JP2018049044A - ペリクル用支持枠及びペリクル並びにその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
アルミニウム又はアルミニウム合金からなるフレーム材と、
前記フレーム材の表面に形成されたフッ素樹脂コーティング層と、を有すること、
を特徴とするペリクル用支持枠を提供する。
前記フレーム材と、
前記フレーム材の表面に形成された陽極酸化皮膜と、
前記陽極酸化皮膜の表面に形成されたフッ素樹脂コーティング層と、
を有していることが好ましい。
80℃の純水に4時間浸漬させて溶出したイオン濃度を測定するイオン溶出試験において、表面積100cm2あたりの純水100ml中への溶出濃度が、酢酸イオン0.2ppm以下、ギ酸イオン0.2ppm以下、シュウ酸イオン0.2ppm以下、硫酸イオン0.1ppm以下、硝酸イオン0.2ppm以下、亜硝酸イオン0.2ppm以下、塩素イオン0.2ppm以下、リン酸イオン0.1ppm以下、及びアンモニウムイオン0.1ppm以下であること、が好ましい。ペリクル用支持枠のイオン溶出量をこれらの値に抑えることで、リソグラフィ中のヘイズ発生を略完全に抑制することができる。
アルミニウム又はアルミニウム合金からなるフレーム材に陽極酸化処理を施す第一工程と、
前記陽極酸化処理によって形成された陽極酸化皮膜の表面にフッ素樹脂コーティング処理を施す第二工程と、を有すること、
を特徴とするペリクル用支持枠の製造方法も提供する。
上述の本発明のペリクル用支持枠と、
前記ペリクル用支持枠に支持されたペリクル膜と、
を有するペリクル、も提供する。
本発明のペリクル用支持枠の概略断面図を図1に示す。ペリクル用支持枠1においては、フレーム材2の表面に陽極酸化皮膜4が形成され、陽極酸化皮膜4の表面にフッ素樹脂コーティング層6が形成されている。
本発明のペリクル用支持枠1の製造方法は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるフレーム材2にフッ素樹脂コーティング処理を施すもので、フレーム材2に陽極酸化処理を施す第一工程(S01)と、陽極酸化処理によって形成された陽極酸化皮膜4の表面にフッ素樹脂コーティング処理を施す第二工程(S02)と、を有している。以下、各工程等について詳細に説明する。
第一工程(S01)は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるフレーム材2に陽極酸化処理を施し、陽極酸化皮膜4を形成させる工程である。陽極酸化処理の条件は本発明の効果を損なわない限りにおいて特に限定されず、従来公知の種々の陽極酸化処理を用いることができるが、アルカリ性の浴中で処理を施すことが好ましい。
第二工程(S02)は、陽極酸化処理によって形成された陽極酸化皮膜4の表面にフッ素樹脂コーティング層6を施す工程である。
本発明のペリクル用支持枠の製造方法においては、更に、顔料、自然発色及び電解着色のうちの少なくとも一つによって、明度指数*L値を調整する発色工程を有すること、が好ましい。なお、顔料、自然発色及び電解着色を用いた発色方法については、本発明の効果を損なわない限りにおいて特に限定されず、従来公知の種々の発色方法を用いることができる。
本発明のペリクル用支持枠を用いて構成された本発明のペリクルの一例の概略断面図及び本発明のペリクル枠の概略平面図を、図2及び図3にそれぞれ示す。ペリクル8は、ペリクル用支持枠1の上端面にペリクル膜貼り付け用接着層10を介してペリクル膜12を張設したものである。ペリクル8を使用する際は、ペリクル8を露光原版(マスク又はレチクル)14に粘着させるための接着用粘着層16がペリクル用支持枠1の下端面に形成され、接着用粘着層16の下端面にライナー(不図示)が剥離可能に貼着される。
枠型形状をなす外形寸法148.85mm×114.85mm×厚さ3.0mmのJIS H0001に示された調質記号T6で処理したJIS A7075アルミニウム合金(JIS A7075−T6)製フレーム材に陽極酸化処理を施した後、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(PFA)を含んだ液体フッ素樹脂塗料をスプレー塗装し、厚さ0.5〜20μmのフッ素樹脂コーティング層を形成させ、実施ペリクル用支持枠1を得た。なお、陽極酸化処理の条件は水酸化ナトリウム(NaOH)1wt%が溶解したアルカリ性水溶液(pH=14)を陽極酸化浴として、浴温度10℃において、電解電圧を20Vとし、30分の陽極酸化処理を行った。また、焼付処理の条件は380℃で20分間とした。
実施例1と同様の陽極酸化処理を施したフレーム材に、エチレン・四フッ化エチレン系共重合樹脂(EFEP)を含んだ粉体フッ素樹脂塗料をスプレー塗装し、厚さ0.5〜20μmのフッ素樹脂コーティング層を形成させて実施ペリクル用支持枠2を得た。なお、フッ素樹脂コーティング層の焼付処理の条件は220℃で30分間とした。
実施例1と同様のフレーム材の表面に酒石酸を含有するアルカリ性水溶液を用いて陽極酸化処理を施した後、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(PFA)を含んだ粉体フッ素樹脂塗料をスプレー塗装し、厚さ0.5〜20μmのフッ素樹脂コーティング層を形成させて実施ペリクル用支持枠3を得た。なお、フッ素樹脂コーティング層の焼付処理の条件も実施例1と同様とした。
実施例3と同様の陽極酸化処理を施したフレーム材に、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)を含んだ液体フッ素樹脂塗料をスプレー塗装し、厚さ0.5〜20μmのフッ素樹脂コーティング層を形成させて実施ペリクル用支持枠4を得た。なお、フッ素樹脂コーティング層の焼付処理の条件も実施例1と同様とした。
実施例1と同様の陽極酸化処理を施したフレーム材に、自然発色により着色を施して比較ペリクル用支持枠1を得た。なお、当該比較ペリクル用支持枠1にはフッ素樹脂コーティング処理は施していない。
フッ素樹脂コーティング処理を施さなかったこと以外は実施例4と同様にして、比較ペリクル用支持枠2を得た。
実施ペリクル用支持枠1〜4及び比較ペリクル用支持枠1〜2について、イオン溶出量の評価を行った。具体的には、ペリクル用支持枠をポリエチレン袋に入れて純水100mlを加えて密封し、80℃に保って4時間浸漬させた。このようにしてペリクル用支持枠からの溶出成分を抽出した抽出水を、セル温度35℃、カラム(IonPacAS11−HC)温度40℃とし、1.5ml/分の条件でイオンクロマトグラフ分析装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製ICS−2100)を用いて分析した。
2・・・フレーム材、
4・・・陽極酸化皮膜、
6・・・無機系コーティング層、
8・・・ペリクル、
10・・・ペリクル膜貼付け用接着層、
12・・・ペリクル膜、
14・・・露光原版、
16・・・接着用粘着層。
Claims (9)
- アルミニウム又はアルミニウム合金からなるフレーム材と、
前記フレーム材の表面に形成されたフッ素樹脂コーティング層と、を有すること、
を特徴とするペリクル用支持枠。 - 前記フレーム材と、
前記フレーム材の表面に形成された陽極酸化皮膜と、
前記陽極酸化皮膜の表面に形成された前記フッ素樹脂コーティング層と、を有すること、
を特徴とする請求項1に記載のペリクル用支持枠。 - 黒色化により明度指数*L値が60以下となっていること、
を特徴とする請求項1又は2に記載のペリクル用支持枠。 - 顔料、自然発色及び電解着色のうちの少なくとも一つにより発色していること、
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のペリクル用支持枠。 - 80℃の純水に4時間浸漬させて溶出したイオン濃度を測定するイオン溶出試験において、表面積100cm2あたりの純水100ml中への溶出濃度が、酢酸イオン0.2ppm以下、ギ酸イオン0.2ppm以下、シュウ酸イオン0.2ppm以下、硫酸イオン0.1ppm以下、硝酸イオン0.2ppm以下、亜硝酸イオン0.2ppm以下、塩素イオン0.2ppm以下、リン酸イオン0.1ppm以下、及びアンモニウムイオン0.1ppm以下であること、
を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のペリクル用支持枠。 - アルミニウム又はアルミニウム合金からなるフレーム材に陽極酸化処理を施す第一工程と、
前記陽極酸化処理によって形成された陽極酸化皮膜の表面にフッ素樹脂コーティング処理を施す第二工程と、を有すること、
を特徴とするペリクル用支持枠の製造方法。 - 更に、顔料、自然発色及び電解着色のうちの少なくとも一つによって、明度指数*L値を調整する発色工程を有すること、
を特徴とする請求項6に記載のペリクル用支持枠の製造方法。 - 黒色化により明度指数*L値を60以下とすること、
を特徴とする請求項6又は7に記載のペリクル用支持枠の製造方法。 - 請求項1〜5のいずれかに記載のペリクル用支持枠と、
前記ペリクル用支持枠に支持されたペリクル膜と、を有すること、
を特徴とするペリクル。
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