JP2020155344A - 導電性ペースト及び電極 - Google Patents

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Abstract

【課題】下地セラミックスとの接合性に優れ、低抵抗の電極膜を形成することができる導電性ペーストを提供する。【解決手段】導電性ペーストは、導電性金属粉末と、前記導電性金属粉末100体積部に対して30〜70体積部(25℃)のセラミックス成分と、樹脂と、有機溶媒と、を含んで成る。前記セラミックス成分は、チタニア粉末及び/又はシリカ粉末から成るセラミックス成分Aを1〜50体積%(25℃)と、ジルコニア粉末及び/又はアルミナ粉末から成るセラミックス成分Bを50〜99体積%(25℃)と、から成る。【選択図】なし

Description

本発明は、電極、及び電極形成用の導電性ペーストに関する。詳しくは、アルミナやジルコニア等からなる下地セラミックスの表面に形成される電極及びこれを形成する際に用いる導電性ペーストに関する。
ガスセンサーのセンサー電極、ヒーター電極、リード電極、端子電極等を形成する方法としては、白金等の導電性金属粉末とセラミックス粉末とを含んで成る導電性ペーストを下地セラミックスに塗布して電極パターンを形成し、これを焼成する方法が一般的である。セラミックス粉末は、焼成時に下地セラミックスと結合し、下地セラミックスと電極との接合性を向上させることが知られている。このセラミックス粉末としては、下地セラミックスと同様にアルミナやジルコニア等が用いられている。
しかし、これらセラミックス粉末が混合する導電性ペーストを用いて形成される電極は、導電性金属粉末のみから形成される電極と比較して、抵抗値が大幅に高い。そのため、従来の導電性ペーストを用いて電極を形成する場合には、電極の膜厚を厚くしたり、電極の幅を広くしたりする必要があり、コストアップにつながる、微細なパターンの電極を形成できない等の問題がある。
特許文献1には、白金60vol%と、アルミナが1.5wt%添加されたジルコニア粉末40vol%と、を配合してなる導電性ペーストが開示されている。この導電性ペースト中のアルミナは、単にジルコニアの焼結助剤として用いているに過ぎない。
特開昭61−109289号
本発明の課題は、下地セラミックスとの接合性を維持しつつも、抵抗値の低い電極を提供すること、及び該電極を形成するための導電性ペーストを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために検討を行った結果、アルミナ粉末及び/又はジルコニア粉末に加えて、チタニア粉末及び/又はシリカ粉末を所定の割合で含有する導電性ペーストは、下地セラミックスとの接合性を実質的に低下させることなく、且つ抵抗値の低い電極を形成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決する本発明は、以下に記載するものである。
〔1〕 (1)導電性金属粉末と、
(2)前記導電性金属粉末100体積部に対して25〜70体積部(25℃)のセラミックス成分と、
(3)樹脂と、
(4)有機溶媒と、
を含んで成り、
前記セラミックス成分が
(a)チタニア粉末、及び/又は、シリカ粉末から成るセラミックス成分Aを1〜50体積%(25℃)と、
(b)ジルコニア粉末、及び/又は、アルミナ粉末から成るセラミックス成分Bを50〜99体積%(25℃)と、
から成ることを特徴とする電極形成用の導電性ペースト。
〔2〕 前記セラミックス成分Aがチタニア粉末のみから成る〔1〕に記載の導電性ペースト。
〔3〕 前記セラミックス成分Bにおけるジルコニアの割合が10〜90体積%(25℃)であり、アルミナの割合が10〜90体積%である〔1〕に記載の導電性ペースト。
〔4〕 前記導電性金属粉末が白金又は白金合金である〔1〕に記載の導電性ペースト。
〔5〕 前記ジルコニアが、イットリア安定化ジルコニアである〔1〕に記載の導電性ペースト。
〔6〕 (1)導電性金属粉末と、
(2)前記導電性金属粉末100体積部に対して25〜70体積部(25℃)のセラミックス成分と、
から成る電極であって、
前記セラミックス成分が、
(a)チタニア、及び/又は、シリカから成るセラミックス成分Aを1〜50体積%(25℃)と、
(b)ジルコニア、及び/又は、アルミナから成るセラミックス成分Bを50〜99体積%(25℃)と、
から成り、前記導電性金属粉末と前記セラミックス成分とが共連続構造を形成していることを特徴とする電極。
〔7〕 前記電極が、ジルコニア及び/又はアルミナから成る下地の表面に形成されて一体化している〔6〕に記載の電極。
本発明の導電性ペーストは、下地セラミックスとの接合性を低下させることなく、且つ抵抗値の低い電極を形成することができる。その結果、電極の膜厚を薄くしてコストダウンを図ることができる。
以下、本発明について説明する。なお、本明細書において、平均粒子径はレーザー回折散乱式により測定される積算累積分布が50%の粒径、すなわち体積基準メディアン径(d50)をいう。また、本明細書において、導電性金属粉末、ジルコニア粉末、アルミナ粉末、チタニア粉末、及びシリカ粉末の体積は、それぞれ25℃における真の体積を意味する。各粉末の嵩比重を意味するものではない。また、各粉末粒子に内包された空隙等を考慮した見かけの体積を意味するものではない。即ち、導電性金属粉末が白金の場合、1cm(25℃)の白金は21.45gの質量を有する。
本発明の導電性ペースト(以下、「本導電性ペースト」ともいう)は、樹脂が溶解している有機溶媒中に、導電性金属粉末と、チタニア粉末及び/又はシリカ粉末から成るセラミックス成分Aと、ジルコニア粉末及び/又はアルミナ粉末から成るセラミックス成分Bと、が分散して成る。この導電性ペーストは焼成することにより、セラミックス成分が焼結されて形成される骨格部と導電性金属粉末が焼結されて形成される導通部とが共連続構造を有する電極が形成される。
〔導電性金属粉末〕
本導電性ペーストに配合される導電性金属粉末は、本導電性ペーストを焼成することによって焼結され、導通部を形成する。本導電性ペーストに配合される導電性金属粉末は、導電性の金属であって、ともに配合されるセラミックス成分(後述)よりも低い温度で焼結される金属であれば、どのような物でも利用できる。例えば、金、銀、白金、パラジウム、銅、ロジウム、ニッケル、これら金属の合金、これら金属と他の金属との合金が挙げられる。これらの導電性金属粉末は、単独で配合しても良いし、混合して配合しても良い。特に好ましいのは、白金又は白金合金である。白金合金の場合、白金以外の合金元素の配合量は、0.1〜50質量%であることが好ましい。
本導電性ペースト中における導電性金属粉末の配合量は、特に限定されないが、好ましくは40質量%以上であり、特に好ましくは50〜90質量%である。配合量が40%質量未満の場合、印刷後に十分に抵抗値が低くなる膜厚で電極を形成することができず、90質量%を超える場合、導電性ペースト中の粉末成分が過剰となり、ペースト化が困難になるおそれがある。
導電性金属粉末の平均粒子径は、0.01〜10μmであることが好ましく、0.1〜3μmであることがより好ましく、0.3〜2μmであることが特に好ましい。平均粒子径が0.01μm未満である場合、粒子の付着力(相互作用)が大きくなるため、導電性ペーストのチキソ性が高くなることで印刷性が悪くなり、カスレなどによる断線が生じる場合がある。平均粒子径が10μmを超える場合、導電性ペーストを焼成した際に導電性金属が偏在して、電極中の導電性粉末同士の繋がりが悪くなる。その結果、得られる電極は抵抗値が高いものとなる場合がある。
〔セラミックス成分〕
本導電性ペーストに配合されるセラミックス成分は、セラミックス成分A及びセラミックス成分Bから成る。
セラミックス成分A及びセラミックス成分Bの配合量は、導電性金属粉末100体積部に対して合計で25〜70体積部であり、30〜65体積部であることが好ましく、35〜60体積部であることがより好ましい。この範囲内とすることにより、電極を形成する際に下地セラミックスとの接合性を十分に高く維持できるとともに、形成される電極の抵抗値を低くすることができる。
〔セラミックス成分A〕
セラミックス成分Aは、チタニア粉末、及び/又は、シリカ粉末から成る。セラミックス成分Aはチタニア粉末のみであることが特に好ましい。セラミックス成分Aは焼結助剤として機能し、焼成時の焼成収縮率を大きくする。そのため、本導電性ペーストを焼結して得られる電極中には空隙が少なく、前述の導電性金属粉末が焼結されて成る連続構造を太く形成することができる。その結果、導電性ペーストを焼結して得られる電極の抵抗値を低くすることができる。
チタニア粉末は、アナターゼ型(正方晶)、ルチル型(正方晶)、ブルッカイト型(斜方晶)の何れも使用可能である。また、本発明に用いるチタニア粉末は、有機系又は無機系の処理剤によって表面処理(表面被覆)されているものであってもよい。処理剤の濃度は一般に0.1〜15質量%である。
チタニア粉末、及びシリカ粉末の粒子径は特に限定されないが、平均粒子径が0.001〜2.5μmであることが好ましく、0.05〜2.5μmであることがより好ましく、0.1〜1.5μmであることが特に好ましい。平均粒子径が0.001μm未満である場合、粒子の付着力(相互作用)が大きくなるため、導電性ペーストのチキソ性が高くなることで印刷性が悪くなり、カスレなどによる断線が生じる場合がある。平均粒子径が2.5μmを超える場合、焼結性が悪くなるため焼結後において電極内に大きな空隙が残存する場合がある。その結果、得られる電極は抵抗値が高いものとなる。また、平均粒子径が2.5μmを超える場合、得られる電極の表面が粗くなり、接触抵抗を増加させる場合がある。
前述のセラミックス成分中におけるセラミックス成分Aの割合は、1〜50体積%であり、2〜40体積%であることが好ましく、5〜30体積%であることがより好ましく、10〜20体積%であることが特に好ましい。1体積%未満の場合、焼結助剤の効果が小さく、焼結後に得られる電極の抵抗値が十分に低くならない。50体積%を超える場合、焼結性が高すぎることで焼成収縮が大きくなり下地セラミックスとの接合性が低下する場合がある。
〔セラミックス成分B〕
セラミックス成分Bは、ジルコニア粉末、及び/又は、アルミナ粉末から成る。セラミックス成分Bは、電極を形成する下地セラミックスと同じ材質が好ましく選択される。一般的に導電性金属粉末の焼結温度、融解温度は下地のセラミックス成分に比べて低いため、焼成温度が1200℃以上の高温の場合、導電性金属粉末の焼成収縮は非常に大きい。そのため、導電性ペースト中に焼結温度が高いセラミックス成分を入れることで焼結性、焼成収縮率を調整し、下地セラミックスとの接合性を向上させる。その結果、導電性ペーストを焼結して得られる電極の抵抗値を低くするとともに、下地セラミックスとの接合性を向上させる。
セラミックス成分Bは、ジルコニア粉末、及びアルミナ粉末から成ることも好ましい。ジルコニア粉末は、アルミナ粉末とともに焼結されることにより、ジルコニアとアルミナとから構成される骨格が形成される。この骨格内で、導電性金属粉末は互いに焼結乃至融接されている。ジルコニア粉末は、アルミナ粉末とともに焼結されることによって、過剰な焼結が抑制される(以下、「焼結遅延効果」ともいう)。その結果、セラミックス成分の過剰焼結による偏在を抑制することができ、抵抗値を低くすることができる。アルミナ粉末(後述)は、ジルコニア粉末が存在することにより十分に焼結され、骨格を緻密化させる。
ジルコニア粉末の平均粒子径は、0.05〜2.5μmであることが好ましく、0.06〜2.3μmであることがより好ましく、0.08〜1.0μmであることが更に好ましく、0.1〜0.6μmであることが特に好ましい。平均粒子径が0.05μm未満である場合、粒子の付着力(相互作用)が大きくなるため、導電性ペーストのチキソ性が高くなることで印刷性が悪くなり、カスレなどによる断線が生じる場合がある。平均粒子径が2.5μmを超える場合、焼結性が悪くなるため焼結後においても電極内に大きな空隙が残存する場合がある。その結果、得られる電極は抵抗値が高いものとなる。また、平均粒子径が2.5μmを超える場合、得られる電極の表面が粗くなり、接触抵抗を増加させる場合がある。
ジルコニア粉末としては、各種の安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアを使用することができる。特に、酸化イットリウム(Y)が1〜10モル%添加されたイットリア安定化ジルコニアは、焼成時における相転移が抑制されるため好ましい。なお、ジルコニア(ZrO)の密度(25℃)は、6.0g/cmであり、イットリア安定化ジルコニアの密度(25℃)は通常、5.9〜6.1g/cmである。
アルミナ粉末の平均粒子径は、0.05〜1.0μmであることが好ましく、0.1〜1.0μmであることがより好ましく、0.1〜0.5μmであることが更に好ましく、0.15〜0.25μmであることが特に好ましい。平均粒子径が0.05μm未満である場合、粒子の付着力(相互作用)が大きくなるため、導電性ペーストのチキソ性が高くなることで印刷性が悪くなり、カスレなどによる断線が生じる場合がある。平均粒子径が1.0μmを超える場合、ジルコニア粉末の焼結遅延効果が不十分になる。なお、アルミナの密度(25℃)は通常、3.9〜4.1g/cmである。
前述のセラミックス成分中におけるセラミックス成分Bの割合は、50〜99体積%であり、60〜98体積%であることが好ましく、70〜95体積%であることがより好ましく、80〜90体積%であることが特に好ましい。
セラミックス成分B中におけるジルコニア粉末の割合は10〜90体積%であることが好ましく、さらに好ましくは15〜85体積%であり、特に好ましくは20〜80体積%である。10体積%未満である場合、焼結が不十分になり、骨格内に空隙が多く残存する。その結果、得られる電極は、導電性金属粉末同士が十分に焼結しておらず、抵抗値が高いものとなる。90体積%を超える場合、ジルコニア粉末の焼結が過剰となり、電極中にセラミックス成分が偏在して電極中の導電性粉末同士の繋がりが悪くなる。その結果、得られる電極は抵抗値が高いものとなる。
また、セラミックス成分B中におけるアルミナ粉末の割合は10〜90体積%であることが好ましく、15〜85体積%であることがより好ましく、20〜80体積%であることが特に好ましい。10体積%未満である場合、ジルコニア粉末に対する焼結遅延効果が不十分になり、セラミックス成分の過焼結が起こり、電極中にセラミックス成分が偏在して電極中の導電性粉末同士の繋がりが悪くなる。その結果、得られる電極は抵抗値が高いものとなる。90体積%を超える場合、セラミックス成分の焼結が不十分になり、電極内に空隙が多く残存する。その結果、得られる電極は、導電性金属粉末同士が十分に焼結しておらず、抵抗値が高いものとなる。
〔樹脂〕
本導電性ペーストに配合される樹脂は、ともに配合される有機溶媒(後述)に一部又は全部が溶解して、本導電性ペーストに印刷に適した流動性を付与している。そして、本導電性ペーストによって下地セラミックスに形成された電極パターンが焼成されるまでの間、その電極パターンを保持する。本導電性ペーストに配合される樹脂は、本導電性ペーストを焼成する温度以下の温度で分解して消失することを要する。このような樹脂としては、特に限定されないが、アミノ樹脂、ケトン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ロジン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂などが例示される。
本導電性ペースト中における樹脂の配合量は、特に限定されないが、好ましくは0.5〜10質量%であり、特に好ましくは1〜5質量%である。0.5質量%未満である場合、本導電性ペーストで形成された電極パターンを保持することが困難となる。10質量%を超える場合、セラミックス成分及び導電性金属粉末の焼結を阻害し、電極内に空隙を多く残存させる。その結果、得られる電極は抵抗値が高いものとなる。
〔有機溶媒〕
本導電性ペーストに配合される有機溶媒は、ともに配合される樹脂の一部又は全部を溶解するとともに、導電性金属粉末、セラミックス成分と混練されて本導電性ペーストに印刷に適した流動性を付与している。本導電性ペーストに配合される有機溶媒は、本導電性ペーストを焼成する温度以下の温度で揮散等されて消失することを要する。このような有機溶媒としては、特に限定されないが、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピニルアセテート、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、テキサノールなどが例示される。
本導電性ペースト中に配合される有機溶媒の配合量は、特に限定されないが、好ましくは5〜30質量%であり、特に好ましくは10〜20質量%である。
〔本導電性ペーストの製造方法〕
本導電性ペーストは、有機溶媒、樹脂、導電性金属粉末、セラミックス成分を混練して製造される。混練は各原料を均一に混練できればどのような方法で行ってもよい。例えば、手撹拌、ボールミル、リボンミキサー、インターナルミキサー、スクリュー型ニーダ、ヘンシェルミキサー、マラー型ミル、ロールミル等を用いて行えばよい。樹脂は予め有機溶媒に溶解させ、樹脂溶液とさせていてもよい。
〔本導電性ペーストの使用方法〕
本導電性ペーストを用いて、下地セラミックスに電極を形成する方法について以下に説明する。
先ず、必要に応じて本導電性ペーストに有機溶媒等を加えて粘度を調整し、次に、スクリーン印刷等の方法によって、導電性ペーストから成る電極パターンを下地セラミックスに形成する。この電極パターンは必要に応じて乾燥された後に焼成される。これにより、下地セラミックスに電極が形成される。
焼成温度は、導電性金属粉末の種類、各粉末の粒子径等によって異なるが、一般に1200〜2000℃であり、好ましくは1300〜1800℃であり、特に好ましくは1400〜1600℃である。1200℃未満である場合、セラミックス成分の焼結が十分に進まず、電極内に空隙が形成されやすく、得られる電極の抵抗値が高くなりやすい。2000℃を超えると、導電性金属粉末が蒸発、昇華することで、得られる電極の抵抗値が高くなる可能性がある。
焼成時間は、焼成温度や形成する電極の膜厚によって異なるが、一般に0.5〜5時間であり、好ましくは1〜3時間である。なお、一般に粉末粒子の平均粒子径が小さいほど、低温かつ短時間で焼結されやすい。
本導電性ペーストを1500℃で2時間焼成して形成される電極の比抵抗値は、30μΩ・cm以下であることが好ましく、25μΩ・cm以下であることがより好ましく、20μΩ・cm以下であることがさらに好ましい。電極の比抵抗値の下限は特に限定されないが、一般に10μΩ・cm以上である。
本導電性ペーストを塗布して1500℃で2時間焼成した後の収縮率は30〜60%であることが好ましく、35〜55%であることがより好ましい。この範囲の収縮率であることにより、電極を緻密化させて導電性金属の連続構造を太く形成することができる。なお、焼成収縮率は、焼成前後における電極断面積から下式で計算される値である。
(焼成収縮率(%)= 焼成後電極断面積 / 乾燥後電極断面積 × 100)
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例において体積部とは25℃における体積部をいう。
[電極パターンの密着強度]
直径3mmの焼成後の電極パターンに、L形のSn被覆Cuワイヤーの一方をSnAgCuはんだではんだ付けして他方を用いて引っ張り、この電極パターンの密着強度をアイコーエンジニアリング社製 精密荷重測定器 MODEL−1605IIVを用いて測定した。
〔実施例1〕
平均粒子径1.0μmの白金粉末を100体積部と、セラミックス成分を50体積部と、エチルセルロースを1.5質量部、分散剤としてポリカルボン酸系分散剤を0.5質量部、及びターピネオール15質量部をミキサーを用いて混合し、3本ロールミルを用いて混練して導電性ペーストを得た。ここで、上記セラミックス成分の組成は、平均粒子径0.2μmのアルミナ粉末が47.5体積%、平均粒子径0.5μmのイットリア安定化ジルコニア粉末が47.5体積%、平均粒子径0.3μmのチタニア粉末が5体積%である。この導電性ペーストをアルミナ基板にスクリーン印刷によって塗布後、125℃で10分間乾燥し、次いで1500℃で2時間焼成することによって、アルミナ基板上に電極を形成させた。この電極の抵抗値をデジタルマルチメーターを用いて4端子法で測定し、接触式表面形状測定器を用いて測定された電極の断面積から比抵抗値を算出したところ、18.6μΩ・cmであった。また、焼成収縮率は45.4%であった。
〔実施例2−3、比較例1〕
白金粉末、アルミナ粉末、ジルコニア粉末、チタニア粉末の配合量を表1に記載するとおりに変更した他は、実施例1と同様に導電性ペーストを作製した。これを用いて形成した電極の比抵抗値、焼成収縮率、密着性は表1に記載した。
Figure 2020155344
〔実施例4−6〕
チタニア粉末に変えて平均粒子径0.3μmのシリカ粉末を用いた他は、実施例1〜3と同様に導電性ペーストを作製した。これを用いて形成した電極の比抵抗値、焼成収縮率は表2に記載した。
Figure 2020155344
〔実施例7−8〕
白金粉末、アルミナ粉末、ジルコニア粉末、チタニア粉末の配合量を表3に記載するとおりに変更し、チタニア粉末の平均粒子径を0.25μm(テイカ株式会社製 酸化チタンJR−600A)と0.05μm(テイカ株式会社製 酸化チタンMT−700HD)を用いた他は、実施例1と同様に導電性ペーストを作製した。これを用いて形成した電極の比抵抗値、焼成収縮率は表3に記載した。
Figure 2020155344
〔実施例9−10、比較例2−3〕
白金粉末、アルミナ粉末、ジルコニア粉末、チタニア粉末の配合量を表4に記載するとおりに変更した他は、実施例1と同様に導電性ペーストを作製した。これを用いて形成した電極の比抵抗値、焼成収縮率は表4に記載した。
Figure 2020155344
〔実施例11−12、比較例4−5〕
白金粉末、アルミナ粉末、ジルコニア粉末、チタニア粉末の配合量を表5に記載するとおりに変更した他は、実施例1と同様に導電性ペーストを作製した。これを用いて形成した電極の比抵抗値、焼成収縮率は表5に記載した。
Figure 2020155344

Claims (7)

  1. (1)導電性金属粉末と、
    (2)前記導電性金属粉末100体積部に対して25〜70体積部(25℃)のセラミックス成分と、
    (3)樹脂と、
    (4)有機溶媒と、
    を含んで成り、
    前記セラミックス成分が
    (a)チタニア粉末、及び/又は、シリカ粉末から成るセラミックス成分Aを1〜50体積%(25℃)と、
    (b)ジルコニア粉末、及び/又は、アルミナ粉末から成るセラミックス成分Bを50〜99体積%(25℃)と、
    から成ることを特徴とする電極形成用の導電性ペースト。
  2. 前記セラミックス成分Aがチタニア粉末のみから成る請求項1に記載の導電性ペースト。
  3. 前記セラミックス成分Bにおけるジルコニアの割合が10〜90体積%(25℃)であり、アルミナの割合が10〜90体積%(25℃)である請求項1に記載の導電性ペースト。
  4. 前記導電性金属粉末が白金又は白金合金である請求項1に記載の導電性ペースト。
  5. 前記ジルコニアが、イットリア安定化ジルコニアである請求項1に記載の導電性ペースト。
  6. (1)導電性金属粉末と、
    (2)前記導電性金属粉末100体積部に対して25〜70体積部(25℃)のセラミックス成分と、
    から成る電極であって、
    前記セラミックス成分が、
    (a)チタニア、及び/又は、シリカから成るセラミックス成分Aを1〜50体積%(25℃)と、
    (b)ジルコニア、及び/又は、アルミナから成るセラミックス成分Bを50〜99体積%(25℃)と、
    から成り、前記導電性金属粉末と前記セラミックス成分とが共連続構造を形成していることを特徴とする電極。
  7. 前記電極が、ジルコニア及び/又はアルミナから成る下地の表面に形成されて一体化している請求項6に記載の電極。
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