JP6519243B2 - レーザー加工用導電性ペースト、およびその利用 - Google Patents

レーザー加工用導電性ペースト、およびその利用 Download PDF

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Description

本発明は、配線回路形成に優れたレーザー加工用導電性ペースト、およびそのレーザー加工用導電性ペーストを用いて得られる導電パターン付き積層体とその製造方法に関する。
電子部品、電磁波シールド用の薄膜形成手段あるいは導電回路の形成手段として、エッチング法および印刷法が知られている。エッチング法は、金属被膜の一部をエッチング液で除去することで所望の形状の回路パターンを得る方法であるが、一般的に工程が煩雑、かつ別途、廃液処理が必要であるため、費用および環境への負荷がかかる問題がある。また、エッチング法によって形成された導電回路は、アルミニウムや銅など金属材料等で形成されたものであるため、折り曲げ等の物理的衝撃に対して弱いという問題がある。
そこで、これらの問題を解決してより安価に導電回路を形成するために、導電性ペーストが注目を集めている。導電性ペーストを印刷することにより、容易に導電回路を形成できる。さらに電子部品の小型軽量化、生産性の向上、低コスト化の実現が期待できるので、印刷可能な導電性インキについての研究開発が精力的になされ、多くの提案がなされている。
また、近年スマートフォン、タブレット型端末等の情報端末は、その大きさを維持したまま多機能化、およびディスプレイの高精細化が進んでいるが、これら性能をさらに向上させるためには、電子部品をさらに高密度に実装する必要がある。電子部品の高密度実装には、電子部品自体の小型化と、配線回路の微細化が求められている。
例えば、静電容量方式のタッチパネルでは、100μm以下の幅のライン/スペース(100μm以下/100μm以下)(以下、「L/S」と略記する)が普及しており、さらには、スマートフォン、およびタブレット型端末等の多機能化、ならびにディスプレイの高精細化により、L/Sが50μm/50μm以下が強く求められているが、印刷法では、更なる高精細化が難しかった。
そこでレーザー光照射により配線回路を形成するレーザー加工法(レーザーアブレーション法)の検討が行なわれている。レーザー加工法では、導電性ペーストを絶縁性基材上に形成し、その一部をレーザー光により絶縁性基材上から除去することにより、印刷法では困難なL/Sが50μm/50μm程度の高精細配線回路を形成できるが、市場からは、さらにL/Sが30μm/30μm以下の超高精細の配線回路が強く求められていた。
特許文献1には、レーザー照射でアブレーション加工(以下、レーザー加工という)を形成するための導電性ペーストとして、導電性微粒子、無機フィラー、および樹脂結着剤、ならびに界面活性剤、シランカップリング剤および有機金属化合物のいずれかを含む導電性ペーストが開示されている。
また、特許文献2には、数平均分子量が5,000〜60,000かつガラス転移温度が60〜100℃のバインダ樹脂、金属粉および有機溶剤を含む導電性ペーストが開示されている。
特開2014−2992号公報 WO2014/013899号
従来の導電性ペーストは、導電性被膜のレーザー加工性が劣ると共に、レーザー照射条件の影響を受けやすく導電性回路パターンが寸断され(以下、線とびともいう)、微細な配線回路の安定形成が難しいという問題があった。
本発明は、各種印刷方式に対応し、レーザー加工工程により微細な電気回路形成に使用されるレーザー加工用導電性ペーストであって、レーザー加工性に優れたレーザー照射条件の影響を受け線とびしにくいレーザー加工用導電性ペーストを提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、有機溶剤不溶性の有機系レーザー光吸収剤を用いることにより、前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、バインダ樹脂、導電性粒子、有機溶剤、および前記有機溶剤に溶解しない、有機溶剤不溶性の有機系レーザー光吸収剤を含む、レーザー加工用導電性ペーストに関する。
また、本発明は、シート状基材と、前記レーザー加工用導電性ペーストから形成してなる導電性被膜とを備えた導電性シートに関する。
さらに本発明は、前記導電性シート上の導電性被膜にレーザーを照射し、導電性被膜の一部を除去し、導電性回路を形成する、回路パターンの製造方法に関する。
さらにまた本発明は、前記レーザー加工用導電性ペーストから形成してなる導電性回路パターンを備えた電子機器に関する。
本発明により、各種印刷方式により租パターンを作成後、レーザー加工工程により微細な電気回路形成に使用される、レーザー加工安定性に優れるレーザー加工用導電性ペースト及びその硬化物、積層物を提供することができるようになった。本発明のレーザー加工用導電性ペーストは、タッチスクリーンパネルの額縁に形成される微細導電回路や透明性と低表面抵抗値を併せ持つ微細金属メッシュシートの形成等の為の導電性ペーストとして好適に用いることができる。
レーザー加工性の評価で使用するスクリーン印刷版の平面図である。 レーザー加工後の回路パターンの一部の拡大図である。
本発明のレーザー加工用導電性ペーストは、バインダ樹脂、 導電性粒子、有機溶剤不溶性の有機系レーザー吸収剤を含有する。
有機溶剤可溶性レーザー吸収剤は、波長が700 〜 2000 nmの範囲内に吸収ピークを持つことが好ましい。
本発明において「有機溶剤に溶解しない」とは、23℃にて、レーザー吸収剤100gを、本発明のペーストに用いられる有機溶剤100gに入れても溶解せず、目視にて溶け残りの認められることをいう。
本発明に用いられる有機溶剤不溶性の有機系レーザー光吸収剤としては、シアニン系色素、ポリメチン系色素、スクアリリウム系色素、ポルフィリン系色素、金属ジチオール錯体系色素、フタロシアニン系色素、ジイモニウム系色素等が使用される。
有機溶剤不溶性レーザー光吸収剤の例としては、カーボンブラック、グラファイト粉などの無機系の吸収剤を挙げることができる。しかし、無機系の吸収剤は、吸収性が良すぎて線とび(後述)の原因となる。
有機溶剤不溶性の有機系レーザー光吸収剤の市販品としては、例えば、ジインモニウム(商品名:IRG−040 日本化薬社製)、ジチオールNi錯体(商品名:SIR−130 山本化成社製)、フタロシアニン顔料(商品名:YKR−3081 山本化成社製)が挙げられる。
有機溶剤不溶性の有機系レーザー吸収剤の配合量は特に限定されないが、レーザー光線に対する感度、アブレーションによるパターンの精度、現像性、剥離性及び耐薬品性の点から、バインダ樹脂、導電性粒子および有機溶剤不溶性の有機系レーザー吸収剤の合計100質量%のうちに0.1〜20質量%を配合することが好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
本発明に使用される導電性粒子は、例えば金、銀、銅、ニッケル、クロム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、インジウム、ケイ素、アルミニウム、タングステン、モリブテン、および白金等の金属粉、ならびにこれらの合金、ならびにこれらの複合粉が挙げられる。
また、核体と、前記核体表面を前記核体物質とは異なる物質で被覆した微粒子、具体的には、例えば、銅を核体とし、その表面を銀で被覆した銀コート銅粉等が挙げられる
また、例えば酸化銀、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ルテニウム、ITO(スズドープ酸化インジウム)、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、およびGZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)等の金属酸化物の粉末、ならびにこれらの金属酸化物で表面被覆した粉末等が挙げられる。これらの中でもコスト、および導電性が高く、酸化がし難いため電気抵抗率の変化が少ない銀が好ましい。導電性微粒子は、単独または2種類以上を併用できる。
導電性粒子の形状は、球状、フレーク状、樹枝状、棒状、および線状等の公知の形状が使用できる。
導電性粒子のD50平均粒子径は、0.1〜5μmの範囲内にあることが好ましく、0.1〜3μmの範囲内にあることがより好ましい。
なお、導電性粒子のD50平均粒子径は、島津製作所社製レーザー回折粒度分布測定装置「SALD−3000」を用いて、体積粒度分布の累積粒度(D50)を測定した。
導電性粒子は、バインダ樹脂、有機溶剤不溶性の有機系レーザー吸収剤および導電性微粒子の合計100質量%のうち60〜90質量%を配合することが好ましく、80〜90質量%がより好ましい。60質量%以上になることで導電性がより向上する。また、95質量%以下になることで導電性被膜は、基材との密着性がより向上し、機械強度も向上する。
本発明におけるバインダ樹脂は、数平均分子量10,000〜50,000が好ましく、20,000〜40,000がより好ましい。数平均分子量が10,000以上になることで形成する配線回路の環境信頼性が向上し、特に耐湿熱性がより向上する。また、数平均分子量が50,000以下になることで、導電性被膜に適度な凝集力が得られるため、レーザー加工時のアブレーションが容易になり微細な配線回路が得易くなる。
なお、数平均分子量は、GPC(ゲルパーミッションクロマトグラフィー)で測定したポリスチレン換算の数値である。また、配線回路の環境信頼性とは、それぞれ80℃、−40℃、および60℃、湿度90%の環境下に長期間置かれても、あるいは85℃〜−40℃のサイクル試験を経ても、導電性被膜の基材(例えばITOフィルム)に対する密着性が劣化し難いことである。
また、バインダ樹脂は、ガラス転移温度(以下、Tgという)5〜100℃が好ましく、10〜95℃がより好ましい。Tgが5℃以上になると配線回路の耐湿熱性がより向上する。また、Tgが100℃以下になると配線回路と基材との密着性がより向上し、レーザー加工が容易になることで微細なL/Sが得易くなる。なお、Tgは、DSC(示差走査熱量計)にて測定した数値である。
バインダ樹脂は、上記数平均分子量と上記Tgを同時に満足すると配線回路の信頼性がより向上するとともに、レーザー加工性がより向上する。
バインダ樹脂は、例えばポリエスエル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−(メタ)アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ブチラール樹脂、アセタール樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アルキッド樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ケトン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、シリコン樹脂、ニトロセルロース、セルロース・アセテート・ブチレート(CAB)樹脂、セルロース・アセテート・プロピオネート(CAP)樹脂、ロジン、ロジンエステル、およびマレイン酸樹脂等が挙げられる。これらの中でもバインダ樹脂は、基材への密着性、例えばスクリーン印刷で使用される溶剤への溶解性、配線回路に必要な塗膜の機械強度の面より、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、およびエポキシ樹脂からなる群より選択されることが好ましい。
バインダ樹脂は、単独または2種類以上を併用できる。
前記ポリエステル樹脂は、水酸基およびカルボキシル基の少なくともいずれか有することが好ましい。ポリエステル樹脂は、多塩基酸とポリオール等との反応、または多塩基酸エステルとポリオール等とのエステル交換反応等の公知に反応等の公知の合成法で合成できる。また、ポリエステル樹脂にカルボキシル基を付与する方法は、公知の手法が使用できるが、例えばポリエステル樹脂を重合後、180〜230℃でε−カプロラクトンなどの環状エステルを後付加(開環付加)してブロック化する方法、または無水トリメリット酸、無水フタル酸などの酸無水物を付加する方法等が挙げられる。また、ポリエスエル樹脂は飽和ポリエステルが好ましい。
前記多塩基酸は、例えば芳香族ジカルボン酸、直鎖脂肪族ジカルボン酸、環状脂肪族ジカルボン酸等、および3官能以上のカルボン酸等が好ましい。なお、多塩基酸は、酸無水物基含有化合物を含む。
芳香族ジカルボン酸は、例えばテレフタル酸、およびイソフタル酸等が挙げられるがこれらに限定されない。また、直鎖脂肪族ジカルボン酸は、例えばアジピン酸、セバシン酸、およびアゼライン酸等が挙げられるがこれらに限定されない。また、環状脂肪族ジカルボン酸は、例えば1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジカルボンキシ水素添加ビスフェノールA、ダイマー酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、および3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられるがこれらに限定されない。また、3官能以上のカルボン酸は、無水トリメリット酸、および無水ピロメリット酸等が挙げられるがこれらに限定されない。その他のカルボン酸は、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩等のスルホン酸金属塩含有ジカルボン酸等も挙げられるがこれらに限定されない。
多塩基酸は、単独または2種類以上を併用できる。
前記ポリオールは、ジオール、および3個以上の水酸基を有する化合物が好ましい。
ジオールは、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール1,4−ブタンジオール、およびネオペンチルグリコール等が挙げられるがこれらに限定されない。
3個以上の水酸基を有する化合物は、トルメチロールプロパン、グリセリン、およびペンタエリスリトール等が挙げられるがこれらに限定されない。
ポリオールは、単独または2種類以上を併用できる。
前記ポリウレタン樹脂は、ポリオールとジイソシアネートと鎖延長剤のジオール化合物とを反応させた、末端に水酸基を有する化合物である。ポリウレタン樹脂は、鎖延長剤を使用して分子鎖を延ばすことができる。鎖延長剤は、一般的にはジオール等が好ましい。ポリウレタン樹脂は、公知の合成法で合成できる。
ポリウレタン樹脂の合成に使用するポリオールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、およびポリブタジエングリコール等が好ましい。ポリオールは単独または2種類以上併用できる。
ポリエーテルポリオールは、酸化エチレン、酸化プロピレン、およびテトラヒドロフラン等の重合体、ならびにこれらの共重合体である。
ポリエステルポリオールは、前記ポリエステル樹脂で説明したポリオールと多塩基酸のエステルである。
ポリカーボネートポリオールは、1)ジオールまたはビスフェノールと、炭酸エステルとを反応させた化合物、および2)ジオールまたはビスフェノールを、アルカリの存在下でホスゲンと反応させた化合物等が好ましい。
炭酸エステルは、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、およびプロピレンカーボネート等が挙げられるがこれらに限定されない。
ジイソシアネートは、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族イソシアネート等が好ましい。ジイソシアネートは単独または2種類以上を併用できる。
前記ポリウレタンウレア樹脂は、ポリオールとジイソシアネートとを反応させて末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを合成し、さらにポリアミンと反応させた化合物である。また、ポリウレタンウレア樹脂は、分子量を調整するため必要に応じて反応停止剤を反応させることができる。ポリオールおよびジイソシアネートは、前記ポリウレタン樹脂で説明した化合物を使用することが好ましい。ポリアミンはジアミンが好ましい。
反応停止剤は、ジアルキルアミン、モノアルコール等が好ましい。ポリウレタンウレア樹脂は、公知の合成法で合成できる。
ポリウレタン樹脂およびポリウレタンウレア樹脂は、水酸基に加えて、カルボキシル基を有することが好ましい。具体的には、合成の際、ジオールの一部をカルボキシル基を有するジオールに置き換えて合成する方法が挙げられる。前記ジオールは、ジメチロールプロピオン酸、およびジメチロールブタン酸等が好ましい。
導電性ペーストがポリウレタン樹脂またはポリウレタンウレア樹脂を含む場合、形成する導電性被膜の硬さがより向上する。
ポリウレタン樹脂またはポリウレタンウレア樹脂を合成の際、溶剤を使用できる。
具体的にはエステル系溶剤、ケトン系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、脂肪族系溶剤、芳香族系溶剤、およびカーボネート系溶剤等が好ましい。
エステル系溶剤は、例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、および炭酸ジメチル等が挙げられるがこれらに限定されない。
ケトン系溶剤は、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、およびシクロヘキサノン等が挙げられるがこれらに限定されない。
グリコールエーテル系溶剤は、例えばエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、およびエチレングリコールモノブチルエーテル等のモノエーテル、ならびにこれらの酢酸エステル;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、およびプロピレングリコールモノエチルエーテル等、ならびにこれらの酢酸エステル;等が挙げられるがこれらに限定されない。
脂肪族系溶剤は、例えばn−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等が挙げられるがこれらに限定されない。
溶剤は、単独または2種類以上併用できる。
前記エポキシ樹脂は、エポキシ基および水酸基を有する化合物であり、公知の化合物を使用できる。エポキシ樹脂は、ビスフェノールAおよびビスフェノールFに代表される芳香族ジオールとエピクロルヒドリンとを反応させて得たポリグリシジルエーテルが好ましい。エポキシ樹脂は、高分子エポキシ樹脂である、いわゆるフェノキシ樹脂を使用することも好ましい。
バインダ樹脂は、単独または2種類以上を併用できる。
バインダ樹脂は、導電性粒子、有機溶剤不溶性の有機系レーザー吸収剤およびバインダ樹脂の合計100質量%のうち4.9〜20質量%を配合することが好ましく、4.9〜10質量%がより好ましい。5質量%以上になることで導電性被膜の基材との密着性がより向上し、機械強度も向上する。また、20質量%以下になることで導電性がより向上する。
本発明において分散剤は、分散し難い導電性微粒子を導電性ペーストに分散するために使用することが好ましい。また、導電性ペーストが分散剤を含むとバインダ樹脂と導電性微粒子が混和しやすく分散性が向上するためTI値が低くなり、粘性をニュートニアンに調整し易くなる。本発明の導電性ペーストは、粘度が低くニュートニアンに近い粘性を有しているため流動性が良好であるため、例えばスクリーン印刷で塗工し形成した被膜は、表面が平滑で膜厚がバラつき難いので、レーザー加工での加工性が良好であるため、直線性が良好な配線回路が形成できる。
前記分散剤は、樹脂型分散剤、界面活性剤、シランカップリング剤および金属キレート等からなる群より選ばれることが好ましい。
樹脂型分散剤は、導電性微粒子に吸着する親和性部位と、バインダ樹脂に親和性が高い部位を有するポリマー(樹脂)の分散剤である。前記親和性部位は、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、水酸基、マレイン酸基、(一級、二級、三級)アミノ基、アミド基、アルキルアンモニウム塩、リン酸塩、およびポリアミドアマイド等が挙げられる。またバインダ樹脂に親和性が高い部位は、ポリエステルユニット、ポリエーテルユニット、ポリエーテルエステルユニット、ポリアクリルユニット、およびポリウレタンユニット等が挙げられる。
樹脂型分散剤は、例えばポリウレタン、およびポリアクリレート等のポリカルボン酸エステルポリアミド;ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、および水酸基含有ポリカルボン酸エステル;ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応で合成したアミド、およびその塩等;、
ポリエステル、ポリエーテル、ポリエステルエーテル、ポリウレタン等のポリリン酸(塩);ポリリン酸、ポリリン酸(部分)アミン塩、ポリリン酸アンモニウム塩、ポリリン酸アルキルアミン塩等;
(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、および繊維系誘導体樹脂等が挙げられる。
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、および両性界面活性剤が好ましい。
アニオン性界面活性剤は、例えばラウリル硫酸ソーダ、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、およびスチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩;ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびスチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミンポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エスエル等が挙げられるがこれらに限定されない。
ノニオン性界面活性剤は、例えばポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等が挙げられるがこれらに限定されない。
カチオン性界面活性剤は、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等が挙げられるがこれらに限定されない。
両性界面活性剤は、例えばアルキルジメチルアミノ酢酸ペタイン等のアルキルペタイン、およびアルキルイミダゾリン等が挙げられるがこれらに限定されない。
シランカップリング剤は、例えばビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2‐(3,4‐エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3‐グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p‐スチリルトリメトキシシラン‐3‐メタクリロキシプロピル、メチルジメトキシシラン、3‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3‐メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3‐メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3‐アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N‐2‐(アミノエチル)‐3‐アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N‐2‐(アミノエチル)‐3‐アミノプロピルトリメトキシシラン、N‐2‐(アミノエチル)‐3‐アミノプロピルトリエトキシシラン、3‐アミノプロピルトリメトキシシラン、3‐アミノプロピルトリエトキシシラン、3‐トリエトキシシリル-N(1,3‐ジメチル-ブチリデン)、プロピルアミンN‐フェニル‐3‐アミノプロピルトリメトキシシラン、N‐(ビニルベンジル)‐2‐アミノエチル‐3‐アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3‐ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3‐クロロプロピルトリメトキシシラン、3‐メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3‐メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、および3‐イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるがこれらに限定されない。
金属キレートは、金属アルコシドと、β−ジケトンやケトエステル(例えば、アセト酢酸エチル等)等のキレート化剤とを反応させたキレート化合物(金属錯体)である。金属キレートは、アルミニウムキレート、ジルコニウムキレート、およびチタンキレート等が好ましい。
アルミニウムキレートは、アルミニウムとアセトネート基で構成される。アセトネート基は、例えばアセチルアセトネート基:−O−C(CH3)=CH、−CO(CH3)や、メチルアセトアセトネート基:−O−C(CH3)=CH−CO−O−CH3、およびエチルアセトアセトネート基:−O−C(CH3)=CH−CO−O−C25等が挙げられる。これらの中でもアセチルアセトネート基、メチルアセトアセトネート基、およびエチルアセトアセテート基を使用すると導電性被膜の導電性がより向上するため好ましい。
アルミニウムキレートは、例えばエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピオネート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(アセチルアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテテート)、アルミニウム−ジ−n−ブトキシドモノメチルアセトアセテート、アルミニウムジイソブトキシドモノメチルアセトアセテート、アルミニウム−ジ−sec−ブトキシドモノメチルアセトアセテート等が挙げられるがこれらに限定されない。アルミニウムキレートは、式量が200〜420の化合物が好ましい。
ジルコニウムキレートは、ジルコニウムとアセトネート基で構成される。アセトネート基は、アセチルアセトネート基、およびエチルアセトアセテート基が好ましい。
ジルコニウムキレートは、例えばジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムモノブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート等が挙げられる。ジルコニウムキレートは、式量が350〜1,000の化合物が好ましい。
チタンキレートは、(HOR1O)2Ti(OR22あるいは(H2NR1O)2Ti(0R22で表すことができるチタンキレートおよびアルコキシチタンが好ましい。なお、R1およびR2はアルキル基である。
チタンキレートは、例えば、ジ−i−プロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、ジ−n−プトキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、チタニウム−i−プロポキシオクチレングリコレート、チタニウムステアレート、チタンアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート、ポリチタンアセチルアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、チタンエチルアセトアセテート、チタンラクテート、およびチタントリエタノールアミネート等が挙げられる。チタンキレートは、式量が250〜1,500の化合物が好ましい。
分散剤は、単独または2種類以上を併用できる。
分散剤は、バインダ樹脂および導電性微粒子を合計した100質量部に対して0.1〜20質量部を配合することが好ましく、0.1〜15質量%がより好ましい。分散剤が0.1質量部以上になることで導電性微粒子の分散性がより向上する。また、分散剤が20重量以下になることで導電性被膜の導電性がより向上する。
本発明のレーザー加工用導電性ペーストは、さらに溶剤を配合できる。溶剤を配合することで導電性微粒子の分散が容易になり、印刷に適した粘度に調整がし易くなる。
溶剤は、使用する吸収剤及び樹脂の溶解性や印刷方法等の種類に応じて、選択することができる。具体的には、溶剤は、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、脂肪族系溶剤、脂環族系溶剤,芳香族系溶剤、アルコール系溶剤、および水等が好ましい。
エステル系溶剤としては、ポリウレタン樹脂またはポリウレタンウレア樹脂を合成の際に使用できる溶剤として例示したものが同様に例示できる。さらに、ε−カプロラクトン、およびγ―ブチロラクトン等の環状エステル系溶剤も例示できる。ケトン系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、脂肪族系溶剤は、ポリウレタン樹脂またはポリウレタンウレア樹脂を合成の際に使用できる溶剤として例示したものが同様に例示できる。
芳香族系溶剤は、例えばトルエン、キシレン、テトラリン等が挙げられるがこれらに限定されない。
溶剤は、単独または2種類以上を併用できる。
溶剤は、導電性ペーストの不揮発分および溶剤の合計100質量%のうち5〜50質量%程度である。
本発明の導電性ペーストは、さらに硬化剤を含むことができる。硬化剤は、バインダ樹脂の有する官能基(例えば水酸基やカルボキシル基等)と反応可能な官能基を有し、導電性被膜の耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性、または密着性等を向上させることができる。硬化剤は、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、アミン化合物、および酸無水物基含有化合物等が好ましい。
具体的には、バインダ樹脂が水酸基を有する場合、イソシアネート化合物等が好ましい。また、バインダ樹脂がカルボキシル基を有する場合、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、およびカルボジイミド化合物等が好ましい。さらに、バインダ樹脂がエポキシ基を有する場合、アミン化合物、酸無水物基含有化合物等が好ましい。
イソシアネート化合物は、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、および脂環族ポリイソシアネート等が好ましい。
芳香族ポリイソシアネートは、例えばトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのオリゴマー等が挙げられる。
脂肪族ポリイシシアネートは、例えばヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートのオリゴマー、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン、およびトリレンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートからなるコポリマーのイソシアヌレート体等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートは、例えばイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネートのオリゴマー等が挙げられる。
また、これらの化合物をブロックしたブロック化イソシアネートも好ましい。ブロック剤は、例えば、ε−カプロラクタム、ブタノンオキシム、フェノール、および活性メチレン化合物等が好ましい。
エポキシ化合物は、エポキシ基を有する化合物である。エポキシ化合物の性状は、液体と固体がある。エポキシ化合物は、グリジシルエーテル型エポキシ樹脂、グリジシルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、および環状脂肪族(脂環型)エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂が好ましい。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂は、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の、クレゾール構造とクレゾール構造の間にビフェニル構造を有するエポキシ樹脂(日本化薬社製:NC−3000等)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の、クレゾール構造とクレゾール構造の間にジシクロペンタジエン骨格構造を有するエポキシ樹脂(日本化薬社製:XD−1000等)、α−ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタン、およびテトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン等が挙げられる。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂は、例えばテトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルパラアミノフェノール、トリグリシジルメタアミノフェノール、およびテトラグリシジルメタキシリレンジアミン等が挙げられる。
グリシジルエステル型エポキシ樹脂は、例えばジグリシジルフタレート、ジグリシジル
ヘキサヒドロフタレート、およびジグリシジルテトラヒドロフタレート等が挙げられる。
環状脂肪族(脂環型)エポキシ樹脂は、例えばエポキシシクロヘキシルメチル−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、およびビス(エポキシシクロヘキシル)アジペート等が挙げられる。
本発明の導電性ペーストに用いられる硬化剤のうちアジリジン化合物としては、例えば、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N−ヘキサメチレン−1,6−ビス−1−アジリジンカルボキシアミド、4,4−ビス(エチレンイミノカルボキルアミノ)ジフェニルメタン等が挙げられる。
オキサゾリン化合物は、例えば2,2'−(1,3−フェニレン)−ビス(2−オキサゾリン)等が挙げられる。
カルボジイミド化合物は、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、およびカルボジライト(日清紡社製、ポリカルボジイミド系樹脂)等が挙げられる。
アミン化合物は、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等が挙げられる。
酸無水物基含有化合物は、例えばテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、無水メチルナジック酸、無水トリメリット酸、および無水ピロメリット酸等が挙げられる。
硬化剤は、単独または2種類以上を併用できる。
硬化剤は、バインダ樹脂100質量部に対して、0.5〜20質量部を配合することが好ましい。硬化剤を前記範囲内で使用すると導電性被膜の密着性、および耐熱性がより向上する。
本発明の導電性ペーストは、硬化反応を促進するために硬化促進剤等の添加剤を配合できる。硬化促進剤は、ジシアンジアミド、3級アミン化合物、ホスフィン化合物、イミダゾール化合物、カルボン酸ヒドラジド、脂肪族または芳香族ジメチルウレア等のジアルキルウレア、酸無水物等が使用できる。なお、前記添加剤は、エポキシ樹脂の硬化促進に効果的である。
3級アミン化合物は、例えばトリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセンー7、および1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノネン−5等が挙げられる。
ホスフィン化合物は、例えばトリフェニルホスフィン、およびトリブチルホスフィン等が挙げられる。
イミダゾール化合物は、例えば2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、および2−フェニルイミダゾール等、ならびにこれらとエポキシ樹脂を反応させて溶剤に不溶化した化合物、ならびにこれらをマイクロカプセルに封入したタイプ等の保存安定性を改良した潜在性硬化促進剤等が挙げられる。
カルボン酸ヒドラジドは、例えばコハク酸ヒドラジド、アジピン酸ヒドラジド等を挙げることができる。酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、無水メチルナジック酸、無水トリメリット酸、および無水ピロメリット酸等が挙げられる。
前記添加剤は、単独または2種類以上を併用できる。
前記添加剤は、バインダ樹脂100質量部に対して0.1〜30質量部を配合することが好ましい。
本発明の導電性ペーストは、必要に応じて耐摩擦向上剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、酸化防止剤、有機顔料、無機顔料、消泡剤、可塑剤、難燃剤、および保湿剤等を含むことができる。
本発明の導電性ペーストの製造は、上段で説明した原料を所定の割合で配合して攪拌機で混合することで作成できる。攪拌機は、プラネタリーミキサー、およびデスパー等の公知の装置を使用できる。また、攪拌機に加えて、分散を行うことで導電性微粒子をより微細に分散できる。分散機は、ボールミル、ビーズミル、および3本ロール等が挙げられる。
本発明の導電性シートは、シート状基材と、レーザー加工用導電性ペーストから形成してなる導電性被膜とを備えている。導電性シートの製造方法の1例を挙げると、例えば、導電性ペーストを基材上に印刷することで導電性被膜を形成できる。前記導電性被膜は、表面が平滑であるためレーザー加工性が良好である。導電性被膜の表面平滑性は、表面粗さRa0.3μm以下が好ましく、0.25μm以下が好ましい。また、Raの下限値は、0μmが好ましいが、実際には技術的に難しいため現状0.1μm程度である。Raが0.3μm以下になると表面の凸凹が少ないのでレーザー光が乱反射にし難く直進性が高い回路パターンを形成し易くなる。なおRaは、算術平均高さであり接触式表面形状粗さ測定機Talysurf60(アメテック社製)等で測定できる。
前記印刷は、例えばスクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、およびグラビアオフセット印刷等が好ましく、スクリーン印刷がより好ましい。スクリーン印刷で使用するスクリーン版は、導電回路パターンの高精細化、導電性被膜の平滑性に対応すべく微細なメッシュ、特に好ましくは400〜650メッシュ程度の微細なメッシュのスクリーンを用いることが好ましい。この時のスクリーンの開放面積は20〜50%が好ましい。スクリーン線径は約10〜70μmが好ましい。
また、印刷後、乾燥工程を行なうことが好ましい。乾燥工程は、熱風オーブン、赤外線オーブン、およびマイクロウエーブオーブン、ならびにこれらを複合した複合オーブン等公知の乾燥装置が挙げられる。
シート状基材は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリイミドフィルム、ポリパラフェニレンテレフタルアミドフィルム、ポリエーテルニトリルフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、およびポリアクリルフィルム等が挙げられる。またこれらのフィルム上にITO(スズドープ酸化インジウム)層を形成したITOフィルム、およびガラス板上にITO層を形成したITOガラスも挙げられる。また、基材は、セラミック板上にITO層を形成したITOセラミックも挙げられる、なおITO層は、フィルムないし板の全面に形成する必要は無く部分的で形成されていても良い。
シート状基材の厚みは、特に限定されないが、50〜350μm程度であり、100〜250μmがより好ましい。前記範囲の厚みにより基材の機械特性、形状安定性、寸法安定性、およびハンドリング面等が適切になりやすい。
導電性被膜の厚みは、通常3〜30μmが好ましく、4〜10μmがより好ましい。厚みが3〜30μmになることで非照射部のレーザー光の影響を抑制し、基材と密着性がより向上する。
本発明の導電性ペーストを使用した配線回路の製造方法を説明する。
シート状基材上に、本発明のレーザー加工用導電性ペーストを印刷して導電性被膜を形成する第一の工程、
次いで、前記導電性被膜にレーザーを照射して、前記導電性被膜の一部を除去することで配線回路を形成する第二の工程を備えている。
前記第二の工程は、第一の工程で得られた導電性被膜にレーザー光を照射して所望のL/Sを有する配線回路を形成する工程である。導電性被膜にレーザー光を照射された部分は、レーザーエネルギーを吸収して温度が急激に数千度に上昇することで、当該部分の溶融と蒸発、ないし瞬時にプラズマになり、導電性塗膜が除去されると考えられている。
レーザー光は、基本波の波長が193〜10600nmの範囲が好ましい。具体的にはエキシマレーザー(基本波の波長:193〜308nm)、YVO4レーザー(基本波の波長:1064nm)、YAGレーザー(基本波の波長:1064nm)、ファイバーレーザー(基本波の波長:1060nm),CO2レーザー(基本波の波長:10600nm)、および半導体レーザー等が挙げられる。
本発明では、特にYAGレーザーが基材に対するダメージが少ないので好ましい。
レーザー光を使用する際の出力、走査速度および周波数は、導電性被膜が除去できる程度の条件であれば良く、限定されないが、一般的に出力は1〜50W、走査速度は1,000〜4,000mm/s、および周波数は10〜400kHz程度である。
また、レーザー光の走査(照射)を複数回繰り返し行うこともできる。
上記製造方法で得た配線回路は、L/Sが30μm/30μm以下の超高精細パターンが得やすいため、視認性が重要なタッチパネルの構成部材に使用できる。また、フラットパネルディスプレイ、太陽電池の用途に使用しても良い。
本発明の電子機器は、レーザー加工用導電性ペーストを使用して形成した配線回路を備えている。前記電子機器は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末。ノート型PC,電子書籍、カーナビゲーション等のタッチパネルディスプレイを備えた電子デバイスが挙げられる。また、ディスプレイが無くともレーザー加工により形成した配線回路を備えた電子機器等、例えばデジタルカメラ、ビデオカメラ、CD・DVDプレーヤー等に制限無く使用できる。
以下、実施例、比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を意味する。
(バインダ樹脂1)
JER1256(ビスフェニールA型エポキシ樹脂、数平均分子量(Mn)25,000、Tg95℃、エポキシ当量7,500、水酸基価190、三菱化学社製)40部をイソホロン30部、γ−ブチロラクトン30部に溶解し、不揮発分40%のバインダ樹脂溶液(1)を得た。
(バインダ樹脂2)
JER4250(ビスフェニールA型エポキシ樹脂およびビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合物、Mn24,000、Tg70℃、エポキシ当量8,500、水酸基価180、三菱化学社製)40部をイソホロン30部、γ−ブチロラクトン30部に溶解し、不揮発分40%のバインダ樹脂溶液(2)を得た。
(バインダ樹脂3)
バイロン650(ポリエステル樹脂、Mn23,000、Tg10℃、水酸基価5,酸価1、東洋紡社製)40部をイソホロン30部、γ−ブチロラクトン30部に溶解し、不揮発分40%のバインダ樹脂溶液(3)を得た。
(バインダ樹脂4)
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応装置に、イソフタル酸と3−メチル−1,5ペンタンジオールで合成したポリエステルポリオール(クラレポリオールP−2030、Mn2033、クラレ社製)127.4部、ジメチロールブタン酸1.9部、イソホロンジイソシアネート15.9部、ジブチルチンジラウレート0.04部及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート43部を仕込み、窒素気流下にて90℃で5時間反応させた。次いでジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート102部を加えることで、Mn19,000、Tg17℃、水酸基価3、酸価5のポリウレタン樹脂の溶液を得た。ポリウレタン樹脂の溶液100部にイソホロン25部を加え、不揮発分40%のポリウレタン樹脂のバインダ樹脂溶液(4)を得た。
(バインダ樹脂5)
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応装置に、P−2030 90.9部、ジメチロールブタン酸1.5部、イソホロンジイソシアネート17.1部、ジブチルチンジラウレート0.03部及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート23部を仕込み、窒素気流下にて90℃で3時間反応させた。次いでジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート72部を加えることで、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー溶液を得た。次にイソホロンジアミン3.18部、ジ−n−ブチルアミン0.36部ジエチレングリコールモノエチルエーテル17.9部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート56.7部の混合物に、得られたイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー溶液204.5部を添加し、50℃で3時間反応させた後、90℃で2時間反応させることで、Mn17,000、Tg19℃、酸価5、不揮発分40%のポリウレタンウレア樹脂のバインダ樹脂溶液(5)を得た。
なお、バインダ樹脂1〜5のMn、Tg、エポキシ当量、酸価および水酸基価は以下の方法に従って求めた。
<数平均分子量(Mn)の測定>
装置:GPC(ゲルパーミッションクロマトグラフィー)
機種:昭和電工(株)社製 Shodex GPC−101
カラム:昭和電工(株)社製 GPC KF−G+KF805L+KF803L+KF 802
検出器:示差屈折率検出器 昭和電工(株)社製 Shodex RI−71
溶離液:THF
流量 :サンプル側:1mL/分、リファレンス側:0.5mL/分
温度 :40℃
サンプル:0.2%THF溶液(100μLインジェクション)
検量線:東ソー(株)社製の下記の分子量の標準ポリスチレン12点を用いて検量線を作成した。
F128(1.09X106)、F80(7.06X105)、F40(4.27X105)、F20(1.90X105)、F10(9.64X104)、F4(3.79X104)、F2(1.81X104)、F1(1.02X104)、A5000(5.97X103)、A2500(2.63X103)、A1000(1.05X103)、A500(5.0X102)。
ベースライン:GPC曲線の最初のピークの立ち上がり点を起点とし、リテンションタイム25分(分子量3,150)でピークが検出されなかったので、これを終点とした。そして、両点を結んだ線をベースラインとして、分子量を計算した。
<Tgの測定>
・装置:セイコーインスツルメンツ(株)社製示差走査熱量分析計DSC−220C
・試料:約10mg(0.1mgまで量る)
・昇温速度:10℃/分にて200℃まで測定
・Tg温度:低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、融解ピークの低温側の 曲線に勾配が最大になる点で引いた折線の交点の温度とした。
<エポキシ当量の測定>
JIS K 7236 に準拠して測定した。
<水酸基価、酸価の測定>
JIS K 0070 に準拠して測定した。
<導電性粒子>
銀粉A:球状銀粉(D50粒子径1.6μm、比表面積1.0m2/g)
銀粉B:凝集銀粉(D50粒子径0.9μm、比表面積1.5m2/g)
<導電性粒子D50粒子径測定>
島津製作所社製レーザー回折粒度分布測定装置「SALD−3000」を用いて、体積粒度分布の累積粒度(D50)を測定した。
[分散剤A]アルミニウムキレートALCH−90F(アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピオネート、不揮発分90%、川研ファインケミカル社製)
[分散剤B]DISPERBYK−140(樹脂型分散剤:カルボキシル基、アミノ基およびポリアクリルユニットを有するアンモニウム塩、酸価73KOHmg/g、アミン価76KOHmg/g、不揮発分52% ビックケミー・ジャパン社製)
[分散剤C]HypermerKD−8(樹脂型分散剤:カルボキシル基含有脂肪酸エステル共重合体、酸価33KOHmg/g、不揮発分100% クローダジャパン社製)
<レーザー光吸収剤>
[吸収剤A]ジインモニウム(商品名:IRG−040 日本化薬社製)
[吸収剤B]ジチオールNi錯体(商品名:SIR−130 山本化成社製)
[吸収剤C]フタロシアニン顔料(商品名:YKR−3081 山本化成社製)
[吸収剤D]カーボンブラック#3030B(三菱化学社製)
なお、吸収剤A〜D各1.0gを、各ペーストに含まれる有機溶剤100g(23℃)に入れたところ、溶けなかった。
<実施例1>
バインダ樹脂溶液(1):250部(バインダ樹脂1:100部を含む)と、分散剤A:2.8部(不揮発分:2.5部を含む)、銀粉A:391.5部、吸収剤C:1.2部、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート:37部とをプラネタリーミキサーにて混合後し、次いで3本ロールを使用して分散することで導電性ペーストを調製した。
<実施例2〜10、比較例1〜4>
樹脂溶液、銀粉、分散剤、吸収剤を表1に示す配合比率にした以外は、実施例1と同様に行なうことで、それぞれ実施例2〜10、および比較例1〜4の導電性ペーストを調整した。
[導電性シートの作成]
厚さ75μmのコロナ処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムという)上に得られた導電性インキを、縦15mm×横30mmのパターン形状にスクリーン印刷し、135℃オーブンにて30分乾燥させ、膜厚が約5μmの導電性シートを得た。なお、導電性シートの厚みはMH−15M型測定器(ニコン社製)を用いて測定した。
<表面粗さRaの測定>
得られた導電性シートにおける導電性被膜の表面粗さRaを接触式表面形状粗さ測定器Talysurf60(アメテック社製)を用いて測定を行い、解析ソフト「Taly Map Platinum ver.5.0」(アメテック社製)を用いて解析した。
測定条件は下記の通りである。
・測定範囲:5mm×5mm
・本数:51本
・速度:0.5mm/s
解析は4mm×4mmの範囲で0.25μmのフィルターをかけてうねりを取り除いたデータを用いてパラメーターの算出を行った。
[レーザー加工感度の評価]
導電性ペーストを、高精度スクリーン印刷装置(SERIA、東海精機社製)を用いて、厚さ75μmの未処理PETフィルムに印刷し、135℃で30分乾燥することで厚さ約6μmの導電性被膜を有する導電性シートを得た。なおスクリーン印刷版は、図1に示す様に縦205mm・幅340mmの領域に、幅6mm、縦115mm、横65mmの窓枠柄画像部を4個有する版を使用した。なお、印刷条件は下記の通りである。
(スクリーン印刷条件)
・スクリーン :ステンレス版400メッシュ、線径18μm
・乳剤厚 :10μm
・スクリーン枠 :650×550mm
・スキージ角度 :70°
・スキージ硬度 :80°
・スキージ速度 :150mm/秒
・スキージ印圧 :15kgf
・スキージ押込み:1.5mm
・クリアランス :2.5mm
・使用した溶剤:エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
次いで、得られた導電性シートの窓枠柄状の導電性被膜の角部に対して、図2の拡大図に示すように縦線(長さ70mm)、横線(長さ30mm)及びコーナー部からなる16本のL/Sが20μm/20μmの配線パターンの形成を目的としてレーザー加工を行なった。レーザー加工条件は下記の通りである。
(レーザー加工条件)
・レーザー加工機 : Suzhou Delphi Laser Co.,LTD社製 Ag Laser Etching System
・レーザー光:YAGレーザー(基本波の波長1064nm)
・最大出力:20W
・ビーム径:20μm
・周波数:300kHz
・パルス幅:25nm
・走査速度:2000mm/s
・走査回数:2回
スペース幅:20μmを加工できるレーザー出力にて下記の基準で評価した。
○:最大出力の25%以下。
△:最大出力の25%超え〜35%以下。
×:最大出力の35%超え。
<線とび性評価>
出力45%でレーザーを過剰に照射した場合、線の残存状態を下記の基準で評価した。
○:線が、残存している。
△:線が、一部残存している。
×:線が、殆んど残存していない。
<レーザー加工評価>
導電性シートを使用して、最大出力の25%にて加工した。スペース幅のばらつき度合いの評価するためにデジタルマイクロスコープ(VHX−900 キーエンス社製)を用いて撮影した。撮影した拡大写真を小型汎用画像解析装置「LUZEX AP」(ニレコ社製)を用いて導電性被膜が除去された部分のスペース幅を読み取った。
前記回路パターンの任意のスペース8本を選択し、1本につき460箇所、8本合計で3680箇所のスペース幅を測定し、平均値、標準偏差を求めた。
スペース幅の平均値を下記の基準で判定した。
○:スペース幅が平均18〜22μm。良好。
△:スペース幅が平均16〜17μm、または23〜24μm。実用上問題ない。
×:スペース幅が16μm未満、または24μmを超えている。実用不可。
スペースの直線性(図2におけるライン部3とスペース部4部との境界のギザギザ・凹凸度合い)を、標準偏差にて評価した。
スペースの直線性を下記の基準で判定した。
○:標準偏差が0〜1.5μm。良好。
△:標準偏差が1.6〜2.4μm。実用上問題ない。
×:標準偏差が2.5μm以上。実用不可。
加工感度、線とび、スペース幅の平均値、スペース幅評価及びスペース直線性評価を表1、2に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜10の導電性ペーストは、レーザー加工感度が高く、線とびせず良好なレーザー加工性を示す。
それに対し、表2に示すように、比較例1〜2は、可溶性レーザー光吸収剤を含まないため、レーザー加工感度が低く、レーザーを過剰に照射した場合、線とび性も悪化傾向となる。レーザー光吸収剤として無機系のものを含む比較例3〜4は、レーザー加工感度が優れる反面、レーザーを過剰に照射した場合、著しく線とび性してしまう。また、スペース部の直線性が低下傾向にある。
本発明に係るレーザー加工用導電性ペーストは、良好なレーザー加工性を持つと共に、線とびしづらい導電性シートを提供することができる。
また、本発明に係るレーザー加工用導電性ペースト用いて、レーザー加工により形成した配線回路は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ノート型PC等のタッチパネルディスプレイに好適に用いることができる。
1 スクリーン印刷版
2 窓枠柄画像部
3 ライン部(L)
4 スペース部(S)

Claims (9)

  1. シート状基材上に、バインダ樹脂、導電性粒子、有機溶剤、および前記有機溶剤に溶解しない、有機溶剤不溶性の有機系レーザー光吸収剤を含む、レーザー加工用導電性ペーストを印刷して導電性被膜を形成し、
    次いで、前記導電性被膜にレーザーを照射して、前記導電性被膜の一部を除去することで配線回路を形成する、回路パターンの製造方法
  2. 有機溶剤不溶性の有機系レーザー光吸収剤を、バインダ樹脂、導電粒子および有機溶剤不溶性の有機系レーザー光吸収剤の合計100質量%のうちに0.1〜20質量%含む、請求項1記載の回路パターンの製造方法
  3. 有機溶剤不溶性の有機系レーザー光吸収剤が、波長700〜2000nmの範囲内に吸収ピークを有するレーザー光吸収剤である、請求項1または2記載の回路パターンの製造方法
  4. 有機溶剤不溶性の有機系レーザー光吸収剤が、ジインモニウム、ジチオールNi錯体、およびフタロシアニン色素からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1〜3いずれか1項に記載の回路パターンの製造方法
  5. バインダ樹脂が、数平均分子量10,000〜50,000、かつガラス転移温度5〜100℃である、請求項1〜4いずれか1項に記載の回路パターンの製造方法
  6. バインダ樹脂が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、およびエポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1〜5いずれか1項に記載の回路パターンの製造方法
  7. 導電性粒子が銀粒子を含む、請求項1〜6いずれか1項に記載の回路パターンの製造方法。
  8. 前記導電性被膜の表面粗さRaが0.1〜0.3μmであることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の回路パターンの製造方法
  9. 請求項1〜8いずれか1項に記載の回路パターンの製造方法を含む、電子機器の製造方法。
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