JP7082546B2 - ペリクル及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ペリクル及びその製造方法に関する。
半導体装置や液晶表示装置などの製造では、フォトマスク上のマスクパターンをフォトリソグラフィ法を用いて転写し、素子パターンを形成する。これらに使用されるフォトマスクは石英などのガラス基板上にクロムや酸化クロムなどの遮光材料が設けられることで遮光膜パターンが形成されている。
ガラス基板は電気絶縁性が高く、静電気を発生しやすいという性質を有する。このため使用環境やマスクパターンによっては静電気の影響を受け、パターンが静電破壊することという問題がある。
通常、フォトマスクはパーティクルの付着を防ぐため、ペリクルと呼ばれる防塵保護カバーをつけて使用される。ペリクルは、ペリクル膜、ペリクル膜を支持するためのフレーム、及びペリクリ膜をフレームに接着させるための粘着剤で構成されており、高い電気絶縁性を有する。
近年、パターンが微細化し、さらにペリクル膜とフォトマスクのパターン面の距離(スタンドオフ)が近くなったことも一因となり、ペリクル膜からの放電により、パターンが静電破壊する現象が特に問題となっている。
このような問題に対し、特許文献1には、帯電防止機能を備えた光学ペリクルが開示されている。この文献には、ペリクル膜の表面に、導電性と、ペリクル膜の厚さよりも薄い厚さを有する被膜を形成することにより、光学ペリクルは、電荷を分散させ、フォトマスクへの静電放電の頻度又は強度を減少できることが開示されている。
特表2004-527799号公報
特許文献1では、ペリクル膜の表面上に付与したゾル粒子を凝集又は架橋させることによりゲルを形成し、更にゲルを乾燥させることにより被膜を形成する。この文献には、ゾルの前駆体として、金属アルコキシド又は金属カルボキシレート等が用いられることが開示されている。しかしながら、このような方法で形成したペリクルに対して表面抵抗値を一層小さくすることにより帯電防止性を一層向上させることが求められている。また、ゾル-ゲル法では膜厚を小さくして製膜することが難しい。
したがって、本発明の目的は、帯電防止性に優れたペリクル及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ペリクル膜と、ペリクル膜を保持するフレームとを有するペリクルにおいて、フレームの高さを特定値以下とし、特定の方法によりペリクル膜又はフレームに帯電防止機能を付与すると、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
ペリクル膜と、前記ペリクル膜を保持するフレームとを有するペリクルであって、
前記フレームの高さが3.5mm以下であり、
前記ペリクル膜及び前記フレームの一方又は両方が、1.0×1011Ω/□以下の表面抵抗値を有する領域を含むペリクル。
〔2〕
前記フレームの少なくとも外側の表面抵抗値が1.0×1011Ω/□以下である〔1〕のペリクル。
〔3〕
前記フレーム全体の表面抵抗値が1.0×1011Ω/□以下である〔1〕又は〔2〕のペリクル。
〔4〕
前記ペリクル膜の表面抵抗値が1.0×1010Ω/□以下である〔1〕~〔3〕のいずれかのペリクル
〔5〕
前記フレームが、1.0×1010Ω/□以下の表面抵抗値を有する領域を含む〔1〕~〔4〕のいずれかのペリクル。
〔6〕
前記ペリクルの膜厚が0.4μm以下である〔1〕~〔5〕のいずれかのペリクル。
〔7〕
前記ペリクル膜及び前記フレームの一方又は両方が、帯電防止剤により表面処理されており、
前記帯電防止剤が、高分子型帯電防止剤である〔1〕~〔6〕のいずれかのペリクル。
〔8〕
前記ペリクル膜の形成材料が、フッ素系ポリマーであり、前記帯電防止剤が、高分子型帯電防止剤である〔7〕のペリクル。
〔9〕
前記フレームの形成材料が、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、前記帯電防止剤が、高分子型帯電防止剤である〔7〕のペリクル。
〔10〕
前記高分子型帯電防止剤が、アンモニウムイオンを主成分とするカチオン系ポリマーである〔7〕~〔9〕のいずれかのペリクル。
〔11〕
ペリクル膜と、前記ペリクル膜を保持するフレームとを有するペリクルの製造方法であって、
前記ペリクル膜及び前記フレームの一方又は両方に、帯電防止剤を用いて表面処理する工程を含む製造方法。
本発明によれば、帯電防止性に優れたペリクル及びその製造方法を提供可能である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明する。本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではなく、本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
〔ペリクル〕
本実施形態のペリクルは、ペリクル膜と、前記ペリクル膜を保持するフレーム(ペリクル用枠体)とを有するペリクルであって、前記フレームの高さが3.5mm以下で
あり、前記ペリクル膜及び前記フレームの一方又は両方が、1.0×1011Ω/□以下の表面抵抗値を有する領域を含む。
〔ペリクル膜〕
本実施形態におけるペリクル膜は、例えば、フレームの一方の端面にフレームに形成された開口部を覆うように展張支持されたものである。ペリクル膜は、形成材料として、例えば、セルロース誘導体(ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等、あるいはこれら2種以上の混合物)、フッ素系ポリマー(テトラフルオロエチレン-ビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレンの3元コポリマー、主鎖に環状構造を持つポリマーであるデュ・ポン社製のテフロン(登録商標)AF(商品名)、旭硝子社製のサイトップ(商品名)、アウジモント社製のアルゴフロン(商品名)等)等のポリマーを含んでもよい。これらの中でも、現在用いられている等倍投影露光液晶露光機の光源である超高圧水銀ランプに対しては、耐光性やコストの点から、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートやサイトップやテフロンAF等のフッ素系ポリマーが好ましく使用される。これらのポリマーは、それぞれに適した溶媒(ケトン系溶媒、エステル系溶媒、アルコール系溶媒、フッ素系溶媒等)により溶解させて、ポリマー溶液として用いてもよい。特に、上記のセルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートに対しては、乳酸エチル等のエステル系溶媒が好ましい。また、サイトップやテフロンAF等のフッ素系ポリマーに対しては、トリス(パーフルオロブチル)アミン等のフッ素系溶媒が好ましい。ポリマー溶液は必要に応じてデプスフィルター、メンブレンフィルター等により濾過される。
ペリクル膜は、例えばポリマー溶液から成膜された薄膜が用いられる。ポリマー溶液の成膜法には、スピンコート法、ロールコート法、ナイフコート法、キャスト法等が挙げられる。スピンコート法により成膜基板上に成膜した後、必要に応じてホットプレート、クリーンオーブン、(遠)赤外線加熱等により溶媒を乾燥することにより、均一な膜が形成される。この時の成膜基板としては、シリコーン、合成石英、溶融石英、無アルカリガラス、低アルカリガラス、ソーダライムガラス等が挙げられる。成膜用の基板の表面には、シリコーン系、フッ素系等の材料により、あらかじめ離型処理を施しておいてもよい。
上記により成膜基板上に形成されたペリクル膜は、アルミニウム合金、ステンレススチール、樹脂等に粘着剤を貼り付けた仮枠により、成膜基板から剥がし取って所望のフレームに貼り替えてもよい、また、成膜基板上で所望のフレームを接着後、成膜基板から剥がし取ってもよい。
このようにして得られたペリクル膜は、フレームに張力を架けて接着剤により貼着される。
ペリクル膜は、表面抵抗値を有効に低減させるために帯電防止剤により表面全体又はその一部に表面処理されていることが好ましい。表面処理の具体例としては、帯電防止剤を噴霧する方法、気相法の真空蒸着とスパッタリングの方法等が挙げられる。帯電防止剤としては、低分子型帯電防止剤、高分子型帯電防止剤、π共役系導電性ポリマー、金属粒子タイプ等が挙げられる。
低分子型帯電防止剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルジエタノールアミン、ヒドロキシアルキルモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸エステル、アルキルジエタノールアミド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルホスフェート、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリウムベタイン等が挙げられる。
高分子型帯電防止剤としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリエーテルエステルアミド、エチレンオキシド-エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート共重合体、4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート共重合体、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、カルボベタイングラフト共重合体、ポリアクリル酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸アミン塩、スチレンを必須の構成単量体とするスチレンポリマーのブロックと親水性ポリマーのブロックの交互ブロック共重合体、ポリスチレン系樹脂にポリエチレングリコールを導入した(メタ)アクリル酸エステルをグラフトした樹脂、ポリエーテル化合物を帯電防止セグメントとした親水性ポリマー、ポリマレイン酸塩、ポリマレイン酸アミン塩、アンモニウムイオンを主成分とするカチオン系ポリマー等が挙げられる。
π共役系導電性ポリマーとしては、例えば、ポリアセチレン、ポリ(パラフェニレン)、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリ(フェニレンビニレン)等が挙げられる。金属金属粒子タイプとしては、金属粒子がNi、Ag、Cu等が挙げられる。
帯電防止剤は、市販品を用いてもよく、市販品としては、例えば、ファインケミカルジャパン(株)のEP-8、ファインESDコート、ショーワ(株)のSB-8、コルコート(株)のノンダスト、コルコート、ティーエーケミカル(株)のコニソル、ナガセケムテックス(株)のデナトロンシリーズ、プラスコート(株)のポリカーム等が挙げられる。
帯電防止剤は、これらの中でも、表面抵抗値を有効に低減させる観点から、高分子型帯電防止剤であることが好ましく、アンモニウムイオンを主成分とするカチオン系ポリマーであることがより好ましい。また、ペリクル膜に対する密着性に優れる観点から、ペリクル膜は、フッ素系ポリマーであり、帯電防止剤が高分子型帯電防止剤(好ましくはアンモニウムイオンを主成分とするカチオン系ポリマー)であることが好ましい。
ペリクル膜の厚さは、例えば、0.1~1.0μmであり、好ましくは0.1~0.85μmであり、より好ましくは0.1~0.45μmであり、更に好ましくは0.2~0.4μmである。特に膜厚が0.2~0.4μmの場合に帯電防止材料との均一性、膜密着性に優れるために好ましい。0.1~1.0μmのペリクル膜の厚さがあれば、微細化として知られる193nmの波長でも透過率を保つことができ、ハンドリングにも問題ない結果となる。
(フレーム)
本実施形態のフレームの高さは、3.5mm以下(例えば、2.0mm以上3.5mm以下)であり、3.4mm以下であることが好ましく、3.3mm以下であることがより好ましい。フレームの高さが上記範囲内であるとペリクル膜に留まっている電気がフレームを介して放電しやすくなる。
本実施形態のフレームの形状は、例えば、マスク形状と相似の矩形や正方形である。そのため、フレームも同様にマスク形状と相似の矩形や正方形である。
フレーム各辺の断面形状としては、矩形、H型、T型等、特に限定は無いが、矩形形状が最も好ましい。断面は中空構造であっても良い。
フレームの幅は、好ましくは1.5mm~3.0mmの間が好ましい。特に好ましいには、1.6mm~2.0mmである。
フレームの形成材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金(5000系、6000系、7000系等)、鉄及び鉄系合金、セラミックス(SiC、AlN、Al23等)、セラミックスと金属との複合材料(Al-SiC、Al-AlN、Al-Al23等)、炭素鋼、工具鋼、ステンレスシリーズ、マグネシウム合金、並びにポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂等からなり、平面視において略矩形状を呈している。ペリクルは、マスク粘着剤層を介してマスクに貼り付くため、剛性が高くて比較的重量が小さいものが好ましく、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、樹脂等の素材が好ましい。
フレームは、表面抵抗値を有効に低減させるために帯電防止剤により表面全体又はその一部に表面処理されていることが好ましい。表面処理の具体例としては、帯電防止剤を噴霧する方法、真空蒸着方法、スパッタリング方法等が挙げられる。帯電防止剤としては、上述した低分子型帯電防止剤、高分子型帯電防止剤、π共役系導電性ポリマー等が挙げられる。
帯電防止剤は、これらの中でも、表面抵抗値を有効に低減させる観点から、高分子型帯電防止剤であることが好ましく、アンモニウムイオンを主成分とするカチオン系ポリマーであることがより好ましい。また、フレームの密着性に優れる観点から、フレームの形成材料は、アルミニウム、又はアルミニウム合金であり、帯電防止剤が高分子型帯電防止剤(好ましくはアンモニウムイオンを主成分とするカチオン系ポリマー)であることが好ましい。
(内壁、通気孔、フィルター)
必要に応じてフレームの内壁面又は全面に、異物を捕捉するための粘着剤(アクリル系、酢酸ビニル系、シリコーン系、ゴム系等)やグリース(シリコーン系、フッ素系等)を塗布してもよい。また、必要に応じてフレームの内部と外部を貫通する微細な穴を開けて、フレームとフォトマスクで形成された空間の内外の気圧差がなくなるようにすると、膜の膨らみや凹みを防止できる。また、この時、微細な穴の外側に異物除去フィルターを取り付けると、気圧調整が可能な上、ペリクルとフォトマスクで形成された空間の中に異物が侵入することを防げるので好ましい。ペリクルとフォトマスクで形成された空間容積が大きい場合には、これらの穴やフィルターを複数個設けると、気圧変動による膜の膨らみや凹みの回復時間が短くなり、好ましい。
(膜接着剤)
ぺリクル膜とフレームとを接着するための膜接着剤は、ペリクル膜の材質とフレームの材質によって適宜選択できる。たとえば、膜接着剤としては、例えば、エポキシ系、アクリル系、シリコーン系、フッ素系等の接着剤などが挙げられる。また、接着剤の硬化方法はそれぞれの接着剤に適した硬化方法(熱硬化、光硬化、嫌気性硬化等)が採用される。
フレームをフォトマスクに貼り付けるためのマスク粘着剤には、それ自身に粘着力のあるホットメルト系(ゴム系、アクリル系)、基材の両面に粘着剤を塗布したテープ系(基材としてアクリル系、PVC系等のシートあるいはゴム系、ポリオレフィン系、ウレタン系等のフォーム等が適用でき、粘着剤としてゴム系、アクリル系、シリコーン系等の粘着剤が適用される)等が使用される。マスク粘着剤の厚さは通常0.15mm以上6.0mm以下である。好ましくは、2.0mm以上4.0mm以下である。
(表面抵抗値)
本実施形態のペリクルにおいて、ペリクル膜及びフレームの一方又は両方(好ましくは両方)は、1.0×1011Ω/□以下(好ましくは5.0×1010Ω/□以下、より好ましくは1.0×1010Ω/□以下)の表面抵抗値を有する領域を含む。このように表面抵抗値を小さくすることにより、電圧の減衰時間が短くなり、例えば、パターンが静電破壊するリスク等を抑制できる。本実施形態のペリクルにおいて、上記表面抵抗値を特定値以下とする方法としては、上述したように、ペリクル膜及びフレームの少なくとも一方に、帯電防止剤を用いて表面処理する方法等が挙げられる。表面抵抗値は後述の実施例に記載の方法により求められる。
本実施形態のペリクルにおいて、フレームの少なくとも外側の表面抵抗値は、1.0×1011Ω/□以下(好ましくは5.0×1010Ω/□以下、より好ましくは1.0×1010Ω/□以下)であることが好ましい。ここでいう「外側」とは、…。また、本実施形態のペリクルにおいて、フレーム全体の表面抵抗値は、1.0×1011Ω/□以下(好ましくは5.0×1010Ω/□以下、より好ましくは1.0×1010Ω/□以下)であることが好ましい。
〔ペリクルの製造方法〕
本実施形態のペリクルの製造方法は、ペリクル膜と、ペリクル膜を保持するフレームとを有するペリクルの製造方法であって、ペリクル膜及びフレームの一方又は両方に、帯電防止剤を用いて表面処理する工程(表面処理工程)を含む。
表面処理工程に用いられる帯電防止剤は、上述の帯電防止剤が挙げられる。この工程では、ペリクル膜及びフレームの全体又はその一部の領域に表面処理すればよく、表面処理方法としては、例えば、上述の表面処理方法が挙げられる。
〔実施例1〕
アルミ合金製のペリクル枠(フレーム)(外径115mm×149mm、内径111mm×145mm、高さ3.3mm)のペリクル膜との接着面に接着剤を介して、フッ素系ポリマーで形成されたペリクル膜(0.28μm)を貼付けた。その後、ペリクル膜に帯電防止剤としてポリ(アルキルアンモニウム・テトラアルコキシボランとトリアルキル(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム塩の混合物(製品名:SB-8 ショーワグローブ製)を噴霧することにより、実施例1のペリクルとした。
〔実施例2〕
アルミ合金製のペリクル枠(外径115mm×149mm、内径111mm×145mm、高さ3.3mm)全体に帯電防止剤としてポリ(アルキルアンモニウム・テトラアルコキシボランとトリアルキル(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム塩の混合物(製品名:SB-8 ショーワグローブ製)を噴霧した。その後、このペリクル枠のペリクル膜との接着面に接着剤を介して、フッ素系ポリマーで形成されたペリクル膜を貼付けることにより、実施例2のペリクルとした。
〔実施例3〕
アルミ合金製のペリクル枠(外径115mm×149mm、内径111mm×145mm、高さ3.3mm)全体に帯電防止剤としてポリ(アルキルアンモニウム・テトラアルコキシボランとトリアルキル(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム塩の混合物(製品名:SB-8 ショーワグローブ製)を噴霧した。その後、帯電防止剤としてポリ(アルキルアンモニウム・テトラアルコキシボランとトリアルキル(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム塩の混合物(製品名:SB-8 ショーワグローブ製)をフッ素系ポリマーで形成されたペリクル膜に噴霧した。その後、このペリクル枠のペリクル膜との接着面に接着剤を介して、ペリクル膜を貼り付けることにより、実施例3のペリクルとした。
〔実施例4〕
アルミ合金製のペリクル枠(外径115mm×149mm、内径111mm×145mm、高さ3.3mm)の外側に帯電防止剤としてポリ(アルキルアンモニウム・テトラアルコキシボランとトリアルキル(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム塩の混合物(製品名:SB-8 ショーワグローブ製)を噴霧した。その後、ペリクル枠のペリクル膜との接着面に接着剤を介して、フッ素系ポリマーで形成されたペリクル膜を貼付けた。その後、帯電防止剤としてポリ(アルキルアンモニウム・テトラアルコキシボランとトリアルキル(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム塩の混合物(製品名:SB-8 ショーワグローブ製)をペリクル膜に噴霧することにより、実施例4のペリクルとした。
〔比較例1〕
アルミ合金製のペリクル枠(外径115mm×149mm、内径111mm×145mm、高さ3.3mm)のペリクル膜との接着面に接着剤を介して、フッ素系ポリマーで形成されたペリクル膜を貼付けことにより、比較例1のペリクルとした。
[表面抵抗値の測定]
得られた実施例1~4及び比較例1のペリクルの表面抵抗値をハイレスターU(三菱化学製)を用いて測定した。測定結果を表1に示す。
[印加電圧の減衰時間の測定]
得られた実施例1~4及び比較例1のペリクルを、アクリル系粘着剤を介してフォトマスク(クロムブランクス)に貼付けた。その後、このペリクル付クロムブランクスに電圧を印加し、減衰する時間を半減期として測定した。印加条件は以下のとおりである。なお、ペリクル付クロムブランクスの半減期が短いほど、静電放電のリスクは小さい。

・印加電圧:-800V
・電圧の印加:直流電源ZHO-201PN(春日電機製)
・電圧の変化を低電位測定器KSD-3000(春日電機株式製)でモニタリング
得られた半減期から以下の評価基準に基づき評価した。評価結果を表1に示す。
◎:半減期が3秒未満
〇:半減期が3秒以上5秒未満
×:半減期が5秒以上
Figure 0007082546000001

Claims (11)

  1. ペリクル膜と、前記ペリクル膜を保持するフレームとを有するペリクルであって、
    前記フレームの高さが3.5mm以下であり、
    前記ペリクル膜及び前記フレームの一方又は両方が、帯電防止剤により表面処理されており、
    前記表面処理されたペリクル膜及び前記表面処理されたフレームの一方又は両方が、1.0×1011Ω/□以下の表面抵抗値を有する領域を含み、
    前記帯電防止剤が、高分子型帯電防止剤であり、
    前記ペリクル膜が、フッ素系ポリマー又はセルロース誘導体を含む、ペリクル。
  2. 前記フレームの少なくとも外側の表面抵抗値が1.0×1011Ω/□以下である請求項1に記載のペリクル。
  3. 前記フレーム全体の表面抵抗値が1.0×1011Ω/□以下である請求項1又は2に記載のペリクル。
  4. 前記ペリクル膜の表面抵抗値が1.0×1010Ω/□以下である請求項1~3のいずれか1項に記載のペリクル
  5. 前記フレームが、1.0×1010Ω/□以下の表面抵抗値を有する領域を含む請求項1~4のいずれか1項に記載のペリクル。
  6. 前記ペリクルの膜厚が0.4μm以下である請求項1~5のいずれか1項に記載のペリクル。
  7. 前記高分子型帯電防止剤が、ポリエチレンオキシド、ポリエーテルエステルアミド、エチレンオキシド-エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート共重合体、4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート共重合体、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、カルボベタイングラフト共重合体、ポリアクリル酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸アミン塩、スチレンを必須の構成単量体とするスチレンポリマーのブロックと親水性ポリマーのブロックの交互ブロック共重合体、ポリスチレン系樹脂にポリエチレングリコールを導入した(メタ)アクリル酸エステルをグラフトした樹脂、ポリエーテル化合物を帯電防止セグメントとした親水性ポリマー、ポリマレイン酸塩、ポリマレイン酸アミン塩、及びアンモニウムイオンを主成分とするカチオン系ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のペリクル。
  8. 前記ペリクル膜の形成材料が、前記フッ素系ポリマーである、請求項1~のいずれか1項に記載のペリクル。
  9. 前記フレームの形成材料が、アルミニウム又はアルミニウム合金である、請求項1~8のいずれか1項に記載のペリクル。
  10. 前記高分子型帯電防止剤が、前記アンモニウムイオンを主成分とするカチオン系ポリマーである請求項7に記載のペリクル。
  11. ペリクル膜と、前記ペリクル膜を保持するフレームとを有するペリクルの製造方法であって、
    前記ペリクル膜及び前記フレームの一方又は両方に、帯電防止剤を用いて表面処理する工程を含み、
    前記帯電防止剤が、高分子型帯電防止剤であり、
    前記ペリクル膜が、フッ素系ポリマー又はセルロース誘導体を含製造方法。

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