JP6569609B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
電子写真感光体は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる。電子写真感光体としては、例えば、積層型電子写真感光体又は単層型電子写真感光体が用いられる。積層型電子写真感光体は、感光層として、電荷発生の機能を有する電荷発生層と、電荷輸送の機能を有する電荷輸送層とを備える。単層型電子写真感光体は、感光層として、電荷発生の機能と電荷輸送の機能とを有する単層の感光層を備える。
近年、画像形成装置の小型化及び低コスト化を図るために、除電レス方式を採用する画像形成装置が検討されている。特許文献1に記載の画像形成装置は、除電レス方式を採用する。この画像形成装置は、電子写真感光体を備える。電子写真感光体は、導電性基体上に、特定構造のトリスチリルトリフェニルアミン化合物を含有する感光層を備える。
特開2011−64963号公報
しかし、除電レス方式を採用する画像形成装置は除電部を備えないために、電子写真感光体の表面電位が不均一になり易く、形成画像に画像不良が発生することがある。特許文献1に記載の画像形成装置では、転写電流を印加した後の感光体の表面電位の低下を抑制することが十分ではなかった。そのため、特許文献1に記載の画像形成装置では、形成画像において先端白抜けの発生を抑制することが十分ではなかった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、形成画像における先端白抜けの発生を抑制可能な電子写真感光体を提供することである。また、本発明の目的は、このような電子写真感光体を備えることで、形成画像における先端白抜けの発生を抑制可能なプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
本発明の電子写真感光体は、導電性基体と感光層とを備える。前記導電性基体の表面は、アルマイト層を有する。前記感光層は、単層であり、電荷発生剤と電子輸送剤と正孔輸送剤とを含有する。前記電子輸送剤の合計含有量は、前記正孔輸送剤の合計含有量よりも多い。
本発明のプロセスカートリッジは、上述の電子写真感光体を備える。
本発明の画像形成装置は、上述の電子写真感光体と、帯電部と、露光部と、現像部と、転写部とを備える。前記帯電部は、前記電子写真感光体の表面を帯電する。前記露光部は、帯電された前記電子写真感光体の前記表面を露光して、前記電子写真感光体の前記表面に静電潜像を形成する。前記現像部は、前記静電潜像をトナー像として現像する。前記転写部は、前記電子写真感光体から被転写体へ前記トナー像を転写する。
本発明の電子写真感光体によれば、形成画像における先端白抜けの発生を抑制することができる。また、本発明のプロセスカートリッジ及び画像形成装置によれば、このような電子写真感光体を備えることで、形成画像における先端白抜けの発生を抑制することができる。
(a)、(b)及び(c)は、それぞれ、本発明の実施形態に係る電子写真感光体の一例を示す断面図である。 画像形成装置の構成の一例を示す図であり、この画像形成装置は本発明の実施形態に係る電子写真感光体を備える。 画像形成装置の構成の別の例を示す図であり、この画像形成装置は本発明の実施形態に係る電子写真感光体を備える。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。本発明は、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨は限定されない。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。また、化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。
以下、ハロゲン原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数2以上6以下のアルケニル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、炭素原子数3以上10以下のシクロアルキル基、炭素原子数5以上7以下のシクロアルカン及び炭素原子数1以上6以下のアルキレン基は、何ら規定していなければ、各々次の意味である。
ハロゲン原子(ハロゲン基)は、例えば、フッ素原子(フルオロ基)、塩素原子(クロロ基)、臭素原子(ブロモ基)又はヨウ素原子(ヨード基)である。
炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基又はヘキシル基が挙げられる。
炭素原子数1以上8以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上8以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基又はn−オクチル基が挙げられる。
炭素原子数2以上6以下のアルケニル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数2以上6以下のアルケニル基は、例えば、1個以上3個以下の二重結合を有する。炭素原子数2以上6以下のアルケニル基の例としては、ビニル基(エテニル基)、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ペンタジエニル基、ヘキセニル基、又はヘキサジエニル基が挙げられる。
炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、イソペントキシ基、ネオペントキシ基又はヘキシル基が挙げられる。
炭素原子数6以上14以下のアリール基は、例えば、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族単環炭化水素基、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合二環炭化水素基又は素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合三環炭化水素基である。炭素原子数6以上14以下のアリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基又はフェナントリル基が挙げられる。
炭素原子数7以上20以下のアラルキル基は、非置換である。炭素原子数7以上20以下のアラルキル基は、炭素原子数6以上14以下のアリール基と、炭素原子数1以上6以下のアルキル基とが結合した基である。炭素原子数7以上20以下のアラルキル基における炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数7以上20以下のアラルキル基としては、例えば、フェニルメチル基(ベンジル基)、2−フェニルエチル基(フェネチル基)、1−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基又は4−フェニルブチル基が挙げられる。
炭素原子数3以上10以下のシクロアルキル基は、非置換である。炭素原子数3以上10以下のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、又はシクロデシル基が挙げられる。
炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンは、非置換である。炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンの例としては、シクロペンタン、シクロヘキサン又はシクロヘプタンが挙げられる。
炭素原子数1以上6以下のアルキレン基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルキレン基の例としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基、n−ブチレン基、1−メチルプロピレン基、2−メチルプロピレン基、3−メチルプロピレン基、1,1−ジメチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチルエチレン基、エチルメチルメチレン基、ペンチレン基、又はヘキシレン基が挙げられる。
<1.感光体>
本実施形態は電子写真感光体(以下、感光体と記載する)に関する。本実施形態の感光体は、形成画像におけるいわゆる先端白抜けの発生を抑制することができる。先端白抜けとは、用紙に黒色のソリッド画像を印刷した場合に、黒色のソリッド画像内の印刷方向における先端側の領域が白くなる画像不良である。形成画像における先端白抜けは、高速で画像を形成する場合に発生し易い。高速で画像を形成する場合には、強い転写電流を感光体へ印加する転写条件に設定されることが多いからである。
感光体が電荷発生剤、電子輸送剤及び正孔輸送剤を含有する単層の感光層を備える場合、通常、正孔輸送剤の含有量が電子輸送剤の含有量よりも多い。理解を容易にするために、その理由を説明する。画像形成において感光体を露光すると、感光層中の電荷発生剤から電子及び正孔が発生する。発生した電子は、電子輸送剤によって感光層の表面へ輸送される。発生した正孔は、正孔輸送剤によって導電性基体へ輸送される。露光した光の透過率は、感光層の表面付近では高く、感光層の深部(導電性基体側)では低くなる。そのため、露光した光の透過率が高い感光層の表面付近に存在する電荷発生剤から、多くの電子及び正孔が発生する傾向がある。感光層の表面付近に存在する電荷発生剤から電子及び正孔が発生した場合、導電性基体までの正孔の移動距離は、感光層の表面までの電子の移動距離よりも長い。そのため、正孔輸送剤を、電子輸送剤よりも多く含有させることが一般的である。
しかし、本発明者らは鋭意検討し、電子輸送剤の合計含有量を正孔輸送剤の合計含有量よりも多くすることで、形成画像における先端白抜けの発生を抑制できることを見出した。更に、表面にアルマイト層を有する導電性基体を感光体が備えることで、形成画像における先端白抜けの発生を一層抑制できることを見出した。
以下、図1(a)〜図1(c)を参照して、感光体10の構造について説明する。図1は、本実施形態に係る感光体10の一例を示す断面図である。
図1(a)に示すように、感光体10は、例えば、導電性基体12と感光層14とを備える。導電性基体12は、その表面12sにアルマイト層を有する。導電性基体12の表面12sは、導電性基体12と感光層14との接触面である。なお、感光体10が後述する中間層16を備える場合は、導電性基体12の表面12sは、導電性基体12と中間層16との接触面である。感光層14は単層である。感光体10は、単層の感光層14を備えるいわゆる単層型感光体である。
図1(b)に示すように、感光体10は、導電性基体12と、感光層14と、中間層16(下引き層)とを備えてもよい。中間層16は、導電性基体12と感光層14との間に設けられる。図1(a)に示すように、感光層14は導電性基体12上に直接設けられてもよいし、図1(b)に示すように、感光層14は導電性基体12上に中間層16を介して間接的に設けられてもよい。
図1(c)に示すように、感光体10は、導電性基体12と、感光層14と、保護層18とを備えてもよい。保護層18は、感光層14上に設けられる。
感光層14の厚さは、感光層としての機能を十分に発現できる限り、特に限定されない。感光層14の厚さは、5μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であることがより好ましい。
感光層14は、電荷発生剤と電子輸送剤と正孔輸送剤とを含有する。感光層14は、バインダー樹脂を更に含有してもよい。感光層14は、必要に応じて、各種添加剤を含有してもよい。電荷発生剤と、電子輸送剤と、正孔輸送剤と、必要に応じて添加される成分(例えば、バインダー樹脂又は添加剤)とは、一層(単層)の感光層14に含有される。
以上、図1(a)〜図1(c)を参照して、感光体10の構造について説明した。次に、感光体の要素について説明する。
<1−1.導電性基体>
導電性基体は、その表面にアルマイト層を有する。導電性基体がアルマイト層を有することで、転写電流の印加による感光体の表面電位の低下を抑制することができる。その結果、形成画像における先端白抜けの発生を抑制することができる。
導電性基体の一例としては、導電性を有する材料で構成される導電性基体が挙げられる。導電性基体の別の例としては、導電性を有する材料で構成される被覆層を備える導電性基体が挙げられる。導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼又は真鍮が挙げられる。これらの導電性を有する材料を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて(例えば、合金として)用いてもよい。これらの導電性を有する材料のなかでも、感光層から導電性基体への電荷の移動が良好であることから、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。
導電性基体の形状は、画像形成装置の構造に合わせて適宜選択される。導電性基体の形状としては、例えば、シート状又はドラム状が挙げられる。また、導電性基体の厚さは、導電性基体の形状に応じて適宜選択される。
上述した導電性基体の表面には、アルマイト層が備えられる。シート状の導電性基体である場合は、導電性基体の上面にアルマイト層が備えられる。ドラム状の導電性基体である場合は、導電性基体の周面にアルマイト層が備えられる。例えば、導電性基体(例えば素管)に陽極酸化処理を行い、陽極酸化被膜を形成することにより、アルマイト層を形成することができる。
アルマイト層の厚さは、2μm以上15μm以下であることが好ましく、5μm以上15μm以下であることがより好ましい。アルマイト層の厚さが2μm以上であると、形成画像における先端白抜けの発生が更に抑制される。アルマイト層の厚さが15μm以下であると、電流の流れが更に円滑になる。
アルマイト層の厚さは、例えば、渦電流式膜厚計を用いて測定することができる。アルマイト層の厚さは、例えば、導電性基体を陽極酸化処理する際の電流値と処理時間とを調整することにより変化させることができる。
<1−2.感光層>
感光層は、電荷発生剤と電子輸送剤と正孔輸送剤とを含有する。電子輸送剤の合計含有量は、正孔輸送剤の合計含有量よりも多い。電子輸送剤の合計含有量が正孔輸送剤の合計含有量よりも多いことで、転写電流を印加した後の感光体の表面電位の低下を抑制することができる。その結果、形成画像における先端白抜けの発生を抑制することができる。形成画像における先端白抜けの発生を好適に抑制するためには、正孔輸送剤の合計含有量に対する電子輸送剤の合計含有量の比率(以下、含有比率と記載することがある)が、1.00より大きく1.50以下であることが好ましく、1.20以上1.50以下であることがより好ましい。含有比率は、計算式「含有比率=電子輸送剤の合計含有量/正孔輸送剤の合計含有量」から算出される。含有比率が1.00より大きいとき、電子輸送剤の合計含有量が正孔輸送剤の合計含有量よりも多くなる。
(電子輸送剤)
電子輸送剤の例としては、キノン化合物、ジイミド化合物、ヒドラゾン化合物、マロノニトリル系化合物、チオピラン系化合物、トリニトロチオキサントン系化合物、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン系化合物、ジニトロアントラセン系化合物、ジニトロアクリジン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸、無水マレイン酸、又はジブロモ無水マレイン酸が挙げられる。キノン系化合物としては、例えば、ジフェノキノン系化合物、アゾキノン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、ニトロアントラキノン系化合物、又はジニトロアントラキノン系化合物が挙げられる。電子輸送剤の1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電子輸送剤の好適な例は、下記一般式(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)で表される化合物(以下、化合物(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)と記載することがある)である。
Figure 0006569609
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一般式(1)、(2)、(4)及び(5)中、R1、R2、R3、R4、R5、R8、R9、R10、R11、R12、R13及びR14は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数2以上6以下のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。一般式(2)中、Wは、−CO−O−又は−CO−を表す。
一般式(3)中、R6及びR7は、各々独立して、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を少なくとも1つ有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基;フェニルカルボニル基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基;炭素原子数7以上20以下のアラルキル基;炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を有してもよい炭素原子数1以上8以下のアルキル基;及び炭素原子数3以上10以下のシクロアルキル基からなる群より選択される基を表す。選択される基は1つ以上のハロゲン原子で置換されてもよい。
一般式(1)、(2)、(4)及び(5)中のR1、R2、R3、R4、R5、R8、R9、R10、R11、R12、R13及びR14で表されるハロゲン原子(ハロゲン基)は、塩素原子(クロロ基)であることが好ましい。
一般式(1)、(2)、(4)及び(5)中のR1、R2、R3、R4、R5、R8、R9、R10、R11、R12、R13及びR14で表される炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、炭素原子数1以上5以下のアルキル基が好ましく、メチル基、tert−ブチル基又は1,1−ジメチルプロピル基がより好ましい。炭素原子数1以上6以下のアルキル基は置換基を有してもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、置換基を更に有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、又はシアノ基が挙げられる。炭素原子数1以上6以下のアルキル基が有する置換基としては、炭素原子数6以上14以下のアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。置換基の数は、特に限定されないが、3個以下であることが好ましい。置換基としての炭素原子数6以上14以下のアリール基が更に有する置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数2以上7以下のアルカノイル基(炭素原子数1以上6以下のアルキル基を有するカルボニル基)、ベンゾイル基、フェノキシ基、炭素原子数2以上7以下のアルコキシカルボニル基(炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を有するカルボニル基)又はフェノキシカルボニル基が挙げられる。
一般式(1)、(2)、(4)及び(5)中のR1、R2、R3、R4、R5、R8、R9、R10、R11、R12、R13及びR14で表される炭素原子数2以上6以下のアルケニル基は置換基を有してもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基又はシアノ基が挙げられる。置換基の数は、特に限定されないが、3個以下であることが好ましい。
一般式(1)、(2)、(4)及び(5)中のR1、R2、R3、R4、R5、R8、R9、R10、R11、R12、R13及びR14で表される炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基は置換基を有してもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基又はシアノ基が挙げられる。置換基の数は、特に限定されないが、3個以下であることが好ましい。
一般式(1)、(2)、(4)及び(5)中のR1、R2、R3、R4、R5、R8、R9、R10、R11、R12、R13及びR14で表される炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、フェニル基が好ましい。炭素原子数6以上14以下のアリール基は置換基を有してもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数2以上7以下のアルカノイル基(炭素原子数1以上6以下のアルキル基を有するカルボニル基)、ベンゾイル基、フェノキシ基、炭素原子数2以上7以下のアルコキシカルボニル基(炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を有するカルボニル基)、フェノキシカルボニル基、炭素原子数6以上14以下のアリール基又はビフェニル基が挙げられる。炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、炭素原子数1以上6以下のアルキル基又はニトロ基が好ましく、メチル基、エチル基又はニトロ基がより好ましい。置換基の数は、特に限定されないが、3個以下であることが好ましい。
一般式(1)中のR1及びR2は、各々独立して、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましい。R1及びR2は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基のうちの同一の基を表してもよく、炭素原子数1以上6以下のアルキル基のうちの異なる基を表してもよい。R1及びR2の各々は、1,1−ジメチルプロピル基を表すことが好ましい。
一般式(2)中のR3、R4及びR5は、各々独立して、水素原子、炭素原子数6以上14以下のアリール基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又はニトロ基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基を表すことが好ましい。R3は、炭素原子数6以上14以下のアリール基を有する炭素原子数1以上6以下のアルキル基又はニトロ基を有する炭素原子数6以上14以下のアリール基を表すことが好ましく、フェニル基を有する炭素原子数1以上6以下のアルキル基又はニトロフェニル基を表すことがより好ましく、フェニルメチル基又はニトロフェニル基を表すことが特に好ましい。R4は、炭素原子数6以上14以下のアリール基を表すことが好ましく、フェニル基を表すことがより好ましい。R5は、水素原子を表すことが好ましい。一般式(2)中のWは、−CO−O−又は−CO−を表す。
一般式(3)中のR6及びR7は、下記条件(3−1)又は(3−2)を満たすことが好ましく、条件(3−2)を満たすことがより好ましい。
以下、条件(3−1)について説明する。条件(3−1)において、R6及びR7は、各々独立して、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を少なくとも1つ有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。
6及びR7が条件(3−1)を満たす場合、R6及びR7が表わす炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、フェニル基が好ましい。R6及びR7が表わす炭素原子数6以上14以下のアリール基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を少なくとも1つ(好ましくは1つ又は2つ)有してもよい。炭素原子数6以上14以下のアリール基が有する炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、炭素原子数1以上3以下のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。R6及びR7が表わす炭素原子数1以上6以下のアルキル基を少なくとも1つ有する炭素原子数の例は、2−エチル−6−メチルフェニルである。
以下、条件(3−2)について説明する。条件(3−2)において、R6及びR7は、各々独立して、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を少なくとも1つ有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基;フェニルカルボニル基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基;炭素原子数7以上20以下のアラルキル基;炭素原子数1以上8以下のアルキル基;及び炭素原子数3以上10以下のシクロアルキル基からなる群より選択される基を表す。選択される基は1つ以上のハロゲン原子で置換されてもよい。R6及びR7のうち少なくとも一方が1つ以上のハロゲン原子を有する。つまり、条件(3−2)を満たす化合物(3)はハロゲン原子を有する。
6及びR7が条件(3−2)を満たす場合、一般式(3)中、R6及びR7が表す炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、フェニル基が好ましい。炭素原子数6以上14以下のアリール基は、置換基を有してもよい。このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基(好ましくは炭素原子数1以上3以下のアルキル基)又はフェニルカルボニル基が挙げられる。このような置換基としては、塩素原子、メチル基、エチル基又はフェニルカルボニル基が好ましい。置換基の数は、1以上3以下の整数であることが好ましい。炭素原子数6以上14以下のアリール基がフェニル基である場合、フェニル基における置換基の位置は、例えば、フェニル基が窒素原子と結合する位置に対して、オルト位(o位)、メタ位(m位)、パラ位(p位)、又はこれらの少なくとも2つが挙げられる。置換基を有する炭素原子数6以上14以下のアリール基の一例は、1つ以上(好ましくは1つ以上3つ以下)のハロゲン原子で置換されてもよく、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を少なくとも1つ有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基である。1つ以上のハロゲン原子で置換されてもよく、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を少なくとも1つ有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基の好適な例は、2,6−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基又は2−エチル−6−メチルフェニル基である。置換基を有する炭素原子数6以上14以下のアリール基の別の例は、1つ以上(好ましくは1つ以上3つ以下)のハロゲン原子で置換されてもよく、フェニルカルボニル基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基である。1つ以上のハロゲン原子で置換されてもよく、フェニルカルボニル基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基の好適な例は、4−クロロ−2−フェニルカルボニルフェニル基である。
6及びR7が条件(3−2)を満たす場合、一般式(3)中、R6及びR7が表す炭素原子数7以上20以下のアラルキル基としては、炭素原子数7以上9以下のアラルキル基が好ましく、1−フェニルエチル基がより好ましい。炭素原子数7以上20以下のアラルキル基は、フェニルカルボニル基を有してもよい。炭素原子数7以上20以下のアラルキル基は、1つ以上のハロゲン原子で置換されてもよい。ハロゲン原子を有する炭素原子数7以上20以下のアラルキル基としては、例えば、1−(2,4−ジクロロフェニル)エチル基が挙げられる。
条件(3−2)を満たす化合物(3)としては、一般式(3)中のR6及びR7が以下のとおりである化合物が好ましい。R6及びR7は、各々独立して、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を少なくとも1つ有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基;フェニルカルボニル基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基;及び炭素原子数7以上20以下のアラルキル基からなる群より選択される基を表す。選択される基は1つ以上のハロゲン原子で置換されてもよい。R6及びR7のうち少なくとも一方が1つ以上のハロゲン原子を有する。つまり、条件(3−2)を満たす化合物(3)の好適な例はハロゲン原子を有する。
なお、条件(3−2)を満たす化合物(3)は、実施例に記載の方法又はその代替法によって製造することができる。
一般式(4)中のR8、R9、R10及びR11は、各々独立して、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましい。
一般式(5)中のR12及びR13は、各々独立して、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましい。一般式(5)中のR14は、ハロゲン原子又はニトロ基を表すことが好ましい。
感光層は、電子輸送剤として、化合物(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)のうちの2種を含むことが好ましい。感光層が化合物(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)のうちの2種を含むことで、感光層を形成するための溶剤に対する電子輸送剤の溶解性を向上させることができる。これにより、感光層を形成するための溶剤に多くの電子輸送剤を溶解させることができ、感光層中の電子輸送剤の含有量を多くすることができる。その結果、形成画像における先端白抜けの発生を好適に抑制することができる。なお、化合物(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)から2種を選択する場合、同じ一般式(一般式(1)〜(5)の何れか)で表される異なる種類の化合物を2種選択してもよい。化合物(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)から2種を選択する場合、一の一般式(一般式(1)〜(5)の何れか)で表される化合物を1種選択し、他の一般式で表される化合物を1種選択してもよい。
形成画像における先端白抜けの発生を好適に抑制するためには、感光層は、電子輸送剤として、次に示す組み合わせの2種の化合物を含むことが好ましい。
化合物(1)及び化合物(2);
化合物(1)及び条件(3−1)を満たす化合物(3);
化合物(1)及び条件(3−2)を満たす化合物(3);
化合物(1)及び化合物(4);又は
化合物(1)及び化合物(5)。
形成画像における先端白抜けの発生を好適に抑制するためには、2種の電子輸送剤のうちの1種が、R6及びR7が条件(3−2)を満たす化合物(3)であることが好ましい。
化合物(1)の好適な例は、下記化学式(E−1)で表される化合物である。化合物(2)の好適な例は、下記化学式(E−2)又は(E−6)で表される化合物である。化合物(3)の好適な例は、下記化学式(E−3)、(E−8)、(E−9)、(E−10)、(E−11)、(E−12)又は(E−13)で表される化合物である。化合物(3)のより好適な例は、化学式(E−8)、(E−9)、(E−10)、(E−11)、(E−12)又は(E−13)で表される化合物であり、更に好適な例は、化学式(E−8)、(E−9)又は(E−10)で表される化合物である。なお、条件(3−1)を満たす化合物(3)の好適な例が、化学式(E−3)で表される化合物である。条件(3−2)を満たす化合物(3)の好適な例が、化学式(E−8)、(E−9)、(E−10)、(E−11)、(E−12)又は(E−13)で表される化合物である。化合物(4)の好適な例は、下記化学式(E−4)で表される化合物である。化合物(5)の好適な例は、下記化学式(E−5)又は(E−7)で表される化合物である。以下、化学式(E−1)〜(E−10)で表される化合物の各々を、化合物(E−1)〜(E−10)と記載することがある。
Figure 0006569609
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形成画像における先端白抜けの発生を好適に抑制するためには、感光層は、電子輸送剤として、次に示す組み合わせの2種の化合物を含むことが好ましい。
化合物(E−1)及び化合物(E−2);
化合物(E−1)及び化合物(E−3);
化合物(E−1)及び化合物(E−4);
化合物(E−1)及び化合物(E−5);
化合物(E−1)及び化合物(E−6);
化合物(E−1)及び化合物(E−7);
化合物(E−1)及び化合物(E−8);
化合物(E−1)及び化合物(E−9);又は
化合物(E−1)及び化合物(E−10)。
形成画像における先端白抜けの発生を抑制するためには、2種の電子輸送剤のうちの1種が化合物(E−8)、(E−9)又は(E−10)であることが好ましい。
電子輸送剤が化合物(1)〜(5)のうちの2種を含む場合、電子輸送剤はこれら2種の化合物のみであることが好ましい。電子輸送剤が化合物(E−1)〜(E−10)のうちの2種を含む場合、電子輸送剤はこれら2種の化合物のみであることが好ましい。
電子輸送剤の合計含有量は、感光層に含有されるバインダー樹脂100質量部に対して、55質量部より多く100質量部以下であることが好ましく、55質量部より多く70質量部以下であることがより好ましく、60質量部であることが特に好ましい。
(正孔輸送剤)
感光層は、例えば正孔輸送剤を含有する。正孔輸送剤としては、例えば、トリフェニルアミン誘導体、ジアミン誘導体(例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体、又はジ(アミノフェニルエテニル)ベンゼン誘導体)、オキサジアゾール系化合物(例えば、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)、スチリル系化合物(例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン)、カルバゾール系化合物(例えば、ポリビニルカルバゾール)、有機ポリシラン化合物、ピラゾリン系化合物(例えば、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン)、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物又はトリアゾール系化合物が挙げられる。正孔輸送剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
正孔輸送剤の好適な例は、下記一般式(7)、(8)、(9)、(10)又は(11)で表される化合物(以下、化合物(7)、(8)、(9)、(10)又は(11)と記載することがある)である。
Figure 0006569609
一般式(7)中、R20〜R25は、各々独立して、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基又は炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。R20〜R25は、各々、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表すことがより好ましく、メチル基又はエチル基を表すことが特に好ましい。
一般式(7)中、a、b、c及びdは、各々独立して、0以上5以下の整数を表す。aが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のR20は、互いに同一でも異なっていてもよい。bが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のR21は、互いに同一でも異なっていてもよい。cが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のR22は、互いに同一でも異なっていてもよい。dが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のR23は、互いに同一でも異なっていてもよい。a及びbは、各々、0を表すことが好ましい。c及びdは、各々独立して、1以上5以下の整数を表すことが好ましく、2を表すことがより好ましい。
20〜R23の結合位置は特に限定されない。R20〜R23は、各々、フェニル基のオルト位、メタ位及びパラ位の何れに結合(位置)してもよい。R22及びR23は、各々、フェニル基のオルト位に結合することが好ましい。
一般式(7)中、e及びfは、各々独立して、0以上4以下の整数を表す。eが2以上4以下の整数を表す場合、同一のフェニレン基に結合する複数のR24は、互いに同一でも異なっていてもよい。fが2以上4以下の整数を表す場合、同一のフェニレン基に結合する複数のR25は、互いに同一でも異なっていてもよい。e及びfは、各々、0を表すことが好ましい。
24及びR25の結合位置は特に限定されない。R24及びR25は、各々、フェニレン基が結合する窒素原子に対して、オルト位及びメタ位の何れに結合(位置)してもよい。
Figure 0006569609
一般式(8)中、R26〜R31は、各々独立して、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、又は置換基を有してもよい炭素原子数2以上6以下のアルケニル基を表す。炭素原子数2以上6以下のアルケニル基が置換基を有する場合、置換基としては、炭素原子数1以上6以下のアルキル基又は炭素原子数6以上14以下のアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。炭素原子数2以上6以下のアルケニル基が有する置換基の数は、特に限定されないが、3以下であることが好ましく、2であることがより好ましい。
一般式(8)中、g、h、i及びjは、各々独立して、0以上5以下の整数を表す。gが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のR26は、互いに同一でも異なっていてもよい。hが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のR27は、互いに同一でも異なっていてもよい。iが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のR28は、互いに同一でも異なっていてもよい。jが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のR29は、互いに同一でも異なっていてもよい。g及びhの一方は2を表し、他方は0又は1を表すことが好ましい。i及びjの一方は2を表し、他方は0又は1を表すことが好ましい。
26〜R29の結合位置は特に限定されない。R26〜R29は、各々、フェニル基のオルト位、メタ位及びパラ位の何れに結合(位置)してもよい。R26〜R29は、各々、フェニル基のオルト位又はパラ位に結合することが好ましい。
一般式(8)中、k及びlは、各々独立して、0以上4以下の整数を表す。kが2以上4以下の整数を表す場合、同一のフェニレン基に結合する複数のR30は、互いに同一でも異なっていてもよい。lが2以上4以下の整数を表す場合、同一のフェニレン基に結合する複数のR31は、互いに同一でも異なっていてもよい。k及びlは、各々、0を表すことが好ましい。
30及びR31の結合位置は特に限定されない。R30及びR31は、各々、フェニレン基が結合する窒素原子に対して、オルト位及びメタ位の何れに結合(位置)してもよい。
gが2を表しhが0又は1を表す場合、2個のR26は、各々独立して炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましく、メチル基及びエチル基を表すことがより好ましい。gが2を表しhが0又は1を表す場合、R27は、置換基を有してもよい炭素原子数2以上6以下のアルケニル基を表すことが好ましく、2個の炭素原子数6以上14以下のアリール基を有する炭素原子数2以上6以下のアルケニル基を表すことがより好ましく、2,2−ジフェニルエテニル基を表すことが特に好ましい。gが2を表しhが0又は1を表す場合、2個のR26はフェニル基のオルト位に結合することが好ましい。この場合、R27はフェニル基のパラ位に結合することが好ましい。
hが2を表しgが0又は1を表す場合、2個のR27は、各々独立して炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましく、メチル基及びエチル基を表すことがより好ましい。hが2を表しgが0又は1を表す場合、R26は、置換基を有してもよい炭素原子数2以上6以下のアルケニル基を表すことが好ましく、2個の炭素原子数6以上14以下のアリール基を有する炭素原子数2以上6以下のアルケニル基を表すことがより好ましく、2,2−ジフェニルエテニル基を表すことが特に好ましい。hが2を表しgが0又は1を表す場合、2個のR27はフェニル基のオルト位に結合することが好ましい。この場合、R26はフェニル基のパラ位に結合することが好ましい。
iが2を表しjが0又は1を表す場合、2個のR28は、各々独立して炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましく、メチル基及びエチル基を表すことがより好ましい。iが2を表しjが0又は1を表す場合、R29は、置換基を有してもよい炭素原子数2以上6以下のアルケニル基を表すことが好ましく、2個の炭素原子数6以上14以下のアリール基を有する炭素原子数2以上6以下のアルケニル基を表すことがより好ましく、2,2−ジフェニルエテニル基を表すことが特に好ましい。iが2を表しjが0又は1を表す場合、2個のR28はフェニル基のオルト位に結合することが好ましい。この場合、R29はフェニル基のパラ位に結合することが好ましい。
jが2を表しiが0又は1を表す場合、2個のR29は、各々独立して炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましく、メチル基及びエチル基を表すことがより好ましい。iが2を表しjが0又は1を表す場合、R28は、置換基を有してもよい炭素原子数2以上6以下のアルケニル基を表すことが好ましく、2個の炭素原子数6以上14以下のアリール基を有する炭素原子数2以上6以下のアルケニル基を表すことがより好ましく、2,2−ジフェニルエテニル基を表すことが特に好ましい。jが2を表しiが0又は1を表す場合、2個のR29はフェニル基のオルト位に結合することが好ましい。この場合、R28はフェニル基のパラ位に結合することが好ましい。
Figure 0006569609
一般式(9)中、R32〜R35は、各々独立して、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基又は炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。R32〜R34は、各々、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表すことがより好ましく、メチル基を表すことが特に好ましい。R35は、炭素原子数6以上14以下のアリール基を表すことが好ましく、フェニル基を表すことがより好ましい。
一般式(9)中、m、n及びoは、各々独立して、0以上5以下の整数を表す。mが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のR32は、互いに同一でも異なっていてもよい。nが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のR33は、互いに同一でも異なっていてもよい。oが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のR34は、互いに同一でも異なっていてもよい。mは、0又は1を表すことが好ましい。nは1又は2を表すことが好ましい。oは、0又は1を表すことが好ましい。
32〜R34の結合位置は特に限定されない。R32〜R34は、各々、フェニル基のオルト位、メタ位及びパラ位の何れに結合(位置)してもよい。R32は、フェニル基のパラ位に結合することが好ましい。R33は、フェニル基のオルト位又はメタ位に結合することが好ましい。R34は、フェニル基のパラ位に結合することが好ましい。
nが2を表し、2個のR33がフェニル基の隣接した結合位置(例えば、オルト位とメタ位、又はメタ位とパラ位)に結合する場合、2個のR33が互いに結合して、環を形成してもよい。隣接した2個のR33が互いに結合して形成される環としては、例えば、炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンが挙げられる。隣接した2個のR33が互いに結合して炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを形成する場合、この炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンは、2個のR33が結合するフェニル基と縮合して二環縮合環基を形成する。この場合、炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンとフェニル基との縮合部位は、二重結合を含んでいてもよい。隣接した2個のR33が互いに結合して、炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを形成することが好ましく、シクロヘキサンを形成することがより好ましい。
Figure 0006569609
一般式(10)中、R36〜R38は、各々独立して、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基又は炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。R36〜R38としては、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましく、n−ブチル基を表すことがより好ましい。
一般式(10)中、p、q及びrは、各々独立して、0以上5以下の整数を表す。pが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のR36は、互いに同一でも異なっていてもよい。qが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のR37は、互いに同一でも異なっていてもよい。rが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のR38は、互いに同一でも異なっていてもよい。pは1を表すことが好ましい。q及びrは0を表すことが好ましい。
36〜R38の結合位置は特に限定されない。R36〜R38は、各々、フェニル基のオルト位、メタ位及びパラ位の何れに結合(位置)してもよい。R36は、フェニル基のパラ位に結合することが好ましい。
Figure 0006569609
一般式(11)中、R39〜R43は、各々独立して、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。R39〜R41は、各々、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表すことがより好ましく、メチル基を表すことが特に好ましい。R42〜R43は、各々、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基を表すことが好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を有してもよいフェニル基を表すことがより好ましく、メチルフェニル基を表すことが更に好ましく、p−メチルフェニル基を表すことが特に好ましい。
一般式(11)中、s、t及びuは、各々独立して、0以上5以下の整数を表す。sが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のR39は、互いに同一でも異なっていてもよい。tが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のR40は、互いに同一でも異なっていてもよい。uが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のR41は、互いに同一でも異なっていてもよい。s、t及びuは、各々、1を表すことが好ましい。
39〜R41の結合位置は特に限定されない。R39〜R41は、各々、フェニル基のオルト位、メタ位及びパラ位の何れに結合(位置)してもよい。R39〜R41は、各々、フェニル基のパラ位に結合することが好ましい。
化合物(7)の好適な例は、下記化学式(H−1)で表される化合物である。化合物(8)の好適な例は、下記化学式(H−2)又は(H−5)で表される化合物である。化合物(9)の好適な例は、下記化学式(H−3)又は(H−4)で表される化合物である。化合物(10)の好適な例は、下記化学式(H−6)で表される化合物である。化合物(11)の好適な例は、下記化学式(H−7)で表される化合物である。以下、化学式(H−1)〜(H−7)で表される化合物の各々を、化合物(H−1)〜(H−7)と記載することがある。
Figure 0006569609
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感光層に含有される正孔輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、10質量部以上200質量部以下であることが好ましく、40質量部以上55質量部以下であることがより好ましい。
(電荷発生剤)
感光層は、電荷発生剤を含有する。電荷発生剤は、感光体用の電荷発生剤である限り、特に限定されない。電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、無機光導電材料(例えば、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム又はアモルファスシリコン)の粉末、ピリリウム顔料、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料又はキナクリドン系顔料が挙げられる。電荷発生剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フタロシアニン系顔料としては、例えば、無金属フタロシアニン又は金属フタロシアニンが挙げられる。金属フタロシアニンとしては、例えば、化学式(C−1)で表されるチタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン又はクロロガリウムフタロシアニンが挙げられる。フタロシアニン系顔料は、結晶であってもよく、非結晶であってもよい。フタロシアニン系顔料の結晶形状(例えば、α型、β型、Y型、V型又はII型)については特に限定されず、種々の結晶形状を有するフタロシアニン系顔料が使用される。
Figure 0006569609
無金属フタロシアニンの結晶としては、例えば、無金属フタロシアニンのX型結晶が挙げられる。チタニルフタロシアニンの結晶としては、例えば、チタニルフタロシアニンのα型、β型又はY型結晶(以下、α型、β型又はY型チタニルフタロシアニンと記載することがある)が挙げられる。ヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶としては、ヒドロキシガリウムフタロシアニンのV型結晶が挙げられる。
例えば、デジタル光学式の画像形成装置(例えば、半導体レーザーのような光源を使用した、レーザービームプリンター又はファクシミリ)には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体を用いることが好ましい。700nm以上の波長領域で高い量子収率を有することから、電荷発生剤としては、フタロシアニン系顔料が好ましく、無金属フタロシアニン又はチタニルフタロシアニンがより好ましく、X型無金属フタロシアニン又はY型チタニルフタロシアニンが更に好ましく、Y型チタニルフタロシアニンが特に好ましい。
Y型チタニルフタロシアニンは、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、例えば、ブラッグ角(2θ±0.2°)の27.2°に主ピークを有する。CuKα特性X線回折スペクトルにおける主ピークとは、ブラッグ角(2θ±0.2°)が3°以上40°以下である範囲において、1番目又は2番目に大きな強度を有するピークである。Y型チタニルフタロシアニンは、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、26.2℃にピークを有しない。
CuKα特性X線回折スペクトルの測定方法の一例について説明する。試料(チタニルフタロシアニン)をX線回折装置(例えば、株式会社リガク製「RINT(登録商標)1100」)のサンプルホルダーに充填して、X線管球Cu、管電圧40kV、管電流30mA、かつCuKα特性X線の波長1.542Åの条件で、X線回折スペクトルを測定する。測定範囲(2θ)は、例えば3°以上40°以下(スタート角3°、ストップ角40°)であり、走査速度は、例えば10°/分である。
Y型チタニルフタロシアニンは、示差走査熱量分析(DSC)スペクトルにおける熱特性(詳しくは、次に示す熱特性(a)〜(c))の違いによって3種類に分類される。
(a)DSCによる熱特性において、吸着水の気化に伴うピーク以外に50℃以上270℃以下の範囲にピーク(例えば、1つのピーク)を有する。
(b)DSCによる熱特性において、吸着水の気化に伴うピーク以外に50℃以上400℃以下の範囲にピークを有しない。
(c)DSCによる熱特性において、吸着水の気化に伴うピーク以外に50℃以上270℃未満の範囲にピークを有さず、270℃以上400℃以下の範囲にピーク(例えば、1つのピーク)を有する。
示差走査熱量分析スペクトルの測定方法の一例について説明する。サンプルパンにチタニルフタロシアニン結晶粉末の評価用試料を載せて、示差走査熱量計(例えば、株式会社リガク製「TAS−200型 DSC8230D」)を用いて示差走査熱量分析スペクトルを測定する。測定範囲は、例えば40℃以上400℃以下であり、昇温速度は、例えば20℃/分である。
熱特性(b)及び(c)を有するY型チタニルフタロシアニンは、結晶安定性に優れており、有機溶媒中で結晶転移を起こしにくく、感光層中に分散し易い。
短波長レーザー光源(例えば、350nm以上550nm以下の波長を有するレーザー光源)を用いた画像形成装置に適用される感光体には、電荷発生剤として、アンサンスロン系顔料が好適に用いられる。
電荷発生剤の含有量は、感光層に含有されるバインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上30質量部以下であることがより好ましく、0.5質量部以上4.5質量部以下であることが特に好ましい。
(バインダー樹脂)
感光層は、バインダー樹脂を含有してもよい。バインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル酸重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂又はポリエーテル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂又はメラミン樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ化合物のアクリル酸付加物又はウレタン化合物のアクリル酸付加物が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの樹脂の中では、加工性、機械的特性、光学的特性及び耐摩耗性のバランスに優れた感光層が得られることから、ポリカーボネート樹脂が好ましい。ポリカーボネート樹脂の例としては、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂、ビスフェノールZC型ポリカーボネート樹脂、ビスフェノールC型ポリカーボネート樹脂又はビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂が挙げられる。ポリカーボネート樹脂としては、下記一般式(12)で表される樹脂(以下、樹脂(12)と記載することがある)が好ましい。
Figure 0006569609
一般式(12)中、R50〜R55は、各々独立して、水素原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基又は炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。但し、R52及びR53は、互いに結合して炭素原子数5以上7以下のシクロアルキリデン基を形成してもよい。x+y=1.00である。0.00<x≦1.00である。つまり、xは0.00より大きく1.00以下の数である。
一般式(12)中のR50〜R55が表す炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、炭素原子数1以上4以下のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
一般式(12)中のR50〜R55が表す炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、フェニル基が好ましい。
一般式(12)中、R50、R51、R54及びR55は、各々、炭素原子数1以上6以下のアルキル基又は水素原子を表すことが好ましく、水素原子又はメチル基を表すことがより好ましい。R52及びR53は、互いに結合して炭素原子数5以上7以下のシクロアルキリデン基を表すことが好ましく、互いに結合してシクロヘキシリデン基を表すことがより好ましい。
樹脂(12)は、一般式(12a)で表される繰返し構造単位(以下、繰返し単位(12a)と記載することがある)と、一般式(12b)で表される繰返し構造単位(以下、繰返し単位(12b)と記載することがある)とを含む。なお、一般式(12a)中のR50〜R53は、各々一般式(12)中のR50〜R53と同義である。一般式(12b)中のR54及びR55は、各々一般式(12)中のR54及びR55と同義である。
Figure 0006569609
Figure 0006569609
一般式(12)中、xは、樹脂(12)における繰返し単位(12a)と繰返し単位(12b)との合計物質量(モル数)に対する、繰返し単位(12a)の物質量(モル数)の比率(モル分率)を表す。yは、樹脂(12)における繰返し単位(12a)と繰返し単位(12b)との合計物質量(モル数)に対する、繰返し単位(12b)の物質量(モル数)の比率(モル分率)を表す。
樹脂(12)は、繰返し単位(12a)と繰返し単位(12b)とがランダムに共重合したランダム共重合体であってもよい。或いは、樹脂(12)は、繰返し単位(12a)と繰返し単位(12b)とが交互に共重合した交互共重合体であってもよい。或いは、樹脂(12)は、1以上の繰返し単位(12a)と、1以上の繰返し単位(12b)とが周期的に共重合した周期的共重合体であってもよい。或いは、樹脂(12)は、複数の繰返し単位(12a)からなるブロックと、複数の繰返し単位(12b)からなるブロックとが共重合したブロック共重合体であってもよい。
樹脂(12)は、末端基として下記一般式(12e)又は(12f)で表される基を有していてもよい。
Figure 0006569609
一般式(12e)中、R56は、−CO−O−又は−O−を表す。但し、繰返し単位(12a)又は繰返し単位(12b)のエーテル部位(−O−)と結合するとき、R56は−CO−O−を表す。繰返し単位(12a)又は繰返し単位(12b)のエステル部位(−CO−O−)と結合するとき、R56は−O−を表す。R57及びR58は、各々独立して、ハロゲン原子を少なくとも1個(好ましくは、1個以上12個以下)有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキレン基を表す。R57及びR58としては、ハロゲン原子を2個以上4個以下有する炭素原子数1又は2のアルキレン基が好ましい。R59は、ハロゲン原子を少なくとも1個(好ましくは、1個以上13個以下)有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。R59としては、ハロゲン原子を1個以上9個以下有する炭素原子数1以上4以下のアルキル基が好ましく、ハロゲン原子を9個有する2−メチルプロピル基がより好ましい。
Figure 0006569609
一般式(12f)中、R56は、−CO−O−又は−O−を表す。但し、繰返し単位(12a)又は繰返し単位(12b)のエーテル部位(−O−)と結合するとき、R56は−CO−O−を表す。繰返し単位(12a)又は繰返し単位(12b)のエステル部位(−CO−O−)と結合するとき、R56は−O−を表す。R60は、ハロゲン原子を少なくとも1個(好ましくは、1個以上13個以下)有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。R60としては、炭素原子数1以上6以下のアルキル基が好ましく、炭素原子数1以上4以下のアルキル基がより好ましく、tert−ブチル基が特に好ましい。
樹脂(12)の具体例としては、下記一般式(R−1)、一般式(R−2)又は化学式(R−3)で表されるポリカーボネート樹脂が挙げられる。
Figure 0006569609
一般式(R−1)中、x1+y1=1.00である。x1は0.60を表す。y2は0.40を表す。一般式(R−1)中、x1は、一般式(R−1)で表されるポリカーボネート樹脂における繰返し単位の合計物質量(モル数)に対する、x1が付された繰返し単位の物質量(モル数)の比率(モル分率)を表す。y1は、一般式(R−1)で表されるポリカーボネート樹脂における繰返し単位の合計物質量(モル数)に対する、y1が付された繰返し単位の物質量(モル数)の比率(モル分率)を表す。
Figure 0006569609
一般式(R−2)中、x2+y2=1.00である。x2は0.56以上0.62以下の数を表す。y2は0.38以上0.44以下の数を表す。一般式(R−2)中、x2は、一般式(R−2)で表されるポリカーボネート樹脂における繰返し単位の合計物質量(モル数)に対する、x2が付された繰返し単位の物質量(モル数)の比率(モル分率)を表す。y2は、一般式(R−2)で表されるポリカーボネート樹脂における繰返し単位の合計物質量(モル数)に対する、y2が付された繰返し単位の物質量(モル数)の比率(モル分率)を表す。
Figure 0006569609
化学式(R−3)で表されるポリカーボネート樹脂は、一般式(12)中のyが0.00であり、xが1.00である樹脂である。化学式(R−3)で表されるポリカーボネート樹脂は、繰り返し単位(12a)のみによって構成される。
バインダー樹脂の粘度平均分子量は、25,000以上であることが好ましく、25,000以上52,500以下であることがより好ましい。バインダー樹脂の粘度平均分子量が25,000以上であると、感光体の耐摩耗性を向上させ易い。バインダー樹脂の粘度平均分子量が52,500以下であると、感光層の形成時にバインダー樹脂が溶剤に溶解し易くなり、感光層用塗布液の粘度が高くなり過ぎない。その結果、感光層を形成し易くなる。
バインダー樹脂の製造方法は、樹脂(12)を製造できれば、特に限定されない。樹脂(12)の製造方法の一例として、ポリカーボネート樹脂の繰返し単位を構成するためのジオール化合物とホスゲンとを縮重合させる方法(いわゆる、ホスゲン法)が挙げられる。より具体的には、例えば、一般式(12c)で表されるジオール化合物と、一般式(12d)で表されるジオール化合物と、ホスゲンとを、縮重合させる方法が挙げられる。なお、一般式(12c)中のR50〜R53は、各々一般式(12)中のR50〜R53と同義である。一般式(12d)中のR54及びR55は、各々一般式(12)中のR54及びR55と同義である。樹脂(12)の製造方法の別の例として、ジオール化合物とジフェニルカーボネートとをエステル交換反応させる方法も挙げられる。
Figure 0006569609
Figure 0006569609
樹脂(2)を製造するための反応において、所望の末端停止剤を添加することにより、樹脂(2)に所望の末端基を導入することができる。末端基が下記一般式(12e)である場合、末端停止剤として下記一般式(12g)で表される化合物を添加する。一般式(12g)中のR56〜R59は、各々一般式(12e)中のR56〜R59と同義である。末端基が下記一般式(12f)である場合、末端停止剤として下記一般式(12h)で表される化合物を添加する。一般式(12h)中のR56及びR60は、各々一般式(12f)中のR56及びR60と同義である。
Figure 0006569609
Figure 0006569609
<1−3.中間層>
中間層(下引き層)は、例えば、無機粒子及び中間層に用いられる樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層が存在することにより、リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、抵抗の上昇が抑えられると考えられる。
無機粒子としては、例えば、金属(例えば、アルミニウム、鉄又は銅)、金属酸化物(例えば、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ又は酸化亜鉛)の粒子又は非金属酸化物(例えば、シリカ)の粒子が挙げられる。これらの無機粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
中間層用樹脂としては、中間層を形成する樹脂として用いることができる限り、特に限定されない。中間層は、各種の添加剤を含有してもよい。
<1−4.感光体の製造方法>
感光体は、例えば、以下のように製造される。感光体は、感光層用塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥することによって製造される。感光層用塗布液は、電荷発生剤、電子輸送剤、正孔輸送剤及び必要に応じて添加される成分(例えば、バインダー樹脂及び各種添加剤)を、溶剤に溶解又は分散させることにより製造される。
感光層用塗布液に含有される溶剤は、塗布液に含まれる各成分を溶解又は分散できる限り、特に限定されない。溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール又はブタノール)、脂肪族炭化水素(例えば、n−ヘキサン、オクタン又はシクロヘキサン)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン又はキシレン)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素又はクロロベンゼン)、エーテル類(例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル又はプロピレングリコールモノメチルエーテル)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン又はシクロヘキサノン)、エステル類(例えば、酢酸エチル又は酢酸メチル)、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。感光体の製造時の作業性を向上させるためには、溶剤として非ハロゲン溶剤(ハロゲン化炭化水素以外の溶剤)を用いることが好ましい。
塗布液は、各成分を混合し、溶剤に分散することにより調製される。混合又は分散には、例えば、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、アトライター、ペイントシェーカー又は超音波分散機を用いることができる。
感光層用塗布液は、各成分の分散性を向上させるために、例えば、界面活性剤を含有してもよい。
感光層用塗布液を塗布する方法としては、塗布液を導電性基体上に均一に塗布できる方法である限り、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法又はバーコート法が挙げられる。
感光層用塗布液を乾燥する方法としては、塗布液中の溶剤を蒸発させ得る限り、特に限定されない。例えば、高温乾燥機又は減圧乾燥機を用いて、熱処理(熱風乾燥)する方法が挙げられる。熱処理条件は、例えば、40℃以上150℃以下の温度、かつ3分間以上120分間以下の時間である。
なお、感光体の製造方法は、必要に応じて、中間層を形成する工程及び保護層を形成する工程の一方又は両方を更に含んでもよい。中間層を形成する工程及び保護層を形成する工程では、公知の方法が適宜選択される。
<2.画像形成装置>
次に、図2を参照して、本実施形態に係る感光体10を備える画像形成装置100について説明する。図2は画像形成装置100の構成の一例を示す図であり、この画像形成装置100は本実施形態に係る感光体10を備える。図2に示す画像形成装置100は、直接転写方式を採用する。なお、中間転写方式を採用する画像形成装置100については、図3を参照して後述する。
画像形成装置100は、電子写真方式の画像形成装置である限り、特に限定されない。画像形成装置100は例えば、モノクロ画像形成装置であってもよいし、カラー画像形成装置であってもよい。画像形成装置100がカラー画像形成装置である場合、画像形成装置100は、例えばタンデム方式を採用する。以下、タンデム方式の画像形成装置100を例に挙げて説明する。
画像形成装置100は、画像形成ユニット40a、40b、40c及び40dと、転写ベルト50と、定着部52とを備える。以下、区別する必要がない場合には、画像形成ユニット40a、40b、40c及び40dの各々を、画像形成ユニット40と記載する。
画像形成ユニット40は、感光体10と、帯電部42と、露光部44と、現像部46と、転写部48とを備える。画像形成ユニット40の中央位置に、感光体10が設けられる。感光体10は、矢符方向(反時計回り)に回転可能に設けられる。感光体10の周囲には、帯電部42を基準として感光体10の回転方向の上流側から順に、帯電部42、露光部44、現像部46及び転写部48が設けられる。なお、画像形成ユニット40には、クリーニング部(不図示)及び除電部(不図示)の一方又は両方が更に備えられてもよい。
帯電部42は、感光体10の表面を帯電する。帯電部42は、非接触方式又は接触方式である。非接触方式の帯電部42の例は、コロトロン帯電器又はスコロトロン帯電器である。接触方式の帯電部42の例は、帯電ローラー又は帯電ブラシである。
単層型感光体である感光体10の電気特性を向上させるためには、帯電部42は感光体10の表面(周面)を正極性に帯電することが好ましい。
露光部44は、帯電された感光体10の表面を露光する。これにより、感光体10の表面に静電潜像が形成される。静電潜像は、画像形成装置100に入力された画像データに基づいて形成される。
現像部46は、感光体10に形成された静電潜像にトナーを供給する。これにより、静電潜像がトナー像として現像される。感光体10は、トナー像を担持する像担持体に相当する。
転写ベルト50は、感光体10と転写部48との間に記録媒体Pを搬送する。転写ベルト50は、無端状のベルトである。転写ベルト50は、矢符方向(時計回り)に回転可能に設けられる。
転写部48は、現像部46によって現像されたトナー像を、感光体10から被転写体へ転写する。画像形成装置100が直接転写方式を採用する場合、被転写体は記録媒体Pに相当する。画像形成装置100が直接転写方式を採用する場合、感光体10から記録媒体Pにトナー像が転写されるときに、感光体10は記録媒体Pと接触している。転写部48は、例えば転写ローラーである。
転写部48が感光体10へ印加する転写電流は、−25μA以上−5μA以下であることが好ましく、−25μA以上−15μA以下であることがより好ましい。−25μA以上−5μA以下の転写電流は、通常印加される転写電流と比較して絶対値が大きく(小さな負の値であり)、通常よりも過酷な転写条件である。高速で画像を形成する場合には、転写電流の絶対値を大きく(負の値を小さく)することが好ましい。しかし、転写電流の絶対値を大きく(負の値を小さく)すると、形成画像に先端白抜けが発生し易くなる。本実施形態の感光体10によれば、既に述べたように転写電流を印加した後の感光体10の表面電位が低下し難い。そのため、−25μA以上−5μA以下の転写電流を転写部48が感光体10へ印加するような過酷な転写条件であっても、形成画像における先端白抜けの発生を抑制することができる。−25μA以上−5μA以下の転写電流は、例えば、感光体の回転速度140mm/秒の条件下で印加することができる。転写電流が印加される環境は、温度32.5℃及び相対湿度80%RHといった高温高湿環境下であってもよい。
画像形成ユニット40a〜40dの各々によって、転写ベルト50上の記録媒体Pに、複数色(例えば、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの4色)のトナー像が順に重ねられる。なお、画像形成装置100がモノクロ画像形成装置である場合には、画像形成装置100は、画像形成ユニット40aを備え、画像形成ユニット40b〜40dは省略される。
画像形成装置100は、除電部を備えない設計とすることができる。つまり、画像形成装置100は、除電部を省略した除電レス方式を採用することができる。画像形成装置100が直接転写方式及び除電レス方式を採用する場合、感光体10の表面(周面)において、転写部48によって感光体10から被転写体(記録媒体Pに相当)にトナー像が転写された領域は、除電されることなく帯電部42によって再び帯電される。除電部を備えない除電レス方式の画像形成装置100では、転写電流の影響が残り易く、形成画像に先端白抜けが発生し易い。しかし、本実施形態の感光体10によれば、既に述べたように転写電流を印加した後の感光体10の表面電位が低下し難い。そのため、画像形成装置100が本実施形態の感光体10を備えることにより、画像形成装置100が除電部を備えない場合であっても、形成画像における先端白抜けの発生を抑制することができる。
定着部52は、転写部48によって記録媒体Pに転写された未定着のトナー像を、加熱及び/又は加圧する。定着部52は、例えば、加熱ローラー及び/又は加圧ローラーである。トナー像を加熱及び/又は加圧することにより、記録媒体Pにトナー像が定着する。その結果、記録媒体Pに画像が形成される。
なお、画像形成装置100は、中間転写方式を採用することもできる。以下、図3を参照して、中間転写方式を採用する画像形成装置100について説明する。図3は、画像形成装置100の構成の別の例を示す図であり、この画像形成装置100は本実施形態に係る感光体10を備える。冗長を避けるために、図2に示す画像形成装置100が備える構成と同じ構成には同じ符号を付し、説明を省略する。
画像形成装置100が中間転写方式を採用する場合、直接転写方式で説明した転写部48は、一次転写部54及び二次転写部58に相当する。画像形成装置100が中間転写方式を採用する場合、被転写体は、中間転写ベルト56及び記録媒体Pに相当する。一次転写部54は、一次転写バイアス(具体的には、トナーの帯電極性と逆極性を有するバイアス)を中間転写ベルト56に印加する。中間転写ベルト56は、無端状のベルトである。中間転写ベルト56は、矢符(反時計回り)方向に回転する。一次転写バイアスが印加されると、感光体10と一次転写部54との間で、感光体10から中間転写ベルト56へ感光体10の表面に形成されたトナー像が転写(一次転写)される。
二次転写部58は、二次転写バイアス(具体的には、トナー像と逆極性を有するバイアス)を記録媒体Pに印加する。その結果、中間転写ベルト56上に一次転写されたトナー像は、二次転写部58と中間転写ベルト56との間で、中間転写ベルト56から記録媒体Pに転写(二次転写)される。これにより、未定着のトナー像が記録媒体Pに転写される。
画像形成装置100が中間転写方式を採用する場合、直接転写方式で説明した転写部48が感光体10へ印加する電流は、一次転写部54が感光体10へ印加する転写電流に相当する。
画像形成装置100が中間転写方式及び除電レス方式を採用する場合、感光体10の表面(周面)において、一次転写部54によって感光体10から被転写体(中間転写ベルト56に相当)にトナー像が転写された領域は、除電されることなく帯電部42によって再び帯電される。
以上、図2及び図3を参照して、本実施形態の感光体10を備える画像形成装置100について説明した。
<3.プロセスカートリッジ>
次に、図2及び図3を引き続き参照して、本実施形態の感光体10を備えるプロセスカートリッジについて説明する。プロセスカートリッジは、画像形成用のカートリッジである。プロセスカートリッジは、画像形成ユニット40a〜40dの各々に相当する。プロセスカートリッジは、ユニット化された感光体10を備える。プロセスカートリッジは、感光体10に加えて、帯電部42、露光部44、現像部46及び転写部48(又は一次転写部54)からなる群より選択される少なくとも1つをユニット化した構成が採用される。プロセスカートリッジには、クリーニング部(不図示)及び除電部(不図示)の一方又は両方が更に備えられてもよい。プロセスカートリッジには、除電レス方式が採用されていてもよい。プロセスカートリッジは、画像形成装置100に対して着脱自在に設計される。そのため、プロセスカートリッジは取り扱いが容易であり、感光体10の感度特性等が劣化した場合に、感光体10を含めて容易かつ迅速に交換することができる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。しかし、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。
感光体の感光層を形成するための材料として、以下の電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤及びバインダー樹脂を準備した。
(電荷発生剤)
電荷発生剤として、チタニルフタロシアニンを準備した。チタニルフタロシアニンは、実施形態で述べた化学式(C−1)で表される化合物であった。また、このチタニルフタロシアニンは、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)の27.2°に主ピークを有し、26.2℃にピークを有していなかった。このチタニルフタロシアニンは、DSCによる熱特性において、吸着水の気化に伴うピーク以外に50℃以上270℃未満の範囲にピークを有さず、270℃以上400℃以下の範囲に1つのピークを有していた。
(正孔輸送剤)
正孔輸送剤として、実施形態で述べた化合物(H−1)、(H−2)、(H−3)、(H−6)及び(H−7)を準備した。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂として、一般式(R−2)で表されるポリカーボネート樹脂を準備した。実施例で使用した一般式(R−2)で表されるポリカーボネート樹脂は、一般式(R−2)中のx2が0.60であり、y2が0.40である樹脂であった。実施例で使用した一般式(R−2)で表されるポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、50,000であった。
(電子輸送剤)
電子輸送剤として、実施形態で述べた化合物(E−1)〜(E−10)を準備した。電子輸送剤として、化合物(E−1)〜(E−10)のうちの2種を選択して使用した。使用した2種の電子輸送剤の各々を、第一電子輸送剤及び第二輸送剤と記載する。
なお、化合物(E−8)〜(E−10)は、以下の方法で合成した。
(化合物(E−8)の製造)
反応式(r−4)で表される反応(以下、反応(r−4)と記載することがある)に従って化合物(E−8)を製造した。
Figure 0006569609
反応(r−4)では、化合物(F)(ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物)2.68g(10ミリモル)と、化学式(1G)で表される化合物4.64g(20ミリモル)と、ピコリン50mLとをフラスコに投入し、ピコリン溶液を調製した。フラスコ内容物の温度を100℃に昇温し、100℃に維持して4時間フラスコ内容物を攪拌した。反応後、イオン交換水をフラスコに投入し、クロロホルムで抽出した。有機層の溶媒(ピコリン)を除去し、残渣を得た。得られた残渣を展開溶媒としてクロロホルムを用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。これにより、化合物(E−8)を得た。化合物(E−8)の収量は4.16gであり、反応(r−4)における化合物(F)からの化合物(E−8)の収率は60モル%であった。
(化合物(E−10)の製造)
以下の点を変更した以外は、化合物(E−8)の製造と同様の方法で、化合物(E−10)を製造した。化合物(E−10)の製造では、反応(r−4)で使用した化合物(1G)(4.64g、20ミリモル)を化合物(5G)(3.80g、20ミリモル)に変更した。なお、化合物(5G)は、下記化学式(5G)で表される。その結果、化合物(E−8)の代わりに、化合物(E−10)を得た。化合物(E−10)の収量は3.98gであり、反応(r−4)における化合物(F)からの化合物(E−10)の収率は65モル%であった。
Figure 0006569609
(化合物(E−9)の製造)
反応式(r’−1)、(r’−2)及び(r’−3)で表される反応(以下、それぞれ反応(r’−1)、反応(r’−2)、及び反応(r’−3)と記載することがある)に従って化合物(E−9)を製造した。
Figure 0006569609
反応(r’−1)では、化合物(1A)3.42g(10ミリモル)と、化合物(2E)1.35g(10ミリモル)と、N,N−ジイソプロピルエチルアミン1.3g(10ミリモル)と、ジオキサン50mLとをフラスコに投入し、ジオキサン溶液を調製した。フラスコ内容物の温度を100℃に昇温し、100℃に維持して2時間フラスコ内容物を攪拌した。反応後、ジオキサンを除去し、残渣を得た。展開溶媒として酢酸エチル/ヘキサン(体積比V/V=1/2)を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより得られた残渣を精製した。これにより、化学式(2C’)で表される中間生成物(以下、化合物(2C’)と記載することがある)を得た。
Figure 0006569609
反応(r’−2)では、化合物(2C’)と、トリフルオロ酢酸15mLとをフラスコに投入し、トリフルオロ酢酸溶液を調製した。化合物(2C’)は、反応(r’−1)で得られた全量を反応(r’−2)で使用した。フラスコ内容物の温度を80℃に昇温し、80℃に維持して24時間フラスコ内容物を攪拌した。反応後、トリフルオロ酢酸を除去し、残渣を得た。展開溶媒として酢酸エチル/ヘキサン(体積比V/V=1/4)を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより得られた残渣を精製した。これにより、化学式(2D’)で表される中間生成物(以下、化合物(2D’)と記載することがある)を得た。
Figure 0006569609
反応(r’−3)では、化合物(2D’)と、化学式(2B)で表される化合物2.32g(10ミリモル)と、ジイソプロピルエチルアミン1.3g(10ミリモル)と、ジオキサン50mLとをフラスコに投入し、ジオキサン溶液を調製した。フラスコ内容物の温度を100℃に昇温し、100℃に維持して2時間フラスコ内容物を攪拌した。反応後、ジオキサンを除去し、残渣を得た。展開溶媒として酢酸エチルを用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより得られた残渣を精製した。これにより、化合物(E−9)を得た。化合物(E−9)の収量は2.69gであり、反応(r’−1)〜(r’−3)における化合物(1A)からの化合物(E−9)の収率は45モル%であった。
次に、プロトン核磁気共鳴分光計(日本分光株式会社製、300MHz)を用いて、製造した化合物(E−8)〜(E−10)の1H−NMRスペクトルを測定した。溶媒としてCDCl3を用いた。内部標準試料としてテトラメチルシラン(TMS)を用いた。これらのうち代表例として、(E−8)の化学シフト値を示す。1H−NMRスペクトルの化学シフト値により、(E−8)が得られていることを確認した。化合物(E−9)及び(E−10)も同様にして、1H−NMRスペクトルの化学シフト値から、化合物(E−9)及び(E−10)が得られていることを確認した。
化合物(E−8):1H−NMR(300MHz,CDCl3) δ=8.70(d, 4H), 7.62−7.75(m, 8H), 7.36−7.55(m, 8H).
<2.感光体の製造>
感光層を形成するための材料を用いて、感光体(A−1)〜(A−19)及び(B−1)〜(B−11)を製造した。
(感光体(A−1)の製造)
容器内に、電荷発生剤3質量部、正孔輸送剤としての化合物(H−1)50質量部、第一電子輸送剤としての化合物(E−1)30質量部、第二電子輸送剤としての化合物(E−4)30質量部、バインダー樹脂100質量部及び溶剤としてのテトラヒドロフラン800質量部を投入した。容器の内容物を、ボールミルを用いて50時間混合して、溶剤に材料を分散させた。これにより、感光層用塗布液を得た。
次に導電性基体を準備した。導電性基体は、表面(周面)にアルマイト層を有するアルミニウム製のドラム状支持体(直径30mm、全長238.5mm)であった。アルマイト層の厚さは6μmであった。導電性基体上に、ディップコート法を用いて調製した感光層用塗布液を塗布した。これにより、導電性基体上に塗布膜を形成した。塗布膜が形成された導電性基体を100℃で60分間乾燥させて、塗布膜からテトラヒドロフランを除去した。これにより、導電性基体上に、感光層(膜厚25μm)が形成された。その結果、感光体(A−1)が得られた。
(感光体(A−2)〜(A−19)及び(B−1)〜(B−11)の製造)
下記(1)〜(7)の点を変更した以外は、感光体(A−1)の製造と同様の方法で、感光体(A−2)〜(A−19)及び(B−1)〜(B−11)の各々を製造した。
(1)第一電子輸送剤の種類を、感光体(A−1)の製造における化合物(E−1)から、表1及び表2に示す種類の第一電子輸送剤に変更した。
(2)第一電子輸送剤の添加量(含有量)を、感光体(A−1)の製造における30質量部から、表1及び表2に示す第一電子輸送剤の添加量(含有量)に変更した。
(3)第二電子輸送剤の種類を、感光体(A−1)の製造における化合物(E−4)から、表1及び表2に示す種類の第二電子輸送剤に変更した。
(4)第二電子輸送剤の添加量(含有量)を、感光体(A−1)の製造における30質量部から、表1及び表2に示す第二電子輸送剤の添加量(含有量)に変更した。
(5)正孔輸送剤の種類を、感光体(A−1)の製造における化合物(H−1)から、表1及び表2に示す種類の正孔輸送剤に変更した。
(6)正孔輸送剤の添加量(含有量)を、感光体(A−1)の製造における50質量部から、表1及び表2に示す正孔輸送剤の添加量(含有量)に変更した。
(7)感光体(B−1)〜(B−5)及び(B−11)の製造においては、表面(周面)にアルマイト層を有していない導電性基体を使用した。つまり、アルマイト処理を行っていないアルミニウム製のドラム状支持体(直径30mm、全長238.5mm)を使用した。
<3.画像評価>
製造した感光体(A−1)〜(A−19)及び(B−1)〜(B−11)の各々に対して、画像評価を行った。感光体を画像評価のための評価機に搭載した。評価機として、モノクロプリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−1300D」)の改造機を使用した。改造した点は、FS−1300Dのクリーニングブレードを取り外した点であった。また、この評価機は、除電レスシステムを備えていた。この評価機の転写部が印加する転写電流を、−15μAに設定した。転写電流は感光体の回転速度140mm/秒の条件で印加した。
温度32.5℃及び相対湿度80%RHの環境下で、評価機を用いて、1枚の用紙にソリッド画像(縦22cm及び横20cm)を印刷した。印刷された画像を、評価用画像とした。評価用画像を肉眼で観察した。また、評価用画像を、光学顕微鏡を用いて倍率50倍で観察した。そして、評価用画像にいわゆる先端白抜けが発生しているか否かを確認した。先端白抜けとは、用紙に黒色のソリッド画像を印刷した場合に、黒色のソリッド画像内の印刷方向における先端側の領域が白くなる画像不良である。先端白抜けの発生の有無の確認結果から、下記の画像評価基準に従って、画像評価を行った。
(画像評価基準)
◎(特に良好):光学顕微鏡観察でも肉眼観察でも先端白抜けが確認されなかった。
○(良好):光学顕微鏡観察ではわずかに先端白抜けが確認されたが、肉眼観察では先端白抜けが確認されなかった。
△(普通):肉眼観察で、わずかに先端白抜けが確認された。
×(不良):肉眼観察で、明らかな先端白抜けが確認された。
<4.転写後電位の評価>
製造した感光体(A−1)〜(A−19)及び(B−1)〜(B−11)の各々に対して、転写後電位を評価した。転写後電位の評価は、温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下で行った。まず、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)に感光体をセットした。ドラム感度試験機の条件を、グリッド電圧670V、流れ込み電流150μA、露光量0.3μJ/cm2、転写電流−15μA及び周速125rpmに設定した。感光体を39周回転させて、帯電、露光及び転写を繰り返した。詳しくは、感光体が1周回転する間に、感光体に対して帯電、露光及び転写のプロセスを行った。このプロセスを39回繰り返した。39周目において感光体に転写電流が印加された後に、40周目の感光体の表面電位を、感光体が1周する間連続して測定した。測定された表面電位の平均値を、転写後電位(Vt、単位:V)とした。得られた転写後電位から、下記の転写後電位の評価基準に従って、転写後電位を評価した。なお、転写後電位が大きな値であるほど、感光体に転写電流が印加された後に感光体の表面電位が低下し難くいことを示す。また、転写後電位が大きな値であるほど、形成画像に先端白抜けが発生し難い傾向がある。
(転写後電位の評価基準)
○(良好):Vtが0V以上であった。
△(普通):Vtが−300V以上0V未満であった。
×(不良):Vtが−300V未満であった。
画像評価の結果、測定された転写後電位Vt、及び転写後電位の評価の結果を、表1及び表2に示す。表1及び表2中、第一ETM、第二ETM、HTM及びVtは、各々、第一電子輸送剤、第二電子輸送剤、正孔輸送剤及び転写後電位を示す。
表1及び表2中、含有比率は、正孔輸送剤の合計含有量に対する電子輸送剤の合計含有量の比率を示す。含有比率は、計算式「含有比率=(第一電子輸送剤の含有量WETM1+第二電子輸送剤の含有量WETM2)/正孔輸送剤の含有量WHTM」から算出される。含有比率が1.00超であるとき、電子輸送剤の合計含有量が正孔輸送剤の合計含有量よりも多いことを示す。
Figure 0006569609
Figure 0006569609
<5.異なる転写電流での画像評価及び転写後電位の評価>
感光体(A−1)について、転写電流を−15μAから−20μA又は−25μAに変更した以外は、−15μAでの画像評価と同様の方法で、画像評価を行った。また、感光体(A−1)について、転写電流を−15μAから−20μA又は−25μAに変更した以外は、−15μAでの転写後電位の評価と同様の方法で、転写後電位の評価を行った。転写電流が−15μA、−20μA及び−25μAのときの画像評価の結果、測定された転写後電位Vt、及び転写後電位の評価の結果を、表3に示す。表3中の第一ETM、第二ETM、HTM、Vt及び含有比率は、各々、表1及び表2中の第一ETM、第二ETM、HTM、Vt及び含有比率と同義である。
Figure 0006569609
感光体(A−1)〜(A−19)の導電性基体の表面は、アルマイト層を有していた。感光体(A−1)〜(A−19)の感光層は、電荷発生剤と電子輸送剤と正孔輸送剤とを含有する単層の感光層であった。感光体(A−1)〜(A−19)において、電子輸送剤の合計含有量は、正孔輸送剤の合計含有量よりも多かった。そのため、表1から明らかなように、感光体(A−1)〜(A−19)では、転写後電位が+8V以上の正の値であり、転写後電位の評価が良好(○)であった。また、感光体(A−1)〜(A−19)では、先端白抜けに関する画像評価が◎(特に良好)又は○(良好)であった。転写後電位の評価が良好であったため、形成画像における先端白抜けの発生が抑制されていたと考えられる。また、表3から明らかなように、本発明に係る感光体では、−25μA以上−15μA以下の強い転写電流を感光体に印加した場合であっても、転写後電位の評価及び先端白抜けに関する画像評価が良好であった。
一方、感光体(B−1)〜(B−5)において、導電性基体の表面はアルマイト層を有していなかった。また、感光体(B−1)〜(B−5)において、電子輸送剤の合計含有量は正孔輸送剤の合計含有量よりも多くなかった。感光体(B−6)〜(B−10)において、電子輸送剤の合計含有量は正孔輸送剤の合計含有量よりも多くなかった。感光体(B−11)において、導電性基体の表面はアルマイト層を有していなかった。そのため、表2から明らかなように、感光体(B−1)〜(B−11)では、転写後電位が−58V以下の負の値であり、転写後電位の評価が×(不良)又は△(普通)であった。また、感光体(B−1)〜(B−11)では、先端白抜けに関する画像評価が×(不良)又は△(普通)であった。
以上のことから、本発明に係る感光体は、形成画像における先端白抜けの発生を抑制することが示された。また、本発明に係るプロセスカートリッジ及び画像形成装置は、形成画像における先端白抜けの発生を抑制することが示された。
本発明に係る感光体は、画像形成装置に利用することがきる。本発明に係るプロセスカートリッジ及び画像形成装置は、記録媒体に画像を形成するために利用することができる。
10 :電子写真感光体
12 :導電性基体
12s :導電性基体の表面
14 :感光層
42 :帯電部
44 :露光部
46 :現像部
48 :転写部
100 :画像形成装置
P :記録媒体

Claims (13)

  1. 導電性基体と感光層とを備える電子写真感光体であって、
    前記導電性基体の表面は、アルマイト層を有し、
    前記感光層は、単層であり、電荷発生剤と電子輸送剤と正孔輸送剤とを含有し、
    前記電子輸送剤の合計含有量は、前記正孔輸送剤の合計含有量よりも多く、
    前記電子輸送剤は、下記一般式(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)で表される化合物のうちの2種を含む、電子写真感光体。
    Figure 0006569609
    Figure 0006569609
    Figure 0006569609
    Figure 0006569609
    Figure 0006569609
    前記一般式(1)、(2)、(4)及び(5)中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 8 、R 9 、R 10 、R 11 、R 12 、R 13 及びR 14 は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数2以上6以下のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基を表し、
    前記一般式(2)中、Wは、−CO−O−又は−CO−を表し、
    前記一般式(3)中、R 6 及びR 7 は、各々独立して、
    炭素原子数1以上6以下のアルキル基を少なくとも1つ有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、
    フェニルカルボニル基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、
    炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、
    炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を有してもよい炭素原子数1以上8以下のアルキル基、及び
    炭素原子数3以上10以下のシクロアルキル基
    からなる群より選択される基を表し、選択される前記基は1つ以上のハロゲン原子で置換されてもよい。
  2. 前記正孔輸送剤の合計含有量に対する前記電子輸送剤の合計含有量の比率は、1.00より大きく1.50以下である、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記一般式(1)中、R1及びR2は、各々独立して、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表し、
    前記一般式(2)中、R3、R4及びR5は、各々独立して、水素原子、炭素原子数6以上14以下のアリール基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又はニトロ基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基を表し、Wは、−CO−O−又は−CO−を表し、
    前記一般式(4)中、R8、R9、R10及びR11は、各々独立して、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表し、
    前記一般式(5)中、R12及びR13は、各々独立して、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表し、R14は、ハロゲン原子又はニトロ基を表し、
    前記一般式(3)中、R6及びR7は、下記条件(3−1)又は(3−2)を満たす、請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
    (3−1)R6及びR7は、各々独立して、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を少なくとも1つ有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。
    (3−2)R6及びR7は、各々独立して、
    炭素原子数1以上6以下のアルキル基を少なくとも1つ有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、
    フェニルカルボニル基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、
    炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、
    炭素原子数1以上8以下のアルキル基、及び
    炭素原子数3以上10以下のシクロアルキル基
    からなる群より選択される基を表し、選択される前記基は1つ以上のハロゲン原子で置換されてもよく、R6及びR7のうち少なくとも一方が1つ以上のハロゲン原子を有する。
  4. 2種の前記電子輸送剤のうちの1種は、R6及びR7が前記条件(3−2)を満たす前記一般式(3)で表される化合物である、請求項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記一般式(1)で表される化合物は、下記化学式(E−1)で表される化合物であり、
    前記一般式(2)で表される化合物は、下記化学式(E−2)又は(E−6)で表される化合物であり、
    前記一般式(3)で表される化合物は、下記化学式(E−3)、(E−8)、(E−9)又は(E−10)で表される化合物であり、
    前記一般式(4)で表される化合物は、下記化学式(E−4)で表される化合物であり、
    前記一般式(5)で表される化合物は、下記化学式(E−5)又は(E−7)で表される化合物である、請求項の何れか一項に記載の電子写真感光体。
    Figure 0006569609
    Figure 0006569609
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    Figure 0006569609
    Figure 0006569609
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  6. 2種の前記電子輸送剤のうちの1種は、前記化学式(E−8)、(E−9)又は(E−10)で表される化合物である、請求項に記載の電子写真感光体。
  7. 前記アルマイト層の厚さは、2μm以上15μm以下である、請求項1〜の何れか一項に記載の電子写真感光体。
  8. 請求項1〜の何れか一項に記載の電子写真感光体を備える、プロセスカートリッジ。
  9. 請求項1〜の何れか一項に記載の電子写真感光体と、帯電部と、露光部と、現像部と、転写部とを備える画像形成装置であって、
    前記帯電部は、前記電子写真感光体の表面を帯電し、
    前記露光部は、帯電された前記電子写真感光体の前記表面を露光して、前記電子写真感光体の前記表面に静電潜像を形成し、
    前記現像部は、前記静電潜像をトナー像として現像し、
    前記転写部は、前記電子写真感光体から被転写体へ前記トナー像を転写する、画像形成装置。
  10. 前記転写部によって前記電子写真感光体から前記被転写体に前記トナー像が転写された前記電子写真感光体の前記表面の領域は、除電されることなく前記帯電部によって再び帯電される、請求項に記載の画像形成装置。
  11. 前記転写部が印加する転写電流は、−25μA以上−5μA以下である、請求項又は10に記載の画像形成装置。
  12. 前記転写電流は、感光体の回転速度が140mm/秒である条件下で印加される、請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記帯電部は、前記電子写真感光体の前記表面を正極性に帯電する、請求項12の何れか一項に記載の画像形成装置。
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