JPH1119242A - 区画貫通部の防耐火パイプ、区画貫通部の防耐火構造および区画貫通部の防耐火措置工法 - Google Patents

区画貫通部の防耐火パイプ、区画貫通部の防耐火構造および区画貫通部の防耐火措置工法

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JPH1119242A
JPH1119242A JP9172057A JP17205797A JPH1119242A JP H1119242 A JPH1119242 A JP H1119242A JP 9172057 A JP9172057 A JP 9172057A JP 17205797 A JP17205797 A JP 17205797A JP H1119242 A JPH1119242 A JP H1119242A
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fireproof
inner cylinder
pipe
partition
fire
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JP9172057A
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English (en)
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Kenji Sako
健二 酒匂
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3M Co
Original Assignee
Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L5/00Devices for use where pipes, cables or protective tubing pass through walls or partitions
    • F16L5/02Sealing
    • F16L5/04Sealing to form a firebreak device

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防火措置工法における作業性の改善と防耐火
措置構造の信頼性の向上とを実現する、区画貫通部の防
耐火パイプ、それを用いた区画貫通部の防耐火構造およ
び区画貫通部の防耐火措置工法を提供する。 【解決手段】 建築物の仕切り部10の区画貫通部11
に設置され、内部に貫通部材4が配設された、区画貫通
部11における火災の延焼を防止する防耐火パイプ3
(3’)において、その軸方向の両端に開口を有する外
筒体1と、この外筒体1の内周に沿って配置された熱膨
張性のゴム材料からなる内筒体2とを有してなるととも
に、この内筒体2の内径が、貫通部材4の外径よりも大
であり、かつ、内筒体2の肉厚が、火災発生室からの火
災炎が内筒体2内部を貫通して仕切り部10を挟んだ反
対側の室に到達しないように、火災炎からの熱により内
筒体2が膨張し、内筒体2と貫通部材4との間の隙間が
閉塞されるように設定されてなることを特徴とする、区
画貫通部の防耐火パイプ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、区画貫通部の防耐
火パイプ、区画貫通部の防耐火構造および区画貫通部の
防耐火措置工法に関する。さらに詳しくは、作業性及び
信頼性の向上した防耐火パイプ、それを用いた防耐火構
造およびこの防耐火構造を形成するための防耐火措置工
法(施工方法)に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物の床、壁等の仕切り部には、通
常、後述の貫通部材が配設される貫通孔、すなわち、区
画貫通部が形成され、火災の延焼防止等を目的として防
耐火措置が施される。このような防耐火措置は、例え
ば、区画貫通部の、貫通部材が配設された後に残された
隙間に、防耐火のために、不燃材等の耐火充填材を充填
し閉塞することにより行なわれる。このような充填材に
よる閉塞は、仕切り部で仕切られた一方の室で発生した
火災による火炎、煙などが、他方の室へ到達することを
防止し、または遅らせるように作用する。なお、ここで
いう「貫通部材」には、下記のものを含む。 通信ケーブル,被覆電線等のケーブル ケーブルを支えるケーブルラック 樹脂管,被覆付銅管等のパイプ 空調ダクト,バスダクト等のダクト
【0003】また、充填材には、モルタル等の液状のも
のを隙間に充填した後、固化(硬化を含む)させるタイ
プと、固体状の詰め物タイプとがある。固体状の充填材
としては、非熱膨張性のロックウールや熱膨張性の繊維
質材料が用いられている。このうち、現在最も有用なも
のとして知られているのは、熱膨張性の繊維質材料とし
て、熱膨張性基材と、セラミックファイバー等の耐熱性
繊維と、結合材とを含んでなるもので、たとえば、米国
3M社製熱膨張性繊維質材料「ファイアーバリアM20
(商品名)」を、その一例として挙げることができる。
この充填材は、圧縮可能な弾性を有するので、隙間を閉
塞する際の充填作業が容易となり、また、火災発生時に
充填材が熱膨張し、さらに圧縮された状態になるため、
充填箇所の密封性が向上する。さらに、ケーブルの絶縁
被膜が焼失した場合に、新たに生ずる隙間を補填する効
果も有する。
【0004】上記のような、熱膨張性の弾性充填材を用
いた、防火措置工法の従来例として、特開平5−161
723号公報に開示されたケーブル貫通部防火措置工法
がある。この工法では、まず、筒体を型枠のケーブル貫
通部形成位置に設置し、筒体(スラブポット)以外の部
分を埋めるように、型枠に沿ってコンクリートを流し込
み、それを固化した後、型枠を除去して、区画貫通部を
有する床と、区画貫通部内に固定的に配置された筒体と
を有する防耐火構造の前駆体を形成する。次に、ケーブ
ルを筒体内に配置した後に残された隙間に、充填材を圧
縮しながら充填する。ここで、充填材が筒体外に脱落し
ないように、落とし底板を筒体内に配置した後、充填材
を充填する。最後に、筒体の開口をシール材でシール
し、防耐火構造を形成し、防耐火工法を完了する。な
お、シール材は、充填材の繊維間を透過するガスを遮断
する効果を有する。また、同様に、ロックウール等の不
燃材を充填する床用の防火措置工法が、特開平7−22
4973号公報にも開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの工法
では、作業工程数が比較的多く、中でも充填材の充填作
業には、長時間を要し、作業も煩雑である。また、ケー
ブルと筒体の開口との間口面積が小さい場合には、充填
材を隙間なく充填することは困難である。さらに、工法
の施行完了後に防火上必要な量の充填材が充填されたか
どうかを確認することも困難であり、防火措置の信頼性
を向上させることはできない。
【0006】また、充填作業を省略するために、充填材
を予め筒体内周面に固定的に配置する方法も考えられる
が、これは次のような問題点を有する。すなわち、仕切
り部に配置された筒体の内部に貫通部材を貫通させる作
業では、必然的に筒体内の充填材と貫通部材との擦れ合
いが生ずるが、上記の様に繊維質材料からなる充填材
は、このような擦れ合いにより破損するおそれがあり、
貫通部材の貫通作業が完了した後は、このような破損の
確認は極めて困難である。したがって、この様な方法
も、防火措置の信頼性を向上させることはできない。
【0007】本発明は、上述の問題に鑑みなされたもの
であり、防火措置工法における作業性の改善と防耐火措
置構造の信頼性の向上とを実現する、区画貫通部の防耐
火パイプ、それを用いた区画貫通部の防耐火構造および
区画貫通部の防耐火措置工法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、建築物の仕切り部の区画貫通部に
設置され、内部に貫通部材が配設された、区画貫通部に
おける火災の延焼を防止する防耐火パイプにおいて、そ
の軸方向の両端に開口を有する外筒体と、この外筒体の
内周に沿って配置された熱膨張性のゴム材料からなる内
筒体とを有してなるとともに、この内筒体の内径が、貫
通部材の外径よりも大であり、かつ、内筒体の肉厚が、
火災発生室からの火災炎が内筒体内部を貫通して仕切り
部を挟んだ反対側の室に到達しないように、火災炎から
の熱により内筒体が膨張し、内筒体と貫通部材との間の
隙間が閉塞されるように設定されてなることを特徴とす
る、区画貫通部の防耐火パイプが提供される。
【0009】また、建築物の間仕切りとして機能する防
耐火構造において、区画貫通部を有する仕切り部と、区
画貫通部内に設置された前記防耐火パイプと、防耐火パ
イプの内部に配設された貫通部材と、防耐火パイプの軸
方向の両端の開口部に形成された、少なくとも内筒体が
熱膨張するまでの間は、火災により発生したガスを遮断
するシール部とを有してなることを特徴とする防耐火構
造が提供される。
【0010】さらに、前記区画貫通部の防耐火構造を形
成する防耐火措置工法において、下記(1)〜(4)の
工程を含むことを特徴とする防耐火措置工法が提供され
る。 (1)防耐火パイプを、間仕切りを形成するための型枠
の所定の位置に載置する。 (2)防耐火パイプを設置すると共に、間仕切りを形成
するために型枠に沿って流動性材料を配置し、その流動
性材料を固化した後、型枠を除去して区画貫通部を有す
る仕切り部と、区画貫通部内に設置された防耐火パイプ
とを有する防耐火構造の前駆体を形成する。 (3)貫通部材を防耐火パイプ内に配設する。 (4)防耐火パイプの両端の開口部にシール部を形成す
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ具体的に説明する。 I.防耐火パイプ 本発明の防耐火パイプは、内部に配設された貫通部材の
少なくとも一部が焼失したときに、その焼失により生じ
た隙間を熱膨張性材料によって閉塞し、仕切り部の区画
貫通部における火災の延焼を防止するために用いられ
る。すなわち、図1に示すように、本発明の防耐火パイ
プ3(3’)は、その軸方向の両端に開口を有する外筒
体1と、この外筒体1の内周に沿って配置された熱膨張
性のゴム材料からなる所定の内径と肉厚をもつ内筒体2
とを有している。
【0012】以下本発明を各構成要素ごとに具体的に説
明する。 1.外筒体 (1)形状 外筒体の形状は、軸方向の両端に開口を有する形状であ
れば、特に制限はない。例えば、円筒、楕円筒、角筒等
の一般に知られている筒形状はもちろん、横断面の形状
が不定形のものであってもよい。防耐火構造に用いる場
合には、防耐火パイプの外筒体の形状に合わせて仕切り
部に区画貫通部を形成できるので、所望の外筒体の形状
を採用することができる。たとえば、横断面の形状が四
角形又は三角形である角筒の場合である場合、運搬台や
保管棚に安定して載置しておくことができる。また、そ
の肉厚は0.5〜4mmが好ましい。
【0013】(2)材質 本発明に用いられる外筒体としては、耐熱性および機械
的強度に優れたものであれば特に制限はなく、たとえ
ば、金属管、好ましくは鋼管を上げることができる。セ
ラミックパイプや塩ビパイプを用いてもよい。なお、こ
の外筒体の周面には、一部の従来例に見られるような、
そこからコンクリート等の流動性材料を注入し、パイプ
内部の隙間を閉塞するための開口を必要としないので、
貫通部材の増数や、より大きな寸法のものへの変更を行
う等の、貫通部材の再配置作業が可能である。
【0014】2.内筒体 (1)形状 本発明に用いられる内筒体の形状は、外筒体に対応した
ものとすることが好ましい。その内径は、前記貫通部材
の外径よりも大であり、かつ、その外径は前記外筒体の
内周に沿って配置されるため、外筒体の内径よりも小で
ある。内筒体の軸方向寸法は、実質的に外筒体のそれと
同じ長さとするのが好ましい。これにより、防耐火措置
の信頼性が効果的に高められる。しかしながら、本発明
の効果を損なわない限り、内筒体の軸方向寸法を外筒体
のそれより短くすることもできる。このような短い外筒
体を用いる場合、複数の内筒体を軸方向に連ねて使用す
ることもでき、その配置位置は、外筒体の軸方向の中央
部でも端部でも良い。内筒体の軸方向寸法(複数の場合
は合計の寸法)は、50mm以上が好ましく、100m
m以上が更に好ましい。
【0015】(2)肉厚 本発明に用いられる内筒体の肉厚は、火災炎によって貫
通部材の少なくとも一部が焼失により生じた隙間を熱膨
張によって閉塞するように設定される。すなわち、具体
的には、熱膨張性のゴム材料の膨張倍率と、外筒体と貫
通部材の寸法(横断面積)とによって容易に設定するこ
とができる。すなわち、外筒体の空洞の横断面積から貫
通部材が占める割合を除いた残余面積を、熱膨張した内
筒体が占有可能なように、内筒体の厚さを決定すれば良
い。この時、貫通部材が、被覆電線等の可燃部位と不燃
部位とを含む場合は、外筒体の空洞の横断面積から貫通
部材の不燃部位が占める面積を除いた残余面積を、熱膨
張した内筒体が占有可能な様に決定すれば良い。一方、
内筒体の肉厚が大きすぎると、内筒体と貫通部材との間
の隙間が狭くなり、貫通部材の貫通作業の作業性が低下
するおそれがり、反対に肉厚が小さすぎると耐磨耗性が
が低下するおそれがある。したがって、内筒体の肉厚
は、外筒体の空洞の横断面積から貫通部材が占める面積
を除いた、残余面積に対する内筒体の横断面積の割合
が、5〜95%となるように設定することが好ましく、
10〜85%がさらに好ましく、12〜70%が最も好
ましい。具体例を挙げて説明すると、内径が約100m
mの外筒体を用いた場合、通常の貫通部材(複数の貫通
部材が配置される場合はその集合体)の外径が10〜9
0mmであるので内筒体の肉厚は1〜20mmの範囲内
であれば、通常の寸法を有する貫通部材に対応可能であ
る。また、内筒体全体の肉厚の調整等を目的として、内
筒体を二重に、またはそれ以上に重ねて配置することも
できる。なお、ゴム材料の膨張倍率は、通常2倍以上で
ある。
【0016】(3)外筒体への配置 内筒体を外筒体へ配置する方法は、たとえば、板状に成
形したゴム材料や筒状に押出成形したゴム材料からなる
内筒体を外筒体内に挿入して行なうことができる。ま
た、帯状のゴム材料からなる内筒体を、円筒型の外筒体
内にスパイラル状に押し出しつつ塗布して配置すること
もできる。内筒体は、通常、外筒体に対して固定的に配
置される。内筒体を固定的に配置するには、 内筒体と外筒体との間に接着剤を介在させる方法、 内筒体に含まれるゴム成分の接着力を利用する方
法、または、 内筒体の外径を外筒体の内径よりも大きくし、内筒
体に含まれるゴム成分の静的摩擦力を利用する方法、の
うちいずれか1つ、または複数の方法を併用することが
できる。上記ではゴム成分を加熱溶融し、または溶剤
を用いて溶解して行なうことができる。たとえば、熱膨
張性のゴム材料を含有する溶融液または分散液を外筒体
の内周に塗布し、固化して内筒体を形成する。また、内
筒体を外筒体の内部に挿入した後、内筒体を加熱して融
着させることもできる。一方、上記では、外筒体に大
きめの内筒体を変形させながら挿入し、挿入後に元の形
に復元することにより行なうことができる。
【0017】(4)熱膨張性のゴム材料 内筒体に用いられる「熱膨張性のゴム材料(以下、「ゴ
ム材料」と呼ぶこともある。)」とは、ゴム成分とその
ゴム成分中に分散された熱膨張性基材(例えば、膨張黒
鉛、アルカリ金属ケイ酸塩、バーミキュライト等)とを
含んでなる材料を意味する。熱膨張性のゴム材料のゴム
成分としては、クロロプレン、イソプレン、ブタジエ
ン、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体(スチレ
ン―ブタジエンゴム等)、EPDMゴム、シリコーン系
ゴム、天然ゴム、フルオロカーボンゴム、クロロヒドリ
ンゴム、ハイパロンゴム等を挙げることができる。中で
もハロゲン原子を分子内に含むポリマーは、難燃性が高
いので好ましい。また、三酸化アンチモン等のフリーラ
ジカル発生剤、燐化合物等の錯体形成剤、または水酸化
アルミニウム等の吸熱剤を、ゴム成分と混合して難燃性
を高めることもできる。ゴム成分と熱膨張性基材との配
合割合はゴム成分100重量部に対して、熱膨張性基材
5〜900重量部が好ましい。熱膨張性基材が5重量部
未満であると熱膨張率が低下し、十分な膨張量が得られ
ないおそれがあり、反対に900重量部を超えると、内
筒体の耐摩耗性が低下するおそれがある。このような熱
膨張性のゴム材料としては、特開昭53―139400
号公報等に開示されているものを用いることができる。
また、ゴム材料の耐摩耗性を高めるために、カーボン、
金属酸化物、ポリマー粒子等のフィラーや架橋剤を添加
するのが好ましい。このようにして、耐摩耗性が高めら
れたゴム材料の硬度(ショアーA)は、40以上である
ことが好ましい。このようなゴム材料は耐摩耗性にすぐ
れ、貫通部材との擦れ合いによる破損が生じるおそれが
なく、したがって、防耐火措置構造の信頼性が向上す
る。また、内筒体の内径が、貫通部材の外径よりも大で
あるので、貫通部材の貫通作業の際に、内筒体と貫通部
材との擦れ合いの発生頻度を可及的に少なくすることが
でき、その結果、貫通部材の貫通作業を容易にする効果
も奏する。
【0018】II.防耐火構造 本発明の防耐火構造は、図2に示すように区画貫通部1
1を有する仕切り部10と、区画貫通部11内に設置さ
れた前記防耐火パイプ3と、防耐火パイプ3の内部に配
設された貫通部材4と、防耐火パイプ3の軸方向の両端
の開口部に形成された、所定の間火災により発生したガ
スを遮断するシール部5とを有する。前記防耐火パイプ
を用いて形成した本発明の防耐火構造は、非火災時、内
筒体は貫通部材を圧縮していないが、内筒体(すなわ
ち、ゴム材料)の肉厚は、火災炎によって加熱された時
に内筒体と貫通部材との間の隙間が閉塞され得る様に設
定されているので、従来工法と同様の防耐火性能(たと
えば、耐火性能試験をパスすることを意味する。)を有
する。
【0019】シール部は、たとえばバックアップ材にシ
ール材を塗布することにより形成することができる。バ
ックアップ材としては、たとえば発泡ポリウレタンを用
いることができる。発泡ポリウレタンは、通常は難燃性
を有する必要はない。この他、ウエス、セルロース等の
繊維材を用いることもできる。バックアップ材は、防耐
火パイプ内に密に充填する必要はなく、少なくともパイ
プの軸方向の両端の開口にのみ配置されれば良い。ま
た、バックアップ材は、発泡ポリウレタンの場合のよう
に、密度(気泡の含有量)がバラついていても良い。な
ぜならば、火災発生時の密封性の保持は、シール材およ
び膨張したゴム材料(内筒体)によって十分に達成され
るからである。
【0020】シール部に用いられるシール材としてはコ
ーキング材またはパテ材と呼ばれているものを挙げるこ
とができる。たとえば、変性シリコーン系コーキング
材、クロロプレン系耐熱パテ等の難燃性シール材が好ま
しい。熱膨張性のシール材を用いてもよい。これは、通
常、ゴム成分と、熱膨張性基材等の無機材料とを約50
〜90重量%の割合で含有する塗布型シール材である。
塗布特性を高める等の目的で、このシール材に水等の溶
媒を添加することもできる。塗布型シール材は、コーキ
ングガン、コテ、ヘラ等の塗布具による塗布操作によ
り、防耐火パイプの両端の開口を塞ぐようにして塗布す
ることができる。この時のシール材の粘度は、10〜1
00,000ポアズが好ましい。ゴム成分および熱膨張
性基材は、内筒体に用いられるゴム材料の場合と同様の
ものが使用できる。具体的には、「米国3M社製商品
名:CP―25+」をその一例として挙げることができ
る。シール部の厚さは、0.5〜30mmが好ましい。
0.5mm未満であると密封性およびシール層の強度が
低下するおそれがある。反対に、30mmを超えると、
その形成が比較的困難な上に経済的ではなく、また、そ
れ自身の断熱性により、熱膨張性が低下するおそれがあ
る。このような観点から、0.6〜10mmがさらに好
ましい。
【0021】シール部に用いられるシール材は、貫通部
材の配設位置を固定することができる。また、火災発生
の初期段階における区画貫通部の密封性を確実に保持す
ることもできる。すなわち、内筒体が十分に膨張し、内
筒体内の残余空間を効果的に閉塞するまでの間、火災時
に発生した高温ガスが、区画貫通部を経由して間仕切り
の一方に位置する火災発生室から他方の室へ伝達される
のを確実に防ぐことができる。なお、火災時、シール材
が破損するまでの間は、内筒体の膨張に必要な熱のほと
んどは、シール材、仕切り部、外筒体および貫通部材を
通し、放射熱として内筒体に供給される。また、このよ
うな防耐火構造は、前述のような内筒体の発揮する効果
により、防耐火措置の信頼性をも高めることもできる。
さらに、シール部を防耐火パイプの両端の開口部近傍に
のみ配置する場合、次のような利点も有する。すなわ
ち、シール部の除去および再配置が容易であり、貫通部
材の再配置作業が簡易に行なうことができる。特に、貫
通部材の数を増加する場合や、より大きな寸法のものへ
の変更を行なう場合に有利である。なお、本発明の防耐
火構造は、図4に示すように貫通部材を複数用いた場合
であっても良い。なお、図4ではシール部は図示してい
ない。
【0022】III.防耐火措置工法 前記防耐火構造の製造方法、すなわち本発明の防耐火措
置工法は、下記(1)〜(4)の工程を含む。すなわ
ち、図3に示すように、 (1) 防耐火パイプ3(3’)を間仕切りを形成する
ための型枠6の所定の位置に載置する。 (2) 防耐火パイプ3(3’)を設置するとともに、
間仕切りを形成するために防耐火パイプ3(3’)以外
の部分を埋めるように、型枠6に沿って仕切り部10を
形成するための流動性材料7を配置し、その流動性材料
7を固化した後、型枠6を除去して区画貫通部11を有
する仕切り部10と、区画貫通部11内に固定的に設置
された防耐火パイプ3(3’)とを有する防耐火構造の
前駆体20を形成する。 (3)貫通部材4を前記防耐火パイプ3(3’)内に配
設する。 (4)防耐火パイプ3(3’)の両端の開口部にシール
部5を形成する。 この方法は、仕切り部10に区画貫通部11を形成する
ため紙管の代わりに、防耐火パイプ3(3’)を用いて
いることに特徴がある。また、充填材の充填作業が不要
である利点を有する。したがって、施工現場での作業性
が著しく改善される。さらに、シール部材5を、防耐火
パイプ3(3’)の両端の開口部近傍のみに配置する場
合、防耐火措置作業がより簡易になり、また、前述のよ
うな貫通部材の再配置作業が簡単に行なうことができ
る。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。 [実施例1]外径113.4mm、金属部の肉厚3.5
mm、長さ200mmの丸断面鋼管からなる外筒体の内
周全面に、7mm厚の下記熱膨張性ゴム材料からなる内
筒体を配置し、防耐火パイプを形成した。内筒体は、外
筒体の長さと同じ縦寸法と、外筒体内周より約2mm大
きな横寸法を有するシートを、横方向両端縁が接する様
に丸めて円筒を形成し、その円筒を外筒体内部に挿入し
て配置した。熱膨張性ゴム材料は、クロロプレンゴム1
00重量部、酸化アンチモン10重量部、水酸化アルミ
ニウム25重量部、および膨張性黒鉛40重量部からな
る原料を、混練装置にてほぼ均一に混合した後に、加熱
架橋して形成した。なお、内筒体は、そのゴム成分の静
的摩擦力により、外筒体に対して固定的に配置され、後
述する一連の作業の際に、位置がずれることはなかっ
た。一方、2枚の木版からなるコンクリート型枠を、1
00mmの間隔をあけて平行に配置した。2枚の木版に
はそれぞれ、上記防耐火パイプの外形と同じ形状および
直径を有する開口を設けた。次に、上記防耐火パイプを
型枠の2つの開口を貫通させ、パイプの両端が型枠の内
側表面から測定した長さが50mmになる様に突出させ
て配置した後、コンクリートを型枠内に流し込み、それ
を固化させて仕切り部を形成した。続いて、防耐火パイ
プ内に60mm2CVTケーブルを貫通させて配置し、
パイプ内の内筒体とケーブルとの隙間に発泡ポリウレタ
ン(非耐熱性)を充填した。その後、パイプの長さ方向
の両端の開口を、耐火コーキング材(前記米国3M社製
「商品名:CP−25WB+」)にてシールし、防耐火
構造を形成した。なお、コーキング材の塗布厚は、約1
mmであった。この防耐火構造に対して、(財)日本建
築センターの定める試験方法に則した2時間耐火性能確
認試験を実施した。非加熱側の測定温度は、ケーブル表
面305℃(合否判定基準温度340℃)、コーキング
材表面温度246℃(合否判定基準温度260℃)であ
るとともに、火炎、煙等の貫通は観測されず、十分な耐
火性能を発揮することが確認された。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって、
防火措置工法における作業性の改善と防耐火措置構造の
信頼性の向上とを実現する、区画貫通部の防耐火パイ
プ、それを用いた区画貫通部の防耐火構造および区画貫
通部の防耐火措置工法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防耐火パイプの一実施形態を模式的に
示す説明図であり、(A)は円筒形状、(B)は角筒形
状の場合をそれぞれ示す。
【図2】本発明の防耐火構造の一実施形態を模式的に示
す断面図である。
【図3】本発明の防耐火措置工法の一実施形態を工程順
に模式的に示す断面図である。
【図4】本発明の防耐火構造の他の実施形態を模式的に
示す断面図である。
【符号の説明】
1 外筒体 2 内筒体 3(3’) 防耐火パイプ 4 貫通部材 5 シール部 6 型枠 7 流動性材料 10 仕切り部 11 区画貫通部 20 防耐火構造前駆体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物の仕切り部の区画貫通部に設置さ
    れ、内部に貫通部材が配設された、区画貫通部における
    火災の延焼を防止する防耐火パイプにおいて、 その軸方向の両端に開口を有する外筒体と、 この外筒体の内周に沿って配置された熱膨張性のゴム材
    料からなる内筒体とを有してなるとともに、 この内筒体の内径が、貫通部材の外径よりも大であり、
    かつ、内筒体の肉厚が、火災発生室からの火災炎が内筒
    体内部を貫通して仕切り部を挟んだ反対側の室に到達し
    ないように、火災炎からの熱により内筒体が膨張し、内
    筒体と貫通部材との間の隙間が閉塞されるように設定さ
    れてなることを特徴とする、区画貫通部の防耐火パイ
    プ。
  2. 【請求項2】 建築物の間仕切りとして機能する防耐火
    構造において、 区画貫通部を有する仕切り部と、 区画貫通部内に設置された請求項1記載の防耐火パイプ
    と、 防耐火パイプの内部に配設された貫通部材と、 防耐火パイプの軸方向の両端の開口部に形成された、少
    なくとも内筒体が熱膨張するまでの間は、火災により発
    生したガスを遮断するシール部とを有してなることを特
    徴とする防耐火構造。
  3. 【請求項3】請求項2記載の区画貫通部の防耐火構造を
    形成する防耐火措置工法において、 下記(1)〜(4)の工程を含むことを特徴とする防耐
    火措置工法。 (1)防耐火パイプを、間仕切りを形成するための型枠
    の所定の位置に載置する。 (2)防耐火パイプを設置すると共に、間仕切りを形成
    するために型枠に沿って流動性材料を配置し、その流動
    性材料を固化した後、型枠を除去して区画貫通部を有す
    る仕切り部と、区画貫通部内に設置された防耐火パイプ
    とを有する防耐火構造の前駆体を形成する。 (3)貫通部材を防耐火パイプ内に配設する。 (4)防耐火パイプの両端の開口部にシール部を形成す
    る。
JP9172057A 1997-06-27 1997-06-27 区画貫通部の防耐火パイプ、区画貫通部の防耐火構造および区画貫通部の防耐火措置工法 Pending JPH1119242A (ja)

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