JP2018004695A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電子写真感光体30は、導電性基体32と、感光層34とを備える。感光層34は、単層である。感光層34は、電荷発生剤と正孔輸送剤と3種以上の電子輸送剤とを含有する。正孔輸送剤の含有量MHTMに対する、3種以上の電子輸送剤の合計含有量METMの比率METM/MHTMは、1.1以上1.5以下である。
【選択図】図1
Description
本実施形態は電子写真感光体(以下、感光体と記載する)に関する。本実施形態の感光体は、感光層の結晶化の抑制及び転写メモリーの発生の抑制を両立させることができる。その理由は以下のように推測される。
導電性基体の一例としては、導電性を有する材料で構成される導電性基体が挙げられる。導電性基体の別の例としては、導電性を有する材料で構成される被覆層を備える導電性基体が挙げられる。導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼又は真鍮が挙げられる。これらの導電性を有する材料を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて(例えば、合金として)用いてもよい。これらの導電性を有する材料のなかでも、感光層から導電性基体への電荷の移動が良好であることから、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。
感光層は、電荷発生剤と正孔輸送剤と3種以上の電子輸送剤とを含有する。感光層において、正孔輸送剤の含有量(MHTM)に対する、3種以上の前記電子輸送剤の合計含有量(METM)の比率(METM/MHTM)は、1.1以上1.5以下である。比率(METM/MHTM)が1.1以上であると、感光体に転写メモリーが発生することを抑制できる。比率(METM/MHTM)が1.1以上であると、感光層内での電子の移動が促進され、感光層内に電子が残留することを抑制できると考えられるからである。一方、比率(METM/MHTM)が1.5以上であると、感光層の結晶化を抑制することができる。
感光層は、3種以上の電子輸送剤を含有する。感光層は、3種又は4種の電子輸送剤を含有することが好ましい。電子輸送剤の例としては、キノン化合物、ジイミド化合物、ヒドラゾン化合物、マロノニトリル系化合物、チオピラン系化合物、トリニトロチオキサントン系化合物、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン系化合物、ジニトロアントラセン系化合物、ジニトロアクリジン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸、無水マレイン酸、又はジブロモ無水マレイン酸が挙げられる。キノン系化合物としては、例えば、ジフェノキノン系化合物、アゾキノン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、ニトロアントラキノン系化合物、又はジニトロアントラキノン系化合物が挙げられる。
R6及びR7は、各々独立して、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を少なくとも1つ有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基;フェニルカルボニル基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基;炭素原子数7以上20以下のアラルキル基;炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を有してもよい炭素原子数1以上8以下のアルキル基;及び炭素原子数3以上10以下のシクロアルキル基からなる群より選択される基を表す。選択される基は、1つ以上のハロゲン原子で置換されてもよい。
化合物(1)、化合物(2)及び化合物(3);
化合物(1)、化合物(2)及び化合物(5);
化合物(1)及び2種の化合物(4);
化合物(1)、化合物(4)及び化合物(5);
2種の化合物(2)及び化合物(3);又は
化合物(2)、化合物(4)及び化合物(5)。
化合物(1)、化合物(2)及び化合物(3);
化合物(1)、化合物(2)及び化合物(5);
化合物(1)及び2種の化合物(4);
化合物(1)、化合物(4)及び化合物(5);又は
2種の化合物(2)及び化合物(3)。
化合物(1)、化合物(2)、化合物(3)及び化合物(5);又は
化合物(1)、化合物(2)、化合物(4)及び化合物(5)。
感光層は、例えば正孔輸送剤を含有する。正孔輸送剤としては、例えば、トリフェニルアミン誘導体、ジアミン誘導体(例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体、又はジ(アミノフェニルエテニル)ベンゼン誘導体)、オキサジアゾール系化合物(例えば、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)、スチリル系化合物(例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン)、カルバゾール系化合物(例えば、ポリビニルカルバゾール)、有機ポリシラン化合物、ピラゾリン系化合物(例えば、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン)、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物又はトリアゾール系化合物が挙げられる。正孔輸送剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
感光層は、電荷発生剤を含有する。電荷発生剤は、感光体用の電荷発生剤である限り、特に限定されない。電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、無機光導電材料(例えば、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム又はアモルファスシリコン)の粉末、ピリリウム顔料、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料又はキナクリドン系顔料が挙げられる。電荷発生剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(a)DSCによる熱特性において、吸着水の気化に伴うピーク以外に50℃以上270℃以下の範囲にピーク(例えば、1つのピーク)を有する。
(b)DSCによる熱特性において、吸着水の気化に伴うピーク以外に50℃以上400℃以下の範囲にピークを有しない。
(c)DSCによる熱特性において、吸着水の気化に伴うピーク以外に50℃以上270℃未満の範囲にピークを有さず、270℃以上400℃以下の範囲にピーク(例えば、1つのピーク)を有する。
感光層は、バインダー樹脂を含有してもよい。バインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル酸重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂又はポリエーテル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂又はメラミン樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ化合物のアクリル酸付加物又はウレタン化合物のアクリル酸付加物が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
中間層(下引き層)は、例えば、無機粒子及び中間層に用いられる樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層が存在することにより、リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、抵抗の上昇が抑えられると考えられる。
感光体は、例えば、以下のように製造される。感光体は、感光層用塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥することによって製造される。感光層用塗布液は、電荷発生剤、3種の電子輸送剤、正孔輸送剤及び必要に応じて添加される成分(例えば、バインダー樹脂及び各種添加剤)を、溶剤に溶解又は分散させることにより製造される。
次に、図4を参照して、本実施形態に係る感光体30を備える画像形成装置100について説明する。図4は画像形成装置100の構成の一例を示す図であり、この画像形成装置100は本実施形態に係る感光体30を備える。図4に示す画像形成装置100は、直接転写方式を採用する。なお、中間転写方式を採用する画像形成装置100については、図5を参照して後述する。
次に、図4及び図5を引き続き参照して、本実施形態の感光体30を備えるプロセスカートリッジについて説明する。プロセスカートリッジは、画像形成用のカートリッジである。プロセスカートリッジは、画像形成ユニット40a〜40dの各々に相当する。プロセスカートリッジは、ユニット化された感光体30を備える。プロセスカートリッジは、感光体30に加えて、帯電部42、露光部44、現像部46及び転写部48(又は一次転写部54)からなる群より選択される少なくとも1つをユニット化した構成が採用される。プロセスカートリッジには、クリーニング部(不図示)及び除電部(不図示)の一方又は両方が更に備えられてもよい。プロセスカートリッジには、除電レス方式が採用されていてもよい。プロセスカートリッジは、画像形成装置100に対して着脱自在に設計される。そのため、プロセスカートリッジは取り扱いが容易であり、感光体30の感度特性等が劣化した場合に、感光体30を含めて容易かつ迅速に交換することができる。
感光体の感光層を形成するための材料として、以下の電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤及びバインダー樹脂を準備した。
電荷発生剤として、チタニルフタロシアニンを準備した。チタニルフタロシアニンは、実施形態で述べた化学式(CG1)で表される化合物であった。また、このチタニルフタロシアニンは、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)の27.2°に主ピークを有し、26.2℃にピークを有していなかった。このチタニルフタロシアニンは、DSCによる熱特性において、吸着水の気化に伴うピーク以外に50℃以上270℃未満の範囲にピークを有さず、270℃以上400℃以下の範囲に1つのピークを有していた。
正孔輸送剤として、実施形態で述べた化合物(HT1)〜(HT3)を準備した。
バインダー樹脂として、実施形態で述べたポリカーボネート樹脂(R−1)を準備した。ポリカーボネート樹脂(R−1)の粘度平均分子量は、30000であった。
電子輸送剤として、実施形態で述べた化合物(ET1)〜(ET9)を準備した。電子輸送剤として、化合物(ET1)〜(ET9)のうちの3種又は4種を選択して使用した。電子輸送剤を3種使用する場合は、3種の電子輸送剤の各々を、第一電子輸送剤、第二電子輸送剤及び第三電子輸送剤と記載する。電子輸送剤を4種使用する場合は、4種の電子輸送剤の各々を、第一電子輸送剤、第二電子輸送剤、第三電子輸送剤及び第四電子輸送剤と記載する。
反応式(r−4)で表される反応(以下、反応(r−4)と記載することがある)に従って化合物(ET7)を製造した。
以下の点を変更した以外は、化合物(ET7)の製造と同様の方法で、化合物(ET9)を製造した。化合物(ET9)の製造では、反応(r−4)で使用した化合物(1G)(4.64g、20ミリモル)を化合物(5G)(3.80g、20ミリモル)に変更した。なお、化合物(5G)は、下記化学式(5G)で表される。その結果、化合物(ET7)の代わりに、化合物(ET9)を得た。化合物(ET9)の収量は3.98gであり、反応(r−4)における化合物(F)からの化合物(ET9)の収率は65モル%であった。
反応式(r’−1)、(r’−2)及び(r’−3)で表される反応(以下、それぞれ反応(r’−1)、反応(r’−2)、及び反応(r’−3)と記載することがある)に従って化合物(ET8)を製造した。
化合物(ET7):1H−NMR(300MHz,CDCl3) δ=8.70(d, 4H), 7.62−7.75(m, 8H), 7.36−7.55(m, 8H).
感光層を形成するための材料を用いて、感光体(P−A1)〜(P−A16)、(P−B1)〜(P−B8)、(P−C1)〜(P−C4)、(P−D1)〜(P−D3)、(P−E1)〜(P−E4)及び(P−F1)〜(P−F3)を製造した。
容器内に、電荷発生剤3質量部、正孔輸送剤としての化合物(HT1)50質量部、第一電子輸送剤としての化合物(ET1)10質量部、第二電子輸送剤としての化合物(ET3)25質量部、第三電子輸送剤としての化合物(ET6)20質量部、バインダー樹脂100質量部及び溶剤としてのテトラヒドロフラン800質量部を投入した。容器の内容物を、ボールミルを用いて50時間混合して、溶剤に材料を分散させた。これにより、感光層用塗布液を得た。
次の点を変更した以外は、感光体(P−A1)の製造と同様の方法で、感光体(P−A2)〜(P−A8)の各々を製造した。第一電子輸送剤の種類を、感光体(P−A1)の製造における化合物(ET1)から、表1に示す種類の第一電子輸送剤に変更した。第一電子輸送剤の添加量(含有量)を、感光体(P−A1)の製造における10質量部から、表1に示す第一電子輸送剤の添加量(含有量)に変更した。第二電子輸送剤の種類を、感光体(P−A1)の製造における化合物(ET3)から、表1に示す種類の第二電子輸送剤に変更した。第二電子輸送剤の添加量(含有量)を、感光体(P−A1)の製造における25質量部から、表1に示す第二電子輸送剤の添加量(含有量)に変更した。第三電子輸送剤の種類を、感光体(P−A1)の製造における化合物(ET6)から、表1に示す種類の第三電子輸送剤に変更した。第三電子輸送剤の添加量(含有量)を、感光体(P−A1)の製造における20質量部から、表1に示す第三電子輸送剤の添加量(含有量)に変更した。
次の点を変更した以外は、感光体(P−A1)の製造と同様の方法で、感光体(P−A9)を製造した。感光体(P−A1)の製造における第一電子輸送剤としての化合物(ET1)10質量部、第二電子輸送剤としての化合物(ET3)25質量部及び第三電子輸送剤としての化合物(ET6)20質量部の代わりに、感光体(P−A9)の製造では、第一電子輸送剤としての化合物(ET1)10質量部、第二電子輸送剤としての化合物(ET3)15質量部、第三電子輸送剤としての化合物(ET4)15質量部及び第四電子輸送剤としての化合物(ET6)15質量部を使用した。
次の点を変更した以外は、感光体(P−A1)の製造と同様の方法で、感光体(P−A10)を製造した。感光体(P−A1)の製造における第一電子輸送剤としての化合物(ET1)10質量部、第二電子輸送剤としての化合物(ET3)25質量部及び第三電子輸送剤としての化合物(ET6)20質量部の代わりに、感光体(P−A10)の製造では、第一電子輸送剤としての化合物(ET2)10質量部、第二電子輸送剤としての化合物(ET3)15質量部、第三電子輸送剤としての化合物(ET4)15質量部及び第四電子輸送剤としての化合物(ET6)15質量部を使用した。
次の点を変更した以外は、感光体(P−A1)の製造と同様の方法で、感光体(P−A15)を製造した。感光体(P−A1)の製造における第一電子輸送剤としての化合物(ET1)10質量部、第二電子輸送剤としての化合物(ET3)25質量部及び第三電子輸送剤としての化合物(ET6)20質量部の代わりに、感光体(P−A15)の製造では、第一電子輸送剤としての化合物(ET1)10質量部、第二電子輸送剤としての化合物(ET3)15質量部、第三電子輸送剤としての化合物(ET6)15質量部及び第四電子輸送剤としての化合物(ET7)15質量部を使用した。
次の点を変更した以外は、感光体(P−A1)の製造と同様の方法で、感光体(P−A16)を製造した。感光体(P−A1)の製造における第一電子輸送剤としての化合物(ET1)10質量部、第二電子輸送剤としての化合物(ET3)25質量部及び第三電子輸送剤としての化合物(ET6)20質量部の代わりに、感光体(P−A16)の製造では、第一電子輸送剤としての化合物(ET2)10質量部、第二電子輸送剤としての化合物(ET3)15質量部、第三電子輸送剤としての化合物(ET6)15質量部及び第四電子輸送剤としての化合物(ET7)15質量部を使用した。
次の点を変更した以外は、感光体(P−A1)の製造と同様の方法で、感光体(P−B1)〜(P−B4)の各々を製造した。第一電子輸送剤の種類を、感光体(P−A1)の製造における化合物(ET1)から、表2に示す種類の第一電子輸送剤に変更した。第一電子輸送剤の添加量(含有量)を、感光体(P−A1)の製造における10質量部から、表2に示す第一電子輸送剤の添加量(含有量)に変更した。第二電子輸送剤の種類を、感光体(P−A1)の製造における化合物(ET3)から、表2に示す種類の第二電子輸送剤に変更した。第二電子輸送剤の添加量(含有量)を、感光体(P−A1)の製造における25質量部から、表2に示す第二電子輸送剤の添加量(含有量)に変更した。感光体(P−B1)〜(P−B4)の各々の製造では、第三電子輸送剤を添加しなかった。
次の点を変更した以外は、感光体(P−A1)の製造と同様の方法で、感光体(P−B5)〜(P−B8)の各々を製造した。第一電子輸送剤の種類を、感光体(P−A1)の製造における化合物(ET1)から、表2に示す種類の第一電子輸送剤に変更した。第一電子輸送剤の添加量(含有量)を、感光体(P−A1)の製造における10質量部から、表2に示す第一電子輸送剤の添加量(含有量)に変更した。第二電子輸送剤の添加量(含有量)を、感光体(P−A1)の製造における25質量部から、表2に示す第二電子輸送剤の添加量(含有量)に変更した。
次の点を変更した以外は、感光体(P−A1)の製造と同様の方法で、感光体(P−C1)〜(P−C4)及び(P−D1)〜(P−D3)の各々を製造した。正孔輸送剤の種類を、感光体(P−A1)の製造における化合物(HT1)から、化合物(HT2)に変更した。第一電子輸送剤の種類を、感光体(P−A1)の製造における化合物(ET1)から、表3に示す種類の第一電子輸送剤に変更した。第一電子輸送剤の添加量(含有量)を、感光体(P−A1)の製造における10質量部から、表3に示す第一電子輸送剤の添加量(含有量)に変更した。第二電子輸送剤の種類を、感光体(P−A1)の製造における化合物(ET3)から、表3に示す種類の第二電子輸送剤に変更した。第二電子輸送剤の添加量(含有量)を、感光体(P−A1)の製造における25質量部から、表3に示す第二電子輸送剤の添加量(含有量)に変更した。感光体(P−C1)〜(P−C4)、(P−D2)及び(P−D3)の製造では、第三電子輸送剤の種類を、感光体(P−A1)の製造における化合物(ET6)から、表3に示す種類の第三電子輸送剤に変更した。感光体(P−C1)〜(P−C4)、(P−D2)及び(P−D3)の製造では、第三電子輸送剤の添加量(含有量)を、感光体(P−A1)の製造における20質量部から、表3に示す第三電子輸送剤の添加量(含有量)に変更した。感光体(P−D1)の製造では、第三電子輸送剤を添加しなかった。
次の点を変更した以外は、感光体(P−A1)の製造と同様の方法で、感光体(P−E1)〜(P−E4)及び(P−F1)〜(P−F3)の各々を製造した。正孔輸送剤の種類を、感光体(P−A1)の製造における化合物(HT1)から、化合物(HT3)に変更した。第一電子輸送剤の種類を、感光体(P−A1)の製造における化合物(ET1)から、表4に示す種類の第一電子輸送剤に変更した。第一電子輸送剤の添加量(含有量)を、感光体(P−A1)の製造における10質量部から、表4に示す第一電子輸送剤の添加量(含有量)に変更した。第二電子輸送剤の種類を、感光体(P−A1)の製造における化合物(ET3)から、表4に示す種類の第二電子輸送剤に変更した。第二電子輸送剤の添加量(含有量)を、感光体(P−A1)の製造における25質量部から、表4に示す第二電子輸送剤の添加量(含有量)に変更した。感光体(P−E1)〜(P−E4)、(P−F2)及び(P−F3)の製造では、第三電子輸送剤の種類を、感光体(P−A1)の製造における化合物(ET6)から、表4に示す種類の第三電子輸送剤に変更した。感光体(P−E1)〜(P−E4)、(P−F2)及び(P−F3)の製造では、第三電子輸送剤の添加量(含有量)を、感光体(P−A1)の製造における20質量部から、表4に示す第三電子輸送剤の添加量(含有量)に変更した。感光体(P−F1)の製造では、第三電子輸送剤を添加しなかった。
製造した感光体(P−A1)〜(P−A16)、(P−B1)〜(P−B8)、(P−C1)〜(P−C4)、(P−D1)〜(P−D3)、(P−E1)〜(P−E4)及び(P−F1)〜(P−F3)の各々に対して、転写メモリーの発生が抑制されているか否かを評価した。転写メモリーの発生が抑制されているか否かの評価は、温度23℃且つ相対湿度45%RHの環境下で行った。
評価A:画像ゴーストが、肉眼観察でもルーペ観察でも全く確認されなかった。
評価B:画像ゴーストが、肉眼観察では確認されないが、ルーペ観察ではわずかに確認された。
評価C:画像ゴーストが、肉眼観察でわずかに観察された。
評価D:画像ゴーストが、肉眼観察で明確に確認された。
製造した感光体(P−A1)〜(P−A16)、(P−B1)〜(P−B8)、(P−C1)〜(P−C4)、(P−D1)〜(P−D3)、(P−E1)〜(P−E4)及び(P−F1)〜(P−F3)の各々に対して、感光層の結晶化が抑制されているか否かを評価した。まず、感光体の感光層の全域を肉眼で観察し、感光層における結晶化した部分の有無を確認した。確認結果に基づいて、下記の基準に従って、感光層の結晶化が抑制されているか否かを評価した。評価結果を、表1〜表4に示す。
○(良好):感光層に結晶化した部分が観察されなかった。
×(不良):感光層に結晶化した部分が観察された。
METM/MHTM=(第一電子輸送剤の含有量+第二電子輸送剤の含有量+第三電子輸送剤の含有量+第四電子輸送剤の含有量)/正孔輸送剤の含有量
METM/MPL=(第一電子輸送剤の含有量+第二電子輸送剤の含有量+第三電子輸送剤の含有量+第四電子輸送剤の含有量)/(電荷発生剤の含有量+バインダー樹脂の含有量+正孔輸送剤の含有量+第一電子輸送剤の含有量+第二電子輸送剤の含有量+第三電子輸送剤の含有量+第四電子輸送剤の含有量)
32 :導電性基体
34 :感光層
42 :帯電部
44 :露光部
46 :現像部
48 :転写部
100 :画像形成装置
P :記録媒体
Claims (13)
- 導電性基体と感光層とを備える電子写真感光体であって、
前記感光層は、単層であり、電荷発生剤と正孔輸送剤と3種以上の電子輸送剤とを含有し、
前記正孔輸送剤の含有量に対する3種以上の前記電子輸送剤の合計含有量の比率は、1.1以上1.5以下である、電子写真感光体。 - 前記電子輸送剤は、下記一般式(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)で表される化合物のうちの3種以上である、請求項1に記載の電子写真感光体。
前記一般式(2)中、Wは、−CO−O−又は−CO−を表し、
前記一般式(3)中、
R6及びR7は、各々独立して、
炭素原子数1以上6以下のアルキル基を少なくとも1つ有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、
フェニルカルボニル基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、
炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、
炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を有してもよい炭素原子数1以上8以下のアルキル基、及び
炭素原子数3以上10以下のシクロアルキル基
からなる群より選択される基を表し、選択される前記基は1つ以上のハロゲン原子で置換されてもよい。 - 前記一般式(1)中、R1及びR2は、各々独立して、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表し、
前記一般式(2)中、R3、R4及びR5は、各々独立して、水素原子、炭素原子数6以上14以下のアリール基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又はニトロ基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基を表し、Wは、−CO−O−又は−CO−を表し、
前記一般式(3)中、
R6及びR7は、各々独立して、
炭素原子数1以上6以下のアルキル基を少なくとも1つ有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、
フェニルカルボニル基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、及び
炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、
からなる群より選択される基を表し、選択される前記基は1つ以上のハロゲン原子で置換されてもよく、R6及びR7のうち少なくとも一方が1つ以上のハロゲン原子を有し、
前記一般式(4)中、R8、R9、R10及びR11は、各々独立して、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表し、
前記一般式(5)中、R12及びR13は、各々独立して、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表し、R14は、ハロゲン原子を表す、請求項2に記載の電子写真感光体。 - 3種以上の前記電子輸送剤のうちの1種は、前記一般式(3)で表される化合物である、請求項2又は3に記載の電子写真感光体。
- 3種以上の前記電子輸送剤のうちの1種は、前記化学式(ET7)、(ET8)又は(ET9)で表される化合物である、請求項5に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷発生剤は、CuKα特性X線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)の27.2°に主ピークを有するチタニルフタロシアニンである、請求項1〜6の何れか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記チタニルフタロシアニンは、示差走査熱量分析スペクトルにおいて、吸着水の気化に伴うピーク以外に50℃以上270℃未満の範囲にピークを有さず、270℃以上400℃以下の範囲にピークを有する、請求項7に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層の質量に対する3種以上の前記電子輸送剤の合計含有量の比率は、0.26以上0.33以下である、請求項1〜8の何れか一項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜9の何れか一項に記載の電子写真感光体を備える、プロセスカートリッジ。
- 請求項1〜9の何れか一項に記載の電子写真感光体と、帯電部と、露光部と、現像部と、転写部とを備える画像形成装置であって、
前記帯電部は、前記電子写真感光体の表面を帯電し、
前記露光部は、帯電された前記電子写真感光体の前記表面を露光して、前記電子写真感光体の前記表面に静電潜像を形成し、
前記現像部は、前記静電潜像をトナー像として現像し、
前記転写部は、前記電子写真感光体から被転写体へ前記トナー像を転写する、画像形成装置。 - 前記転写部によって前記電子写真感光体から前記被転写体に前記トナー像が転写された前記電子写真感光体の前記表面の領域は、除電されることなく前記帯電部によって再び帯電される、請求項11に記載の画像形成装置。
- 前記帯電部は、前記電子写真感光体の前記表面を正極性に帯電する、請求項11又は12に記載の画像形成装置。
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