JP6135687B2 - レーザー加工用導電性ペースト - Google Patents
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Description
例えば、静電容量方式のタッチパネルでは、100μm以下の幅のライン/スペース(100μm以下/100μm以下)(以下、「L/S」と略記する)が普及しており、さらには、スマートフォン、およびタブレット型端末等の多機能化、ならびにディスプレイの高精細化により、L/Sが50μm/50μm以下が強く求められているが、印刷法では、更なる高精細化が難しかった。
また、特許文献2には、数平均分子量が5,000〜60,000かつガラス転移温度が60〜100℃のバインダ樹脂、金属粉および有機溶剤を含む導電性ペーストが開示されている。
前記導電性微粒子のD10平均粒子径が0.3〜1μm、かつD90平均粒子径が前記D10平均粒子径の2〜5倍であり、
E型粘度計を使用して温度25℃、ローター回転数5rpmで測定した粘度が10Pa・s〜150Pa・s、かつチキソインデックスが1.2〜2.4である。
前記導電性微粒子のD10平均粒子径が0.3〜1μm、かつD90平均粒子径が前記D10平均粒子径の2〜5倍であり、
E型粘度計を使用して温度25℃、ローター回転数5rpmで測定した粘度が10Pa・s〜150Pa・s、かつチキソインデックスが1.2〜2.4である。
バインダ樹脂は、単独または2種類以上を併用できる。
芳香族ジカルボン酸は、例えばテレフタル酸、およびイソフタル酸等が挙げられるがこれらに限定されない。また、直鎖脂肪族ジカルボン酸は、例えばアジピン酸、セバシン酸、およびアゼライン酸等が挙げられるがこれらに限定されない。また、環状脂肪族ジカルボン酸は、例えば1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジカルボンキシ水素添加ビスフェノールA、ダイマー酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、および3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられるがこれらに限定されない。また、3官能以上のカルボン酸は、無水トリメリット酸、および無水ピロメリット酸等が挙げられるがこれらに限定されない。その他のカルボン酸は、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩等のスルホン酸金属塩含有ジカルボン酸等も挙げられるがこれらに限定されない。
多塩基酸は、単独または2種類以上を併用できる。
ジオールは、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、およびネオペンチルグリコール等が挙げられるがこれらに限定されない。
3個以上の水酸基を有する化合物は、トルメチロールプロパン、グリセリン、およびペンタエリスリトール等が挙げられるがこれらに限定されない。
ポリオールは、単独または2種類以上を併用できる。
ポリエーテルポリオールは、酸化エチレン、酸化プロピレン、およびテトラヒドロフラン等の重合体、ならびにこれらの共重合体である。
ポリエステルポリオールは、前記ポリエステル樹脂で説明したポリオールと多塩基酸のエステルである。
ポリカーボネートポリオールは、1)ジオールまたはビスフェノールと、炭酸エステルとを反応させた化合物、および2)ジオールまたはビスフェノールを、アルカリの存在下でホスゲンと反応させた化合物等が好ましい。
炭酸エステルは、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、およびプロピレンカーボネート等が挙げられるがこれらに限定されない。
反応停止剤は、ジアルキルアミン、モノアルコール等が好ましい。ポリウレタンウレア樹脂は、公知の合成法で合成できる。
溶剤は、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、脂肪族系溶剤、芳香族系溶剤、およびカーボネート系溶剤等が好ましい。
エステル系溶剤は、例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル等が挙げられるがこれらに限定されない。
ケトン系溶剤は、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、シクロヘキサンノン等が挙げられるがこれらに限定されない。
グリコールエーテル系溶剤は、例えばエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、およびエチレングリコールモノブチルエーテル等のモノエーテル、ならびにこれらの酢酸エステル;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、およびプロピレングリコールモノエチルエーテル等、ならびにこれらの酢酸エステル;等が挙げられるがこれらに限定されない。
脂肪族系溶剤は、例えばn−ヘプタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等が挙げられるがこれらに限定されない。
芳香族系溶剤は、例えばトルエン、キシレン等が挙げられるがこれらに限定されない。
カーボネート系溶剤は、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等が挙げられるがこれらに限定されない。
溶剤は、単独または2種類以上併用できる。
バインダ樹脂は、単独または2種類以上を併用できる。
また、核体と、前記核体表面を前記核体物質とは異なる物質で被覆した複合微粒子、例えば、銅を核体とし、その表面を銀で被覆した、いわゆる銀コート銅粉等が挙げられる。
また、導電性微粒子は、例えば酸化銀、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ルテニウム、ITO(スズドープ酸化インジウム)、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、およびGZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)等の金属酸化物の粉末、ならびにこれらの金属酸化物で表面被覆した粉末等も挙げられる。
これらの中でもコストが低く、導電性が高く、酸化し難いため電気抵抗率の変化が少ない銀が好ましい。導電性微粒子は、単独または2種類以上を併用できる。
ポリエステル、ポリエーテル、ポリエステルエーテル、ポリウレタン等のポリリン酸(塩);ポリリン酸、ポリリン酸(部分)アミン塩、ポリリン酸アンモニウム塩、ポリリン酸アルキルアミン塩等;
(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、および繊維系誘導体樹脂等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤は、例えばラウリル硫酸ソーダ、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、およびスチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩;ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびスチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミンポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エスエル等が挙げられるがこれらに限定されない。
ノニオン性界面活性剤は、例えばポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等が挙げられるがこれらに限定されない。
カチオン性界面活性剤は、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等が挙げられるがこれらに限定されない。
両性界面活性剤は、例えばアルキルジメチルアミノ酢酸ペタイン等のアルキルペタイン、およびアルキルイミダゾリン等が挙げられるがこれらに限定されない。
アルミニウムキレートは、例えばエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピオネート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(アセチルアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテテート)、アルミニウム−ジ−n−ブトキシドモノメチルアセトアセテート、アルミニウムジイソブトキシドモノメチルアセトアセテート、アルミニウム−ジ−sec−ブトキシドモノメチルアセトアセテート等が挙げられるがこれらに限定されない。アルミニウムキレートは、式量が200〜420の化合物が好ましい。
ジルコニウムキレートは、例えばジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムモノブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート等が挙げられる。ジルコニウムキレートは、式量が350〜1,000の化合物が好ましい。
チタンキレートは、例えば、ジ−i−プロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、ジ−n−プトキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、チタニウム−i−プロポキシオクチレングリコレート、チタニウムステアレート、チタンアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート、ポリチタンアセチルアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、チタンエチルアセトアセテート、チタンラクテート、およびチタントリエタノールアミネート等が挙げられる。チタンキレートは、式量が250〜1,500の化合物が好ましい。
分散剤は、単独または2種類以上を併用できる。
溶剤は、使用する樹脂の溶解性や印刷方法等の種類に応じて、選択することができる。 溶剤は、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、脂肪族系溶剤、 脂環族系溶剤、芳香族系溶剤、アルコール系溶剤、および水等が好ましい。
エステル系溶剤は、例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、および炭酸ジメチル等が挙げられるがこれらに限定されない。
環状エステル系溶剤は、例えばε−カプロラクトン、およびγ―ブチロラクトン等が挙げられるがこれらに限定されない。
ケトン系溶剤は、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、およびシクロヘキサノン等が挙げられるがこれらに限定されない。
グリコールエーテル系溶剤は、例えばエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、およびエチレングリコールモノブチルエーテル等のモノエーテル、ならびにこれらの酢酸エステル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、およびプロピレングリコールモノエチルエーテル等、ならびにこれらの酢酸エステル等が挙げられるがこれらに限定されない。
脂肪族系溶剤は、例えばn−ヘプタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等が挙げられるがこれらに限定されない。
芳香族系溶剤は、例えばトルエン、キシレン、テトラリン等が挙げられるがこれらに限定されない。
溶剤は、単独または2種類以上を併用できる。
具体的には、バインダ樹脂が水酸基を有する場合、イソシアネート化合物等が好ましい。また、バインダ樹脂がカルボキシル基を有する場合、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、およびカルボジイミド化合物等が好ましい。さらに、バインダ樹脂がエポキシ基を有する場合、アミン化合物、酸無水物基含有化合物等が好ましい。
芳香族ポリイソシアネートは、例えばトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのオリゴマー等が挙げられる。
脂肪族ポリイシシアネートは、例えばヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートのオリゴマー、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン、およびトリレンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートからなるコポリマーのイソシアヌレート体等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートは、例えばイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネートのオリゴマー等が挙げられる。
また、これらの化合物をブロックしたブロック化イソシアネートも好ましい。ブロック剤は、例えば、ε−カプロラクタム、ブタノンオキシム、フェノール、および活性メチレン化合物等が好ましい。
ヘキサヒドロフタレート、およびジグリシジルテトラヒドロフタレート等が挙げられる。
硬化剤は、単独または2種類以上を併用できる。
ホスフィン化合物は、例えばトリフェニルホスフィン、およびトリブチルホスフィン等が挙げられる。
イミダゾール化合物は、例えば2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、および2−フェニルイミダゾール等、ならびにこれらとエポキシ樹脂を反応させて溶剤に不溶化した化合物、ならびにこれらをマイクロカプセルに封入したタイプ等の保存安定性を改良した潜在性硬化促進剤等が挙げられる。
添加剤は、単独または2種類以上を併用できる。
印刷後には、乾燥工程を行なうことが好ましい。乾燥工程は、熱風オーブン、赤外線オーブン、およびマイクロウエーブオーブン、ならびにこれらを複合した複合オーブン等公知の乾燥装置が挙げられる。
基材上に、バインダ樹脂、導電性微粒子、および分散剤を含むレーザー加工用導電性ペーストを印刷して導電性被膜を形成し、前記導電性被膜にレーザーを照射して、前記導電性被膜の一部を除去することで信号配線を形成する工程を備えている。
ここで前記レーザー加工用導電性ペーストが温度25℃、ローター回転数5rpmでの粘度が10Pa・s〜150Pa・s、かつチキソインデックスが1.2〜2.4であり、
前記導電性微粒子のD10平均粒子径が0.3〜1μmで、D90平均粒子径が前記D10平均粒子径の2〜5倍である。
本発明では、特にYAGレーザーが基材に対するダメージが少ないので好ましい。
また、レーザー光の走査(照射)を複数回繰り返し行うこともできる。
JER1256(ビスフェニールA型エポキシ樹脂、数平均分子量(Mn)25,000、Tg95℃、エポキシ当量7,500、水酸基価190、三菱化学(株)社製)40部をイソホロン30部、γ−ブチロラクトン30部に溶解し、不揮発分40%のバインダ樹脂溶液(1)を得た。
JER4250(ビスフェニールA型エポキシ樹脂およびビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合物、Mn24,000、Tg70℃、エポキシ当量8,500、水酸基価180、三菱化学(株)社製)40部をイソホロン30部、γ−ブチロラクトン30部に溶解し、不揮発分40%のバインダ樹脂溶液(2)を得た。
JER1009(ビスフェニールA型エポキシ樹脂、Mn5,200、Tg79℃、エポキシ当量2,500、水酸基価220、三菱化学(株)社製)40部をイソホロン30部、γ−ブチロラクトン30部に溶解し、不揮発分40%のバインダ樹脂溶液(3)を得た。
バイロン650(ポリエステル樹脂、Mn23,000、Tg10℃、水酸基価5,酸価1、東洋紡績(株)社製)40部をイソホロン30部、γ−ブチロラクトン30部に溶解し、不揮発分40%のバインダ樹脂溶液(4)を得た。
バイロン550(ポリエステル樹脂、Mn28,000、Tg−15℃、水酸基価4,酸価1、東洋紡績(株)社製)40部をイソホロン30部、γ−ブチロラクトン30部に溶解し、不揮発分40%のバインダ樹脂溶液(5)を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応装置に、イソフタル酸と3−メチル−1,5ペンタンジオールで合成したポリエステルポリオール(クラレポリオールP−2030、Mn2033、(株)クラレ社製)127.4部、ジメチロールブタン酸1.9部、イソホロンジイソシアネート15.9部、ジブチルチンジラウレート0.04部及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート43部を仕込み、窒素気流下にて90℃で5時間反応させた。次いでジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート102部を加えることで、Mn19,000、Tg17℃、水酸基価3、酸価5のポリウレタン樹脂の溶液を得た。ポリウレタン樹脂の溶液100部にイソホロン25部を加え、不揮発分40%のポリウレタン樹脂のバインダ樹脂溶液(6)を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応装置に、クラレポリオールP−2030 90.9部、ジメチロールブタン酸1.5部、イソホロンジイソシアネート17.1部、ジブチルチンジラウレート0.03部及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート23部を仕込み、窒素気流下にて90℃で3時間反応させた。次いでジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート72部を加えることで、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー溶液を得た。次にイソホロンジアミン3.18部、ジ−n−ブチルアミン0.36部、ジエチレングリコールモノエチルエーテル17.9部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート56.7部の混合物に、得られたイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー溶液204.5部を添加し、50℃で3時間反応させた後、90℃で2時間反応させることで、Mn17,000、Tg19℃、酸価5、不揮発分40%のポリウレタンウレア樹脂のバインダ樹脂溶液(7)を得た。
装置:GPC(ゲルパーミッションクロマトグラフィー)
機種:昭和電工(株)社製 Shodex GPC−101
カラム:昭和電工(株)社製 GPC KF−G+KF805L+KF803L+KF 802
検出器:示差屈折率検出器 昭和電工(株)社製 Shodex RI−71
溶離液:THF
流量 :サンプル側:1mL/分、リファレンス側:0.5mL/分
温度 :40℃
サンプル:0.2%THF溶液(100μLインジェクション)
検量線:東ソー(株)社製の下記の分子量の標準ポリスチレン12点を用いて検量線を作成した。
F128(1.09X106)、F80(7.06X105)、F40(4.27X105)、F20(1.90X105)、F10(9.64X104)、F4(3.79X104)、F2(1.81X104)、F1(1.02X104)、A5000(5.97X103)、A2500(2.63X103)、A1000(1.05X103)、A500(5.0X102)。
ベースライン:バインダー(3)以外は、GPC曲線の最初のピークの立ち上がり点を起点とし、リテンションタイム25分(分子量3,150)でピークが検出されなかったので、これを終点とした。そして、両点を結んだ線をベースラインとして、分子量を計算した。
なお、バインダ樹脂(3)は、リテンションタイム25分にはまだ主たるピークが検出されていた。そこで、主たるピークの低分子量側に連続する複数の小さなピークがほぼ検出されなくなった、リテンションタイム30分(分子量250)を終点として、他のバインダ樹脂の場合と同様にベースラインを設定し、分子量を求めた。
・装置:セイコーインスツルメンツ(株)社製示差走査熱量分析計DSC−220C
・試料:約10mg(0.1mgまで量る)
・昇温速度:10℃/分にて200℃まで測定
・Tg温度:低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、融解ピークの低温側の 曲線に勾配が最大になる点で引いた折線の交点の温度とした。
JIS K 7236 に準拠して測定した。
<水酸基価、酸価の測定>
JIS K 0070 に準拠して測定した。
[銀粉A]メタローテクノロジーズジャパン(株)社製フレーク銀粉(D10平均粒子径0.8μm、D90/D10平均粒子径比2.3、タップ密度3.9g/cm3、比表面積1.46m2/g)
[銀粉B]メタローテクノロジーズジャパン(株)社製凝集銀粉(D10平均粒子径0.5μm、D90/D10平均粒子径比3.4、タップ密度2.9g/cm3、比表面積1.50m2/g)
[銀粉C]DOWAエレクトロニクス(株)社製球状銀粉(D10平均粒子径0.7μm、D90/D10平均粒子径比4.4、タップ密度3.8g/cm3、比表面積0.97m2/g)
[銀粉D]DOWAエレクトロニクス(株)社製球状銀粉(D10平均粒子径1.3μm、D90/D10平均粒子径比2.6、タップ密度5.2g/cm3、比表面積0.43m2/g)
[銀粉E]DOWAエレクトロニクス(株)社製球状銀粉(D10平均粒子径0.4μm、D90/D10平均粒子径比6.5、タップ密度4.9g/cm3、比表面積1.0m2/g)
レーザー回折粒度分布測定装置「SALAD−3000」((株)島津製作所社製)を用いて体積粒度分布の累積粒度(D10およひD19)を測定した。
JIS Z 2512:2006法に基づいて測定した。
流動式比表面積測定装置「フローソーブII」((株)島津製作所社製)を用いて測定した表面積より以下の計算式により算出した値を比表面積と定義し記載した。
比表面積(m2/g)=表面積(m2)/粉末質量(g)
[分散剤B]DISPERBYK−140(樹脂型分散剤:カルボキシル基、アミノ基およびポリアクリルユニットを有するアンモニウム塩、酸価73KOHmg/g、アミン価76KOHmg/g、不揮発分52% ビックケミー・ジャパン社製)
[分散剤C]HypermerKD−8(樹脂型分散剤:カルボキシル基含有脂肪酸エステル共重合体、酸価33KOHmg/g、不揮発分100% クローダジャパン社製)
[カーボンブラックA]カーボンブラック#3030B(D50:55nm、比表面積32m2/g、吸油量130cm3/100g、三菱化学社製)
[硬化剤A]デュラネートMF−K60X(ブロック型ヘキサメチレンジイソシアネート硬化剤、不揮発分60%、旭化成ケミカルズ社製)
バインダ樹脂溶液(1):100部と、分散剤A:1.23部、銀粉A:370部、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート:37部とをプラネタリーミキサーにて混合後し、次いで3本ロールを使用して分散することで導電性ペーストを調製した。
得られた導電性ペーストは、不揮発分が約81重量%であり、不揮発分中、銀粉は約90重量%、エポキシ樹脂は約10重量%であった。
バインダ樹脂溶液、銀粉、分散剤、カーボンブラックおよび硬化剤を表1および表2に示す配合比率にした以外は、実施例1と同様に行なうことで、それぞれ実施例2〜15、および比較例1〜3の導電性ペーストを調整した。なお、カーボンブラックは、バインダ樹脂溶液、銀粉、分散剤、溶剤と共に混合し、3本ロールを使用して分散した。本明細書において実施例8および9は、参考例である。
得られた導電性ペーストの粘度、TI値を下記条件で測定した。
・粘度計:E型粘度計TVE−25H(東機産業社製)
・ローター:コーンローター#7(θ3°xR7.7mm)
・測定温度:25℃
・試料:0.1ml
・粘度測定:回転数5rpmにて2分後の数値を粘度とした。
・TI値測定:回転数2rpmの2分後の数値と回転数20rpmの2分後の数値を測定
TI値=(回転数2rpmの2分後の数値)/(回転数20rpmの2分後の数値)
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムという)上に得られた導電性インキを、縦15mm×横30mmのパターン形状にスクリーン印刷し、135℃オーブンにて30分乾燥させ、膜厚が約5μmの導電性シートを得た。なお、導電性シートの厚みはMH−15M型測定器(ニコン社製)を用いて測定した。
得られた導電性シートの表面抵抗値は、25℃、湿度50%雰囲気下にてロレスタGPMCP−T610測定機(三菱化学アナリテック社製)の直列4探針プローブ(ASP)を用いて測定した。
上記方法で測定された表面抵抗値、および膜厚を以下の式に代入して導電性シートの体積抵抗率を算出した。
体積抵抗率(Ω・cm)=(表面抵抗率:Ω/□)×(膜厚:cm)
なお評価基準は下記の通りである。
良好:50μΩ・cm以下
実用域:50μΩ・cmを超え150Ω・cm以下
実用不可:150μΩ・cm超える
1.基材にITO積層フィルムおよびITO積層エッチングフィルムを使用して密着性を評価した。密着性は、初期密着性および経時試験後の密着性を評価した。
ITO積層フィルムのITO層に得られた導電性ペーストを、乾燥後の膜厚が約6μmになるようにスクリーン印刷して縦15mm×横30mmのパターンを形成し、次いで135℃オーブンにて30分乾燥させることで印刷物を得た。別途、ITO積層エッチングフィルムのITO層とPETフィルム基材が露出した面に対して上記同様に導電性ペーストを印刷することで印刷物を得た。そしてこれらの印刷物を使用して導電性被膜の密着性を評価した。
・ITO積層フィルム:V150L−OFME(厚さ:175μm、日東電工(株)社製)
・ITO積層エッチングフィルム:上記ITO積層フィルムの一部を塩酸でエッチングしてITO層を除去して基材(PETフィルム)を露出させたフィルム。
テープ密着試験:JIS K5600に準拠して、テープ密着試験を実施した。
ITO残存部分、ITOエッチング部分それぞれの領域上の導電性ペーストに、幅1m間隔に10マス×10マスの計100マス目をカッターで入れ、セロハンテープ(25mm幅、ニチバン社製)を印刷面に貼り付けた後、セロハンテープを手で急速に剥離することで、残ったマス目の状態を評価した。
・評価基準
○:剥離無し(良好)
△:マスの端がわずかに欠ける(実用上問題ない)
×:1マス以上の剥離が観察される(実用不可)
上記の方法で別途作成したITO積層フィルムの印刷物、およびITO積層エッチングフィルムの印刷物を60℃90%雰囲気下に240時間放置した後、上記同様の方法で密着性を評価した。上記同様の評価基準で評価した。
ポリイミドフィルム(カプトン100H、25μm厚、東レ・デュポン(株)社製)上に、導電性ペーストを、乾燥後の膜厚が約8μmになるようにスクリーン印刷を行い縦15mm×横30mmのパターンを形成した。次いで180℃オーブンで30分乾燥させることで印刷物を得た。当該印刷物を使用して導電性被膜の密着性を評価した。
セロハンテープ(25mm幅)を印刷物の導電性被膜上に貼り付け、セロハンテープを手で急速に剥離することで密着性を評価した。
○:剥離が全く無い(良好)
△:わずかに剥離があった(実用上問題ない)
×:全面的に剥離した(実用不可)
導電性ペーストを高精度スクリーン印刷装置(SERIA、東海精機社製)を用いて、厚さ75μmのPETフィルムに印刷し、135℃で30分乾燥することで厚さ約6μmの導電性被膜を有する導電性シートを得た。なおスクリーン印刷版は、図1に示す様に縦205mm・幅340mmの領域に、幅6mm、縦115mm、横65mmの窓枠柄画像部を4個有する版を使用した。なお、印刷条件は下記の通りである。
・スクリーン :ステンレス版400メッシュ、線径18μm
・乳剤厚 :10μm
・スクリーン枠 :650×550mm
・スキージ角度 :70°
・スキージ硬度 :80°
・スキージ速度 :150mm/秒
・スキージ印圧 :15kgf
・スキージ押込み:1.5mm
・クリアランス :2.5mm
・使用した溶剤:ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
得られた導電性シートにおける導電性被膜の厚みをMH−15M型測定器((株)ニコン社製)を用いて測定した。
得られた導電性シートにおける導電性被膜の表面荒さRaを接触式表面形状粗さ測定機Talysurf60(アメテック(株)社製)を用いて測定を行い、解析ソフト「Taly Map Platinum ver.5.0」(アメテック社製)を用いて解析した。なお、Raの定義については「JIS B 0601−2001」に準拠した。
測定条件は下記の通りである。
・測定範囲:5mmx5mm
・本数:51本
・速度:0.5mm/s
解析は4mm×4mmの範囲で0.25μmのフィルターをかけてうねりを取り除いたデータを用いてパラメーターの算出を行った。
導電性シートの窓枠柄状の導電性被膜の角部に対して、図2の拡大図に示すように縦線(長さ70mm)、横線(長さ30mm)及びコーナー部からなる16本のL/Sが20μm/20μmの配線パターンの形成を目的としてレーザー加工を行なった。レーザー加工条件は下記の通りである。
(レーザー加工条件)
・レーザー加工機 : Ag Laser Etching System(Suzhou Delphi Laser Co.,LTD社製)
・レーザー光:YAGレーザー(基本波の波長1064nm)
・最大出力:20W
・ビーム径:20μm
・出力:25%
・周波数:300kHz
・パルス幅:25nm
・走査速度:2000mm/s
・走査回数:2回
前記回路パターンの任意のスペース8本を選択し、1本につき460箇所、8本合計で3680箇所のスペース幅を測定し、平均値、標準偏差を求めた。
スペース幅の平均値を下記の基準で判定した。
○:スペース幅が平均18〜22μm。良好。
△:スペース幅が平均16〜17μm、または23〜24μm。実用上問題ない。
×:スペース幅が15μm未満、または24μmを超えている。実用不可。
スペースの直線性を下記の基準で判定した。
○:標準偏差が0〜1.5μm。良好。
△:標準偏差が1.6〜2.4μm。実用上問題ない。
×:標準偏差が2.5μm以上。実用不可。
スペース幅の平均値、標準偏差、スペース幅評価及びスペース直線性評価を表1、2に示す。
また、本発明に係るレーザー加工用導電性ペースト用いて、レーザー加工により形成した信号配線は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ノート型PC等のタッチパネルディスプレイに好適に用いることができる。
2 窓枠柄画像部
3 ライン部(L)
4 スペース部(S)
Claims (9)
- 表面荒さRaが0.3μm以下の導電性被膜を形成できるレーザー加工用導電性ペーストであって、
バインダ樹脂、導電性微粒子、および分散剤を含み、
前記導電性微粒子のD10平均粒子径が0.3〜1μm、かつD90平均粒子径が前記D10平均粒子径の2〜5倍であり、
前記バインダ樹脂が、数平均分子量10,000〜50,000、かつガラス転移温度5〜100℃であり、
前記分散剤がアルミニウムキレートであり、
E型粘度計を使用して温度25℃、ローター回転数5rpmで測定した粘度が10Pa・s〜150Pa・s、かつチキソインデックスが1.2〜2.4であるレーザー加工用導電性ペースト。 - 前記バインダ樹脂が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、およびエポキシ樹脂からなる群より選択される1種以上である請求項1に記載のレーザー加工用導電性ペースト。
- 前記エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、およびビスフェノールF型エポキシ樹脂の少なくとも一方である請求項2記載のレーザー加工用導電性ペースト。
- 前記アルミニウムキレートの配位4子が、アセチルアセトネート基、メチルアセトアセトネート基、およびエチルアセトアセトネート基からなる群より選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1〜3いずれか1項に記載のレーザー加工用導電性ペースト。
- さらにレーザー光増感剤を含む、請求項1〜4いずれか1項に記載のレーザー加工用導電性ペースト。
- 基材と、請求項1〜5いずれか1項に記載のレーザー加工用導電性ペーストから形成してなる導電性被膜とを備えた導電性シート。
- 前記導電性被膜の表面荒さRaが0.3μm以下であることを特徴とする請求項6記載の導電性シート。
- 基材上に、バインダ樹脂、導電性微粒子、および分散剤を含むレーザー加工用導電性ペーストを印刷して表面荒さRaが0.3μm以下の導電性被膜を形成し、前記導電性被膜にレーザーを照射して、前記導電性被膜の一部を除去することで信号配線を形成する工程を備え、
前記レーザー加工用導電性ペーストがE型粘度計を使用して温度25℃、ローター回転数5rpmで測定した粘度が10Pa・s〜150Pa・s、かつチキソインデックスが1.2〜2.4であり、
前記バインダ樹脂が、数平均分子量10,000〜50,000、かつガラス転移温度5〜100℃であり、
前記分散剤がアルミニウムキレートであり、
前記導電性微粒子のD10平均粒子径が0.3〜1μmで、D90平均粒子径が前記D10平均粒子径の2〜5倍である、信号配線の製造方法。 - 請求項1〜5いずれか1項に記載のレーザー加工用導電性ペーストから形成してなる信号配線を備えた電子機器。
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