JP2018097982A - 全固体電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】空隙がなく緻密性が高い積層電極体を備えた全固体電池の製造方法を提供する。【解決手段】一体的な焼結体で正極層、固体電解質層、負極層がこの順に積層されてなる積層電極体を備えた全固体電池の製造方法であって、固体電解質の粉体を含む固体電解質材料のシートを作製するステップ(s11〜s14)と、負極活物質と固体電解質の粉体を負極層材料のシートと、正極活物質と固体電解質の粉体を含む正極層材料のシートとの間に固体電解質材料のシートを挟持してなる積層体を焼成して一次焼結体を得る一次焼成ステップ(s21〜s24)と、一次焼結体に、固体電解質の原料を含む原料溶液を含浸させる原料溶液含浸ステップ(s31)と、原料溶液を含浸させた前記一次焼結体を焼成して積層電極体を得る二次焼成ステップ(s32)を含む。【選択図】図4

Description

本発明は全固体電池の製造方法に関する。
リチウム二次電池は、各種二次電池の中でもエネルギー密度が高いことで知られている。しかし、一般に普及しているリチウム二次電池は、電解質に可燃性の有機電解液を用いている。そのため、リチウム二次電池には、液漏れ、短絡、過充電などに対する安全対策が他の電池よりも厳しく求められている。そこで近年、電解質に酸化物系や硫化物系の固体電解質を用いた全固体電池に関する研究開発が盛んに行われている。固体電解質は、固体中でイオン伝導が可能な物質であり、従来のリチウム二次電池のように可燃性の有機電解液に起因する各種問題が原理的に発生しない。そして全固体電池は層状の正極(正極層)と層状の負極(負極層)との間に層状の固体電解質(固体電解質層)が狭持されてなる一体的な焼結体(以下、積層電極体とも言う)に集電体を形成した構造を有している。
積層電極体の製造方法としては金型を用いて原料粉体を加圧して得た成形体を焼成する方法(以下、圧縮成形法とも言う)や周知のグリーンシートを用いた方法(以下、グリーンシート法)などがある。圧縮成形法では、金型内に正極層、固体電解質層、および負極層の各層の原料粉体を順次層状(シート状)に充填して一軸方向に加圧することによって成形された積層体を焼成して積層電極体を得る。
グリーンシート法による積層電極体の作製手順としては、まず、積層電極体を構成する固体電解質層、正極層、および負極層の各層に応じて、固体電解質、正極活物質と固体電解質、および負極活物質と固体電解質のセラミックス粉体を作製する。次いで、各セラミック粉体のそれぞれにバインダや分散剤を加えてスラリー状にした固体電解質層材料、正極層材料、および負極層材料の各層対応する材料を作製し、各層のそれぞれに対応するスラリー状の材料をシート状のグリーンシートに成形する。そして固体電解質層材料からなるグリーンシートを正極層材料と負極層材料のそれぞれからなるグリーンシートで挟持した積層体を焼成し、焼結体である積層電極体を得る。なお正極層および負極層(以下、総称して電極層とも言う)に含まれている固体電解質は、粉体状の正極活物質および負極活物質の表面に被膜されつつ、電極活物質の粒子間に介在することで電極層でのイオン伝導性を発現させる機能を担っている。また正極層材料や負極層材料、あるいは固体電解質層材料には、正極活物質や負極活物質、あるいは固体電解質の電子伝導性を高めるために、例えば炭素材料からなる導電助剤を含ませる場合もある。
正極活物質や負極活物質(以下、総称して電極活物質とも言う)としては従来のリチウム二次電池に使用されていた材料を使用することができる。また全固体電池では可燃性の電解液を用いないことから、より高い電位差が得られる電極活物質についても研究されている。固体電解質としては、一般式Liで表されるNASICON型酸化物系の固体電解質があり、当該NASICON型酸化物系の固体電解質としては、以下の特許文献1に記載されている、Li1.5Al0.5Ge1.5(PO(以下、LAGPとも言う)がよく知られている。なお以下の特許文献2には、酸化物系の種々の固体電解質についての製造方法が記載されている。また、以下の非特許文献1には全固体電池の概要について記載されている。以下の非特許文献2には、本発明に関連してゾルゲル法によるLAGPの作製方法について記載されている。
特開2013−45738号公報 特開2011−150817号公報
大阪府立大学 無機化学研究グループ、"全固体電池の概要"、[online]、[平成28年10月3日検索]、インターネット<URL:http://www.chem.osakafu-u.ac.jp/ohka/ohka2/research/battery_li.pdf> Masashi Kotobuki, Keigo Hoshina, Yasuhiro Isshiki, Kiyoshi Kanamura、「PREPARATION OF Li1.5Al0.5Ge1.5(PO4)3 SOLID ELECTROLYTE BY SOL-GEL METHOD」、Phosphorus Research Bulletin 、Vol.25(2011)、 pp.061-063
全固体電池の基本構成である積層電極体は、固体電解質層を正極層と負極層で挟持した構造の焼結体からなる。全固体電池における特徴的な構成要素である固体電解質は、焼成によって結晶化することでイオン伝導性を発現する。したがって実用的な全固体電池を得るためには、焼結体である積層電極体の緻密性を向上させることが重要な課題となる。
しかしながら焼結体は、高温での焼成処理に際し、焼失あるいは蒸発する成分(バインダ、増粘剤、分散剤など)があるため、焼失あるいは蒸発した物質が存在した領域が空隙となり緻密性が低下する場合がある。積層電極体に空隙が生じれば、電極層や固体電解質層内、および各層間におけるイオン伝導や電子伝導の経路を分断し、イオン伝導度→電子伝導度を低下させる原因となる。とくに上述したグリーンシート法によって全固体電池を作製する場合には、バインダや分散剤など、電極層や固体電解質層中に焼成時に焼失する物質が多く含まれることから、空隙が発生し易い。
そこで本発明は、空隙がなく緻密性が高い積層電極体を備えた全固体電池の製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明は、一体的な焼結体で、正極用の電極活物質と固体電解質を含む正極層、固体電解質を含む固体電解質層、および負極用の電極活物質と固体電解質を含む負極層がこの順に積層されてなる積層電極体を備えた全固体電池の製造方法であって、
前記固体電解質の粉体を含むシート状の固体電解質材料を作製する固体電解質層シート作製ステップと、
負極活物質の粉体と前記固体電解質の粉体とを含むシート状の負極層材料と、正極活物質の粉体と前記固体電解質の粉体とを含む層状の正極層材料との間に前記シート状の固体電解質材料を狭持してなる積層体を焼成して、一次焼結体を得る一次焼成ステップと、
前記一次焼結体に、固体電解質の原料を含む原料溶液を含浸させる原料溶液含浸ステップと、
前記原料溶液を含浸させた前記一次焼結体を焼成して前記積層電極体を得る二次焼成ステップと、
を含むことを特徴とする全固体電池の製造方法としている。
前記原料溶液含浸ステップでは、前記一次焼結体を前記原料溶液中に浸漬することで前記固体電解質の原料を含む溶液を当該一次焼結体に含浸させることとしてもよい。あるいは、前記原料溶液含浸ステップでは、前記一次焼結体に前記原料溶液を滴下することで、前記固体電解質の原料を含む溶液を当該一次焼結体に含浸させることとしてもよい。 好ましくは、上記いずれかの全固体電池の製造方法において、前記原料溶液含浸ステップの実行後、当該原料溶液を含浸させた前記一次焼結体を真空乾燥させることである。前記一次焼成ステップの後に、前記原料溶液含浸ステップから前記二次焼成ステップまでの工程を複数回繰り返してもよい。
上記いずれかに記載の全固体電池の製造方法における前記原料溶液含浸ステップでは、前記原料溶液として、アルコキシド成分が含まれる溶液を用いることができる。前記原料溶液含浸ステップでは、前記原料溶液として、アンモニア成分を含んだアルカリ性溶液を用いることもできる。
そして前記固体電解質が、一般式Li1.5Al0.5Ge1.5(POで表されるLAGPである全固体電池の製造方法とすることができる。前記原料溶液には、導電助剤が含まれていてもよい。
本発明に係る全固体電池の製造方法によれば、空隙がなく緻密性の高い積層電極体を備えた全固体電池を製造することができる。その他の効果については以下の記載で明らかにする。
固体電解質であるLAGPを作製するための手順を示す図である。 全固体電池を構成する固体電解質層のグリーンシートの作製手順を示す図である。 全固体電池を構成する積層電極体の作製手順を示す図である。 本発明の実施例に係る全固体電池の製造方法を示す図である。 本発明の比較例および第1の実施例に係る製造方法に基づいて作製した積層電極体の電子顕微鏡写真である。 上記比較例および第1の実施例に係る製造方法に基づいて作製した積層電極体のインピーダンス特性を示す図である。 本発明の第2の実施例に係る製造方法に基づいて作製した積層電極体の電子顕微鏡写真である。 本発明の第3の実施例に係る製造方法に基づいて作製した積層電極体の電子顕微鏡写真である。
===本発明の技術思想===
本発明の実施例に係る全固体電池の製造方法によれば、焼結によって生じる積層電極体の空隙に起因する緻密性の低下を抑制することができる。しかし、その緻密性の低下を抑制するための技術思想は、焼結体の原料の特性(粒子径、配合割合など)や焼結条件を最適化する、という従来のものとは著しく異なっている。概略的には、本発明は、焼結によって生じた空隙を埋める、という技術思想に基づいている。以下では、本発明の比較例に係る全固体電池の製造方法として、固体電解質としてLAGPを用いるとともに、グリーンシート法を用いた一般的な積層電極体の作製手順を挙げる。その上で、本発明の実施例に係る全固体電池の製造方法について説明する。
===比較例に係る積層電極体の作製手順===
以下に、比較例に係る積層電極体の作製手順について、まずLAGPの作製手順を説明する。
<LAGPの作製手順>
図1にLAGPの作製手順を示した。LAGPの原料となるLiCO、AL、GeO、NHPOの粉末を所定の組成比になるように秤量して磁性乳鉢やボールミルで混合し(s1)、その混合物をアルミナルツボなどに入れて300℃〜400℃の温度で3h〜5hの時間を掛けて仮焼成する(s2)。仮焼成によって得られた仮焼き粉体を白金ルツボで1200℃〜1400℃の温度で1h〜2h熱処理することで、仮焼き粉体を溶解させる(s3)。そしてその溶解した試料を急冷してガラス化することで、非晶質のLAGPからなる粉体を得る(s4)。次にその非晶質のLAGP粉体を200μm以下の粒子径となるように粗解砕し(s5)、その粗解砕された固体電解質の粉体をボールミルなどの粉砕装置を用いて5μm以下の粒径に解砕し、非晶質のLAGPからなるセラミック粉体(以下、LAGP粉体とも言う)を得た(s6)。
<グリーンシートの作製>
次に、上記LAGP粉体を用いて、正負の各電極層のグリーンシートと固体電解質層のグリーンシートを作製する。図2にグリーンシートの作製手順の一例として固体電解質層のグリーンシートの作製手順を示した。まず固体電解質材料の原料を混合する(s11)。ここでは上記のガラス相のLAGP粉体に対しバインダを20wt%〜30wt%添加するとともに、溶媒としてエタノールなどの無水アルコールをLAGP粉体に対し30wt%〜50wt%添加してLAGPを含むペーストを作製する。そのペーストをさらにボールミルなどで20時間混合したものを脱泡処理する(s12、s13)。それによって最終的なペースト状の固体電解質層材料が得られる。固体電解質層材料をドクターブレード法によってPETフィルム上に塗工する。それによって固体電解質層となるグリーンシート(以下、固体電解質層シートとも言う)を得る(s14)。
また正極層や負極層となるグリーンシート(以下、正極層シート、負極層シート)を作成する手順も、上記の固体電解質層シートとほぼ同様の手順となるが、図2に示した固体電解質層材料の混合工程(s11)において、LAGP粉体の一部を電極活物質の粉体、および導電助剤に置換すればよい。具体的には、正負それぞれの電極に応じた粉体状の電極活物質とLAGP粉体とを所定の割合、(例えば、50:50の質量比)で混合し、その混合物に対して5wt%の導電助剤を添加する。そして、以後の工程s12〜s14を同様にして行えば正極層シートおよび負極層シートが得られる。
なお正極活物質としては、化学式LiMPで表されるとともに、当該化学式中のMがCoとNiの一方あるいは双方を含むLMPOがある。とくに化学式中のMをCoとしたLCPOがよく知られている。負極活物質としては、酸化チタンや炭素材料(天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛炭素繊維など)、あるいはチタン酸リチウム(LiTi12)などの金属酸化物が挙げられる。導電助剤としては、黒鉛やカーボンナノファイバーなどの各種炭素材料を用いることができる。
<焼結体の作製>
次に、正極層シート、固体電解質層シート、負極層シートから焼結体である積層電極体を作製する。図3に積層電極体の作製手順を示した。上述した手順で作製した正極層シート、固体電解質層シート、および負極層シートをこの順に積層し(s21)、プレス圧着して目的とする厚みに調整する(s22)。その後、圧着した積層シートを所定のサイズに切断し(s23)、700℃以下の所定温度(例えば、680℃)で焼成して焼結体である電極積層体を得る(s24)。
なお、以上の手順は従来の全固体電池の積層電極体の製造手順と同様であり、この手順によって作製された積層電極体は、焼成時にバインダなどが焼失し、焼結体中にその焼失した跡である空隙が生じる場合がある。そこで実施例に係る全固体電池の製造方法では、上記の従来の手順で作製した積層電極体を一次焼結体とし、全固体電池における積層電極体としては使用しない。一次焼結体を、最終的に全固体電池に使用される積層電極体の製造過程で一時的に作製される中間製造物としている。そして本発明の実施例に係る全固体電池の製造方法では、一次焼結体中の空隙に固体電解質を充填することで最終的な積層電極体を得ている。
===本発明の実施例===
本発明の実施例に係る全固体電池の製造方法では、上述した従来の手順で作製した積層電極体を一次焼結体とし、一次焼結体に固体電解質の原料を含む溶液(以下、原料溶液とも言う)を含浸させる。そしてその原料溶液が含浸された一時焼結体を再度焼成する。それによって、空隙に充填された原料溶液が固体電解質として結晶化し、緻密化された積層電極体を得ることができる。以下では、原料溶液の含浸のさせ方などが異なるいくつかの実施例を挙げる。なお図4に本発明の実施例に係る固体電池の製造方法において、すべての実施例に共通する積層電極体の作製手順を示した。一時焼結体に原料溶液を含浸させる原料溶液含浸工程(s31)と、原料溶液を含浸させた一次焼結体を焼成する二次焼成工程(s32)とを含んでいる。
===第1の実施例===
本発明の第1の実施例では、ゾルゲル法によってLAGPを作製する際の金属アルコキシド溶液を原料溶液としている。具体的には、酢酸リチウム,リン酸二水素アンモニウムを水に溶解した水系ストック溶液と、アルミニウムsブトキシド、ゲルマニウム(IV)エトキシドをブタノールに溶解した有機系ストック溶液とを混合したものを原料溶液としている。そして原料溶液が入った容器内に上述した一次焼結体を入れ、一次焼結体を原料溶液に浸漬させる。そして容器中の原料溶液が乾燥するまで一次焼結体を放置した。ここでは、原料溶液中の溶剤が揮発して容器か空になるまで放置した。なお一次焼結体は約10cm四方の平板状で、厚さは約200μm〜300μmであり、容器内の原料溶液は、一次焼結体の全体が浸る程度のごく少量(約2〜3cc)である。そして原料溶液を含浸させた一次焼結体を再度700℃以下の温度で再度焼成した。
図5に一次焼結体と、その一次焼結体を再度焼成して得た積層電極体(以下、二次焼結体とも言う)の断面の電子顕微鏡写真を示した。図5(A)と図5(B)は、それぞれ一次焼結体の負極層と正極層の断面を示している。そして図5(C)と図5(D)は、第1の実施例に係る製造手順によって作製した二次焼結体の負極層と正極層を示している。図5(A)、(B)に示した一次焼結体では、空隙が各所に存在していることが確認できる。一方、図5(C)、(D)に示した二次焼結体では空隙が見当たらず、明らかに緻密性が向上していることが分かる。
次に、一次焼結体と二次焼結体のそれぞれについてのイオン伝導度を交流インピーダンス測定によって調べた。図6は交流インピーダンス測定によって得られた一次焼結体と二次焼結体の複素インピーダンスプロットを示している。図示したように二次焼結体の方が一次焼結体よりも明らかにインピーダンスが低い。すなわちイオン伝導性が向上していることが確認できた。
===第2の実施例===
本発明の第2の実施例に係る全固体電池の製造方法では、一次焼結体に原料溶液を滴下することで一次焼結体に原料溶液を含浸させている。ここでは約2cc程度の原料溶液をスポイトを用いて一次焼結体に滴下した。そして、原料溶液を一次焼結体に含浸させる工程以外は、第1の実施例と同様とした。図7に第2の実施例に係る全固体電池の製造方法によって得られた二次焼結体の断面の電子顕微鏡写真を示した。図7では二次焼結体における正極層を示している。図7に示されているように、第2の実施例に係る全固体電池の製造方法においても、第1の実施例の方法で作製した二次焼結体と同様に、空隙がなく緻密性が向上していることがよく分かる。
===第3の実施例===
本発明の第3の実施例に係る全固体電池の製造方法では、一次焼結体に原料溶液を含浸させる工程(図4、符号s31)の後に真空乾燥工程を挿入している。ここでは第2の実施例と同様に原料溶液を一次焼結体に滴下した後、その一次焼結体を真空乾燥機に入れ、一次焼結体を真空乾燥させた。他の工程については第1および第2の実施例と同様とした。図8に第3の実施例に係る全固体電池の製造方法によって得られた二次焼成体における正極層の断面の電子顕微鏡写真を示した。この図8においても、空隙がなく緻密性が向上していることがよく分かる。しかも、図5(D)および図7に示した、第1および第2の実施例の方法で作製した二次焼結体の正極層と当該図8に示した二次焼結体の正極層とを比較すると、より緻密になっていることが確認できる。すなわち、原料溶液を含浸させた一次焼結体を減圧環境下に置くことで空隙内の空気が排気されて原料溶液が空隙内に効果的に充填されたものと思われる。
===その他の実施例===
上記各実施例では図4に示した原料溶液含浸工程(s31)から二次焼成工程(s32)までの手順を一度だけ実行していたが、この手順を繰り返し複数回行ってもよい。それによって確実に空隙内に原料溶液を充填させることができる。
上記各実施例では原料溶液として固体電解質の原料を含む金属アルコキシド溶液を用いていたが、固体電解質の原料を含むアンモニウム溶液であってもよい。例えば、二酸化ゲルマニウム,酢酸リチウム,リン酸二水素アンモニウム,硝酸アルミニウムを所定の比率でアンモニア水に溶解させた溶液などが考えられる。いずれにしても、固体電解質の原料が溶媒中に溶解されていれば、二次焼成によってその原料から結晶化した固体電解質を生成することができる。また、固体電解質についても、LAGPに限らず、LATPなど、原料が溶媒に溶解するものであればよい。
周知のごとく全固体電池を実用化させるためには、電極積層体のイオン伝導度や電子伝導度を向上させることが重要な課題となる。そこで原料溶液中に固体電解質の原料に加え、導電助剤を含ませてもよい。導電助剤としては、例えば、黒鉛やカーボンナノチューブなどの炭素系材料を採用することができる。固体電解質の原料を含まず、導電助剤の原料を含む溶液を原料溶液としてもよい。積層電極体中の空隙はイオンや電子の伝導経路を遮断する要因となることから、空隙に導電性物質を充填すれば、確実に内部抵抗を減少させることができ、空隙のある一次焼結体よりも空隙内に導電性物質が充填された二次焼結体の方が確実に内部抵抗が少ない。
上記実施形態および実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
s11 固体電解質混合工程、s14 塗工工程、
s24 焼成工程(一次焼結体を焼成する工程)、s31 原料溶液含浸工程、
s32 二次焼成工程

Claims (9)

  1. 一体的な焼結体で、正極用の電極活物質と固体電解質を含む正極層、固体電解質を含む固体電解質層、および負極用の電極活物質と固体電解質を含む負極層がこの順に積層されてなる積層電極体を備えた全固体電池の製造方法であって、
    前記固体電解質の粉体を含むシート状の固体電解質材料を作製する固体電解質層シート作製ステップと、
    負極活物質の粉体と前記固体電解質の粉体とを含むシート状の負極層材料と、正極活物質の粉体と前記固体電解質の粉体とを含む層状の正極層材料との間に前記シート状の固体電解質材料を狭持してなる積層体を焼成して、一次焼結体を得る一次焼成ステップと、
    前記一次焼結体に、固体電解質の原料を含む原料溶液を含浸させる原料溶液含浸ステップと、
    前記原料溶液を含浸させた前記一次焼結体を焼成して前記積層電極体を得る二次焼成ステップと、
    を含むことを特徴とする全固体電池の製造方法。
  2. 請求項1において、前記原料溶液含浸ステップでは、前記一次焼結体を前記原料溶液中に浸漬することで前記固体電解質の原料を含む溶液を当該一次焼結体に含浸させることを特徴とする全固体電池の製造方法。
  3. 請求項1において、前記原料溶液含浸ステップでは、前記一次焼結体に前記原料溶液を滴下することで、前記固体電解質の原料を含む溶液を当該一次焼結体に含浸させることを特徴とする全固体電池の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記原料溶液含浸ステップの実行後、当該原料溶液を含浸させた前記一次焼結体を真空乾燥させることを特徴とする全固体電池の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記一次焼成ステップの後に、前記原料溶液含浸ステップから前記二次焼成ステップまでの工程を複数回繰り返すことを特徴とする全固体電池の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記原料溶液含浸ステップでは、前記原料溶液として、アルコキシド成分が含まれる溶液を用いることを特徴とする全固体電池の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記原料溶液含浸ステップでは、前記原料溶液として、アンモニア成分を含んだアルカリ性溶液を用いることを特徴とする全固体電池の製造法。
  8. 請求項1〜7のいずれかにおいて、前記固体電解質は、一般式Li1.5Al0.5Ge1.5(POで表されるLAGPであることを特徴とする全固体電池の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかにおいて、前記原料溶液には、導電助剤が含まれることを特徴とする全固体電池の製造方法。
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