JP2007291795A - 防火区画貫通部構造 - Google Patents
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Abstract
その作業性および経済性に優れた防火区画貫通部構造を提供すること。
【解決手段】
建築物に設けられた防火区画を画成する仕切り部に形成された貫通孔をケーブル・配管
類が貫通する構造であって、
前記貫通孔と前記ケーブル・配管類との隙間には成形充填材が配置され、
前記成形充填材は、熱膨張性耐火材の小片を内包する発泡体を含むことを特徴とする防
火区画貫通部構造。
【選択図】図2
Description
ブル・配管類が貫通する構造に関し、さらに詳しくは火災の際の煙の拡散や延焼等を防ぐ
ための防火区画貫通部構造に関する。
る場合、仕切り部に貫通孔を開けてケーブル・配管類等を貫通させる。
この場合、前記貫通孔と前記ケーブル・配管類等との間に隙間が生じるため、このまま
の状態では前記防火区画を画成する仕切り部の一方で火災等が発生した場合、この隙間を
通じて他方の防火区画に炎や煙が広がる問題がある。
この問題に対応するため、適当な大きさの成形充填材を前記隙間に配置した防火区画貫
通部構造が提案されている。具体的には、セラミックファイバブランケットと軟質熱膨張
性耐火材シートとを積層し、この積層体を合成樹脂やフィルム等で包んだ成形充填材を使
用した防火区画貫通部構造が提案されている(特許文献1)。
また、軟質ウレタンフォーム、無機系膨張材および型崩れ防止剤を含む熱膨張性成形体
を前記隙間に配置した防火区画貫通部構造についても提案されている(特許文献2)。
層し、この積層体を合成樹脂やフィルム等で包んだ成形充填材を前記防火区画貫通部構造
に使用した場合は、この成形充填材が剛直な直方体等の形状のため、前記防火区画を画成
する仕切り部に形成された貫通孔の形状に合わせて充填することが困難であった。
また、充填に必要な形状に合わせて一つ一つの前記積層体を準備しなければならない等
の作業性の問題があった。
一方、軟質ウレタンフォームに前記無機系膨張材等を分散させた成形充填材を前記防火
区画貫通部構造に使用した場合は、特殊なウレタン樹脂を原料に用いるため、得られた成
形充填材が高価になるとの問題があった。
本発明の目的は、前記成形充填材を前記貫通孔の形状に合わせて容易に充填することが
できる等その作業性に優れ、かつ経済性に優れた防火区画貫通部構造を提供することにあ
る。
形充填材を使用した防火区画貫通部構造が本発明の目的に適うことを見出し、本発明を完
成するに至った。
[1]建築物に設けられた防火区画を画成する仕切り部に形成された貫通孔をケーブル・
配管類が貫通する構造であって、
前記貫通孔と前記ケーブル・配管類との隙間には成形充填材が配置され、
前記成形充填材は、熱膨張性耐火材の小片を内包する発泡体を含むことを特徴とする防
火区画貫通部構造を提供するものであり、
[2]前記成形充填材は、
発泡体の発泡前原料と、前記熱膨張性耐火材の小片と、からなる混合物を発泡成形して
なるもの、
および/または、
発泡体の小片と、前記熱膨張性耐火材の小片と、からなる混合物を成形してなるもの、
であることを特徴とする上記[1]に記載の防火区画貫通部構造を提供するものであり
、
[3]前記成形充填材は、布、フィルムおよびシートからなる群より選ばれる少なくとも
一つにより包まれた前記熱膨張性耐火材の小片を内包する発泡体からなることを特徴とす
る上記[1]または[2]のいずれかに記載の防火区画貫通部構造を提供するものであり
、
[4]前記防火区画を画成する仕切り部の一方の面または両方の面に、前記貫通孔を覆う
化粧板を備えたことを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の防火区画貫通部
構造を提供するものである。
できる等その作業性に優れ、かつ施工の際の経済性に優れた防火区画貫通部構造を提供す
ることができる。
図1は、建築物に設けられた防火区画A,Bを画成する仕切り部1に形成された貫通孔
2をケーブル・配管類が貫通する構造の一実施態様を例示した模式要部斜視図である。
建築物に設けられた防火区画A,Bを画成する仕切り部1としては、例えば、建築物の
床、壁、天井、間仕切り壁等が挙げられる。
本発明の仕切り部1にはこれらの一種もしくは二種以上を使用することができる。
ALC)構造、中空押出セメント板(ECP)構造、中空コンクリート構造、木材や金属
等の支持部材と面材で組合わされた構造等がある。
前記仕切り部1が軽量気泡コンクリート板(ALC板)またはモルタルで形成された防
火壁等の場合、通常その厚さは100mm程度である。
前記仕切り部1の構造は一種もしくは二種以上の構造を使用することができる。
する貫通孔2が形成されている。貫通孔2は隣接する防火区画A,Bを連通するものであ
り、ケーブル・配管類が挿入できる大きさを有している。この貫通孔2の形状に特に限定
はなく、前記貫通孔2を貫通するケーブル・配管類等の断面積の大きさによって適宜設定
される。
ーブル類、水道管、冷媒管、熱媒管、ガス管、吸排気管等の各種配管類、前記各種ケーブ
ル類や前記各種配管類を保持するケーブルラック、ケーブルケース等の各種支持体等が挙
げられる。
前記ケーブル・配管類は一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記各種ケーブル類、各種配管類、各種支持体等は、樹脂製のもの、金属製のもの等を
使用することができ、その素材に特に限定はない。
前記各種支持体は耐熱性の面から金属製のものが好ましい。
ケーブル3およびケーブルラック4が貫通していて、前記複数の電力用ケーブル3は前記
ケーブルラック4に支持されている。
なお特に図示していないが、前記ケーブルラック4はボルト等の留め具等による止着手
段により前記仕切り部1に設けられた貫通孔2に固定されている。
防火区画貫通部構造の一実施態様を例示した模式要部斜視図である。
前記貫通孔2と前記ケーブル・配管類との隙間、すなわち、前記貫通孔2ならびに前記
電力用ケーブル3およびケーブルラック4との隙間に、複数個の成形充填材10等が互い
に密接する様に配置されていて、最初にあった隙間が閉塞された状態となっている。
例示した模式要部断面図である。
図3に例示する様に、前記貫通孔2ならびに前記電力用ケーブル3およびケーブルラッ
ク4との隙間に、形状の異なる複数個の成形充填材10、10aおよび10bが配置され
ている。
前記成形充填材10、10aおよび10bは、前記仕切り部1の厚みと略同じ長さを有
する直方体の形状を有している。これらの成形充填材は柔軟性を有するため、前記隙間に
密接に配置することができる。
る。ここで図4は図3と同様に本発明の防火区画貫通部構造を、前記仕切り部1と平行な
平面で切断した断面を示すものである。
図4に例示される様に、前記仕切り部1に形成された貫通孔2に樹脂配管30が貫通し
ている。そして前記貫通孔2と前記樹脂配管30との隙間に成形充填材10が配置されて
いる。
る。ここで図5は本発明の防火区画貫通部構造を、前記仕切り部1と垂直な平面で切断し
た断面を示すものである。
図5に例示される様に、前記貫通孔2と前記樹脂配管30との隙間に、前記仕切り部1
と略同じ厚みに成形充填材10が配置されている。
る。
図6に例示される様に、前記防火区画貫通部構造は前記防火区画を画成する仕切り部の
一方の面または両方の面に、前記貫通孔を覆う化粧板を備えることができる。
図6の場合は、先の図5における前記仕切り部1の一方の面に化粧板が取り付けられた
様子を示したものであるが、前記化粧板40は前記仕切り部1の両方の面に取り付けるこ
ともできる。
また同様に、本発明の防火区画貫通部構造の第一の実施態様を例示する図2における前
記仕切り部1の一方または両方の面に前記化粧板40を取り付けることもできる。
脂板、木繊維系板、石膏ボート等を挙げることができる。
前記化粧板は一種もしくは二種以上を使用することができる。
この化粧板を設置することにより前記防火区画貫通部構造の意匠性をより高めることが
でき、前記貫通孔2を通じて一方の防火区画から他方の防火区画への延焼、煙の拡散をよ
り有効に防止することができる。
本発明に使用する成形充填材は熱膨張性耐火材の小片を内包する発泡体を含むものであ
る。
まず、前記熱膨張性耐火材の小片について説明する。
前記熱膨張性耐火材の小片としては、例えば、熱膨張性耐火材からなる成形体のうち比
較的小さい形状を有するものを意味し、具体的には、平均粒径が0.1〜10mmの範囲
のものであれば好ましく、平均粒径が0.5〜5mmの範囲であればより好ましく、平均
粒径が2〜4mmの範囲であればさらに好ましい。
、ペレット状、薄片状、平板状等を挙げることができる。これらの形状は必ずしも均一で
ある必要はなく、不定形状のものを含有することができる。
また前記熱膨張性耐火材の小片は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記熱膨張性耐火材としては、例えば、具体的には熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂等の樹
脂成分、熱膨張性層状無機物、無機充填材等を含む樹脂組成物からなるもの等を挙げるこ
とができる。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポ
リ(1−)ブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン
系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)系樹脂、ポリカーボネート
系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化
ビニル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイソブチレン等の合成樹脂
類、
天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン
−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、
エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロル
ヒドリンゴム、多加硫ゴム、非加硫ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等の
ゴム物質等が挙げられる。
きる。
性が高く、熱による脱ハロゲン化反応により架橋が起こり、加熱後の残渣の強度が向上す
る点において好ましい。
また、これらの合成樹脂類及び/又はゴム物質の中でも、柔軟でゴム的性質を持ってい
るものが好ましい。この様な性質を持つものは無機充填材を高充填することが可能であり
、得られる樹脂組成物が柔軟で扱い易いものとなる。
より柔軟で扱い易い樹脂組成物を得るためには、非加硫ゴムやポリエチレン系樹脂が好
適に用いられる。
するエチレンと他のα−オレフィンとの共重合体、エチレンとα−オレフィン以外のモノ
マーとの共重合体及びこれらの共重合体や重合体の混合物等が挙げられる。
オレフィンとしては、例えば、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン
、1−ブテン、1−ペンテン等が挙げられる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メ
タクリレート共重合体等が挙げられる。
えば、チーグラー・ナッタ触媒、バナジウム触媒、4価の遷移金属を含むメタロセン化合
物等を重合触媒として重合されたものが挙げられるが、中でも、4価の遷移金属を含むメ
タロセン化合物等を触媒として得られるポリエチレン系樹脂が好ましい。
を阻害しない範囲で、架橋や変性が施されてもよい。
ず、予め架橋、変性した前記合成樹脂類及び/又はゴム物質を用いてもよく、後述するリ
ン化合物や無機充填材等の他の成分を配合する際に同時に架橋や変性を行ってもよい。
よく、上記架橋や変性は、いずれの段階で行ってもよい。
て通常行われる架橋方法により実施することができる。例えば、各種架橋剤、過酸化物等
を使用する架橋方法、電子線照射による架橋方法が挙げられる。
はないが、例えば、エポキシ基を持つモノマーと硬化剤とを反応させて得られる樹脂等を
挙げることができる。
て、ポリエチレングリコール型、ポリプロピレングリコール型、ネオペンチルグリコール
型、1,6−ヘキサンジオール型、トリメチロールプロパン型、プロピレンオキサイド−
ビスフェノールA、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型
等のモノマーが挙げられる。
フタル酸型、ダイマー酸型、p−オキシ安息香酸型等のモノマーが挙げられる。
ル型、DPPノボラック型、ジシクロペンタジエン、フェノール型等のモノマーが挙げら
れる。
前記重付加型硬化剤としては、例えば、ポリアミン、酸無水物、ポリフェノール、ポリ
メルカプタン等が挙げられる。
前記触媒型硬化剤としては、例えば三級アミン類、イミダゾール類、ルイス酸錯体等が
挙げられる。
これらエポキシ樹脂の硬化方法は特に限定されず、公知の方法により行うことができる
。
をブレンドしたものを使用することができる。
前記熱膨張性層状無機物は加熱時に膨張するものであるが、かかる熱膨張性層状無機物
に特に限定はなく、例えば、バーミキュライト、カオリン、マイカ、熱膨張性黒鉛等を挙
げることができる。
前記熱膨張性黒鉛とは、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラフ
ァイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝
酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素
等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたものであり、炭素の層状
構造を維持したままの結晶化合物の一種である。
、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和したものを使用するのが好まし
い。
チルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。
ム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、
硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
粒度が20メッシュより小さくなると、黒鉛の膨張度が小さく、充分な耐火断熱層が得
られにくく、また、粒度が200メッシュより大きくなると、黒鉛の膨張度が大きいとい
う利点はあるが、前記熱可塑性樹脂又はエポキシ樹脂と混練する際に分散性が悪くなり、
物性が低下し易い。
の「GRAFGUARD#160」、「GRAFGUARD#220」、東ソー社製の「
GREP−EG」等が挙げられる。
前記無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、
酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アン
チモン、フェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、
塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム
、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ
酸カルシウム等のカリウム塩、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイ
ト、活性白土、セビオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、
シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラ
ファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグ
ネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素
、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、無機系リン
化合物、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等が挙げられ
る。
これらは、一種もしくは二種以上を使用することができる。
容量の増大に寄与する。
このため、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛で代表される金属炭酸塩、骨材的役割の他に加熱
時に吸熱効果も付与する水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムで代表される含水無機
物が好ましく、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び周期律表IIbの金属炭酸塩又は
これらと前記含水無機物との混合物が好ましい。
前記リン化合物としては、特に限定されず、例えば、赤リン;トリフェニルホスフェー
ト、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホス
フェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム類
;化学式1で表される化合物等が挙げられる。
これらのリン化合物は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
リリン酸アンモニウム類が好ましく、性能、安全性、費用等の点においてポリリン酸アン
モニウム類がより好ましい。
ル基、又は、炭素数6〜16のアリール基を表す。
6の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、又は、炭素
数6〜16のアリールオキシ基を表す。
ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチル
ホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル
−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホ
スホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフ
ィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエ
チルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホ
スフィン酸等が挙げられる。
ム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、難燃性、安全性、コスト、
取扱性等の点からポリリン酸アンモニウムが好適に用いられる。
及び「商品名:EXOLIT AP462」等が挙げられる。
の膨張を促すと考えられ、特に、リン化合物として、ポリリン酸アンモニウムを使用した
場合に、高い膨張効果が得られる。
また、有効な骨材として働き、燃焼後に形状保持性の高い残渣を形成する。
mの範囲のものが好ましく、より好ましくは、1〜50μmの範囲のものである。
無機充填材の添加量が少ないときは、分散性が性能を大きく左右するため、粒径の小さ
いものが好ましいが、粒径0.5μm未満では二次凝集が起こり、分散性が悪くなること
がある。
高くなり成形性が低下するが、粒径を大きくすることによって樹脂組成物の粘度を低下さ
せることができる点から、上記範囲の中でも粒径の大きいものが好ましい。
することがある。
炭酸塩;骨材的役割の他に加熱時に吸熱効果を付与する水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム等の含水無機物が好ましい。
前記含水無機物及び金属炭酸塩を併用することは、燃焼残渣の強度向上や熱容量増大に
大きく寄与すると考えられる。
は、加熱時の脱水反応によって生成した水のために吸熱が起こり、温度上昇が低減されて
高い耐熱性が得られる点、及び、燃焼残渣として酸化物が残存し、これが骨材となって働
くことで燃焼残渣の強度が向上する点で好ましい。
なるため、併用すると脱水効果を発揮する温度領域が広くなり、より効果的な温度上昇抑
制効果が得られることから、併用することが好ましい。
脱水効果を高めるために高充填するには粒径の大きなものが好ましい。
程度向上することが知られている。
が可能となる。
「商品名:ハイジライトH−42M」(昭和電工社製)、粒径18μmの「商品名:ハイ
ジライトH−31」(昭和電工社製)等が挙げられる。
前記炭酸カルシウムの市販品としては、例えば、粒径1.8μmの「商品名:ホワイト
ンSB赤」(白石カルシウム社製)、粒径8μmの「商品名:BF300」(備北粉化社
製)等が挙げられる。
可塑性樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂成分、前記熱膨張性層状無機物、前記無機充填材等を
含む樹脂組成物からなるもの等を挙げることができるが、次にこれらの配合について説明
する。
、前記熱膨張性層状無機物を20〜350重量部及び前記無機充填材を50〜400重量
部の範囲で含むものが好ましい。
また、前記熱膨張性層状無機物および前記無機充填材の合計は、200〜600重量部
の範囲が好ましい。
記熱膨張性耐火材は火災等の加熱によって膨張し、必要な体積膨張率を得ることができ、
膨張後は所定の断熱性能を有すると共に所定の強度を有する残渣を形成することもでき、
安定した防火性能を達成することができる。
性能が得られないことがある。
一方、層状無機物の量が350重量部を超えると、擬集力が不足するため、成形品とし
ての強度が得られないことがある。
また前記無機充填材の量が50重量部未満であると、燃焼後の残体積量が減少するため
、充分な耐火断熱層が得られないことがある。
さらに可燃物の比率が増加するため、難燃性が低下することがある。
凝集力が不足して成形品としての強度が得られにくい。
未満では燃焼後の残渣量が不足して十分な耐火性能が得られにくく、600重量部を超え
ると機械的物性の低下が大きくなり、使用に耐えられなくなることがある。
、必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤の他、金属害防止剤
、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂等の添加剤、ポリブ
テン、石油樹脂等の粘着付与剤を含むことができる。
前記樹脂組成物の製造方法に特に限定はないが、例えば、前記樹脂組成物に含まれる前
記樹脂分が熱可塑性樹脂である場合は、前記樹脂組成物の各成分を押出機、バンバリーミ
キサー、ニーダーミキサー等公知の混練装置に供給して溶融混練する方法や、前記樹脂組
成物の各成分を有機溶剤に懸濁さたり、加温して溶融させたりして塗料状にしたり、溶剤
に分散してスラリーを調製する等の方法により、前記樹脂組成物を得ることができる。
、前記樹脂組成物を有機溶剤に懸濁させたり、加温して溶融させたりして塗料状とする方
法や、溶剤に分散してスラリーを調製する等の方法、また前記樹脂組成物を加熱下に溶融
させる等の方法により前記樹脂組成物を得ることができる。
ーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式撹拌機等公知の装置を用いて混練する
ことにより得ることができる。
にスタティックミキサー、ダイナミックミキサー等で混練して得ることもできる。
以上説明した方法により、本発明に使用する前記熱膨張性耐火材を得ることができる。
ァイアバリア(クロロプレンゴムとバーミキュライトを含有する樹脂組成物からなる熱膨
張性耐火材、膨張率:3倍、熱伝導率:0.20kcal/m・h・℃)、三井金属塗料
社のメジヒカット(ポリウレタン樹脂と熱膨張性黒鉛を含有する樹脂組成物からなる熱膨
張性耐火材、膨張率:4倍、熱伝導率:0.21kcal/m・h・℃)、積水化学工業
社製フィブロック(ブチルゴムを含む熱膨張性耐火材)等の熱膨張性耐火材等も挙げられ
る。
かつその膨張層の強度があるものであれば特に限定されないが、50kW/m2の加熱条
件下で30分間加熱した後の体積膨張率が3〜50倍のものであれば好ましい。前記体積
膨張率が3倍を下回ると、膨張体積が前記樹脂成分の焼失部分を十分に埋めきれず防火性
能が低下することがある。また50倍を超えると、膨張層の強度が下がり、火炎の貫通を
防止する効果が低下することがある。より好ましくは、体積膨張率が5〜40倍の範囲で
あり、さらに好ましくは8〜35倍の範囲である。
度としては、圧縮試験器にて0.25cm2の圧子を用いて、前記膨張層のサンプルを0
.1m/sの圧縮速度で測定した場合の破断点応力が0.05kgf/cm2以上であれ
ば好ましい。破断点応力が0.05kgf/cm2を下回ると、断熱膨張層が自立できな
くなり防火性能が低下することがある。より好ましくは、0.1kgf/cm2以上であ
る。
等に加工して得られる成形品を粉砕する方法、前記熱膨張性耐火材をシートや成形品等に
加工して得られる成形品を裁断する方法、前記熱膨張性耐火材をシートや成形品等に加工
する際に得られる端材等を利用する方法、前記端材等を粉砕する方法、前記端材等を裁断
する方法等により得ることができる。
前記熱膨張性耐火材の小片は、粒径を揃える分球操作を実施したものを使用することが
好ましい。
上記の様に本発明によれば、有効に前記熱膨張性耐火材の端材や成形形状不良品等を有
効活用することができる。
本発明に使用する発泡体としては、例えば、ポリウレタン発泡体、ポリエチレン発泡体
、ポリプロピレン発泡体、ポリスチレン発泡体、エチレン−酢酸ビニル共重合発泡体等を
挙げることができる。
これらの発泡体は容易に変形させることができることから、前記貫通孔と前記ケーブル
・配管類との隙間に容易に配置することができる。
中でも前記ポリウレタン発泡体は、ポリウレタン発泡体の端材や成形不良品等を細かく
裁断した後、また一体の成形体とすることが容易であることから好ましい。
前記発泡体は一種もしくは二種以上を使用することができる。
定はない。
泡体を含むものであるが、次に前記熱膨張性耐火材の小片を内包する発泡体について説明
する。
料と前記熱膨張性耐火材の小片とからなる混合物を発泡成形してなるもの、発泡体の小片
と前記熱膨張性耐火材の小片とからなる混合物を成形してなるもの等を挙げることができ
る。
水と親水性ポリオール化合物とを含む成分ならびにポリイソシアネート化合物を含む成分
からなる二液タイプのポリウレタン原料、水性ウレタンポリマーに水を反応させる一液タ
イプのポリウレタン原料等を挙げることができる。
ることにより、前記成形充填材を得ることができる。
泡体、ポリスチレン発泡体、エチレン−酢酸ビニル共重合発泡体等の場合であれば、例え
ば、原料樹脂、発泡剤、架橋剤等を挙げることができる。
し均一な樹脂組成物とした後、この樹脂組成物を金型プレス等を用いて加圧下に加熱する
ことにより、前記発泡剤が発泡を起こす。この様にしてこれらの原料樹脂等と前記熱膨張
性耐火材の小片とからなる混合物を発泡成形することにより、前記成形充填材を得ること
ができる。
成形して得られた成形充填材を例示した模式斜視図である。
図7では、均一な発泡体50の中に前記熱膨張性耐火材の小片60が分散している成形
充填材が例示されている。
した上で、加熱プレス等の成形装置等により成形することによっても前記成形充填材を得
ることができる。
図8は、前記発泡体の小片51と前記熱膨張性耐火材の小片60とからなる混合物を成
形して得られた成形充填材を例示した模式斜視図である。
図8では、発泡体の小片と前記熱膨張性耐火材の小片とが集合して一体となっている成
形充填材が例示されている。
添加してもよい。
この場合、前記樹脂成分は前記無機繊維に対してバインダー樹脂として使用される。
前記無機繊維としては、例えば、具体的にはシリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリ
カ繊維、ジルコニア繊維等のセラミック繊維等が挙げられる。
前記無機繊維、前記樹脂成分等に加えて、焼結性無機質材をさらに併用してもよい。
かかる焼結性無機質材としては、例えば、電気絶縁性ガラス等を例示することができる
。
前記無機繊維、前記樹脂成分等を含む無機繊維、焼結性無機質材等の形状に特に限定は
なく、小片のものを使用することができる。
これらは一種もしくは二種以上を使用することができる。
、六角柱等の形状を挙げることができる。
中でも直方体の形状が、前記貫通孔と前記ケーブル・配管類との隙間に前記成形充填材
を配置する作業性に優れるため好ましい。
前記成形充填材の形状は一種もしくは二種以上を採用することができる。
例示した模式斜視図である。
前記充填材を前記包材により包装することにより、意匠性により優れた防火区画貫通部
構造を得ることができる。
前記布としては、例えば、木綿、絹、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン等の織
布や不織布からなるもの等を挙げることができる。
前記フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポ
リエチレンテレフタレートフィルム等を挙げることができる。
前記シートとしては、例えば、アルミニウム箔、アルミガラスクロス、無機ガラスクロ
ス、セラミックシート等を挙げることができる。
包材は一種もしくは二種以上を使用することができる。
管類との隙間に容易に配置することができ、本発明の防火区画貫通部構造を施工する際の
作業性に優れる。
また、前記発泡体や前記熱膨張性耐火材の端材や成形不良品を有効に活用することがで
きることからリサイクルを促進することが可能となり省資源に資することができる。また
コスト的にも有利となる。
さらに前記防火区画貫通部構造に備えられた前記ケーブル・配管類内部の振動や音が、
仕切り部に伝達する割合を低減することができる。
2 貫通孔
3 電力用ケーブル
4 ケーブルラック
10、10A、10B 成形充填材
30 樹脂配管
40 化粧板
50 発泡体
51 発泡体の小片
60 熱膨張性耐火材の小片
70 包材
A,B 防火区画
Claims (4)
- 建築物に設けられた防火区画を画成する仕切り部に形成された貫通孔をケーブル・配管
類が貫通する構造であって、
前記貫通孔と前記ケーブル・配管類との隙間には成形充填材が配置され、
前記成形充填材は、熱膨張性耐火材の小片を内包する発泡体を含むことを特徴とする防
火区画貫通部構造。 - 前記成形充填材は、
発泡体の発泡前原料と、前記熱膨張性耐火材の小片と、からなる混合物を発泡成形して
なるもの、
および/または、
発泡体の小片と、前記熱膨張性耐火材の小片と、からなる混合物を成形してなるもの、
であることを特徴とする請求項1に記載の防火区画貫通部構造。 - 前記成形充填材は、布、フィルムおよびシートからなる群より選ばれる少なくとも一つ
により包まれた前記熱膨張性耐火材の小片を内包する発泡体からなることを特徴とする請
求項1または2のいずれかに記載の防火区画貫通部構造。 - 前記防火区画を画成する仕切り部の一方の面または両方の面に、前記貫通孔を覆う化粧
板を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防火区画貫通部構造。
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