JP2020196869A - 導電性組成物およびメタライズド基板ならびにそれらの製造方法 - Google Patents

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【課題】セラミックス基板に対して密着性が高い導電部を形成でき、かつ耐めっき性および信頼性の高いメタライズド基板を製造できる導電性組成物を提供する。【解決手段】粒径1.2μm未満の等方形状Ag小粒子(A1)および粒径1.2μm以上の等方形状Ag大粒子(A2)からなるAg粒子(A)と、Mn成分(B1)、Fe成分(B2)およびCu成分(B3)からなる金属成分(B)と、ガラス粒子(C)とを組み合わせて導電性組成物を調製する。前記Ag小粒子(A1)は、中心粒径0.01μm以上、1.2μm未満の球状粒子であってもよい。前記Ag大粒子(A2)は、中心粒径1.2〜20μmの球状粒子であってもよい。前記Ag小粒子(A1)と前記Ag大粒子(A2)との質量比は、前者/後者=90/10〜5/95程度である。前記ガラス粒子(C)はビスマス系ガラス粒子および/または亜鉛系ガラス粒子を含んでいてもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、エレクトロニクス分野において、セラミックス基板上に回路を形成するために利用される導電性組成物およびこの組成物で形成された回路を有するメタライズド基板ならびにそれらの製造方法に関する。
導電性組成物(導電性ペースト)は、印刷などにより電極など、種々のパターンを容易に形成できるため、エレクトロニクス分野で広く普及している。導電性金属粉に銀を含む銀ペーストは、電子部品などの電極や回路を形成するために用いられており、樹脂硬化タイプと焼結タイプとに大別される。
樹脂硬化タイプの導電性組成物は、樹脂の硬化により金属が接触し、導電性が確保される。一方、焼結タイプの導電性組成物は、焼結により金属粒子が結合して導電性が確保される。
焼成タイプの導電性組成物は、銀、銅、ニッケル、パラジウム、金などの導電性金属粉と、無機結合材としてのガラス粉、ビヒクル、溶剤等を含む。導電性組成物へは、基板への密着性、耐めっき性、耐はんだ性、信頼性、耐エレクトロマイグレーション性等を満たすことが求められている。
めっき処理は、電極のはんだ食われの防止、硫化防止、腐食保護のために行われる。焼成膜にポーラスがあると、めっき処理の際にめっき液が侵入し、基板との密着強度が低下するおそれがある。また、侵入しためっき液がリフローにより気化、膨張し、電極が破裂するため信頼性が低下する問題があり、耐めっき性を確保するために、緻密な膜を形成する必要がある。
銀Agは、大気中で安定であり、大気雰囲気で焼成可能だが、エレクトロマイグレーションが発生しやすいという欠点がある。Agのエレクトロマイグレーションの防止や、耐はんだ性のために、Cu、Mn、Snなどの金属化合物を含有する導電性ペーストが開示されている。
特開昭55−149356号公報(特許文献1)には、Ag粉100質量部に対しMnおよび/またはMn合金の粉末1〜100質量部を混合することでマイグレーションを防止する導電性塗料が開示されている。
特開2003−115216号公報(特許文献2)には、バインダー樹脂、Ag粉末、およびTi、Ni、In、Sn、Sbの群から選ばれる少なくとも1種の金属または金属の化合物を含有する導電ペーストが開示されている。
しかし、特許文献1の塗料や特許文献2のペーストでは、密着性、はんだ耐熱性、耐めっき性、信頼性などの評価はされていない。
WO2014/061765号(特許文献3)には、Ag粉、ガラスフリット、有機バインダー、ならびにCu、SnおよびMnを含む粉末を含有する導電性ペーストが開示されており、耐エレクトロマイグレーション性、はんだ耐熱性、密着性が優れることが記載されている。
しかし、このペーストについても、耐めっき性、信頼性評価はされていない。
WO2015/141816号(特許文献4)には、Ag粉、ガラスフリット、有機バインダー、Cu元素を含み、かつV、Cr、Mn、Fe、Coからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む粉末を含有する導電性ペーストが開示されている。この文献には、金属粉末を含有することにより、導電性ペーストの耐エレクトロマイグレーション性、はんだ耐熱性、密着性が向上することが記載されている。
しかし、このペーストでも、耐めっき性に関する評価はされていない。
WO2017/141984号(特許文献5)には、Ag粉、ガラスフリット、有機バインダー、およびCu、Sn、Mn、酸化ルテニウムのなどのPt族酸化物を含有する導電性ペーストが開示されている。この文献では、高温放置、ヒートサイクルのような信頼性試験が実施されている。
しかし、このペーストでも、耐めっき性に関する評価はされていない。
特開2018−152218号公報(特許文献6)には、Ag粉、Bi系ガラス粉とシルセスキオキサン化合物、有機ビヒクルを含む導電性ペーストが開示されている。この文献には、耐めっき性、耐はんだ性の評価が記載されている。
しかし、このペーストは、信頼性に関する評価はされていない。
特開昭55−149356号公報(特許請求の範囲、第2頁右上欄1行) 特開2003−115216号公報(請求項1) WO2014/061765号(請求項1、段落[0025]) WO2015/141816号(請求項1、段落[0009][0010]) WO2017/141984号(請求の範囲、実施例) 特開2018−152218号公報(請求項1、段落[0009])
従って、本発明の目的は、セラミックス基板に対して密着性が高い導電部を形成でき、かつ耐めっき性および信頼性の高いメタライズド基板を製造できる導電性組成物およびこの組成物で形成された導電部を有するメタライズド基板ならびにそれらの製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、使用環境の変化に拘わらず、セラミックス基板に対して密着性が高い導電部を形成できる導電性組成物およびこの組成物で形成された導電部を有するメタライズド基板ならびにそれらの製造方法を提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、粒径1.2μm未満の等方形状Ag小粒子(A1)および粒径1.2μm以上の等方形状Ag大粒子(A2)からなるAg粒子(A)と、Mn成分(B1)、Fe成分(B2)およびCu成分(B3)からなる金属成分(B)と、ガラス粒子(C)とを組み合わせることにより、セラミックス基板に対して密着性が高い導電部を形成でき、かつ耐めっき性および信頼性の高いメタライズド基板を製造できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の導電性組成物は、Ag粒子(A)、金属成分(B)およびガラス粒子(C)を含む導電性組成物であって、前記Ag粒子(A)が、Ag小粒子(A1)およびAg大粒子(A2)であり、前記Ag小粒子(A1)が粒径1.2μm未満の等方形状粒子であり、かつ前記Ag大粒子(A2)が粒径1.2μm以上の等方形状粒子であるとともに、前記金属成分(B)が、Mn成分(B1)、Fe成分(B2)およびCu成分(B3)である。前記Ag小粒子(A1)は、中心粒径0.01μm以上、1.2μm未満の球状粒子であってもよい。前記Ag大粒子(A2)は、中心粒径1.2〜20μmの球状粒子であってもよい。前記Ag小粒子(A1)と前記Ag大粒子(A2)との質量比は、前者/後者=90/10〜5/95程度である。前記ガラス粒子(C)はビスマス系ガラス粒子および/または亜鉛系ガラス粒子を含んでいてもよい。
本発明には、前記Mn成分(B1)、前記Fe成分(B2)および前記Cu成分(B3)からなる群より選択された少なくとも1種を、液状組成物の形態で添加する前記導電性組成物の製造方法も含まれる。
本発明には、セラミックス基板に前記導電性組成物を付着させる付着工程、および前記セラミックス基板に付着した前記導電性組成物を焼成して導電部を形成する焼成工程を含むメタライズド基板の製造方法も含まれる。前記焼成工程において、空気中で導電性組成物を焼成してもよい。
本発明には、前記製造方法で得られたメタライズド基板も含まれる。前記セラミックス基板が、アルミナ基板、アルミナ−ジルコニア基板、窒化アルミニウム基板、窒化ケイ素基板または炭化ケイ素基板であってもよい。
なお、本願において「金属成分」とは、金属単体、金属化合物を含む意味で用いる。Mn成分、Fe成分およびCu成分も同様である。
本発明では、粒径1.2μm未満の等方形状Ag小粒子(A1)および粒径1.2μm以上の等方形状Ag大粒子(A2)からなるAg粒子(A)と、Mn成分(B1)、Fe成分(B2)およびCu成分(B3)からなる金属成分(B)と、ガラス粒子(C)とを組み合わせているため、セラミックス基板に対して密着性が高い導電部を形成でき、かつ耐めっき性および信頼性の高いメタライズド基板を製造できる。特に、使用環境の変化に拘わらず、セラミックス基板に対して密着性が高い導電部を形成できる。さらに、優れた導電性および耐エレクトロマイグレーション性を示し、高温高湿や急激な温度変化、高温での長期間に亘る曝露などの過酷な条件でもセラミックス基板に対する高い密着性を維持でき、信頼性の高いメタライズド基板を製造できる。
[Ag粒子(A)]
本発明の導電性組成物は、導電成分として、Ag粒子(A)を含む。このAg粒子(A)は、粒径1.2μm未満の等方形状Ag小粒子(A1)と粒径1.2μm以上の等方形状Ag大粒子(A2)との組み合わせからなる。Ag粒子(A)は導電性を付与するとともに、Ag小粒子(A1)とAg大粒子(A2)とを組み合わせることにより、Ag粒子が最密充填構造を形成できるため、より緻密な膜を形成できる。
(Ag小粒子(A1))
Ag小粒子(A1)の形状は、耐めっき性および信頼性を向上できる点から、等方形状である。等方形状としては、例えば、球状(真球状または略球状)、正多面体状(正六面体状または立方体状、正八面体状など)などが挙げられる。これらのうち、セラミックス基板に対する密着性を向上できる点から、球状が特に好ましい。
なお、本願において、「球状」は、真球状および略球状の双方を含む意味で用いる。球状において、短径に対する長径の比は、例えば1〜2、好ましくは1〜1.5、さらに好ましくは1〜1.3、より好ましくは1〜1.2、最も好ましくは1〜1.1である。また、等方形状は、略等方形状も含む。
Ag小粒子(A1)の粒径(粒径分布)は、1.2μm未満の範囲であればよく、例えば0.01μm以上、1.2μm未満程度の範囲である。Ag小粒子(A1)の中心粒径(D50)は、例えば0.05μm以上、1.2μm未満、好ましくは0.1〜1μm、さらに好ましくは0.2〜0.8μm、より好ましくは0.3〜0.7μm、より好ましくは0.4〜0.6μm、最も好ましくは0.45〜0.55μm程度である。Ag小粒子(A1)の粒径が小さすぎると、Ag大粒子(A2)の隙間を充填するのが困難となる虞があり、逆に大きすぎると、隙間に侵入するのが困難となる虞がある。
Ag小粒子(A1)の10体積%粒径(D10)は0.01μm以上(例えば0.01〜0.49μm)であってもよく、例えば0.1μm以上(例えば0.1〜0.45μm)、好ましくは0.2μm以上、さらに好ましくは0.3μm以上、最も好ましくは0.4μm以上(例えば0.4〜0.43μm)であってもよい。D10が小さすぎると、Ag大粒子(A2)の隙間を効率良く充填するのが困難となる虞がある。
Ag小粒子(A1)の90体積%粒径(D90)は1.19μm以下(例えば0.5〜1.19μm)であってもよく、例えば1.18μm以下、好ましくは1.17μm以下、さらに好ましくは1.15μm以下、最も好ましくは1.12μm以下(例えば1〜1.12μm)であってもよい。D90が大きすぎると、Ag大粒子(A2)の隙間を効率良く充填するのが困難となる虞がある。
なお、本願では、粒子(後述する他の粒子も含む)の粒径分布および中心粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定された粒径分布および中心粒径(体積基準)を意味する。
(Ag大粒子(A2))
Ag大粒子(A2)の形状も、耐めっき性および信頼性を向上できる点から、等方形状であり、好ましい態様も含め、前記Ag小粒子(A1)と同一である。
Ag大粒子(A2)の粒径(粒径分布)は、1.2μm以上の範囲であればよく、例えば1.2〜20μm、好ましくは1.2〜15μm、さらに好ましくは1.2〜10μm、最も好ましくは1.2〜8μm程度である。Ag大粒子(A2)の中心粒径(D50)は、例えば1.2〜20μm、好ましくは1.3〜10μm、さらに好ましくは1.5〜5μm、より好ましくは1.7〜3μm、より好ましくは1.8〜2.5μm、最も好ましくは1.9〜2.2μm程度である。Ag大粒子(A2)の粒径が小さすぎると、セラミックス基板に対する密着性が低下する虞があり、逆に大きすぎても、同様に密着性が低下する虞がある。
Ag大粒子(A2)の10体積%粒径(D10)は1.21μm以上(例えば1.21〜1.9μm)であってもよく、例えば1.22μm以上(例えば1.22〜1.8μm)、好ましくは1.23μm以上、さらに好ましくは1.24μm以上、最も好ましくは1.25μm以上(例えば1.25〜1.5μm)であってもよい。D10が小さすぎると、セラミックス基板に対する密着性が低下する虞がある。
Ag大粒子(A2)の90体積%粒径(D90)は10μm以下(例えば2〜10μm)であってもよく、例えば8μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは3.5μm以下、最も好ましくは3.3μm以下(例えば2.5〜3.3μm)であってもよい。D90が大きすぎると、セラミックス基板に対する密着性が低下する虞がある。
(Ag粒子(A)の特性)
前記Ag小粒子(A1)と前記Ag大粒子(A2)との質量比は、前者/後者=99/1〜1/99(例えば95/5〜10/90)程度の範囲から選択でき、例えば90/10〜5/95(例えば90/10〜10/90)、好ましくは90/10〜20/80(例えば80/20〜10/90)、さらに好ましくは70/30〜20/80、最も好ましくは50/50〜30/70程度である。Ag小粒子(A1)の割合が少なすぎると、焼成体の緻密性が低下する虞があり、逆に多すぎると、セラミックス基板に対する密着性が低下する虞がある。
前記Ag粒子(A)の中心粒径(D50)は、例えば0.1〜10μm、好ましくは0.3〜5μm、さらに好ましくは0.5〜3μm、最も好ましくは1〜2μm程度である。Ag粒子(A)の粒径が小さすぎると、セラミックス基板に対する密着性が低下する虞があり、逆に大きすぎても、同様に密着性が低下する虞がある。
Ag粒子(A)の割合は、導電性組成物中10〜99質量%程度の範囲から選択でき、例えば30〜98質量%、好ましくは50〜95質量%、さらに好ましくは70〜93質量%、最も好ましくは80〜90質量%程度である。Ag粒子(A)の割合が少なすぎると、導電性が低下する虞があり、逆に多すぎると、セラミックス基板に対する密着性が低下する虞がある。
[金属成分(B)]
金属成分(B)は、Mn成分(B1)とFe成分(B2)とCu成分(B3)との組み合わせからなる。本発明では、導電性組成物がこの金属成分(B)を含むことにより、焼成体の緻密性および耐エレクトロマイグレーション性を向上でき、焼成体である導電部の信頼性を向上できる。さらに、前記金属成分(B)は、組成物調製時の粘度調整が容易であり、かつ信頼性を向上できる点から、Mn成分(B1)、Fe成分(B2)およびCu成分(B3)のうち、少なくとも1種が有機金属化合物(特に、カルボン酸金属塩)であるのが好ましい。
(Mn成分(B1))
Mn成分(B1)には、Mn単体、無機Mn化合物、有機Mn化合物が含まれる。
無機Mn化合物としては、例えば、二酸化マンガンなどのMn酸化物;ホウ化マンガン;炭酸マンガン、リン酸マンガン、ホウ酸マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガンなどの無機酸Mn塩;塩化マンガンなどのMnハロゲン化物などが挙げられる。これらの無機Mn化合物は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、二酸化マンガン、炭酸マンガン、リン酸マンガンが好ましい。
Mn単体および無機Mn化合物の形状としては、例えば、球状(真球状または略球状)、楕円体(楕円球)状、多面体状(多角錘状、立方体状や直方体状などの多角柱状など)、ロッド状または棒状、繊維状、樹針状、不定形状などが挙げられる。これらのうち、セラミックス基板に対する密着性を向上できる点から、球状、楕円体状、多面体状、不定形状などの粒状が好ましく、球状や正多面体状(正六面体状または立方体状、正八面体状など)などの等方形状(特に、球状)が特に好ましい。
Mn単体および無機Mn化合物で形成された粒子の中心粒径(D50)は、例えば0.1〜10μm、好ましくは0.3〜5μm、さらに好ましくは0.5〜3μm、最も好ましくは0.8〜2μm程度である。粒径が小さすぎると、経済性が低下するとともに、導電性組成物中での分散性も低下する虞がある。逆に粒径が大きすぎると、印刷性や焼成膜の均一性が低下するとともに、メッシュスクリーンで印刷する場合には、メッシュ目詰まりの原因となる虞もある。
有機Mn化合物は、ギ酸マンガン、酢酸マンガン、シュウ酸マンガン、酪酸マンガン、カプロン酸マンガン、オクチル酸マンガン、ネオデカン酸マンガン、ステアリン酸マンガン、ナフテン酸マンガンなどのカルボン酸Mn塩であってもよい。有機Mn化合物は、Mn系金属石鹸(例えば、オクチル酸マンガン、ネオデカン酸マンガン、ステアリン酸マンガンなどの高級脂肪酸Mn塩)であってもよい。これらの有機Mn系化合物は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、オクチル酸マンガンなどのC4−24飽和脂肪酸マンガンが好ましい。有機Mn化合物(特に、C4−24飽和脂肪酸Mn塩)は、液状組成物の形態で使用してもよい。液状組成物は、石油系炭化水素溶液などの炭化水素溶液(例えば、ミネラルスピリット溶液)であってもよい。
Mn成分(B1)としては、無機Mn化合物、有機Mn化合物が好ましく、二酸化マンガンなどのMn酸化物、オクチル酸マンガンなどのC6−18飽和脂肪酸Mn塩がさらに好ましく、C6−12飽和脂肪酸Mn塩が最も好ましい。
Mn成分(B1)の割合は、Mn元素換算で(Mn元素の割合として)、Ag粒子(A)100質量部に対して、例えば0.01〜1質量部、好ましくは0.03〜0.5質量部、さらに好ましくは0.1〜0.3質量部(例えば0.15〜0.25質量部)、最も好ましくは0.2〜0.3質量部程度である。金属成分(B)中のMn成分(B1)の割合は、Mn元素換算で、例えば3〜20質量%、好ましくは5〜15質量%、さらに好ましくは7.5〜10質量%程度である。Mn成分(B1)の割合が少なすぎると、焼成体の緻密性が低下する虞があり、逆に多すぎると、導電性が低下する虞がある。
(Fe成分(B2))
Fe成分(B2)には、Fe単体、無機Fe化合物、有機Fe化合物が含まれる。
無機Fe化合物としては、例えば、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)(三酸化二鉄)、四酸化三鉄などのFe酸化物;ホウ化鉄;水酸化鉄;硫化鉄;炭酸鉄、リン酸鉄、ホウ酸鉄、硫酸鉄、硝酸鉄などの無機酸Fe塩;塩化鉄などのFeハロゲン化物などが挙げられる。これらの無機Fe化合物は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、四酸化三鉄、リン酸鉄が好ましい。
Fe単体および無機Fe化合物の形状は、好ましい態様も含めて、前記Mn単体および無機Mn化合物と同一である。
Fe単体および無機Fe化合物で形成された粒子の中心粒径(D50)は、例えば0.1〜10μm、好ましくは0.3〜5μm、さらに好ましくは0.5〜3μm、最も好ましくは0.8〜2μm程度である。粒径が小さすぎると、経済性が低下するとともに、導電性組成物中での分散性も低下する虞がある。逆に粒径が大きすぎると、印刷性や焼成膜の均一性が低下するとともに、メッシュスクリーンで印刷する場合には、メッシュ目詰まりの原因となる虞もある。
有機Fe化合物としては、例えば、ギ酸鉄、酢酸鉄、シュウ酸鉄、酪酸鉄、カプロン酸鉄、オクチル酸鉄、ネオデカン酸鉄、ステアリン酸鉄、ナフテン酸鉄などのカルボン酸Fe塩;アセチルアセトン金属錯体(ナーセム第二鉄)などの金属錯体などが挙げられる。有機Fe化合物としては、Fe系金属石鹸(例えば、オクチル酸鉄、ネオデカン酸鉄、ステアリン酸鉄などの高級脂肪酸Fe塩など)などが挙げられる。これらの有機Fe化合物は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、オクチル酸鉄などのC4−24飽和脂肪酸Fe塩が好ましい。有機Fe化合物(特に、C4−24飽和脂肪酸Fe塩)は、液状組成物の形態で使用してもよい。液状組成物は、石油系炭化水素溶液などの炭化水素溶液(例えば、ミネラルスピリット溶液)であってもよい。
Fe成分(B2)としては、無機Fe化合物、カルボン酸Fe塩が好ましく、酸化鉄、C6−18飽和脂肪酸Fe塩がさらに好ましく、酸化鉄(II)が最も好ましい。
Fe成分(B2)の割合は、Fe元素換算で(Fe元素の割合として)、Ag粒子(A)100質量部に対して、例えば0.01〜1質量部、好ましくは0.03〜0.5質量部、さらに好ましくは0.1〜0.3質量部(例えば0.15〜0.25質量部)、最も好ましくは0.13〜0.2質量部程度である。金属成分(B)中のFe成分(B2)の割合は、Fe元素換算で、例えば3〜15質量%、好ましくは4〜10質量%、さらに好ましくは5〜8質量%程度である。Fe成分(B2)の割合が少なすぎると、焼成体の緻密性が低下する虞があり、逆に多すぎると、導電性が低下する虞がある。
(Cu成分(B3))
Cu成分(B3)には、Cu単体、無機Cu化合物、有機Cu化合物が含まれる。
無機Cu化合物としては、例えば、酸化銅などのCu酸化物;水酸化銅;硫化銅;炭酸銅、リン酸銅、ホウ酸銅、硫酸銅、硝酸銅などの無機酸Cu塩;塩化銅などのCuハロゲン化物などが挙げられる。これらの無機Cu化合物は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、酸化銅、炭酸銅、リン酸銅が好ましい。
Cu単体および無機Cu化合物の形状は、好ましい態様も含めて、前記Mn単体および無機Mn化合物と同一である。
Cu単体および無機Cu化合物で形成された粒子の中心粒径(D50)は、例えば0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μm、さらに好ましくは1〜3μm程度である。粒径が小さすぎると、経済性が低下するとともに、導電性組成物中での分散性も低下する虞がある。逆に粒径が大きすぎると、印刷性や焼成膜の均一性が低下するとともに、メッシュスクリーンで印刷する場合には、メッシュ目詰まりの原因となる虞もある。
有機Cu化合物としては、例えば、ギ酸銅、酢酸銅、シュウ酸銅、酪酸銅、カプロン酸銅、オクチル酸銅、ネオデカン酸銅、ナフテン酸銅などのカルボン酸Cu塩;アセチルアセトン金属錯体(ナーセム銅)などの金属錯体などが挙げられる。有機Cu化合物としては、Cu系金属石鹸(例えば、ネオデカン酸銅、ナフテン酸銅などの高級脂肪酸Cu塩など)などが挙げられる。これらの有機Cu化合物は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、ナフテン酸銅などの環式脂肪酸Cu塩(例えば、シクロペンタン、シクロヘキサンなどのC4−8シクロアルカンカルボン酸を有する脂肪酸Cu塩)、ネオデカン酸銅などのC4−24飽和脂肪酸Cu塩が好ましい。有機Cu化合物(特に、環式脂肪酸Cu塩)は、液状組成物の形態で使用してもよい。液状組成物は、石油系炭化水素溶液などの炭化水素溶液(例えば、ミネラルスピリット溶液)であってもよい。
Cu成分(B3)としては、Cu単体、無機Cu化合物、カルボン酸Cu塩が好ましく、銅単体、酸化銅、環式脂肪酸銅のミネラルスピリット溶液がさらに好ましく、Cu単体と、酸化銅および/またはカルボン酸Cu塩との組み合わせが特に好ましい。なかでも、酸化銅を含むのが特に好ましく、Cu単体と酸化銅との組み合わせが最も好ましい。
Cu単体と、酸化銅および/またはカルボン酸Cu塩(特に、酸化銅)とを組み合わせる場合、Cu元素換算で(Cu元素の割合として)、前者/後者=50/1〜1/1、好ましくは30/1〜3/1、さらに好ましくは20/1〜5/1、最も好ましくは15/1〜8/1程度である。
Cu成分(B3)の割合は、Cu元素換算で(Cu元素の割合として)、Ag粒子(A)100質量部に対して0.01〜5質量部(例えば0.1〜5質量部)程度の範囲から選択でき、例えば0.5〜5質量部、好ましくは1〜4質量部、さらに好ましくは1.5〜3質量部、最も好ましくは2〜2.5質量部程度である。金属成分(B)中のCu成分(B3)の割合は、Cu元素換算で、例えば70〜90質量%、好ましくは80〜88質量%、さらに好ましくは83〜86質量%程度である。Cu成分(B3)の割合が少なすぎると、焼成体の緻密性が低下する虞があり、逆に多すぎると、導電性が低下する虞がある。
(金属成分(B)の好ましい態様)
金属成分(B)は、信頼性を向上できる点から、有機金属化合物(すなわち、有機Mn化合物、有機Fe化合物または有機Cu化合物)を含むのが好ましく、Mn成分(B1)、Fe成分(B2)およびCu成分(B3)のいずれの成分が有機金属化合物を含んでいてもよい。なかでも、Mn成分(B1)、Fe成分(B2)およびCu成分(B3)のうち、1種または2種が有機金属化合物(特に、カルボン酸金属塩)であるのが好ましく、1種のみが有機金属化合物であるのが特に好ましい。さらに、少なくともMn成分(B1)またはFe成分(B2)が有機金属化合物であるのが好ましく、少なくともMn成分(B1)が有機金属化合物であるのがさらに好ましく、Mn成分(B1)のみが有機金属化合物であるのが特に好ましい。特に、本発明では、前記有機金属化合物を液状組成物の形態で配合すると、信頼性をより向上できる。
Mn成分(B1)が有機金属化合物(特に、C6−12飽和脂肪酸Mn塩)である場合、Fe成分(B2)は、無機Fe化合物および/または有機Fe化合物が好ましく、酸化鉄および/またはカルボン酸Fe塩がさらに好ましく、Feが特に好ましい。また、Cu成分(B3)は、Cu単体、無機Cu化合物およびC4−8シクロアルカン環を有する脂肪酸Cu塩からなる選択された1種以上が好ましく、酸化銅を含むのがより好ましく、Cu単体と酸化銅との組み合わせが特に好ましい。
Fe成分(B2)が有機金属化合物(特に、C6−12飽和脂肪酸Fe塩)である場合、Mn成分(B1)は、無機Mn化合物および有機Mn化合物から選択された1種以上が好ましく、酸化マンガンおよび/またはカルボン酸Mn塩がさらに好ましく、酸化マンガンまたはC6−12飽和脂肪酸Mn塩が特に好ましい。また、Cu成分(B3)は、Cu単体、無機Cu化合物および環式脂肪酸Cu塩から選択された1種以上が好ましく、Cu単体および/またはC4−8シクロアルカン環を有する脂肪酸Cu塩がさらに好ましく、Cu単体が特に好ましい。
Cu成分(B3)が有機金属化合物(特に、C4−8シクロアルカン環を有する脂肪酸Cu塩)を含む場合、Mn成分(B1)は、無機Mn化合物および/または有機Mn化合物が好ましく、酸化マンガンおよび/またはカルボン酸Mn塩がさらに好ましく、酸化マンガンまたはC6−12飽和脂肪酸Mn塩が特に好ましい。また、Fe成分(B2)は、無機Fe化合物および/または有機Fe化合物が好ましく、酸化鉄および/またはカルボン酸Fe塩がさらに好ましく、FeまたはC6−12飽和脂肪酸Fe塩がより好ましく、Feが特に好ましい。
これらの組み合わせのうち、Mn成分(B1)が有機金属化合物(特に、C6−12飽和脂肪酸Mn塩)であり、Fe成分(B2)が無機Fe化合物(特に、酸化鉄)であり、Cu成分(B3)が無機Cu化合物(特に、Cu単体と酸化銅との組み合わせ)である組み合わせが最も好ましい。
(金属成分(B)の割合)
金属成分(B)の割合は、金属元素換算で(Mn元素、Fe元素およびCu元素の合計割合として)、Ag粒子(A)100質量部に対して0.1〜10質量部程度の範囲から選択でき、例えば0.5〜5質量部、好ましくは0.7〜4.5質量部(例えば1〜4質量部)、さらに好ましくは0.8〜3.7質量部(例えば2〜3.5質量部)、最も好ましくは2.5〜3質量部程度である。金属成分(B)の割合が少なすぎると、焼成体の緻密性が低下する虞があり、逆に多すぎると、導電性が低下する虞がある。
[ガラス粒子(C)]
ガラス粒子(ガラス粉末)(C)は、焼結助剤として機能すればよく、導電体に利用される慣用のガラス粒子を利用できる。
ガラス粒子(C)を構成するガラスの組成は、特に限定されないが、例えば、組成式SiO−B−RO(式中、Rは、K、Naなどのアルカリ金属を示す)で表されるホウケイ酸ガラス(シリカ系ガラス)、組成式Al−SiO−MO−RO(式中、Mは、Al、Si以外の元素を示し、Rは前記に同じ)で表されるアルミノケイ酸ガラス、組成式Al−SiO−B−MO−RO(式中、Mは、Al、Si、B以外の元素を示し、Rは前記に同じ)で表されるアルミノホウケイ酸ガラス、組成式Bi−MO−B(式中、Mは、Bi、B以外の元素を示す)で表されるビスマス系ガラス、ZnO−SiO−B−ROで表される亜鉛系ガラス(式中、Rは前記に同じ)などが挙げられる。これらのガラスは、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、耐めっき性を向上できる点から、ビスマス系ガラスおよび/または亜鉛系ガラスが好ましく、ビスマス系ガラスが特に好ましい。これらのガラス組成を有するガラス粒子も、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
ガラス粒子(C)の軟化点(または融点)は、導電性組成物の焼成温度よりも低い温度であるのが好ましい。ガラス粒子の軟化点は、例えば400〜800℃、好ましくは420〜780℃、さらに好ましくは450〜750℃、より好ましくは460〜600℃、最も好ましくは470〜550℃程度である。軟化点が低すぎると、焼成体の強度が低下する虞があり、逆に高すぎると、溶融流動性が低下するため、バインダーとしての機能が低下する虞がある。
ガラス粒子(C)の形状は、好ましい態様も含めて、前記Ag小粒子(A1)と同一である。
ガラス粒子(C)の中心粒径(D50)は、例えば0.1〜20μm、好ましくは0.5〜10μm、さらに好ましくは1〜5μm程度である。粒径が小さすぎると、経済性が低下するとともに、組成物中での分散性も低下する虞がある。逆に粒径が大きすぎると、印刷性や焼成膜の均一性が低下するとともに、メッシュスクリーンで印刷する場合には、メッシュ目詰まりの原因となる虞もある。
ガラス粒子(C)の割合は、Ag粒子(A)100質量部に対して0.05〜15質量部程度の範囲から選択でき、例えば0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜8質量部、さらに好ましくは1〜5質量部、最も好ましくは2〜4質量部程度である。ガラス粒子(C)の割合が少なすぎると、焼結助剤としての機能が低下し、耐めっき性を向上させる効果も低下する虞があり、逆に多すぎると、導電性が低下する虞がある。
[樹脂成分(D)]
本発明の導電性組成物は、有機バインダーとして樹脂成分(D)をさらに含んでいてもよい。樹脂成分(D)としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂(オレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体など)、熱硬化性樹脂(熱硬化性アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂など)などが挙げられる。これらの樹脂成分は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらの樹脂成分のうち、焼成過程で容易に焼失し、かつ灰分の少ない樹脂、例えば、アクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレートなど)、セルロース誘導体(ニトロセルロース、エチルセルロース、ブチルセルロース、酢酸セルロースなど)、ポリエーテル類(ポリオキシメチレンなど)、ゴム類(ポリブタジエン、ポリイソプレンなど)などが汎用され、エチルセルロースなどのセルロース誘導体が好ましい。
樹脂成分(D)の割合は、Ag粒子(A)100質量部に対して、例えば0.1〜5質量部、好ましくは0.3〜3質量部、さらに好ましくは0.5〜2質量部、最も好ましくは0.8〜1.5質量部程度である。樹脂成分(D)の割合が少なすぎると、導電性組成物の取り扱い性が低下する虞があり、逆に多すぎると、焼成体の緻密性が低下する虞がある。
[有機溶剤(E)]
本発明の導電性組成物は、有機溶剤(E)をさらに含んでいてもよい。有機溶剤(E)としては、特に限定されず、導電性組成物(特にペースト状組成物)に適度な粘性を付与し、かつ導電性組成物を基板に塗布した後に乾燥処理によって容易に揮発できる有機化合物であればよく、高沸点の有機溶剤であってもよい。
このような有機溶剤としては、例えば、芳香族炭化水素(パラキシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、ナフタレン、クメン、インデンなど)、脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナンなど)、エステル類(乳酸エチル、テキサノールなど)、ケトン類(イソホロンなど)、アミド類(ジメチルホルムアミドなど)、脂肪族アルコール(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、デカノール、ジアセトンアルコールなど)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブなど)、セロソルブアセテート類(エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートなど)、カルビトール類(カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトールなど)、カルビトールアセテート類(エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート)、脂肪族多価アルコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、トリエチレングリコール、グリセリンなど)、脂環族アルコール類[例えば、シクロヘキサノールなどのシクロアルカノール類;α−テルピネオール、ジヒドロテルピネオールなどのテルペンアルコール類(モノテルペンアルコールなど)など]、芳香族アルコール類(メタクレゾールなど)、芳香族カルボン酸エステル類(ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど)、窒素含有複素環化合物(ジメチルイミダゾール、ジメチルイミダゾリジノンなど)などが挙げられる。これらの有機溶剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
これらの有機溶剤のうち、導電性組成物の流動性などの点から、テキサノール(2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオールモノイソブチラート)などの脂肪族ジオールモノカルボキシレート、オクタノールなどの脂肪族アルコール、テルピネオールなどの脂環族アルコール、ブチルカルビトールなどのカルビトール類、ブチルカルビトールアセテートなどのカルビトールアセテート類が好ましく、前記脂肪族ジオールモノカルボキシレートと前記カルビトールアセテート類との組み合わせが特に好ましい。前記脂肪族ジオールモノカルボキシレートと前記カルビトールアセテート類とを組み合わせる場合、両者の質量比は、前者/後者=99/1〜10/90、好ましくは90/10〜30/70、さらに好ましくは80/20〜50/50(特に75/25〜60/40)程度である。さらに、有機溶媒は、信頼性を向上できる点からは、芳香族炭化水素や脂肪族炭化水素などの石油系炭化水素(またはミネラルスピリット)などの炭化水素類が好ましい。
有機溶剤(E)の割合は、Ag粒子(A)100質量部に対して0.01〜50質量部程度の範囲から選択でき、例えば1〜30質量部、好ましくは3〜20質量部、さらに好ましくは5〜15質量部、最も好ましくは8〜13質量部程度である。有機溶剤(E)が石油系炭化水素を含む場合、石油系炭化水素の割合は、Ag粒子(A)100質量部に対して、例えば0.01〜30質量部、好ましくは0.05〜20質量部、さらに好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜5質量部、最も好ましくは1〜3質量部である。有機溶剤(E)の割合が少なすぎると、導電性組成物の粘度が上昇して取り扱い性および信頼性が低下する虞があり、逆に多すぎると、焼成体の緻密性が低下する虞がある。
[他の金属含有成分(F)]
本発明の導電性組成物は、前記Ag粒子(A)、前記金属成分(B)および前記ガラス粒子(C)以外の金属含有成分(他の金属含有成分)(F)をさらに含んでいてもよい。
他の金属含有成分(F)としては、例えば、Pd、Al、Ni、Mo、W、Pt、Au、Co、Ti、Zr、Snなどからなる群から選択された金属元素の金属成分(金属単体、金属化合物)やAg化合物、前記群およびAg、Mn、Fe、Cuから選択された2種以上の金属元素の合金または複合金属化合物などが挙げられる。
他の金属含有成分の形状は、好ましい態様も含め、前記Ag小粒子(A1)と同一である。
他の金属含有成分(F)で形成された粒子の粒径は、特に限定されず、中心粒径(D50)として0.5〜30μm程度の範囲から選択でき、中心粒径は、例えば1〜10μm、好ましくは1〜4μm、さらに好ましくは1.5〜3μm(特に1.5〜2.5μm)程度である。中心粒径が小さすぎると、セラミックス基板に対する密着性が低下する虞があり、逆に大きすぎても、同様に密着性が低下する虞がある。
他の金属含有成分(F)の割合は、金属元素換算で、Ag粒子(A)100質量部に対して5質量部以下(例えば0.01〜5質量部)程度であってもよい。
[慣用の添加剤]
本発明の導電性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、慣用の添加剤をさらに含んでいてもよい。慣用の添加剤としては、例えば、硬化剤(アクリル系樹脂の硬化剤など)、着色剤(染顔料など)、色相改良剤、染料定着剤、光沢付与剤、金属腐食防止剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、界面活性剤または分散剤(アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤など)、分散安定化剤、粘度調整剤またはレオロジー調整剤、保湿剤、チクソトロピー性賦与剤、レベリング剤、消泡剤、殺菌剤、充填剤などが挙げられる。これらの他の成分は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。慣用の添加剤の合計割合は、成分の種類に応じて選択でき、通常、Ag粒子(A)100質量部に対して10質量部以下(例えば0.01〜10質量部)程度である。
[導電性組成物の調製方法]
本発明の導電性組成物(または導電性ペースト)の調製方法としては、各成分を均一に分散させるため、慣用の混合機を用いて混合する方法などを利用でき、粉砕機能を有する装置(例えば、3本ロール、乳鉢、ミルなど)を使用してもよい。各成分の添加方法は、一括添加して混合する方法であってもよく、分割して添加して混合する方法であってもよい。
本発明では、耐めっき性を向上できる点から、前記Mn成分(B1)、前記Fe成分(B2)および前記Cu成分(B3)からなる群より選択された少なくとも1種を、液状組成物の形態で添加するのが好ましい。
[メタライズド基板およびその製造方法]
本発明のメタライズド基板(配線回路基板などの導電部付セラミックス基板)は、セラミックス基板に前記導電性組成物を付着させる付着工程、前記セラミックス基板に付着した前記導電性組成物を焼成して導電部を形成する焼成工程を経て得られる。
本発明では、信頼性を向上できる点から、前記金属成分(B)が有機金属化合物を含む場合、前記有機金属化合物を液状組成物の形態で添加してもよく、前記Mn成分(B1)、前記Fe成分(B2)および前記Cu成分(B3)からなる群より選択された少なくとも1種を液状組成物の形態で添加するのがさらに好ましく、少なくとも前記Mn成分(B1)を液状組成物の形態で添加するのが特に好ましい。
付着工程において、導電性組成物の付着方法は、メタライズド基板の種類に応じて選択でき、表面メタライズド基板やスルーホール壁面メタライズド基板では、基板の表面や貫通孔(スルーホール)の内壁に導電性組成物を塗布してもよく、ビア充填基板では表裏貫通穴に対して導電性組成物を充填(ビア充填)してもよい。
導電性組成物を用いて塗膜を形成する方法としては、慣用のコーティング方法、例えば、フローコーティング法、ディスペンサーコーティング法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、キャスト法、バーコーティング法、カーテンコーティング法、ロールコーティング法、グラビアコーティング法、ディッピング法、スリット法、フォトリソグラフィ法、インクジェット法などを利用できる。前記コーティング方法において、塗膜でパターンを形成(描画)してもよく、形成されたパターン(描画パターン)を乾燥することによりパターン(焼結膜、金属膜、焼結体層、導体層)を形成できる。パターン(塗布層)を描画するための描画法(または印刷法)としては、パターン形成可能な印刷法であれば特に限定されず、例えば、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、凹版印刷法(例えば、グラビア印刷法など)、オフセット印刷法、凹版オフセット印刷法、フレキソ印刷法などが挙げられる。これらのうち、スクリーン印刷法が好ましい。
セラミックス基板の材質としては、例えば、金属酸化物(アルミナまたは酸化アルミニウム、ジルコニア、サファイア、フェライト、酸化亜鉛、酸化ニオブ、ムライト、ベリリアなど)、酸化ケイ素(石英、二酸化ケイ素など)、金属窒化物(窒化アルミニウム、窒化チタンなど)、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化炭素、金属炭化物(炭化チタン、炭化タングステンなど)、炭化ケイ素、炭化ホウ素、金属複酸化物[チタン酸金属塩(チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛、チタン酸ニオブ、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウムなど)、ジルコン酸金属塩(ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸鉛など)など]などが挙げられる。これらのセラミックスは単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
これらのセラミックス基板のうち、電気電子分野で信頼性が高い点から、アルミナ基板、アルミナ−ジルコニア基板、窒化アルミニウム基板、窒化ケイ素基板、炭化ケイ素基板が好ましく、アルミナ基板、窒化アルミニウム基板、窒化ケイ素基板がさらに好ましく、アルミナ基板が最も好ましい。
セラミックス基板の厚みは、用途に応じて適宜選択すればよく、例えば0.001〜10mm、好ましくは0.01〜5mm、さらに好ましくは0.05〜3mm(特に0.1〜1mm)程度であってもよい。
焼成における雰囲気は、空気中が好ましい。焼成温度は、導電性組成物中のガラス粒子の軟化点を超えていればよく、例えば600〜1100℃、好ましくは700〜1000℃、さらに好ましくは800〜950℃程度である。焼成時間は、例えば1分〜3時間、好ましくは10分〜2時間、さらに好ましくは30分〜1.5時間程度である。
焼成は、バッチ炉またはベルト搬送式のトンネル炉を用いて行ってもよい。
本発明のメタライズド基板は、導電性に優れており、導電部の比抵抗は3μΩ・cm以下(例えば1〜3μΩ・cm)であってもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。以下の例において、実施例で使用した材料、実施例で得られた評価用基板、得られた基板の評価方法を以下に示す。
[使用した材料]
(Ag粒子)
Ag粒子a:球状、粒径分布(D10〜D90)0.42〜1.24μm、10%粒径(D10)0.42μm、中心粒径(D50)0.5μm、90%粒径(D90)1.24μm、最大粒径4.63μm、比表面積1.3m/g
Ag粒子b:球状、粒径分布(D10〜D90)1.2〜3.1μm、10%粒径(D10)1.2μm、中心粒径(D50)2μm、90%粒径(D90)3.1μm、最大粒径7.8μm、比表面積0.4m/g
Ag粒子c:フレーク状、中心粒径(D50):約6μm
Ag粒子d:フレーク状、中心粒径(D50):約1.1μm、比表面積1.6m/g
(金属成分)
銅(Cu)粒子:球状、中心粒径(D50)3μm
酸化銅(CuO)粒子:純度3N、平均粒径約1μm
ナフテン酸Cu:ナフテン酸銅ミネラルスピリット溶液、Cu含量8質量%
酸化鉄(Fe)粒子:純度2N、平均粒径約1μm
オクチル酸Fe:オクチル酸鉄ミネラルスピリット溶液、Fe含量6質量%
酸化マンガン(MnO)粒子:純度3N、平均粒径約1μm
オクチル酸Mn:オクチル酸マンガン(II)ミネラルスピリット溶液、Mn含量8質量%
(ガラス粒子)
ビスマス系ガラス粒子:組成Bi−ZnO−B、軟化温度488℃
亜鉛系ガラス粒子…組成ZnO−SiO−B−RO、軟化温度575℃
シリカ系ガラス粒子…組成SiO−B−RO、軟化温度780℃。
(樹脂成分)
エチルセルロース:ダウケミカル(株)製「STD20」。
[評価用基板の作製]
表1〜6に示す組成にて実施例1〜17および比較例1〜15の導電性ペーストを調製した。ペーストの調製方法としては、テキサノール/ブチルカルビトールアセテート=55/35(質量比)の混合溶媒に、10質量%のエチルセルロースを溶解した有機ビヒクルと、表1〜6に示す無機成分とを混合してペーストを調製した。その際に、導電性ペースト中の無機成分の固形分濃度が87質量%となるよう調整した。そして、作製したペーストを用いて、スクリーン印刷で、3インチ×3インチ×0.635mm厚みのアルミナ基板上に、電極を形成し、900℃、大気下で焼成して評価用基板を作製した。
[比抵抗]
比抵抗は、四探針法での表面抵抗と膜厚とから算出した。実施例および比較例で得られた導電膜について、10サンプルの測定を行い、その平均値を求めた。
[耐めっき性、初期接着強度]
無電解めっき(Ni/Pd/Au)後、2mm角パッドパターン部で密着力を評価した。2mm角パッド表面に沿うように錫メッキ軟銅線(ピール線)をハンダ付けした。
パッド端に位置する箇所において軟銅線を垂直上方に折り曲げたものを引張試験機に固定し、パッドが基板から剥離するまで引張上げた。パッドが基板から剥離する際の最も高い荷重をピール強度(2mm角パターンのピール強度)として記録し、初期接着強度とした。ピール強度が3.0kgf以上とは、パターン1mm角あたりのピール強度が0.75kgf以上であることを意味し、銅線を持ち上げただけで電極が剥がれたものは、0kgfとした。
[初期判定]
上記耐めっき性評価試験の結果(初期接着強度)について、初期判定として、以下の基準で判定し、ランク付けした。
ランクA:初期接着強度が3.0kgf以上である
ランクB:初期接着強度が2.0kgf以上3.0kgf未満である
ランクC:初期接着強度が2.0kgf未満である。
初期判定で合格した基板について、以下の信頼性評価を行って、接着強度を評価した。
[恒温恒湿試験]
恒温恒湿試験は、温度85℃、相対湿度85%RHにした恒温恒湿槽に1000時間放置した後、焼成膜の密着力(接着強度)を測定し、以下の基準で判定した。
◎:2.5kgf以上
○:2.0kgf以上2.5kgf未満
×:2.0kgf未満。
[ヒートサイクル試験]
−40℃/125℃の1000サイクル後の接着強度を測定し、以下の基準で判定した。
◎:2.5kgf以上
○:2.0kgf以上2.5kgf未満
×:2.0kgf未満。
[熱エージング試験]
170℃のオーブンで1000時間経過後に接着強度を測定し、以下の基準で判定した。
◎:2.5kgf以上
○:2.0kgf以上2.5kgf未満
×:2.0kgf未満。
[総合判定]
上記評価試験の結果について、総合判定として、以下の基準で判定し、ランク付けした。
ランクA:信頼性試験が全て◎と〇である(合格)
ランクB:信頼性試験が全て○である(合格)
ランクC:信頼性試験に×がある、または初期判定でランクCである(不合格)。
実施例1〜17および比較例1〜15で得られた評価基板の評価結果も表1〜6に示す。
Figure 2020196869
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なお、表1〜6に記載されている割合(質量%)の詳細は以下の通りである。
「Ag粒子(A)に対する金属成分(B)の割合」は、Ag粒子(A)(すなわち、Ag粒子aおよびAg粒子bの総量)に対する金属成分(B)の金属元素換算での割合(質量%)を意味する(Ag粒子aおよびAg粒子bの総量100質量部に対する金属成分(B)に含まれる金属元素の質量部)。
「無機成分中の金属成分(B)の割合」は、Ag粒子(A)、金属成分(B)およびガラス粒子(C)の金属元素換算での総量に対する金属成分(B)の金属元素換算での割合(質量%)を意味する。
「金属成分(B)中のMn成分(B1)の割合」は、金属成分(B)(すなわち、Mn成分(B1)、Fe成分(B2)およびCu成分(B3)の金属元素換算での総量)に対するMn成分(B1)の金属元素換算での割合(質量%)を意味する。Fe成分(B2)およびCu成分(B3)の割合についても同様である。
「Ag粒子(A)に対するガラス粒子(C)の割合」は、Ag粒子(A)100質量部に対するガラス粒子(C)の質量部を意味する。
「無機成分中のガラス粒子(C)の割合」は、Ag粒子(A)、金属成分(B)およびガラス粒子(C)の金属元素換算での総量に対するガラス粒子(C)の割合(質量%)を意味する。
表1および2の結果から明らかなように、Ag小粒子(A1)とAg大粒子(A2)とを含み、かつMn成分(B1)、Fe成分(B2)、Cu成分(B3)を3成分とも含む場合には、初期判定の耐めっき性、及び信頼性評価においても優れた耐めっき性(密着性)が得られた(実施例1〜3)。なかでも、Ag粒子中のAg小粒子(A1)の割合が5質量%を超える実施例1および2の諸特性が優れており、実施例1が最も優れていた。
なお、最も諸特性のバランスに優れていた実施例1の結果については、表1だけでなく、表3および5〜6においても比較のために記載した。
一方、Mn成分(B1)、Fe成分(B2)、Cu成分(B3)を3成分とも含む(かつ、1種類はカルボン酸金属塩)が、Ag小粒子(A1)とAg大粒子(A2)を一方しか含まない場合は、初期判定の耐めっき性はB以上であったものの、信頼性評価で不合格となった(比較例1〜7)。
また、比較例8および9も、Ag小粒子(A1)とAg大粒子(A2)を一方しか含まない場合で、Mn成分(B1)、Fe成分(B2)、Cu成分(B3)を3成分とも含むが、カルボン酸金属塩は含まない例であるが、同様に、初期判定の耐めっき性は合格したものの、信頼性評価で不合格となった。比較例8および9は、特許文献4に開示されたペーストと類似の組成を有している。
表3および4では、表1で良好な結果が得られた実施例1に対して、Mn成分(B1)、Fe成分(B2)、Cu成分(B3)の種類の組み合わせを変えた例である(実施例4〜9)。これらの例はいずれも、金属成分3成分のうち1種類以上がカルボン酸金属塩を含む例であり、どの例においても初期判定の耐めっき性、及び信頼性評価において優れた耐めっき性(密着性)が得られた。なかでも、オクチル酸マンガン1種類を含む実施例1が優れていた。
一方、Ag小粒子(A1)とAg大粒子(A2)とを含む場合でも、Mn成分(B1)、Fe成分(B2)、Cu成分(B3)のうち2成分しか含まない比較例10および11では、初期判定の耐めっき性は合格したものの、信頼性評価で不合格となった。比較例12では、電極が全く密着しないため耐めっき性で不合格であった。さらに、Mn成分(B1)、Fe成分(B2)、Cu成分(B3)のうち1成分しか含まない比較例13〜15においても、電極が全く密着しないため耐めっき性で不合格であった。
表5の結果から明らかなように、実施例1に対して、Ag粒子に対する金属成分3成分の割合(合計量)を変量した実施例10および11の結果から、前記割合は0.5〜5.0質量%程度が好ましいことがわかる。
また、実施例1に対して、Mn化合物(B1)、Fe化合物(B2)、Cu化合物(B3)の配分比率を変更した実施例12および13でも実施例1と同等の結果が得られたが、信頼性の点から、実施例1が最も優れていた。
表6の結果から明らかなように、実施例1に対して、ガラス粒子の種類を変えた例であり、亜鉛系ガラス粒子を用いた実施例14、シリカ系ガラス粒子を用いた実施例15でも、実施例1と同等の結果が得られたが、ビスマス系ガラス、亜鉛系ガラスが特に優れていた。
また、実施例1に対して、ガラス粒子を減量、増量した実施例16および17でも、実施例1と同等の結果が得られたが、減量した実施例16では熱エージング試験後の接着強度が若干低下し、増量した実施例17ではヒートサイクル試験後の接着強度が若干低下した。
本発明の導電性組成物は、回路基板、電子部品、熱基板、LEDパッケージ用基板、半導体用基板、薄膜回路基板、抵抗器用基板などに利用でき、配線回路基板における電極などの導電部を形成するための組成物として特に有効に利用できる。

Claims (9)

  1. Ag粒子(A)、金属成分(B)およびガラス粒子(C)を含む導電性組成物であって、
    前記Ag粒子(A)がAg小粒子(A1)およびAg大粒子(A2)であり、
    前記Ag小粒子(A1)が粒径1.2μm未満の等方形状粒子であり、かつ前記Ag大粒子(A2)が粒径1.2μm以上の等方形状粒子であるとともに、
    前記金属成分(B)が、Mn成分(B1)、Fe成分(B2)およびCu成分(B3)である導電性組成物。
  2. 前記Ag小粒子(A1)が中心粒径0.01μm以上、1.2μm未満の球状粒子であり、かつ前記Ag大粒子(A2)が中心粒径1.2〜20μmの球状粒子である請求項1記載の導電性組成物。
  3. 前記Ag小粒子(A1)と前記Ag大粒子(A2)との質量比が、前者/後者=90/10〜5/95である請求項1または2記載の導電性組成物。
  4. 前記ガラス粒子(C)がビスマス系ガラス粒子および/または亜鉛系ガラス粒子を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性組成物。
  5. 前記Mn成分(B1)、前記Fe成分(B2)および前記Cu成分(B3)からなる群より選択された少なくとも1種を、液状組成物の形態で添加する請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性組成物の製造方法。
  6. セラミックス基板に請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性組成物を付着させる付着工程、および前記セラミックス基板に付着した前記導電性組成物を焼成して導電部を形成する焼成工程を含むメタライズド基板の製造方法。
  7. 前記焼成工程において、空気中で導電性組成物を焼成する請求項6記載の製造方法。
  8. 請求項6または7記載の製造方法で得られたメタライズド基板。
  9. 前記セラミックス基板が、アルミナ基板、アルミナ−ジルコニア基板、窒化アルミニウム基板、窒化ケイ素基板または炭化ケイ素基板である請求項8記載のメタライズド基板。
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