JP2018055883A - 銀ペーストおよび電子素子 - Google Patents

銀ペーストおよび電子素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2018055883A
JP2018055883A JP2016188354A JP2016188354A JP2018055883A JP 2018055883 A JP2018055883 A JP 2018055883A JP 2016188354 A JP2016188354 A JP 2016188354A JP 2016188354 A JP2016188354 A JP 2016188354A JP 2018055883 A JP2018055883 A JP 2018055883A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver
silver powder
less
powder
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016188354A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6967845B2 (ja
Inventor
寛己 立花
Hiroki Tachibana
寛己 立花
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritake Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noritake Co Ltd filed Critical Noritake Co Ltd
Priority to JP2016188354A priority Critical patent/JP6967845B2/ja
Priority to TW106130417A priority patent/TWI754669B/zh
Priority to KR1020170117303A priority patent/KR102374901B1/ko
Priority to CN201710873549.5A priority patent/CN107871542B/zh
Publication of JP2018055883A publication Critical patent/JP2018055883A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6967845B2 publication Critical patent/JP6967845B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B1/00Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
    • H01B1/20Conductive material dispersed in non-conductive organic material
    • H01B1/22Conductive material dispersed in non-conductive organic material the conductive material comprising metals or alloys
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/28Coils; Windings; Conductive connections
    • H01F27/2804Printed windings
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/005Electrodes
    • H01G4/008Selection of materials
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/30Stacked capacitors
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/28Coils; Windings; Conductive connections
    • H01F27/2804Printed windings
    • H01F2027/2809Printed windings on stacked layers

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

【課題】電気抵抗率の低い配線を形成可能な銀ペーストを提供する。【解決手段】本発明により、電子素子の電極を形成するために用いられる銀ペーストが提供される。この銀ペーストは、第1銀粉末と、この第1銀粉末に対して相対的に平均粒子径の小さい第2銀粉末と、バインダ樹脂と、分散媒とを含む。第1銀粉末は、下記の(A1)〜(A4)の条件をいずれも満たす。(A1)600℃まで加熱したときの強熱減量が0.05%以下である;(A2)タップ密度が5g/cm3以上である;(A3)最大アスペクト比が1.4以下である;(A4)BET法に基づく比表面積が0.8m2/g以下である。第2銀粉末は、(B1)600℃まで加熱したときの強熱減量が0.05%以下である。そして第1銀粉末の平均粒子径(DL50)と第2銀粉末の平均粒子径(DS50)との比(DL50/DS50)は5以上である。【選択図】図2

Description

本発明は、電子素子の配線の形成等に好適に用いることができる銀ペーストと、この銀ペーストを用いて形成された電子素子に関する。
電気・電子機器用の電子素子においては、導線を用いることなく、絶縁性基板に導線に相当する導電性材料からなる粉末を印刷して配線する技術が広く採用されている。配線を形成するための導電性材料は、一般に、バインダとともに分散媒に分散された導電性ペーストの形態で印刷に供される。
導電性ペーストは、用途によって様々な種類のものが使い分けられている。例えば、特に高い電気伝導性(低抵抗率特性)が要求される用途では、導電性材料として銀粉末を含む銀ペーストが用いられている。これに対し、比較的コストを抑えたい用途等では、銅粉末や、アルミニウム粉末、ニッケル粉末等を含む導電性ペースト等が用いられている。また、例えば、使用環境や製造環境が高温となる電子素子等については、焼成により基板に焼き付ける焼成型のペーストが用いられている。また、高温に晒すことができない電子素子等については、低温での加熱硬化により基板に固着させる加熱硬化型のペーストが用いられている。焼成型の銀ペーストに関する従来技術として、例えば、特許文献1〜3が挙げられる。
特開2009−062558号公報 特開2011−181538号公報 特許第4805621号公報 特許第5146419号公報
特許文献1は、LTCC(低温同時焼成セラミックス)配線基板用の導電性ペーストに関する技術であって、クラックやデラミネーションの発生を抑制するために、表面に凹凸を有する多面体状の銀粒子を使用することが開示されている。また特許文献2は、太陽電池素子の電極形成用の導電性ペーストに関する技術であって、導電性ペースト中に所定の性状の銀粒子とガラスフリットとを含むことが開示されている。特許文献3は、焼成収縮が小さく且つ焼成後の抵抗値の低い導電性ペーストに関する技術であって、アトマイズ法と湿式還元法とで製造された平均粒子径の異なる2種類の銀粉末を使用することが開示されている。
このような焼成型の導電性ペーストは、比較的高い焼成温度で焼成したときに抵抗率のより低い銀電極(配線)を形成できることが知られている。例えば、従来の導電性ペーストについては、600℃〜700℃の焼成温度としては比較的低温で焼成した場合に得られる電極の電気抵抗率(以下、単に「抵抗率」、「比抵抗」等ともいう。)が2.3μΩ・cm程度以上であるのに対し、800℃以上の高温で焼成した場合に得られる電極の電気抵抗率は2.1μΩ・cm程度以上である。この値は、用途によっては十分に低い電気抵抗率であるといえる。しかしながら、例えば、バルク銀の電気抵抗率の理論値が1.6μΩ・cmであることから、銀電極についてはより高いレベル(例えば2μΩ・cm以下)の低抵抗化が求められている。さらには、より低い焼成温度でかかる低抵抗値を達成することが求められている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、例えば、より低い温度(例えば600℃程度)での焼成によっても電気抵抗率の低い配線を形成可能な銀ペーストを提供することにある。また他の側面において、かかる銀ペーストを用いた電子素子を提供することにある。
上記の従来技術の課題を解決するために、ここに開示される技術は、電子素子の電極を形成するために用いられる銀ペーストを提供する。この銀ペーストは、第1銀粉末と、上記第1銀粉末に対して相対的に平均粒子径の小さい第2銀粉末と、バインダ樹脂と、分散媒とを含む。この第1銀粉末は、次の(A1)〜(A4):(A1)600℃まで加熱したときの強熱減量が0.05%以下である;(A2)タップ密度が5g/cm以上である;(A3)最大アスペクト比が1.4以下である;(A4)BET法に基づく比表面積が0.8m/g以下である;の条件をいずれも満たす。また第2銀粉末は、(B1)600℃まで加熱したときの強熱減量が0.05%以下である。そして第1銀粉末の平均粒子径(DL50)と第2銀粉末の平均粒子径(DS50)との比(DL50/DS50)は5以上である。
本発明者らは、これまでにない低い電気抵抗率を実現し得る電極形成用の銀ペーストの実現に向けて鋭意検討を重ねてきており、これまでに、上記(A1)〜(A4)に示した4つの性状を好適に組み合わせて所定の範囲に調整された銀粉末を使用すること、そしてこの銀粉末を基材上に供給して焼成することにより、焼成体中の気孔の形成が抑制されて、従来よりも低抵抗の電極(導体膜であり得る。)を形成することができることを想到している(特願2015−253416)。しかしながら、かかる技術においては、銀粉末を600℃で低温焼成したときに得られる電極については、抵抗率の更なる低減を検討する余地があった。そこでここに開示される技術においては、上記(A1)〜(A4)の性状を備える第1銀粉末に加え、より小粒径の第2銀粉末を併用することで、600℃で低温焼成したときであっても、より低抵抗な電極を形成し得るようにしている。これにより、例えば、600℃で焼成したときに、第1銀粉末のみを用いた場合と比較してより低抵抗な電極を形成することができる。例えば、電気抵抗率が2.1μΩ・cm未満の低抵抗な電極を実現することができる。
なお、本明細書において「強熱減量(Ig-loss)」とは、銀粉末を室温から600℃にまで加熱したときの質量減少の割合(%)を示す指標である。この強熱減量は、JIS K0067:1992にて規定される化学製品の減量及び残分試験方法に準じて測定することができる。
また、本明細書において「タップ密度」とは、所定容器内で銀粉末を1000回タップした後の粉末の見掛け密度を示す指標である。タップ密度の測定は、JIS Z2512:2012に規定される金属粉−タップ密度測定方法に準じて測定することができる。
さらに、本明細書において「最大アスペクト比」とは、電子顕微鏡観察における3視野以上の観察像のそれぞれにおいて、アスペクト比が最も高いと思われる3つの銀粒子について測定されるアスペクト比の算術平均値を意味する。
本明細書において「比表面積」とは、ガス吸着法によって測定された銀粉末のガス分子吸着等温特性を、BET法に基づき解析して得られる比表面積である。この比表面積は、JIS Z8830:2013(ISO 9277:2010)に規定されるガス吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法に準じて測定することができる。
ところで特許文献3には、上述のように、導電性ペーストを構成するにあたり、アトマイズ法で製造された平均粒子径が5μm以下の第1銀粉末と、湿式還元法で得られた、平均粒子径1.0〜2.0μmの微粉および平均粒子径が0.2〜0.6μmの超微粉と、を使用することが開示されている。しかしながら、この技術においては、導電性ペーストの焼成収縮を小さくし、クラックや基板の割れの発生を抑えて、低抵抗な厚膜導体膜を形成するようにしている。したがって、本願のように、焼成によりこれまでにないレベルの低抵抗率を実現するための構成については開示も示唆もされていない。
また、特許文献4には、導電性ペーストを構成するにあたり、粒子の80%以上が単分散されている、アスペクト比が1.0以上1.5未満の導電性の球状の粒子(A2)と、上記球状の粒子(A2)よりも粒径の小さい、アスペクト比が1.0以上1.5未満の導電性の球状の粒子(B2)を含み、上記球状の粒子(A2)の平均粒子径が、上記球状の粒子(B2)の平均粒子径の2〜50倍であり、体積比で、上記球状の粒子(A2):上記球状の粒子(B2)は95:5〜55:45であって、相対充填密度が69%以上である混合導電粉、を使用することが開示されている。この技術においては、導電性粒子の粉体状態における充填性の向上に着目されているものの、焼成したとき緻密性については何ら検討されていない点で、焼成後の電極の緻密性を高めるようにした本願発明とは本質的に異なる。
ここで開示される銀ペーストの好ましい一態様では、(A5)第1銀粉末の平均粒子径が1.5μm以上3μm以下である。このような構成により、大粒径の第1銀粉末と小粒径の第2銀粉末とを併用しつつ、第1銀粉末の上記4つの性状をバランスよく好適に満たすことができる。
ここで開示される銀ペーストの好ましい一態様では、(A6)第1銀粉末の比重が10.4g/cm以上であることを特徴とする。ここに開示される技術は、より高いレベルでの電極の低抵抗率化を目的としている。したがって、第1銀粉末を構成する銀粒子自体が気孔を含まず、比重が高いものであることが好ましい。このような構成により、抵抗率の低い銀電極をより確実に形成することができる。
ここで開示される銀ペーストの好ましい一態様では、第2銀粉末の平均粒子径が0.5μm以下である。このような構成により、大粒径の第1銀粉末と小粒径の第2銀粉末とを併用しつつ、第1銀粉末の上記4つの性状をバランスよく簡便に満たすことができて好ましい。
ここで開示される銀ペーストの好ましい一態様では、700℃以上800℃以下の温度範囲で焼成したときに得られる銀焼成物の電気抵抗率が2μΩ・cm以下を達成するよう構成されている。これにより、電気抵抗率が2μΩ・cm以下の電極を安定して形成することができる。
ここで開示される銀ペーストの好ましい一態様では、600℃で焼成したときに得られる銀焼成物の電気抵抗率が2.1μΩ・cm未満を達成するよう構成されている。これにより、600℃という比較的低温での焼成によっても、電気抵抗率が2.1μΩ・cm未満の電極を安定して形成することができ、小粒径の第2銀粉末を用いないときよりも低抵抗な電極を形成することができる。
ここで開示される銀ペーストの好ましい一態様では、600℃超過900℃以下の温度範囲で焼成したときに得られる銀焼成物の電気抵抗率が1.9μΩ・cm以下を達成するよう構成されている。このような構成によると、焼成温度でより高くすることで、さらに抵抗率の低い電極を安定して形成することができる。
以上のように、ここに開示される技術によると、焼成により気孔の形成が抑制された低抵抗な銀電極を、例えば600℃という比較的低温での焼成により形成することができる。また、この銀電極は、基材上に任意の形状で印刷した印刷体を焼成することにより簡便に形成することができる。したがって、例えば350℃〜500℃の温度範囲で使用されたり、高温で製造されたりする電子素子であって、特に低い抵抗率の電極が求められる用途の電子素子に特に好適に用いることができる。かかる観点から、ここに開示される技術は、この銀電極を備えた電子素子をも提供する。
一実施形態に係る銀ペーストを用いて形成される積層チップインダクタの構成を概略的に説明する断面図である。 一実施形態に係る銀ペーストを焼成して得た銀電極の断面SEM像である。 従来の銀ペーストを焼成して得た銀電極の断面SEM像である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば、銀粉末の性状)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、銀ペーストの供給方法や、電子素子の構成等)は、本明細書により教示されている技術内容と、当該分野における当業者の一般的な技術常識とに基づいて理解することができる。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。なお、本明細書において範囲を示す「A〜B」との表記は、A以上B以下を意味する。
[銀粉末]
ここに開示される銀粉末は、電子素子等における導線たる電気伝導性(以下、単に「導電性」という場合がある。)の高い導体膜を形成するため材料である。導体膜はその形態には制限されず、配線などと呼ばれる形態であっても電極などと呼ばれる形態であってもよい。以下、この導体膜を電極と称して説明する。銀(Ag)は、金(Au)ほど高価ではなく、酸化され難くかつ導電性に優れることから電極材料として好ましい。銀粉末は、銀を主成分とする粉末(粒子の集合)であればその組成は特に制限されず、所望の導電性やその他の物性を備える銀粉末を用いることができる。ここで主成分とは、銀粉末を構成する成分のうちの最大成分であることを意味する。銀粉末としては、例えば、銀および銀合金ならびにそれらの混合物または複合体等から構成されたものが一例として挙げられる。銀合金としては、例えば、銀−パラジウム(Ag−Pd)合金、銀−白金(Ag−Pt)合金、銀−銅(Ag−Cu)合金等が好ましい例として挙げられる。例えば、コアが銀以外の銅や銀合金等の金属から構成され、コアを覆うシェルが銀からなるコアシェル粒子等を用いることもできる。銀粉末は、その純度(含有量)が高いほど導電性が高くなる傾向があることから、純度の高いものを使用することが好ましい。銀粉末は、純度95%以上が好ましく、97%以上がより好ましく、99%以上が特に好ましい。ここに開示される技術によると、例えば、純度が99.5%程度以上(例えば99.8%程度以上)の銀粉末を使用することでも、極めて低抵抗の電極を形成することが可能とされる。なお、かかる観点において、ここに開示される技術においては、例えば、純度99.99%以下(99.9%以下)の銀粉末を用いても、十分に低抵抗の電極を形成することが可能である。
上記の銀粉末は焼成されることにより一体化されて、電極を形成する。つまり、樹脂バインダ等の結着剤により一体化される用途の銀粉末とは電極形成プロセスが異なることから明確に区別される。銀粉末を構成する銀粒子は、焼成の際に焼結に伴い複数の粒子が一体化され、見掛けの体積が減少する。つまり、銀粒子は焼結に際して位置が移動する。また、銀粒子は焼結に伴い、望ましくは粒子間隙が失われるように形状が変化する。ここに開示される技術においては、焼成時に銀粒子がより緻密に充填されて気孔の少ない電極を形成するように、銀粉末の各種性状を調整している。
すなわち、ここに開示される技術において、銀粉末は、相対的に平均粒子径の大きい第1銀粉末と、この第1銀粉末に対して相対的に平均粒子径の小さい第2銀粉末とを含む。これらは焼成時に粒子間隙がより良く失われるように、互いの性状が規定される。以下、各銀粉末について説明する。
[第1銀粉末]
第1銀粉末は、焼成過程において銀粉末を構成する銀粒子同士が焼結することで、銀電極の主体を構成する要素であり得る。この焼結において、銀粒子は、一般に融点以下の温度で軟化・溶融し、固相状態のままあるいは液相を伴って物質移動が起こることで緻密一体化する。そしてその後の放熱により物質移動が停止し、焼結体が得られる。このような第1銀粉末については、(A1)強熱減量、(A2)タップ密度、(A3)最大アスペクト比および(A4)比表面積が、所定の範囲となるように定められている。以下に、各物性値について説明する。
(A1)強熱減量(Ig−loss)
強熱減量は、銀粉末を室温から600℃にまで加熱したときの質量減少量の割合(%)を示す指標である。このような加熱により減少する成分は、焼成の際に燃えぬける成分(揮発成分)であり、第1銀粉末を焼成したときに銀粒子の円滑な移動および充填を阻害し得る。また、焼成中に銀電極内に取り残されて、気泡を形成し得る。この揮発成分は主に有機物からなると考えられ、例えば銀粉末の分散性を高めるために銀粉末の表面に付着される分散剤、界面活性剤などに由来する成分であり得る。ここに開示される技術では、上記銀粒子の充填性の低下を抑制するべく、銀粉末の強熱減量を0.05%以下に制限している。この強熱減量は0.045%以下が好ましく、0.04%以下がより好ましく、0.035%以下が特に好ましい。強熱減量は、測定装置の性能にもよるが、実質的に0%であってもよい。
(A2)タップ密度
タップ密度は、容器に自然充填された粉体の凝集による空隙を、所定のタッピング条件による衝撃によって解消したときの、軽い圧密状態における嵩密度を示す指標である。ここでは、タッピングの条件を、タップ高さ:5cm、タップ速度:100回/分、タッピング回数:1000回としたときのタップ密度を採用している。銀粉末のタップ密度が低すぎると、基材上に供給したときの銀粒子の配列が空隙の大きいものとなりやすく、さらに、焼成時に銀粒子が移動するときにも充填性が高まり難くなるために好ましくない。かかる観点から、ここに開示される技術では、第1銀粉末のタップ密度を5g/cm以上に規定している。タップ密度は5.1g/cm以上が好ましく、5.2g/cm以上がより好ましく、5.3g/cm以上が特に好ましい。タップ密度の上限は特に制限されない。粉体の密度には、タップ密度<見掛け密度≦比重の関係がある。したがって、第1銀粉末の平均粒子径等から算出される最密充填密度や、さらには銀の比重(10.50g/cm)により近いことが好ましい。
(A3)最大アスペクト比
ここに開示される第1銀粉末は焼成に供されることから、第1銀粉末を構成する銀粒子は真球形に近いほど充填性が良くなり、焼成物である電極を密に構成し得る。したがって、かかる焼成時の充填性を妨げる非球形粒子の存在は好ましくない。ここに開示される技術においては、第1銀粉末中の銀粒子の最大アスペクト比を1.4以下に制限することで、第1銀粉末を構成する銀粒子の充填性を高く確保するようにしている。なお、粒子の充填性は、形状が真球から離れた粒子によりもっとも阻害され得、このことが電極のより大きな気孔の形成に繋がると考えられる。このような観点から、平均アスペクト比ではなく、最大アスペクト比を評価の指標としている。第1銀粉末の最大アスペクト比は、1.35以下が好ましく、1.3以下がより好ましく、1.25以下が特に好ましい。
なお、本明細書において、最大アスペクト比とは、電子顕微鏡観察における3視野以上の観察像のそれぞれにおいて、アスペクト比が最も高いと思われる3つの銀粒子を選択し、これらの銀粒子について測定されるアスペクト比の算術平均値を意味する。また、アスペクト比は、観察像内における銀粒子の最大長径(最大長)をa、この最大長径に直交する銀粒子の最大幅をbとしたとき、「a/b」として算出される指標である。
(A4)比表面積
比表面積は、第1銀粉末が備える表面積を単位重量当たりで示した値であり、第1銀粉末を構成する銀粒子の大きさと表面形態とを反映した指標であり得る。一般に平均粒子径が同じ粉体については、比表面積が大きいほど粒子の形状が真球形から遠ざかる傾向にあり得る。したがって、ここに開示される技術においては、BET法に基づく比表面積が0.8m/g以下の銀粉末を用いるように規定している。なお、この0.8m/gとの比表面積は、直径が約0.7μmの真球の銀粒子についての比表面積に相当する。本発明においては、電子素子の電極を形成するために用いる銀粉末として、かかる値により適否を評価するようにしている。銀粉末の比表面積は、0.75m/g以下が好ましく、0.65m/g以下がより好ましく、0.6m/g以下が特に好ましい。なお、比表面積が小さいことは第1銀粉末の平均粒子径が粗大であることをも意味する。したがって、電子素子の用途にもよるため一概には言えないが、BET法に基づく比表面積は、概ね0.1m/g以上であることが好ましく、0.15m/g以上であることがより好ましい。
ここに開示される技術は、上記のとおり、第1銀粉末の焼成時の充填性をより良く高めるよう、上記4つの指標を組み合わせて採用し、その値を最適なものに調整している。したがって、より低抵抗な電極を形成するために、第1銀粉末が上記4つの要件を同時に満たすことは欠かせない。これにより、この第1銀粉末をバルク銀の融点(約962℃)よりも低温で焼成したときに、より緻密な焼成物を得ることができる。延いては抵抗率の低い電極を形成することができる。
(A5)平均粒子径
なお、第1銀粉末の平均粒子径は上記要件を満たす限り特に限定されない。しかしながら、現時点における電子素子の製造に好適に用いることができるとの観点から、平均粒子径を所定の範囲のものとすることも好ましい態様である。第1銀粉末の平均粒子径が小さすぎると、より低温で焼結が進行するものの、凝集しやすくなり焼成時の銀粒子の充填性が低下するために好ましくない。また、後述の第2銀粉末とのバランスがとりづらくなるために好ましくない。したがって、第1銀粉末の平均粒子径は、例えば0.5μm以上であってよく、1.0μm以上とすることができ、典型的には1.5μm以上を目安とすることが好適である。平均粒子径は1.8μm以上であることが好ましく、2μm以上がより好ましく、2.2μm以上が特に好ましい。また、銀粉末の平均粒子径が大きすぎると、焼結のために高温に長時間晒す必要があり、また低温で焼結を実現するとの要望を満たさないという点で好ましくない。したがって、銀粉末の平均粒子径は、例えば5μm以下を目安とすることができる。平均粒子径は4.5μm以下であることが好ましく、4μm以下がより好ましく、3.5μm以下が特に好ましい。
なお、本明細書における銀粉末の「平均粒子径」とは、レーザ回折・散乱法に基づく体積基準の粒度分布における累積体積50%時の粒径(D50)を採用している。以下、第1銀粉末についての累積体積50%時の粒径(平均粒子径)をDL50、第2銀粉末についての累積体積50%時の粒径(平均粒子径)をDS50のように示す。
また、第1銀粉末としては、粒度分布のシャープな(狭い)ものが好ましい。例えば、平均粒子径が10μm以上の粒子を実質的に含まないような銀粉末を好ましく用いることができる。さらに、粒度分布がシャープであることの指標として、レーザ回折・散乱法に基づく粒度分布における小粒径側からの累積10%体積時の粒径(DL10)と累積90%体積時の粒径(DL90)との比(DL10/DL90)が採用できる。粉末を構成する粒径が全て等しい場合はDL10/DL90の値は1となり、逆に粒度分布が広くなる程このDL10/DL90の値は0に近づくことになる。DL10/DL90の値が0.15以上、例えば0.15以上0.5以下であるような、比較的狭い粒度分布の粉末の使用が好ましい。
(A6)比重
第1銀粉末の比重は厳密には限定されないものの、例えば、第1銀粉末を構成する銀粒子自体に含まれる気孔の割合が少ないことがより好ましい。したがって、例えば、第1銀粉末について定容積膨張法により測定される比重(真密度ともいう。)が高いことが好ましい。本明細書において、第1銀粉末の比重は、ヘリウムガスを使用した定容積膨張法により測定される値を採用している。第1銀粉末の比重は、概ね10.3g/cm以上を目安とすることができ、例えば10.35g/cm以上とすることができる。さらに、第1銀粉末の比重は、10.4g/cm以上であることが好ましく、10.45g/cm以上がより好ましく、10.5g/cm以上が特に好ましい。
[第2銀粉末]
第2銀粉末は、より大粒径の上記第1銀粉末と共に用いられ、第1銀粉末の間隙に入り込むことで、これら第1銀粉末および第2銀粉末の混合粉末の充填性を効果的に高める要素である。このような第2銀粉末は、第1銀粉末に対する相対粒径が小さいことだけでは適切な性状であるとはいえない。第2銀粉末は、焼成により第1銀粉末とともに溶融し、放熱により凝固したときに、形成される銀電極の緻密性を確実に高めることが求められる。このような第2銀粉末については、(B1)強熱減量が所定の範囲となるように定められている。また、第1銀粉末の平均粒子径(DL50)と第2銀粉末の平均粒子径(DS50)との比(DL50/DS50)が5以上であるように構成されている。以下、第2銀粉末について説明する。
(B1)強熱減量(Ig−loss)
強熱減量は、上記第1銀粉末の説明に際して詳述したため、再度の説明は省略する。第2銀粉末についても、強熱減量は0.05%以下に制限される。第2銀粉末の強熱減量は0.045%以下が好ましく、0.04%以下がより好ましく、0.035%以下が特に好ましい。強熱減量は、測定装置の性能にもよるが、実質的に0%であってもよい。
(B2)最大アスペクト比
なお、第2銀粉末は、第1粉末に対して小粒径であることが求められるが、その他の性状は第1粉末と同様であってよい。すなわち、第2銀粉末は、最大アスペクト比が1.4以下であると好ましい。第2銀粉末の最大アスペクト比は、1.35以下が好ましく、1.3以下がより好ましく、1.25以下が特に好ましい。
(B3)平均粒子径比(DL50/DS50
第1銀粉末と第2銀粉末とは、互いの平均粒子径が好適にバランスされていることが好ましい。すなわち、第1銀粉末の平均粒子径(DL50)と第2銀粉末の平均粒子径(DS50)との比:DL50/DS50;は5以上である。このようにすることで、第1銀粉末と第2銀粉末とを含む銀ペーストが基板に供給されたときに、第1銀粉末と第2銀粉末とが充填性良く3次元的に配列し、例えばかかる配列で乾燥される。また、ペーストの乾燥物(乾燥塗膜ともいう。)が焼成されたときに、第1銀粉末と第2銀粉末とが溶融しながらさらに互いの間隙が消失するように、また、間隙を埋めるように、充填してゆくことができる。この溶融物が冷却されて凝固することにより、緻密な銀電極を形成することができる。例えば、これまでになく銀バルクの抵抗率に近い低抵抗な銀電極を形成することができる。平均粒子径比(DL50/DS50)は、8以上であることが好ましく、10以上がより好ましく、12以上が特に好ましい。例えば15以上であり得る。平均粒子径比(DL50/DS50)は特に限定されないが、第1銀粉末の平均粒子径(DL50)の好適範囲と、第2銀粉末のハンドリング性の良好な平均粒子径(DS50)との関係から、例えば、75以下とすることができ、50以下であってよく、例えば45以下であってよい。
(B4)平均粒子径
第2銀粉末の平均粒子径は、第1銀粉末の平均粒子径との関係が、上記平均粒子径比(DL50/DS50)を満たす限り特に限定されない。しかしながら、実際的には、第2銀粉末の平均粒子径は、例えば0.05μm以上であってよく、典型的には0.1μm以上を目安とすることが好適である。また、第2銀粉末の平均粒子径は、例えば0.6μm以下(0.6μm未満)とすることができ、0.5μm以下(0.5μm未満)であってよく、0.4μm以下が特に好ましい。より限定的には、0.1μm以上0.3μm以下の範囲とすることができる。
(B5)質量割合(W
第2銀粉末は、第1銀粉末に対して極少量でも混合されることで、第1銀粉末が単独で使用される場合と比較して、ペーストの乾燥密度を上昇させることができる。さらに、形成される銀電極の密度をも高めることができる。しかしながら、これらの効果をより明瞭に得るためには、第1銀粉末に混合される第2銀粉末の割合は、ある程度多いことが好ましい。例えば、第1銀粉末の質量(W)と第2銀粉末の質量(W)との総量(W+W)に占める第2銀粉末の質量(W)の割合は、10質量%を超えていることが好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上が特に好ましい。しかしながら、より小粒径の第2銀粉末の割合が多すぎると、銀ペーストの粘性が上昇しすぎたり、安定性が低くなったり、ハンドリング性が悪化するために好ましくない。例えば、第2銀粉末の割合は、50質量%以下を目安とすることが好ましい。このように両者のバランスをとることで、緻密な銀電極を簡便に形成することが可能となる。
[銀ペースト]
以上の銀粉末は、混合状態で基材に供給したのち焼成し、銀粉末を構成する第1銀粉末と第2銀粉末とを一体的に焼結させることで、焼結物としての銀電極(配線であり得る。)を得ることができる。銀粉末のバインダ樹脂への供給手法は特に制限されない。ここに開示される技術においては、上記銀粉末の供給性およびハンドリング性を良好なものとするために、銀粉末を有機ビヒクル成分に分散させた銀ペーストの形態で提供することもできる。かかる銀ペーストは、本質的に、銀粉末と、有機ビヒクル成分とを含んでいる。
なお、有機ビヒクル成分としては、所望の目的に応じて、従来よりこの種の銀ペーストに用いられている各種のものを特に制限なく使用することができる。典型的には、有機ビヒクル成分は、種々の組成のバインダ樹脂と分散媒(溶剤であり得る。)との混合物として構成される。かかる有機ビヒクル成分において、バインダ樹脂は分散媒に全てが溶解していても良いし、一部が溶解または分散(いわゆるエマルジョンタイプの有機ビヒクルであり得る。)していても良い。
バインダ樹脂は、調製した銀ペーストを、印刷,乾燥等を行うことで成膜化した段階において、銀粒子同士、および、銀粒子と基材とを結合させる役割を担う成分である。したがって、銀粒子が焼成により一体化された後は、バインダ樹脂は不要な抵抗成分となり得る。したがって、このバインダ樹脂は、後述の焼成温度よりも低い温度で消失し、電極中に残存しない成分であることが好ましい。このようなバインダ樹脂としては、バインダ機能を有する有機化合物を特に制限なく用いることができる。具体的には、例えば、エチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース,カルボキシメチルセルロース等のセルロース系高分子、ポリブチルメタクリレート,ポリメチルメタクリレート,ポリエチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリビニルアルコール,ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、ロジンやマレイン化ロジン等のロジン系樹脂等をベースとするバインダ樹脂が好適に用いられる。特に、良好なスクリーン印刷を行うことができる粘度特性を好適に実現し得ることから、セルロース系高分子(例えばエチルセルロース)の使用が好ましい。
なお、上記のとおり、この銀粉末は焼結性および焼結時の充填性に優れている。したがって、より抵抗率の低い電極を形成する目的においては、銀ペーストは、銀粉末および有機ビヒクル成分以外の成分を含まないことが好ましい。例えば、この銀ペーストは、有機ビヒクル成分以外に、例えば、無機バインダともいえるガラスフリットを含まないことが好ましい態様である。
有機ビヒクルを構成する分散媒として好ましいものは、沸点がおよそ200℃以上(典型的には約200℃〜260℃)の有機溶剤である。沸点がおよそ230℃以上(典型的にはほぼ230℃〜260℃)の有機溶剤がより好ましく用いられる。このような有機溶剤としては、ブチルセロソルブアセテート,ブチルカルビトールアセテート(BCA:ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート)等のエステル系溶剤、ブチルカルビトール(BC:ジエチレングリコールモノブチルエーテル)等のエーテル系溶剤、エチレングリコールおよびジエチレングリコール誘導体、トルエン,キシレン,ミネラルスピリット,ターピネオール,メンタノール,テキサノール等の有機溶剤を好適に用いることができる。特に好ましい溶剤成分として、ブチルカルビトール(BC)、ブチルカルビトールアセテート(BCA)、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート等が挙げられる。
銀ペーストに含まれる各構成成分の配合割合は、電極の形成方法、典型的には印刷方法等によっても適宜調整することができ、概ね、従来より採用されているこの種の銀ペーストに準じた配合割合をもとに構成することができる。一例として、例えば、以下の配合を目安に各構成成分の割合を決定することができる。
すなわち、銀ペースト中に占める銀粉末の含有割合は、ペースト全体を100質量%としたとき、およそ80質量%以上(典型的には80質量%〜98質量%)とすることが適当であり、より好ましくは83質量%〜96質量%程度、例えば85質量%〜95質量%程度とすることが好ましい。銀粉末の含有割合を高くすることは、バインダ樹脂の割合を低下することに繋がり、気孔が少なく緻密な電極パターンを形状精度よく形成することができるという観点から好ましい。一方、この含有割合が高すぎると、ペーストの取扱性や、各種の印刷性に対する適性等が低下することがある。
そして、有機ビヒクル成分のうちバインダ樹脂は、銀粉末の質量を100質量%としたとき、およそ10質量%以下、典型的には0.3質量%〜8質量%程度の割合で含有されることが好ましい。特に好ましくは、銀粉末100質量%に対して0.5質量%〜6質量%の割合で含有される。なお、かかるバインダ樹脂は、例えば、有機溶剤中に溶解しているバインダ樹脂成分と、有機溶剤中に溶解していないバインダ樹脂成分とが含まれていても良い。有機溶剤中に溶解しているバインダ樹脂成分と、溶解していないバインダ樹脂成分とが含まれる場合、それらの割合に特に制限はないものの、例えば、有機溶剤中に溶解しているバインダ樹脂成分が(1割〜10割)を占めるようにすることができる。
なお、上記有機ビヒクルの全体としての含有割合は、得られるペーストの性状に合わせて可変であり、おおよその目安として、銀ペースト全体を100質量%としたとき、例えば2質量%〜20質量%となる量が適当であり、5質量%〜15質量%であるのが好ましく、特に5質量%〜10質量%となる量がより好ましい。
また、ここに開示される銀ペーストは、本発明の目的から逸脱しない範囲において、上記以外の種々の無機および/または有機質の添加剤を含ませることができる。かかる添加剤の好適例として、例えば、界面活性剤、消泡剤、酸化防止剤、分散剤、粘度調整剤等の添加剤が挙げられる。しかしながら、銀ペーストは、不純物ともなり得るこれらの成分を含まない態様がより好ましい。
このような銀ペーストは、上述した材料を所定の配合(質量割合)となるよう秤量し、均質になるよう混合することで調製することができる。材料の撹拌混合は、例えば三本ロールミル、ロールミル、マグネチックスターラー、プラネタリーミキサー、ディスパー等公知の種々の撹拌混合装置を用いて実施することができる。
ペーストの好適な粘度は、目的とする電極の厚み(延いては、ペースト印刷体の厚み)等によっても異なるため特に限定されない。例えば、積層セラミックチップの内部電極に適した形状状の(例えば厚みが50μm程度の)印刷体を形成する場合には、銀ペーストの粘度が350〜450Pa・s(10rpm,25℃)となるよう調製するとよい。これによって、電極パターンを、位置精度と形状精度とを高めて印刷することができる。
かかるペーストは、基材上に供給したのち、50〜150℃で15〜30分間ほど静置して分散媒を除去したのち焼成することが好ましい。ここに開示される銀ペーストは、銀粉末の性状が好適に調整されていることから、分散媒を除去して得られる乾燥物(乾燥塗膜)の段階で緻密(すなわち高密度)であり得る。かかる乾燥物の乾燥密度は、例えば、7.2g/cm以上とすることができ、好ましくは7.3g/cm以上、より好ましくは7.4g/cm以上、特に好ましくは7.5g/cm以上、例えば7.6g/cm以上であり得る。このような高い密度の乾燥物を形成できることで、より低温での焼成によっても、焼成物としての緻密な電極の形成が可能とされる。例えば、図2および図3に、ここに開示される技術により形成された電極と、従来の電極の断面SEM像をそれぞれ例示した。図2の電極は、図3の電極に比べて、明らかに気孔の形成が抑えられて緻密である。このように、乾燥物の段階で高い乾燥密度を実現することが、低温時の銀粉末の焼結性を著しく高め得ると言える。
焼成温度は、例えば、銀粉末の焼結温度に基づき適切に決定することができる。焼成温度は、銀粉末の組成にもよるが、純銀(例えば純度99.9%以上)と見なせる銀粉末については融点である962℃よりも低い温度とすることができる。したがって、焼成温度は、例えば従来の銀粉末と同様に800℃〜900℃程度の温度範囲とすることができる。しかしながら、ここに開示される銀粉末は、従来の銀粉末を同じ温度で焼成したときよりも低抵抗の銀電極を得ることができる。さらには、従来の銀粉末よりも低い温度で焼成した場合であっても、従来と同程度かより低い抵抗率の電極を実現し得る。したがって、この銀粉末は、例えば、900℃以下(900℃未満)の温度で焼成することが好ましい。焼成温度は、850℃以下(850℃未満)がより好ましく、800℃以下(800℃未満)がさらに好ましく、750℃以下(750℃未満)が特に好ましい。例えば、焼成温度は、700℃以下(700℃未満)、特に650℃以下(650℃未満)、例えば600℃程度(典型的には580℃〜620℃)とすることができる。焼成温度の下限については特に制限されず、例えば、550℃以上とすることが例示される。
以上の銀ペーストの焼成物は、特に、600℃という低温で焼成したときに得られる電極の抵抗率が特に低い(例えば、2.1μΩ・cm未満、好ましくは2μΩ・cm以下、特に好ましくは1.9μΩ・cm以下)。したがって、かかる温度での焼成により特に低い電気抵抗率が求められる用途の電極として、好適に利用することができる。
このような用途としては、例えば、様々な構成および用途の電子素子の電極が挙げられる。好適例として、例えば、焼成温度が900℃程度以下にまで低下された低温同時焼成セラミックス(Low Temperature Co-fired Ceramics:LTCC)を基材とするセラミック配線基板が好適例として挙げられる。かかるLTCCの製造に際しては、セラミック基板のグリーンシート上に銀ペーストで配線パターンすることで、セラミック基板と電極とを共焼成できる点においても好ましい。したがって、かかる配線パターンが印刷されたグリーンシートが積層されて焼成され、電極が内部電極(内層配線)として備えられる積層セラミックチップが特に望ましい用途として挙げられる。かかる積層セラミックチップとしては、特に制限されるものではないが、積層セラミックコンデンサ(Multi-Layer Ceramic Capacitor:MLCC)、積層セラミックインダクタ、積層セラミックバリスタ、積層PTCサーミスタ、積層NTCサーミスタ等が挙げられる。なかでも、内部電極によるジュール熱の損失を抑制するため、電極により低い抵抗率が要求される積層セラミックインダクタが望ましい適用例として挙げられる。
図1は、積層チップインダクタ1を模式的に示した断面図である。この図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)や誘電体層の積層数等の構成は、必ずしも実際の寸法関係および態様を反映するものではない。
積層チップインダクタ1は、例えば、フェライト粉末を用いて形成された複数の誘電体層(セラミック層)12が積層一体化されて形成されたモノリシックタイプの積層セラミックチップである。各誘電体層12の間には、内部電極22としてのコイル導体が備えられている。コイル導体は、各誘電体層12の間にはコイルの一部が形成されており、誘電体層12シートに設けられたビアホールを通じて、誘電体層12を挟む2つのコイル導体が導通されている。このことにより、内部電極22の全体で3次元的なコイル形状(螺旋)となるように構成されている。また、積層チップインダクタ1は、その外表面のうち誘電体層12の側面にあたる部位に外部電極20が備えられている。
この積層チップインダクタ1は、典型的には、以下の手順で製造することができる。すなわち、まず、フェライト粉末を主体とする分散体をキャリアシート上に供給し、誘電体材料からなるグリーンシートを形成する。このグリーンシートの焼成温度は900℃程度以下にまで低下された配合とされている。そしてこのグリーンシートの所定の位置に、レーザ照射等によりビアホールが形成される。次いで、ここに開示される銀ペーストを、所定の位置に、所定の電極パターン(コイルパターン)で印刷する。必要であれば、ビアホールに、スルーホール用に調製した銀ペーストを印刷してもよい。このような電極パターン付きグリーンシートを複数枚(例えば100枚以上)作製し、これらを積層、圧着することによって未焼成の電子素子本体10を作製する。次いで、かかる積層チップを乾燥させ、所定の加熱条件(最高焼成温度が900℃以下)で所定時間(最高焼成温度を維持する時間としては、例えば、10分〜5時間程度)焼成する。これによって、グリーンシートが焼成されるとともに、グリーンシートが一体的に焼成され、モノシリックな誘電体層12が形成される。また電極ペーストが焼成されて内部電極22が形成される。これにより、複数の誘電体層12の間に内部電極22が挟まれた形態の積層チップインダクタ1の電子素子本体10が作製される。その後、この電子素子本体10の所望の箇所に、外部電極形成用の導電性ペーストを塗布し、焼成することによって、外部電極20を形成する。このようにして、積層チップインダクタ1を製造することができる。なお、上述した積層チップインダクタ1の構築プロセスは、特に本発明を特徴付けるものではないため、詳細な説明を省略している。
ここで内部電極22の形成に用いた銀ペーストは、使用する銀粉末の強熱減量が低く抑えられており、気孔の少ない緻密な電極を形成し得る。また、例えば600℃〜700℃程度の低温にて焼成することが可能である。このような低温で焼成した場合においても、内部電極22は、例えば2μΩ・cm以下の低い抵抗率を実現し得る。そして誘電体層12は、直流重畳特性に優れた誘電体材料から構成されている。内部電極22は2Ω・cm以下の低抵抗率を実現し得ることから、電極によるジュール熱の損失が小さく、大電流を流すことが可能な電源回路に用いられるチップインダクタ1が提供される。例えばチップの形状は1608形状(1.6mm×0.8mm)、2520形状(2.5mm×2.0mm)等のサイズで実現することができる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明を係る実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
[実施形態1]
(銀粉末)
まず、本例の銀ペーストの主体となる大粒径の銀粉末として、下記の銀粉末AおよびBを用意した。
銀粉末Aは平均粒子径(DL50)が1.8μmであり、Ig−lossは0.04%、タップ密度は5.3g/cm、最大アスペクト比は1.2、BET比表面積は0.74m/g、比重は10.5g/cmである。
銀粉末BはDL50が2.4μmであり、Ig−lossは0.42%、タップ密度は5.7g/cm、最大アスペクト比は1.5、BET比表面積は0.41m/g、比重は9.6g/cmである。
また、大粒径粉末と組み合わせて使用される小粒径の銀粉末として、5種類の銀粉末a〜eを用意した。
銀粉末aは、平均粒子径(DS50)が0.1μmであり、Ig−lossは0.02質量%である。
銀粉末bは、DS50が0.2μmであり、Ig−lossは0.02質量%である。
銀粉末cは、DS50が0.3μmであり、Ig−lossは0.02質量%である。
銀粉末dは、DS50が0.6μmであり、Ig−lossは0.02質量%である。
銀粉末eは、DS50が0.2μmであり、Ig−lossは0.70質量%である。
なお、銀粉末の強熱減量、タップ密度、最大アスペクト比、比表面積、平均粒子径、比重および乾燥密度は、下記の手順で測定した。
[強熱減量(Ig−loss)]
各銀粉末を約25mgずつ秤量し、示差熱天秤(株式会社リガク製、TG8120)を用いて強熱減量を測定した。測定条件は、乾燥温度を110℃とし、乾燥後の試料の質量に対する、室温から600℃にまで加熱したときの質量減少量の割合(%)を強熱減量とした。なお、測定雰囲気は乾燥空気とし、昇温速度は10℃/分とした。
[タップ密度]
各銀粉末を20g(20.00±0.02g)ずつ秤量し、容量20mLのメスシリンダーに投入したのち、タッピング装置によりタップした。タッピングの条件は、タップ高さ:5cm、タップ速度:100回/min、タップ回数:1000回とした。そしてタップ後の粉末体積を測定し、銀粉末の質量をタップ後の粉末体積(見かけ体積)で除することでタップ密度を算出した。なお、タップ密度の測定は、JIS Z2512:2012に規定される金属粉−タップ密度測定方法に準じて行った。
[最大アスペクト比]
各銀粉末を、走査型電子顕微鏡(株式会社キーエンス製、VE−9800)にて観察し、10000倍の倍率の観察像を3視野について取得した。そしてこれらの観察像のそれぞれについて、最も大きいと判断される3つの銀粒子を選定し、アスペクト比を測定した。そして計9つの粒子について得たアスペクト比の平均値を最大アスペクト比とした。なお、アスペクト比は、観察像内における銀粒子の最大長径(最大長)をa、この最大長径に直交する幅をbとしたとき、「a/b」として算出される指標である。
[比表面積]
各銀粉末の比表面積を、自動比表面積・細孔分布測定装置((株)マウンテック製、Macsorb HM model−1210)を用いて測定した。吸着ガスとしては、窒素ガスを用いた。また、比表面積は、BET1点法により算出した。
[平均粒子径]
各銀粉末の平均粒子径を、レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製、LA−920)を用いて測定した。平均粒子径は、粒度分布測定により得られた体積基準の粒度分布における累積50%粒径とした。
[比重]
各銀粉末の比重を、乾式自動密度計((株)島津製作所製、マイクロメリティックス アキュピックII1340)を用いて、定容積膨張法により測定した。置換ガスとしてはヘリウム(He)を用いた。
(銀ペースト)
<参考例R1>
銀粉末A90質量部に対し、バインダとしてのエチルセルロースを1.5質量部、分散媒としてのブチルカルビトールを8.5質量部の割合で配合し、3本ロールミルで均一に混合することで、参考例R1の銀ペーストを調製した。
<例1〜4>
下記表1に示すように、参考例R1における銀粉末Aのうち、70質量%はそのままとし、残り30質量%を小粒径の銀粉末a,b,c,dにそれぞれ置き換え、その他の条件は同様にして、例1,2,3,4の銀ペーストをそれぞれ調製した。
<例5>
参考例R1における銀粉末Aのうち、70質量%はそのままとし、残り30質量%を小粒径の銀粉末eに置き換え、その他の条件は同様にして、例5の銀ペーストを調製した。
<例6>
例5における銀粉末Aに換えて、銀粉末Bを用い、その他の条件は同様にして、例6の銀ペーストを調製した。
なお、大粒径の銀粉末と小粒径の銀粉末とは、予め乾燥状態で混合してからペーストを調製した。各例の銀ペーストで用いた大粒径の銀粉末の平均粒子径(DL50)と、小粒径の銀粉末の平均粒子径(DS50)との比(DL50/DS50)を、表1の「比DL50/DS50」の欄に記した。また、各例の銀ペーストの印刷性を揃えるために、ペーストの粘度が350〜450Pa・s(10rpm,25℃)となるよう分散媒の量をやや調整した。
[乾燥密度]
上記で用意した参考例R1および例1〜6の銀ペーストを、アプリケーターを用いて基材上に約150μmの厚みに供給し、130℃で1時間乾燥させることで乾燥塗膜を形成した。そしてこの乾燥塗膜を、直径15mmの円盤状にくり抜くことで、各例5つずつの測定用試料を用意した。そしてこの測定用試料の質量、半径および厚みを測定することで、下式に基づき、乾燥塗膜の密度(乾燥密度)を算出した。
(乾燥密度)=(質量)/{π×(半径)×(厚み)}
質量および半径は、各測定用試料について1回ずつ測定した。厚みは、デジタル電子マイクロメーター(アンリツ株式会社製、K351C)を用い、各測定用試料につき3か所で測定し、その平均値を採用した。乾燥密度は、5つの測定用試料について得られた値の算術平均値を採用し、表1の「乾燥密度」の欄に示した。
(電極)
この銀ペーストを、スクリーン印刷法により基材上にパターン印刷し、130℃で30分間乾燥させたのち焼成することで、基材上に銀ライン電極(焼成物)を作製した。基材としては、アルミナ板を用いた。また、銀ペーストは、焼成後のライン幅が約200μm、焼成厚みが20〜40μm、ライン間ピッチが200μmの縞状になるよう印刷した。焼成温度は600℃とし、一部の銀ペーストについては、焼成温度を700℃,800℃,900℃と変化させて銀ライン電極を形成した。
[電気抵抗率]
以上のように作製した銀ライン電極の電気抵抗率を、デジタルマルチメーター(岩通計測(株)製、SC−7401)を用い、2端子法により、端子間隔(導体長さ)100mmとして測定した。そしてこの抵抗値から、下式に基づき、シート抵抗値を算出した。得られた電気抵抗率を、焼成温度ごとに、表1の「抵抗率」の欄に示した。
表1に示したように、大粒径の銀粉末Aのみを用いた参考例R1では、700〜900℃の焼成により抵抗率1.9μΩ・cmという低抵抗な銀ライン電極を形成できることがわかる。しかしながら、600℃の低温焼成では抵抗率が2.1μΩ・cmと上昇してしまい、改善の余地があった。
これに対し、例1〜4に示すように、大粒径の銀粉末Aに対して、小粒径の銀粉末a〜dを併用して銀ペーストを調製することで、銀ペーストの乾燥密度を大きく高め得ることがわかった。銀ペーストの乾燥密度は、併用した小粒径の銀粉末の径が小さくなるほど高くなり、例4の銀ペーストの乾燥密度は参考例R1よりも約1%高く、例1の銀ペーストでは約10%も高くなることがわかった。そしてこのような銀ペーストを用いて作製した乾燥塗膜を600℃で焼成することで、例1〜3では抵抗率が1.9μΩ・cmと低いライン電極を形成できることがわかった。しかしながら、例4のペーストから得られたライン電極の抵抗率は2.1μΩ・cmと、参考例R1に比べて抵抗率を低減するには至らなかった。これは、大粒径の銀粉末Aと小粒径の銀粉末a〜dとの平均粒子径の比(DL50/DS50)が、3超過(例えば5以上)であると、ペーストの乾燥塗膜の段階で小粒径の銀粉末が大粒径の銀粉末の間隙に好適に入り込み、焼成により密な電極を形成できることによると考えられる。しかしながら、平均粒子径の比(DL50/DS50)が3以下であると小粒径の銀粉末の平均粒子径が相対的に大きくなり過ぎ、小粒径の銀粉末が大粒径の銀粉末の間隙を拡大する場合も顕れ、焼成後の電極の低抵抗化には至らなかったものと考えられる。
なお、例2の銀ペーストについて、焼成温度を700℃〜900℃で変化させた。その結果、焼成温度を700℃および800℃としたときは、600℃で焼成したときと比較して電極の抵抗率を明確に下げることはできなかったものの、900℃で焼成することで抵抗率を1.8μΩ・cmにまで有意に低減できることがわかった。このような傾向は、例1,3,4のペーストについても同様にみられるものと考えられる。これらの銀ペーストは、600℃での低温焼成で低抵抗な銀電極を形成し得、当然のことながら、焼成温度を上げることでより一層緻密かつ低抵抗な電極を形成することができるといえる。
その一方で、小粒径の銀粉末eを用いた例5のペーストでは、参考例R1よりも乾燥密度を好適に上げる(約2%増)ことはできたものの、平均粒子径の同じ銀粉末bを用いた例2と比較すると、乾燥密度が低くなるという結果であった。これは、銀粉末eにアスペクト比の高い粒子が存在したため、ペーストの塗布および乾燥の段階で、銀粉末Aの間隙を銀粉末eが好適に埋められなかったことによるものと考えられる。また、例5では、600℃の焼成により参考例R1よりも抵抗の低いライン電極を形成することはできなかった。これは、銀粉末eのIg−lossが大きいため、電極の焼成中に銀粉末の有機成分が乾燥塗膜からガスとなって揮発し、銀粉末の溶融・焼結時の焼きしまりを阻害したことによるものと考えられる。
また、大粒径の銀粉末Bと小粒径の銀粉末eとを用いた例6では、例5や参考例R1と比較して、乾燥密度を上げたり抵抗率を低下させたりすることができなかった。これは、大粒径の銀粉末B自体にアスペクト比の高い粒子が存在したため、大粒径の粉末の充填自体が良好に行われず、乾燥塗膜に大きな空隙が形成されたことによるものと考えられる。
以上のことから、適切な性状を有する大粒径の銀粉末に対し、より小粒径の銀粉末を併用してペーストを調製することで、大粒径の銀粉末のみを用いていた場合に比べて、600℃の焼成によって形成される導体膜の抵抗率を低減できることがわかった。なお、小粒径の銀粉末は、大粒径の銀粉末に対して、平均粒子径の比(DL50/DS50)が例えば5以上であることが好ましい。また、その場合、小粒径の銀粉末についてもIg−lossを低く、例えば0.05質量%以下にする必要があることがわかった。
[実施形態2]
(銀ペースト)
表2に示すように、銀ペーストの主体となる大粒径の銀粉末として、実施形態1における銀粉末Aに換えて、銀粉末Cを用い、その他の条件は同様にして、参考例R2の銀ペーストと、例7〜11の銀ペーストをそれぞれ用意した。
銀粉末Cは平均粒子径(DL50)が2.6μmであり、Ig−lossは0.05%、タップ密度は5.9g/cm、最大アスペクト比は1.1、BET比表面積は0.38m/g、比重は10.5g/cmである。
用意したR2と例7〜11の銀ペーストを用い、実施形態1と同様にして、乾燥密度を測定するとともに、600℃〜900℃での焼成により銀ライン電極を形成して、抵抗率を測定した。乾燥密度および抵抗率の測定結果を、表2の当該欄に示した。
表2に示すように、大粒径の銀粉末として銀粉末A,Bよりも更に平均粒子径の大きい銀粉末Cを用いることで、銀粉末Cを単独で含む参考例R2の銀ペーストの乾燥密度は、参考例R1のペーストの乾燥密度よりも低くなることがわかった。しかしながら、この銀粉末Cに対して、小粒径の銀粉末a〜eを加えて銀ペースト7〜11を調製することで、乾燥密度を大きく高められることがわかった。例7〜10では、小粒径の銀粉末の平均粒子径が小さくなるほど乾燥密度が高まることが確認できた。なお、例11では、小粒径の銀粉末eにアスペクト比の高い粒子が存在すること等から、大粒径の銀粉末Cの間隙を銀粉末eで効果的に埋めることができず、乾燥密度はさほど高くならないことが確認された。例7〜11のペーストの乾燥密度は、参考例R2のペーストの乾燥密度よりも、例11で約2%、例10で約8%、例9で約13%、例8で約15%、例7で約20%も高くなることがわかった。なお、例えば、例8の銀粉末Cと銀粉末bとの混合粉末のタップ密度は5.9g/cmと、参考例R2の銀粉末Cのタップ密度に一致したが、例8の乾燥密度は参考例R2よりも高く、600℃焼成による抵抗値は低くなった。このことから、銀粉末Cと銀粉末bとの組み合わせは、粉末の状態よりも銀ペーストとして調製した後の方が、分散性および充填性が改善されて、極めて緻密な乾燥塗膜を形成し得ることがわかる。またその結果、600℃の低温においても極めて良好な焼結が実現されることがわかる。
また、参考例R2と例7〜11で形成された電極の抵抗率は、実施形態1の参考例R1と例1〜5で形成された電極の抵抗率とほぼ等しい値となることがわかった。銀粉末AおよびCは、平均粒子径が異なるものの、いずれも700℃〜900℃での焼成で低抵抗な銀電極の形成に適した性状の粉末である。これらの粉末は、いずれも単独で用いた場合に、700℃〜900℃での焼成で1.9μΩ・cm、600℃での焼成で2.1μΩ・cmと比較的低抵抗の銀電極を形成することができる。しかしながらここに開示される技術によると、上記実施形態1と同様に、より小粒径の銀粉末を併用してペーストを調製することで、大粒径の銀粉末のみを用いていた場合に比べて、600℃とより低温での焼成によって形成される導体膜の抵抗率を1.9μΩ・cmへと低減できることがわかった。なお、このときの小粒径の銀粉末は、大粒径の銀粉末に対して、平均粒子径の比(DL50/DS50)が4超過、例えば5以上であることが好ましいことがわかった。
また、Ig−lossの高い小粒径の銀粉末eを用いた例11についても、焼成温度を700℃〜900℃で変化させた。その結果、参考例R2や例8の銀ペーストについて見られる抵抗率特性とは異なり、焼成温度が800℃以上の場合に抵抗率が2.2〜2.4μΩ・cmへと急上昇することが確認できた。これは、高温までの焼成により、小粒径の銀粉末に含まれていた有機成分が、突沸に近い状態で急激に揮発したことに伴い、電極構造が荒れたり電極内に気泡が形成されたりしたことによると考えられる。このことから、小粒径の銀粉末についても、Ig−lossは低く、例えば0.05質量%以下にすることが好ましいことがわかった。
[実施形態3]
(銀ペースト)
表3に示すように、実施形態2における例8の銀ペーストを基本として、銀ペースト中の大粒径の銀粉末Cと、小粒径の銀粉末bとの割合を、重量比で、50:50,60:40,80:20,90:10と変化させることで、例12〜15の銀ペーストをそれぞれ用意した。そして実施形態1と同様にして、各銀ペーストの乾燥密度と、600℃で焼成した銀ライン電極の抵抗率とを測定し、その結果を表3の当該欄に示した。
表3に示すように、各例の銀ペーストの乾燥密度は、小粒径の銀粉末の割合が0質量%から30質量%へと増えるほど高くなってゆき、小粒径の銀粉末の割合が概ね30質量%程度となったところで最も高い値となることがわかった。そして、粒径の銀粉末の割合が30質量%よりも増加してゆくと、乾燥密度は緩やかに減少する傾向にあることがわかった。
また、各銀ペーストを600℃で焼成して得られる銀ライン電極の抵抗率は、小粒径の銀粉末を加えることで低減されることがわかった。ここで、小粒径の銀粉末を混ぜない参考例R2よりもライン電極の抵抗率を低くするとの観点では、小粒径の銀粉末の割合は0質量%を超過していればよい。そして、例えば、小粒径の銀粉末の割合を10質量%以上とすることで、600℃の焼成により2.0μΩ・cm以下のライン電極を形成でき、20質量%以上とすることで1.9μΩ・cm以下のライン電極を形成できることがわかった。なお、表3に示されるように、小粒径の銀粉末の割合が30質量%を超えて含まれる場合も形成される電極の抵抗率は低く維持されている。しかしながら、小粒径の銀粉末を50質量%よりも過大に含むことは、銀粉末のハンドリング性や、銀ペーストの粘性制御の観点から好ましくないと言える。かかる観点からは、小粒径の銀粉末の割合を50質量%以下(例えば、20質量%以上50質量%以下、より安定的には25質量%以上40質量%以下、例えば約30質量%)としてもよいといえる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。例えば、上記例では銀ペーストの配合を一定のものとしたが、かかる銀ペーストにおけるバインダおよび分散剤は、焼成により焼失する成分であり、また印刷法および印刷条件にもよることなどから、ここに開示される技術に本質的な影響を与えるものでないことは当業者に理解される。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 積層チップインダクタ
10 電子素子本体
12 誘電体層
20 外部電極
22 内部電極

Claims (8)

  1. 電子素子の電極を形成するために用いられる銀ペーストであって、第1銀粉末と、前記第1銀粉末に対して相対的に平均粒子径の小さい第2銀粉末と、バインダ樹脂と、分散媒とを含み、
    前記第1銀粉末は、下記の(A1)〜(A4):
    (A1)600℃まで加熱したときの強熱減量が0.05%以下である;
    (A2)タップ密度が5g/cm以上である;
    (A3)最大アスペクト比が1.4以下である;
    (A4)BET法に基づく比表面積が0.8m/g以下である;
    の条件をいずれも満たし、
    前記第2銀粉末は、
    (B1)600℃まで加熱したときの強熱減量が0.05%以下であって、
    前記第1銀粉末の平均粒子径(DL50)と前記第2銀粉末の平均粒子径(DS50)との比(DL50/DS50)は5以上である、銀ペースト。
  2. (A5)前記第1銀粉末の平均粒子径が1.5μm以上3μm以下である、請求項1に記載の銀ペースト。
  3. (A6)前記第1銀粉末の比重が10.4g/cm以上である、請求項1または2に記載の銀ペースト。
  4. (B2)前記第2銀粉末の平均粒子径が0.5μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の銀ペースト。
  5. 600℃で焼成したときに得られる銀焼成物の電気抵抗率が2.1μΩ・cm未満を達成するよう構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の銀ペースト。
  6. 600℃超過900℃以下の温度範囲で焼成したときに得られる銀焼成物の電気抵抗率が1.9μΩ・cm以下を達成するよう構成されている、請求項5に記載の銀ペースト。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の銀ペーストの焼成物を電極として備える電子素子。
  8. セラミック基材と、前記セラミック基材の内部に配設された内部電極と、を備え、
    前記電極は、前記内部電極として備えられている、請求項7に記載の電子素子。
JP2016188354A 2016-09-27 2016-09-27 銀ペーストおよび電子素子 Active JP6967845B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016188354A JP6967845B2 (ja) 2016-09-27 2016-09-27 銀ペーストおよび電子素子
TW106130417A TWI754669B (zh) 2016-09-27 2017-09-06 銀糊及電子元件
KR1020170117303A KR102374901B1 (ko) 2016-09-27 2017-09-13 은 페이스트 및 전자 소자
CN201710873549.5A CN107871542B (zh) 2016-09-27 2017-09-25 银糊和电子元件

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016188354A JP6967845B2 (ja) 2016-09-27 2016-09-27 銀ペーストおよび電子素子

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020167109A Division JP2021009843A (ja) 2020-10-01 2020-10-01 銀ペーストおよび電子素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018055883A true JP2018055883A (ja) 2018-04-05
JP6967845B2 JP6967845B2 (ja) 2021-11-17

Family

ID=61752732

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016188354A Active JP6967845B2 (ja) 2016-09-27 2016-09-27 銀ペーストおよび電子素子

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP6967845B2 (ja)
KR (1) KR102374901B1 (ja)
CN (1) CN107871542B (ja)
TW (1) TWI754669B (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020137331A1 (ja) * 2018-12-26 2020-07-02 昭栄化学工業株式会社 銀ペースト
JP2020196869A (ja) * 2019-05-29 2020-12-10 三ツ星ベルト株式会社 導電性組成物およびメタライズド基板ならびにそれらの製造方法
JP2021009843A (ja) * 2020-10-01 2021-01-28 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 銀ペーストおよび電子素子
CN112624802A (zh) * 2021-02-04 2021-04-09 河南梦祥纯银制品有限公司 一种陶瓷烧银器及其制造工艺
CN114829042A (zh) * 2019-12-19 2022-07-29 三菱综合材料株式会社 银膏及其制造方法以及接合体的制造方法
JP7447804B2 (ja) 2018-12-26 2024-03-12 昭栄化学工業株式会社 積層インダクタの内部電極形成用銀ペースト

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111276281B (zh) * 2020-03-17 2021-06-29 成都银盛新材料有限公司 一种用于低介电常数ltcc瓷体内电极的导电银浆料
CN111739675B (zh) * 2020-06-19 2021-03-05 潮州三环(集团)股份有限公司 一种厚膜电阻浆料
JP7295973B2 (ja) * 2020-06-01 2023-06-21 潮州三環(集団)股▲ふん▼有限公司 厚膜抵抗ペースト

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6158461B1 (ja) * 2015-12-25 2017-07-05 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 銀粉末および銀ペーストならびにその利用

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS485621Y1 (ja) 1967-08-17 1973-02-13
JPS5146419B1 (ja) 1970-11-27 1976-12-09
JP4610215B2 (ja) * 2004-03-19 2011-01-12 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 導体ペースト
JP4805621B2 (ja) 2005-07-07 2011-11-02 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 導電性ペースト
JP5092630B2 (ja) 2007-09-04 2012-12-05 住友金属鉱山株式会社 微粒銀粉およびその製造方法並びにその微粒銀粉を用いた導電性ペースト用分散液
JP5281529B2 (ja) * 2009-09-28 2013-09-04 京都エレックス株式会社 加熱硬化型導電性ペースト組成物およびその導電性ペースト組成物を用いた電極並びに配線パターンの形成方法
JP5285639B2 (ja) 2010-02-26 2013-09-11 京都エレックス株式会社 太陽電池素子の電極形成用導電性ペースト
JP5772241B2 (ja) * 2011-06-02 2015-09-02 住友金属鉱山株式会社 銀粉の製造方法
CN103680674B (zh) * 2012-09-26 2016-08-17 上海比亚迪有限公司 晶体硅太阳电池的正面种子层银浆及其制备方法、晶体硅太阳电池及其制备方法
JP5890036B2 (ja) * 2012-11-06 2016-03-22 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 導電性ペースト組成物
JP5505535B1 (ja) * 2012-12-07 2014-05-28 住友金属鉱山株式会社 銀粉
CN104681123B (zh) * 2013-11-29 2017-08-25 比亚迪股份有限公司 太阳能电池背银浆料及其制备方法、太阳能电池及其制备方法
JP2015149259A (ja) * 2014-02-10 2015-08-20 京都エレックス株式会社 多層回路基板用導電ペーストおよびその製造方法
KR101452961B1 (ko) * 2014-04-15 2014-10-23 덕산하이메탈(주) 전도성 페이스트 조성물 및 이를 포함하는 반도체 장치
JP6282616B2 (ja) * 2014-07-30 2018-02-21 Dowaエレクトロニクス株式会社 銀粉およびその製造方法
JP6029719B2 (ja) * 2014-07-31 2016-11-24 Dowaエレクトロニクス株式会社 銀粉及びその製造方法、並びに導電性ペースト
CN104157328A (zh) * 2014-08-26 2014-11-19 天津顺御科技有限公司 一种硅太阳能电池正面电极银浆及其制备方法
CN104751942B (zh) * 2015-04-23 2016-11-30 江苏欧耐尔新型材料有限公司 太阳能电池细线丝网印刷用无铅导电浆料及其制备方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6158461B1 (ja) * 2015-12-25 2017-07-05 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 銀粉末および銀ペーストならびにその利用

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020137331A1 (ja) * 2018-12-26 2020-07-02 昭栄化学工業株式会社 銀ペースト
CN113226596A (zh) * 2018-12-26 2021-08-06 昭荣化学工业株式会社 银浆
US11535767B2 (en) 2018-12-26 2022-12-27 Shoei Chemical Inc. Silver paste
CN113226596B (zh) * 2018-12-26 2023-08-11 昭荣化学工业株式会社 银浆
JP7447805B2 (ja) 2018-12-26 2024-03-12 昭栄化学工業株式会社 積層インダクタの内部電極形成用銀ペースト
JP7447804B2 (ja) 2018-12-26 2024-03-12 昭栄化学工業株式会社 積層インダクタの内部電極形成用銀ペースト
JP2020196869A (ja) * 2019-05-29 2020-12-10 三ツ星ベルト株式会社 導電性組成物およびメタライズド基板ならびにそれらの製造方法
CN114829042A (zh) * 2019-12-19 2022-07-29 三菱综合材料株式会社 银膏及其制造方法以及接合体的制造方法
CN114829042B (zh) * 2019-12-19 2023-08-04 三菱综合材料株式会社 银膏及其制造方法以及接合体的制造方法
JP2021009843A (ja) * 2020-10-01 2021-01-28 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 銀ペーストおよび電子素子
CN112624802A (zh) * 2021-02-04 2021-04-09 河南梦祥纯银制品有限公司 一种陶瓷烧银器及其制造工艺

Also Published As

Publication number Publication date
KR20180034235A (ko) 2018-04-04
KR102374901B1 (ko) 2022-03-16
CN107871542B (zh) 2021-09-07
TWI754669B (zh) 2022-02-11
JP6967845B2 (ja) 2021-11-17
CN107871542A (zh) 2018-04-03
TW201815990A (zh) 2018-05-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6158461B1 (ja) 銀粉末および銀ペーストならびにその利用
JP6967845B2 (ja) 銀ペーストおよび電子素子
JP4934993B2 (ja) 導電性ペーストおよびそれを用いた配線基板
TW200915351A (en) Conductive paste, conductive paste drying film and multilayer ceramic capacitor employing the same
JP2017119913A (ja) 銀合金粉末およびその製造方法
JP5767435B2 (ja) 穴埋め用導体ペースト、導体穴埋め基板、導体穴埋め基板の製造方法、回路基板、電子部品、半導体パッケージ
JP6968524B2 (ja) 厚膜導電ペーストおよびセラミック多層積層電子部品の製造方法
JP2017179428A (ja) 導電性材料、導電膜の形成方法、回路基板、半導体装置及び半導体装置の製造方法
JP6889641B2 (ja) 銀ペースト
JP2021009843A (ja) 銀ペーストおよび電子素子
JP6995235B1 (ja) 抵抗体ペーストおよびその用途ならびに抵抗体の製造方法
JP6060225B1 (ja) 銅粉及びその製造方法
JP7159549B2 (ja) 導電ペーストの作製方法
JP2019102241A (ja) 厚膜導電ペースト及びこれを用いて作製された角型チップ抵抗器
JPWO2020137330A1 (ja) 銀ペースト
JP6949302B2 (ja) 導電ペースト及びこれを用いて形成された多層基板
JP2020188111A (ja) 内部電極用ペーストおよび積層セラミック電子部品の製造方法
WO2017115462A1 (ja) 銀合金粉末およびその製造方法
JP2019175664A (ja) 導電性ペースト及び焼成体
JP4774750B2 (ja) 導電性ペーストおよびそれを用いた配線基板
JP7006196B2 (ja) 導電ペースト及びこれを用いて形成された多層基板
JP2005174698A (ja) 導体ペースト及びその利用
JPWO2020137329A1 (ja) 銀ペースト
JP2015149259A (ja) 多層回路基板用導電ペーストおよびその製造方法
JP2023150554A (ja) 外部電極用ペースト

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190322

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20200326

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200522

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200702

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200731

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20200731

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20200812

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20200813

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20200828

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20200903

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20210218

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20210610

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20210826

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20210930

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20210930

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211026

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6967845

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150