JP6833633B2 - アシスト器具 - Google Patents

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Description

本発明は、作業者が装着して使用するもので、作業者の作業(動作)を補助するアシスト器具に関する。
前述のようなアシスト器具として、特許文献1に開示されているようなものがある。
特許文献1では、作業者の背中部に取り付けられる本体部、本体部から前側に延出された右及び左のアーム部が備えられている。本体部に昇降装置が設けられて、昇降装置から右及び左のワイヤが延出されている。ワイヤがアーム部に沿って延出され、アーム部の上部の回転体に巻き掛けられて下方に延出されており、ワイヤの延出端に右及び左のハンド部が接続されている。
ハンド部に荷物を保持した状態で、昇降装置によりワイヤを巻き取ることによりハンド部(荷物)を上昇させ、昇降装置によりワイヤを繰り出すことによりハンド部(荷物)を下降させる。
特許文献1では、右のハンド部により荷物の右側部を保持し、左のハンド部により荷物の左側部を保持することによって、荷物を保持する。この場合、ワイヤにより右及び左のハンド部が吊り下げられているので、右及び左のハンド部の左右方向の間隔を任意に設定することができ、横幅の異なる荷物であっても、右及び左のハンド部により荷物を保持することができる。
特開2016−129916号公報
特許文献1のアシスト器具において、右及び左のハンド部により横幅の異なる荷物を保持する場合、横幅の大きな荷物であると、右及び左のアーム部の回転体からワイヤが、右及び左の斜め外側に延出される状態となることがある。逆に横幅の小さな荷物であると、右及び左のアーム部の回転体からワイヤが、右及び左の斜め内側に延出される状態となることがある。
前述のような状態になると、アーム部の回転体の回転方向に沿って、ワイヤがアーム部の回転体から延出されるのではなく、アーム部の回転体の回転方向に対して、ワイヤがアーム部の回転体から斜めに交差するように延出される状態となる。
従って、この状態で昇降装置によりワイヤの巻き取り及び繰り出しが繰り返されると、アーム部の回転体やワイヤの摩耗に発展する可能性があるので、改善の余地がある。
本発明は、ワイヤによりハンド部を上昇及び下降させるアシスト器具において、アーム部の回転体やワイヤの摩耗を抑えることを目的としている。
本発明のアシスト器具は、
作業者の背中部に取り付けられる本体部と、前記本体部から前側に延出された右及び左のアーム部と、前記本体部に設けられてワイヤを巻き取り及び繰り出す昇降装置とが備えられて、
前記アーム部の延出方向に沿った延出軸芯周りに姿勢変更自在に、前記アーム部に支持された右及び左の支持部材と、
前記延出軸芯周りの所定位置で前記支持部材を前記アーム部に固定及び解除自在な右及び左の固定部と、
前記延出軸芯と交差する横向き軸芯周りに回転自在に、前記支持部材に支持された右及び左の回転体と、
前記支持部材のうち、前記固定部と前記アーム部の延出端部との間に対応する箇所に、前記ワイヤを支持するワイヤ支持部と、が備えられ、
前記昇降装置から延出された右及び左の前記ワイヤが、前記回転体に巻き掛けられて前記回転体から下側に延出され、荷物を保持する右及び左のハンド部が、前記ワイヤの延出端に接続されて、
前記昇降装置が前記ワイヤを巻き取ることにより前記ハンド部を上昇させ、前記昇降装置が前記ワイヤを繰り出すことにより前記ハンド部を下降させ
前記アーム部の延出端部に前記支持部材が嵌め合わされることにより、前記延出軸芯周りに姿勢変更自在に、前記支持部材が前記アーム部の延出端部に支持され、
前記固定部が、
前記アーム部の延出端部に取り付けられたスプライン部と、
前記支持部材に取り付けられたスプライン部と、
前記支持部材に対して前記ワイヤ支持部とは反対側の位置に設けられ、前記アーム部のスプライン部と前記支持部材のスプライン部とが嵌め合わされた状態で、前記アーム部の延出端部からの前記支持部材の抜けを止める抜け止め部材とを備えている。
本発明によると、例えば右及び左のハンド部により横幅の大きな荷物を保持する場合、右及び左の支持部材の回転体からワイヤが右及び左の斜め外側に延出されるように、右及び左の支持部材の姿勢を、アーム部の延出軸芯周りに変更して、固定部により支持部材の姿勢を固定すればよい。
例えば右及び左のハンド部により横幅の小さな荷物を保持する場合、右及び左の支持部材の回転体からワイヤが右及び左の斜め内側に延出されるように、右及び左の支持部材の姿勢を、アーム部の延出軸芯周りに変更して、固定部により支持部材の姿勢を固定すればよい。
本発明によると、前述のように支持部材の姿勢を変更して固定することにより、支持部材の回転体の回転方向に沿って、ワイヤが支持部材の回転体から延出される状態に近づけることができる。
これによって、昇降装置により右及び左のワイヤの巻き取り及び繰り出しが行われて、右及び左のハンド部が上昇及び下降した場合、右及び左の支持部材の回転体の回転方向に沿って、右及び左のワイヤが支持部材の回転体から延出される状態に近い状態で、右及び左のワイヤの巻き取り及び繰り出しが行われるようになるのであり、支持部材の回転体やワイヤの摩耗を抑えて、耐久性の向上を図ることができる。
また、本発明によると、支持部材の姿勢を変更すると、支持部材のワイヤ支持部の姿勢も変更される。
これにより、回転体から昇降装置側の部分においても、ワイヤを支持部材の回転体の回転方向に沿うようにすることができるのであり、支持部材の回転体やワイヤの摩耗を抑えて、耐久性の向上を図ることができる。
また、本発明によると、アーム部の延出端部に支持部材が嵌め合わされており、支持部材をアーム部の延出端部周りに回転させることにより、支持部材の姿勢を容易に変更することができる。
支持部材の姿勢を固定する場合、アーム部のスプライン部と支持部材のスプライン部とが嵌め合わせて、抜け止め部材により支持部材の抜け止めを行うことにより、支持部材の姿勢の固定を無理なく行うことができる。
本発明のアシスト器具は、
作業者の背中部に取り付けられる本体部と、前記本体部から前側に延出された右及び左のアーム部と、前記本体部に設けられてワイヤを巻き取り及び繰り出す昇降装置とが備えられて、
前記アーム部の延出方向に沿った延出軸芯周りに姿勢変更自在に、前記アーム部に支持された右及び左の支持部材と、
前記延出軸芯周りの所定位置で前記支持部材を前記アーム部に固定及び解除自在な右及び左の固定部と、
前記延出軸芯と交差する横向き軸芯周りに回転自在に、前記支持部材に支持された右及び左の回転体と、
前記支持部材のうち、前記固定部と前記アーム部の延出端部との間に対応する箇所に、前記ワイヤを支持するワイヤ支持部と、が備えられ、
前記昇降装置から延出された右及び左の前記ワイヤが、前記回転体に巻き掛けられて前記回転体から下側に延出され、荷物を保持する右及び左のハンド部が、前記ワイヤの延出端に接続されて、
前記昇降装置が前記ワイヤを巻き取ることにより前記ハンド部を上昇させ、前記昇降装置が前記ワイヤを繰り出すことにより前記ハンド部を下降させ、
前記アーム部の延出端部に前記支持部材が嵌め合わされることにより、前記延出軸芯周りに姿勢変更自在に、前記支持部材が前記アーム部の延出端部に支持され、
前記固定部が、
前記アーム部の延出端部及び前記支持部材のうちの一方に設けられた係合部と、
前記アーム部の延出端部及び前記支持部材のうちの他方に円周方向に沿って設けられた複数の被係合部と、
前記支持部材に対して前記ワイヤ支持部とは反対側の位置に設けられ、前記係合部が前記被係合部に係合した状態で、前記アーム部の延出端部からの前記支持部材の抜けを止める抜け止め部材とを備えている。
本発明によると、アーム部の延出端部に支持部材が嵌め合わされており、支持部材をアーム部の延出端部周りに回転させることにより、支持部材の姿勢を容易に変更することができる。
支持部材の姿勢を固定する場合、係合部を所望の被係合部に係合させた状態で、抜け止め部材により支持部材の抜け止めを行うことにより、支持部材の姿勢の固定を無理なく行うことができる。
作業者がアシスト器具を装着した状態での右側面図である。 作業者がアシスト器具を装着した状態での背面図である。 アシスト器具の斜視図である。 支持部材の付近の斜視図である。 支持部材の付近の縦断側面図である。 アーム部の延出端部及び支持部材の分解側面図である。 支持部材及びガイド部の縦断正面図である。 横幅の大きな荷物を保持した状態での支持部材、プーリー及びワイヤの状態を示す正面図である。 横幅の小さな荷物を保持した状態での支持部材、プーリー及びワイヤの状態を示す正面図である。 発明の実施の第1別形態において、アーム部の延出端部及び支持部材の分解側面図である。 発明の実施の第1別形態において、アーム部の延出端部及び支持部材の側面図である。 発明の実施の第2別形態において、アーム部の延出端部及び支持部材の分解側面図である。 発明の実施の第2別形態において、アーム部の延出端部及び支持部材の側面図である。
本発明の実施形態における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、以下のように記載している。作業者がアシスト器具を装着した状態において、作業者から視て前側が「前」であり、後側が「後」であり、右側が「右」であり、左側が「左」である。
(アシスト器具の全体構成及び本体部)
図1,2,3に示すように、アシスト器具には、作業者の背中部に取り付けられる本体部1、本体部1の上部から上側に延出され前側に延出された右及び左のアーム部2、本体部1の下部に設けられた右及び左の脚作用部3が備えられており、作業者への装着用の取付ベルト4、右及び左の肩ベルト5が備えられている。
図1,2,3に示すように、本体部1は、右及び左の縦フレーム6、右及び左の縦フレーム6に亘って連結された支持板7等を備えて、枠状となっている。脚作用部3に取付ベルト4が取り付けられ、支持板7の前面の上部に肩ベルト5が取り付けられている。支持板7の後面の上下中間部に制御装置8が取り付けられており、支持板7の後面の下部にバッテリー9が取り付けられている。
図1及び図2に示すように、肩ベルト5に作業者の腕部(肩部)を入れ、取付ベルト4を作業者の腰部に巻き付けて固定することにより、作業者の背中部に本体部1が取り付けられる。
図1及び図2に示すように、アシスト器具及び荷物B(図8及び図9参照)の重量が取付ベルト4を介して主に作業者の腰部に掛かるのであり、アシスト器具及び荷物Bの重量が作業者の腰部により安定して支持される。右及び左の肩ベルト5は、主に本体部1が作業者の背中部から後方に離れようとする状態を止める機能を発揮する。
(右及び左の脚作用部)
図1,2,3に示すように、脚作用部3は、基部10、伝動ケース11、操作アーム12及び脚ベルト13等を備えている。支持板7の下部に左右方向にスライド自在に基部10が支持されており、基部10の外端部に伝動ケース11が前向きに連結されている。
図1,2,3に示すように、伝動ケース11の前部の左右方向の横軸芯P1周りに、操作アーム12が揺動自在に支持されており、幅広のベルト状の脚ベルト13が操作アーム12に取り付けられている。複数の平ギヤにより構成された伝動機構(図示せず)が伝動ケース11の内部に備えられて、電動モータ(図示せず)が基部10の内部に備えられており、電動モータにより伝動機構を介して操作アーム12が横軸芯P1周りに揺動駆動される。
作業者の背中部に本体部1を取り付ける場合において、作業者が取付ベルト4を腰部に巻き付けて固定する際、取付ベルト4と一緒に、右及び左の脚作用部3(基部10)が支持板7に沿って左右方向に移動可能である。
これにより、取付ベルト4の腰部への巻き付け具合によって、作業者の体格に合わせるように右及び左の脚作用部3の間隔が決まるのであり、取付ベルト4により右及び左の脚作用部3の位置が決められた状態となる。
この後、図1及び図2に示すように、作業者は脚ベルト13を太腿部に巻き付けて、面ファスナ(図示せず)(マジックテープ(登録商標))により、脚ベルト13を太腿部に取り付ける。
作業者がアシスト器具を装着した状態において、作業者の腰部の右側に右の脚作用部3(伝動ケース11)が位置し、作業者の腰部の左側に左の脚作用部3(伝動ケース11)が位置する。
(右及び左のアーム部)
図1,2,3に示すように、右及び左の縦フレーム6の上部が、作業者の右及び左の肩部を越えて斜め上側に延出され斜め前側に延出されて、右及び左のアーム部2となっている。図4及び図5に示すように、アーム部2の延出端部2aに右及び左の支持部材16が支持されて、右及び左のプーリー15(回転体に相当)が支持部材16に回転自在に支持されている。
図1,2,3に示すように、支持板7の後面の上部に昇降装置17が取り付けられており、昇降装置17から、右の2本のワイヤ18,19、及び左の2本のワイヤ18,19が延出されている。支持板7の上部にアウター支持部21が連結され、支持部材16にアウター支持部16c(ワイヤ支持部に相当)が備えられている。ワイヤ18,19のアウター18b,19bの端部が、アウター支持部21及び支持部材16のアウター支持部16cに接続されて、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが昇降装置17に接続されている。
図1,2,3,5に示すように、右の2本のワイヤ18,19のインナー18a,19aが右のプーリー15に掛けられて下側に延出されており、右の2本のワイヤ18,19のインナー18a,19aの延出端に、右のハンド部20が接続されている。
左の2本のワイヤ18,19のインナー18a,19aが左のプーリー15に掛けられて下側に延出されており、左の2本のワイヤ18,19のインナー18a,19aの延出端に、左のハンド部20が接続されている。
(ハンド部)
図1及び図2に示すように、右及び左のハンド部20は、板材が折り曲げられてフック状に形成されており、左右対称の形状となっている。右のハンド部20に上昇操作スイッチ23が備えられ、左のハンド部20に下降操作スイッチ24が備えられている。
図1,2,3に示すように、制御装置8に接続されたハーネス14が、右及び左のアーム部2の上下中間部からアーム部2の内部に入り、アーム部2の内部を通ってアーム部2の延出端部2a(図5参照)に延出されている。右及び左のアーム部2の延出端部2aの開口部からハーネス14が出て下側に延出されており、ハーネス14が上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24に接続されている。
図1及び図2に示すように、作業者がアシスト器具を装着した状態において、作業者が右手で右のハンド部20を握るようにして持ち、左手で左のハンド部20を握るようにして持つ。この状態で、作業者は右手及び左手の親指により上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24を押し操作する。
図1及び図2に示すように、上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24は復帰型となっている。作業者が上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24を押し操作していると、上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24から操作信号が出力され、作業者が上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24の押し操作を止めると、上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24の操作信号が停止する。
(昇降装置)
図1及び図2に示すように、昇降装置17は支持板7に連結されている。伝動機構(図示せず)を内装する上下向きの伝動ケース25、伝動ケース25の上部に横向きに連結された支持ケース26、伝動ケース25の下部に横向きに連結された電動モータ27、支持ケース26の内部で横向きの軸芯周りに回転自在な4個の回転体(図示せず)が、昇降装置17に備えられている。
図1及び図2に示すように、右及び左のワイヤ18,19のアウター18b,19bの端部がアウター支持部21に接続され、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが、支持ケース26の内部の4個の回転体の各々に接続されている。
以上の構造により、図1及び図2に示すように、制御装置8により電動モータ27が作動する。電動モータ27の動力が伝動ケース25の内部の伝動機構を介して、支持ケース26の内部の回転体に伝達されるのであり、回転体が巻き取り側及び繰り出し側に回転駆動される。
図1,2,3に示すように、上昇操作スイッチ23を押し操作すると、電動モータ27により回転体が巻き取り側に回転駆動され、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが回転体に巻き取られて、ハンド部20が上昇する。
下降操作スイッチ24を押し操作すると、電動モータ27により回転体が繰り出し側に回転駆動され、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが回転体から繰り出されて、ハンド部20が下降する。
上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24の押し操作を止めると、電動モータ27が停止する。電動モータ27に電磁ブレーキ(図示せず)が備えられており、電動モータ27の作動時に電磁ブレーキは自動的に解除状態となり、電動モータ27の停止時及び非通電時に電磁ブレーキは自動的に制動状態となる。
(アーム部の延出端部における支持部材の構成)
図4,5,6に示すように、右及び左のアーム部2の延出端部2aに、右及び左の支持部材16が支持されている。
図4及び図5に示すように、支持部材16は、下側部分が開放された側面視で半円状の支持部16a、円柱状の取付部16b、アウター支持部16c、開口部16d及びナット支持部16eを備えて、一体的に形成されている。
図5及び図6に示すように、円筒状の部材の内面にスプラインが形成されたスプライン部28が備えられて、スプライン部28が支持部材16の取付部16bの内面に取り付けられている。支持部材16のナット支持部16eの端部の開口部から、ナット29が挿入されて、支持部材16のナット支持部16eの内部にナット29が取り付けられている。
図5及び図6に示すように、円筒状の部材の外面にスプラインが形成されたスプライン部30が備えられて、右及び左のアーム部2の延出端部2aにおいて、少し後側(下側)の部分に、スプライン部30が取り付けられている。
図4,5,6に示すように、アーム部2の延出端部2aの延出方向に沿った延出軸芯P2に方向から、アーム部2の延出端部2aを支持部材16の取付部16bに挿入して、アーム部2の延出端部2aに支持部材16の取付部16bを嵌め合わせる。
図5及び図6に示すように、アーム部2のスプライン部30と支持部材16のスプライン部28とが嵌め合わされる前の状態において、延出軸芯P2周りに支持部材16を回転させることにより、支持部材16の姿勢を延出軸芯P2周りに変更する。
図4,5,6に示すように、アーム部2の延出端部2aを支持部材16の取付部16bにさらに挿入して、アーム部2のスプライン部30と支持部材16のスプライン部28とを嵌め合わせることにより、延出軸芯P2周りでの支持部材16の姿勢が決まる。
図4及び図5に示すように、ボルト31(抜け止め部材に相当)を、支持部材16のナット支持部16eの開口部からナット29に挿入し、支持部材16の取付部16b(スプライン部30)の開口部から、アーム部2のスプライン部28に当て付け、ボルト31を締め込むことによって、支持部材16がアーム部2の延出端部2aから抜けないようにする。
以上のように、延出軸芯P2周りの所定位置(所定姿勢)で支持部材16を固定する固定部34が、アーム部2と支持部材16との間に備えられている。図4,5,6に示すように、固定部34は、アーム部2のスプライン部30、支持部材16のスプライン部28、ボルト31及びナット29等を備えている。
(支持部材に支持されるプーリー)
図4,5,7に示すように、支持部材16の支持部16aに、支持軸22が延出軸芯P2と交差(直交)するように横向きに支持されて、支持軸22の回転軸芯P3(横向き軸芯に相当)周りに、プーリー15が自由回転自在に支持されている。
図4,5,7に示すように、プーリー15は幅広に形成されており、2個の溝部15a,15bがプーリー15の外周部に円周方向に沿って形成され、溝部15a,15bが回転軸芯P3の方向に沿って並ぶように形成されている。
図1,2,3に示すように、右のワイヤ18,19が右のアーム部2に沿って延出されており、図5及び図7に示すように、右のワイヤ18,19のアウター18b,19bの端部が、ナット32により支持部材16のアウター支持部16cに接続されている。これにより、支持部材16におけるプーリー15から昇降装置17側の部分に、支持部材16のアウター支持部16cが備えられた状態となっている。
図5及び図7に示すように、右のワイヤ18,19のインナー18a,19aが、支持部材16の開口部16dを通って支持部材16の支持部16aの内部に入り込んでいる。
右のワイヤ18のインナー18aがプーリー15の溝部15aに入り込み、右のワイヤ19のインナー19aがプーリー15の溝部15bに入り込んでおり、右のワイヤ18,19のインナー18a,19aが、プーリー15に巻き掛けられて下側に延出されている。
右のワイヤ18,19と同様に、左のワイヤ18,19も、左のアーム部2、支持部材16及びプーリー15に取り付けられて、下側に延出されている。
(支持部材に取り付けられるガイド部)
図4,5,6,7に示すように、右及び左の支持部材16の支持部16aの下側部分に右及び左のガイド部33が取り付けられている。支持部材16の支持部16aによりプーリー15の上側が覆われ、ガイド部33によりプーリー15の下側が覆われて、支持部材16の支持部16a及びガイド部33により、プーリー15の全体が覆われた状態となっている。
図4,5,7に示すように、ガイド部33は、支持部材16の支持部16aの下側部分及びプーリー15の外周部に沿うように、側面視で円弧状に形成されている。ガイド部33に、2個の長孔33a,33bが開口されている。
図5及び図7に示すように、支持部材16の支持部16aの下側部分にガイド部33が取り付けられた状態において、プーリー15の溝部15aの下側に対向するように、ガイド部33の長孔33aが位置し、プーリー15の溝部15bの下側に対向するように、ガイド部33の長孔33bが位置している。
図5及び図7に示すように、ガイド部33の長孔33a,33bが、回転軸芯P3の方向に沿って並ぶようにガイド部33に設けられており、プーリー15の円周方向(プーリー15の溝部15a,15b)に沿って配置された状態となっている。
右及び左のガイド部33において、ワイヤ18のインナー18aが、ガイド部33の長孔33aを通っており、ワイヤ19のインナー19aが、ガイド部33の長孔33bを通っている。
(ハンド部による荷物の保持)
右のハンド部20により荷物Bの右側部を保持し、左のハンド部20により荷物Bの左側部を保持して、右及び左のハンド部20により荷物Bを保持する場合、図8に示すように、右及び左の支持部材16(プーリー15)の左右方向の間隔W1よりも、荷物Bの横幅W2が大きい状態であったとする。
図8に示す状態では、右及び左の支持部材16のプーリー15からワイヤ18,19のインナー18a,19aが右及び左の斜め外側に延出されるように、右及び左の支持部材16(プーリー15)の姿勢を延出軸芯P2周りに変更して固定しておけばよい。
図9に示すように、右及び左の支持部材16(プーリー15)の左右方向の間隔W1よりも、荷物Bの横幅W2が小さい状態では、右及び左の支持部材16のプーリー15からワイヤ18,19のインナー18a,19aが右及び左の斜め内側に延出されるように、右及び左の支持部材16(プーリー15)の姿勢を延出軸芯P2周りに変更して固定しておけばよい。
これにより、図8及び図9に示すように、右及び左のプーリー15の回転方向(回転軸芯P3と直交する方向)に沿って、右及び左のワイヤ18,19のインナー18a,19aが右及び左のプーリー15から延出される状態に近づけることができる。
図8及び図9に示す状態において、前項の(昇降装置)に記載のように、電動モータ27により、右及び左のワイヤ18,19のインナー18a,19aの巻き取り及び繰り出しが行われて、右及び左のハンド部20が上昇及び下降した場合、右及び左のプーリー15の回転方向(回転軸芯P3と直交する方向)に沿って、右及び左のワイヤ18,19のインナー18a,19aがプーリー15から延出される状態に近い状態で、右及び左のワイヤ18,19のインナー18a,19aの巻き取り及び繰り出しが行われる。
(アシスト器具の作業形態)
例えば、パレットや床に置かれた荷物Bを高い棚やトラックの荷台に置くような場合、作業者がしゃがんでパレットや床の荷物Bを手で持ち、次に手を下に延ばした状態で荷物Bを持ちながら立ち上がり、次に手で荷物Bを持ち上げて、荷物Bを高い棚やトラックの荷台に置くような状態が想定される。
アシスト器具を装着した作業者が前述のような作業を行う状態において、上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24の押し操作に基づいて、制御装置8により右及び左の脚作用部3、昇降装置17が作動する状態について説明する。
図1及び図2に示すように、作業者がアシスト器具を装着した状態において、作業者が上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24の両方を押し操作していないと、昇降装置17の電動モータ27は停止して、右及び左の脚作用部3の電動モータは停止状態(自由回転状態)となる。
作業者が歩行する場合や、作業者が膝部を曲げて腰部を落とす場合(しゃがむ場合)、作業者の太腿部に追従するように操作アーム12が揺動するのであり、作業者の動作が妨げられることはない。
作業者がしゃがんでパレットや床の荷物Bを持つ場合、作業者が下降操作スイッチ24を押し操作すると、昇降装置17において、電動モータ27が繰り出し側に作動し、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが繰り出されて、ハンド部20が下降する。下降操作スイッチ24の押し操作を止めると、電動モータ27が停止して、ハンド部20が停止するので、作業者は、ハンド部20により荷物Bを保持する。
前項の(昇降装置)に記載のように、電動モータ27に電磁ブレーキ(図示せず)が備えられており、電動モータ27の停止時及び非通電時に、電磁ブレーキは自動的に制動状態となる。
電動モータ27が停止した状態において、昇降装置17からワイヤ18,19のインナー18a,19aが繰り出されることはなく、後述するようにハンド部20に荷物Bの重量が掛かっても、ハンド部20が下降することはない。
次に作業者は、ハンド部20により荷物Bを保持した状態で、立ち上がることによって荷物Bを持ち上げる。作業者が上昇操作スイッチ23を押し操作すると、脚作用部3において、操作アーム12が下側に駆動され、作業者の太腿部が下側に操作されて、作業者の立ち上がりが補助される。作業者が立ち上がる際において、電動モータ27のブレーキ機能により、ハンド部20が下降することはない。
作業者が上昇操作スイッチ23を押し操作した状態で立ち上がった後に、脚作用部3において、操作アーム12が略真下に向く位置に達したことが検出されると、作業者が完全に立ち上がったと判断されて、脚作用部3の電動モータは停止状態(自由回転状態)となる。
次に昇降装置17において、電動モータ27が巻き取り側に作動し、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが巻き取られて、ハンド部20が上昇する。所望の位置までハンド部20が上昇すると、上昇操作スイッチ23の押し操作を止めることにより、電動モータ27が停止してハンド部20が停止する。
次に作業者は、荷物Bを置くべき高い棚やトラックの荷台等へ歩いて移動する。作業者が高い棚やトラックの荷台等に到着して、作業者が下降操作スイッチ24を押し操作すると、昇降装置17において、電動モータ27が繰り出し側に作動し、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが繰り出されて、ハンド部20が下降する。
作業者は、荷物Bを高い棚やトラックの荷台等に置いて、ハンド部20を荷物Bから取り外す。荷物Bを高い棚やトラックの荷台等に置くと、最初の状態に戻るのであり、次の荷物Bに対して同様な操作を行う。
(発明の実施の第1別形態)
前述の(発明を実施するための形態)の固定部34に代えて、図10及び図11に示すような固定部34を備えてもよい。
図5及び図6に示すアーム部2のスプライン部30と、支持部材16のスプライン部28とが備えられずに、支持部材16の取付部16bの端部に突部状の係合部16fが備えられている。
アーム部2の延出端部2aに、リング状の被係合部材35が取り付けられており、複数の凹部状の被係合部35aが、円周方向に沿って並ぶように被係合部材35に備えられている。図5及び図6に示す支持部材16のナット支持部16e及びナット29、ボルト31が備えられている。
アーム部2の延出端部2aの延出方向に沿った延出軸芯P2に方向から、アーム部2の延出端部2aを支持部材16の取付部16bに挿入して、アーム部2の延出端部2aに支持部材16の取付部16bを嵌め合わせる。
支持部材16の係合部16fを被係合部材35に係合させる前の状態において、延出軸芯P2周りに支持部材16を回転させることにより、支持部材16の姿勢を延出軸芯P2周りに変更する。
アーム部2の延出端部2aを支持部材16の取付部16bにさらに挿入して、支持部材16の係合部16fを被係合部材35の被係合部35aに係合させることにより、延出軸芯P2周りでの支持部材16の姿勢が決まる。
ボルト31を、支持部材16のナット支持部16eの開口部からナット29に挿入し、支持部材16の取付部16bの開口部から、アーム部2の延出端部2aの外面に当て付けて、ボルト31を締め込むことにより、支持部材16がアーム部2の延出端部2aから抜けないようにする。
以上のように、延出軸芯P2周りの所定位置(所定姿勢)で支持部材16を固定する固定部34が、アーム部2と支持部材16との間に備えられている。固定部34は、アーム部2の被係合部材35(被係合部35a)、支持部材16の係合部16f、ボルト31及びナット29等を備えている。
この場合、被係合部材35(被係合部35a)を支持部材16の取付部16bに取り付け、係合部16fをアーム部2に取り付けてもよい。
(発明の実施の第2別形態)
前述の(発明を実施するための形態)の固定部34に代えて、図12及び図13に示すような固定部34を備えてもよい。
図5及び図8に示すアーム部2のスプライン部30と、支持部材16のスプライン部28とが備えられずに、図5及び図8に示す支持部材16のナット支持部16e及びナット29、ボルト31が備えられている。
アーム部2の延出端部2aの延出方向に沿った延出軸芯P2に方向から、アーム部2の延出端部2aを支持部材16の取付部16bに挿入して、アーム部2の延出端部2aに支持部材16の取付部16bを嵌め合わせる。
延出軸芯P2周りに支持部材16を回転させることによって、支持部材16の姿勢を延出軸芯P2周りに変更する。
延出軸芯P2周りでの支持部材16の姿勢が決まった状態で、ボルト31を、支持部材16のナット支持部16eの開口部からナット29に挿入し、支持部材16の取付部16bの開口部から、アーム部2の延出端部2aの外面に当て付け、ボルト31を締め込むことにより、延出軸芯P2周りでの支持部材16の姿勢を固定し、支持部材16がアーム部2の延出端部2aから抜けないようにする。
以上のように、延出軸芯P2周りの所定位置(所定姿勢)で支持部材16を固定する固定部34が、アーム部2と支持部材16との間に備えられている。固定部34は、ボルト31及びナット29等を備えている。
(発明の実施の第3別形態)
前述の(発明を実施するための形態)(発明の実施の第1別形態)(発明の実施の第2別形態)において、アーム部2の延出端部2aの外径を、支持部材16の取付部16bの外径よりも大径に設定して、アーム部2の延出端部2aの内部に、支持部材16の取付部16bを挿入するように構成してもよい。この構成によると、ボルト31及びナット29等が、アーム部2の延出端部2aに備えられる。
上昇操作スイッチ23を左のハンド部20に備え、下降操作スイッチ24を右のハンド部20に備えてもよい。上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24の両方を、右又は左の一方のハンド部20に備えてもよい。
ハンド部20は、図1及び図2に示される構成以外に、荷物Bを掛けるフック状や、荷物Bを挟み込む一対のアーム状等のように、各種の形状が想定される。
アシスト器具において、右及び左の脚作用部3を備えないように構成してもよい。
本発明は、作業者が装着して使用するもので、作業者による荷物の上げ下げを補助するアシスト器具に適用できる。
1 本体部
2 アーム部
2a 延出端部
15 回転体
16 支持部材
16c ワイヤ支持部
16f 係合部
17 昇降装置
18,19 ワイヤ
20 ハンド部
28 スプライン部
30 スプライン部
31 抜け止め部材
34 固定部
35a 被係合部
B 荷物
P2 延出軸芯
P3 横向き軸芯

Claims (2)

  1. 作業者の背中部に取り付けられる本体部と、前記本体部から前側に延出された右及び左のアーム部と、前記本体部に設けられてワイヤを巻き取り及び繰り出す昇降装置とが備えられて、
    前記アーム部の延出方向に沿った延出軸芯周りに姿勢変更自在に、前記アーム部に支持された右及び左の支持部材と、
    前記延出軸芯周りの所定位置で前記支持部材を前記アーム部に固定及び解除自在な右及び左の固定部と、
    前記延出軸芯と交差する横向き軸芯周りに回転自在に、前記支持部材に支持された右及び左の回転体と、
    前記支持部材のうち、前記固定部と前記アーム部の延出端部との間に対応する箇所に、前記ワイヤを支持するワイヤ支持部と、が備えられ、
    前記昇降装置から延出された右及び左の前記ワイヤが、前記回転体に巻き掛けられて前記回転体から下側に延出され、荷物を保持する右及び左のハンド部が、前記ワイヤの延出端に接続されて、
    前記昇降装置が前記ワイヤを巻き取ることにより前記ハンド部を上昇させ、前記昇降装置が前記ワイヤを繰り出すことにより前記ハンド部を下降させ、
    前記アーム部の延出端部に前記支持部材が嵌め合わされることにより、前記延出軸芯周りに姿勢変更自在に、前記支持部材が前記アーム部の延出端部に支持され、
    前記固定部が、
    前記アーム部の延出端部に取り付けられたスプライン部と、
    前記支持部材に取り付けられたスプライン部と、
    前記支持部材に対して前記ワイヤ支持部とは反対側の位置に設けられ、前記アーム部のスプライン部と前記支持部材のスプライン部とが嵌め合わされた状態で、前記アーム部の延出端部からの前記支持部材の抜けを止める抜け止め部材とを備えているアシスト器具。
  2. 作業者の背中部に取り付けられる本体部と、前記本体部から前側に延出された右及び左のアーム部と、前記本体部に設けられてワイヤを巻き取り及び繰り出す昇降装置とが備えられて、
    前記アーム部の延出方向に沿った延出軸芯周りに姿勢変更自在に、前記アーム部に支持された右及び左の支持部材と、
    前記延出軸芯周りの所定位置で前記支持部材を前記アーム部に固定及び解除自在な右及び左の固定部と、
    前記延出軸芯と交差する横向き軸芯周りに回転自在に、前記支持部材に支持された右及び左の回転体と、
    前記支持部材のうち、前記固定部と前記アーム部の延出端部との間に対応する箇所に、前記ワイヤを支持するワイヤ支持部と、が備えられ、
    前記昇降装置から延出された右及び左の前記ワイヤが、前記回転体に巻き掛けられて前記回転体から下側に延出され、荷物を保持する右及び左のハンド部が、前記ワイヤの延出端に接続されて、
    前記昇降装置が前記ワイヤを巻き取ることにより前記ハンド部を上昇させ、前記昇降装置が前記ワイヤを繰り出すことにより前記ハンド部を下降させ、
    前記アーム部の延出端部に前記支持部材が嵌め合わされることにより、前記延出軸芯周りに姿勢変更自在に、前記支持部材が前記アーム部の延出端部に支持され、
    前記固定部が、
    前記アーム部の延出端部及び前記支持部材のうちの一方に設けられた係合部と、
    前記アーム部の延出端部及び前記支持部材のうちの他方に円周方向に沿って設けられた複数の被係合部と、
    前記支持部材に対して前記ワイヤ支持部とは反対側の位置に設けられ、前記係合部が前記被係合部に係合した状態で、前記アーム部の延出端部からの前記支持部材の抜けを止める抜け止め部材とを備えているアシスト器具。
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