JP6377504B2 - 電極形成用の導電性ペースト - Google Patents
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(2)レーザー光散乱法による平均粒子径が0.05〜2.5μmのジルコニア粉末と、レーザー光散乱法による平均粒子径が0.1〜1.0μmのアルミナ粉末と、から成る骨材と、
(3)樹脂と、
(4)有機溶媒と、
を含んで成る電極形成用の導電性ペーストであって、
25℃における前記導電性金属粉末100体積部に対し、前記骨材を25〜80体積部含み、
且つ前記骨材中における前記ジルコニア粉末の割合が8〜94質量%であり、前記アルミナ粉末の割合が6〜92質量%であることを特徴とする電極形成用の導電性ペースト。
本導電性ペーストに配合される導電性金属粉末は、本導電性ペーストを焼成することによって焼結される。本導電性ペーストに配合される導電性金属粉末は、導電性の金属であって、ともに配合されるジルコニア粉末及びアルミナ粉末(後述)よりも低い温度で焼結される金属であれば、どのような物でも利用できる。例えば、金、銀、白金、パラジウム、銅、ロジウム、ニッケル、これら金属の合金、これら金属と他の金属との合金が挙げられる。これらの導電性金属粉末は、単独で配合しても良いし、混合して配合しても良い。特に好ましいのは、白金又は白金合金である。白金合金の場合、合金元素の配合量は、0.1〜50質量%であることが好ましい。
本導電性ペーストに配合される骨材は、レーザー光散乱法による平均粒子径が0.05〜2.5μmのジルコニア粉末と、レーザー光散乱法による平均粒子径が0.1〜1.0μmのアルミナ粉末と、から成る。ジルコニア粉末は、アルミナ粉末とともに焼結されることによって、過剰な焼結が抑制される。その結果、骨格部内に大きな空隙が形成されることが抑制される(以下、「焼結遅延効果」ともいう)。
本導電性ペーストに配合されるジルコニア粉末は、アルミナ粉末とともに焼結される。これにより、ジルコニアとアルミナとから構成される骨格部が形成される。この骨格部内で、前記導電性金属粉末は互いに焼結乃至融接されている。アルミナ粉末(後述)は、ジルコニア粉末が存在することにより十分に焼結され、骨格部を緻密化させる。
本導電性ペーストに配合されるアルミナ(Al2O3)粉末は、ジルコニア粉末とともに焼結される。これにより、ジルコニアとアルミナとから構成される骨格部が形成される。この骨格部内で、前記導電性金属粉末は互いに焼結乃至融接されている。ジルコニア粉末は、アルミナ粉末とともに焼結されることによって、過剰な焼結が抑制される。その結果、骨格部内に大きな空隙が形成されることが抑制される。
本導電性ペーストに配合される樹脂は、ともに配合される有機溶媒(後述)に一部又は全部が溶解して、本導電性ペーストの粘度を上昇させる。そして、本導電性ペーストによって下地セラミックに形成された電極パターンが焼成されるまでの間、その電極パターンを保持する。本導電性ペーストに配合される樹脂は、本導電性ペーストを焼成する温度以下の温度で分解して消失することを要する。このような樹脂としては、特に限定されないが、アミノ樹脂、ケトン樹脂、エチルセルロース、ニトロセルロースが例示される。
本導電性ペーストに配合される有機溶媒は、ともに配合される樹脂の一部又は全部を溶解するとともに、導電性金属粉末、ジルコニア粉末、アルミナ粉末と混練されてペーストを形成する。本導電性ペーストに配合される有機溶媒は、本導電性ペーストを焼成する温度以下の温度で揮散等されて消失することを要する。このような有機溶媒としては、特に限定されないが、エチレングリコール、グリセリン、ターピネオール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、テキサノールが例示される。
本導電性ペーストは、有機溶媒、導電性金属粉末、ジルコニア粉末、アルミナ粉末を混練して製造される。混練は各原料を均一に混練できればどのような方法で行ってもよい。例えば、手撹拌、ボールミル、リボンミキサー、インターナルミキサー、スクリュー型ニーダ、ヘンシェルミキサー、マラー型ミル、ロールミル等を用いて行えばよい。有機溶媒には、混練前及び/又は後に、樹脂が添加され、粘度が調整される。
本導電性ペーストを用いて、下地セラミックに電極を形成する方法について以下に説明する。
先ず、必要に応じて本導電性ペーストに有機溶媒等を加えて粘度を調整し、次に、スクリーン印刷等の方法によって、導電性ペーストから成る電極パターンを下地セラミックに形成する。この電極パターンは必要に応じて乾燥された後に焼成される。これにより、下地セラミックに電極が形成される。
平均粒子径1.3μmの白金粉末を100質量部、平均粒子径0.2μmのアルミナ粉末を14.13質量部、平均粒子径0.5μmのイットリア安定化ジルコニア粉末を1.23質量部、エチルセルロースを1.70質量部、分散剤としてポリカルボン酸系分散剤を0.50質量部、及びターピネオールを15質量部を混合し、3本ロールミルを用いて室温で1時間(ペースト100g当り)混練して導電性ペーストを得た。この導電性ペーストをアルミナ基板にスクリーン印刷によって塗布後、125℃で10分間乾燥し、次いで1450℃で2時間焼成することによって、アルミナ基板上に電極を形成させた。この電極の抵抗値をデジタルマルチメーターを用いて4端子法で測定し、接触式表面形状測定器を用いて測定された電極の膜厚から比抵抗値を算出したところ、35.5μΩ・cmとなった。
白金粉末、アルミナ粉末、ジルコニア粉末の配合量を表1に記載するとおりに変更した他は、実施例1と同様に導電性ペーストを作成した。これを用いて形成した電極の比抵抗値は表1に記載した。なお、実施例1−5、及び比較例1−2においては、骨材の配合量は、白金100体積部に対して80体積部である。
白金粉末、アルミナ粉末、ジルコニア粉末の配合量を表1に記載するとおりに変更した他は、実施例1と同様に導電性ペーストを作成した。これを用いて形成した電極膜の比抵抗値は表1に記載した。なお、実施例6−10、及び比較例3−4においては、骨材の配合量は、白金100体積部に対して66.7体積部である。
白金粉末、アルミナ粉末、ジルコニア粉末の配合量を表1に記載するとおりに変更した他は、実施例1と同様に導電性ペーストを作成した。これを用いて形成した電極膜の比抵抗値は表1に記載した。なお、実施例11−15、及び比較例5−6においては、骨材の配合量は、白金100体積部に対して53.4体積部である。
白金粉末、アルミナ粉末、ジルコニア粉末の配合量を表1に記載するとおりに変更した他は、実施例1と同様に導電性ペーストを作成した。これを用いて形成した電極膜の比抵抗値は表1に記載した。なお、実施例16−20、及び比較例7−8においては、骨材の配合量は、白金100体積部に対して40.1体積部である。
白金粉末、アルミナ粉末、ジルコニア粉末の配合量を表1に記載するとおりに変更した他は、実施例1と同様に導電性ペーストを作成した。これを用いて形成した電極膜の比抵抗値は表1に記載した。なお、実施例21−25、及び比較例9−10においては、骨材の配合量は、白金100体積部に対して26.8体積部である。
白金粉末、アルミナ粉末、ジルコニア粉末の配合量を表1に記載するとおりに変更した他は、実施例1と同様に導電性ペーストを作成した。これを用いて形成した電極膜の比抵抗値は表1に記載した。なお、比較例11−17においては、骨材の配合量は、白金100体積部に対して18.2体積部である。
白金粉末、アルミナ粉末、ジルコニア粉末の配合量を表1に記載するとおりに変更した他は、実施例1と同様に導電性ペーストを作成した。これを用いて形成した電極膜の比抵抗値は表1に記載した。なお、比較例18−24においては、骨材の配合量は、白金100体積部に対して90.0体積部である。
アルミナの平均粒子径を表2に記載するものに変更した他は、実施例18と同様に導電性ペーストを作成した。これを用いて形成した電極膜の比抵抗値を測定した。結果は表2に示した。
ジルコニアの平均粒子径を表2に記載するものに変更した他は、実施例18と同様に導電性ペーストを作成した。これを用いて形成した電極膜の比抵抗値を測定し、表2に記載した。
アルミナ及びジルコニアの平均粒子径を表2に記載するものに変更した他は、実施例18と同様に導電性ペーストを作成した。これを用いて形成した電極膜の比抵抗値を測定し、表2に記載した。
Claims (3)
- (1)導電性金属粉末と、
(2)レーザー光散乱法による平均粒子径が0.05〜2.5μmのジルコニア粉末と、レーザー光散乱法による平均粒子径が0.1〜1.0μmのアルミナ粉末と、から成る骨材と、
(3)樹脂と、
(4)有機溶媒と、
を含んで成る電極形成用の導電性ペーストであって、
25℃における前記導電性金属粉末100体積部に対し、前記骨材を25〜80体積部含み、
且つ前記骨材中におけるジルコニアの割合が8〜94質量%であり、アルミナの割合が6〜92質量%であることを特徴とする電極形成用の導電性ペースト。 - 前記導電性金属粉末が白金又は白金合金である請求項1に記載の導電性ペースト。
- 前記ジルコニアが、イットリア安定化ジルコニアである請求項1に記載の導電性ペースト。
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