JP6955862B2 - 全固体電池の製造方法および全固体電池 - Google Patents

全固体電池の製造方法および全固体電池 Download PDF

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Description

本発明は全固体電池の製造方法および全固体電池に関する。
リチウム二次電池は、各種二次電池の中でもエネルギー密度が高いことで知られている。しかし一般に普及しているリチウム二次電池は、電解質に可燃性の有機電解液を用いているため、リチウム二次電池では、液漏れ、短絡、過充電などに対する安全対策が他の電池よりも厳しく求められている。そこで近年、電解質に酸化物系や硫化物系の固体電解質を用いた全固体電池に関する研究開発が盛んに行われている。固体電解質は、固体中でイオン伝導が可能なイオン伝導体を主体として構成される材料であり、従来のリチウム二次電池のように可燃性の有機電解液に起因する各種問題が原理的に発生しない。そして全固体電池は層状の正極(正極層)と層状の負極(負極層)との間に層状の固体電解質(固体電解質層)が狭持されてなる一体的な焼結体(以下、積層電極体とも言う)に集電体を形成した構造を有している。
積層電極体の製造方法としては金型を用いて原料粉体を加圧して得た成形体を焼成する方法(以下、圧縮成形法とも言う)や周知のグリーンシートを用いた方法(以下、グリーンシート法)などがある。圧縮成形法では、金型内に正極層、固体電解質層、および負極層の各層の原料粉体を順次層状(シート状)に充填して一軸方向に加圧することによって成形された積層体を焼成して積層電極体を得る。
グリーンシート法は、正極活物質と固体電解質を含むスラリー状の正極層材料、負極活物質と固体電解質を含むスラリー状の負極層材料、および固体電解質を含むスラリー状の固体電解質層材料をそれぞれシート状のグリーンシートに成形するとともに、固体電解質層材料のグリーンシートを正極層材料と負極層材料のグリーンシートで挟持した積層体を焼成して焼結体にすることで作製される。なお正極層および負極層(以下、総称して電極層とも言う)に含まれている固体電解質は、粉体状の正極活物質および負極活物質の表面に被膜されつつ、電極活物質の粒子間に介在することで電極層でのイオン伝導性を発現させる機能を担っている。
正極活物質や負極活物質(以下、総称して電極活物質とも言う)としては従来のリチウム二次電池に使用されていた材料を使用することができる。また全固体電池では可燃性の電解液を用いないことから、より高い電位差が得られる電極活物質についても研究されている。固体電解質としては、一般式Liで表されるNASICON型酸化物系の固体電解質があり、当該NASICON型酸化物系の固体電解質としては、以下の特許文献1に記載されている、Li1.5Al0.5Ge1.5(PO(以下、LAGPとも言う)がよく知られている。なお以下の非特許文献1には全固体電池の概要が記載されている。
特開2013−45738号公報
大阪府立大学 無機化学研究グループ、"全固体電池の概要"、[online]、[平成28年9月8日検索]、インターネット<URL:http://www.chem.osakafu-u.ac.jp/ohka/ohka2/research/battery_li.pdf>
全固体電池の基本構成である積層電極体は、固体電解質層を正極層と負極層で挟持した構造の焼結体からなる。全固体電池における特徴的な構成要素である固体電解質は、焼成によって結晶化することでイオン伝導性を発現する。固体電解質は電極層にも含まれており、電極層内における固体電解質は、電極活物質の粒子間に介在してその粒子間の極めて微小な距離でのイオン伝導を補助する役目を担っている。固体電解質のみからなる固体電解質層は、電極層内における電極活物質間の距離と比較して積層方向で大きく離間する正極層と負極層との間に介在し、充放電反応に直接寄与するイオンを正負極間で授受させる機能を担っている。したがって固体電解質層のイオン伝導性の良否が全固体電池の性能を大きく左右する。すなわち全固体電池を実用化させるためには、固体電解質層のイオン伝導性を向上させることが重要である。
そこで本発明は固体電解質層のイオン伝導性を向上させることができる全固体電池の製造方法とイオン伝導性に優れた固体電解質層を備えた全固体電池を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明は、一体的な焼結体で、正極用の電極活物質と固体電解質を含む正極層、固体電解質を含む固体電解質層、および負極用の電極活物質と固体電解質を含む負極層がこの順に積層されてなる積層電極体を備えた全固体電池の製造方法であって、
前記固体電解質の粉体を含むシート状の固体電解質材料を作製する固体電解質層シート作製ステップと、
負極活物質の粉体と前記固体電解質の粉体とを含むシート状の負極層材料と、正極活物質の粉体と前記固体電解質の粉体とを含む層状の正極層材料との間に前記シート状の固体電解質材料を狭持して得た積層体を焼結させて前記積層電極体を作製する焼成ステップと、
を含み、
前記固体電解質層シート作製ステップでは、前記固体電解質として、一般式Li1.5Al0.5Ge1.5(POで表されるLAGPを用いるとともに、2.1μm以上2.5μm以下の粒子径を有する第1のLAGPの粉体と、0.18μm以上0.25μm以下の粒子径を有する第2のLAGPの粉体とを用い、前記固体電解質材料中に前記第1のLAGPの粉体と前記第2のLAGPの粉体とを、等量の質量比で含ませ、
前記焼成ステップでは600℃以上650℃以下の温度で前記積層体を焼結させる、
ことを特徴とする全固体電池の製造方法としている。
前記固体電解質層シート作製ステップでは、粉体状の前記第1のLAGPの粒子1個分の体積V1と、粉体状の前記第2の固体電解質の粒子1個分の体積V2との体積比V1/V2を590≦V1/V2≦2679とする全固体電池の製造方法としてもよい。
また本発明の範囲には、層状の正極と負極との間に層状の固体電解質が狭持された一体的な焼結体からなる積層電極体を備えた全固体電池であって、前記層状の固体電解質には2.1μm以上2.5μm以下の粒子径を有する第1の固体電解質の粒子と、0.18μm以上0.25μm以下の粒子径を有する第2の固体電解質の粒子とが等量の質量比で含まれ、前記第1の固体電解質と前記第2の固体電解質は、一般式Li1.5Al0.5Ge1.5(POで表されるLAGPであることを特徴とする全固体電池も含まれている。前記層状の固体電解質中の前記第1の固体電解質の粒子の一個分の体積V1と、前記第2の固体電解質の粒子の一個分の体積V2との体積比V1/V2が590≦V1/V2≦2679である全固体電池とすることもできる。
本発明に係る全固体電池の製造方法によれば、固体電解質層のイオン伝導性を向上させることができる。また本発明に係る全固体電池は、固体電解質層におけるイオン伝導性に優れている。
上記焼結体に含まれるLAGPを作製するための手順を示す図である。 上記LAGPを用いたサンプルの作製手順を示す図である。 本発明の実施例に係る製造方法に基づいて作製した焼結体の構造を示す概略図である。 上記実施例に係る製造方法に基づいて作製したサンプルの電子顕微鏡写真である。 上記実施例に係る製造方法に基づいて作製したその他のサンプルの電子顕微鏡写真である。 低い温度で焼成したサンプルの電子顕微鏡写真である。 高い温度で焼成したサンプルの電子顕微鏡写真である。
===本発明の実施例===
本発明の実施形態に係る全固体電池は、積層電極体を構成する固体電解質層に粒子径が異なる2種類の粉体状の固体電解質が含まれている点に特徴を有している。そこで、本発明の実施形態に係る全固体電池の固体電解質層の特性のみを評価するために、積層電極体から電極層を省略した固体電解質層のみからなる焼結体を作製した。以下にその焼結体の作製手順を実施例として挙げる。
===第1の実施例===
第1の実施例に係る焼結体の作製手順では、固体電解質としてLAGPを用いるとともに、当該焼結体はグリーンシート法を用いて作製している。そして第1の実施例に係る焼結体の作製手順では、LAGPの粒子径が異なる各種焼結体をサンプルとして作製した。そして各サンプルのイオン伝導度を測定した。以下では、まずLAGPの作製手順について説明し、次に、そのLAGPを用いたサンプルの作製手順について説明する。
<固体電解質の作製>
図1にサンプルに含ませるLAGPからなるセラミック粉体の作製手順を示した。まずLAGPの原料となるLiCO、Al、GeO、NHPOの粉末を所定の組成比になるように秤量して磁性乳鉢やボールミルで混合し(s1)、その混合物をアルミナルツボなどに入れて300℃〜400℃の温度で3h〜5hの時間を掛けて仮焼成する(s2)。仮焼成によって得られた仮焼き粉体を1200℃〜1400℃の温度で1h〜2h熱処理することで、仮焼き粉体を溶解させる(s3)。そしてその溶解した試料を急冷してガラス化することで、非晶質のLAGPからなる粉体を得る(s4)。次にその非晶質のLAGP粉体を200μm以下の粒子径となるように粗解砕し(s5)、その粗解砕された固体電解質の粉体をボールミルなどの粉砕装置を用いて粉砕することで、目的とする粒子径(メジアン径)のLAGPの粉体(以下、LAGP粉体とも言う)を得る(s6)。
<焼結体の作製>
図2は、上記手順で作製したLAGP粉体を用いたサンプルをグリーンシート法により作製する手順を示す図である。まずバインダをLAGP粉体に対し20wt%〜30wt%添加するとともに、溶媒としてエタノールなどの無水アルコールをLAGP粉体に対し30wt%〜50wt%添加し、ペースト状の固体電解質層材料の原料を混合する(s11)。また、このときサンプルに応じて粒子径が異なる2種類のLAGP粉体を含ませた。ここでは粒子径が異なる2種類のLAGPの割合を質量比で等量となるようにした。なお以下では2種類のLAGPについて、粒子径の大きなLAGPをLAGP1とし、粒子径が小さい方をLAGP2とする。
以上のようにして得た固体電解質層材料の原料をボールミルで20h混合する(s12)。それによって固体電解質層材料の原料が均一に混合されてなるペースト状の固体電解質層材料が得られる。ペースト状の固体電解質層材料を真空中にて脱泡した後(s13)、その固体電解質層材料をドクターブレード法にてPETフィルム上に塗工し、シート状の固体電解質層材料を得る(s14)。また固体電解質層シートを目的の厚さに調整するために、一回の塗工で得られた1枚のシート状の固体電解質層材料を所定枚積層するとともに、その積層したものをプレス圧着してグリーンシートからなる固体電解質層シートを得る。ここでは4枚のシート状の固体電解質層材料を積層して固体電解質層シートを得た。次に、固体電解質層シートを所定の平面サイズに裁断した(s15)。そして固体電極層のみの特性を評価するために、裁断した固体電解質層シートを650℃の温度で2時間焼成してサンプルを作製した(s16)。なお実際の全固体電池では、正極層と負極層に対応するグリーンシートを作製し、固体電解質層シートをそれらの正極層と負極層のグリーンシートで挟持して圧着した積層体を焼成して積層電極体を作製することになる。
<サンプルの特性>
上記の手順により、LAGP1とLAGP2の粒子径の組み合わせが異なる種々のサンプルを作製した。サンプルはシート状の焼結体であり、そのシートの表裏両面にスパッタリングによって金(Au)の薄膜からなる集電体層を形成した上で、各サンプルのインピーダンスを測定し、各サンプルのイオン伝導度(S/cm)を求めた。
以下の表1に各サンプルのイオン伝導度を示した。
Figure 0006955862
表1に示したように、LAGP1の粒子径φ1が2.0μmのサンプル1〜7、およびLAGP1の粒子径φ1が2.6μmのサンプル40〜46ではLAGP2の粒子径φ2によらず、一般的なイオン伝導度の良否判定の基準となる1×10−5(S/cm)を下回った。またφ1が2.1μm〜2.5μmのサンプル8〜39では、φ1とφ2の差に応じて1×10−5(S/cm)以上のイオン伝導度が得られたものがあった。またサンプル8〜39では、総じて、φ1とφ2との差が過大であっても過小であってもイオン伝導度が減少傾向となることが分かった。
以上により、まず、電解質層に含ませるLAGPの粒子径を均一にしてしまうと、高いイオン伝導度が得られ難いことがわかった。すなわち粒子径の異なる2種類のLAGP1とLAGP2を混在させることでイオン伝導度を向上させることができる。またLAGP1とLAGP2の粒子径(φ1、φ2)には適切な数値範囲が存在することも分かった。そこで以下の表2に、表1においてイオン伝導度が1×10−5(S/cm)以上となったサンプルを抜粋して示した。
Figure 0006955862
表2より、イオン伝導度が1×10−5(S/cm)以上となるLAGP1とLAGP2の粒子径(φ1、φ2)の条件は、LAGP1の粒子径φ1が2.1μm≦φ1≦2.5μmである場合、LAGP2の粒子径φ2が0.18μm≦φ2≦0.25μmであれば、確実にイオン伝導度が1×10−5(S/cm)以上となることが分かった。なお、固体電解質層に異なる粒子径のLAGPを混在させることでイオン伝導度が向上するメカニズムとしては、以下のように考えることができる。
限られた空間内に小さな粒子を充填させると空隙率が減少して密度は増加するものの、焼結前の形状を維持する成形性に劣る。すなわち成形不良が発生する。成形不良を防止するためにバインダなどのイオン伝導性に寄与しない物質を多量に使えば、当然のことながらイオン伝導度が低下する。一方、固体電解質層に大きな粒子を用いると、粒子間の空隙が大きくなり焼結性が低下し、やはりイオン伝導性が低下する。すなわちLAGPの粒子径を一定にすると、焼結性と成形性を両立させることが難しい。
それに対し、粒子径が異なる2種類のLAGPを固体電解質層中に混在させると、図3に示したように、成形性を高める大きな固体電解質の粒子10a間に小さな固体電解質の粒子10bが介在するため、固体電解質層1中の空隙率も減少して焼結性が向上する。すなわち小さな粒子10bが大きな粒子10a同士の結着性を高めるように機能する。そして実用的なイオン伝導度を得るためには、大きな粒子10aと小さな粒子10bのそれぞれの粒子径(φ1、φ2)を適正な数値範囲に設定することが必要となり、その数値範囲が上述した2.1μm≦φ1≦2.5μm、かつ0.18μm≦φ2≦0.25μmとなる。図4は、表1と表2においてイオン伝導度が1.89×10−5(S/cm)となったサンプル27の焼結状態を示す電子顕微鏡写真である。図中に点線の楕円で示した領域などを見れば明らかなように、大きな粒子間に小さな粒子が介在していることがわかる。
<体積比について>
上述したサンプルの作製手順では、固体電解質中にLAGP1とLAGP2を50:50の質量比で含ませていた。そして図3に示したようなメカニズムでイオン伝導度が増加していることを考慮すると、固体電解質層中におけるLAGP1の占有体積V1とLAGP2の占有体積V2との比率がイオン伝導度を低下させる条件となる。そこでLAGP2の体積V2に対するLAGP1の体積V1の比V1/V2(=φ1/φ2)を計算してみた。
以下の表3に、表2に示した各サンプルの体積比V1/V2をイオン伝導度とともに示した。
Figure 0006955862
表3に示したように、LAGP1とLAGP2の粒子径が適正数値範囲内にあるサンプル10〜13、18〜21、26〜29、および34〜37における体積比LAGP1/LAGP2は593〜2679である。そして粒子径が適正数値範囲外にあっても、イオン伝導度が1×10−5(S/cm)以上となるサンプル14、15、24、25、32、33が存在する。そして粒子径が適正数値範囲内にあるサンプルのうち、サンプル13の体積比V1/V2が最も小さく593である。そしてLAGP1とLAGP2の粒子径が適正数値範囲外にあるサンプルの内、このサンプル13の粒子径に最も近いサンプル14もイオン伝導度伝導度が1×10−5(S/cm)以上であり、当該サンプル14の体積比V1/V2は527である。したがって、LAGP1とLAGP2の粒子径が上記適正数値範囲内にあれば、イオン伝導度伝導度が1×10−5(S/cm)以上となるための体積比V1/V2の下限は、少なくとも527〜593の範囲内にあることから、当該体積比V1/V2の下限を590に設定すれば確実にイオン伝導度伝導度が1×10−5(S/cm)以上となる。
一方体積比V1/V2の上限については、粒子径が適正数値範囲内にあるサンプルのうち、サンプル34の体積比V1/V2が最も大きく2679である。そしてLAGP1とLAGP2の粒子径が適正数値範囲外にあるサンプルの内、このサンプル24の粒子径に最も近いサンプル33もイオン伝導度伝導度が1×10−5(S/cm)以上であり、当該サンプル33の体積比V1/V2は3180である。したがって、LAGP1とLAGP2の粒子径が上記適正数値範囲内にあれば、体積比V1/V2の上限は、少なくとも2679〜3180の範囲内にあることから、イオン伝導度伝導度が1×10−5(S/cm)以上となるための当該体積比V1/V2の上限を2679に設定すれば確実にイオン伝導度伝導度が1×10−5(S/cm)以上となる。
===第2の実施例===
第2の実施例に係る焼結体の作製手順では、焼成温度を600℃とした以外は第1の実施例と同様にして焼結体を作製している。そして、LAGPの粒子径が異なる各種焼結体をサンプルとして作製した。表4に第2の実施例の手順で作製したサンプルにおけるLAGP1とLAGP2の粒子径、イオン伝導度、およびLAGP1とLAGP2との体積比V1/V2を示した。
Figure 0006955862
表4に示したように、LAGP1の粒子径φ1が2.0μmのサンプル47〜53、およびLAGP1の粒子径φ1が2.6μmのサンプル86〜92ではLAGP2の粒子径φ2によらず、一般的なイオン伝導度の良否判定の基準となる1×10−5(S/cm)を下回った。φ1が2.1μm〜2.5μmのサンプル54〜85では、φ1とφ2の差に応じて1×10−5(S/cm)以上のイオン伝導度が得られたものがあった。そして第1の実施例において規定したφ1とφ2の適正数値範囲、2.1μm≦φ1≦2.5μm、0.18μm≦φ2≦0.25μmに該当するサンプル56〜59、64〜67、72〜75、80〜83のイオン伝導度は全て1×10−5(S/cm)以上であった。表5に、これらのサンプルのイオン伝導度を抜粋して示した。
Figure 0006955862
表5に示したように、固体電解質層は、低温で焼成しても、適正な粒子径を有する2種類の固体電解質を含んだ状態で焼結さえすれば、実用的なイオン伝導度が得られることがわかった。図5は、表5においてイオン伝導度が1.29×10−5(S/cm)となったサンプル73の焼結状態を示す電子顕微鏡写真である。先に図4に示した電子顕微鏡写真と同様に、大きな粒子間に小さな粒子が介在していることがわかる。
なおLAGPは結晶化することで、イオン伝導性を得ることができるが、焼成温度が低すぎて結晶化が不足する場合は、実用的なイオン伝導度が得られない可能性がある。図6に600℃未満の低い温度で焼成した固体電解質層の電子顕微鏡写真を示した。先に図4や図5に示した結晶化されたLAGPと比較して明らかに組織の状態が異なっており、粒子の外形が明瞭であり、非晶質のLAGPが残存して結晶化が不足していることがわかる。また焼成温度が高すぎると固体電解質が発泡して固体電解質層中に空洞が発生する可能性がある。図7に660℃で焼成した固体電解質層の電子顕微鏡写真を示した。発泡によって生じた空洞20が確認できる。したがって、固体電解質としてLAGPを用いた全固体電池では、焼成温度を600℃以上650℃以下とすることが望ましい。
===その他の実施例===
上記実施例では、固体電解質としてLAGPを用いていたが、もちろんLAGP以外の固体電解質であってもよい。そして固体電解質中に粒子径が異なる2種類の固体電解質を含ませ、2種類の固体電解質のそれぞれの粒子径φ1、φ2、あるいはφ1とφ2に加え上述した体積比V1/V2を上記の数値範囲に設定すればよい。また焼成温度については、十分に結晶化し、かつ発泡が生じない適正な温度で焼結すればよい。
上記実施例は、グリーンシート法を用いた全固体電池の製造方法に適用することを想定したものである。もちろん、固体電解質層に含ませる固体電解質の粉体の粒子径を上述した適正数値範囲に設定するのであれば、圧縮成形法によって全固体電池を製造してもよい。
なお上記実施形態および実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 固体電解質層、10a LAGP1の粒子、10b LAGP2の粒子、
s11 固体電解質混合工程、s14 塗工工程、s16 焼成工程

Claims (4)

  1. 一体的な焼結体で、正極用の電極活物質と固体電解質を含む正極層、固体電解質を含む固体電解質層、および負極用の電極活物質と固体電解質を含む負極層がこの順に積層されてなる積層電極体を備えた全固体電池の製造方法であって、
    前記固体電解質の粉体を含むシート状の固体電解質材料を作製する固体電解質層シート作製ステップと、
    負極活物質の粉体と前記固体電解質の粉体とを含むシート状の負極層材料と、正極活物質の粉体と前記固体電解質の粉体とを含む層状の正極層材料との間に前記シート状の固体電解質材料を狭持して得た積層体を焼結させて前記積層電極体を作製する焼成ステップと、
    を含み、
    前記固体電解質層シート作製ステップでは、前記固体電解質として、一般式Li1.5Al0.5Ge1.5(POで表されるLAGPを用いるとともに、2.1μm以上2.5μm以下の粒子径を有する第1のLAGPの粉体と、0.18μm以上0.25μm以下の粒子径を有する第2のLAGPの粉体とを用い、前記固体電解質材料中に前記第1のLAGPの粉体と前記第2のLAGPの粉体とを、等量の質量比で含ませ、
    前記焼成ステップでは600℃以上650℃以下の温度で前記積層体を焼結させる、
    ことを特徴とする全固体電池の製造方法。
  2. 請求項1において、固体電解質層シート作製ステップでは、粉体状の前記第1のLAGPの粒子1個分の体積V1と、粉体状の前記第2の固体電解質の粒子1個分の体積V2との体積比V1/V2を590≦V1/V2≦2679とすることを特徴とする全固体電池の製造方法。
  3. 層状の正極と負極との間に層状の固体電解質が狭持された一体的な焼結体からなる積層電極体を備えた全固体電池であって、前記層状の固体電解質には2.1μm以上2.5μm以下の粒子径を有する第1の固体電解質の粒子と、0.18μm以上0.25μm以下の粒子径を有する第2の固体電解質の粒子とが等量の質量比で含まれ、前記第1の固体電解質と前記第2の固体電解質は、一般式Li1.5Al0.5Ge1.5(POで表されるLAGPであることを特徴とする全固体電池。
  4. 請求項3において、前記層状の固体電解質中の前記第1の固体電解質の粒子の一個分の体積V1と、前記第2の固体電解質の粒子の一個分の体積V2との体積比V1/V2が590≦V1/V2≦2679であることを特徴とする全固体電池。
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