JP7277355B2 - 抵抗体ペーストならびに抵抗体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の抵抗体ペーストは、6ホウ化ランタン(LaB6)粒子と、Al、Ni、CuおよびAgからなる群より選択された少なくとも1種の金属元素を含む導電補助粒子と、ガラス粒子と、有機ビヒクルとを含む。さらに、前記導電補助粒子の質量割合が、前記6ホウ化ランタン粒子の質量割合よりも小さく調整されているため、抵抗体の抵抗値を低くしても、抵抗値のバラツキを抑制でき、前記ガラス粒子の割合を調整することにより、抵抗値のバラツキを抑制しつつ、幅広い抵抗値を有する抵抗体を調製できる。また、粒径の小さいLaB6粒子を用いることなく、抵抗値のバラツキを抑制できるため、簡便な方法で抵抗体を製造できる。
LaB6粒子の形状としては、例えば、球状(真球状または略球状)、楕円体(楕円球)状、多角体状(多角錘状、正方体状や直方体状など多角方形状など)、板状(扁平状、鱗片状、薄片状など)、ロッド状または棒状、繊維状、樹針状、不定形状などが挙げられる。LaB6粒子の形状は、通常、球状、楕円体状、多角体状、不定形状などである。
導電補助粒子は、Al、Ni、CuおよびAgからなる群より選択された少なくとも1種の金属元素を含んでいればよいが、通常、金属単体粒子、合金粒子、金属酸化物粒子、金属塩粒子のいずれかの形態の粒子である。また、これらの粒子の表面を、金属単体、合金、金属酸化物または金属塩でコーティングしたコート粒子(複合粒子)であってもよい。これらの形態の粒子は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。導電補助粒子が金属単体粒子または合金粒子である場合、ガラス中への拡散機構について、ペーストに含まれるガラス中の酸素と作用することによってイオン化してガラス中に拡散すると推定できる。一方、導電補助粒子が金属酸化物粒子または金属塩粒子である場合、金属元素は始めからイオン化しているため、ガラス中への拡散は容易であると推定できる。
ガラス粒子(ガラス粉末)は、バインダーとしての機能を有し、かつ抵抗体の導電性を調整できればよく、抵抗体に利用される慣用のガラス粒子を利用できる。
有機ビヒクルは、抵抗体ペーストの有機ビヒクルとして利用される慣用の有機ビヒクル、例えば、有機バインダーおよび/または有機溶剤であってもよい。有機ビヒクルは、有機バインダーおよび有機溶剤のいずれか一方であってもよいが、通常、有機バインダーと有機溶剤との組み合わせ(有機バインダーの有機溶剤による溶解物)である。
抵抗体ペーストは、本発明の効果を損なわない範囲で、慣用の添加剤をさらに含んでいてもよい。慣用の添加剤としては、例えば、硬化剤(アクリル系樹脂の硬化剤など)、着色剤(染顔料など)、色相改良剤、染料定着剤、光沢付与剤、金属腐食防止剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、界面活性剤または分散剤(アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤など)、分散安定化剤、粘度調整剤またはレオロジー調整剤、保湿剤、チクソトロピー性賦与剤、レベリング剤、消泡剤、殺菌剤、充填剤、TCR調整剤などが挙げられる。これらの他の成分は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。他の成分の割合は、成分の種類に応じて選択でき、通常、抵抗体ペースト全体に対して10質量%以下(例えば0.01~10質量%)程度である。
本発明の抵抗体は、不活性ガス雰囲気中あるいは還元雰囲気中において前記抵抗体ペーストを焼成することにより得られ、通常、セラミックス基板の上に、抵抗体ペーストを塗布した後、焼成することにより得られる。
(6ホウ化ランタン粒子)
LaB6粒子A:中心粒径5μmの6ホウ化ランタン粒子
LaB6粒子B:中心粒径1μmの6ホウ化ランタン粒子
(導電補助粒子)
CuNi粒子:中心粒径2μmのCu-Ni合金粒子
Al粒子:中心粒径3μmのAl粒子
Ni粒子:中心粒径0.6μmのNi粒子
Ag粒子:中心粒径1μmのAg粒子
Cu粒子:中心粒径3μmのCu粒子
Cu2O粒子:中心粒径3μmのCu2O粒子
NiO粒子:中心粒径2μmのNiO粒子
AgNO3粒子:中心粒径10μmのAgNO3粒子
Mo粒子:中心粒径2μmのMo粒子
Fe粒子:中心粒径4μmのFe粒子
Zn粒子:中心粒径7μmのZn粒子
(ガラス粒子)
ガラス粒子:中心粒径3μm、組成Al2O3-SiO2-B2O3-BaOのガラス粉末
(有機ビヒクル)
有機バインダー:ポリブチルメタクリレート
有機溶剤:テルピネオール
76.2mm×76.2mmのアルミナ基板の表面に、1mm×1mmサイズの抵抗体パターンを配置したサンプルを評価基板とした。なお、抵抗体パターンは予め銅ペーストを焼き付けることによって形成した四端子抵抗測定用の配線電極パターンに接続した。
表1に示す組成にてペーストを調製した。なお、表1では有機ビヒクル量を省略しているが有機ビヒクル量はスクリーン印刷がし易いペースト粘度となるよう適宜調整した。作製したペーストをスクリーン印刷で前記評価パターンに印刷した後、窒素ガス雰囲気下でトンネル炉を用いて焼成した。焼成は最高温度850℃にて行い、この温度を10分間保持し、昇温および降温を含めた炉への投入から回収までの時間は約60分間とした。焼成を終えた抵抗体の膜厚は概ね25μm前後であった。この基板を評価用基板とした。
(シート抵抗)
シート抵抗は四端子法にて25℃において測定した抵抗値を次式によって25μm膜厚時の抵抗に換算した値とした。
前記シート抵抗を用い、各実施例(または比較例)に対応した比較例のシート抵抗を基準シート抵抗として次式によって抵抗低減率を算出した。
○:10%以上50%未満
◎:50%以上
前記シート抵抗の評価における16点のシート抵抗結果を用いて、次式のように、標準偏差を平均値で除して百分率をとった値をシート抵抗のばらつきCVとした。
○:5%以上7.5%未満
◎:5%未満
前記シート抵抗の測定において使用した基板を用いて、125℃における抵抗値を同様に測定した。125℃と25℃における抵抗差から抵抗温度係数TCR(H)は次式によって求めた。
○:±200ppm/℃から±600ppm/℃
◎:±200ppm/℃以内
前記シート抵抗、抵抗ばらつきCVおよび抵抗温度係数TCRの総合評価について、下記基準で判定した。
○:1つも×がなく、◎が1つ以下
◎:1つも×がなく、◎が2つ以上ある
表2および4に示すように、金属粒子としてCuNi合金粒子を、量を変えて添加し(比較例1は添加せず)、前述のように評価基板を製造した。
表2および4に示すように、ガラス粉末の割合を低減または増加させ(実施例5、10~12は実施例6に対して金属粒子はCuNi粒子としたまま、ガラス粉末の割合を低減または増加させ)、前述のように評価基板を製造した。
表3および4に示すように、添加する金属粒子の種類を変更し、前述のように評価基板を製造した。
表3および4に示すように、LaB6粒子を1μmサイズの粒子に変更し、金属粒子はCuNi粒子とし、前述のように評価基板を製造した。なお、ガラス粉末の割合は、実施例1~9および13~19に対して増やしているが、これは低いTCRとするためである。
Claims (11)
- 6ホウ化ランタン粒子と、Al、Ni、CuおよびAgからなる群より選択された少なくとも1種の金属元素を含む導電補助粒子と、ガラス粒子と、有機ビヒクルとを含む抵抗体ペーストであって、前記ガラス粒子の割合が、前記有機ビヒクルを除いたペースト中15~85質量%であり、かつ前記導電補助粒子の質量割合が、前記6ホウ化ランタン粒子の質量割合よりも小さい抵抗体ペースト。
- 導電補助粒子の割合が、6ホウ化ランタン粒子100質量部に対して1~50質量部である請求項1記載の抵抗体ペースト。
- 導電補助粒子の割合が、有機ビヒクルを除いたペースト中1~20質量%である請求項1または2記載の抵抗体ペースト。
- 6ホウ化ランタン粒子の中心粒径が0.3~20μmである請求項1~3のいずれかに記載の抵抗体ペースト。
- 導電補助粒子の中心粒径が0.05~20μmである請求項1~4のいずれかに記載の抵抗体ペースト。
- 導電補助粒子が、金属単体粒子、合金粒子、金属酸化物粒子および金属塩粒子からなる群より選択された少なくとも1種である請求項1~5のいずれかに記載の抵抗体ペースト。
- 導電補助粒子が、Al粒子、Cu-Ni合金粒子およびCu2O粒子からなる群より選択された少なくとも1種である請求項1~6のいずれかに記載の抵抗体ペースト。
- ガラス粒子が、ホウケイ酸ガラス粒子、アルミノケイ酸ガラス粒子およびアルミノホウケイ酸ガラス粒子から選択された少なくとも1種である請求項1~7のいずれかに記載の抵抗体ペースト。
- 不活性ガス雰囲気中または還元雰囲気中において請求項1~8のいずれかに記載の抵抗体ペーストを焼成する抵抗体の製造方法。
- 請求項9記載の製造方法により得られる抵抗体。
- 25μmの厚みを有するシートの抵抗値が10Ω/□以下である請求項10記載の抵抗体。
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