JP2007291795A - 防火区画貫通部構造 - Google Patents

防火区画貫通部構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2007291795A
JP2007291795A JP2006122969A JP2006122969A JP2007291795A JP 2007291795 A JP2007291795 A JP 2007291795A JP 2006122969 A JP2006122969 A JP 2006122969A JP 2006122969 A JP2006122969 A JP 2006122969A JP 2007291795 A JP2007291795 A JP 2007291795A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molding
filler
refractory material
foam
thermally expandable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006122969A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4908907B2 (ja
Inventor
Tokihito Yamato
旬人 山戸
Masaki Tono
正樹 戸野
Kazuhiro Okada
和廣 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2006122969A priority Critical patent/JP4908907B2/ja
Publication of JP2007291795A publication Critical patent/JP2007291795A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4908907B2 publication Critical patent/JP4908907B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Building Environments (AREA)

Abstract

【課題】前記成形充填材を前記貫通孔の形状に合わせて容易に充填することができる等、
その作業性および経済性に優れた防火区画貫通部構造を提供すること。
【解決手段】
建築物に設けられた防火区画を画成する仕切り部に形成された貫通孔をケーブル・配管
類が貫通する構造であって、
前記貫通孔と前記ケーブル・配管類との隙間には成形充填材が配置され、
前記成形充填材は、熱膨張性耐火材の小片を内包する発泡体を含むことを特徴とする防
火区画貫通部構造。
【選択図】図2

Description

本発明は、建築物に設けられた防火区画を画成する仕切り部に形成された貫通孔をケー
ブル・配管類が貫通する構造に関し、さらに詳しくは火災の際の煙の拡散や延焼等を防ぐ
ための防火区画貫通部構造に関する。
従来、建築物に設けられた防火区画を画成する仕切り部にケーブル・配管類等を配設す
る場合、仕切り部に貫通孔を開けてケーブル・配管類等を貫通させる。
この場合、前記貫通孔と前記ケーブル・配管類等との間に隙間が生じるため、このまま
の状態では前記防火区画を画成する仕切り部の一方で火災等が発生した場合、この隙間を
通じて他方の防火区画に炎や煙が広がる問題がある。
この問題に対応するため、適当な大きさの成形充填材を前記隙間に配置した防火区画貫
通部構造が提案されている。具体的には、セラミックファイバブランケットと軟質熱膨張
性耐火材シートとを積層し、この積層体を合成樹脂やフィルム等で包んだ成形充填材を使
用した防火区画貫通部構造が提案されている(特許文献1)。
また、軟質ウレタンフォーム、無機系膨張材および型崩れ防止剤を含む熱膨張性成形体
を前記隙間に配置した防火区画貫通部構造についても提案されている(特許文献2)。
特開2002−247735号公報 特開2002−325340号公報
しかしながら前記セラミックファイバブランケットと軟質熱膨張性耐火材シートとを積
層し、この積層体を合成樹脂やフィルム等で包んだ成形充填材を前記防火区画貫通部構造
に使用した場合は、この成形充填材が剛直な直方体等の形状のため、前記防火区画を画成
する仕切り部に形成された貫通孔の形状に合わせて充填することが困難であった。
また、充填に必要な形状に合わせて一つ一つの前記積層体を準備しなければならない等
の作業性の問題があった。
一方、軟質ウレタンフォームに前記無機系膨張材等を分散させた成形充填材を前記防火
区画貫通部構造に使用した場合は、特殊なウレタン樹脂を原料に用いるため、得られた成
形充填材が高価になるとの問題があった。
本発明の目的は、前記成形充填材を前記貫通孔の形状に合わせて容易に充填することが
できる等その作業性に優れ、かつ経済性に優れた防火区画貫通部構造を提供することにあ
る。
本発明者らは鋭意検討した結果、前記熱膨張性耐火材の小片を内包する発泡体を含む成
形充填材を使用した防火区画貫通部構造が本発明の目的に適うことを見出し、本発明を完
成するに至った。
すなわち本発明は、
[1]建築物に設けられた防火区画を画成する仕切り部に形成された貫通孔をケーブル・
配管類が貫通する構造であって、
前記貫通孔と前記ケーブル・配管類との隙間には成形充填材が配置され、
前記成形充填材は、熱膨張性耐火材の小片を内包する発泡体を含むことを特徴とする防
火区画貫通部構造を提供するものであり、
[2]前記成形充填材は、
発泡体の発泡前原料と、前記熱膨張性耐火材の小片と、からなる混合物を発泡成形して
なるもの、
および/または、
発泡体の小片と、前記熱膨張性耐火材の小片と、からなる混合物を成形してなるもの、
であることを特徴とする上記[1]に記載の防火区画貫通部構造を提供するものであり

[3]前記成形充填材は、布、フィルムおよびシートからなる群より選ばれる少なくとも
一つにより包まれた前記熱膨張性耐火材の小片を内包する発泡体からなることを特徴とす
る上記[1]または[2]のいずれかに記載の防火区画貫通部構造を提供するものであり

[4]前記防火区画を画成する仕切り部の一方の面または両方の面に、前記貫通孔を覆う
化粧板を備えたことを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の防火区画貫通部
構造を提供するものである。
本発明によれば、前記成形充填材を前記貫通孔の形状に合わせて容易に充填することが
できる等その作業性に優れ、かつ施工の際の経済性に優れた防火区画貫通部構造を提供す
ることができる。
本発明の防火区画貫通部構造について、以下に図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、建築物に設けられた防火区画A,Bを画成する仕切り部1に形成された貫通孔
2をケーブル・配管類が貫通する構造の一実施態様を例示した模式要部斜視図である。
建築物に設けられた防火区画A,Bを画成する仕切り部1としては、例えば、建築物の
床、壁、天井、間仕切り壁等が挙げられる。
本発明の仕切り部1にはこれらの一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記仕切り部1の構造としては、例えば、コンクリート構造、軽量気泡コンクリート(
ALC)構造、中空押出セメント板(ECP)構造、中空コンクリート構造、木材や金属
等の支持部材と面材で組合わされた構造等がある。
前記仕切り部1が軽量気泡コンクリート板(ALC板)またはモルタルで形成された防
火壁等の場合、通常その厚さは100mm程度である。
前記仕切り部1の構造は一種もしくは二種以上の構造を使用することができる。
図1に例示される様に、前記仕切り部1には隣接する防火区画A,Bを水平方向に貫通
する貫通孔2が形成されている。貫通孔2は隣接する防火区画A,Bを連通するものであ
り、ケーブル・配管類が挿入できる大きさを有している。この貫通孔2の形状に特に限定
はなく、前記貫通孔2を貫通するケーブル・配管類等の断面積の大きさによって適宜設定
される。
前記ケーブル・配管類としては、例えば、電力用ケーブル、通信用ケーブル等の各種ケ
ーブル類、水道管、冷媒管、熱媒管、ガス管、吸排気管等の各種配管類、前記各種ケーブ
ル類や前記各種配管類を保持するケーブルラック、ケーブルケース等の各種支持体等が挙
げられる。
前記ケーブル・配管類は一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記各種ケーブル類、各種配管類、各種支持体等は、樹脂製のもの、金属製のもの等を
使用することができ、その素材に特に限定はない。
前記各種支持体は耐熱性の面から金属製のものが好ましい。
図1の防火区画貫通部構造では、この貫通孔2にケーブル・配管類として複数の電力用
ケーブル3およびケーブルラック4が貫通していて、前記複数の電力用ケーブル3は前記
ケーブルラック4に支持されている。
なお特に図示していないが、前記ケーブルラック4はボルト等の留め具等による止着手
段により前記仕切り部1に設けられた貫通孔2に固定されている。
図2は、前記貫通孔2と前記ケーブル・配管類との隙間に成形充填材10が配置された
防火区画貫通部構造の一実施態様を例示した模式要部斜視図である。
前記貫通孔2と前記ケーブル・配管類との隙間、すなわち、前記貫通孔2ならびに前記
電力用ケーブル3およびケーブルラック4との隙間に、複数個の成形充填材10等が互い
に密接する様に配置されていて、最初にあった隙間が閉塞された状態となっている。
図3は本発明の防火区画貫通部構造を、前記仕切り部1と平行な平面で切断した断面を
例示した模式要部断面図である。
図3に例示する様に、前記貫通孔2ならびに前記電力用ケーブル3およびケーブルラッ
ク4との隙間に、形状の異なる複数個の成形充填材10、10aおよび10bが配置され
ている。
前記成形充填材10、10aおよび10bは、前記仕切り部1の厚みと略同じ長さを有
する直方体の形状を有している。これらの成形充填材は柔軟性を有するため、前記隙間に
密接に配置することができる。
図4は、本発明の防火区画貫通部構造の第二の実施態様を例示した模式要部断面図であ
る。ここで図4は図3と同様に本発明の防火区画貫通部構造を、前記仕切り部1と平行な
平面で切断した断面を示すものである。
図4に例示される様に、前記仕切り部1に形成された貫通孔2に樹脂配管30が貫通し
ている。そして前記貫通孔2と前記樹脂配管30との隙間に成形充填材10が配置されて
いる。
図5は、本発明の防火区画貫通部構造の第二の実施態様を例示した模式要部断面図であ
る。ここで図5は本発明の防火区画貫通部構造を、前記仕切り部1と垂直な平面で切断し
た断面を示すものである。
図5に例示される様に、前記貫通孔2と前記樹脂配管30との隙間に、前記仕切り部1
と略同じ厚みに成形充填材10が配置されている。
図6は、本発明の防火区画貫通部構造の第三の実施態様を例示した模式要部断面図であ
る。
図6に例示される様に、前記防火区画貫通部構造は前記防火区画を画成する仕切り部の
一方の面または両方の面に、前記貫通孔を覆う化粧板を備えることができる。
図6の場合は、先の図5における前記仕切り部1の一方の面に化粧板が取り付けられた
様子を示したものであるが、前記化粧板40は前記仕切り部1の両方の面に取り付けるこ
ともできる。
また同様に、本発明の防火区画貫通部構造の第一の実施態様を例示する図2における前
記仕切り部1の一方または両方の面に前記化粧板40を取り付けることもできる。
前記化粧板としては、例えば、セラミック系板、ケイ酸カルシウム板、金属板、合成樹
脂板、木繊維系板、石膏ボート等を挙げることができる。
前記化粧板は一種もしくは二種以上を使用することができる。
この化粧板を設置することにより前記防火区画貫通部構造の意匠性をより高めることが
でき、前記貫通孔2を通じて一方の防火区画から他方の防火区画への延焼、煙の拡散をよ
り有効に防止することができる。
次に本発明に使用する成形充填材について説明する。
本発明に使用する成形充填材は熱膨張性耐火材の小片を内包する発泡体を含むものであ
る。
まず、前記熱膨張性耐火材の小片について説明する。
前記熱膨張性耐火材の小片としては、例えば、熱膨張性耐火材からなる成形体のうち比
較的小さい形状を有するものを意味し、具体的には、平均粒径が0.1〜10mmの範囲
のものであれば好ましく、平均粒径が0.5〜5mmの範囲であればより好ましく、平均
粒径が2〜4mmの範囲であればさらに好ましい。
また前記熱膨張性耐火材の小片の形状としては、例えば、粉体状、短冊状、フレーク状
、ペレット状、薄片状、平板状等を挙げることができる。これらの形状は必ずしも均一で
ある必要はなく、不定形状のものを含有することができる。
また前記熱膨張性耐火材の小片は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
次に本発明に使用する前記熱膨張性耐火材について説明する。
前記熱膨張性耐火材としては、例えば、具体的には熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂等の樹
脂成分、熱膨張性層状無機物、無機充填材等を含む樹脂組成物からなるもの等を挙げるこ
とができる。
前記樹脂組成物の各成分のうち、まず前記樹脂成分について説明する。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポ
リ(1−)ブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン
系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)系樹脂、ポリカーボネート
系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化
ビニル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイソブチレン等の合成樹脂
類、
天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン
−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、
エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロル
ヒドリンゴム、多加硫ゴム、非加硫ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等の
ゴム物質等が挙げられる。
これらの合成樹脂類及び/又はゴム物質は、一種もしくは二種以上を使用することがで
きる。
前記合成樹脂類及び/又はゴム物質の中でも、ハロゲン化されたものは、それ自体難燃
性が高く、熱による脱ハロゲン化反応により架橋が起こり、加熱後の残渣の強度が向上す
る点において好ましい。
また、これらの合成樹脂類及び/又はゴム物質の中でも、柔軟でゴム的性質を持ってい
るものが好ましい。この様な性質を持つものは無機充填材を高充填することが可能であり
、得られる樹脂組成物が柔軟で扱い易いものとなる。
より柔軟で扱い易い樹脂組成物を得るためには、非加硫ゴムやポリエチレン系樹脂が好
適に用いられる。
前記ポリエチレン系樹脂としては、例えば、エチレン単独重合体、エチレンを主成分と
するエチレンと他のα−オレフィンとの共重合体、エチレンとα−オレフィン以外のモノ
マーとの共重合体及びこれらの共重合体や重合体の混合物等が挙げられる。
前記エチレンを主成分とするエチレンと他のα−オレフィンとの共重合体におけるα−
オレフィンとしては、例えば、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン
、1−ブテン、1−ペンテン等が挙げられる。
また、前記エチレンとα−オレフィン以外のモノマーとの共重合体としては、例えば、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メ
タクリレート共重合体等が挙げられる。
前記エチレン単独重合体又はエチレンと他のα−オレフィンとの共重合体としては、例
えば、チーグラー・ナッタ触媒、バナジウム触媒、4価の遷移金属を含むメタロセン化合
物等を重合触媒として重合されたものが挙げられるが、中でも、4価の遷移金属を含むメ
タロセン化合物等を触媒として得られるポリエチレン系樹脂が好ましい。
前記合成樹脂類及び/又はゴム物質には、更に、本発明における発泡断熱材の耐火性能
を阻害しない範囲で、架橋や変性が施されてもよい。
前記合成樹脂類及び/又はゴム物質の架橋や変性を行う時期については、特に限定され
ず、予め架橋、変性した前記合成樹脂類及び/又はゴム物質を用いてもよく、後述するリ
ン化合物や無機充填材等の他の成分を配合する際に同時に架橋や変性を行ってもよい。
また、前記合成樹脂類及び/又はゴム物質に他の成分を配合した後に架橋や変性しても
よく、上記架橋や変性は、いずれの段階で行ってもよい。
前記の架橋方法については特に限定されず、前記合成樹脂類及び/又はゴム物質につい
て通常行われる架橋方法により実施することができる。例えば、各種架橋剤、過酸化物等
を使用する架橋方法、電子線照射による架橋方法が挙げられる。
また、本発明に使用する樹脂成分のうち、先に示したエポキシ樹脂としては、特に限定
はないが、例えば、エポキシ基を持つモノマーと硬化剤とを反応させて得られる樹脂等を
挙げることができる。
前記エポキシ基を持つモノマーとしては、例えば、2官能のグリシジルエーテル型とし
て、ポリエチレングリコール型、ポリプロピレングリコール型、ネオペンチルグリコール
型、1,6−ヘキサンジオール型、トリメチロールプロパン型、プロピレンオキサイド−
ビスフェノールA、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型
等のモノマーが挙げられる。
また、グリシジルエステル型として、ヘキサヒドロ無水フタル酸型、テトラヒドロ無水
フタル酸型、ダイマー酸型、p−オキシ安息香酸型等のモノマーが挙げられる。
更に多官能のグリシジルエーテル型として、フェノールノボラック型、オルトクレゾー
ル型、DPPノボラック型、ジシクロペンタジエン、フェノール型等のモノマーが挙げら
れる。
これらは、一種もしくは二種以上を使用することができる。
また、前記硬化剤としては、例えば、重付加型硬化剤、触媒型硬化剤等が挙げられる。
前記重付加型硬化剤としては、例えば、ポリアミン、酸無水物、ポリフェノール、ポリ
メルカプタン等が挙げられる。
前記触媒型硬化剤としては、例えば三級アミン類、イミダゾール類、ルイス酸錯体等が
挙げられる。
これらエポキシ樹脂の硬化方法は特に限定されず、公知の方法により行うことができる
なお、前記樹脂成分の溶融粘度、柔軟性、粘着性等の調整のため、二種以上の樹脂成分
をブレンドしたものを使用することができる。
次に前記樹脂組成物の各成分のうち、前記熱膨張性層状無機物について説明する。
前記熱膨張性層状無機物は加熱時に膨張するものであるが、かかる熱膨張性層状無機物
に特に限定はなく、例えば、バーミキュライト、カオリン、マイカ、熱膨張性黒鉛等を挙
げることができる。
前記熱膨張性黒鉛とは、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラフ
ァイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝
酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素
等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたものであり、炭素の層状
構造を維持したままの結晶化合物の一種である。
上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン
、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和したものを使用するのが好まし
い。
前記脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメ
チルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。
前記アルカリ金属化合物および前記アルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウ
ム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、
硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
前記熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュの範囲のものが好ましい。
粒度が20メッシュより小さくなると、黒鉛の膨張度が小さく、充分な耐火断熱層が得
られにくく、また、粒度が200メッシュより大きくなると、黒鉛の膨張度が大きいとい
う利点はあるが、前記熱可塑性樹脂又はエポキシ樹脂と混練する際に分散性が悪くなり、
物性が低下し易い。
上記中和された熱膨張性黒鉛の市販品としては、例えば、UCAR CARBON社製
の「GRAFGUARD#160」、「GRAFGUARD#220」、東ソー社製の「
GREP−EG」等が挙げられる。
次に先の樹脂組成物の各成分のうち、前記無機充填材について説明する。
前記無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、
酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アン
チモン、フェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、
塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム
、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ
酸カルシウム等のカリウム塩、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイ
ト、活性白土、セビオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、
シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラ
ファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグ
ネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素
、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、無機系リン
化合物、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等が挙げられ
る。
これらは、一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記無機充填材は骨材的役割を果たして、加熱後に生成する膨張断熱層強度の向上や熱
容量の増大に寄与する。
このため、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛で代表される金属炭酸塩、骨材的役割の他に加熱
時に吸熱効果も付与する水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムで代表される含水無機
物が好ましく、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び周期律表IIbの金属炭酸塩又は
これらと前記含水無機物との混合物が好ましい。
また、リン化合物は、難燃性を向上させる為に用いられる。
前記リン化合物としては、特に限定されず、例えば、赤リン;トリフェニルホスフェー
ト、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホス
フェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム類
;化学式1で表される化合物等が挙げられる。
これらのリン化合物は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
これらのうち、耐火性の観点から、赤リン、下記の化学式で表される化合物、及び、ポ
リリン酸アンモニウム類が好ましく、性能、安全性、費用等の点においてポリリン酸アン
モニウム類がより好ましい。
上記化学式中、Rl及びR3は、水素、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキ
ル基、又は、炭素数6〜16のアリール基を表す。
2は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜1
6の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、又は、炭素
数6〜16のアリールオキシ基を表す。
前記化学式で表される化合物としては、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸
ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチル
ホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル
−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホ
スホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフ
ィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエ
チルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホ
スフィン酸等が挙げられる。
中でも、t−ブチルホスホン酸は、高価ではあるが、高難燃性の点において好ましい。
ポリリン酸アンモニウム類としては、特に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウ
ム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、難燃性、安全性、コスト、
取扱性等の点からポリリン酸アンモニウムが好適に用いられる。
市販品としては、例えば、クラリアント社製の「商品名:EXOLIT AP422」
及び「商品名:EXOLIT AP462」等が挙げられる。
前記リン化合物は、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩と反応して、金属炭酸塩
の膨張を促すと考えられ、特に、リン化合物として、ポリリン酸アンモニウムを使用した
場合に、高い膨張効果が得られる。
また、有効な骨材として働き、燃焼後に形状保持性の高い残渣を形成する。
本発明に使用する無機充填材が粒状の場合には、その粒径としては、0.5〜200μ
mの範囲のものが好ましく、より好ましくは、1〜50μmの範囲のものである。
無機充填材の添加量が少ないときは、分散性が性能を大きく左右するため、粒径の小さ
いものが好ましいが、粒径0.5μm未満では二次凝集が起こり、分散性が悪くなること
がある。
また、無機充填材の添加量が多いときは、高充填が進むにつれて、樹脂組成物の粘度が
高くなり成形性が低下するが、粒径を大きくすることによって樹脂組成物の粘度を低下さ
せることができる点から、上記範囲の中でも粒径の大きいものが好ましい。
なお、粒径が200μmを超えると、成形体の表面性、樹脂組成物の力学的物性が低下
することがある。
前記無機充填材の中でも、特に骨材的役割を果たす炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の金属
炭酸塩;骨材的役割の他に加熱時に吸熱効果を付与する水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム等の含水無機物が好ましい。
前記含水無機物及び金属炭酸塩を併用することは、燃焼残渣の強度向上や熱容量増大に
大きく寄与すると考えられる。
前記無機充填材の中で、特に水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の含水無機物
は、加熱時の脱水反応によって生成した水のために吸熱が起こり、温度上昇が低減されて
高い耐熱性が得られる点、及び、燃焼残渣として酸化物が残存し、これが骨材となって働
くことで燃焼残渣の強度が向上する点で好ましい。
また、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムは、脱水効果を発揮する温度領域が異
なるため、併用すると脱水効果を発揮する温度領域が広くなり、より効果的な温度上昇抑
制効果が得られることから、併用することが好ましい。
前記含水無機物の粒径は、小さくなると嵩が大きくなって高充填化が困難となるので、
脱水効果を高めるために高充填するには粒径の大きなものが好ましい。
具体的には、粒径が18μmでは、1.5μmの粒径に比べて充填限界量が約1.5倍
程度向上することが知られている。
さらに、粒径の大きいものと小さいものとを組み合わせることによって、より高充填化
が可能となる。
前記含水無機物の市販品としては、例えば、水酸化アルミニウムとして、粒径1μmの
「商品名:ハイジライトH−42M」(昭和電工社製)、粒径18μmの「商品名:ハイ
ジライトH−31」(昭和電工社製)等が挙げられる。
前記炭酸カルシウムの市販品としては、例えば、粒径1.8μmの「商品名:ホワイト
ンSB赤」(白石カルシウム社製)、粒径8μmの「商品名:BF300」(備北粉化社
製)等が挙げられる。
冒頭に説明したとおり、本発明に使用する熱膨張性耐火材としては、上記に説明した熱
可塑性樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂成分、前記熱膨張性層状無機物、前記無機充填材等を
含む樹脂組成物からなるもの等を挙げることができるが、次にこれらの配合について説明
する。
前記樹脂組成物は、前記熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂成分100重量部に対し
、前記熱膨張性層状無機物を20〜350重量部及び前記無機充填材を50〜400重量
部の範囲で含むものが好ましい。
また、前記熱膨張性層状無機物および前記無機充填材の合計は、200〜600重量部
の範囲が好ましい。
かかる樹脂組成物は加熱によって膨張し耐火断熱層を形成する。この配合によれば、前
記熱膨張性耐火材は火災等の加熱によって膨張し、必要な体積膨張率を得ることができ、
膨張後は所定の断熱性能を有すると共に所定の強度を有する残渣を形成することもでき、
安定した防火性能を達成することができる。
前記層状無機物の量が20重量部未満であると、膨張倍率が不足し、充分な耐火、防火
性能が得られないことがある。
一方、層状無機物の量が350重量部を超えると、擬集力が不足するため、成形品とし
ての強度が得られないことがある。
また前記無機充填材の量が50重量部未満であると、燃焼後の残体積量が減少するため
、充分な耐火断熱層が得られないことがある。
さらに可燃物の比率が増加するため、難燃性が低下することがある。
一方、無機充填材の量が400重量部を超えると樹脂成分の配合比率が減少するため、
凝集力が不足して成形品としての強度が得られにくい。
前記樹脂組成物における熱膨張性層状無機物及び無機充填材の合計量は、200重量部
未満では燃焼後の残渣量が不足して十分な耐火性能が得られにくく、600重量部を超え
ると機械的物性の低下が大きくなり、使用に耐えられなくなることがある。
さらに本発明に使用する前記樹脂組成物は、それぞれ本発明の目的を損なわない範囲で
、必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤の他、金属害防止剤
、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂等の添加剤、ポリブ
テン、石油樹脂等の粘着付与剤を含むことができる。
次に前記樹脂組成物の製造方法について説明する。
前記樹脂組成物の製造方法に特に限定はないが、例えば、前記樹脂組成物に含まれる前
記樹脂分が熱可塑性樹脂である場合は、前記樹脂組成物の各成分を押出機、バンバリーミ
キサー、ニーダーミキサー等公知の混練装置に供給して溶融混練する方法や、前記樹脂組
成物の各成分を有機溶剤に懸濁さたり、加温して溶融させたりして塗料状にしたり、溶剤
に分散してスラリーを調製する等の方法により、前記樹脂組成物を得ることができる。
また、前記樹脂組成物に含まれる前記樹脂分が前記エポキシ樹脂である場合は、例えば
、前記樹脂組成物を有機溶剤に懸濁させたり、加温して溶融させたりして塗料状とする方
法や、溶剤に分散してスラリーを調製する等の方法、また前記樹脂組成物を加熱下に溶融
させる等の方法により前記樹脂組成物を得ることができる。
前記樹脂組成物は、上記各成分を単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニ
ーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式撹拌機等公知の装置を用いて混練する
ことにより得ることができる。
また、エポキシ基をもつモノマーと硬化剤とに別々に充填材を混練しておき、成形直前
にスタティックミキサー、ダイナミックミキサー等で混練して得ることもできる。
以上説明した方法により、本発明に使用する前記熱膨張性耐火材を得ることができる。
前記熱膨張性耐火材は市販品として入手可能であり、例えば、住友スリ―エム社製のフ
ァイアバリア(クロロプレンゴムとバーミキュライトを含有する樹脂組成物からなる熱膨
張性耐火材、膨張率:3倍、熱伝導率:0.20kcal/m・h・℃)、三井金属塗料
社のメジヒカット(ポリウレタン樹脂と熱膨張性黒鉛を含有する樹脂組成物からなる熱膨
張性耐火材、膨張率:4倍、熱伝導率:0.21kcal/m・h・℃)、積水化学工業
社製フィブロック(ブチルゴムを含む熱膨張性耐火材)等の熱膨張性耐火材等も挙げられ
る。
前記熱膨張性耐火材は、火災時などの高温にさらされた際にその膨張層により断熱し、
かつその膨張層の強度があるものであれば特に限定されないが、50kW/mの加熱条
件下で30分間加熱した後の体積膨張率が3〜50倍のものであれば好ましい。前記体積
膨張率が3倍を下回ると、膨張体積が前記樹脂成分の焼失部分を十分に埋めきれず防火性
能が低下することがある。また50倍を超えると、膨張層の強度が下がり、火炎の貫通を
防止する効果が低下することがある。より好ましくは、体積膨張率が5〜40倍の範囲で
あり、さらに好ましくは8〜35倍の範囲である。
前記膨張層が自立するためには、前記膨張層は強度の大きいことが必要であり、その強
度としては、圧縮試験器にて0.25cmの圧子を用いて、前記膨張層のサンプルを0
.1m/sの圧縮速度で測定した場合の破断点応力が0.05kgf/cm以上であれ
ば好ましい。破断点応力が0.05kgf/cmを下回ると、断熱膨張層が自立できな
くなり防火性能が低下することがある。より好ましくは、0.1kgf/cm以上であ
る。
本発明に使用する前記熱膨張性耐火材の小片は、前記熱膨張性耐火材をシートや成形品
等に加工して得られる成形品を粉砕する方法、前記熱膨張性耐火材をシートや成形品等に
加工して得られる成形品を裁断する方法、前記熱膨張性耐火材をシートや成形品等に加工
する際に得られる端材等を利用する方法、前記端材等を粉砕する方法、前記端材等を裁断
する方法等により得ることができる。
これらの方法は一種もしくは二種以上を実施することができる。
前記熱膨張性耐火材の小片は、粒径を揃える分球操作を実施したものを使用することが
好ましい。
上記の様に本発明によれば、有効に前記熱膨張性耐火材の端材や成形形状不良品等を有
効活用することができる。
次に本発明に使用する発泡体について説明する。
本発明に使用する発泡体としては、例えば、ポリウレタン発泡体、ポリエチレン発泡体
、ポリプロピレン発泡体、ポリスチレン発泡体、エチレン−酢酸ビニル共重合発泡体等を
挙げることができる。
これらの発泡体は容易に変形させることができることから、前記貫通孔と前記ケーブル
・配管類との隙間に容易に配置することができる。
中でも前記ポリウレタン発泡体は、ポリウレタン発泡体の端材や成形不良品等を細かく
裁断した後、また一体の成形体とすることが容易であることから好ましい。
前記発泡体は一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記発泡体の製造方法は公知であり、本発明に使用する前記発泡体の製造方法に特に限
定はない。
先に説明した通り、本発明に使用する成形充填材は熱膨張性耐火材の小片を内包する発
泡体を含むものであるが、次に前記熱膨張性耐火材の小片を内包する発泡体について説明
する。
前記熱膨張性耐火材の小片を内包する発泡体としては、具体的には、発泡体の発泡前原
料と前記熱膨張性耐火材の小片とからなる混合物を発泡成形してなるもの、発泡体の小片
と前記熱膨張性耐火材の小片とからなる混合物を成形してなるもの等を挙げることができ
る。
前記発泡体の発泡前原料としては、前記ポリウレタン発泡体の場合であれば、例えば、
水と親水性ポリオール化合物とを含む成分ならびにポリイソシアネート化合物を含む成分
からなる二液タイプのポリウレタン原料、水性ウレタンポリマーに水を反応させる一液タ
イプのポリウレタン原料等を挙げることができる。
これらのポリウレタン原料等と前記熱膨張性耐火材の小片とを良く混合し、発泡成形す
ることにより、前記成形充填材を得ることができる。
また、前記発泡体の発泡前原料としては、前記ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発
泡体、ポリスチレン発泡体、エチレン−酢酸ビニル共重合発泡体等の場合であれば、例え
ば、原料樹脂、発泡剤、架橋剤等を挙げることができる。
これらの原料樹脂、発泡剤、架橋剤等と、前記熱膨張性耐火材の小片とを混合機で撹拌
し均一な樹脂組成物とした後、この樹脂組成物を金型プレス等を用いて加圧下に加熱する
ことにより、前記発泡剤が発泡を起こす。この様にしてこれらの原料樹脂等と前記熱膨張
性耐火材の小片とからなる混合物を発泡成形することにより、前記成形充填材を得ること
ができる。
図7は、前記発泡体の発泡前原料と前記熱膨張性耐火材の小片とからなる混合物を発泡
成形して得られた成形充填材を例示した模式斜視図である。
図7では、均一な発泡体50の中に前記熱膨張性耐火材の小片60が分散している成形
充填材が例示されている。
また、前記発泡体の小片と前記熱膨張性耐火材の小片とを良く混合して均一な混合物と
した上で、加熱プレス等の成形装置等により成形することによっても前記成形充填材を得
ることができる。
図8は、前記発泡体の小片51と前記熱膨張性耐火材の小片60とからなる混合物を成
形して得られた成形充填材を例示した模式斜視図である。
図8では、発泡体の小片と前記熱膨張性耐火材の小片とが集合して一体となっている成
形充填材が例示されている。
また本発明に使用する成形充填材に、無機繊維、前記樹脂成分等を含む無機繊維材等を
添加してもよい。
この場合、前記樹脂成分は前記無機繊維に対してバインダー樹脂として使用される。
前記無機繊維としては、例えば、具体的にはシリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリ
カ繊維、ジルコニア繊維等のセラミック繊維等が挙げられる。
前記無機繊維、前記樹脂成分等に加えて、焼結性無機質材をさらに併用してもよい。
かかる焼結性無機質材としては、例えば、電気絶縁性ガラス等を例示することができる

前記無機繊維、前記樹脂成分等を含む無機繊維、焼結性無機質材等の形状に特に限定は
なく、小片のものを使用することができる。
これらは一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用する成形充填材の形状としては、例えば、立方体、直方体、円柱、四角柱
、六角柱等の形状を挙げることができる。
中でも直方体の形状が、前記貫通孔と前記ケーブル・配管類との隙間に前記成形充填材
を配置する作業性に優れるため好ましい。
前記成形充填材の形状は一種もしくは二種以上を採用することができる。
図9は前記成形充填材を布、フィルムおよびシート等の包材70により包装した様子を
例示した模式斜視図である。
前記充填材を前記包材により包装することにより、意匠性により優れた防火区画貫通部
構造を得ることができる。
前記布としては、例えば、木綿、絹、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン等の織
布や不織布からなるもの等を挙げることができる。
前記フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポ
リエチレンテレフタレートフィルム等を挙げることができる。
前記シートとしては、例えば、アルミニウム箔、アルミガラスクロス、無機ガラスクロ
ス、セラミックシート等を挙げることができる。
包材は一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用する前記成形充填材は柔軟性があるため、前記貫通孔と前記ケーブル・配
管類との隙間に容易に配置することができ、本発明の防火区画貫通部構造を施工する際の
作業性に優れる。
また、前記発泡体や前記熱膨張性耐火材の端材や成形不良品を有効に活用することがで
きることからリサイクルを促進することが可能となり省資源に資することができる。また
コスト的にも有利となる。
さらに前記防火区画貫通部構造に備えられた前記ケーブル・配管類内部の振動や音が、
仕切り部に伝達する割合を低減することができる。
建築物に設けられた防火区画を画成する仕切り部に形成された貫通孔をケーブル・配管類が貫通する構造の一実施態様を例示した模式要部斜視図である。 貫通孔と前記ケーブル・配管類との隙間に成形充填材が配置された防火区画貫通部構造の一実施態様を例示した模式要部斜視図である。 本発明の防火区画貫通部構造を、仕切り部と平行な平面で切断した断面により例示した模式要部断面図である。 本発明の防火区画貫通部構造の第二の実施態様を、仕切り部と平行な平面で切断した断面により例示した模式要部断面図である。 本発明の防火区画貫通部構造の第二の実施態様を、仕切り部と垂直な平面で切断した断面により例示した模式要部断面図である。 本発明の防火区画貫通部構造の第三の実施態様を、仕切り部と垂直な平面で切断した断面により例示した模式要部断面図である。 発泡体の発泡前原料と熱膨張性耐火材の小片とからなる混合物を発泡成形して得られた成形充填材を例示した模式斜視図である。 発泡体の小片と熱膨張性耐火材の小片とからなる混合物を成形して得られた成形充填材を例示した模式斜視図である。 成形充填材を布、フィルムおよびシート等の包材により包装した様子を例示した模式斜視図である。
符号の説明
1 仕切り部
2 貫通孔
3 電力用ケーブル
4 ケーブルラック
10、10A、10B 成形充填材
30 樹脂配管
40 化粧板
50 発泡体
51 発泡体の小片
60 熱膨張性耐火材の小片
70 包材
A,B 防火区画

Claims (4)

  1. 建築物に設けられた防火区画を画成する仕切り部に形成された貫通孔をケーブル・配管
    類が貫通する構造であって、
    前記貫通孔と前記ケーブル・配管類との隙間には成形充填材が配置され、
    前記成形充填材は、熱膨張性耐火材の小片を内包する発泡体を含むことを特徴とする防
    火区画貫通部構造。
  2. 前記成形充填材は、
    発泡体の発泡前原料と、前記熱膨張性耐火材の小片と、からなる混合物を発泡成形して
    なるもの、
    および/または、
    発泡体の小片と、前記熱膨張性耐火材の小片と、からなる混合物を成形してなるもの、
    であることを特徴とする請求項1に記載の防火区画貫通部構造。
  3. 前記成形充填材は、布、フィルムおよびシートからなる群より選ばれる少なくとも一つ
    により包まれた前記熱膨張性耐火材の小片を内包する発泡体からなることを特徴とする請
    求項1または2のいずれかに記載の防火区画貫通部構造。
  4. 前記防火区画を画成する仕切り部の一方の面または両方の面に、前記貫通孔を覆う化粧
    板を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防火区画貫通部構造。
JP2006122969A 2006-04-27 2006-04-27 防火区画貫通部構造 Active JP4908907B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006122969A JP4908907B2 (ja) 2006-04-27 2006-04-27 防火区画貫通部構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006122969A JP4908907B2 (ja) 2006-04-27 2006-04-27 防火区画貫通部構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007291795A true JP2007291795A (ja) 2007-11-08
JP4908907B2 JP4908907B2 (ja) 2012-04-04

Family

ID=38762678

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006122969A Active JP4908907B2 (ja) 2006-04-27 2006-04-27 防火区画貫通部構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4908907B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010121330A (ja) * 2008-11-18 2010-06-03 Inaba Denki Sangyo Co Ltd 貫通穴耐火措置構造
JP2016187398A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 積水化学工業株式会社 建築物の区画体における貫通部の耐火構造の施工方法
JP2016223162A (ja) * 2015-05-29 2016-12-28 積水化学工業株式会社 区画貫通孔の防火構造
JP2018033272A (ja) * 2016-08-26 2018-03-01 積水化学工業株式会社 区画貫通部の防火構造
JP2019100519A (ja) * 2017-12-07 2019-06-24 未来工業株式会社 耐火部材
RU197763U1 (ru) * 2020-02-28 2020-05-28 Игорь Сергеевич Старшинов Декоративная накладка
JP2020083962A (ja) * 2018-11-20 2020-06-04 古河電気工業株式会社 樹脂組成物、耐火性材料、及び区画貫通部耐火部材
JP7461800B2 (ja) 2020-06-03 2024-04-04 古河電気工業株式会社 ケーブルラック用耐火被覆材、ケーブルラック用耐火被覆複合材、及びケーブルラックの耐火化方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08299487A (ja) * 1995-05-02 1996-11-19 Furukawa Techno Material:Kk 長尺体貫通部の防火措置装置
JP3455801B2 (ja) * 2000-06-06 2003-10-14 シー・アール・ケイ株式会社 熱膨張性防火用組成物
JP2005287207A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Burest Kogyo Kenkyusho Co Ltd 開口用軽量化粧板及び化粧板取付具

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08299487A (ja) * 1995-05-02 1996-11-19 Furukawa Techno Material:Kk 長尺体貫通部の防火措置装置
JP3455801B2 (ja) * 2000-06-06 2003-10-14 シー・アール・ケイ株式会社 熱膨張性防火用組成物
JP2005287207A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Burest Kogyo Kenkyusho Co Ltd 開口用軽量化粧板及び化粧板取付具

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010121330A (ja) * 2008-11-18 2010-06-03 Inaba Denki Sangyo Co Ltd 貫通穴耐火措置構造
JP2016187398A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 積水化学工業株式会社 建築物の区画体における貫通部の耐火構造の施工方法
JP2016223162A (ja) * 2015-05-29 2016-12-28 積水化学工業株式会社 区画貫通孔の防火構造
JP2018033272A (ja) * 2016-08-26 2018-03-01 積水化学工業株式会社 区画貫通部の防火構造
JP2019100519A (ja) * 2017-12-07 2019-06-24 未来工業株式会社 耐火部材
JP2021152410A (ja) * 2017-12-07 2021-09-30 未来工業株式会社 耐火部材
JP7108094B2 (ja) 2017-12-07 2022-07-27 未来工業株式会社 耐火部材
JP2020083962A (ja) * 2018-11-20 2020-06-04 古河電気工業株式会社 樹脂組成物、耐火性材料、及び区画貫通部耐火部材
JP7222672B2 (ja) 2018-11-20 2023-02-15 古河電気工業株式会社 耐火性材料、及び区画貫通部耐火部材
RU197763U1 (ru) * 2020-02-28 2020-05-28 Игорь Сергеевич Старшинов Декоративная накладка
JP7461800B2 (ja) 2020-06-03 2024-04-04 古河電気工業株式会社 ケーブルラック用耐火被覆材、ケーブルラック用耐火被覆複合材、及びケーブルラックの耐火化方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4908907B2 (ja) 2012-04-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4908920B2 (ja) 防火措置構造
JP4908907B2 (ja) 防火区画貫通部構造
JP6196552B2 (ja) 防火区画貫通部構造およびその施工方法
JP2008012028A (ja) 防火区画貫通部構造
JP5065840B2 (ja) 防火区画貫通部構造
JP5280987B2 (ja) 防火区画貫通部構造
JP2009197476A (ja) 防火区画貫通部構造およびその施工方法
JP3838780B2 (ja) 耐火性シート状成形体及びシート積層体
JP5616816B2 (ja) アウトレットボックスの防火措置構造およびその施工方法
JP5364003B2 (ja) 積層シート、目地材及び押出製品の製造方法
JP2011036290A (ja) 防火区画貫通部構造
JP2007332715A (ja) 耐火被覆構造体
JP2007198029A (ja) 貫通孔を備えた鉄骨梁の耐火構造の施工方法
JP4698207B2 (ja) バスダクト用防火区画貫通部構造
JP2001090225A (ja) 耐火シート及び耐火被覆材
JP2016151001A (ja) 熱膨張性耐火性シート及びその製造方法
JP2002013224A (ja) 鉄骨の耐火被覆方法及び耐火被覆構造
JP2003293482A (ja) 耐火被覆構造及び該耐火被覆構造の施工方法
JP2000055293A (ja) 耐火性パイプ
JP2006063791A (ja) 防火シャッター
JP3691945B2 (ja) 耐火断熱多層シート
JP5001635B2 (ja) 耐火目地材
JP3581597B2 (ja) 耐火被覆鉄骨構造体
JP3877429B2 (ja) 耐火性多層シート
JP2000345638A (ja) 耐火複合面材、折板外壁及び防・耐火壁構成体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110715

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110913

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111220

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4908907

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3