し、これらのなかでも15℃程度においてプローブ間の非特異反応が発生しにくいプローブの組合せを使用している。なお、上述したように、これらの塩基配列群から選択される2種を組み合わせることもできる。さらに、こうした配列に対して、特異性を失わない範囲で塩基を付加、欠失、置換等することができる。同時に用いる検出用プローブのための検出用配列は、配列番号1〜100で表される塩基配列(群)か、あるいはこれらに相補的な塩基配列(群)のいずれかの群から選択されることが好ましい。
このようなプローブにおける検出用配列は、正規直交化配列ともいい、H.Yoshida and A.Suyama,“Solution to 3-SAT by breadth first search”,DIMACS Vl.54, 9-20(2000)に詳細が記載されている。これらの文献に記載の方法を使用して正規直交化配列を設計することができる。
プローブは、担体に固定化されている。こうした担体としては、固相担体を用いることができる。例えば、担体はプラスチックであってもよいし、ガラスであってもよく、材質は特に限定されない。また、セルロース、ニトロセルロース、ナイロン等の多孔質体であってもよい。この種の多孔質担体は、特に、アフィニティークロマトグラフィーにより、固相担体に固定化した検出用プローブと増幅断片とをハイブリダイゼーションさせるのに好適である。
なお、担体の形状は平板状であってもよいが、ビーズ状であってもよく、形状は特に限定されない。固相体は、好ましくは、担体が固相平板状であり、複数の検出用プローブが一定の配列で固定されたアレイ(特にマイクロアレイ)である。アレイは、多数個のプローブを固定でき、同時に網羅的に各種の標的核酸を検出するのに都合がよい。
また、ハイブリダイゼーションを、アフィニティークロマトグラフィーの原理を用いて多孔質体である固相担体に固定化したプローブとの間で実施する形態では、少なくとも、検査や研究用に汎用されているエッペンドルフチューブ(商標)のようなマイクロチューブに供給されるハイブリダイゼーション溶液に対して担体の端部が浸漬可能なサイズ(幅方向)及び形状を備えていることが好ましい。好ましくは、この種のチューブの底部近傍から上端までに収容可能な部位を備える長尺体である。
クロマトグラフィーによるハイブリダイゼーションに用いる固相担体としては、例えば、ポリエーテルスルホン、ニトロセルロース、ナイロン、ポリフッ化ビニリデンなどのポリマーを主体としたいわゆる多孔質性の材料が挙げられる。また、ろ紙などのセルロース系材料も好ましく用いることができる。クロマトグラフィー用のプローブ固定化体は、単一の固相担体で構成されている必要は必ずしもない。全体としてキャピラリー現象により展開媒体を移動可能であれば、複数の固相担体で連結されていてもよい。また、クロマトグラフィー用プローブ固定化体の全体形態は特に問わない。シート状や細い棒状など、キャピラリー現象によるクロマトグラフィー用液の展開拡散が可能な形態であればよい。好ましくは、長尺状体であって、その長手方向に沿う一つの端部がクロマトグラフィーの展開媒体に接触するようになっている。
(検出工程)
検出工程は、目的ハイブリダイズ産物を、標識物質に基づいて検出する工程である。より具体的には、ハイブリダイズ産物を標識物質固有のシグナルにてその位置を確認する工程である。標識物質によるシグナルを検出するには、標識物質の種類に応じて適宜選択される。特異的結合反応や酵素による発色反応が必要な場合には、適宜そうした操作が行われる。
標識物質が、例えば、ラテックス粒子、金コロイド粒子、銀コロイド粒子など、肉眼で検出可能な発色又は発光を提示する標識物質であるときには、肉眼で直ちに標的核酸の存在やその量(色の濃さ等で)を検出できる。このため、一層の迅速検出が可能となっている。
(核酸増幅産物の精製方法)
本明細書に開示される核酸増幅産物の精製方法は、二本鎖部分と、当該二本鎖の少なくとも一方の端部に突出して位置される一本鎖部分であるタグ鎖を備える核酸増幅産物の存在下で、以下の(a)及び(b);
(a)標識物質又は標識物質結合物質を保持しうる増幅用プライマー
(b)標識物質又は標識物質結合物質を保持しうる増幅用プライマーを含む増幅用プライマーのダイマー由来の増幅産物
から選択される少なくとも一種の核酸構造体の少なくとも一部とハイブリダイズ可能なマスキング剤をハイブリダイズ可能に付与する工程
を備えることができる。
本精製方法は、既に説明した本検出方法の先行ハイブリダイゼーション工程を核酸増幅産物の精製方法として表現したものである。本精製方法は、ハイブリダイゼーションによる標的核酸の検出に先立つ前処理方法としても実施できる。
(核酸増幅産物の精製剤)
本明細書に開示される核酸増幅産物の精製剤は、前記核酸増幅産物は、二本鎖部分と、当該二本鎖の少なくとも一方の端部に突出して位置される一本鎖部分であってプローブとハイブリダイズ可能なハイブリダイズタグを備える核酸増幅産物であり、
以下の(a)及び(b);
(a)標識物質又は標識物質結合物質を保持しうる増幅用プライマー
(b)標識物質又は標識物質結合物質を保持しうる増幅用プライマーを含む増幅用プライマーのダイマー由来の増幅産物
から選択される少なくとも一種の核酸構造体の少なくとも一部とハイブリダイズ可能なマスキング剤を含むことができる。
本精製剤は、既に説明した本検出方法の先行ハイブリダイゼーション工程に用いるマスキング剤を核酸増幅産物の精製剤として表現したものである。本精製剤は、ハイブリダイゼーションによる標的核酸の検出に先立つ前処理用の試薬としても実施できる。
(検出キット)
本明細書に開示される検出キットは、二本鎖部分と、当該二本鎖の少なくとも一方の端部に突出して位置される一本鎖部分であってプローブとハイブリダイズ可能なハイブリダイズタグを備える核酸増幅産物を得るための少なくとも一対の増幅用プライマーと、
以下の(a)及び(b);
(a)標識物質又は標識物質結合物質を保持しうる増幅用プライマー
(b)標識物質又は標識物質結合物質を保持しうる増幅用プライマーを含む増幅用プライマーのダイマー由来の増幅産物
から選択される少なくとも一種の核酸構造体の少なくとも一部とハイブリダイズ可能なマスキング剤と、を備えることができる。
本検出キットは、既に説明した本検出方法に用いるプライマーセットと、先行ハイブリダイゼーション工程に用いるマスキング剤との組合せと、標的核酸の検出キットとして表現したものである。本検出キットには、さらに、核酸クロマトグラフィーに用いるクロマトグラフィー用プローブ固定化体とを組み合わせていてもよい。
以下、本発明を、実施例を挙げて具体的に説明するが、以下の実施例は本発明を限定するものではない。なお、以下の実施例において、%は、いずれも質量%を意味する。
(メンブレンタイプアレイによるハイブリダイゼーションによる標的核酸の検出)
本実施例では、以下の方法で標的核酸を検出した。
(1)メンブレンタイプDNAマイクロアレイの作製
メルクミリポア製Hi−Flow Plus メンブレンシート(60mm x 600mm)に以下の表に示す塩基配列からなるキャプチャーDNAプローブ溶液を、特開2003−75305号公報に記載されている吐出ユニット(インクジェット法)を用いた日本ガイシ株式会社GENESHOT(登録商標)スポッターを用いて、スポットした。使用した合成オリゴDNA配列は、文献(Analytical Biochemistry 364(2007)78-85)のSupplementary Table1記載のD1_1からD1_100の100種のうち以下の表に示す44種の配列(表1)をプローブとして使用し、図8に示す配置でアレイ化した。なお、プローブとしては、オリゴヌクレオチドの3‘末端をアミノ基で修飾した配列を使用した。
プローブのスポットの後、Spectroline社のUV照射装置(XL−1500UV Crosslinker)を用いて、200〜500mJ/cm程度の紫外線光の照射を行って固定化した。
(2)サンプル遺伝子の増幅
増幅に使用したゲノムDNAとしてはヒト由来のものを使用し、表2に記す配列のプライマーを使用して増幅を行った。なお、連結部位(X)には、以下に示すGlen Research社 Spacer Phosphoramidite C3を用い、通常のオリゴヌクレオチド合成方法に準じて合成した。なお、以下の断片1〜4は、プローブD1−001、002,003、005によって検出されるようにプライマーが設計されている(ハイブリダイズタグはイタリックで記載している。)。
なお、サンプル増幅用試薬として、QIAGEN社のmultiplex PCR master mix を使用した。サーマルサイクラーとして、Applied Biosystems社のGeneAmp PCR System9700を使用した。
(試薬調製)
dHO 4.0μl
2×multiplex PCR master mix 5.0μl
プライマー混合物(各500nM) 0.5μl
サンプル:ヒトゲノムDNA(50ng/μl)またはPCR water(フナコシ)
0.5μl
合計 10.0μl
次に、増幅用試薬をサーマルサイクルプレートに移し、サーマルサイクル反応(95℃で15分後;95℃で30秒、80℃で1秒、64℃で6分を40サイクル、その後10℃に下げる)を行って増幅試料とした。なお、対照として、ゲノムDNAを含まない以外は上記試薬と同様の組成(PCR water(フナコシ))でPCR反応を行って対照試料とした。
増幅したサンプルはQIAGEN社のMinElute PCR Purification Kitにて精製を行った後、アガロース電気泳動により意図した長さで増幅していることを確認した。
(3)先行ハイブリダイゼーション
サンプル遺伝子の増幅工程にて得られた増幅試料及び対照試料につき、増幅工程にて使用したプライマー配列(うちヒトゲノムDNA配列に対して特異的な配列)に相補な配列の1本鎖合成DNA(表3)を混合した水溶液を適当量加え(以下組成記載)、90℃〜100℃にセットされたヒートブロックにて数秒から1分程度熱処理を実施した。熱処理後常温程度に放冷して、先行ハイブリダイゼーション工程を実施した。
(ハイブリダイズ前処理サンプル組成)
PCR完了サンプル 10.0μl
相補配列1本鎖合成DNA混合水溶液(10μM,each)10.0μl
合計 20.0μl
(4)メンブレンタイプDNAマイクロアレイを用いた検出
(2)にて増幅し、(3)先行ハイブリダイゼーション工程を実施した増幅試料及び対照試料、並びに増幅しただけで先行ハイブリダイゼーション工程を実施していない増幅試料及び対照試料を用いてのメンブレンタイプDNAマイクロアレイへの反応を行った。反応手順及びその検出手順は以下の通りとした。
(ハイブリダイズサンプル組成)
Hybri Solution*(0.5%Tween20-1%BSA-PBS) 200.0μl
D1-100プローブ配列に相補な配列のビオチン標識オリゴDNA(25μM)
4.0μl
サンプル 4.0μl
合計 208.0μl
(ハイブリダイズおよび発色反応)
メンブレンタイプDNAマイクロアレイを0.2mlチューブに入る大きさに切断し、チューブ内にセットし、調製したハイブリダイズサンプル各200μlを変性等のために加熱することなく添加し、ヒートブロック温度37℃で30分間ハイブリダイゼーション反応を行った。
ハイブリダイゼーション反応終了後、メンブレンタイプDNAマイクロアレイを洗浄液(0.1%Tween20−1mM EDTA−TBS)入り0.2mlチューブに移し、37℃のヒートブロック内で洗浄作業(37℃×1min、37℃×10min、37℃×1min)を行った。
洗浄済みのメンブレンタイプDNAマイクロアレイをビオチン−HRPとストレプトアビジンとの混合液が入った0.2mlチューブに移して室温下で20分間の反応を行った。
反応終了後、メンブレンタイプDNAマイクロアレイを洗浄液(0.1%Tween20−1mM EDTA−TBS)入り0.2mlチューブに移し、洗浄作業(室温×1min、室温×10min、室温×1min)を行った。
洗浄済みメンブレンタイプDNAマイクロアレイをVector Laboratories社製TMB Peroxidase Substrate Kit,3,3’,5,5’−tetramethylbenzidineを用いて室温下で5分程度の発色反応を行った。
(検出判定)
先行ハイブリダイゼーション工程を実施した増幅試料及び対照試料についてアレイの乾燥後の発色の有無を目視で確認した。結果を図9に示す。図9上段には、増幅試料の結果を示す。図9上段に示すように、増幅断片1〜4のすべてにおいて、メンブレン上の各プローブ位置(D1−001,002,003,005)にて発色することを確認できた。一方、図9下段に対照試料の結果を示す。図9下段に示すように、断片1〜4が増幅した際に反応するメンブレン上の各プローブ位置(D1−001,002,003,005)にて発色は確認されず、偽陽性を示す副生ハイブリダイズ産物の形成が抑制されていることがわかった。
これに対して、先行ハイブリダイゼーション工程を実施しない増幅試料及び対照試料の結果を図10に示す。図10上段に示すように、PCR時のサンプルにヒトゲノムDNAを用いた場合では実施例1同様、断片1〜4が増幅した際に反応するメンブレン上の各プローブ位置(D1−001,002,003,005)にて発色が確認された。一方で、図10下段に示すように、対照試料では、先行ハイブリダイゼーション工程を実施した場合とは異なり、メンブレン上の各プローブ位置(D1−001,002,003,005)には発色が確認された。すなわち、偽陽性反応が生じていることがわかった。
(クロマトグラフィー形態のハイブリダイゼーションによる標的核酸の検出)
(1)クロマトグラフィーの作製
メルクミリポア製Hi-Flow Plus メンブレンシート(60mmx600mm)に以下の表に示す塩基配列からなるキャプチャーDNAプローブ溶液を、特開2003−75305号公報に記載されている吐出ユニット(インクジェット法)を用いた日本ガイシ株式会社GENESHOT(登録商標)スポッターを用いて、スポットした。使用した合成オリゴDNA配列は、文献(Analytical Biochemistry 364(2007)78-85)のSupplementary Table1記載のD1_1からD1_100の100種のうち任意の8種の配列の3’末端側にアミノ基)を付加した配列(表4)をプローブとして使用し、図11の通りの配置とした。
スポットの後の処置としてSpectroline社のUV照射装置(XL−1500UV Crosslinker)を用いて、280nmの成分を含む波長にて300mJ/cm程度の紫外線光の照射を行って固定化を実施した。
(2)サンプル遺伝子の増幅
サンプル遺伝子の増幅は、実施例1と同様に行った。
(3)先行ハイブリダイゼーション
サンプル遺伝子の増幅工程にて得られた増幅試料及び対照試料につき、増幅工程にて使用したプライマー配列(うちヒトゲノムDNA配列に対して特異的な配列)に相補な配列の1本鎖合成DNA(表3)を混合した水溶液を適当量加え(以下組成記載)、90℃〜100℃にセットされたヒートブロックにて数秒から1分程度熱処理を実施した。熱処理後常温程度に放冷して、先行ハイブリダイゼーション工程を実施した。
(ハイブリダイズ前処理サンプル組成)
PCR完了サンプル 10.0μl
相補配列1本鎖合成DNA混合水溶液(10μM,each)10.0μl
合計 20.0μl
(4)クロマトグラフィーを用いた検出
先行ハイブリダイゼーション工程を実施した増幅試料及び対照試料、ならびに増幅しただけで先行ハイブリダイゼーション工程を実施していない増幅試料及び対照試料を用いてクロマトグラフィーへの反応及びその検出手順は以下の通りとした。
サンプル組成
展開液* 30.0μl
ラテックス液 2.0μl
サンプル 10.0μl
合計 42.0μl
*本発明に使用したラテックス保存液には青色系の着色剤を含有するポリスチレン系のラテックスビーズにアビジン(ストレプトアビジン)を被覆させたものを任意の濃度となるようにクロマト展開液で調製を行って使用した。
*クロマト展開液には、Phosphate buffered salineを使用した。
(ハイブリダイズおよび発色反応)
上記試料各42μlを0.2mlチューブに加えて、クロマトグラフィーを差込んで反応を開始した。サンプル液は約20分間ですべて吸い上がり反応は完了した。反応終了後、クロマトグラフィーを風乾させた後、目視による反応箇所の確認及び画像を撮影した。
(検出判定)
先行ハイブリダイゼーション工程を実施した増幅試料及び対照試料についてアレイの乾燥後の発色の有無を目視で確認した。結果を図12に示す。図12上段には、先行ハイブリダイゼーション工程を実施した増幅試料の結果を示す。図12上段に示すように、増幅断片1〜4のすべてにおいて、クロマトグラフィー上の各プローブ位置(D1−001,002,003,005)にて発色することを確認できた。一方で、対照試料についての結果を図12下段に示す。図12下段に示すように、対照試料の場合、断片1〜4が増幅した際に反応するメンブレン上の各プローブ位置(D1−001,002,003,005)にて発色が確認されず、偽陽性を示す副生ハイブリダイズ産物の形成が抑制されていることがわかった。
これに対して、先行ハイブリダイゼーション工程を実施しない増幅試料及び対照試料の結果を図13に示す。図13上段に示すように、先行ハイブリダイゼーション工程を実施しない場合でも、断片1〜4が増幅した際に反応するメンブレン上の各プローブ位置(D1−001,002,003,005)にて発色が確認された。一方で、図13下段に示すように、対照試料では、先行ハイブリダイゼーション工程を実施した場合とは異なり、メンブレン上の各プローブ位置(D1−001,002,003,005)には発色が確認された。すなわち、偽陽性反応が生じていることがわかった。
本実施例では、浸漬型ハイブリダイゼーションに先だってアルカリ/SDSとマスキング剤とを用いた前処理について評価した。
実施例1において得られたサンプル遺伝子の増幅試料につき、以下の手順に従い前処理を行った後、実施例1に準じてメンブレンタイプDNAマイクロアレイを用いた検出を実施した。
実施例1におけるサンプル遺伝子の増幅工程にて得られた増幅試料に対し、実施例1と同様、増幅工程にて使用したプライマー配列(うちヒトゲノムDNA配列に対して特異的な配列)に相補な配列の1本鎖合成DNA(マスキング剤)を混合した水溶液を適当量加え、0.1N水酸化ナトリウム/1%SDS水溶液を加え混合し、その後、さらに3M酢酸ナトリウム水溶液(pH4.8)を加え混合する工程を実施した後、実施例1に記載のメンブレンタイプDNAマイクロアレイを用いて増幅産物を検出した。なお、対照として、ゲノムDNAを含まない以外は上記試薬と同様の組成(PCR water(フナコシ))でPCR反応を行って対照試料とし、同様の操作を行った。
(ハイブリダイズ前処理サンプル組成)
PCR完了サンプル 10.0μl
相補配列1本鎖合成DNA混合水溶液(10μM,each) 10.0μl
0.1N水酸化ナトリウム/1%SDS水溶液 5.0μl
3M酢酸ナトリウム水溶液(pH4.8) 5.0μl
合計 30.0μl
(検出判定)
アレイの乾燥後の発色の有無を目視で確認した。結果を図14に示す。増幅試料については、実施例1と同様、断片1〜4が増幅した際に反応するメンブレン上の各プローブ位置(D1-001,002,003,005)にて発色が確認された。一方で、対照試料については、メンブレン上の各プローブ位置(D1-001,002,003,005)には発色が確認されなかった。
以上のことから、増幅試料及び対照試料に対して、PCR反応で用いたプライマー中の識別用配列(ヒトゲノムDNAに対して特異的な配列)に相補な一本鎖合成DNAの存在下、増幅試料を一旦アルカリ/SDS変性後に、中性に戻すことで、偽陽性反応を抑制できることがわかった。すなわち、増幅試料及び対照試料中に存在する可能性のあるプライマーダイマーを一旦変性させ、生じた一本鎖プライマーと一本鎖合成DNA(マスキング剤)とをハイブリダイズさせることで偽陽性反応が抑制されたことがわかった。また、これらの結果から、上記前処理によって、プライマーダイマーを解消後、プライマーとマスキング剤とのハイブリダイズ産物を形成することでダイマー形成が抑制されたことがわかった。
本実施例では、展開型ハイブリダイゼーションに先だってアルカリ/SDSとマスキング剤とを用いた前処理について評価した。
実施例1におけるサンプル遺伝子の増幅工程にて得られた増幅試料に対して、以下の手順にて前処理を行った後、実施例2に準じてクロマトグラフィーを用いた検出を実施した。
実施例1におけるサンプル遺伝子の増幅工程にて得られた各産物に対し、増幅工程にて使用したプライマー配列中の識別配列に相補な配列の1本鎖合成DNA(表3)を混合した水溶液を適当量加え、0.1N水酸化ナトリウム/1%SDS水溶液を加え混合し、さらに3M酢酸ナトリウム水溶液(pH4.8)を加え混合させる工程を実施した後、実施例2のクロマトグラフィーを用いた検出に記載された方法にて検出した。なお、対照として、ゲノムDNAを含まない以外は上記試薬と同様の組成(PCR water(フナコシ))でPCR反応を行って対照試料とし、同様の操作を行った。
(ハイブリダイズ前処理サンプル組成)
PCR完了サンプル 10.0μl
相補配列1本鎖合成DNA混合水溶液(10μM,each) 10.0μl
0.1N水酸化ナトリウム/1%SDS水溶液 5.0μl
3M酢酸ナトリウム水溶液(pH4.8) 5.0μl
合計 30.0μl
(検出判定)
アレイの乾燥後の発色の有無を目視で確認した。結果を図15に示す。増幅試料については、実施例2と同様、断片1〜4が増幅した際に反応する各プローブ位置にて発色が確認された。一方で、対照試料については、各プローブ位置には発色が確認されなかった。
以上のことから、増幅試料及び対照試料に対して、PCR反応で用いたプライマー中の識別用配列に相補な一本鎖合成DNAの存在下、増幅試料を一旦アルカリ/SDSで変性後に、中性に戻すことで、偽陽性反応を抑制できることがわかった。また、これらの結果から、アルカリ/SDSを用いた前処理によって、プライマーダイマーを解消後、プライマーとマスキング剤とのハイブリダイズ産物を形成することでダイマー形成が抑制されたことがわかった。
本実施例では、展開型ハイブリダイゼーションに先だって尿素とマスキング剤とを用いた前処理について評価した。
実施例1におけるサンプル遺伝子の増幅工程にて得られた各増幅試料に対して、以下の手順にて作業を行った後、クロマトグラフィーを用いた検出を実施した。
実施例1おけるサンプル遺伝子の増幅工程にて得られた各増幅試料に対し、増幅工程にて使用したプライマー配列(うちヒトゲノムDNA配列に対して特異的な配列)に相補な配列の1本鎖合成DNA(表3)を混合した水溶液を適当量加え(以下組成の一例を記載)、1M尿素水溶液を加え混合し、さらに1%ウレアーゼ水溶液を加え混合する工程を実施した後、実施例2のクロマトグラフィーを用いた検出に記載された方法にて検出した。なお、対照として、ゲノムDNAを含まない以外は上記試薬と同様の組成(PCR water(フナコシ))でPCR反応を行って対照料とし、同様の操作を行った。
(ハイブリダイズ前処理サンプル組成)
PCR完了サンプル 10.0μl
相補配列1本鎖合成DNA混合水溶液(10μM,each) 10.0μl
1M尿素水溶液 5.0μl
1%ウレアーゼ水溶液 5.0μl
合計 30.0μl
(検出判定)
アレイの乾燥後の発色の有無を目視で確認した。結果を図16に示す。結果は、実施例3、4と同様に、増幅試料については、各プローブ位置にて発色が確認されたが、対照試料については、各プローブ位置には発色が確認されなかった。
以上のことから、増幅試料及び対照試料に対して、PCR反応で用いたプライマー中の識別用配列に相補な一本鎖合成DNAの存在下、増幅試料を一旦尿素で変性後に、尿素を除去することで、偽陽性反応を抑制できることがわかった。また、これらの結果から、尿素を用いた前処理によって、プライマーダイマーを解消後、プライマーとマスキング剤とのハイブリダイズ産物を形成することでダイマー形成を抑制されたことがわかった。
本実施例では、展開型ハイブリダイゼーションに先だってDMFとマスキング剤とを用いた前処理について評価した。
実施例5に準じて、1M尿素水溶液を1Mホルムアミド水溶液に変えて検出を実施したところ、実施例5同様の効果が確認できた。これらの結果から、DMFを用いた前処理によって、プライマーダイマーを解消後、プライマーとマスキング剤とのハイブリダイズ産物を形成することでダイマー形成を抑制されたことがわかった。
本実施例では、未反応プライマー自体とクロマトグラフィー上のプローブとのミスハイブリダイゼーションの抑制について評価した。
以下記載の塩基配列を有する5‘ビオチン標識オリゴDNAをサンプルに用いてクロマトグラフィー上のプローブへのハイブリダイゼーションを実施した。なお、この塩基配列は、プローブD1_2に対して完全相補ではない。このサンプルに対して、以下のとおり、マスキング剤として一本鎖合成DNA(5’- GCAGTGGCTTGGTTCATATAGGC-3)(配列番号118)を含む前処理液を調製しよく混合して前処理を行った。この前処理液につき、実施例2に準じてクロマトグラフィーを実施した。なお、対照として、マスキング剤溶液5μlに替えてサンプルを4μl増量する以外は以下の前処理サンプル組成と同一の組成でクロマトグラフィー用液を調製し、実施例2に準じてクロマトグラフィーを実施した。
5’biotin-GCCTATATGAACCAAGCCACTGC-3’(配列番号117)
(ハイブリダイズ前処理サンプル組成)
サンプル(0.8μM) 5.0μl
相補配列1本鎖合成DNA混合水溶液(10μM,each) 5.0μl
展開液* 30.0μl
ラテックス液* 2.0μl
合計 42.0μl
(検出判定)
乾燥後の発色の有無を目視で確認した。前処理実施試料についての結果を図17下段に示し、前処理未実施の対照試料の結果を図17上段に示す。図17に示すように、前処理実施試料については、クロマトグラフィー上のプローブのうち(D1-002)おいて発色が確認されなかった。すなわち、ミスハイブリダイゼーションが抑制されていた。これに対し、前処理未実施対照試料については、完全相補でないにも関わらず上記プローブにミスハイブリダイゼーションしていた。
以上の結果から、増幅試料中に存在する未反応プライマーによるミスハイブリダイゼーションによっても偽陽性となるが、プライマーをターゲットとするマスキング剤によって未反応プライマーによる偽陽性を抑制できることがわかった。
本実施例では、未反応プライマーとクロマトグラフィー上のプローブとのミスハイブリダイゼーションによる感度低下の抑制について評価した。
以下記載の各種サンプルを用いての実施例2に準じてクロマトグラフィーへのハイブリダイゼーションを実施した。
サンプル1:5’- CATCTAAAGCGTTCCCAGTTCCA-biotin-3’(D1-002に相補な配列)(配列番号119))
サンプル2:5’-GCCTATATGAACCAAGCCACTGC-3’(配列番号120)
サンプル3:5’- GCAGTGGCTTGGTTCATATAGGC-3’(サンプル2に相補な配列)(配列番号121)
サンプル組成I
展開液 30.0μl
ラテックス液 2.0μl
サンプル1(0.4μM) 10.0μl
合計 42.0μl
サンプル組成II
展開液 30.0μl
ラテックス液 2.0μl
サンプル1(0.8μM) 5.0μl
サンプル2(0.8μM) 5.0μl
合計 42.0μl
サンプル組成III
展開液 30.0μl
ラテックス液 2.0μl
サンプル1(1.6μM) 2.5μl
サンプル2(1.6μM) 2.5μl
サンプル3(10μM) 5.0μl
合計 42.0μl
(検出判定)
乾燥後の発色の有無を目視で確認した。結果を図18に示す。サンプル組成Iではクロマトグラフィー上のプローブのうち(D1-002)おいて強い発色が確認され、サンプル組成IIでは発色が薄くなる結果となった。このことは、増幅試料中にプライマーそのものが未反応状態で残っている場合、そのプライマー配列によっては、プローブに非特異的に反応し、反応すべきサンプルの反応を抑制しうることを示している。
一方、サンプル組成IIIでは、プローブ(D1-002)おいてサンプル組成Iと同等の強い発色が確認された。このことは、未反応状態で残っていたプライマーそのものが相補な配列のマスキング剤によりマスクされたことで、非特異的反応が解消され、反応すべきサンプルの反応結果が適切に得られたことを示している。
以上説明したように、いずれも5分未満の短い作業時間内でミスハイブリダイゼーションを抑制し、偽陽性を回避できることがわかった。
配列番号1〜100、109〜116:プローブ
配列番号101〜108:プライマー
配列番号117〜121:合成DNA

Claims (14)

  1. 標的核酸の検出方法であって、
    二本鎖部分と、当該二本鎖の少なくとも一方の端部に突出して位置される一本鎖部分であるタグ鎖と、を備え、標的核酸に関連付けられる核酸増幅産物と、前記タグ鎖の1つとハイブリダイズ可能なプローブとを、目的ハイブリダイズ産物が形成可能な条件で接触させるハイブリダイゼーション工程、
    を備え、
    前記ハイブリダイゼーション工程は、
    以下の(a)及び(b);
    (a)標識物質又は標識物質結合物質を保持しうる増幅用プライマ
    (b)前記増幅用プライマーを含む前記核酸増幅産物を得るための増幅用プライマーのダイマー由来の増幅産物であって、前記標識物質又は前記標識物質結合物質を保持しうるとともに前記タグ鎖を備える増幅産物
    から選択される少なくとも一種の核酸構造体と前記プローブとによる偽陽性を呈する副生ハイブリダイズ産物の形成を抑制する工程であり、
    前記増幅産物を得るための増幅工程後であって、前記ハイブリダイゼーション工程に先立って、
    前記少なくとも一種の核酸構造体の少なくとも一部と、当該一部とハイブリダイズ可能なマスキング剤と、がハイブリダイズしたクリーンアップハイブリダイズ産物を形成する先行ハイブリダイゼーション工程を備える、検出方法。
  2. 前記先行ハイブリダイゼーション工程は、前記(b)の核酸構造体を融解後、前記(b)の核酸構造体の構成鎖と前記マスキング剤とから前記クリーンアップハイブリダイズ産物を形成する、請求項1に記載の検出方法。
  3. 前記先行ハイブリダイゼーション工程は、前記(b)の核酸構造体を熱融解する、請求項2に記載の検出方法。
  4. 前記先行ハイブリダイゼーション工程は、前記(b)の核酸構造体を酸又はアルカリで融解する、請求項2に記載の検出方法。
  5. 前記先行ハイブリダイゼーション工程は、前記(b)の核酸構造体を核酸変性剤で融解する、請求項2に記載の検出方法。
  6. 前記マスキング剤は、前記(a)の核酸構造体の少なくとも一部とハイブリダイズ可能な核酸であるマスキング剤を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記マスキング剤は、前記(b)の核酸構造体の少なくとも一部と同一又はハイブリダイズ可能な核酸であるマスキング剤を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記核酸増幅産物は、前記二本鎖部分と、前記二本鎖の一方の端部にのみ突出して位置される一本鎖部分であるタグ鎖と、を備える核酸増幅産物を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の検出方法。
  9. 前記ハイブリダイゼーション工程は、クロマトグラフィー形態で実施する、請求項1〜8のいずれかに記載の検出方法。
  10. 前記ハイブリダイゼーション工程は、浸漬型ハイブリダイゼーションの形態で実施する、請求項1〜8のいずれかに記載の検出方法。
  11. 核酸ハイブリダイゼーションのための核酸増幅産物の精製方法であって、
    二本鎖部分と、当該二本鎖の少なくとも一方の端部に突出して位置される一本鎖部分であるタグ鎖を備える核酸増幅産物を取得する増幅工程後に、
    前記核酸増幅産物の存在下で、
    以下の(a)及び(b);
    (a)標識物質又は標識物質結合物質を保持しうる増幅用プライマ
    (b)前記増幅用プライマーを含む前記核酸増幅産物を得るための増幅用プライマーのダイマー由来の増幅産物であって、前記標識物質又は前記標識物質結合物質を保持しうるとともに前記タグ鎖を備える増幅産物
    から選択される少なくとも一種の核酸構造体の少なくとも一部とハイブリダイズ可能なマスキング剤をハイブリダイズ可能に付与する工程
    を備える、精製方法。
  12. 核酸増幅産物を取得しその後核酸ハイブリダイゼーションに先だって前記増幅産物を精製するための精製剤であって、
    前記核酸増幅産物は、二本鎖部分と、当該二本鎖の少なくとも一方の端部に突出して位置される一本鎖部分であるタグ鎖を備える核酸増幅産物であり、
    以下の(a)及び(b);
    (a)標識物質又は標識物質結合物質を保持しうる増幅用プライマ
    (b)前記増幅用プライマーを含む前記核酸増幅産物を得るための増幅用プライマーのダイマー由来の増幅産物であって、前記標識物質又は前記標識物質結合物質を保持しうるとともに前記タグ鎖を備える増幅産物
    から選択される少なくとも一種の核酸構造体の少なくとも一部とハイブリダイズ可能なマスキング剤を含む、精製剤。
  13. 二本鎖部分と、当該二本鎖の少なくとも一方の端部に突出して位置される一本鎖部分であるタグ鎖を備える核酸増幅産物を得るための少なくとも一対の増幅用プライマーと、
    以下の(a)及び(b);
    (a)標識物質又は標識物質結合物質を保持しうる増幅用プライマ
    (b)前記増幅用プライマーを含む前記核酸増幅産物を得るための増幅用プライマーのダイマー由来の増幅産物であって、前記標識物質又は前記標識物質結合物質を保持しうるとともに前記タグ鎖を備える増幅産物
    から選択される少なくとも一種の核酸構造体の少なくとも一部とハイブリダイズ可能なマスキング剤と、
    を含む、前記核酸増幅産物を取得しその後前記核酸増幅産物を精製する、核酸ハイブリダイゼーションのためのキット。
  14. さらに、核酸クロマトグラフィーに用いるクロマトグラフィー用プローブ固定化体を含む、請求項13に記載のキット。
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