JPH06215617A - 焼成用導電性ペースト - Google Patents

焼成用導電性ペースト

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JPH06215617A
JPH06215617A JP489393A JP489393A JPH06215617A JP H06215617 A JPH06215617 A JP H06215617A JP 489393 A JP489393 A JP 489393A JP 489393 A JP489393 A JP 489393A JP H06215617 A JPH06215617 A JP H06215617A
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JP
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powder
copper
weight
particle size
paste
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Withdrawn
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JP489393A
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Inventor
Akira Fujii
昌 藤井
Akinori Yokoyama
明典 横山
Yoshio Hayashi
善夫 林
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 粒度分布の異なる導電性粗粉末及び導電性微
粉末、酸化物除去剤、銅酸化物を含有する焼成用組成
物。 【効果】 この組成物を使用する事によって、緻密で接
着性に優れ、またハンダ濡れ性、耐マイグレーション
性、導電性、耐酸化性に優れた焼成膜を作製できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性、耐酸化性、耐
マイグレーション性、ハンダ付け性に優れるのみなら
ず、接着強度においても優れる焼成用導電性ペーストに
関するものである。電磁波シールド、セラミックコンデ
ンサー電極、マイクロコンデンサー電極、圧電素子電
極、バリスタ電極、サーミスタ電極、太陽電池用電極、
チップ抵抗器用導電ペースト、抵抗ネットワーク用導電
ペースト、可変抵抗用導電ペースト、導電回路用ペース
ト、スルーホール用導電ペースト等に応用できる。
【0002】
【従来の技術】従来、導電性厚膜ペーストは、金属粉
末、ガラスフリットを必要に応じて有機バインダー及び
溶剤に分散させたものが公知であり、セラミックス基板
などの耐熱性の良い基板上に印刷され、600〜900
℃前後で焼成され、厚膜導電体が形成されている。この
場合に用いられる金属粉末としては、金、銀、白金、銀
−パラジウム、銅粉末等があげられる。
【0003】公知厚膜ペーストとして用いられている金
属粉末、たとえば金、白金、銀、銀−パラジウム、銀メ
ッキ複合粉には、以下の欠点がある。金、白金、銀、銀
−パラジウム等の貴金属は非常に高価であり、さらに銀
はエレクトロマイグレーションを起こし易く、銀−パラ
ジウムは導電性が劣る。銅粉を用いた導電性ペースト
は、保存中に酸化により導電性が低下したり、焼成時に
酸化を起こし易く、焼成雰囲気のコントロール(ドーピ
ング酸素量のコントロール)が困難であり、焼成膜のハ
ンダ付けの際、十分なハンダの接着強度、濡れ面積が得
られない問題がある。
【0004】また銅導体ペーストにおいては、長期間の
高温あるいは熱サイクル下の使用において基盤との接着
強度が低下するという問題点がある。銅導体ペーストの
基板との接着強度を向上する手段として銅酸化物を添加
する方法が開示されている(特開昭62−110202
号公報、特開平3−208831号公報)。ところがペ
ースト中において、銅酸化物の長期的に安定な分散状態
を得るのは困難であり、分散不良によって基板との接着
強度の劣化、ハンダ濡れ性の阻害、導電性の阻害、印刷
性の不良などが生じる。。
【0005】また銅導体ペーストは厚膜抵抗体と組み合
わせて使用する場合には400〜700℃以下の金属の
融解が生じない温度で焼成する必要がある。そのため従
来使用されている低温焼成用銅導体ペーストは焼結性が
悪く、平滑な表面及び十分な導電性が得られない欠点が
ある。低温焼成用の銅導体ペーストで、超微細銅粉末の
添加によって焼結性を向上させる方法が開示されている
(特開平3−167713号公報、特開平2−2637
31号公報)。しかし超微粉は凝集して二次粒子を形成
し易く、取扱いが困難であり、生産性が悪い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、焼成後の焼
成膜、特に600℃以下の低温の焼成条件における焼成
膜密度の向上と共に熱エージング後あるいは熱サイクル
後の接着強度を向上させ、かつハンダ濡れ性、耐マイグ
レーション性、導電性、耐酸化性にも優れた焼成用導電
性ペーストを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、以下のとおりである。 1.(I)平均粒径(重量基準メジアン径、以下同じ)
5μm以上30μm以下の銅、銅系合金またはそれらの
混合物粉末であって、該平均粒径の0.5倍以上の大き
さの粒子の含有率が75重量%以上で、かつ該平均粒径
の1.5倍以上の大きさの粒子の含有率が5重量%以上
であるような粒度分布の導電性金属粗粉末と、(II)
平均粒径0.1μm以上5μm未満の銅、銅系合金また
はそれらの混合物粉末であって、該平均粒径の0.5倍
以下の大きさの粒子の含有率が3重量%以上で、かつ該
平均粒径の1.5倍以下の大きさの粒子が70重量%以
上であるような粒度分布の導電性金属微粉末との混合物
であり、その混合比(I:II)が1:0.1〜1:1
0である導電性金属混合粉末100重量部、ガラスフリ
ット0.1〜30重量部、および銅酸化物0.01〜2
0重量部を酸化物除去剤と共に有機ビヒクル中に分散し
てなることを特徴とする焼成用導電性ペースト。 2.銅酸化物がCuO、Cu2 Oまたはそれらの混合物
であって、平均粒径が0.01〜20μmである銅酸化
物粉末であり、かつ銅酸化物と銅酸化物除去剤との重量
比が1:0.001〜1:10であることを特徴とする
上記1に記載の焼成用導電性ペースト。 3.銅系合金粉末が、一般式AgxCuyMz(ただ
し、MはBi、Pb、Znより選ばれた1種以上の金属
であり、x、y、zは原子比で表して、0.001≦x
≦0.4、0.6≦y≦0.999、0≦z≦0.05
(x+y+z=1)で表され、粒子表面の銀濃度が平均
の銀濃度より高く、かつ、粒子表面に向かって銀濃度が
増加する領域を有する銅合金粉末であることを特徴とす
る上記1または2に記載の焼成用導電性ペースト。 4.銅酸化物除去剤が炭素数8〜24の長鎖脂肪酸、そ
の金属塩、または上記長鎖脂肪酸がTi,Si,P,Z
r,Alのうちから選ばれる原子のハイドロキシドとエ
ステル結合した化合物であることを特徴とする上記1、
2または3に記載の焼成用導電性ペースト。
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
用いる導電性金属混合粉末は、60重量%以上の銅を含
有し、2種類の異なる粒度分布からなるなる銅、銅系合
金、またはそれらの混合物粉末を混合して得られる銅、
銅系合金、またはそれらの混合物粉末である。2種類の
粒度分布を持つ銅、銅系合金、またはそれらの混合物粉
末を粗粉末及び微粉末とすると、それぞれの銅、銅合金
またはそれらの混合物粉末の粒度分布は以下のように表
現できる。
【0009】粗粉末:平均粒子径(重量基準メジアン
径)が5〜30μmであって、該平均粒径の0.5倍以
上の大きさの粒子の含有率が75重量%以上で、かつ該
平均粒径の1.5倍以上の大きさの粒子の含有率が5重
量%以上であるような導電性金属粉末であり、好ましく
は、平均粒子径が5〜10μmであって、該平均粒径の
0.5倍以上の大きさの粒子が85重量%以上で、かつ
該平均粒径の1.5倍以上の大きさの粒子の含有率が1
0重量%以上であるもの。
【0010】微粉末:平均粒子径が0.1μm以上5μ
m未満であって、該平均粒径の0.5倍以下の大きさの
粒子の含有率が3重量%以上で、かつ平均粒径の1.5
倍以下の大きさの粒子が70重量%以上であるような導
電性金属微粉末であり、好ましくは平均粒子径が1〜4
μmであって、該平均粒径の0.5倍以下の大きさの粒
子の含有率が10重量%以上で、かつ平均粒径の1.5
倍以下の大きさの粒子が80重量%以上であるもの。
【0011】また粗粉末と微粉末の重量比は1:0.0
1〜1:10の範囲であるが、1:0.05〜1:5の
範囲が好ましく、1:0.1〜1:1の範囲がより好ま
しい。粒度分布及び平均粒子径の測定には、レーザー回
折型粒度分布測定装置((株)島津製作所製 SALD
1100)により行った。測定条件は、エチレングリコ
ール分散媒を用いて十分粉末を分散させながら5回測定
を繰り返し、体積基準粒度分布の5回の測定値の平均値
を粉末の粒度分布とした。銅および銅合金粉以外のガラ
スフリット、銅酸化物等の粒子の粒度分布の測定もこの
方法によって測定した。
【0012】本発明で用いる銅または銅合金粉末は電解
法、還元法、アトマイズ法などの公知の方法で作成する
ことが可能であるが、その中でもアトマイズ法、特にガ
スアトマイズ法が好ましい。最も好ましくは特開平2−
282401号公報に開示されているガスアトマイズ法
により作成された銅合金粉末である。粒子形状は球状、
樹枝状、涙滴状、フレーク状、りんぺん状及びこれらの
混合体などが可能であるが、球状が最も好ましい。
【0013】本発明で用いることのできるガラスフリッ
トは、所定の温度で溶融し、金属粉末どうし、あるいは
金属導電体と基板を強固に固着させるためのものであ
る。本発明の組成物には、公知のガラスフリットが使用
できるが、好ましくはB2 3−SiO2 −ZnO、B
2 3 −SiO2 −PbO、PbO−ZnO−B
2 3、PbO−B2 3 を主成分としたものである。
これらに必要であれば基板との接着強度をさらに向上さ
せるために、酸化ビスマス、酸化マンガン、酸化チタン
などの金属酸化物や、タングステンなどの金属微粉末を
添加してもかまわない。ガラスフリットの軟化点は基板
との接着強度、焼結性の点から900℃以下300℃以
上が好ましく、さらに350℃以上800℃以下が好ま
しい。特に本発明の導電性ペーストを700℃以下で低
温焼成して用いる場合には、350℃以上600℃以下
が好ましい。ガラスフリットの構造としては、前記述ガ
ラスフリット組成物の結晶質、非晶質、あるいはそれら
の混合ガラスフリットを用いることが出来る。
【0014】ガラスフリットの粒径としては、十分な焼
結性を得るために、0.01〜30μm程度の平均粒径
のものが好ましく、0.1〜5μmがより好ましい。こ
こで記述される平均粒径は、前記述のレーザー回折法で
測定した平均粒径を示す。ガラスフリットの使用量は、
導電性金属混合粉末100重量部に対して0.1〜30
重量部であるが、0.1重量部よりも少ない場合は基板
との十分な接着強度が得られず、30重量部を越える場
合にはハンダ付け性が悪くなる。好ましいガラスフリッ
トの使用量は3〜20重量部である。
【0015】本発明に使用される銅酸化物は基板との接
着強度の向上のために添加され、CuO、Cu2 O、も
しくはそれらの混合物を用いることが出来る。CuOと
Cu 2 Oの混合比は任意の比が可能である。銅酸化物の
重量基準粒度分布は、粒子径2μm以下のものが全酸化
銅粒子の10重量%以上、粒子径10μm以下のものが
全酸化銅粒子の50重量%以上であり、平均粒子径が
0.01〜20μmであるものを用いることが出来、粒
子径2μm以下の粒子が全酸化銅粒子の50重量%以上
であり、5μm以下のものが全酸化銅粒子の85重量%
以上、10μm以下の粒子が97重量%以上であり平均
粒子径が0.1〜5μmのものがより好ましい。
【0016】銅酸化物の使用量は、導電性金属混合粉末
100重量部に対して0.01〜20重量部であるが、
好ましくは0.1〜10重量部であり、より好ましくは
0.1〜4重量部である。0.01重量部より少ない添
加では、酸素含有量が20ppm以下の窒素ガス雰囲気
中で焼成した場合に基板との十分な接着強度を得ること
が出来ず、また20重量部を越える添加はハンダ濡れ性
を阻害する。
【0017】本発明において使用される有機ビヒクルは
各粉末を分散させ、ペースト状にするものである。有機
ビヒクルとは有機バインダー及び/または溶剤からなる
ものである。有機バインダーとしては、エチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、
ニトロセルロース、エチルセルロース誘導体、アクリル
系樹脂、ブチラール樹脂、アルキッドフェノール樹脂、
エポキシ樹脂、木材ロジンなどが挙げられる。アクリル
系樹脂としては、たとえばポリメタアクリル酸ブチルエ
ステル、ポリメタアクリル酸イソブチルエステル、低級
アルコールのポリメタアクリレートを含むものが挙げら
れる。ブチラール樹脂としては、ポリビニルブチラール
樹脂が好ましい。有機バインダーは分解温度が500℃
以下のものが好ましい。分解温度の高いものを使用する
と、焼成による有機バインダーの分解が不十分になり、
焼成膜のハンダ濡れ性、導電性を阻害し、基盤との接着
強度の低下をもたらす。分解温度の測定は熱天秤を用
い、樹脂の重量が50%減量するときの温度を測定し
た。有機バインダーの使用量としては、導電性金属混合
粉末100重量部に対して5重量部以下が好ましく、よ
り好ましくは1重量部以下であり、最も好ましくは0.
5重量部以下である。5重量部以上の有機バインダーの
使用は、焼成による有機バインダーの分解が不十分にな
り、焼成膜のハンダ濡れ性、導電性を阻害し、基盤との
接着強度の低下をもたらす。本発明で用いる場合には、
これらの樹脂を溶剤等へ分散させて用いることが好まし
く、公知の溶剤を用いることができる。しかし、必ずし
も樹脂を用いる必要はなく、適度の粘性、印刷性が得ら
れれば、溶剤のみを有機ビヒクルとして用いて構わな
い。
【0018】溶剤としては、公知の溶剤で構わないが、
かかる組成物の保存時に揮散が少なく、かつ適度の粘度
を与え、さらに印刷適性に優れた溶剤が好ましい。例え
ば、テルピネオールやブチルカルビトール、エチルカル
ビトール、メチルカルビトール、エチルセロソルブ、ブ
チルセロソルブ、フェノキシプロパノール等のエーテル
類、ブチルカルビトールアセテート、エチルカルビトー
ルアセテート、メチルカルビトールアセテート、エチル
セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、
酢酸エチル、酢酸ブチル、ジブチルフタレート、2−2
−4トリメチル1−3ペンタンジオールジイソブチレー
ト、2−2−4トリメチル1−3ペンタンジオールモノ
イソブチレート等のエステル類、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン等のケトン類、n−メチルピリ
ジン、ミネラルスピリット、トルエン、キシレン、シメ
ン、エチルデシルベンゼン、ドデシルベンゼン等の炭化
水素類およびこれらの溶剤の混合物が挙げられる。
【0019】溶剤の使用量としては、粘性及び印刷性を
損なわない程度であれば良く、例えば導電性金属混合粉
末100重量部に対して、1〜50重量部が好ましい
が、より好ましくは2〜20重量部である。本発明にお
いて使用される酸化物除去剤は、添加した銅酸化物及び
銅または銅合金粉末中に含まれる銅酸化物の一部を除去
し、これをイオンまたは微細粒子としてペースト中に安
定に存在させ、かつ除去されずに残った酸化物、銅また
は銅合金粉末の表面を滑らかにすることにより、それら
を高充填状態で安定にペースト中に分散させるものであ
る。
【0020】酸化物除去剤には炭素数8〜24の長鎖脂
肪酸、その金属塩、または上記長鎖脂肪酸がTi,S
I,P,Zr,Alのうちから選ばれる原子のハイドロ
キシドとエステル結合した化合物を使用することが好ま
しいが、炭素数16〜22の長鎖脂肪酸、その金属塩、
または炭素数16〜22の長鎖脂肪酸がTi,Si,
P,Zr,Alのうちから選ばれる原子のハイドロキシ
ドとエステル結合した化合物がより好ましい。上記長鎖
脂肪酸と金属塩を形成する金属としては、Na、K、P
bなどが好ましい。また、上記長鎖脂肪酸がTi,S
i,P,Zr,Alのうちから選ばれる原子のハイドロ
キシドとエステル結合した化合物は、上記原子のハイド
ロキシドに上記長鎖脂肪酸が一つ以上結合していれば構
わない。
【0021】酸化物除去剤の使用量は、導電性金属混合
粉末100重量部に対して、0.001〜0.5重量部
が好ましく、0.005〜0.1重量部がさらに好まし
い。0.001部以下の添加量では酸化物除去剤として
十分な機能を果たさず、また0.5重量部を越える添加
では、ハンダ濡れを阻害し、また基板との接着強度の低
下をもたらす。
【0022】本発明において使用する酸化物除去剤は、
上記の添加の範囲を越えなければ複数の種類のものを同
時に使用して構わない。本発明において使用する銅酸化
物と酸化物除去剤の重量比は、銅酸化物: 酸化物除去剤
=1: 0.001〜1: 10である事が好ましく、より
好ましくは1:0.001〜1: 0.2である。この範
囲を越えて銅酸化物の重量比が多い場合には、ハンダ濡
れを阻害および基板との接着強度の低下が生じる。また
この範囲を越えて酸化物除去剤の重量比が多い場合に
は、基板との接着強度の低下が生じる。
【0023】本発明において使用される、異なる粒径分
布を持った銅または銅合金粉末、ガラスフリット、酸化
銅粉末は、異種粉末同士の凝集による分散不良を防止す
るために、それぞれを個別に酸化物除去剤と共にビヒク
ル中に分散し、その後に個々の粉末が分散したペースト
を混合することによって作成されることが好ましい。そ
の場合、個別の粒子が分散したペーストを作成する場
合、それらのペーストを混合したペーストを作成する場
合のいずれにも、ライカイ機、プラネタリーミキサー、
二本ロールミル、三本ロールミルなどの公知の混練機を
用いることが可能である。
【0024】組成物の好ましい粘度は、たとえばブルッ
クフィールドHTB粘度計で#5のスピンドルを用い、
15rpmで25℃で測定して、500Pa・s以下5
0Pa・s以上が好ましく、さらに400Pa・s以下
100Pa・s以上が好ましい。本発明の組成物を印刷
する場合、スクリーン印刷、バーコート、ドクターブレ
ード法、グラビア法、フレクシャー法、オフセット法、
マグネトナー法などの公知の方法でかまわない。印刷す
る基板としては、アルミナ、フォルステライト、ステア
ライト、コージェライト、ムライト、窒化アルミニウ
ム、炭化珪素、ガラスなどを主成分にした硬質あるいは
フレキシブルなセラミック基板、ステンレスなどの金属
基板、ほうろう基板、ガラス基板が好ましい。
【0025】本発明の組成物を焼成する場合には、焼成
温度はガラスフリットの軟化点以上で、銅または銅合金
粉末の焼結が起こるのに十分な温度が好ましく、たとえ
ば500〜980℃であり、より好ましくは550〜7
00℃である。焼成雰囲気は不活性雰囲気であることが
好ましいが、ペースト中に含まれる有機ビヒクルをより
効率よく燃焼させる手段として、1000ppm以下の
酸素を導入しても構わない。
【0026】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。本発明の組成物の特性は、抵抗率、ハンダ付け
性、接着強度、ハンダ食われ、マイグレーション試験に
ついて測定した。抵抗率は4端子試験法を用いて、0.
5mm×35mmの導電体を作成してその両端の抵抗値
を測定して求めた。
【0027】接着強度の測定は、基板上に2mm×2m
mに焼成した膜にマイルド活性フラックスをつけ、23
0℃のPb/Sn共晶ハンダ浴中10秒間浸漬して、直
径0.6の銅線をハンダ付けし、インストロン型引っ張
り試験機を用いてピール強度を測定した。この時の接着
強度が1Kg/4mm2 以上の場合を良とした。接着強
度測定は、焼成直後、高温放置後、熱サイクル後につい
て行った。高温放置は導線をハンダ付けした焼成膜をオ
ーブンによって空気中で150℃、200時間保つこと
によって行った。熱サイクルは、導線をハンダ付けした
焼成膜を空気中で、−55℃に30分保持後150℃に
30分保持する事を1サイクルとする熱サイクルを20
0サイクルかけることによって行った。
【0028】ハンダ付け性は20mm×20mmの焼成
膜を作製後、膜にマイルド活性フラックスをつけ、23
0℃のPb/Sn共晶ハンダ浴中に10秒間浸漬した
後、ハンダによる濡れ被覆面積を目視でピンホール数を
数えることによって測定した。ハンダ付け性のテストは
焼成直後および高温放置後について行った。高温放置は
焼成膜をオーブンによって空気中で150℃、10時間
保つことによって行った。
【0029】ハンダ食われの測定は、アルミナ基板上へ
200μm×50mmの焼成膜を作成後、260℃のP
b/Sn共晶ハンダ浴中に10秒間浸漬するサイクルを
繰り返し、何サイクルで断線が生じるかを測定した。マ
イグレーションの測定方法は、1mm間隔のギャップを
持つ導体を作製し、ギャップ上に0.2mlの水滴を滴
下し、さらに導体間に10Vの直流電圧を印加したとき
のリーク電流が100μAに達するまでの時間を測定し
た。
【0030】
【実施例1〜10および比較例1〜4】導電性粗粉末と
しては表1に示した物を使用した。導電性微粉末として
は表2に示した物を使用した。ガラスフリットは主成分
がPbO−ZnO−B2 3 で、平均粒径2.9μm、
軟化点480℃の物を使用した。銅酸化物としては、表
3に示した物を使用した。有機バインダーは表4に示し
た組成の溶液にして使用した。酸化物除去剤は表5に示
した組成の溶液にして使用した。
【0031】各実施例に使用した原料の選択は表6に示
した。各実施例における原料の組成比は表7に示した。
導電性粗粉末、導電性微粉末、ガラスフリット、銅酸化
物の各粉末を個別に、表4に示した組成物と表5に示し
た組成物の混合物から成る有機ビヒクル中に分散し、粉
末別ペーストを作製した。混練はそれぞれの粉末別ペー
ストに関して三本ロールミルを使用した。
【0032】焼成用導電性ペーストは、各粉末別ペース
トを各成分の重量比が表7に示した割合になるように混
合し、必要に応じて溶剤を加え、三本ロールミルを用い
て混練した。各実施例の焼成用導電性ペーストは300
メッシュのステンレス製スクリーンを用いて、アルミナ
基板上にスクリーン印刷を行った。
【0033】焼成はワトキンス・ジョンソン社製ベルト
コンベア炉を用いて、ピーク温度600℃10分間、全
焼製時間1時間で窒素雰囲気中で行った。昇温時、44
0℃までのゾーンには、表8に示した濃度の酸素をドー
プした。焼成した厚膜の性能評価結果は表9に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
【表6】
【0040】
【表7】
【0041】
【表8】
【0042】
【表9】
【0043】
【発明の効果】本発明は、ペースト中の金属粉末充填率
及び、焼成後の焼成膜、特に600℃以下の低温の焼成
条件における焼成膜の密度を向上せしめ、過剰な酸化物
の添加をすることなく、熱エージング後の接着強度およ
び熱サイクル後の接着強度を向上させ、さらにハンダ濡
れ性、耐マイグレーション性、導電性、耐酸化性にも優
れた焼成用導電性ペーストの提供を可能にするものであ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 1/09 A 6921−4E // H01G 1/01 9174−5E

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)平均粒径(重量基準メジアン径、
    以下同じ)5μm以上30μm以下の銅、銅系合金また
    はそれらの混合物粉末であって、該平均粒径の0.5倍
    以上の大きさの粒子の含有率が75重量%以上で、かつ
    該平均粒径の1.5倍以上の大きさの粒子の含有率が5
    重量%以上であるような粒度分布の導電性金属粗粉末
    と、(II)平均粒径0.1μm以上5μm未満の銅、
    銅系合金またはそれらの混合物粉末であって、該平均粒
    径の0.5倍以下の大きさの粒子の含有率が3重量%以
    上で、かつ該平均粒径の1.5倍以下の大きさの粒子が
    70重量%以上であるような粒度分布の導電性金属微粉
    末との混合物であり、その混合比(I:II)が1:
    0.1〜1:10である導電性金属混合粉末100重量
    部、ガラスフリット0.1〜30重量部、および銅酸化
    物0.01〜20重量部を酸化物除去剤と共に有機ビヒ
    クル中に分散してなることを特徴とする焼成用導電性ペ
    ースト。
  2. 【請求項2】 銅酸化物がCuO、Cu2 Oまたはそれ
    らの混合物であって、平均粒径が0.01〜20μmで
    ある銅酸化物粉末であり、かつ銅酸化物と銅酸化物除去
    剤との重量比が1:0.001〜1:10であることを
    特徴とする請求項1に記載の焼成用導電性ペースト。
  3. 【請求項3】 銅系合金粉末が、一般式AgxCuyM
    z(ただし、MはBi、Pb、Znより選ばれた1種以
    上の金属であり、x、y、zは原子比で表して、0.0
    01≦x≦0.4、0.6≦y≦0.999、0≦z≦
    0.05(x+y+z=1)で表され、粒子表面の銀濃
    度が平均の銀濃度より高く、かつ、粒子表面に向かって
    銀濃度が増加する領域を有する銅合金粉末であることを
    特徴とする請求項1または2に記載の焼成用導電性ペー
    スト。
  4. 【請求項4】 銅酸化物除去剤が炭素数8〜24の長鎖
    脂肪酸、その金属塩、または上記長鎖脂肪酸がTi,S
    i,P,Zr,Alのうちから選ばれる原子のハイドロ
    キシドとエステル結合した化合物であることを特徴とす
    る請求項1、2または3に記載の焼成用導電性ペース
    ト。
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