JP2018033272A - 区画貫通部の防火構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】区画貫通部の防火構造の施工をより簡易にすること。【解決手段】区画体11に設けられた貫通孔15に1つまたは複数の貫通物30が挿通された区画貫通部の防火構造において、貫通孔15を区画形成する区画体11の内壁面11aと貫通物30との間の隙間20に、樹脂及び熱膨張性黒鉛を含有する複合材料から形成された発泡成形体23が、圧縮された状態で隙間20を埋めるように配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、区画貫通部の防火構造に関する。
建築物の区画体に例えばケーブルラック又は大容量ケーブル等の挿通物を貫通させる貫通孔を設けて区画貫通処理を行う場合、区画体の壁と挿通物との間に大きな隙間が生じるため、これを充填する必要がある。この充填方法として、(1)けい酸カルシウム板等の無機板で挿通物の周囲を覆って隙間を埋める方法、(2)ロックウール又はグラスウールを原料として含む板状成型品を隙間に嵌め込む方法、及び(3)ブロック形状のクッション材を詰める方法が知られている(特許文献1)が、(1),(2)は挿通物の形状に合わせて無機板又は板状成形品を切断する必要があるため加工に時間がかかる。また、(3)はブロックの大きさが決まっているため複数種類のブロックを準備する必要があり、種々の大きさの隙間を埋めるには不便である。
特開2015−21303
本発明の目的は、区画貫通孔内の隙間がより簡便かつ確実に埋められる区画貫通部の防火構造を提供することにある。
本発明の一態様によれば、区画体に設けられた貫通孔に1つまたは複数の貫通物が挿通された区画貫通部の防火構造であって、前記貫通孔内の前記貫通物の周囲の隙間に、樹脂及び熱膨張性黒鉛を含有する複合材料から形成された発泡成形体が、圧縮された状態で前記隙間を埋めるように配置されている区画貫通部の防火構造が提供される。
本発明によれば、区画貫通孔内の隙間の大きさに応じて、簡便かつ確実に隙間を埋めることができ、区画貫通部における耐火性が向上する。
本発明の第1実施形態の区画貫通部の防火構造の断面図。 図1の耐火性カバー内の部分の端面図。 (A)〜(D)図1の防火構造の形成方法を示す図。 図2の耐火性カバー内の部分の別例の端面図。 第1実施形態の耐火性カバーの変形例の断面図。 本発明の第2実施形態の区画貫通部の防火構造の断面図。
まず、本発明の第1実施形態の建築物の区画貫通部の防火構造を図1,2を参照しながら説明する。本明細書において、「建築物」には一戸建住宅、集合住宅、高層住宅、高層ビル、商業施設、公共施設等の建材;客船、輸送船、連絡船等の船舶;車両;等の構造物が含まれるが、これらに限定されない。
図1に示すように、第1実施形態の区画貫通部の防火構造10(以下、単に防火構造という。)は、貫通孔15が設けられた区画体11を備え、貫通孔15には挿通物としての1つまたは複数の配管30(図では1つ)が挿通されている。区画体11は本実施形態では中空壁12であり、例えば木製又は鋼製の間柱を挟み込むように両側に石膏ボードを固定した間仕切壁などである。区画体11に設けられた貫通孔15により、隣接する防火区画A,Bが連通している。
貫通孔15の形状は、図示例では断面視円形状であるが、断面視矩形状など、種々の形状であってもよい。配管30は、各種の配管(例えば水道管、給水管、排水管、冷媒管など)であり得る。なお、本実施形態では、区画体11として、隣接する防火区画A,Bを垂直に仕切る壁からなる例を説明しているが、本発明の範囲はこの実施形態に限定されるものでなく、隣接する防火区画を水平に仕切る天井や床などからなる区画貫通部の防火構造も本発明の範囲に含まれる。
防火構造10は、中空部14が間に形成された2つの壁部材13を有する中空壁12からなる建築物の区画体11と、2つの壁部材13の間を中空部14の全長に渡って延びるよう、貫通孔15内に設置された、スリーブとしての耐火性カバー16とを備えている。耐火性カバー16は貫通孔15を区画形成する区画体11の内壁面11aに接触した状態で、内壁面11aに沿って配置されている。2つの壁部材13の各々は、本実施形態では一対の壁部材から構成されている。
耐火性カバー16は、熱膨張性を有する筒状の本体部17と、本体部17の一端17aから、本体部17の軸方向外周に向けて突出するフランジ部18とを有し、フランジ部18は中空壁12の外側に設けられている。つまり、フランジ部18は中空壁12の中空部14とは反対側に配置されている。
本体部17は、両端に開口21,22を有し、かつ外径が軸方向に一定の円筒状に形成されている。耐火性カバー16の内周面と配管30との間の空間である、貫通孔15内の配管30の周囲の隙間20には、配管30が貫通孔15に挿通された状態で、耐火性の発泡成形体23が充填されている。発泡成形体23はそれ自体が圧縮された状態で隙間20を埋めるように隙間20に配置されている。なお隙間20を埋めるとは、隙間20の全部を埋めることに限らず、隙間20の一部を埋めることも含むものとする。
発泡成形体23は、樹脂及び熱膨張性黒鉛を含有する複合材料から形成されている。
発泡成形体23を構成する樹脂は、発泡成形体の製造に適した樹脂であり、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ユリア樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、並びにこれらの化学架橋樹脂、及びゴムから選択される少なくとも一つである。
上記ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多加硫ゴム、非加硫ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等のゴム物質等が挙げられる。
火災等の熱により硬化する点では、発泡成形体23に使用される樹脂は、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂であることが好ましい。
発泡成形体23を構成する複合材料は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、無機充填剤又はリン化合物等の難燃剤、酸化防止剤、可塑剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂、成型補助材等の添加剤、ポリブテン、石油樹脂等の粘着付与剤を含むことができる。
一つの例では、発泡成形体23はセラミックファイバー又はロックウール等の不燃性又は難燃性を有する無機化合物の短繊維を含まない。この構成によれば、発泡成形体23の変形がより容易となり、弾性を有するスポンジ様発泡体となり、素材そのものの圧縮応力により挿通物と構造体(壁や床)との隙間を充填することができる。
発泡成形体23は、容易に切断器具で切断するか、又は手で千切ることができる。隙間20の寸法及び形状に合わせて発泡成形体23の形を変更できるため、種々の隙間20に応じた複数サイズの発泡成形体23を準備する必要がない。
好ましくは、発泡成形体23のASTM D1056に従って測定した圧縮応力が1〜200kPa、より好ましくは3〜50Paである。このような範囲の圧縮応力を有する発泡成形体23は、貫通孔15内における貫通物の周囲の種々の隙間20の形状に応じて圧縮させて隙間20を埋めることができる。
好ましくは、発泡成形体23のJIS K6767に従って測定した圧縮永久歪が0〜10%、より好ましくは0.1〜5%である。このような範囲の圧縮永久歪を有すると、隙間20を埋めた後で発泡成形体23は弾性力により元に復元しようとするため、隙間20を構成する部材に圧力を加えた状態で接触し、発泡成形体23の位置がよりしっかりと固定される。このため、発泡成形体23は隙間20をより確実に埋めると共に、隙間20からの移動又は落下が抑制される。
貫通孔15内の、発泡成形体23により埋められていない隙間を、別の充填材で埋めてもよい。例えば図2に示すように、貫通孔15内の隙間20を発泡成形体23で埋めた後に残っている隙間25を、耐火性の充填パテや、耐火性組成物からなるコーキング剤等の当該技術分野で公知の耐火材料で埋めてもよい。コーキング剤は変性シリコーン樹脂等の公知の材料であり得る。
フランジ部18は、本実施形態では所定の厚みを有する略円環板状であるが、必ずしも外形が円形である必要はなく、例えば四角形や六角形などの多角形(好ましくは正多角形)であってもよい。フランジ部18の外形(本実施形態では外径)は貫通孔15の外形(本実施形態では直径)よりも大きく、本体部17が区画体11の貫通孔15に挿通された際に、フランジ部18は区画体11の外面に当接する。フランジ部18を、接着剤や粘着剤、粘着テープ、又はその他、ビスなどの固定具を用いて区画体11の外面に固着することで、本体部17が貫通孔15に嵌め込まれていなくても、本体部17を区画体11に固定することができる。フランジ部18は、本体部17と同じ材料で一体に成形することで本体部17の一端に設けることが好ましいが、本体部17とは別材料で形成し、粘着剤や接着剤などを用いて本体部17の一端に後付けで設けてもよい。なお、フランジ部18を本体部17と別材料で形成する場合には、フランジ部18は、必ずしも熱膨張性を有している必要はないが、耐火性を有していることが好ましい。
本体部17の軸方向の長さ(以下、単に本体部17の長さという。)は、特に限定されるものではないが、貫通孔15の全長(すなわち、区画体11の厚み)よりも長く設定されていることが好ましく、本体部17の一端のフランジ部18が区画体11の外面に当接した際に、本体部17の軸方向の他端(以下、単に本体部17の他端という。)が区画体11の貫通孔15の端と同位置となって、貫通孔15の全長にわたって本体部17が配置されることが好ましい。或いは、本体部17の長さは、貫通孔15に挿入しやすいように、貫通孔15の全長よりも短く設定されていてもよく、フランジ部18が区画体11の外面に当接した際に、本体部17の他端が貫通孔15は横切るが区画体11から外側へ突出しない長さであってもよいし、又は本体部17の他端が区画体11の貫通孔15の例えば中央に位置していてもよい。
本体部17、好ましくはさらにフランジ部18は、例えば、樹脂成分に熱膨張性層状無機物と無機充填剤とを含有する樹脂組成物からなる熱膨張性耐火材料により形成される。本体部17、好ましくはさらにフランジ部18が樹脂組成物からなる熱膨張性耐火材料により形成されるため、作業者が貫通孔15の形状及び寸法に合わせて耐火性カバー16をカットすることができ、貫通孔15の設計に合わせて、現場で簡易に区画貫通部の防火構造を施工することが可能となる。また、貫通孔15に適した寸法の耐火性カバー16を中空壁12の中空部14を閉塞するように配置することで、中空壁12の中空部14における耐火性が向上する。
本体部17、好ましくはさらにフランジ部18は、公知の成形方法で熱膨張性耐火材料を成形することにより得ることができる。樹脂成分としては、公知の樹脂成分を広く使用でき、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム物質、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
これらの合成樹脂及び/又はゴム物質の中でも、柔軟でゴム的性質を有しているものが好ましい。この様な性質を有する樹脂成分は無機充填剤を高充填することが可能であり、得られる樹脂組成物が柔軟で扱い易いものとなる。より柔軟で扱い易い樹脂組成物を得るためには、ブチル等の非加硫ゴムおよびポリエチレン系樹脂が好適に用いられる。代わりに、樹脂自体の難燃性を上げて防火性能を向上させるという観点からは、エポキシ樹脂が好ましい。
熱膨張性層状無機物は加熱時に膨張するものである。かかる熱膨張性層状無機物に特に限定はなく、例えば、バーミキュライト、カオリン、マイカ、熱膨張性黒鉛等を挙げることができる。熱膨張性黒鉛は、酸処理して得られた熱膨張性黒鉛をアルカリでさらに中和したものでもよい。
無機充填剤は、膨張断熱層が形成される際、熱容量を増大させ伝熱を抑制するとともに、骨材的に働いて膨張断熱層の強度を向上させる。無機充填剤としては特に限定されず、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト等の金属酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等の金属水酸化物;塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩;難燃剤としての無機リン酸塩;硫酸カルシウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカルシウム塩;シリカ、珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。これらの無機充填剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
さらに、熱膨張性耐火材を構成する樹脂組成物は、膨張断熱層の強度を増加させ防火性能を向上させるために、前記の各成分に加えて、リン化合物を含むことができる。リン化合物としては、特に限定されず、例えば、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム;下記化学式(1)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2018033272
化学式(1)中、R1およびR3は、同一又は異なって、水素、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または、炭素数6〜16のアリール基を示す。R2は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状あるいは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、または、炭素数6〜16のアリールオキシ基を示す。
化学式(1)で表される化合物としては特に限定されず、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、n−プロピルホスホン酸、n−ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。
前記樹脂組成物は、前記熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ブチルゴム等の樹脂成分100重量部に対し、前記熱膨張性層状無機物を10〜350重量部及び前記無機充填剤を30〜400重量部の範囲で含むものが好ましい。
また、前記熱膨張性層状無機物および前記無機充填剤の合計は、樹脂成分100重量部に対し、50〜600重量部の範囲が好ましい。
かかる樹脂組成物は加熱によって膨張し耐火断熱層を形成する。この配合によれば、前記熱膨張性耐火材は火災等の加熱によって膨張し、必要な体積膨張率を得ることができ、膨張後は所定の断熱性能を有すると共に所定の強度を有する残渣を形成することもでき、安定した防火性能を達成することができる。
前記樹脂組成物における熱膨張性層状無機物及び無機充填剤の合計量は、50重量部以上では燃焼後の残渣量を満足して十分な耐火性能が得られ、600重量部以下であると機械的物性が維持される。
前記樹脂組成物は、それぞれ本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤の他、可塑剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂、成型補助材等の添加剤、ポリブテン、石油樹脂等の粘着付与剤を含むことができる。
次に、第1実施形態の区画貫通部の防火構造の形成方法について説明する。まず、図3(A)に示すように、防火性カバー16を、区画体により区画される一方の防火区画Aの側から、区画体11の貫通孔15に挿入する。
そして、図3(B)に示すように、中空壁12の2つの壁部材13の間を中空部14に渡って延びるよう耐火性カバー16を貫通孔15内に設置する。ここで耐火性カバー16が「中空壁12の2つの壁部材13の間を中空部14に渡って延びる」とは、加熱による膨張時に耐火性カバー16が貫通孔15における火炎の侵入を阻止又は低減できる程度に耐火性カバー16が中空部14を横切って延びていればよく、耐火性カバー16が中空壁12の2つの壁部材13の厚みの全長に渡っていることを要しないが、図3(B)では耐火性カバー16は、中空部14の全長だけでなく、2つの壁部材13の厚みの全長にも渡って延びる構成が示されている。
防火性カバー16の本体部17の一端17aのフランジ部18が区画体11の外面に当接するまで本体部17を貫通孔15に挿入すると、フランジ部18を、接着剤や粘着剤、粘着テープ、その他、ビスなどの固定具を用いて区画体11の外面に固着することで、本体部17が区画体11に固定される(図3(B))。
そして、図3(C)に示すように、配管30を本体部17の他端17bの側の開口22(防火区画Bの側から)から本体部17内に挿入して一端17aの側の開口21から突き出させる。
その後、図3(D)に示すように、発泡成形体23を、本体部17の一端17a側の開口21から(防火区画Aの側から)充填して、発泡成形体23で配管30の周囲の隙間20を塞ぐ。これにより、図1に示すように、区画体11の貫通孔15内の配管30の周囲の隙間20に、樹脂及び熱膨張性黒鉛を含有する複合材料から形成された発泡成形体23が、圧縮された状態で前記隙間を埋めるように配置され、区画貫通部の防火構造10が構築される。
本実施形態の防火構造10では、防火区画A又は防火区画Bにおいて火災が起きても、発泡成形体23が火災の熱により膨張して貫通孔15内の隙間20を埋めると共に、防火性カバー16の少なくとも本体部17も火災の熱により膨張して貫通孔15を埋めるため、火の貫通孔15への進入がより効果的に抑制される。これにより、中空壁12の中空部14及び区画体11の貫通孔15をほぼ閉塞できるため、火炎や熱が貫通孔15から隣接する防火区画に漏洩することを防ぐことができる。なお、熱が加えられていない状態において、貫通孔15内の隙間20は隙間20の面積全体の50%以上が耐火材料で埋められていることが好ましく、75%以上埋められていることがより好ましく、90%以上埋められていることがさらに好ましい。
以上、本発明を第1実施形態について説明してきたが、本発明は上記第1実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて以下のような種々の変形が可能である。
・貫通孔15は発泡成形体23以外の耐火材料でさらに充填されてもよい。例えば図4に示すように、発泡成形体23とは異なる、金属又は難燃性樹脂組成物からなる耐火材27をさらに充填し、隙間20をさらに発泡成形体23で埋め、耐火材27及び発泡成形体23により埋められていない隙間25を、耐火性の充填パテや、耐火性組成物からなるコーキング剤等の当該技術分野で公知の耐火材料で埋めてもよい。
・図3(A)−(C)では、耐火性カバー16を区画体11の貫通孔15に挿入してから配管30を耐火性カバー16の本体部17内に挿入しているが、先に配管30を貫通孔15に挿入してから耐火性カバー16を貫通孔15に設置してもよい。
・耐火性カバー16の代わりに、図5に示すような金属性スリーブ28を設けてもよい。スリーブとしての金属性スリーブ28はここでは中空略円筒形であるが、貫通孔15を区画形成する区画体11の内壁面11aに適合する環状の形状であればよい。
・図1の耐火性カバー16又は図4の金属性スリーブ28のようなスリーブを、区画貫通部の防火構造10から省略してもよい。
・第1実施形態では発泡成形体23が貫通孔15の全長つまり区画体11の厚みにわたり配置されているが、図6に示すように、発泡成形体23の長さを貫通孔15の全長よりも短くしてもよい。例えば発泡成形体23の長さは貫通孔15の全長の50%未満としてもよいし、50%程度としてもよいし、50%よりも大きい長さとしてもよい。発泡成形体23の長さが貫通孔15の全長の50%以下の場合、発泡成形体23は防火区画A,Bの片側から施工してもよいし、両側から施工してもよい。
・第1実施形態では耐火性カバー16の本体部17も貫通孔15の全長にわたり配置されているが、図6に示すように、本体部17の長さを貫通孔15の全長よりも短くしてもよい。例えば本体部17の長さは貫通孔15の全長の50%未満としてもよいし、50%程度としてもよいし、50%よりも大きい長さとしてもよい。本体部17の長さが貫通孔15の全長の50%以下の場合、本体部17は防火区画A,Bの片側から施工してもよいし、両側から施工してもよい。
・区画体11としての壁の構造は、中空壁12に限定されるものではなく、例えば、鉄筋コンクリート構造(RC)や軽量気泡コンクリート構造(ALC)であってもよい。 以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
また、上述の実施形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本発明の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、本発明は以下の構成を採用することもできる。
[1]区画体に設けられた貫通孔に1つまたは複数の貫通物が挿通された区画貫通部の防火構造であって、
前記貫通孔内の前記貫通物の周囲の隙間に、樹脂及び熱膨張性黒鉛を含有する複合材料から形成された発泡成形体が、圧縮された状態で前記隙間を埋めるように配置されている区画貫通部の防火構造。
[2]前記樹脂が、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、並びにこれらの化学架橋樹脂、及びゴムから選択される少なくとも一つである[1]に記載の区画貫通部の防火構造。
[3]発泡成形体のASTM D1056に従って測定した圧縮応力が1〜200kPaである[1]又は[2]に記載の区画貫通部の防火構造。
[4]発泡成形体のJIS K6767に従って測定した圧縮永久歪が0〜10%である[1]〜[3]のいずれか一項に記載の区画貫通部の防火構造。
[5]前記隙間が変性シリコーン樹脂によりさらに埋められている[1]〜[4]のいずれか一項に記載の区画貫通部の防火構造。
[6]前記区画体の内壁面に沿って配置されたスリーブをさらに備える[1]〜[5]のいずれか一項に記載の区画貫通部の防火構造。
10…防火構造、11…区画体、12…中空壁、13…2つの壁部材、14…中空部、15…貫通孔、16…スリーブとしての耐火性カバー、20…隙間、23…発泡成形体、28…スリーブとしての金属性スリーブ、30…貫通物としての配管。

Claims (6)

  1. 区画体に設けられた貫通孔に1つまたは複数の貫通物が挿通された区画貫通部の防火構造であって、
    前記貫通孔内の前記貫通物の周囲の隙間に、樹脂及び熱膨張性黒鉛を含有する複合材料から形成された発泡成形体が、圧縮された状態で前記隙間を埋めるように配置されている区画貫通部の防火構造。
  2. 前記樹脂が、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、並びにこれらの化学架橋樹脂、及びゴムから選択される少なくとも一つである請求項1に記載の区画貫通部の防火構造。
  3. 発泡成形体のASTM D1056に従って測定した圧縮応力が1〜200kPaである請求項1又は2に記載の区画貫通部の防火構造。
  4. 発泡成形体のJIS K6767に従って測定した圧縮永久歪が0〜10%である請求項1〜3のいずれか一項に記載の区画貫通部の防火構造。
  5. 前記隙間が変性シリコーン樹脂によりさらに埋められている請求項1〜4のいずれか一項に記載の区画貫通部の防火構造。
  6. 前記区画体の内壁面に沿って配置されたスリーブをさらに備える請求項1〜5のいずれか一項に記載の区画貫通部の防火構造。
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