JP2018002342A - アシスト器具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハンド部20に、荷物の横壁部の外側に沿って上下方向に配置される横側部27aと、横側部27aの下部から荷物の横壁部側に突出して荷物の横壁部に入り込む下側部27bと、横側部27aの上部から荷物の横壁部側に突出して荷物の横壁部の上側に配置される上側部27cと、上側部27cから下側に突出して荷物の横壁部の内側に沿って上下方向に配置される内側部27dとが備えられている。
【選択図】図4
Description
特許文献1では、作業者に取り付けられる本体部、本体部から前側に延出されたアーム部、アーム部から下側に延出されたワイヤ、作業者が手で持つことにより荷物を保持するものでワイヤに接続されたハンド部(特許文献1の図5,6,8,9の19)が備えられている。
これにより、ハンド部の下側部(特許文献1の図5の20c)を荷物の横壁部の開口部に挿入するのであり、ハンド部の下側部が荷物の横壁部から外れないように、上向きに折り曲げられた突出部(特許文献1の図5の20d)が、ハンド部の下側部に備えられている。
本発明は、作業者が装着して使用するアシスト器具において、荷物の横壁部に開口部が備えられていない場合においても、荷物を適切に保持することができるハンド部を得ることを目的としている。
本発明の特徴は、アシスト器具において次のように構成することにある。
作業者に取り付けられる本体部と、前記本体部から前側に延出されたアーム部と、
前記アーム部から下側に延出されたワイヤと、作業者が手で持つことにより荷物を保持するもので前記ワイヤに接続されたハンド部とが備えられ、
前記ワイヤを巻き取ることにより前記ハンド部を上昇させ、前記ワイヤを繰り出すことにより前記ハンド部を下降させる昇降装置と、
人為的に操作される手動操作部と、前記手動操作部の操作信号に基づいて前記昇降装置を巻き取り側及び繰り出し側に作動させる制御装置とが備えられており、
前記ハンド部に、
前記荷物の横壁部の外側に沿って上下方向に配置される横側部と、
前記横側部の下部から前記荷物の横壁部側に突出して前記荷物の横壁部に入り込む下側部と、
前記横側部の上部から前記荷物の横壁部側に突出して前記荷物の横壁部の上側に位置する上側部と、
前記上側部から下側に突出して前記荷物の横壁部の内側に沿って上下方向に配置される内側部とが備えられている。
本発明によると、ハンド部により荷物を保持する場合、ハンド部の横側部を荷物の横壁部の外側に沿わせて、ハンド部の下側部を荷物の横壁部に入り込ませる。この状態において、ハンド部の上側部を荷物の横壁部の上側に位置させ、ハンド部の内側部を荷物の横壁部の内側に沿わせる。
本発明において、
前記横側部と前記内側部との間の横幅方向の中央部よりも、前記ハンド部における前記内側部に近い部分に、前記ワイヤが接続されていると好適である。
本発明によれば、荷物の重量がハンド部の下側部に掛かり、ハンド部からワイヤに掛かると、ワイヤの張力により、ハンド部の下側部を荷物の横壁部に入り込ませようとするモーメントが発生する。
これにより、ハンド部の下側部が荷物の横壁部から抜け出そうとしても(ハンド部が荷物の横壁部から外れようとしても)、前述のモーメントにより、ハンド部の下側部が荷物の横壁部から抜け出そうとする状態(ハンド部が荷物の横壁部から外れようとする状態)が抑えられる。
本発明において、
横幅方向と交差する前記上側部の長手方向の中央部よりも、前記ハンド部における前記上側部の長手方向の一方又は他方の端部側の部分に、前記ワイヤが接続されていると好適である。
本発明によれば、荷物の重量がハンド部の下側部に掛かり、ハンド部からワイヤに掛かると、ワイヤの張力により、荷物の横壁部と交差する横向きの軸芯周りにハンド部を回転させようとするモーメントが発生する。
本発明において、
横幅方向と交差する前記上側部の長手方向において、前記内側部と前記下側部との間に間隔が生じるように、前記内側部と前記下側部とが前記上側部の長手方向に沿って互いに離れて備えられていると好適である。
ハンド部において、ハンド部の上側部から内側部が下側に突出していると、ハンド部の内側部と下側部との間隔が狭くなって、ハンド部を荷物の横壁部に取り付け難くなることが考えられる。
本発明において、
前記上側部の長手方向において、前記ワイヤが前記ハンド部に接続される部分と前記内側部との間に前記下側部が位置するように、前記ワイヤが前記ハンド部に接続される部分と、前記内側部と、前記下側部とが配置されていると好適である。
本発明によると、ワイヤがハンド部に接続される部分と内側部との間に下側部が位置しているので、荷物の重量がハンド部の下側部に掛かり、ハンド部からワイヤに掛かると、ワイヤの張力により、荷物の横壁部と交差する横向きの軸芯周りにハンド部を回転させようとするモーメントが発生する。
アシスト器具の全体構成及び本体部1について説明する。
図1,2,3に示すように、作業者の背中部に取り付けられる本体部1、本体部1の上部から上側に延出された右及び左のアーム部2、本体部1の下部に備えられた右及び左の脚作用部3が備えられており、作業者への装着用の取付ベルト4、右及び左の肩ベルト5が備えられて、アシスト器具が構成されている。
次に、右及び左の脚作用部3について説明する。
図1,2,3に示すように、脚作用部3は、基部10、伝動ケース11、操作アーム12及び脚ベルト13等を備えている。横フレーム9に左右方向にスライド自在に基部10が支持されており、基部10の外端部に伝動ケース11が前向きに連結されている。
これにより、取付ベルト4の腰部への巻き付け具合により、作業者の体格に合わせるように右及び左の脚作用部3の間隔が決まるのであり、取付ベルト4により右及び左の脚作用部3の位置が決められた状態となる。
作業者がアシスト器具を装着した状態において、作業者の腰部の右側に右の脚作用部3(伝動ケース11)が位置し、作業者の腰部の左側に左の脚作用部3(伝動ケース11)が位置する。
次に、右及び左のアーム部2について説明する。
図1,2,3に示すように、右及び左の縦フレーム6の上部が、作業者の右及び左の肩部を越えて斜め前側の斜め上側に延出されて、右及び左のアーム部2が構成されており、アーム部2の上端部に案内プーリー25が回転自在に支持されている。
次に、昇降装置17について説明する。
図1及び図2に示すように、昇降装置17は支持板7に連結されており、伝動機構(図示せず)を内装する上下向きの伝動ケース30、伝動ケース30の下部に横向きに連結された電動モータ29、伝動ケース30の上部に横向きに連結された支持ケース26、支持ケース26の内部で横向きの軸芯周りに回転自在な4個の回転体(図示せず)が備えられている。
次に、右及び左のハンド部20について説明する。
図4〜図7において、右のハンド部20を示しており、左のハンド部20は右のハンド部20の左右対称の形状となっている。
図4及び図5に示すように、ハンド部20において、金属製の板材を折り曲げて構成された支持部材27、合成樹脂製のカバー28が備えられており、支持部材27にカバー28が取り付けられている。
次に、右及び左のハンド部20のケースW(荷物に相当)への取り付けについて説明する。
図6及び図7に示すように、例えばリンゴやミカン等の果物を入れる為のケースW(荷物に相当)において、ケースWの右及び左の横壁部W1に、上側の突出部W2及び下側の突出部W3が備えられている(ケースWの横壁部W1を貫通する開口部は無い)。突出部W2,W3は横側に突出する平板状で、ケースWの右及び左の横壁部W1を含めたケースWの上部の全周に亘って備えられている。
この場合、図6に示すように、支持部材27の横側部27aと内側部27dとの間の横幅方向A1の間隔L1よりも、支持部材27の横側部27aの下部から横側に突出する下側部27bの突出長さL2が短いものとなっていることにより、支持部材27の下側部27bがケースWの突出部W3の下側に無理なく入り込む。
次に、右及び左のハンド部20によるケースWの支持状態について説明する。
図6に示す状態において後述する[8]に記載のように、ケースWの重量がハンド部20に掛かった場合、ケースWの重量が支持部材27の下側部27bによって支持される。
例えば、床に置かれたケースWを高い棚やトラックの荷台に置くような場合、作業者がしゃがんで床のケースWを手で持ち、次に手を下に延ばした状態でケースWを持ちながら立ち上がり、次に手でケースWを持ち上げて、ケースWを高い棚やトラックの荷台に置くような状態が想定される。
前述の状態において上昇及び下降操作スイッチ23,24の押し操作に基づいて、制御装置14により右及び左の脚作用部3、昇降装置17が作動する状態について説明する。
これにより、作業者が歩行する場合や、作業者が膝部を曲げて腰部を落とす場合(しゃがむ場合)、作業者の太腿部に追従するように操作アーム12が揺動するのであり、作業者の動作が妨げられることはない。
これにより、電動モータ29が停止した状態において、昇降装置17からワイヤ18,19のインナー18a,19aが繰り出されることはなく、後述するように右及び左のハンド部20にケースWの重量が掛かっても、右及び左のハンド部20が下降することはない。
前述のように作業者が立ち上がる際において、前述の電動モータ29のブレーキ機能により、右及び左のハンド部20(ケースW)が下降することはない。
以上のようにして、ケースWを高い棚やトラックの荷台等に置くと、最初の状態に戻るのであり、次のケースWに対して同様な操作を行う。
前述の[発明を実施するための形態]において、図4〜図7に示す右及び左のハンド部20に代えて、右及び左のハンド部20を、以下の[9][10][11]の説明及び図8〜図11に示すように構成してもよい。
右及び左のハンド部20について説明する。
図8〜図11において、右のハンド部20を示しており、左のハンド部20は右のハンド部20の左右対称の形状となっている。
これにより、支持部材27の内側部27d(支持部材27の内側部27dにおける下側部27b側の端部)と、支持部材27の下側部27b(支持部材27の下側部27bにおける内側部27d側の端部)との間に、支持部材27の上側部27cの長手方向A2に沿った間隔L7が生じている。
同時に、横幅方向A1と交差する支持部材27の上側部27cの長手方向A2の中央部C3よりも、ハンド部20における支持部材27の上側部27cの長手方向A2の一方又は他方の端部側の部分に、ワイヤ18,19が接続された状態となっている。
次に、右及び左のハンド部20のケースWへの取り付けについて説明する。
図8及び図9に示すように、支持部材27の内側部27dにおける上側部27cの長手方向A2の長さL5と、支持部材27の下側部27bにおける上側部27cの長手方向A2の長さL6とが、短いものに設定されている。
従って、間隔L8が上下方向に沿った状態となるようにハンド部20の姿勢を斜めに設定し、且つ、ハンド部20を図7と同様な斜めの姿勢(前項[6]参照)とすることにより、ハンド部20を無理なくケースWの横壁部W1に取り付けることができる。
次に、右及び左のハンド部20によるケースWの支持状態について説明する。
図10に示す状態において、前項[8]に記載のように、ケースWの重量がハンド部20に掛かった場合、ケースWの重量が支持部材27の下側部27bによって支持される。
前述の[発明の実施の第1別形態]において、図8〜図11に示す右及び左のハンド部20における支持部材27の横側部27a、下側部27b及び内側部27dの配置を、図12及び図13に示すように変更して、右及び左のハンド部20を構成してもよい。
同時に、横幅方向A1と交差する支持部材27の上側部27cの長手方向A2の中央部C3よりも、ハンド部20における支持部材27の上側部27cの長手方向A2の一方又は他方の端部側の部分に、ワイヤ18,19が接続された状態となっている。
この場合、支持部材27の上側部27cの長手方向A2の長さL4の中央部C3の少し前側の位置(又は少し後側の位置)に、支持部材27の下側部27bが備えられるように構成してもよい。
これにより、支持部材27の下側部27b(下側部27bの前部)とケースWの突出部W3の下面との間に摩擦力が発生し、支持部材27の上側部27c(上側部27cの後部)とケースWの突出部W2の上面との間に摩擦力が発生する状態となる。
前述の[発明を実施するための形態]において、ワイヤ18,19(インナー18a,19a)を、支持部材27の内側部27dの前部又は後部(長手方向A2の長さL3の中央部C1よりも前側又は後側)に接続するように構成してもよい。
このように構成すると、支持部材27の下側部27bをケースWの突出部W3の下側に入り込ませようとするモーメントM1が発生するのに加えて、前述の[発明の実施の第2別形態]と同様に、ケースWの横壁部W1と交差する横向きの軸芯周りにハンド部20を回転させようとするモーメントM2が発生する(図13参照)。
この場合、支持部材27の上側部27cにおいて、支持部材27(内側部27d及び下側部27b)の長手方向A2の長さL3の中央部C1、中央部C1よりも前側の位置、中央部C1よりも後側の位置に、ワイヤ18,19(インナー18a,19a)を接続すればよい。
前述の[発明の実施の第1別形態]において、支持部材27の横側部27aの下部の前部に下側部27bを備え、支持部材27の横側部27aの上部の後部に上側部27cを備えるように構成してもよい。
このように構成すると、支持部材27の横側部27aの上部の前部に、支持部材27の接続部27fを備えればよい。
前述の[発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態]において、支持部材27の下側部27b及び内側部27dを平面視(側面視)で、四角形状に構成するのではなく、半円形状や台形形状に構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第5別形態]において、以下の説明のように構成してもよい。
又は、1本のアーム部2から1本のワイヤ18を延出し、1本のワイヤ18の端部を二股状に分岐させて、分岐部分の一方に右のハンド部20を備え、分岐部分の他方に左のハンド部20を備える。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第6別形態]において、右及び左の脚作用部3を備えないように構成してもよい。
2 アーム部
14 制御装置
17 昇降装置
18,19 ワイヤ
20 ハンド部
23,24 手動操作部
27a 横側部
27b 下側部
27c 上側部
27d 内側部
27e,27f ワイヤがハンド部に接続される部分
A1 横幅方向
A2 長手方向
C2 中央部
C3 中央部
L7 間隔
W 荷物
W1 荷物の横壁部
Claims (5)
- 作業者に取り付けられる本体部と、前記本体部から前側に延出されたアーム部と、
前記アーム部から下側に延出されたワイヤと、作業者が手で持つことにより荷物を保持するもので前記ワイヤに接続されたハンド部とが備えられ、
前記ワイヤを巻き取ることにより前記ハンド部を上昇させ、前記ワイヤを繰り出すことにより前記ハンド部を下降させる昇降装置と、
人為的に操作される手動操作部と、前記手動操作部の操作信号に基づいて前記昇降装置を巻き取り側及び繰り出し側に作動させる制御装置とが備えられており、
前記ハンド部に、
前記荷物の横壁部の外側に沿って上下方向に配置される横側部と、
前記横側部の下部から前記荷物の横壁部側に突出して前記荷物の横壁部に入り込む下側部と、
前記横側部の上部から前記荷物の横壁部側に突出して前記荷物の横壁部の上側に位置する上側部と、
前記上側部から下側に突出して前記荷物の横壁部の内側に沿って上下方向に配置される内側部とが備えられているアシスト器具。 - 前記横側部と前記内側部との間の横幅方向の中央部よりも、前記ハンド部における前記内側部に近い部分に、前記ワイヤが接続されている請求項1に記載のアシスト器具。
- 横幅方向と交差する前記上側部の長手方向の中央部よりも、前記ハンド部における前記上側部の長手方向の一方又は他方の端部側の部分に、前記ワイヤが接続されている請求項1又は2に記載のアシスト器具。
- 横幅方向と交差する前記上側部の長手方向において、前記内側部と前記下側部との間に間隔が生じるように、前記内側部と前記下側部とが前記上側部の長手方向に沿って互いに離れて備えられている請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のアシスト器具。
- 前記上側部の長手方向において、前記ワイヤが前記ハンド部に接続される部分と前記内側部との間に前記下側部が位置するように、前記ワイヤが前記ハンド部に接続される部分と、前記内側部と、前記下側部とが配置されている請求項4に記載のアシスト器具。
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