JP2017224795A - 圧粉磁心、軟磁性材料、圧粉磁心の製造方法 - Google Patents

圧粉磁心、軟磁性材料、圧粉磁心の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低鉄損かつ直流重畳特性を向上させた圧粉磁心、軟磁性粉末、及び圧粉磁心の製造方法を提供する。
【解決手段】圧粉磁心は、Fe−Ni合金粉末と、Fe−Ni合金粉末の周囲に設けられた絶縁層と、を備える。絶縁層は、Fe−Ni合金粉末の表面に設けられたケイ素(Si)を含む第1の層と、第1の層の表面に設けられたケイ素(Si)を含む第2の層と、を備える。第1の層には、無機絶縁粉末が含有されていることが好ましい。
【選択図】図3

Description

本発明は、圧粉磁心、圧粉磁心に用いる軟磁性材料、及び圧粉磁心の製造方法に関する。
モーター、インバーター、コンバーターへの電力供給系統の一部として、リアクトルが利用されている。このリアクトルのコアとして、圧粉磁心が使用される。圧粉磁心は、金属粉末とこれを覆う絶縁皮膜とから構成された粉末を加圧成形することにより形成される。
圧粉磁心は、エネルギー交換効率の向上や低発熱などの要求から、小さな印加磁界で大きな磁束密度を得ることが出来る磁気特性と、磁束密度変化におけるエネルギー損失が小さいという磁気特性が求められる。磁束密度に関する磁気特性とは、具体的には透磁率(μ)である。エネルギー損失に関する磁気特性とは、具体的には鉄損(Pcv)である。鉄損(Pcv)は、ヒステリシス損失(Ph)と、渦電流損失(Pe)の和で表される。
特開2013-191839号公報
軟磁性粉末を用いた圧粉磁心は、上記の通り磁束密度の向上が求められており、そのためには、圧粉磁心を高密度にする必要がある。そのため、高い圧力で圧粉成形されるが、その際に多くの歪みが軟磁性粉末の粒子内に発生する。この歪みにより圧粉磁心の保磁力が高まり、ヒステリシス損失が増加してしまう。ヒステリシス損失が増加することにより、全体としての損失が増加し、飽和磁束密度が低下することにより、直流重畳特性が悪化してしまう。故に、これを除去する熱処理を与えることが好ましい。
一方、熱処理温度を上げ過ぎると、軟磁性粉末間の絶縁被膜が破壊または消失してしまい、それにより軟磁性粉末間が絶縁破壊してしまう。そのため、高い温度での熱処理を実現するためには、軟磁性粉末間の絶縁被膜が高い温度においても破壊または消失せず、維持されている必要がある。
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものである。本発明の目的は、低鉄損かつ直流重畳特性を向上させた圧粉磁心、軟磁性粉末、及び圧粉磁心の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の圧粉磁心は、Fe−Ni合金粉末と、前記Fe−Ni合金粉末の周囲に設けられた絶縁層と、を備え、前記絶縁層は、前記Fe−Ni合金粉末の表面に設けられケイ素を含む第1の層と、前記第1の層の表面に設けられたケイ素を含む第2の層と、を備えたことを特徴とする。
本発明の軟磁性材料は、Fe−Ni合金粉末と、前記Fe−Ni合金粉末の表面を覆う絶縁被覆と、を有し、前記絶縁被覆が、前記軟磁性粉末の外側を被覆するシリコーンオリゴマー層と、前記シリコーンオリゴマー層の外側に形成されたシリコーンレジン層と、からなること、を特徴とする。
本発明の圧粉磁心の製造方法は、Fe−Ni合金粉末にシリコーンオリゴマーを混合し、乾燥させ、シリコーンオリゴマー層を形成するシリコーンオリゴマー形成層工程と、前記シリコーンオリゴマー層が形成された前記Fe−Ni合金粉末にシリコーンレジンを混合し、乾燥させ、シリコーンレジン層を形成するシリコーンレジン層工程と、前記各工程を経た前記Fe−Ni合金粉末を、加圧成形処理して成形体を作製する成形工程と、前記成形工程を経た成形体を650℃以上で熱処理する熱処理工程と、を有し、前記シリコーンオリゴマーの添加量が前記Fe−Ni合金粉末に対して0.75〜3.5wt%であることを特徴とする。
本発明によれば、低鉄損かつ直流重畳特性を向上させることのできる圧粉磁心、軟磁性粉末、及び圧粉磁心の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る圧粉磁心の製造方法を示すフローチャートである。 各実施例及び比較例の直流重畳特性を示すグラフである。 実施例5の圧粉磁心のSEM写真である。 図3の圧粉磁心の各元素の成分を示す写真である。(a)は、Fe成分を示す。(b)は、Ni成分を示す。(c)は、Al成分を示す。(d)は、Si成分を示す。(e)は、O成分を示す。 比較例2の圧粉磁心のSEM写真である。 図5の圧粉磁心の各元素の成分を示す写真である。(a)は、Fe成分を示す。(b)は、Ni成分を示す。(c)は、Al成分を示す。(d)は、Si成分を示す。(e)は、O成分を示す。 実施例5、8〜12の直流重畳特性を示すグラフである。 実施例5、13〜15の直流重畳特性を示すグラフである。
[1−1.圧粉磁心]
本実施形態に係る圧粉磁心は、軟磁性粉末と、当該軟磁性粉末の周囲に設けられた絶縁層とを備える。軟磁性粉末としては、Fe−Ni合金粉末(パーマロイ)を用いることができ、他にも圧粉磁心とした場合に軟磁性粉末の周囲にケイ素(Si)を含む層が二層形成される軟磁性粉末を用いても良い。Fe−Ni合金粉末を用いる場合、Feに対するNiの比率は50:50や25:75が好ましいが、他の比率であってもよい。例えば、Fe−80Ni、Fe−36Niでもよい。Fe−Ni合金粉末には、0.5%以下のCr、Mnが含まれていても良い。また、FeとNiの他にSi、Cr、Mo、Cu、Nb、Ta、Mn等を含んでいても良い。
軟磁性粉末の製造方法は問わない。粉砕法により作製されたものでも、アトマイズ法により作製されたものでも良い。アトマイズ法は、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、水ガスアトマイズ法のいずれでも良い。水アトマイズ法は、現状、もっとも入手性が良く低コストである。水アトマイズ法を使用した場合は、その粒子形状がいびつであるので、それを加圧成形した粉末成形体の機械的強度を向上させやすい。
以下では、軟磁性粉末は、Fe−Ni合金粉末であるとして以下の説明をする。
絶縁層は、Fe−Ni合金粉末の表面に設けられたケイ素(Si)を含む第1の層と、第1の層の表面に設けられたケイ素(Si)を含む第2の層とを備える。
第1の層は、後述のシリコーンオリゴマー層のシリコーンオリゴマーが熱処理工程により重合反応して形成された層である。圧粉磁心が後述の無機絶縁粉末付着工程を経て得られたものである場合、第1の層には無機絶縁粉末が含まれる。この場合、第1の層は、第2の層と比べてSiの密度が小さくなる傾向がある。第1の層と第2の層は、例えばSiの密度の違いにより識別可能である。第1の層には無機絶縁粉末が含まれるが、第2の層には、無機絶縁粉末が含まれないか、含まれても微量であるためである。無機絶縁粉末の詳細は後述する。
第1の層の厚みは、例えば、10nm〜5000nmであることが好ましい。当該厚みが10nmより薄いと絶縁性能が確保できず、鉄損が増加する。一方、当該厚みが5000nmより厚いと磁気特性が低下する。
第2の層は、後述のシリコーンレジン層のシリコーンレジンが熱処理工程により重合反応して形成された層である。第2の層の厚みは、例えば、10nm〜5000nmであることが好ましい。当該厚みが10nmより薄いと絶縁性能が確保できず、鉄損が増加する。一方、当該厚みが5000nmより厚いと磁気特性が低下する。
[1−2.圧粉磁心の製造方法]
本実施形態に係る圧粉磁心の製造方法は、次のような各工程を有する。この工程を図1のフローチャートに示す。
(1)表面に無機絶縁粉末が付着したFe−Ni合金粉末に対して、シリコーンオリゴマーを混合してシリコーンオリゴマー層を形成するシリコーンオリゴマー層形成工程(ステップ1)。
(2)シリコーンオリゴマー層が形成されたFe−Ni合金粉末に対し、シリコーンレジンを混合してシリコーンレジン層を形成するシリコーンレジン層形成工程(ステップ2)。
(3)前記工程を経た前記Fe−Ni合金粉末を、加圧成形処理して成形体を作製する成形工程(ステップ3)。
(4)成形工程を経た成形体を650℃以上で熱処理する熱処理工程(ステップ4)。
なお、シリコーンオリゴマー層形成工程の前に、Fe−Ni合金粉末に対して、無機絶縁粉末を混合して無機絶縁粉末を付着させる無機絶縁粉末付着工程を有していても良い。
以下、各工程を具体的に説明する。
(1)無機絶縁粉末付着工程
無機絶縁粉末付着工程では、Fe−Ni合金粉末と、無機絶縁粉末とを混合する。混合は、混合機(W型、V型)、ポットミル等を使用して行い、この時、粉末に内部歪が入らないように混合する。以上により、Fe−Ni合金粉末の表面に無機絶縁粉末層を付着することができる。Fe−Ni合金粉末の表面に無機絶縁粉末を付着することにより、Fe−Ni合金粉末の間を絶縁することができ、熱処理温度を上げることが可能になる。
無機絶縁粉末の付着の態様としては、Fe−Ni合金粉末の表面に点状に分散して付着している場合、Fe−Ni合金粉末の表面に塊状に分散して付着している場合、Fe−Ni合金粉末の全表面若しくは表面の一部を覆うように無機絶縁粉末の層を形成しながら付着している場合などが含まれる。また、Fe−Ni合金粉末の表面に付着するだけでなく、Fe−Ni合金粉末の外側に形成されたシリコーンオリゴマー層と混合し、シリコーンオリゴマー層の中に分散している場合も含まれる。なお、混合機による撹拌時間などの条件によっては、シリコーンオリゴマー層の中に分散しないこともある。
(無機絶縁粉末)
Fe−Ni合金粉末に混合する無機絶縁粉末としては、融点が1000℃以上の無機絶縁粉末である酸化アルミニウム粉末(アルミナ、Al)、酸化マグネシウム粉末(マグネシア、MgO)、二酸化ケイ素粉末(シリカ、SiO)、酸化チタン粉末(チタニア、TiO)、酸化ジルコニウム粉末(ジルコニア、ZrO)の少なくとも1種類以上であることが好ましい。融点が1000℃以上の無機絶縁粉末を使用するのは、後述の成形時に加わった圧力による歪みをとる目的で行う熱処理工程で加えられる熱により、無機絶縁粉末が焼結し圧粉磁心の材料として使用できなくなることを防止するためである。
無機絶縁粉末の比表面積は65〜145m/g(粒子径にすれば7〜200nm)が好ましく、より好ましくは100〜130m/gである。無機絶縁粉末の比表面積が大きいほうが、粒子径が小さくなる。粒子径が小さいほうが、Fe−Ni合金粉末間に無機絶縁粉末が隙間なく入り込み、密度の高い絶縁被膜が形成され、圧粉磁心成形時の歪が緩和される。一方、無機絶縁粉末の比表面積が大きすぎると、粒子径が小さくなりすぎて製造が困難となる。
無機絶縁粉末の添加量は、Fe−Ni合金粉末に対して0.5〜2.0wt%とする。無機絶縁粉末の添加量が0.5wt%以上であれば、絶縁性能が向上し、高い熱処理温度での著しい渦電流損失を低減できる。一方、無機絶縁粉末の添加量が2.0wt%以下であれば、成形密度が高くなり、磁気特性が向上する。
上記の通り、無機絶縁粉末付着工程は、本発明に係る圧粉磁心を得るために必須の工程ではなく、Fe−Ni合金粉末に対してシリコーンオリゴマー層形成工程によりシリコーンオリゴマー層を形成するようにしても良い。この場合、Fe−Ni合金粉末の表面にシリコーンオリゴマー層が形成される。
(2)シリコーンオリゴマー層形成工程
シリコーンオリゴマー層形成工程では、無機絶縁粉末が付着されたFe−Ni合金粉末に対して、シリコーンオリゴマーを所定量添加して、大気雰囲気中、所定の温度で乾燥を行う。シリコーンオリゴマー層形成工程により、Fe−Ni合金粉末の外側にシリコーンオリゴマー層が形成される。
(シリコーンオリゴマー)
シリコーンオリゴマーは、アルコキシシリル基を有し、反応性官能基を有さないメチル系、メチルフェニル系のものや、アルコキシシリル基及び反応性官能基を有するエポキシ系、エポキシメチル系、メルカプト系、メルカプトメチル系、アクリルメチル系、メタクリルメチル系、ビニルフェニル系のもの、アルコキシシリル基を有さずに、反応性官能基を有する脂環式エポキシ系のもの等を用いることができる。特に、メチル系またはメチルフェニル系のシリコーンオリゴマーを用いることで厚く硬い絶縁層を形成することができる。
また、シリコーンオリゴマー層形成工程のしやすさを考慮して、粘度の比較的低いメチル系、メチルフェニル系を用いても良い。より具体的には、粘度の比較的低いシリコーンオリゴマーとして、下記の表1のシリコーンオリゴマーA〜Eを用いることができる。なお、表8のシリコーンオリゴマーAは、アルコキシシランを40〜50%含むシリコーンオリゴマーであり、シリコーンオリゴマーBは、オルガノポリシロキサンを100%含むシリコーンオリゴマーである。シリコーンオリゴマーCは、オルガノポリシロキサンを100%含むシリコーンオリゴマーであり、シリコーンオリゴマーDは、アルコキシシロキサンを100%含むシリコーンオリゴマーである。シリコーンオリゴマーEは、メトキシ官能性メチル-フェニル-ポリシロキサンを含むシリコーンオリゴマーである。
シリコーンオリゴマーの分子量は、100〜4000であることが好ましい。分子量が100より小さい場合、熱処理工程において熱分解により破壊または消失されやすく、Fe−Ni合金粉末間が絶縁破壊されやすい。例えば、無機絶縁粉末をFe−Ni合金粉末の表面に付着させた場合、熱処理工程前はその分布が均一であっても、熱処理工程後はその分布にバラツキが生じていることが考えられる。一方、分子量が4000より大きい場合、膜厚が厚くなりすぎて、磁気特性が低下してしまう。
シリコーンオリゴマーの添加量は、Fe−Ni合金粉末に対して、0.75〜3.5wt%であることが好ましい。添加量が0.75wt%より少ないと絶縁被膜として機能せず、渦電流損失が増加することにより磁気特性が低下する。添加量が3.5wt%より多いと成形体の成形性が悪化し、また、透磁率が低下する。
シリコーンオリゴマー層の乾燥温度は、100℃〜400℃が好ましい。乾燥温度が100℃以下であると膜の形成が不完全となり、渦電流損失が高くなる。一方、乾燥温度400℃より高いとFe−Ni合金粉末が酸化することによりヒステリシス損失が高くなり、成形体の密度及び透磁率が低下する。乾燥時間は、2時間程度である。圧粉磁心の絶縁層が2層形成されるのは、シリコーンオリゴマー層の乾燥温度が100℃〜400℃のように比較的高温であることが一因であると考えられる。
(3)シリコーンレジン層形成工程
シリコーンレジン層形成工程では、シリコーンオリゴマー層が形成されたFe−Ni合金粉末に対して、シリコーンレジンを所定量添加し、大気雰囲気中、所定の温度で乾燥させる。シリコーンレジン層形成工程により、シリコーンオリゴマー層の外側にシリコーンレジン層が形成される。
(シリコーンレジン)
シリコーンレジンはシロキサン結合(Si−O―Si)を主骨格に持つ樹脂である。シリコーンレジンを用いることで可撓性に優れた被膜を形成することができる。シリコーンレジンは、メチル系、メチルフェニル系、プロピルフェニル系、エポキシ樹脂変性系、アルキッド樹脂変性系、ポリエステル樹脂変性系、ゴム系等を用いることができる。この中でも特に、メチルフェニル系のシリコーンレジンを用いた場合、加熱減量が少なく、耐熱性に優れたシリコーンレジン層を形成することができる。
シリコーンレジンの添加量は、Fe−Ni合金粉末に対して、1.0〜1.5wt%であることが好ましい。添加量が1.0wt%より少ないと絶縁被膜として機能せず、渦電流損失が増加することにより磁気特性が低下する。添加量が1.5wt%より多いとコアが膨張することにより成形体の密度が低下し、透磁率が低下する。シリコーンオリゴマーに対するシリコーンレジンの添加量を適宜調整することで、強固で絶縁性能の高い絶縁被膜を形成することができる。
シリコーンレジン層の乾燥温度は、100℃〜300℃が好ましい。乾燥温度が100℃より低いと膜の形成が不完全となり、渦電流損失が高くなる。一方、乾燥温度300℃より高いとFe−Ni合金粉末が酸化することによりヒステリシス損失が高くなり、成形体の密度及び透磁率が低下する。乾燥時間は、2時間程度である。
シリコーンレジン層は、シリコーンレジンの可撓性により、シリコーンオリゴマー層と比べて比較的柔らかい。すなわち、Fe−Ni合金粉末の第1層目が比較的硬いシリコーンオリゴマー層であり、その周囲に比較的柔らかいシリコーンレジン層が設けられているので、成形性を向上させることができる。換言すれば、粉末の最外層が硬いと当該粉末同士がくっつきにくくなり成形性が悪化する。仮に成形できたとしてもその成形体は脆い。しかし、本発明では、硬いシリコーンオリゴマー層の外側に比較的柔らかいシリコーンレジン層を設けたので粉末同士がくっつき易くなり成形性を向上させることができる。また、シリコーンレジン層は、熱処理工程後は絶縁性向上に寄与する。
(4)成形工程
成形工程では、表面に絶縁被膜が形成されたFe−Ni合金粉末を加圧成形することにより、成形体を形成する。成形時の圧力は10〜20ton/cmであり、平均で15ton/cm程度が好ましい。
(5)熱処理工程
熱処理工程では、成形工程を経た成形体に対して、Nガス中やN+Hガス非酸化性雰囲気中にて、650℃以上且つFe−Ni合金粉末に被覆した絶縁被膜が破壊される温度(例えば、850℃とする)以下で、熱処理を行うことで圧粉磁心が作製される。絶縁被膜が破壊される温度以下で熱処理を行うのは、成形工程での歪みを開放すると共に、熱処理時の熱によりFe−Ni合金粉末の周囲に被覆した絶縁被膜が破れることを防止するためである。一方、熱処理温度を上げ過ぎると、このFe−Ni合金粉末に被覆した絶縁被膜が破れることにより、絶縁性能の劣化から渦電流損失が大きく増加してしまう。それにより、磁気特性が低下するという問題が発生する。
本発明の実施例を、表2〜表7及び図2〜図8を参照して、以下に説明する。
[1.測定項目]
測定項目は、透磁率と鉄損である。透磁率は、振幅透磁率であり、作製された圧粉磁心に1次巻線(20ターン)を施し、インピーダンスアナライザー(アジレントテクノロジー:4294A)を使用することで、20kHz、1.0Vにおけるインダクタンスから算出した。
鉄損は、圧粉磁心に1次巻線(20ターン)及び2次巻線(3ターン)を施し、磁気計測機器であるBHアナライザ(岩通計測株式会社:SY−8232)を用いて、周波数100kHz、最大磁束密度Bm=0.1Tの条件下で鉄損(Pcv)を測定した。この算出は、鉄損の周波数曲線を次の(1)〜(3)式で最小2乗法により、ヒステリシス損係数、渦電流損失係数を算出することで行った。
Pcv=Kh×f+Ke×f…(1)
Ph =Kh×f…(2)
Pe =Ke×f…(3)
Pcv:鉄損
Kh :ヒステリシス損係数
Ke :渦電流損係数
f :周波数
Ph :ヒステリシス損失
Pe :渦電流損失
本実施例において、各粉末の平均粒子径と円形度は、下記装置を用いて3000個の平均値をとったものであり、ガラス基板上に粉末を分散して、顕微鏡で粉末写真を撮り一個毎自動で画像から測定した。
会社名:Malvern
装置名:morphologi G3S
比表面積は、BET法により測定した。
[2.サンプルの作製方法及び特性比較]
[2−1.第1の特性比較(無機絶縁粉末が無い場合の絶縁層を構成する材料の種類の違いによる特性比較)]
第1の特性比較では、絶縁層を構成する材料の種類の違いによる圧粉磁心の鉄損及び直流重畳特性の比較を行った。実施例1、2及び比較例1で使用する試料は、下記のように作製した。実施例1、2の違いは、最後の熱処理温度の違いのみであり、その他は同じである。実施例1の熱処理温度は650℃であり、実施例2の熱処理温度は700℃である。なお、以下の記述において、「wt%」とは、軟磁性粉末に対する重量比を示す。
(実施例1、2)
(1)平均円形度0.97のパーマロイ(Fe−50Ni)からなる軟磁性粉末を水アトマイズ法で作製した。その後、200目(目開き75μm)の篩で篩通しを行い、平均粒子径(D50)を33.2μmとした。
(2)作製した軟磁性粉末に対して、表1のメチル系のシリコーンオリゴマーAを1wt%混合し、300℃で2時間の加熱乾燥を行った。
(3)乾燥させた粉末に対してメチルフェニル系シリコーンレジン(品名:TSR−108)を1.4wt%混合して、大気雰囲気中、300℃で2時間の加熱乾燥を行った。
(4)加熱乾燥後に生じた塊を解砕する目的で30目(目開き500μm)の篩通しを行った。その後、潤滑剤としてエチレンビスステアレートアミドを0.6wt%を混合した。
(5)上記工程により絶縁被膜が形成された軟磁性粉末を、外径17mm、内径11mm、高さ8mmのトロイダル形状の容器に充填し、成形圧力15ton/cmで成形体を作製した。
(6)最後に、成形体を650℃、700℃の異なる熱処理温度で窒素雰囲気中にて2時間熱処理を行い、圧粉磁心を作製した。
(比較例1)
比較例1は、上記実施例1、2の工程(2)、(6)に代えて下記の工程(2’)、(6’)を行った。
(2’)作製した軟磁性粉末に対して、シランカップリング剤(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(品名:A1100))を0.5wt%、メチルフェニル系シリコーンレジン(品名:TSR−108)を2.0wt%混合して、大気雰囲気中、150℃で2時間の加熱乾燥を行った。
(6’)最後に、成形体を熱処理温度500℃で窒素雰囲気中にて2時間熱処理を行い、圧粉磁心を作製した。
実施例1、2及び比較例1の、鉄損及び直流重畳特性を表2及び図2のグラフに示す。図2は、横軸が磁界の強さ(A/m)、縦軸が透磁率の比率のグラフである。なお、図2に示す直流重畳特性のグラフは、透磁率(振幅透磁率)を上記の測定方法で各磁界の強さのインダクタンスから算出し、縦軸の「透磁率の比率」は、直流を重畳させていない状態(磁界の強さが0H(A/m)の時)の透磁率を100%とし、各磁界における0H(A/m)時の透磁率との変化割合を示す。
表2に示すように、実施例1、2の方が、比較例1より鉄損が小さいことが確認できる。このことから、絶縁層の構成材料にシランカップリング剤よりシリコーンオリゴマーを用いた方が低鉄損化できることが分かる。
なお、実施例1、2と比較例1とで熱処理温度が異なるが、これは軟磁性粉末の表面に形成した絶縁被膜の絶縁破壊温度の違いによるものである。すなわち、比較例1では熱処理温度を500℃よりも上げると、絶縁被膜に絶縁破壊が生じ、ヒステリシス損失の増大により鉄損が増大するが、実施例1、2では、軟磁性粉末の表面に、機械的結合力が強く、シランカップリング剤の層より厚いシリコーンオリゴマー層が形成されることにより、高い熱処理温度でも絶縁被膜が保持されるものと考えられる。熱処理温度を上げられることで、ヒステリシス損失が低減され、飽和磁束密度を上げることができる。これにより、低鉄損かつ直流重畳特性に優れた圧粉磁心を得ることができる。なお、図2に比較例1の直流重畳特性は示していない。比較例1は鉄損が大きく、直流重畳特性を得るための有効な透磁率が得られなかったためである。
[2−2.第2の特性比較(無機絶縁粉末がある場合の絶縁層を構成する材料の種類の違いによる特性比較))]
第2の特性比較では、第1の特性比較と比べて軟磁性粉末の表面に無機絶縁粉末を付着させる工程を追加し、圧粉磁心の鉄損及び直流重畳特性の比較を行った。実施例3〜5及び比較例2、3で使用する試料は、下記のように作製した。実施例3〜5の違いは、最後の熱処理温度の違いのみであり、その他は同じである。実施例3〜5の熱処理温度は順に800、825、850℃である。
(実施例3〜5)
(1)平均円形度0.97のパーマロイ(Fe−50Ni)からなる軟磁性粉末を水アトマイズ法で作製した。その後、200目(目開き75μm)の篩で篩通しを行い、平均粒子径を33.2μmとした。
(2)作製した軟磁性粉末に対して、比表面積が130m/gのアルミナ粉末を0.75wt%混合した。
(3)これらに対して表1のメチル系のシリコーンオリゴマーAを1wt%混合し、300℃で2時間の加熱乾燥を行った。
(4)乾燥させた粉末に対してメチルフェニル系シリコーンレジン(品名:TSR−108)を1.8wt%混合して、大気雰囲気中、300℃で2時間の加熱乾燥を行った。
(5)加熱乾燥後に生じた塊を解砕する目的で30目(目開き500μm)の篩通しを行った。その後、潤滑剤としてエチレンビスステアレートアミドを0.6wt%を混合した。
(6)上記工程により絶縁被膜が形成された軟磁性粉末を、外径17mm、内径11mm、高さ8mmのトロイダル形状の容器に充填し、成形圧力15ton/cmで成形体を作製した。
(7)最後に、成形体を800℃〜850℃の異なる熱処理温度で窒素雰囲気中にて2時間熱処理を行い、圧粉磁心を作製した。
(比較例2、3)
比較例2、3は、上記実施例3〜5の工程(3)、(4)、(6)に代えて下記の工程(3’)、(6’)を行った。比較例2、3の熱処理温度は順に500℃、600℃である。
(3’)作製した軟磁性粉末に対して、シランカップリング剤(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(品名:A1100))を0.5wt%、メチルフェニル系シリコーンレジン(品名:TSR−108)を2.0wt%混合して、大気雰囲気中、150℃で2時間の加熱乾燥を行った。
(6’)最後に、成形体を500℃、600℃の熱処理温度で窒素雰囲気中にて2時間熱処理を行い、圧粉磁心を作製した。
図3に、実施例5の圧粉磁心のSEM写真を示す。当該写真は、圧粉磁心の軟磁性粉末間の境界の写真である。図4は、図3の圧粉磁心の各元素分布を示す写真である。図4(a)〜図4(e)において、明るい領域程、各元素成分が分布しており、密度が高いことを示している。図4(a)は、Fe成分1aを示す写真であり、図4(b)は、Ni成分1bを示す写真である。図4(a)及び図4(b)から図3におけるFe−50Ni合金粉末1の位置が特定できる。すなわち、図3において中央部分の両側のグレー部分がFe−50Ni合金粉末1であり、2つのFe−50Ni合金粒子1が絶縁被膜を介して隣接していることが分かる。また、図4(a)の中央部分の黒い領域は、当該粒子1の絶縁被覆2を示していることが分かる。
図4(c)は、Al成分3を示す写真である。図4(d)は、Si成分4を示す写真であり、図4(e)はO成分5を示す写真である。本実施例では、アルミナ粉末をFe−50Ni合金粉末1の表面に付着させたため、図4(c)に示すように、Fe−50Ni合金粉末1の表面にAlが分布していることが確認できる。そして、Al成分3の分布は、各Fe−50Ni合金粉末1の表面に分かれており、その中央部分の陰が薄いことから、Fe−50Ni合金粉末1の表面のシリコーンオリゴマー層に含まれたアルミナ粉末が、圧粉磁心とした場合でもアルミナ粉末がそのまま含まれた状態で第1の層2aが形成され、当該第1の層2aの外側にシリコーンレジン層に由来する第2の層2bが形成されていると考えられる。なお、図4(c)に示すように、第1の層2aと第2の層2bとでAl成分3の分布が濃い部分と薄い部分があるが、これは無機絶縁粉末付着工程において、アルミナ粉末が均一に分布しなかったことが一つの要因と考えられる。
一方、シリコーンオリゴマーにもシリコーンレジンにも、Si及びO成分が含まれているため、図4(d)及び図4(e)に示すように、第1の層2a及び第2の層2bを問わず、絶縁被覆全体にSi及びOが分布していることが確認できる。但し、第1の層2aにはアルミナ粉末が含まれることから、その分、図4(d)に示すように、Fe−50Ni合金粉末の表面付近においては、陰が薄く、Si成分4の分布が少ないことが確認できる。このため、本発明に係る圧粉磁心は、軟磁性粉末の表面にシリコーンオリゴマー層に由来する第1の層2aと、その外側に設けられたシリコーンレジン層に由来する第2の層2bが形成されているものと考えられる。
図5に、比較例2のSEM写真を示す。当該写真は、圧粉磁心の軟磁性粉末間の境界の写真である。図6は、図5の圧粉磁心の各元素成分を示す写真である。図6(a)は、Fe成分101aを示す写真である。図6(b)は、Si成分104を示す写真である。図6(c)は、Al成分103を示す写真である。図6(d)は、O成分105を示す写真である。
図6(a)から、図5の中央部分の両側がFe−Ni合金粉末101であり、2つの当該粉末101が絶縁被膜を介して隣接していることが分かる。また、図6(c)に示すように、Al成分103が2つの粉末間に介在する絶縁被膜102全体に分布していることが確認できる。これは、Fe−Ni合金粉末101の表面に上記実施例のような第1の層2a及び第2の層2bが形成されず、絶縁層が1層のみ形成されているものと考えられる。このように軟磁性粉末の周囲に1層の絶縁層しか形成されない理由は、軟磁性粉末の表面に形成した層が、分子量が小さくモノマーであるシランカップリング剤により形成されたものであるためと考えられる。すなわち、軟磁性粉末の表面のシランカップリング剤により形成された層の外側にシリコーンレジン層を形成したとしても、熱処理の過程において、分子量の小さいシランカップリング剤の層が熱分解により破壊又は消失されることが要因であると考えられる。この熱処理工程において、シランカップリング剤の層とシリコーンレジン層とが渾然一体となったものと考えられる。
以上のように、本発明の圧粉磁心は、軟磁性粉末の表面にシリコーンオリゴマー層を形成したことで、熱処理工程後でも当該粉末の周囲に2つの絶縁層を形成することが可能となり、この2つの絶縁層を有することで、鉄損の低減及び直流重畳特性の向上を図ることができたものと考えられる。
実施例3〜5及び比較例2、3の、鉄損及び直流重畳特性を表3、及び図2のグラフに示す。表3及び図2に示すように、実施例3〜5の方が、比較例2、3より鉄損が小さいことが確認できる。このことから、軟磁性粉末の表面に無機絶縁粉末を付着させた場合でも、シリコーンオリゴマーを用いた方がシランカップリング剤よりも低鉄損化できることが分かる。また、表2、3から、実施例3〜5の方が、実施例1、2よりも鉄損が小さいことが確認できる。このことから、無機絶縁粉末により熱処理温度を上げることができ、その結果として低鉄損化を図ることができることが分かる。
直流重畳特性は、図2に示すように、実施例3〜5の方が、比較例2より向上していることが分かる。シリコーンオリゴマーを用いたことにより、絶縁被膜が保持されて飽和磁束密度を上げることができたことが要因と考えられる。
[2−3.第3の特性比較(無機絶縁粉末の種類による特性比較)]
第3の特性比較では、無機絶縁粉末の種類を変えて、圧粉磁心の鉄損及び直流重畳特性の比較を行った。具体的には、実施例6、7は、無機絶縁粉末を酸化マグネシウム粉末(MgO)、酸化カルシウム粉末(CaO)として、実施例5の上記工程(2)を下記の工程(2)に代えて行った。
(実施例6)
(2)作製した軟磁性粉末に対して、平均粒子径(D50)が0.5μmの酸化マグネシウム粉末を1.25wt%混合した。
(実施例7)
(2)作製した軟磁性粉末に対して、平均粒子径(D50)が0.6μmの酸化カルシウム粉末を1.5wt%混合した。
実施例6、7の、鉄損及び直流重畳特性を表4及び図2のグラフに示す。表3、4に示すように、無機絶縁粉末が酸化マグネシウム粉末(MgO)又は酸化カルシウム粉末(CaO)である場合も、比較例2、3より鉄損が小さいことから、シリコーンオリゴマーによる低鉄損効果が確認できる。また、実施例6、7よりも実施例5の方が、鉄損が小さいことが分かる。
直流重畳特性は、図2に示すように、実施例6、7でほとんど同様であり、実施例6、7は、比較例2と比べると、各磁界の強さにおいて透磁率の比率が上回っており、直流重畳特性が良好であることが分かる。
[2−4.第4の特性比較(シリコーンオリゴマーの添加量による特性比較)]
第4の特性比較では、実施例5において、シリコーンオリゴマーの添加量を変えて、圧粉磁心の鉄損及び直流重畳特性の比較を行った。実施例8〜12及び比較例4として、シリコーンオリゴマーの添加量が、0.5wt%〜3.5wt%までのものを用意した。
表5に、実施例5、8〜12及び比較例4におけるシリコーンオリゴマーの添加量と、鉄損との関係を示す。図8に、実施例5、8〜12の直流重畳特性の結果を示す。
表5に示すように、シリコーンオリゴマーの添加量が0.75wt%〜3.5w%の範囲で鉄損が低減することが分かった。シリコーンオリゴマーの添加量が0.75wt%未満であると、鉄損が増加していることが分かる。これは、軟磁性粉末の絶縁層が絶縁被膜として機能せず、渦電流損失が増加することが要因と考えられる。シリコーンオリゴマーの添加量が3.0wt%超でも鉄損が低減するが、3.0wt%より多いと成形体の成形性が悪化し、また、透磁率が低下する。
図7に示すように、実施例5、8〜12は、各磁界の強さにおいて、比較例2よりも上回っており、直流重畳特性が向上していることが分かる。その中でも、実施例10、11が、直流重畳特性が格段に向上しており、シリコーンオリゴマーの添加量が2wt%〜3wt%の範囲で良好な結果を得ていることが分かる。
[2−5.第5の特性比較(シリコーンオリゴマーの乾燥温度による特性比較)]
第5の特性比較では、シリコーンオリゴマーの乾燥温度を変えて、圧粉磁心の鉄損及び直流重畳特性の比較を行った。実施例13〜15及び比較例5、6として、実施例5とシリコーンオリゴマーの乾燥温度以外を同じにして、シリコーンオリゴマーの乾燥温度を、50℃〜450℃までのものを用意した。
表6に、シリコーンオリゴマーの乾燥温度と、鉄損との関係を示す。図8に、実施例5、13〜15の直流重畳特性を示す。なお、図8に比較例5、6の直流重畳特性は示していない。比較例5、6は鉄損が大きく、直流重畳特性を得るための有効な透磁率が得られなかったためである。
表6に示すように、シリコーンオリゴマーの乾燥温度が100℃〜400℃の範囲で鉄損が低減することが分かった。シリコーンオリゴマーの乾燥温度が100℃未満であると、シリコーンオリゴマー層の形成が不完全となり、渦電流損失が高くなると考えられる。一方、シリコーンオリゴマーの乾燥温度が400℃超であると、軟磁性粉末が酸化することによりヒステリシス損失が高くなり、成形体の密度及び透磁率が低下すると考えられる。
図8に示すように、実施例5、13〜15は、各磁界の強さにおいて、比較例2よりも上回っており、直流重畳特性が向上していることが分かる。その中でも、実施例14が最も直流重畳特性が向上していることが確認できる。
[2−6.第6の特性比較(シリコーンオリゴマーの種類の違いによる特性比較)]
第6の特性比較では、Fe−Ni合金粉末に添加するシリコーンオリゴマーの種類を変えて圧粉磁心の鉄損及び直流重畳特性の比較を行った。実施例16〜19として、シリコーンオリゴマーの種類以外の工程を実施例5と同じにして、シリコーンオリゴマーの種類を表1のシリコーンオリゴマーB〜Eの通りとした。
実施例5、16〜19の、鉄損及び直流重畳特性を表7及び図2のグラフに示す。表3、7に示すように、シリコーンオリゴマーA〜Eは、比較例2、3と比べて低鉄損であることが分かった。特に、シリコーンオリゴマーEが最も低鉄損であることが分かった。また、図2に示すように、シリコーンオリゴマーA〜Eは、比較例2と比べて各磁界の強さにおいて直流重畳特性が良好であることが分かった。特に、シリコーンオリゴマーA〜Dが格段に良好であり、その中でもシリコーンオリゴマーDが最も直流重畳特性が良好であることが分かった。
[他の実施形態]
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1 Fe−50Ni合金粉末
1a Fe成分
1b Ni成分
2 絶縁被覆
2a 第1の層
2b 第2の層
3 Al成分
4 Si成分
5 O成分

Claims (11)

  1. Fe−Ni合金粉末と、
    前記Fe−Ni合金粉末の周囲に設けられた絶縁層と、
    を備え、
    前記絶縁層は、
    前記Fe−Ni合金粉末の表面に設けられたケイ素を含む第1の層と、
    前記第1の層の表面に設けられたケイ素を含む第2の層と、
    を備えたことを特徴とする圧粉磁心。
  2. 前記第1の層には、無機絶縁粉末が含有されていることを特徴とする請求項1に記載の圧粉磁心。
  3. 前記無機絶縁粉末は、酸化アルミニウム粉末、酸化マグネシウム粉末、酸化カルシウム粉末、酸化チタン粉末、又は酸化ジルコニウム粉末を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧粉磁心。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧粉磁心にコイルが巻回されたことを特徴とするリアクトル。
  5. Fe−Ni合金粉末と、
    前記Fe−Ni合金粉末の表面を覆う絶縁被覆と、
    を有し、
    前記絶縁被覆が、
    前記軟磁性粉末の外側を被覆するシリコーンオリゴマー層と、
    前記シリコーンオリゴマー層の外側に形成されたシリコーンレジン層と、
    からなること、
    を特徴とする軟磁性材料。
  6. Fe−Ni合金粉末にシリコーンオリゴマーを混合し、乾燥させ、シリコーンオリゴマー層を形成するシリコーンオリゴマー形成層工程と、
    前記シリコーンオリゴマー層が形成された前記Fe−Ni合金粉末にシリコーンレジンを混合し、乾燥させ、シリコーンレジン層を形成するシリコーンレジン層工程と、
    前記各工程を経た前記Fe−Ni合金粉末を、加圧成形処理して成形体を作製する成形工程と、
    前記成形工程を経た成形体を650℃以上で熱処理する熱処理工程と、
    を有し、
    前記シリコーンオリゴマーの添加量が前記Fe−Ni合金粉末に対して0.75〜3.5wt%であることを特徴とする圧粉磁心の製造方法。
  7. 前記シリコーンオリゴマーの乾燥温度が100℃〜400℃であることを特徴とする請求項6に記載の圧粉磁心の製造方法。
  8. 前記シリコーンオリゴマーが、メチル系またはメチルフェニル系のシリコーンオリゴマーであることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の圧粉磁心の製造方法。
  9. 前記シリコーンオリゴマーは、分子量が100〜4000であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の圧粉磁心の製造方法。
  10. 前記シリコーンオリゴマー層形成工程において、前記シリコーンオリゴマーを混合する前記Fe−Ni合金粉末は、その表面に無機絶縁粉末が付着されたことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の圧粉磁心の製造方法。
  11. 前記無機絶縁粉末は、酸化アルミニウム粉末、酸化マグネシウム粉末、酸化カルシウム粉末、酸化チタン粉末、又は酸化ジルコニウム粉末を含むこと特徴とする請求項10に記載の圧粉磁心の製造方法。
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